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特許7540207情報処理装置及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】情報処理装置及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/31 20130101AFI20240820BHJP
【FI】
G06F21/31
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020100290
(22)【出願日】2020-06-09
(65)【公開番号】P2021196647
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-05-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋本 涼子
【審査官】三森 雄介
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-089176(JP,A)
【文献】特開2007-172520(JP,A)
【文献】特開2019-139457(JP,A)
【文献】特開2004-355366(JP,A)
【文献】特開2009-020869(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
3/048-3/04895
21/00
21/30-21/46
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロセッサを備え、
前記プロセッサは、
実行中の第1のサービスと連携している第2のサービスが提供する提供画面において、第1画面の表示指示を受け付ける第1画面構成要素が選択された場合、前記提供画面から前記第1画面へ遷移させ、
前記提供画面において、前記第1のサービスと連携していない第3のサービスが提供する画面である第2画面の表示指示を受け付ける第2画面構成要素が選択された場合、前記第2画面を表示させない、
処理を実行する、情報処理装置。
【請求項2】
前記提供画面は、前記第2のサービスへログインするためのログイン画面である、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第1画面構成要素と前記第2画面構成要素とでは、内容を異ならせて表示させる、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記提供画面が表示された際の表示領域の大きさは変更できない、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
コンピュータに、
実行中の第1のサービスと連携している第2のサービスが提供する提供画面において、第1画面の表示指示を受け付ける第1画面構成要素が選択された場合、前記提供画面から前記第1画面へ遷移させ、
前記提供画面において、前記第1のサービスと連携していない第3のサービスが提供する画面である第2画面の表示指示を受け付ける第2画面構成要素が選択された場合、前記第2画面を表示させない、
処理を実行させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、第1アプリケーションおよび第2アプリケーションがインストールされ、前記第1アプリケーションに対してログイン処理されたユーザ端末と、前記ユーザ端末から前記第1アプリケーションのトークン、前記第1アプリケーションの署名、前記第2アプリケーションのコンシューマーキーおよび前記第2アプリケーションの署名を受信し、前記受信した第1アプリケーションのトークンから識別されたユーザ情報で前記第2アプリケーションに対するログイン処理を行うサービスサーバと、を含むアプリケーションログインシステムの発明が記載されている。
【0003】
特許文献2には、クラウドサービスを利用するためのプログラムを記憶するクラウドアプリ記憶部と、クラウドサービスに登録されたクラウドアカウントのアカウント情報を記憶するアカウント情報記憶部と、クラウドサービスへの認証処理の実行を管理する認証管理部と、を備えるクラウドサーバと、クラウドサーバからプログラムを取得するアプリ情報取得部と、外部サービスの外部アカウントを利用して、クラウドサーバにクラウドサービスへのサインアップを要求するサインアップ部と、クラウドサーバに前記クラウドサービスにサインインするためのパスコード又は文字列の設定を要求するパスコード設定部と、クラウドアカウントを利用して、クラウドサーバにクラウドサービスへのサインインを要求するサインイン部と、を備える情報処理端末と、を含む情報処理システムの発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-38608号公報
