(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】サーバ及びサーバのためのコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/32 20060101AFI20240820BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240820BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
H04N1/32 400
H04N1/00 K
H04N1/00 127A
G06F13/00
(21)【出願番号】P 2020144307
(22)【出願日】2020-08-28
【審査請求日】2023-06-27
(31)【優先権主張番号】P 2019175624
(32)【優先日】2019-09-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 健
【審査官】三沢 岳志
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-219873(JP,A)
【文献】特開2015-111424(JP,A)
【文献】特開2002-281228(JP,A)
【文献】特開2014-210436(JP,A)
【文献】特表2005-501341(JP,A)
【文献】特開2009-043240(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/32
H04N 1/00
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバであって、
インターネットを介して、サーバプッシュ型の通信を実行するためのセッションを機能実行装置と確立する確立部であって、前記機能実行装置は、少なくともファクシミリ送信機能を実行可能である、前記確立部と、
端末装置から、前記インターネットを介して、第1の画像データ
を含む第1の電子メールを受信する第1の受信部
であって、前記第1の電子メールは、前記サーバのドメイン名を含む第1のメールアドレスを送信先アドレスとして含む、前記第1の受信部と、
前記端末装置から前記第1の
電子メールが受信される場合に、
電子メールの送信元が有効であるのか否かを判断するための判断リストを利用して、前記第1の電子メールの送信元が有効であるのか否かを判断する第2の判断部と、
前記第1の電子メールの前記送信元が有効であると判断される場合に、前記インターネットを介して、前記セッションを利用して、前記第1の画像データに対応する画像のファクシミリ送信を要求するためのファクシミリ要求情報を前記機能実行装置に送信する第1の要求情報送信部
であって、前記第1の電子メールの前記送信元が有効でないと判断される場合に、前記ファクシミリ要求情報は前記機能実行装置に送信されない、前記第1の要求情報送信部と、
を備える、サーバ。
【請求項2】
前記サーバは、さらに、
前記端末装置から、前記インターネットを介して、前記第1のメールアドレスとは異なる第2のメールアドレスであって、前記サーバの前記ドメイン名を含む前記第2のメールアドレスを送信先アドレスとして含む第2の電子メールを受信することによって、前記第2の電子メールに含まれている第2の画像データを受信する第2の受信部と、
前記端末装置から前記第2の電子メールが受信される場合に、前記インターネットを介して、前記セッションを利用して、前記第2の画像データに対応する画像の印刷を要求する印刷要求情報を前記機能実行装置に送信する第2の要求情報送信部と、を備える、請求項
1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記サーバは、さらに、
メモリと、
前記インターネットを介して、前記機能実行装置から登録要求を受信する場合に、前記第1のメールアドレスを前記メモリに登録する登録部と、を備え、
前記確立部は、前記第1のメールアドレスが前記メモリに登録された後に、前記機能実行装置との前記セッションを確立する、
請求項
1又は2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記サーバは、さらに、
前記第1のメールアドレスが前記
サーバのメモリに登録される場合に、前記判断リストが前記メモリに登録されているのか否かを判断する第1の判断部と、
前記判断リストが前記メモリに登録されていると判断される場合に、前記インターネットを介して、前記第1のメールアドレスを出力するための出力情報を前記機能実行装置に送信する出力情報送信部であって、前記判断リストが前記メモリに登録されていないと判断される場合に、前記出力情報は前記機能実行装置に送信されない、前記出力情報送信部と
、を備える、請求項
1から3のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項5】
前記サーバは、
第1のサーバと、
第2のサーバと、を備え、
前記第1のサーバは、前記確立部を備え、
前記第2のサーバは、
前記第1の受信部と、
前記端末装置から前記第1の画像データが受信される場合に、前記第1の画像データに関連する関連情報を前記第1のサーバに送信する関連情報送信部と、
を備え、
前記第1のサーバは、前記第1の要求情報送信部を備え、
前記第1の要求情報送信部は、前記第2のサーバから前記関連情報が受信される場合に、前記インターネットを介して、前記セッションを利用して、前記関連情報に対応する前記ファクシミリ要求情報を前記機能実行装置に送信し、
前記第2のサーバは、さらに、
前記ファクシミリ要求情報が前記機能実行装置に送信された後に、前記機能実行装置から前記ファクシミリ要求情報に対応する前記関連情報を受信する関連情報受信部と、
前記機能実行装置から前記関連情報が受信される場合に、前記関連情報に関連する前記第1の画像データを用いて得られるファクシミリ情報を前記機能実行装置に送信するファクシミリ情報送信部と、
を備える、請求項1から
4のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項6】
前記セッションは、EXtensible Messaging and Presence Protocolに従う、請求項1から
5のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項7】
サーバのためのコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータプログラムは、前記サーバのコンピュータを、以下の各部、即ち、
インターネットを介して、サーバプッシュ型の通信を実行するためのセッションを機能実行装置と確立する確立部であって、前記機能実行装置は、少なくともファクシミリ送信機能を実行可能である、前記確立部と、
端末装置から、前記インターネットを介して、第1の画像データ
を含む第1の電子メールを受信する第1の受信部
