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特許7540123介護記録作成システム、介護記録作成方法、診療記録作成システム、診療記録作成方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】介護記録作成システム、介護記録作成方法、診療記録作成システム、診療記録作成方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20240101AFI20240820BHJP
   A61G 12/00 20060101ALI20240820BHJP
   G16H 10/60 20180101ALI20240820BHJP
【FI】
G06Q50/22
A61G12/00 Z
G16H10/60
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020061348
(22)【出願日】2020-03-30
(65)【公開番号】P2021162927
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】513302477
【氏名又は名称】エコナビスタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【弁理士】
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 勇気
(72)【発明者】
【氏名】川又 大祐
(72)【発明者】
【氏名】川田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 君人
(72)【発明者】
【氏名】安田 輝訓
(72)【発明者】
【氏名】野村 和弘
【審査官】鹿谷 真紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-018525(JP,A)
【文献】特開2016-032500(JP,A)
【文献】国際公開第2018/142451(WO,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2009-0019152(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
A61G 12/00
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被介護者の行動又は状態を感知する複数のセンサと、
前記複数のセンサから得られたセンシング情報の組み合わせを、当該センシング情報の組み合わせに対して記憶された前記被介護者の行動を示す介護記録ワードに変換する変換手段と、
前記変換手段により変換された前記介護記録ワードを、介護記録に文字情報として記録する記録手段と
を備えたことを特徴とする介護記録作成システム。
【請求項2】
前記センサから得られた音声及び/又は映像を前記センシング情報として記憶する音声映像記憶手段を更に備え、
前記記録手段は、前記音声映像記憶手段に記憶された音声及び/又は映像を再生するための情報を前記文字情報に付加して記録することを特徴とする請求項1に記載の介護記録作成システム。
【請求項3】
前記被介護者の行動の監視に役立つ音声及び/又は映像の特徴量である監視特徴量を記憶する監視特徴量記憶手段を更に備え、
前記音声映像記憶手段は、前記センサから得られた音声及び/又は映像の中から、前記監視特徴量記憶手段に記憶された前記監視特徴量に関連するものを記憶することを特徴とする請求項2に記載の介護記録作成システム。
【請求項4】
前記複数のセンサの何れかは、介護者の行動又は状態を更に感知することを特徴とする請求項1に記載の介護記録作成システム。
【請求項5】
被介護者の行動又は状態のセンシング情報の組み合わせを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記センシング情報の組み合わせを、当該センシング情報の組み合わせに対して記憶された前記被介護者の行動を示す介護記録ワードに変換する変換手段と、
前記変換手段により変換された前記介護記録ワードを、介護記録に文字情報として記録する記録手段と
を備えたことを特徴とする介護記録作成システム。
【請求項6】
複数のセンサが、被介護者の行動又は状態を感知するステップと、
コンピュータが、前記複数のセンサから得られたセンシング情報の組み合わせを、当該センシング情報の組み合わせに対して記憶された前記被介護者の行動を示す介護記録ワードに変換するステップと、
コンピュータが、変換された前記介護記録ワードを、介護記録に文字情報として記録するステップと
を含むことを特徴とする介護記録作成方法。
【請求項7】
コンピュータに、
被介護者の行動又は状態のセンシング情報の組み合わせを取得する機能と、
取得された前記センシング情報の組み合わせを、当該センシング情報の組み合わせに対して記憶された前記被介護者の行動を示す介護記録ワードに変換する機能と、
変換された前記介護記録ワードを、介護記録に文字情報として記録する機能とを実現させるためのプログラム。
【請求項8】
被診療者の行動又は状態を感知する複数のセンサと、
前記複数のセンサから得られたセンシング情報の組み合わせを、当該センシング情報の組み合わせに対して記憶された前記被診療者の行動を示す診療記録ワードに変換する変換手段と、
前記変換手段により変換された前記診療記録ワードを、診療記録に文字情報として記録する記録手段と