【文献】特開2018-92564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
他のサービスと連携するアプリケーションソフトウェアで、当該他のサービスの機能を利用する場合、該サービスにログインしている必要がある。ログインの際、同サービスが提供するユーザ認証の画面をそのまま使用することを要求されるケースがある。
【0006】
他のサービスが提供する画面構成では、ユーザ認証以外の機能を使用するためのリンクが用意されている場合があり、アプリケーションソフトウェアでは、当該機能が目的に合わない場合がある。
【0007】
本発明は、連携している他のサービスの機能を実行する際に、該他のサービスが提供している画面を表示する場合において、該他のサービスが提供する機能のうち、一部の機能のみを実行できる情報処理装置及びコンピュータプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1態様に係る情報処理装置は、プロセッサを備え、前記プロセッサは、実行中の第1のサービスと連携している第2のサービスが提供する提供画面において、第1画面の表示指示を受け付ける第1画面構成要素が選択された場合、前記提供画面から前記第1画面へ遷移させ、前記提供画面において、第2画面の表示指示を受け付ける第2画面構成要素が選択された場合、前記第2画面を表示させない処理を実行する。
【0009】
本発明の第2態様に係る情報処理装置は、本発明の第1態様に係る情報処理装置であって、前記提供画面は、前記第2のサービスへログインするためのログイン画面である。
【0010】
本発明の第3態様に係る情報処理装置は、本発明の第1態様に係る情報処理装置であって、前記第2画面は、前記第1のサービスと連携していない第3のサービスが提供する画面である。
【0011】
本発明の第4態様に係る情報処理装置は、本発明の第1態様に係る情報処理装置であって、前記第2画面は、前記第2のサービスを試用するための画面である。
【0012】
本発明の第5態様に係る情報処理装置は、本発明の第1態様に係る情報処理装置であって、前記第2画面は、前記第2のサービスのアカウントを登録するための画面である。
【0013】
本発明の第6態様に係る情報処理装置は、本発明の第1態様に係る情報処理装置であって、前記第1画面構成要素と前記第2画面構成要素とでは、内容を異ならせて表示させる。
【0014】
本発明の第7態様に係る情報処理装置は、本発明の第1態様に係る情報処理装置であって、前記提供画面が表示された際の表示領域において、前記第2画面構成要素が表示されていない。
【0015】
本発明の第8態様に係る情報処理装置は、本発明の第7態様に係る情報処理装置であって、前記表示領域の大きさは変更できない。
【0016】
本発明の第9態様に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、実行中の第1のサービスと連携している第2のサービスが提供する提供画面において、第1画面の表示指示を受け付ける第1画面構成要素が選択された場合、前記提供画面から前記第1画面へ遷移させ、前記提供画面において、第2画面の表示指示を受け付ける第2画面構成要素が選択された場合、前記第2画面を表示させない処理を実行させる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の第1態様によれば、第1のサービスが連携している第2のサービスの機能を実行する際に、第2画面の表示指示を受け付ける第2画面構成要素が選択された場合、第2画面を表示させない処理を実行することで、該第2のサービスが提供する機能のうち、一部の機能のみを実行できる。
【0018】
本発明の第2態様によれば、第2のサービスへログインするためのログイン画面から、第2画面の表示指示を受け付ける第2画面構成要素が選択された場合、第2画面を表示させない処理を実行することで、第2のサービスが提供する機能のうち、一部の機能のみを実行できる。
【0019】
本発明の第3態様によれば、第2のサービスへログインするためのログイン画面から、第2画面として、第1のサービスと連携していない第3のサービスが提供する画面を表示させない処理を実行することで、第2のサービスが提供する機能のうち、一部の機能のみを実行できる。
【0020】
本発明の第4態様によれば、第2のサービスへログインするためのログイン画面から、第2画面として、第2のサービスを試用するための画面を表示させない処理を実行することで、第2のサービスが提供する機能のうち、一部の機能のみを実行できる。
