(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】画像読取装置、画像読取制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/04 20060101AFI20240820BHJP
H04N 1/193 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
H04N1/04 D
H04N1/193
(21)【出願番号】P 2020190120
(22)【出願日】2020-11-16
【審査請求日】2023-09-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】松並 稔典
【審査官】中田 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-192173(JP,A)
【文献】特開2004-072215(JP,A)
【文献】特開平06-233145(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/04
H04N 1/193
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を読み取って画像を取得する画像読取装置であって、
互いに異なる発光色の光を発光する複数の発光部と、
前記発光部が発光した光が前記原稿で反射した反射光を受光して受光信号を出力する受光部と、
前記発光部及び前記受光部を制御する制御信号を出力する制御回路と、
前記制御信号に基づいて、複数の前記発光部を互いに異なるタイミングで順番に発光させるとともに、前記発光色ごとの前記反射光を前記受光部に受光させて当該受光部から受光信号が入力される中継回路と、を備え、
前記中継回路は、前記受光信号をアナログ・デジタル変換して得られる画素データに対して、前記受光部が受光した前記反射光の色を示す色情報を付加してデジタルデータを生成する変換部を有し、
前記制御回路は、前記変換部から入力された前記デジタルデータ中の前記画素データを前記色情報で示された色ごとに記憶部に記憶させる画像処理部を備え、
前記画像処理部は、
前記デジタルデータから前記色情報を抽出する抽出部と、
前記制御信号に基づく前記色情報の推定値である管理色情報を管理する管理部と、
前記抽出部により抽出された前記色情報と前記管理色情報とが一致するか否かを判定する判定部と、
前記判定部の判定結果が、前記色情報と前記管理色情報とが一致する場合、前記デジタルデータ中の前記画素データを前記記憶部に記憶させ、前記色情報と前記管理色情報とが一致しない場合、前記画素データを前記記憶部に記憶させない書込制御部とを有し、
前記管理部は、前記色情報と前記管理色情報とが一致しない場合、前記管理色情報を前記色情報に一致させるように調整する、
ことを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記デジタルデータは、複数桁のビットにより構成されるデータであって、
前記色情報は前記複数桁のうち一部の桁に位置する値よりなる複数ビットで構成され、
前記制御回路は、前記一部の桁の位置を示す位置情報を格納可能な第1格納部を備え、
前記抽出部は、前記デジタルデータのうち前記第1格納部に格納された位置情報に基づいて前記複数ビットの前記色情報を抽出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記デジタルデータに含まれる前記色情報の値は、前記管理色情報と同じ色でも値が異なる場合があり、
前記制御回路は、前記色情報の値と前記管理色情報の値との対応関係を示す対応情報を格納可能な第2格納部を備え、
前記抽出部は、前記デジタルデータから抽出した前記色情報の値を、前記対応情報に基づいて変換してから、当該色情報を前記判定部に出力する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記書込制御部は、前記色情報と前記管理色情報とが一致しない場合、前記色情報と前記管理色情報とが一致するまでの間、前記画素データに替えて、所定の色の画素データを色ごとに分けて前記記憶部に記憶させる、
ことを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一項に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記所定の色の画素データは、前記デジタルデータ中の前記画素データのラインに対して前後のラインを前記受光部が読み取った色ごとの画素データを色補間して得た画素データである
ことを特徴とする請求項4に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記書込制御部は、前記色情報と前記管理色情報とが一致しない場合、前記色情報と前記管理色情報とが一致するまでの間、前記画素データを破棄する、
ことを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一項に記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記書込制御部が、前記色情報と前記管理色情報とが一致しない場合に、前記画素データを前記記憶部に書き込まない補正処理を、有効にするか無効にするかを指示可能な入力部を備え、
前記入力部から前記無効の指示を受け付けた場合、前記書込制御部は、前記色情報と前記管理色情報とが一致しない場合でも、前記画素データを前記記憶部に記憶させる、
ことを特徴とする請求項1から6のうちいずれか一項に記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記変換部は、
前記原稿の読取領域を前記受光部の走査方向に二分割したうちの一方である第1領域で反射した前記反射光を受光した前記受光部から出力される第1受光信号を、アナログ・デジタル変換して得た第1画素データに前記色情報を付加して第1デジタルデータを生成する第1変換部と、
前記原稿の前記読取領域のうち前記第1領域以外の領域である第2領域で反射した前記反射光を受光した前記受光部から出力される第2受光信号を、アナログ・デジタル変換して得た第2画素データに前記色情報を付加して第2デジタルデータを生成する第2変換部とを有する、
ことを特徴とする請求項1から7のうちいずれか一項に記載の画像読取装置。
【請求項9】
前記抽出部は、前記第1デジタルデータと前記第2デジタルデータとから、前記色情報をそれぞれ抽出し、
前記判定部は、前記抽出部により抽出された二つの前記色情報のそれぞれについて、前記管理色情報と一致するか否かを判定し、
前記書込制御部は、二つの前記色情報のいずれも前記管理色情報と一致する場合、前記第1画素データ及び前記第2画素データを共に前記記憶部に記憶させ、二つの前記色情報のうち少なくとも一方が前記管理色情報と一致しない場合、二つの前記色情報のいずれも前記管理色情報と一致するまでの間、前記第1画素データ及び前記第2画素データを、前記記憶部に記憶させない、
ことを特徴とする請求項8に記載の画像読取装置。
【請求項10】
前記書込制御部は、二つの前記色情報のうち少なくとも一方が前記管理色情報と一致しない場合、二つの前記色情報のいずれも前記管理色情報と一致するまでの間、前記第1画素データ及び前記第2画素データに替え、所定の色の画素データを前記記憶部に記憶させる、
ことを特徴とする請求項9に記載の画像読取装置。
【請求項11】
前記書込制御部は、二つの前記色情報のうち少なくとも一方が前記管理色情報と一致しない場合、二つの前記色情報のいずれも前記管理色情報と一致するまでの間、前記第1画素データ及び前記第2画素データを破棄する、
ことを特徴とする請求項9に記載の画像読取装置。
【請求項12】
前記制御信号のパルスの数を前記発光部の数と同じ数だけ繰り返しカウントする色カウンターを備え、
前記管理部は、前記色カウンターのカウント値に基づいて前記管理色情報を管理し、前記色情報と前記管理色情報とが一致する場合、前記色カウンターの計数を行い、前記色情報と前記管理色情報とが一致しない場合、前記色カウンターの計数を中止することで当該管理色情報の値を維持する、
ことを特徴とする請求項1から11のうちいずれか一項に記載の画像読取装置。
【請求項13】
互いに異なる発光色の光を発光する複数の発光部と、前記発光部が発光した光が原稿で反射した反射光を受光する受光部とにより、前記原稿を読み取って画像を取得する画像読取制御方法であって、
前記発光部及び前記受光部を制御する制御信号を出力する制御回路と、前記制御回路から入力した前記制御信号に基づいて前記発光部及び前記受光部を制御する中継回路と、を備え、
前記制御回路が、前記中継回路に対して前記制御信号を出力することと、
前記中継回路が、前記制御信号に基づいて、複数の前記発光部を互いに異なるタイミングで順番に発光させるとともに、前記発光色ごとの前記反射光を前記受光部に受光させて当該受光部から受光信号を入力することと、
前記中継回路が、前記受光信号をアナログ・デジタル変換して得られる画素データに、前記受光部が受光した反射光の色を示す色情報を付加してデジタルデータを生成し、当該デジタルデータを前記制御回路に出力することと、
前記制御回路が、前記制御信号に基づく前記色情報の推定値である管理色情報を取得することと、
前記制御回路が、前記デジタルデータから前記色情報を抽出することと、
前記制御回路が、抽出された前記色情報と前記管理色情報とが一致するか否かを判定することと、
前記制御回路が、前記色情報と前記管理色情報とが一致する場合、前記画素データを記憶部に記憶させ、前記色情報と前記管理色情報とが一致しない場合、前記画素データを前記記憶部に記憶させないことと、
前記制御回路が、前記色情報と前記管理色情報とが一致しない場合、前記管理色情報を前記色情報に一致させるように調整することと
を含むことを特徴とする画像読取制御方法。
【請求項14】
互いに異なる発光色の光を発光する複数の発光部と、前記発光部が発光した光が原稿で反射した反射光を受光する受光部と、を有し、前記原稿を読み取って画像を取得する画像読取装置に備えられるコンピューターにより実行されるプログラムであって、
前記画像読取装置は、コンピューターと、当該コンピューターから入力した制御信号に基づいて前記発光部及び前記受光部を制御する中継回路とを備え、
コンピューターに、
制御信号を前記中継回路に出力することで、当該中継回路に前記発光部及び前記受光部を制御させるステップと、
前記中継回路が前記受光部からの受光信号をアナログ・デジタル変換して得た画素データに、前記受光部が受光した反射光の色を示す色情報を付加して生成したデジタルデータを、当該中継回路から入力するステップと、
前記制御信号に基づく前記色情報の推定値である管理色情報を取得するステップと、
前記デジタルデータから前記色情報を抽出するステップと、
抽出された前記色情報と前記管理色情報とが一致するか否かを判定するステップと、
前記色情報と前記管理色情報とが一致する場合、前記デジタルデータ中の前記画素データを記憶部に記憶させ、前記色情報と前記管理色情報とが一致しない場合、前記画素データを前記記憶部に記憶させないステップと、
前記色情報と前記管理色情報とが一致しない場合、前記管理色情報を前記色情報に一致させるように調整するステップと
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置、画像読取制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1のように、原稿を読み取る画像読取装置において、原稿の読み取りに際して、ノイズの影響を受けることにより、画素データを補正する技術が知られている。特許文献1の画像読取装置は、3ライン分のリニアイメージセンサーを備えており、3ラインのうち、ノイズの影響を受けたラインのセンサーの検出結果を、他のラインのセンサーの検出結果により補正する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の画像読取装置は、3ラインのうち、ノイズの影響を受けたラインのリニアイメージセンサーの検出結果を、他のラインのリニアイメージセンサーの検出結果により補正するため、リニアイメージセンサーを1ラインのみ備える画像読取装置では、同様の方法によって、ノイズの影響を抑制することが困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する画像読取装置は、原稿を読み取って画像を取得する画像読取装置であって、互いに異なる発光色の光を発光する複数の発光部と、前記発光部が発光した光が前記原稿で反射した反射光を受光して受光信号を出力する受光部と、前記発光部及び前記受光部を制御する制御信号を出力する制御回路と、前記制御信号に基づいて、複数の前記発光部を互いに異なるタイミングで順番に発光させるとともに、前記発光色ごとの前記反射光を前記受光部に受光させて当該受光部から受光信号が入力される中継回路と、を備え、前記中継回路は、前記受光信号をアナログ・デジタル変換して得られる画素データに対して、前記受光部が受光した前記反射光の色を示す色情報を付加してデジタルデータを生成する変換部を有し、前記制御回路は、前記変換部から入力された前記デジタルデータ中の前記画素データを前記色情報で示された色ごとに記憶部に記憶させる画像処理部を備え、前記画像処理部は、前記デジタルデータから前記色情報を抽出する抽出部と、前記制御信号に基づく前記色情報の推定値である管理色情報を管理する管理部と、前記抽出部により抽出された前記色情報と前記管理色情報とが一致するか否かを判定する判定部と、前記判定部の判定結果が、前記色情報と前記管理色情報とが一致する場合、前記デジタルデータ中の前記画素データを前記記憶部に記憶させ、前記色情報と前記管理色情報とが一致しない場合、前記画素データを前記記憶部に記憶させない書込制御部とを有し、前記管理部は、前記色情報と前記管理色情報とが一致しない場合、前記管理色情報を前記色情報に一致させるように調整する。
【0006】
上記課題を解決する画像読取制御方法は、互いに異なる発光色の光を発光する複数の発光部と、前記発光部が発光した光が原稿で反射した反射光を受光する受光部とにより、前記原稿を読み取って画像を取得する画像読取制御方法であって、前記発光部及び前記受光部を制御する制御信号を出力する制御回路と、前記制御回路から入力した前記制御信号に基づいて前記発光部及び前記受光部を制御する中継回路と、を備え、前記制御回路が、前記中継回路に対して前記制御信号を出力することと、前記中継回路が、前記制御信号に基づいて、複数の前記発光部を互いに異なるタイミングで順番に発光させるとともに、前記発光色ごとの前記反射光を前記受光部に受光させて当該受光部から受光信号を入力することと、前記中継回路が、前記受光信号をアナログ・デジタル変換して得られる画素データに、前記受光部が受光した反射光の色を示す色情報を付加してデジタルデータを生成し、当該デジタルデータを前記制御回路に出力することと、前記制御回路が、前記制御信号に基づく前記色情報の推定値である管理色情報を取得することと、前記制御回路が、前記デジタルデータから前記色情報を抽出することと、前記制御回路が、抽出された前記色情報と前記管理色情報とが一致するか否かを判定することと、前記制御回路が、前記色情報と前記管理色情報とが一致する場合、前記画素データを記憶部に記憶させ、前記色情報と前記管理色情報とが一致しない場合、前記画素データを前記記憶部に記憶させないことと、前記制御回路が、前記色情報と前記管理色情報とが一致しない場合、前記管理色情報を前記色情報に一致させるように調整することとを含む。
