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特許7540174売上データ処理装置、プログラム、携帯端末、売上データ処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】売上データ処理装置、プログラム、携帯端末、売上データ処理システム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/00 20060101AFI20240820BHJP
   G07G 1/01 20060101ALI20240820BHJP
   G07G 1/12 20060101ALI20240820BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20240820BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20240820BHJP
   H02J 50/80 20160101ALI20240820BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
G07G1/00 301D
G07G1/01 301E
G07G1/12 321Z
H04M1/00 U
H02J50/10
H02J50/80
H02J7/00 X
H02J7/00 301D
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020052587
(22)【出願日】2020-03-24
(65)【公開番号】P2021152718
(43)【公開日】2021-09-30
【審査請求日】2023-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 悠史
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-185692(JP,A)
【文献】特開2020-013275(JP,A)
【文献】特開2015-035153(JP,A)
【文献】特開2019-003398(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/00
G07G 1/01
G07G 1/12
H04M 1/00
H02J 50/10
H02J 50/80
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の携帯端末とデータの連携が可能な売上データ処理装置であって、
前記携帯端末の状態を示す状態情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記状態情報に基づいて、前記携帯端末上で実行可能な機能を示す情報を表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする売上データ処理装置。
【請求項2】
前記取得手段は、前記状態情報として、前記携帯端末の充電状態を示す充電状態情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の売上データ処理装置。
【請求項3】
前記携帯端末に電力を供給する給電手段を備え、
前記取得手段は、前記給電手段によって前記携帯端末に電力が供給されている際に、前記携帯端末から前記充電状態情報を取得する、
ことを特徴とする請求項2に記載の売上データ処理装置。
【請求項4】
前記給電手段は、非接触給電方式であることを特徴とする請求項3に記載の売上データ処理装置。
【請求項5】
前記携帯端末を載置するための載置台を備え、
前記取得手段は、前記載置台に前記携帯端末が載置されることで前記給電手段によって前記携帯端末に給電が開始された際に、前記充電状態情報を取得する、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の売上データ処理装置。
【請求項6】
前記載置台は、前記表示手段が設けられている位置に対して並べて配置されている、
ことを特徴とする請求項5に記載の売上データ処理装置。
【請求項7】
所定の携帯端末とデータの連携が可能な売上データ処理装置のコンピュータを、
前記携帯端末の状態を示す状態情報を取得する取得手段、
前記取得手段によって取得された前記状態情報に基づいて、前記携帯端末上で実行可能な機能を示す情報を表示手段に表示させる表示制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項8】
表示手段及び前記表示手段を制御する表示制御手段を備える所定の売上データ処理装置とデータの連携と、前記売上データ処理装置からの電力供給と、が可能である携帯端末であって、
前記携帯端末は、前記売上データ処理装置から前記携帯端末に電力供給が行われている場合に、前記表示制御手段によって前記表示手段に前記携帯端末上で実行可能な機能を示す情報を表示させるための、前記携帯端末の状態を示す状態情報を前記売上データ処理装置に送信することを特徴とする携帯端末。
【請求項9】
表示手段及び前記表示手段を制御する表示制御手段を備える所定の売上データ処理装置とデータの連携と、前記売上データ処理装置からの電力供給と、が可能である携帯端末のコンピュータを、