【0021】
本発明の第5態様によれば、第2のサービスへログインするためのログイン画面から、第2画面として、第2のサービスのアカウントを登録するための画面を表示させない処理を実行することで、第2のサービスが提供する機能のうち、一部の機能のみを実行できる。
【0022】
本発明の第6態様によれば、第1画面構成要素と第2画面構成要素との内容を異ならせることで、第2のサービスが提供する機能のうち、一部の機能のみを実行できることを明示的に提示できる。
【0023】
本発明の第7態様によれば、第2画面構成要素を表示させないことで、第2のサービスが提供する機能のうち、一部の機能のみを実行できることを明示的に提示できる。
【0024】
本発明の第8態様によれば、提供画面の大きさの変更をさせないようにすることで、第2画面構成要素を表示させないようにすることができる。
【0025】
本発明の第9態様によれば、連携している他のサービスの機能を実行する際に、第2画面の表示指示を受け付ける第2画面構成要素が選択された場合、第2画面を表示させない処理を実行することで、該他のサービスが提供している画面を表示する場合において、該他のサービスが提供する機能のうち、一部の機能のみを実行できる。
【0026】
本発明によれば、連携している他のサービスの機能を実行する際に、該他のサービスが提供している画面を表示する場合において、該他のサービスが提供する機能のうち、一部の機能のみを実行できる、情報処理装置及びコンピュータプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本実施形態に係る情報処理システムの概略構成を示す図である。
図2】情報処理装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】情報処理装置の機能構成の例を示すブロック図である。
図4】情報処理装置の作用について説明するフローチャートである。
図5】情報処理システムの具体例を示す図である。
図6】文書管理ソフトウェアのユーザインタフェースの例を示す図である。
図7】電子署名サービスへのログイン画面の例を示す図である。
図8】電子署名サービスへのログイン画面の例を示す図である。
図9】文書管理ソフトウェアが表示するメッセージの例である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本開示の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。なお、各図面において同一または等価な構成要素および部分には同一の参照符号を付与している。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0029】
図1は、本実施形態に係る情報処理システムの概略構成を示す図である。
【0030】
図1に示した情報処理システム1は、情報処理装置10と、サーバ20、21と、を含んで構成される。情報処理装置10と、サーバ20、21とは、インターネット等のネットワーク30を介して相互に通信可能に接続されている。
【0031】
情報処理装置10は、ユーザが使用する装置であり、例えばパーソナルコンピュータである。本実施形態では、情報処理装置10は、第1のサービスとして文書管理ソフトウェアを実行する。文書管理ソフトウェアは、サーバ20で実行される第2のサービスを呼び出して実行する機能を有する。本実施形態では、第2のサービスは、文書管理ソフトウェアで管理されている文書データに対して電子署名を付与する電子署名サービスであるが、第2のサービスは、第1のサービスの利用時に呼び出されるものであればよく、例えばデータを保存するサービスや、画像を処理するサービス等であってもよい。
【0032】
本実施形態では、サーバ20は、上述の第1のサービスとは異なる第2のサービスとして、クラウドサービスと呼ばれるインターネット上で実行されるサービスを提供する。本実施形態では、サーバ20が実行するサービスは、上述したように、文書データに対して電子署名を付与する電子署名サービスである。
【0033】
サーバ21は、上述の第1のサービス及び第2のサービスとは異なるサービスを提供するサーバである。サーバ21は、第1のサービス及び第2のサービスとは異なるサービスとして、例えばソーシャルネットワーキングサービス(SNS)を提供する。
【0034】
サーバ20で実行される電子署名サービスは、ユーザ認証の際に、サーバ21が提供するSNSのユーザ認証の仕組みをユーザに利用できるようにする場合がある。ユーザは、サーバ21が提供するSNSのユーザ認証の仕組みを利用することで、電子署名サービスにユーザ登録をしていなくても、電子署名サービスのユーザ認証が可能となる。しかし、文書管理ソフトウェアが、電子署名サービスのユーザ認証の際のSNSのユーザ認証に対応していない場合、文書管理ソフトウェアから電子署名サービスにログインするための画面を表示した際に、SNSが提供する画面に遷移してしまうと、文書管理ソフトウェアが期待する機能をユーザに提供できなくなる可能性がある。
