(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】バッテリー装置、バッテリー管理システムおよびプリチャージ方法
(51)【国際特許分類】
H02H 7/18 20060101AFI20240820BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240820BHJP
H02J 1/00 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
H02H7/18
H02J7/00 S
H02J1/00 309R
(21)【出願番号】P 2023520320
(86)(22)【出願日】2022-07-07
(86)【国際出願番号】 KR2022009877
(87)【国際公開番号】W WO2023287112
(87)【国際公開日】2023-01-19
【審査請求日】2023-04-03
(31)【優先権主張番号】10-2021-0092481
(32)【優先日】2021-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク、ハンゴン
(72)【発明者】
【氏名】キム、キフーン
【審査官】前田 典之
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0166065(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0175857(US,A1)
【文献】特表2021-515510(JP,A)
【文献】特開2010-051082(JP,A)
【文献】特開平10-014104(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02H 7/18
H02J 7/00
H02J 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
並列に連結される第1バッテリーパックと第2バッテリーパックと、
前記第1バッテリーパックの一端子と外部装置のキャパシタとの間に連結される第1プリチャージスイッチと、
前記第2バッテリーパックの一端子と前記キャパシタとの間に連結される第2プリチャージスイッチと、
前記第1バッテリーパックの電圧と前記キャパシタの電圧との間の差に基づいて前記第1プリチャージスイッチの動作を制御する第1プリチャージ制御回路と、
前記第2バッテリーパックの電圧と前記キャパシタの電圧との間の差に基づいて前記第2プリチャージスイッチの動作を制御する第2プリチャージ制御回路と、
前記第1プリチャージスイッチを制御するための第1制御信号を前記第1プリチャージ制御回路に伝達し、前記第2プリチャージスイッチを制御するための第2制御信号を前記第2プリチャージ制御回路に伝達するプロセッサーと
を含
み、
前記プロセッサーからイネーブルレベルを有する前記第1制御信号を受信する場合、前記第1プリチャージ制御回路は、
前記第1バッテリーパックの電圧と前記キャパシタの電圧との間の差が所定電圧より大きい場合に、前記第1プリチャージスイッチを閉じ、
前記第1バッテリーパックの電圧と前記キャパシタの電圧との間の差が所定電圧以下である場合に、前記第1プリチャージスイッチを閉じない、バッテリー装置。
【請求項2】
前記所定電圧は0Vである、請求項
1に記載のバッテリー装置。
【請求項3】
前記第1プリチャージ制御回路は、
前記第1バッテリーパックの電圧と前記キャパシタの電圧とを比較する比較器と、
前記比較器の比較結果による出力信号と前記第1制御信号を論理演算して第3制御信号を出力する論理回路とを含み、
前記第3制御信号に基づいて前記第1プリチャージスイッチを制御する
請求項
1に記載のバッテリー装置。
【請求項4】
前記第1プリチャージ制御回路は、
前記第1バッテリーパックの電圧と前記キャパシタの電圧とを比較する比較器と、
前記比較器の比較結果による出力信号と前記第1制御信号を論理演算して第3制御信号を出力する論理回路と、
前記第3制御信号を遅延して第4制御信号を出力する遅延回路とを含み、
前記第4制御信号に基づいて前記第1プリチャージスイッチを制御する
請求項
1に記載のバッテリー装置。
【請求項5】
前記第2バッテリーパックの電圧が前記第1バッテリーパックの電圧より高い場合に、前記プロセッサーはイネーブルレベルを有する前記第2制御信号を先に出力し、前記第2バッテリーパックの電圧と前記第1バッテリーパックの電圧との間の差が所定電圧以下になる場合、イネーブルレベルを有する前記第1制御信号を出力する、請求項1から4のいずれか一項に記載のバッテリー装置。
【請求項6】
前記第1プリチャージスイッチが閉じられる場合に前記第1バッテリーパックから前記キャパシタに流れる電流が通過する第1プリチャージ抵抗と、そして
前記第2プリチャージスイッチが閉じられる場合に前記第2バッテリーパックから前記キャパシタに流れる電流が通過する第2プリチャージ抵抗と
をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のバッテリー装置。
【請求項7】
前記第1バッテリーパックの一端子と前記キャパシタとの間において、前記第1プリチャージスイッチと並列に連結される正極スイッチを備え、
前記第1プリチャージ制御回路は、
前記第1バッテリーパックの電圧と前記キャパシタの電圧との間の差が所定電圧以下である場合に、前記正極スイッチが閉じられるまでの間、前記第1プリチャージスイッチを閉じない、請求項1から4のいずれか一項に記載のバッテリー装置。
