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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】光源、照明器具
(51)【国際特許分類】
   F21V 23/00 20150101AFI20240820BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20240820BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20240820BHJP
   F21V 23/02 20060101ALI20240820BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240820BHJP
   F21Y 115/15 20160101ALN20240820BHJP
   F21Y 103/10 20160101ALN20240820BHJP
【FI】
F21V23/00 160
H01L33/62
H01L33/00 J
F21V23/02
F21Y115:10
F21Y115:15
F21Y103:10
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020054274
(22)【出願日】2020-03-25
(65)【公開番号】P2021157869
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148057
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 淑己
(72)【発明者】
【氏名】飯田 岳秋
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】芝原 信一
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-146353(JP,A)
【文献】特開2009-194008(JP,A)
【文献】実開昭50-133424(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21V 23/00
H01L 33/62
H01L 33/00
F21V 23/02
F21Y 115/10
F21Y 115/15
F21Y 103/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電体の筐体と、
前記筐体の上に設けられた絶縁層と、
前記絶縁層の上に設けられた裏面配線と、
前記裏面配線の上に設けられ、貫通孔が形成された絶縁基板と、
前記絶縁基板の上に設けられた複数のLEDチップと、
前記絶縁基板の上に設けられ、前記複数のLEDチップを接続して回路を形成するLED配線と、
前記貫通孔に設けられ、前記LED配線のうち前記回路の入力端又は出力端となる部分であるLED配線端部と、前記裏面配線とを電気的に接続する貫通配線と、を備え、
前記LED配線端部は、前記回路の入力端となる第1LED配線と、前記回路の出力端となる第2LED配線とを有し、
前記裏面配線は、前記第1LED配線と、前記第2LED配線と、前記第1LED配線及び前記第2LED配線の間の領域とからなる部分と略同一の投影形状を有し、
前記第1LED配線と前記第2LED配線は隣接することを特徴とする光源
【請求項2】
前記複数のLEDチップは直列に接続されたことを特徴とする請求項に記載の光源。
【請求項3】
前記絶縁層は平面視で前記裏面配線より大きく、前記裏面配線の裏面全体が前記絶縁層に接することを特徴とする請求項1又は2に記載の光源。
【請求項4】
請求項1から3の何れか1項に記載の光源と、
前記入力端と前記出力端に電気的に接続された点灯装置と、
接地された1つの第1端子と、2つの出力端子とを有し、前記2つの出力端子が前記点灯装置に接続された変圧器と、を備えた照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光源と、その光源を含む照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
LED(Light Emitting Diode)を光源とした照明器具においては、交流の商用電源から入力されるエネルギーを直流のエネルギーに変換しLEDに出力する必要がある。また、入力電流の高調波に関する規制が定められており、日本国内においては、日本工業規格によって入力電流の高調波に対して限度値が定められている。そのため、点灯装置は、入力電流の高調波を抑制し、力率を改善するための力率改善回路であるPFC(Power Factor Correction)回路を有する。
【0003】
また、点灯装置はLEDの明るさを制御する。LEDの明るさはLEDの電流の大きさに依存して決まるため、点灯装置は出力電流の大きさを一定に制御する電流制御回路を有する。特に、上記PFC回路と電流制御回路を1つの回路で実現する構成とする場合もある。
【0004】
上記交流の商用電源と、照明器具の接続のより具体的な構成を述べる。商用電源は、送電用の系統電圧を、変圧器を介し、例えば200Vrmsの電圧に降圧した電圧が用いられ、照明器具に接続される。一般的に、変圧器の2次側は、接地された中間電位の出力端子と、中間電位に対して100Vrmsの電圧を持つ2つの出力端子を備えており、照明器具に対して、これら3つの電位の出力端子が接続される。
【0005】
本構成において、接地電位にノイズ電圧が発生した場合、電流制御回路の動作を停止させてLEDを消灯しているにも関わらず、わずかに点灯(微点灯)してしまうことがある。これは、LED近傍の配線と、接地電位との間に浮遊容量が形成されることによって、ノイズ電圧に起因し、ノイズ電流を生じる閉回路が形成されるためである。ノイズ電流の一部がLEDを流れることによって、微点灯が生じる。
