(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】結束設備
(51)【国際特許分類】
B21F 15/06 20060101AFI20240820BHJP
E04G 21/12 20060101ALI20240820BHJP
B25B 25/00 20060101ALI20240820BHJP
B65B 13/18 20060101ALI20240820BHJP
B65B 27/10 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
B21F15/06
E04G21/12 105E
B25B25/00 A
B65B13/18 A
B65B27/10
(21)【出願番号】P 2020168578
(22)【出願日】2020-10-05
【審査請求日】2023-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000006301
【氏名又は名称】マックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】110001209
【氏名又は名称】特許業務法人山口国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新藤 茂輝
(72)【発明者】
【氏名】荒井 健一
(72)【発明者】
【氏名】濱野 晃史
【審査官】石田 宏之
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第00/036249(WO,A1)
【文献】特開2018-109299(JP,A)
【文献】特開2020-147298(JP,A)
【文献】中国実用新案第2652552(CN,Y)
【文献】特許第7459454(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21F 15/06
E04G 21/12
B25B 25/00
B65B 13/18
B65B 27/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
結束対象物をワイヤで結束する結束機構と、
ワイヤが巻かれたリールが収容されるリール収容部と、
前記リール収容部に収容された前記リールからワイヤを前記結束機構に送るワイヤ送り機構とを備え、
前記結束機構を結束対象物の配設面に対して交差する方向に移動可能とするため、前記結束機構は、前記リール収容部に対して移動可能であり、
前記結束機構は、ワイヤを第1の方向に送り、結束対象物の周囲に巻き回し、結束対象物の周囲に巻き回されたワイヤを第1の方向と逆の第2の方向に送り、結束対象物に巻き付けるワイヤ送り部と、前記ワイヤ送り部に送られるワイヤをガイドし、前記ワイヤ送り部からワイヤが外れることを抑制するワイヤガイドを備え
、
前記ワイヤ送り部は、回転動作でワイヤを送る一対の送り部材を備え、
前記ワイヤガイドは、前記送り部材の回転の軸方向に沿ったワイヤの位置を規制するワイヤ位置規制部を備え、
前記ワイヤ位置規制部は、ワイヤの径方向の向きを規制する形状を有し、前記ワイヤ送り部と対向する開口で構成される
結束設備。
【請求項2】
結束対象物をワイヤで結束する結束機構と、
ワイヤが巻かれたリールが収容されるリール収容部と、
前記リール収容部に収容された前記リールからワイヤを前記結束機構に送るワイヤ送り機構とを備え、
前記結束機構を結束対象物の配設面に対して交差する方向に移動可能とするため、前記結束機構は、前記ワイヤ送り機構に対して移動可能であり、
前記結束機構は、ワイヤを第1の方向に送り、結束対象物の周囲に巻き回し、結束対象物の周囲に巻き回されたワイヤを第1の方向と逆の第2の方向に送り、結束対象物に巻き付けるワイヤ送り部と、前記ワイヤ送り部に送られるワイヤをガイドし、前記ワイヤ送り部からワイヤが外れることを抑制するワイヤガイドを備え、
前記ワイヤ送り部は、回転動作でワイヤを送る一対の送り部材を備え、
前記ワイヤガイドは、前記送り部材の回転の軸方向に沿ったワイヤの位置を規制するワイヤ位置規制部を備え
、
前記ワイヤ位置規制部は、ワイヤの径方向の向きを規制する形状を有し、前記ワイヤ送り部と対向する開口で構成される
結束設備。
【請求項3】
前記ワイヤガイドは、前記ワイヤ送り機構から前記ワイヤ送り部に送られるワイヤの送り方向に対して、前記ワイヤ送り機構から送られるワイヤが導入される上流側の開口が、下流側の開口に比べて開口面積が大きく構成される
請求項2に記載の結束設備。
【請求項4】
前記ワイヤガイドは、前記下流側の
前記開口で前記ワイヤ位置規制部が構成される
請求項3に記載の結束設備。
【請求項5】
前記ワイヤガイドは、前記ワイヤ送り機構から送られるワイヤの導入側の開口面積を最も大きくし、そこから徐々に開口面積が小さくなる
請求項1~請求項4の何れか1項に記載の結束設備。
【請求項6】
前記結束機構は、結束対象物を複数本のワイヤで結束し、
前記ワイヤ送り部は、径方向に並列した複数本のワイヤを送り、
前記ワイヤガイドは、前記ワイヤ送り部と対向する前記開口が、前記ワイヤ送り機構から送られるワイヤの送り方向に対して下流側に設けられ、複数本のワイヤの径方向の向きを規制する
請求項1~請求項5の何れか1項に記載の結束設備。
【請求項7】
前記結束機構は、結束対象物を
2本のワイヤで結束し、
前記ワイヤ送り部は、径方向に並列した
2本のワイヤを送り、
前記ワイヤ送り部と対向する前記開口は、2本のワイヤが並列する方向に沿った長手方向の長さが、ワイヤ2本分の径の長さ以上、長手方向と直交した短手方向の長さが、ワイヤ1本分の径の長さ以上である
請求項1~請求項6の何れか1項に記載の結束設備。
【請求項8】
前記開口は、長円形または長方形で構成される
請求項7に記載の結束設備。
【請求項9】
前記ワイヤ送り機構は、前記結束機構と前記リール収容部に収容された前記リールとの間でワイヤを送る
請求項2に記載の結束設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
鉄筋等の結束対象物をワイヤで結束する結束設備に関する。
【背景技術】
【0002】
コンクリート建造物には強度を向上させるために鉄筋が使用されており、コンクリート打設時に鉄筋が所定の位置からずれないように、ワイヤで結束している。
【0003】
従来から、2本以上の鉄筋にワイヤを巻き、鉄筋に巻いたワイヤを捩じって当該2本以上の鉄筋をワイヤで結束する作業者が手で持って使用する鉄筋結束機と称す結束機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、鉄筋結束機を設置して使用する結束設備に適用した技術が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平8-34405号公報
【文献】特開2013-35052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
鉄筋結束機を使用した設備機器では、結束対象の鉄筋に対して鉄筋結束機が上下方向への移動等により結束可能位置に移動し、また、結束可能位置から退避する。このような鉄筋結束機の移動に対し、鉄筋結束機に設けたワイヤ送り部に対してワイヤを誘導できるようにする必要がある。
【0007】
本発明は、このような課題を解決するためなされたもので、鉄筋結束機等の結束機構にワイヤを誘導することができる結束設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するため、本発明は、結束対象物をワイヤで結束する結束機構と、ワイヤが巻かれたリールが収容されるリール収容部と、リール収容部に収容された前記リールからワイヤを結束機構に送るワイヤ送り機構とを備え、結束機構を結束対象物の配設面に対して交差する方向に移動可能とするため、結束機構は、リール収容部に対して移動可能であり、結束機構は、ワイヤを第1の方向に送り、結束対象物の周囲に巻き回し、結束対象物の周囲に巻き回されたワイヤを第1の方向と逆の第2の方向に送り、結束対象物に巻き付けるワイヤ送り部と、ワイヤ送り部に送られるワイヤをガイドし、ワイヤ送り部からワイヤが外れることを抑制するワイヤガイドを備え、ワイヤ送り部は、回転動作でワイヤを送る一対の送り部材を備え、ワイヤガイドは、送り部材の回転の軸方向に沿ったワイヤの位置を規制するワイヤ位置規制部を備え、ワイヤ位置規制部は、ワイヤの径方向の向きを規制する形状を有し、ワイヤ送り部と対向する開口で構成される結束設備である。
また、本発明は、結束対象物をワイヤで結束する結束機構と、ワイヤが巻かれたリールが収容されるリール収容部と、リール収容部に収容された前記リールからワイヤを結束機構に送るワイヤ送り機構とを備え、結束機構を結束対象物の配設面に対して交差する方向に移動可能とするため、結束機構は、ワイヤ送り機構に対して移動可能であり、結束機構は、ワイヤを第1の方向に送り、結束対象物の周囲に巻き回し、結束対象物の周囲に巻き回されたワイヤを第1の方向と逆の第2の方向に送り、結束対象物に巻き付けるワイヤ送り部と、ワイヤ送り部に送られるワイヤをガイドし、ワイヤ送り部からワイヤが外れることを抑制するワイヤガイドを備え、ワイヤ送り部は、回転動作でワイヤを送る一対の送り部材を備え、ワイヤガイドは、送り部材の回転の軸方向に沿ったワイヤの位置を規制するワイヤ位置規制部を備え、ワイヤ位置規制部は、ワイヤの径方向の向きを規制する形状を有し、ワイヤ送り部と対向する開口で構成される結束設備である。
【0009】
本発明では、ワイヤ送り部に送られるワイヤをガイドするワイヤガイドは、ワイヤ送り部からワイヤが外れることを抑制する。
【発明の効果】
【0010】
本発明では、ワイヤ送り機構に対して結束機構が移動しても、ワイヤ送り部からワイヤが外れることを抑制され、ワイヤをワイヤ送り部に誘導することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1A】第1の実施の形態の結束設備の一例を示す側面図である。
【
図1B】第1の実施の形態の結束設備の一例を示す斜視図である。
【
図1C】第1の実施の形態の結束設備の一例を示す要部側面図である。
【
図2】第1の実施の形態の鉄筋結束機の一例を示す側面図である。
【
図3B】ワイヤ送り部及びワイヤガイドの一例を示す斜視図である。
【
図3C】ワイヤ送り部及びワイヤガイドの一例を示す側断面図である。
【
図3D】ワイヤ送り部及びワイヤガイドの一例を示す平面断面図である。
【
図4】結束設備の制御機能の一例を示すブロック図である。
【
図5】結束設備において鉄筋結束機で鉄筋を結束する動作の一例を示すフローチャートである。
【
図6A】結束設備において鉄筋結束機で鉄筋を結束する動作の一例を示す動作説明図である。
【
図6B】結束設備において鉄筋結束機で鉄筋を結束する動作の一例を示す動作説明図である。
【
図7】ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示すフローチャートである。
【
図8A】ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図である。
【
図8B】ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図である。
【
図8C】ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図である。
【
図8D】ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図である。
【
図8E】ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図である。
【
図8F】ワイヤガイドでワイヤをガイドする動作を示す要部側面図である。
【
図9A】第2の実施の形態の結束設備の一例を示す斜視図である。
【
図9B】第2の実施の形態の結束設備の一例を示す要部側面図である。
【
図10A】ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図である。
【
図10B】ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図である。
【
図10C】ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図である。
【
図10D】ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図である。
【
図10E】ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図である。
【
図11A】第3の実施の形態の結束設備の一例を示す側面図である。
【
図11B】第3の実施の形態の結束設備の一例を示す斜視図である。
【
図11C】第3の実施の形態の結束設備の一例を示す要部側面図である。
【
図12】ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示すフローチャートである。
【
図13A】ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図である。
【
図13B】ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図である。
【
図13C】ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図である。
【
図13D】ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図である。
【
図13E】ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図である。
【
図13F】ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図である。
【
図14】第4の実施の形態の結束設備の一例を示す要部側面図である。
【
図15A】ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図である。
【
図15B】ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図である。