【請求項8】
バッテリーパックを含むバッテリー装置のバッテリー管理システムであって、
前記バッテリーパックの一端子と外部装置のキャパシタとの間に連結されるプリチャージスイッチと、
前記プリチャージスイッチを制御するための第1制御信号を出力するプロセッサーと、
イネーブルレベルを有する前記第1制御信号を受信し、前記バッテリーパックの電圧と前記キャパシタの電圧との間の差が所定電圧より大きい場合に
イネーブルレベルを有する前記第1制御信号に応答して前記プリチャージスイッチを閉じ、前記バッテリーパックの電圧と前記キャパシタの電圧との間の差が前記所定電圧以下である場合に前記プリチャージスイッチを閉じないプリチャージ制御回路と
を含むバッテリー管理システム。
【請求項9】
前記プリチャージ制御回路は、
前記バッテリーパックの電圧と前記キャパシタの電圧とを比較する比較器と、
前記比較器の比較結果による出力信号と前記第1制御信号を論理演算して第2制御信号を出力する論理回路とを含み、
前記第2制御信号に基づいて前記プリチャージスイッチを制御する
請求項
8に記載のバッテリー管理システム。
【請求項10】
前記プリチャージ制御回路は、
前記バッテリーパックの電圧と前記キャパシタの電圧とを比較する比較器と、
前記比較器の比較結果による出力信号と前記第1制御信号を論理演算して第2制御信号を出力する論理回路と、
前記第2制御信号を遅延して第3制御信号を出力する遅延回路とを含み、
前記第3制御信号に基づいて前記プリチャージスイッチを制御する
請求項
8または9に記載のバッテリー管理システム。
【請求項11】
前記プリチャージスイッチが閉じられる場合に前記バッテリーパックから前記キャパシタに流れる電流が通過するプリチャージ抵抗をさらに含む、請求項
8または9に記載のバッテリー管理システム。
【請求項12】
前記バッテリーパックの一端子と前記キャパシタとの間において、前記プリチャージスイッチと並列に連結される正極スイッチを備え、
前記プリチャージ制御回路は、
前記バッテリーパックの電圧と前記キャパシタの電圧との間の差が所定電圧以下である場合に、前記正極スイッチが閉じられるまでの間、前記プリチャージスイッチを閉じない、請求項8または9に記載のバッテリー管理システム。
【請求項13】
バッテリーパックを含むバッテリー装置でキャパシタをプリチャージする方法であって、
前記バッテリーパックの負極スイッチを閉じる段階と、
プリチャージスイッチを制御するための第1制御信号を受信する段階と、
前記バッテリーパックの電圧と前記キャパシタの電圧との間の差に基づいて前記キャパシタをプリチャージするか否かを決定する段階と、
前記キャパシタをプリチャージするか否かの決定に基づいて、
前記プリチャージスイッチを閉じるか開いた状態を維持する段階と、
前記バッテリーパックの正極スイッチを閉じる段階と
を含
み、
前記プリチャージするか否かを決定する段階は、
前記第1制御信号がイネーブルレベルを有し、前記バッテリーパックの電圧と前記キャパシタの電圧との間の差が所定電圧より大きい場合に、前記キャパシタをプリチャージすると決定する段階と、
前記第1制御信号がイネーブルレベルを有し、前記バッテリーパックの電圧と前記キャパシタの電圧との間の差が所定電圧以下である場合に、前記キャパシタをプリチャージしないと決定する段階と
を含む方法。
【請求項14】
前記キャパシタをプリチャージしないと決定する場合、前記プリチャージスイッチを閉じるか開いた状態を維持する段階は、前記バッテリーパックの正極スイッチを閉じる段階までの間、前記プリチャージスイッチを開いた状態で維持する、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願との相互引用]
本出願は、2021年7月14日付大韓民国特許出願第10-2021-0092481に基づいた優先権の利益を主張し、当該大韓民国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
以下に記載された技術は、バッテリー装置、バッテリー管理システムおよびプリチャージ方法に関する。
【背景技術】
【0003】
電気自動車は、主にバッテリーを電源として利用してモータを駆動することによって動力を得る自動車として、内燃自動車の公害およびエネルギー問題を解決できる代案であるという点から研究が活発に行われている。また、充電が可能なバッテリーは電気自動車以外に多様な外部装置で使用されている。
【0004】
最近、高い出力と大きい充電容量を有するバッテリーが要求されることに伴い、複数のバッテリーセルが並列に連結されたバッテリーパックが使用されている。バッテリーパック毎にバッテリーパックの連結制御のためのスイッチング回路が使用され得る。一方、スイッチング回路による駆動初期に発生する突入電流(rush current)を防止するためにスイッチング回路毎にプリチャージ回路が使用されている。プリチャージ回路は、駆動初期にプリチャージ抵抗を通じて外部装置のインバータなどに連結されているキャパシタを先に充電することによって突入電流を防止することができる。