【0006】
例えば特許文献1には、微点灯を抑制する対策手段として、LEDと並列にコンデンサを接続することで、ノイズ電流をコンデンサに流しLEDに流れにくくする方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2010-272846号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
微点灯を抑制する対策手段として、LEDと並列にコンデンサを接続する場合、コンデンサを実装するスペースが必要となるため、LEDを実装する基板の面積が大きくなる。従って、部品点数増加に加えて、基板面積増加によってコストが高くなるという課題がある。また、LEDと並列にコンデンサを接続しても、ノイズ電流がLEDに流れることを完全に防止することはでいないため、ノイズ電圧が想定以上に高くなり、ノイズ電流が大きくなってしまう場合には、微点灯が発生してしまう。
【0009】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされたもので、微点灯を抑制できる光源と照明器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示に係る光源は、導電体の筐体と、該筐体の上に設けられた絶縁層と、該絶縁層の上に設けられた裏面配線と、該裏面配線の上に設けられ、貫通孔が形成された絶縁基板と、該絶縁基板の上に設けられた複数のLEDチップと、該絶縁基板の上に設けられ、該複数のLEDチップを接続して回路を形成するLED配線と、該貫通孔に設けられ、該LED配線のうち該回路の入力端又は出力端となる部分であるLED配線端部と、該裏面配線とを電気的に接続する貫通配線と、を備え、該LED配線端部は、該回路の入力端となる第1LED配線と、該回路の出力端となる第2LED配線とを有し、該裏面配線は、該第1LED配線と、該第2LED配線と、該第1LED配線及び該第2LED配線の間の領域とからなる部分と略同一の投影形状を有し、該第1LED配線と該第2LED配線は隣接することを特徴とする。
【0011】
本開示のその他の特徴は以下に明らかにする。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、LED対面の配線構造において、ノイズ電流を接地電位に逃がすことで、LEDに流れるノイズ電流を低減し微点灯を抑制する。これによって、LEDと並列にコンデンサを接続することなく微点灯を抑制するため、部品点数の抑制、基板面積の削減といった効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】基本構成を説明する回路図である。
図2】微点灯を生じさせる電流の流れを示す回路図である。
図3】光源の構成例を示す斜視図である。
図4図3の一部断面図である。
図5】比較例に係る光源の斜視図である。
図6】微点灯を生じさせる電流の流れを示す回路図である。
図7】実施の形態1に係る光源の構成例を示す斜視図である。
図8図7の光源の分解斜視図である。
図9図7の光源の一部断面図である。
図10】電流の流れを示す回路図である。
図11】実施の形態2に係る光源の斜視図である。
図12図11の光源の分解斜視図である。
図13】実施の形態3に係る光源の斜視図である。
図14図13の光源の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、実施の形態に係る光源及び照明器具を図面に基づいて説明する。同一又は対応する部分については同一の符号を付して説明の繰り返しを省略することがある。なお、この開示は、実施の形態の特徴に限定されるものではない。
【0015】
図1は、微点灯の発生原理を説明するための点灯装置及び照明器具の構成図である。照明器具11は、変圧器1bを介し、系統電圧1aに接続され、系統電圧1aから出力される交流電流の高周波成分を除去する入力フィルタ2を介して、系統電圧1aから供給される電力を光源100に入力可能な直流電流に変換して出力する点灯装置8を備える。照明器具11はさらに、点灯装置8から供給される電力により点灯する光源100を備える。光源100は、複数のLEDを直列、並列の少なくとも一方の方法で接続したLED群100aで構成される。LED群の一端は正極側接続端子100cを介して点灯装置8の正極側直流母線に接続され、LED群の他端は負極側接続端子100bを介して点灯装置8の負極側直流母線に接続される。
【0016】
点灯装置8は、入力フィルタ2、入力フィルタ2に接続される整流回路3、整流回路3に並列接続されるコンデンサ4、PFC回路5、PFC回路5の出力と並列に接続される平滑コンデンサ6及び電流制御回路7を備える。
【0017】
点灯装置8は、系統電圧1aから入力される電流の高調波を抑制して力率を改善すると共に、整流回路3から出力される電力を直流電力に変換して光源100に供給する機能を有する。点灯装置8は、系統電圧1aから入力される電流の高調波を抑制して力率を改善するためのPFC回路5と、PFC回路5の出力電圧を平滑する平滑コンデンサ6と、光源100に出力する電流の大きさを制御する電流制御回路7とを備える。
【0018】
変圧器1bは、接地された1つの第1端子と、2つの出力端子とを有している。この2つの出力端子が点灯装置8に接続されている。系統電圧1aと整流回路3との間に配置される入力フィルタ2は、コイル2a及びコンデンサ2bを有し、系統電圧1aから出力される電流に重畳している高周波成分を低減する。コイル2aは変圧器1bの2次側に直列接続される。コイル2aの一方は変圧器1bの2次側、及びコンデンサ2bと接続され、コイル2aの他方は整流回路3に接続される。コンデンサ2bは、変圧器1b及びコイル2aに接続される。
【0019】
