(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】記録装置
(51)【国際特許分類】
B65H 11/00 20060101AFI20240820BHJP
G03G 21/16 20060101ALI20240820BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20240820BHJP
B65H 1/02 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
B65H11/00 A
G03G21/16 195
B41J2/01 305
B65H1/02 A
(21)【出願番号】P 2020123519
(22)【出願日】2020-07-20
【審査請求日】2023-05-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】アザル サエフル
(72)【発明者】
【氏名】ユスフ ムミニン ヘラワティ ヌルル
【審査官】松林 芳輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-055738(JP,A)
【文献】特開平09-222763(JP,A)
【文献】特開2009-202958(JP,A)
【文献】特開2019-025898(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 1/00-3/68
B65H 11/00-11/02
G03G 13/00
G03G 15/00
G03G 21/16-21/18
B41J 2/01
B41J 2/165-2/20
B41J 2/21-2/215
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体内に収容され、媒体に記録を行う記録部と、
前記筐体の上部に設けられ、前記記録部に向けて前記媒体を供給可能な媒体供給口と、
前記媒体供給口に対して開閉可能な開閉体と、が設けられ、
前記開閉体と前記筐体の上面とが同一平面に形成され、
前記筐体内の前記開閉体の下部には、前記開閉体が閉状態の場合に前記開閉体の動きを
ロックさせるロック状態と、前記ロック状態を解除させ、前記開閉体を前記閉状態から開
状態に変位可能な解除状態と、を切り換え可能なロック機構が設けられ、
前記ロック状態において前記開閉体の上面を下方に押すことにより前記解除状態に移行
し、前記開閉体が前記開状態に変位可能とな
り、
前記ロック機構は、
前記開閉体に設けられるレバー部と、前記筐体内に設けられ、前記レバー部が上下方向
に移動可能なカム溝が形成されるカム部と、を有し、
前記カム部には、前記ロック状態では、前記レバー部の動きが規制される規制部が設け
られることを特徴とする記録装置。
【請求項2】
請求項
1に記載の記録装置であって、
前記カム溝は、
前記開閉体が前記開状態となる場合に、前記レバー部が移動する第1経路と、前記開閉
体が前記閉状態となる場合に前記レバー部が移動する第2経路と、前記規制部に設けられ
た規制経路と、が設けられることを特徴とする記録装置。
【請求項3】
請求項
1または請求項
2に記載の記録装置であって、
前記筐体内には、前記カム部に連結され、前記カム部の動きに連動して伸縮する圧縮バ
ネが設けられることを特徴とする記録装置。
【請求項4】
請求項1から請求項
3のいずれか一項に記載の記録装置であって、
前記筐体に対する前記開閉体の前記閉状態及び前記開状態の動きを規制するねじりバネ
が設けられることを特徴とする記録装置。
【請求項5】
請求項1から請求項
4のいずれか一項に記載の記録装置であって、
前記開閉体は、前記開状態とした場合に、前記媒体を支持可能であることを特徴とする
記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に示すように、装置外装の背面側に設けられた給紙トレイを有する画像形成装置が知られている。当該給紙トレイは、装置外装に対して開閉可能に設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の画像形成装置では、装置外装と給紙トレイとの間に、給紙トレイを開状態にする際に手指を挿入するための溝部が設けられる。このため、給紙トレイが閉状態の場合、装置外装と給紙トレイとの間に段差が形成されフラット化できず、デザイン性に乏しい、という課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
