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特許7540315乗場インジケーターの点検方法及び点検用装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】乗場インジケーターの点検方法及び点検用装置
(51)【国際特許分類】
   B66B 5/00 20060101AFI20240820BHJP
   B66B 3/00 20060101ALI20240820BHJP
   B66B 3/02 20060101ALN20240820BHJP
【FI】
B66B5/00 G
B66B5/00 D
B66B3/00 V
B66B3/02 B
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020202170
(22)【出願日】2020-12-04
(65)【公開番号】P2022089628
(43)【公開日】2022-06-16
【審査請求日】2023-06-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】光地 芳雄
【審査官】山田 拓実
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-203458(JP,A)
【文献】特開平10-194621(JP,A)
【文献】特開平3-143886(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0177122(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 3/00-5/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベーターのかごが停止する第1乗場に設けられた第1インジケーター及び前記かごが停止する第2乗場に設けられた第2インジケーターを点検する方法であって、
点検中であることを示す点検表示と前記第1インジケーターを撮影するための第1カメラの設置とを前記第1乗場で行う第1ステップと、
前記第1ステップの後、前記第1乗場から前記第2乗場に移動する第2ステップと、
前記第2ステップの後、点検中であることを示す点検表示と前記第2インジケーターを撮影するための第2カメラの設置とを前記第2乗場で行う第3ステップと、
前記第1カメラによって撮影された前記第1インジケーターの画像と前記第2カメラによって撮影された前記第2インジケーターの画像とを特定の端末に表示させる第4ステップと、
前記第4ステップの後、前記かごの移動を制御する制御装置に特定の信号を送信し、前記かごを点検用の走行パターンで走行させる第5ステップと、
を備えた乗場インジケーターの点検方法。
【請求項2】
エレベーターのかごが停止する第1乗場に設けられた第1インジケーター及び前記かごが停止する第2乗場に設けられた第2インジケーターを点検する方法であって、
点検中であることを示す点検表示と前記第1インジケーターを撮影するための第1カメラの設置とを前記第1乗場で行う第1ステップと、
前記第1ステップの後、前記第1乗場から前記第2乗場に移動する第2ステップと、
前記第2ステップの後、点検中であることを示す点検表示と前記第2インジケーターを撮影するための第2カメラの設置とを前記第2乗場で行う第3ステップと、
前記第1カメラによって撮影された前記第1インジケーターの画像と前記第2カメラによって撮影された前記第2インジケーターの画像とを特定の端末に表示させる第4ステップと、
前記第4ステップの後、前記第1インジケーター及び前記第2インジケーターを制御する制御装置に特定の信号を送信し、前記第1インジケーター及び前記第2インジケーターを点検用の点灯パターンで点灯させる第5ステップと、
を備えた乗場インジケーターの点検方法。
【請求項3】
前記信号は、前記端末から送信される請求項1又は請求項2に記載の乗場インジケーターの点検方法。
【請求項4】
前記第1ステップは、第1点検用装置に備えられた前記第1カメラが前記第1インジケーターに対向するように前記第1点検用装置を取り付けることによって行われ、
前記第3ステップは、第2点検用装置に備えられた前記第2カメラが前記第2インジケーターに対向するように前記第2点検用装置を取り付けることによって行われ、
前記第1点検用装置は、前記第1インジケーターが向く方向と同じ方向を向く表面に、点検中であることを示す表記が付され、
前記第2点検用装置は、前記第2インジケーターが向く方向と同じ方向を向く表面に、点検中であることを示す表記が付された請求項1から請求項3の何れか一項に記載の乗場インジケーターの点検方法。
【請求項5】
エレベーターの乗場に設けられたインジケーターを点検する際に用いられる点検用装置であって、
本体と、
前記本体に設けられたカメラと、
前記カメラが前記インジケーターに対向するように前記本体を前記インジケーターに対して配置するための固定手段と、
前記カメラによって撮影された画像の情報を特定の端末に送信する通信器と、
を備えた点検用装置。
【請求項6】
前記本体の表面に、点検中であることを示す表記が付され、