整流回路3は、入力フィルタ2とPFC回路5との間に配置され、系統電圧1aから供給される交流電力を直流電力に変換する。整流回路3は4つのダイオードを組み合わせたダイオードブリッジで構成されている。なお、整流回路3の構成はこれに限定されるものではなく、単方向導通素子であるMOSFETを組み合わせて構成したものでもよい。
【0020】
コンデンサ4は整流回路3の出力に並列接続されており、整流回路3の出力電圧を平滑する。コンデンサ4の一端は正極側直流母線に接続され、コンデンサ4の他端は負極側直流母線に接続される。
【0021】
PFC回路5は、整流回路3と電流制御回路7との間に配置される。PFC回路5は、スイッチング素子であるMOSFET5bと、コイル5aと、ダイオード5cとを有する。図示されていない制御手段によってMOSFET5bがオンオフ制御されることにより、PFC回路5は、整流回路3の出力電圧を昇圧し、昇圧した電圧を平滑コンデンサ6に出力する。またPFC回路5は、入力電流の高調波を抑制し、力率改善する機能を持つ。ここでは、PFC回路5を昇圧チョッパ回路で構成した例を示すが、昇圧チョッパ回路の他にも、昇降圧チョッパ回路、フライバック回路、フライフォワード回路、SEPIC(Single Ended Primary Inductor Converter)、Zetaコンバータ又はCukコンバータといった回路で構成してもよい。
【0022】
コイル5aは、正極側直流母線において、コンデンサ4とMOSFET5bとの間に配置される。コイル5aはコアに絶縁性ワイヤを巻くことにより形成される。コイル5aの一端はコンデンサ4の一端に接続される。コイル5aの他端はダイオード5cのアノードに接続される。コイル5aには、MOSFET5bのオンオフ動作に伴い、極性が異なる電圧が印加される。
【0023】
MOSFET5bのドレインは、正極側直流母線において、コイル5aとダイオード5cのアノードとに接続される。MOSFET5bのソースは、負極側直流母線において、コンデンサ4の他端と、平滑コンデンサ6の他端とに接続される。MOSFET5bのゲートには、図示されていない制御手段からオンオフ状態を制御するための制御信号が入力される。制御信号が入力されることによりMOSFET5bのオンオフ制御が行われる。
【0024】
ダイオード5cは、正極側直流母線において、MOSFET5bと平滑コンデンサ6との間に配置される。ダイオード5cのアノードはコイル5a及びMOSFET5bに接続され、ダイオード5cのカソードは平滑コンデンサ6に接続される。
【0025】
平滑コンデンサ6は、PFC回路5と電流制御回路7との間に配置される。平滑コンデンサ6の一端は正極側直流母線に接続され、平滑コンデンサ6の他端は負極側直流母線に接続される。
【0026】
次に電流制御回路7の構成と動作を説明する。
【0027】
電流制御回路7は、MOSFET7b、コイル7a、ダイオード7c及びフィルタコンデンサ7dにより構成される。MOSFET7bは正極側直流母線に配置される。MOSFET7bのドレインは、平滑コンデンサ6の一端とダイオード5cのカソードとに接続される。MOSFET7bのソースは、ダイオード7cのカソードとコイル7aの一端とに接続される。MOSFET7bのゲートには、図示されていない制御手段から制御信号が入力される。当該制御信号はMOSFET7bをオンオフ制御するための信号である。
【0028】
コイル7aの一端は、MOSFET7bのソースとダイオード7cのカソードとに接続される。コイル7aの他端は、フィルタコンデンサ7dの一端と光源100の一端とに接続される。ダイオード7cのカソードは、MOSFET7bのソースとコイル7aの一端とに接続される。ダイオード7cのアノードは、平滑コンデンサ6の他端とフィルタコンデンサ7dの他端と光源100の他端とに接続される。
【0029】
図1の例では、電流制御回路7は、降圧チョッパ回路で構成されているが、降圧チョッパ回路の他にも、昇降圧チョッパ回路、フライバック回路、フライフォワード回路、SEPIC、Zetaコンバータ又はCukコンバータといった回路で構成されたものでもよい。
【0030】
スイッチング素子であるMOSFET5b、7bの材料は、例えばシリコン系からなる半導体である。別の例によれば、炭化珪素又は窒化ガリウム系材料などのワイドバンドギャップ半導体を用いることができる。
【0031】
スイッチング素子にワイドバンドギャップ半導体を用いることで、スイッチング素子の通電損失を減らすことができ、またスイッチング周波数すなわち駆動周波数を高周波にしても放熱が良好となる。このため、PFC回路5と電流制御回路7の放熱部品を小型化又は省略することができ、点灯装置8の小型化および低コスト化を実現することができる。
【0032】
図3は、光源100の構成を示した外観斜視図である。光源100は、正極側接続端子100c、負極側接続端子100b、絶縁基板100d、LEDチップ101a、102a、103a、104a、105a、106a、107a、108a、LED配線111e、112e、113e、114e、115e、116e、117e、118e、119eを備える。なお、図1に示す構成図においては、LEDチップ101a、102a、103a、104a、105a、106a、107a、108aを簡略化してLED群100aとして表記している。ここでは、LEDチップの数を8個としているが、LEDチップの数は、必要とされる光出力の大きさに応じて設計されるものであり、8個に限定されるものではない。また、光源100は、LED群100aから出力される光を拡散させるための拡散板を備えることもあるが、微点灯の現象とは関係がないため、図示していない。
【0033】
光源100は、筐体10に載置された構成である。なお、ここで筐体10は照明器具11の一部のみを示しており、また、平坦な形状として示している。微点灯を発生させる要因である図1に示される浮遊容量120fについて説明するにあたり、筐体10の全体を記載する必要がなく、また、実際にある穴抜き、曲げ、絞りといった複雑な形状を示す必要がないため、一部のみを、平坦な形状として示している。
