(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】走行支援制御装置、および走行支援システム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/16 20060101AFI20240820BHJP
B60W 30/095 20120101ALI20240820BHJP
B60W 50/08 20200101ALI20240820BHJP
B60W 40/04 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
G08G1/16 A
B60W30/095
B60W50/08
B60W40/04
(21)【出願番号】P 2020124646
(22)【出願日】2020-07-21
【審査請求日】2023-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 靖彦
(72)【発明者】
【氏名】小川 修治
【審査官】西畑 智道
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-189269(JP,A)
【文献】特開2001-227975(JP,A)
【文献】特開2018-109591(JP,A)
【文献】国際公開第2016/027349(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/123344(WO,A1)
【文献】特開2020-030689(JP,A)
【文献】特開2020-057133(JP,A)
【文献】特開2016-197390(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-21/36
G01C 23/00-25/00
B60W 30/095
B60W 50/08
B60W 40/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転者が避けたいと所望する道路状況を設定する設定部と、
前記車両の周辺を撮影する撮影部からの映像データを取得する映像データ取得部と、
前記映像データに含まれる道路状況を解析する解析部と、
前記解析部が解析した道路状況と、前記設定部が設定した道路状況とが一致するか否かを判定する判断部と、
前記判断部の判断結果に応じて
運転者に対して走りやすいか否かを確認し経路を設定して提示する経路案内部と、
を備える、走行支援制御装置。
【請求項2】
前記解析部は、前記車両の周辺を走る車両の大きさ、ナンバープレートの種類、異常挙動の有無、および前後車両の単位時間当たりの車間距離の変化量の少なくとも一つを解析する、
請求項1に記載の走行支援制御装置。
【請求項3】
前記解析部は、前記車両の周辺を走る大型車両を検出し、
前記経路案内部は、前記大型車両を避ける経路を設定して提示する、
請求項2に記載の走行支援制御装置。
【請求項4】
前記解析部は、前記車両の周辺を走る煽り運転車両を検出し、
前記経路案内部は、前記煽り運転車両を避ける経路を設定して提示する、
請求項2または3に記載の走行支援制御装置。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1項に記載の走行支援制御装置を備える走行支援装置と、
前記走行支援装置から、前記車両の運転者が避けたい道路状況に関する情報と、前記車両の周辺を撮影した映像データとを受信するサーバ装置と、を含み、
前記サーバ装置は、前記映像データに含まれる道路状況を前記解析部に代わって解析し、前記車両の運転者が避けたい道路状況を回避した経路を設定し、設定した経路に関する情報を前記走行支援装置に送信する、
走行支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行支援制御装置、および走行支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
道路の走りやすさを評価することで運転を支援する技術が知られている。例えば、特許文献1には、受信した車両情報に基づいて所定のエリアにおける道路の走りやすさを評価し、評価結果を車両にフィードバックする技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
運転者に応じて、走りにくいと感じる苦手な道路状況は異なる。運転者が、苦手とする、言い換えれば、避けたい道路状況を予め設定し、運転者が苦手とする道路状況を回避することのできる経路を提示することが望まれている。
【0005】
本発明は、運転者に応じて走行しやすい経路を案内することができる走行支援制御装置、および走行支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る走行支援制御装置は、車両の運転者が避けたいと所望する道路状況を設定する設定部と、前記車両の周辺を撮影する撮影部からの映像データを取得する映像データ取得部と、前記映像データに含まれる道路状況を解析する解析部と、前記解析部が解析した道路状況と、前記設定部が設定した道路状況とが一致するか否かを判定する判断部と、前記判断部の判断結果に応じて経路を設定して提示する経路案内部と、を備える。
【0007】
