(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】住宅展示場
(51)【国際特許分類】
G09B 9/00 20060101AFI20240820BHJP
G09B 25/04 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
G09B9/00 K
G09B25/04
(21)【出願番号】P 2020179957
(22)【出願日】2020-10-27
【審査請求日】2023-07-20
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 2020年3月10日 積水ハウス株式会社 関東 住まいの夢工場(茨城県古河市北利根2)にて公開
(73)【特許権者】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080182
【氏名又は名称】渡辺 三彦
(72)【発明者】
【氏名】前原 尚一
【審査官】宇佐田 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-008782(JP,A)
【文献】特開2003-082864(JP,A)
【文献】特開平11-107551(JP,A)
【文献】特開2002-139992(JP,A)
【文献】特開2000-181341(JP,A)
【文献】「シンワテクノ弘西展示場紹介動画」,YouTube[online][video],日本,株式会社 シンワテクノ,2018年07月19日,0:00-4:33,<https://www.youtube.com/watch?v=28IqH39jgWk>,[2024年04月15日検索]
【文献】「清光園展示場紹介-LONG VERSION 岡山県浅口市 岡山・倉敷エリアの外構、お庭、エクステリア」,YouTube[online][video],日本,株式会社 清光園,2020年08月31日,0:00-3:30,<https://www.youtube.com/watch?v=LTOP9MPxG9o>,[2024年04月15日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 9/00,25/04
E04H 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
住宅を模して形成された住宅棟と、当該住宅棟に隣接して形成される住宅テラスと、を有する住宅展示施設と、
前記住宅テラスと異なる態様の複数の展示テラスを有するテラス展示広場と、を備え、
前記住宅展示施設及び前記テラス展示広場は、互いに隣接して配置され、
前記複数の展示テラスは、それぞれ異なる床面積で形成され
、
前記複数の展示テラスは、それぞれ前記住宅テラスから視認可能に配置され、
前記テラス展示広場は、3以上の前記展示テラスと、当該展示テラス同士を繋ぐ複数の通路と、を有し、
前記展示テラス同士は、環状に繋がっており、
前記展示テラス及び前記通路は回遊可能に形成されることを特徴とする住宅展示場。
【請求項2】
前記住宅テラスは、前記住宅棟と、前記テラス展示広場と、の間に配置され、
前記住宅棟は、前記住宅テラスに面してリビングを含む室空間が配置されており、
前記室空間は、透過性面材が設置された開口部を介して前記住宅テラスと隣接することを特徴とする
請求項1に記載の住宅展示場。
【請求項3】
前記複数の展示テラスは、床仕上げ材がそれぞれ異なることを特徴とする
請求項1または請求項2に記載の住宅展示場。
【請求項4】
前記通路は、床仕上げ材が、前記住宅テラス及び前記複数の展示テラスとは異なることを特徴とする
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の住宅展示場。
【請求項5】
前記住宅棟を挟んで前記テラス展示広場と相対向する位置に配置され、前記住宅棟に隣接する天然林と、
前記天然林、前記住宅棟、及び前記テラス展示広場に面して配置される里山と、を備え、
前記住宅棟は、前記天然林に面して非居室のみが配置されており、
前記開口部は、前記住宅テラスを挟んで前記テラス展示広場と相対向することを特徴とする
請求項2に記載の住宅展示場。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅展示施設と、複数の展示テラスを有するテラス展示広場と、を備えた住宅展示場に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、住宅に設けられる主庭やテラスなどの外構は、住宅全体の外観の印象を決定付ける重要な要素として知られている。そのため、住宅の計画を進める際は、住宅本体だけでなく、外構についても十分な検討を行う必要がある。そこで、外構を模したものを展示し、住宅購入予定者がその展示物を確認することで自身の外構計画をスムーズに進めることができる発明が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2)