【0034】
筐体10は、点灯装置8と光源100を支持し、天井又は壁などに照明器具11を取り付け可能にするものである。筐体10の材料としては、例えば鋼板が用いられ、この場合は点灯装置8及び光源100が備える部品で発生する熱を放熱し、温度上昇を抑制する機能も備えている。また、鋼板の表面に塗装又はメッキ処理を施し、意匠性を高めることもある。
【0035】
負極側接続端子100bは、LED配線111eを介し、LEDチップ101aのカソード端子と接続される。また、ハーネス等を介して、点灯装置8の負極側直流母線と電気的に接続される。特に、LED群100aと点灯装置8を同一の基板上に実装する場合においては、負極側接続端子100bを用いず、LEDチップ101aのカソード端子と点灯装置8の負極側直流母線が電気配線又は銅箔パターンにより直接接続されることもある。
【0036】
正極側接続端子100cは、LED配線119eを介し、LEDチップ108aのアノード端子と接続される。また、ハーネス等を介して、点灯装置8の正極側直流母線と電気的に接続される。特に、LED群100aと点灯装置8を同一の基板上に実装する場合においては、正極側接続端子100cを用いず、LEDチップ108aのアノード端子と点灯装置8の正極側直流母線が電気配線又は銅箔パターンにより直接接続されることもある。
【0037】
LEDチップ101a、102a、103a、104a、105a、106a、107a、108aは、点灯装置8から入力された電流を光に変換し出力する。ここでは、LEDチップ101a、102a、103a、104a、105a、106a、107a、108aがLED配線112e、113e、114e、115e、116e、117e、118eによって直列に接続されている構成を示しているが、接続方法は並列としたり、直列と並列を組み合わせたりしてもよい。
【0038】
LED配線111e、112e、113e、114e、115e、116e、117e、118e、119eは、LED群100aと負極側接続端子100bを電気的に接続し、LED群100aと正極側接続端子100cを電気的に接続し、LEDチップ101a、102a、103a、104a、105a、106a、107a、108aをそれぞれ電気的に接続する。
【0039】
具体的には、LED配線111eは、負極側接続端子100bとLEDチップ101aのカソードを電気的に接続する。また、LED配線119eは、正極側接続端子100cとLEDチップ108aのアノードを電気的に接続する。LED配線112eは、LEDチップ101aのアノードと、LEDチップ102aのカソードとを電気的に接続する。同様に、LED配線113eは、LEDチップ102aのアノードとLEDチップ103aのカソードとを電気的に接続する。LED配線114eは、LEDチップ103aのアノードとLEDチップ104aのカソードとを電気的に接続する。LED配線115eは、LEDチップ104aのアノードとLEDチップ105aのカソードとを電気的に接続する。LED配線116eは、LEDチップ105aのアノードとLEDチップ106aのカソードとを電気的に接続する。LED配線117eは、LEDチップ106aのアノードとLEDチップ107aのカソードとを電気的に接続する。LED配線118eは、LEDチップ107aのアノードとLEDチップ108aのカソードとを電気的に接続する。
【0040】
一例によれば、図3において、LED配線111e、112e、113e、114e、115e、116e、117e、118e、119eは、銅箔パターンにより形成され、絶縁基板100dの片面に接着されている。
【0041】
絶縁基板100dの他面は、筐体10に接触し、筐体10によって保持されている。保持するための手段としては、シリコーン接着剤等の接着剤を用いることができる。他にも、ねじ止め又はクリップによる圧着などを用いることもできる。この際、LEDチップ101a、102a、103a、104a、105a、106a、107a、108aで発生する熱を筐体10に放熱するため、絶縁基板100dの他面と、筐体10の間にシリコーン樹脂を設けることもある。
【0042】
絶縁基板100dの材料としては、FR-4、CEM-3といったエポキシ樹脂を用いたプリント基板の他、FR-1といったフェノール樹脂を用いたプリント基板を使用することができる。
【0043】
図4は、光源100のうち、負極側接続端子100bと、LEDチップ101a、102a、103aと、LED配線111e、112e、113e、114eの部分のみを抽出した断面図である。筐体10は鋼板を用いる場合、導電体であるため、LED配線111e、112e、113e、114eのそれぞれとの間に、浮遊容量121f、122f、123f、124fを形成している。図示しないが、LED配線115e、116e、117e、118e、119eと、筐体10の間にも、それぞれ、浮遊容量125f、126f、127f、128f、129fが形成される。図1においては、浮遊容量121f、122f、123f、124f、125f、126f、127f、128f、129fを総称して120fと記載している。
【0044】
電流制御回路7を停止し、光源100を消灯制御しているにもかかわらず、光源100がわずかに点灯してしまう現象(以降、微点灯と称することがある)が発生する原因について図1を用いて説明する。
【0045】
変圧器1bと、照明器具11の接続に関して、変圧器1bの2次側は、接地された中間電位の出力端子である第1端子と、中間電位に対して100Vrmsの電圧を持つ2つの出力端子を備えている。照明器具に対して、これら3つの電位の出力端子が接続され、100Vrmsの電圧を持つ2つの出力端子は、入力フィルタ2に接続され。また、接地された中間電位の第1端子は筐体10に接続される。なお、接地された中間電位の第1端子と、入力フィルタ2の間を、コンデンサを介して接続することもあるが、微点灯の発生原因とは関係しないため、記載していない。
