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特許7540153画像形成システム、サーバ、画像形成装置および管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】画像形成システム、サーバ、画像形成装置および管理方法
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20240820BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20240820BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240820BHJP
   B41J 29/46 20060101ALI20240820BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
G03G21/00 510
G03G21/00 390
B41J29/00 Z
B41J29/38 204
B41J29/00 B
B41J29/46 Z
G06F3/12 303
G06F3/12 310
G06F3/12 335
G06F3/12 373
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020000887
(22)【出願日】2020-01-07
(65)【公開番号】P2021110775
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2022-12-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135013
【弁理士】
【氏名又は名称】西田 隆美
(72)【発明者】
【氏名】杉山 隆志
【審査官】市川 勝
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-090517(JP,A)
【文献】特開2017-047590(JP,A)
【文献】特開2009-003294(JP,A)
【文献】特開2019-061057(JP,A)
【文献】特開2012-187724(JP,A)
【文献】国際公開第2016/158393(WO,A1)
【文献】特開2018-043409(JP,A)
【文献】特開2016-193592(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2006/0095280(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
B41J 29/00
B41J 29/38
B41J 29/46
G06F 3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバと画像形成装置とを含む画像形成システムであって、
前記サーバとネットワークを介して通信可能な画像形成装置であって、
装置本体と、
前記装置本体に装着可能な消耗品カートリッジであって、特定の動作モードを表す種別情報を記憶する消耗品メモリを有する消耗品カートリッジと、
前記種別情報に従って前記サーバが前記消耗品カートリッジを用いた印刷を管理しない第1モードと、前記種別情報に従って前記サーバが前記消耗品カートリッジを用いた印刷を管理する第2モードとを含む動作モードであって、前記第1モードと前記第2モードとのいずれかに応じた処理を実行する本体制御部と、
前記本体制御部の制御に基づいて、印刷処理を実行する印刷機構と、
を有する画像形成装置と、
前記画像形成装置と通信可能なサーバと、
を備え、
前記サーバは、
前記本体制御部の動作モードを前記第1モードまたは前記第2モードに変更する動作モード変更要求を取得する動作モード変更要求取得処理と、
前記動作モード変更要求取得処理により取得された前記動作モード変更要求に応じて、前記本体制御部の前記動作モードを前記第1モードまたは前記第2モードに設定させる動作モード設定命令を送信する動作モード設定命令送信処理と、
を実行し、
前記本体制御部は、
前記動作モード設定命令送信処理により送信された前記動作モード設定命令に応じて、前記動作モードを設定する動作モード設定処理
前記動作モード設定処理により前記動作モードが前記第2モードに設定されている場合、前記種別情報を前記消耗品メモリから読み出して前記サーバへ送信する消耗品情報送信処理と、
前記消耗品カートリッジが交換されたか判定する交換判定処理と、
を実行し、
前記本体制御部は、前記交換判定処理によって前記消耗品カートリッジが交換されたと判定された場合、前記消耗品情報送信処理を実行し、
前記サーバは、
前記消耗品情報送信処理によって前記本体制御部から送信された前記種別情報が表す種別を判定する第1種別判定処理と、
前記第1種別判定処理により前記種別情報が前記第2モードを表すと判定された場合、前記画像形成装置における前記消耗品カートリッジを用いる印刷の管理を開始する管理開始処理と、
を実行することを特徴とする、画像形成システム。
【請求項2】
請求項に記載の画像形成システムであって、
前記管理開始処理は、前記画像形成装置が印刷した印刷枚数のカウントを開始する処理を含むことを特徴とする、画像形成システム。
【請求項3】
請求項または請求項に記載の画像形成システムであって、
前記サーバは、
前記管理開始処理の後に実行される前記第1種別判定処理により、前記種別情報が前記第1モードを表すと判定された場合、前記画像形成装置の管理を停止する管理停止処理と、
前記管理停止処理の後に実行される前記第1種別判定処理により、前記種別情報が前記第2モードを表すと判定された場合、前記画像形成装置の管理を再開する管理再開処理と、
を実行することを特徴とする、画像形成システム。
【請求項4】
請求項から請求項のいずれか1項に記載の画像形成システムであって、
前記本体制御部は、
前記動作モード設定処理により前記動作モードが前記第2モードに設定されている場合、前記消耗品カートリッジを用いて印刷した印刷枚数を前記サーバに送信する印刷枚数送信処理、
を実行し、
前記サーバは、
前記印刷枚数送信処理によって送信された前記印刷枚数をカウントする印刷枚数カウント処理、を実行することを特徴とする、画像形成システム。
【請求項5】
請求項に記載の画像形成システムであって、
前記サーバは、
前記動作モード変更要求に対応する前記画像形成装置について、印刷枚数の上限である上限枚数を設定する上限枚数設定処理と、
前記印刷枚数カウント処理により求められた印刷枚数が、前記上限枚数設定処理により設定された前記上限枚数を超える場合、前記画像形成装置について課金する課金処理と、
を実行することを特徴とする、画像形成システム。
【請求項6】
請求項または請求項に記載の画像形成システムであって、
前記サーバは、
前記消耗品情報送信処理によって前記本体制御部から送信された前記種別情報が表す種別を判定する第2種別判定処理を実行し、
前記第2種別判定処理によって、前記種別情報が第1モードを表すと判定された場合、前記印刷枚数カウント処理を停止することを特徴とする、画像形成システム。
【請求項7】
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の画像形成システムであって、
前記本体制御部は、
前記動作モード設定処理により前記動作モードが前記第2モードに設定されている場合、前記サーバと通信可能であるかを判定する通信判定処理と、
前記通信判定処理により、前記サーバと通信不能であると判定された場合、前記種別情報が前記第2モードを表す前記消耗品カートリッジを使用して印刷した印刷枚数が、予め設定された許容枚数を超えるか判定する印刷枚数判定処理と、
前記印刷枚数判定処理により、前記印刷枚数の累計が前記許容枚数を超えると判定された場合、エラー状態とする第1のエラー処理と、
を実行することを特徴とする、画像形成システム。
【請求項8】
請求項に記載の画像形成システムであって、
前記サーバは、
前記動作モード変更要求に基づいて、前記画像形成装置における印刷枚数の上限枚数を設定する上限枚数設定処理と、
前記上限枚数設定処理によって設定された前記上限枚数に基づいて前記許容枚数を決定し、前記許容枚数を前記本体制御部に送信する許容枚数送信処理と、
を実行することを特徴とする、画像形成システム。
【請求項9】
請求項から請求項のいずれか1項に記載の画像形成システムであって、
前記サーバは、
前記管理開始処理により管理されている前記画像形成装置について、契約の有効性を登録する登録処理と、
前記管理開始処理により管理されている前記画像形成装置について、前記登録処理により登録された前記契約の有効性を判定する第1の有効性判定処理と、
前記第1の有効性判定処理により前記契約が無効であると判定された場合、前記画像形成装置の前記本体制御部に印刷処理を制限する制限命令を送信する制限命令送信処理と、
前記制限命令送信処理により、前記制限命令が送信された前記画像形成装置について、前記契約の有効性を判定する第2の有効性判定処理と、
前記第2の有効性判定処理により前記契約が有効であると判定された場合、前記画像形成装置の前記本体制御部に印刷処理の制限を解除する解除命令を送信する解除命令送信処理と、
を実行することを特徴とする、画像形成システム。
【請求項10】
請求項から請求項のいずれか1項に記載の画像形成システムであって、
前記本体制御部は、
前記動作モード設定処理により前記第2モードに設定されている場合、前記サーバとの通信が可能か判定する通信判定処理と、
前記通信判定処理により前記サーバとの通信が不能であると判定された場合、前記消耗品メモリに記憶された前記種別情報を判定する第3種別判定処理と、
前記第3種別判定処理により前記種別情報が前記第2モードを表すと判定された場合エラー状態とする第2のエラー処理と、
を実行することを特徴とする、画像形成システム。
【請求項11】
請求項から請求項のいずれか1項に記載の画像形成システムであって、
前記本体制御部は、
前記動作モード設定処理により前記第2モードに設定されている場合、既定のタイミングで、前記消耗品カートリッジの寿命を表す寿命情報を前記サーバへ送信する寿命情報送信処理、
を実行することを特徴とする、画像形成システム。
【請求項12】
請求項11に記載の画像形成システムであって、
前記サーバは、