【0003】
特許文献1に記載の発明では、門廻りの外構を模した実物大の外構セットを複数備える展示外構について開示している。この外構セットは、住宅本体に使用される外壁材に対し、デザイン上好ましい門廻りの部材を組み合わせることで形成される。住宅購入予定者は、各外構セットを順に体感することで、自身の希望する外構のイメージを明確化することができる。
【0004】
また特許文献2に記載の発明では、展示台上に、複数の宅地を有する街並みの模型を形成し、宅地ごとに種類の異なる住宅模型及び主庭の模型を配置する旨が記載されている。住宅購入予定者は、様々な態様の宅地を見比べることにより、外構の検討をスムーズに進めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2003-82864
【文献】特開平11-153945
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、外構セットのみを展示するため、住宅購入予定者は、実際に建設される住宅本体と外構セットとの比較をその場で行うことができない。そのため住宅を建設した際に、住宅本体の外観と外構との意匠上のバランスに違和感を生じさせる可能性がある。そして特許文献2は、住宅模型や主庭の模型が実物大ではないため、住宅購入予定者が思い浮かべる住宅の外観イメージと、実際に建設された住宅の外観の印象とにずれが生じる可能性が高い。
【0007】
そこで、本発明は、上述した課題を鑑みてなされたものであって、住宅購入予定者が、住宅本体及び主要な外構となる主庭の検討をスムーズに進めることができる住宅展示場を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の住宅展示場は、住宅を模して形成された住宅棟と、当該住宅棟に隣接して形成される住宅テラスと、を有する住宅展示施設と、前記住宅テラスと異なる態様の複数の展示テラスを有するテラス展示広場と、を備え、前記住宅展示施設及び前記テラス展示広場は、互いに隣接して配置され、前記複数の展示テラスは、それぞれ異なる床面積で形成されることを特徴としている。
【0009】
本発明の第2の住宅展示場は、前記複数の展示テラスが、それぞれ前記住宅テラスから視認可能に配置されることを特徴としている。
【0010】
本発明の第3の住宅展示場は、前記住宅テラスが、前記住宅棟と、前記テラス展示広場と、の間に配置され、前記住宅棟が、前記住宅テラスに面してリビングを含む室空間を配置されており、前記室空間が、透過性面材を設置された開口部を介して前記住宅テラスと隣接することを特徴としている。
【0011】
本発明の第4の住宅展示場は、前記複数の展示テラスが、床仕上げ材をそれぞれ異なるせていることを特徴としている。
【0012】
本発明の第5の住宅展示場は、前記テラス展示広場が、3以上の前記展示テラスと、当該展示テラス同士を繋ぐ複数の通路と、を有し、前記展示テラス及び前記通路は回遊可能に形成されることを特徴としている。
【0013】
本発明の第6の住宅展示場は、前記通路が、床仕上げ材を前記住宅テラス及び前記複数の展示テラスとは異ならせていることを特徴としている。
【0014】
本発明の第7の住宅展示場は、前記住宅棟を挟んで前記テラス展示広場と相対向する位置に配置され、前記住宅棟に隣接する天然林と、前記天然林、前記住宅棟、及び前記テラス展示広場に面して配置される里山と、を備え、前記住宅棟が、前記天然林に面して非居室のみが配置されており、前記開口部が、前記住宅テラスを挟んで前記テラス展示広場と相対向することを特徴としている。
【発明の効果】
【0015】
本発明の第1の住宅展示場によると、住宅展示施設及びテラス展示広場は、互いに隣接して配置される。したがって住宅展示施設を見学する来場者は、住宅展示施設と展示テラスとをその場で見比べることができ、自身が購入を検討している住宅の全体像を容易にイメージすることができる。また複数の展示テラスは、互いに床面積が異なるとともに、住宅棟に隣接する住宅テラスと態様が異なっているので、来場者は、住宅の主庭について様々なイメージを膨らませることができる。
【0016】
