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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】ストレーナ
(51)【国際特許分類】
   B01D 33/06 20060101AFI20240820BHJP
   B01D 35/16 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
B01D33/06 D
B01D35/16
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019204259
(22)【出願日】2019-11-11
(65)【公開番号】P2021074682
(43)【公開日】2021-05-20
【審査請求日】2022-10-13
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104190
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 昭徳
(72)【発明者】
【氏名】村田 晴規
(72)【発明者】
【氏名】中村 聡
【審査官】宮部 裕一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/216247(WO,A1)
【文献】特表2017-529226(JP,A)
【文献】特開2001-162114(JP,A)
【文献】実公昭58-043935(JP,Y2)
【文献】米国特許第04759846(US,A)
【文献】特開昭56-87414(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 33/00-33/82
B01D 35/00-35/02
B01D 29/00-29/96
C02F 1/00
C02F 11/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒形状をなすケーシングと、
前記ケーシング内に設けられ前記ケーシングの内径よりも外径が小さい筒形状をなし、周壁に当該周壁を板厚方向に貫通する貫通孔が設けられて、軸心周りに回転可能なドラムと、
前記貫通孔に設けられるストレーナメディアと、
一端が前記ケーシングの内周面と前記ドラムの外周面との間に形成される元圧室に接続されて他端が濾過対象とする原液の供給源に接続される管形状をなす原液導入管と、
一端が前記ドラムの内周側の空間に接続されて他端が前記ケーシングの外部に位置づけられた管形状をなす濾過液吐出管と、
一端が前記元圧室内において前記ドラムの外周面に近接する第1の位置に配置されて他端が前記ケーシングの外部に位置づけられた当該一端から当該他端までの管路を有し、逆洗により発生する液流によって前記元圧室の前記ストレーナメディアから離脱した排塵を前記ケーシングの外部に排出する第1の排塵管と、
一端が前記元圧室内において前記ドラムの外周面から前記第1の位置よりも離間した第2の位置に配置されて他端が前記ケーシングの外部に位置づけられた当該一端から当該他端までの管路を有し、前記逆洗によっては前記ストレーナメディアおよび第1の排塵管で前記ケーシングの外部に排出しえない前記ケーシングに堆積した異物を排出清掃する第2の排塵管と、
前記第2の排塵管の管路を開放可能に閉塞する排塵用バルブと、
を備え、
管形状をなす前記第2の排塵管の前記第2の位置に位置づけられる一端から前記ケーシングの外部に位置づけられる他端までの管路の内径は、管形状をなす前記第1の排塵管の管路の前記元圧室に接続される一端から前記ケーシングの外部に位置づけられる他端までの管路の内径よりも大きく、
前記元圧室に供給される液圧と、前記元圧室から吐出される液圧と、の差圧が所定の値以上になった場合に、前記排塵用バルブを開位置に位置づけて、前記元圧室内に堆積した異物を前記ケーシングの外部に排出する清掃作業をおこなうことを特徴とするストレーナ。
【請求項2】
前記濾過液吐出管から前記元圧室に液体を供給することを特徴とする請求項1に記載のストレーナ。
【請求項3】
原液導入管の管路を開放可能に閉塞するバルブを閉位置に位置づけ、前記原液導入管からの原液の供給を停止することによって、前記濾過液吐出管から前記元圧室に液体を供給することを特徴とする請求項2に記載のストレーナ。
【請求項4】
前記排塵用バルブのバルブ制御をおこなうバルブ制御部を備えたことを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載のストレーナ。
【請求項5】
前記バルブ制御部は、前記排塵用バルブを所定時間連続して開位置に位置づけた後に閉位置に位置づけるバルブ制御をおこなうことを特徴とする請求項4に記載のストレーナ。
【請求項6】
前記バルブ制御部は、前記バルブ制御を所定回数繰り返しておこなうことを特徴とする請求項5に記載のストレーナ。
【請求項7】
前記バルブ制御部は、前記バルブ制御を、前記排塵用バルブを所定時間連続して開位置に位置づけた後に閉位置に位置づけた後の前記差圧が所定の閾値を下回るまで繰り返しておこなうことを特徴とする請求項5に記載のストレーナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液体に含まれる異物を濾過によって除去するストレーナに関する。
【背景技術】
【0002】
同心円上に配置された大径の円筒状部材(ケーシング)の内周面と小径の円筒状部材(ドラム)の外周面との間に形成される元圧室に導入した液体を、ドラムの周壁に設けられた複数の貫通孔を通過させることによって、導入した液体(原液)に含まれる塵芥などの異物を除去するようにしたストレーナがある。