を備えたことを特徴とする診療記録作成システム。
【請求項9】
被診療者の行動又は状態のセンシング情報の組み合わせを取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記センシング情報の組み合わせを、当該センシング情報の組み合わせに対して記憶された前記被診療者の行動を示す診療記録ワードに変換する変換手段と、
前記変換手段により変換された前記診療記録ワードを、診療記録に文字情報として記録する記録手段と
を備えたことを特徴とする診療記録作成システム。
【請求項10】
複数のセンサが、被診療者の行動又は状態を感知するステップと、
コンピュータが、前記複数のセンサから得られたセンシング情報の組み合わせを、当該センシング情報の組み合わせに対して記憶された前記被診療者の行動を示す診療記録ワードに変換するステップと、
コンピュータが、変換された前記診療記録ワードを、診療記録に文字情報として記録するステップと
を含むことを特徴とする診療記録作成方法。
【請求項11】
コンピュータに、
被診療者の行動又は状態のセンシング情報の組み合わせを取得する機能と、
取得された前記センシング情報の組み合わせを、当該センシング情報の組み合わせに対して記憶された前記被診療者の行動を示す診療記録ワードに変換する機能と、
変換された前記診療記録ワードを、診療記録に文字情報として記録する機能とを実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、介護記録作成システム、介護記録作成方法、診療記録作成システム、診療記録作成方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、看介護記録を付ける際における手間をより低減できる被監視者監視システムを提供するために、管理サーバ装置SVaは、被監視者Obに対応して設けられたセンサ装置SUで検知された、被監視者Obに関わる所定のイベントを管理して端末装置SP、TAに通知する装置であって、看護および介護のうちの少なくとも一方を含む看介護の内容を看介護記録として入力するための記録書式を、それを要求した端末装置SP、TAへ送信し、さらに、記録書式に看介護記録として入力される看介護の内容の候補である入力データ候補を、端末装置SP、TAへ送信している。
【0003】
尚、センサ装置SUとしては、被監視者Obを上方(好ましくは直上(例えば天井))から撮像して画像を生成する画像センサ(例えば可視カメラや近赤外カメラ等)が例示されている([0037])。
【0004】
所定の行動としては、例えば、被監視者Obが寝具に入った入床、被監視者Obが起きた起床、被監視者Obが寝具から離れた離床、および、被監視者Obが倒れた転倒の4つの行動が例示されている([0038])。
【0005】
例えば看護師や介護士等のユーザ(監視者)が、入力したい入力内容を表示した表示位置を触れると、位置入力デバイスによってその位置が検出され、検出された位置に表示された表示内容がユーザの操作入力内容として携帯端末装置TAに入力される([0070])。
【0006】
特許文献2では、介護者に余計な手間を強いることなく、記憶に頼らない正確な介護記録を実現するために、介護者の音声を取得し、音声認識を行い、キーワードを認識し、キーワードの前または後の言葉を介護状況情報として出力し、介護記録を作成している([0049])。その際、音声情報と位置情報を用いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2018-38501号公報
【文献】特開2019-8656号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
被介護者は、老人福祉施設や病院等の施設に入所し、又は在宅にて訪問介護等を利用し、介護を受けている。この介護を行う介護職員は、例えば交替する介護職員へ伝達するためや、より適したケアを被介護者に提供するためなど、例えば介護職員間における情報共有の目的で、一般に介護記録を記載している。
【0009】
しかしながら、介護記録の記載は、介護職員にとって負担が大きい。即ち、例えば、日々の業務に追われていて記録を書く時間がなく、書こうとすると、残業時間が増大してしまう。また、一般的に業務が多忙であり、記入漏れや記入ミスが多くなる、といった問題が生じている。このような介護記録を効率化するために、各社から、各種のシステムが提案されているが、介護職員等の介護従事者は、所謂ITリテラシーが必ずしも高いとは言えず、提供される各種システムを十分に使いこなすことができないという現実がある。
【0010】
また、特許文献1では、「看介護記録を付ける際における手間を低減する」との課題は同様であるものの、その実施態様は、介護従事者が携帯端末装置を用いて各種情報をボタン操作、記録書式入力等で実施するものであり、介護従事者がその操作を熟知することが難しく、介護記録に関わる処理を実際には軽減できるものではない。
【0011】
また、同様の課題は、介護分野だけでなく診療分野にも存在する。
【0012】
本発明は、本構成を採用しない態様に比べて、例えば携帯端末装置等の各種IT機器を使いこなせない介護従事者又は診療従事者であっても、介護記録記入又は診療記録記入への関わりによる負担を増大させないことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
