IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ コニカミノルタ株式会社の特許一覧

特許7540436ケア管理方法、プログラム、ケア管理装置、および、ケア管理システム
<>
  • 特許-ケア管理方法、プログラム、ケア管理装置、および、ケア管理システム 図1
  • 特許-ケア管理方法、プログラム、ケア管理装置、および、ケア管理システム 図2
  • 特許-ケア管理方法、プログラム、ケア管理装置、および、ケア管理システム 図3
  • 特許-ケア管理方法、プログラム、ケア管理装置、および、ケア管理システム 図4
  • 特許-ケア管理方法、プログラム、ケア管理装置、および、ケア管理システム 図5
  • 特許-ケア管理方法、プログラム、ケア管理装置、および、ケア管理システム 図6
  • 特許-ケア管理方法、プログラム、ケア管理装置、および、ケア管理システム 図7
  • 特許-ケア管理方法、プログラム、ケア管理装置、および、ケア管理システム 図8
  • 特許-ケア管理方法、プログラム、ケア管理装置、および、ケア管理システム 図9
  • 特許-ケア管理方法、プログラム、ケア管理装置、および、ケア管理システム 図10
  • 特許-ケア管理方法、プログラム、ケア管理装置、および、ケア管理システム 図11
  • 特許-ケア管理方法、プログラム、ケア管理装置、および、ケア管理システム 図12
  • 特許-ケア管理方法、プログラム、ケア管理装置、および、ケア管理システム 図13
  • 特許-ケア管理方法、プログラム、ケア管理装置、および、ケア管理システム 図14
  • 特許-ケア管理方法、プログラム、ケア管理装置、および、ケア管理システム 図15
  • 特許-ケア管理方法、プログラム、ケア管理装置、および、ケア管理システム 図16
  • 特許-ケア管理方法、プログラム、ケア管理装置、および、ケア管理システム 図17
  • 特許-ケア管理方法、プログラム、ケア管理装置、および、ケア管理システム 図18
  • 特許-ケア管理方法、プログラム、ケア管理装置、および、ケア管理システム 図19
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】ケア管理方法、プログラム、ケア管理装置、および、ケア管理システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/22 20240101AFI20240820BHJP
【FI】
G06Q50/22
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021522660
(86)(22)【出願日】2020-03-25
(86)【国際出願番号】 JP2020013287
(87)【国際公開番号】W WO2020241021
(87)【国際公開日】2020-12-03
【審査請求日】2023-02-13
(31)【優先権主張番号】P 2019102438
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古川 学
(72)【発明者】
【氏名】澤田 誠二
【審査官】山口 大志
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/195696(WO,A1)
【文献】特開2013-101582(JP,A)
【文献】特開2018-147104(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピューターによって実施されるケア管理方法であって、
ケア対象者に提供される作業に関するルールの登録を受け付けるステップと、
ケア対象者に提供された作業の実施内容を格納する記憶装置にアクセスすることにより、所与の表示装置に、前記ルールの登録後の前記ルールに対応する作業の実施内容を表示するステップとを備え
前記ルールに対応する作業の実施内容を表示するステップは、前記ルールの登録前の作業の実施内容を前記ルールとともに表示することを含むケア管理方法。
【請求項2】
コンピューターによって実施されるケア管理方法であって、
ケア対象者に提供される作業に関するルールの登録を受け付けるステップと、
ケア対象者に提供された作業の実施内容を格納する記憶装置にアクセスすることにより、所与の表示装置に、前記ルールの登録後の前記ルールに対応する作業の実施内容を表示するステップと、
前記ルールによって改善が期待されるデータの項目の登録を受け付けるステップと、
所与の表示装置に、前記ルールが登録された後の前記項目のデータを表示するステップと、を備える、ケア管理方法。