【0007】
上記課題を解決するプログラムは、互いに異なる発光色の光を発光する複数の発光部と、前記発光部が発光した光が原稿で反射した反射光を受光する受光部と、を有し、前記原稿を読み取って画像を取得する画像読取装置に備えられるコンピューターにより実行されるプログラムであって、前記画像読取装置は、コンピューターと、当該コンピューターから入力した制御信号に基づいて前記発光部及び前記受光部を制御する中継回路とを備え、コンピューターに、制御信号を前記中継回路に出力することで、当該中継回路に前記発光部及び前記受光部を制御させるステップと、前記中継回路が前記受光部からの受光信号をアナログ・デジタル変換して得た画素データに、前記受光部が受光した反射光の色を示す色情報を付加して生成したデジタルデータを、当該中継回路から入力するステップと、前記制御信号に基づく前記色情報の推定値である管理色情報を取得するステップと、前記デジタルデータから前記色情報を抽出するステップと、抽出された前記色情報と前記管理色情報とが一致するか否かを判定するステップと、前記色情報と前記管理色情報とが一致する場合、前記デジタルデータ中の前記画素データを記憶部に記憶させ、前記色情報と前記管理色情報とが一致しない場合、前記画素データを前記記憶部に記憶させないステップと、前記色情報と前記管理色情報とが一致しない場合、前記管理色情報を前記色情報に一致させるように調整するステップとを実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】画像読取装置の電気的構成を示すブロック図。
【
図4】第1のデジタルデータの構成の一例を示す図。
【
図5】第2のデジタルデータの構成の一例を示す図。
【
図6】第3のデジタルデータの構成の一例を示す図。
【
図7】読取処理と書込処理とを行う画像読取装置の要部の電気的構成を示すブロック図。
【
図8】画像読取装置の制御状態の経時変化を示す図。
【
図9】判定処理及び書込制御処理の説明に用いられる図。
【
図10】補正なしの読取画像と補正ありの読取画像との一例を示す図。
【
図11】ノイズの影響を受けたラインの画素データを破棄した読取画像の一例を示す図。
【
図12】第2実施形態の読取処理と書込処理とを行う画像読取装置の要部の電気的構成を示すブロック図。
【
図13】AFEを二つ備える場合の読取画像の一例を示す図。
【
図14】二つのAFEのうち一方のデジタルデータに基づく補正により生成された読取画像の一例を示す図。
【
図15】AFEを二つ備える場合の読取画像の他の例を示す図。
【
図16】二つのAFEのうち両方のデジタルデータに基づく補正により生成された読取画像の一例を示す図。
【
図17】ノイズの影響を受けたラインのデータを破棄した読取画像の一例を示す図。
【
図18】ノイズの影響を受けたラインのデータを破棄した読取画像の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
以下、画像読取装置の第1実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の画像読取装置11は、側面視が略台形形状を有する本体12と、画像読取対象である原稿Dが載置(セット)される原稿サポート13とを備える。本体12には、排出口12Bの下側にスタッカー15が前後方向にスライド可能な状態で収納されている。
【0010】
原稿サポート13は、本体12の後側上方へ斜めに延出することで複数枚の原稿Dを載置可能な平面状の載置面13Aを有する。原稿サポート13には、原稿Dが搬送される搬送方向Yと交差(特に直交)する幅方向Xにスライド可能な一対のエッジガイド13Bが設けられている。載置面13A上に積載された原稿Dは、一対のエッジガイド13Bに挟まれることで、給送口12Aに対して幅方向Xに位置決めされる。また、原稿サポート13の載置面13Aには、スライド式の補助サポート部13Cが出退可能に設けられている。載置面13A上に積載された原稿Dは、スライド式の補助サポート部13Cと当接することで給送口12Aに対して搬送方向Yに位置決めされる。なお、幅方向Xが、画像読取装置11が原稿Dの画像を読み取るときの主走査方向、搬送方向Yが副走査方向となる。以下では、幅方向Xを単に「走査方向X」と記す場合がある。
【0011】
原稿サポート13に載置された原稿Dは、本体12の上部に開口する給送口12Aから本体12内へ1枚ずつ給送される。給送された原稿Dは、本体12内を所定の搬送経路29(
図2参照)に沿って搬送され、その搬送途中の読取領域SAで画像が読み取られた後、本体12の前側下部に開口する排出口12Bから排出される。
【0012】
本体12の前面部12Cには、電源ボタン20が設けられている。本体12の前面部12Cには、所定の画像を表示領域23に表示する例えばディスプレイパネル等の表示部22が設けられている。表示部22は、画像読取装置11に関する情報を表示するように構成される。表示部22には、ユーザーの触接操作を検知可能な例えばタッチパネル等の入力部21が設けられている。入力部21は、画像読取装置11に指示を与えるときにユーザーの触接操作に応じて必要な情報を入力するように構成される。
【0013】
図2に示すように、本体12は、本体部18と、本体部18の前端部を中心に回動可能に連結されたカバー部19とを備える。本体12は、本体部18とカバー部19との間において給送口12Aから排出口12Bに至るまで延びる搬送経路29(搬送通路)を有する。
【0014】
本体12内には、原稿Dを搬送する搬送機構30が備えられている。搬送機構30は、原稿サポート13上に積載(セット)された原稿Dを1枚ずつ本体12内へ案内しつつ給送する給送部30Aと、給送した原稿Dを搬送経路29に沿って読取領域SAを通るように搬送する搬送部31と、搬送部31による搬送途中で画像が読み取られた後の原稿Dを排出する排出部32とを有している。搬送機構30は、原稿サポート13上に積載された複数枚の原稿Dを、読取領域SAを通るように搬送経路29に沿って1枚ずつ順番に搬送する自動原稿送り機能を有している。
【0015】
給送部30Aは、本体12内の搬送経路29の上流端位置に、給送ガイド30Bと対向する一つの給送ローラー33(ピックアップローラー)を備えている。給送部30Aは、原稿サポート13上に積載された複数枚の原稿Dを1枚ずつ給送口12Aから給送ガイド30Bに沿って給送する。
【0016】
搬送部31は、給送ローラー33よりも搬送方向Yの下流側の位置に配置された給送ローラー対34と、搬送方向Yにおいて読取領域SAよりも上流側の位置に配置された搬送ローラー対35とを備えている。給送ローラー対34は、駆動ローラー34Aと分離ローラー34B(リタードローラー)とにより構成される。搬送ローラー対35は、駆動ローラー35Aと従動ローラー35Bとにより構成される。
【0017】
排出部32は、搬送方向Yに読取領域SAよりも下流側の位置に配置された排出ローラー対36を備えている。排出ローラー対36は、駆動ローラー36Aと従動ローラー36Bとにより構成される。なお、排出ローラー対36は、搬送ローラー対35と共に原稿Dの読取り中の搬送も担う。
【0018】
このように、搬送方向Yの上流側から順に、給送ローラー33、給送ローラー対34、搬送ローラー対35及び排出ローラー対36がそれぞれ配置され、それぞれ幅方向Xに間隔を隔てて一対ずつ配置されている。
【0019】
給送系の複数のローラー33,34Aは、これらの動力源である給送モーター37の動力により回転駆動する。原稿サポート13に積載された複数枚の原稿Dは、給送ローラー33により最下位のものから1枚ずつ順番に給送口12Aから本体12内へ給送される。このように、給送部30A(ローラー33,34A等)は、給送モーター37を動力源として駆動する。
【0020】
また、給送系の分離ローラー34B及び搬送系の駆動ローラー35A,36Aは、その動力源である搬送モーター38の動力により回転駆動する。給送ローラー33により本体12内へ給送された原稿Dは、読取領域SAに搬送された後に、排出口12Bから排出される。このように、搬送部31(搬送ローラー対35等)と排出部32(排出ローラー対36等)とは、搬送モーター38を共通の動力源として駆動する。
【0021】
また、駆動ローラー35A,36Aは、原稿Dを読み取るときに同じ搬送速度(読取速度)で原稿Dを搬送するように回転駆動する。各従動ローラー35B,36Bは、それぞれが対をなす駆動ローラー35A,36Aの回転により連れ回りする。
【0022】
また、本体12内には、複数のローラー対34~36のうち搬送系の一つの駆動ローラーの回転を検出可能なエンコーダー44(例えばロータリーエンコーダー)が設けられている。エンコーダー44は、駆動ローラーの回転量に比例する数のパルスを含む検出信号を制御部50(コントローラー)に出力する。よって、制御部50は、エンコーダー44の検出信号に基づき、制御部50において搬送中の原稿Dの位置(搬送位置)の把握及び搬送速度の把握を行うことができる。
【0023】
また、一対の給送ローラー33の間には、原稿サポート13にセットされた原稿Dの有無を検知する原稿センサー45が配置されている。原稿センサー45は、例えばレバーを有する接触式センサーであり、原稿サポート13に原稿Dがセットされると、そのセットされた原稿Dがレバーを押すことでONする。
【0024】
また、搬送方向Yに搬送ローラー対35のニップ点よりもやや下流側の位置には、原稿Dの有無を検出可能な原稿有無センサー46が配置されている。原稿有無センサー46は、例えばレバー(接触子)を有する接触式センサーである。原稿有無センサー46は、原稿Dの先端がレバーを押すことで原稿Dを検知してONし、その原稿Dの後端が通り過ぎてレバーが押されなくなると、原稿Dを検知しなくなってOFFする。よって、制御部50は、原稿有無センサー46の検知信号(ON/OFF)に基づき、原稿Dの先端が搬送ローラー対35を通過したこと及び原稿Dの後端が搬送ローラー対35を通過したことを検知する。原稿有無センサー46が原稿Dの先端と後端とを検知した検知結果は、後述する読取部40(40A,40B)の読取動作の開始と終了のタイミングを決める制御に用いられる。また、原稿有無センサー46は、原稿Dの先端と後端とを検知可能であるため、原稿Dの先端が検知されてから後端が検知されるまでの原稿Dの搬送距離に基づいて原稿Dの搬送方向Yにおける長さ、つまりその長さから決まる原稿サイズを検出することもできる。なお、原稿有無センサー46は、光学式センサー等の非接触センサーとしてもよい。
【0025】
図2に示すように、画像読取装置11の本体12内には、画像を読み取る読取部40が設けられている。読取部40は、搬送方向Yにおける搬送ローラー対35と排出ローラー対36との間の位置において搬送経路29を挟む両側に一対設けられている。本実施形態において、一対の読取部40は、搬送経路29に沿って搬送される原稿Dの表面(下面)を読み取る第1読取部40Aと、搬送経路29に沿って搬送される原稿Dの裏面(上面)を読み取る第2読取部40Bとからなり、搬送方向Yに互いに少しずれた位置に配置されているが、一方の読取部を備えない構成であってもよい。
【0026】
一対の読取部40は、読取領域SAに光を照射することにより搬送中の原稿Dに光を照射可能な光源41と、原稿Dから画像を読み取ることができるイメージセンサー42とにより構成されている。通常読取モードでは、第1読取部40Aだけが読取動作を行い原稿Dの表面が読み取られ、両面読取モードでは、第1読取部40Aと第2読取部40Bとが共に読取動作を行い原稿Dの両面(表裏面)が読み取られる。
【0027】
光源41は、例えばLEDや蛍光ランプ等により構成される。光源41は、互いに異なる発光色の光を発光する複数の発光部47により構成される。具体的には、
図7に示すように、光源41は、例えば、赤色(R)の光を発光する第1発光部47-1と、緑色(G)の光を発光する第2発光部47-2と、青色(B)の光を発光する第3発光部47-3とにより構成される。光源41は、例えば、後述するAFE60の制御に基づいて、第1発光部47-1~第3発光部47-3を、所定の順序によって、所定時間ずつ発光させる。以降の説明において、第1発光部47-1~第3発光部47-3を互いに区別しない場合には、単に「発光部47」と記載する。
【0028】
図2に示すイメージセンサー42は、光源41から照射された光が原稿Dで反射した反射光を受光し、受光した光を電気信号に変換して受光量に応じたアナログ信号を出力する。このように、イメージセンサー42は、画像を読み取るセンサーである。イメージセンサー42は、例えばリニアイメージセンサーである。画像読取装置11は、カラースキャンとモノクロスキャン(グレースケールスキャン)とが可能である。イメージセンサー42は、
図7に示す第1発光部47-1が発光している場合には、第1発光部47-1から照射された光が原稿Dで反射した反射光を受光する。また、イメージセンサー42は、
図7に示す第2発光部47-2が発光している場合には、第2発光部47-2から照射された光が原稿Dで反射した反射光を受光する。また、イメージセンサー42は、
図7に示す第3発光部47-3が発光している場合には、第3発光部47-3から照射された光が原稿Dで反射した反射稿を受光する。イメージセンサー42は、「受光部」の一例であり、アナログ信号は、「受光信号」の一例である。
【0029】
なお、以下では、
図2に示す光源41及びイメージセンサー42を、第1読取部40A側のものを指して、第1光源41A及び第1イメージセンサー42Aと記し、第2読取部40B側のものを指して、第2光源41B及び第2イメージセンサー42Bと記載する場合がある。また、第1光源41Aが有する複数の発光部47を、第1発光部47A-1,第2発光部47A-2,第3発光部47A-3と記載し、第2光源41Bが有する複数の発光部47を、第1発光部47B-1,第2発光部47B-2,第3発光部47B-3と記載する場合がある。
【0030】
イメージセンサー42は、複数の光電変換素子を主走査方向Xに沿って一列に配置した、例えばコンタクト型イメージセンサーである。具体的には、イメージセンサー42は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサーである。この場合、イメージセンサー42は、受光した光の強度を示す1ライン分のアナログ信号を変換部63に出力する。