記録装置は、筐体と、前記筐体内に収容され、媒体に記録を行う記録部と、前記筐体の上部に設けられ、前記記録部に向けて前記媒体を供給可能な媒体供給口と、前記媒体供給口に対して開閉可能な開閉体と、が設けられ、前記開閉体と前記筐体の上面とが同一平面に形成され、前記筐体内の前記開閉体の下部には、前記開閉体が閉状態の場合に前記開閉体の動きをロックさせるロック状態と、前記ロック状態を解除させ、前記開閉体を前記閉状態から開状態に変位可能な解除状態と、を切り換え可能なロック機構が設けられ、前記ロック状態において前記開閉体の上面を下方に押すことにより前記解除状態に移行し、前記開閉体が前記開状態に変位可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【発明を実施するための形態】
【0007】
まず、記録装置1の構成について説明する。
図1及び
図2は、記録装置1を示す外観斜視図である。
図1は、開閉体90が閉状態の場合を示し、
図2は、開閉体90が開状態の場合を示す。
図3は、記録装置1の構成を示す断面模式図である。記録装置1は、例えば、インクジェット方式のプリンターである。
【0008】
図1及び
図2に示すように、記録装置1は、筐体20を備え、当該筐体20の+Y方向の前面側には、記録装置1を操作するための操作部4が設けられる。操作部4は、X軸に沿った方向に横長のパネルであり、記録装置1をオン又はオフする際に操作される電源ボタン4aや、各種の操作情報を入力可能な入力ボタン4bや、記録装置1の操作状態などの表示や記録装置1の操作ボタンが設けられた操作パネル4cが設けられる。操作パネル4cは、タッチパネルである。
【0009】
図3に示すように、筐体20は、用紙カセット21、給送部22、搬送部23、記録部24、排出部5、制御部8などを収容する。
筐体20内には、二点鎖線で示す搬送経路17が設定され、搬送方向D1に媒体としての用紙Sが搬送される。
【0010】
記録装置1の下部には、用紙カセット21が筐体20に対して着脱可能に設置される。用紙カセット21は、用紙Sを積層状態で収容可能な収容部である。用紙カセット21は、本実施形態では、第1媒体としての用紙S1を収容する用紙カセット21aと、用紙S1よりもサイズが大きい第2媒体としての用紙S2を収容する用紙カセット21bとが設けられる。用紙S1は、例えばA4サイズの用紙であり、用紙S2は、例えば、A3サイズの用紙である。
【0011】
給送部22は、用紙カセット21に収容された用紙Sを搬送部23に給送する。給送部22は、用紙カセット21に積層状態で収容された用紙Sのうち、最上位の用紙Sを送り出すピックアップローラー27と、ピックアップローラー27により送り出された用紙Sを1枚ずつ分離する分離ローラー対28とを備える。更に、給送部22は、ピックアップローラー27を回転駆動するための給送モーター(図示省略)を備える。記録(印刷)に使用する用紙Sが積層される用紙カセット21a,21bに対応するそれぞれのピックアップローラー27、分離ローラー対28が駆動することにより、記録に使用する用紙Sが搬送部23に給送される。
【0012】
搬送部23は、給送された用紙Sを記録部24に搬送する。搬送部23は、搬送モーター(図示省略)の駆動に伴って回転する搬送ローラー対29,31を備え、搬送経路17に沿って用紙Sを搬送する。また、搬送経路17に沿って、記録部24に相対する位置には、プラテン30が設けられる。用紙Sは、プラテン30の支持面(上面)に吸着された状態で搬送される。
【0013】
記録部24は、液体としてのインクを用紙Sに向けて吐出する記録ヘッド25、記録ヘッド25を搭載して用紙Sの搬送方向D1と交差する幅方向(X軸に沿った方向)に移動可能に構成されるキャリッジ26、記録ヘッド25にインクを供給するインクカートリッジ(図示省略)などを備える。記録ヘッド25は、搬送経路17を挟んでプラテン30と対向する位置に設けられる。
【0014】