前記携帯端末に、前記売上データ処理装置から前記携帯端末に電力供給が行われている場合に、前記表示制御手段によって前記表示手段に前記携帯端末上で実行可能な機能を示す情報を表示させるための、前記携帯端末の状態を示す状態情報を前記売上データ処理装置に送信させるように機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項10】
売上データ処理装置と、当該売上データ処理装置とデータの連携が可能な携帯端末と、
を備える売上データ処理システムであって、
前記売上データ処理装置は、
前記携帯端末の状態を示す状態情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記状態情報に基づいて、前記携帯端末上で実行可能な機能を示す情報を表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする売上データ処理システム。
【請求項11】
売上データ処理装置と、当該売上データ処理装置とデータ通信が可能な携帯端末と、を備える売上データ処理システムであって、
前記売上データ処理装置は、
前記携帯端末の充電状態情報ごとに、当該携帯端末上で実行可能な機能の機能情報を対応付けて記憶する記憶手段と、
前記携帯端末から前記充電状態情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記充電状態情報に基づいて、前記記憶手段によって記憶されている前記機能情報の中から当該充電状態情報に対応する機能情報を決定する決定手段と、
前記決定手段によって決定された前記機能情報を表示部に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする売上データ処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、売上データ処理装置、プログラム、携帯端末、売上データ処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、航空機の状況(例えば、離陸体勢、安定飛行、着陸体勢)に応じて、動作モードを設定することができる携帯端末が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この携帯端末は、航空機内に設けられた給電装置から上記の状況に応じて送信される制御信号を受信することで動作モードを設定する仕組みとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-198309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載されている携帯端末は、当該携帯端末の状態に応じて、給電装置の動作モードを設定するものではなく、当該給電装置の操作性を向上させることはできない。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、携帯端末とデータの連携が可能な売上データ処理装置の操作性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係る売上データ処理装置は、
所定の携帯端末とデータの連携が可能な売上データ処理装置であって、
前記携帯端末の状態を示す状態情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記状態情報に基づいて、前記携帯端末上で実行可能な機能を示す情報を表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、携帯端末とデータの連携が可能な売上データ処理装置の操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】売上データ管理システムの構成を示す図である。
図2】売上データ処理装置の外観を示す図である。
図3】売上データ処理装置の機能構成を示すブロック図である。
図4】動作モードテーブルの内容例を示す図である。
図5】携帯端末が給電部に載置された状態の売上データ処理装置の外観を示す図である。
図6】携帯端末の機能構成を示すブロック図である。
図7】メニュー画面表示制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
図8】メニュー画面の一例を示す図である。
図9】充電開始前の携帯端末の操作表示部の画面例を示す図である。
図10】充電開始後の携帯端末の操作表示部の画面例を示す図である。
図11】メニュー画面の一例を示す図である。
図12】充電開始後の携帯端末の操作表示部の画面例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明に係る実施形態を詳細に説明する。
【0010】
<売上データ管理システムの構成>
図1は、本実施形態の売上データ管理システム100の構成を示す図である。
売上データ管理システム100は、売上データ処理装置10と、携帯端末20と、サーバ装置30と、を備えている。このうち、売上データ処理装置10及び携帯端末20により売上データ処理システム1が構成される。したがって、売上データ管理システム100は、売上データ処理システム1及びサーバ装置30により構成されている。