【0031】
さらに、イメージセンサー42と搬送経路29を挟んで対向するように色基準板43が配置されている。色基準板43は、読取部40の読取対象となる領域のうち、原稿Dの領域を含み、かつ、原稿Dの領域よりも広い領域に配置されている。このため、読取部40により読み取られた画像として原稿Dの領域であるか否かを把握可能となる部材である。つまり、色基準板43は、原稿Dの背景として読み取られる背景板である。また、色基準板43は、シェーディング補正用の白基準値を得るための部材であり、白色を呈する白基準板又はグレー(灰色)を呈するグレー基準板が用いられる。これにより、色基準板43が白基準画像として読み取られ、読み取られた白基準画像に基づいて白基準値が生成される。グレー基準板の場合は、原稿の背景(グレー背景)として読み取って原稿Dの位置及び領域の検出にも用いられる。なお、原稿領域検出用のセンサーを別途設けた場合は、色基準板43は白基準板であることが好ましい。また、色基準板43は、板形状に限らず、輝度の基準となる白基準値を得るための基準部材であれば、形状及び色については問わない。
【0032】
画像読取装置11は、制御部50を備えている。制御部50は、ユーザーが操作する入力部21(
図1参照)からの操作信号又は画像読取装置11と通信可能に接続される外部端末装置(ホスト装置)からの読取指示信号(読取指示)に基づいて原稿Dから画像を読み取るジョブが入力されると、各部を制御して読み取り処理を実行する。制御部50は、例えば、給送モーター37、搬送モーター38及び読取部40(40A,40B)を制御し、読取部40によって原稿Dから読み取られた画像に基づく画像データを処理する。
【0033】
次に
図3を参照して、画像読取装置11の電気的構成について説明する。
図3に示すように、画像読取装置11は、これを統括的に制御する制御部50を内蔵している。制御部50は、マイクロプロセッサー等からなるコンピューター70を備える。本実施形態では、コンピューター70が、「制御回路」の一例に相当する。コンピューター70は、例えば、搬送制御部71と、読取制御部72と、画像処理部73と、記憶部80とを備える。
【0034】
制御部50は、中継回路の一例としてのアナログフロントエンド60(以下「AFE60」とも記す。)を備える。AFE60は、例えば、発光制御部61と、読出制御部62と、変換部63とを備える。
【0035】
搬送制御部71と、読取制御部72と、画像処理部73とは、CPU(Central Processing Unit)等のハードウェアプロセッサがプログラムPR(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)等のハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
【0036】
プログラムPRは、HDDやフラッシュメモリー等により実現される記憶部80に予め格納されていてもよいし、DVDやCD-ROM等の着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。また、記憶部80には、位置情報81と、対応情報82と、が記憶される。位置情報81と、対応情報82との詳細については、後述する。
【0037】
搬送制御部71は、給送モーター37及び搬送モーター38を駆動制御する。給送モーター37の駆動により給送ローラー33が回転することで、原稿サポート13にセットされた複数枚の原稿Dが最下位のものから1枚ずつ順番に本体12内へ給送される。また、給送モーター37が駆動されることで給送ローラー対34を構成する一方の駆動ローラー34Aが回転駆動し、搬送モーター38が駆動されることで他方の分離ローラー34Bが回転駆動する。特に、搬送制御部71は、搬送経路29の途中の読取領域SAを読取解像度(例えば300/600dpi)に応じた読取速度で原稿Dを搬送させるように給送モーター37及び搬送モーター38を駆動制御する。例えば読取解像度が相対的に低い(例えば300dpi)場合は原稿Dが高速度で搬送され、読取解像度が相対的に高い(例えば600dpi)場合は原稿Dが低速度で搬送される。
【0038】
読取制御部72は、AFE60を介して読取部40を制御し、読取部40に原稿Dの画像を読み取らせる。特に、読取制御部72は、AFE60に対して読出動作を含む各種動作の動作タイミングを規定する制御信号S1を出力する。制御信号S1は、例えば、所定時間毎にパルスを出力するパルス信号である。所定時間は、イメージセンサー42から1ライン分ずつ読取結果を読み出すときの時間間隔に相当する。
【0039】
発光制御部61は、制御信号S1のパルスが入力される度に、3つの発光部47-1~47-3のうち発光させるべき1つの発光部を指示する指示信号(以下、発光駆動信号)を出力する。具体的には、発光制御部61は、制御信号S1のパルスが入力される度に、発光させる1つの発光部を順番に切り換えるように発光駆動信号を出力する。このため、3つの発光部47-1~47-3のうち発光駆動信号で指示された1つの発光部のみが発光する。そして、3つの発光部47-1~47-3は、制御信号S1のパルス周期と同じ周期で順番に発光する。発光色の順序は、予め定められている。以下、最初に発光させる発光色が、赤色であって、発光順序が、赤色、緑色及び青色の順序であるものとする。
【0040】
読出制御部62は、読取制御部72から入力する制御信号S1に基づいてイメージセンサー42が発光部47の1回の発光期間の間に受光した1ライン分の受光信号であるアナログ信号の読み出しタイミングを制御する。イメージセンサー42は、読出制御部62から指示された読み出しタイミング毎に1ライン分のアナログ信号を変換部63に出力する。読出制御部62は、例えば、読取制御部72から制御信号S1のパルスが入力されたタイミングで、イメージセンサー42A,42Bに読出信号S2(
図7参照)を出力する。読出信号S2は、制御信号S1と同じ周期のパルス信号である。読出制御部62は、入力した制御信号S1を基に同じ周期の読出信号S2を生成する。イメージセンサー42A,42Bは、読取制御部72から読出信号S2のパルスを入力する度に、AFE60にアナログ信号を1ライン分ずつ出力する。
【0041】
変換部63は、イメージセンサー42より出力されたアナログ信号をアナログ・デジタル変換して画素データPDを生成する。さらに、変換部63は、画素データPDに対して、イメージセンサー42が受光した反射光の色を示す色情報CIを付加してデジタルデータDDを生成する。変換部63は、例えば、発光制御部61から発光駆動信号が入力される度に、アナログ信号をデジタルデータDDに変換する。
【0042】
なお、上述では、イメージセンサー42A,42Bが、読出制御部62から読出信号S2が入力されたことに伴い、AFE60にアナログ信号を出力する場合について説明したが、これに限られない。以下、イメージセンサー42A,42Bが、読取制御部72から読出信号S2が入力されたことに伴い、AFE60にアナログ信号を出力するものとして説明する。
【0043】
デジタルデータDDは、例えば、1フレームが複数桁ビットにより構成される。以下、デジタルデータDDが、1フレーム35ビットのデータである場合について説明する。
図4には、デジタルデータDDの構成の一例を示す第1のデジタルデータDDが示され、
図5には、デジタルデータDDの構成の他の例を示す第2のデジタルデータDDが示され、
図6には、デジタルデータDDの構成の他の例を示す第3のデジタルデータDDが示される。
【0044】
図4~6に示すように、35ビットのデジタルデータDDには、例えば、3ビットによって表される色情報CIが含まれる。一般に、受光された光の強度は、A/D変換により、256階調の8ビットのデータにより表現される。したがって、デジタルデータDDには、3ビットの色情報CIと、8ビットのデータが最大4画素分の、計35ビットのデータにより構成される。デジタルデータDDには、例えば、読取処理により生成される画像の解像度等に応じて、1画素~4画素分の画素データPDが含まれる。同一フレームに含まれる画素データPDは、いずれも色情報CIによって示される発光色のデータである。変換部63は、例えば、イメージセンサー42から取得したアナログ信号に基づいて、生成される画像の解像度に対応する画素数であって1ライン分の画素数の画素の画素データPDを含む、複数のデジタルデータDDを生成する。
【0045】
ここで、画像読取装置11には、複数の種類のAFE60のうち、いずれかのAFE60が搭載される。AFE60の種類によっては、35ビットのデジタルデータDDに含まれる色情報CIを示す3ビットのビット位置が異なる場合がある。換言すると、色情報CIは、複数桁のビットデにより構成されるデジタルデータDDのうち、一部の桁に位置する値よりなる複数ビットで構成される。ある種類のAFE60の変換部63が変換するデジタルデータDDは、例えば、先頭3ビットにより色情報CIを示す(
図4参照)。また、他の種類のAFE60の変換部63が変換するデジタルデータDDは、4画素分の8ビットの画素データPDの間の1ビットである計3ビットにより色情報CIを示す(
図5参照)。また、他の種類のAFE60の変換部63が変換するデジタルデータDDは、末尾3ビットにより色情報CIを示す(
図6参照)。
【0046】
記憶部80に記憶される位置情報81は、例えば、デジタルデータDDを構成する複数桁ビットのうち、色情報CIを構成するビット位置を示す情報である。記憶部80には、例えば、画像読取装置11に搭載されたAFE60に対応する位置情報81であって、デジタルデータDDに含まれる色情報CIのビット位置を示す位置情報81が予め記憶される。
【0047】
なお、上述したデジタルデータDDにおける色情報CIのビット位置は一例であって、これに限られず、色情報CIは他のビット位置であってもよい。
画像処理部73は、例えば、変換部63から入力されたデジタルデータDD中の画素データPDを、色情報CIで示された色ごとに記憶部80に記憶させる。画像処理部73は、所定時間毎にAFE60からデジタルデータDDを取得する。すなわち、画像処理部73は、読出制御部62がAFE60に出力する読出信号S2に基づく読取周期ごとにAFE60から送られてくるデジタルデータDDを入力する。画像処理部73は、例えば、抽出部74と、管理部75と、判定部76と、書込制御部77とを備える。
【0048】
抽出部74は、デジタルデータDDから色情報CIを抽出する。抽出部74は、例えば、AFE60から取得したデジタルデータDDから、位置情報81が示すビット位置の値を取得することで、複数ビット(例えば3ビット)の色情報CIを抽出する。抽出部74は、色情報CIを抽出することで、デジタルデータDDを色情報CIと画素データPDとに分離する。抽出部74は、色情報CIを判定部76に送り、画素データPDを書込制御部77に送る。
【0049】
管理部75は、制御信号S1に基づいて色情報CIの推定値である管理色情報MCを管理する。すなわち、管理部75は、AFE60から入力するデジタルデータDDに含まれる色情報CIを、読取制御部72が出力する制御信号S1に基づいて推定し、その推定値を管理色情報MCとして管理する。管理色情報MCは、AFE60から取得するデジタルデータDDに含まれる色情報CIの予定を示す情報である。
【0050】
判定部76は、抽出部74により抽出された色情報CIと、管理部75により管理された管理色情報MCとが一致するか否かを判定する。判定部76の判定結果は管理部75に送られる。管理部75は、色情報CIと管理色情報MCとが一致する旨の判定結果を判定部76から得た場合、書込制御部77による画素データPDの記憶部80への記憶(書込み)を許可する。一方、管理部75は、色情報CIと管理色情報MCとが一致しない旨の判定結果を判定部76から得た場合、書込制御部77による画素データPDの記憶部80への記憶(書込み)を禁止する。
【0051】
書込制御部77は、色情報CIと管理色情報MCとが一致するときに管理部75から書込みが許可された場合、抽出部74から送られた画素データPDを記憶部80に記憶させる。また、書込制御部77は、色情報CIと管理色情報MCとが一致しないときに管理部75から書き込みが禁止された場合、抽出部74から送られた画素データPDを記憶部80に記憶させない。
【0052】
<読取処理及び書込処理に係る詳細な構成>
以下、
図7を参照して、画像読取装置11において読取処理と書込処理とを行う構成の詳細について説明する。
【0053】
図7に示すように、制御回路の一例であるコンピューター70は、読取制御部72、画像処理部73及び記憶部80を備える。画像処理部73は、例えば、サンプリング回路CC1と、色管理回路CC2と、書込回路CC3とを備える。サンプリング回路CC1は、抽出部74を備える。色管理回路CC2は、管理部75、判定部76及び色カウンターCTを備える。書込回路CC3は、書込制御部77を備える。抽出部74は、第1レジスター78と、第2レジスター79とを備える。第1レジスター78は、「第1格納部」の一例であり、第2レジスター79は、「第2格納部」の一例である。なお、各回路CC1~CC3の全部又は一部、あるいは、各回路CC1~CC3の内部の抽出部74、管理部75、判定部76及び書込制御部77、さらに読取制御部72などの機能構成部分は、プログラムPRを実行するコンピューター70により構成されてもよい。
【0054】
まず、読取制御部72は、読取処理の開始に際して、AFE60に制御信号S1を出力する。つまり、コンピューター70は、読取制御部72によってAFE60に対して制御信号S1を出力する。発光制御部61は、読取制御部72から入力した制御信号S1に基づいて、光源41に発光駆動信号を出力する。発光制御部61は、読取制御部72から読取処理開始に伴い制御信号S1の最初のパルスを入力すると、複数の発光部47のうち、最初に発光させる第1発光部47-1の発光を指示する発光駆動信号を出力する。以降、発光制御部61は、制御信号S1のパルスを入力する度に、光源41に発光色の切り換えを指示する発光駆動信号を出力する。
【0055】
図7に示すように、読取制御部72は、同じコンピューター70内の色カウンターCTにも制御信号S1を出力する。コンピューター70は、制御信号S1のパルスの数を、光源41が発光可能な発光色の数と同じ値を繰り返しカウントする色カウンターCTを有する。管理部75は、色カウンターCTのカウント値に基づいて管理色情報MCを管理する。上述したように、本実施形態の光源41は、赤色、緑色及び青色の3色の発光色を発光可能である。本実施形態の管理部75は、読取制御部72から入力した制御信号S1のパルスの数を、色カウンターCTによって、0から2までの3カウントを繰り返しカウントする。色カウンターCTは、読取制御部72から制御信号S1のパルスを入力する度に、カウント値を1ずつ変化させる。管理部75は、色情報CIと管理色情報MCとが一致する場合、色カウンターCTの計数を行い、色情報CIと管理色情報MCとが一致しない場合、色カウンターCTの計数を中止することで管理色情報MCの値を維持する。