【
図15C】ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図である。
【
図15D】ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図である。
【
図15E】ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図である。
【
図15F】ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図である。
【
図16】第5の実施の形態の結束設備の一例を示す要部側面図である。
【
図17A】ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図である。
【
図17B】ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図である。
【
図17C】ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図である。
【
図17D】ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図である。
【
図17E】ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図である。
【
図17F】ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図である。
【
図17G】ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図である。
【
図18A】第6の実施の形態の結束設備の一例を示す側面図である。
【
図18B】第6の実施の形態の結束設備の一例を示す斜視図である。
【
図18C】ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図である。
【
図18D】ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図である。
【
図18E】ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図である。
【
図18F】ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図である。
【
図18G】ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図である。
【
図19】結束設備の制御機能の一例を示すブロック図である。
【
図20】ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示すフローチャートである。
【
図21A】ワイヤ送り部及びワイヤガイドの変形例を示す平面断面図である。
【
図21B】ワイヤガイドの一例を示す斜視図である。
【
図22A】各実施の形態の結束設備の他の変形例を示す斜視図である。
【
図22B】各実施の形態の結束設備の他の変形例を示す斜視図である。
【
図22C】各実施の形態の結束設備の他の変形例を示す斜視図である。
【
図23】各実施の形態の結束設備の更に他の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の結束設備、ワイヤを送るワイヤ送り機構の実施の形態について説明する。
【0013】
<第1の実施の形態の結束設備の構成例>
図1Aは、第1の実施の形態の結束設備の一例を示す側面図、
図1Bは、第1の実施の形態の結束設備の一例を示す斜視図、
図1Cは、第1の実施の形態の結束設備の一例を示す要部側面図である。
【0014】
第1の実施の形態の結束設備100Aは、結束対象物である鉄筋SをワイヤWで結束する鉄筋結束機1Aと、鉄筋結束機1AにワイヤWを送るワイヤ送り機構2Aを備える。鉄筋結束機1Aは、鉄筋Sの配設面SFに対して交差する方向である上下方向に移動(昇降)可能とするため、昇降機構111Aに取り付けられてベース部112Aに支持される。これにより、鉄筋結束機1Aは、ベース部112Aに支持されたワイヤ送り機構2Aに対して移動可能に構成される。
【0015】
図2は、第1の実施の形態の鉄筋結束機の一例を示す側面図である。鉄筋結束機1Aは結束機構の一例で、ワイヤWを矢印Fで示す正方向に送り、交差した2本の鉄筋Sの周囲に巻き回し、鉄筋Sの周囲に巻き回されたワイヤWを、矢印Rで示す逆方向に送って鉄筋Sに巻き付けた後、ワイヤWを捩じり、鉄筋SをワイヤWで結束する。
【0016】
鉄筋結束機1Aは、上述した機能を実現するため、ワイヤWを正方向及び逆方向に送るワイヤ送り部3Aと、ワイヤ送り部3Aに送られるワイヤWをガイドするワイヤガイド4Aを備える。また、鉄筋結束機1Aは、ワイヤ送り部3Aで送られるワイヤWを鉄筋Sの周囲に巻き回す経路を構成するカール形成部5Aと、鉄筋Sに巻き付けられたワイヤWを切断する切断部6Aを備える。更に、鉄筋結束機1Aは、鉄筋Sに巻き付けられたワイヤWを捩じる結束部7Aと、結束部7Aを駆動する駆動部8Aを備える。
【0017】
ワイヤ送り部3Aは、1本または並列された複数本のワイヤWを挟持して送る送り部材としての一対の送りギア30(第1の送りギア30L、第2の送りギア30R)を備える。ワイヤ送り部3Aは、後述する送りモータの回転動作が伝達されて送りギア30が回転する。これにより、ワイヤ送り部3Aは、一対の送りギア30の間に挟持したワイヤWを、ワイヤWの延在方向に沿って送る。複数本、例えば2本のワイヤWを送る構成では、2本のワイヤWが並列された状態で送られる。
【0018】
ワイヤガイド4Aは、ワイヤWを正方向に送る送り方向に対して、ワイヤ送り部3Aの上流側の所定の位置に設けられる。ワイヤガイド4Aは、2本のワイヤWを送る構成では、2本のワイヤWの径方向の向きを規制し、進入してきた2本のワイヤWを並列にして、一対の送りギア30(第1の送りギア30Lと第2の送りギア30R)の間にガイドする。
【0019】
ワイヤガイド4Aは、正方向に送られるワイヤWの送り方向に対して下流側の開口が、ワイヤWの径方向の向きを規制するような形状を有する。これに対し、正方向に送られるワイヤWの送り方向に対して上流側の開口が、下流側の開口に比べて開口面積が大きくなっている。例えば、ワイヤガイド4Aは、
図1A~
図1Cに示すワイヤ送り機構2Aから送られるワイヤWの導入側の開口面積を最も大きくし、そこから徐々に開口面積が小さくなるようなテーパ状の開口で構成される。これにより、鉄筋結束機1Aの高さや向きが変化しても、ワイヤ送り機構2Aにより送られるワイヤWを、一対の送りギア30の間にガイドできる。
【0020】
カール形成部5Aは、ワイヤ送り部30で送られるワイヤWに巻き癖をつけるカールガイド50と、カールガイド50で巻き癖を付けられたワイヤWを結束部7Aに誘導する誘導ガイド51を備える。鉄筋結束機1Aでは、ワイヤ送り部3Aで送られるワイヤWの送り経路がカール形成部5Aで規制されることで、ワイヤWの軌跡が
図2に破線で示すようなループRuとなり、ワイヤWが鉄筋Sの周囲に巻き回される。
【0021】
カール形成部5Aは、正方向に送られるワイヤWをガイドし、ワイヤWに巻き癖をつけるガイド部材53a、53bを備える。ガイド部材53aは、カールガイド50においてワイヤ送り部3Aで送られるワイヤWの導入部側に設けられ、ワイヤWにより形成されるループRuの径方向の内側に配置される。ガイド部材53bは、カールガイド50においてワイヤ送り部3Aで送られるワイヤWの排出部側に設けられ、ワイヤWにより形成されるループRuの径方向の外側に配置される。
【0022】
カール形成部5Aは、ガイド部材53aを退避させるガイド部材移動機構54Aを備える。ガイド部材移動機構54Aは、ワイヤWが鉄筋Sに巻き回された後、結束部7Aの動作と連動して、ガイド部材53aを退避させる。
【0023】
切断部6Aは、固定刃部60と、固定刃部60との協働でワイヤWを切断する可動刃部61と、結束部7Aの動作を可動刃部61に伝達する伝達機構62を備える。切断部6Aは、固定刃部60を支点軸とした可動刃部61の回転動作でワイヤWを切断する。伝達機構62は、結束部7Aの動作を、移動部材83を介して可動刃部61に伝達し、結束部7Aの動作と連動して可動刃部61を回転させ、ワイヤWを切断する。
【0024】
結束部7Aは、ワイヤWが係止されるワイヤ係止体70を備える。結束部7Aの詳細な構成は後述する。駆動部8Aは、モータ80と、減速及びトルクの増幅を行う減速機81を備える。
【0025】
鉄筋結束機1Aは、作業者が手に持って使用する形態のものを適用する場合、本体部10Aとハンドル部11Aを備え、ハンドル部11Aにバッテリ15Aが着脱可能に取り付けられる。
【0026】
図3Aは、ワイヤ送り部の一例を示す斜視図であり、次に、各図を参照して、ワイヤ送り部3Aの構成について説明する。
【0027】
一対の送りギア30の一方を構成する第1の送りギア30Lは、駆動力の伝達を行う歯部31Lを備える。歯部31Lは、本例では平歯車を構成する形状で、第1の送りギア30Lの外周の全周に形成される。また、第1の送りギア30Lは、ワイヤWが入る溝部32Lを備える。溝部32Lは、本例では断面形状が略V字形状の凹部で構成され、第1の送りギア30Lの外周の全周に、円周方向に沿って形成される。
【0028】
一対の送りギア30の他方を構成する第2の送りギア30Rは、駆動力の伝達を行う歯部31Rを備える。歯部31Rは、本例では平歯車を構成する形状で、第2の送りギア30Rの外周の全周に形成される。また、第2の送りギア30Rは、ワイヤWが入る溝部32Rを備える。溝部32Rは、本例では断面形状が略V字形状の凹部で構成され、第2の送りギア30Rの外周の全周に、円周方向に沿って形成される。
【0029】
ワイヤ送り部3Aは、第1の送りギア30Lの溝部32Lと第2の送りギア30Rの溝部32Rを対向させて、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rが、ワイヤWの送り経路を挟んで設けられる。
【0030】
ワイヤ送り部3Aは、第1の送りギア30Lの溝部32Lと第2の送りギア30Rの溝部32Rとの間にワイヤWを挟持した状態で、第1の送りギア30Lの歯部31Lと第2の送りギア30Rの歯部31Rが噛み合う。これにより、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rとの間で回転による駆動力が伝達される。
【0031】
ワイヤ送り部3Aは、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rの一方、本例では第1の送りギア30Lを駆動する送りモータ33と、送りモータ33の駆動力を第1の送りギア30Lに伝達する駆動力伝達機構34を備える。
【0032】
駆動力伝達機構34は、送りモータ33の軸に取り付けられた小ギア33aと、小ギア33aとかみ合う大ギア33bを備える。また、駆動力伝達機構34は、大ギア33bから駆動力が伝達され、第1の送りギア30Lとかみ合う送り小ギア34aを備える。小ギア33a、大ギア33b及び送り小ギア34aは、それぞれ平歯車で構成される。
【0033】
第1の送りギア30Lは、送りモータ33の回転動作が駆動力伝達機構34を介して伝達されて回転する。第2の送りギア30Rは、第1の送りギア30Lの回転動作が歯部31Lと歯部31Rとの噛み合いにより伝達され、第1の送りギア30Lに従動して回転する。
【0034】
これにより、ワイヤ送り部3Aは、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rとの間に挟持したワイヤWを、ワイヤWの延在方向に沿って送る。2本のワイヤWを送る構成では、第1の送りギア30Lの溝部32Lと一方のワイヤWとの間に生じる摩擦力、第2の送りギア30Rの溝部32Rと他方のワイヤWとの間に生じる摩擦力、及び、一方のワイヤWと他方のワイヤWとの間に生じる摩擦力により、2本のワイヤWが並列された状態で送られる。
【0035】
ワイヤ送り部3Aは、送りモータ33の回転方向の正逆を切り替えることで、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rの回転方向が切り替えられ、ワイヤWの送り方向の正逆が切り替えられる。
【0036】
ワイヤ送り部3Aは、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rとの間にワイヤWを挟持するため、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rが互いに近づくに押圧される構成を備える。すなわち、ワイヤ送り部3Aは、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rとの間にワイヤWを挟持すると共に、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rとの間にワイヤWを装填できるようにするため、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rが互いに離接する方向に変位可能に構成される。本例では、送りモータ33の駆動力を第1の送りギア30Lから受け、送りモータ33の駆動力が直接伝達されない第2の送りギア30Rを、第1の送りギア30Lに対して変位させる。
【0037】
そこで、ワイヤ送り部3Aは、第2の送りギア30Rを第1の送りギア30Lに対して接近及び離間させる方向に変位させる第1の変位部材36を備える。また、第1の変位部材36を変位させる第2の変位部材37を備える。第1の変位部材36及び第2の変位部材37は、一対の送りギア30の一方または両方を、互いが接近及び離間する方向に変位させる。本例では、上述したように、第2の送りギア30Rを第1の送りギア30Lに対して接近及び離間させる方向に変位させる。
【0038】
第1の変位部材36は、一方の端部側に第2の送りギア30Rが軸300Rにより回転可能に支持される。また、第1の変位部材36は、ワイヤ送り部3Aの支持部材301に、他方の端部が軸36aを支点として回転可能に支持される。
【0039】
