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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】車両用前照灯
(51)【国際特許分類】
   F21S 41/365 20180101AFI20240820BHJP
   F21S 41/147 20180101ALI20240820BHJP
   F21S 41/33 20180101ALI20240820BHJP
   F21S 41/151 20180101ALI20240820BHJP
   F21S 41/663 20180101ALI20240820BHJP
   F21W 102/155 20180101ALN20240820BHJP
   F21W 102/14 20180101ALN20240820BHJP
   F21W 102/165 20180101ALN20240820BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20240820BHJP
【FI】
F21S41/365
F21S41/147
F21S41/33
F21S41/151
F21S41/663
F21W102:155
F21W102:14
F21W102:165
F21Y115:10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020182585
(22)【出願日】2020-10-30
(65)【公開番号】P2022072894
(43)【公開日】2022-05-17
【審査請求日】2023-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000000136
【氏名又は名称】市光工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大橋 悠二
(72)【発明者】
【氏名】今村 洋弥
(72)【発明者】
【氏名】野末 洋和
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 英治
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-324002(JP,A)
【文献】特開2018-085217(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 41/365
F21S 41/147
F21S 41/33
F21S 41/151
F21S 41/663
F21W 102/155
F21W 102/14
F21W 102/165
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1光を前方に出射する第1光源と、
前記第1光源に対して上方に配置され第2光を前方に出射する第2光源と、
前記第1光源の前方に配置され、前記第1光を上方に反射する第1反射面と、
前記第2光源の上方に配置され、前記第1光源から前記第1反射面を介して到達する前記第1光を前方に反射する第2反射面と、
前記第2光源の上方かつ前記第2反射面の下方に前後方向に延びた状態で配置され、前記第2反射面との間で縁部を共有するように当該縁部において前記第2反射面に接続され、前記第2光源からの前記第2光を前方に反射する第3反射面と、
前記第1反射面、前記第2反射面及び前記第3反射面の前方に配置され、前記第1光及び前記第2光を前方に照射する投影レンズと
を備え、
前記第1光源と前記第2光源とは、同一平面上に配置され
前記第3反射面は、前記第2光のうち前方に出射された光が当該第3反射面の下方を通過しかつ前記第2光のうち上方に出射された光が当該第3反射面により前方に反射されるように、前記第2光源の前方に配置される
車両用前照灯。
【請求項2】
前記縁部は、前記投影レンズの焦点の近傍の位置に配置され、
前記第2光源は、前記投影レンズの光軸よりも下方かつ前記投影レンズの焦点よりも後方に配置され、
前記第1光源及び前記第2光源は、それぞれ前記第1光及び前記第2光の出射軸が前方の斜め上方を向くように配置される
請求項1に記載の車両用前照灯。
【請求項3】
前記第1光源及び前記第2光源が実装される平面状の実装面を有する基板を更に備え、
前記基板は、前記実装面の法線が前方の斜め上方を向いた状態で配置される
請求項1又は請求項2に記載の車両用前照灯。
【請求項4】
前記第1反射面、前記第2反射面及び前記第3反射面は、単一部品の表面に形成される
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の車両用前照灯。
【請求項5】
前記第1光は、車両前方にロービームパターンを形成するための光であり、