【0011】
売上データ処理装置10及び携帯端末20は、BLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)による近距離無線通信を行う。
また、売上データ処理装置10及びサーバ装置30、並びに、携帯端末20及びサーバ30は、通信ネットワークNにより接続されている。通信ネットワークNは、インターネットであるものとするが、LAN(Local Area Network)等、他のネットワークとしてもよい。
【0012】
売上データ処理装置10は、個人商店、スーパーマーケット、飲食店等の店舗に設置されて会計に用いられるECR等であり、ユーザー(売上データ処理装置10のオペレータ)の入力操作に応じて商取引の売上に係る売上データを登録する装置である。
【0013】
携帯端末20は、スマートフォンやタブレット端末等の携帯型端末機器である。携帯端末20には、売上データ処理装置10との連携動作を行うためのアプリケーションプログラムがインストールされている。このアプリケーションプログラムを実行して所定の入力操作を行うことで、売上データ処理装置10の動作設定を行ったり、売上データ処理装置10に代わって売上データを記録したり売上データ等をサーバ装置30へアップロードすることができる。
本実施形態の売上データ処理システム1では、売上データ処理装置10に対して1台の携帯端末20が対応付けられているものとする。
【0014】
サーバ装置30は、クラウド上に設けられたデータ管理サーバであり、売上データ処理装置10や携帯端末20から送信された売上データ等を記憶して管理する。なお、サーバ装置30は、複数の売上データ処理装置10の売上データ等を一元的に管理できるようになっていても良い。
【0015】
<売上データ処理装置の構成>
図2は、売上データ処理装置10の外観を示す図である。
図3は、売上データ処理装置10の機能構成を示すブロック図である。
売上データ処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)11と、RAM(Random Access Memory)12と、記憶部13と、通信部14と、入力部15と、本体表示部161と、顧客用表示部162と、印刷部17と、ドロア18と、給電部19と、を備えている。売上データ処理装置10の各部は、バスB1により接続されている。
【0016】
CPU(取得手段、表示制御手段)11は、売上データ処理装置10の各部を制御するプロセッサである。CPU11は、記憶部13に記憶されたプログラムを読み出してRAM12に展開し、当該プログラムを実行して各種演算処理を行う。
【0017】
RAM12は、CPU11に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。RAM12は、不揮発性メモリを含んでいてもよい。
【0018】
記憶部13は、CPU11により実行されるプログラムや設定データといった各種データを記憶する。プログラムは、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードの形態で記憶部13に格納されている。記憶部13としては、例えばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリなどの、データの保持に電源を要しない記憶装置が用いられる。
記憶部13に記憶されるデータとしては、例えば、後述するメニュー画面40において選択可能な状態で表示される動作モードをピックアップする際に用いられる動作モードテーブル131などが含まれる。
【0019】
図4は、動作モードテーブル131の内容例を示す図である。
動作モードテーブル131は、動作モードごとに、充電状態が記録されたテーブルデータである。ここで、充電状態とは、図5に示すように、携帯端末20が売上データ処理装置10の載置台191に載置(無接点接続)されたときの当該携帯端末20の充電状態である。つまり、ここでいう充電状態とは携帯端末20のバッテリー残量のことを示している。
【0020】
なお、動作モード項目の“サインイン”とは、売上データ処理装置10へのサインインを意味する。ここで、携帯端末20にインストールされている上記アプリにおいて未処理の項目がある場合には、当該未処理の項目の実施が済んだ後、サインインを行う。また、動作モード項目の“売上データアップロード”とは、サーバ装置30へ売上データをアップロードすることを意味する。また、動作モード項目の“写真アップロード”とは、携帯端末20に未処理の写真データがある場合に、この写真データを売上データ処理装置10に取り込んで部門キーを新設することを意味する。また、動作モード項目の“在庫管理”とは、携帯端末20が上記アプリにおいて処理した在庫管理情報を取り込んでサーバ装置30へアップロードしたり、当該在庫管理情報の承認を行うことを意味する。また、動作モード項目の“ハードウェア点検”とは、長期の使用がなかったと想定し、売上データ処理装置10の機能を自動点検することを意味する。また、動作モード項目の“ロック解除”とは、携帯端末20をロック状態とし、例えば、充電状態(バッテリー残量)が20%を超えた場合に当該携帯端末20のロック状態を解除することを意味する。
【0021】