かかる目的のもと、本発明は、被介護者の行動又は状態を感知するセンサと、センサから得られたセンシング情報を介護記録に用いられる情報に変換する変換手段と、変換手段により変換された情報を、介護記録に文字情報として記録する記録手段とを備えた介護記録作成システムを提供する。
【0014】
介護記録作成システムは、センサを複数、備え、変換手段は、複数のセンサから得られたセンシング情報の組み合わせを分析して変換する、ものであってもよい。
【0015】
介護記録作成システムは、センサから得られた音声及び/又は映像をセンシング情報として記憶する音声映像記憶手段を更に備え、記録手段は、音声映像記憶手段に記憶された音声及び/又は映像を再生するための情報を文字情報に付加して記録する、ものであってよい。その場合、被介護者の行動の監視に役立つ音声及び/又は映像の特徴量である監視特徴量を記憶する監視特徴量記憶手段を更に備え、音声映像記憶手段は、センサから得られた音声及び/又は映像の中から、監視特徴量記憶手段に記憶された監視特徴量に関連するものを記憶する、ものであってよい。
【0016】
介護記録作成システムは、センサを複数、備え、複数のセンサの何れかは、介護者の行動又は状態を更に感知する、ものであってもよい。
【0017】
また、本発明は、被介護者の行動又は状態のセンシング情報を取得する取得手段と、取得手段により取得されたセンシング情報を介護記録に用いられる情報に変換する変換手段と、変換手段により変換された情報を、介護記録に文字情報として記録する記録手段とを備えた介護記録作成システムも提供する。
【0018】
更に、本発明は、センサにより被介護者の行動又は状態を感知するステップと、センサから得られたセンシング情報を介護記録に用いられる情報に変換するステップと、変換された情報を、介護記録に文字情報として記録するステップとを含む介護記録作成方法も提供する。
【0019】
更にまた、本発明は、コンピュータに、被介護者の行動又は状態のセンシング情報を取得する機能と、取得されたセンシング情報を介護記録に用いられる情報に変換する機能と、変換された情報を、介護記録に文字情報として記録する機能とを実現させるためのプログラムも提供する。
【0020】
或いは、本発明は、被診療者の行動又は状態を感知するセンサと、センサから得られたセンシング情報を診療記録に用いられる情報に変換する変換手段と、変換手段により変換された情報を、診療記録に文字情報として記録する記録手段とを備えた診療記録作成システムを提供する。
【0021】
また、本発明は、被診療者の行動又は状態のセンシング情報を取得する取得手段と、取得手段により取得されたセンシング情報を診療記録に用いられる情報に変換する変換手段と、変換手段により変換された情報を、診療記録に文字情報として記録する記録手段とを備えた診療記録作成システムも提供する。
【0022】
更に、本発明は、センサにより被診療者の行動又は状態を感知するステップと、センサから得られたセンシング情報を診療記録に用いられる情報に変換するステップと、変換された情報を、診療記録に文字情報として記録するステップとを含む診療記録作成方法も提供する。
【0023】
更にまた、本発明は、コンピュータに、被診療者の行動又は状態のセンシング情報を取得する機能と、取得されたセンシング情報を診療記録に用いられる情報に変換する機能と、変換された情報を、診療記録に文字情報として記録する機能とを実現させるためのプログラムも提供する。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、本構成を採用しない態様に比べて、例えば携帯端末装置等の各種IT機器を使いこなせない介護従事者又は診療従事者であっても、介護記録記入又は診療記録記入への関わりによる負担を増大させないようにできる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施の形態における介護支援システムの全体構成例を示した図である。
図2】本発明の実施の形態におけるロボットのハードウェア構成例を示した図である。
図3】本発明の実施の形態における介護支援サーバのハードウェア構成例を示した図である。
図4】本発明の実施の形態における介護支援サーバの機能構成例を示したブロック図である。
図5】本発明の実施の形態における介護支援サーバの変換規則記憶部に記憶された変換規則の一例を示した図である。
図6】本発明の実施の形態における介護支援サーバの情報変換部の動作例を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0027】
[介護支援システムの全体構成]
図1は、本実施の形態における介護支援システム1の全体構成例を示した図である。図示するように、この介護支援システム1は、センサ10a,10b,10cと、ロボット20と、端末装置30と、介護支援サーバ40とが通信回線80に接続されることにより構成されている。尚、図では、センサ10a,10b,10cを示したが、これらを区別しない場合はセンサ10と称することもある。センサ10は3つ示したが、2つ以下しか存在しなくても4つ以上存在してもよい。ロボット20及び端末装置30は、1つずつしか示していないが、複数存在してもよい。また、通信回線80は、例えばインターネットとすればよい。
【0028】
