(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】繊維成形体製造用原料および繊維成形体の製造方法
(51)【国際特許分類】
D04H 1/58 20120101AFI20240820BHJP
D04H 1/732 20120101ALI20240820BHJP
D04H 1/736 20120101ALI20240820BHJP
B27N 3/04 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
D04H1/58
D04H1/732
D04H1/736
B27N3/04 A
B27N3/04 D
(21)【出願番号】P 2020064810
(22)【出願日】2020-03-31
【審査請求日】2023-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091292
【氏名又は名称】増田 達哉
(74)【代理人】
【識別番号】100091627
【氏名又は名称】朝比 一夫
(72)【発明者】
【氏名】若林 繁美
(72)【発明者】
【氏名】中沢 政彦
(72)【発明者】
【氏名】倉田 紘樹
(72)【発明者】
【氏名】樋口 尚孝
(72)【発明者】
【氏名】上野 芳弘
(72)【発明者】
【氏名】関 俊一
(72)【発明者】
【氏名】浦野 信孝
(72)【発明者】
【氏名】上原 健彦
【審査官】川口 裕美子
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-172265(JP,A)
【文献】特開2015-040232(JP,A)
【文献】特開2010-168671(JP,A)
【文献】特開平08-090521(JP,A)
【文献】特開2020-036151(JP,A)
【文献】特開2017-165107(JP,A)
【文献】特開2016-160561(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D04H 1/58
D04H 1/732
D04H 1/736
B27N 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
繊維と、前記繊維同士を結着させる結着剤と、を含む繊維成形体製造用原料であり、前記繊維成形体製造用原料
の全体形状はシート状をなしており、
前記結着剤は、澱粉を含み、
前記繊維成形体製造用原料中の前記繊維の重量をAとし、前記繊維成形体製造用原料中の前記結着剤の重量をBとしたとき、1.0≦A/B≦9.0を満足することを特徴とする繊維成形体製造用原料。
【請求項2】
繊維と、前記繊維同士を結着させる結着剤と、を含む繊維成形体製造用原料であり、前記繊維成形体製造用原料
の全体形状はシート状をなしており、
前記繊維成形体製造用原料中の前記繊維の重量をAとし、前記繊維成形体製造用原料中の前記結着剤の重量をBとしたとき、1.0≦A/B≦9.0を満足
し、
解繊された繊維を含む主原料を、加熱加圧成形して前記繊維成形体を製造する際の補助原料として用いられることを特徴とする繊維成形体製造用原料。
【請求項3】
粒子状をなしている前記結着剤と、繊維状をなしている前記結着剤とのうちの少なくとも一種以上を含む請求項1または2に記載の繊維成形体製造用原料。
【請求項4】
前記繊維の数平均繊維長は、0.7mm以上3.0mm以下である請求項1ないし
3のいずれか1項に記載の繊維成形体製造用原料。
【請求項5】
繊維を含む主原料と、請求項1ないし
4のいずれか1項に記載の繊維成形体製造用原料と、を供給する供給工程と、
供給された前記主原料および前記繊維成形体製造用原料を解繊する解繊工程と、
前記解繊工程で生成された前記主原料および前記繊維成形体製造用原料の解繊物を堆積する堆積工程と、
前記堆積工程で生成された堆積物を加熱加圧して成形する成形工程と、を含むことを特徴とする繊維成形体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、繊維成形体製造用原料および繊維成形体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年では、例えば特許文献1に示すような、水を極力利用しない乾式によるシート製造装置が提案されている。特許文献1のシート製造装置は、原料を供給する原料供給部と、供給された原料を解繊する解繊部と、解繊部で生成された解繊物に結着剤としての樹脂を含む複合体を混合する混合部と、混合部で生成された混合物を堆積する堆積部と、堆積部で生成された堆積物を加圧して成形する成形部と、を備える。
【0003】
また、混合部は、樹脂を含む複合体を供給する供給部と、解繊物と複合体とを供給する管路等を有する。このような混合部にて、繊維と複合体とが混合された後に、成形部にてシート状に成形される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のシート製造装置では、原料からシートを製造し、製造したシートを使用して再度原料として用いる。すなわち、原料は、繰り返し再生される。しかしながら、繰り返し再生において、回数を重ねる度に繊維の数平均繊維長がより短くなっていき、シートの強度が不十分となる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題を解決するためになされたものであり、以下のものとして実現することが可能である。
【0007】
本発明の繊維成形体製造用原料は、繊維と、前記繊維同士を結着させる結着剤と、を含む繊維成形体製造用原料であり、前記繊維成形体製造用原料は非粒子状であって、
前記繊維成形体製造用原料中の前記繊維の重量をAとし、前記繊維成形体製造用原料中の前記結着剤の重量をBとしたとき、1.0≦A/B≦9.0を満足することを特徴とする。
【0008】
本発明の繊維成形体の製造方法は、繊維を含む主原料と、本発明の繊維成形体製造用原料と、を供給する供給工程と、
供給された前記主原料および前記繊維成形体製造用原料を解繊する解繊工程と、
前記解繊工程で生成された前記主原料および前記繊維成形体製造用原料の解繊物を堆積する堆積工程と、
前記堆積工程で生成された堆積物を加熱加圧して成形する成形工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
本発明の繊維成形体の製造方法は、第1繊維を含む主原料を供給するとともに、第2繊維と、前記第1繊維と前記第2繊維を結着させる結着剤と、を含む補助原料を供給する供給工程と、
前記供給工程で供給された前記主原料と前記補助原料とを解繊して混合させ混合物を生成する解繊工程と、
前記混合物を加熱加圧して繊維成形体を成形する成形工程と、を含み、
前記補助原料は、前記主原料よりも前記結着剤の重量比率が高く、かつ、前記第2繊維の数平均繊維長は、前記第1繊維の数平均繊維長よりも長いことを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、本発明の繊維成形体の製造方法を実行する繊維成形体製造装置を示す概略構成図である。