【請求項3】
前記ルールに対応する作業の実施内容を表示するステップは、前記ルールの登録後の作業の実施内容を前記ルールの内容とともに表示することを含む、請求項1または請求項2に記載のケア管理方法。
【請求項4】
前記ルールは数値を含む、請求項1~請求項3のいずれか1項に記載のケア管理方法。
【請求項5】
前記ルールに対応する作業の実施内容を表示するステップは、前記ルールの登録後の作業の実施内容と前記ルールに含まれる数値とを利用することによって生成された、前記ルールのケア提供者による遵守に関する情報を表示することを含む、請求項4に記載のケア管理方法。
【請求項6】
前記項目の登録を受け付けるステップは、改善を定義する数値の登録を受け付けることを含む、請求項に記載のケア管理方法。
【請求項7】
前記項目のデータを表示するステップは、前記改善を定義する数値を表示することを含む、請求項に記載のケア管理方法。
【請求項8】
前記項目のデータを表示するステップは、前記ルールの登録後の前記項目のデータと前記改善を定義する数値とを利用することによって生成された、前記項目に関する改善を表す情報を表示することを含む、請求項または請求項に記載のケア管理方法。
【請求項9】
前記改善が期待されるデータの項目は、ケア対象者の状態の項目を含む、請求項2および請求項6~請求項のいずれか1項に記載のケア管理方法。
【請求項10】
前記ルールは、ケア対象者の居室への夜間の訪室の時刻の設定を含み、
前記ケア対象者の状態は、ケア対象者の起床を含む、請求項に記載のケア管理方法。
【請求項11】
前記改善が期待されるデータの項目は、ケア提供者による作業の項目を含む、請求項2および請求項6~請求項のいずれか1項に記載のケア管理方法。
【請求項12】
前記ルールは、ケア対象者の居室への夜間の訪室の時刻の設定を含み、
前記ケア提供者の作業は、ケア提供者によるケア対象者へのモーニングケアを含む、請求項11に記載のケア管理方法。
【請求項13】
前記項目のデータを表示するステップは、前記ルールの登録前の、当該項目のデータを表示することを含む、請求項2および請求項6~請求項12のいずれか1項に記載のケア管理方法。
【請求項14】
コンピューターに実行されることによって、当該コンピューターに請求項1~請求項13のいずれか1項に記載のケア管理方法を実施させる、プログラム。
【請求項15】
請求項14に記載のプログラムを格納する記憶装置と、
前記プログラムを実行するプロセッサーとを備える、ケア管理装置。
【請求項16】
ケア対象者の状態を表すデータを取得するセンサーボックスと、
前記センサーボックスによって取得されるデータを利用するケア管理装置と、を備えるケア管理システムであって、
前記ケア管理装置は、プロセッサーを含み、
前記プロセッサーは、
ケア対象者に提供される作業に関するルールの登録を受け付け、
ケア対象者に提供された作業の実施内容を格納する記憶装置にアクセスすることにより、所与の表示装置に、前記ルールの登録前の前記ルールに対応する作業の実施内容を前記ルールとともに表示する、ケア管理システム。
【請求項17】
ケア対象者の状態を表すデータを取得するセンサーボックスと、
前記センサーボックスによって取得されるデータを利用するケア管理装置と、を備えるケア管理システムであって、
前記ケア管理装置は、プロセッサーを含み、
前記プロセッサーは、
ケア対象者に提供される作業に関するルールの登録を受け付け、
ケア対象者に提供された作業の実施内容を格納する記憶装置にアクセスすることにより、所与の表示装置に、前記ルールの登録後の前記ルールに対応する作業の実施内容を表示し、
前記センサーボックスによって取得されるデータのうち、前記ルールによって改善が期待されるデータの項目の登録を受け付け、
所与の表示装置に、前記ルールが登録された後の前記項目のデータを表示する、ケア管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、被介護者を見守るためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
介護を必要とする被介護者を見守るための見守りシステムが普及している。見守りシステムは、被介護者が起床、離床、転倒などの危険を伴う行動をとったことを検出し、そのことを介護者に報知する。これにより、介護者は被介護者の元に駆け付けることができ、被介護者の転倒などが未然に防がれ、また、被介護者への早急な手当が可能になる。
【0003】