【0035】
そこで本実施形態に係る情報処理装置10は、文書管理ソフトウェアを実行し、文書管理ソフトウェアから電子署名サービスへユーザ認証を行う際に、文書管理ソフトウェアが期待する機能を確実にユーザに提供する。
【0036】
図2は、情報処理装置10のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0037】
図2に示すように、情報処理装置10は、CPU(Central Processing Unit)11、ROM(Read Only Memory)12、RAM(Random Access Memory)13、ストレージ14、入力部15、表示部16及び通信インタフェース(I/F)17を有する。各構成は、バス19を介して相互に通信可能に接続されている。
【0038】
CPU11は、中央演算処理ユニットであり、各種プログラムを実行したり、各部を制御したりする。すなわち、CPU11は、ROM12またはストレージ14からプログラムを読み出し、RAM13を作業領域としてプログラムを実行する。CPU11は、ROM12またはストレージ14に記録されているプログラムにしたがって、上記各構成の制御および各種の演算処理を行う。本実施形態では、ROM12またはストレージ14には、文書管理ソフトウェアが期待する機能を確実にユーザに提供するための、文書管理ソフトウェアのコンピュータプログラムが格納されている。
【0039】
ROM12は、各種プログラムおよび各種データを格納する。RAM13は、作業領域として一時的にプログラムまたはデータを記憶する。ストレージ14は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)またはフラッシュメモリ等の記憶装置により構成され、オペレーティングシステムを含む各種プログラム、および各種データを格納する。
【0040】
入力部15は、マウス等のポインティングデバイス、およびキーボードを含み、各種の入力を行うために使用される。
【0041】
表示部16は、たとえば、液晶ディスプレイであり、各種の情報を表示する。表示部16は、タッチパネル方式を採用して、入力部15として機能しても良い。
【0042】
通信インタフェース17は、サーバ20等の他の機器と通信するためのインタフェースであり、たとえば、イーサネット(登録商標)、FDDI、Wi-Fi(登録商標)等の規格が用いられる。
【0043】
上記の文書管理ソフトウェアのプログラムを実行する際に、情報処理装置10は、上記のハードウェア資源を用いて、各種の機能を実現する。情報処理装置10が実現する機能構成について説明する。
【0044】
図3は、情報処理装置10の機能構成の例を示すブロック図である。
【0045】
図3に示すように、情報処理装置10は、機能構成として、通信部101、取得部102、表示制御部103及び記憶部104を有する。各機能構成は、CPU11がROM12またはストレージ14に記憶されたコンピュータプログラムを読み出し、実行することにより実現される。
【0046】
通信部101は、サーバ20等の他の機器との間の通信を行ってデータの送信及び受信を実行する。例えば、通信部101は、文書管理ソフトウェアで管理されている文書データを、サーバ20で実行される電子署名サービスに送信する。また例えば、通信部101は、電子署名サービスで電子署名が付与された文書データをサーバ20から受信する。
【0047】
取得部102は、通信部101が受信した情報、又は記憶部104に記憶されている情報を取得する。取得部102が取得する情報は、例えば、文書管理ソフトウェアを実行し、文書管理ソフトウェアから電子署名サービスへユーザ認証を行う際の、文書管理ソフトウェアで指定されている指定アドレスである。
【0048】
表示制御部103は、情報処理装置10が実行する文書管理ソフトウェアの表示を制御する。本実施形態では、表示制御部103は、電子署名サービスが提供する提供画面において、第1画面の表示指示を受け付ける第1画面構成要素が選択された場合、提供画面から第1画面へ遷移させる。電子署名サービスが提供する提供画面は、例えば電子署名サービスのログイン画面である。第1画面構成要素は、例えば、電子署名サービスへのログインのためのボタンであり、第1画面は、例えば、電子署名サービスによって文書データに電子署名を付するための画面である。すなわち、第1画面は、ユーザが第1のサービスを利用している際に利用する、第2のサービスが提供する画面であればよい。