【0003】
このようなストレーナにおいては、ストレーナメディアなどと称されるメッシュ状部材を貫通孔に設けることで、異物の除去精度を高めている。液体の通過によりストレーナメディアに異物が詰まった場合、たとえば、ストレーナメディアから異物を取り除く、いわゆる逆洗をおこなっている。
【0004】
このような逆洗は、ストレーナメディアに詰まった異物を取り除くことができるが、元圧室に堆積した異物を取り除くことはできない。このため、従来、元圧室に多量の異物を含む液体が導入されるなどして、逆洗では取り除くことができない異物が元圧室内に堆積した場合は、ケーシングに設けられた点検用開口部を開放し、作業者が当該点検用開口部を介して、元圧室に堆積した異物を取り除く清掃作業をおこなっていた。この清掃作業は、ストレーナに対する液体の入口と、ストレーナから出水される液体の出口と、の差圧が所定値以上になった場合におこなう。
【0005】
図1および図2は、従来のストレーナの概要を示す説明図である。図1は、従来のストレーナにおいて、上側から略真下に見下ろした内部構造を模式的に示している。また、図2は、従来のストレーナにおいて、側面から略水平に見た内部構造を模式的に示している。従来のストレーナ1100において、ドラム201は、ドラム201の周壁を貫通する複数の貫通孔204を備えている。複数の貫通孔204には、それぞれ、ストレーナメディア205が設けられている。ストレーナメディア205は、貫通孔204を覆うメッシュ状の部材によって実現される。原液導入管103から元圧室202内に原液を供給すると、ドラム201の周壁に設けられた複数の貫通孔204を原液が通過する際に、原液に含まれる塵芥などの異物を除去することができる。異物を除去した後の原液(濾過液)は、濾過液吐出管104を介して供給先に送られる。
【0006】
このような、原液からの異物の除去に際しては、ドラム駆動モータを回転して駆動シャフト203を回転させた状態で、原液導入管103から元圧室202内に原液を供給する。第1の排塵管105の一端がドラム201の外周面に近接する第1の位置に配置されているため、原液に含まれる塵芥などの異物は、一部、ドラム201の回転に起因して第1の排塵管105の一端105aとドラム201の外周面との間に生じる剪断力によって剪断される。剪断されて細かくなった異物などがストレーナメディア205に詰まった場合は、逆洗をおこなうことにより、ストレーナメディア205に詰まった異物を除去することができる。
【0007】
逆洗に際しては、逆洗バルブを開いて第1の排塵管105の管路を開放する。第1の排塵管105の管路が開放されると、元圧室202にかかる圧力と大気圧との差圧が生じ、ドラム201の内側から元圧室202側へ液体が逆流する。そして、逆流する濾過液によって、ストレーナメディア205に詰まった異物がストレーナメディア205から脱離する。ストレーナメディア205から脱離した異物は、第1の排塵管105の他端105bからケーシング101の外部に排出される。これにより、ストレーナメディア205の目詰まりを解消することができる。一方、元圧室202に多量の異物を含む液体が導入され、第1の排塵管105の一端105aとドラム201の外周面との間に生じる剪断力によって剪断されることのない異物が、元圧室202内に堆積すると、逆洗では取り除くことができない。従来、このような場合は、上述したように、蓋部材点検用開口部を開放し、作業者が当該点検用開口部を介して、元圧室202に堆積した異物を取り除く清掃作業をおこなわなくてはならなかった。
【0008】
関連する技術として、具体的には、従来、たとえば、水力機械の回転軸周囲部において軸方向に沿って配置した複数段のパッキン箱のそれぞれの内部に、周方向に分割された複数のパッキンをそれぞれ配置し、各パッキン箱で構成される圧力室のうちの少なくとも2つの圧力室に、圧力室内の圧力を調整する圧力調整手段を設けて、各段のパッキンに作用する圧力の差を常に一定に保つようにした水力機械の軸封装置に関する技術があった(たとえば、下記特許文献1を参照。)。
【0009】
また、関連する技術として、具体的には、従来、たとえば、第一ストレーナが配置された第一流路および第二ストレーナが配置された第二流路を備え、切替弁により原水を第二流路に案内する場合に、第二ストレーナによって濾過された水の少なくとも一部を第一流路内に逆流させるとともに、第一ストレーナを逆洗した水を第一排出口から外部に排出し、切替弁により原水を第一流路に案内する場合に、第一ストレーナによって濾過された水の少なくとも一部を第二流路内に逆流させるとともに、第二ストレーナを逆洗した水を第二排出口から外部に排出するストレーナ付バルブに関する技術があった(たとえば、下記特許文献2を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】特開平9-170547号公報
【文献】特開2016-001018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上述した従来の技術のように、ケーシングに設けられた点検窓を開放し、作業者が当該点検窓を介して、元圧室に堆積した異物を取り除く清掃作業は、煩雑であって、清掃作業にかかる作業者の負担が大きいという問題があった。
【0012】
また、上述した特許文献1に記載された従来の技術は、設置時において、複数段のパッキン箱および各パッキン箱内にそれぞれ設けられた複数のパッキンを備えた専用の構成であって、各段のパッキンに作用する圧力の差を常に一定に保つことはできるものの、元圧室に堆積した異物を取り除くためには、上記と同様に煩雑で作業者の負担が大きい清掃作業をおこなわなくてはならないという問題があった。