第1の変位部材36は、回転動作の支点となる軸36aが、第2の送りギア30Rの軸300Rと平行な向きである。これにより、第1の変位部材36は、軸36aを支点とした回転動作により変位し、第2の送りギア30Rを第1の送りギア30Lに対して離接させる。
【0040】
第1の変位部材36は、第2の変位部材37から押圧される被押圧部36bを一方の端部側に備える。被押圧部36bは、第2の送りギア30Rの軸300Rを支持する部位の側方に設けられる。
【0041】
第2の変位部材37は、ワイヤ送り部3Aの支持部材301に、軸37aを支点として回転可能に支持される。また、第2の変位部材37は、軸37aを挟んだ一方の端部側に、第1の変位部材36の被押圧部36bを押圧する押圧部37bを備える。
【0042】
第2の変位部材37は、軸37aを支点とした回転動作により変位し、押圧部37bが第1の変位部材36の被押圧部36bを押圧、及び、押圧部37bによる被押圧部36bの押圧を解除する。
【0043】
ワイヤ送り部3Aは、第2の送りギア30Rを第1の送りギア30Lに押圧するバネ38を備える。バネ38は、例えば圧縮コイルバネで構成され、第2の変位部材37の軸37aを挟んだ他方の端部側を押圧する。
【0044】
第2の変位部材37は、バネ38による押圧により、軸37aを支点とした回転動作で変位し、押圧部37bが第1の変位部材36の被押圧部36bを押圧する。第2の変位部材37の押圧部37bが第1の変位部材36の被押圧部36bを押圧すると、第1の変位部材36は、軸36aを支点とした回転動作で変位する。これにより、第2の送りギア30Rは、バネ38の力で第1の送りギア30L方向に押圧される。
【0045】
第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rとの間にワイヤWが装填されている場合、第1の送りギア30Lの溝部32Lと第2の送りギア30Rの溝部32Rとの間にワイヤWが挟持される。
【0046】
また、第1の送りギア30Lの溝部32Lと第2の送りギア30Rの溝部32Rとの間にワイヤWを挟持した状態で、第1の送りギア30Lの歯部31Lと第2の送りギア30Rの歯部31Rが噛み合う。
【0047】
図3Bは、ワイヤ送り部及びワイヤガイドの一例を示す斜視図、
図3Cは、ワイヤ送り部及びワイヤガイドの一例を示す側断面図、
図3Dは、ワイヤ送り部及びワイヤガイドの一例を示す平面断面図、
図3Eは、ワイヤガイドの一例を示す斜視図で、次に、ワイヤ送り部3AにワイヤWをガイドするワイヤガイド4Aの構成について説明する。
【0048】
ワイヤガイド4Aは、正方向に送られるワイヤWの送り方向に対して上流側の開口40Aが、下流側の開口40Bに比べて開口面積が大きく構成される。ワイヤガイド4Aは、本例では、ワイヤ送り機構2Aから送られるワイヤWの導入側となる上流側の開口40Aの開口面積を最も大きくし、そこから徐々に開口面積が小さくなるようなテーパ状の開口で構成され、テーパ状の斜面でワイヤWをガイドするガイド面42Aが構成される。ワイヤガイド4Aは、上流側の開口40Aが、四角形、円形等で構成される。
【0049】
また、ワイヤガイド4Aは、ワイヤ送り部3Aの一対の送りギア30(第1の送りギア30L、第2の送りギア30R)の回転の軸方向に沿ったワイヤWの位置を規制し、ワイヤWがワイヤ送り部3Aから外れることを抑制するワイヤ位置規制部44Aを備える。ワイヤ位置規制部44Aは、第1の送りギア30Lの溝32L及び第2の送りギア30Rの溝32Rに対し、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rの回転の軸方向に沿った位置を合わせて、ワイヤWが通る開口を設けて構成される。本例では、ワイヤガイド4Aは、正方向に送られるワイヤWの送り方向に対して、ワイヤ送り部3Aの一対の送りギア30(第1の送りギア30Lの溝部32Lと第2の送りギア30R)と対向する下流側の開口41Aでワイヤ位置規制部44Aが構成される。ワイヤ位置規制部44Aは、一対の送りギア30と対向する開口41Aが、ワイヤWの径方向の向きを規制するような形状を有する。2本のワイヤWで鉄筋Sを結束する構成では、ワイヤガイド4Aは、下流側の開口41Aにおいて、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rが対向する方向に沿った長手方向の長さが、ワイヤ2本分の径の長さと同等以上程度、長手方向と直交した短手方向の長さが、ワイヤ1本分の径の長さと同等以上程度である長円形、長方形等で構成される。これにより、ワイヤガイド4Aを通過した2本のワイヤWの径方向の向きが、ワイヤ位置規制部44Aを構成するワイヤガイド4Aの下流側の開口41Aで、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rが対向する方向に沿った向きに誘導される。また、第1の送りギア30L及び第2の送りギア30Rの回転の軸方向に沿ったワイヤWの位置が、ワイヤ位置規制部44Aを構成するワイヤガイド4Aの下流側の開口40Aで規制される。これにより、ワイヤガイド4Aを通過した2本のワイヤWが、第1の送りギア30Lの溝部32L及び第2の送りギア30Rの溝部32Rから、第1の送りギア30L及び第2の送りギア30Rの回転の軸方向に沿って移動して外れることが抑制される。なお、
図3C、
図3Dに示すように、ワイヤガイド4Aは、ワイヤガイド4Aを通過した2本のワイヤWの径方向の向き、及び、第1の送りギア30L及び第2の送りギア30Rの回転の軸方向に沿った位置が規制できれば、ワイヤ送り部3Aの一対の送りギア30と対向する下流側の開口41Aが、端面の面取り等により、下流側の端面に向けて開口面積が大きくなるテーパ状となっていても良い。
【0050】
図3F、
図3Gは、結束部の一例を示す断面平面図であり、次に、各図を参照して、結束部の構成について説明する。
【0051】
結束部7Aは、ワイヤWが係止されるワイヤ係止体70と、ワイヤ係止体70を作動させる回転軸72を備える。結束部7Aと駆動部8Aは、回転軸72とモータ80が減速機81を介して連結され、回転軸72が、減速機81を介してモータ80に駆動される。
【0052】
ワイヤ係止体70は、回転軸72と連結されるセンターフック70Cと、センターフック70Cに対して開閉する第1のサイドフック70R及び第2のサイドフック70Lと、第1のサイドフック70R及び第2のサイドフック70Lを作動させると共に、ワイヤWを所望の形状に成形するスリーブ71とを備える。
【0053】
センターフック70Cは、回転軸72の軸方向に沿った一方の端部である回転軸72の先端に、回転軸72に対して回転可能、かつ、回転軸72と一体的に軸方向への移動が可能な構成を介して連結される。
【0054】
ワイヤ係止体70は、軸71bを支点とした回転動作で、第1のサイドフック70Rの先端側がセンターフック70Cに対して離接する方向に開閉する。また、第2のサイドフック70Lの先端側がセンターフック70Cに対して離接する方向に開閉する。
【0055】
スリーブ71は、回転軸72が挿入される空間の内周面に突出する図示しない凸部を有し、この凸部が、回転軸72の外周に軸方向に沿って形成された送りネジ72aの溝部に入る。スリーブ71は、回転軸72が回転すると、図示しない凸部と回転軸72の送りネジ72aの作用により、回転軸72の軸方向に沿った方向である前後方向へ、回転軸72の回転方向に応じて移動する。また、スリーブ71は、回転軸72と一体的に回転する。
【0056】
スリーブ71は、第1のサイドフック70R及び第2のサイドフック70Lを開閉する開閉ピン71aを備える。
【0057】
開閉ピン71aは、第1のサイドフック70R及び第2のサイドフック70Lに設けられた開閉ガイド孔73に挿入される。開閉ガイド孔73は、スリーブ71の移動方向に沿って延在し、スリーブ71と連動して移動する開閉ピン71aの直線方向の動きを、軸71bを支点とした第1のサイドフック70R及び第2のサイドフック70Lの回転による開閉動作に変換する形状を有する。
【0058】
ワイヤ係止体70は、スリーブ71が矢印A2で示す後方向に移動することで、開閉ピン71aの軌跡と開閉ガイド孔73の形状により、第1のサイドフック70R及び第2のサイドフック70Lが、軸71bを支点とした回転動作でセンターフック70Cから離れる方向に移動する。
【0059】
これにより、第1のサイドフック70R及び第2のサイドフック70Lが、センターフック70Cに対して開き、第1のサイドフック70Rとセンターフック70Cとの間、第2のサイドフック70Lとセンターフック材70Cとの間に、ワイヤWが通る送り経路が形成される。
【0060】
第1のサイドフック70R及び第2のサイドフック70Lが、センターフック70Cに対して開いた状態では、ワイヤ送り部3Aで送られるワイヤWは、センターフック70Cと第1のサイドフック70Rの間を通る。センターフック70Cと第1のサイドフック70Rとの間を通るワイヤWは、カール形成部5Aに誘導される。そして、カール形成部5Aで巻き癖が付けられ、結束部7Aに誘導されたワイヤWは、センターフック70Cと第2のサイドフック70Lの間を通る。
【0061】
ワイヤ係止体70は、スリーブ71が矢印A1で示す前方向に移動することで、開閉ピン71aの軌跡と開閉ガイド孔73の形状により、第1のサイドフック70R及び第2のサイドフック70Lが、軸71bを支点とした回転動作でセンターフック70Cに近づく方向に移動する。これにより、第1のサイドフック70R及び第2のサイドフック70Lが、センターフック70Cに対して閉じる。
【0062】
第1のサイドフック70Rがセンターフック70Cに対して閉じると、第1のサイドフック70Rとセンターフック70Cとの間に挟まれたワイヤWが、第1のサイドフック70Rとセンターフック70Cとの間を移動することが可能な形態で係止される。また、第2のサイドフック70Lがセンターフック70Cに対して閉じると、第2のサイドフック70Lとセンターフック70Cとの間に挟まれたワイヤWが、第2のサイドフック70Lとセンターフック70Cとの間から抜けない形態で係止される。
【0063】
スリーブ71は、ワイヤWの一方の端部である先端側を所定の方向に押して曲げることで、ワイヤWを所定の形状に成形する曲げ部71c1と、切断部6Aで切断されたワイヤWの他方の端部である終端側を所定の方向に押して曲げることで、ワイヤWを所定の形状に成形する曲げ部71c2を備える。
【0064】
スリーブ71は、矢印A1で示す前方向に移動することで、センターフック70Cと第2のサイドフック70Lで係止されたワイヤWの先端側を曲げ部71c1で押して、鉄筋S側へ曲げる。また、スリーブ71は、矢印A1で示す前方向に移動することで、センターフック70Cと第1のサイドフック70Rで係止され、切断部6Aで切断されたワイヤWの終端側を曲げ部71c2で押して、鉄筋S側へ曲げる。
【0065】
結束部7Aは、回転軸72の回転動作と連動したワイヤ係止体70及びスリーブ71の回転を規制する回転規制部74を備える。結束部7Aは。回転軸72の軸方向に位置に沿ったスリーブ71の位置に応じて、回転規制部74が、回転軸72の回転に連動したスリーブ71の回転を規制し、回転軸72の回転動作でスリーブ71が前後方向へ移動する。また、回転規制部74によるスリーブ71の回転の規制が解除されると、回転軸72の回転に連動してスリーブ71が回転する。
【0066】
次に、各図を参照して、ワイヤ送り機構2Aについて説明する。ワイヤ送り機構2Aは、鉄筋結束機1Aとリール20との間でワイヤWを送るワイヤ引き出し機構22と、リール20とワイヤ引き出し機構22との間でワイヤWを誘導する第1のワイヤ誘導部23と、鉄筋結束機1Aとワイヤ引き出し機構22との間でワイヤWを誘導する第2のワイヤ誘導部24とを備える。
【0067】
結束設備100Aは、ワイヤWが巻かれたリール20が収容されるリール収容部21を備える。リール収容部21は、ワイヤWが引き出し可能に巻かれたリール20が回転、着脱可能に収容される。ワイヤWは、塑性変形し得る金属線で構成されたワイヤ、金属線が樹脂で被覆されたワイヤ、あるいは撚り線のワイヤ等が使用される。リール20は、1本のワイヤWが図示しないハブ部に巻かれ、リール20からワイヤWを引き出せるようになっている。
【0068】
リール収容部21は、本例では、鉄筋結束機1Aにおいて2本のワイヤWで鉄筋Sを結束するため、2個のリール20が、回転の軸を鉛直方向に対して横向きとして、軸方向に沿って並べて収容される。リール収容部21は、ベース部112Aに支持されたワイヤ送り機構2Aと独立した構成で、ベース部112Aに昇降機構111Aで支持された鉄筋結束機1Aは、リール収容部21に対して移動可能に構成される。
【0069】
ワイヤ送り機構2Aのワイヤ引き出し機構22は、第1のワイヤ誘導部23と第2のワイヤ誘導部24との間においてワイヤWを引っ張る引き出しローラ22aと、引き出しローラ22aの位置を、第1のワイヤ誘導部23と第2のワイヤ誘導部24との間のワイヤWに対して交差する方向に移動させる駆動部22bを備える。引き出しローラ22aは、第1のワイヤ誘導部23と第2のワイヤ誘導部24との間でワイヤWと接し、待機位置である第1の位置としての上限位置P1と、ワイヤWを引っ張る第2の位置としての下限位置P2との間を、第1のワイヤ誘導部23と第2のワイヤ誘導部24との間のワイヤWに対して交差する方向に移動する。
【0070】
これにより、ワイヤ引き出し機構22は、引き出しローラ22aが上限位置から下限位置に移動することで、リール20と第1のワイヤ誘導部23との間のワイヤWと、鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間のワイヤWを、第1のワイヤ誘導部23と第2のワイヤ誘導部24との間に引っ張る力を加える。
【0071】
第1のワイヤ誘導部23は、リール収容部21に収容されたリール20から鉄筋結束機1Aへ送られるワイヤWの送り方向に対して、ワイヤ引き出し機構22の上流側にワイヤ誘導部材の一例としてローラ23a、23b、23cを備える。第1のワイヤ誘導部23は、リール収容部21に収容されたリール20から引き出されたワイヤWが送られる経路をローラ23bでローラ23a方向に誘導し、ローラ23aで第2のワイヤ誘導部24方向に誘導する。なお、ローラ23a、23b、23cは、2本のワイヤWに対応してそれぞれ独立した構成であるが、2本のワイヤWを共通のローラ23a、23b、23cで誘導しても良い。また、2本のワイヤWを1本のローラで誘導しても良い。