【0046】
図1においては、変圧器1bに対して、照明器具11のみが接続されているが、照明器具11の使用条件によっては他の機器が並列に接続されることがある。この場合、並列に接続された他の機器の動作によって、接地された中間電位にノイズ電圧が発生することがある。特に、並列に接続された他の機器が半導体スイッチのスイッチング動作を伴う機器であった場合、ノイズ電圧は数k~数100kHzの高周波の交流電圧となる。
【0047】
数k~数100kHzの交流のノイズ電圧が発生した場合、電流制御回路7の動作を停止し、光源100を消灯している場合においても、点灯装置に電流が発生することがある。
【0048】
図2は、微点灯の際の具体的な電流の経路を示す図である。点灯装置8において、入力フィルタ2のコイル2aを通過し、整流回路3内で分岐し、コンデンサ4を介して、点灯装置の負極側直流母線に合流し、フィルタコンデンサ7dで分岐するとともに、光源100において、負極側接続端子100bと正極側接続端子100cから入力され、LED群100aを通過し、浮遊容量120fを通過するとともに、筐体10を通過する経路である。この経路は矢印で示されている。光源100において、浮遊容量120fが形成されることから、交流のノイズ電圧が発生した場合、電流制御回路7の動作を停止し、光源100を消灯している場合においても、電流経路が形成され、点灯装置に電流が発生する。そして、電流経路にLED群100aを含むため、LED群100aがわずかに点灯し、微点灯が発生する。
【0049】
なお、上述した電流経路は、電流制御回路7が動作している、すなわち、光源100を点灯している状態においても存在する。具体的には、光源100の電流を定格出力よりも低くし、調光している場合に、光源100が出力する光をちらつかせる現象である。
【0050】
続いて、微点灯に対する従来の対策について説明する。
【0051】
図5は、比較例に係る光源200の斜視図である。LEDチップ101a、102a、103a、104a、105a、106a、107a、108aと並列に、それぞれ、コンデンサ131g、132g、133g、134g、135g、136g、137g、138gが接続されている。なお、光源100と同一の構成を有する部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0052】
図6は、比較例に係る光源200を用いている点灯装置12の構成図である。図1に示す照明器具11の光源100に代わり、光源200を備えている。図6においては、図5のコンデンサ131g、132g、133g、134g、135g、136g、137g、138gを略称して、コンデンサ130gと表記している。
【0053】
図6の矢印は、接地された中間電位にノイズ電圧が発生した場合の電流経路を示す。具体的な電流の経路としては、点灯装置8において、入力フィルタ2のコイル2aを通過し、整流回路3内で分岐し、コンデンサ4を介して、点灯装置の負極側直流母線に合流し、フィルタコンデンサ7dで分岐するものであり、点灯装置8においては、上述の電流経路と同一である。
【0054】
光源200における電流経路は、負極側接続端子100bと正極側接続端子100cから入力され、LED群100aと並列に接続されたコンデンサ130gを通過し、浮遊容量120fを通過するとともに、筐体10を通過する経路である。
【0055】
光源200において、LED群100aと並列にコンデンサ130gを接続していることから、浮遊容量120fが形成されていたとしても、交流のノイズ電圧による電流はコンデンサ130gを流れやすいため、LED群100aに流れることを抑制できる。これによって、微点灯が発生することを抑制できる。
【0056】
図5においては、LEDチップ101a、102a、103a、104a、105a、106a、107a、108aのそれぞれに対して、コンデンサ131g、132g、133g、134g、135g、136g、137g、138gを並列に接続した構成を示しているが、これに限ることはなく、例えばLEDチップ2つの直列構造に対して、コンデンサを並列に接続することでも同様の効果を得ることができる。この場合、使用するコンデンサの数が少なくてすむことから、部品点数を削減することが可能である。
【0057】
LED群100aと並列にコンデンサ130gを接続する場合、コンデンサを実装するスペースが必要となるため、光源200において絶縁基板100dの面積が大きくなる。従って、部品点数増加に加えて、基板面積増加によって、コストが高くなるという課題がある。
【0058】
また、LED群100aと並列にコンデンサ130gを接続しても、電流がLEDに流れることを完全に防止することはできないため、ノイズ電圧が高くなるにつれて、電流が増加し、微点灯が発生する可能性がある。
【0059】
図7は、本開示の実施の形態1に係る光源300の構成を示す斜視図である。なお、上述した構成と同一又は対応する構成を有する部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0060】
光源300の比較例との相違点は、裏面配線100eを備えていること、LED配線111eと裏面配線100eを電気的に接続する貫通配線100jを備えていること、絶縁層100hを備えたことなどである。
【0061】
図7において、絶縁基板100dの他面、すなわち、LEDチップ101a、102a、103a、104a、105a、106a、107a、108a、LED配線112e、113e、114e、115e、116e、117e、118eを備える面の対面には、裏面配線100eを備えている。
【0062】
裏面配線100eは例えば絶縁基板100dに接着された銅パターンである。また、裏面配線100eとLED配線111eは電気的に接続されている。接続の方法としては、絶縁基板10dに貫通孔を設けその貫通孔に貫通配線100jを設け、その貫通配線100jで、裏面配線100eとLED配線111eを接続する方法がある。なお、後述の通り、裏面配線100eはLED配線119eと接続する構成としてもよい。