であって、前記第1の電子メールは、前記サーバのドメイン名を含む第1のメールアドレスを送信先アドレスとして含む、前記第1の受信部と、
前記端末装置から前記第1の
電子メールが受信される場合に、
電子メールの送信元が有効であるのか否かを判断するための判断リストを利用して、前記第1の電子メールの送信元が有効であるのか否かを判断する第2の判断部と、
前記第1の電子メールの前記送信元が有効であると判断される場合に、前記インターネットを介して、前記セッションを利用して、前記第1の画像データに対応する画像のファクシミリ送信を要求するためのファクシミリ要求情報を前記機能実行装置に送信する第1の要求情報送信部
であって、前記第1の電子メールの前記送信元が有効でないと判断される場合に、前記ファクシミリ要求情報は前記機能実行装置に送信されない、前記第1の要求情報送信部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、機能実行装置にファクシミリ送信を要求するサーバに関する技術を開示
する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、FAXサーバとリモートFAXとを備えるシステムが開示されている
。FAXサーバとリモートFAXは、LAN(Local Area Networkの略)に接続されてい
る。FAXサーバは、LAN経由でイメージデータをリモートFAXに送信し、FAX送
信を依頼する。リモートFAXは、イメージデータをFAXのデータに変換して、公衆回
線経由で変換後のデータを相手先のFAXへ送信する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の技術は、FAXサーバがインターネットを介してリモートFAXにFAX送信を
依頼することを何ら想定していない。
【0005】
本明細書では、サーバがインターネットを介してファクシミリ要求情報を機能実行装置
に送信するための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書によって開示されるサーバは、インターネットを介して、サーバプッシュ型の
通信を実行するためのセッションを機能実行装置と確立する確立部であって、前記機能実
行装置は、少なくともファクシミリ送信機能を実行可能である、前記確立部と、端末装置
から、前記インターネットを介して、第1の画像データを受信する第1の受信部と、前記
端末装置から前記第1の画像データが受信される場合に、前記インターネットを介して、
前記セッションを利用して、前記第1の画像データに対応する画像のファクシミリ送信を
要求するためのファクシミリ要求情報を前記機能実行装置に送信する第1の要求情報送信
部と、を備える。
【0007】
上記の構成によれば、サーバプッシュ型の通信を実行するためのセッションを利用する
ことによって、サーバは、サーバと機能実行装置との間のファイヤウォールに遮断される
ことなく、端末装置から第1の画像データを受信することに応じてファクシミリ要求情報
を機能実行装置に送信することができる。
【0008】
上記のサーバを実現するための制御方法、コンピュータプログラム、及び、当該コンピ
ュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能記録媒体も、新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図2】通信システム内の各装置の構成を示すブロック図を示す。
【
図5】メールFAXを実行するための処理のシーケンス図を示す。
【
図6】メール印刷を実行するための処理のシーケンス図を示す。
【
図7】第2実施例に係るアプリFAXを実行するための処理のシーケンス図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施例)
(通信システム2の構成:
図1)
図1に示されるように、通信システム2は、XMPP(Extensible Messaging and Pre
sence Protocolの略)サーバ10、APPサーバ100、多機能機200、端末装置30
0と、を備える。なお、以下では、多機能機のことを「MFP(Multi-Function Periphe
ralの略)」と呼ぶ。
【0011】
XMPPサーバ10、APPサーバ100、及び、端末装置300は、インターネット
8に接続されている。XMPPサーバ10は、インターネット8を介して、各装置100
、300と通信可能である。また、MFP200は、LAN(Local Area Network)4に
接続されている。LAN4は、インターネット8に接続されている。MFP200は、L
AN4及びインターネット8を介して、各装置10、100、300と通信可能である。
なお、LAN4は、有線LANでもいいし、無線LANでもいい。
【0012】
(XMPPサーバ10の構成:
図2)
XMPPサーバ10は、MFP(例えばMFP200)とのXMPPセッションを確立
するためのサーバである。XMPPサーバ10は、MFP200等のベンダによってイン
ターネット8上に設置される。
【0013】
XMPPセッションは、XMPPに従ったセッションである。XMPPサーバ10は、
XMPPセッションを利用すれば、MFPから要求を受信しなくても、当該MFPが所属
するLANのファイヤウォール(例えばルータによって形成されるファイヤウォール)を
越えて、当該MFPに要求を送信することができる。即ち、XMPPセッションは、サー
バプッシュ型の通信を実行可能なセッションである。XMPPセッションは、MFPの電
源がOFFされるまで確立され続ける。なお、XMPPサーバ10からMFPに要求を送
信する仕組み(即ち、サーバプッシュ型の通信を実行するための仕組み)は、XMPPセ
ッションではなく、他の手法であってもよい。例えば、MFPとXMPPサーバ10との
間にHTTPS(Hypertext Transfer Protocol Secureの略)に従ったセッションが確立
されてもよい。
【0014】
XMPPサーバ10は、ネットワークインターフェイス16と、制御部30と、を備え
る。各部16、30は、バス線(符号省略)に接続されている。なお、以下では、インタ
ーフェースのことを「I/F」と記載する。ネットワークI/F16は、インターネット
8を介した通信を実行するためのI/Fであり、インターネット8(
図1参照)に接続さ
れている。制御部30は、CPU32と、メモリ34と、を備える。CPU32は、メモ
リ34に記憶されているプログラム40に従って、様々な処理を実行する。メモリ34は
、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。メモリ34は、上記のプログラ
ム40の他に、管理テーブル42を記憶する。
【0015】
管理テーブル42は、MFPに関する情報を管理するためのテーブルである。管理テー
ブル42は、複数個のMFPのそれぞれについて、当該MFPを管理するための管理ID
(Identifierの略)と、当該MFPから取得した識別情報であるUIDと、当該MFPの