通信部14は、アンテナ、変復調回路、信号処理回路などを有する通信モジュールであり、通信対象とのデータ通信に用いられる所定の通信規格に対応した通信制御を行う。すなわち、通信部14は、携帯端末20の通信部24との間で、BLEによる無線データ通信を行う。また、通信部14は、サーバ装置30との間で、所定の通信規格に従ったデータ通信を行う。
【0022】
入力部15は、数字キーや各種機能キー等を備え、ユーザーによるキー入力を受け付け、その操作情報をCPU11に出力する。入力部15は、例えば、売上データの登録時に、数字キー、部門キー等へのキー入力を受け付ける。
【0023】
本体表示部(表示手段)161は、売上データ処理装置10を操作する店員等が商品の金額、合計金額等の情報を視認するための表示装置である。本体表示部161は、LCD(Liquid Crystal Display)、EL(Electro Luminescent)ディスプレイ等により構成され、CPU11の制御により、各種表示情報を表示画面に表示する。
【0024】
雇客用表示部162は、商品を購入した顧客が商品の金額、合計金額等の情報を視認するための表示装置である。雇客用表示部162は、LCD、ELディスプレイ等により構成され、CPU11の制御により、各種表示情報を表示画面に表示する。
【0025】
印刷部17は、CPU11から出力された制御信号に従い、レシートやジャーナルなどを用紙に印刷して出力する。
【0026】
ドロア18は、金銭、商品券等を格納する引き出しであり、CPU11による制御下で開放する開放機構を有する。
【0027】
給電部(給電手段)19は、非接触給電方式、例えば、電磁誘導方式によって、携帯端末20に対する充電を行う無接点型の充電装置である。給電部19は、携帯端末20との間で電磁誘導方式により電力を供給する充電用一次コイルを有し、この充電用一次コイルから発生された高周波の磁界により携帯端末20側の充電用二次コイルに電力を誘起させ、その起電力で携帯端末20の二次電池(図示省略)を充電させるようにしている。
【0028】
また、給電部19は、図2に示すように、携帯端末20を載置するための載置台191を備えている。この載置台191に携帯端末20が載置されると、給電部19によって、携帯端末20への充電(給電)が開始されるようになっている。載置台191は、本体表示部161の左横に設けられており、図5に示すように、携帯端末20が載置台191に載置されたときに、携帯端末20の操作表示部25と本体表示部161とにそれぞれ表示された内容を同時に視認することが可能な配置となっている。
【0029】
また、給電部19及び携帯端末20の電源部26は、非接触給電の所定の規格に基づきデータ通信を行い、例えば、携帯端末20の充電状態を示す充電状態情報(バッテリー残量情報)を携帯端末20から売上データ処理装置10へ送信する。
【0030】
<携帯端末の構成>
図6は、携帯端末20の機能構成を示すブロック図である。
携帯端末20は、CPU21と、RAM22と、記憶部23と、通信部24と、操作表示部25と、電源部26と、を備えている。携帯端末20の各部は、バスB2により接続されている。
【0031】
CPU21は、携帯端末20の各部を制御するプロセッサである。CPU21は、記憶部23に記憶されたプログラム(上述のアプリケーションプログラム等)を読み出してRAM22に展開し、当該プログラムを実行して各種演算処理を行う。
【0032】
RAM22は、CPU21に作業用のメモリ空間を提供し、一時データを記憶する。RAM22は、不揮発性メモリを含んでいてもよい。
【0033】
記憶部23は、CPU21により実行されるプログラムや設定データといった各種データを記憶する。プログラムは、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードの形態で記憶部23に格納されている。記憶部23としては、例えばHDD、SSD、フラッシュメモリなどが用いられる。
【0034】
通信部24は、アンテナ、変復調回路、信号処理回路などを有する通信モジュールであり、通信対象とのデータ通信に用いられる所定の通信規格に対応した通信制御を行う。すなわち、通信部24は、売上データ処理装置10の通信部14との間で、BLEによる無線データ通信を行う。
【0035】
操作表示部25は、LCDや有機ELディスプレイといった表示部と、表示部の表示画面に重ねられて設けられたタッチパネルとを備える。なお、操作表示部25には、ユーザーからの入力操作を受け付けるタッチパネル以外の入力デバイスがさらに設けられていてもよい。
【0036】
電源部26は、携帯端末20の各部に電力を供給する。図5に示すように、携帯端末20は、載置台191に載置されている状態において、給電部19の充電用一次コイルから発生された高周波の磁界を受け取ることで電力を誘起させる充電用二次コイルや、誘起させた電力を充電する二次電池などを有している。
【0037】
<売上データ処理システムの動作の概要>
次に、売上データ処理システム1の動作について説明する。