このようなプリチャージ抵抗には駆動初期に発生し得る過電流が随時に流れ、プリチャージ抵抗に過電流が頻繁に流れる場合、プリチャージ回路の寿命が減ることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ある実施形態は、プリチャージ回路の寿命を延ばすことができるバッテリー装置、バッテリー管理システムおよびプリチャージ方法を提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態によると、並列に連結される第1バッテリーパックと第2バッテリーパックと、第1プリチャージスイッチと、第2プリチャージスイッチと、第1プリチャージ制御回路と、第2プリチャージ制御回路と、プロセッサーとを含むバッテリー装置が提供され得る。前記第1プリチャージスイッチは、前記第1バッテリーパックの一端子と外部装置のキャパシタとの間に連結され、前記第2プリチャージスイッチは、前記第2バッテリーパックの一端子と前記キャパシタとの間に連結され得る。前記第1プリチャージ制御回路は、前記第1バッテリーパックの電圧と前記キャパシタの電圧との間の差に基づいて前記第1プリチャージスイッチの動作を制御し、前記第2プリチャージ制御回路は、前記第2バッテリーパックの電圧と前記キャパシタの電圧との間の差に基づいて前記第2プリチャージスイッチの動作を制御することができる。前記プロセッサーは、前記第1プリチャージスイッチを制御するための第1制御信号を前記第1プリチャージ制御回路に伝達し、前記第2プリチャージスイッチを制御するための第2制御信号を前記第2プリチャージ制御回路に伝達することができる。
【0007】
ある実施形態において、前記プロセッサーからイネーブルレベルを有する前記第1制御信号を受信する場合、前記第1プリチャージ制御回路は、前記第1バッテリーパックの電圧と前記キャパシタの電圧との間の差が所定電圧より大きい場合に、前記第1プリチャージスイッチを閉じることができる。
【0008】
ある実施形態において、前記プロセッサーからイネーブルレベルを有する前記第1制御信号を受信する場合、前記第1プリチャージ制御回路は、前記第1バッテリーパックの電圧と前記キャパシタの電圧との間の差が所定電圧以下である場合に、前記第1プリチャージスイッチを閉じないことができる。
【0009】
ある実施形態において、前記所定電圧は0Vであり得る。
【0010】
ある実施形態において、前記第1プリチャージ制御回路は、前記第1バッテリーパックの電圧と前記キャパシタの電圧とを比較する比較器と、前記比較器の比較結果による出力信号と前記第1制御信号を論理演算して第3制御信号を出力する論理回路とを含み、前記第3制御信号に基づいて前記第1プリチャージスイッチを制御することができる。
【0011】
ある実施形態において、前記第1プリチャージ制御回路は、前記第1バッテリーパックの電圧と前記キャパシタの電圧とを比較する比較器と、前記比較器の比較結果による出力信号と前記第1制御信号を論理演算して第3制御信号を出力する論理回路と、前記第3制御信号を遅延して第4制御信号を出力する遅延回路とを含み、前記第4制御信号に基づいて前記第1プリチャージスイッチを制御することができる。
【0012】
ある実施形態において、前記第2バッテリーパックの電圧が前記第1バッテリーパックの電圧より高い場合に、前記プロセッサーはイネーブルレベルを有する前記第2制御信号を先に出力し、前記第2バッテリーパックの電圧と前記第1バッテリーパックの電圧との間の差が所定電圧以下になる場合、イネーブルレベルを有する前記第1制御信号を出力することができる。
【0013】
ある実施形態において、前記バッテリー装置は、前記第1プリチャージスイッチが閉じられる場合に前記第1バッテリーパックから前記キャパシタに流れる電流が通過する第1プリチャージ抵抗、そして前記第2プリチャージスイッチが閉じられる場合に前記第2バッテリーパックから前記キャパシタに流れる電流が通過する第2プリチャージ抵抗をさらに含むことができる。
【0014】
他の実施形態によると、バッテリーパックを含むバッテリー装置のバッテリー管理システムが提供され得る。前記バッテリー管理システムは、プリチャージスイッチと、プロセッサーと、プリチャージ制御回路とを含むことができる。前記プリチャージスイッチは、前記バッテリーパックの一端子と外部装置のキャパシタとの間に連結され、前記プロセッサーは、前記プリチャージスイッチを制御するための第1制御信号を出力することができる。前記プリチャージ制御回路は、前記第1制御信号を受信し、前記バッテリーパックの電圧と前記キャパシタの電圧との間の差が所定電圧より大きい場合に前記第1制御信号に応答して前記プリチャージスイッチを閉じ、前記バッテリーパックの電圧と前記キャパシタの電圧との間の差が前記所定電圧以下である場合に前記プリチャージスイッチを閉じないことができる。
【0015】
ある実施形態において、前記プリチャージ制御回路は、前記バッテリーパックの電圧と前記キャパシタの電圧とを比較する比較器と、前記比較器の比較結果による出力信号と前記第1制御信号を論理演算して第2制御信号を出力する論理回路とを含み、前記第2制御信号に基づいて前記プリチャージスイッチを制御することができる。
【0016】
ある実施形態において、前記プリチャージ制御回路は、前記バッテリーパックの電圧と前記キャパシタの電圧とを比較する比較器と、前記比較器の比較結果による出力信号と前記第1制御信号を論理演算して第2制御信号を出力する論理回路と、前記第2制御信号を遅延して第3制御信号を出力する遅延回路とを含み、前記第3制御信号に基づいて前記プリチャージスイッチを制御することができる。
【0017】
ある実施形態において、前記バッテリー管理システムは、前記プリチャージスイッチが閉じられる場合に前記バッテリーパックから前記キャパシタに流れる電流が通過するプリチャージ抵抗をさらに含むことができる。