モデル情報と、当該MFPのアクセストークンと、を関連付けて記憶する。モデル情報は
、対応するMFPのモデルに関する情報(例えば、モデル名、性能)を示す。アクセスト
ークンは、対応するMFPとのXMPPセッションを確立するための認証情報である。
【0016】
(APPサーバ100の構成)
APPサーバ100は、メールFAX及びメール印刷のための通信をMFP(例えばM
FP200)と実行するためのサーバである。メールFAXは、電子メールに含まれる画
像データに対応する画像のファクシミリ送信をMFPに実行させる機能である。メール印
刷は、電子メールに含まれる画像データに対応する画像の印刷をMFPに実行させる機能
である。APPサーバ100は、MFP200等のベンダによってインターネット8上に
設置される。
【0017】
APPサーバ100は、ネットワークI/F116と、制御部130と、を備える。各
部116、130は、バス線(符号省略)に接続されている。ネットワークI/F116
は、インターネット8(
図1参照)に接続されている。制御部130は、CPU132と
、メモリ134と、を備える。CPU132は、メモリ134に記憶されているプログラ
ム140に従って、様々な処理を実行する。メモリ134は、上記のプログラム140の
他に、デバイステーブル142と、ホワイトリスト146と、を記憶する。
【0018】
デバイステーブル142は、MFPに関する情報を登録するテーブルである。デバイス
テーブル142は、複数個のMFPのそれぞれについて、当該MFPから取得したUID
と、XMPPサーバ10において当該UIDに関連付けて記憶されている管理IDと、メ
ールFAXで利用されるFAXメールアドレスと、メール印刷で利用される印刷メールア
ドレスと、を関連付けて記憶する。
【0019】
ホワイトリスト146は、メールアドレスのリストである。APPサーバ100は、電
子メールを受信する場合に、当該電子メールの送信元メールアドレスがホワイトリスト1
46に含まれる場合に、当該メールアドレスが有効であると判断する。一方、APPサー
バ100は、当該電子メールの送信元メールアドレスがホワイトリスト146に含まれな
い場合に、当該メールアドレスが有効でないと判断する。ホワイトリスト146は、MF
P200のUID「u01」に関連付けてメモリ134に記憶される。ホワイトリスト1
46は、APPサーバ100にアクセス可能な装置(例えば、端末装置300)において
ユーザによって所定の操作が行われることに応じて、APPサーバ100に登録される。
即ち、ホワイトリスト146は、所定の操作が行われなければ、APPサーバ100に登
録されない。
【0020】
例えば、メールFAXでは、APPサーバ100とXMPPサーバ10が連携して動作
する。詳しくは後述するが、XMPPセッションを利用することによって、MFPから要
求を受信することなく、電子メールに含まれている画像データに対応する画像のファクシ
ミリ送信をMFPに実行させることできる。また、ベンダは、APPサーバ100以外の
他のAPPサーバをインターネット8上に設置する。他のAPPサーバは、メールFAX
以外のインターネット8を利用した他の機能(例えば、インターネット8を介して設定値
をMFPに送信する機能)のための通信をMFPと実行するためのサーバである。当該他
の機能でも、他のAPPサーバとXMPPサーバ10が連携して動作する。即ち、1個の
XMPPサーバ10と複数個のAPPサーバが連動して動作する。1個のXMPPサーバ
10とMFPとの間にXMPPセッションが確立されることにより、インターネット8を
利用した複数個の機能をMFPに実行させることができる。
【0021】
(MFP200の構成)
MFP200は、印刷機能、スキャン機能、及び、ファクシミリ機能を含む多機能を実
行可能な周辺装置(即ちLAN4に接続されている端末装置の周辺装置)である。MFP
200は、表示部214と、LANI/F216と、印刷実行部218と、PSTN(Pu
blic Switched Telephone Networkの略)I/F220と、制御部230と、を含む。各
部214~230は、バス線(符号省略)に接続されている。表示部214は、様々な情
報を表示するためのディスプレイである。表示部214は、いわゆるタッチパネルであり
、操作部としても機能する。LANI/F216は、LAN4(
図1参照)に接続されて
いる。印刷実行部218は、インクジェット方式、レーザ方式等の印刷機構を備える。P
STNI/F220は、ファクシミリ通信を実行するためのI/Fである。
【0022】
制御部230は、CPU232と、メモリ234と、を備える。CPU232は、メモ
リ234に記憶されているプログラム240に従って、様々な処理を実行する。メモリ2
34は、さらに、MFP200のUID「u01」と、MFP200のモデル情報MIと
、を記憶する。UIDは、MFP200を利用するユーザを識別する情報(例えばアカウ
ント名)である。なお、変形例では、UIDは、MFP200を識別する情報(例えばシ
リアル番号)でもよい。
【0023】
(セットアップ処理:
図3、
図4)
図3、
図4を参照して、メールFAX及びメール印刷の通信に利用される情報をAPP
サーバ100に登録して、XMPPセッションを確立するセットアップ処理を説明する。
なお、以下では、各デバイスの各CPU(例えばXMPPサーバ10のCPU32等)が
実行する処理について、理解の容易さの観点から、各CPUを主体として記載せずに、各
デバイス(例えばXMPPサーバ10等)を主体として記載する。また、以下では、MF
P200と各サーバ10、100との間では、LAN4とインターネット8を介して、通
信が実行される。また、XMPPサーバ10とAPPサーバ100との間では、インター
ネット8を介して、通信が実行される。以下では、特に言及しない限り、「LAN4を介
して」及び「インターネット8を介して」という説明を省略する。
【0024】
T5では、MFP200は、ユーザからメール機能設定を「無効」から「有効」に変更
するための操作を受け付ける。メール機能設定は、メールFAX及びメール印刷の実行を
許容するのか否かの設定を示す。「無効」は、メールFAX及びメール印刷の実行を禁止
することを示し、「有効」は、メールFAX及びメール印刷の実行を許容することを示す
。メール機能設定は、デフォルトでは、「無効」を示す。
【0025】
MFP200は、T5において、メール機能設定が「無効」から「有効」に変更される
と、T10において、メールFAX及びメール印刷の通信に利用される情報の登録を要求
する登録要求をAPPサーバ100に送信する。登録要求は、UID「u01」を含む。
【0026】
APPサーバ100は、T10において、MFP200から登録要求を受信すると、T
12において、FAXメールアドレスMA1と印刷メールアドレスMA2とを生成する。
例えば、FAXメールアドレスMA1は、ローカル部「mfp1」とAPPサーバ100
のドメイン名「app.com」を含む。
【0027】