【
図2】
図2は、本発明の繊維成形体製造用原料とともに供される主原料の一例を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、本発明の繊維成形体製造用原料の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の繊維成形体製造用原料および繊維成形体の製造方法を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0012】
<第1実施形態>
図1は、本発明の繊維成形体の製造方法を実行する繊維成形体製造装置を示す概略構成図である。
図2は、本発明の繊維成形体製造用原料とともに供される主原料の一例を示す斜視図である。
図3は、本発明の繊維成形体製造用原料の一例を示す斜視図である。
【0013】
なお、
図1は、概略構成図であり、繊維成形体製造装置100の各部の位置関係は、図示の位置関係とは異なる。また、各図において、原料M1A、粗砕片M2、解繊物M3、第1選別物M4-1、第2選別物M4-2、第1ウェブM5、細分体M6、混合物M7、第2ウェブM8、シートSが搬送される方向、すなわち、矢印で示す方向を搬送方向とも言う。また、矢印の先端側を搬送方向下流側、矢印の基端側を搬送方向上流側とも言う。
【0014】
図1に示す繊維成形体製造装置100は、原料M1Aおよび原料M1Bを粗砕、解繊し混合して堆積させ、この堆積物を成形部20によって成形することで成形体を得る装置である。
【0015】
また、繊維成形体製造装置100により製造される成形体は、例えば、再生紙のようなシート状をなしていてもよく、ブロック状をなしていてもよい。また、成形体の密度も特に限定されず、シートのような繊維の密度が比較的高い成形体であってもよく、スポンジ体のような繊維の密度が比較的低い成形体であってもよく、これらの特性が混在する成形体であってもよい。
【0016】
以下では、製造される成形体は、再生紙であるシートSとして説明する。
図1に示す繊維成形体製造装置100は、原料供給部11と、粗砕部12と、解繊部13と、選別部14と、第1ウェブ形成部15と、細分部16と、混合部17と、分散部18と、第2ウェブ形成部19と、成形部20と、切断部21と、ストック部22と、回収部27と、これらの作動を制御する制御部28と、を備えている。
【0017】
また、繊維成形体製造装置100は、加湿部231と、加湿部232と、加湿部233と、加湿部234と、加湿部235と、加湿部236とを備えている。その他、繊維成形体製造装置100は、ブロアー261と、ブロアー262と、ブロアー263とを備えている。
【0018】
制御部28は、繊維成形体製造装置100の各部の作動を制御して本発明の繊維成形体の製造方法を実行する。制御部28は、CPU(Central Processing Unit)281と、記憶部282とを有している。CPU281は、記憶部282に記憶された各種プログラムを実行することができ、例えば、各種の判断や各種の命令等を行なうことができる。
【0019】
この制御部28は、繊維成形体製造装置100に内蔵されていてもよいし、外部のコンピューター等の外部機器に設けられていてもよい。また、外部機器は、例えば、繊維成形体製造装置100とケーブル等を介して通信される場合、無線通信される場合、例えばインターネット等のようなネットワークを介して繊維成形体製造装置100と接続されている場合等がある。また、CPU281と、記憶部282とは、例えば、一体化されて、1つのユニットとして構成されていてもよいし、CPU281が繊維成形体製造装置100に内蔵され、記憶部282が外部のコンピューター等の外部機器に設けられていてもよいし、記憶部282が繊維成形体製造装置100に内蔵され、CPU281が外部のコンピューター等の外部機器に設けられていてもよい。
【0020】
また、繊維成形体製造装置100では、原料供給工程と、粗砕工程と、解繊工程と、選別工程と、第1ウェブ形成工程と、分断工程と、混合工程と、放出工程と、堆積工程と、成形工程と、切断工程とがこの順に実行される。
【0021】
以下、各部の構成について説明する。
原料供給部11は、粗砕部12に主原料である原料M1Aおよび補助原料である原料M1Bを供給する原料供給工程を行なう部分である。
図2に示す原料M1Aとしては、繊維製のもの、すなわち、繊維F1を含む繊維含有物が挙げられる。原料M1Aは、好ましくは、使用済みまたは不要となった古紙である。一方、
図3に示す原料M1Bとしては、繊維F2と、結着剤Pと、を含むものが挙げられる。なお、原料M1Bが、本発明の繊維成形体製造用原料である。
【0022】
また、
図2および
図3に示すように、原料M1Aは、シート状をなしている。ただし、これに限定されず、原料M1Aは、ブロック状、ペレット状、綿状、小片状をなしていてもよい。また、原料M1Bは、シート状をなしている。ただし、これに限定されず、原料M1Aは、ブロック状、ペレット状、綿状、小片状をなしていてもよい。原料M1Aと原料M1Bとは、例えば、積層された状態で結合した積層体をなし、原料供給工程で供給してもよい。
なお、原料M1Aおよび原料M1Bの構成材料については、後に詳述する。
【0023】
また、原料供給部11は、原料M1Aおよび原料M1Bを異なる2つの貯留部に貯留する構成であってもよく、1つの貯留部に貯留する構成であってもよい。すなわち、原料供給部11は、図示のように、原料M1Aを貯留する第1貯留部11Aと、原料M1Bを貯留する第2貯留部11Bと、を有する構成であってもよく、原料M1Aおよび原料M1Bを一括して貯留する貯留部を有する構成であってもよい。
【0024】
粗砕部12は、原料供給部11から供給された原料M1Aおよび原料M1Bを大気中等の気中で粗砕する粗砕工程を行なう部分である。粗砕部12は、一対の粗砕刃121と、シュート122とを有している。
【0025】
一対の粗砕刃121は、互いに反対方向に回転することにより、これらの間で原料M1Aおよび原料M1Bを粗砕して、すなわち、裁断して粗砕片M2にすることができる。粗砕片M2の形状や大きさは、解繊部13における解繊処理に適しているのが好ましく、例えば、1辺の長さが100mm以下の小片であるのが好ましく、10mm以上70mm以下の小片であるのがより好ましい。
【0026】
シュート122は、一対の粗砕刃121の下方に配置され、例えば漏斗状をなすものとなっている。これにより、シュート122は、粗砕刃121によって粗砕されて落下してきた粗砕片M2を受けることができる。
【0027】
また、シュート122の上方には、加湿部231が一対の粗砕刃121に隣り合って配置されている。加湿部231は、シュート122内の粗砕片M2を加湿するものである。この加湿部231は、水分を含むフィルターを有し、フィルターに空気を通過させることにより、湿度を高めた加湿空気を粗砕片M2に供給する気化式の加湿器で構成されている。加湿空気が粗砕片M2に供給されることにより、粗砕片M2が静電気によってシュート122等に付着するのを抑制することができる。
【0028】