【0018】
また他の実施形態によると、バッテリーパックを含むバッテリー装置でキャパシタをプリチャージする方法が提供され得る。前記プリチャージ方法は、前記バッテリーパックの負極スイッチを閉じる段階と、前記バッテリーパックの電圧と前記キャパシタの電圧との間の差に基づいて前記キャパシタをプリチャージするか否かを決定する段階と、前記キャパシタをプリチャージするか否かの決定に基づいて、前記プリチャージスイッチを閉じるか開いた状態を維持する段階と、前記バッテリーパックの正極スイッチを閉じる段階とを含むことができる。
【0019】
ある実施形態において、前記プリチャージするか否かを決定する段階は、前記バッテリーパックの電圧と前記キャパシタの電圧との間の差が所定電圧以下である場合に前記キャパシタをプリチャージすると決定する段階を含むことができる。
【0020】
ある実施形態において、前記プリチャージするか否かを決定する段階は、前記バッテリーパックの電圧と前記キャパシタの電圧との間の差が所定電圧より大きい場合に前記キャパシタをプリチャージしないと決定する段階を含むことができる。
【発明の効果】
【0021】
ある実施形態によると、キャパシタに十分な電圧が充電されており、プリチャージが不要な場合には、制御信号に関係なくプリチャージを行わないため、不要なプリチャージ過程を省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】一実施形態によるバッテリー装置の一例を示す図面である。
【
図2】一実施形態によるバッテリー装置の制御信号のタイミングの一例を示す図面である。
【
図3】一実施形態によるバッテリー装置におけるプリチャージ制御回路の例を示す図面である。
【
図4】一実施形態によるバッテリー装置におけるプリチャージ制御回路の例を示す図面である。
【
図5】一実施形態によるプリチャージ制御方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、添付した図面を参照して本発明の実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳しく説明する。しかし、本発明は、多様な異なる形態に実現することができ、ここで説明する実施形態に限定されない。そして図面において、本発明を明確に説明するために、説明上不要な部分は省略し、明細書全体にわたって類似の部分については類似の図面符号を付した。
【0024】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いると言及された時には、その他の構成要素に直接的に連結されていることもできるが、中間に他の構成要素が存在することもできると理解されなければならない。反面、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いると言及された時には、中間に他の構成要素が存在しないと理解されなければならない。
【0025】
以下の説明で、単数で記載された表現は、「一つ」または「単一」などの明示的な表現を使用しない以上、単数または複数に解釈され得る。
【0026】
図面を参照して説明したフローチャートにおいて、動作順序は変更されてもよく、多くの動作が併合されたり、ある動作が分割されたりしてもよく、特定の動作は行われなくてもよい。
【0027】
図1は一実施形態によるバッテリー装置の一例を示す図面である。
【0028】
図1を参照すると、バッテリー装置は正極連結端子DC(+)と負極連結端子DC(-)を通じて外部装置に電気的に連結され得る構造を有する。ある実施形態において、バッテリー装置は正極連結端子DC(+)と負極連結端子DC(-)を通じて外部装置10に連結され得る。外部装置10が負荷である場合、バッテリー装置は負荷に電力を供給する電源として動作して放電され得る。外部装置10が充電器である場合、バッテリー装置は充電器10を通じて外部電力の供給を受けて充電され得る。ある実施形態において、負荷として動作する外部装置10は例えば電子装置、移動手段またはエネルギー貯蔵システム(energy storage system、ESS)であり得、移動手段は例えば電気自動車、ハイブリッド自動車またはスマートモビリティー(smart mobility)などの車両であり得る。
【0029】
バッテリー装置は、複数のバッテリーパック110、複数のスイッチング回路120、複数のプリチャージ制御回路130およびプロセッサー140を含む。
【0030】
複数のバッテリーパック110は複数のスイッチング回路120を通じて連結端子DC(+)、DC(-)に並列に連結される。複数のスイッチング回路120は複数のバッテリーパック110にそれぞれ対応する。つまり、各スイッチング回路120は複数のバッテリーパック110のうち対応するバッテリーパック110に連結されている。各バッテリーパック110は、複数のバッテリーセル(図示せず)を含み、正極端子PV(+)と負極端子PV(-)を有する。ある実施形態において、バッテリーセルは充電可能な二次電池であり得る。一実施形態において、バッテリーパック110で所定個数のバッテリーセルが直列連結されてバッテリーモジュールを構成して所望の電力を供給することができる。他の実施形態において、バッテリーパック110で所定個数のバッテリーモジュールが直列または並列連結されて所望の電力を供給することができる。
【0031】