【0013】
また、上述した特許文献2に記載された従来の技術は、設置時において、第一流路および第二流路と、これらの流路を切り替える切替弁とを備えた専用の構成によって実現されるものであって、このような専用の構成を備えていない既設のストレーナにおける元圧室に堆積した異物を取り除くためには、上記と同様に煩雑で作業者の負担が大きい清掃作業をおこなわなくてはならないという問題があった。
【0014】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、元圧室内に堆積した異物を取り除く清掃作業にかかる作業者の負担軽減を図ることができるストレーナを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかるストレーナは、筒形状をなすケーシングと、前記ケーシング内に設けられ前記ケーシングの内径よりも外径が小さい筒形状をなし、周壁に当該周壁を板厚方向に貫通する貫通孔が設けられて、軸心周りに回転可能なドラムと、一端が前記ケーシングの内周面と前記ドラムの外周面との間に形成される元圧室に接続されて他端が濾過対象とする原液の供給源に接続される管形状をなす原液導入管と、一端が前記ドラムの内周側の空間に接続されて他端が前記ケーシングの外部に位置づけられた管形状をなす濾過液吐出管と、一端が前記元圧室内において前記ドラムの外周面に近接する第1の位置に配置されて他端が前記ケーシングの外部に位置づけられた管形状をなす第1の排塵管と、一端が前記元圧室内において前記ドラムの外周面から前記第1の位置よりも離間した第2の位置に配置されて他端が前記ケーシングの外部に位置づけられた管形状をなす第2の排塵管と、を備え、前記貫通孔にはストレーナメディアが設けられていることを特徴とする。
【0016】
また、この発明にかかるストレーナは、上記の発明において、前記第2の排塵管が、前記第1の排塵管よりも内径の大きい管形状をなすことを特徴とする。
【0017】
また、この発明にかかるストレーナは、上記の発明において、前記第2の排塵管の管路を開放可能に閉塞する排塵用バルブを備えたことを特徴とする。
【0018】
また、この発明にかかるストレーナは、上記の発明において、前記元圧室に供給される液圧と、前記元圧室から吐出される液圧と、の差圧が所定の値以上になった場合に、前記排塵用バルブを開位置に位置づけるバルブ制御をおこなうバルブ制御部を備えたことを特徴とする。
【0019】
また、この発明にかかるストレーナは、上記の発明において、前記バルブ制御部が、前記排塵用バルブを所定時間連続して開位置に位置づけた後に閉位置に位置づけるバルブ制御をおこなうことを特徴とする。
【0020】
また、この発明にかかるストレーナは、上記の発明において、前記バルブ制御部が、前記バルブ制御を所定回数繰り返しておこなうことを特徴とする。
【0021】
また、この発明にかかるストレーナは、上記の発明において、前記バルブ制御部が、前記バルブ制御を、前記排塵用バルブを所定時間連続して開位置に位置づけた後に閉位置に位置づけた後の前記差圧が所定の閾値を下回るまで繰り返しておこなうことを特徴とする。
【0022】
また、この発明にかかるストレーナは、上記の発明において、前記バルブ制御部が、前記バルブ制御に際して、前記濾過液吐出管から前記元圧室に液体を供給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
この発明にかかるストレーナによれば、元圧室内に堆積した異物を取り除く清掃作業にかかる作業者の負担軽減を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】従来のストレーナの概要を示す説明図(その1)である。
図2】従来のストレーナの概要を示す説明図(その2)である。
図3】この発明にかかる実施の形態1のストレーナの外観を示す説明図である。
図4】この発明にかかる実施の形態1のストレーナの内容を示す説明図である。
図5】この発明にかかる実施の形態2のストレーナの構成を示す説明図である。
図6】この発明にかかる実施の形態2のストレーナの処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるストレーナの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0026】
<実施の形態1>
(ストレーナの構成)
まず、この発明にかかる実施の形態1のストレーナの内容について説明する。図3は、この発明にかかる実施の形態1のストレーナの外観を示す説明図である。図3においては、2つの異なる位置の側面から略水平に見たストレーナ100の外観を示している。同一の構成部には同一の符号を付している。図3において、符号101は、ケーシングである。符号102は、ドラム駆動モータである。符号104は、濾過液吐出管である。符号105は、第1の排塵管である。符号106は、第2の排塵管である。符号107は、蓋部材である。この発明にかかる実施の形態1のストレーナ100は、略円筒形状をなすケーシング101を備えている。また、ケーシング101は、濾過液吐出管104、第1の排塵管105、第2の排塵管106などを備えている。濾過液吐出管104は、濾過した液体(濾過後の水)の供給先に接続されている。濾過液吐出管104は、濾過後の水を供給先に送り出す。第1の排塵管105は、管形状をなし、所定の排水設備などに接続され、ストレーナ100の内部の洗浄に用いた液体(排水)をケーシング101の外に排出する。第2の排塵管106は、ケーシング101の外部に位置づけられた管形状をなす。第2の排塵管106は、第1の排塵管105よりも内径が大きいことが好ましい。第2の排塵管106の一端は、ケーシング101の外周壁の一部を当該外周壁の板厚方向に貫通する点検用開口部を開放可能に閉塞する蓋部材107に設けられている。なお、図3においては、図4に示す排塵用バルブ110および管路111を取り外した状態を示している。