記録部24は、プラテン30に支持されて搬送される用紙Sに対して、記録データ(印刷データ)に基づいてインクを吐出することにより、インクを付着させて記録データに基づく画像を形成することにより記録(印刷)を行う。記録データとは、用紙Sに記録するテキストデータやイメージデータなどの画像データに基づき生成された、記録装置1に記録を実行させるためのデータである。なお、記録が行われた用紙Sは、搬送部23によって搬送され、記録ヘッド25の搬送方向D1下流側に設けられた排出部5に送られる。
【0015】
排出部5は、記録部24の搬送方向D1の下流側に設けられた排紙ローラー対50と、排紙ローラー対50の搬送方向D1の下流側に設けられた排紙ローラー対51と、を備える。排出部5は、記録された用紙Sを、排紙ローラー対50,51によって、排出口52から排出方向D2に沿って排出トレイ60に排出する。なお、用紙Sを連続して記録および排出する場合には、排出された用紙Sは、前回に排出された用紙Sの上に順次積み重ねられて積層される。
【0016】
制御部8は、給送部22、搬送部23、記録部24、排出部5、排出トレイ60、操作パネル4cなどの制御を行う。
【0017】
また、本実施形態の記録装置1では、用紙カセット21a,21bによる用紙Sの供給に加え、筐体20の-Y方向の背面側からの用紙Sのセット及び給送を可能に構成される。具体的には、筐体20内の上部には、記録部24に向けて用紙Sを供給可能な媒体供給口70が設けられる。そして、媒体供給口70の上方には、媒体供給口70に対して開閉可能な開閉体90が設けられる。開閉体90は、X軸に沿って延在する板状部材である。
そして、
図2に示すように、開閉体90を開状態とすることで筐体20内の媒体供給口70が露出し、媒体供給口70に向けて用紙Sをセットすることができる。すなわち、開閉体90は、開状態とした場合、用紙Sを支持可能に構成される。これにより、用紙Sを安定させた状態で媒体供給口70に供給することができる。なお、本実施形態では、開閉体90とともに、筐体20の背面の一部分20bが筐体20に対して開状態となる。媒体供給口70に向けてセットされた用紙Sは、搬送ローラー対29aにより搬送経路17aに沿って搬送される。搬送経路17aは、搬送経路17に合流し、用紙Sは、搬送ローラー対31によって記録部24に向けて搬送される。
【0018】
ここで、
図1及び
図3に示すように、開閉体90が閉状態において、開閉体90の上面90aと筐体20の上面20aとが同一平面に形成される。すなわち、段差なく面一に形成される。これにより、記録装置1のデザイン性を高めることができる。
開閉体90は、後述のロック機構100により、閉状態と開状態とに変位可能に構成される。
【0019】
次に、ロック機構100の構成について説明する。
図4A及び
図4Bは、ロック機構100の構成を示す外観図である。
図4Aに示すように、ロック機構100は、筐体20内であって開閉体90の下部に設けられる。ロック機構100は、開閉体90が閉状態の場合に開閉体90の動きをロックさせるロック状態と、ロック状態を解除させ、開閉体90を閉状態から開状態に変位可能な解除状態とに切り換える。
【0020】
ロック機構100は、開閉体90に設けられるレバー部110と、筐体20内に設けられ、レバー部110が上下方向に移動可能なカム溝121が形成されるカム部120と、を有する。
レバー部110は、開閉体90の裏面90bに設けられ、当該裏面90bに対して垂直方向に形成された柱部111と、柱部111の先端部に設けられ、柱部111に対して+X方向に突出した係合部112と、を有する。係合部112は、カム溝121と係合する部分である。係合部112は、円柱状を成す。係合部112の外周面とカム溝121とが接触するので、カム溝121に沿って円滑にレバー部110を移動させることができる。
なお、カム部120の上方には、開閉体90と対向する内壁板81が配置される。そして、当該内壁板81には、レバー部110を挿通可能な貫通孔81aが形成される。
【0021】
カム部120には、ロック状態において、レバー部110の動きが規制される規制部125が設けられる。規制部125は、例えば、クランク状に形成される。当該規制部125に係合部112が位置すると係合部112の移動が規制される。これにより、開閉体90が閉状態の場合に、不意にロック状態から解除状態に移行することなく、確実にロック状態を維持することができる。