T14では、APPサーバ100は、管理IDをXMPPサーバ10に要求する管理I
D要求をXMPPサーバ10に送信する。
【0028】
XMPPサーバ10は、T14において、APPサーバ100から管理ID要求を受信
する場合に、T16において、管理ID「a01」を生成し、管理ID「a01」を管理
テーブル42に記憶する。
【0029】
T18では、XMPPサーバ10は、管理ID「a01」をAPPサーバ100に送信
する。
【0030】
APPサーバ100は、T18において、XMPPサーバ10から管理ID「a01」
を受信すると、T20において、T10の登録要求内のUID「u01」と、T18で受
信した管理ID「a01」と、T12で生成されたメールアドレスMA1、MA2と、を
関連付けてデバイステーブル142に記憶する。これにより、メールFAX及びメール印
刷の通信に利用される情報がAPPサーバ100に登録される。
【0031】
続けて、T30では、APPサーバ100は、PIN(Personal Identification Numb
erの略)コードを要求するPINコード要求をXMPPサーバ10に送信する。
【0032】
XMPPサーバ10は、T30において、APPサーバ100からPINコード要求を
受信すると、T32において、PINコードCを生成する。XMPPサーバ10は、管理
ID「a01」とPINコードCとを関連付けてメモリ34に記憶する。
【0033】
T34では、XMPPサーバ10は、PINコードCをAPPサーバ100に送信する
。これにより、APPサーバ100は、T36において、XMPPサーバ10から受信し
たPINコードCをMFP200に送信する。
【0034】
MFP200は、T36において、APPサーバ100からPINコードCを受信する
と、T50において、XMPPセッションを確立することを要求する確立要求をXMPP
サーバ10に送信する。確立要求は、UID「u01」と、モデル情報MIと、PINコ
ードCと、を含む。
【0035】
XMPPサーバ10は、T50において、MFP200から確立要求を受信すると、T
52において、確立要求内のPINコードの認証を実行する。本ケースでは、確立要求内
のPINコードCがXMPPサーバ10のメモリ34内のPINコードCと一致するので
、PINコードの認証が成功する。そして、XMPPサーバ10は、T54以降の処理を
実行する。仮に、PINコードの認証が失敗する場合、XMPPサーバ10は、T54以
降の処理を実行しない。
【0036】
T54では、XMPPサーバ10は、アクセストークンATを生成する。XMPPサー
バ10は、メモリ34から、PINコードCに関連付けて記憶されている管理ID「a0
1」を特定する。そして、XMPPサーバ10は、特定済みの管理ID「a01」と、確
立要求内のUID「u01」と、確立要求内のモデル情報MIと、生成済みのアクセスト
ークンATと、を関連付けて管理テーブル42に記憶する。
【0037】
T58では、XMPPサーバ10は、アクセストークンATをMFP200に送信する
。これにより、MFP200は、T70において、アクセストークンATを利用して、X
MPPサーバ10とのXMPPセッションを確立する。
【0038】
また、MFP200は、XMPPセッションの確立が完了すると、T80において、F
AXメールアドレス及び印刷メールアドレスを要求するメールアドレス要求をAPPサー
バ100に送信する。メールアドレス要求は、UID「u01」を含む。
【0039】
APPサーバ100は、T80において、MFP200からメールアドレス要求を受信
すると、T81において、ホワイトリスト146がAPPサーバ100に登録されている
のか否かを判断する。APPサーバ100は、ホワイトリスト146がAPPサーバ10
0に登録されていると判断する場合(T81でYES)に、T82において、メールアド
レス要求内のUID「u01」に関連付けて記憶されているメールアドレスMA1、MA
2をMFP200に送信する。これにより、MFP200は、T84において、FAXメ
ールアドレスMA1及び印刷メールアドレスMA2を表示部214に表示させる。ユーザ
は、FAXメールアドレスMA1及び印刷メールアドレスMA2を知ることができる。
【0040】
また、APPサーバ100は、ホワイトリスト146がAPPサーバ100に未だ登録
されていないと判断する場合(T81でNO)に、T82以降の処理をスキップして、図
3の処理を終了する。仮に、ホワイトリスト146がAPPサーバ100に未だ登録され
ていない状況において、FAXメールアドレスMA1等がユーザに知られると、メールF
AX等を利用することが許容されていないユーザがメールFAX等を利用し得る。この構
成によれば、ホワイトリスト146がAPPサーバ100に未だ登録されていない場合に
、FAXメールアドレスMA1及び印刷メールアドレスMA2が表示されないので、メー
ルFAX等を利用することが許容されていないユーザによってメールFAX及びメール印
刷が利用されることを抑制することができる。なお、変形例では、ホワイトリスト146
がAPPサーバ100に未だ登録されていない場合に、APPサーバ100は、印刷メー
ルアドレスMA2のみをMFP200に送信してもよい。即ち、ホワイトリスト146が
APPサーバ100に未だ登録されていない場合には、印刷メールアドレスMA2がMF
P200に表示され、FAXメールアドレスMA1がMFP200に表示されなくてもよ
い。
【0041】
続けて、
図4に示すように、MFP200は、FAXメールアドレスMA1及び印刷メ
ールアドレスMA2を印刷する。具体的には、MFP200は、T100において、メー
ルアドレスMA1、MA2の印刷のための印刷URLを要求する印刷URL要求をAPP
サーバ100に送信する。印刷URL要求は、UID「u01」を含む。
【0042】
APPサーバ100は、T100において、MFP200から印刷URL要求を受信す
ると、デバイステーブル142から印刷URL要求内のUID「u01」に関連付けて記
憶されている情報(即ち管理ID「a01」とメールアドレスMA1、MA2)を特定す
る。そして、APPサーバ100は、T102において、モデル情報を要求するモデル情
報要求をXMPPサーバ10に送信する。モデル情報要求は、特定済みの管理ID「a0
1」を含む。
【0043】
XMPPサーバ10は、T102において、APPサーバ100からモデル情報要求を
受信すると、T104において、モデル情報要求内の管理ID「a01」に関連付けて記
憶されているモデル情報MIをAPPサーバ100に送信する。
【0044】
APPサーバ100は、T104において、XMPPサーバ10からモデル情報MIを
受信すると、T106において、メールアドレスMA1、MA2をコード化することによ
ってQRコード(登録商標)QCを生成する。
【0045】
T108では、APPサーバ100は、メールアドレスMA1、MA2と生成済みのQ
RコードQCを含む画像に対応する画像データを生成する。そして、APPサーバ100
は、モデル情報MIを利用して、当該画像データを変換してMFP200が解釈可能なデ