前記表面は、前記カメラが前記インジケーターに対向するように前記本体が前記インジケーターに対して配置された際に、前記インジケーターが向く方向と同じ方向を向く請求項5に記載の点検用装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エレベーターの乗場に設けられたインジケーターを点検する方法、及び当該方法で用いられる点検用装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、エレベーター装置が記載されている。特許文献1に記載されたエレベーター装置は、かごにインジケーターを備える。インジケーターは、多数のLED素子を備える。かごに備えられた監視カメラによってインジケーターが撮影され、その画像データからLED素子の劣化が検出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-202890号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
エレベーター装置には、かごが停止する各乗場にもインジケーターが設けられる。しかし、かごに備えられた監視カメラでは、乗場に設けられたインジケーターを撮影することはできない。また、各乗場に監視カメラが設置されているようなエレベーター装置は稀である。このため、従来では、乗場に設けられたインジケーターの点検はその乗場でしか行うことができず、手間が掛かるといった問題があった。
【0005】
本開示は、上述のような課題を解決するためになされた。本開示の目的は、エレベーターの乗場に設けられたインジケーターの点検を容易に行うことができる方法と、当該方法で用いるための点検用装置とを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る乗場インジケーターの点検方法は、エレベーターのかごが停止する第1乗場に設けられた第1インジケーター及びかごが停止する第2乗場に設けられた第2インジケーターを点検する方法である。当該方法は、点検中であることを示す点検表示と第1インジケーターを撮影するための第1カメラの設置とを第1乗場で行う第1ステップと、第1ステップの後、第1乗場から第2乗場に移動する第2ステップと、第2ステップの後、点検中であることを示す点検表示と第2インジケーターを撮影するための第2カメラの設置とを第2乗場で行う第3ステップと、第1カメラによって撮影された第1インジケーターの画像と第2カメラによって撮影された第2インジケーターの画像とを特定の端末に表示させる第4ステップと、第4ステップの後、かごの移動を制御する制御装置に特定の信号を送信し、かごを点検用の走行パターンで走行させる第5ステップと、を備える。
【0007】
本開示に係る乗場インジケーターの点検方法は、エレベーターのかごが停止する第1乗場に設けられた第1インジケーター及びかごが停止する第2乗場に設けられた第2インジケーターを点検する方法である。当該方法は、点検中であることを示す点検表示と第1インジケーターを撮影するための第1カメラの設置とを第1乗場で行う第1ステップと、第1ステップの後、第1乗場から第2乗場に移動する第2ステップと、第2ステップの後、点検中であることを示す点検表示と第2インジケーターを撮影するための第2カメラの設置とを第2乗場で行う第3ステップと、第1カメラによって撮影された第1インジケーターの画像と第2カメラによって撮影された第2インジケーターの画像とを特定の端末に表示させる第4ステップと、第4ステップの後、第1インジケーター及び第2インジケーターを制御する制御装置に特定の信号を送信し、第1インジケーター及び第2インジケーターを点検用の点灯パターンで点灯させる第5ステップと、を備える。
【0008】
本開示に係る点検用装置は、エレベーターの乗場に設けられたインジケーターを点検する際に用いられる点検用装置である。当該装置は、本体と、本体に設けられたカメラと、カメラがインジケーターに対向するように本体をインジケーターに対して配置するための固定手段と、カメラによって撮影された画像の情報を特定の端末に送信する通信器と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、エレベーターの乗場に設けられたインジケーターの点検を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】エレベーター装置の例を示す図である。
図2】実施の形態1におけるインジケーターの点検方法の例を示すフローチャートである。
図3】エレベーター装置で点検が行われる時の乗場の例を示す図である。
図4図3のA-A断面を示す図である。
図5図2のS107における表示器の表示例を示す図である。
図6】点検用装置の他の例を示す図である
図7】インジケーターの他の点検方法の例を示すフローチャートである。
図8図7のS208における表示器の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、図面を参照して詳細な説明を行う。重複する説明は、適宜簡略化或いは省略する。各図において、同一の符号は同一の部分又は相当する部分を示す。
【0012】
実施の形態1.