【0072】
第2のワイヤ誘導部24は、ワイヤ引き出し機構22の下流側にワイヤ誘導部材の一例としてローラ24aを備える。第2のワイヤ誘導部24は、ワイヤWが送られる経路をローラ24aで鉄筋結束機1A方向に誘導する。
【0073】
第1のワイヤ誘導部23のローラ23a、23bと、第2のワイヤ誘導部24のローラ24aは、鉛直方向に対して略同等の高さに設けられ、ワイヤWに下側から接する。第1のワイヤ誘導部23のローラ23a、23bと、第2のワイヤ誘導部24のローラ24aは、鉛直方向に対して交差する方向の軸に支持される。第1のワイヤ誘導部23のローラ23a、23bと、第2のワイヤ誘導部24のローラ24aは、例えば、軸に回転可能に支持され、第1のワイヤ誘導部23のローラ23a、23bと、第2のワイヤ誘導部24のローラ24aは、ワイヤWの送りに従動して回転する。なお、ワイヤ誘導部材は回転するローラに限らず、非回転な円筒状、円柱状の部材でも良く、非回転な部材は、円筒状、円柱状に限らず、ワイヤWの摺動面が曲面、平面で構成される部材であっても良い。
【0074】
第1のワイヤ誘導部23は、ワイヤWの送り方向に第1の負荷を掛ける負荷付与手段を備える。負荷付与手段は、ローラ23a、23bの回転方向に所定の負荷をかける構成、ローラ23a、23bとワイヤWとの接触角度(長)を、第2のワイヤ誘導部24のローラ24aに対して差を持たせる構成等で実現される。ローラ23a、23bとワイヤWとの接触角度(長)を、第2のワイヤ誘導部24のローラ24aに対して差を持たせる構成としては、ローラの径を異ならせる、ワイヤWの送り経路を屈曲させ、ワイヤWの接触角度(長)を変える等で実現される。
【0075】
第2のワイヤ誘導部24は、ワイヤWの送り方向に第2の負荷を掛ける負荷付与手段を備える。負荷付与手段は、ローラ24aの回転方向に所定の負荷をかける構成、ローラ24aとワイヤWとの接触角度(長)を、第1のワイヤ誘導部23のローラ23a、23bに対して差を持たせる構成等で実現される。ローラ24aとワイヤWとの接触角度(長)を、第1のワイヤ誘導部23のローラ23a、23bに対して差を持たせる構成としては、ローラの径を異ならせる、ワイヤWの送り経路を屈曲させ、ワイヤWの接触角度(長)を変える等で実現される。
【0076】
本例では、負荷付与手段として、第1のワイヤ誘導部23においてローラ23aとローラ23bの間にローラ23cを備える。ローラ23cは、ワイヤWの上側から接し、ワイヤWの送り経路を屈曲させることで、ローラ23a、23bとワイヤWとの接触角度(長)を、第2のワイヤ誘導部24のローラ24aに対して増加させる。これにより、第1のワイヤ誘導部23で誘導されるワイヤWに掛かる負荷が、第2のワイヤ誘導部24で誘導されるワイヤWに掛かる負荷より大きく、第1の負荷>第2の負荷となるように構成される。
【0077】
ワイヤ引き出し機構22は、上限位置P1にある引き出しローラ22aが、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間のワイヤWに、ローラ23a、24aが接する側と反対側である上側から接する。ワイヤ引き出し機構22は、引き出しローラ22aが、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間のワイヤWに対して交差する方向に、上限位置P1から下限位置P2へ移動する。
【0078】
これにより、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間のワイヤWが、引き出しローラ22aで下方に引っ張られる。そして、鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間のワイヤW、第1のワイヤ誘導部23とリール収容部21に収容されたリール20との間のワイヤWが、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間に送られる。
【0079】
このとき、第1のワイヤ誘導部23で誘導されるワイヤWに掛かる負荷と、第2のワイヤ誘導部24で誘導されるワイヤWに掛かる負荷の大小で、第1のワイヤ誘導部23側のワイヤWが送られるか、第2のワイヤ誘導部24側のワイヤWが送られるかが切り替えられる。
【0080】
ワイヤ送り機構2Aは、引き出しローラ22aが上限位置P1に位置することを検知する上限検知センサ25aと、引き出しローラ22aが下限位置P2に位置することを検知する下限検知センサ25bを備える。
【0081】
図4は、結束設備の制御機能の一例を示すブロック図である。結束設備100Aは、制御部110Aが、鉄筋結束機1Aのモータ80及び送りモータ31を制御する。制御部110Aは、モータ80の回転量を制御することで、スリーブ71の位置を制御し、ワイヤ係止部70でワイヤWを係止する動作、切断部6AでワイヤWを切断する動作、ワイヤ係止部70ワイヤWを捩じる動作を行う。
【0082】
また、制御部110Aは、送りモータ31の正転及び逆転を制御して、ワイヤWを正方向に送ることで、ワイヤWを鉄筋Sの周囲に巻き回す動作、ワイヤWを逆方向に送ることで、ワイヤWを鉄筋Sに巻き付ける動作を行う。
【0083】
更に、制御部110Aは、ワイヤ送り機構2Aの駆動部22bのモータ22cを制御する。制御部110Aは、上限検知センサ25a及び下限検知センサ25bで検知した引き出しローラ22aの位置に基づき、モータ22cの正転及び逆転を制御して、引き出しローラ22aを下降または上昇させる。
【0084】
<第1の実施形態の結束設備の動作例>
図5は、結束設備において鉄筋結束機で鉄筋を結束する動作の一例を示すフローチャート、
図6A~
図6Bは、結束設備において鉄筋結束機で鉄筋を結束する動作の一例を示す動作説明図で、次に、各図を参照して、鉄筋結束機1Aにより鉄筋SをワイヤWで結束する動作について説明する。
【0085】
結束設備100Aは、
図5のステップSA1で、鉄筋Sの交差した結束対象箇所が、鉄筋結束機1Aのカール形成部5Aと対向する位置となるように鉄筋Sを移動させ、ステップSA2で、カール形成部5Aのカールガイド50と誘導ガイド51との間に鉄筋Sの結束対象箇所が入るように、鉄筋結束機1Aを移動させる。
【0086】
制御部110Aは、鉄筋Sを結束する信号を受信すると、ステップSA3で、送りモータ31を正回転方向に駆動し、ワイヤ送り部3AでワイヤWを矢印Fで示す正方向に送る。鉄筋結束機1Aでは、2本のワイヤWが当該ワイヤWにより形成されるループRuの軸方向に沿って並列された状態で送られる。
【0087】
正方向に送られるワイヤWは、センターフック70Cと第1のサイドフック70Rの間を通り、カール形成部5Aのカールガイド50に送られる。ワイヤWは、カールガイド50を通ることで、ガイド部材53a、53bで鉄筋Sの周囲に巻き回される巻き癖が付けられる。
【0088】
カールガイド50で巻き癖が付けられたワイヤWは誘導ガイド51に誘導され、更にワイヤ送り部3Aで正方向に送られることで、誘導ガイド51によりセンターフック70Cと第2のサイドフック70Lの間に誘導される。そして、ワイヤWは、先端が送り規制部90に突き当てられるまで送られる。ワイヤ送り部3Aで送られるワイヤWの送り経路がカール形成部5Aで規制されることで、ワイヤWの軌跡が
図6Aに破線で示すようなループRuとなり、ワイヤWが鉄筋Sの周囲に巻き回される。ワイヤWの先端が送り規制部90に突き当てられる位置まで送られると、制御部110Aは、送りモータ31の駆動を停止する。
【0089】
ワイヤWの正方向への送りを停止した後、制御部110Aは、モータ80を正回転方向に駆動する。回転規制部74が、回転軸72の回転に連動したスリーブ71の回転を規制する動作域では、スリーブ71は、回転軸72の回転動作が直線移動に変換され、前方向である矢印A1方向に移動する。
【0090】
スリーブ71が前方向に移動すると、開閉ピン71aが開閉ガイド孔73を通過する。これにより、
図3Gに示すように、第1のサイドフック70Rは、軸71bを支点とした回転動作で、センターフック70Cに近づく方向に移動する。第1のサイドフック70Rがセンターフック70Cに対して閉じると、第1のサイドフック70Rとセンターフック70Cとの間に挟まれたワイヤWが、第1のサイドフック70Rとセンターフック70Cとの間を移動することが可能な形態で係止される。
【0091】
また、第2のサイドフック70Lは、軸71bを支点とした回転動作で、センターフック70Cに近づく方向に移動する。第2のサイドフック70Lがセンターフック70Cに対して閉じると、第2のサイドフック70Lとセンターフック70Cとの間に挟まれたワイヤWが、第2のサイドフック70Lとセンターフック70Cとの間から抜けない形態で係止される。
【0092】
第1のサイドフック70R及び第2のサイドフック70Lが閉じる動作でワイヤWを係止する動作域の終点位置までスリーブ71を前進させた後、制御部110Aは、モータ80の回転を一時停止し、ステップSA4で、送りモータ31を逆回転方向に駆動する。これにより、一対の送りギア30が逆転する。
【0093】
よって、一対の送りギア30の間に挟持されたワイヤWが、矢印Rで示す逆方向に送られる。
【0094】
鉄筋Sの周囲に巻き回され、ワイヤ係止体70で係止されたワイヤWは、第2のサイドフック70Lとセンターフック70Cの間に挟まれた先端側の部位が、第2のサイドフック70Lとセンターフック70Cとの間から抜けない形態で係止される。また、ワイヤ係止体70で係止されたワイヤWは、第1のサイドフック70Rとセンターフック70Cの間に挟まれた部位が、第1のサイドフック70Rとセンターフック70Cとの間をワイヤWの送り経路に沿ったループRuの周方向に移動することが可能な形態で係止される。
【0095】
これにより、鉄筋Sの周囲に巻き回されたワイヤWは、
図6Bに示すように、ワイヤWを矢印Rで示す逆方向に送る動作で、鉄筋Sに巻き付けられる。この鉄筋結束機1AでワイヤWを逆方向に送る動作で、ワイヤ送り機構2Aでは、ワイヤWは逆方向に送られない。このため、鉄筋結束機1AでワイヤWを逆方向に送る動作で、鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間でワイヤWが弛む。
【0096】
ワイヤWを鉄筋Sに巻き付ける位置までワイヤWを引き戻すと、制御部110Aは、送りモータ31の逆回転方向の駆動を停止した後、モータ80を正回転方向に駆動することで、スリーブ71を矢印A1で示す前方向に移動させる。スリーブ71が前方向に移動する動作が切断部6Aに伝達されることで、可動刃部61が回転し、第1のサイドフック70Rとセンターフック70Cで係止されたワイヤWが、固定刃部60と可動刃部61の動作で切断される。
【0097】
ワイヤWが切断されると、曲げ部71c1、71c2が鉄筋Sに接する方向へ移動する。これにより、センターフック70Cと第2のサイドフック70Lで係止されたワイヤWの先端側を、曲げ部71c1で鉄筋S側へ押圧して、係止位置を支点として鉄筋S側へ曲げる。スリーブ71が更に前方向に移動することで、第2のサイドフック70Lとセンターフック70Cとの間で係止されたワイヤWが、曲げ部71c1で挟まれた状態で保持される。
【0098】
また、センターフック70Cと第1のサイドフック70Rで係止され、切断部6Aで切断されたワイヤWの終端側を、曲げ部71c2で鉄筋S側へ押圧して、係止位置を支点として鉄筋S側へ曲げる。スリーブ71が更に前方向に移動することで、第1のサイドフック70Rとセンターフックとの間で係止されたワイヤWが、曲げ部71c2で挟まれた状態で保持される。
【0099】
ワイヤWの先端側及び終端側を鉄筋S側に折り曲げた後、モータ80が更に正回転方向に駆動されることで、スリーブ71が更に前方向に移動する。スリーブ71が所定の位置まで移動することで、ワイヤ係止体70で係止したワイヤWを捩じる動作域に到達すると、回転規制部74によるスリーブ71の回転の規制が解除され、回転軸72の回転に連動してスリーブ71が回転する。
【0100】
これにより、モータ80が更に正回転方向に駆動されることで、回転軸72と連動してワイヤ係止体70が回転し、ステップSA5でワイヤWを捩じり、ワイヤWdで鉄筋Sを結束する。
【0101】
制御部110Aは、モータ80に掛かる負荷を検知し、モータに掛かる負荷が所定値、例えば負荷が最大となったことを検知すると、所定のタイミングでモータ80の正方向の回転を停止させる。
【0102】
モータ80の正方向の回転を停止させた後、制御部110Aは、モータ80を逆回転させることで、第1のサイドフック70Rがセンターフック70Cに対して開き、第2のサイドフック70Lがセンターフック70Cに対して開いた状態となる位置までスリーブ71を後方向に移動させ、ワイヤ結束体70を待機位置に戻す。鉄筋Sを結束したワイヤWがワイヤ結束体70から外れると、制御部110Aは、ステップSA6で、鉄筋結束機1Aを待機位置へ移動させる。
【0103】
図7は、ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示すフローチャート、
図8A~
図8Eは、ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図で、次に、ワイヤ送り機構2Aでワイヤを送る動作について説明する。
【0104】
ワイヤ送り機構2Aは、上述した鉄筋結束機1Aでの結束動作において、ステップSA4でワイヤWを逆方向に送った後、次の結束動作において、ステップSA3でワイヤWを正方向に送るまでの間に、リール20から所定量のワイヤWを引き出す動作を行う。
【0105】
制御部110Aは、
図7のステップSB1で、駆動部22bを制御してモータ22cを正転させ、引き出しローラ22aを上限位置P1から矢印Do方向に下降させる。ワイヤ引き出し機構22は、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間のワイヤWに対して交差する方向に沿って、引き出しローラ22aが上限位置P1から下限位置P2へ下降する。
【0106】