ータ形式を有する印刷データPD1を生成する。ここで、APPサーバ100は、APP
サーバ100に予め記憶されている印刷設定に従って、印刷データPD1を生成する。
【0046】
T112では、APPサーバ100は、印刷URL「http://app.com/
pd1」をXMPPサーバ10に送信する。印刷URL「http://app.com
/pd1」は、印刷データPD1が記憶されているAPPサーバ100内の位置を示す。
印刷URL「http://app.com/pd1」内の文字列「pd1」は、印刷デ
ータPD1のファイル名である。
【0047】
XMPPサーバ10は、T112において、APPサーバ100から印刷URL「ht
tp://app.com/pd1」を受信すると、T114において、MFP200と
のXMPPセッションを利用して、印刷URL「http://app.com/pd1
」をMFP200に送信する。
【0048】
MFP200は、T114において、XMPPサーバ10から印刷URL「http:
//app.com/pd1」を受信すると、印刷データを要求するデータ要求をAPP
サーバ100に送信する。データ要求は、印刷URL「http://app.com/
pd1」を含むHTTPコマンドである。
【0049】
APPサーバ100は、T130において、MFP200からデータ要求を受信すると
、T132において、データ要求内の印刷URL「http://app.com/pd
1」によって示される位置に記憶されている印刷データPD1をMFP200に送信する
。
【0050】
MFP200は、T132において、APPサーバ100から印刷データPD1を受信
すると、T134において、印刷データPD1に従って、メールアドレスMA1、MA2
とQRコードQCとを含む画像の印刷を実行する。これにより、ユーザは、メールアドレ
スMA1、MA2を知ることができる。また、ユーザは、端末装置(例えば300)を操
作して、当該端末装置のカメラでQRコードQCを撮影することによって、メールアドレ
スMA1、MA2を当該端末装置に入力することができる。
【0051】
(メールFAXを実行するための処理:
図5)
図5を参照して、メールFAXを実行するための処理を説明する。T200では、端末
装置300は、FAXメールアドレスMA1を送信先アドレスとして含む電子メールEM
1をAPPサーバ100に送信する。電子メールEM1には、ファクシミリ送信の送信先
を示すFAX番号(即ち電話番号)と、ファクシミリ送信の対象の画像に対応する画像デ
ータが含まれている。画像データは、特定のスキームを用いて記述される。例えば、特定のスキームは、Microsoft Word、Microsoft Power Point、Microsoft Excel、TXT、BMP、GIF、PNG、JPEG、TIFF、PDFのいずれかである。
【0052】
APPサーバ100は、T200において、端末装置300から電子メールEM1を受
信すると、デバイステーブル142から電子メールEM1に含まれるFAXメールアドレ
スMA1に関連付けて記憶されているUID「u01」及び管理ID「a01」を特定す
る。そして、APPサーバ100は、メモリ134から特定済みのUID「u01」に関
連付けて記憶されているホワイトリスト146を特定する。
【0053】
T201では、APPサーバ100は、電子メールEM1の送信元メールアドレスがホ
ワイトリスト146に含まれるのか否かを判断する。APPサーバ100は、送信元メー
ルアドレスがホワイトリスト146に含まれると判断する場合(T201でYES)に、
T202以降の処理に進む。一方、APPサーバ100は、送信元メールアドレスがホワ
イトリスト146に含まれないと判断する場合(T201でNO)に、T202以降の処
理をスキップして、
図5の処理を終了する。このような構成によれば、MFP200のユ
ーザによって許容されていないユーザにするメールFAXの利用を禁止することができる
。
【0054】
T202、T204は、
図4のT102、T104と同様である。T208では、AP
Pサーバ100は、モデル情報MIを利用して、電子メールEM1に含まれている画像デ
ータとFAX番号とファクシミリ送信の実行指示とを含むFAX情報FI1を生成する。
FAX情報FI1は、MFP200が解釈可能な形式を有する。
【0055】
T212では、APPサーバ100は、管理ID「a01」と、FAXURL「htt
p://app.com/fi1」と、をXMPPサーバ10に送信する。FAXURL
「http://app.com/fi1」は、FAX情報FI1が記憶されているAP
Pサーバ100内の位置を示し、文字列「fi1」は、FAX情報FI1のファイル名で
ある。
【0056】
XMPPサーバ10は、T212において、管理ID「a01」と、FAXURL「h
ttp://app.com/fi1」と、を受信すると、T214において、XMPP
セッションを利用して、FAXURL「http://app.com/fi1」をMF
P200に送信する。
【0057】
MFP200は、T214において、XMPPサーバ10からFAXURL「http
://app.com/fi1」を受信すると、FAX情報を要求するFAX情報要求を
APPサーバ100に送信する。FAX情報要求は、FAXURL「http://ap
p.com/fi1」を含むHTTPコマンドである。FAXURLを利用することで、
汎用的なHTTPコマンドを利用して、APPサーバ100からFAX情報を受信するこ
とができる。
【0058】
APPサーバ100は、T230において、MFP200からFAX情報要求を受信す
ると、FAXURL「http://app.com/fi1」によって示されるAPP
サーバ100内の位置からFAX情報FI1を取得する。
【0059】
T232では、APPサーバ100は、FAX情報FI1をMFP200に送信する。
これにより、MFP200は、T234において、FAX情報FI1内の実行指示に従っ
て、FAX情報FI1に含まれる画像データを変換してファクシミリデータを生成する。
そして、MFP200は、PSTNI/F118を介して、FAX情報FI1に含まれる
FAX番号を送信先として生成済みのファクシミリデータを送信する(即ち、ファクシミ
リ送信を実行する)。
【0060】
このような構成によれば、XMPPサーバ10は、端末装置300から画像データを含
む電子メールEM1を受信すると、XMPPセッションを利用して、FAXURL「ht
tp://app.com/fi1」をMFP200に送信する(T214)。サーバプ
ッシュ型の通信を実行するためのXMPPセッションを利用することによって、XMPP
サーバ10は、XMPPサーバ10とMFP200との間のファイヤウォールに遮断され
ることなく、FAXURL「http://app.com/fi1」をMFP200に
送信することができる。この結果、APPサーバ100は、インターネット8を介してF
AXURL「http://app.com/fi1」をMFP200に送信することが