被介護者の行動を見守るための技術に関し、特開2001-307246号公報(特許文献1)は、「被監視者の様々な行動パターンに十分に対処できるようにする」ための人体検出装置を開示している。特開2002-230533号公報(特許文献2)は、「ベッド外形下辺となる境界辺を用いて、入床事象、離床事象を正確に判断することのできる」画像処理装置を開示している。再公表特許2017-188156号(特許文献3)は、被介護者に関わる所定のイベントが検知された場合の通知音の出力方法に関する技術を開示している。実際の見守りシステムでは、介護者は、上記行動およびイベントの発生時だけでなく、定時見回りなど、多くの作業を実施している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2001-307246号公報
【文献】特開2002-230533号公報
【文献】再公表特許2017-188156号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
介護施設において、慢性的な人手不足が問題となっている。この問題への対応の一例として、見守りシステムを適用される施設では、介護者に最低限実施することを必要とされる作業のみを実施させるルールを策定することが望ましい。一方で、介護者は、その責任感等からある局面において必要とされる以上の作業を実施し、これにより、他の局面において、本来必要とされる作業を実施できない、または、本来必要とされる作業の実施が不十分になる事態が生じ得る。
【0006】
本開示は係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、策定されているルールに従って作業をすることを、介護者により確実に遵守させるための技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のある局面に従うと、コンピューターによって実施されるケア管理方法であって、ケア対象者に提供される作業に関するルールの登録を受け付けるステップと、ケア対象者に提供された作業の実施内容を格納する記憶装置にアクセスすることにより、所与の表示装置に、ルールの登録後のルールに対応する作業の実施内容を表示するステップとを備える、ケア管理方法が提供される。
【0008】
ルールに対応する作業の実施内容を表示するステップは、ルールの登録後の作業の実施内容をルールの内容とともに表示することを含んでいてもよい。
【0009】
ルールに対応する作業の実施内容を表示するステップは、ルールの登録前の作業の実施内容を表示することを含んでいてもよい。
【0010】
ルールは数値を含んでいてもよい。
ルールに対応する作業の実施内容を表示するステップは、ルールの登録後の作業の実施内容とルールに含まれる数値とを利用することによって生成された、ルールのケア提供者による遵守に関する情報を表示することを含んていてもよい。
【0011】
ケア管理方法は、ルールによって改善が期待されるデータの項目の登録を受け付けるステップと、所与の表示装置に、ルールが登録された後の項目のデータを表示するステップと、をさらに備えていてもよい。
【0012】
項目の登録を受け付けるステップは、改善を定義する数値の登録を受け付けることを含んでいてもよい。
【0013】
項目のデータを表示するステップは、改善を定義する数値を表示することを含んていてもよい。
【0014】
項目のデータを表示するステップは、ルールの登録後の項目のデータと改善を定義する数値とを利用することによって生成された、項目に関する改善を表す情報を表示することを含んでいてもよい。
【0015】
改善が期待されるデータの項目は、ケア対象者の状態の項目を含んていてもよい。
ルールは、ケア対象者の居室への夜間の訪室の時刻の設定を含んでいてもよい。ケア対象者の状態は、ケア対象者の起床を含んでいてもよい。
【0016】
改善が期待されるデータの項目は、ケア提供者による作業の項目を含んでいてもよい。
ルールは、ケア対象者の居室への夜間の訪室の時刻の設定を含んでいてもよい。ケア提供者の作業は、ケア提供者によるケア対象者へのモーニングケアんでいてもよい。
【0017】
項目のデータを表示するステップは、ルールの登録前の、当該項目のデータを表示することを含んでいてもよい。
【0018】
本開示の他の局面に従うと、コンピューターに実行されることによって、当該コンピューターに上記ケア管理方法を実施させる、プログラムが提供される。
【0019】
本開示のさらに他の局面に従うと、上記プログラムを格納する記憶装置と、プログラムを実行するプロセッサーとを備える、ケア管理装置が提供される。
【0020】