シュート122は、管241を介して、解繊部13に接続されている。シュート122に集められた粗砕片M2は、管241を通過して、解繊部13に搬送される。
【0029】
解繊部13は、粗砕片M2を気中で、すなわち、乾式で解繊する解繊工程を行なう部分である。この解繊部13での解繊処理により、粗砕片M2から解繊物M3を生成することができる。ここで「解繊する」とは、複数の繊維が結着されてなる粗砕片M2を、繊維1本1本に解きほぐすことを言う。そして、この解きほぐされたものが解繊物M3となる。解繊物M3の形状は、線状や帯状である。また、解繊物M3同士は、絡み合って塊状となった状態、すなわち、いわゆる「ダマ」を形成している状態で存在してもよい。
【0030】
解繊部13は、例えば本実施形態では、高速回転する回転刃と、回転刃の外周に位置するライナーとを有するインペラーミルで構成されている。解繊部13に流入してきた粗砕片M2は、回転刃とライナーとの間に挟まれて解繊される。
【0031】
また、解繊部13は、回転刃の回転により、粗砕部12から選別部14に向かう空気の流れ、すなわち、気流を発生させることができる。これにより、粗砕片M2を管241から解繊部13に吸引することができる。また、解繊処理後、解繊物M3を、管242を介して選別部14に送り出すことができる。
【0032】
管242の途中には、ブロアー261が設置されている。ブロアー261は、選別部14に向かう気流を発生させる気流発生装置である。これにより、選別部14への解繊物M3の送り出しが促進される。
【0033】
選別部14は、解繊物M3を、繊維の長さの大小によって選別する選別工程を行なう部分である。選別部14では、解繊物M3は、第1選別物M4-1と、第1選別物M4-1よりも大きい第2選別物M4-2とに選別される。第1選別物M4-1は、その後のシートSの製造に適した大きさのものとなっており、その繊維の平均長さは、500μm以上3000μm以下であるのが好ましい。一方、第2選別物M4-2は、例えば、解繊が不十分なものや、解繊された繊維同士が過剰に凝集したもの等が含まれる。
【0034】
選別部14は、ドラム部141と、ドラム部141を収納するハウジング部142とを有する。
【0035】
ドラム部141は、円筒状をなす網体で構成され、その中心軸回りに回転する篩である。このドラム部141には、解繊物M3が流入してくる。そして、ドラム部141が回転することにより、網の目開きよりも小さい解繊物M3は、第1選別物M4-1として選別され、網の目開き以上の大きさの解繊物M3は、第2選別物M4-2として選別される。
第1選別物M4-1は、ドラム部141から落下する。
【0036】
一方、第2選別物M4-2は、ドラム部141に接続されている管243に送り出される。管243は、ドラム部141と反対側、すなわち、上流側が管241に接続されている。この管243を通過した第2選別物M4-2は、管241内で粗砕片M2と合流して、粗砕片M2とともに解繊部13に流入する。これにより、第2選別物M4-2は、解繊部13に戻されて、粗砕片M2とともに解繊処理される。
【0037】
また、ドラム部141から落下した第1選別物M4-1は、気中に分散しつつ落下して、ドラム部141の下方に位置する第1ウェブ形成部15に向かう。第1ウェブ形成部15は、第1選別物M4-1から第1ウェブM5を形成する第1ウェブ形成工程を行なう部分である。第1ウェブ形成部15は、メッシュベルト151と、3つの張架ローラー152と、吸引部153とを有している。
【0038】
メッシュベルト151は、無端ベルトであり、第1選別物M4-1が堆積する。このメッシュベルト151は、3つの張架ローラー152に掛け回されている。そして、張架ローラー152の回転駆動により、メッシュベルト151上の第1選別物M4-1は、下流側に搬送される。
【0039】
第1選別物M4-1は、メッシュベルト151の目開き以上の大きさとなっている。これにより、第1選別物M4-1は、メッシュベルト151の通過が規制され、よって、メッシュベルト151上に堆積することができる。また、第1選別物M4-1は、メッシュベルト151上に堆積しつつ、メッシュベルト151ごと下流側に搬送されるため、層状の第1ウェブM5として形成される。
【0040】
また、第1選別物M4-1には、例えば塵や埃等が混在しているおそれがある。塵や埃は、例えば、粗砕や解繊によって生じることがある。そして、このような塵や埃は、後述する回収部27に回収されることとなる。
【0041】
吸引部153は、メッシュベルト151の下方から空気を吸引するサクション機構である。これにより、メッシュベルト151を通過した塵や埃を空気ごと吸引することができる。
【0042】
また、吸引部153は、管244を介して、回収部27に接続されている。吸引部153で吸引された塵や埃は、回収部27に回収される。
【0043】
回収部27には、管245がさらに接続されている。また、管245の途中には、ブロアー262が設置されている。このブロアー262の作動により、吸引部153で吸引力を生じさせることができる。これにより、メッシュベルト151上における第1ウェブM5の形成が促進される。この第1ウェブM5は、塵や埃等が除去されたものとなる。また、塵や埃は、ブロアー262の作動により、管244を通過して、回収部27まで到達する。
【0044】
ハウジング部142は、加湿部232と接続されている。加湿部232は、気化式の加湿器で構成されている。これにより、ハウジング部142内には、加湿空気が供給される。この加湿空気により、第1選別物M4-1を加湿することができ、よって、第1選別物M4-1がハウジング部142の内壁に静電力によって付着してしまうのを抑制することもできる。
【0045】
選別部14の下流側には、加湿部235が配置されている。加湿部235は、水を噴霧する超音波式加湿器で構成されている。これにより、第1ウェブM5に水分を供給することができ、よって、第1ウェブM5の水分量が調整される。この調整により、静電力による第1ウェブM5のメッシュベルト151への吸着を抑制することができる。これにより、第1ウェブM5は、メッシュベルト151が張架ローラー152で折り返される位置で、メッシュベルト151から容易に剥離される。
【0046】
加湿部235の下流側には、細分部16が配置されている。細分部16は、メッシュベルト151から剥離した第1ウェブM5を分断する分断工程を行なう部分である。細分部16は、回転可能に支持されたプロペラ161と、プロペラ161を収納するハウジング部162とを有している。そして、回転するプロペラ161により、第1ウェブM5を分断することができる。分断された第1ウェブM5は、細分体M6となる。また、細分体M6は、ハウジング部162内を下降する。
【0047】
ハウジング部162は、加湿部233と接続されている。加湿部233は、気化式の加湿器で構成されている。これにより、ハウジング部162内には、加湿空気が供給される。この加湿空気により、細分体M6がプロペラ161やハウジング部162の内壁に静電力によって付着してしまうのを抑制することもできる。
【0048】