本発明の一態様に係る走行支援システムは、本発明の一態様に係る走行支援制御装置を備える走行支援装置と、前記走行支援装置から、前記車両の運転者が避けたい道路状況に関する情報と、前記車両の周辺を撮影した映像データとを受信するサーバ装置と、を含み、前記サーバ装置は、前記映像データに含まれる道路状況を前記解析部に代わって解析し、前記車両の運転者が避けたい道路状況を回避した経路を設定し、設定した経路に関する情報を前記走行支援装置に送信する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、運転者に応じて走行しやすい経路を案内することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る走行支援システムを説明するための図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る走行支援装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るサーバ装置の構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、第一実施形態に係る走行支援処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、道路状況を解析する処理の詳細の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、第二実施形態に係るサーバ装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は、第二実施形態に係る走行支援装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、第三実施形態に係るサーバ装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、第三実施形態に係る走行支援装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、第四実施形態に係るサーバ装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図11】
図11は、第四実施形態に係る走行支援装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含む。また、以下の実施形態において、同一の部位には同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
【0011】
[第一実施形態]
[走行支援システム]
図1は、実施形態に係る走行支援システム1を説明するための図である。
図1に示すように、走行支援システム1は、走行支援装置10と、サーバ装置20とを含む。走行支援装置10と、サーバ装置20とは、ネットワークNを介して、通信可能に接続されている。ネットワークNは、例えば、インターネット網であるが、これに限定されない。
図1では、サーバ装置20には、走行支援装置10が1台のみ接続されているように示しているが、実際には、サーバ装置20には、複数の走行支援装置10が接続され得る。
【0012】
走行支援装置10は、例えば、現在地から目的地までの経路を案内するナビゲーション装置である。走行支援装置10は、車両に載置されているものであってもよいし、可搬型で車両において利用可能な装置であってもよい。走行支援装置10は、予め設定された運転者が避けたいと所望する道路状況と、車両の周辺の道路状況とを比較することで、運転者が避けたいと所望する経路を回避することのできる経路を運転者に提示する。
【0013】
[走行支援装置]
図2は、第一実施形態に係る走行支援装置10の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、走行支援装置10は、撮影部11と、表示部12と、音声出力部13と、操作部14と、記憶部15と、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信部16と、通信部17と、制御部(走行支援制御装置)18と、を備える。
【0014】
撮影部11は、車両の周辺を撮影するカメラである。撮影部11は、例えば、車両の前方を撮影する前方カメラと、車両の後方を撮影する後方カメラとを備える。
【0015】
前方カメラは、車両の前方に配置される。前方カメラは、例えば、車両の前方を中心に水平方向に180度以上の広角範囲を撮影する。前方カメラは、撮影した映像データを制御部18の映像データ取得部182に出力する。
【0016】
後方カメラは、車両の後方に配置される。後方カメラは、例えば、車両の後方を中心に水平方向に180度以上の広角範囲を撮影する。後方カメラは、撮影した映像データを制御部18の映像データ取得部182に出力する。
【0017】
撮影部11は、少なくとも前方カメラを有していればよい。撮影部11は、左側方を撮影するカメラ、および右側方を撮影するカメラなどを備えていてもよい。撮影部11は、車両を中心に360度の撮影範囲を撮影する全天周カメラであってもよい。
【0018】
表示部12は、種々の情報を表示する。表示部12は、例えば、現在地から目的地までの経路案内情報を表示する。表示部12は、例えば、運転者が避けたいと所望する道路状況を回避することのできる経路に関する情報を表示する。表示部12は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)または有機EL(Organic Electro-Luminescence)ディスプレイ等を含むディスプレイで構成される。
【0019】
音声出力部13は、各種の音声を出力する。音声出力部13は、例えば、運転者が避けたいと所望する道路状況を回避することのできる経路に関する情報を音声で出力する。音声出力部13は、例えば、スピーカで構成されている。
【0020】
操作部14は、走行支援装置10に対する種々の操作を受け付ける。操作部14は、例えば、運転者が避けたいと所望する道路状況を入力する操作を受け付ける。操作部14は、例えば、ボタン、スイッチ、タッチパネルなどで構成されている。
【0021】