各スイッチング回路120は、正極スイッチ121、負極スイッチ122およびプリチャージ回路を含む。ある実施形態において、プリチャージ回路は、プリチャージスイッチ123とプリチャージ抵抗124を含むことができる。
【0032】
正極スイッチ121は対応するバッテリーパック110の正極端子PV(+)とバッテリー装置の正極連結端子DC(+)との間に連結されている。ある実施形態において、正極スイッチ121とプリチャージ回路は対応するバッテリーパック110の正極端子PV(+)とバッテリー装置の正極連結端子DC(+)との間に並列に連結され得る。負極スイッチ122は対応するバッテリーパック110の負極端子PV(-)とバッテリー装置の負極連結端子DC(-)との間に連結されている。スイッチ121、122はプロセッサー140により制御されてバッテリーパック110と外部装置との間の電気的連結を制御することができる。ある実施形態において、スイッチ121、122は、それぞれリレーを含むコンタクタを含むことができる。ある実施形態において、スイッチ121、122は、それぞれトランジスターなどの電気的スイッチを含むことができる。ある実施形態において、スイッチング回路120は、プロセッサー140からの制御信号Cp1、Cp2、Cn1、Cn2に応答してスイッチ121、122をそれぞれ駆動する駆動回路(図示せず)をさらに含むことができる。正極スイッチ121と負極スイッチ122が閉じられると、バッテリーパック110から外部装置に電力を供給したり外部装置からバッテリーパック110に電力が供給されたりし得る。スイッチの閉鎖はスイッチのオン(on)で表現することができ、スイッチの開放はスイッチのオフ(off)で表現することができる。
【0033】
プリチャージスイッチ123とプリチャージ抵抗124は対応するバッテリーパック110の正極端子PV(+)とバッテリー装置の正極連結端子DC(+)との間に直列に連結され得る。一実施形態において、対応するバッテリーパック110の正極端子PV(+)にプリチャージスイッチ123の第1端子が連結され、プリチャージスイッチ123の第2端子にプリチャージ抵抗124の第1端子が連結され、プリチャージ抵抗124の第2端子が正極連結端子DC(+)に連結され得る。他の実施形態において、対応するバッテリーパック110の正極端子PV(+)にプリチャージ抵抗124の第1端子が連結され、プリチャージ抵抗124の第2端子にプリチャージスイッチ123の第1端子が連結され、プリチャージスイッチ123の第2端子が正極連結端子DC(+)に連結され得る。ある実施形態において、プリチャージスイッチ123は、リレーを含むコンタクタを含むことができる。ある実施形態において、プリチャージスイッチ123は、トランジスターなどの電気的スイッチを含むことができる。ある実施形態において、スイッチング回路120は、プリチャージ制御回路130からの制御信号Cpc1'、Cpc2'に応答してプリチャージスイッチ123を駆動する駆動回路(図示せず)をさらに含むことができる。プリチャージスイッチ123と負極スイッチ122が閉じられると、プリチャージ抵抗124を通じてバッテリーパック110から外部装置10のキャパシタ11に電流が供給されてキャパシタ11をプリチャージすることができる。
図1では直列に連結されたプリチャージスイッチ123とプリチャージ抵抗124を含むプリチャージ回路を示したが、プリチャージ制御回路130からの制御信号に応答してキャパシタ11をプリチャージすることができる他のプリチャージ回路が使用されることもできる。
【0034】
複数のプリチャージ制御回路130は複数のスイッチング回路120にそれぞれ対応する。つまり、各プリチャージ制御回路130は複数のスイッチング回路120のうち対応するスイッチング回路120に連結されている。ある実施形態において、プリチャージ制御回路130は対応するバッテリーパック110の電圧とキャパシタ11の電圧との間の差に基づいて対応するプリチャージスイッチ123の動作を制御することができる。プリチャージ制御回路130はプロセッサー140からの対応するスイッチング回路120のプリチャージスイッチ123を閉じるための制御信号Cpc1、Cpc2に応答して動作する。プリチャージスイッチ123を閉じるための制御信号Cpc1、Cpc2を受信する場合、プリチャージ制御回路130はキャパシタ11の電圧が対応するバッテリーパック110の電圧より低い場合にプリチャージスイッチ123を閉じ、キャパシタ11の電圧が対応するバッテリーパック110の電圧と同一または類似の場合にプリチャージスイッチ123を閉じないことができる。例えば、バッテリーパック110の電圧とキャパシタ11の電圧との間の差が所定電圧(第1所定電圧)以下である場合、キャパシタ11の電圧がバッテリーパック110の電圧と同一または類似していると決定することができる。ある実施形態において、所定電圧は0Vであり得る。
【0035】
プロセッサー140はスイッチング回路120とプリチャージ制御回路130の動作を制御する。プロセッサー140は例えばマイクロ制御装置(micro controller unit、MCU)を含むことができる。ある実施形態において、プロセッサー140は複数のバッテリーパック110の電圧に基づいて先に電力を供給するバッテリーパック110を選択することができる。したがって、プロセッサー140は選択したバッテリーパック110に対応するスイッチング回路120を駆動することができる。
【0036】