引き出しローラ22aが上限位置P1から下降を開始すると、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間のワイヤWが下方に引っ張られることで、リール20と第1のワイヤ誘導部23との間のワイヤWと、鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間のワイヤWが、第1のワイヤ誘導部23と第2のワイヤ誘導部24との間に引っ張られる。よって、鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間のワイヤWと、第1のワイヤ誘導部23とリール収容部21に収容されたリール20との間のワイヤWが、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間に送られる。
【0107】
上述したように、第1のワイヤ誘導部23で誘導されるワイヤWに掛かる負荷が、第2のワイヤ誘導部24で誘導されるワイヤWに掛かる負荷より大きく、第1の負荷>第2の負荷となるように構成される。
【0108】
また、鉄筋結束機1Aでは、鉄筋SをワイヤWで結束する動作で、ワイヤWを逆方向に送ることで、ワイヤWが鉄筋Sに巻き付けられる。この鉄筋結束機1AでワイヤWを逆方向に送る動作で、ワイヤ送り機構2Aでは、ワイヤWは逆方向に送られない。このため、鉄筋結束機1AでワイヤWを逆方向に送る動作で、
図8Aに示すように、鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間でワイヤWが弛む。
【0109】
これにより、ワイヤ引き出し機構22の引き出しローラ22aでワイヤWを引っ張る動作で、まず、
図7のステップSB2、
図8Bに示すように、第1の負荷>第2の負荷であることで、鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間のワイヤWの送り経路26で弛んだワイヤWの余剰分が、矢印R1で示すように、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間に引き込まれる。
【0110】
鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間のワイヤWの余剰分が送られて、ワイヤWの弛みが解消すると、ワイヤ送り部3Aの一対の送りギア30が停止状態で回転しないことから、鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間のワイヤWの送り経路26においてワイヤWを送ることができなくなる。これにより、送りギア30が負荷となって鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間のワイヤWに掛かる張力が大きくなり、第2の負荷に送りギア30による負荷が加わって、第2の負荷+送りギアの負荷>第1の負荷となる。
【0111】
第2の負荷+送りギアの負荷>第1の負荷となると、
図7のステップSB3、
図8Cに矢印F1に示すように、リール収容部21に収容されたリール20からワイヤWが引き出され、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間に送られる。引き出しローラ22aが下限位置まで移動すると、鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間のワイヤWの送り経路26におけるワイヤWの弛みを解消すると共に、鉄筋結束機1で鉄筋Sを結束するために必要な量のワイヤWがリール20から引き出せるように、引き出しローラ22aの移動量が設定される。
【0112】
制御部110Aは、
図7のステップSB4で、引き出しローラ22aが下限位置まで移動したことを、下限検知センサ25bで検知すると、モータ22cの回転方向を正転から逆転に切り替え、
図7のステップSB5、
図8Dに示すように、引き出しローラ22aを矢印Up方向に上昇させる。制御部110Aは,
図7のステップSB6で、引き出しローラ22aが上限位置まで移動したことを、上限検知センサ25aで検知すると、ステップSB7で、モータ22cの回転方向を停止させる。これにより、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間に、鉄筋結束機1Aで鉄筋Sを結束するために必要な量のワイヤWが、弛んだ状態となる。
【0113】
鉄筋結束機1Aで実行される次の結束動作において、ステップSA3でワイヤWを正方向に送る動作により、
図8Eに示すように、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間で弛んだワイヤWが矢印F2方向に送られる。
【0114】
このように、第1のワイヤ誘導部23で誘導されるワイヤWに掛かる負荷と、第2のワイヤ誘導部24で誘導されるワイヤWに掛かる負荷の大小で、第1のワイヤ誘導部23側のワイヤWを送るか、第2のワイヤ誘導部24側のワイヤWを送るかが切り替えられる。
【0115】
これにより、ワイヤWを鉄筋Sに巻き付けるため、鉄筋結束機1AでワイヤWを逆方向に送る動作で、鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間のワイヤWの送り経路26で生じるワイヤWの弛みを、ワイヤ引き出し機構22でワイヤWを引き出す動作で解消することができる。また、鉄筋結束機1Aで鉄筋Sを結束するために必要な量のワイヤWを、ワイヤ引き出し機構22でワイヤWを引き出す動作で、リール20から引き出すことができる。
【0116】
図8Fは、ワイヤガイドでワイヤをガイドする動作を示す要部側面図であり、次に、鉄筋結束機1Aとワイヤ送り機構2Aとの間でワイヤWをワイヤガイド4Aでワイヤ送り部3Aにガイドする動作について説明する。
【0117】
ワイヤガイド4Aは、正方向に送られるワイヤWの送り方向に対して上流側の開口40Aが、下流側の開口41Aに比べて開口面積が大きく構成される。ワイヤガイド4Aは、本例では、ワイヤ送り機構2Aから送られるワイヤWの導入側の開口面積を最も大きくし、そこから徐々に開口面積が小さくなるようなテーパ状の開口で構成される。
【0118】
これにより、昇降機構111Aが駆動されることで、鉄筋結束機1Aの高さや向きが変化して、鉄筋結束機1Aがワイヤ送り機構2Aに対して移動すると、ワイヤガイド4Aにおいて、ワイヤ送り機構2Aから送られるワイヤWが導入される上流側の開口40A内で、ワイヤWの送り方向に対して交差した径方向にワイヤWが移動可能である。
【0119】
これに対し、ワイヤガイド4Aは、正方向に送られるワイヤWの送り方向に対して下流側の開口41Aでワイヤ位置規制部44Aが構成される。ワイヤ位置規制部44Aは、第1の送りギア30Lの溝32L及び第2の送りギア30Rの溝32Rに対し、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rの回転の軸方向に沿った位置を合わせて、一対の送りギア30と対向する開口41Aが設けられる。また、ワイヤ位置規制部44Aは、一対の送りギア30と対向する開口41Aが、ワイヤWの径方向の向きを規制する形状を有する。これにより、鉄筋結束機1Aの高さや向きが変化しても、ワイヤ送り機構2Aの第2のワイヤ誘導部24により誘導されるワイヤWを、ワイヤガイド4Aのガイド面42Aで下流側の開口41Aにガイドし、ワイヤ位置規制部44Aで一対の送りギア30の間にガイドできる。よって、ワイヤWが一対の送りギア30の間から外れることを抑制できる。本例では、2本のワイヤWが、第1の送りギア30Lの溝部32L及び第2の送りギア30Rの溝部32Rから、第1の送りギア30L及び第2の送りギア30Rの回転の軸方向に沿って移動して外れることを抑制できる。例えば、
図8Fに示すように、鉄筋結束機1Aが下降した場合でも、ワイヤ送り機構2Aの第2のワイヤ誘導部24により誘導されるワイヤWを、ワイヤ位置規制部44Aを構成するワイヤガイド4Aの下流側の開口41Aによって、一対の送りギア30の間にガイドした状態を維持できる。よって、
図1Cに示すように鉄筋結束機1Aが結束位置に上昇したときに、ワイヤ送り部3AでワイヤWを送ることができる。なお、一対の送り部材は、溝部を有したギアに限らず、回転駆動されるローラ、ワイヤWの送り方向に沿って並列した複数のローラにベルトを掛けた構成等でも良い。このような構成でも、送り部材の回転の軸方向に沿ったワイヤWの位置を規制して、ワイヤWが送り部材から外れることを抑制できる。
【0120】
<第2の実施の形態の結束設備の構成例>
図9Aは、第2の実施の形態の結束設備の一例を示す斜視図、
図9Bは、第2の実施の形態の結束設備の一例を示す要部側面図である。
【0121】
第2の実施の形態の結束設備100Bは、結束対象物である鉄筋SをワイヤWで結束する鉄筋結束機1Aと、鉄筋結束機1AにワイヤWを送るワイヤ送り機構2Bを備える。第2の実施の形態の結束設備100Bにおいて、鉄筋結束機1Aは、第1の実施の形態の結束設備100Aと同様で良い。また、ワイヤ送り機構2Bは、ワイヤ引き出し機構22と第2のワイヤ誘導部24は、第1の実施の形態の結束設備100Aと同様で良い。
【0122】
第1のワイヤ誘導部23は、ワイヤWの送り方向に第1の負荷を掛ける負荷付与手段を備える。負荷付与手段は、ローラ23a、23bの回転方向に所定の負荷をかける構成で実現される。本例では、負荷付与手段として、ローラ23aを非回転とし、ワイヤWがローラ23aの外周面を摺動する構成とする。これに対し、第2のワイヤ誘導部24のローラ24aは、ワイヤWの送りに従動して回転する構成とする。これにより、第1のワイヤ誘導部23で誘導されるワイヤWに掛かる負荷が、第2のワイヤ誘導部24で誘導されるワイヤWに掛かる負荷より大きく、第1の負荷>第2の負荷となるように構成される。
【0123】
<第2の実施形態の結束設備の動作例>
図10A~
図10Eは、ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図で、次に、ワイヤ送り機構2Bでワイヤを送る動作について説明する。なお、鉄筋結束機1Aにおいて鉄筋Sを結束する動作は、
図5のフローチャート等で説明した動作と同様である。また、ワイヤ送り機構2Bでワイヤを送る動作の流れは、
図7のフローチャートで説明した動作と同様である。
【0124】
ワイヤ送り機構2Bは、上述した鉄筋結束機1Aでの結束動作において、ステップSA4でワイヤWを逆方向に送った後、次の結束動作において、ステップSA3でワイヤWを正方向に送るまでの間に、リール20から所定量のワイヤWを引き出す動作を行う。
【0125】
制御部110Aは、
図7のステップSB1で、駆動部22bを制御してモータ22cを正転させ、引き出しローラ22aを上限位置P1から矢印Do方向に下降させる。ワイヤ引き出し機構22は、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間のワイヤWに対して交差する方向に沿って、引き出しローラ22aが上限位置P1から下限位置P2へ下降する。
【0126】
引き出しローラ22aが上限位置P1から下降を開始すると、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間のワイヤWが下方に引っ張られることで、リール20と第1のワイヤ誘導部23との間のワイヤWと、鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間のワイヤWが、第1のワイヤ誘導部23と第2のワイヤ誘導部24との間に引っ張られる。よって、鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間のワイヤWと、第1のワイヤ誘導部23とリール収容部21に収容されたリール20との間のワイヤWが、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間に送られる。
【0127】
上述したように、第1のワイヤ誘導部23で誘導されるワイヤWに掛かる負荷が、第2のワイヤ誘導部24で誘導されるワイヤWに掛かる負荷より大きく、第1の負荷>第2の負荷となるように構成される。
【0128】
また、鉄筋結束機1Aで鉄筋SにワイヤWを巻き付ける動作で、ワイヤWを逆方向に送ることで、
図10Aに示すように、鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間でワイヤWが弛む。
【0129】
これにより、ワイヤ引き出し機構22の引き出しローラ22aでワイヤWを引っ張る動作で、まず、
図7のステップSB2、
図10Bに示すように、第1の負荷>第2の負荷であることで、鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間のワイヤWの送り経路26で弛んだワイヤWの余剰分が、矢印R1で示すように、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間に引き込まれる。
【0130】
鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間のワイヤWの余剰分が送られて、ワイヤWの弛みが解消すると、ワイヤ送り部3Aの一対の送りギア30が停止状態で回転しないことから、鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間のワイヤWを送ることができなくなる。これにより、送りギア30が負荷となって鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間のワイヤWに掛かる張力が大きくなり、第2の負荷に送りギア30による負荷が加わって、第2の負荷+送りギアの負荷>第1の負荷となる。
【0131】
第2の負荷+送りギアの負荷>第1の負荷となると、
図7のステップSB3、
図10Cに矢印F1に示すように、リール収容部21に収容されたリール20からワイヤWが引き出され、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間に送られる。引き出しローラ22aが下限位置まで移動すると、鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間のワイヤWの弛みを解消すると共に、鉄筋結束機1で鉄筋Sを結束するために必要な量のワイヤWがリール20から引き出せるように、引き出しローラ22aの移動量が設定される。
【0132】
制御部110Aは、
図7のステップSB4で、引き出しローラ22aが下限位置まで移動したことを、下限検知センサ25bで検知すると、モータ22cの回転方向を正転から逆転に切り替え、