【0056】
上述したように、発光色の順序は、赤、緑、青の順である。管理部75が、色カウンターCTを昇順で変化させる場合、0に対応する発光色が「赤」であって、1に対応する発光色が「緑」であって、2に対応する発光色が「青」である。
【0057】
ここで、AFE60が発光駆動信号に基づいて複数の発光部47-1~47-3を互いに異なる発光色で順番に発光させるタイミングと、イメージセンサー42が当該発光色の反射光を受光して得られるアナログ信号をAFE60が読み出す読出タイミングとは、制御信号S1の1パルス周期分だけずれる。したがって、色カウンターCTは、制御信号S1の最初のパルスから1パルス周期分遅れた2番目のパルスからカウントを開始する。色カウンターCTの初期値は、例えば「0」である。管理色情報MCは、色カウンターCTのカウント値である「0」「1」「2」の3カウントの値に対応する色を示す情報であるため、管理色情報MCが示す色は、制御信号S1に応じて変化する。なお、光源41が互いに異なるタイミングで発光させる発光色は3色に限定されず、例えば、4色などでもよい。この場合、色カウンターCTは、0~3の4カウントを繰り返し、そのカウント値に応じた色を、色情報CIの推定値である4色の管理色情報MCとして管理してもよい。
【0058】
<作用>
以下、
図8等を参照して画像読取装置11の作用について説明する。
図8において、横軸は、時間を示し、上から順に、管理色情報MC、制御信号S1、光源発光色LC、読出信号S2、デジタルデータDDを示す。
図8の一例では、時刻t11において、読取制御部72は、制御信号S1のパルスを出力する。発光制御部61は、時刻t11において制御信号S1のパルスが最初に入力されると、初めに第1発光部47-1の発光を指示する発光駆動信号を出力し、第1発光部47-1に赤色の光を発光させる。そして、時刻t11から、所定の発光期間の間、継続して第1発光部47-1に赤色(R)の光を発光させる。以降、発光制御部61の制御に基づいて実際に発光している発光部の発光色を「光源発光色LC」と記載する。この場合、光源発光色LCは、時刻t11から時刻t12までの間、赤色である。
【0059】
発光制御部61は、時刻t12に読取制御部72からの制御信号S1の次のパルスを入力すると、次に発光させるべき第2発光部47-2に発光駆動信号を出力し、時刻t12から時刻t13までの間、第2発光部47-2に緑色(G)の光を発光させる。この場合、光源発光色LCは、時刻t12から時刻t13までの間、緑色である。
【0060】
図8に示すように、読出制御部62は、制御信号S1のパルスを入力した時刻t11のタイミングで、イメージセンサー42に1ライン分の読取動作を開始させる。イメージセンサー42は1ライン分の読取動作として、そのとき発光する第1発光部47-1からの赤色の光を反射した原稿Dからの反射光を所定の受光期間に亘り受光する。読出制御部62は、所定の受光期間が経過すると、イメージセンサー42に読出信号S2を出力する。イメージセンサー42は、読出制御部62から読出信号S2を入力したことに伴い、AFE60に1ライン分のアナログ信号(受光信号)を出力する。
【0061】
変換部63は、時刻t12のタイミングにおいて、イメージセンサー42から入力されたアナログ信号をアナログ・デジタル変換して画素データPD(
図4~
図6)に変換する。変換部63は、発光制御部61が発光駆動信号によってどの発光部を発光させているかに係る発光色の情報を取得する。変換部63は、発光制御部61からの現在の発光色の情報よりも発光順で1つ前の色を画素データPDの色として特定する。
【0062】
上述したように、本実施形態では、発光制御部61は、一例として、赤色、緑色、青色の順番で発光部を1つずつ発光させる。このため、変換部63は、時刻t12において、現在の発光色である緑色よりも1つ前の発光色である赤色を、画素データPDの色であると特定する。変換部63は、時刻t12において画素データPDに、赤色を示す色情報CIを付加してデジタルデータDDを生成する。
【0063】
なお、変換部63は、制御信号S1のパルスの数を0~2までの3カウントを繰り返し計数するパルスカウンターを備え、そのカウント値に基づいて、イメージセンサー42が受光した反射光の色を特定してもよい。この場合、変換部63は、パルスカウンターのカウント値と、予め決められた発光順序とに基づいて、イメージセンサー42が発光した発光色を特定してもよい。
【0064】
画像処理部73は、時刻t12において、色情報CIが赤色を示すデジタルデータDDを取得する。また、時刻t12において、管理色情報MCは、赤色を示す。したがって、デジタルデータDDに含まれる色情報CIの色と、管理色情報MCが示す色とは、時刻t12から時刻t13の間、赤色を示し、一致する。
【0065】
上述した処理によって、発光制御部61は、読取制御部72が制御信号S1のパルスを出力する度に、発光駆動信号のパルスを出力し、発光させる発光部47を順に変化させる。これに伴い、デジタルデータDDに含まれる色情報CIの色と、管理色情報MCが示す色とは、一致したまま、順に変化する。
【0066】
ここで、AFE60とコンピューター70とを接続する配線には、ノイズが重畳する場合がある。
図8に示す一例では、時刻tαにおいて、制御信号S1にノイズNSが重畳する。時刻tαにおいて、発光制御部61は、ノイズNSを、制御信号S1のパルスとみなし、発光駆動信号により発光させる発光部47を切り換える。このため、
図8に示す例では、発光制御部61は、ノイズNSを入力したタイミングで発光駆動信号を切り換え、時刻t15から所定時間が経過後の時刻t16のタイミングよりも前に、第2発光部47-2に緑色の光を発光させる。
【0067】
時刻tαのタイミングにおいて、読出制御部62は、ノイズNSを制御信号S1のパルスとみなし、読出信号S2をイメージセンサー42に出力する。変換部63は、イメージセンサー42から入力するアナログ信号をアナログ・デジタル変換して画素データPDを取得する。時刻tαのタイミングでは、光源発光色LCが緑色となってから、所定時間が経過しておらず、変換部63は、イメージセンサー42が十分に反射光を受光する前に、アナログ信号をデジタルデータDDに変換してしまう。
【0068】
また、時刻tαにおいて、変換部63は、発光駆動信号が第3発光部47-3に青色の発光色の発光を指示する信号であると特定する。そして、変換部63は、発光順序において、青色の発光色の前の発光色が緑色であると特定する。変換部63は、時刻tαにおいて取得した画素データPDに、緑色を示す色情報CIを付加してデジタルデータDDを生成する。したがって、時刻tαにおいて、デジタルデータDDに含まれる色情報CIの発光色は、緑色であるが、管理色情報MCは、赤色のままとなる。このため、時刻tα以降、デジタルデータDDに含まれる色情報CIと、管理色情報MCとが一致しない。
【0069】
例えば、色情報CIと比較することなく、管理色情報MCが示す色が正しいことを前提にデジタルデータDDに含まれる画素データPDを記憶部80に記憶する構成の場合、時刻tα以降、書込制御部77は、デジタルデータDDに含まれる画素データPDを、管理色情報MCが示す色と誤認して記憶部80に記憶させてしまう場合があった。本実施形態の書込制御部77が誤った発光色の画素データPDを記憶部80に書き込むことを抑制するため、管理部75は、判定部76による色情報CIと管理色情報MCとの比較結果に基づいて、記憶部80への画素データPDの書込みの可否を管理する。
【0070】
<判定処理及び書込制御処理について>
以下、
図9を用いて、判定処理と、書込制御処理との詳細について説明する。
図9は、例えば、色カウンターCTのカウント値と、管理色情報MCと、抽出部74により抽出された色情報CIと、書込制御部77が記憶部80に書き込む画素データPDの色を示す情報である書込色情報WIとの経時変化を示す図である。
【0071】
第1レジスター78には、画像読取装置11の電源投入時に、コンピューター70によって記憶部80から読み出された位置情報81が格納されている。また、第2レジスター79には、画像読取装置11の電源投入時に、コンピューター70によって記憶部80から読み出された対応情報82が格納されている。対応情報82は、例えば、色情報CIと管理色情報MCとの値の対応関係を示す情報である。第2レジスター79は、Rレジスター、Gレジスター及びBレジスターを備える。Rレジスターには、対応情報82のうち赤(R)に対応する色情報CIを示す3ビットの値が格納され、Gレジスターには、対応情報82のうち緑(G)に対応する色情報CIを示す3ビットの値が格納され、Bレジスターには、対応情報82のうち青(B)に対応する色情報CIを示す3ビットの値が格納される。
【0072】
デジタルデータDD中の色情報CIは、AFE60が独自に決めた値に設定されている。本例のコンピューター70には、赤色が「001」、緑色が「010」、青色が「100」に設定されているのに対して、AFE60にはこれら3色のうち少なくとも1色に異なる値が設定されている場合がある。一例として、AFE60には、コンピューター70と異なる値、例えば、赤色が「100」、緑色が「001」、青色が「010」などが設定されている場合がある。コンピューター70は、第2レジスター79の各RGBレジスターにAFE60側で設定された色の値を格納する。上記の例の場合、コンピューター70は、第2レジスター79のRレジスターにAFE60側の赤色の値である「100」、GレジスターにAFE60側の緑色の値である「001」、BレジスターにAFE60側の青色の値でる「010」を格納する。AFE60のメーカーによって色を示す値が異なるので、どのメーカーのAFE60を搭載した場合でも対応可能に、コンピューター70には第2レジスター79が備えられている。なお、画像読取装置11の読取動作時に、色カウンターCTは、初期値を「0」とし、制御信号S1のパルスを入力する度に1ずつカウントされている。
【0073】
抽出部74は、第1レジスター78に格納された位置情報81に基づいてデジタルデータDDのうち色情報CIが位置するビット位置を特定し、デジタルデータDDのその特定したビット位置から、例えば3ビットの色情報CIを抽出する。次に、抽出部74は、デジタルデータDDから抽出した色情報CIと、第2レジスター79を構成する各RGBレジスターに格納された値とを比較し、RGBレジスターのうち値が一致した1つのレジスターに対応する色を示す色情報CIを出力する。このため、AFE60が生成したデジタルデータDD中の色情報CIが示すRGB各色の値と、コンピューター70側の色管理回路CC2が認識可能なRGB各色の色情報の値とが異なっていても、抽出部74は、AFE60側の色情報CIの値を、コンピューター70側の色管理回路CC2が認識可能な値に変換した色情報CIを出力する。抽出部74は、例えば、デジタルデータDDから抽出した色情報CIが「100」であれば、この値とRレジスターの格納値とが一致するので、Rレジスターと対応する赤色を示す「001」を出力する。同様に、抽出部74は、デジタルデータDDから抽出した色情報CIが「001」であれば、この値とGレジスターの格納値とが一致するので、緑色を示す「010」を出力し、抽出した色情報CIが「010」であれば、この値とBレジスターの格納値とが一致するので、青色を示す「100」を出力する。抽出部74から出力された色情報CIは、色管理回路CC2の判定部76に入力される。
【0074】
次に、時刻t21において、判定部76は、抽出部74から入力された色情報CIが示す色と、管理部75が管理する管理色情報MCが示す色とが一致するか否かを判定する。
図9に示す時刻t21において、色カウンターCTのカウント値が「1」を示すので、管理色情報MCが「010」であり、色情報CIが「010」である。判定部76は、色情報CI「010」と管理色情報MC「010」が一致するため、AFE60から取得するデジタルデータDDの色情報CIが示す色が緑色の予定であると特定する。
【0075】
管理部75は、時刻t21において、色カウンターCTの値が緑色を示す「1」なので、色カウンターCTの値が示す色と同じ緑色を示す値「010」を書込色情報WIに設定する。書込制御部77は、時刻t21において、書込色情報WIで示された色が緑色なので、記憶部80における緑色の記憶領域に画素データPDを書き込む。
【0076】
同様の処理によって、時刻t22において、色情報CI「100」と管理色情報MC「100」とが一致する旨の判定結果を判定部76から入力した管理部75は、色カウンターCTの計数を許可する。このため、制御信号S1のパルスを入力すると、色カウンターCTのカウント値は1つ進んで「2」となる。これに伴い、管理部75は、書込色情報WIに色カウンターCTの値「100」が示す青色の値「100」を設定する。書込制御部77は、時刻t22において、書込色情報WIで示された色が青色なので、記憶部80における青色の記憶領域に画素データPDを書き込む。
【0077】
図9に示す一例において、時刻t23から時刻t24の間に、制御信号S1にはノイズNS(
図8参照)が重畳する。
図9における時刻t23は、
図8における時刻t15に対応し、
図8における時刻t15でデジタルデータDD中の色情報CI(R)と管理色情報MC(R)とが一致するので、
図9におけるt23で色カウンターCTのカウント値が1つ進んで「0」になる。
図8における時刻tαで、ノイズNSが発生すると、デジタルデータDDから抽出される色情報CIが赤色(R)から緑色(G)に変化する。このため、
図8における時刻tαで、デジタルデータDD中の色情報CI(G)と管理色情報MC(R)とが一致しなくなる。これにより、
図9における時刻t23で色情報CIが青色「100」から緑色「010」に変化し、色情報CI「010」と管理色情報MC「001」とが一致しなくなる。したがって、判定部76は、時刻t23において、色情報CI「010」と管理色情報MC「001」とが一致しないと判定する。
【0078】
また、管理部75は、色情報CIと管理色情報MCとが一致しない旨の判定結果を判定部76から取得した場合、制御信号S1のパルスを入力しても、色カウンターCTのカウント値を変化させない。以後、色カウンターCTのカウント値は、色情報CIと管理色情報MCとが一致するまでの間、変化しない。このように管理部75は、ノイズNSの影響で、色情報CIと管理色情報MCとが一致しない場合、管理色情報MCを色情報CIに一致させるように調整する。本実施形態では、色カウンターCTのカウント値を、色情報CIと管理色情報MCとが一致するまでの間、変化させないカウント値調整処理によって、管理色情報MCを色情報CIに一致させる調整を行う。なお、色カウンターCTのカウント値を、所定の順序または所定の値に変化させるカウント値調整処理によって、管理色情報MCを色情報CIに一致させる調整を行ってもよい。