細分部16の下流側には、混合部17が配置されている。混合部17は、細分体M6と攪拌、混合する混合工程を行なう部分である。この混合部17は、管172と、ブロアー173とを有している。
【0049】
管172は、細分部16のハウジング部162と、分散部18のハウジング182とを接続しており、細分体M6中の繊維F1、繊維F2および結着剤Pが攪拌、混合された混合物M7が通過する流路である。
【0050】
また、管172の途中には、ブロアー173が設置されている。ブロアー173が有する羽根等の回転部の作用により、繊維F1、繊維F2および結着剤Pの混合が促進される。また、ブロアー173は、分散部18に向かう気流を発生させることができる。この気流により、管172内で、細分体M6と結着剤Pとを撹拌することができる。これにより、混合物M7は、繊維F1、繊維F2および結着剤Pが均一に分散した状態で、分散部18に搬送される。また、混合物M7中の繊維F1、繊維F2および結着剤Pは、管172内を通過する過程でほぐされて、より細かい繊維状となる。
【0051】
なお、
図1に示すように、ブロアー173は、制御部28と電気的に接続されており、その作動が制御される。また、ブロアー173の送風量を調整することにより、ドラム181内に送り込む空気の量を調整することができる。
【0052】
なお、図示はしないが、管172は、ドラム181側の端部が2股に分岐しており、分岐した端部は、ドラム181の端面に形成された図示しない導入口にそれぞれ接続されている。
【0053】
図1に示す分散部18は、混合物M7における、互いに絡み合った繊維同士をほぐして放出する放出工程を行なう部分である。分散部18は、解繊物である混合物M7を導入および放出するドラム181と、ドラム181を収納するハウジング182と、ドラム181を回転駆動する駆動源183と、を有する。
【0054】
ドラム181は、円筒状をなす網体で構成され、その中心軸回りに回転する篩である。ドラム181が回転することにより、混合物M7のうち、網の目開きよりも小さい繊維等が、ドラム181を通過することができる。その際、混合物M7がほぐされて空気とともに放出される。すなわち、ドラム181が、繊維を含む材料を放出する放出部として機能する。
【0055】
駆動源183は、図示はしないが、モーターと、減速機と、ベルトと、を有する。モーターは、モータードライバーを介して制御部28と電気的に接続されている。また、モーターから出力された回転力は、減速機によって減速される。ベルトは、例えば、無端ベルトで構成されており、減速機の出力軸およびドラムの外周に掛け回されている。これにより、減速機の出力軸の回転力がベルトを介してドラム181に伝達される。
【0056】
また、ハウジング182は、加湿部234と接続されている。加湿部234は、気化式の加湿器で構成されている。これにより、ハウジング182内には、加湿空気が供給される。この加湿空気により、ハウジング182内を加湿することができ、よって、混合物M7がハウジング182の内壁に静電力によって付着してしまうのを抑制することもできる。
【0057】
また、ドラム181で放出された混合物M7は、気中に分散しつつ落下して、ドラム181の下方に位置する第2ウェブ形成部19に向かう。第2ウェブ形成部19は、混合物M7を堆積させて堆積物である第2ウェブM8を形成する堆積工程を行なう部分である。第2ウェブ形成部19は、メッシュベルト191と、張架ローラー192と、吸引部193とを有している。
【0058】
メッシュベルト191は、メッシュ部材であり、図示の構成では、無端ベルトで構成される。また、メッシュベルト191には、分散部18が分散、放出した混合物M7が堆積する。このメッシュベルト191は、4つの張架ローラー192に掛け回されている。そして、張架ローラー192の回転駆動により、メッシュベルト191上の混合物M7は、下流側に搬送される。
【0059】
なお、図示の構成では、メッシュ部材の一例としてメッシュベルト191を用いる構成であるが、本発明ではこれに限定されず、例えば、平板状をなすものであってもよい。
【0060】
また、メッシュベルト191上のほとんどの混合物M7は、メッシュベルト191の目開き以上の大きさである。これにより、混合物M7は、メッシュベルト191を通過してしまうのが規制され、よって、メッシュベルト191上に堆積することができる。また、混合物M7は、メッシュベルト191上に堆積しつつ、メッシュベルト191ごと下流側に搬送されるため、層状の第2ウェブM8として形成される。
【0061】
吸引部193は、メッシュベルト191の下方から空気を吸引するサクション機構である。これにより、メッシュベルト191上に混合物M7を吸引することができ、よって、混合物M7のメッシュベルト191上への堆積が促進される。
【0062】
吸引部193には、管246が接続されている。また、この管246の途中には、ブロアー263が設置されている。このブロアー263の作動により、吸引部193で吸引力を生じさせることができる。
【0063】
分散部18の下流側には、加湿部236が配置されている。加湿部236は、加湿部235と同様の超音波式加湿器で構成されている。これにより、第2ウェブM8に水分を供給することができ、よって、第2ウェブM8の水分量が調整される。この調整により、静電力による第2ウェブM8のメッシュベルト191への吸着を抑制することができる。これにより、第2ウェブM8は、メッシュベルト191が張架ローラー192で折り返される位置で、メッシュベルト191から容易に剥離される。
【0064】
なお、加湿部231~加湿部236までに加えられる合計水分量は、例えば、加湿前の材料100質量部に対して0.5質量部以上20質量部以下であるのが好ましい。
【0065】
第2ウェブ形成部19の下流側には、成形部20が配置されている。成形部20は、第2ウェブM8からシートSを形成する成形工程を行なう部分である。この成形部20は、加圧部201と、加熱部202とを有している。
【0066】
加圧部201は、一対のカレンダーローラー203を有し、カレンダーローラー203の間で第2ウェブM8を加熱せずに加圧することができる。これにより、第2ウェブM8の密度が高められる。なお、加熱する場合の加熱の程度としては、例えば、結着剤Pを溶融させない程度であるのが好ましい。そして、この第2ウェブM8は、加熱部202に向けて搬送される。なお、一対のカレンダーローラー203のうちの一方は、図示しないモーターの作動により駆動する主動ローラーであり、他方は、従動ローラーである。
【0067】
加熱部202は、一対の加熱ローラー204を有し、加熱ローラー204の間で第2ウェブM8を加熱しつつ、加圧することができる。この加熱加圧により、第2ウェブM8内では、結着剤Pが溶融して、この溶融した結着剤Pを介して繊維同士が結着する。これにより、シートSが形成される。そして、このシートSは、切断部21に向けて搬送される。なお、一対の加熱ローラー204の一方は、図示しないモーターの作動により駆動する主動ローラーであり、他方は、従動ローラーである。
【0068】
成形部20の下流側には、切断部21が配置されている。切断部21は、シートSを切断する切断工程を行なう部分である。この切断部21は、第1カッター211と、第2カッター212とを有する。