図7のステップSB5、
図10Dに示すように、引き出しローラ22aを矢印Up方向に上昇させる。制御部110Aは,
図7のステップSB6で、引き出しローラ22aが上限位置まで移動したことを、上限検知センサ25aで検知すると、ステップSB7で、モータ22cの回転方向を停止させる。これにより、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間に、鉄筋結束機1Aで鉄筋Sを結束するために必要な量のワイヤWが、弛んだ状態となる。
【0133】
鉄筋結束機1Aで実行される次の結束動作において、ステップSA3でワイヤWを正方向に送る動作により、
図10Eに示すように、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間で弛んだワイヤWが矢印F2方向に送られる。
【0134】
これにより、ワイヤ送り機構2Bにおいても、ワイヤWを鉄筋Sに巻き付けるため、鉄筋結束機1AでワイヤWを逆方向に送る動作で、鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間で生じるワイヤWの弛みを、ワイヤ引き出し機構22でワイヤWを引き出す動作で解消することができる。また、鉄筋結束機1Aで鉄筋Sを結束するために必要な量のワイヤWを、ワイヤ引き出し機構22でワイヤWを引き出す動作で、リール20から引き出すことができる。
【0135】
<第3の実施の形態の結束設備の構成例>
図11Aは、第3の実施の形態の結束設備の一例を示す側面図、
図11Bは、第3の実施の形態の結束設備の一例を示す斜視図、
図11Cは、第3の実施の形態の結束設備の一例を示す要部側面図である。
【0136】
第3の実施の形態の結束設備100Cは、結束対象物である鉄筋SをワイヤWで結束する鉄筋結束機1Aと、鉄筋結束機1AにワイヤWを送るワイヤ送り機構2Cを備える。第3の実施の形態の結束設備100Cにおいて、鉄筋結束機1Aは、第1の実施の形態の結束設備100Aと同様で良い。また、ワイヤ送り機構2Cは、ワイヤ引き出し機構22と第2のワイヤ誘導部24は、第1の実施の形態の結束設備100Aと同様で良い。
【0137】
第1のワイヤ誘導部23は、リール収容部21に収容されたリール20から鉄筋結束機1Aへ送られるワイヤWの送り方向に対して、ワイヤ引き出し機構22の上流側にローラ23a、23cを備える。第1のワイヤ誘導部23は、リール収容部21に収容されたリール20から引き出されたワイヤWが送られる経路をローラ23bでローラ23a方向に誘導し、ローラ23aで第2のワイヤ誘導部24方向に誘導する。
【0138】
第1のワイヤ誘導部23は、ワイヤWの弛みを吸収するワイヤ弛み吸収機構23dを備える。ワイヤ弛み吸収機構23dは、ローラ23a、23bの間に設けられる弛み吸収ローラ23eと、弛み吸収ローラ23eを、ローラ23aとローラ23bとの間のワイヤWに対して交差する方向に沿って下方に付勢するバネ23fを備える。
【0139】
第1のワイヤ誘導部23は、弛み吸収ローラ23eが、ローラ23aとローラ23bとの間のワイヤWに、ローラ23a、23bが接する側と反対側である上側から接する。弛み吸収ローラ23eは、ローラ23aとローラ23bとの間のワイヤWに対して交差する方向に沿ってバネ23fで下方に付勢されることで、ばね23fの付勢力とワイヤWに掛かる張力のバランスで、高さ方向の位置が規定される。
【0140】
<第3の実施形態の結束設備の動作例>
図12は、ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示すフローチャート、
図13A~
図13Fは、ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図で、次に、ワイヤ送り機構2Cでワイヤを送る動作について説明する。なお、鉄筋結束機1Aにおいて鉄筋Sを結束する動作は、
図5のフローチャート等で説明した動作と同様である。
【0141】
ワイヤ送り機構2Cは、上述した鉄筋結束機1Aでの結束動作において、ステップSA4でワイヤWを逆方向に送った後、次の結束動作において、ステップSA3でワイヤWを正方向に送るまでの間に、リール20から所定量のワイヤWを引き出す動作を行う。
【0142】
上述したように、鉄筋結束機1Aで鉄筋SにワイヤWを巻き付ける動作で、ワイヤWを逆方向に送ることで、
図13Aに示すように、鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間でワイヤWが弛む。
【0143】
これにより、ワイヤ送り機構2CにおいてワイヤWに掛かる張力が減少する。ワイヤWに掛かる張力が減少すると、ばね23fの付勢力がワイヤWに掛かる張力より大きくなり、弛み吸収ローラ23eが、ローラ23aとローラ23bとの間のワイヤWに対して交差する方向に沿って矢印D1方向に下降する。
【0144】
弛み吸収ローラ23eが下降すると、ローラ23aとローラ23bとの間のワイヤWが下方に引っ張られる。これにより、
図12のステップSC1、
図13Bに示すように、弛んだワイヤWの余剰分が、矢印R1で示すように、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aとローラ23bとの間に引き込まれる。
【0145】
制御部110Aは、
図12のステップSC2で、駆動部22bを制御してモータ22cを正転させ、引き出しローラ22aを上限位置P1から矢印Do方向に下降させる。ワイヤ引き出し機構22は、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間のワイヤWに対して交差する方向に沿って、引き出しローラ22aが上限位置P1から下限位置P2へ下降する。
【0146】
引き出しローラ22aが上限位置P1から下降を開始すると、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間のワイヤWが下方に引っ張られることで、リール20と第1のワイヤ誘導部23との間のワイヤWと、鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間のワイヤWが、第1のワイヤ誘導部23と第2のワイヤ誘導部24との間に引っ張られる。
【0147】
これにより、ワイヤ送り機構2CにおいてワイヤWに掛かる張力が増加する。ワイヤWに掛かる張力が増加すると、ばね23fの付勢力がワイヤWに掛かる張力より相対的に小さくなり、弛み吸収ローラ23eが、ローラ23aとローラ23bとの間のワイヤWに対して交差する方向に沿って矢印U1方向に上昇する。このため、まず、
図12のステップSC3、
図13Cに示すように、ワイヤ弛み吸収機構23dで弛みが吸収された第1のワイヤ誘導部23のローラ23aとローラ23bとの間のワイヤWが、矢印F1で示すように、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間に引き込まれる。
【0148】
ばね23fの付勢力とワイヤWに掛かる張力が釣り合うと、
図12のステップSC4、
図13Dに矢印F1に示すように、リール収容部21に収容されたリール20からワイヤWが引き出され、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間に送られる。引き出しローラ22aが下限位置P2まで移動すると、ワイヤ弛み吸収機構23dで弛みが吸収される鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間のワイヤWの送り経路26におけるワイヤWの余剰分を解消すると共に、鉄筋結束機1Aで鉄筋Sを結束するために必要な量のワイヤWがリール20から引き出せるように、引き出しローラ22aの移動量が設定される。
【0149】
制御部110Aは、
図12のステップSC5で、引き出しローラ22aが下限位置P2まで移動したことを、下限検知センサ25bで検知すると、モータ22cの回転方向を正転から逆転に切り替え、
図12のステップSC6、
図13Eに示すように、引き出しローラ22aを矢印Up方向に上昇させる。制御部110Aは,
図12のステップSC7で、引き出しローラ22aが上限位置P1まで移動したことを、上限検知センサ25aで検知すると、ステップSB7で、モータ22cの回転方向を停止させる。これにより、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間に、鉄筋結束機1Aで鉄筋Sを結束するために必要な量のワイヤWが、弛んだ状態となる。
【0150】
鉄筋結束機1Aで実行される次の結束動作において、ステップSA3でワイヤWを正方向に送る動作により、
図13Fに示すように、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間で弛んだワイヤWが矢印F2方向に送られる。
【0151】
これにより、ワイヤ送り機構2Cにおいても、第1のワイヤ誘導部23にワイヤ弛み吸収機構23dを備えることで、ワイヤWを鉄筋Sに巻き付けるため、鉄筋結束機1AでワイヤWを逆方向に送る動作で、鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間で生じるワイヤWの弛みを、ワイヤ弛み吸収機構23dで吸収して解消することができる。また、鉄筋結束機1Aで鉄筋Sを結束するために必要な量のワイヤWを、ワイヤ引き出し機構22でワイヤWを引き出す動作で、リール20から引き出すことができる。
【0152】
<第4の実施の形態の結束設備の構成例>
図14は、第4の実施の形態の結束設備の一例を示す要部側面図である。
【0153】
第4の実施の形態の結束設備100Dは、結束対象物である鉄筋SをワイヤWで結束する鉄筋結束機1Aと、鉄筋結束機1AにワイヤWを送るワイヤ送り機構2Dを備える。第4の実施の形態の結束設備100Dにおいて、鉄筋結束機1Aは、第1の実施の形態の結束設備100Aと同様で良い。また、ワイヤ送り機構2Dは、ワイヤ引き出し機構22と第1のワイヤ誘導部23は、第1の実施の形態の結束設備100A、または、第2の実施の形態の結束設備100Bと同様で良い。
【0154】
第2のワイヤ誘導部24は、リール収容部21に収容されたリール20から鉄筋結束機1Aへ送られるワイヤWの送り方向に対して、ワイヤ引き出し機構22の下流側にローラ24a、24cを備える。第2のワイヤ誘導部24は、ワイヤ引き出し機構22で引き出されるワイヤWの送り経路を、ローラ24aでローラ24b方向に誘導し、ローラ24cで鉄筋結束機1A方向に誘導する
【0155】
第2のワイヤ誘導部24は、ワイヤWの弛みを吸収するワイヤ弛み吸収機構24dを備える。ワイヤ弛み吸収機構24dは、ローラ24a、24bの間に設けられる弛み吸収ローラ24eと、弛み吸収ローラ24eを、ローラ24aとローラ24bとの間のワイヤWに対して交差する方向に沿って下方に付勢するバネ24fを備える。
【0156】
第2のワイヤ誘導部24は、弛み吸収ローラ24eが、ローラ24aとローラ24bとの間のワイヤWに、ローラ24a、24bが接する側と反対側である上側から接する。弛み吸収ローラ24eは、ローラ24aとローラ24bとの間のワイヤWに対して交差する方向に沿ってバネ24fで下方に付勢されることで、ばね24fの付勢力とワイヤWに掛かる張力のバランスで、高さ方向の位置が規定される。
【0157】
<第4の実施形態の結束設備の動作例>
図15A~
図15Fは、ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図で、次に、ワイヤ送り機構2Dでワイヤを送る動作について説明する。なお、鉄筋結束機1Aにおいて鉄筋Sを結束する動作は、
図5のフローチャート等で説明した動作と同様である。また、ワイヤ送り機構2Dでワイヤを送る動作の流れは、
図12のフローチャートで説明した動作と同様である。
【0158】
ワイヤ送り機構2Dは、上述した鉄筋結束機1Aでの結束動作において、ステップSA4でワイヤWを逆方向に送った後、次の結束動作において、ステップSA3でワイヤWを正方向に送るまでの間に、リール20から所定量のワイヤWを引き出す動作を行う。
【0159】
上述したように、鉄筋結束機1Aで鉄筋SにワイヤWを巻き付ける動作で、ワイヤWを逆方向に送ることで、
図15Aに示すように、鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間でワイヤWが弛む。
【0160】
これにより、ワイヤ送り機構2DにおいてワイヤWに掛かる張力が減少する。ワイヤWに掛かる張力が減少すると、ばね24fの付勢力がワイヤWに掛かる張力より大きくなり、弛み吸収ローラ24eが、ローラ24aとローラ24bとの間のワイヤWに対して交差する方向に沿って矢印D1方向に下降する。
【0161】
弛み吸収ローラ24eが下降すると、ローラ24aとローラ24bとの間のワイヤWが下方に引っ張られる。これにより、
図12のステップSC1、
図15Bに示すように、弛んだワイヤWの余剰分が、矢印R1で示すように、第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとローラ24bとの間に引き込まれる。
【0162】
制御部110Aは、
図12のステップSC2で、駆動部22bを制御してモータ22cを正転させ、引き出しローラ22aを上限位置P1から矢印Do方向に下降させる。ワイヤ引き出し機構22は、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間のワイヤWに対して交差する方向に沿って、引き出しローラ22aが上限位置P1から下限位置P2へ下降する。
【0163】
引き出しローラ22aが上限位置P1から下降を開始すると、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間のワイヤWが下方に引っ張られることで、リール20と第1のワイヤ誘導部23との間のワイヤWと、鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間のワイヤWが、第1のワイヤ誘導部23と第2のワイヤ誘導部24との間に引っ張られる。
【0164】