でき、MFP200は、当該FAXURLを利用して、APPサーバ100からFAX情
報を受信することができる。
【0061】
(メール印刷を実行するための処理:
図6)
図6を参照して、メール印刷を実行するための処理を説明する。T300では、端末装
置300は、印刷メールアドレスMA2を送信先アドレスとして含む電子メールEM2を
APPサーバ100に送信する。電子メールEM2には、印刷対象の画像に対応する画像
データが含まれている。
【0062】
APPサーバ100は、T300において、端末装置300から電子メールEM2を受
信すると、デバイステーブル142から電子メールEM2に含まれる印刷メールアドレス
MA2に関連付けて記憶されているUID「u01」及び管理ID「a01」及びを特定
する。そして、APPサーバ100は、メモリ134から特定済みのUID「u01」に
関連付けて記憶されているホワイトリスト146を特定する。
【0063】
T301~T304は、
図5のT201~T204と同様である。T308では、AP
Pサーバ100は、モデル情報MIを利用して、電子メールEM2に含まれている画像デ
ータを変換してMFP200が解釈可能なデータ形式を有する印刷データPD2を生成す
る。ここで、APPサーバ100は、ユーザによってAPPサーバ100に入力された印
刷設定(例えば、用紙サイズ)に従って、印刷データPD2を生成する。なお、変形例で
は、APPサーバ100は、電子メールEM2の本文に記述されている印刷設定に従って
、印刷データPD2を生成してもよい。
【0064】
T312、T314は、印刷URL「http://app.com/pd2」の通信
が実行される点を除いて、
図5のT212、T214と同様である。印刷URL「htt
p://app.com/pd2」は、印刷データPD2が記憶されているAPPサーバ
100内の位置を示し、文字列「pd2」は、印刷データPD2のファイル名である。
【0065】
T330は、MFP200が印刷URL「http://app.com/pd2」を
含むデータ要求を送信する点を除いて、
図5のT230と同様である。上記したように、
データ要求は、HTTPコマンドである。印刷URLを利用することで、汎用的なHTT
Pコマンドを利用して、APPサーバ100から印刷データを受信することができる。
【0066】
APPサーバ100は、T230において、MFP200からデータ要求を受信すると
、印刷URL「http://app.com/pd2」によって示されるAPPサーバ
100内の位置から印刷データPD2を取得する。
【0067】
T232では、APPサーバ100は、印刷データPD2をMFP200に送信する。
これにより、MFP200は、T234において、印刷データPD2に対応する画像の印
刷を実行する。
【0068】
このような構成によれば、XMPPサーバ10は、XMPPサーバ10とMFP200
との間のファイヤウォールに遮断されることなく、FAXURLだけでなく、印刷URL
もMFP200に送信することができる。
【0069】
また、APPサーバ100は、FAXメールアドレスMA1とは異なる印刷メールアド
レスMA2を送信先アドレスとして含む電子メールEM2を受信する場合(T300)に
、印刷URLをXMPPサーバ10に送信する(T312)。これにより、XMPPサー
バ10は、XMPPセッションを利用して、印刷URLをMFP200に送信する。即ち
、ユーザは、メールFAXを利用する場合に、FAXメールアドレスMA1を含む電子メ
ールEM1を生成し、メール印刷を利用する場合に、印刷メールアドレスMA2を含む電
子メールEM2を生成する。ユーザは、メールアドレスの選択によって、メールFAXと
メール印刷を使い分けることができる。ユーザの利便性が向上する。
【0070】
(対応関係)
XMPPサーバ10及びAPPサーバ100が、「サーバ」の一例である。XMPPサ
ーバ10、APPサーバ100が、それぞれ、「第1のサーバ」、「第2のサーバ」の一
例である。メモリ134が、「メモリ」の一例である。MFP200、端末装置300が
、それぞれ、「機能実行装置」、「端末装置」の一例である。XMPPセッションが、「
セッション」の一例である。
図5のT200の電子メールEM1に含まれる画像データ、
FAXメールアドレスMA1、電子メールEM1、T214のFAXURLが、それぞれ
、「第1の画像データ」、「第1のメールアドレス」、「第1の電子メール」、「ファク
シミリ要求情報」の一例である。
図5のT212のFAXURLが、「関連情報」の一例
である。
図6のT200の電子メールEM2に含まれる画像データ、印刷メールアドレス
MA2、電子メールEM2、T314の印刷URLが、それぞれ、「第2の画像データ」
、「第2のメールアドレス」、「第2の電子メール」、「印刷要求情報」の一例である。
ホワイトリスト146が、「判断リスト」の一例である。
図3のT82のメールアドレス
MA1、MA2及び
図4のT132の印刷データPD1が、「出力情報」の一例である。
【0071】
図3のT70、
図5のT200、T214が、それぞれ、「確立部」、「第1の受信部
」、「第1の要求情報送信部」によって実現される処理の一例である。
【0072】
(第2実施例)
第1実施例では、メールFAXが実行される。これに代えて、第2実施例では、アプリ
FAXが実行される。アプリFAXでは、APPサーバ100は、画像データを含む電子
メールに代えて、画像データを含むHTTPコマンドを受信する。これにより、APPサ
ーバ100とXMPPサーバ10が連携して動作して、HTTPコマンドに含まれる画像
データに対応する画像のファクシミリ送信をMFP200に実行させることができる。
【0073】
(APPサーバ100の構成:
図2)
本実施例のAPPサーバ100は、デバイステーブル142内の情報が異なる点を除い
て、第1実施例のAPPサーバ100と同様である。具体的には、デバイステーブル14
2は、UIDと、管理IDと、端末装置の識別情報である端末IDと、を関連付けて記憶
する。
【0074】
(セットアップ処理:
図3)
図3を参照して、本実施例のセットアップ処理を説明する。本実施例の登録処理は、T
10、T20、T36、T50の内容が異なり、T12、T80~T84の処理、及び、
図4の処理が実行されない点を除いて、第1実施例のセットアップ処理と同様である。
【0075】
T10では、APPサーバ100は、端末装置300から、UID「u01」と端末I
D「t01」とを含む登録要求を受信する。これにより、T20では、APPサーバ10
0は、UID「u01」と、管理ID「a01」と、端末ID「t01」と、を関連付け
てデバイステーブル142に記憶する。さらに、T36では、APPサーバ100は、X
MPPサーバ10から受信したPINコードCを端末装置300に送信する。これにより
、端末装置300は、PINコードCを表示する。
【0076】
T50では、MFP200は、ユーザからPINコードCの入力を受け付ける。そして