【0027】
図4は、この発明にかかる実施の形態1のストレーナの内容を示す説明図である。図4は、図1と同じ方向から見た図であり、実施の形態1のストレーナにおいて、上側から略真下に見下ろした内部構造を模式的に示している。図4において、図1および図2のストレーナ1100と同一の構成部については同一の符号を付して説明する。図4において、この発明にかかる実施の形態1のストレーナ100は、略円筒形状をなすケーシング101を備えている。ケーシング101の内側には、ケーシング101と同心円上に配置された、ケーシング101の内径寸法よりも外径寸法が小さい略円筒形状をなすドラム201が設けられている。ケーシング101の内側であって、ケーシング101の内周面とドラム201の外周面との間には、元圧室202が形成されている。
【0028】
ドラム201の内周側には、駆動シャフト203が設けられている。駆動シャフト203は、ドラム201の軸心に沿って延出している。駆動シャフト203は、軸心周りに回転可能に設けられている。ドラム201は、ケーシング101内において、駆動シャフト203に固定されている。これにより、ドラム201は、駆動シャフト203の回転に連動して軸心周りに回転する。
【0029】
駆動シャフト203の一端は、ケーシング101の天面を貫通し、ケーシング101の外側に位置づけられている。駆動シャフト203の一端は、図3に示したように、ケーシング101の外側において、歯車減速機を介してドラム駆動モータ102に連結されている。これにより、ドラム駆動モータ102の駆動力を歯車減速機および駆動シャフト203を介してドラム201に伝達し、ドラム201を軸心周りに回転させることができる。
【0030】
ドラム201は、図2の従来のストレーナ1100と同様に、ドラム201の周壁を貫通する複数の貫通孔204を備えている。複数の貫通孔204には、図2に示した従来のストレーナ1100と同様に、それぞれ、ストレーナメディア205が設けられている。ストレーナメディア205は、たとえば、貫通孔204を覆うメッシュ状の部材によって実現することができる。これらの構成は、従来のストレーナ1100と同様である。なお、貫通孔204には、ストレーナメディア205が設けられていることが前提ではあるが、必ずしも、ストレーナメディア205が貫通孔204に設けられていなくてもよい。ストレーナメディア205を設ける代わりに、貫通孔204の孔の大きさや形状を変えることによって、ストレーナメディア205の代用とするようにしてもよい。また、ストレーナメディア205に代えて、液体を透過可能な、ストレーナメディア205以外の液体透過部材を設けるようにしてもよい。この液体透過部材は、具体的には、たとえば、フィルターを構成する素材などによって形成される部材であってもよい。
【0031】
ケーシング101には、原液導入管103と、濾過液吐出管104と、が設けられている。原液導入管103は、元圧室202に接続される。原液導入管103は、供給源から供給される濾過前の水を元圧室202に導く。
【0032】
濾過液吐出管104は、一端がドラム201の内側に接続され、他端が元圧室202からドラム201内に濾過した液体(濾過後の水)の供給先に接続されている。濾過液吐出管104は、濾過後の水を供給先に送り出す。ストレーナ100は、原液導入管103を介して元圧室202に導入した液体が、ドラム201の周壁に設けられた複数の貫通孔204を通過する際に、貫通孔204を通過する液体に含まれる塵芥などの異物を除去する。
【0033】
ストレーナメディア205によって貫通孔204を覆うことにより、貫通孔204の開口径よりも小さい塵芥などの異物の除去精度を高めることができる。異物を除去した液体は、ドラム201の内側に導かれ、濾過液吐出管104を介して供給先(図示を省略する)に送り出される。
【0034】
また、ケーシング101には、第1の排塵管105が設けられている。第1の排塵管105は、管形状をなし、一端105aが元圧室202に接続され、他端105bが所定の排水設備などに接続され、ストレーナ100の内部の洗浄に用いた液体(排水)をケーシング101の外に排出する。具体的に、第1の排塵管105は、一端105aが元圧室202内においてドラム201の外周面に近接する第1の位置に配置され、他端105bがケーシング101の外部に位置づけられている。
【0035】
さらには、ケーシング101には、第2の排塵管106が設けられている。第2の排塵管106は、一端106aが元圧室202に接続され、他端106bがケーシング101の外部に位置づけられた管形状をなす。第2の排塵管106の一端106aは、元圧室202内において、第2の位置に配置されている。第2の排塵管106は、第1の排塵管105よりも内径が大きいことが好ましい。第2の位置は、元圧室202内であって、ドラム201の外周面からの距離が、ドラム201の外周面と第1の位置との距離よりも大きくなる位置に配置されている。
【0036】