【0063】
導電体の筐体10の上に絶縁層100hが設けられている。絶縁層100hは、裏面配線100eと、筐体10の間に設けられ、裏面配線100eと、筐体10を絶縁する。絶縁層の材料として、ポリエステル又はポリイミド等の絶縁フィルムを用いることができる。薄膜であり、熱抵抗が小さい絶縁層100hを用いることで、LED群100aで発生した熱が筐体10に伝達することを妨げる影響を抑制することができる。
【0064】
図8は、光源300の構成を示す分解斜視図である。光源300の長手方向を長さ、短手方向を幅とした場合に、裏面配線100eの長さをA′、幅をAとしている。また、絶縁層100hの長さをB′、幅をBとしている。
【0065】
裏面配線100eと筐体10を電気的に絶縁することが必要であるため、絶縁層100hの長さB′を、裏面配線100eの長さA′よりも長くする。また、絶縁層100hの長さBを、裏面配線100eの長さAよりも長くする。その結果、絶縁層100hは平面視で裏面配線100eより大きく、裏面配線100eの裏面全体が絶縁層100hに接する。
【0066】
図9は、光源300のうち、負極側接続端子100bと、LEDチップ101a、102a、103aと、LED配線111e、112e、113e、114eと、貫通配線100jなどを抽出した断面図である。裏面配線100eと、LED配線112e、113e、114eとのそれぞれとの間に、浮遊容量122f′、123f′、124f′が生じている。図示しないが、LED配線115e、116e、117e、118e、119eと、筐体10の間にも、それぞれ、浮遊容量125f′、126f′、127f′、128f′、129f′が生じている。図9には、絶縁層100hの上に設けられた裏面配線100eと、裏面配線100eの上に設けられ貫通孔が形成された絶縁基板100dと、絶縁基板100dの上に設けられ複数のLEDを接続して回路を形成するLED配線111e、112e、113e、114eが示されている。絶縁基板100dと、裏面配線100eと、すべてのLED配線は、両面プリント基板の一部として提供され得る。
【0067】
図10は、光源300を採用した照明器具の回路図である。上述の構成と同一又は対応する部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。図10においては、浮遊容量122f′、123f′、124f′、125f′、126f′、127f′、128f′、129f′を総称して浮遊容量120f′と記載している。筐体10として鋼板などの導電体を用いると、筐体10と裏面配線100eとの間に、浮遊容量が形成される。特に、筐体10と裏面配線100eとの間に形成される浮遊容量をバイパスコンデンサ100kと呼ぶ。
【0068】
図10の構成は、図1、6の構成と、光源300を備えている点で相違している。図10の矢印は、接地された中間電位にノイズ電圧が発生した場合の電流経路を示している。具体的な電流の経路としては、点灯装置8において、入力フィルタ2のコイル2aを通過し、整流回路3内で分岐し、コンデンサ4を介して、点灯装置の負極側直流母線に合流するというものである。
【0069】
光源300において、負極側接続端子100bと、バイパスコンデンサ100kの一端が貫通配線100jによって電気的に接続されている。そのため、負極側接続端子100bとバイパスコンデンサ100kの一端との間のインピーダンスが十分に低いため、LED群100aと浮遊容量120f′に流れる電流が抑制される。
【0070】
これによって、電流経路としては、点灯装置の負極側直流母線から負極側接続端子100bとバイパスコンデンサ100kを介し、筐体10を通過する経路となる。
【0071】
本実施の構成においては、前述の通り、負極側接続端子100bと、バイパスコンデンサ100kの一端が貫通配線100jによって電気的に接続されており、負極側接続端子100bとバイパスコンデンサ100kの一端との間のインピーダンスが十分に低いため、LED群100a、浮遊容量120f′に流れる電流が抑制されることから、微点灯が発生することを抑制できる。
【0072】
ここで、LED配線のうち回路の入力端又は出力端となる部分を「LED配線端部」という。例えば回路の入力端となるLED配線端部と、回路の出力端となるLED配線端部には、接続端子が接続される。図7の例でいえば、LED配線111eと119eがLED配線端部である。貫通配線は、このようなLED配線端部と、裏面配線100eとを電気的に接続するものである。したがって、図7の例では、LED配線111eに貫通配線100jを接続したが、LED配線119eと裏面配線100eを貫通配線で接続してもよい。この場合、正極側接続端子100cとバイパスコンデンサ100kの一端が、貫通配線100jによって電気的に接続される。そのため、正極側接続端子100cとバイパスコンデンサ100kの一端との間のインピーダンスが十分低くなり、LED群100aと浮遊容量120f′に流れる電流が抑制される。
【0073】
これによって、電流経路としては、点灯装置の負極側直流母線から、フィルタコンデンサ7d、正極側接続端子100cと、バイパスコンデンサ100kを介し、筐体10を通過する経路となり、フィルタコンデンサ7d、正極側接続端子100cと、バイパスコンデンサ100kの一端との間のインピーダンスが十分に低いため、LED群100a、浮遊容量120f′に流れる電流が抑制されることから、微点灯が発生することを抑制できる。
【0074】
本実施の形態に係る図7-10の構成においては、図5に示されるコンデンサ131g、132g、133g、134g、135g、136g、137g、138gが不要であることから、部品点数を削減でき、また、絶縁基板100dの面積を小型化することができる。
【0075】
実施の形態2.