記憶部15は、半導体メモリ、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)等で構成されており、各種データを記憶する。記憶部15は、例えば、運転者が避けたい道路状況に関する情報を記憶している。記憶部15は、例えば、現在地から目的地に案内するために用いられる地図データを記憶している。記憶部15は、例えば、制御部18が各種の解析処理および判定処理などを行うために利用する各種の辞書データを記憶している。記憶部15は、例えば、制御部18の解析部183が映像データに含まれる車両の解析に利用する各種の辞書データを記憶している。辞書データは、車両の大きさ、形状、種別を特定するためのデータを含み得る。辞書データは、蛇行運転および煽り運転などの異常な挙動の車両を特定するためのデータを含み得る。
【0022】
GNSS受信部16は、図示しないGNSS衛星からのGNSS信号を受信する。GNSS受信部16は、例えば、GNSS受信器で構成されている。GNSS受信部16は、受信したGNSS信号を制御部18の位置情報取得部186に出力する。
【0023】
通信部17は、外部の装置との間で情報の送受信を行う。通信部17は、例えば、ネットワークNを介して、サーバ装置20との間で情報の送受信を行う。通信部17は、例えば、Wi-Fi(登録商標)などの通信モジュールで構成されている。
【0024】
制御部18は、走行支援装置10の各部の動作を制御する。制御部18は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、図示しない記憶部に記憶されたプログラムがRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。制御部18は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されてもよい。制御部18は、ハードウェアと、ソフトウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
【0025】
制御部18は、設定部181と、映像データ取得部182と、解析部183と、判断部184と、経路案内部185と、位置情報取得部186と、表示制御部187と、出力制御部188と、操作制御部189と、通信制御部190と、を備える。
【0026】
設定部181は、運転者などから受け付けた操作情報に基づいて、運転者が避けたいと所望する道路状況を設定する。道路状況は、周辺を走行している車両の大きさおよび形状、周辺を走行している車両のナンバープレートの種類、周辺を走行している車両間の単位時間当たりの車間距離の変化量、周辺を走行している蛇行運転および煽り運転などの異常な挙動の車両の有無、車線の幅、車線の数などに関する情報を含む。設定部181は、例えば、運転者が避けたいと所望する車両の種類および大きさを設定する。設定部181は、例えば、運転者が避けたいと所望するナンバープレートの色を設定する。設定部181は、例えば、運転者が避けたいと所望する車間距離および車間距離の変化量を設定する。設定部181は、例えば、運転者が避けたいと所望する異常な挙動の種類を設定する。設定部181は、例えば、運転者が避けたいと所望する車線の数を設定する。設定部181は、例えば、道路状況に含まれる各種の条件のうち、少なくも1つの条件について設定する。設定部181は、例えば、運転者が避けたいと所望する条件を組み合わせて設定してもよい。なお、道路状況はこれらに限定されず、道路に関するその他の情報を含んでいてもよい。
【0027】
設定部181は、例えば、道路状況に含まれる各条件について、避けたさの度合いを設定してもよい。設定部181は、例えば、避けたさの度合いを「3」、「2」、「1」のように数値で段階的に設定してもよい。この場合、「3」が避けたさの度合いが最も強いことを意味し、「1」が避けたさの度合いが最も小さいことを意味する。例えば、大型車両の避けたさの度合いが「3」に設定された場合には、大型車両が1台でも走行していれば避けたい道路状況となり、避けたさの度合いが「1」に設定された場合には周囲の複数台の大型車両が走行している場合に避けたい道路状況となる。避けたさの度合いと、道路状況との関係は、任意に設定可能である。ユーザは、操作部14を介して、道路状況についての避けたさの度合いを設定することができる。
【0028】
映像データ取得部182は、車両の周辺を撮影した映像データを取得する。具体的には、映像データ取得部182は、撮影部11が出力した車両の周辺の道路状況の映像データを取得する。
【0029】
解析部183は、車両の周辺の道路状況の映像データに基づいて、車両の周辺の道路状況を解析する。具体的には、解析部183は、例えば、周辺を走行している車両の大きさおよび形状を特定する。解析部183は、例えば、周辺を走行しているナンバープレートの種類を特定する。解析部183は、例えば、周辺を走行している前後車両との間の車間距離を特定する。解析部183は、例えば、周辺を走行している前後車両との間の車間距離の変化量を特定する。解析部183は、例えば、周辺を走行している蛇行運転および煽り運転などの異常な挙動の車両の有無を特定する。解析部183は、例えば、周辺の車線の幅を特定する。
【0030】
解析部183は、例えば、自車両と同じ方向に走行している車両のみを対象に解析処理を行ってもよいし、対向車両を含めて解析処理を行ってもよい。解析部183は、例えば、車線が複数存在する場合には、車線ごとに解析処理を行ってもよいし、車線によらずに解析処理を行ってもよい。解析部183による解析処理の対象は、ユーザが操作部14を介して、任意に設定可能としてよい。
【0031】