本発明の第2の住宅展示場によると、複数の展示テラスは、それぞれ住宅テラスから視認可能に配置されるので、住宅展示施設を見学する来場者は、住宅テラスにいながら複数の展示テラスを確認することができる。したがって来場者は、住宅テラスと複数の展示テラスとを容易に見比べることができ、自身が購入を検討している住宅の主庭について具体的なイメージを膨らませることができる。
【0017】
本発明の第3の住宅展示場によると、住宅テラスは、住宅棟とテラス展示広場との間に配置され、また、リビングを含む室空間が、透過性面材が設置された開口部を介して住宅テラスと隣接するとされる。したがって住宅展示施設を見学する来場者は、住宅棟内部の室空間を体感しながら、開口部を通じて住宅テラスや、その先に設置された展示テラスを確認することができるので、室空間内からの主庭の見え方を体感することができ、自身が購入を検討している住宅と主庭とのバランスや組み合わせを効果的に検討することができる。
【0018】
本発明の第4の住宅展示場によると、複数の展示テラスは、床仕上げ材がそれぞれ異なっているので、来場者は、様々な雰囲気の展示テラスを体感することができ、自身の主庭計画について効果的に検討を進めることができる。
【0019】
本発明の第5の住宅展示場によると、テラス展示広場は、3以上の展示テラス及び、当該展示テラス同士を繋ぐ複数の通路を有し、展示テラス及び通路は回遊可能に形成される。したがって来場者は、回遊動線によって各展示テラスを効率よく見学することができる。
【0020】
本発明の第6の住宅展示場によると、通路は、床仕上げ材が住宅テラス及び複数の展示テラスと異なっているとされる。したがって来場者は、様々な雰囲気の床仕上げ材を見比べることができ、自身の主庭計画について効果的に検討を進めることができる。
【0021】
本発明の第7の住宅展示場によると、住宅棟を挟んでテラス展示広場と相対向する位置に配置され、住宅棟に隣接する天然林と、当該天然林、住宅棟、及びテラス展示広場に面して配置される里山と、を備えている。したがって住宅棟は、人が介在していない森林、人の手が加わった里山、そして人の手によって生み出される展示テラスや住宅テラスといった態様の異なる自然空間に周囲を包囲されることとなり、来場者は、森林に生息又は自生する動植物が徐々に身近な生活圏に組み込まれる様子を体感することができる。また少なくとも住宅棟は、天然林に面して非居室のみが配置されており、また開口部が住宅テラスを挟んでテラス展示広場と相対向するとされる。したがって来場者は、住宅棟内部を見学する際、各テラス空間に意識を向け易くなり主庭計画の検討に集中することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図4】テントを設置した状態の第1展示テラスを示す斜視図。
【
図5】家具及びテントを設置した状態の第2展示テラスを示す斜視図。
【
図6】家具及びテントを設置した状態の第3展示テラスを示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の住宅展示場の最良の実施形態について各図を参照しつつ説明する。本願の住宅展示場は、住宅購入予定者が戸建住宅の生活空間を体感するために形成された展示場であり、主に工業化住宅メーカーによって展開される。なお、本発明において「東」、「西」、「北」、「南」とは
図1から
図3における右方向、左方向、上方向、下方向をそれぞれ指すものとする。なお本発明における「室空間」及び「開口部」は、本実施形態においては、それぞれ「LDK空間21D」、「第2開口部D2」が相当する。また本発明における「展示テラス」は、「第1展示テラス31a」、「第2展示テラス31b」、「第3展示テラス31c」が該当し、且つ、本発明における「通路」は、「第1通路32a」、「第2通路32b」、「第3通路32c」が相当する。
【0024】
図1に示すように、住宅展示場1は、敷地S内に建設された住宅展示施設2と、住宅展示施設2の東側に隣接するテラス展示広場3と、住宅展示施設2の西側に隣接する天然林4と、住宅展示施設2の南側に接し、東西方向へ延びる第1道路R1と、第1道路R1を挟んで住宅展示施設2、テラス展示施設3、及び天然林4に相対向する里山5と、を備えている。
【0025】
図2に示す住宅展示施設2は、2階建ての戸建住宅を模して形成した展示施設であり、敷地Sのやや北西側に寄せて建設される住宅棟21と、住宅棟21の東側に配置される住宅テラス22と、を有している。また住宅棟21と第1道路R1との間にはアプローチ23が形成され、且つ、住宅テラス22と第1道路R1との間には駐車スペース24が形成されている。来場者は、これらアプローチ23や駐車スペース24を通過して第1道路R1から敷地S1内へ入ることができる。なお、駐車スペース24とテラス展示広場3との間には柵や間仕切などが設置されておらず、来場者は、両スペース24、3間を自由に行き来することができる。