前記管理開始処理により管理されている前記画像形成装置の前記本体制御部から、前記寿命情報送信処理により前記サーバに送信された前記寿命情報が閾値を越えるかを判定する寿命判定処理と、
前記寿命判定処理により前記寿命情報が閾値を越えると判定された場合、前記種別情報が前記第2モードを表す新たな前記消耗品カートリッジの配送を手配する配送手配処理と、
を実行することを特徴とする、画像形成システム。
【請求項13】
請求項12に記載の画像形成システムであって、
前記サーバは、
前記第1種別判定処理により前記種別情報が第1モードを表すと判定された場合、前記配送手配処理を停止することを特徴とする、画像形成システム。
【請求項14】
請求項12または請求項13に記載の画像形成システムであって、
前記消耗品情報送信処理は、
前記消耗品カートリッジを識別するための消耗品識別情報を前記サーバへ送信する処理、を含み、
前記配送手配処理は、
前記寿命判定処理により前記寿命情報が閾値を越えると前記サーバが判定した場合、前記消耗品情報送信処理によって送信された前記消耗品識別情報を前記サーバが記録する消耗品識別情報記録処理と、
前記寿命判定処理により前記寿命情報が閾値を越えると判前記サーバが判定した場合、前記本体制御部から送信された前記消耗品識別情報が、前記消耗品識別情報記録処理によって記録された前記消耗品識別情報と一致するかを前記サーバが判定する消耗品識別情報判定処理と、
を含み、
前記サーバは、
前記消耗品識別情報判定処理により前記消耗品識別情報が一致しないと判定された場合、前記消耗品カートリッジの配送を手配することを特徴とする、画像形成システム。
【請求項15】
請求項12から請求項14までのいずれか1項に記載の画像形成システムであって、
前記消耗品カートリッジは、印刷材を収容するケーシングを有し、
前記寿命情報は、前記ケーシングに収容されている前記印刷材の残量を表す残量情報を含み、
前記寿命判定処理は、前記残量情報が表す前記残量が、所定の閾値を下回るかを前記サーバが判定する処理を含み、
前記配送手配処理は、前記寿命判定処理により、前記残量が所定の閾値を下回ると前記サーバが判定した場合、前記種別情報が前記第2モードを表す新たな前記消耗品カートリッジの配送を前記サーバが手配する処理を含むことを特徴とする、画像形成システム。
【請求項16】
画像形成装置とネットワークを介して通信可能なサーバであって、
前記画像形成装置は、
装置本体と、
前記装置本体に装着可能な消耗品カートリッジであって、特定の動作モードを表す種別情報を記憶する消耗品メモリを有する消耗品カートリッジと、
前記種別情報に従って前記サーバが前記消耗品カートリッジを用いた印刷を管理しない第1モードと、前記種別情報に従って前記サーバが前記消耗品カートリッジを用いた印刷を管理する第2モードとを含む動作モードであって、前記第1モードと前記第2モードとのいずれかに応じた処理を実行する本体制御部と、
を備えており、
前記サーバは、
前記本体制御部の動作モードを、前記第1モードまたは前記第2モードに変更する動作モード変更要求を取得する動作モード変更要求取得処理と、
前記動作モード変更要求取得処理により取得された前記動作モード変更要求に応じて、前記本体制御部の前記動作モードを前記第1モードまたは前記第2モードに設定させる動作モード設定命令を送信する動作モード設定命令送信処理と、
を実行し、
前記本体制御部は、
前記動作モード設定命令送信処理により送信された前記動作モード設定命令に応じて、前記動作モードを設定する動作モード設定処理と、
前記動作モード設定処理により前記動作モードが前記第2モードに設定されている場合、前記種別情報を前記消耗品メモリから読み出して前記サーバへ送信する消耗品情報送信処理と、
前記消耗品カートリッジが交換されたか判定する交換判定処理と、
を実行し、
前記本体制御部は、前記交換判定処理によって前記消耗品カートリッジが交換されたと判定された場合、前記消耗品情報送信処理を実行し、
前記サーバは、
前記消耗品情報送信処理によって前記本体制御部から送信された前記種別情報が表す種別を判定する第1種別判定処理と、
前記第1種別判定処理により前記種別情報が前記第2モードを表すと判定された場合、前記画像形成装置における前記消耗品カートリッジを用いる印刷の管理を開始する管理開始処理と、
を実行することを特徴とする、サーバ。
【請求項17】
サーバとネットワークを介して通信可能な画像形成装置であって、
装置本体と、
前記装置本体に装着可能な消耗品カートリッジであって、特定の動作モードを表す種別情報を記憶する消耗品メモリを有する消耗品カートリッジと、
前記種別情報に従って前記サーバが前記消耗品カートリッジを用いた印刷を管理しない第1モードと、前記種別情報に従って前記サーバが前記消耗品カートリッジを用いた印刷を管理する第2モードとを含む動作モードであって、前記第1モードと前記第2モードとのいずれかに応じた処理を実行する本体制御部と、
前記本体制御部の制御に基づいて、印刷処理を実行する印刷機構と、
を備え、
前記本体制御部は、
前記サーバから送信された前記動作モードを前記第1モードまたは前記第2モードに設定させる動作モード設定命令に応じて、前記動作モードを設定する動作モード設定処理
前記動作モード設定処理により前記動作モードが前記第2モードに設定されている場合、前記種別情報を前記消耗品メモリから読み出して前記サーバへ送信する消耗品情報送信処理と、
前記消耗品カートリッジが交換されたか判定する交換判定処理と、
を実行し、
前記本体制御部は、前記交換判定処理によって前記消耗品カートリッジが交換されたと判定された場合、前記消耗品情報送信処理を実行し、
前記サーバは、
前記消耗品情報送信処理によって前記本体制御部から送信された前記種別情報が表す種別を判定する第1種別判定処理と、
前記第1種別判定処理により前記種別情報が前記第2モードを表すと判定された場合、前記画像形成装置における前記消耗品カートリッジを用いる印刷の管理を開始する管理開始処理と、
を実行することを特徴とする、画像形成装置。
【請求項18】
画像形成装置とデータ通信可能なサーバが前記画像形成装置を管理する管理方法であって、
前記画像形成装置は、
装置本体と、
前記装置本体に装着可能な消耗品カートリッジであって、特定の動作モードを表す種別情報を記憶する消耗品メモリを有する消耗品カートリッジと、
前記種別情報に従って前記サーバが前記消耗品カートリッジを用いた印刷を管理しない第1モードと、前記種別情報に従って関サーバが前記消耗品カートリッジを用いた印刷を管理する第2モードとを含む動作モードであって、前記第1モードと前記第2モードとのいずれかに応じた処理を実行する本体制御部と、
を備え、
(a)前記サーバが、前記本体制御部の動作モードを前記第1モードまたは前記第2モードに変更する動作モード変更要求を取得する動作モード変更要求取得工程と、
(b)前記サーバが、前記動作モード変更要求に応じて、前記本体制御部の前記動作モードを前記第1モードまたは前記第2モードに設定させる動作モード設定命令を送信する動作モード設定命令工程と、
(c)前記本体制御部が、前記動作モード設定命令に応じて、動作モードを設定する動作モード設定処理と、
(d)前記本体制御部が、前記動作モード設定処理により前記動作モードが前記第2モードに設定されている場合、前記種別情報を前記消耗品メモリから読み出して前記サーバへ送信する消耗品情報送信処理と、
(e)前記本体制御部が、前記消耗品カートリッジが交換されたか判定する交換判定処理と、
を含み、
前記本体制御部は、前記交換判定処理によって前記消耗品カートリッジが交換されたと判定された場合、前記消耗品情報送信処理を実行し、
前記管理方法は、さらに、
(f)前記サーバが、前記消耗品情報送信処理によって前記本体制御部から送信された前記種別情報が表す種別を判定する第1種別判定処理と、
(g)前記サーバが、前記第1種別判定処理により前記種別情報が前記第2モードを表すと判定された場合、前記画像形成装置における前記消耗品カートリッジを用いる印刷の管理を開始する管理開始処理と、
を含むことを特徴とする、管理方法。
【請求項19】
請求項1から請求項15のいずれか1項に記載の画像形成システムであって、
前記第1モードは通常モードであり、前記第2モードは契約モードであることを特徴とする、画像形成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成システム、サーバ、画像形成装置および管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の画像形成装置では、消耗品として、通常の消耗品の他に、許可情報登録用の消耗品と、特殊な消耗品とが準備される。許可情報登録用の消耗品は、1以上の識別情報を示す許可情報を予め記憶しているメモリを有する。特殊な消耗品は、1つの識別情報を予め記憶しているメモリを有する。装置本体は、許可情報登録用の消耗品が装着された場合、装着された消耗品から許可情報を取得して本体メモリに記憶する。また、装置本体は、特殊な消耗品が装着された場合、装着された消耗品から識別情報を取得し、取得した識別情報が、上記本体メモリに記憶された許可情報により示される1以上の識別情報のいずれかと一致するか否かを判断する。そして、装置本体は、識別情報が一致しないと判断したときには所定の機能制限を行い、識別情報が一致すると判断したときには所定の機能制限を行わない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-267601号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、消耗品が記憶する情報に基づいて、装置本体のみで、機能制限を行う、あるいは行わないといった、装置本体の動作が制御されていた。近年、多様なサービスをユーザに提供すること等を目的として、サーバが、画像形成装置の印刷を管理することが考えられ、この場合、サーバが画像形成装置の動作を制御する技術が求められる。
【0005】