ある実施形態において、プロセッサー140は複数のバッテリーパック110のうち電圧が最も高いバッテリーパック110に連結されたスイッチング回路120を制御して当該バッテリーパック110を通じて電力を供給することができる。次に、当該バッテリーパック110の電圧が他のバッテリーパック110の電圧と類似するようになると、プロセッサー140は他のバッテリーパック110に連結されたスイッチング回路120を制御して少なくとも二つの並列バッテリーパック110を通じて電力を供給することができる。二つのバッテリーパック110を通じて同時に電力を供給する場合、二つのバッテリーパック110の間の電圧差が所定電圧(第2所定電圧)より大きいと、高い電圧を有するバッテリーパック110から低い電圧を有するバッテリーパック110に突入(inrush)電流が流れ得る。これにより、電圧が高いバッテリーパック110を通じて先に電力を供給した後、電圧が類似するようになる時、他のバッテリーパック110を通じても電力を供給することによって突入電流の発生を防止することができる。ある実施形態において、二つのバッテリーパック110の電圧が類似するようになる場合は二つのバッテリーパック110の電圧差が所定電圧以下になる場合を意味し得る。ある実施形態において、所定電圧は突入電流が発生しないかまたは回路に影響を与えないほどの突入程度が発生する電圧差として実験的に決定され得る。
【0037】
ある実施形態において、バッテリー装置は、複数のバッテリーパック110の電圧および/またはキャパシタ11の電圧を感知する電圧感知回路(図示せず)をさらに含むことができる。
【0038】
ある実施形態において、スイッチング回路120、プリチャージ制御回路130および/またはプロセッサー140は、バッテリー装置のバッテリー管理システム(battery management system、BMS)に含まれ得る。
【0039】
前述したように、ある実施形態において、プリチャージ制御回路130はプロセッサー140から第1制御信号Cpc1を受信し、バッテリーパック110の電圧とキャパシタ11の電圧との間の差が所定電圧より大きい場合に第1制御信号Cpc1に応答してプリチャージスイッチ123を閉じ、バッテリーパック110の電圧とキャパシタ11の電圧との間の差が所定電圧以下である場合にプリチャージスイッチ123を閉じないことができる。
【0040】
図2は一実施形態によるバッテリー装置の制御信号のタイミングの一例を示す図面である。
図2では便宜上二つのバッテリーパックBP1、BP2を例に挙げて説明する。
【0041】
図1および
図2を参照すると、バッテリー装置の初期駆動時にプロセッサー140は複数のバッテリーパックBP1、BP2のうち電圧が高いバッテリーパック(例えば、BP1)を通じて先に電力を供給する。このために、プロセッサー140はまずバッテリーパックBP1に連結されたスイッチング回路の負極スイッチ122を閉じるための制御信号Cn1を出力する。つまり、プロセッサー140は制御信号Cn1をディスエーブルレベルからイネーブルレベルに転換する。ある実施形態において、イネーブルレベルはハイレバル(H)であり、ディスエーブルレベルはローレベル(L)であり得る。
【0042】
次に、プロセッサー140は負極スイッチ122を閉じた状態でバッテリーパックBP1に連結されたプリチャージスイッチ(例えば、
図1の123)を閉じるための制御信号Cpc1を出力する。つまり、プロセッサー140は制御信号Cpc1をディスエーブルレベルからイネーブルレベルに転換する。プリチャージ制御回路130は制御信号Cpc1に応答してイネーブルレベルを有する制御信号Cpc1'を出力する。制御信号Cpc1'に応答してプリチャージスイッチ123が閉じられる場合、バッテリーパックBP1からプリチャージ抵抗124を通じて外部装置のキャパシタ11にプリチャージ電流が供給されてキャパシタ11がプリチャージされ得る。一方、キャパシタ11が既にバッテリーパックBP1の電圧で充電されている場合、制御信号Cpc1のイネーブルレベルに関係なく、プリチャージ制御回路130はディスエーブルレベルを有する制御信号Cpc1'を出力し、これによりプリチャージスイッチ123が閉じられないことができる。また、プリチャージスイッチ123が閉じられてキャパシタ11がバッテリーパックBP1の電圧までプリチャージされる場合、制御信号Cpc1がディスエーブルレベルに変わる前でも、プリチャージ制御回路130は制御信号Cpc1'をディスエーブルレベルに転換してプリチャージスイッチ123が開かれ得る。
【0043】
キャパシタ11をプリチャージした後、プロセッサー140はバッテリーパックBP1を通じて電力を供給するために、バッテリーパックBP1に連結された正極スイッチ121を閉じるための制御信号Cp1を出力する。つまり、プロセッサー140は制御信号Cp1をディスエーブルレベルからイネーブルレベルに転換する。この場合、プリチャージが完了したため、プロセッサー140はプリチャージスイッチ123を開くために制御信号Cpc1をディスエーブルレベルに転換することができる。
【0044】