売上データ処理システム1では、図5に示すように、売上データ処理装置10の載置台191に携帯端末20が載置され充電が開始された場合、本体表示部161において、選択可能な動作モードが一覧表示されたメニュー画面40が表示されるようになっている。以下では、このメニュー画面40を本体表示部161に表示させるメニュー画面表示制御処理について説明する。なお、売上データ処理装置10の載置台191に携帯端末20が載置され充電が開始された際に、売上データ処理装置10は携帯端末20との間で所謂アドバタイズを行うことによって、携帯端末20とのBLEによる無線通信接続が開始されているものとする。
【0038】
<メニュー画面表示制御処理>
図7は、メニュー画面表示制御処理の制御手順を示すフローチャートである。
図7に示すように、メニュー画面表示制御処理が開始されると、売上データ処理装置10は、給電部19より携帯端末20に対して電力を供給する(ステップS101)。
【0039】
携帯端末20は、売上データ処理装置10の給電部19より供給された電力を電源部26により受給する(ステップS201)。
【0040】
次いで、携帯端末20のCPU21は、携帯端末20の充電状態(バッテリー残量)を示す充電状態情報(バッテリー残量情報)を電源部26より送信させる(ステップS202)。そして、携帯端末20のCPU21は、処理をステップS201に戻し、それ以降の処理を繰り返し行う。
【0041】
売上データ処理装置10のCPU11は、携帯端末20から送信された充電状態情報を、給電部19を介して取得する(ステップS102)。
【0042】
次いで、売上データ処理装置10のCPU11は、ステップS102で取得した充電状態情報に基づいて、動作モードテーブル131から充電状態に応じた動作モードをピックアップする(ステップS103)。例えば、携帯端末20の充電状態が80%である場合、売上データ処理装置10のCPU11は、動作モードテーブル131を参照して、この充電状態(80%)に該当する4つの動作モードとして“サインイン”、“売上データアップロード”、“写真アップロード”、“在庫管理”をピックアップする。
【0043】
次いで、CPU11は、ステップS103でピックアップされた動作モードを選択可能な動作モードとしたメニュー画面40を本体表示部161に表示させる(ステップS104)。そして、売上データ処理装置10のCPU11は、処理をステップS101へ戻し、それ以降の処理を繰り返し行う。
【0044】
図8は、メニュー画面40の一例を示す図である。
図8に示すように、メニュー画面40では、携帯端末20の充電が開始されていることを示す情報(例えば、「充電開始」)、及び、携帯端末20の充電状態(バッテリー残量)を示す充電状態情報(例えば、「80%」)が表示されるようになっている。また、メニュー画面40では、上述のように、メニュー画面表示制御処理のステップS103において、例えば、“サインイン”、“売上データアップロード”、“写真アップロード”、“在庫管理”の4つの動作モードがピックアップされた場合、これらの4つの動作モードを選択可能なメニューMが本体表示部161に表示される。つまり、このメニュー画面40では、“ハードウェア点検”及び“ロック解除”の2つの動作モードは選択できない状態(“ハードウェア点検”及び“ロック解除”の文字に二重取消線が付された状態)になっている。
【0045】
図9は、図8に示すメニュー画面40が本体表示部161に表示される直前、すなわち売上データ処理装置10の載置台191に携帯端末20が載置される直前の当該携帯端末20の操作表示部25の表示画面例を示す図である。
図9に示すように、携帯端末20の操作表示部25では、例えば、予約台帳画面50が表示されている。このときの携帯端末20の充電状態(バッテリー残量)は80%であるため、予約台帳画面50の右上には充電状態情報(バッテリー残量情報)として“80%”の文字が表示されている。
【0046】
図10は、図9に示す予約台帳画面50が操作表示部25に表示されている状態の携帯端末20が売上データ処理装置10の載置台191に載置されたときの当該携帯端末20の操作表示部25の表示画面例を示す図である。
図10に示すように、上記の携帯端末20が売上データ処理装置10の載置台191に載置され充電が開始されると、この携帯端末20の操作表示部25には、“レジ連動中”の文字がポップアップ表示されるようになっている。また、このとき予約台帳画面50の右上には充電状態情報として“80%”の文字が表示されるとともに、充電中であることを示す記号(例えば雷を模した記号)が“80%”の文字の頭に表示されている。
【0047】
以上説明したように、売上データ処理装置10のCPU11は、携帯端末20の状態を示す状態情報を取得し、取得された状態情報に基づいて、携帯端末20上で実行可能な機能(動作モード)がピックアップされたメニューMを本体表示部161に表示させる。
したがって、売上データ処理装置10によれば、メニューMを呼び出すための操作を行うことなく、当該メニューMを本体表示部161に表示させることができるので、売上データ処理装置10の操作性を向上させることができる。また、売上データ処理装置10によれば、携帯端末20の状態からユーザーが選択する可能性が高い携帯端末20上で実行可能な機能(動作モード)がピックアップされたメニューMを本体表示部161に表示させることができるので、売上データ処理装置10の操作性をより向上させることができる。
【0048】
また、売上データ処理装置10のCPU11は、上記状態情報として、携帯端末20の充電状態(バッテリー残量)を示す充電状態情報(バッテリー残量情報)を取得する。