本開示の目的は、サーバが印刷を管理する画像形成装置の動作を制御する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、第1態様は、サーバと画像形成装置とを含む画像形成システムであって、前記サーバとネットワークを介して通信可能な画像形成装置であって、装置本体と、前記装置本体に装着可能な消耗品カートリッジであって、特定の動作モードを表す種別情報を記憶する消耗品メモリを有する消耗品カートリッジと、前記種別情報に従って前記サーバが前記消耗品カートリッジを用いた印刷を管理しない第1モードと、前記種別情報に従って前記サーバが前記消耗品カートリッジを用いた印刷を管理する第2モードとを含む動作モードであって、前記第1モードと前記第2モードとのいずれかに応じた処理を実行する本体制御部と、前記本体制御部の制御に基づいて、印刷処理を実行する印刷機構と、を有する画像形成装置と、前記画像形成装置と通信可能なサーバと、を備え、前記サーバは、前記本体制御部の動作モードを前記第1モードまたは前記第2モードに変更する動作モード変更要求を取得する動作モード変更要求取得処理と、前記動作モード変更要求取得処理により取得された前記動作モード変更要求に応じて、前記本体制御部の前記動作モードを前記第1モードまたは前記第2モードに設定させる動作モード設定命令を送信する動作モード設定命令送信処理と、を実行し、前記本体制御部は、前記動作モード設定命令送信処理により送信された前記動作モード設定命令に応じて、前記動作モードを設定する動作モード設定処理を実行する。
【0007】
第2態様は、第1態様の画像形成システムであって、前記本体制御部は、前記動作モード設定処理により前記動作モードが前記第2モードに設定されている場合、前記種別情報を前記消耗品メモリから読み出して前記サーバへ送信する消耗品情報送信処理を実行する。
【0008】
第3態様は、第2態様の画像形成システムであって、前記本体制御部は、前記消耗品カートリッジが交換されたか判定する交換判定処理、を実行し、前記交換判定処理によって前記消耗品カートリッジが交換されたと判定された場合、前記消耗品情報送信処理を実行する。
【0009】
第4態様は、第3態様の画像形成システムであって、前記サーバは、前記消耗品情報送信処理によって前記本体制御部から送信された前記種別情報が表す種別を判定する第1種別判定処理と、前記第1種別判定処理により前記種別情報が前記第2モードを表すと判定された場合、前記画像形成装置における前記消耗品カートリッジを用いる印刷の管理を開始する管理開始処理とを実行する。
【0010】
第5態様は、第4態様の画像形成システムであって、前記管理開始処理は、前記画像形成装置が印刷した印刷枚数のカウントを開始する処理を含む。
【0011】
第6態様は、第4態様または第5態様の画像形成システムであって、前記サーバは、前記管理開始処理の後に実行される前記第1種別判定処理により、前記種別情報が前記第1モードを表すと判定された場合、前記画像形成装置の管理を停止する管理停止処理と、前記管理停止処理の後に実行される前記第1種別判定処理により、前記種別情報が前記第2モードを表すと判定された場合、前記画像形成装置の管理を再開する管理再開処理とを実行する。
【0012】
第7態様は、第2態様から第6態様のいずれか1つの画像形成システムであって、前記本体制御部は、前記動作モード設定処理により前記動作モードが前記第2モードに設定されている場合、前記消耗品カートリッジを用いて印刷した印刷枚数を前記サーバに送信する印刷枚数送信処理、を実行し、前記サーバは、前記印刷枚数送信処理によって送信された前記印刷枚数をカウントする印刷枚数カウント処理を実行する。
【0013】
第8態様は、第7態様の画像形成システムであって、前記サーバは、前記動作モード変更要求に対応する前記画像形成装置について、印刷枚数の上限である上限枚数を設定する上限枚数設定処理と、前記印刷枚数カウント処理により求められた印刷枚数が、前記上限枚数設定処理により設定された前記上限枚数を超える場合、前記画像形成装置について課金する課金処理とを実行する。
【0014】
第9態様は、第7態様または第8態様の画像形成システムであって、前記サーバは、前記消耗品情報送信処理によって前記本体制御部から送信された前記種別情報が表す種別を判定する第2種別判定処理を実行し、前記第2種別判定処理によって、前記種別情報が第1モードを表すと判定された場合、前記印刷枚数カウント処理を停止する。
【0015】
第10態様は、第1態様から第9態様のいずれか1つの画像形成システムであって、前記本体制御部は、前記動作モード設定処理により前記動作モードが前記第2モードに設定されている場合、前記サーバと通信可能であるかを判定する通信判定処理と、前記通信判定処理により、前記サーバと通信不能であると判定された場合、前記種別情報が前記第2モードを表す前記消耗品カートリッジを使用して印刷した印刷枚数が、予め設定された許容枚数を超えるか判定する印刷枚数判定処理と、前記印刷枚数判定処理により、前記印刷枚数の累計が前記許容枚数を超えると判定された場合、エラー状態とする第1のエラー処理とを実行する。
【0016】
第11態様は、第10態様の画像形成システムであって、前記サーバは、前記動作モード変更要求に基づいて、前記画像形成装置における印刷枚数の上限枚数を設定する上限枚数設定処理と、前記上限枚数設定処理によって設定された前記上限枚数に基づいて前記許容枚数を決定し、前記許容枚数を前記本体制御部に送信する許容枚数送信処理とを実行する。
【0017】
第12態様は、第4態様から第11態様のいずれか1つの画像形成システムであって、前記サーバは、前記管理開始処理により管理されている前記画像形成装置について、契約の有効性を登録する登録処理と、前記管理開始処理により管理されている前記画像形成装置について、前記登録処理により登録された前記契約の有効性を判定する第1の有効性判定処理と、前記第1の有効性判定処理により前記契約が無効であると判定された場合、前記画像形成装置の前記本体制御部に印刷処理を制限する制限命令を送信する制限命令送信処理と、前記制限命令送信処理により、前記制限命令が送信された前記画像形成装置について、前記契約の有効性を判定する第2の有効性判定処理と、前記第2の有効性判定処理により前記契約が有効であると判定された場合、前記画像形成装置の前記本体制御部に印刷処理の制限を解除する解除命令を送信する解除命令送信処理とを実行する。
【0018】
第13態様は、第2態様から第12態様のいずれか1つの画像形成システムであって、前記本体制御部は、前記動作モード設定処理により前記第2モードに設定されている場合、前記サーバとの通信が可能か判定する通信判定処理と、前記通信判定処理により前記サーバとの通信が不能であると判定された場合、前記消耗品メモリに記憶された前記種別情報を判定する第3種別判定処理と、前記第3種別判定処理により前記種別情報が前記第2モードを表すと判定された場合エラー状態とする第2のエラー処理とを実行する。
【0019】
第14態様は、第4態様から第9態様のいずれか1つの画像形成システムであって、前記本体制御部は、前記動作モード設定処理により前記第2モードに設定されている場合、既定のタイミングで、前記消耗品カートリッジの寿命を表す寿命情報を前記サーバへ送信する寿命情報送信処理を実行する。
【0020】
第15態様は、第14態様の画像形成システムであって、前記サーバは、前記管理開始処理により管理されている前記画像形成装置の前記本体制御部から、前記寿命情報送信処理により前記サーバに送信された前記寿命情報が閾値を越えるかを判定する寿命判定処理と、前記寿命判定処理により前記寿命情報が閾値を越えると判定された場合、前記種別情報が前記第2モードを表す新たな前記消耗品カートリッジの配送を手配する配送手配処理とを実行する。
【0021】
第16態様は、第15態様の画像形成システムであって、前記サーバは、前記第1種別判定処理により前記種別情報が第1モードを表すと判定された場合、前記配送手配処理を停止する。
【0022】
第17態様は、第15態様または第16態様の画像形成システムであって、前記消耗品情報送信処理は、前記消耗品カートリッジを識別するための消耗品識別情報を前記サーバへ送信する処理、を含み、前記配送手配処理は、前記寿命判定処理により前記寿命情報が閾値を越えると前記サーバが判定した場合、前記消耗品情報送信処理によって送信された前記消耗品識別情報を前記サーバが記録する消耗品識別情報記録処理と、前記寿命判定処理により前記寿命情報が閾値を越えると判前記サーバが判定した場合、前記本体制御部から送信された前記消耗品識別情報が、前記消耗品識別情報記録処理によって記録された前記消耗品識別情報と一致するかを前記サーバが判定する消耗品識別情報判定処理と、を含み、前記サーバは、前記消耗品識別情報判定処理により前記消耗品識別情報が一致しないと判定された場合、前記消耗品カートリッジの配送を手配する。
【0023】
第18態様は、請求項15から請求項17いずれか1項に記載の画像形成システムであって、前記消耗品カートリッジは、印刷材を収容するケーシングを有し、前記寿命情報は、前記ケーシングに収容されている前記印刷材の残量を表す残量情報を含み、前記寿命判定処理は、前記残量情報が表す前記残量が、所定の閾値を下回るかを前記サーバが判定する処理を含み、前記配送手配処理は、前記寿命判定処理により、前記残量が所定の閾値を下回ると前記サーバが判定した場合、前記種別情報が前記第2モードを表す新たな前記消耗品カートリッジの配送を前記サーバが手配する処理を含む。
【0024】
第19態様は、画像形成装置とネットワークを介して通信可能なサーバであって、前記画像形成装置は、装置本体と、前記装置本体に装着可能な消耗品カートリッジであって、特定の動作モードを表す種別情報を記憶する消耗品メモリを有する消耗品カートリッジと、前記種別情報に従って前記サーバが前記消耗品カートリッジを用いた印刷を管理しない第1モードと、前記種別情報に従って前記サーバが前記消耗品カートリッジを用いた印刷を管理する第2モードとを含む動作モードであって、前記第1モードと前記第2モードとのいずれかに応じた処理を実行する本体制御部と、を備えており、前記サーバは、前記本体制御部の動作モードを、前記第1モードまたは前記第2モードに変更する動作モード変更要求を取得する動作モード変更要求取得処理と、前記動作モード変更要求取得処理により取得された前記動作モード変更要求に応じて、前記本体制御部の前記動作モードを前記第1モードまたは前記第2モードに設定させる動作モード設定命令を送信する動作モード設定命令送信処理とを実行する。
【0025】