図1は、エレベーター装置の例を示す図である。先ず、図1を参照し、エレベーター装置について説明する。エレベーター装置は、かご1及びつり合いおもり2を備える。かご1は、昇降路3を上下に移動する。つり合いおもり2は、昇降路3を上下に移動する。かご1及びつり合いおもり2は、主ロープ4によって昇降路3に吊り下げられる。
【0013】
主ロープ4は、巻上機5に巻き掛けられる。かご1は、巻上機5によって駆動される。巻上機5は、制御装置6によって制御される。即ち、制御装置6は、かご1の移動を制御する。図1は、巻上機5及び制御装置6が昇降路3の上方の機械室7に設置される例を示す。巻上機5及び制御装置6は、昇降路3に設置されても良い。巻上機5が昇降路3に設置される場合、巻上機5は、昇降路3の頂部に設置されても良いし、昇降路3のピットに設置されても良い。
【0014】
かご1は、ビルに設けられた各階の乗場8に停止する。図1は、かご1がある階の乗場8に停止している例を示す。各階の乗場8に、インジケーター9が設けられる。インジケーター9は、乗場8にいる利用者に情報を提供する機能を有する。一例として、インジケーター9は、縦横にマトリクス状に配置された多数のLED素子を備える。
【0015】
例えば、かご1が1階の乗場8に停止している場合、各階の乗場8に設けられたインジケーター9には、1階を表す「1」が表示される。同様に、かご1が5階の乗場8に停止している場合、各階の乗場8に設けられたインジケーター9には、5階を表す「5」が表示される。インジケーター9に、かご1が走行している方向を表す矢印が更に表示されても良い。制御装置6は、各インジケーター9を制御する。
【0016】
エレベーターの保守員は、定期点検において、インジケーター9が正常に機能しているか否かを判定する。例えば、保守員は、インジケーター9にドット抜けが発生していないかを確認する。以下に、図2から図6も参照し、保守員がインジケーター9を点検する方法について詳しく説明する。図2は、実施の形態1におけるインジケーター9の点検方法の例を示すフローチャートである。
【0017】
以下においては、エレベーター装置が6階建てのビルに据え付けられている例について説明する。当該ビルには、1階から6階の各階の乗場8にインジケーター9が設けられる。インジケーターを個別に特定する必要がある場合、符号9の後にハイフンと階を表す数字とを付して、他の階の乗場8に設けられたインジケーターと区別する。例えば、1階の乗場8にはインジケーター9-1が設けられる。2階の乗場8にはインジケーター9-2が設けられる。同様に、6階の乗場8にはインジケーター9-6が設けられる。
【0018】
保守員は、エレベーター装置の定期点検を開始する際に、点検中であることを示す点検表示を各乗場8で行わなければならない。これにより、エレベーターを利用できないことを利用者に知らせる。点検表示を行う順番に特に決まりはないが、本実施の形態では、保守員が最下階の乗場から順に点検表示を行う例について説明する。
【0019】
保守員は、先ず、1階の乗場8で点検表示を行う(S101)。一例として、点検表示は、「点検中」と書かれた札を乗場8の壁に掛けることによって行われる。他の例として、点検表示は、「点検中」と書かれたシールを乗場8の三方枠に貼ることによって行われる。他の例として、点検表示は、乗場8の出入口を柵で囲むことによって行われる。他の例として、点検表示は、「点検中」と書かれたシールを乗場8の三方枠に貼り且つ乗場8の出入口を柵で囲むことによって行われる。点検表示の例はこれらに限定されない。図3は、エレベーター装置で点検が行われる時の乗場8の例を示す図である。図3に示す例では、点検表示のための札10が乗場8の三方枠11に取り付けられている。
【0020】
また、保守員は、点検表示を行うために訪れた乗場8において、インジケーター9を撮影するためのカメラ12の設置を行う。図3に示す例では、カメラ12は点検用装置13に備えられる。点検用装置13は、保守員がインジケーター9を点検する際に用いる装置である。図4は、図3のA-A断面を示す図である。点検用装置13は、カメラ12の他に、本体14、固定部15、及び通信器16を備える。
【0021】
カメラ12は、本体14に設けられる。固定部15は、点検用装置13をインジケーター9に対して固定するための手段の一例である。固定部15による固定が行われると、カメラ12がインジケーター9に対向するように本体14がインジケーター9に対して配置される。これにより、インジケーター9を撮影することができる位置にカメラ12を取り付けることができる。図4は、固定部15がインジケーター9の上端に掛けられる例を示す。他の例として、固定部15は、磁石或いは吸盤等の吸着具、又はネジ等の締結具を備えても良い。
【0022】
通信器16は、カメラ12によって撮影された画像の情報を特定の端末に送信する。一例として、通信器16は、保守員が携帯する保守端末17と無線通信する。かかる場合、通信器16は、カメラ12によって撮影された画像の情報を保守端末17に送信する。通信器16は、カメラ12によって撮影された画像の情報を保守端末17以外の端末に送信しても良い。保守端末17は、表示器18、通信部19、及び表示制御部20を備える。