判断部184は、周辺の道路状況を判断する。具体的には、判断部184は、解析部183が解析した周辺の道路状況と、設定部181が設定した運転者が避けたいと所望する道路状況とが一致するか否かを判断する。判断部184は、周辺の道路状況と、運転者が避けたいと所望する経路とが一致する場合、現在の経路は運転者にとって走りにくい経路であると判定する。判断部184は、運転者が避けたいと所望する道路状況に避けたさの度合いが設定されている場合には、避けたさの度合いに応じて、現在の経路が運転者にとって走りにくい経路であると判定する。
【0032】
経路案内部185は、現在地から目的地までの経路案内を行う。経路案内部185は、例えば、判断部184により現在の走行経路が運転者にとって走りにくい経路であると判定された場合、経路を再設定する。具体的には、経路案内部185は、例えば、運転者にとって走りにくいと判定された経路を回避するような新たな経路を再設定して、運転者に提示する。
【0033】
経路案内部185は、例えば、大型車両を避けたいと所望する運転者に対しては、大型車両が走行していない、または現在の経路よりも大型車両の数が少ない経路を案内する。経路案内部185は、例えば、商用車(例えば、タクシー)を避けたいと所望する運転者に対しては、商用車が走行していない、または現在の経路よりも商用車の数が少ない経路を案内する。経路案内部185は、例えば、前後の車間距離が所定距離も短くなることを避けたいと所望する運転者に対しては、現在の経路よりも前後の車間距離を長くすることのできる経路を案内する。経路案内部185は、例えば、蛇行運転および煽り運転を避けたいと所望する運転者に対しては、現在の経路よりも蛇行運転および煽り運転を避けることのできる経路を案内する。
【0034】
位置情報取得部186は、車両の現在位置を示す位置情報を取得する。位置情報取得部186は、GNSS受信部16が受信したGNSS信号に基づいて、車両の現在位置を示す位置情報を公知の方法により算出する。
【0035】
表示制御部187は、各種の情報を表示部12に表示させる。表示制御部187は、例えば、運転者が避けたいと所望する道路状況を設定するための設定画面を表示部12に表示させる。表示制御部187は、例えば、走行している経路が走りやすいか否かを運転者に確認するための画面を表示部12に表示させる。表示制御部187は、例えば、目的地までの経路案内画面を表示部12に表示させる。
【0036】
出力制御部188は、各種の音声を音声出力部13に出力させる。出力制御部188は、例えば、走行している経路が走りやすいか否かを運転者に確認するための音声を音声出力部13に出力させる。
【0037】
操作制御部189は、操作部14が受け付けた操作に関する操作情報を取得する。操作制御部189は、例えば、運転者が避けたい道路条件の設定情報を取得する。操作制御部189は、取得した操作情報に応じた制御信号を出力する。
【0038】
通信制御部190は、通信部17を制御して、走行支援装置10と、外部の装置との間の通信を制御する。通信制御部190は、例えば、走行支援装置10と、サーバ装置20との間の通信を制御する。
【0039】
[サーバ装置]
図3は、実施形態に係るサーバ装置の構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、サーバ装置20は、通信部21と、記憶部22と、制御部23とを備える。サーバ装置20は、例えば、クラウドサーバとして構成されている。
【0040】
通信部21は、外部の装置との間で情報の送受信を行う。通信部21は、例えば、ネットワークNを介して、走行支援装置10との間で情報の送受信を行う。
【0041】
記憶部22は、半導体メモリ、SSD、HDD等で構成されており、各種データを記憶する。記憶部22は、例えば、運転者が避けたい道路状況に関する情報を記憶する。記憶部22は、例えば、制御部23が映像データに含まれる車両の解析に利用する各種の辞書データを記憶している。辞書データは、車両の大きさ、形状、種別を特定するためのデータを含み得る。辞書データは、蛇行運転および煽り運転などの異常な挙動の車両を特定するためのデータを含み得る。
【0042】
記憶部22は、例えば、各車両に搭載された走行支援装置10から送信された各車両の周辺を撮影した映像データを記憶していてもよい。例えば、サーバ装置20は、各車両の周辺を撮影した映像データをビッグデータとして管理している。言い換えれば、サーバ装置20は、各地点における映像データをビッグデータとして管理している。
【0043】
制御部23は、サーバ装置20の各部の動作を制御する。制御部23、例えば、CPUやMPU等によって、図示しない記憶部に記憶されたプログラムがRAM等を作業領域として実行されることにより実現される。制御部23、例えば、ASICやFPGA等の集積回路により実現されてもよい。制御部23は、ハードウェアと、ソフトウェアとの組み合わせで実現されてもよい。
【0044】
サーバ装置20は、走行支援装置10から、車両の運転者が避けたい道路状況に関する情報と、車両の周辺を撮影した映像データとを受信する。サーバ装置20は、映像データに含まれる道路状況を解析する。サーバ装置20は、道路状況に解析結果に基づいて、車両の運転者が避けたい道路状況を回避することのできる経路を設定する。サーバ装置20は、設定した走行経路に関する情報を走行支援装置10に送信する。
【0045】
[走行支援処理]
図4を用いて、第一実施形態に係る走行支援制御装置の処理の流れについて説明する。
図4は、第一実施形態に係る走行支援制御装置の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0046】
制御部18は、避けるべき道路状況を設定する(ステップS101)。具体的には、設定部181は、操作制御部189が操作部14から取得した、運転者が避けたいと所望する道路状況に関する情報に基づいて、避けるべき道路状況を設定する。制御部18は、ステップS102に進む。
【0047】