【0026】
住宅棟21の1階は、アプローチ23に面して形成される玄関21Aと、玄関21Aの東側に東西方向へ並んで配置される玄関ホール21B及び和室21C、和室21Cの北側に配置され、1階の過半近くを占めるLDK空間21D、玄関21Aの西側に配置され、南北方向へ並んで配置される土間収納21E及び玄関クローゼット21F、玄関21Aの北側に配置される階段21G、1階の北西に位置するとともに、LDK空間21Dの西側に東西方向へ並んで配置される洗面室21H及び浴室21I、浴室21Iの南側に配置されるトイレ21J、そしてLDK空間21Dから西方向へ一直線状に延び、且つ、LDK空間21D、洗面室21H、トイレ21J、階段21G、玄関クローゼット21F同士を結ぶ廊下21K、によって構成されている。なお、階段21G裏側の空間は物入21Lとなっている。また、玄関21Aには、アプローチ23に面して第1開口部D1が形成されており、来場者は、この第1開口部D1に設置された出入口扉D1aを通じてアプローチ23から住宅棟21内部へ入ることができる。
【0027】
図2に示すように、LDK空間21Dは、リビングダイニング25、キッチン26を1つの空間に収めた室であり、このうちリビングダイニング25は、住宅テラス22の西側に面して配置される。また、リビングダイニング25と住宅テラス22とを区切る外壁材には第2開口部D2が形成されており、リビングダイニング25を見学する来場者は、この第2開口部D2に設置された掃出し窓D2aを通じて直接住宅テラス22へと出ることができる。なお、掃出し窓D2aには透明ガラスなどの透過性面材D2bが嵌め込まれており、来場者は、リビングダイニング25を見学しながら掃出し窓D2aを通じて住宅テラス22及びその先のテラス展示広場3を見通すことができる。したがって来場者は、主庭となるテラスの室空間内からの見え方を体感することができ、住宅本体と主庭とのバランスや組み合わせを効果的に検討することができる。
【0028】
このように住宅棟21の1階は、住宅テラス22に面する東側にLDK空間21Dが配置される一方、天然林4に面する西側には非居室のみが配置されており、東側のテラス展示広場3に対して開かれた雰囲気の階となっている。したがって来場者は、住宅棟21の1階を見学する際、テラス空間に意識を向け易くなり主庭計画の検討に集中することができる。
【0029】
住宅テラス22は、戸建住宅に設置されるテラス空間を模して形成されたものであり、椅子22aやテント22b、キッチンシンク22cなどが設置されている。また住宅テラス22は、床が木製デッキ材で仕上げられており、その床面積は10平米~15平米程度となっている。さらに、住宅テラス22と東側に隣接するテラス展示広場3との境界部分には、視線の高さよりも低い高さを有する柵22dが設置されており、住宅テラス22を見学する来場者は、自身が滞在する住宅テラス22と、テラス展示広場3の後述する各展示テラス31a、31b、31cとをその場で見比べることができる。なお、住宅テラス22の南側には、駐車スペース24に続く階段22eが設置されており、来場者は、階段22eから駐車スペース24を通って展示テラス広場3へ入ることができる。
【0030】
図2に示す展示テラス広場3は、3つの展示テラス、すなわち、最も北側に位置する第1展示テラス31a、第1展示テラス31aの南西に位置する第2展示テラス31b、及び第1展示テラス31aの南東に位置する第3展示テラス31cを有している。また、各展示テラス31a、31b、31cは、それぞれ第1通路32a、第2通路32b、及び第3通路32cによって繋がれており回遊することができる。このように、各展示テラス31a、31b、31cを回遊可能とすることにより、来場者は、テラス展示広場3を効率よく見学することができる。そして各展示テラス31a、31b、31cや各通路32a、32b、32cの周囲は芝生敷きとなっており、そこには多数の樹木33が植えられている。これらの樹木33は、主に住宅展示施設1が建設された土地の気候風土に順応する我が国の原種や自生種、在来種などで構成されており、一部に天然林4に自生する樹木と同一の樹種が選定される。なおテラス展示広場3は、南側の第1道路R1、及び東側の第2道路R2と接道しており、来場者は、第2展示テラス31bと第1道路R1との間に設置される第4通路32d、及び第3展示テラス31cと第2道路R2との間に設置される第5通路32eを通って各道路R1、R2からテラス展示広場3内へ入ることができる。
【0031】