センサ10は、被介護者が入所している老人福祉施設や病院等の施設や、被介護者が訪問介護を受けている自宅に設置され、被介護者の行動又は状態を感知する。例えば、マイクセンサ、カメラセンサ、ベッドセンサ、ドアセンサ、人感センサ等がこれに該当する。また、センサ10は、被介護者の周囲の状態を感知するものであってもよい。例えば、温度センサ、湿度センサ等がこれに該当する。センサ10は、施設内や自宅内の複数の場所に設置されていてよい。また、センサ10のうち、マイクセンサ、カメラセンサ、温度センサ等は、ロボット20の中に設置されることもあるが、以下では、センサ10がロボット20の中に設置されているかロボット20の外に設置されているかを限定せずに説明する。センサ10は、被介護者の行動又は状態や被介護者の周囲の状態のセンシングの結果を示す情報(以下、「センシング情報」という)を、通信回線80を介して介護支援サーバ40へ送信する。以下では、こうすることにより介護支援サーバ40がセンシング情報を処理する場合を例にとって説明するが、センサ10内でセンシング情報を処理するエッジ処理を行うようにしてもよい。
【0029】
ロボット20は、被介護者が入所している老人福祉施設や病院等の施設や、被介護者が訪問介護を受けている自宅において、被介護者との対話を行う。具体的には、ロボット20は、被介護者又は介護支援サーバ40からの指示により発話を行ったり、周囲の状況に応じて自律的に発話を行ったりして、この発話に基づき被介護者との対話を行う。この意味で、ロボット20は、被介護者との対話を行う対話装置の一例である。また、ロボット20は、介護支援サーバ40からの指示により又は周囲の状況に応じて、被介護者の介護をサポートする動作を行ってもよい。尚、ロボット20は、例えば、ぬいぐるみのような外観を有していることが、被介護者にとって親しみがわくという観点からは好ましい。
【0030】
端末装置30は、介護従事者によって使用される。具体的には、端末装置30は、介護支援サーバ40から受信した情報を介護従事者に対して表示したり、介護従事者が入力した情報を介護支援サーバ40へ送信したりする。ここで、介護従事者とは、被介護者の状況に応じたケアプランを作成するケアマネージャや、被介護者に実際に接してケアプランに従い介護サービスを提供する介護職員である。介護職員とは、老人福祉施設等の施設で介護サービスを提供する福祉施設介護員や、被介護者の自宅等を訪問して介護サービスを提供する訪問介護員である。また、介護従事者には、被介護者の介護に従事する家族等を含めてもよい。本明細書では、介護従事者を介護者と表記することもある。尚、端末装置30は、例えば、PC(Personal Computer)であってよい。
【0031】
介護支援サーバ40は、センサ10から受信したセンシング情報に基づいて、介護従事者が被介護者に介護サービスを提供する際の様々な支援を行う。介護支援サーバ40の機能及び動作の詳細については、後述する。
【0032】
[ロボットのハードウェア構成]
図2は、ロボット20のハードウェア構成例を示した図である。図示するように、ロボット20は、装置全体の動作を制御する制御ユニット21と、データ等を記憶する外部記憶媒体装置22と、無線通信の規格に準拠する各種の通信インターフェース23と、音が入力される音入力デバイス24と、音が出力される音出力デバイス25とを備えている。
【0033】
制御ユニット21は、CPU(Central Processing Unit)211と、ファームウェアやBIOS(Basic Input Output System)等が記憶されたROM(Read Only Memory)212と、ワークエリアとして用いられるRAM(Random Access Memory)213とを有している。CPU211はマルチコアでもよい。また、ROM212は、書き換え可能な不揮発性の半導体メモリでもよい。
【0034】
外部記憶媒体装置22は、円盤状の基板表面に磁性体を塗布した不揮発性の記憶媒体にデータを読み書きする装置である。不揮発性の記憶媒体は、半導体メモリ等でもよい。通信インターフェース23は、例えば介護支援サーバ40との接続に使用されるインターフェースである。音入力デバイス24は、例えばマイクロフォンであり、音出力デバイス25は、例えばスピーカである。
【0035】
制御ユニット21と、外部記憶媒体装置22と、通信インターフェース23と、音入力デバイス24と、音出力デバイス25とは、バス29や不図示の信号線を通じて接続されている。
【0036】
[介護支援サーバ及び端末装置のハードウェア構成]
図3は、介護支援サーバ40のハードウェア構成例を示した図である。図示するように、介護支援サーバ40は、装置全体の動作を制御する制御ユニット41と、データ等を記憶する外部記憶媒体装置42と、LAN(Local Area Network)ケーブル等を介した通信を実現する通信インターフェース43と、情報が入力される入力デバイス44と、情報が表示される表示デバイス45とを備えている。
【0037】
制御ユニット41は、CPU411と、基本ソフトウェアやBIOS等が記憶されたROM412と、ワークエリアとして用いられるRAM413とを有している。CPU411はマルチコアでもよい。また、ROM412は、書き換え可能な不揮発性の半導体メモリでもよい。制御ユニット41は、所謂コンピュータである。
【0038】
外部記憶媒体装置42は、円盤状の基板表面に磁性体を塗布した不揮発性の記憶媒体にデータを読み書きする装置である。不揮発性の記憶媒体は、半導体メモリ等でもよい。通信インターフェース43は、他の装置との接続に使用されるインターフェースである。入力デバイス44は、例えばキーボード、マウス、タッチパネルであり、表示デバイス45は、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイである。