第20態様は、サーバとネットワークを介して通信可能な画像形成装置であって、装置本体と、前記装置本体に装着可能な消耗品カートリッジであって、特定の動作モードを表す種別情報を記憶する消耗品メモリを有する消耗品カートリッジと、前記種別情報に従って前記サーバが前記消耗品カートリッジを用いた印刷を管理しない第1モードと、前記種別情報に従って前記サーバが前記消耗品カートリッジを用いた印刷を管理する第2モードとを含む動作モードであって、前記第1モードと前記第2モードとのいずれかに応じた処理を実行する本体制御部と、前記本体制御部の制御に基づいて、印刷処理を実行する印刷機構と、を備え、前記本体制御部は、前記サーバから送信された前記動作モードを前記第1モードまたは前記第2モードに設定させる動作モード設定命令に応じて、前記動作モードを設定する動作モード設定処理を実行する。
【0026】
第21態様は、画像形成装置とデータ通信可能なサーバが前記画像形成装置を管理する管理方法であって、前記画像形成装置は、装置本体と、前記装置本体に装着可能な消耗品カートリッジであって、特定の動作モードを表す種別情報を記憶する消耗品メモリを有する消耗品カートリッジと、前記種別情報に従って前記サーバが前記消耗品カートリッジを用いた印刷を管理しない第1モードと、前記種別情報に従って関サーバが前記消耗品カートリッジを用いた印刷を管理する第2モードとを含む動作モードであって、前記第1モードと前記第2モードとのいずれかに応じた処理を実行する本体制御部と、を備え、(a)前記サーバが、前記本体制御部の動作モードを前記第1モードまたは前記第2モードに変更する動作モード変更要求を取得する動作モード変更要求取得工程と、(b)前記サーバが、前記動作モード変更要求に応じて、前記本体制御部の前記動作モードを前記第1モードまたは前記第2モードに設定させる動作モード設定命令を送信する動作モード設定命令工程と、(c)前記本体制御部が、前記動作モード設定命令に応じて、動作モードを設定する動作モード設定処理とを含む。
【発明の効果】
【0027】
第1態様の画像形成システムによると、サーバが、動作モード変更要求に応じて、画像形成装置の本体制御部に対し、動作モードを第1モードまたは第2モードに設定する動作モード設定命令を送信する。そして、画像形成装置の本体制御部は、サーバからの動作モード設定命令に応じて、動作モードを第1モードまたは第2モードに設定する。これにより、サーバが画像形成装置の動作モードを制御することができる。
【0028】
第2態様の画像形成システムによると、画像形成装置で使用されている消耗品カートリッジの種別情報を、サーバへ送信することができる。
【0029】
第3態様の画像形成システムによると、画像形成装置において消耗品カートリッジが交換された際に、本体制御部が、交換後の消耗品カートリッジの種別情報を取得することができる。
【0030】
第4態様の画像形成システムによると、第2モードの消耗品カートリッジが画像形成装置に使用されたことを起点にして、消耗品カートリッジを用いる印刷の管理を開始することができる。
【0031】
第5態様の画像形成システムによると、第2モードに設定された画像形成装置において、第2モードに対応する消耗品カートリッジの使用が開始されたことを起点として、印刷枚数の管理を開始することができる。
【0032】
第6態様の画像形成システムによると、これにより、サーバが、画像形成装置における、第1モードに対応する消耗品カートリッジを用いた印刷と、第2モードに対応する消耗品カートリッジを用いた印刷とを区別して管理することができる。
【0033】
第7態様の画像形成システムによると、サーバが、第2モードの画像形成装置が印刷した印刷枚数をカウントすることができる。
【0034】
第8態様の画像形成システムによると、第2モードでの印刷枚数を累計が、予め登録された印刷枚数の上限を超えた場合に、ユーザに対して課金することができる。
【0035】
第9態様の画像形成システムによると、第1モードの消耗品カートリッジが用いられた場合の印刷枚数については、カウントから除外することができる。
【0036】
第10態様の画像形成システムによると、通信不能によって、サーバにおいて第2モードの消耗品カートリッジを使用しての印刷枚数を累計できない場合に、画像形成装置において、第2モードの消耗品カートリッジを使用して、許容枚数を超える印刷を抑制できる。
【0037】
第11態様の画像形成システムによると、サーバが、予め登録された上限枚数に基づいて許容枚数を決定し、その許容枚数を画像形成装置に送信するため、許容枚数を適切に設定することができる。
【0038】
第12態様の画像形成システムによると、登録の有効性に応じて、サーバが各画像装置における印刷処理を制限したり、印刷処理の制限を解除したりすることができる。
【0039】
第13態様の画像形成システムによると、サーバ4と画像形成装置1との間の通信の可否に応じて、サーバが各画像装置における印刷処理を制限したり、印刷処理の制限を解除したりすることができる。
【0040】
第14態様の画像形成システムによると、サーバが、使用されている印刷材カートリッジの種別情報を定期的に受信することができる。これにより、サーバが画像形成装置で使用されている消耗品カートリッジを、適切に管理することができる。
【0041】
第15態様の画像形成システムによると、印刷材の寿命情報に応じて、ユーザに対して新たな第2モードの消耗品カートリッジを配送することができる。
【0042】
第16態様の画像形成システムによると、第1モードの消耗品カートリッジに交換された場合に、新たな第2モードの消耗品カートリッジがユーザに発送されることを抑制できる。
【0043】
第17態様の画像形成システムによると、同一の消耗品カートリッジについて、新たな消耗品カートリッジの配送が複数回実行されることを抑制できる。
【0044】
第18態様の画像形成システムによると、印刷材の残量に応じて、ユーザに対して新たな第2モードの消耗品カートリッジを配送することができる。
【0045】
第19態様によると、サーバが、動作モード変更要求に応じて、画像形成装置の本体制御部に対し、動作モードを第1モードまたは第2モードに設定する動作モード設定命令を送信する。これにより、画像形成装置の本体制御部は、サーバからの動作モード設定命令に応じて、動作モードを第1モードまたは第2モードに設定することができる。このため、サーバが画像形成装置の動作モードを制御することができる。
【0046】
第20態様の画像形成装置によると、画像形成装置の本体制御部は、サーバからの動作モード設定命令に応じて、動作モードを第1モードまたは第2モードに設定する。このため、サーバが、画像形成装置の動作モードを制御することができる。
【0047】
第21態様の管理方法によるとサーバが、動作モード変更要求に応じて、画像形成装置の本体制御部に対し、動作モードを第1モードまたは第2モードに設定する動作モード設定命令を送信する。そして、画像形成装置の本体制御部は、サーバからの動作モード設定命令に応じて、動作モードを第1モードまたは第2モードに設定する。これにより、サーバが画像形成装置の動作モードを制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】実施形態に係る画像形成システムを示す全体図である。
図2】実施形態に係る画像形成システムにおいて実行される動作モード変更処理の流れを示す図である。
図3】登録情報を示す図である。
図4】実施形態に係る画像形成システムにおいて実行される管理状態変更処理の流れを示す図である。
図5】実施形態に係る契約画像形成装置が実行する印刷処理の流れを示す図である。
図6】実施形態に係る画像形成システムにおいて実行される定期送受信処理の流れを示す図である。
図7】実施形態に係るサーバが実行する請求処理の流れである。
図8】実施形態に係る画像形成システムにおいて実行される許容枚数設定処理の流れを示す図である。
図9】実施形態に係る画像形成システムにおいて実行される印刷制御処理の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、添付の図面を参照しながら、本開示の実施形態について説明する。なお、この実施形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本開示の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。図面においては、理解容易のため、必要に応じて各部の寸法や数が簡略化して図示されている場合がある。
【0050】
<1. 実施形態>
図1は、実施形態に係る画像形成システム100を示す全体図である。画像形成システム100は、画像形成装置1と、サーバ4と、登録端末5とを有する。画像形成装置1とサーバ4とは、インターネットを介して通信可能に接続される。サーバ4と登録端末5とは、インターネットを介して通信可能に接続される。図1では、1つの画像形成装置1がインターネットに接続されている状態を示しているが、複数の画像形成装置1がインターネットに接続される場合もある。
【0051】
画像形成装置1のユーザは、画像形成装置1で使用される消耗品カートリッジ(具体的には、トナーカートリッジ3)のベンダーと、サブスクリプション契約を締結する。そして、ベンダーは、サーバ4を介して、契約された画像形成装置1における印刷を管理する。以下、画像形成システム100の各要素の構成について説明する。
【0052】
<1.1. 画像形成装置の構成>
画像形成装置1は、印刷処理を実行可能である。画像形成装置1は、例えば不図示のLAN(Local Area Network)に接続されるデバイスであり、LANに接続されるコンピュータの周辺機器である。図1に示すように、画像形成装置1は、印刷処理を実行する装置本体2と、装置本体に装着されて印刷材としてのトナーを供給するトナーカートリッジ3とを有する。
【0053】
<装置本体の構成>
図1に示すように、画像形成装置1は、操作部21と、ディスプレイ23と、印刷機構25と、ネットワークI/F27と、本体制御部29とを備える。操作部21は、ユーザによる操作を受け付けるボタンである。ディスプレイ23は、様々な情報を表示する。ディスプレイ23は、いわゆるタッチパネルとしてもよい。この場合、タッチパネルは、操作部21として機能してもよい。
【0054】
印刷機構25は、トナーカートリッジ3からトナーの供給を受けて、電子写真方式(レーザー方式またはLED方式)で印刷処理を実行する。印刷機構25は、例えば、感光体ドラムと、帯電ユニットと、露光ユニットと、転写ユニットと、熱定着ユニットを有する。帯電ユニットは、感光体ドラムを帯電させる。露光ユニットは、印刷の対象である画像に応じたレーザ光またはLED光を、帯電した感光体ドラムに照射する。転写ユニットは、感光体ドラムの表面に付着したトナーを印刷用紙等の印刷基材に転写する。熱定着ユニットは、印刷基材に転写されたトナーを加熱により定着させる。トナーカートリッジ3は、トナーを収容可能なケーシング33を備えたトナーカートリッジである。画像形成装置1は、ネットワークI/F27を介して、インターネットに接続される。