第2の排塵管106の管路111は、排塵用バルブ110によって開放可能に閉塞されている。排塵用バルブ110は、たとえば、第2の排塵管106に設けることができる。あるいは、排塵用バルブ110は、第2の排塵管106に接続される管路111に設けられていてもよい。排塵用バルブ110は、元圧室202に堆積した異物を取り除く清掃作業に際して操作され、第2の排塵管106の管路111を開放する。
【0037】
このように、この発明にかかる実施の形態1のストレーナ100は、従来技術におけるストレーナ1100では、逆洗によっては取り除くことができずに元圧室202内に堆積した異物を、作業者が点検用開口部を開放し、元圧室202に堆積した異物を取り除く清掃作業をおこなうことなく除去することができる。
【0038】
(清掃作業の作業手順)
つぎに、この発明にかかる実施の形態1のストレーナ100における清掃作業の作業手順について説明する。清掃作業は、ストレーナ100に対する液体の入口と、ストレーナ100から出水される液体の出口と、の差圧が所定値以上になった場合におこなう。具体的には、たとえば、原液導入管103における液体の圧力と、濾過液吐出管104における液体の圧力と、の差圧が所定値以上になった場合に清掃作業をおこなう。
【0039】
清掃作業に際しては、原液導入管103を介して元圧室202に原液を供給している状態で、排塵用バルブ110のハンドルを操作して、排塵用バルブ110を開き、第2の排塵管106の管路111を開放する。第2の排塵管106の管路111が開放されると、元圧室202にかかる圧力と大気圧との差圧が生じ、ドラム201の内側から元圧室202側へ液体が逆流する。
【0040】
そして、逆流する濾過液によって、元圧室202内に堆積した異物が、第2の排塵管106の他端106bから元圧室202の外部に排出される。これにより、元圧室202内に堆積した異物を除去することができる。第2の排塵管106の内径を、第1の排塵管105の内径よりも大きくすることにより、剪断されることなく元圧室202内に堆積した大きい異物を確実に元圧室203の外に排出することができる。
【0041】
なお、上述した実施の形態1においては、原液導入管103を介して元圧室202内に導入された原液を用いて、元圧室202内に堆積した異物の除去をおこなうようにしたが、当該異物の除去に用いる液体は、原液導入管103を介して導入された原液に限らない。たとえば、濾過液吐出管104から元圧室202に液体(濾過液)を供給するようにしてもよい。
【0042】
この場合、原液導入管103の管路を開放可能に閉塞するバルブを設け、元圧室202内に堆積した異物の除去に際しては、当該バルブを閉じた後に、排塵用バルブ110を開いて第2の排塵管106の管路111を開放する。これにより、濾過液を、原液導入管103や原液の供給源に逆流させることなく、元圧室202内に堆積した異物を除去することができる。また、濾過液を用いることにより、異物が堆積した元圧室202にさらに異物を導入することなく、元圧室202内に堆積した異物を除去することができる。
【0043】
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態1のストレーナ100は、筒形状をなすケーシング101と、ケーシング101内に設けられケーシング101の内径よりも外径が小さい筒形状をなし、周壁に当該周壁を板厚方向に貫通する貫通孔204が設けられて、軸心周りに回転可能なドラム201と、一端がケーシング101の内周面とドラム201の外周面との間に形成される元圧室202に接続されて他端が濾過対象とする原液の供給源に接続される管形状をなす原液導入管103と、一端がドラム201の内周側の空間に接続されて他端がケーシング101の外部に位置づけられた管形状をなす濾過液吐出管104と、一端105aが元圧室202内においてドラム201の外周面に近接する第1の位置に配置されて他端105bがケーシング101の外部に位置づけられた管形状をなす第1の排塵管105と、一端106aが元圧室202内においてドラム201の外周面から第1の位置よりも離間した第2の位置に配置されて他端106bがケーシング101の外部に位置づけられた管形状をなす第2の排塵管106と、を備え、貫通孔204にはストレーナメディア205が設けられているので、原液導入管103から元圧室202に導入された原液を、ドラム201の周壁に設けられた貫通孔204を介してドラム201の内周側の空間に導くことにより、原液から混在する異物を除去した液体を濾過液吐出管104から排出することができる。
【0044】
原液とともに元圧室202に導入された異物のうち、ドラム201の周壁に近接する第1の排塵管105の一端105aとドラム201の周壁との間で剪断された異物が貫通孔204に目詰まりした場合は、原液導入管103から元圧室202に原液を導入している状態で第1の排塵管105を大気に開放することにより、ケーシング101の内側にかかる圧力によって第1の排塵管105を介して元圧室202からケーシング101の外へ吐出される液体とともに、貫通孔204に目詰まりした異物を排出することができる。
【0045】
一方、原液とともに元圧室202に導入された異物のうち、剪断されずに元圧室202に堆積した異物は、第1の排塵管105を介して排出することができない。このため、従来のストレーナ1100においては、上述したように、作業者が点検窓を介して異物を取り除く清掃作業をおこなっていた。
【0046】
これに対し、この発明にかかる実施の形態1のストレーナ100によれば、剪断されない異物が元圧室202に堆積した場合、第2の排塵管106を大気に開放することにより、第1の排塵管105を大気に開放した場合と同様に、ケーシング101の内側にかかる圧力によって第2の排塵管106を介して元圧室202からケーシング101の外へ吐出される液体とともに、元圧室202に堆積した異物を排出することができる。