【0039】
制御ユニット41と、外部記憶媒体装置42と、通信インターフェース43と、入力デバイス44と、表示デバイス45とは、バス49や不図示の信号線を通じて接続されている。
【0040】
また、図3に示したハードウェア構成例は、端末装置30のハードウェア構成例として捉えることもできる。但し、端末装置30について述べるときは、図3の制御ユニット41、CPU411、ROM412、ROM413、外部記憶媒体装置42、通信インターフェース43、入力デバイス44、表示デバイス45をそれぞれ、制御ユニット31、CPU311、ROM312、ROM313、外部記憶媒体装置32、通信インターフェース33、入力デバイス34、表示デバイス35と表記するものとする。
【0041】
[介護支援サーバの機能構成]
図4は、本実施の形態における介護記録作成システムの一例としての介護支援サーバ40の機能構成例を示したブロック図である。図示するように、本実施の形態における介護支援サーバ40は、センシング情報取得部51と、センシング情報記憶部52と、変換規則記憶部53と、情報変換部54と、介護記録作成部55と、介護記録記憶部56と、音声映像記憶部57と、受信部58と、送信部59とを備えている。
【0042】
センシング情報取得部51は、各センサ10から、センシング情報と、センシング情報が得られた時刻とを取得する。本実施の形態では、センサからセンシング情報を取得する取得手段の一例として、センシング情報取得部51を設けている。
【0043】
センシング情報記憶部52は、センシング情報取得部51が取得したセンシング情報と時刻とを記憶する。
【0044】
変換規則記憶部53は、センシング情報記憶部52に記憶されたセンシング情報を介護記録に用いられるワード(以下、「介護記録ワード」という)に変換するための変換規則を記憶する。また、変換規則記憶部53は、センシング情報記憶部52に記憶されたセンシング情報がマイクセンサから得られた音声やカメラセンサから得られた映像である場合に、その音声や映像のうち、音声映像記憶部57に記憶して後で再生可能とする部分を抽出するための規則も変換規則に含めて記憶する。
【0045】
情報変換部54は、センシング情報記憶部52に記憶された複数のセンサ10からのセンシング情報を、変換規則記憶部53に記憶された変換規則に基づいて介護記録ワードに変換する。特に、後述するように変換規則記憶部53に複数のセンサ10から得られるセンシング情報の組み合わせに対して介護記録ワードが記憶されている場合は、センシング情報の組み合わせを分析して介護記録ワードに変換する。そして、時刻と介護記録ワードとを対応付けることにより、介護記録情報を生成する。本実施の形態では、介護記録に用いられる情報の一例として、介護記録ワードを用いており、センシング情報を介護記録に用いられる情報に変換する変換手段の一例として、情報変換部54を設けている。また、複数のセンサから得られたセンシング情報の組み合わせを分析して変換する変換手段の一例として、情報変換部54を設けている。また、情報変換部54は、センシング情報記憶部52に記憶されたセンシング情報がマイクセンサから得られた音声やカメラセンサから得られた映像である場合に、その音声や映像のうち後で再生する部分を、変換規則記憶部53に記憶された変換規則に基づいて抽出する。そして、介護記録情報において、その部分が再生可能であることを示す再生マークを更に対応付ける。
【0046】
介護記録作成部55は、情報変換部54が生成した介護記録情報に含まれる時刻とセンシング情報とを定型文書に埋め込むことにより介護記録を作成する。また、情報変換部54が生成した介護記録情報に含まれる再生マークを介護記録に付加する。本実施の形態では、変換手段により変換された情報を介護記録に文字情報として記録する記録手段の一例として、介護記録作成部55を設けている。また、音声及び/又は映像を再生するための情報の一例として、再生マークを用いており、音声及び/又は映像を再生するための情報を文字情報に付加して記録する記録手段の一例として、介護記録作成部55を設けている。
【0047】
介護記録記憶部56は、介護記録作成部55が作成した介護記録を記憶する。
【0048】
音声映像記憶部57は、情報変換部54が抽出した音声や映像の部分を、後で再生するために記憶する。本実施の形態では、センサから得られた音声及び/又は映像を記憶する音声映像記憶手段の一例として、音声映像記憶部57を設けている。また、センサから得られた音声及び/又は映像の中から、監視特徴量に関連するものを記憶する音声映像記憶手段の一例として、音声映像記憶部57を設けている。
【0049】
受信部58は、介護記録記憶部56に記憶された介護記録の閲覧要求を端末装置30から受信する。また、介護記録に付加された再生マークにより音声や映像の再生要求を行うことが可能な場合、受信部58は、介護記録上でなされた音声や映像の再生要求を端末装置30から受信する。
【0050】
送信部59は、受信部58が介護記録の閲覧要求を受信すると、介護記録記憶部56に記憶された閲覧対象の介護記録を端末装置30へ送信する。また、介護記録に付加された再生マークにより音声や映像の再生要求を行うことが可能な場合、送信部59は、受信部58が音声や映像の再生要求を受信すると、音声映像記憶部57に記憶された再生対象の音楽や映像を端末装置30へ送信する。
【0051】
図5は、変換規則記憶部53に記憶された変換規則の一例を示した図である。図示するように、変換規則は、変換規則IDと、センサ特徴情報と、センサ条件と、再生フラグと、介護記録ワードとを対応付けたものとなっている。