【0055】
トナーカートリッジ3は、装置本体2に対して交換可能に装着される消耗品カートリッジの一例である。消耗品カートリッジは、装置本体2に対して交換可能に装着されるものであればよい。例えば、消耗品カートリッジは、感光体ドラムが搭載されているドラムカートリッジであってもよい。ドラムカートリッジは、トナーカートリッジ3を分離可能に装着することが可能なフレームを有していてもよい。また、トナーカートリッジ3に、感光体ドラムが一体に設けられていてもよい。また、印刷機構25は、インクジェット方式で印刷処理を実行してもよい。この場合、消耗品カートリッジは、インクを収容可能なケーシングを備えたインクカートリッジとしてもよい。また、消耗品カートリッジは、印刷基材としてのテープを供給するテープカセット、または、印刷基材にインクを定着させるための定着液カートリッジであってもよい。
【0056】
本体制御部29は、CPU291と、本体メモリ293とを備える。本体メモリ293は、プログラムP1を記憶している。CPU291は、本体メモリ293が記憶するプログラムP1に従って、各種処理を実行する。本体制御部29は、ASIC(特定用途向け半導体集積回路)などの専用回路を備えていてもよい。
【0057】
本体制御部29は、通常モード(第1モード)と、契約モード(第2モード)との動作モードのうちのいずれかの動作モードに応じた処理を実行する。通常モードは、トナー管理情報310に従って、サーバ4が画像形成装置1におけるトナーカートリッジ3を用いた印刷を管理しないモードである。契約モードは、トナー管理情報310に従って、サーバ4が画像形成装置1におけるトナーカートリッジ3を用いた印刷を管理するモードである。プログラムP1は、通常モードと契約モードとのそれぞれに対応する処理内容を規定している。
【0058】
本体メモリ293は、例えば、フラッシュROMまたはEEPROMである。本体メモリ293は、印刷枚数情報295を記憶する。印刷枚数情報295は、トナーカートリッジ3を用いて印刷したページ数(印刷枚数)を表す情報である。印刷枚数情報295は、画像形成装置1に装着されたトナーカートリッジ3ごとに作成されてもよい。本体制御部29は、印刷枚数情報295を、サーバ4へ送信する処理を実行する。
【0059】
本体メモリ293は、デバイスIDを記憶している。デバイスIDは、装置本体2を識別するための識別情報であって、具体的にはシリアルナンバーである。
【0060】
<トナーカートリッジの構成>
トナーカートリッジ3は、トナーメモリ31とケーシング33とを備える。トナーメモリ31は、例えば、フラッシュROMまたはEEPROMである。トナーメモリ31は、トナー管理情報310(消耗品管理情報)を記憶している。トナー管理情報310は、トナーID311と、種別情報313と、残量情報315とを含む。トナーID311は、個々のトナーカートリッジ3を識別するための情報であり、具体的にはシリアルナンバーである。種別情報313は、特定の動作モードを表す情報であり、具体的には通常モードと契約モードのいずれかである。残量情報315は、ケーシング33に収容されているトナーの残量を表す情報である。残量情報315は、トナーが使用されるたびに、インクリメントまたはデクリメントされる情報である。残量情報315は、トナーカートリッジ3の寿命を表す寿命情報の一例である。
【0061】
<サーバの構成>
サーバ4は、複数の画像形成装置1を管理するための管理サーバである。サーバ4は、ネットワークI/F41と、制御部43と、記憶部45とを備える。サーバ4はネットワークI/F41を介してインターネットに接続される。制御部43は、CPU431と、メモリ433とを備える。メモリ433は、プログラムP2を記憶している。CPU431は、プログラムP2に従って各種処理を実行する。サーバ4が実行する処理については、後述する。
【0062】
記憶部45は、例えば、データを永続的に記憶するストレージドライブであり、具体的には、ハードディスクドライブなどである。記憶部45は、登録情報451を記憶している。登録情報451は画像形成装置1それぞれに関する情報を集約したデータベースである。登録情報451については後に詳述する。
【0063】
<登録端末の構成>
登録端末5は、ネットワークI/F51と、制御部53とを備える。登録端末5は、ネットワークI/F51を介してインターネットに接続される。制御部53は、CPU531とメモリ533とを備える。メモリ533は、プログラムP3を記憶している。CPU531は、プログラムP3に従って各種処理を実行する。CPU531は、例えば、サーバ4に対して、特定の画像形成装置1が備える本体制御部29の動作モードの変更を要求する処理(後述する動作モード変更要求送信処理S11,S21)を実行する。
【0064】
登録端末5は、例えば、画像形成装置1のユーザが操作することが可能な通信機器(スマートフォン、ネットワークに接続されたパソコンなど)であることが好ましい。この場合、トナーカートリッジ3のベンダー等が、プログラムP3を、アプリとしてユーザに提供してもよい。なお、登録端末5は、ユーザが操作するものに限定されない。例えば、画像形成装置1のユーザからの要求に応じて、トナーカートリッジ3のベンダー、あるいは、サーバ4の管理者等が登録端末5を操作するようにしてもよい。
【0065】
<画像形成システムの運用例>
図2は、実施形態の画像形成システム100において実行される動作モード変更処理の流れを示す図である。動作モード変更処理は、画像形成装置1の動作モードを変更させる処理である。動作モード変更処理は、図2にように、契約処理S1と、契約解除処理S2とを含む。契約処理S1は、対象の画像形成装置1の動作モードを通常モードから契約モードに変更させる処理である。契約解除処理S2は、対象の画像形成装置1の動作モードを契約モードから通常モードに変更させる処理である。
【0066】
<契約処理S1>
契約処理S1においては、まず、登録端末5が、動作モード変更要求送信処理S11を実行する。動作モード変更要求送信処理S11は、登録端末5が、サーバ4に対して、動作モード変更要求R1を送信する処理である。動作モード変更要求R1は、特定の画像形成装置1の動作モードを通常モードから契約モードに変更する要求を表す情報である。動作モード変更要求R1には、契約モードに変更する画像形成装置1の識別情報(例えば、デバイスシリアルナンバ)、ユーザの住所、支払い情報等が含まれ得る。
【0067】
動作モード変更要求送信処理S11の後、サーバ4は、動作モード変更要求取得処理S12を実行する。動作モード変更要求取得処理S12は、動作モード変更要求送信処理S11によって登録端末5から送信された動作モード変更要求R1を取得する処理である。動作モード変更要求取得処理S12は、サーバ4が、動作モード変更要求R1に含まれる画像形成装置1の識別情報、ユーザの住所、支払い情報を、記憶部45に一時的に記憶させる処理を含む。
【0068】
動作モード変更要求取得処理S12の後、サーバ4は、動作モード設定命令送信処理S13を実行する。動作モード設定命令送信処理S13は、動作モード変更要求R1に対応する画像形成装置1に対して、契約モード設定命令C1を送信する処理である。契約モード設定命令C1は、対象の画像形成装置1の本体制御部29に対して、動作モードを契約モードに設定させる命令である。
【0069】
動作モード設定命令送信処理S13の後、画像形成装置1は、契約モード設定命令C1を受信すると、契約モード設定処理S14を実行する。契約モード設定処理S14は、画像形成装置1の本体制御部29が、動作モードを、契約モード設定命令C1に従って契約モードに設定する処理である。以下、本体制御部29が契約モードで動作する画像形成装置1を、契約画像形成装置1と称する場合がある。
【0070】
契約モード設定処理S14が完了すると、本体制御部29は、通知処理S15を実行する。通知処理S15は、動作モードを契約モードに設定したことを、サーバ4に対して通知する処理である。
【0071】
サーバ4は、通知処理S15による通知を受信すると、登録処理S16を実行する。登録処理S16は、動作モード変更要求送信処理S11により取得された動作モード変更要求R1に含まれる情報を、登録情報451として記憶部に記憶させる処理である。
【0072】
図3は、登録情報451を示す図である。図3に示すように、登録情報451には、ユーザを識別するための「ユーザID」ごとに、「デバイスID」、「支払情報」、「住所情報」、「管理状態」、「有効性」、「月初印刷枚数」、「現在印刷枚数」、「上限枚数」等が登録される。デバイスIDは、ユーザが契約を希望する画像形成装置1の識別情報である。支払情報は、ベンダーがユーザに請求する費用の支払い方法を表す情報である。「住所情報」は、新たなトナーカートリッジ3を発送するための発送先を表す情報である。「管理状態」は、サーバ4による契約画像形成装置1の管理状態を表す情報である。「有効性」は、契約画像形成装置1の契約の有効性を表す情報である。「月初印刷枚数」および「現在印刷枚数」は、カウントされた印刷枚数を表す情報である。「上限枚数」は、契約で定められた一定期間内で許容される印刷枚数の上限を表す情報である。サーバ4は、例えば契約処理S1において、契約モード変更要求R1に含まれる情報に基づいて、「上限枚数」を設定する処理(上限枚数設定処理)を実行する。
【0073】
<契約解除処理S2>
契約解除処理S2においては、まず、登録端末5が、動作モード変更要求送信処理S21を実行する。動作モード変更要求送信処理S21は、登録端末5が、サーバ4に対して、動作モード変更要求R2を送信する処理である。動作モード変更要求R2は、特定の画像形成装置1の動作モードを契約モードから通常モードに変更する要求を表す情報である。動作モード変更要求R2には、通常モードへ変更すべき画像形成装置1の識別情報等が含まれる。
【0074】
動作モード変更要求送信処理S21の後、サーバ4は、動作モード変更要求取得処理S22を実行する。動作モード変更要求取得処理S22は、登録端末5から送信された動作モード変更要求R2を取得する処理である。