【0047】
また、第2の排塵管106の一端106aが、ドラム201の外周面から第1の位置よりも離間した第2の位置に配置されているため、剪断されずに元圧室202に堆積し、従来の逆洗では取り除くことができない異物を、第2の排塵管106を介してストレーナ100の外部へ確実に排出することができる。
【0048】
このように、この発明にかかる実施の形態1のストレーナ100によれば、点検窓を開放する作業や、開口面積の限られた点検窓を介して塵芥を取り除く作業などの煩雑な作業をおこなうことなく、元圧室202内に堆積した異物を取り除くことができる。これによって、元圧室202内に堆積した異物を取り除く清掃作業にかかる作業者の負担軽減を図ることができる。
【0049】
また、この発明にかかる実施の形態1のストレーナ100は、第2の排塵管106が、第1の排塵管105よりも内径の大きい管形状をなすので、第2の排塵管106の内径を第1の排塵管105の内径よりも大きくすることにより、剪断されずに元圧室202に堆積し、従来の逆洗では取り除くことができない異物を、第2の排塵管106を介してストレーナ100の外部へ確実に排出することができる。これにより、確実に、元圧室202内に堆積した異物を取り除く清掃作業にかかる作業者の負担軽減を図ることができる。
【0050】
また、この発明にかかる実施の形態1のストレーナ100は、第2の排塵管106の管路111を開放可能に閉塞する排塵用バルブ110を備えるので、バルブを開位置に位置づけることにより、第2の排塵管106を容易に大気に開放することができる。また、バルブを閉位置に位置づけることにより、大気に開放した第2の排塵管106を容易に閉止することができる。
【0051】
このように、この発明にかかる実施の形態1のストレーナ100によれば、第2の排塵管106を容易に開閉することができる。これにより確実に、元圧室202内に堆積した異物を取り除く清掃作業にかかる作業者の負担軽減を図ることができる。
【0052】
<実施の形態2>
つぎに、この発明にかかる実施の形態2のストレーナの構成について説明する。実施の形態2においては、上述した実施の形態1と同一部分は同一符号で示し、説明を省略する。
【0053】
図5は、この発明にかかる実施の形態2のストレーナの構成を示す説明図である。図5においては、この発明にかかる実施の形態2のストレーナのハードウエア構成を示している。図5に示すように、この発明にかかる実施の形態2のストレーナ500のハードウエアは、第1の圧力センサ501、第2の圧力センサ502、ドラム駆動モータ102、バルブ駆動モータ503、バルブ制御部504を含んで構成される。
【0054】
第1の圧力センサ501は、元圧室202に供給される液圧を検出し、検出した液圧に関する情報をバルブ制御部504に出力する。具体的に、第1の圧力センサ501は、原液導入管103における水圧、あるいは、元圧室202内の水圧を検出し、検出した水圧に関する情報をバルブ制御部504に出力する。
【0055】
第2の圧力センサ502は、元圧室202から吐出される液圧を検出し、検出した液圧に関する情報をバルブ制御部504に出力する。具体的に、第2の圧力センサ502は、濾過液吐出管104における水圧、あるいは、元圧室202と濾過液吐出管104との接続位置近傍における水圧を検出し、検出した水圧に関する情報をバルブ制御部504に出力する。
【0056】
第1の圧力センサ501や第2の圧力センサ502は、たとえば、ステンレスやシリコン製のダイアフラムにおける受圧部の裏側に抵抗ブリッジを設け、加えられた圧力に応じて変化するダイアフラムの歪み量を電圧変化として検出する、歪みゲージ式の圧力センサによって実現することができる。
【0057】
あるいは、第1の圧力センサ501や第2の圧力センサ502は、たとえば、ダイアフラムにおける受圧部の裏側にゲージ薄膜を設け、加えられた圧力に応じたダイアフラムの変形にともなってゲージ薄膜が歪むことにより発生する電気抵抗の変化を検出する、薄膜式圧力センサによって実現してもよい。第1の圧力センサ501や第2の圧力センサ502は、公知の各種の圧力センサによって実現することができる。
【0058】
バルブ駆動モータ503は、排塵用バルブ110の弁棒に連結されている。排塵用バルブ110は、バルブ制御部504によって駆動制御される。バルブ駆動モータ503は、正方向および逆方向のいずれか一方向のみに回転するものであってもよく、バルブ制御部504から出力される制御信号に応じて、正方向および逆方向の両方向に選択的に回転するものであってもよい。排塵用バルブ110は、バルブ駆動モータ503によって操作され、第2の排塵管106の管路111を全閉する位置と全開する位置とのいずれか一方に選択的に位置づけられる。ドラム駆動モータ102は、バルブ制御部504によって駆動制御される。
【0059】
バルブ制御部504は、CPU505、メモリ506、入出力I/F(InterFace)507によって構成されている。CPU505は、入出力I/F507を介して第1の圧力センサ501や第2の圧力センサ502から入力を受け付けた情報に基づいて、メモリ506に記憶された各種制御プラグラムを実行することによって、入出力I/F507を介して接続されたバルブ駆動モータ503やドラム駆動モータ102を制御する。メモリ506は、CPU505が実行する制御プログラムに加えて、たとえば、後述する処理にかかる判断に用いる差圧に関する情報を記憶する。
【0060】
(ストレーナ500の処理手順)
つぎに、この発明にかかる実施の形態2のストレーナ500の処理手順について説明する。図6は、この発明にかかる実施の形態2のストレーナ500の処理手順を示すフローチャートである。