【0069】
第1カッター211は、シートSの搬送方向と交差する方向、特に直交する方向にシートSを切断するものである。
【0070】
第2カッター212は、第1カッター211の下流側で、シートSの搬送方向に平行な方向にシートSを切断するものである。この切断は、シートSの幅方向の両側端部の不要な部分を除去して、シートSの幅を整えるものであり、切断除去された部分は、いわゆる「みみ」と呼ばれる。
【0071】
このような第1カッター211と第2カッター212との切断により、所望の形状、大きさのシートSが得られる。そして、このシートSは、さらに下流側に搬送されて、ストック部22に蓄積される。
【0072】
なお、成形部20としては、上記のようにシートSに成形する構成に限定されず、例えば、ブロック状、球状等の成形体に成形する構成であってもよい。
【0073】
このように、本発明の繊維成形体の製造方法は、繊維を含む主原料である原料M1Aと、本発明の繊維成形体製造用原料としての原料M1Bと、を供給する供給工程と、供給された原料M1Aおよび原料M1Bを解繊する解繊工程と、解繊工程で生成された原料M1Aおよび原料M1Bの解繊物M3を堆積する堆積工程と、堆積工程で生成された堆積物である第2ウェブM8を加圧して成形する成形工程と、を含む。これにより、原料M1Aおよび原料M1Bを供給し、解繊、成形してシートSを製造することができる。すなわち、結着剤Pを繊維F1および繊維F2とともに供給することにより、装置の途中に結着剤供給部を設置するのを省略することができる。よって、装置の小型化を図ることができる。さらに、後述するような原料M1Bを用いるため、原料M1Aおよび原料M1BからシートSを製造し、製造したシートSを使用して再度原料として用いる場合、十分な強度を有するシートSを得ることができる。すなわち、繰り返し再生性に優れる。
【0074】
また、本発明の繊維成形体の製造方法は、第1繊維である繊維F1を含む主原料である原料M1Aを供給するとともに、第2繊維である繊維F2と、繊維F1と繊維F2を結着させる結着剤Pと、を含む補助原料である原料M1Bを供給する供給工程と、供給工程で供給された原料M1Aと補助原料M1Bとを解繊して混合させ混合物M7を生成する解繊工程と、混合物M7を加熱加圧して繊維成形体を成形する成形工程と、を含む。また、原料M1Bは、原料M1Aよりも結着剤Pの重量比率が高く、かつ、繊維F2の数平均繊維長は、繊維F1の数平均繊維長よりも長い。これにより、原料M1Aおよび原料M1Bを供給し、解繊、成形してシートSを製造することができる。すなわち、結着剤Pを繊維F1および繊維F2とともに供給することにより、装置の途中に結着剤供給部を設置するのを省略することができる。よって、装置の小型化を図ることができる。さらに、原料M1Bは、原料M1Aよりも結着剤Pの重量比率が高く、かつ、繊維F2の数平均繊維長は、繊維F1の数平均繊維長よりも長いため、原料M1Aおよび原料M1BからシートSを製造し、製造したシートSを使用して再度原料として用いる場合、繊維成形体であるシートSに含まれる繊維の数平均繊維長が過剰に低下しにくく、十分な強度を有するシートSを得ることができる。すなわち、繰り返し再生性をより高めることができる。
【0075】
次に、原料M1Aおよび原料M1Bの構成材料について、詳細に説明する。
原料M1Aは、繊維F1を含む繊維製の主原料である。繊維F1としては、例えば、植物由来の繊維、動物由来の繊維、樹脂繊維、ガラス繊維、炭素繊維や、これらの混合物等が挙げられる。
【0076】
植物由来の繊維としては、例えば、セルロース繊維、綿、リンター、カボック、亜麻、大麻、ラミー、絹等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができるが、このなかでも、セルロース繊維を主とするのが好ましい。セルロース繊維は入手が容易で、シートSへの成形性に優れ、十分な強度が得られる。
【0077】
セルロース繊維としては、木質系パルプに由来するものが好ましい。木質系パルプとしては、広葉樹パルプ、針葉樹パルプ、コットンリンター等のバージンパルプ、クラフトパルプ、晒ケミサーモメカニカルパルプ、合成パルプ、古紙や再生紙に由来するパルプ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0078】
ここで、セルロース繊維とは、化合物としてのセルロース、すなわち狭義のセルロースを主成分とし繊維状をなすものであればよく、狭義のセルロースの他に、ヘミセルロース、リグニンを含むものが該当する。
【0079】
動物由来の繊維としては、羊毛等が挙げられる。
樹脂繊維としては、ポリアミド、テトロン、レーヨン、キュプラ、アセテート、ビニロン、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、アラミド等が挙げられる。
【0080】
繊維F1の数平均繊維長は、特に限定されないが、0.5mm以上、3.0mm以下であるのが好ましく、0.7mm以上、2.5mm以下であるのがより好ましい。これにより、結着剤Pでの結着が良好になされ、成形性に優れ、十分な強度が得られる。
なお、数平均繊維長LNは、以下の式(1)で表される。
【0081】
【0082】
なお、式(1)中、niは、フラクションiの繊維の個数を示し、liは、フラクションiの繊維の長さを示す。また、iは、自然数とする。
【0083】
繊維F1の数平均繊維径は、特に限定されないが、0.1μm以上、50μm以下であるのが好ましく、1μm以上、30μm以下であるのがより好ましい。これにより、後述する結着剤Pでの結着が良好になされ、成形性に優れ、十分な強度が得られる。
【0084】
また、同様の理由から、繊維F1の平均アスペクト比、すなわち数平均繊維径に対する数平均繊維長の比率は、2以上、30000以下であるのが好ましく、10以上、300以下であるのがより好ましい。
【0085】
なお、原料M1Aは、繊維F1の他に、例えば、後述する結着剤P等、その他の成分を含んでいてもよい。特に、原料M1Aが、繊維成形体製造装置100により、製造されたシートSに由来している場合、結着剤Pを含むこととなる。
【0086】
次に、原料M1Bについて説明する。
原料M1Bは、繊維F2と、繊維F2同士を結着させる結着剤Pと、を含む繊維成形体製造用原料である。また、本実施形態では、解繊された繊維を含む主原料である原料M1Aを、加熱加圧成形して繊維成形体であるシートSを製造する際の補助原料として用いられる。これにより、原料M1AをシートSに成形する際、繊維同士を結着させてシートSに十分な強度を付与することができる。
【0087】
原料M1Bは非粒子状の形態をなす。具体的にはシート状、ペレット状、球状、ラグビーボール状、円筒状、柱状、サイコロ状などの形態をとることが出来る。この中ではシート状が取り扱い性、装置サイズ、加工容易性の点から好ましい。
【0088】
繊維F2としては、繊維F1で例示した植物由来の繊維、動物由来の繊維、樹脂繊維、ガラス繊維、炭素繊維や、これらの混合物等が挙げられる。
【0089】