【0075】
動作モード変更要求取得処理S22の後、サーバ4は、動作モード設定命令送信処理S23を実行する。動作モード設定命令送信処理S23は、動作モード変更要求R2に対応する画像形成装置1に対して、通常モード設定命令C2を送信する。通常モード設定命令C2は、対象の画像形成装置1における本体制御部29の動作モードを、通常モードに設定させる命令情報である。
【0076】
動作モード設定命令送信処理S23の後、画像形成装置1は、通常モード設定命令C2を受信すると、通常モード設定処理S24を実行する。通常モード設定処理S24は、画像形成装置1の装置本体2が備える本体制御部29の動作モードを、通常モード設定命令C2に応じて通常モードに設定する処理である。以下、本体制御部29が通常モードで動作する画像形成装置1を通常画像形成装置1と称する場合がある。
【0077】
通常モード設定処理S24が完了すると、本体制御部29は、通知処理S25を実行する。通知処理S25は、動作モードを通常モードに設定したことを、サーバ4に対して通知する処理である。
【0078】
サーバ4は、通知処理S25による通知を受信すると、登録情報変更処理S26を実行する。登録情報変更処理S26は、例えば、登録処理S16において登録情報451に登録された画像形成装置1の情報を削除する処理を含む。
【0079】
<管理状態変更処理>
図4は、実施形態に係る画像形成システム100において実行される管理状態変更処理の流れを示す図である。画像形成システム100においては、サーバ4が、契約画像形成装置1における契約トナーカートリッジ3を使用した印刷を管理する。ここで、「管理する」とは、具体的には、契約画像形成装置1において印刷した印刷枚数をカウントすることを含む。図4に示す管理状態変更処理は、サーバ4による対象の契約画像形成装置1の管理状態を変更する処理である。
【0080】
<契約画像形成装置の処理>
契約画像形成装置1の本体制御部29は、交換判定処理S30を実行する。交換判定処理S30は、トナーカートリッジ3が交換されたか判定する処理である。交換判定処理S30により、交換されたと判定された場合、本体制御部29は、交換時送信処理S31を実行する。具体的には、電源がONからOFFに切り換えられた場合、または、装置本体2のトナーカートリッジ3の交換のために開閉されるカバーの閉鎖がセンサー等で検出された場合、本体制御部29は、トナーカートリッジ3が交換されたと判定する。
【0081】
なお、交換判定処理S30は、トナーID311に基づいて、トナーカートリッジ3の交換を判定する処理を含んでもよい。この場合、制御部29は、装置本体2に装着されているトナーカートリッジ3のトナーIDを本体メモリ293に記憶させる。そして、電源がONからOFFに切り換えられた場合、または、カバーの閉鎖が検出された場合に、制御部29は、装置本体2に装着されているトナーカートリッジ3のトナーID311を、トナーメモリ31から読み出す。制御部29は、読み出されたトナーID311が、予め、本体メモリ293に記憶させたトナーID311と一致するか判定する。そして、制御部29は、トナーID311が一致しない場合にはトナーカートリッジ3が交換されたと判定し、トナーID311が一致する場合にはトナーカートリッジ3が交換されていないと判定する。この交換判定処理S30により、契約画像形成装置1において、トナーカートリッジ3が交換されたことを検出することができる。
【0082】
交換時送信処理S31は、装置本体2に装着されているトナーカートリッジ3のトナーメモリ31が記憶するトナー管理情報310を、サーバ4へ送信する処理を含む。交換時送信処理は、消耗品情報送信処理の一例である。また、交換時送信処理S31は、ユーザ情報をサーバ4へ送信する処理を含む。交換時送信処理S31が完了すると、本体制御部29は、再び交換判定処理S30へ戻る。
【0083】
<サーバの処理>
サーバ4は、トナー管理情報310を受信したか判定する受信判定処理S32を実行する。受信判定処理S32により、トナー管理情報310を受信したと判定された場合、サーバ4は、種別判定処理S33を実行する。
【0084】
種別判定処理S33は、トナー管理情報310に含まれる種別情報313が、契約モードであるか判定する処理である。種別判定処理S33により、種別情報313が契約モードであると判定された場合、サーバ4は、管理状態判定処理S34を実行する。種別判定処理S33により、種別情報313が契約モードでないと判定された場合、すなわち、通常モードであると判定された場合、サーバ4は、管理状態判定処理S36を実行する。
【0085】
管理状態判定処理S34は、対象の契約画像形成装置1の管理状態を判定する処理である。管理状態として、画像形成システム100では、「管理前」と「管理中」と、「管理停止」を含む。「管理前」は、サーバ4が対象の契約画像形成装置1における印刷の管理を開始する前の状態である。「管理中」は、サーバ4が対象の契約画像形成装置1における印刷の管理をしている状態である。「管理停止」は、サーバ4が対象の契約画像形成装置1における印刷の管理を一時的に停止している状態である。
【0086】
「管理前」は、契約画像形成装置1において、契約トナーカートリッジ3の使用が開始される前の状態を意味する。すなわち、「管理前」の契約画像形成装置1では、契約トナーカートリッジ3ではなく、通常トナーカートリッジ3が使用される。後述するように、サーバ4においては、「管理前」の契約画像形成装置1が印刷した印刷枚数のカウントが行われない。これにより、契約画像形成装置1であっても、通常トナーカートリッジ3が使用されての印刷枚数はカウントされない。
【0087】
「管理中」は、契約画像形成装置1において、契約トナーカートリッジ3の使用が開始された後の状態である。「管理中」の契約画像形成装置1が契約トナーカートリッジ3を用いての印刷枚数は、サーバ4によってカウントされる。
【0088】
管理状態判定処理S34において、契約画像形成装置1の管理状態が「管理前」である場合(管理状態判定処理S34においてYES)、サーバ4は、管理開始処理S35を実行する。契約画像形成装置1の管理状態が「管理前」でない場合、本体制御部29は、管理状態判定処理S38を実行する。
【0089】
管理開始処理S35は、対象の契約画像形成装置1の管理状態を、「管理前」から「管理中」に変更する処理である。このように、画像形成システム100においては、管理開始処理S35において、契約トナーカートリッジ3の使用が開始されたことを起点に、契約画像形成装置1の管理(具体的には、印刷枚数のカウント)が開始される。管理開始処理S35が完了すると、サーバ4は、受信判定処理S32へ戻る。
【0090】
管理状態判定処理S36は、対象の契約画像形成装置1の管理状態が「管理中」であるか判定する処理である。管理状態判定処理S36により、「管理中」であると判定された場合(管理状態判定処理S36においてYES)、契約画像形成装置1は、管理停止処理S37を実行する。管理状態判定処理S36により、「管理中」ではないと判定された場合、本体制御部29は、受信判定処理S32へ戻る。管理停止処理S37は、対象の契約画像形成装置1の管理状態を、「管理中」から「管理停止」に変更する処理である。
【0091】
画像形成システム100では、「管理中」の契約画像形成装置1において、通常トナーカートリッジ3の使用が検出された場合、管理状態判定処理S36および管理停止処理S37によって、対象の契約画像形成装置1の管理状態が、「管理停止」に変更される。このため、画像形成システム100において、サーバ4が対象の契約画像形成装置1における印刷を管理しない状態、すなわち、サーバ4が印刷枚数のカウントを行わない状態とされる。
【0092】
管理状態判定処理S38は、対象の契約画像形成装置1の管理状態が「管理停止」であるか判定する処理である。管理状態判定処理S38により「管理停止」であると判定された場合(管理状態判定処理S38においてYES)、契約画像形成装置1は、管理再開処理S39を実行する。管理状態判定処理S38により、「管理停止」でないと判定された場合、本体制御部29は、受信判定処理S32へ戻る。管理再開処理S39は、対象の契約画像形成装置1の管理状態を、「管理停止」から「管理中」に変更する処理である。
【0093】
画像形成システム100では、「管理停止」の契約画像形成装置1において、契約印刷材カートリッジ3が使用された場合、管理状態判定処理S38および管理再開処理S39によって、契約画像形成装置1の管理状態が、「管理中」に変更される。このため、サーバ4による、対象の契約画像形成装置1における印刷の管理をする状態、すなわち、印刷枚数のカウントが行われる状態とされる。
【0094】
サーバ4は、対象の契約画像形成装置1について、管理開始処理S35により「管理中」とした日時、管理停止処理S37により「管理停止」とした日時、及び、管理再開処理S39により「管理中」とした日時を、それぞれに登録情報451に記録する。サーバ4は、日時の情報を記録するための時計を備える。
【0095】
<印刷処理>
図5は、実施形態に係る契約画像形成装置1が実行する印刷処理の流れを示す図である。印刷処理において、契約モードの本体制御部29は、受付判定処理S41を実行する。受付判定処理S41は、通信路を経由して、あるいは、操作部21を介して、印刷要求を受け付けたか判定する処理である。
【0096】
受付判定処理S41により、印刷要求を受け付けたと判定された場合、本体制御部29は、印刷開始処理S42を実行する。印刷開始処理S42は、例えば、印刷機構25が印刷を開始するために必要となるウォームアップ動作等を含む。印刷開始処理S42が完了すると、本体制御部29は、通信判定処理S43を実行する。
【0097】
通信判定処理S43は、サーバ4との通信が不能であるか判定する処理である。通信判定処理S43により、通信が不能であると判定された場合、本体制御部29は、種別判定処理S431を実行する。通信判定処理S43により、通信が可能であると判定された場合、本体制御部29は、印刷枚数判定処理S44をスキップして、完了判定処理S45を実行する。
【0098】
種別判定処理S431は、装置本体2に装着されているトナーカートリッジ3の種別を、種別情報313に基づいて判定する処理である。種別情報313は、トナーカートリッジ3が装置本体2に装着された際に、トナーメモリ31から読み出される。種別判定処理S431により、契約トナーカートリッジ3であると判定された場合、本体制御部29は、印刷枚数判定処理S44を実行する。種別判定処理S431により、通常トナーカートリッジ3であると判定された場合、本体制御部29は、印刷枚数判定処理S44をスキップして、完了判定処理S45を実行する。