【0023】
保守員は、点検表示を行う際に、各乗場8においてカメラ12の設置、即ち点検用装置13の設置を行う。このため、保守員は、階床分の点検用装置13を点検現場に持ち込む。以下においては、点検用装置或いは点検用装置に含まれる要素を個別に特定する必要がある場合、符号の後にハイフンと階を表す数字とを付して、他の点検用装置或いは他の点検用装置に含まれる要素と区別する。例えば、保守員は、S101において1階の乗場8で点検表示を行うと、他の階に移動する前に、1階の乗場8においてカメラ12-1の設置、即ち点検用装置13-1の設置を図3及び図4に示すように行う(S102)。S102の作業は、S101の作業の前に行われても良い。
【0024】
保守員は、1階の乗場8で点検表示とカメラ12-1の設置とを行うと、2階の乗場8に移動する(S103)。保守員は、移動した2階の乗場8において、点検中であることを示す点検表示を行う(S104)。また、保守員は、S103で2階の乗場8に移動すると、他の階に移動する前に、インジケーター9-2を撮影するためのカメラ12-2の設置を行う(S105)。即ち、保守員は、カメラ12-2がインジケーター9-2に対向するように点検用装置13-2を取り付ける。これにより、インジケーター9-2を撮影することができる位置にカメラ12-2が配置される。なお、S105の作業はS104の作業の前に行われても良い。
【0025】
2階の乗場8で点検表示とカメラ12-2の設置とが行われると、S106でNoと判定される。かかる場合、保守員は3階の乗場8に移動する(S103)。そして、保守員は、3階の乗場8において点検表示とカメラ12-3の設置とを行う。S103からS105に示す作業が繰り返されることにより、各階の乗場8において点検表示とカメラ12の設置とが完了する(S106のYes)。
【0026】
S106でYesと判定されると、保守員は、各カメラ12が撮影しているインジケーター9の画像を保守端末17にリアルタイム表示させる(S107)。
【0027】
上述したように、各点検用装置13において、通信器16は、カメラ12によって撮影された画像の情報を保守端末17に送信する。保守端末17では、通信器16が送信した画像の情報を通信部19が受信する。表示制御部20は、通信部19が受信した情報に基づいて、表示器18の表示を制御する。図5は、図2のS107における表示器18の表示例を示す図である。図5に示す例では、カメラ12-1~12-6によって撮影された6つのリアルタイム画像が表示器18に並べて表示される。
【0028】
次に、保守員は、かご1を点検用の走行パターンで走行させる(S108)。当該走行パターンは、予め設定される。例えば、保守員は、インジケーター9-1~9-6のリアルタイム画像が表示器18に表示されていることを確認すると、保守端末17に対して特定の操作を行う。これにより、かご1を上記走行パターンで走行させるための特定の信号が保守端末17から制御装置6に対して送信される。制御装置6は、当該信号を保守端末17から受信すると巻上機5を制御し、かご1を上記走行パターンで走行させる。
【0029】
S108では、かご1は、例えば最下階の乗場8から最上階の乗場8に移動する。かご1は、S108において、昇降路3を1往復しても良い。これにより、1階から6階を示す1から6の各数字がインジケーター9に表示される。保守員は、保守端末17の表示器18を見ることにより、各インジケーター9に故障が発生していないかを確認する(S109)。例えば、図5に示す例のようにインジケーター9-3にドット抜けがあれば、保守員は、インジケーター9-3を修理する。
【0030】
本実施の形態に示す例であれば、表示器18に映し出されたインジケーター9の画像を見て、各インジケーター9に故障が発生していないかを確認することができる。インジケーター9を撮影するためのカメラ12は、エレベーター装置の保守を行う際に必ず必要になる点検表示を行う際に各乗場8に設置される。このため、インジケーター9の点検のためだけ、換言すると、カメラ12を設置するためだけに保守員が乗場8に行く必要はない。本実施の形態に示す例であれば、インジケーター9の点検を容易に行うことができる。
【0031】
また、本実施の形態に示す例では、インジケーター9-1~9-6のリアルタイム画像が表示器18に同時に表示される。このため、保守員は、表示器18を見て、インジケーター9の表示が同期しているかどうかを確認することも可能である。
【0032】
図6は、点検用装置13の他の例を示す図である。図6は、図3に相当する図である。図6に示す例では、上述した例と同様に、点検用装置13は、カメラ12、本体14、固定部15、及び通信器16を備える。また、点検用装置13は、図3に示す札10の機能を更に備える。一例として、本体14の表面14aに、点検中であることを示す表記が付される。表面14aは、カメラ12がインジケーター9に対向するように本体14がインジケーター9に対して配置された際に、インジケーター9が向く方向と同じ方向を向く。