これにより、ワイヤ送り機構2DにおいてワイヤWに掛かる張力が増加する。ワイヤWに掛かる張力が増加すると、ばね24fの付勢力がワイヤWに掛かる張力より相対的に小さくなり、弛み吸収ローラ24eが、ローラ24aとローラ24bとの間のワイヤWに対して交差する方向に沿って矢印U1方向に上昇する。このため、まず、
図12のステップSC3、
図15Cに示すように、ワイヤ弛み吸収機構24dで弛みが吸収された第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとローラ24bとの間のワイヤWが、矢印R1で示すように、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間に引き込まれる。
【0165】
ばね24fの付勢力とワイヤWに掛かる張力が釣り合うと、
図12のステップSC4、
図15Dに矢印F1に示すように、リール収容部21に収容されたリール20からワイヤWが引き出され、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間に送られる。引き出しローラ22aが下限位置P2まで移動すると、ワイヤ弛み吸収機構24dで弛みが吸収される鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間のワイヤWの送り経路26におけるワイヤWの余剰分を解消すると共に、鉄筋結束機1Aで鉄筋Sを結束するために必要な量のワイヤWがリール20から引き出せるように、引き出しローラ22aの移動量が設定される。
【0166】
制御部110Aは、
図12のステップSC5で、引き出しローラ22aが下限位置P2まで移動したことを、下限検知センサ25bで検知すると、モータ22cの回転方向を正転から逆転に切り替え、
図12のステップSC6、
図15Eに示すように、引き出しローラ22aを矢印Up方向に上昇させる。制御部110Aは,
図12のステップSC7で、引き出しローラ22aが上限位置P1まで移動したことを、上限検知センサ25aで検知すると、ステップSC8で、モータ22cの回転方向を停止させる。これにより、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間に、鉄筋結束機1Aで鉄筋Sを結束するために必要な量のワイヤWが、弛んだ状態となる。
【0167】
鉄筋結束機1Aで実行される次の結束動作において、ステップSA3でワイヤWを正方向に送る動作により、
図15Fに示すように、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間で弛んだワイヤWが矢印F2方向に送られる。
【0168】
これにより、ワイヤ送り機構2Dにおいても、第2のワイヤ誘導部24にワイヤ弛み吸収機構24dを備えることで、ワイヤWを鉄筋Sに巻き付けるため、鉄筋結束機1AでワイヤWを逆方向に送る動作で、鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間のワイヤWの送り経路26で生じるワイヤWの弛みを、ワイヤ弛み吸収機構24dで吸収して解消することができる。また、鉄筋結束機1Aで鉄筋Sを結束するために必要な量のワイヤWを、ワイヤ引き出し機構22でワイヤWを引き出す動作で、リール20から引き出すことができる。
【0169】
<第5の実施の形態の結束設備の構成例>
図16は、第5の実施の形態の結束設備の一例を示す要部側面図である。
【0170】
第5の実施の形態の結束設備100Eは、結束対象物である鉄筋SをワイヤWで結束する鉄筋結束機1Aと、鉄筋結束機1AにワイヤWを送るワイヤ送り機構2Eを備える。第5の実施の形態の結束設備100Eにおいて、鉄筋結束機1Aは、第1の実施の形態の結束設備100Aと同様で良い。また、ワイヤ送り機構2Eは、第1のワイヤ誘導部23と第2のワイヤ誘導部24は、第1の実施の形態の結束設備100A、または、第2の実施の形態の結束設備100Bと同様で良い。
【0171】
ワイヤ引き出し機構22は、第1のワイヤ誘導部23と第2のワイヤ誘導部24との間においてワイヤWを引っ張る引き出しローラ22aと、引き出しローラ22aの位置を、第1のワイヤ誘導部23と第2のワイヤ誘導部24との間のワイヤWに対して交差する方向に移動させる駆動部22bを備える。
【0172】
ワイヤ引き出し機構22は、上限位置P1にある引き出しローラ22aが、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間のワイヤWに、ローラ23a、24aが接する側と反対側である上側から接する。ワイヤ引き出し機構22は、引き出しローラ22aが、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間のワイヤWに対して交差する方向に、上限位置から下限位置へ移動する。
【0173】
ワイヤ引き出し機構22は、ワイヤWの弛みを吸収するワイヤ弛み吸収機構22dを備える。ワイヤ弛み吸収機構22dは、引き出しローラ22aが弛み吸収ローラを構成し、引き出しローラ22aを、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間のワイヤWに対して交差する方向に沿って下方に付勢するバネ22fを備える。
【0174】
ワイヤ引き出し機構22は、引き出しローラ22aが、ローラ23aとローラ24aとの間のワイヤWに対して交差する方向に沿ってバネ22fで下方に付勢されることで、ばね22fの付勢力とワイヤWに掛かる張力のバランスで、高さ方向の位置が規定される。
【0175】
<第5の実施形態の結束設備の動作例>
図17A~
図17Gは、ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図で、次に、ワイヤ送り機構2Eでワイヤを送る動作について説明する。なお、鉄筋結束機1Aにおいて鉄筋Sを結束する動作は、
図5のフローチャート等で説明した動作と同様である。また、ワイヤ送り機構2Eでワイヤを送る動作の流れは、
図12のフローチャートで説明した動作と同様である。
【0176】
ワイヤ送り機構2Eは、上述した鉄筋結束機1Aでの結束動作において、ステップSA4でワイヤWを逆方向に送った後、次の結束動作において、ステップSA3でワイヤWを正方向に送るまでの間に、リール20から所定量のワイヤWを引き出す動作を行う。
【0177】
上述したように、鉄筋結束機1Aで鉄筋SにワイヤWを巻き付ける動作で、ワイヤWを逆方向に送ることで、
図17Aに示すように、鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間でワイヤWが弛む。
【0178】
これにより、ワイヤ送り機構2EにおいてワイヤWに掛かる張力が減少する。ワイヤWに掛かる張力が減少すると、ばね22fの付勢力がワイヤWに掛かる張力より大きくなり、引き出しローラ22aが、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間のワイヤWに対して交差する方向に沿って矢印Do方向に下降する。
【0179】
引き出しローラ22aが下降すると、ローラ23aとローラ24aとの間のワイヤWが下方に引っ張られる。これにより、
図12のステップSC1、
図17Bに示すように、弛んだワイヤWの余剰分が、矢印R1で示すように、ローラ23aとローラ24aとの間に引き込まれる。
【0180】
制御部110Aは、
図12のステップSC2で、駆動部22bを制御してモータ22cを正転させ、引き出しローラ22aを矢印Do方向に下降させる。引き出しローラ22aが駆動部22bの駆動で下降を開始すると、ワイヤ送り機構2EにおいてワイヤWに掛かる張力が増加する。ワイヤWに掛かる張力が増加すると、ばね22fの付勢力がワイヤWに掛かる張力より相対的に小さくなり、
図17Cに示すように、バネ22fが付勢力に抗して伸ばされる。
【0181】
引き出しローラ22aが駆動部22bの駆動で更に下降すると、
図12のステップSC4、
図17Dに矢印F1に示すように、リール収容部21に収容されたリール20からワイヤWが引き出され、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間に送られる。引き出しローラ22aが下限位置まで移動すると、ワイヤ弛み吸収機構22dで弛みが吸収される鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間のワイヤWの送り経路26におけるワイヤWの余剰分を解消すると共に、鉄筋結束機1Aで鉄筋Sを結束するために必要な量のワイヤWがリール20から引き出せるように、引き出しローラ22aの移動量が設定される。
【0182】
制御部110Aは、
図12のステップSC5で、引き出しローラ22aが下限位置まで移動したことを検知すると、モータ22cの回転方向を正転から逆転に切り替え、
図12のステップSC6、
図17Eに示すように、引き出しローラ22aを矢印Up方向に上昇させる。制御部110Aは,
図12のステップSC7で、引き出しローラ22aが上限位置まで上昇したことを検知すると、ステップSC8で、モータ22cの回転方向を停止させる。これにより、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間に、鉄筋結束機1Aで鉄筋Sを結束するために必要な量のワイヤWが、弛んだ状態となる。また、引き出しローラ22aにワイヤWの張力が掛からないので、引き出しローラ22aは、バネ22fの付勢力でバネ22fの伸縮分、上限位置から下降した状態となる。
【0183】
鉄筋結束機1Aで実行される次の結束動作において、ステップSA3でワイヤWを正方向に送る動作により、
図15Fに示すように、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間で弛んだワイヤWが矢印F2方向に送られる。
【0184】
第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間で弛んだワイヤWが矢印F2方向に送られると、バネ22fの伸縮分、下降している引き出しローラ22aにワイヤWが接する。
【0185】
第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間で弛んだワイヤWが矢印F2方向に更に送られると、
図17Gに示すように、ワイヤWに掛かる張力が増加し、ばね22fの付勢力がワイヤWに掛かる張力より相対的に小さくなって、バネ22fが付勢力に抗して伸ばされ、引き出しローラ22aが上限位置まで上昇する。
【0186】
これにより、ワイヤ送り機構2Eにおいても、ワイヤ引き出し機構22にワイヤ弛み吸収機構22dを備えることで、ワイヤWを鉄筋Sに巻き付けるため、鉄筋結束機1AでワイヤWを逆方向に送る動作で、鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間で生じるワイヤWの弛みを、ワイヤ弛み吸収機構22dで吸収して解消することができる。また、鉄筋結束機1Aで鉄筋Sを結束するために必要な量のワイヤWを、ワイヤ引き出し機構22でワイヤWを引き出す動作で、リール20から引き出すことができる。
【0187】
<第6の実施の形態の結束設備の構成例>
図18Aは、第6の実施の形態の結束設備の一例を示す側面図、
図18Bは、第6の実施の形態の結束設備の一例を示す斜視図である。
【0188】
第6の実施の形態の結束設備100Fは、結束対象物である鉄筋SをワイヤWで結束する鉄筋結束機1Aと、鉄筋結束機1AにワイヤWを送るワイヤ送り機構2Fを備える。第6の実施の形態の結束設備100Fにおいて、鉄筋結束機1Aは、第1の実施の形態の結束設備100Aと同様で良い。また、ワイヤ送り機構2Fは、第1のワイヤ誘導部23は、第1の実施の形態の結束設備100Aと同様で良い。
【0189】
第2のワイヤ誘導部24は、ワイヤWの所定方向への送りを規制するワイヤ送り規制ローラ24gを備える。ワイヤ送り規制ローラ24gはワイヤ送り規制部材の一例で、ワイヤ送り機構2Fから鉄筋結束機1A方向への正方向のワイヤWの送りは許容し、鉄筋結束機1Aからワイヤ送り機構2F方向への逆方向のワイヤWの送りは規制する。ワイヤ送り規制ローラ24gは、一例として、非回転の部材をローラ24aに対して離接可能に備え、鉄筋結束機1AでワイヤWを正方向に送る動作では、ローラ24aに対してワイヤ送り規制ローラ24gを離間させ、ワイヤWの正方向への送りを許容する。これに対し、鉄筋結束機1AでワイヤWを逆方向に送る動作、及び、ワイヤ送り機構2Fでリール20からワイヤWを引き出す動作では、ローラ24aとワイヤ送り規制ローラ24gとの間にワイヤWを挟持して、ワイヤWの逆方向への送りを規制する。また、ワイヤ送り規制ローラ24gは、他の例として、一の方向への回転は許容し、他の方向への回転は規制するワンウェイベアリング等の支持機構に支持され、ワイヤWの正方向への送りに従動して回転することで、ワイヤWの正方向への送りを許容する。これに対し、ワイヤWの逆方向への送りに対して非回転となり、ワイヤWの逆方向への送りを規制する。
【0190】
ワイヤ送り機構2Fは、ワイヤWの送り量を検知する送り量検知センサ120を備える。送り量検知センサ120は送り量検知手段の一例で、正方向及び逆方向に送られるワイヤWの送り量を検知する。ワイヤ送り機構2Fが2本のワイヤWを送る構成では、送り量検知センサ120は、それぞれのワイヤWの送り量を検知できる構成である。送り量検知センサ120は、ワイヤWの移動に従動して回転する部材を使用し、その部材の回転量を検出する方法や、逆送りで戻されたワイヤWの重量を検出する方法等で実現される。
【0191】
図19は、結束設備の制御機能の一例を示すブロック図である。結束設備100Fは、制御部110Bが、鉄筋結束機1Aのモータ80及び送りモータ31を制御する。制御部110Bは、モータ80の回転量を制御することで、
図1等に示すスリーブ71の位置を制御し、ワイヤ係止部70でワイヤWを係止する動作、切断部6AでワイヤWを切断する動作、ワイヤ係止部70ワイヤWを捩じる動作を行う。
【0192】
また、制御部110Bは、送りモータ31の正転及び逆転を制御して、ワイヤWを正方向に送ることで、ワイヤWを鉄筋Sの周囲に巻き回す動作、ワイヤWを逆方向に送ることで、ワイヤWを鉄筋Sに巻き付ける動作を行う。
【0193】
更に、制御部110Bは、鉄筋結束機1Aで逆送りされたワイヤWの送り量を送り量検知センサ120で検知し、鉄筋結束機1Aで鉄筋Sを結束するために必要な量のワイヤWを引き出す目標下降位置まで引き出しローラ22aを移動(下降)させるための移動量を算出する。