【0099】
印刷枚数判定処理S44は、契約画像形成装置1における契約トナーカートリッジ3を用いた印刷枚数の累計が、許容枚数を下回るか判定する処理である。許容枚数については、後に説明する。印刷枚数判定処理S44により、許容枚数を下回ると判定された場合、本体制御部29は、印刷要求に係る印刷が全て完了したか判定する完了判定処理S45を実行する。印刷枚数判定処理S44により、許容枚数を超えると判定された場合、本体制御部29は、エラー処理S46を実行する。
【0100】
エラー処理S46は、画像形成装置1をエラー状態とする処理である。エラー処理は、例えば、ディスプレイ23に所定のエラー画面を表示する処理、または、画像形成装置1における印刷が禁止する処理を含む。エラー処理S46によって、契約画像形成装置1における契約トナーカートリッジ3を用いた印刷処理が制限された状態となる。
【0101】
完了判定処理S45により、印刷処理が完了したと判定された場合、本体制御部29は、印刷終了処理S47を実行する。印刷終了処理S47は、印刷機構25の各要素の位置を元の位置に復帰させる処理、不要なトナーを回収または廃棄する処理などを含む。また、印刷終了処理S47は、印刷処理で使用されたトナーカートリッジ3の残量情報315を更新する処理を含む。本体制御部29は、印刷終了処理S47を完了すると、受付判定処理S41へ戻る。
【0102】
完了判定処理S45により、印刷が完了していないと判定された場合、本体制御部29は、1ページ分の印刷処理S48を実行する。そして、本体制御部29は、1ページ分の印刷処理S48を完了すると、カウントアップ処理S49を実行する。カウントアップ処理S49は、本体メモリ293に保存されている印刷枚数情報295が示すカウント値を1ページ分だけカウントアップする処理である。本体制御部29は、カウントアップ処理S49を完了すると、完了判定処理S45に戻る。このため、印刷が必要なページ数に応じて、印刷処理S48とカウントアップ処理S49とが繰り返し実行される。
【0103】
カウントアップ処理S49では、印刷処理S48において使用されたトナーカートリッジ3に対応する印刷枚数情報295がカウントアップされる。また、1ページ分の印刷が完結するたびに、印刷枚数情報295が更新される。これにより、本体メモリ293は、トナーID311により特定されるトナーカートリッジ3を用いて印刷した印刷枚数を記憶することができる。
【0104】
画像形成システム100においては、通信判定処理S43において、契約画像形成装置1がサーバ4と通信できないと判定された場合、印刷枚数判定処理S44およびエラー処理S46が実行されることによって、契約画像形成装置1における許容枚数を超える印刷が制限される。また、本体制御部29は、種別判定処理S431により通常トナーカートリッジ3であると判定された場合、本体制御部29は、印刷枚数判定処理S44をスキップする。このため、契約画像形成装置1において、通常トナーカートリッジ3が使用されている場合には、通常の印刷処理を実行することができる。
【0105】
<定期送信処理>
図6は、実施形態に係る画像形成システム100において実行される定期送受信処理の流れを示す図である。定期送受信処理は、契約画像形成装置1とサーバ4との間で、契約画像形成装置1の使用状況を表す情報(以下、「使用情報」と称する。)の送受信を定期的に実行する処理である。使用情報は、例えば、トナー管理情報310および印刷枚数情報295を含む。
【0106】
<契約画像形成装置の処理>
契約画像形成装置1の本体制御部29は、タイミング判定処理S50を実行する。タイミング判定処理S50は、使用情報をサーバ4へ送信するタイミングか否か判定する処理である。例えば、一定の周期で使用情報を送信するため、一定の周期が経過したときを送信のタイミングとしてもよい。また、所定の条件が成立している場合に、本体制御部29が送信タイミングに到達したと判定してもよい。具体的には、契約画像形成装置1において、印刷が終了したとき(完了判定処理S45により完了したと判定されたとき)を、送信のタイミングとしてもよい。また、契約画像形成装置1において印刷枚数の累計が所定の印刷枚数を越えているときを、送信のタイミングとしてもよい。
【0107】
タイミング判定処理S50により、送信すべきタイミングであると判定された場合、本体制御部29は、使用情報送信処理S51を実行する。使用情報送信処理S51は、トナー管理情報310および印刷枚数情報295を含む使用状況を、サーバ4へ送信する処理である。使用情報送信処理S51は、消耗品情報送信処理の一例である。また、使用情報に含まれる残量情報315を、サーバ4へ送信する寿命情報送信処理の一例である。さらに、使用情報送信処理S51は、サーバ4へ印刷枚数を送信する印刷枚数送信処理の一例である。
【0108】
<サーバの処理>
サーバ4は、受信判定処理S52を実行する。受信判定処理S52は、使用情報送信処理S51により本体制御部29が送信した使用情報を受信したか判定する処理である。受信判定処理S52により、使用情報を受信したと判定された場合、サーバ4は、管理状態判定処理S53を実行する。
【0109】
管理状態判定処理S53は、登録情報451に基づいて、対象の契約画像形成装置1の管理状態が「管理中」であるか判定する処理である。管理状態判定処理S53により、「管理中」であると判定された場合、本体制御部29は、印刷枚数更新処理S55(印刷枚数カウント処理)を実行する。印刷枚数更新処理S55において、サーバ4は、印刷枚数のカウントを行った日時についても、登録情報451に記録してもよい。管理状態判定処理S53により、「管理中」ではないと判定された場合(すなわち、「管理前」または「管理停止」の場合)、サーバ4は、受信判定処理S52へ戻る。
【0110】
印刷枚数更新処理S55は、印刷枚数情報295に基づいて「現在印刷枚数」を更新する処理を含む。印刷枚数更新処理S55を実行することにより、サーバ4は、「管理中」である契約画像形成装置1において印刷された印刷枚数をカウントすることにより、契約画像形成装置1の印刷を管理する。また、「管理前」または「管理停止」の契約画像形成装置1については、印刷枚数更新処理S55が実行されない。すなわち、契約画像形成装置1において、通常トナーカートリッジ3が使用されている場合は、サーバ4により印刷枚数のカウントが行われない。これにより、対象の画像形成装置1に関する印刷枚数カウント処理が停止される。
【0111】
サーバ4は、印刷枚数更新処理S55を完了すると、寿命判定処理S56を実行する。寿命判定処理S56は、契約画像形成装置1から送信された寿命情報が予め設定された閾値を越えるかをサーバ4が判定する処理であって、具体的には、使用情報の残量情報315が示すトナー残量が、予め設定された閾値を下回るかを判定する処理である。トナー残量が閾値を下回ると判定された場合(寿命判定処理S56においてYES)、サーバ4は、トナーID判定処理S57を実行する。トナー残量が閾値を下回らないと判定された場合(寿命判定処理S56においてNO)、サーバ4は、受信判定処理S52へ戻る。
【0112】
トナーID判定処理S57は、使用情報に含まれるトナーID311が、登録情報451において未登録であるか判定する処理である。トナーID判定処理S57により、トナーID311が未登録であると判定された場合、サーバ4は、配送手配処理S58を実行する。トナーID判定処理S57により、トナーID311が登録情報451に登録されていると判定された場合、サーバ4は、受信判定処理S52へ戻る。
【0113】
配送手配処理S58は、トナー残量が閾値を下回った契約トナーカートリッジ3を使用するユーザに対しる新たな契約トナーカートリッジ3の配送を、配送者に依頼する処理である。新たな契約トナーカートリッジ3の配送先は、登録情報451に登録されているユーザの住所とされる。画像形成システム100においては、トナー残量が閾値を下回った契約トナーカートリッジ3のユーザに対して、新たな契約トナーカートリッジ3を配送することができる。したがって、ユーザは、トナーカートリッジ3を使い切る前に、新たなトナーカートリッジ3を受領することができる。
【0114】
サーバ4は、配送手配処理S58を完了すると、トナーID記録処理S59を実行する。トナーID記録処理S59は、使用情報に含まれるトナーID311を、登録情報451に記録する処理である。トナーID記録処理S59により、トナー残量が閾値を下回ったと判定された契約トナーカートリッジ3のトナーID311が、登録情報451に記録される。このため、同一の契約トナーカートリッジ3について、新たな契約トナーカートリッジ3が2つ以上配送されることを有効に抑制することができる。
【0115】
<請求処理>
図7は、実施形態に係るサーバが実行する請求処理の流れである。サーバ4は、請求時期判定S61を実行する。請求時期判定S61は、各ユーザについて、請求金額を確定すべき請求時期が到来したか判定する処理である。請求時期は、例えば、月末など月の特定日、または、トナーカートリッジ3の開始時期に応じた日など、任意に設定され得る。請求時期判定S61により、請求時期が到来したと判定された場合、サーバ4は、請求金額確定処理S62を実行する。請求時期の到来の判定は、サーバ4が備える時計に基づいて行われる。
【0116】
請求金額確定処理S62は、各ユーザに対する請求金額を確定する処理である。例えば、カウントされた印刷枚数に応じて請求金額を確定する場合、まず、請求対象の期間内に印刷された印刷枚数が求められる。具体的には、図3に示す登録情報451において、「現在印刷枚数」は、現在のトータル印刷枚数を表し、「月初印刷枚数」は、前回請求を確定したときの印刷枚数を表す。このため、「現在印刷枚数」から「月初印刷枚数」を差し引いて得られる値が、請求対象となる印刷枚数となる。
【0117】
請求金額確定処理S62において算出された印刷枚数が、上限枚数を下回る場合は印刷枚数に関わらず一定額とされ、上限枚数を超える場合、上限枚数を超える分については別途課金する課金処理が行われてもよい。
【0118】