したがって、売上データ処理装置10によれば、携帯端末20の充電状態からユーザーが選択する可能性が高い携帯端末20上で実行可能な機能(動作モード)を適切にピックアップすることができる。
【0049】
また、売上データ処理装置10のCPU11は、携帯端末20に電力を供給する給電部19を備え、給電部19によって携帯端末20に電力が供給されている際に、携帯端末20から充電状態情報を取得する。
したがって、売上データ処理装置10によれば、携帯端末20への充電を行うことで本体表示部161にメニューMを表示させることができるので、売上データ処理装置10の操作性をより向上させることができる。
【0050】
また、売上データ処理装置10によれば、非接触給電方式により携帯端末20への充電を行うことができるので、本体表示部161へのメニューMの表示を簡便に行うことができる。
【0051】
また、売上データ処理装置10によれば、携帯端末20を載置するための載置台191を備え、載置台191に携帯端末20が載置されることで給電部19によって携帯端末20に給電が開始された際に、充電状態情報を取得するので、本体表示部161へのメニューMの表示をより簡便に行うことができる。
【0052】
また、売上データ処理装置10によれば、載置台191は、本体表示部161が設けられている位置に対して並べて配置されているので、携帯端末20が載置台191に載置されたときに、携帯端末20の操作表示部25と本体表示部161とにそれぞれ表示された内容を同時に視認することができる。
【0053】
以上、本発明を実施形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
例えば、上記実施形態において、売上データ処理装置10のCPU11は、携帯端末20の充電状態(バッテリー残量)を示す充電状態情報(バッテリー残量情報)を取得し、取得された充電状態情報に基づいて、携帯端末20上で実行可能な機能(動作モード)がピックアップされたメニューMを本体表示部161に表示させる構成としたが、この構成は一例に過ぎず、例えば、給電部19による給電が可能な第1の状態と当該給電が不可能な第2の状態との切り替えを行う携帯端末20の変位動作の所定時間(例えば、5秒)内における回数をカウントし、当該回数を示す回数情報を携帯端末20の状態を示す状態情報として取得するようにしてもよい。かかる場合、取得された回数情報に基づいて、携帯端末20上で実行可能な機能(動作モード)がピックアップされたメニューMを本体表示部161に表示させる。
【0054】
また、上記実施形態において、メニューMでは、例えば、図8に示すように、“サインイン”、“売上データアップロード”、“写真アップロード”、“在庫管理”の4つの動作モードが選択可能な状態で表示される構成としたが、例えば、現状では実行不可(選択不可)であるが、充電状態を上げることによって実行可能となる機能がある場合には、当該機能が実行可能となる充電状態を当該機能と対応付けて表示するようにしてもよい。例えば、充電状態(バッテリー残量)が10%である携帯端末20が売上データ処理装置10の載置台191に載置され充電が開始された場合(図12参照)、現状(充電状態;10%)では実行不可(選択不可)であるが、充電状態を上げることによって実行可能となる機能(例えば、“サインイン”、“売上データアップロード”、“写真アップロード”、“在庫管理”)が実行可能となる充電状態(例えば、“サインイン”であれば“80%~100%”)を当該機能と対応付けて表示するようにしてもよい。
【0055】
また、上記実施形態において、メニュー画面40では、例えば、図8に示すように、選択可能な動作モード(“サインイン”、“売上データアップロード”、“写真アップロード”、“在庫管理”)と、選択できない動作モード(“ハードウェア点検”、“ロック解除”)とが表示される構成としたが、選択可能な動作モードのみを表示するようにしてもよい。
【0056】
また、上記実施形態において、携帯端末20の電源部26と売上データ処理装置10の給電部19との間で当該携帯端末20の充電状態情報を送信する構成としたが、携帯端末20の通信部24と売上データ処理装置10の通信部14との間で当該携帯端末20の充電状態情報を送信するようにしてもよい。
【0057】
なお、上記実施形態における記述内容は、本発明に係る情報処理装置の好適な一例であり、これに限定されるものではない。
例えば、上記の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体としてハードディスクや半導体の不揮発性メモリ等を使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も適用される。
【0058】
その他、売上データ処理装置、携帯端末、売上データ処理システム、及び、売上データ管理システムを構成する各装置の細部構成及び細部動作に関しても、発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0059】