本開示のさらに他の局面に従うと、ケア対象者の状態を表すデータを取得するセンサーボックスと、センサーボックスによって取得されるデータを利用するケア管理装置と、を備えるケア管理システムが提供される。ケア管理装置は、プロセッサーを含む。プロセッサーは、ケア対象者に提供される作業に関するルールの登録を受け付け、ケア対象者に提供された作業の実施内容を格納する記憶装置にアクセスすることにより、所与の表示装置に、ルールの登録後のルールに対応する作業の実施内容を表示し、センサーボックスによって取得されるデータのうち、ルールによって改善が期待されるデータの項目の登録を受け付け、所与の表示装置に、ルールが登録された後の項目のデータを表示する。
【発明の効果】
【0021】
本開示によれば、ケア管理方法を実施するコンピューターは、ケア対象者に提供される作業に関するルールが登録されると、当該ルールの登録後の、当該ルールに対応する作業の実施内容を表示する。これにより、ルールの登録後の作業の実施内容が当該ルールを遵守するものであるか否かを、介護者または当該介護者を指導する者が、確実に認識し得る。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】ケアシステムの構成の一例を模式的に示す図である。
図2】居室におけるセンサーの検出範囲の一例を説明するための図である。
図3】各居室10の設備のハードウェア構成の一例を示す図である。
図4】クライアント端末200のハードウェア構成の一例を示す図である。
図5】携帯端末300のハードウェア構成の一例を示す図である。
図6】管理サーバー400のハードウェア構成の一例を示す図である。
図7】ある入居者についてのケア記録のデータ構造の一例を模式的に示す図である。
図8】ルールの登録などに利用されるアプリケーション(以下、スタッフの作業管理用のアプリケーションともいう)のメイン画面の一例を示す図である。
図9】条件設定画面の一例を示す図である。
図10】ルール設定画面の一例を示す図である。
図11】効果設定画面の一例を示す図ある。
図12】結果出力画面の一例を示す図である。
図13】結果出力画面1200におけるボタン1201への操作によって表示されるグラフの一例を示す図である。
図14】結果出力画面1200におけるボタン1201への操作によって表示されるグラフの他の例を示す図である。
図15】結果出力画面1200におけるボタン1202への操作によって表示されるグラフの一例を示す図である。
図16】結果出力画面1200におけるボタン1202への操作によって表示されるグラフの他の例を示す図である。
図17】結果出力画面1200におけるボタン1203への操作によって表示されるグラフの一例を示す図である。
図18】結果出力画面1200におけるボタン1203への操作によって表示されるグラフの他の例を示す図である。
図19】ディスプレイ208にルールに関する情報を表示するために制御装置201が実行する処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に、図面を参照しつつ、ケア管理システムの一実施の形態であるケアシステムについて説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、これらの説明は繰り返さない。
【0024】
[1.ケアシステムの構成]
図1は、ケアシステムの構成の一例を模式的に示す図である。ケアシステムは、病院、老人福祉施設等の施設において、2以上の患者または入居者のそれぞれの情報を管理する。本明細書では、一例として、老人福祉施設における複数の入居者(ケア対象者)の情報を管理するためのシステムを説明する。なお、ケアシステムが適用される施設は、病院など他の種類の施設であってもよい。見守り対象は、病院の患者などに変更されても良い。
【0025】
本実施の形態のケアシステムでは、ケアに関する情報が管理される。ディレクターは、提供されるケアについてのルールをケアシステムに登録する。ケアシステムは、当該ルールの登録後の入居者および/またはスタッフに関する情報を表示する。本明細書では、「スタッフ」はケア提供者の一例である。ディレクターは、当該情報の表示に基づいて、ルールが遵守されているか、および/または、ルールの遵守によって効果が得られているかを確認できる。以下、ケアシステムの構成の一具体例を説明する。
【0026】
ケアシステムは、各入居者の居室に設置されるセンサーボックス100A,100B…を含む。ケアシステムは、センサーボックス100A,100B…のそれぞれからの出力を管理する管理サーバー400を含む。管理サーバー400は、2以上のクライアント端末(クライアント端末200A,200B…)に、センサーボックス100A,100B…からの出力を転送する。2以上のクライアント端末200A,200B…のそれぞれは、転送された出力を表示する。一例では、表示は、2以上のクライアント端末200A,200B…のそれぞれにインストールされたWebブラウザーを用いて制御される。ディレクター820A,820B…のそれぞれは、クライアント端末200A,200B…のそれぞれに関する表示を見て、各居室へのスタッフの駆け付け要否を決定する。ディレクターは、どの居室にどのスタッフを割り当てるかを決定してもよい。