【0022】
次に、カム溝121の構成を具体的に説明する。
図4Bに示すように、カム溝121は、開閉体90が開状態となる場合に、レバー部110が移動する第1経路210と、開閉体90が閉状態となる場合にレバー部110が移動する第2経路220と、規制部125に設けられたクランク状の規制経路230と、が設けられる。カム溝121は、第1経路210と、第2経路220と、規制経路230と、が一連となって形成される。
【0023】
第1経路210は、係合部112が接触するカム溝121の-Z方向端部から-Y方向及び+Z方向に向けて形成された第1面251と、第1面251の-Y方向端部から+Z方向に向けて形成された第2面252と、で構成される。
第2経路220は、第1経路210の第2面252の+Z方向端部から+Y方向に向けて形成された平坦面253aと、平坦面253aの+Y方向端部から+Y方向及び-Z方向に向けて形成された第3面253bと、第3面253bの+Y方向端部から-Z方向に向けて形成された第4面254と、で構成される。
規制経路230は、第2経路220の第4面254の-Z方向端部から-Y方向に形成された第5面255と、第5面255の-Y方向端部から-Z方向に形成された第6面256と、で構成される。規制経路230では、第5面255と第6面256とがほぼ直角に折れ曲ったクランク状を成し、規制部125を構成する。規制経路230の第6面256の-Z方向端部は、第1経路210の第1面251の-Z方向端部に連結される。
カム溝121は、上記第1面251から第6面256の一連の面から構成され、レバー部110の係合部112は、第1面251から第6面256に当接しながら移動可能である。
【0024】
また、カム溝121は、第1面251及び第3面253bから第6面256に対向する位置に区画面260が形成される。第1面251及び第3面253bから第6面256と区画面260とにより区画された第1経路210、第2経路220及び規制経路230が構成される。
【0025】
また、
図4Aに示すように、筐体20内には、カム部120に連結され、カム部120の動きに連動して伸縮する圧縮バネ130が設けられる。
圧縮バネ130は、カム部120の+X方向に配置される。間隔を空けてZ軸に沿った方向に設けられ、互いに対向する内壁132a,132bが立設され、内壁132a,132b間に、圧縮バネ130がY軸に沿った方向に配置される。内壁132a,132bは、カム部120の+X方向に配置される。
カム部120と圧縮バネ130とは連結部(図示せず)によって連結される。これにより、後述するレバー部110の上下方向の移動(レバー部110のカム溝121に対する移動)に伴い、カム部120は-Y方向または+Y方向に押し圧が付与された状態で移動する。
【0026】
次に、ロック機構100による開閉体90の開閉方法について説明する。
図5Aから
図5Fは、開閉体90の変位状態を示す模式図である。
【0027】
まず、開閉体90を閉状態から開状態に変位させる方法について説明する。
図5Aは、開閉体90の閉状態を示す。このとき、ロック機構100は、ロック状態である。
開閉体90が閉状態の場合には、開閉体90の上面90aと筐体20の上面20aとが同一平面に形成される。
ロック状態では、レバー部110の係合部112は、規制経路230に位置する。このとき、カム部120は、圧縮バネ130を支持する内壁132a,132bのうち、-Y方向の内壁132b側に位置する。このため、圧縮バネ130の反力によって、カム部120に+Y方向への押し圧がかかる。これにより、係合部112には、カム溝121の第6面256により+Y方向への押し圧がかかり、レバー部110の移動が規制される(
図4B参照)。
【0028】
次いで、
図5Bに示すように、ロック状態において開閉体90の上面90aを下方に押す。具体的には、
図5Aにおいて、開閉体90の上面90aの+Y方向端部であり、X軸に沿った方向における中央部分に手指を当接して、開閉体90を下方に押す。なお、閉状態において開閉体90と内壁板81との間に隙間が形成されている。このため、当該隙間を利用して開閉体90を閉状態からさらに下方に移動させることができる。内壁板81は、開閉体90の下方への移動量を規制する。