【0052】
変換規則IDは、変換規則を一意に識別する情報である。図では、変換規則IDを数字としたが、アルファベット等の文字を含んでいてもよい。
【0053】
センサ特徴情報は、センサ10から得られるセンシング情報に関する特徴情報である。センサ特徴情報は、センサ10ごと又はセンサ10の組み合わせごとに設定している。具体的には、センサ10の1つであるマイクセンサをS1、センサ10の1つであるカメラセンサをS2と表記し、これらのセンサ10に対しては音声又は映像の特徴量を設定している。ここで、音声又は映像の特徴量とは、音声又は映像の特徴を顕著に示すデータ量のことである。そして、これらのセンサ10については、センシング情報がセンサ特徴情報を満足するかどうかは、センシング情報が音声又は映像の特徴量に類似するかどうかによって判定される。また、センサ10の1つであるベッドセンサをS3、センサ10の1つである部屋内の人感センサをS4、センサ10の1つであるドアセンサをS5、センサ10の1つである部屋外の人感センサをS6、センサ10の1つであるトイレ入口の人感センサをS7と表記し、これらのセンサ10に対してはセンサ10の「ON」「OFF」に関する条件を設定している。そして、これらのセンサ10については、センシング情報がセンサ特徴情報を満足するかどうかは、センシング情報が「ON」「OFF」に関する条件を満たすかどうかによって判定される。但し、図のような設定方法は、あくまで一例であり、同じ意味を表すものであれば、如何なる設定方法を用いてもよい。
【0054】
センサ条件は、センサ特徴情報に関する条件である。センサ条件として、ここでは、複数のセンサ10が順に「ON」になる場合の最初のセンサ10が「ON」になってから最後のセンサ10が「ON」になるまでの時間に関する条件を例にとっている。但し、このような条件はあくまで一例であり、如何なる条件を設定してもよい。例えば、センサ10による検知の傾向等に関する条件を設定してもよい。
【0055】
再生フラグは、特にセンシング情報が音声や映像である場合に、その音声や映像を後で聞き返したり見返したりする可能性があることを示すフラグである。
【0056】
介護記録ワードは、センサ10から得られたセンシング情報が、対応するセンサ特徴情報を満足する場合や、これに加えて対応するセンサ条件を満足する場合に、介護記録に記載すべきワードである。
【0057】
ここで、図5に示した個々の変換規則の意味について説明する。
【0058】
変換規則ID「1」の変換規則は、ベッドセンサが「OFF」になった場合に、介護記録に「ベッドから起き上がった」と記載すべきことを示している。尚、ここでは、ベッドセンサとして、ベッドのマットレスの上の肩から腰辺りにセンサパッドを敷いて、体重がセンサパッドにかかると「ON」になり、体重がセンサパッドにかからなくなると「OFF」になるものを想定している。
【0059】
変換規則ID「2」の変換規則は、部屋内の人感センサが「ON」になり、その後、ドアセンサが「ON」になり、その後、部屋外の人感センサが「ON」になった場合に、介護記録に「部屋から出た」と記載すべきことを示している。
【0060】
変換規則ID「3」の変換規則は、部屋内の人感センサが「ON」になり、その後、ドアセンサが「ON」になり、その後、トイレ入口の人感センサが「ON」になり、その後、ドアセンサが再び「ON」になり、その後、部屋内の人感センサが再び「ON」になった場合に、部屋内の人感センサの最初の「ON」から最後の「ON」までの時間がT以上であれば、介護記録に「トイレに行った(大便)」と記載すべきことを示している。
【0061】
変換規則ID「4」の変換規則は、部屋内の人感センサが「ON」になり、その後、ドアセンサが「ON」になり、その後、トイレ入口の人感センサが「ON」になり、その後、ドアセンサが再び「ON」になり、その後、部屋内の人感センサが再び「ON」になった場合に、部屋内の人感センサの最初の「ON」から最後の「ON」までの時間がT未満であれば、介護記録に「トイレに行った(小便)」と記載すべきことを示している。
【0062】
変換規則ID「5」の変換規則は、マイクセンサから得られた音声が特徴量A5に類似するものであった場合、又は、カメラセンサから得られた映像が特徴量V5に類似するものであった場合に、介護記録に「くしゃみをした」と記載し、その音声又は映像は音声映像記憶部57に記憶されて後で再生可能であることを示す再生マークを付加すべきことを示している。ここで、特徴量A5は、例えば、くしゃみをした際に生ずる音の特徴を表すデータとし、特徴量V5は、例えば、くしゃみをした際の動きの特徴を表すデータとする。これらの特徴量は、被介護者の行動の監視に役立つ音声及び/又は映像の特徴量である監視特徴量の一例であり、変換規則記憶部53のこの変換規則を記憶した部分は、監視特徴量を記憶する監視特徴量記憶手段の一例である。
【0063】
変換規則ID「6」の変換規則は、マイクセンサから得られた音声が特徴量A6に類似するものであった場合、又は、カメラセンサから得られた映像が特徴量V6に類似するものであった場合に、介護記録に「ころんだ」と記載し、その音声又は映像は音声映像記憶部57に記憶されて後で再生可能であることを示す再生マークを付加すべきことを示している。ここで、特徴量A6は、例えば、人がころんだ際に生ずる音の特徴を表すデータとし、特徴量V5は、例えば、人がころんだ際の動きの特徴を表すデータとする。これらの特徴量は、被介護者の行動の監視に役立つ音声及び/又は映像の特徴量である監視特徴量の一例であり、変換規則記憶部53のこの変換規則を記憶した部分は、監視特徴量を記憶する監視特徴量記憶手段の一例である。