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲は、上述の実施形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲とその均等の範囲を含む。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
[付記]
<請求項1>
所定の携帯端末とデータの連携が可能な売上データ処理装置であって、
前記携帯端末の状態を示す状態情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記状態情報に基づいて、前記携帯端末上で実行可能な機能がピックアップされたメニューを表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする売上データ処理装置。
<請求項2>
前記取得手段は、前記状態情報として、前記携帯端末の充電状態を示す充電状態情報を取得することを特徴とする請求項1に記載の売上データ処理装置。
<請求項3>
前記携帯端末に電力を供給する給電手段を備え、
前記取得手段は、前記給電手段によって前記携帯端末に電力が供給されている際に、前記携帯端末から前記充電状態情報を取得する、
ことを特徴とする請求項2に記載の売上データ処理装置。
<請求項4>
前記給電手段は、非接触給電方式であることを特徴とする請求項3に記載の売上データ処理装置。
<請求項5>
前記携帯端末を載置するための載置台を備え、
前記取得手段は、前記載置台に前記携帯端末が載置されることで前記給電手段によって前記携帯端末に給電が開始された際に、前記充電状態情報を取得する、
ことを特徴とする請求項3又は4に記載の売上データ処理装置。
<請求項6>
前記載置台は、前記表示手段が設けられている位置に対して並べて配置されている、
ことを特徴とする請求項5に記載の売上データ処理装置。
<請求項7>
非接触給電方式により前記携帯端末に電力を供給する給電手段と、
前記給電手段による給電が可能な第1の状態と当該給電が不可能な第2の状態との切り替えを行う前記携帯端末の変位動作の所定時間内における回数をカウントするカウント手段と、
を備え、
前記取得手段は、前記状態情報として、前記カウント手段によってカウントされた前記回数を示す回数情報を取得する、
ことを特徴とする請求項1に記載の売上データ処理装置。
<請求項8>
所定の携帯端末とデータの連携が可能な売上データ処理装置のコンピュータを、
前記携帯端末の状態を示す状態情報を取得する取得手段、
前記取得手段によって取得された前記状態情報に基づいて、前記携帯端末上で実行可能な機能がピックアップされたメニューを表示手段に表示させる表示制御手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
<請求項9>
所定の売上データ処理装置とデータの連携が可能な携帯端末であって、
前記携帯端末の状態を示す状態情報に基づいて、当該携帯端末上で実行可能な機能がピックアップされたメニューを前記売上データ処理装置の表示部に表示させる表示制御手段を備えることを特徴とする携帯端末。
<請求項10>
所定の売上データ処理装置とデータの連携が可能な携帯端末のコンピュータを、
前記携帯端末の状態を示す状態情報に基づいて、当該携帯端末上で実行可能な機能がピックアップされたメニューを前記売上データ処理装置の表示部に表示させる表示制御手段として機能させることを特徴とするプログラム。
<請求項11>
売上データ処理装置と、当該売上データ処理装置とデータの連携が可能な携帯端末と、を備える売上データ処理システムであって、
前記売上データ処理装置は、
前記携帯端末の状態を示す状態情報を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された前記状態情報に基づいて、前記携帯端末上で実行可能な機能がピックアップされたメニューを表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする売上データ処理システム。
<請求項12>
売上データ処理装置と、当該売上データ処理装置とデータ通信が可能な携帯端末と、を備える売上データ処理システムであって、
前記売上データ処理装置は、
前記携帯端末の充電状態情報ごとに、当該携帯端末上で実行可能な機能の機能情報を対応付けて記憶する記憶手段と、
前記携帯端末から前記充電状態情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された前記充電状態情報に基づいて、前記記憶手段によって記憶されている前記機能情報の中から当該充電状態情報に対応する機能情報を決定する決定手段と、
前記決定手段によって決定された前記機能情報を表示部に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする売上データ処理システム。
【符号の説明】
【0060】
1 売上データ処理システム
10 売上データ処理装置
11 CPU(取得手段、表示制御手段)
13 記憶部
131 動作モードテーブル
14 通信部
161 本体表示部(表示手段)
19 給電部(給電手段)
191 載置台
20 携帯端末
21 CPU(表示制御手段)
24 通信部
26 電源部
100 売上データ管理システム
図1
図2
図3
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図12