【0079】
また、管理部75は、書込みを禁止する場合、書込色情報WIの値を、色情報CIがとり得る「001」,「010」,「100」のいずれとも異なる値に設定する。以下、いずれとも異なる値が「000」であるものとする。書込制御部77は、判定部76により色情報CIと管理色情報MCとが一致しないと判定されたときに設定される書込色情報WIの値「000」に基づいて、時刻t23において、画素データPDを記憶部80に記憶させない。また、書込制御部77は、書込色情報WIが「000」のときは、デジタルデータDDの画素データPDを記憶させない替わりに、所定の色の画素データPDを記憶部80に記憶させてもよい。なお、所定の色の画素データPDについては、後述する。
【0080】
図9における時刻t24において、判定部76は、色情報CI「100」と管理色情報MC「001」とが一致しないと判定する。このため、色カウンターCTのカウント値は更新されず、「0」のままである。書込制御部77は、時刻t24において、書込色情報WIが「000」なので、画素データPDを記憶部80に記憶させない。
【0081】
図9における時刻t25において、判定部76は、色情報CI「001」と管理色情報MC「001」とが一致すると判定する。ここで、色情報CI「001」と管理色情報MC「001」とが一致しても、それまで不一致の状態にあった場合は、管理部75によって色カウンターCTは更新されない。このため、色カウンターCTは「0」に維持される。一方、色情報CI「001」と管理色情報MC「001」とが一致した場合、管理部75は、書込色情報WIを色情報CIと同様の値「001」に設定する。つまり、書込色情報WIは、色カウンターCTのカウント値「0」が示す赤色の値「001」に設定される。書込制御部77は、時刻t25において、書込色情報WIが示す赤色の画素データPDを、記憶部80に記憶させる。管理部75は、時刻t25以降、制御信号S1のパルスを入力する度に、色カウンターCTのカウント値を「1」ずつ進める。時刻t26以降、色情報CIと管理色情報MCとは、同じ値をとりながら変化する。このため、時刻t26以降、色情報CIと管理色情報MCとが一致し、記憶部80に画素データPDが順次書き込まれる。
【0082】
ここで、デジタルデータDD中の画素データPDを記憶部80に記憶させない場合、記憶部80に替わりに記憶させる所定の色の画素データについて説明する。所定の色とは、例えば、ユーザーが任意に決定した色であってもよく、予め定められた所定の色であってもよく、読取処理により生成される画像において目立ちにくい色として選択された色であってもよい。目立ちにくい色とは、例えば、白色、黒色、彩度が低い色等である。以下、所定の色が白色であるものとする。
【0083】
所定の色の画素データPDは、デジタルデータDD中の画素データPDのラインに対して前後のラインをイメージセンサー42が読み取った色ごとの画素データPDを、色補間して得た画素データPDであってもよい。ノイズNSの発生前は、1ライン分の画素データが、R、G、Bの順番で3つのデジタルデータDDで送られてくる。ノイズNSが原因で書き込みが中止されたラインは、画素データPDがない抜けラインとなる。その後、色情報CIと管理色情報MCとが一致して、抜けラインの次の後ラインが決まると、画像処理部73は、抜けラインの前後の二ライン分のRGB画素データを取得する。そして、画像処理部73は、前ラインのR画素データと後ラインのR画素データとを色補間処理して抜けラインの抜け領域のR画素データを生成する。同様に、画像処理部73は、前ラインのG画素データと後ラインのG画素データとを色補間処理して抜けラインの抜け領域のG画素データを生成する。さらに、画像処理部73は、前ラインのB画素データと後ラインのB画素データとを色補間処理して抜けラインの抜け領域のB画素データを生成する。そして、書込制御部77は、色補間処理で得られたRGB各色の画素データPDを、記憶部80の色ごとの記憶領域における抜けラインの行の抜け領域に書き込む。抜け領域の書込みを終えると、一時的に不図示のバッファーに記憶させておいた後ラインを構成するRGB各色の画素データPDを、記憶部80の色ごとの記憶領域における後ラインの行に書き込む。
【0084】
また、書込制御部77は、書込色情報WIが「000」の値の間、管理色情報MCと一致しない色情報CIを含むデジタルデータDDを破棄してもよい。この場合、記憶部80における当該ラインの破棄された箇所と対応する領域は、何も記憶されない空き領域EAとなる。この場合、書込色情報WIが「000」の値でなくなると、例えば、空き領域EAを含むラインの次ラインの対応する箇所に書き込まれるはずの画素データPDが、1ライン上の空き領域EAに書き込まれる。このため、同じ1つのラインで1ライン上の空き領域EAに書き込まれた部分とそれ以外の部分とで画像の同じ1ラインが途中で1ライン分ずれて書き込まれる。このように空き領域EAを次ラインの画素データで埋める構成に替え、空き領域EAをそのまま空き領域にする構成でもよい。この場合、記憶部80の色ごとの記憶領域における空き領域EAは、画素値が初期値のまま変更されない。初期値は任意の値に設定でき、例えば、原稿の用紙の地色を示す画素値に設定されてもよい。これに伴い、読取処理により生成される読取画像SIにおいて、該当するラインは、初期値の画素値に対応する色によって示される。
【0085】
<読取処理により生成される画像の一例>
図10は、補正時に所定の色の画素データPDを記憶部80に記憶させる例における原稿Dの読取画像を示し、同図の左図が補正を行わない比較例、同図の右図が補正を行う実施例を示す。
図10の左図に示すように、補正を行わない場合、ノイズ発生NG以後、デジタルデータDD中の画素データPDの実際の色と管理色情報MCで示される色とがずれてしまう。このため、記憶部80における管理色情報MCで示される色の記憶領域に画素データPDを書き込むと、ノイズ発生NG以降の範囲AR1において、画素が本来の原稿Dの色とは異なる色となる場合がある。一方、本実施形態の画像読取装置11によれば、色情報CIと管理色情報MCとが一致するか否かを判定する判定処理を行って色がずれた不一致の場合に補正を行う。このため、
図10の右図に示すように、ノイズ発生NGが原因で色情報CIと管理色情報MCとが一致しなくなった後、デジタルデータDDの色情報CIと管理色情報MCとが一致するまでの間、デジタルデータDD中の画素データPDを記憶部80に記憶させない。その替わりに、デジタルデータDD中の画素データPDに替え、所定の色の画素データPDを記憶部80に記憶させる。これにより、
図10の右図に示すように、本実施形態の画像読取装置11が生成する読取画像SIは、ノイズ発生NG後、最小で1ライン、最大で2ライン分の範囲AR2において、画素が本来の原稿Dの色とは異なる所定の色となるものの、以降は、適切な色の画素によって構成することができる。しかも、範囲AR2に書き込まれる所定の色の画素データPDは、ユーザーが選択した色又は予め設定された目立ちにくい色なので、画像の補正箇所が目立ちにくい。
【0086】
図11は、補正時にデジタルデータDDを破棄する例において記憶部80に記憶される原稿Dの読取画像SIを示し、同図の左図が補正を行わない比較例、同図の右図が補正を行う実施例を示す。
図11の左図に示すように、補正を行わない場合は、
図10の左図と同様に、ノイズ発生NG以降の範囲AR1において、画素が本来の原稿Dの色とは異なる色となる場合がある。
【0087】
一方、本実施形態の画像読取装置11によれば、色情報CIと管理色情報MCとが一致するか否かを判定する判定処理を行って色がずれた不一致の場合に補正を行う。このため、
図11の右図に示すように、ノイズ発生NGが原因で色情報CIと管理色情報MCとが一致しなくなった後、デジタルデータDDの色情報CIと管理色情報MCとが一致するまでの間、デジタルデータDDを破棄し、画素データPDを記憶部80に記憶させない。そのため、記憶部80の記憶領域に画素データPDが記憶されない空き領域EAが発生する。
図10の右図に示すように、読取画像SIは、ノイズ発生NG後、最小で1ライン、最大で2ライン分の範囲で空き領域EAが発生する。そして、空き領域EAには、空き領域EAを含むラインの次ラインにおける対応する部分の画素データPDが1ライン分繰り上がって書き込まれる。以降、同じラインの画素データが途中で1ライン分ずれて書き込まれる。同じラインに属する画素データのずれは1ライン分なので、画像の補正箇所が目立ちにくい。
【0088】
<補正の無効化>
なお、上述では、判定部76により色情報CIと管理色情報MCとが一致しないと判定された場合、書込制御部77が、デジタルデータDD内の画素データPDに替えて、他の画素データPDを記憶させたり、デジタルデータDD内の画素データPDを破棄したりして補正処理を実行する場合について説明したが、これに限られない。書込制御部77は、ユーザーの指示に基づいて、補正処理の有効又は無効を切り替えてもよい。例えば、ユーザーは読取処理の開始前又は開始時に入力部21を操作して、補正処理を有効にするか否かを指示する。すると、コンピューター70は入力部21から入力した指示信号に基づいて補正処理の有効又は無効を受け付ける。書込制御部77は、補正処理が無効である場合、判定部76により色情報CIと管理色情報MCとが一致しないと判定された場合でも、デジタルデータDD内の画素データPDを記憶部80に記憶させる。このため、
図10及び
図11のそれぞれの右図に示すように、ノイズ発生NG以降の広い範囲AR1において、画素が本来の原稿Dの色とは異なる色となる。このため、ユーザーはノイズNS等の原因で読取画像SIの画質が低下したことを一目で分かるので、原稿Dの読取りをやり直すことができる。例えば、高画質な読取画像SIを希望するユーザーにとって補正処理を行った画質は要望を満たさないが、補正処理によって1~2ラインだけ補正されてしまうと、読取画像SIの補正処理による局所的な画質の低下を見逃してしまう可能性が高い。これに対して、補正を無効化できる構成であれば、補正による局所的な画質の低下を見逃すことを防止でき、読取りのやり直しによってユーザーが希望する高画質の読取画像を取得できる。
【0089】
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)中継回路は、変換部63を有する。変換部63は、受光信号をアナログ・デジタル変換して得られる画素データPDに対して、イメージセンサー42が受光した反射光の色を示す色情報CIを付加してデジタルデータDDを生成する。
【0090】
制御回路は、画像処理部73を備える、画像処理部73は、変換部63から入力されたデジタルデータDD中の画素データPDを色情報CIで示された色ごとに記憶部80に記憶させる。画像処理部73は、抽出部74と、管理部75と、判定部76と、書込制御部77とを備える。抽出部74は、デジタルデータDDから色情報CIを抽出する。管理部75は、制御信号S1に基づく色情報CIの推定値である管理色情報MCを管理する。判定部76は、抽出部74により抽出された色情報CIと管理色情報MCとが一致するか否かを判定する。書込制御部77は、色情報CIと管理色情報MCとが一致する場合、デジタルデータDD中の画素データPDを記憶部80に記憶させ、色情報CIと管理色情報MCとが一致しない場合、画素データPDを記憶部80に記憶させない。管理部75は、色情報CIと管理色情報MCとが一致しない場合、管理色情報MCを色情報CIに一致させるように調整する。これにより、判定部76は、デジタルデータDDに含まれる色情報CIと、管理色情報MCとを比較することにより、ノイズNSの影響の有無を適切に判定することができる。管理部75は、ノイズNSの影響で、色情報CIと管理色情報MCとが一致しない場合、管理色情報MCを色情報CIに一致させるように調整するので、書込制御部77は、ノイズNSの影響がなくなるまでの間、デジタルデータDDを画素データPDとして記憶部80に書き込まない。この結果、読取処理により生成する読取画像SIに、ノイズNSが影響することを抑制することができる。また、画像読取装置11は、読取部40が、複数の発光部47からの発光色の光を共通に受光する1つのイメージセンサー42のみを備える構成であっても、ノイズNSの影響を抑制することができる。
【0091】
(2)デジタルデータDDは、複数桁のビットにより構成されるデータであって、色情報CIは複数桁のうち一部の桁に位置する値よりなる複数ビットで構成され、制御回路は、一部の桁の位置を示す位置情報81を格納可能な第1レジスター78を備え、抽出部74は、デジタルデータDDのうち第1レジスター78に格納された位置情報81に基づいて複数ビットの色情報CIを抽出する。これにより、抽出部74は、AFE60の種類によって、デジタルデータDDにおける色情報CIを構成するビット位置が異なる場合であっても、デジタルデータDDに含まれる色情報CIを抽出することができる。
【0092】
(3)デジタルデータDDに含まれる色情報CIの値は、管理色情報MCと同じ色でも値が異なる場合がある。制御回路は、色情報CIの値と管理色情報MCの値との対応関係を示す対応情報82を格納可能な第2レジスター79を備える。抽出部74は、デジタルデータDDから抽出した色情報CIの値を、対応情報82に基づいて変換してから、当該色情報CIを判定部76に出力する。これにより、判定部76は、AFE60の種類によって、色情報CIが示す色の表し方が異なる場合であっても、色情報CIが示す色を判定処理に用いることができる。
【0093】
(4)書込制御部77は、色情報CIと、管理色情報MCとが一致しないと判定された場合、判定部76により色情報CIと管理色情報MCとが一致すると判定されるまでの間、画素データPDに替えて、所定の色の画素データPDを色ごとに分けて記憶部80に記憶させる。書込制御部77は、所定の色として、ユーザーが任意に決定した色を画素データPDとして記憶部80に記憶させることにより、ユーザーが所望する態様によって読取処理による画像を生成することができる。また、書込制御部77は、予め定められた所定の色を画素データPDとして記憶部80に記憶させることにより、簡易な処理によってノイズNSの影響を抑制することができる。また、書込制御部77は、読取処理により生成される画像において目立ちにくい色を画素データPDとして記憶部80に記憶させることにより、ノイズNSの影響を抑制することができる。
【0094】
(5)所定の色の画素データPDは、デジタルデータDD中の画素データPDのラインに対して前後のラインをイメージセンサー42が読み取った色ごとの画素データPDを色補間して得た画素データPDである。この構成によれば、ノイズNSの影響で正しく読み取られなかったラインの画素データPDは、その前後のラインの画素データPDを用いて色補間される。よって、画像読取装置11は、画素データPDに予め決められた所定の色を呈するダミーの画素データPDで補完する構成とする場合に比べ、ノイズNSの影響による色むら等を目立ちにくくすることができる。