前記第2光は、車両前方にハイビームパターンを形成するための光であり、
前記縁部は、前記ロービームパターンにカットオフラインを形成するためのカットオフ形成部を有する
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の車両用前照灯。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用前照灯に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用前照灯として、例えば車両前方にロービームパターンを形成するための第1光源と、遠方を照射するハイビームパターンを形成するための第2光源とが1つのユニットに設けられた構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-98105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の車両用前照灯は、第1光源と第2光源とが異なる面上に配置された構成である。この構成では、第1光源と第2光源とで実装基板を別個に形成する必要があるため、部品点数が多くなってしまう。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、部品点数の増加を抑制することが可能な車両用前照灯を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る車両用前照灯は、第1光を前方に出射する第1光源と、前記第1光源に対して上方に配置され第2光を前方に出射する第2光源と、前記第1光源の前方に配置され、前記第1光を上方に反射する第1反射面と、前記第2光源の上方に配置され、前記第1光源から前記第1反射面を介して到達する前記第1光を前方に反射する第2反射面と、前記第2光源の上方かつ前記第2反射面の下方に前後方向に延びた状態で配置され、前記第2反射面との間で縁部を共有するように当該縁部において前記第2反射面に接続され、前記第2光源からの前記第2光を前方に反射する第3反射面と、前記第1反射面、前記第2反射面及び前記第3反射面の前方に配置され、前記第1光及び前記第2光を前方に照射する投影レンズとを備え、前記第1光源と前記第2光源とは、同一平面上に配置される。
【0007】
上記の車両用前照灯において、前記縁部は、前記投影レンズの焦点の近傍の位置に配置され、前記第2光源は、前記投影レンズの光軸よりも下方かつ前記投影レンズの焦点よりも後方に配置され、前記第1光源及び前記第2光源は、それぞれ前記第1光及び前記第2光の出射軸が前方の斜め上方を向くように配置されてもよい。
【0008】
上記の車両用前照灯において、前記第1光源及び前記第2光源が実装される平面状の実装面を有する基板を更に備え、前記基板は、前記実装面の法線が前方の斜め上方を向いた状態で配置されてもよい。
【0009】
上記の車両用前照灯において、前記第1反射面、前記第2反射面及び前記第3反射面は、単一部品の表面に形成されてもよい。
【0010】
上記の車両用前照灯において、前記第1光は、車両前方にロービームパターンを形成するための光であり、前記第2光は、車両前方にハイビームパターンを形成するための光であり、前記縁部は、前記ロービームパターンにカットオフラインを形成するためのカットオフ形成部を有してもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、部品点数の増加を抑制することが可能な車両用前照灯を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本実施形態に係る車両用前照灯の一例を示す正面図である。
図2図2は、図1におけるA-A矢視断面図である。
図3図3は、図2における要部を拡大して示す図である。
図4図4は、車両用前照灯の動作の一例を示す図である。
図5図5は、車両前方の仮想のスクリーンに照射される配光パターンの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る車両用前照灯の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
【0014】
図1及び図2は、本実施形態に係る車両用前照灯100の一例を示す図である。図1は車両用前照灯100の一例を示す正面図、図2図1におけるA-A矢視断面図である。図1及び図2に示すように、車両用前照灯100は、光源部10と、リフレクタ20と、投影レンズ30と、保持部40とを備える。
【0015】
光源部10は、第1光源11と、第2光源12と、基板13とを有する。第1光源11は、例えば車両前方にロービームパターンを形成するための第1光L1を発光する。第2光源12は、例えば車両前方にハイビームパターンを形成するための第2光L2を発光する。