次に、バッテリーパックBP1の電圧が低くなってバッテリーパックBP2の電圧と類似するようになる場合、プロセッサー140はバッテリーパックBP2を通じても電力を供給する。つまり、バッテリーパックBP1、BP2を通じて電力を供給することができる。このために、プロセッサー140はまずバッテリーパックBP2に連結されたスイッチング回路の負極スイッチ122を閉じるための制御信号Cn2を出力する。つまり、プロセッサー140は制御信号Cn2をディスエーブルレベルからイネーブルレベルに転換する。次に、プロセッサー140は負極スイッチ122を閉じた状態でバッテリーパックBP2に連結されたプリチャージスイッチ123を閉じるための制御信号Cpc2を出力する。つまり、プロセッサー140は制御信号Cpc2をディスエーブルレベルからイネーブルレベルに転換する。この場合、バッテリーパックBP1を通じて電力供給によりキャパシタ11が既にバッテリーパックBP2の電圧まで充電されているため、制御信号Cpc2のイネーブルレベルに関係なく、バッテリーパックBP2に連結されたプリチャージ制御回路123はディスエーブルレベルを有する制御信号Cpc2'を出力することができる。そのために、バッテリーパックBP2に連結されたプリチャージスイッチ123が閉じられないことができる。一方、キャパシタ11の放電によりキャパシタ11に充電された電圧がバッテリーパックBP2の電圧より低い場合、プリチャージ制御回路123はイネーブルレベルを有する制御信号Cpc2'を出力し、プリチャージスイッチ123が閉じられてキャパシタ11がプリチャージされ得る。
【0045】
次に、プロセッサー140はバッテリーパックBP2を通じて電力を供給するために、バッテリーパックBP2に連結された正極スイッチ121を閉じるための制御信号Cp2を出力する。つまり、プロセッサー140は制御信号Cp2をディスエーブルレベルからイネーブルレベルに転換する。この場合、プロセッサー140はプリチャージのための制御信号Cpc2をディスエーブルレベルに転換することができる。
【0046】
前述したように、ある実施形態において、第1プリチャージ制御回路130は第1バッテリーパックBP1の電圧とキャパシタ11の電圧との間の差に基づいて第1プリチャージスイッチ123を制御することができる。第2プリチャージ制御回路130は第2バッテリーパックBP2の電圧とキャパシタ11の電圧との間の差に基づいて第2プリチャージスイッチ123を制御することができる。プロセッサー140は第1プリチャージスイッチ123を制御するための第1制御信号Cpc1を第1プリチャージ制御回路130に伝達し、第2プリチャージスイッチ123を制御するための第2制御信号Cpc2を第2プリチャージ制御回路130に伝達することができる。
【0047】
ある実施形態において、プロセッサー140からイネーブルレベルを有する第1制御信号Cpc1を受信する場合、第1プリチャージ制御回路130は第1バッテリーパックBP1の電圧とキャパシタ11の電圧との間の差が所定電圧より大きい場合に、第1プリチャージスイッチ123を閉じることができる。
【0048】
ある実施形態において、プロセッサー140からイネーブルレベルを有する第1制御信号Cpc1を受信する場合、第1プリチャージ制御回路130は第1バッテリーパックBP1の電圧とキャパシタ11の電圧との間の差が所定電圧以下である場合に、第1プリチャージスイッチ123を閉じないことができる。
【0049】
このように、多様な実施形態によると、キャパシタ11に十分な電圧が充電されており、プリチャージが不要な場合には、制御信号に関係なくプリチャージを行わないため、不要なプリチャージ過程を省略することができる。そのために、プリチャージ回路の寿命を延ばすことができる。
【0050】
図3および
図4は、それぞれ一実施形態によるバッテリー装置におけるプリチャージ制御回路の例を示す図面である。
図3および
図4では説明の便宜上一つのバッテリーパックに連結されるプリチャージ制御回路を示した。
【0051】
図3を参照すると、プリチャージ制御回路330は、比較器331および論理回路332を含む。
図3で、バッテリーパック310、正極スイッチ321、負極スイッチ322、プリチャージスイッチ323およびプリチャージ抵抗324は、
図1を参照して説明したバッテリーパック110、正極スイッチ121、負極スイッチ122、プリチャージスイッチ123およびプリチャージ抵抗124と類似しているため、その説明を省略する。
【0052】
比較器331はバッテリーパック310の電圧Vpと外部装置のキャパシタ340の電圧Vcの入力を受ける。ある実施形態において、電圧感知回路(図示せず)がバッテリーパック310と正極スイッチ321またはプリチャージスイッチ323との接点の電圧を感知することによってバッテリーパック310の電圧Vpを測定することができる。ある実施形態において、電圧感知回路が正極連結端子DC(+)と正極スイッチ321またはプリチャージ抵抗324との接点の電圧を感知することによってキャパシタ340の電圧Vcを測定することができる。
【0053】
比較器331はバッテリーパック310の電圧Vpとキャパシタ340の電圧Vcとを比較し、比較結果による出力信号、つまり、制御信号Ccを出力する。ある実施形態において、比較器331は、バッテリーパック310の電圧Vpと外部装置のキャパシタ340の電圧Vcとの差が閾値電圧以下である場合にイネーブルレベルを有する制御信号Ccを出力することができる。一実施形態において、比較器331はバッテリーパック310の電圧Vpとキャパシタ340の電圧Vcが同一の場合(つまり、閾値電圧が0Vである場合)にイネーブルレベルを有する制御信号Ccを出力することができる。ある実施形態において、比較器331はバッテリーパック310の電圧Vpがキャパシタ340の電圧Vcより高く、その差が閾値電圧より大きい場合にディスエーブルレベルを有する制御信号Ccを出力することができる。一実施形態において、比較器331はバッテリーパック310の電圧Vpがキャパシタ340の電圧Vcより高い場合(つまり、閾値電圧が0Vである場合)にディスエーブルレベルを有する制御信号Ccを出力することができる。