【0095】
(6)書込制御部77は、判定部76により色情報CIと管理色情報MCとが一致しないと判定された場合、判定部76により色情報CIと管理色情報MCとが一致すると判定されるまでの間、画素データPDを破棄する。これにより、書込制御部77は、ノイズNSの影響を受けたデジタルデータDDが読取処理により生成される画像に含まれることを抑制することができる。
【0096】
(7)書込制御部77が、色情報CIと管理色情報MCとが一致しない場合に、画素データPDを記憶部80に書き込まない補正処理を、有効にするか無効にするかを指示可能な入力部21を備える。入力部21から無効の指示を受け付けた場合、書込制御部77は、色情報CIと管理色情報MCとが一致しない場合でも、画素データPDを記憶部80に記憶させる。この構成によれば、ユーザーはニーズに応じて補正処理を有効にするか無効にするかを入力部21の操作で選択できる。よって、ユーザーは、原稿Dを読み取った画像データを所望する品質で取得することができる。
【0097】
(8)コンピューター70は、制御信号S1のパルスの数を発光部47の数と同じ数だけ繰り返しカウントする色カウンターCTを備える。管理部75は、色カウンターCTのカウント値に基づいて管理色情報MCを管理する。管理部75は、色情報CIと管理色情報MCとが一致する場合、色カウンターCTの計数を行い、色情報CIと管理色情報MCとが一致しない場合、色カウンターCTの計数を中止することで管理色情報MCの値を維持する。よって、ノイズNSの影響で、色情報CIと管理色情報MCとが一致しなくなると、その間は、色カウンターCTのカウントが中止されることで、管理色情報MCの値が維持される。このとき、色情報CIの値は変化するので、最大でも、発光部47の数に等しい回数(例えば、最大3回)だけ画素データPDの記憶部80への記憶を見送るだけで、色情報CIと管理色情報MCとが一致するようになり、読取画像へのノイズの影響が少なく抑えられる。
【0098】
(9)画像読取制御方法は、互いに異なる発光色の光を発光する複数の発光部47と、発光部47が発光した光が原稿Dで反射した反射光を受光するイメージセンサー42とにより、原稿Dを読み取って画像を取得するものである。画像読取制御方法は、発光部47及びイメージセンサー42を制御する制御信号S1を出力するコンピューター70と、コンピューター70から入力した制御信号S1に基づいて発光部47及びイメージセンサー42を制御するAFE60と、を備える。コンピューター70が、AFE60に対して制御信号S1を出力する。AFE60が、制御信号S1に基づいて、複数の発光部47を互いに異なるタイミングで順番に発光させるとともに、発光色ごとの反射光をイメージセンサー42に受光させて当該イメージセンサー42から受光信号を入力する。AFE60が、受光信号をアナログ・デジタル変換して得られる画素データPDに、イメージセンサー42が受光した反射光の色を示す色情報CIを付加してデジタルデータDDを生成し、当該デジタルデータDDをコンピューター70に出力する。コンピューター70が、制御信号S1に基づく色情報CIの推定値である管理色情報MCを取得する。コンピューター70が、デジタルデータDDから色情報CIを抽出する。コンピューター70が、抽出された色情報CIと管理色情報MCとが一致するか否かを判定する。コンピューター70が、色情報CIと管理色情報MCとが一致する場合、画素データPDを記憶部80に記憶させ、色情報CIと管理色情報MCとが一致しない場合、画素データPDを記憶部80に記憶させない。コンピューター70が、色情報CIと管理色情報MCとが一致しない場合、管理色情報MCを色情報CIに一致させるように調整する。この画像読取制御方法によれば、上記(1)に記載した画像読取装置11と同様の効果が得られる。
【0099】
(10)プログラムは、互いに異なる発光色の光を発光する複数の発光部47と、発光部47が発光した光が原稿Dで反射した反射光を受光するイメージセンサー42と、を有し、原稿Dを読み取って画像を取得する画像読取装置11に備えられるコンピューターにより実行されるプログラムであって、画像読取装置11は、コンピューター70と、コンピューター70から入力した制御信号S1に基づいて発光部47及びイメージセンサー42を制御するAFE60とを備える。プログラムPRは、コンピューター70に、制御信号S1をAFE60に出力することで、AFE60に発光部47及びイメージセンサー42を制御させるステップと、AFE60がイメージセンサー42からの受光信号をアナログ・デジタル変換して得た画素データPDに、イメージセンサー42が受光した反射光の色を示す色情報CIを付加して生成したデジタルデータDDを、AFE60から入力するステップと、制御信号S1に基づく色情報CIの推定値である管理色情報MCを取得するステップと、デジタルデータDDから色情報CIを抽出するステップと、抽出された色情報CIと管理色情報MCとが一致するか否かを判定するステップと、色情報CIと管理色情報MCとが一致する場合、デジタルデータDD中の画素データPDを記憶部80に記憶させ、色情報CIと管理色情報MCとが一致しない場合、画素データPDを記憶部80に記憶させないステップと、色情報CIと管理色情報MCとが一致しない場合、管理色情報MCを色情報CIに一致させるように調整するステップとを実行させる。このプログラムによれば、上記(1)に記載した画像読取装置11と同様の効果が得られる。
【0100】
(第2実施形態)
以下、図面を参照して第2実施形態について説明する。第1実施形態では、画像読取装置11が一つのAFE60を備える場合について説明した。第2実施形態では、画像読取装置11が二つのAFE60を備える場合について説明する。なお、二つのAFE60を備える点及び二つのAFE60を備えることに起因する必要な構成以外は、第1実施形態と同じ構成であるので、上述した第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。また、
図13~
図18は、記憶部80に記憶される原稿Dの読取画像SIを示し、各図における左図が補正を行わない比較例、右図が補正を行う実施例を示す。
【0101】
図12に示すように、画像読取装置11は、第1AFE60-1と、第2AFE60-2とを備える。第1AFE60-1及び第2AFE60-2は、それぞれ、AFE60と同様の構成を有する。第1AFE60-1は、原稿Dの第1領域に係る処理を実行する。第2AFE60-2は、原稿Dの第2領域に係る処理を実行する。第1領域は、原稿Dの読取領域をイメージセンサー42の走査方向(幅方向X)に二分割したうちの一方である。第2領域は、読取領域のうち、第1領域以外の領域である。
【0102】
制御回路の一例であるコンピューター70と第1AFE60-1とは第1配線で接続され、コンピューター70と第2AFE60-2とは第2配線で接続されている。コンピューター70から第1AFE60-1へは第1配線を通って制御信号S1が送られ、コンピューター70から第2AFE60-2へは第2配線を通って制御信号S1が送られる。
【0103】
光源41の発光制御は、第1AFE60-1と第2AFE60-2のうち一方が行う。第1AFE60-1が備える発光制御部61は、読取制御部72が出力する制御信号S1に基づいて、光源41が備える複数の発光部47に発光駆動信号を出力する。なお、第2AFE60-2が備える発光制御部61が、読取制御部72が出力する制御信号S1に基づいて、光源41が備える発光部47に発光駆動信号を出力する構成でもよい。また、第1AFE60-1が備える発光制御部61が、第1領域の発光制御を行い、第2AFE60-2が備える発光制御部61が、第2領域の発光制御を行ってもよい。
【0104】
第1AFE60-1が備える変換部63は、第1領域で反射した反射光を受光したイメージセンサー42A,42Bより出力された第1アナログ信号をアナログ・デジタル変換して得られる画素データPDに対して、イメージセンサー42A,42Bが受光した反射光の色を示す色情報CIを付加してデジタルデータDDを生成する。また、第2AFE60-2が備える変換部63は、第2領域で反射した反射光を受光したイメージセンサー42A,42Bより出力された第2アナログ信号をアナログ・デジタル変換して得られる画素データPDに対して、イメージセンサー42A,42Bが受光した反射光の色を示す色情報CIを付加してデジタルデータDDを生成する。第1AFE60-1が備える変換部63は、「第1変換部」の一例であり、第2AFE60-2が備える変換部63は、「第2変換部」の一例である。また、第1アナログ信号は、「第1受光信号」の一例であり、第2アナログ信号は、「第2受光信号」の一例である。
【0105】
以降の説明において、第1AFE60-1の変換部63が変換したデジタルデータDDを、第1デジタルデータDD1と記載し、第2AFE60-2の変換部63が変換したデジタルデータDDを第2デジタルデータDD2と記載する。また、第1デジタルデータDD1中の画素データPDを、「第1画素データPD1」と記載し、第2デジタルデータDD2中の画素データPDを、「第2画素データPD2」と記載する。
【0106】
コンピューター70内の抽出部74は、第1デジタルデータDD1中の色情報CIである第1色情報CI1を抽出する第1抽出と、第2デジタルデータDD2中の色情報CIである第2色情報CI2を抽出する第2抽出とを行ってもよい。この場合、抽出部74は、抽出した第1色情報CI1と第2色情報CI2とを判定部76に出力する。
【0107】
コンピューター70内の判定部76は、第1色情報CI1と管理色情報MCとが一致するか否かを判定する第1判定と、第2色情報CI2と管理色情報MCとが一致するか否かを判定する第2判定とを行ってもよい。また、コンピューター70内の色カウンターCTは、第1判定で用いる管理色情報MC1の値を決めるカウント値を計数する第1色カウンターCT1と、第2判定で用いる管理色情報MC2の値を決めるカウント値を計数する第2色カウンターCT2とを備えてもよい。この場合、管理部75は、第1判定の判定結果に基づく第1色カウンターCT1のカウント制御と、第2判定の判定結果に基づく第2色カウンターCT2のカウント制御とを個別に行ってもよい。さらに、コンピューター70内の管理部75は、書込色情報WIとして、第1判定の判定結果に応じた第1書込色情報WI1と、第2判定の判定結果に応じた第2書込色情報WI2とを別々に管理してもよい。
【0108】
この場合、書込制御部77は、第1書込色情報WI1が書込禁止を示す値(例えば「000」)でないときに、記憶部80に対して第1書込色情報WI1で示された色に対応する記憶領域に第1画素データPD1を記憶させてもよい。また、書込制御部77は、第2書込色情報WI2が書込禁止を示す値(例えば「000」)でないときに、第2書込色情報WI2で示された色に対応する記憶領域に第2画素データPD2を記憶させてもよい。このように第1領域A1と第2領域A2に対して個別に補正してもよい。
【0109】
なお、抽出部74、管理部75、判定部76、色カウンターCT及び書込制御部77のうち少なくとも1つは、前記第1実施形態と同様の構成であってもよい。この場合、判定部76は、第1判定と第2判定のうち選択した一方のみ行ってもよい。また、書込制御部77は、共通の書込色情報WIに基づいて第1画素データPD1と第2画素データPD2との書込みを禁止してもよい。このように第1領域A1と第2領域A2のうち一方に対してのみ補正を行ってもよいし、第1領域A1と第2領域A2に対して共通の補正を行ってもよい。
【0110】
第1AFE60-1とコンピューター70とを接続する第1配線にノイズNSが発生する場合、補正を行わない
図13の左図に示す比較例では、ノイズ発生NG以降、第1領域A1に係る第1デジタルデータDD1中の第1画素データPD1の実際の色と管理色情報MCで示される色とがずれてしまう。このため、ノイズ発生NG以降の範囲AR3において、画素が本来の原稿Dの色とは異なる色となる。ここで、範囲AR3は、画像読取装置11がAFE60を一つ備える場合のノイズ発生NG以降の範囲AR1よりも、第2領域A2の幅方向Xの分だけ小さい範囲である。
【0111】
第2実施形態の画像読取装置11によれば、
図13の右図に示すように、ノイズ発生後、第1デジタルデータDD1中の色情報CIと管理色情報MCとが一致するまでの間、第1デジタルデータDD1中の第1画素データPD1を記憶部80に記憶させない。これにより、第2実施形態の画像読取装置11が生成する読取画像SIは、ノイズ発生後、最小で1ライン、最大で2ライン分の範囲AR4において、画素が本来の原稿Dの色とは異なる色となるものの、以降は、適切な色の画素によって構成することができる。ここで、範囲AR4は、画像読取装置11がAFE60を一つ備える場合のノイズの影響範囲である範囲AR2よりも、第2領域A2の幅方向Xの画素数分の寸法だけ小さい範囲である。
【0112】
なお、上述では、書込制御部77は、判定部76が第1AFE60-1の変換部63が変換した第1デジタルデータDD1に基づいて判定した判定結果に基づいて、画素データPDの書込みを制御する場合について説明したが、これに限られない。書込制御部77は、例えば、判定部76が第2AFE60-2の変換部63が変換した第2デジタルデータDD2に基づいて判定した判定結果に基づいて、画素データPDの書込みを制御してもよい。この場合、第2領域A2に影響するノイズが発生した場合において、第2実施形態の画像読取装置11は、AFE60を一つ備える場合に比して、ノイズが影響する範囲を少なくすることができる。
【0113】
したがって、判定部76の判定に係る一方の領域に影響するノイズが発生した場合において、第2実施形態の画像読取装置11は、AFE60を一つ備える場合に比して、ノイズの影響範囲を半分にすることができる。
【0114】
上述では、書込制御部77は、判定部76が第1領域A1又は第2領域A2のいずれかに係る変換部63が変換したデジタルデータDDに基づいて判定した判定結果に基づいて、デジタルデータDDの書込みを制御する場合について説明した。一方、判定部76の判定に用いられる領域とは異なる領域に影響するノイズが発生した場合、画像読取装置11は、ノイズの影響を低減することができない。
図14の左図に示す一例では、判定部76が第1領域A1の変換部63が変換した第1デジタルデータDD1に基づいて、判定処理を行っており、第2領域A2の範囲AR5にノイズの影響が発生している。このため、
図14の右図に示す第2領域A2は、判定処理を行った場合であっても、その判定は第1領域A1を対象とし、第2領域A2を対象としないので、範囲AR5のノイズの影響を低減することがでない。
【0115】
以下、書込制御部77が、判定部76が第1領域A1に係る第1デジタルデータDD1と、第2領域A2に係る第2デジタルデータDD2との両方に基づいて判定した判定結果に基づいて、画素データPDの書込みを制御する場合について説明する。
【0116】