【0016】
第1光源11及び第2光源12は、例えばLED等の半導体型光源が用いられる。第1光源11及び第2光源12は、それぞれ複数設けられ、左右方向に並んだ配置となっている。第1光源11は、左右方向の中央に1つ配置され、左右方向の両側に1つずつ、合計で3つ配置される。第1光源11の個数は、3つに限定されず、2つ以下又は4つ以上であってもよい。第2光源12は、第1光源11よりも左右方向の間隔が狭くなるように複数配置される。第2光源12は、例えばそれぞれ独立して点灯状態を制御可能であってもよい。第1光源11は、第2光源12に対して下方に配置される。換言すると、第2光源12は、第1光源11に対して上方に配置される。このように、第1光源11と第2光源12とは、上下に配置されている。
【0017】
第1光源11及び第2光源12は、基板13の実装面13aに実装される。本実施形態において、第1光源11及び第2光源12は、1つの基板13に実装される。このため、光源ごとに別個の基板を形成する必要がなく、部品点数の削減を図ることができる。実装面13aは、平面状である。基板13は、後述する保持部40の基板支持面41(図2参照)に配置される。基板13は、基板支持面41に沿って配置される。基板13は、実装面13aが前方の斜め上方を向いた状態で配置される。第1光源11及び第2光源12は、発光面11a及び発光面12aが前方を向いた状態、より具体的には、前方の斜め上方を向いた状態で配置される。このため、第1光源11及び第2光源12は、第1光L1及び第2光L2の出射軸がそれぞれ前方の斜め上方を向くように配置される。
【0018】
リフレクタ20は、第1光源11からの第1光L1及び第2光源12からの第2光L2を投影レンズ30に向けて反射する。図1に示すように、リフレクタ20は、単一部材として設けられ、保持部40に固定される。リフレクタ20が単一部材であることにより、後述する第1反射面21、第2反射面22及び第3反射面23の位置を精度よく規定できる。
【0019】
図3は、図2における要部を拡大して示す図である。図2及び図3に示すように、リフレクタ20は、第1反射面21と、第2反射面22と、第3反射面23とを有する。
【0020】
第1反射面21は、第1光源11の前方に配置される。第1反射面21は、第1光を上方に反射する。第1反射面21は、基板13から前方に延び、前方に向けて凸となるように上方に湾曲した形状を有する。第1反射面21は、例えば楕円若しくは放物面を基調とする自由曲面からなる。図1に示すように、第1反射面21は、それぞれの第1光源11の位置に対応して設けられる。本実施形態において、第1反射面21は、左右方向の中央に1つ配置され、左右方向の左右に1つずつ配置される。なお、第1反射面21は、それぞれの第1光源11の位置に対応して設けられる構成に限定されない。
【0021】
第2反射面22は、第2光源12の上方に配置される。第1光源11から第1反射面21を介して到達する第1光を前方に反射する。第2反射面22は、上側に凸となるように湾曲した形状を有する。第2反射面22は、例えば楕円、放物面若しくは平面を基調とする自由曲面からなる。第2反射面22の曲率は、第1反射面21の曲率と同一であってもよいし、異なってもよい。
【0022】
第2反射面22は、後方の端部に縁部24を形成する。縁部24は、後述する第3反射面23との間で共有される。縁部24は、図1に示すように、第1直線部24a、傾斜部24b及び第2直線部24cを有する。第1直線部24a及び第2直線部24cは、ロービームパターンの水平カットオフラインCLa、CLc(図5参照)を形成するための部分である。傾斜部24bは、ロービームパターンの斜めカットオフラインCLb(図5参照)を形成するための部分である。縁部24は、後述する投影レンズ30の焦点F又は当該焦点Fの近傍の位置に配置される。なお、第1直線部24a及び第2直線部24cは、投影レンズ30による像面に沿って湾曲した形状を有してもよい。
【0023】
第3反射面23は、第2光源12の上方かつ第2反射面22の下方に配置される。第3反射面23は、下方に向けて配置される。第3反射面23は、第2光源12から出射された第2光の一部、例えば第2光のうち第2光源12から上方に向かう成分を前方に反射する。第3反射面23は、第2反射面22との間で縁部24を共有し、当該縁部24において第2反射面22に接続される。第3反射面23は、縁部24から基板13側、つまり後方に向けて前後方向に延びた状態で設けられる。第3反射面23は、第2光源12に近接した位置に配置される。
【0024】