【0064】
変換規則ID「7」の変換規則は、マイクセンサから得られた音声が、最初、特徴量A71に類似するものであり、その後、特徴量A72に類似するものとなった場合、又は、カメラセンサから得られた映像が、最初、特徴量V71に類似するものであり、その後、特徴量V72に類似するものとなった場合に、介護記録に「食事をした」と記載すべきことを示している。ここで、特徴量A71は、例えば、人が食事を始める際に生ずる音の特徴を表すデータとし、特徴量A72は、例えば、人が食事を終えた後に生ずる音の特徴を表すデータとし、特徴量V71は、例えば、人が食事を始める際の動きの特徴を表すデータとし、特徴量V72は、例えば、人が食事を終えた後の動きの特徴を表すデータとする。
【0065】
[介護支援サーバの動作]
介護支援サーバ40では、まず、センシング情報取得部51が各センサ10からセンシング情報を取得し、センシング情報とこれを取得した時刻とをセンシング情報記憶部52に記憶する。
【0066】
次に、情報変換部54が、センシング情報記憶部52に記憶されたセンシング情報を用いて介護記録情報を生成する。
【0067】
図6は、このときの情報変換部54の動作例を示したフローチャートである。
【0068】
図示するように、情報変換部54は、まず、センシング情報記憶部52から時刻及びセンシング情報を読み出す(ステップ501)。例えば、情報変換部54は、時刻及びセンシング情報を時刻順に読み出すとよい。
【0069】
次に、情報変換部54は、変換規則記憶部53に記憶された変換規則におけるセンサ特徴情報の中に、ステップ501で読み出したセンシング情報が満足するセンサ特徴情報があるかどうかを判定する(ステップ502)。例えば、図5の変換規則ID「2」、「3」、「4」、「7」の変換規則のように、センサ特徴情報が複数の時刻に跨る特徴量や条件を含む場合は、センシング情報が最も遅い時刻の特徴量や条件を満足するか評価し、満足していれば、時刻を遡ってそれよりも早い時刻の特徴量や条件を満足するか評価することにより、センシング情報がセンサ特徴情報を満足するかどうかを判定すればよい。但し、このような判定方法はあくまで一例であり、如何なる判定方法を用いてもよい。
【0070】
ステップ502でセンシング情報が満足するセンサ特徴情報があると判定すれば、情報変換部54は、そのセンサ特徴情報に対してセンサ条件が設定されているかどうかを判定する(ステップ503)。
【0071】
ステップ503でそのセンサ特徴情報に対してセンサ条件が設定されていると判定すれば、情報変換部54は、そのセンサ条件の中に、ステップ501で読み出したセンシング情報が満足するセンサ条件があるかどうかを判定する(ステップ504)。
【0072】
ステップ504でセンシング情報が満足するセンサ条件があると判定すれば、情報変換部54は、ステップ502でセンシング情報が満足すると判定したセンサ特徴情報及びここでセンシング情報が満足すると判定したセンサ条件に対して設定された介護記録ワードを取得する(ステップ505)。
【0073】
一方、ステップ503でそのセンサ特徴情報に対してセンサ条件が設定されていると判定しなければ、情報変換部54は、ステップ502でセンシング情報が満足すると判定したセンサ特徴情報に対して設定された介護記録ワードを取得する(ステップ506)。
【0074】
その後、情報変換部54は、ステップ501で読み出した時刻と、ステップ505又はステップ506で取得した介護記録ワードとを対応付けて、介護記録情報を生成する(ステップ507)。
【0075】
次いで、情報変換部54は、ステップ502でセンシング情報が満足すると判定したセンサ特徴情報に対して再生フラグが設定されているかどうかを判定する(ステップ508)。
【0076】
ステップ508でセンサ特徴情報に対して再生フラグが設定されていると判定したとする。このように再生フラグが設定されていると判定するのは、ステップ502でセンシング情報が満足すると判定したセンサ特徴情報が音声や映像に関する特徴量である場合である。従って、情報変換部54は、センシング情報である音声や映像を音声映像記憶部57に記憶し(ステップ509)、ステップ507で生成した介護記録情報に再生マークを含める(ステップ510)。そして、処理をステップ511へ進める。
【0077】
一方、ステップ508でセンサ特徴情報に対して再生フラグが設定されていると判定しなければ、センシング情報である音声や映像を音声映像記憶部57に記憶したり、介護記録情報に再生マークを含めたりすることなく、処理をステップ511へ進める。
【0078】
これにより、情報変換部54は、ステップ507で生成され、ステップ510で再生マークが含められた介護記録情報、又は、ステップ507で生成され、再生マークが含められていない介護記録情報を、介護記録作成部55に出力する(ステップ511)。そして、処理をステップ512へ進める。
【0079】
尚、ステップ502でセンシング情報が満足するセンサ特徴情報があると判定しなかった場合や、ステップ504でセンシング情報が満足するセンサ条件があると判定しなかった場合、情報変換部54は、介護記録情報を生成することなく、処理をステップ512へ進める。
【0080】