この場合、判定部76は、抽出部74により抽出された第1領域A1の第1デジタルデータDD1に含まれる色情報CIと、第2領域A2の第2デジタルデータDD2に含まれる色情報CIとの二つの色情報CIが、それぞれ管理色情報MCと一致するか否かを判定する。書込制御部77は、判定部76により二つの色情報CIのいずれも管理色情報MCと一致すると判定された場合に管理部75から入力する書込色情報WIで示された色と対応する記憶部80内の記憶領域に、第1画素データPD1と第2画素データPD2とを共に記憶させる。また、書込制御部77は、判定部76により二つの色情報CIとのうち少なくとも一方が、管理色情報MCと一致しないと判定された場合、第1画素データPD1及び第2画素データPD2のうち色情報CIと管理色情報MCとが一致しなかった側の画素データのみ記憶部80に記憶させない。その替わり、その記憶させない画素データに替えて、所定の色の画素データPDを記憶部80に記憶させる。所定の色の画素データPDを記憶させる期間は、判定部76により二つの色情報CIのいずれも管理色情報MCと一致すると判定されるまでの間である。
【0117】
ここで、
図15の左図に示すように、補正を行わない場合、コンピューター70と第1AFE60-1とを接続する配線にノイズNSが発生すると、これ以後、第1デジタルデータDD1中の第1画素データPD1の実際の色と管理色情報MCで示される色とがずれてしまう。このため、管理色情報MCで示される色として第1画素データPD1を記憶部80に書き込むと、
図15の左図に示すように、ノイズ発生NG以降の範囲AR3において、画素が本来の原稿Dの色とは異なる色となる場合がある。
【0118】
一方、本実施形態の画像読取装置11によれば、
図15の右図に示すように、書込制御部77は、ノイズ発生後、色情報CIと管理色情報MCとが一致しない期間に、第1領域A1に係る第1画素データPD1を記憶部80に記憶させず、その替わりに第1領域A1の範囲AR4に所定の色の画素データを書き込む。このとき、第1領域A1に係る第1画素データPD1を記憶部80に記憶させない補正期間の間も、色情報CIと管理色情報MCとが一致する第2領域A2に係る第2画素データPD2については記憶部80に記憶させる。したがって、
図15の右図に示すように、第1領域A1の範囲AR4に所定の色の画素データが書き込まれる補正箇所は、読取画像SIの半分を占める第1領域A1に留まる。
【0119】
また、コンピューター70と第2AFE60-2とを接続する配線にノイズNSが発生すると、これ以後、第2デジタルデータDD2中の第2画素データPD2の実際の色と管理色情報MCで示される色とがずれてしまう。このため、
図16の左図に示すように、ノイズ発生NG以降の範囲AR5において、画素が本来の原稿Dの色とは異なる色となる場合がある。
【0120】
一方、本実施形態の画像読取装置11によれば、書込制御部77は、ノイズ発生後、色情報CIと管理色情報MCとが一致しない期間に、第2領域A2に係る第2画素データPD2を記憶部80に記憶させず、その替わりに第2領域A2の範囲AR6に所定の色の画素データを書き込む。
図16の右図に示すように、第2領域A2の範囲AR6に第2画素データPD2を記憶させない間も、色情報CIと管理色情報MCとが一致すれば、第1領域A1に係る第1画素データPD1については記憶部80に記憶させる。したがって、
図16の右図に示すように、第2領域A2の範囲AR6に所定の色の画素データが書き込まれる補正箇所は、読取画像SIの半分を占める第2領域A2に留まる。
【0121】
第2実施形態の画像読取装置11によれば、第1領域A1と第2領域A2とのいずれかの領域にノイズNSの影響がある場合、ノイズ発生NG後、最小で1ライン、最大で2ライン分の範囲ARであって、両方の領域の対応する位置の範囲ARにおいて、画素が本来の原稿Dの色とは異なる色となるが、以降は、適切な色の画素によって構成することができる。
【0122】
なお、書込制御部77は、判定部76により二つの色情報CIとのうち少なくとも一方が、管理色情報MCと一致しないと判定された場合、第1画素データPD1及び第2画素データPD2を破棄してもよい。第1画素データPD1及び第2画素データPD2を破棄する期間は、判定部76により二つの色情報CIいずれも管理色情報MCと一致すると判定されるまでの間である。
【0123】
図17の左図に示すように、補正を行わない場合、第1AFE60-1側の配線にノイズNSが発生すると、第1領域A1におけるノイズ発生NG以降の範囲AR3において、画素が本来の原稿Dの色とは異なる色となる場合がある。
【0124】
これに対して、
図17の右図に示すように、補正を行う場合、第1AFE60-1側の配線にノイズNSが発生すると、色情報CIと管理色情報MCとが一致しなくなるので、第1画素データPD1及び第2画素データPD2が破棄される。つまり、二つの色情報CIのそれぞれと管理色情報MCとが一方でも一致しなくなると、第1画素データPD1及び第2画素データPD2が共に破棄される。このため、ノイズ発生後、色情報CIと管理色情報MCとが再び一致するまでの間、画素データPD1,PD2は記憶部80に記憶されず破棄され、第1領域A1と第2領域A2のそれぞれに第1空き領域EA1と第2空き領域EA2が発生する。その後、色情報CIと管理色情報MCとが一致すると、第1画素データPD1及び第2画素データPD2の記憶部80への書き込みが再開される。第1空き領域EA1と第2空き領域EA2を含むラインの次のラインに書き込まれる第1画素データPD1及び第2画素データPD2はその一部が第1空き領域EA1と第2空き領域EA2とを埋めるように書き込まれる。この結果、ノイズ発生以降、第1空き領域EA1と第2空き領域EA2の下流側の部分とそれ以外の部分とで同じラインでも1ライン分ずれることになる。
【0125】
また、
図18の左図に示すように、補正を行わない場合、第2AFE60-2側の配線にノイズNSが発生すると、第2領域A2におけるノイズ発生NG以降の範囲AR5において、画素が本来の原稿Dの色とは異なる色となる場合がある。
【0126】
これに対して、
図18の右図に示すように、補正を行う場合、第2AFE60-2側の配線にノイズNSが発生すると、色情報CIと管理色情報MCとが一致しなくなるので、第1画素データPD1及び第2画素データPD2が破棄される。つまり、二つの色情報CIのそれぞれと管理色情報MCとが一方でも一致しなくなると、第1画素データPD1及び第2画素データPD2が共に破棄される。このため、
図17の右図と同様に、ノズル発生後、色情報CIと管理色情報MCとが再び一致するまでの間、第1領域A1と第2領域A2のそれぞれに発生した第1空き領域EA1と第2空き領域EA2を埋めるように、次のラインの第1画素データPD1及び第2画素データPD2が書き込まれる。この結果、ノイズ発生以降、第1空き領域EA1と第2空き領域EA2の下流側の部分とそれ以外の部分とで同じラインでも1ライン分ずれることになる。
【0127】
例えば、二つの色情報CIのうち一方でも管理色情報MCと一致しなくなったときに、第1画素データPD1及び第2画素データPD2のうち一方のみ破棄すると、第1領域A1と第2領域A2との間に目立ったラインのずれが発生する可能性がある。これに対して、本実施形態では、二つの色情報CIのうち一方でも管理色情報MCと一致しなくなったときに、第1画素データPD1及び第2画素データPD2が共に破棄されるので、第1領域A1と第2領域A2との間に発生するラインのずれを小さく抑制できる。
【0128】
以上説明したように、第2実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(11)変換部は、第1AFE60-1の変換部63と、第2AFE60-2の変換部63とを有する。第1AFE60-1の変換部63は、原稿Dの第1領域A1で反射した反射光を受光したイメージセンサー42から出力される第1受光信号を、アナログ・デジタル変換して得た第1画素データPD1に色情報CIを付加して第1デジタルデータDD1を生成する。第1領域A1は、原稿Dの読取領域をイメージセンサー42の走査方向Xに二分割したうちの一方である。第2AFE60-2の変換部63は、原稿Dの読取領域のうち第1領域A1以外の領域である第2領域で反射した反射光を受光したイメージセンサー42から出力される第2受光信号を、アナログ・デジタル変換して得た第2画素データに色情報CIを付加して第2デジタルデータを生成する。これにより、画像読取装置11が生成する画像は、ノイズNSの発生後、最小で1ライン、最大で2ライン分の範囲であって、幅方向Xが半分の範囲において、画素が本来の原稿Dの色とは異なる色となるものの、以降は、適切な色の画素によって構成することができる。
【0129】
(12)抽出部74は、第1デジタルデータDD1と第2デジタルデータDD2とから、色情報CIをそれぞれ抽出する。判定部76は、抽出部74により抽出された二つの色情報CIのそれぞれについて、管理色情報MCと一致するか否かを判定する。書込制御部77は、二つの色情報CIのいずれも管理色情報MCと一致する場合、第1画素データPD1及び第2画素データPD2を共に記憶部80に記憶させる。また、書込制御部77は、二つの色情報CIのうち少なくとも一方が管理色情報MCと一致しない場合、二つの色情報CIのいずれも管理色情報MCと一致するまでの間、第1画素データPD1及び第2画素データPD2を、記憶部80に記憶させない。第2実施形態の画像読取装置11によれば、第1領域A1と第2領域A2とのいずれかの領域にノイズNSの影響がある場合、ノイズ発生NG後、最小で1ライン、最大で2ライン分の範囲ARであって、両方の領域の対応する位置の範囲ARにおいて、画素が本来の原稿Dの色とは異なる色となるものの、以降は、適切な色の画素によって構成することができる。
【0130】
(13)書込制御部は、二つの色情報CIのうち少なくとも一方が管理色情報MCと一致しない場合、二つの色情報CIのいずれも管理色情報MCと一致するまでの間、第1画素データPD1及び第2画素データPD2に替え、所定の色の画素データPDを記憶部80に記憶させる。これにより、書込制御部77は、所定の色として、ユーザーが任意に決定した色を画素データPDとして記憶部80に記憶させることにより、ユーザーが所望する態様によって読取処理による画像を生成することができる。また、書込制御部77は、予め定められた所定の色を画素データPDとして記憶部80に記憶させることにより、簡易な処理によってノイズNSの影響を抑制することができる。また、書込制御部77は、読取処理により生成される画像において目立ちにくい色を画素データPDとして記憶部80に記憶させることにより、ノイズNSの影響を抑制することができる。
【0131】
(14)書込制御部77は、二つの色情報CIのうち少なくとも一方が管理色情報MCと一致しない場合、二つの色情報CIのいずれも管理色情報MCと一致するまでの間、第1画素データ及び第2画素データを破棄する。第2実施形態の画像読取装置11によれば、第1領域A1と第2領域A2とのうち、一方の領域にノイズNSの影響がある場合、ノイズ発生NG後、最小で1ライン、最大で2ライン分の範囲ARであって、両方の領域の対応する範囲ARにおいて、画素が本来の原稿Dの色とは異なる色となるものの、以降は、適切な色の画素によって構成することができる。
【0132】
なお、上記実施形態は以下に示す変更例のような形態に変更することもできる。さらに、上記実施形態および以下に示す変更例を適宜組み合わせたものを更なる変更例とすることもできるし、以下に示す変更例同士を適宜組み合わせたものを更なる変更例とすることもできる。
【0133】
・管理部75は、色情報CIと管理色情報MCとが一致しない場合、色カウンターCTのカウント値を昇順と反対に1だけ戻してもよいし、色カウンターCTのカウント値を昇順で2つ進めてもよい。これらの管理色情報MCの調整処理によっても、管理部75は、管理色情報MCを色情報CIに一致させるように調整することはできる。
【0134】
・デジタルデータDDに含まれる色情報CIのビット位置が一意に定まる場合、コンピューター70は、抽出部74が使用する第1レジスター78を備えていなくてもよく、記憶部80には、位置情報81が記憶されていなくてもよい。
【0135】
・色情報CIと管理色情報MCとで同じ色を示す値が同じである場合、コンピューター70は、抽出部74が使用する第2レジスター79を備えていなくてもよく、記憶部80には、対応情報82が記憶されていなくてもよい。
【0136】
・抽出部74が第2レジスター79を使用する構成に替え、判定部76が第2レジスター79の値に基づいて色情報CIの値をその色が示す管理色情報MCの値に変換してもよい。
【0137】
・入力部21としては、タッチパネルに限らず、例えば操作ボタンなどであってもよい。
・給送部30A及び搬送部31の動力源が共通であってもよい。また、搬送部31及び排出部32をそれぞれ別々の動力源で駆動してもよい。
【0138】
・イメージセンサーは、CMOSイメージセンサーに限定されず、例えばMOS(Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサー又はCCD(charge coupled device)イメージセンサーとしてもよい。
【0139】
・イメージセンサー42は、リニアイメージセンサーに限定されず、エリアイメージセンサーでもよい。
・原稿の材質は紙に限定されず、樹脂製のフィルムやシート、織物、金属フィルムなどであってもよい。
【0140】
・画像読取装置は、スキャナー機能に加え、印刷機能及びコピー機能を備えた複合機の一部でもよい。
・画像読取装置11は、シートフィード型に限らず、フラットベッド型でもよい。フラットベッド型の画像読取装置11である場合、本体内には副走査方向(Y方向)に沿って移動可能なキャリッジを備え、キャリッジは、走査用モーターを動力源として移動し、キャリッジに設けられた光源及び読取部により、原稿台のガラス板上にセットされた原稿の画像を読み取る。この種のフラットベッド型の画像読取装置11でも、原稿を自動で給送する自動原稿給送装置(オートシートフィーダー)が設けられたものであれば、上記実施形態を適用することができる。また、画像読取装置11に限らず、画像読取装置11における画像読取制御方法及びプログラムに上記実施形態を適用することができる。
【0141】
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