制御部18は、目的地までの経路案内を開始する(ステップS102)。具体的には、経路案内部185は、操作制御部189が操作部から取得した目的地に関する情報に基づいて現在地から目的地までの経路を設定し、目的地までの経路案内を実行する。制御部18は、ステップS103に進む。
【0048】
制御部18は、車両の周辺の道路状況に関する情報を収集する(ステップS103)。具体的には、映像データ取得部182は、撮影部11から車両の周辺を撮影した映像データを取得する。制御部18は、ステップS104に進む。
【0049】
制御部18は、車両の周辺の道路状況を解析する(ステップS104)。具体的には、解析部183は、映像データ取得部182が取得した車両の周辺の映像データに基づいて、車両の周辺の道路状況を解析する。制御部18は、ステップS105に進む。
【0050】
制御部18は、設定した道路状況と、解析した道路状況とが一致するか否かを判断する(ステップS105)。具体的には、判断部184は、設定部181が設定した道路状況と、解析部183が解析した道路状況とが一致するか否かを判断する。設定した道路状況と、解析した道路状況とが一致すると判断された場合(ステップS105;Yes)、制御部18は、ステップS106に進む。設定した道路状況と、解析した道路状況とが一致しないと判断された場合(ステップS105;No)、制御部18は、ステップS111に進む。
【0051】
ステップS105でYesと判定された場合、制御部18は、運転者に走りやすさを確認する(ステップS106)。具体的には、経路案内部185は、表示部12に「走りやすいですか?」といった文字を表示させたり、音声出力部13に「走りやすいですか?」といった音声を出力させたりすることで、運転者に走りやすさを確認する。経路案内部185は、表示部12に「走りやすいですか?」といった文字とともに、「Yes」および「No」といった運転者がタッチパネルで選択可能な文字を表示させてもよい。制御部18は、ステップS107に進む。
【0052】
制御部18は、運転者から走りにくい旨の返答があるか否かを判断する(ステップS107)。具体的には、経路案内部185は、ステップS106の処理に対して、操作部14を介して、走りにくい旨の入力があった場合、および図示しないマイクによって走りにくい旨の音声の入力があった場合などに走りにくい旨の返答があったと判断する。経路案内部185は、ステップS106の処理に対して、運転者からの返答がない場合には、例えば、走りやすい旨の返答があったと判断してもよい。運転者から走りにくい旨の返答があったと判断された場合(ステップS107;Yes)、制御部18は、ステップS108に進む。運転者から走りやすい旨の返答があったと判断された場合(ステップS107;No)、ステップS111に進む。
【0053】
ステップS107でYesと判定された場合、制御部18は、別の経路を提案する(ステップS108)。具体的には、経路案内部185は、設定部181が設定した避けるべき道路状況を回避することのできる目的地までの経路を再設定して、再設定した経路の案内を開始する。制御部18は、ステップS109に進む。
【0054】
制御部18は、運転者が提案された経路を選択した否かを判定する(ステップS109)。具体的には、経路案内部185は、位置情報取得部186が取得した車両が走行している現在の位置情報に基づいて、運転者が提案された経路を選択したか否かを判定する。運転者が提案された経路を選択したと判定された場合(ステップS109;Yes)、制御部18は、ステップS110に進む。運転者が提案された経路を選択していないと判定された場合(ステップS109;No)、制御部18は、ステップS111に進む。
【0055】
ステップS109でYesと判定された場合、制御部18は、選択された経路の案内を開始する(ステップS110)。具体的には、経路案内部185は、選択された経路で目的地までの経路の案内を開始する。制御部18は、ステップS112に進む。
【0056】
ステップS105でNo、ステップS107でNo、またはステップS109でNoと判定された場合は、制御部18は、経路案内を継続する(ステップS111)。具体的には、経路案内部185は、ステップS102における経路案内を継続して行う。制御部18は、ステップS112に進む。
【0057】
制御部18は、走行支援処理を終了するか否かを判定する(ステップS112)。例えば、制御部18は、車両が目的地に着いたこと、走行支援装置の電源がオフされたこと、走行支援処理を終了する操作を受け付けたことなどを検出した場合に、走行支援処理を終了すると判定する。走行支援処理を終了すると判定された場合(ステップS112;Yes)、制御部18は、
図4の処理を終了する。走行支援処理を終了しないと判定された場合(ステップS112;No)、制御部18は、ステップS103に進む。
【0058】
[道路状況解析処理]
図5を用いて、道路状況を解析する処理の詳細について説明する。
図5は、道路状況を解析する処理の詳細の一例を示すフローチャートである。具体的には、
図5は、
図4におけるステップS104の周辺の道路状況を解析する処理の詳細を示すフローチャートである。
【0059】
制御部18は、車両の周辺を走行している車両を解析する(ステップS201)。具体的には、解析部183は、映像データ取得部182が取得した車両の周辺を撮影した映像データに基づいて、車両の周辺を走行している車両の形状を解析する。解析部183は、例えば、車両の周辺を走行している車両の形状を、大型車、乗用車、軽自動車、およびそれ以外の車両(例えば、二輪車)に分類する。解析部183は、例えば、映像データを二値化して、記憶部15に記憶された辞書データを用いて、車両の形状を分類する。解析部183は、例えば、その他の周知の方法を用いて、車両の周辺を走行している車両の形状を分類してもよい。解析部183は、例えば、単位時間当たりの周辺の車両の形状の統計量を算出してもよい。制御部18は、ステップS202に進む。