その後、情報変換部54は、処理を終了するための条件が満たされたかどうかを判定する(ステップ512)。ここで、処理を終了するための条件としては、例えば、ステップ501で読み込んだ時刻が、現時点でその時刻の介護記録を作成する必要がない時刻に達した、という条件がある。その結果、処理を終了するための条件が満たされたと判定しなければ、情報変換部54は、処理をステップ501へ戻す。一方、処理を終了するための条件が満たされたと判定すれば、情報変換部54は、処理を終了する。
【0081】
次に、介護記録作成部55が、図6のフローチャートで示された動作例により出力された介護記録情報に含まれる時刻とセンシング情報とを定型文書に埋め込むことにより介護記録を作成する。また、図6のフローチャートで示された動作例により介護記録情報に再生マークが含められた場合は再生マークを介護記録に付加する。そして、この介護記録を、介護記録記憶部56に記憶する。
【0082】
これにより、受信部58が介護記録記憶部56に記憶された介護記録の閲覧要求を端末装置30から受信すると、送信部59が、介護記録記憶部56から閲覧対象の介護記録を読み出して端末装置30へ送信する。
【0083】
また、介護記録に付加された再生マークにより音声や映像の再生要求を行うことが可能な場合は、以下のような動作を行う。即ち、受信部58が介護記録上でなされた音声や映像の再生要求を端末装置30から受信すると、送信部59は、音声映像記憶部57に記憶された再生対象の音楽や映像を読み出して端末装置30へ送信する。
【0084】
[変形例]
上記では、全ての被介護者について同じ変換規則を用いてセンシング情報を介護記録ワードに変換したが、被介護者ごとに異なる変換規則を用いてセンシング情報を介護記録ワードに変換してもよい。
【0085】
例えば、変換規則に、カメラセンサからの映像に対する特徴量として、ゆっくり歩く動作の特徴を表すデータが設定されていたとする。この場合、足が不自由な被介護者については、「通常歩行をしている」という介護記録ワードを取得し、足が健常な被介護者については、「足の調子が悪い歩き方をしている」という介護記録ワードを取得することが考えられる。或いは、被介護者の認知機能の状態等に応じて、同じセンシング情報であっても異なる介護記録ワードに変換してよい。
【0086】
また、上記では、全ての被介護者について同じ形式で介護記録を作成したが、被介護者ごとに異なる形式で介護記録を作成してもよい。
【0087】
更に、上記では、センシング情報が音声の場合にも音声を変換規則に基づいて変換することにより介護記録ワードを取得したが、センシング情報が音声の場合には音声認識を行うことにより介護記録ワードを取得してもよい。
【0088】
更にまた、上記では、センサ10が被介護者の行動又は状態を感知し、その感知した結果を示すセンシング情報に基づいて介護記録を作成するようにしたが、これには限らない。センサ10が被介護者の行動又は状態に加えて介護者の行動又は状態も感知し、その感知した結果を示すセンシング情報に基づいて介護記録を作成するようにしてもよい。
【0089】
また、上記で作成された介護記録を若手の介護職員の教育に用いるための構成を備えてもよい。例えば、上記で作成された介護記録と、実際にベテランの介護職員が書いた介護記録とを比較して、記録する項目を検証する構成を設けることが考えられる。自動作成された介護記録をベースとすることにより、このような教育が行い易くなる。
【0090】
更に、センサ10から得られたセンシング情報は、ケアマネージャへのケアプラン作成のリコメンドに用いてもよい。これまではケアマネージャが被介護者やその家族から聞けた範囲でしかケアプランを作成できなかった。これに対して、センサ10から得られたセンシング情報により新たな知見が入ってくるので、ケアマネージャが知り得ない時間帯の被介護者の行動や状態が分かり、より被介護者に寄り添ったケアプランを作成することが可能となる。
【0091】
更にまた、上記では、介護支援サーバ40が、センサ10から受信したセンシング情報に基づいて介護記録を作成したが、これには限らない。例えば、端末装置30が介護記録を作成してもよいし、端末装置30及び介護支援サーバ40が分担して介護記録を作成してもよい。
【0092】
[本実施の形態の効果]
以上述べたように、本実施の形態では、介護記録が自動で生成されるようにした。これにより、これまで入力に要していた時間を削減することが可能となった。
【0093】
また、本実施の形態では、介護従事者が実際に見た以上の多くの情報が介護記録とされるようにした。これにより、介護記録が高度化され、それによって以降の介護の質が向上することとなった。
【0094】
更に、本実施の形態では、客観的なデータに基づいて介護記録が作成されるようにした。これにより、介護従事者の主観が入る可能性が低くなった。つまり、介護従事者の感覚によって結論がずれてしまう可能性が低くなった。
【0095】
[他の適用例]
本発明は診療分野にも適用可能である。この場合、上記実施の形態において、介護者は診療者(医師等)、被介護者は被診療者(患者等)、介護記録は診療記録、介護支援は診療支援のように、介護を診療と読み替えればよい。
【符号の説明】
【0096】
1…介護支援システム、10…センサ、20…ロボット、30…端末装置、40…介護支援サーバ、51…センシング情報取得部、52…センシング情報記憶部、53…変換規則記憶部、54…情報変換部、55…介護記録作成部、56…介護記録記憶部、57…音声映像記憶部、58…受信部、59…送信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6