(A)画像読取装置は、原稿を読み取って画像を取得する画像読取装置であって、互いに異なる発光色の光を発光する複数の発光部と、前記発光部が発光した光が前記原稿で反射した反射光を受光して受光信号を出力する受光部と、前記発光部及び前記受光部を制御する制御信号を出力する制御回路と、前記制御信号に基づいて、複数の前記発光部を互いに異なるタイミングで順番に発光させるとともに、前記発光色ごとの前記反射光を前記受光部に受光させて当該受光部から受光信号が入力される中継回路と、を備え、前記中継回路は、前記受光信号をアナログ・デジタル変換して得られる画素データに対して、前記受光部が受光した前記反射光の色を示す色情報を付加してデジタルデータを生成する変換部を有し、前記制御回路は、前記変換部から入力された前記デジタルデータ中の前記画素データを前記色情報で示された色ごとに記憶部に記憶させる画像処理部を備え、前記画像処理部は、前記デジタルデータから前記色情報を抽出する抽出部と、前記制御信号に基づく前記色情報の推定値である管理色情報を管理する管理部と、前記抽出部により抽出された前記色情報と前記管理色情報とが一致するか否かを判定する判定部と、前記判定部の判定結果が、前記色情報と前記管理色情報とが一致する場合、前記デジタルデータ中の前記画素データを前記記憶部に記憶させ、前記色情報と前記管理色情報とが一致しない場合、前記画素データを前記記憶部に記憶させない書込制御部とを有し、前記管理部は、前記色情報と前記管理色情報とが一致しない場合、前記管理色情報を前記色情報に一致させるように調整する。
【0142】
この構成によれば、判定部は、デジタルデータに含まれる色情報と、管理色情報とを比較することにより、ノイズの影響の有無を適切に判定することができる。管理部は、ノイズの影響で、色情報と管理色情報とが一致しない場合、管理色情報を色情報に一致させるように調整するので、書込制御部は、ノイズの影響がなくなるまでの間、一時的に画素データを記憶部に書き込まない。この結果、読取処理により生成する画像に、ノイズが影響することを抑制することができる。また、例えば、受光部が、複数の発光部からの異なる発光色の光を共通に受光する構成であって、受光部の数が、発光部の数よりも少ない構成であっても、ノイズの影響を抑制することができる。
【0143】
(B)上記画像読取装置において、前記デジタルデータは、複数桁のビットにより構成されるデータであって、前記色情報は前記複数桁のうち一部の桁に位置する値よりなる複数ビットで構成され、前記制御回路は、前記一部の桁の位置を示す位置情報を格納可能な第1格納部を備え、前記抽出部は、前記デジタルデータのうち前記第1格納部に格納された位置情報に基づいて前記複数ビットの前記色情報を抽出してもよい。
【0144】
この構成によれば、抽出部は、AFEの種類によって、デジタルデータにおける色情報を構成するビット位置が異なる場合であっても、デジタルデータに含まれる色情報を抽出することができる。
【0145】
(C)上記画像読取装置において、前記デジタルデータに含まれる前記色情報の値は、前記管理色情報と同じ色でも値が異なる場合があり、前記制御回路は、前記色情報の値と前記管理色情報の値との対応関係を示す対応情報を格納可能な第2格納部を備え、前記抽出部は、前記デジタルデータから抽出した前記色情報の値を、前記対応情報に基づいて変換してから、当該色情報を前記判定部に出力してもよい。
【0146】
この構成によれば、判定部は、AFEの種類によって、色情報が示す反射光の色の表し方が異なる場合であっても、色情報が示す色を判定処理に用いることができる。
(D)上記画像読取装置において、前記書込制御部は、前記色情報と前記管理色情報とが一致しない場合、前記色情報と前記管理色情報とが一致するまでの間、前記画素データに替えて、所定の色の画素データを色ごとに分けて前記記憶部に記憶させてもよい。
【0147】
この構成によれば、書込制御部は、所定の色として、ユーザーが任意に決定した色を画素データとして記憶部に記憶させることにより、ユーザーが所望する態様によって読取処理による画像を生成することができる。また、書込制御部は、予め定められた所定の色を画素データとして記憶部に記憶させることにより、簡易な処理によってノイズの影響を抑制することができる。また、書込制御部は、読取処理により生成される画像において目立ちにくい色を画素データとして記憶部に記憶させることにより、ノイズの影響を抑制することができる。
【0148】
(E)上記画像読取装置において、前記所定の色の画素データは、前記デジタルデータ中の前記画素データのラインに対して前後のラインを前記受光部が読み取った色ごとの画素データを色補間して得た画素データであってもよい。
【0149】
この構成によれば、ノイズの影響で正しく読み取られなかったラインの画素データは、その前後のラインの画素データを用いて色補間される。よって、画像読取装置は、画素データに予め決められた所定の色を呈するダミーの画素データで補完する構成とする場合に比べ、ノイズの影響による色むら等を目立ちにくくすることができる。
【0150】
(F)上記画像読取装置において、前記書込制御部は、前記色情報と前記管理色情報とが一致しない場合、前記色情報と前記管理色情報とが一致するまでの間、前記画素データを破棄してもよい。
【0151】
この構成によれば、書込制御部は、ノイズの影響を受けたデジタルデータが読取処理により生成される画像に含まれることを抑制することができる。
(G)上記画像読取装置において、前記書込制御部が、前記色情報と前記管理色情報とが一致しない場合に、前記画素データを前記記憶部に書き込まない補正処理を、有効にするか無効にするかを指示可能な入力部を備え、前記入力部から前記無効の指示を受け付けた場合、前記書込制御部は、前記色情報と前記管理色情報とが一致しない場合でも、前記画素データを前記記憶部に記憶させてもよい。
【0152】
この構成によれば、ユーザーはニーズに応じて補正処理を有効にするか無効にするかを入力部21の操作で選択できる。よって、ユーザーは、原稿Dを読み取った画像データを所望する品質で取得することができる。
【0153】
(H)上記画像読取装置において、前記変換部は、前記原稿の読取領域を前記受光部の走査方向に二分割したうちの一方である第1領域で反射した前記反射光を受光した前記受光部から出力される第1受光信号を、アナログ・デジタル変換して得た第1画素データに前記色情報を付加して第1デジタルデータを生成する第1変換部と、前記原稿の前記読取領域のうち前記第1領域以外の領域である第2領域で反射した前記反射光を受光した前記受光部から出力される第2受光信号を、アナログ・デジタル変換して得た第2画素データに前記色情報を付加して第2デジタルデータを生成する第2変換部とを有してもよい。
【0154】
この構成によれば、像読取装置が生成する画像は、ノイズ発生後、最小で1ライン、最大で2ライン分の範囲であって、幅方向Xが半分の範囲において、画素が本来の原稿Dの色とは異なる色となるものの、以降は、適切な色の画素によって構成することができる。
【0155】
(I)上記画像読取装置において、前記抽出部は、前記第1デジタルデータと前記第2デジタルデータとから、前記色情報をそれぞれ抽出し、前記判定部は、前記抽出部により抽出された二つの前記色情報のそれぞれについて、前記管理色情報と一致するか否かを判定し、前記書込制御部は、二つの前記色情報のいずれも前記管理色情報と一致する場合、前記第1画素データ及び前記第2画素データを共に前記記憶部に記憶させ、二つの前記色情報のうち少なくとも一方が前記管理色情報と一致しない場合、二つの前記色情報のいずれも前記管理色情報と一致するまでの間、前記第1画素データ及び前記第2画素データを、前記記憶部に記憶させなくてもよい。
【0156】
この構成によれば、第1領域と第2領域とのいずれか領域にノイズの影響がある場合、ノイズ発生後、最小で1ライン、最大で2ライン分の範囲であって、両方の領域の対応する位置の範囲において、画素が本来の原稿の色とは異なる色となるものの、以降は、適切な色の画素によって構成することができる。
【0157】
(J)前記書込制御部は、二つの前記色情報のうち少なくとも一方が前記管理色情報と一致しない場合、二つの前記色情報のいずれも前記管理色情報と一致するまでの間、前記第1画素データ及び前記第2画素データに替え、所定の色の画素データを前記記憶部に記憶させてもよい。
【0158】
この構成によれば、書込制御部は、所定の色として、ユーザーが任意に決定した色を画素データとして記憶部に記憶させることにより、ユーザーが所望する態様によって読取処理による画像を生成することができる。また、書込制御部は、予め定められた所定の色を画素データとして記憶部に記憶させることにより、簡易な処理によってノイズの影響を抑制することができる。また、書込制御部は、読取処理により生成される画像において目立ちにくい色を画素データとして記憶部に記憶させることにより、ノイズの影響を抑制することができる。
【0159】
(K)上記画像読取装置において、前記書込制御部は、二つの前記色情報のうち少なくとも一方が前記管理色情報と一致しない場合、二つの前記色情報のいずれも前記管理色情報と一致するまでの間、前記第1画素データ及び前記第2画素データを破棄してもよい。
【0160】
この構成によれば、第1領域と第2領域とのうち、一方の領域にノイズの影響がある場合、ノイズ発生後、最小で1ライン、最大で2ライン分の範囲であって、両方の領域の対応する範囲において、画素が本来の原稿の色とは異なる色となるものの、以降は、適切な色の画素によって構成することができる。
【0161】
(L)上記画像読取装置において、前記制御信号のパルスの数を前記発光部の数と同じ数だけ繰り返しカウントする色カウンターを備え、前記管理部は、前記色カウンターのカウント値に基づいて前記管理色情報を管理し、前記色情報と前記管理色情報とが一致する場合、前記色カウンターの計数を行い、前記色情報と前記管理色情報とが一致しない場合、前記色カウンターの計数を中止することで当該管理色情報の値を維持してもよい。
【0162】
この構成によれば、ノイズの影響で、色情報と管理色情報とが一致しなくなると、その間は、計数部の計数が中止されることで、管理色情報の値が維持される。このとき、色情報の値は変化するので、最大でも、発光部の数に等しい回数だけ画素データの記憶部への記憶を見送るだけで、色情報と管理色情報とが一致するようになり、読取画像へのノイズの影響が少なく抑えられる。
【0163】
(L)画像読取制御方法は、互いに異なる発光色の光を発光する複数の発光部と、前記発光部が発光した光が原稿で反射した反射光を受光する受光部とにより、前記原稿を読み取って画像を取得する画像読取制御方法であって、前記発光部及び前記受光部を制御する制御信号を出力する制御回路と、前記制御回路から入力した前記制御信号に基づいて前記発光部及び前記受光部を制御する中継回路と、を備え、前記制御回路が、前記中継回路に対して前記制御信号を出力することと、前記中継回路が、前記制御信号に基づいて、複数の前記発光部を互いに異なるタイミングで順番に発光させるとともに、前記発光色ごとの前記反射光を前記受光部に受光させて当該受光部から受光信号を入力することと、前記中継回路が、前記受光信号をアナログ・デジタル変換して得られる画素データに、前記受光部が受光した反射光の色を示す色情報を付加してデジタルデータを生成し、当該デジタルデータを前記制御回路に出力することと、前記制御回路が、前記制御信号に基づく前記色情報の推定値である管理色情報を取得することと、前記制御回路が、前記デジタルデータから前記色情報を抽出することと、前記制御回路が、抽出された前記色情報と前記管理色情報とが一致するか否かを判定することと、前記制御回路が、前記色情報と前記管理色情報とが一致する場合、前記画素データを記憶部に記憶させ、前記色情報と前記管理色情報とが一致しない場合、前記画素データを前記記憶部に記憶させないことと、前記色情報と前記管理色情報とが一致しない場合、前記管理色情報を前記色情報に一致させるように調整することと、を含む。この方法によれば、上記画像読取装置と同様の効果が得られる。
【0164】
(M)互いに異なる発光色の光を発光する複数の発光部と、前記発光部が発光した光が原稿で反射した反射光を受光する受光部と、を有し、前記原稿を読み取って画像を取得する画像読取装置に備えられるコンピューターにより実行されるプログラムであって、前記画像読取装置は、コンピューターと、当該コンピューターから入力した制御信号に基づいて前記発光部及び前記受光部を制御する中継回路とを備え、コンピューターに、制御信号を前記中継回路に出力することで、当該中継回路に前記発光部及び前記受光部を制御させるステップと、前記中継回路が前記受光部からの受光信号をアナログ・デジタル変換して得た画素データに、前記受光部が受光した反射光の色を示す色情報を付加して生成したデジタルデータを、当該中継回路から入力するステップと、前記制御信号に基づく前記色情報の推定値である管理色情報を取得するステップと、前記デジタルデータから前記色情報を抽出するステップと、抽出された前記色情報と前記管理色情報とが一致するか否かを判定するステップと、前記色情報と前記管理色情報とが一致する場合、前記デジタルデータ中の前記画素データを記憶部に記憶させ、前記色情報と前記管理色情報とが一致しない場合、前記画素データを前記記憶部に記憶させないステップと、前記色情報と前記管理色情報とが一致しない場合、前記管理色情報を前記色情報に一致させるように調整するステップとを実行させる。このプログラムによれば、上記画像読取装置と同様の効果が得られる。
【符号の説明】
【0165】
11…画像読取装置、12…本体、12A…給送口、12B…排出口、12C…前面部、13…原稿サポート、13A…載置面、13B…エッジガイド、13C…補助サポート部、15…スタッカー、18…本体部、19…カバー部、20…電源ボタン、21…入力部、22…表示部、23…表示領域、29…搬送経路、30…搬送機構、30A…給送部、30B…給送ガイド、31…搬送部、32…排出部、33…給送ローラー、34…給送ローラー対、35…搬送ローラー対、36…排出ローラー対、37…給送モーター、38…搬送モーター、40…読取部、40A…第1読取部、40B…第2読取部、41…光源、41A…第1光源、41B…第2光源、42…イメージセンサー、42A…第1イメージセンサー、42B…第2イメージセンサー、43…色基準板、44…エンコーダー、45…原稿センサー、46…原稿有無センサー、47-1、47A-1、47B-1…第1発光部、47-2、47A-2、47B-2…第2発光部、47-3、47A-3、47B-3…第3発光部、50…制御部、60…AFE、60-1…第1AFE、60-2…第2AFE、61…発光制御部、62…読出制御部、63…変換部、70…コンピューター、71…搬送制御部、72…読取制御部、73…画像処理部、74…抽出部、75…管理部、76…判定部、77…書込制御部、78…第1レジスター、79…第2レジスター、80…記憶部、81…位置情報、82…対応情報、AR、AR1、AR2、AR3、AR4、AR5、AR6…範囲、CC1…サンプリング回路、CC2…色管理回路、CC3…書込回路、CI…色情報、CT…色カウンター、D…原稿、DD…デジタルデータ、DD1…第1デジタルデータ、DD2…第2デジタルデータ、LC…光源発光色、MC…管理色情報、NS…ノイズ、PD…画素データ、PD1…第1画素データ、PD2…第2画素データ、PR…プログラム、S1…制御信号、S2…読出信号、SA…読取領域、WI…書込色情報、SI…読取画像、A1…第1領域、A2…第2領域。