【0060】
制御部18は、車両の周辺を走行している車両のナンバープレートを解析する(ステップS202)。具体的には、解析部183は、映像データ取得部182が取得した車両の周辺を撮影した映像データに基づいて、自車両の周辺を走行している車両のナンバープレートを解析する。解析部183は、例えば、ナンバープレートの色、ナンバープレートに付された文字および数字を解析する。解析部183は、例えば、ナンバープレートにより車両の周辺を走行している車両を、自家用車と商用車とに分類する。解析部183は、例えば、単位時間当たりの周辺の車両のナンバープレートの種別の統計量を算出してもよい。制御部18は、ステップS203に進む。
【0061】
制御部18は、車両の周辺を走行している車両間の車間距離を算出する(ステップS203)。具体的には、解析部183は、映像データ取得部182が取得した車両の周辺を撮影した映像データに基づいて、車両の周辺を走行している車両間の車間距離を算出する。解析部183は、例えば、映像データ取得部182が取得した車両の周辺を撮影した映像データに基づいて、車両の周辺を走行している車両間の車間距離の単位時間当たりの変化量を算出してもよい。制御部18は、ステップS204に進む。
【0062】
制御部18は、車両が走行している走行道路の状況を解析する(ステップS204)。具体的には、解析部183は、例えば、通信部17を介してVICS(登録商標)(Vehicle Information and Communication System)情報を取得し、VICS情報に基づいて、経路における車線数、事故車両の有無、および工事現場の有無などを解析する。解析部183は、例えば、VICS情報と、地図データの車線情報とに基づいて、車間距離が一定となる状況か否かを解析する。解析部183は、例えば、ビーコン信号に基づいて、経路における車線数、事故車両の有無、および工事現場の有無などを解析してもよい。解析部183は、例えば、DSRC(Dedicated Short Range Communications)からの信号に基づいて、経路における車線数、事故車両の有無、および工事現場の有無などを解析してもよい。制御部18は、ステップS205に進む。
【0063】
制御部18は、車両の周辺を走行している異常挙動の車両の有無を解析する(ステップS205)。具体的には、解析部183は、映像データ取得部182が取得した車両の周辺を撮影した映像データに基づいて、蛇行運転および煽り運転などの異常挙動の車両の有無を解析する。より具体的には、解析部183は、記憶部15に記憶された異常な挙動の車両を検出するための辞書データを用いて解析し、蛇行運転および煽り運転を行っている車両を検出する。制御部18は、道路状況の解析処理を終了する。
【0064】
制御部18は、ステップS201からステップS205の解析処理のうち、少なくとも1つの解析処理を行ってもよい。制御部18は、ステップS201からステップS205の解析処理のうち、少なくとも2つの解析処理を任意に組み合わせて行ってもよい。制御部18は、ステップS201からステップS205の解析処理のうち、運転者によって設定された条件の解析処理のみを行ってもよい。
【0065】
上述のとおり、本実施形態は、予め設定された運転者が避けたい道路状況と、走行している周辺の道路状況とが一致しているか否かを判定する。本実施形態は、予め設定された運転者が避けたい道路状況と、走行している周辺の道路状況とが一致していると判定された場合には、運転者に対して走りやすいか否かを確認する。本実施形態は、運転者が走りやすいと感じている場合には経路案内を継続して行い、走りにくいと感じている場合には、走りにくいと感じている経路を回避するような新たな経路を提案する。これにより、本実施形態は、運転者に応じて走行しやすい経路を案内することができる。
【0066】
[第二実施形態]
図6と、
図7とを用いて、第二実施形態に係る走行支援処理について説明する。
図6は、第二実施形態に係るサーバ装置20の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7は、第二実施形態に係る走行支援装置10の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0067】
第一実施形態は、走行支援装置10により、走りやすさを解析し、解析結果に応じて経路案内を継続したり、別の経路を提案したりする。第二実施形態では、走行支援装置10で取得された各種の情報に基づいて、サーバ装置20で走りやすさを解析する。そして、走行支援装置10は、サーバ装置20の解析結果に応じて経路案内を継続したり、別の経路を提案したりする。
【0068】
図6に示すサーバ装置20の処理の流れの一例について説明する。制御部23は、通信部21を介して、避けるべき道路状況に関する情報を走行支援装置10から取得する(ステップS301)。制御部23は、ステップS302に進む。
【0069】
制御部23は、通信部21を介して、車両の周辺の道路状況に関する情報を走行支援装置10から取得する(ステップS302)。具体的には、制御部23は、車両の周辺を撮影した映像データを走行支援装置10から取得する。制御部23は、ステップS303に進む。
【0070】
制御部23は、取得した道路状況に関する情報を記憶部22に記憶させる(ステップS303)。具体的には、制御部23は、時間情報と、位置情報と、道路状況に関する情報とを対応付けて、記憶部22に記憶させる。制御部23は、ステップS304に進む。
【0071】
制御部23は、取得した道路状況に関する情報を解析する(ステップS304)。具体的には、制御部23は、ステップS302で取得した道路状況に関する情報が、ステップS301で取得した避けるべき道路状況に関する情報と比較することで解析する。制御部23は、ステップS305に進む。