【0033】
図6に示す点検用装置13を用いる場合、保守員は、例えば1階の乗場8において、カメラ12-1がインジケーター9-1に対向するように点検用装置13-1を取り付ける。点検用装置13-1がインジケーター9-1に対して固定されると、本体14-1の表面14a-1は、インジケーター9-1が向く方向と同じ方向を向く。この表面14a-1には、点検中であることを示す表記が付されている。したがって、保守員は、点検用装置13-1の取り付けを行うことにより、S101の作業とS102の作業とを同時に行うことができる。
【0034】
その後、保守員は、2階の乗場8に移動する(S103)。保守員は、2階の乗場8において、カメラ12-2がインジケーター9-2に対向するように点検用装置13-2を取り付ける。点検用装置13-2がインジケーター9-2に対して固定されると、本体14-2の表面14a-2は、インジケーター9-2が向く方向と同じ方向を向く。表面14a-2には、点検中であることを示す表記が付されている。したがって、保守員は、点検用装置13-2の取り付けを行うことにより、2階の乗場8におけるS104の作業とS105の作業とを同時に行うことができる。
【0035】
図6に示す例であれば、保守員は、各階の乗場8において点検用装置13の取り付けを行うことにより、点検表示とカメラ12の設置とを同時に行うことができる。したがって、インジケーター9の点検を更に容易に行うことが可能となる。
【0036】
図7は、インジケーター9の他の点検方法の例を示すフローチャートである。図7のS201からS207に示す作業は、図1のS101からS107に示す作業と同じである。保守員は、各カメラ12が撮影しているインジケーター9の画像をS207で保守端末17の表示器18に表示させると、各インジケーター9を点検用の点灯パターンで点灯させる(S208)。当該点灯パターンは、予め設定される。
【0037】
例えば、保守員は、インジケーター9-1~9-6のリアルタイム画像が表示器18に表示されていることを確認すると、保守端末17に対して特定の操作を行う。これにより、インジケーター9-1~9-6を上記点灯パターンで点灯させるための特定の信号が保守端末17から制御装置6に対して送信される。制御装置6は、当該信号を保守端末17から受信すると、インジケーター9-1~9-6を上記点灯パターンで同時に点灯させる。
【0038】
S208において、各インジケーター9では、例えば、横一列に並んだLED素子が上から順番に点灯する。図8は、図7のS208における表示器18の表示例を示す図である。図8は、各インジケーター9において、上から4列目のLED素子が点灯している状態を示す。保守員は、保守端末17の表示器18を見ることにより、各インジケーター9に故障が発生していないかを確認する(S209)。
【0039】
図7に示す点検方法であっても、上述した例と同様の効果を奏することができる。即ち、インジケーター9の点検のためだけに保守員が乗場8に行く必要はない。このため、インジケーター9の点検を容易に行うことができる。
【0040】
なお、図5に示すLED素子21aが点灯しなくなると、例えば「2」の文字が欠ける。一方、図8に示すLED素子21bが点灯しなくなっても、「1」~「6」の文字を正しく表示することができる。インジケーター9の修理を直ぐに行うことができない場合に修理が完了するまでの状況を保守員或いは保守員が所属する保守会社が正しく把握することができるように、これらの情報を保守端末17に記憶させても良い。例えば、図5に示す例では、保守員は、「3階のインジケーターにドット抜けあり。階床表示に欠けあり。」との情報を保守端末17に記憶させる。一方、図8に示す例では、保守員は、「3階のインジケーターにドット抜けあり。階床表示は正常。」との情報を保守端末17に記憶させる。
【0041】
本実施の形態では、保守員が目視によってインジケーター9に故障が発生していないかを確認する例について説明した。他の例として、カメラ12によって撮影されたインジケーター9の画像とインジケーター9の基準画像とを比較することにより、インジケーター9に故障が発生しているか否かの判定を自動で行っても良い。かかる場合、表示器18には、上記判定の結果も併せて表示される。
【符号の説明】
【0042】
1 かご、 2 つり合いおもり、 3 昇降路、 4 主ロープ、 5 巻上機、 6 制御装置、 7 機械室、 8 乗場、 9 インジケーター、 10 札、 11 三方枠、 12 カメラ、 13 点検用装置、 14 本体、 14a 表面、 15 固定部、 16 通信器、 17 保守端末、 18 表示器、 19 通信部、 20 表示制御部、 21a~21b LED素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8