サーバ4は、請求料金を確定すると、引落処理S63を実行する。引落処理S63は、登録情報451に登録されているユーザの口座に対して、確定した請求金額の引き落としを実行するための処理である。引落処理S63により、ユーザの口座から引き落とし、徴収者の指定口座への振り替えなどが適宜実行される。
【0119】
引落処理S63が完了すると、サーバ4は、印刷枚数更新処理S64を実行する。印刷枚数更新処理S64は、引落処理S63を行ったユーザについて、登録情報451の「月初印刷枚数」を、「現在印刷枚数」に更新する処理である。これにより、次回の請求期間が到来するまで、請求が確定した印刷枚数からカウントすることができる。
【0120】
<許容枚数設定処理>
図8は、実施形態に係る画像形成システム100において実行される許容枚数設定処理の流れを示す図である。許容枚数設定処理は、契約画像形成装置1において、サーバ4と通信が不能な場合に、契約画像形成装置1において許容される印刷枚数を設定する処理である。許容枚数設定処理は、契約処理S1の後に実行されてもよいが、望ましくは、画像形成装置1において契約モードのトナーカートリッジ3を使用した印刷処理が開始されるまでに行われる。
【0121】
<サーバの処理>
許容枚数設定処理においては、まず、サーバ4が、許容枚数決定処理S71を実行する。許容枚数決定処理S71は、印刷枚数の上限枚数に基づいて、許容枚数を決定する処理である。許容枚数は、印刷枚数の上限枚数と同じ大きさであってもよいし、異なっていてもよい。
【0122】
許容枚数決定処理S71が完了すると、サーバ4は、送信処理S72を実行する。送信処理S72は、許容枚数決定処理S71により決定された許容枚数を、対応する契約画像形成装置1に送信する処理である。
【0123】
<契約画像形成装置の処理>
契約画像形成装置1の本体制御部29は、受信処理S73を実行する。受信処理S73は、サーバ4が送信した許容枚数を受信する処理である。許容枚数を受信すると、本体制御部29は、許容枚数を設定する許容枚数設定処理S74を実行する。許容枚数設定処理S74は、受信した許容枚数を、本体メモリ293に保存する処理を含む。
【0124】
図9は、実施形態に係る画像形成システム100において実行される印刷制御処理の流れを示す図である。印刷制御処理は、サーバ4が契約モードの契約画像形成装置1における印刷を制御する処理である。具体的には、サーバ4は、契約画像形成装置1における契約トナーカートリッジ3を用いた印刷を許可または制限する制御を実行することができる。
【0125】
<サーバの処理>
印刷制御処理において、サーバ4は、登録情報451における「契約状態」の変更を検出する契約変更検出処理S81を実行する。ユーザによる支払いの遅延や、規約違反など、契約不履行が発生した場合に、サーバ4の管理者等が、登録情報451における「契約状態」を、「有効」から「無効」へ変更する処理を行う。また、契約不履行が解消した場合には、管理者等は、「契約状態」を「無効」から「有効」に変更する。サーバ4は、契約変更検出処理S81において、このような「契約状態」の変更の有無を検出する。契約変更検出処理S81により、変更が検出された場合、サーバ4は、有効性判定処理S82を実行する。
【0126】
有効性判定処理S82は、「契約状態」が無効であるか判定する処理である。有効性判定処理S82により、「契約状態」が無効であると判定された場合、サーバ4は、制限命令送信処理S83を実行する。制限命令送信処理S83は、「契約状態」が有効から無効に変更された契約画像形成装置1に対して、制限命令を送信する処理である。制限命令は、制御命令の1つであって、契約画像形成装置1に対し、契約トナーカートリッジ3を用いた印刷を制限させる命令である。
【0127】
有効性判定処理S82により、「契約状態」が無効でない(すなわち、有効である)と判定された場合、サーバ4は、解除命令送信処理S84を実行する。解除命令送信処理S84は、「契約状態」が無効から有効に変更された契約画像形成装置1に対して、解除命令を送信する処理である。解除命令は、制御命令の1つであって、契約画像形成装置1に対する契約印刷材カートリッジ3を用いた印刷の制限を解除させる命令である。
【0128】
<契約画像形成装置の処理>
本体制御部29は、サーバ4が送信した制御命令を受信する命令受信処理S85を実行する。本体制御部29が受信する制御命令は、制限命令送信処理S83によって送信された制限命令、および、解除命令送信処理S84によって送信された解除命令のいずれかである。
【0129】
制御命令の受信が完了すると、本体制御部29は、受信した制御命令に応じた印刷制御処理S86を実行する。具体的には、命令受信処理S85により、制限命令を受信した場合、本体制御部29は、契約トナーカートリッジ3を用いた印刷を制限する印刷制御処理を実行する。これにより、契約画像形成装置1は、契約トナーカートリッジ3を用いた印刷が制限されたエラー状態となる。契約画像形成装置1は、エラー状態の場合、契約トナーカートリッジ3を用いた印刷を禁止してもよい。また、契約画像形成装置1は、エラー状態の場合、ディスプレイ23に、所定のエラー画面を表示してもよい。なお、契約画像形成装置1は、エラー状態の場合でも、通常トナーカートリッジ3を用いた印刷については可能としてもよい。
【0130】
命令受信処理S85により、解除命令を受信した場合、本体制御部29は、契約印刷材カートリッジ3を用いた印刷の制限を解除する印刷制御処理S86を実行する。これにより、契約画像形成装置1は、エラー状態が解除され、契約トナーカートリッジ3を用いた印刷が許可された状態となる。このように、画像形成システム100においては、登録情報451で管理される契約の有効性に応じて、契約画像形成装置1における契約トナーカートリッジ3を用いた印刷の可否を制御することができる。
【0131】
<2. 変形例>
以上、実施形態について説明してきたが、本開示は上記のようなものに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0132】
上記実施形態の画像形成システム100では、契約画像形成装置1が契約トナーカートリッジ3を用いて印刷した印刷枚数を、サーバ4がカウントすることによって、対象の契約画像形成装置1における印刷の管理が管理されている。しかしながら、サーバ4が契約画像形成装置1の印刷を管理する態様は、これに限定されない。例えば、サーバ4において、契約画像形成装置1で使用されている契約トナーカートリッジ3のトナー残量を登録情報451に登録してもよい。そして、定期送受信処理における印刷枚数更新処理S55(図6参照)において、対象の契約画像形成装置1についてのトナー残量が、残量情報315に基づいて更新されてもよい。このように、サーバ4が、契約画像形成装置1において使用されている契約トナーカートリッジ3のトナー残量を管理することによって、契約画像形成装置1における印刷を管理することができる。
【0133】
上記実施形態では、本体制御部29の動作モードが、通常モードと契約モードの2種類としているが、3種類以上の動作モードが設けられていてもよい。この場合、種別情報313が、3種類以上の動作モードのいずれかを表す情報としてもよい。
【0134】
上記実施形態では、サーバ4が、対象の契約画像形成装置1における契約トナーカートリッジ3を用いての印刷枚数のカウントを行う。しかしながら、契約画像形成装置1が、契約トナーカートリッジ3の印刷枚数のカウントを行い。契約処理S1において定められた期間内における印刷枚数を、サーバ4へ送信するようにしてもよい。
【0135】
トナーカートリッジ3の寿命情報は、残量情報315に限定されるものではなく、トナーカートリッジ3を使用に応じてカウントされるページカウント(印刷枚数)、もしくは、トナーカートリッジ3を使用する印刷処理等においてカウントされたトナーの使用量を表すドットカウントであってもよい。また、使用情報送信処理S51(図6)において、契約画像形成装置1が、「ページカウント」または「ドットカウント」を使用情報としてサーバ4に送信してもよい。そして、サーバ4は、寿命判定処理S56において、「ページカウント」または「ドットカウント」が、所定の閾値を越えるかを判定するようにしてもよい。
【0136】
本開示は詳細に説明されたが、上記の説明は、すべての局面において、例示であって、本開示がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この開示の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。上記各実施形態および各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。
【符号の説明】
【0137】
1 画像形成装置
100 画像形成システム
2 装置本体
25 印刷機構
29 本体制御部
295 印刷枚数情報
3 トナーカートリッジ
31 トナーメモリ
310 トナー管理情報
313 種別情報
315 残量情報
33 ケーシング
4 サーバ
43 制御部
433 メモリ
45 記憶部
451 登録情報
5 登録端末
53 制御部
533 メモリ
C1 契約モード設定命令
C2 通常モード設定命令
311 トナーID(消耗品識別情報)
R1,R2 動作モード変更要求
S1 契約処理
S2 契約解除処理
S11,S21 動作モード変更要求送信処理
S12,S22 動作モード変更要求取得処理
S13,S32 動作モード設定命令送信処理
S14 契約モード設定処理
S16 登録処理
S24 通常モード設定処理
S26 登録情報変更処理
S30 交換判定処理
S31 送信処理(消耗品情報送信処理)
S33 種別判定処理(第1種別判定処理,第2種別判定処理)
S35 管理開始処理
S37 管理停止処理
S39 管理再開処理
S43 通信判定処理
S431 種別判定処理(第3種別判定処理)
S44 印刷枚数判定処理
S46 エラー処理(第1のエラー処理)
S51 使用情報送信処理
S55 印刷枚数更新処理(印刷枚数カウント処理)
S56 寿命判定処理
S57 トナーID判定処理(消耗品識別情報判定処理)
S58 配送手配処理
S59 トナーID記録処理(消耗品識別情報記録処理)
S62 請求金額確定処理(課金処理)
S71 許容枚数決定処理
S74 許容枚数設定処理
S82 有効性判定処理
S83 制限命令送信処理
S84 解除命令送信処理
S86 印刷制御処理
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9