繊維F2の数平均繊維長は、特に限定されないが、0.7mm以上、3.0mm以下であるのが好ましく、0.8mm以上、2.5mm以下であるのがより好ましい。原料M1Bを解繊、成形してシートSを製造し、そのシートSを使用した後に原料M1Aとして用いる場合、すなわち、繰り返し再生すると、繊維の数平均繊維長は、短くなる。そこで、上記のように数平均繊維長を比較的長く設定することにより、繰り返し再生したとしても、十分な強度が得られる。すなわち、さらに優れた繰り返し再生性が得られる。
【0090】
繊維F2の平均繊維長さが短すぎると、繰り返し再生した際に、シートSの強度が不十分になる傾向を示す。一方、繊維F2の数平均繊維長が長すぎると、解繊時に解繊部13に対する負荷がかかりやすく、また、解繊後に、ダマが生じやすくなるおそれがあり、シート品質の低下が懸念される。
【0091】
繊維F2の数平均繊維径は、特に限定されないが、0.1μm以上、50μm以下であるのが好ましく、1μm以上、30μm以下であるのがより好ましい。これにより、後述する結着剤Pでの結着が良好になされ、成形性に優れ、十分な強度が得られる。
【0092】
また、同様の理由から、繊維F2の平均アスペクト比、すなわち数平均繊維径に対する数平均繊維長の比率は、2以上、30000以下であるのが好ましく、10以上、300以下であるのがより好ましい。
【0093】
結着剤Pは、粒子状または繊維状のもの、またはこれらの形態を組み合わせたものを用いることができる。すなわち、原料M1Bは、粒子状をなしている結着剤Pと、繊維状をなしている結着剤Pとのうちの少なくとも一種以上を含む。これにより、繊維F1と繊維F2とが結着剤Pを介して効率的に結着されやすい。
【0094】
また、結着剤Pとしては、例えば、熱可塑性樹脂、硬化性樹脂等を用いることができるが、熱可塑性樹脂を用いるのが好ましい。結着剤Pが、熱可塑性樹脂を含むことにより、成形部20にて加熱するまで、結着性の発現が抑制され、繊維F1および繊維F2を成形部に搬送するまで、不本意に結着してしまいダマが生じるのを防止または抑制することができる。
【0095】
熱可塑性樹脂としては、例えば、AS樹脂、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6-12、ナイロン6-66等のポリアミド(ナイロン:登録商標)、ポリアミドイミド、ポリフェニレンエーテル、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファイド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテルイミド、芳香族ポリエステル等の液晶ポリマー、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。熱可塑性樹脂としては、特に好ましいものは、ポリエステルまたはこれを含む樹脂である。また、ポリ乳酸、ポリカプロラクタン、各種澱粉、ポリヒドロキシブチレート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート等のバイオマスプラスチックや生分解性プラスチックを含んでいてもよい。これにより、環境適合性が向上する。
【0096】
特に、結着剤Pは、澱粉を含むのが好ましい。これにより、生分解性により優れ、シートSのリサイクルに有利である。また、澱粉としては、熱可塑性澱粉であるのが好ましい。熱可塑性澱粉としては、澱粉を内部可塑化したもの、澱粉を外部可塑化したものが挙げられるが、澱粉を外部可塑化したもの、すなわち、澱粉と外部可塑剤とを含むものであるのが好ましい。これにより、生分解性をより優れたものとすることができるともに、シートSのリサイクルもより好適に行うことができる。また、外部可塑剤の配合量等の調整により、澱粉の特性等の調整をより容易に行うことができる。
【0097】
また、熱硬化性樹脂、光硬化性樹脂等の硬化性樹脂を含んでいてもよい。熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を含んでいてもよい。
【0098】
また、原料M1Bは、結着剤Pに加え、繊維を着色するための着色剤、繊維の凝集を抑制するための凝集抑制剤、繊維等を燃えにくくするための難燃剤、シートSの紙力を増強するための紙力増強剤等が挙げられ、これらのうちの一種または複数種を組み合わせて用いることができる。
【0099】
ここで、本発明では、原料M1B中の繊維F2の重量をAとし、原料M1B中の結着剤Pの重量をBとしたとき、1.0≦A/B≦9.0を満足する。これにより、原料M1B中の繊維の量を十分に確保することができるとともに、結着剤Pを過不足なく供給することができる。よって、シートSの強度を十分に確保することができる。A/Bが1.0よりも小さいと、繊維F2が少なすぎて、繰り返し再生したシートSの強度が不十分となる。一方、A/Bが9.0よりも大きいと、結着剤Pが少なすぎて、繊維F2同士の結着が不十分となり、シートSの強度が不十分となる。
【0100】
原料M1B中の繊維F2の重量をAとし、原料M1B中の結着剤Pの重量をBとしたとき、1.0≦A/B≦9.0を満足すれば、本発明の効果を得ることができるが、1.2≦A/B≦8.5を満足するのがより好ましく、1.8≦A/B≦8.0を満足するのがさらに好ましい。これにより、本発明の効果をより顕著に得ることができる。
【0101】
また、Aは、50重量%以上、90重量%以下であるのが好ましく、55重量%以上、85重量%以下であるのがより好ましい。これにより、得られたシートSの強度をより確実に高めることができる。
【0102】
また、Bは、5重量%以上、50重量%以下であるのが好ましく、10重量%以上、40重量%以下であるのがより好ましい。これにより、得られたシートSの強度をより確実に高めることができる。
【0103】
また、原料M1Bは、原料M1Aよりも結着剤Pの重量比率が高く、かつ、原料M1Bに含まれている繊維F2、すなわち、第2繊維の数平均繊維長は、原料M1Aに含まれている繊維F1、すなわち、第1繊維の数平均繊維長よりも長い。これにより、繰り返し再生による繊維の数平均繊維長が低下しにくく、繰り返し再生性を向上させることができる。
【0104】
このように、本発明の繊維成形体製造用原料の一例である原料M1Bは、繊維F2と、繊維F2同士を結着させる結着剤Pと、を含む繊維成形体製造用原料であって、繊維成形体製造用原料が非粒子状であり、原料M1B中の繊維F2の重量をAとし、原料M1B中の結着剤Pの重量をBとしたとき、1.0≦A/B≦9.0を満足する。
【0105】
このような原料M1Bは、原料供給部11から供給し、解繊、成形してシートSを製造することができる。すなわち、結着剤Pを繊維F2とともに供給することにより、装置の途中に結着剤供給部を設置するのを省略することができる。よって、装置の小型化を図ることができる。さらに、A/Bが、1.0≦A/B≦9.0を満足することにより、原料M1B中の繊維の量を十分に確保することができるとともに、結着剤Pを過不足なく供給することができる。原料M1Aおよび原料M1BからシートSを製造し、製造したシートSを使用して再度原料として用いる場合、十分な強度を有するシートSを得ることができる。すなわち、繰り返し再生性に優れる。