、MFP200は、入力済みのPINコードCを含む確立要求をXMPPサーバ10に送
信する。
【0077】
(アプリFAXを実行するための処理:
図7)
図7を参照して、アプリFAXを実行するための処理を説明する。端末装置300は、
T402において、ユーザの操作に応じて、画像の印刷及びファクシミリ送信を実行する
ための印刷FAXアプリを起動する。端末装置300は、印刷FAXアプリに従って、フ
ァクシミリ送信の対象の画像とFAX番号を選択するための選択画面を表示する。
【0078】
T404では、端末装置300は、選択画面において画像とFAX番号の選択を受け付
ける。T500では、端末装置300は、選択済みの画像に対応する画像データと、選択
済みのFAX番号と、端末ID「t01」と、を含むHTTPコマンドをAPPサーバ1
00に送信する。
【0079】
APPサーバ100は、T500において、HTTPコマンドを受信すると、デバイス
テーブル142からHTTPコマンドに含まれる端末ID「t01」に関連付けて記憶さ
れているUID「u01」及び管理ID「a01」を特定する。T502~T534は、
図5のT202~T234と同様である。
【0080】
このような構成によれば、XMPPサーバ10は、端末装置300から画像データを含
むHTTPコマンドを受信すると、XMPPセッションを利用して、FAXURL「ht
tp://app.com/fi1」をMFP200に送信する(T514)。本実施例
でも、サーバプッシュ型の通信を実行するためのXMPPセッションを利用することによ
って、XMPPサーバ10は、XMPPサーバ10とMFP200との間のファイヤウォ
ールに遮断されることなく、FAXURL「http://app.com/fi1」を
MFP200に送信することができる。
【0081】
(対応関係)
図7のT500のHTTPコマンドに含まれる画像データが、「第1の画像データ」の
一例である。
【0082】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を
限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には以上に例示した具体例を様々に
変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0083】
(変形例1)「機能実行装置」は、MFP200に限らず、ファクシミリ機能のみを実行
可能なファクシミリ装置であってもよい。
【0084】
(変形例2)上記の第1実施例では、APPサーバ100は、FAXメールアドレスMA
1と印刷メールアドレスMA2を生成する(
図3のT12)。これに代えて、APPサー
バ100は、FAXメールアドレスMA1のみを生成してもよい。本変形例では、「第2
のメールアドレス」を省略可能である。別の変形例では、APPサーバ100は、メール
FAXとメール印刷とで共通する1個のメールアドレスを生成してもよい。この場合、A
PPサーバ100は、当該メールアドレスとFAX番号とを含む電子メールを受信する場
合に、メールFAXを実行すべきと判断し、当該メールアドレスを含み、FAX番号を含
まない電子メールを受信する場合に、メール印刷を実行すべきと判断してもよい。一般的
に言えば、「第1のメールアドレス」と「第2のメールアドレス」が同じであってもよい
。
【0085】
(変形例3)上記の各実施例では、APPサーバ100は、ホワイトリスト146を記憶
する。これに代えて、APPサーバ100は、ブラックリストを記憶していてもよい。こ
の場合、例えば、APPサーバ100は、
図3のT81において、ブラックリストがAP
Pサーバ100に登録されているのか否かを判断してもよい。また、例えば、APPサー
バ100は、
図5のT201において、送信元メールアドレスがブラックリストに含まれ
るのか否かを判断してもよい。そして、APPサーバ100は、送信元メールアドレスが
ブラックリストに含まれないと判断する場合に、T202以降の処理を実行してもよい。
本変形例では、ブラックリストが、「判断リスト」の一例である。
【0086】
(変形例4)上記の各実施例では、XMPPサーバ10は、XMPPセッションを利用し
て、FAXURLをMFP200に送信する(
図5のT214、
図6のT514)。これ
に代えて、XMPPサーバ10は、FAXURLを暗号化した情報をMFP200に送信
してもよい。本変形例では、FAXURLを暗号化した情報が、「ファクシミリ要求情報
」の一例である。
【0087】
(変形例5)
図6の処理は、実行されなくてもよい。本変形例では、「第2の受信部」と
「第2の要求情報送信部」を省略可能である。
【0088】
(変形例6)上記の各実施例では、APPサーバ100は、MFP200から登録要求が
受信される場合に、メールアドレスMA1、MA2をAPPサーバ100に登録する(図
3のT20)。これに代えて、メールアドレスMA1、MA2は、APPサーバ100に
予め登録されていてもよい。本変形例では、「登録要求」を省略可能である。
【0089】
(変形例7)
図3のT81の処理は、実行されなくてもよい。本変形例では、「第1の判
断部」を省略可能である。
【0090】
(変形例8)上記の各実施例では、通信システム2は、XMPPサーバ10とAPPサー
バ100とを備える。これに代えて、通信システム2は、1個の特定のサーバを備えてい
てもよい。この場合、特定のサーバは、MFP200とのXMPPセッションを確立する
。そして、特定のサーバは、端末装置300から電子メールEM1を受信する場合に、X
MPPセッションを利用して、電子メールEM1に含まれる画像データに対応するFAX
情報FI1のFAXURLをMFP200に送信してもよい。本変形例では、特定のサー
バが「サーバ」の一例である。そして、「第1のサーバ」、「第2のサーバ」、「関連情
報」を省略可能である。
【0091】
(変形例9)
図5のT201のホワイトリストの判断は、実行されなくてもよい。本変形
例では、「第2の判断部」を省略可能である。別の変形例では、メールFAXにおいてホ
ワイトリストの判断(T201)が実行され、メール印刷においてホワイトリストの判断
(
図6のT301)が実行されなくてもよい。ファクシミリ送信では、情報が外部に送信
される。一方、メール印刷では、情報が紙媒体に印刷されるので、情報が外部に知られる
可能性が低い。このため、ホワイトリストの判断の必要性は、メール印刷と比べて、メー
ルFAXの方が高い。
【0092】
(変形例10)上記の各実施例では、
図3~
図7の各処理がソフトウェア(例えばプログ
ラム40、140、240)によって実現されるが、これらの各処理のうちの少なくとも
1つが論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0093】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
以下、本明細書で開示する技術の特徴を列挙する。
(項目1)
サーバであって、