【0054】
論理回路332は、比較器331から出力される制御信号Ccとプロセッサー(例えば、
図1の140)から出力されるプリチャージスイッチ323を制御するための制御信号Cpcの入力を受ける。論理回路332は制御信号Ccと制御信号Cpcを論理演算して制御信号Cpc'を出力する。ある実施形態において、論理回路332は二つの制御信号Cc、Cpcが全てイネーブルレベルを有する場合、イネーブルレベルを有する制御信号Cpc'を出力し、これによりプリチャージスイッチ323が閉じられ得る。ある実施形態において、論理回路332は二つの制御信号Cc、Cpcの少なくとも一つの制御信号がディスエーブルレベルを有する場合、ディスエーブルレベルを有する制御信号Cpc'を出力し、これによりプリチャージスイッチ323が開かれ得る。ある実施形態において、イネーブルレベルがハイレバルである場合、論理回路332はANDゲートを含むことができる。
【0055】
このように、プリチャージ制御回路330はキャパシタ340に十分な電圧が充電されており、プリチャージが不要な場合には、制御信号に関係なくプリチャージスイッチを閉じないことができる。そのために、不要なプリチャージ過程を省略してプリチャージ回路の寿命を延ばすことができる。
【0056】
図4を参照すると、プリチャージ制御回路430は、比較器431、論理回路432および遅延回路433を含む。
【0057】
比較器431はバッテリーパック310の電圧Vpと外部装置のキャパシタ340の電圧Vcの入力を受け、比較結果による制御信号Ccを出力する。論理回路432は比較器431から出力される制御信号Ccとプロセッサー(例えば、
図1の140)から出力されるプリチャージスイッチ323を制御するための制御信号Cpcの入力を受け、制御信号Ccと制御信号Cpcを論理演算して制御信号Cpc'を出力する。比較器431と論理回路432は
図3を参照して説明した比較器331および論理回路332と類似の動作を行うため、その詳細な説明を省略する。
【0058】
遅延回路433は論理回路432から出力される制御信号を受信し、制御信号を所定時間だけ遅延した後に制御信号Cpc'を出力する。プリチャージスイッチ323は制御信号Cpc'のイネーブルレベルに応答して閉じられ得る。
【0059】
このように、遅延回路433が制御信号を遅延することによって、プリチャージスイッチ323が閉じられる時、負極スイッチ322と同時に閉じられることを防止することができる。
【0060】
図5は一実施形態によるプリチャージ制御方法の一例を示すフローチャートである。
【0061】
図5を参照すると、バッテリー装置のバッテリー管理システムは、バッテリーパックを通じて電力を供給するためにスイッチング手続を開始する(S510)。まず、バッテリー管理システムは負極スイッチ(例えば、
図1の122)を閉じる(S520)。ある実施形態において、バッテリー管理システムは負極スイッチ122を閉じるためにイネーブルレベルを有する制御信号を負極スイッチ122に伝達することができる(S520)。
【0062】
次に、バッテリー管理システムは外部装置のキャパシタ(例えば、
図1の11)が十分に充電されているか否かを判断する(S530)。ある実施形態において、バッテリー管理システムはバッテリーパックの電圧とキャパシタ11の電圧との間の差に基づいてキャパシタ11をプリチャージするか否かを決定することができる(S530)。キャパシタ11が十分に充電されている場合、バッテリー管理システムはキャパシタ11をプリチャージしないと決定することができる。この場合、バッテリー管理システムはプリチャージスイッチ(例えば、
図1の123)を開いた状態で維持し、正極スイッチ(例えば、
図1の121)を閉じる(S550)。一方、キャパシタ11が十分に充電されていない場合、バッテリー管理システムはキャパシタ11をプリチャージすると決定し、プリチャージスイッチ123を閉じる(S540)。ある実施形態において、バッテリー管理システムはキャパシタ11に充電された電圧と電力を供給するバッテリーパックの電圧とを比較してキャパシタ11が十分に充電されているか否かを判断することができる(S530)。ある実施形態において、バッテリー管理システムはプリチャージスイッチ123を閉じるためにイネーブルレベルを有する制御信号をプリチャージスイッチ123に伝達することができる(S540)。ある実施形態において、バッテリー管理システムは正極スイッチ121を閉じるためにイネーブルレベルを有する制御信号を正極スイッチ121に伝達することができる(S550)。
【0063】
正極スイッチ121を閉じた後、バッテリー管理システムはプリチャージスイッチ123を開く(S560)。ある実施形態において、バッテリー管理システムはプリチャージスイッチ123を開くためにディスエーブルレベルを有する制御信号をプリチャージスイッチ123に伝達することができる(S560)。
【0064】
以上で本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるのではなく、特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の多様な変形および改良形態も本発明の権利範囲に属する。