【0061】
図6のフローチャートに示す処理は、ドラム駆動モータ102を駆動している間であって、前回処理を開始してから所定時間が経過するごとに実行する。所定時間は、たとえば、「1分」、「3分」、「10分」などのように任意に設定することができる。また、所定時間は、たとえば、「0秒」、「1秒」などのように、短い時間間隔を設定してもよい。この場合、図6のフローチャートに示す処理は、実質、ドラム駆動モータ102を駆動している間は常時おこなわれる。
【0062】
図6のフローチャートにおいて、まず、原液導入管103における水圧を取得する(ステップS601)。具体的に、ステップS601においては、第1の圧力センサ501からの出力値に基づいて、原液導入管103における水圧を取得することができる。
【0063】
また、濾過液吐出管104における水圧を取得する(ステップS602)。具体的に、ステップS602においては、第2の圧力センサ502からの出力値に基づいて、濾過液吐出管104における水圧を取得することができる。
【0064】
ステップS601における処理と、ステップS602における処理とは、実行する順序が逆であってもよい。すなわち、濾過液吐出管104における水圧を取得した後に、原液導入管103における水圧を取得するものであってもよい。
【0065】
つぎに、ステップS601において取得された原液導入管103における水圧と、ステップS602において取得された濾過液吐出管104における水圧と、の差圧を算出する(ステップS603)。そして、ステップS603において算出された差圧が、あらかじめ設定された所定の閾値以上であるか否かを判断する(ステップS604)。
【0066】
たとえば、原液導入管103あるいは元圧室202における水圧が、濾過液吐出管104における水圧よりも所定の閾値以上高い場合、元圧室202に導入される原液の量よりも、元圧室202から吐出される濾過液の量が少ないと想定される。ステップS604においては、このような状況を想定し、差圧が、あらかじめ設定された所定の閾値以上である場合に、元圧室202内に異物が堆積していると判断する。
【0067】
元圧室202に導入された原液の量以上の濾過液が元圧室202から吐出されることはないため、所定の閾値は正の値を設定することができる。濾過液吐出管104における水圧は、元圧室202に導入される原液に異物が含まれていないと仮定した場合、最大で原液導入管103あるいは元圧室202における水圧と等しくなり、理論上は元圧室202内における水圧よりも大きくなることはないが、元圧室202内の液体の波動などに起因して、元圧室202から吐出される水圧が、元圧室202における水圧よりも一時的に大きくなることが想定される。このため、所定の閾値は、元圧室202内の波動を考慮した負の値から、元圧室202内に異物が堆積していると判断される正の値までの一定の幅をもって設定されていてもよい。
【0068】
ステップS604において、ステップS603において算出された差圧が、あらかじめ設定された所定の閾値以上である場合(ステップS604:Yes)、バルブ駆動モータ503を駆動制御して排塵用バルブ110を開く(ステップS605)。これにより、第2の排塵管106の管路111が開放され、元圧室202にかかる圧力と大気圧との差圧が生じ、ドラム201の内側から元圧室202側へ液体が逆流する。そして、逆流する濾過液によって、元圧室202内に堆積した異物が、第2の排塵管106の他端から元圧室202の外部に排出される。これにより、元圧室202内に堆積した異物を除去することができる。
【0069】
その後、ステップS605において排塵用バルブ110を開いてから所定時間が経過するまで待機する(ステップS606:No)。ステップS606においては、作業者などが、元圧室202に堆積した異物を排出するために適正と判断した任意の時間を設定することができる。
【0070】
ステップS606において、排塵用バルブ110を開いてから所定時間が経過した場合(ステップS606:Yes)、排塵用バルブ110を閉める(ステップS607)。これにより、第2の排塵管106の管路111が閉塞され、第2の排塵管106からの濾過液や異物の排出が停止される。
【0071】
一方、ステップS604において、ステップS603において算出された差圧が、あらかじめ設定された所定の閾値未満である場合(ステップS604:No)、一連の処理を終了する。
【0072】
図6のフローチャートに示した処理においては、排塵用バルブ110を所定時間開いて元圧室202内の異物を排出し、排塵用バルブ110を閉めた後、ステップS601へ移行する。そして、ステップS601~ステップS604の処理をおこなう。このように、差圧が所定の閾値未満となるまで、すなわち、元圧室202内の異物が適正に排出されたと判断できるまで、繰り返して排塵用バルブ110の開閉をおこなうことにより、作業者によるバルブの操作を要することなくバルブ制御をおこなって、元圧室202内に堆積した異物を確実に取り除くことができる。
【0073】
上述した処理手順においては、差圧が所定の閾値以上である場合、差圧が所定の閾値未満となるまで排塵用バルブ110を繰り返し開閉するようにしたが、ストレーナ500においては、この処理に限るものではない。たとえば、差圧が所定の閾値以上である場合、あらかじめ設定した所定の繰り返し回数分、排塵用バルブ110を開閉する処理をおこなってもよい。
【0074】