【0049】
一方、表示制御部103は、提供画面において、第1画面とは異なる第2画面の表示指示を受け付ける第2画面構成要素が選択された場合、第2画面を表示させない。第2画面構成要素は、例えば、サーバ21が提供するSNSへのログインのためのボタンであり、第2画面は、例えば、サーバ21が提供するSNSのログイン画面である。また、第2画面構成要素は、例えば、サーバ20が提供する電子署名サービスを試用するためのリンクであり、第2画面は、例えば、電子署名サービスを試用するための画面である。また、第2画面構成要素は、例えば、サーバ20が提供する電子署名サービスのアカウントを登録するためのリンクであり、第2画面は、例えば、電子署名サービスのアカウントを登録するための画面である。すなわち、第2画面は、第1のサービスが対応していない、又は、第1のサービスにおいて、ユーザが利用することを期待しない、第2のサービスが提供する機能の画面である。
【0050】
例えば、表示制御部103は、文書管理ソフトウェアから電子署名サービスを呼び出して、電子署名サービスが提供する提供画面を表示する際に、取得部102が取得した指定アドレスの情報を参照する。そして、表示制御部103は、指定アドレスと同一のアドレスへ遷移する場合には、当該アドレスへの遷移を許可し、指定アドレスと異なるアドレスへ遷移しようとすると、当該アドレスへの遷移を禁止する。
【0051】
記憶部104は、情報処理装置10が実行する文書管理ソフトウェアで使用されるデータを記憶する。例えば、記憶部104は、文書管理ソフトウェアが管理する文書データ及び上述の指定アドレスの情報を記憶する。
【0052】
次に、情報処理装置10の作用について説明する。
【0053】
図4は、情報処理装置10による文書管理ソフトウェアの表示制御処理の流れを示すフローチャートである。CPU11がROM12又はストレージ14からコンピュータプログラムを読み出して、RAM13に展開して実行することにより、文書管理ソフトウェアの表示制御処理が行なわれる。
【0054】
CPU11は、文書管理ソフトウェアの実行中に、ユーザの操作に基づいて他サービスを呼び出す(ステップS101)。例えば、CPU11は、ユーザの操作に基づいて、文書管理ソフトウェアで管理している文書データに電子署名を付与するための電子署名サービスを呼び出す。
【0055】
CPU11は、他サービスを呼び出す際に、プラグイン又はアドインと呼ばれる、当該サービスを利用するための連携ソフトウェアを起動してもよい。そして、CPU11は、連携ソフトウェアを介して、文書管理ソフトウェアと、他サービスとの間の文書データのやり取りを行ってもよい。
【0056】
ステップS101に続いて、CPU11は、ステップS101で呼び出した他サービスのログイン情報があるかどうかを判定する(ステップS102)。CPU11は、他サービスのログイン情報があるかどうかを、例えば、ログイン情報がストレージ14に保持されているかで判定してもよい。ログイン情報は、例えばユーザID及びパスワード、サービスから発行されたトークン等であり得る。
【0057】
ステップS102の判定の結果、他サービスのログイン情報がなければ(ステップS102;No)、CPU11は、呼び出した他サービスのログイン画面を表示する表示制御を行う(ステップS103)。具体的には、CPU11は、文書管理ソフトウェアの組み込みWebブラウザを実行して、当該Webブラウザから他サービスのログイン画面にアクセスすることで、ログイン画面を表示する表示制御を行う。一方、ステップS102の判定の結果、他サービスのログイン情報があれば(ステップS102;Yes)、ステップS105へ移行する。
【0058】
ステップS103に続いて、CPU11は、ログイン画面に対するユーザの操作によって指定アドレスへの遷移が行われるかどうかを判定する(ステップS104)。
【0059】
ステップS104の判定の結果、指定アドレスへの遷移が行われる場合は(ステップS104;Yes)、CPU11は、当該アドレスへの遷移を許可し、ステップS101で呼び出した他サービスを情報処理装置10で実行する(ステップS105)。
【0060】
一方、ステップS104の判定の結果、指定アドレスへの遷移が行われない場合は(ステップS104;No)、CPU11は、当該アドレスへの遷移を禁止する(ステップS106)。CPU11は、ステップS106で当該アドレスへの遷移を禁止する際に、所定のエラーメッセージを表示してもよい。そしてCPU11は、ステップS106で当該アドレスへの遷移を禁止した後、ステップS103のログイン画面の表示に戻る。
【0061】