インターネットを介して、サーバプッシュ型の通信を実行するためのセッションを機能実行装置と確立する確立部であって、前記機能実行装置は、少なくともファクシミリ送信機能を実行可能である、前記確立部と、
端末装置から、前記インターネットを介して、第1の画像データを受信する第1の受信部と、
前記端末装置から前記第1の画像データが受信される場合に、前記インターネットを介して、前記セッションを利用して、前記第1の画像データに対応する画像のファクシミリ送信を要求するためのファクシミリ要求情報を前記機能実行装置に送信する第1の要求情報送信部と、
を備える、サーバ。
(項目2)
前記第1の受信部は、前記端末装置から、前記インターネットを介して、前記サーバのドメイン名を含む第1のメールアドレスを送信先アドレスとして含む第1の電子メールを受信することによって、前記第1の電子メールに含まれている前記第1の画像データを受信する、項目1に記載のサーバ。
(項目3)
前記サーバは、さらに、
前記端末装置から、前記インターネットを介して、前記第1のメールアドレスとは異なる第2のメールアドレスであって、前記サーバの前記ドメイン名を含む前記第2のメールアドレスを送信先アドレスとして含む第2の電子メールを受信することによって、前記第2の電子メールに含まれている第2の画像データを受信する第2の受信部と、
前記端末装置から前記第2の電子メールが受信される場合に、前記インターネットを介して、前記セッションを利用して、前記第2の画像データに対応する画像の印刷を要求する印刷要求情報を前記機能実行装置に送信する第2の要求情報送信部と、を備える、項目2に記載のサーバ。
(項目4)
前記サーバは、さらに、
メモリと、
前記インターネットを介して、前記機能実行装置から登録要求を受信する場合に、前記第1のメールアドレスを前記メモリに登録する登録部と、を備え、
前記確立部は、前記第1のメールアドレスが前記メモリに登録された後に、前記機能実行装置との前記セッションを確立する、
項目2又は3に記載のサーバ。
(項目5)
前記サーバは、さらに、
前記第1のメールアドレスが前記メモリに登録される場合に、送信元が有効であるのか否かを判断するための判断リストが前記メモリに登録されているのか否かを判断する第1の判断部と、
前記判断リストが前記メモリに登録されていると判断される場合に、前記インターネットを介して、前記第1のメールアドレスを出力するための出力情報を前記機能実行装置に送信する出力情報送信部であって、前記判断リストが前記メモリに登録されていないと判断される場合に、前記出力情報は前記機能実行装置に送信されない、前記出力情報送信部と、
前記端末装置から前記第1の電子メールが受信される場合に、前記判断リストを利用して、前記第1の電子メールの送信元が有効であるのか否かを判断する第2の判断部と、を備え、
前記第1の要求情報送信部は、前記第1の電子メールの前記送信元が有効であると判断される場合に、前記ファクシミリ要求情報を前記機能実行装置に送信し、
前記第1の電子メールの前記送信元が有効でないと判断される場合に、前記ファクシミリ要求情報は前記機能実行装置に送信されない、項目4に記載のサーバ。
(項目6)
前記第1の受信部は、前記端末装置から、前記インターネットを介して、Hypertext Transfer Protocolに従ったコマンドを受信することによって、前記コマンドに含まれる前記第1の画像データを受信する、項目1に記載の第1のサーバ。
(項目7)
前記サーバは、
第1のサーバと、
第2のサーバと、を備え、
前記第1のサーバは、前記確立部を備え、
前記第2のサーバは、
前記第1の受信部と、
前記端末装置から前記第1の画像データが受信される場合に、前記第1の画像データに関連する関連情報を前記第1のサーバに送信する関連情報送信部と、
を備え、
前記第1のサーバは、前記第1の要求情報送信部を備え、
前記第1の要求情報送信部は、前記第2のサーバから前記関連情報が受信される場合に、前記インターネットを介して、前記セッションを利用して、前記関連情報に対応する前記ファクシミリ要求情報を前記機能実行装置に送信し、
前記第2のサーバは、さらに、
前記ファクシミリ要求情報が前記機能実行装置に送信された後に、前記機能実行装置から前記ファクシミリ要求情報に対応する前記関連情報を受信する関連情報受信部と、
前記機能実行装置から前記関連情報が受信される場合に、前記関連情報に関連する前記第1の画像データを用いて得られるファクシミリ情報を前記機能実行装置に送信するファクシミリ情報送信部と、
を備える、項目1から6のいずれか一項に記載のサーバ。
(項目8)
前記サーバは、さらに、
送信元が有効であるのか否かを判断するための判断リストを記憶するためのメモリと、
前記端末装置から前記第1の画像データが受信される場合に、前記判断リストを利用して、前記第1の画像データの送信元が有効であるのか否かを判断する第2の判断部と、
を備え、
前記第1の要求情報送信部は、前記第1の画像データの前記送信元が有効であると判断される場合に、前記ファクシミリ要求情報を前記機能実行装置に送信し、
前記第1の画像データの前記送信元が有効でないと判断される場合に、前記ファクシミリ要求情報は前記機能実行装置に送信されない、項目1から7のいずれか一項に記載のサーバ。
(項目9)
前記セッションは、EXtensible Messaging and Presence Protocolに従う、項目1から8のいずれか一項に記載のサーバ。
(項目10)
サーバのためのコンピュータプログラムであって、
前記コンピュータプログラムは、前記サーバのコンピュータを、以下の各部、即ち、
インターネットを介して、サーバプッシュ型の通信を実行するためのセッションを機能実行装置と確立する確立部であって、前記機能実行装置は、少なくともファクシミリ送信機能を実行可能である、前記確立部と、
端末装置から、前記インターネットを介して、第1の画像データを受信する第1の受信部と、
前記端末装置から前記第1の画像データが受信される場合に、前記インターネットを介して、前記セッションを利用して、前記第1の画像データに対応する画像のファクシミリ送信を要求するためのファクシミリ要求情報を前記機能実行装置に送信する第1の要求情報送信部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
【符号の説明】
【0094】
2:通信システム、8:インターネット、10:XMPPサーバ、16:ネットワークI
/F、30:制御部、32:CPU、34:メモリ、40:プログラム、42:管理テー
ブル、100:APPサーバ、116:ネットワークI/F、130:制御部、132:
CPU、134:メモリ、140:プログラム、142:デバイステーブル、146:ホ
ワイトリスト、200:MFP、214:表示部、218:印刷実行部、220:PST
NI/F、230:制御部、232:CPU、234:メモリ、240:プログラム、3
00:端末装置、AT:アクセストークン、C:PINコード、EM1、EM2:電子メ
ール、FI1:FAX情報、MA1:FAXメールアドレス、MA2:印刷メールアドレ
ス、MI:モデル情報、PD1、PD2:印刷データ、QC:QRコード