このように、差圧の値にかかわらずバルブの開閉を繰り返すことにより、元圧室202内における液体に波動を生じさせ、元圧室202内に堆積した異物を浮き上がらせて取り除きやすくすることができる。これにより、洗浄効果を高め、元圧室202内に堆積した異物を確実に取り除くことができ、元圧室202内に堆積した異物を取り除く清掃作業にかかる作業者の負担軽減を図ることができる。
【0075】
また、上述した実施の形態2においては、原液導入管103を介して元圧室202内に導入された原液を用いて、元圧室202内に堆積した異物の除去をおこなうようにしたが、当該異物の除去に用いる液体は、原液導入管103を介して導入された原液に限らない。上述した実施の形態1と同様に、濾過液吐出管104から元圧室202に供給した液体(濾過液)を用いて元圧室202内に堆積した異物の除去をおこなうようにしてもよい。
【0076】
この場合、バルブ制御部504は、バルブ制御に際して、原液導入管103の管路を開放可能に閉塞するバルブを閉じた後に、排塵用バルブ110を開いて第2の排塵管106の管路111を開放するように、ストレーナ500が備える各部を駆動制御する。これにより、異物が堆積した元圧室202にさらに異物を導入することなく、元圧室202内に堆積した異物を除去することができる。
【0077】
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態2のストレーナ500は、元圧室202に供給される液圧と、元圧室202から吐出される液圧と、の差圧が所定の値以上になった場合に、バルブを開位置に位置づけるバルブ制御をおこなうバルブ制御部504を備えたことを特徴としている。
【0078】
この発明にかかる実施の形態2のストレーナ500によれば、作業者による差圧の監視や排塵用バルブ110の操作を要することなく、差圧が所定の値以上になった場合にバルブ制御をおこなって、元圧室202内に堆積した異物を取り除くことができる。これにより、元圧室202内に堆積した異物を取り除く清掃作業にかかる作業者の負担軽減を図ることができる。
【0079】
また、この発明にかかる実施の形態2のストレーナ500は、バルブ制御部504が、排塵用バルブ110を所定時間連続して開位置に位置づけた後に閉位置に位置づけるバルブ制御をおこなうことを特徴としている。
【0080】
この発明にかかる実施の形態2のストレーナ500によれば、作業者による排塵用バルブ110の操作を要することなくバルブ制御をおこない、元圧室202内に堆積した異物を取り除くことができる。これにより、元圧室202内に堆積した異物を取り除く清掃作業にかかる作業者の負担軽減を図ることができる。
【0081】
また、この発明にかかる実施の形態2のストレーナ500は、バルブ制御部504が、バルブ制御を所定回数繰り返しておこなうことを特徴としている。
【0082】
この発明にかかる実施の形態2のストレーナ500によれば、排塵用バルブ110の開閉を繰り返すことにより、元圧室202内における液体に波動を生じさせ、元圧室202内に堆積した異物を浮き上がらせて取り除きやすくすることができる。これにより、洗浄効果を高め、元圧室202内に堆積した異物を確実に取り除くことができ、元圧室202内に堆積した異物を取り除く清掃作業にかかる作業者の負担軽減を図ることができる。
【0083】
また、この発明にかかる実施の形態2のストレーナ500は、バルブ制御部504が、バルブ制御を、排塵用バルブ110を所定時間連続して開位置に位置づけた後に閉位置に位置づけた後の差圧が所定の閾値を下回るまで繰り返しておこなうことを特徴としている。
【0084】
この発明にかかる実施の形態2のストレーナ500によれば、差圧が所定の閾値を下回るまで排塵用バルブ110の開閉を繰り返すことにより、作業者による排塵用バルブ110の操作を要することなく、元圧室202内に堆積した異物を確実に取り除くことができる。これにより、元圧室202内に堆積した異物を取り除く清掃作業にかかる作業者の負担軽減を図ることができる。
【0085】
なお、上述した実施の形態1で説明したように、濾過液吐出管104から元圧室202に液体(濾過液)を供給するようにしてもよい。この場合、バルブ制御部504は、原液導入管の管理を閉じた後に、排塵用バルブ110を開いて第2の排塵管106の管路111を開放するように、ストレーナ500が備える各部を駆動制御する。
【0086】
この発明にかかる実施の形態2のストレーナ500によれば、濾過液吐出管104から異物を取り除いた濾過液を供給してバルブ制御をおこなうことにより、原液導入管103から原液を供給してバルブ制御をおこなうことによるあらたな異物の体積を生じさせることなく元圧室202内に堆積した異物を確実に取り除くことができる。これにより、元圧室202内に堆積した異物を確実に取り除くことができ、元圧室202内に堆積した異物を取り除く清掃作業にかかる作業者の負担軽減を図ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0087】
以上のように、この発明にかかるストレーナは、液体に含まれる異物を濾過によって除去するストレーナに有用であり、特に、木の枝などサイズの大きい異物を濾過によって除去するストレーナに適している。
【符号の説明】
【0088】
100 ストレーナ
101 ケーシング
102 ドラム駆動モータ
103 原液導入管
104 濾過液吐出管
105 第1の排塵管
106 第2の排塵管
110 排塵用バルブ
111 管路
201 ドラム
204 貫通孔
205 ストレーナメディア
501 第1の圧力センサ
502 第2の圧力センサ
503 バルブ駆動モータ
504 バルブ制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6