CPU11は、上述した一連の動作を実行することで、文書管理ソフトウェアを実行し、文書管理ソフトウェアから電子署名サービスへユーザ認証を行う際に、文書管理ソフトウェアが期待する電子署名サービスの機能を確実にユーザに提供することができる。換言すれば、CPU11は、上述した一連の動作を実行することで、文書管理ソフトウェアを実行し、文書管理ソフトウェアから電子署名サービスへユーザ認証を行う際に、文書管理ソフトウェアが期待していない電子署名サービスの機能の実行を防止することができる。
【0062】
ここで、具体例を示しながら本実施形態に係る情報処理装置10の動作について説明する。
【0063】
図5は、情報処理システム1の具体例を示す図である。情報処理装置10では、文書管理ソフトウェア120がCPU11によって実行されている。サーバ20は、文書データに対する電子署名を付与するための電子署名サービス200を提供している。文書管理ソフトウェア120には、電子署名サービス200と連携する連携アプリケーション130を呼び出すためのプラグイン121が組み込まれている。連携アプリケーション130は、文書管理ソフトウェア120と、電子署名サービス200とを連携するためのアプリケーションである。
【0064】
情報処理装置10のユーザUは、文書管理ソフトウェア120を操作して連携アプリケーション130を呼び出し、文書管理ソフトウェア120で管理されている未署名文書122への電子署名の付与を、連携アプリケーション130に対して依頼する。連携アプリケーション130は、電子署名サービス200へログインし、ネットワーク30を通じて、未署名文書122をサーバ20へアップロードする。
【0065】
サーバ20にアップロードされた未署名文書122は、署名者SUによって電子署名が付与される。電子署名が付与された署名済文書データは、ユーザUがサーバ20からダウンロードすることができる。連携アプリケーション130は、サーバ20からダウンロードした署名済文書データを、文書管理ソフトウェア120に出力する。ユーザUは、連携アプリケーション130から送られた署名済文書データ123を確認することで、電子署名が付与されたかどうかを確認することができる。なお、ユーザUと、署名者SUとは同一のユーザであってもよい。
【0066】
図6は、文書管理ソフトウェア120のユーザインタフェースの例を示す図である。図6に示したユーザインタフェースは、文書データ124への電子署名の付与のために、電子署名サービスを呼び出すためのアイコン125を有する。ユーザUが、電子署名を付与したい文書データ124を選択した状態でアイコン125を選択すると、文書管理ソフトウェア120は、連携アプリケーション130を起動させる。連携アプリケーション130は、電子署名サービス200へのログイン処理を実行する。
【0067】
図7は、電子署名サービス200へのログイン画面の例を示す図である。図7に示したログイン画面140は、図6に示したアイコン125をユーザUが選択した場合に情報処理装置10で表示される画面である。図7に示したログイン画面140は、ユーザID入力欄141と、電子署名サービスへのアカウント作成画面へのリンク142と、電子署名サービスを試用するための画面へのリンク143と、を有する。
【0068】
ユーザUが、ユーザID入力欄141にユーザIDを入力すると、CPU11は、後述するパスワード入力画面に遷移させる。また、文書管理ソフトウェア120からログイン画面140を呼び出した場合において、ユーザUがリンク142を選択すると、CPU11は、電子署名サービスへのアカウント作成画面への遷移を禁止する。同様に、文書管理ソフトウェア120からログイン画面140を呼び出した場合において、ユーザUがリンク143を選択すると、CPU11は、電子署名サービスを試用するための画面への遷移を禁止する。
【0069】
CPU11は、文書管理ソフトウェア120からログイン画面140を呼び出した場合、リンク142、143の文字又はボタンを、グレー等の薄い色の矩形を重ねて表示させることで隠してもよい。また、CPU11は、文書管理ソフトウェア120からログイン画面140を呼び出した場合、リンク142、143が表示されないように、ログイン画面140の大きさを設定してもよい。CPU11は、リンク142、143が表示されないように、ログイン画面140の大きさを設定した場合、ログイン画面140の大きさを変更できないようにしてもよいし、画面のスクロールができないようにしてもよい。
【0070】
図8は、電子署名サービスへのログイン画面の例を示す図である。図8に示したログイン画面150は、ログイン画面140で正しいユーザIDが入力された後に表示される、パスワード入力のための画面である。ログイン画面150は、パスワード入力欄151と、ログインボタン152と、SNSへのサインインボタン153と、を有する。
【0071】