【0072】
制御部23は、ステップS304の解析結果を走行支援装置10に送信する(ステップS305)。制御部23は、ステップS306に進む。
【0073】
制御部23は、処理を終了するか否かを判定する(ステップS306)。具体的には、制御部23は、一定期間の間、情報を取得しなかった場合や、処理を終了する旨の情報を取得した場合に処理を終了すると判定する。処理を終了すると判定した場合(ステップS306;Yes)、制御部23は、
図6の処理を終了する。処理を終了しないと判定された場合(ステップS306;No)、制御部23は、ステップS301に進む。
【0074】
図7に示す走行支援装置10の処理の流れの一例について説明する。ステップS401からステップS403の処理は、それぞれ、
図4に示すステップS101からステップS103の処理と同一の処理なので、説明を省略する。
【0075】
制御部18は、避けるべき道路条件に関する情報をサーバ装置20に送信する(ステップS404)。具体的には、通信制御部190は、ステップS401で設定された運転者が避けるべき道路条件に関する情報を、通信部17を用いて、サーバ装置20に送信する。制御部18は、ステップS405に進む。
【0076】
制御部18は、車両の周辺の道路状況に関する情報をサーバ装置20に送信する(ステップS405)。具体的には、通信制御部190は、ステップS403で収集された車両の周辺の道路状況に関する情報を、通信部17を用いて、サーバ装置20に送信する。制御部18は、ステップS406に進む。
【0077】
制御部18は、走りにくい旨を示す解析結果を取得したか否かを判定する(ステップS406)。具体的には、経路案内部185は、現状の経路は運転者にとって走りにくい旨を示す解析結果を、サーバ装置20から受信したか否かを判定する。走りにくい旨を示す解析結果を取得したと判定された場合(ステップS406;Yes)、制御部18は、ステップS407に進む。走りにくい旨を示す解析結果を取得していないと判定された場合(ステップS406;No)、制御部18は、ステップS412に進む。
【0078】
ステップS407からステップS413の処理は、それぞれ、
図4に示すステップS106からステップS112の処理と同一の処理なので、説明を省略する。
【0079】
上述のとおり、本実施形態は、サーバ装置20により、予め設定された運転者が避けたい道路状況と、走行している周辺の道路状況とが一致しているか否かを解析する。本実施形態は、予め設定された運転者が避けたい道路状況と、走行している周辺の道路状況とが一致していると判定された場合には、走行支援装置10により運転者に対して走りやすいか否かを確認する。本実施形態は、運転者が走りやすいと感じている場合には経路案内を継続して行う。本実施形態は、運転者が走りにくいと感じている場合には、走行支援装置10により走りにくいと感じている経路を回避するような新たな経路を設定する。そして、本実施形態は、運転者が走りにくいと感じている場合には、走行支援装置10により設定された新たな経路を提案する。これにより、本実施形態は、運転者に応じて走行しやすい経路を案内することができる。
【0080】
[第三実施形態]
図8と、
図9とを用いて、第三実施形態に係る走行支援処理について説明する。
図6は、第二実施形態に係るサーバ装置20の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図7は、第二実施形態に係る走行支援装置10の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0081】
第一実施形態は、走行支援装置10により、走りやすさを解析し、解析結果に応じて経路案内を継続したり、別の経路を提案したりする。第三実施形態では、走行支援装置10で取得された各種の情報に基づいて、サーバ装置20で走りやすさの解析と判定を行う。そして、走行支援装置10は、サーバ装置20の解析結果に応じて経路案内を継続したり、別の経路を提案したりする。
【0082】
ステップS501からステップS504の処理は、それぞれ、
図6に示すステップS301からステップS304の処理と同一の処理なので、説明を省略する。
【0083】
制御部23は、取得した道路状況が運転者にとって走りにくいか否かを判定する(ステップS505)。具体的には、制御部23は、ステップS302で取得した道路状況に関する情報が、ステップS301で取得した避けるべき道路状況と一致している場合に、走りにくいと判定する。走りにくいと判定された場合(ステップS505;Yes)、ステップS506に進む。走りやすいと判定された場合(ステップS505;No)、ステップS507に進む。
【0084】
ステップS505でYesと判定された場合、制御部23は、走りにくい旨を示す情報を車両に送信する(ステップS506)。ステップS505でNoと判定された場合、制御部23は、走りやすい旨を示す情報を車両に送信する(ステップS507)。
【0085】
ステップS508の処理は、
図6に示すステップS306の処理と同一の処理なので、説明を省略する。
【0086】
図9に示す走行支援装置10の処理の流れの一例について説明する。ステップS601からステップS605の処理は、それぞれ、
図7に示すステップS401からステップS405の処理と同一の処理なので、説明を省略する。
【0087】
制御部18は、走りにくい旨を示す判定結果を取得したか否かを判定する(ステップS606)。具体的には、経路案内部185は、現状の経路は運転者にとって走りにくい旨を示す判定結果を、サーバ装置20から受信したか否かを判定する。走りにくい旨を示す判定結果を取得したと判定された場合(ステップS606;Yes)、制御部18は、ステップS607に進む。走りにくい旨を示す判定結果を取得していないと判定された場合(ステップS606;No)、制御部18は、ステップS610に進む。