図11は実施の形態2に係る光源400の構成を示す斜視図である。なお、実施の形態1で説明した構成と同一又は対応する部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0076】
図12は、図11の光源400の分解斜視図である。裏面配線101eは例えば銅パターンであり絶縁基板100dに接着されている。また、裏面配線101eとLED配線111eは貫通配線100jによって電気的に接続されている。なお、実施の構成1と同様に、裏面配線101eとLED配線119eとを接続する構成としてもよい。
【0077】
絶縁層101hは、裏面配線101eと筐体10の間に設けられ、裏面配線101eと筐体10を絶縁する。絶縁層101hの材料としては、ポリエステル又はポリイミド等の絶縁フィルムを用いることができる。薄膜であり、熱抵抗が小さい絶縁層を用いることで、LED群100aで発生した熱が筐体10に伝達することを妨げる影響を抑制することができる。
【0078】
光源400の長手方向を長さ、他方向を幅とした場合に、裏面配線101eの長さをC′、幅をCとしている。また、絶縁層101hの長さをD′、幅をDとしている。
【0079】
裏面配線101eと筐体10を電気的に絶縁することが必要であるため、絶縁層101hの長さD′を、裏面配線101eの長さC′よりも長くする。また、絶縁層101hの長さDを、裏面配線101eの長さCよりも長くする。
【0080】
実施の形態2の構成により微点灯が抑制される原理は実施の形態1と同様であるため、詳細な説明は記載しない。
【0081】
実施の形態2においては、裏面配線101eは、LEDチップ101a、102a、103a、104a、105a、106a、107a、108a、及び、LED配線111e、112e、113e、114e、115e、116e、117e、118e、119eの投影形状と略同一形状にしている。つまり、裏面配線101eは、複数のLEDとLED配線とからなる構造と略同一の投影形状を有する。これによって、筐体10と、LED配線112e、113e、114e、115e、116e、117e、118eの間に浮遊容量122f、123f、124f、125f、126f、127f、128fが形成されることを抑制しつつ、バイパスコンデンサ100kを形成している。この裏面配線101eは、実施の形態1の裏面配線100eよりも面積が小さいため、バイパスコンデンサ100kの容量を小さくすることができる。
【0082】
バイパスコンデンサ100kの容量が大きい場合、点灯装置8から変圧器1b側に漏洩する漏れ電流が増加してしまう。しかし、実施の形態2によれば、バイパスコンデンサ100kを設けることで、上述のとおり微点灯を抑制しつつ、漏れ電流の増加を抑制することができる。
【0083】
実施の形態2においては、裏面配線101eは、すべてのLEDチップとすべてのLED配線の投影形状と略同一形状にしたが、これに限るものではない。例えば、裏面配線の形状を、すべてのLEDチップとすべてのLED配線の投影形状を含む形状とすることで、微点灯を抑制しつつ、漏れ電流の増加を抑制する効果を奏する。
【0084】
実施の形態3.