ユーザUが、パスワード入力欄151にパスワードを入力し、ログインボタン152を選択すると、ユーザID入力欄141に入力されたユーザID及びパスワード入力欄151に入力されたパスワードによる、電子署名サービスへのログイン処理がサーバ20で行われる。
【0072】
一方、文書管理ソフトウェア120からログイン画面140を呼び出し、ログイン画面150に遷移した場合において、ユーザUがSNSへのサインインボタン153を選択すると、CPU11は、SNSのサインイン画面への遷移を禁止する。
【0073】
CPU11は、文書管理ソフトウェア120からログイン画面140を呼び出し、ログイン画面150に遷移した場合、サインインボタン153をグレー等の薄い色の矩形を重ねて表示させることで隠してもよい。また、CPU11は、文書管理ソフトウェア120からログイン画面140を呼び出し、ログイン画面150に遷移した場合、SNSへのサインインボタン153が表示されないように、ログイン画面150の大きさを設定してもよい。CPU11は、SNSへのサインインボタン153が表示されないように、ログイン画面150の大きさを設定した場合、ログイン画面150の大きさを変更できないようにしてもよいし、画面のスクロールができないようにしてもよい。
【0074】
図9は、文書管理ソフトウェア120が表示するメッセージの例である。図9に示したメッセージ160は、文書管理ソフトウェア120からログイン画面140を呼び出した場合において、文書管理ソフトウェア120が遷移を認めていない画面への遷移が行われようとしたときに文書管理ソフトウェア120が表示するメッセージの例である。文書管理ソフトウェア120が遷移を認めていない画面とは、例えば、電子署名サービスへのアカウント作成画面又はSNSのサインイン画面である。
【0075】
CPU11は、指定アドレスと一致していない等の理由で、文書管理ソフトウェア120が遷移を認めていない画面への遷移が行われようとした場合、図9に示したように、その機能は使えない旨の文言を示したメッセージ160を表示する。ボタン161は、ユーザUに選択させることで元の画面(ログイン画面140、又はログイン画面150)に戻るためのボタンである。
【0076】
CPU11は、文書管理ソフトウェア120が遷移を認めていない画面への遷移が行われようとした場合に、図9に示したようなメッセージを表示することで、文書管理ソフトウェアが期待していない電子署名サービスの機能の実行を防止することができる。
【0077】
なお、上記各実施形態でCPUがソフトウェア(プログラム)を読み込んで実行した表示制御処理を、CPU以外の各種のプロセッサが実行してもよい。この場合のプロセッサとしては、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なPLD(Programmable Logic Device)、及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が例示される。また、表示制御処理を、これらの各種のプロセッサのうちの1つで実行してもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGA、及びCPUとFPGAとの組み合わせ等)で実行してもよい。また、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造は、より具体的には、半導体素子等の回路素子を組み合わせた電気回路である。
【0078】
また、上記各実施形態では、表示制御処理のプログラムがROMまたはストレージに予め記憶(インストール)されている態様を説明したが、これに限定されない。プログラムは、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)、及びUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の非一時的(non-transitory)記録媒体に記録された形態で提供されてもよい。また、プログラムは、ネットワークを介して外部装置からダウンロードされる形態としてもよい。
【0079】
また上記各実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。また、プロセッサの各動作の順序は上記各実施形態において記載した順序のみに限定されるものではなく、適宜変更してもよい。
【符号の説明】
【0080】
1 情報処理システム
10 情報処理装置
20、21 サーバ
30 ネットワーク
140 ログイン画面
150 ログイン画面
160 メッセージ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9