投影レンズ30は、リフレクタ20の前方に配置される。投影レンズ30は、入射面31及び出射面32を有する。入射面31は、リフレクタ20からの第1光L1及び第2光L2が入射する。出射面32は、入射面31に入射した第1光L1及び第2光L2を車両前方に出射して、ロービームパターン及びハイビームパターンを形成する。投影レンズ30は、入射面31及び出射面32の少なくとも一方に、不図示の光拡散部が設けられてもよい。この光拡散部は、入射面31に入射する光及び出射面32から出射する光を左右方向又は上下方向に拡散させる。
【0025】
保持部40は、基板13を支持する基板支持面41を前部に有する。基板支持面41は、例えば平面状であり、前方の斜め上方を向いた状態で配置される。保持部40は、第1光源11及び第2光源12で発生した熱を放熱する。保持部40は、後部、上部又は下部にフィン等の不図示の放熱部が設けられてもよい。
【0026】
次に、上記のように構成された車両用前照灯100の動作を説明する。図4は、車両用前照灯100の動作の一例を示す図である。車両用前照灯100の第1光源11を点灯させることにより、発光面11aから第1光L1が放射される。第1光L1は、図4に示すように、第1反射面21により上方に反射され、第2反射面22により前方に反射されて、投影レンズ30に到達する。投影レンズ30に到達した第1光L1は、投影レンズ30により車両前方に照射される。
【0027】
図5は、車両前方の仮想のスクリーンに照射される配光パターンPFの一例を示す図であり、左側通行の車両に対応するパターンを示している。図5において、V-V線がスクリーンの垂直線を示し、H-H線がスクリーンの左右の水平線を示す。また、ここでは、垂直線と水平線との交点が、水平方向の基準位置であるとする。
【0028】
図5に示すように、投影レンズ30から照射された第1光L1により、車両前方にロービームパターンP1が形成される。第1光L1のうち縁部24を通過した光によりカットオフラインCLが形成される。カットオフラインCLは、水平カットオフラインCLa、CLc及び斜めカットオフラインCLbを含む。
【0029】
また、車両用前照灯100の第2光源12を点灯させることにより、発光面12aから第2光L2が放射される。図3に示すように、第2光L2のうち前方に出射された一部(以降、第2光L2aと表記する)は、第3反射面23の下方を通過して投影レンズ30に到達する。この場合、第2光L2aの一部は、第3反射面23の先端である縁部24の近傍を超えて投影レンズ30に到達する。また、第2光L2のうち上方に出射された一部(以降、第2光L2bと表記する)は、第3反射面23により前方に反射されて投影レンズ30に到達する。また、第2光L2のうち下方に出射された一部(以降、第2光L2cと表記する)は、第1反射面21の情報を通過して投影レンズ30に到達する。
【0030】
投影レンズ30に到達した第2光L2a、L2b、L2cは、投影レンズ30により車両前方に照射され、図5に示すように、ハイビームパターンP2を形成する。なお、投影レンズ30の下側に到達する第2光L2cは、ハイビームパターンP2の上側部分に照射される。
【0031】
本実施形態において、第1光源11及び第2光源12は、第1光L1及び第2光L2の出射軸が前方の斜め上方を向くように配置される。このため、第1光L1が第2反射面22の縁部24を通過するように第1光源11を配置しつつ、第2光L2の出射軸を縁部24の近傍に向けるように第2光源12を配置することができる。この構成により、第2光L2aの一部が縁部24の近傍を通過して投影レンズ30に到達する。したがって、ハイビームパターンP2の下側部分が、ロービームパターンP1の水平カットオフラインCLcの近傍に形成される。このため、ハイビームパターンP2がロービームパターンP1に対して上方に離れた状態で形成されることを抑制できる。また、ロービームパターンP1とハイビームパターンP2とを一部重ねるように照射することができ、中央部の高度を増加させることができる。
【0032】
以上のように、本実施形態に係る車両用前照灯100は、第1光L1を前方に出射する第1光源11と、第1光源11に対して上方に配置され第2光L2を前方に出射する第2光源12と、第1光源11の前方に配置され、第1光L1を上方に反射する第1反射面21と、第2光源12の上方に配置され、第1光源11から第1反射面21を介して到達する第1光L1を前方に反射する第2反射面22と、第2光源12の上方かつ第2反射面22の下方に前後方向に延びた状態で配置され、第2反射面22との間で縁部24を共有するように当該縁部24において第2反射面22に接続され、第2光源12からの第2光L2を前方に反射する第3反射面23と、第1反射面21、第2反射面22及び第3反射面23の前方に配置され、第1光L1及び第2光L2を前方に照射する投影レンズ30とを備え、第1光源11と第2光源12とは、同一平面上に配置され、第2光源12は、投影レンズ30の光軸AXよりも下方に配置される。
【0033】