【0194】
そして、制御部110Bは、ワイヤ送り機構2F駆動部22bのモータ22cを制御し、上限位置センサ25aで検知した引き出しローラ22aの位置と、引き出しローラ22aを目標下降位置まで下降させるための移動量に基づき、モータ22cの正転及び逆転を制御して、引き出しローラ22aを下降または上昇させる。
【0195】
<第6の実施形態の結束設備の動作例>
図18C~
図18Gは、ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示す動作説明図、
図20は、ワイヤ送り装置でワイヤを送る動作の一例を示すフローチャートで、次に、ワイヤ送り機構2Fでワイヤを送る動作について説明する。なお、鉄筋結束機1Aにおいて鉄筋Sを結束する動作は、
図5のフローチャート等で説明した動作と同様である。
【0196】
ワイヤ送り機構2Fは、上述した鉄筋結束機1Aでの結束動作において、ステップSA4でワイヤWを逆方向に送った後、次の結束動作において、ステップSA3でワイヤWを正方向に送るまでの間に、リール20から所定量のワイヤWを引き出す動作を行う。
【0197】
鉄筋結束機1Aで鉄筋SにワイヤWを巻き付けるため、ワイヤWを逆方向に送る動作では、
図18Cに示すように、ローラ24aとワイヤ送り規制ローラ24gとの間にワイヤWを挟持して、ワイヤWの逆方向への送りを規制する。鉄筋結束機1Aで鉄筋SにワイヤWを巻き付ける動作で、ワイヤWが逆方向に送られると、制御部110Bは、
図20のステップSD1で、鉄筋結束機1Aで逆送りされたワイヤWの送り量を送り量検知センサ120で検知する。
【0198】
また、制御部110Bは、ステップSD2で、鉄筋結束機1Aで鉄筋Sを結束するために必要な量のワイヤWの不足分を算出する。そして、制御部110Bは、ステップSD3で、鉄筋結束機1Aで鉄筋Sを結束するために必要な量のワイヤWを引き出す目標下降位置P21まで引き出しローラ22aを移動(下降)させるための移動量を算出し、目標下降位置P21まで引き出しローラ22aを移動(下降)させるためのモータ22cの回転量を算出する。目標下降位置P21は、鉄筋結束機1Aで逆送りされたワイヤWの送り量に応じて変化する。すなわち、鉄筋結束機1Aで鉄筋Sを結束するために必要なワイヤWの量は、鉄筋結束機1Aで逆送りされたワイヤWの送り量と、リール20から引き出されたワイヤWの量の合計となる。このため、逆送りされたワイヤWの送り量が少ない場合、リール20から引き出されるワイヤWの量を増やすため、目標下降位置P21が下がる。これに対し、逆送りされたワイヤWの送り量が多い場合、リール20から引き出されるワイヤWの量を減らすため、目標下降位置P21が上がる。
【0199】
制御部110Bは、ワイヤ送り機構2Fでリール20からワイヤWを引き出すため、
図20のステップSD4で、駆動部22bを制御してモータ22cを正転させ、引き出しローラ22aを上限位置P1から矢印Do方向に下降させる。ワイヤ送り機構2Fでリール20からワイヤWを引き出す動作では、
図18D、
図18Eに示すように、ローラ24aとワイヤ送り規制ローラ24gとの間にワイヤWを挟持して、ワイヤWの逆方向への送りを規制する。ワイヤ引き出し機構22は、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間のワイヤWに対して交差する方向に沿って、引き出しローラ22aが上限位置P1から下降する。
【0200】
引き出しローラ22aが上限位置P1から下降を開始すると、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間のワイヤWが下方に引っ張られる。これにより、リール20と第1のワイヤ誘導部23との間のワイヤWと、鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間のワイヤWが、第1のワイヤ誘導部23と第2のワイヤ誘導部24との間に引っ張られる力が加わる。
【0201】
ワイヤ誘導部24では、ローラ24aとワイヤ送り規制ローラ24gとの間にワイヤWが挟持され、ワイヤWの逆方向への送りが規制されている。これにより、ワイヤ引き出し機構22の引き出しローラ22aでワイヤWを引っ張る動作によって、鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間で弛んだワイヤWの余剰分は、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間に引き込まれない。
【0202】
これに対し、鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間のワイヤWを送ることができないことから、リール20と第1のワイヤ誘導部23との間のワイヤWが、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間に引き込まれる。
【0203】
これにより、ステップSD5でリール収容部21に収容されたリール20からワイヤWが引き出され、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間に送られる。
【0204】
引き出しローラ22aが目標下降位置P21まで下降すると、鉄筋結束機1Aで逆送りされたワイヤWの送り量、すなわち、鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間のワイヤWの送り経路26で弛んだワイヤWの余剰分と、リール20から引き出されたワイヤWの量の合計が、鉄筋結束機1で鉄筋Sを結束するために必要な量となるように、ワイヤWがリール20から引き出される。
【0205】
制御部110Bは、
図18Eに示すように、
図20のステップSD6で、引き出しローラ22aが目標下降位置P21まで移動したことを、モータ22cの回転量等から検知すると、モータ22cの回転方向を正転から逆転に切り替え、ステップSD7で、引き出しローラ22aを上昇させる。制御部110Bは,
図18Fに示すように、ステップSD8で、引き出しローラ22aが上限位置P1まで移動したことを、上限検知センサ25aで検知すると、ステップSD9で、モータ22cの回転方向を停止させる。これにより、鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間のワイヤWの送り経路26、及び、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間に、鉄筋結束機1Aで鉄筋Sを結束するために必要な量のワイヤWが、弛んだ状態となる。
【0206】
鉄筋結束機1Aで実行される次の結束動作において、鉄筋結束機1AでワイヤWを正方向に送る動作では、
図18Gに示すように、ローラ24aに対してワイヤ送り規制ローラ24gを離間させ、ワイヤWの正方向への送りを許容する。よって、
図5のステップSA3でワイヤWを正方向に送る動作により、鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間のワイヤWの送り経路26で弛んだワイヤWと、第1のワイヤ誘導部23のローラ23aと第2のワイヤ誘導部24のローラ24aとの間で弛んだワイヤWが矢印F2方向に送られる。
【0207】
これにより、ワイヤ送り機構2Fにおいては、ワイヤWの送り量を送り量検知センサ120で検知し、鉄筋結束機1Aで鉄筋Sを結束するために必要な量のワイヤWを引き出す目標下降位置P21まで引き出しローラ22aを移動(下降)させることで、ワイヤWを鉄筋Sに巻き付けるため、鉄筋結束機1AでワイヤWを逆方向に送る動作で、鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間のワイヤWの送り経路26で生じるワイヤWの弛みを解消することができる。また、鉄筋結束機1Aと第2のワイヤ誘導部24との間のワイヤWの送り経路26で生じるワイヤWの弛みによる余剰分に合わせて、鉄筋結束機1Aで鉄筋Sを結束するために必要な量のワイヤWを、ワイヤ引き出し機構22でワイヤWを引き出す動作で、リール20から引き出すことができる。
【0208】
なお、ワイヤWをリール20から引き出す構成は、ワイヤWの送り経路上に回転制御可能なワイヤWを挟み込んで回転するギアやローラを備える構成や、リール20を駆動する構成を備えても良い。
【0209】
<結束設備の変形例>
鉄筋結束機1Aは、作業者が手に持って使用する形態のものを適用する場合、
図1A等に示すように、本体部10Aとハンドル部11Aを備え、ハンドル部11Aにバッテリ15Aが着脱可能に取り付けられる構成である。これに対し、
図11A等に示すように、バッテリを本体部10Aに備えずに、外部より電源が供給される構成でも良い。また、
図11A等に示すように、鉄筋結束機1Aが上下方向、左右方向、回転方向に変位可能なロボットハンド114Aの先端部分に取り付けられ、ロボットハンド114Aが昇降機構111Aに取り付けられる構成でもよい。
【0210】
図21Aは、ワイヤ送り部及びワイヤガイドの変形例を示す平面断面図、
図21Bは、ワイヤガイドの一例を示す斜視図で、次に、各実施の形態の結束設備の変形例として、ワイヤ送り部3AにワイヤWをガイドする変形例のワイヤガイド4Bについて説明する。
【0211】
ワイヤガイド4Bは、正方向に送られるワイヤWの送り方向に対して上流側の開口40Aが、下流側の開口40Bに比べて開口面積が大きく構成される。ワイヤガイド4Bは、本例では、ワイヤ送り機構2Aから送られるワイヤWの導入側となる上流側の開口40Aの開口面積を最も大きくし、そこから徐々に開口面積が小さくなるようなテーパ状の開口で構成され、テーパ状の斜面でワイヤWをガイドするガイド面42Aが構成される。
【0212】
ワイヤガイド4Bは、上流側の開口40Aが、四角形、円形等で構成される。ワイヤガイド4Bは、上流側の開口40Aを仕切る仕切り部43Bを備える。ワイヤガイド4Bは、2本のワイヤWで鉄筋Sを結束する構成で、仕切り部43Bで仕切られた一方の開口40A1に一方のワイヤWが通され、他方の開口40A2に他方のワイヤWが通される。
【0213】
また、ワイヤガイド4Bは、正方向に送られるワイヤWの送り方向に対して、ワイヤ送り部3Aの一対の送りギア30(第1の送りギア30Lの溝部32Lと第2の送りギア30R)と対向する下流側の開口でワイヤ位置規制部44Aが構成される。ワイヤ位置規制部44Aは、一対の送りギア30と対向する開口41Aが、ワイヤWの径方向の向きを規制するような形状を有する。ワイヤガイド4Bは、下流側の開口41Aにおいて、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rが対向する方向に沿った長手方向の長さが、ワイヤ2本分の径の長さと同等以上程度、長手方向と直交した短手方向の長さが、ワイヤ1本分の径の長さと同等以上程度である長円形、長方形等で構成される。ワイヤガイド4Bの下流側の開口41Aは、仕切り部で仕切られていない。これにより、ワイヤガイド4Bを通過した2本のワイヤWの径方向の向きが、ワイヤガイド4Bの下流側の開口41Aで、第1の送りギア30Lと第2の送りギア30Rが対向する方向に沿った向きに誘導される。また、第1の送りギア30L及び第2の送りギア30Rの回転の軸方向に沿ったワイヤWの位置が、ワイヤ位置規制部44Aを構成するワイヤガイド4Aの下流側の開口40Aで規制される。これにより、ワイヤガイド4Bを通過した2本のワイヤWが、第1の送りギア30Lの溝部32L及び第2の送りギア30Rの溝部32Rから、第1の送りギア30L及び第2の送りギア30Rの回転の軸方向に沿って移動して外れることが抑制される。
【0214】
図22A~
図22Cは、各実施の形態の結束設備の他の変形例を示す斜視図である。
図22A~
図22Cでは、リール収容部に関して一例として第1の実施の形態の結束設備100Aの変形例を示す。
【0215】
図22Aでは、リール収容部21は、鉄筋結束機1Aにおいて2本のワイヤWで鉄筋Sを結束するため、2個のリール20が、回転の軸を鉛直方向に対して横向きとして、前後に並べて収容される。また、
図22Bでは、2個のリール20が、回転の軸を鉛直方向に対して横向きとして、上下に並べて収容される。更に、
図22Cでは、2個のリール20が、軸を鉛直方向に沿った縦向きとして、左右に並べて収容される。なお、
図21Cに示すように、軸を鉛直方向に沿った縦向きとする場合、リール20は回転可能な構成でなくても良い。
【0216】
図23は、各実施の形態の結束設備の更に他の変形例を示す斜視図である。
図23では、一例として第2の実施の形態の結束設備100Bの変形例を示す。各実施の形態の結束設備では、鉄筋結束機1Aが並列に送られる2本のワイヤWで鉄筋Sを結束する構成としたが、鉄筋結束機1Aが1本のワイヤWで鉄筋Sを結束する構成としても良い。この場合、ワイヤ送り機構2Bは、リール収容部21は1個のリール20が収容され、また、ワイヤ引き出し機構22は、1本のワイヤWを引き出し、第1のワイヤ誘導部23及び第2のワイヤ誘導部24は、1本のワイヤWを誘導する構成である。
【符号の説明】
【0217】
1A、1B・・・鉄筋結束機、2A。2B、2C、2D、2E、2F・・・ワイヤ送り機構、20・・・リール、21・・・リール収容部、22・・・ワイヤ引き出し機構、22a・・・引き出しローラ、22b・・・駆動部、22c・・・モータ、22d・・・ワイヤ弛み吸収機構、22f・・・バネ、23・・・第1のワイヤ誘導部、23a、23b、23c・・・ローラ、23d・・・ワイヤ弛み吸収機構、23e・・・弛み吸収ローラ、23f・・・バネ、24・・・第2のワイヤ誘導部、24a、24b・・・ローラ、24d・・・ワイヤ弛み吸収機構、24e・・・弛み吸収ローラ、24f・・・バネ、24g・・・ワイヤ送り規制ローラ、25a・・・上限検知センサ、25b・・・下限検知センサ、3A・・・ワイヤ送り部、30・・・送りギア、31・・・送りモータ、4A、4B・・・ワイヤガイド、40A、41A・・・開口、42A・・・ガイド面、43B・・・仕切り部、5A・・・カール形成部、6A・・・切断部、7A・・・結束部、70・・・ワイヤ係止体、8A・・・駆動部、80・・・モータ、100A、100B・・・制御部、120・・・送り量検知センサ(送り量検知手段)、W・・・ワイヤ