【0088】
ステップS607からステップS611の処理は、それぞれ、
図7に示すステップS409からステップS413の処理と同一の処理なので、説明を省略する。
【0089】
上述のとおり、本実施形態は、サーバ装置20により、予め設定された運転者が避けたい道路状況と、走行している周辺の道路状況とが一致しているか否かを解析し、運転者が走りにくいと感じているか否かを判定する。本実施形態は、運転者が走りにくいと感じている場合には走りにくいと感じている旨を示す情報を、走りやすいと感じている場合には走りやすいと感じている旨を示す情報とを走行支援装置10に送信する。本実施形態は、運転者が走りにくいと感じている旨を示す情報を受けた場合には、走行支援装置10により、現在の経路を回避するような新たな経路を設定して提案する。本実施形態は、運転者が走りやすいと感じている場合には、経路案内を継続する。これにより、本実施形態は、運転者に応じて走行しやすい経路を案内することができる。
【0090】
[第四実施形態]
図10と、
図11とを用いて、第四実施形態に係る走行支援処理について説明する。
図10は、第四実施形態に係るサーバ装置20の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図11は、第四実施形態に係る走行支援装置10の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0091】
第一実施形態は、走行支援装置10により、走りやすさを解析し、解析結果に応じて経路案内を継続したり、別の経路を提案したりする。第二実施形態は、走行支援装置10で各種の情報を取得し、サーバ装置20で走りやすさを解析する。そして、サーバ装置20は、運転者が走りにくいと感じている場合には、新たな経路を設定する。
【0092】
図10に示すサーバ装置20の処理の流れの一例について説明する。ステップS701からステップS705の処理は、それぞれ、
図6に示すステップS301からステップS305の処理と同一の処理なので、説明を省略する。
【0093】
制御部23は、走りにくい旨を示す情報を走行支援装置10から取得したか否かを判定する(ステップS706)。走りにくい旨を示す情報を取得したと判定された場合(ステップS706;Yes)、ステップS707に進む。走りにくい旨を示す情報を取得していないと判定された場合(ステップS706;No)、ステップS709に進む。
【0094】
ステップS706でYesと判定された場合、制御部23は、目的地までの別の経路を検索する(ステップS707)。具体的には、制御部23は、記憶部22に記憶されている、地図データと、各車両に搭載された走行支援装置10から取得した各車両の周辺の道路状況に関する情報とに基づいて、別の経路を検索する。制御部23は、ステップS708に進む。
【0095】
制御部23は、別の経路に関する情報を、通信部21を介して走行支援装置10に送信する(ステップS708)。制御部23は、ステップS709に進む。
【0096】
ステップS709の処理は、
図6に示すステップS306の処理と同一の処理なので、説明を省略する。
【0097】
図11に示す走行支援装置10の処理の流れの一例について説明する。ステップS801からステップS808の処理は、それぞれ、
図7に示すステップS401からステップS408の処理と同一の処理なので、説明を省略する。
【0098】
ステップS808でYesと判定された場合、制御部18は、走りにくい旨を示す情報をサーバ装置20に送信する(ステップS809)。具体的には、通信制御部190は、現状の経路が運転者にとって走りにくい旨を示す情報を、通信部17を用いて、サーバ装置20に送信する。制御部18は、ステップS810に進む。
【0099】
制御部18は、別の経路に関する経路情報をサーバ装置20から取得する(ステップS810)。具体的には、経路案内部185は、現状の経路を回避した、目的地までの別の経路に関する経路情報をサーバ装置20から受信する。制御部18は、ステップS811に進む。
【0100】
ステップS811からステップS815の処理は、それぞれ、
図7に示すステップS409からステップS413と同一の処理なので、説明を省略する。
【0101】
上述のとおり、本実施形態は、サーバ装置20により、予め設定された運転者が避けたい道路状況と、走行している周辺の道路状況とが一致しているか否かを判定する。本実施形態は、予め設定された運転者が避けたい道路状況と、走行している周辺の道路状況とが一致していると判定された場合には、運転者に対して走りやすいか否かを確認する。本実施形態は、運転者が走りやすいと感じている場合には経路案内を継続して行う。本実施形態は、運転者が走りにくいと感じている場合には、サーバ装置20により走りにくいと感じている経路を回避するような新たな経路を設定する。そして、本実施形態は、運転者が走りにくいと感じている場合には、サーバ装置20により設定された新たな経路を提案する。これにより、本実施形態は、運転者に応じて走行しやすい経路を案内することができる。
【0102】
以上、本発明の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0103】
1 走行支援システム
10 走行支援装置
11 撮影部
12 表示部
13 音声出力部
14 操作部
15,22 記憶部
16 GNSS受信部
17,21 通信部
18 制御部(走行支援制御装置)
181 設定部
182 映像データ取得部
183 解析部
184 判断部
185 経路案内部
186 位置情報取得部
187 表示制御部
188 出力制御部
189 操作制御部
190 通信制御部
20 サーバ装置
23 制御部