ここで、
図6に示すように、開閉体90の-Y方向端部には、筐体20に対して回動可能なヒンジ部とともにねじりバネ140が設けられる。ねじりバネ140は、筐体20に対する開閉体90の閉状態及び前記開状態の動きを規制する。ねじりバネ140により、開閉体90の開閉の動きを円滑に行うことができる。そして、開閉体90を下方に押すと、ねじりバネ140の弾性力により、開閉体90を下方に移動させることができる。
開閉体90の下方への移動に伴い、レバー部110が下方に移動する。そして、
図4Bに示すように、係合部112が、カム溝121の第6面256の-Z方向端部に達すると、係合部112は規制部125から外れるため、カム部120の係合部112への規制が解除され、圧縮バネ130の反力によりカム部120は+Y方向に移動する。そして、ロック機構100は解除状態に移行する。
【0029】
次いで、
図5Cに示すように、係合部112への規制が解除され、圧縮バネ130の反力によりカム部120は+Y方向に移動する。そして、ねじりバネ140の反力により、開閉体90が上方に移動し、筐体20と開閉体90との間に隙間が生じる。
図4Bに示すように、ロック機構100によるロック状態が解除されると、圧縮バネ130の反力によりカム部120は+Y方向に移動し、係合部112は第1経路210の第1面251及び第2面252に移動し、解除状態となる。
【0030】
次いで、
図5Dに示すように、筐体20と開閉体90との間に形態された隙間に手指を差し込んで開閉体90を上方に移動させる。これにより、開閉体90が開状態となる。開閉体90を上方に移動させると、開閉体90に設けられるレバー部110は、貫通孔81aを通って筐体20の外部に移動する。そして、開閉体90とともに、筐体20の背面の一部分20bが筐体20に対して開状態となる。これにより、開閉体90の裏面90b及び一部分20bに用紙Sを支持可能となり、媒体供給口70に用紙Sを供給することができる。
開閉体90が開状態に移行されると、レバー部110は開閉体90とともに移動するので、カム溝121とレバー部110とが離間する。これに伴い、圧縮バネ130は平衡状態でカム部120を支持する。
【0031】
次に、開閉体90を開状態から閉状態に変位させる方法について説明する。
図5Eに示すように、開状態の開閉体90を手指で筐体20側に移動させる。これにより、開閉体90に設けられるレバー部110は、貫通孔81aを通ってカム溝121の第3面253bに当接する(
図4B参照)。このとき、開閉体90は、筐体20に対して僅かに開いた状態である。
【0032】
次いで、
図5Fに示すように、開閉体90を手指で下方に移動させる。
図4Bに示すように、係合部112が第3面253bから第4面254に移行する。第4面254は、第1から第6面251~256のうち、最も+Y方向に位置する。このため、カム部120は、最も-Y方向に移動する。圧縮バネ130による+Y方向への反力も最も大きくなる。
そして、さらに、開閉体90を手指で下方に移動させることで、係合部112は、規制経路230に移動する。そして、係合部112は第6面256によって規制される(
図5A参照)。
これにより、開閉体90は閉状態となる。ロック機構100はロック状態となる。
【0033】
以上、本実施形態によれば、開閉体90と筐体20との間に、開閉体90を閉状態から開状態に移行させるために手指を挿入するための溝部等を設けることなく、開閉体90の開閉動作が可能となる。従って、筐体20の上面20aと開閉体90の上面90aとが同一平面に形成され、記録装置1の外観におけるデザイン性を高めることができる。
【符号の説明】
【0034】
1…記録装置、17a…搬送経路、20…筐体、20a…上面、24…記録部、25…記録ヘッド、29a…搬送ローラー対、70…媒体供給口、90…開閉体、90a…上面、90b…裏面、100…ロック機構、110…レバー部、120…カム部、121…カム溝、125…規制部、130…圧縮バネ、140…ねじりバネ、210…第1経路、220…第2経路、230…規制経路、251…第1面、252…第2面、253b…第3面、254…第4面、255…第5面、256…第6面、260…区画面。