【0106】
また、繊維成形体製造用原料としての原料M1Bは、シート状をなしているのが好ましい。これにより、粗砕部12にて粗砕しやすくすることができ、解繊部13に円滑に供給し、良好に解繊を行うことができる。また、原料M1Bを搬送する際や、原料M1Bを保管する際、原料M1Bを重ねておくことができ、これらの作業を簡単に行うことができる。
【0107】
なお、本実施形態では、原料M1Aおよび原料M1Bを供給する構成であったが、本発明ではこれに限定されず、原料M1Bを主原料として用いてもよい。すなわち、原料M1Aを供給せずに、原料M1Bのみを繊維成形体製造装置100に供給する構成であってもよい。
【0108】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
【0109】
例えば、繊維成形体の製造方法に用いる繊維成形体製造装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【実施例】
【0110】
次に、本発明の具体的実施例について説明する。
1.繊維成形体製造用原料の製造
【0111】
(実施例1)
まず、繊維として、7kgの針葉樹パルプ(数平均繊維長:2300μm以下)、と、結着剤として、3kgのポリ乳酸(ユニチカ(株)製「テラマック」)と、を用意した。
【0112】
次いで、ヒーターミキサー(上羽根:混練用タイプ、下羽根:高循環・高負荷用、ヒーター及び温度計付き、容量20L、品名ヘンシェルミキサーFM20C/I、三井鉱山(株)製)を140℃に加温し、針葉樹パルプ7kgを投入し、平均周速50m/秒で混錬した。約2分経過時点において、針葉樹パルプが綿状に変化した。
【0113】
次いで、ヒーターミキサー内にポリ乳酸3kgを投入した後、平均周速50m/秒で混錬を続けた。ミキサーの温度が120℃に達した時に、MPP(マレイン酸変性ポリプロピレン:理研ビタミン(株)製「MG-670P」)を投入し、15分間混錬を続けた。
【0114】
その後、冷却ミキサー(回転羽根:冷却用標準羽根、水冷手段(20℃)および温度計付き、容量45L、三井鉱山(株)製「クーラーミキサーFD20C/K」)に移して平均周速10m/秒で混錬を開始し、ミキサー内の温度が80℃になった時点で混錬を終了した。セルロース繊維と樹脂の混合物を固化して、直径が2mm~2cm程度のペレット状の原料(補助原料)である実施例1の繊維成形体製造用原料を得た。得られた原料では、繊維の重量をAとし、結着剤の重量をBとしたとき、A:Bが70:30であった。
【0115】
なお、後述する評価を行うに際し、セイコーエプソン(株)製、古紙再生機「PaperLab A-8000」を改造して、ペレット状の原料(補助原料)の収容容器、ペレット搬送部、ペレット粉砕部を連結して解繊部に装着し、使用済み古紙を原料M1Aとして原料供給部に投入し、ペレット状の原料(補助原料)を原料M1Bとして、ペレット粉砕部を経て解繊部に供給して古紙再生シートを製造した。得られた古紙再生シートでは、ポリ乳酸の含有率は、10重量%であった。古紙再生シートの評価に関しては、後述する。
【0116】
(実施例2)
ポリ乳酸(ユニチカ(株)製「テラマック」)をハンマーミルにより粗砕した後、ジェットミルによる微粉砕を行い、強制渦遠心式精密空気分級機により、体積平均粒子径が10.6μmの粉体状のポリ乳酸を製造した。このポリ乳酸の粉体1kgと二酸化ケイ素微粒子20gとを高速ミキサーで混合処理して、結合樹脂粉体を製造した。次いで、結合樹脂粉体を、セイコーエプソン(株)製、古紙再生機「PaperLab A-8000」の原料供給部に原料M1Bとして装填し、針葉樹パルプ(坪量80g/m2に抄きなおしたシート)を原料M1Aとして装填して、針葉樹パルプ:結着剤=70:30の重量比、坪量120g/m2の板紙シートを製造した。そして、板紙シートをシュレッダーで裁断し、シュレッド片状の原料(補助原料)である実施例2の繊維成形体製造用原料を得た。
【0117】
なお、後述する評価を行うに際し、セイコーエプソン(株)製、古紙再生機「PaperLab A-8000」を改造して、シュレッド片状の原料(補助原料)の収容容器、シュレッド片搬送部を連結して解繊部に装着し、使用済み古紙を原料M1Aとして原料供給部に投入し、ペレット状の原料(補助原料)を原料M1Bとしてシュレッド片搬送部に投入し、解繊部に供給して、古紙再生シートを製造した。得られた古紙再生シートでは、ポリ乳酸の含有率は、10重量%であった。古紙再生シートの評価は実施例1と同様にして行った。
【0118】
(実施例3)
1リットルの水に針葉樹パルプ9g、実施例2で製造したポリ乳酸粉体21gを投入して、ブレンダー(Oster社製「High Speed Blender」)で、周速50m/秒で30秒間攪拌してパルプスラリーを製造した。撹拌後、pH7.0の水でパルプ濃度を0.8質量%に希釈した後、歩留まり向上剤(荒川化学(株)製ポリテンション1200)30gを添加して更に5分間撹拌した。撹拌後、3時間静置した後、ノーブル・アンド・ウッド製シートマシンにて抄紙し、プレス後、ドラムドライヤーで100℃、100秒間乾燥させて、坪量80g/m2のシート状の原料(補助原料)である実施例3の繊維成形体製造用原料を得た。
【0119】
なお、後述する評価を行うに際し、セイコーエプソン(株)製、古紙再生機「PaperLab A-8000」のメイン給紙ユニットに原料M1Aとして使用済み古紙を装填し、サブ給紙ユニットに上記で製造したシート状の原料(補助原料)を装填して、古紙再生シートを製造した。得られた古紙再生シートでは、ポリ乳酸の含有率は、10重量%であった。古紙再生シートの評価は実施例1と同様にして行った。
【0120】
(実施例4)
実施例2のポリ乳酸をポリエステル(東洋紡株式会社製「バイロン220」)に変更してポリエステル粉体(体積平均粒径11.2μm)を製造し、実施例3のポリ乳酸粉体を当該ポリエステル粉体に変更してシート状の原料(補助原料)である実施例4の繊維成形体製造用原料を製造した。また、シート状の繊維成形体製造用原料を用いて、実施例3と同様にして古紙再生シートを製造し、実施例1と同様にして評価を行った。
【0121】
(実施例5)
実施例4のポリエステルをポリウレタン(第一工業製薬(株)製「スーパーフレックス130」)に変更したこと以外は、実施例4と同様にして、実施例5の繊維成形体製造用原料を得た。また、実施例4と同様にして評価を行った。
【0122】
(実施例6)
実施例4のポリエステルをポリカーボネート(三菱ケミカル(株)製「DURABIO」)に変更したこと以外は、実施例4と同様にして、実施例6の繊維成形体製造用原料を得た。また、実施例4と同様にして評価を行った。
【0123】
(実施例7)
実施例3の針葉樹パルプをコットンリンター(数平均繊維長:1500μm以下)に変更したこと以外は、実施例3と同様にして、実施例7の繊維成形体製造用原料を得た。また、実施例3と同様にして評価を実施した。
【0124】
(実施例8)