この構成によれば、第1光源11及び第2光源12が同一平面上に配置されるため、当該第1光源11及び第2光源12を1つの基板13に実装することができる。このため、光源ごとに別個の基板を形成する必要がない。これにより、部品点数の増加を抑制することができる。また、第2光源12から上方に向かう第2光L2を第3反射面23により前方に反射するため、第2光L2の損失を抑えることができる。また、第1光源11と第2光源12とを上下方向に配置して前方に向ける構成により、第1光源11及び第2光源12が上下方向に向いた構成に比べて、前後方向の寸法を小さくすることができる。
【0034】
本実施形態に係る車両用前照灯100において、縁部24は、投影レンズ30の焦点の近傍の位置に配置され、第2光源12は、投影レンズ30の光軸AXよりも下方かつ投影レンズ30の焦点Fよりも後方に配置され、第1光源11及び第2光源12は、それぞれ第1光L1及び第2光L2の出射軸が前方の斜め上方を向くように配置される。この構成によれば、第1光L1が第2反射面22の縁部24を通過するように第1光源11を配置しつつ、第2光L2の出射軸を縁部24の近傍に向けるように第2光源12を配置することができる。これにより、第2光L2の一部が縁部24の近傍を通過して投影レンズ30に到達するため、第2光L2によるパターンを第1光L1によるパターンの上方近傍の位置に形成することができる。
【0035】
本実施形態に係る車両用前照灯100は、第1光源11及び第2光源12が実装される平面状の実装面13aを有する基板13を更に備え、基板13は、実装面13aの法線が前方の斜め上方を向いた状態で配置される。この構成によれば、第1光源11及び第2光源12の向き及び位置を高精度に設定することができる。
【0036】
本実施形態に係る車両用前照灯100において、第1反射面21、第2反射面22及び第3反射面23は、単一部品の表面に形成される。この構成では、第1反射面21、第2反射面22及び第3反射面23が別部品に形成される構成に比べて、互いの位置関係を精度よく規定することができる。
【0037】
本実施形態に係る車両用前照灯100において、第1光L1は、車両前方にロービームパターンP1を形成するための光であり、第2光L2は、車両前方にハイビームパターンP2を形成するための光であり、縁部24は、ロービームパターンP1にカットオフラインCLを形成するためのカットオフ形成部(第1直線部24a、傾斜部24b、第2直線部24c)を有する。この構成では、ハイビームパターンP2の下側部分が、ロービームパターンP1の水平カットオフラインCLcの近傍に形成される。これにより、ハイビームパターンP2がロービームパターンP1に対して上方に離れた状態で形成されることを抑制できる。
【0038】
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。例えば、上記実施形態では、第1反射面21、第2反射面22及び第3反射面23が単一部品の表面に形成された構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。第1反射面21、第2反射面22及び第3反射面23は、少なくとも1つが別個の部品に形成されてもよい。
【0039】
また、上記実施形態において、第1光源11及び第2光源12は、それぞれ第1光L1及び第2光L2の出射軸が前方の斜め上方を向くように配置された構成を例に挙げて説明したが、これに限定されない。第1光源11及び第2光源12は、それぞれ第1光L1及び第2光L2の出射軸が前方の水平面に沿った方向又は前方の斜め下方を向くように配置された構成であってもよい。
【0040】
また、上記実施形態において、第1光L1が、車両前方にロービームパターンP1を形成するための光であり、第2光L2が、車両前方にハイビームパターンP2を形成するための光である場合を例に挙げて説明したが、この組み合わせに限定されない。例えば第2光L2は、オーバーヘッドパターン等の水平線の上方に照射される補助パターンであってもよい。また、この場合、第1光L1がハイビームパターンP2であってもよい。
【符号の説明】
【0041】
AX…光軸、CL…カットオフライン、CLa,CLc…水平カットオフライン、CLb…斜めカットオフライン、F…焦点、L1…第1光、L2,L2a,L2b…第2光、PF…配光パターン、P1…ロービームパターン、P2…ハイビームパターン、10…光源部、11…第1光源、11a,12a…発光面、12…第2光源、13…基板、13a…実装面、20…リフレクタ、21…第1反射面、22…第2反射面、23…第3反射面、24…縁部、24a…第1直線部、24b…傾斜部、24c…第2直線部、30…投影レンズ、31…入射面、32…出射面、40…保持部、41…基板支持面、100…車両用前照灯
図1
図2
図3
図4
図5