図3に示す第1展示テラス31a及び第2展示テラス31bは、コンクリートを打設して形成された平面視略矩形状のテラスであり、表面をコンクリート洗出し仕上げとしている。その床面積は、第1展示テラス31aが8平米~10平米程度、第2展示テラス31bが5平米~7平米程度で形成されており、且つ、第1展示テラス31aの床面には平面視L字型状の木製ベンチ31dが設置されている。また第3展示テラス31cは、砂利敷きされた地盤に図外の脚材を立設し、その上に平面視略ロ字型状に組んだ樹脂製デッキ材を載置してなるものである。その床面積は17平米~19平米程度であり、
図6に示すように、中央の堀座卓部分に樹脂製のテーブル31eが固定される。このように、第1展示テラス31a、第2展示テラス31b、及び第3展示テラス31cは、互いに床面積が異なるとともに、それぞれ平面形状、床面積、床仕上げ、などの態様が住宅テラス22と異なっているので、来場者は、自身が購入を検討している住宅の主庭について効果的にイメージを膨らませることができる。なお
図3等では、各テラス31a、31b、31cに家具や日除けが設置されていないが、
図4から
図6に示すように、持運び可能な椅子31eや移動可能なテーブル31f、日除けテント31gなどを設置してよりテラスの臨場感を高めてもよい。また3つの各展示テラス31a、31b、31cは、来場者に様々な雰囲気のテラス空間を体感してもらえるよう、それぞれ完全に異なる床仕上げ材としてもよい。
【0032】
図3に示す第1通路32aから第5通路32eまでの各通路は、互いに異なる幅で形成され、且つ、互いに異なる床仕上げ材で形成される。具体的には、第1通路32aは、通路幅が900mm程度で形成されるとともに床仕上げ材がレンガ敷仕上げとなっており、それに対し第2通路32bは、通路幅が750mm程度で形成されるとともに床仕上げ材がタイル仕上げとされ、また第3通路32cは、通路幅が600mm程度で形成されるとともに床面が自然石乱張り仕上げとなっている。そして、第4通路32d及び第5通路32eは、通路幅が750mm程度~1200mm程度で形成され、それぞれ床仕上げ材が樹脂デッキ材やコンクリート洗出し仕上げとなっている。このように、5つの通路の幅や床仕上げ材をそれぞれ異ならせることにより、来場者は、自身の主庭計画について効果的に検討を進めることができる。
【0033】
図1に示す天然林4は、人の手がほとんど介入していない自然に形成された森林であり、敷地内を流れる川Aの水が第1道路R1下を通過して里山5へ流れこんでいる。また里山5は、人によって手入れされた森林であり、敷地内には川Aからの水が流れ込む池Bが形成されている。このように、住宅棟21は、人が介在していない森林である天然林4、人の手が加わった里山5、そして人の手によって生み出されるテラス展示広場3や住宅テラス22といった態様の異なる自然空間に周囲を包囲されるので、来場者は、森林に生息又は自生する動植物が徐々に身近な生活圏に組み込まれる様子を体感することができる。また、テラス展示広場3には、天然林4に自生する樹木と同一の樹種も植えられているため、住宅展示施設2を囲む自然環境を統一感のあるものとすることができる。
【0034】
なお、住宅棟21の2階(図示せず)は、西側の天然林4に面して居室を配置するとともに、居室と天然林4との間に透過性を有する開口部を配置し、天然林4に対して開かれた雰囲気の階としてもよい。このような配置とすることにより、来場者は、住宅棟21の1階で人が滞在する住宅テラス22を体感することができるとともに、2階で人の手が介入されていない天然林4を風景として楽しむことができ、住宅棟21にいながら対照的な2つ自然環境の対比を体感することができる。
【0035】
このように、本願の住宅展示場1は、住宅展示施設2に隣接してテラス展示広場3を形成しているので、住宅テラス22と各展示テラス31a、31b、31cとをその場で見比べることができ、自身が購入を検討している住宅の全体像を容易にイメージすることができる。また各展示テラス31a、31b、31cは、互いに床面積が異なるとともに住宅テラス22と態様が異なっているので、来場者は、住宅の主庭について様々なイメージを膨らませることができる。
【0036】
本発明の実施の形態は上述の形態に限ることなく、本発明の思想の範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明に係る住宅展示場は、住宅購入予定者が自身の主庭計画を進める際に好適に使用することができる。
【符号の説明】
【0038】
1 住宅展示場
2 住宅展示施設
21 住宅棟
21D LDK空間(室空間)
22 住宅テラス
3 テラス展示広場
31a 第1展示テラス(展示テラス)
31b 第2展示テラス(展示テラス)
31c 第3展示テラス(展示テラス)
32a 第1通路(通路)
32b 第2通路(通路)
32c 第3通路(通路)
4 天然林
5 里山
D2 第2開口部(開口部)
D2b 透過性面材