図13は実施の形態3に係る光源500の構成を示す斜視図である。上述した構成と同一又は対応する構成を有する部分には、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0085】
図13において、絶縁基板100dの上には、複数のLEDチップと、それを接続するLED配線111e′、112e′、113e′、114e′、115e′、116e′、117e′、118e′、119e′が設けられている。回路の端部にあたるLED配線端部として、LED配線111e′、119e′が提供されている。LED配線119e′は回路の入力端となる第1LED配線である。LED配線111e′は回路の出力端となる第2LED配線である。第1LED配線と第2LED配線は隣接している。なお、この例では第2LED配線であるLED配線111e′に貫通配線が設けられているが、第1LED配線と第2LED配線の一方又は両方に貫通配線を設けることができる。
【0086】
図14は、図13の光源の分解斜視図である。絶縁基板100dの裏面側には、裏面配線102eが設けられている。裏面配線102eは例えば銅パターンであり絶縁基板100dに接着されている。裏面配線102eは、貫通配線によってLED配線111e′と電気的に接続されている。裏面配線とLED配線119e′を貫通配線で接続することもできる。
【0087】
絶縁層102hは、裏面配線102eと筐体10の間に設けられ、裏面配線102eと筐体10を絶縁する。絶縁層の材料としては、ポリエステル又はポリイミド等の絶縁フィルムを用いることができる。薄膜であり、熱抵抗が小さい絶縁層を用いることで、LED群100aで発生した熱が筐体10に伝達することを妨げる影響を抑制することができる。
【0088】
図14に示すとおり、光源500の長手方向を長さ、他方向を幅とした場合に、裏面配線102eの長さをE′、幅をEとしている。また、絶縁層102hの長さをF′、幅をFとしている。
【0089】
裏面配線102eと筐体10を電気的に絶縁することが必要であるため、絶縁層102hの長さF′を裏面配線102eの長さE′よりも長くする。また、絶縁層102hの幅Fを裏面配線102eの幅Eよりも長くする。
【0090】
実施の形態3の構成により微点灯が抑制される原理は、実施の形態1で説明したものと同様であるため、詳細な説明は記載しない。
【0091】
裏面配線102eを前述の構成としたことで、裏面配線102eは、LEDチップ101a、108aとLED配線111e′、119e′の投影形状と略同一形状となっている。言いかえると、裏面配線102eは、第1LED配線と第2LED配線と、第1LED配線及び第2LED配線の間の領域とからなる部分と略同一の投影形状を有する。
【0092】
LEDチップ101a、108aには、浮遊容量120fを介して流れるノイズ電流が集中するため、微点灯が最も発生しやすい。そのため、LED群100aの実装パターンのうち、LEDチップ101a、108aを光源500の長手方向の一方向に集約し、LEDチップ101a、108aと、LED配線端部として設けられたLED配線111e′、119e′の投影形状と略同一形状の裏面配線102eを設けることとした。これにより、LEDの微点灯を抑制しつつ、裏面配線102eの面積を小さくすることができる。
【0093】
この裏面配線102eは、実施の構成1の裏面配線100eよりも面積が小さいため、バイパスコンデンサ100kの容量を小さくすることができる。
【0094】
バイパスコンデンサ100kの容量が大きい場合、点灯装置8から変圧器1b側に漏洩する漏れ電流が増加してしまう。本実施の形態3によれば、バイパスコンデンサ100kを設けることで、微点灯を抑制しつつ、漏れ電流の増加を抑制することができる。
【0095】
また、裏面配線102eの面積が小さいため、絶縁層102hの面積も小さくすることができ、コスト抑制に好適である。さらに、絶縁基板100dと筐体10の間の領域のうち、裏面配線102eと絶縁層102hがない部分に、金属体を提供することができる。裏面配線102eが小面積であるため、当該金属体を介して絶縁基板100dと筐体10が接触する面積を広くすることができる。したがって、LED群100aの放熱を良好にすることができる。
【0096】
実施の形態3においては、裏面配線102eは、LEDチップ101a、108a、とLED配線111e′、119e′の投影形状と略同一形状にしたが、これに限るものではない。微点灯の発生のしやすさに応じて、裏面配線102eの大きさを調節することができる。例えば、裏面配線102eは、LEDチップ101a、102a、107a、108aと、LED配線111e′、112e′、118e′、119e′の投影形状と略同一形状にすることができる。別の例によれば、別の投影形状と略同一にすることができる。このように、選択的に微点灯を抑制しつつ、漏れ電流の増加と絶縁層102hのコストを抑制し、LED群100aの放熱を良好にする効果を得ることができる。
【0097】
以上の実施の形態に示した構成は、本開示の内容の一例を示すものであり、実施の構成1、2、3を組み合わせること、また別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本開示の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
【0098】
また、光源がLEDチップを備える場合について説明したが、光源はLEDチップに限定されず、有機EL(Electro Luminescence)でもよい。
【符号の説明】
【0099】
1a 系統電圧、 1b 変圧器、 1c 対地電位、 2 入力フィルタ、 2a コイル、 2b コンデンサ、 3 整流回路、 4 コンデンサ、 5 PFC回路、 5a コイル、 5b MOSFET、 5c ダイオード、 6 平滑コンデンサ、 7 電流制御回路、 7a コイル、 7b MOSFET、 7c ダイオード、 8 点灯装置、 10 筐体、 11、12、13 照明器具、 100 光源、 100a LED群、 100b 負極側接続端子、 100c 正極側接続端子、 100d 絶縁基板、 101a,102a,103a,104a,105a,106a,107a,108a LEDチップ、 100e、101e、102e 裏面配線、 111e,112e,113e,114e,115e,116e,117e,118e,119e,111e′,112e′,113e′,114e′,115e′,116e′,117e′,118e′,119e′ LED配線、 120f,121f,122f,123f,124f,125f,126f,127f,128f,129f,120f′,122f′,123f′,124f′,125f′,126f′,127f′,128f′,129f′ 浮遊容量、 100h、101h、102h 絶縁層、 100j 貫通配線、100k バイパス容量
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14