実施例3の針葉樹パルプを広葉樹パルプ(数平均繊維長:800μm以下)に変更したこと以外は、実施例3と同様にして、実施例8の繊維成形体製造用原料を得た。また、実施例3と同様にして評価を行った。
【0125】
(実施例9)
実施例2のポリ乳酸をポリエステル(東洋紡株式会社製「バイロン220」)に変更し、かつ、繊維成形体製造用原料の坪量を80g/m2に変更したこと以外は、実施例2と同様にして実施例9の繊維成形体製造用原料を得た。また、実施例3と同様にして評価を行った。
【0126】
(実施例10)
実施例9の針葉樹パルプをポリエステル繊維(帝人(株)製「TT04N」、数平均繊維長:5.0mm)に変更したこと以外は、実施例9と同様にして、実施例10の繊維成形体製造用原料を得た。また、実施例9と同様にして評価を行った。
【0127】
(実施例11)
実施例9の針葉樹パルプをレーヨン樹脂(ダイワボウレーヨン(株)製「コロナ」、数平均繊維長:8.0mm)に変更したこと以外は、実施例9と同様にして、実施例11の繊維成形体製造用原料を得た。また、実施例9と同様にして評価を行った。
【0128】
(比較例1)
実施例1で製造したペレット状の繊維成形体製造用原料をハンマーミルにて粉砕し、ジェットミルによってさらに粉砕した。次いで、当該粉砕物を強制渦遠心式分級機により分級して粉体状の複合結合材を製造した。当該粉体状の複合結合材1kgと二酸化ケイ素微粒子20gとを高速ミキサーで混合処理して、比較例1の繊維成形体製造用原料を製造した。
【0129】
なお、後述する評価を行うに際し、比較例1の繊維成形体製造用原料を、セイコーエプソン(株)製、古紙再生機「PaperLab A-8000」の結着剤供給部に装填し、給紙部に使用済み古紙を装填して、古紙再生シートを製造した。得られた古紙再生シートでは、ポリ乳酸の含有率は、10重量%であった。
【0130】
(比較例2)
実施例3の針葉樹パルプの配合量を18g、ポリ乳酸の配合量を12gに変更したこと以外は、実施例3と同様にして、比較例2の繊維成形体製造用原料を得た。また、実施例3と同様にして評価を行った。
【0131】
(比較例3)
実施例3の針葉樹パルプの配合量を1.5g、ポリ乳酸の配合量を28.5gに変更したこと以外は、実施例3と同様にして、比較例3の繊維成形体製造用原料を得た。また、実施例3と同様にして評価を行った。
【0132】
(比較例4)
比較例2のポリ乳酸をポリエステルの変更したこと以外は、比較例2と同様にして、比較例4の繊維成形体製造用原料を得た。また、比較例2と同様にして評価を行った。
【0133】
(比較例5)
比較例2のポリ乳酸をポリウレタンの変更したこと以外は、比較例2と同様にして、比較例5の繊維成形体製造用原料を得た。また、比較例2と同様にして評価を行った。
【0134】
(比較例6)
比較例2のポリ乳酸をポリカーボネートの変更したこと以外は、比較例2と同様にして、比較例6の繊維成形体製造用原料を得た。また、比較例2と同様にして評価を行った。
【0135】
(比較例7)
比較例3のポリ乳酸をポリエステルの変更したこと以外は、比較例3と同様にして、比較例7の繊維成形体製造用原料を得た。また、比較例3と同様にして評価を行った。
【0136】
(比較例8)
比較例3のポリ乳酸をポリウレタンの変更したこと以外は、比較例3と同様にして、比較例8の繊維成形体製造用原料を得た。また、比較例3と同様にして評価を行った。
【0137】
(比較例9)
比較例3のポリ乳酸をポリカーボネートの変更したこと以外は、比較例3と同様にして、比較例9の繊維成形体製造用原料を得た。また、比較例3と同様にして評価を行った。
【0138】
2.評価
前記各実施例および各比較例の繊維成形体製造用原料について、以下の評価を行った。
【0139】
2-1.結着剤の取り扱い性
A:繊維成形体製造装置を使用時の取り扱いにおいて、準備すべきものが何もなく、搬送、保管が容易である。
B:繊維成形体製造装置を使用時の取り扱いにおいて、準備すべきものが何もない。
C:繊維成形体製造装置を使用時の取り扱いにおいて、拭取り布、手袋、防護マスク等、何らかの備品が必要である。
【0140】
2-2.装置サイズ
A:十分な強度を有する繊維成形体を得るための装置サイズが高さ2m以下、間口2m以下、奥行1.5m以下である。
B:高さ2m以下、間口2m以下、奥行1.5m以下のうち、何れか2項目を満足し、1項目を満足しない。
C:高さ2m以下、間口2m以下、奥行1.5m以下のうち、何れか1項目を満足し、2項目を満足しない。
【0141】
2-3.繰り返し再生性
A:5回以上の繰り返し再生可能
B:2回以上5回未満の繰り返し再生可能
C:繰り返し再生不可
これらの結果を表1および表2にまとめて示す。
【0142】
【0143】
【0144】
比較例1~比較例9の繊維成形体製造用原料を、「装置サイズ」の評価が「A」の装置に供給してシートを製造しようとしたところ、比較例1、3、7~9では、十分な強度が得られず、特許文献1に示すような、途中に樹脂供給部を有するシート製造装置を使用せざるをえなかった。特に、比較例1に至っては、粗砕部、解繊部までの経路の途中において、粉体の原料が付着して、シートが製造できなかった。
【0145】
また、比較例2、4~6では、途中に結着剤供給部を有していない
図1に示すような繊維成形体製造装置を用いてシートを製造することができたが、A/Bが、1.0≦A/B≦9.0を満足していないため、繰り返し再生性が不十分であった。
【0146】
これに対し、実施例1~11では、途中に結着剤供給部を有していない
図1に示すような繊維成形体製造装置を用いてシートを製造することができ、かつ、繰り返し再生性にも優れる。
【0147】
このように、実施例1~11では優れた結果が得られ、比較例1~9では、満足のいく結果が得られなかった。
【符号の説明】
【0148】
11…原料供給部、12…粗砕部、13…解繊部、14…選別部、15…第1ウェブ形成部、16…細分部、17…混合部、18…分散部、19…第2ウェブ形成部、20…成形部、21…切断部、22…ストック部、27…回収部、28…制御部、100…繊維成形体製造装置、121…粗砕刃、122…シュート、141…ドラム部、142…ハウジング部、151…メッシュベルト、152…張架ローラー、153…吸引部、161…プロペラ、162…ハウジング部、172…管、173…ブロアー、181…ドラム、182…ハウジング、183…駆動源、191…メッシュベルト、192…張架ローラー、193…吸引部、201…加圧部、202…加熱部、203…カレンダーローラー、204…加熱ローラー、211…第1カッター、212…第2カッター、231…加湿部、232…加湿部、233…加湿部、234…加湿部、235…加湿部、236…加湿部、241…管、242…管、243…管、244…管、245…管、246…管、261…ブロアー、262…ブロアー、263…ブロアー、281…CPU、282…記憶部、F1…繊維、F2…繊維、M1A…原料、M1B…原料、M2…粗砕片、M3…解繊物、M4-1…第1選別物、M4-2…第2選別物、M5…第1ウェブ、M6…細分体、M7…混合物、M8…第2ウェブ、P…結着剤、S…シート