【0027】
ケアシステムは、スタッフ850A,850B…のそれぞれが携帯する携帯端末300A,300B…を含む。ディレクターから居室へのスタッフの駆け付けが必要であることを表す情報が入力されると、クライアント端末200A,200B…のそれぞれは、当該情報の入力を管理サーバー400へ通知する。管理サーバー400は、クライアント端末からの通知に応じて、携帯端末300A,300B…の少なくとも1つに通知を送信する。
【0028】
携帯端末300A,300B…のそれぞれは、上記通知を受信すると、当該通知に含まれる情報を表示する。スタッフ850A,850B…のそれぞれは、各自が携帯する携帯端末の表示に従って、居室等に駆け付け、必要とされる対応を実施する。
【0029】
本明細書では、センサーボックス100A,100B…、クライアント端末200A,200B…、携帯端末300A,300B…、スタッフ850A,850B…、ディレクター820A,820B…のそれぞれについて、それぞれの中で共通する性質について言及する場合、「センサーボックス100」「クライアント端末200」「携帯端末300」「スタッフ850」および「ディレクター820」との用語を使用する。
【0030】
[2.見守り対象の情報の取得]
図2は、居室におけるセンサーの検出範囲の一例を説明するための図である。図2の例では、センサーボックス100は、居室10の天井CLに設置される。
【0031】
図2において、範囲ARは、センサーボックス100内のセンサーの検出範囲を概略的に表わす。センサーがドップラーセンサーである場合、当該ドップラーセンサーは、範囲AR内で生じた挙動を検出する。センサーがカメラである場合、当該カメラは、範囲AR内の画像を撮影する。
【0032】
図2の例では、居室10内にベッド30が設置され、センサーボックス100内のセンサーは入居者20の挙動に応じた出力を生成する。入居者20はケアコール子機500を操作し得る。各居室10のケアコール子機500への操作内容が、センサーボックス100に送信されてもよい。
【0033】
[3.ハードウェア構成(居室内の設備)]
図3は、各居室10の設備のハードウェア構成の一例を示す図である。各居室には、センサーボックス100と、ケアコール子機500と、ドアセンサー510と、トイレセンサー520と、臭いセンサー530と、バイタルセンサー540とが設置される。
【0034】
センサーボックス100は、制御装置101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、通信インターフェイス104と、カメラ105と、ドップラーセンサー106と、無線通信装置107と、記憶装置120とを備える。
【0035】
制御装置101は、センサーボックス100を制御する。制御装置101は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU(Central Processing Unit)、少なくとも1つのASIC(Application Specific Integrated Circuit)、少なくとも1つのFPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらの組み合わせなどによって構成される。
【0036】
通信インターフェイス104には、アンテナ(図示しない)などが接続される。センサーボックス100は、当該アンテナを介して、外部の通信機器との間でデータをやり取りする。外部の通信機器の一例は管理サーバー400である。
【0037】
カメラ105は、一実現例では、近赤外カメラである。近赤外カメラは、近赤外光を投光するIR(Infrared)投光器を含む。近赤外カメラが用いられることにより、夜間でも居室10の内部を表わす画像が撮影され得る。他の実現例では、カメラ105は、可視光のみを受光する監視カメラである。さらに他の実現例では、カメラ105として、3Dセンサーやサーモグラフィーカメラが用いられてもよい。カメラ105は、センサーボックス100の筐体と一体的に構成されてもよいし、別体で構成されてもよい。
【0038】
ドップラーセンサー106は、たとえばマイクロ波ドップラーセンサーであり、電波を放射及び受信して、居室10内の物体の挙動(動作)を検出する。これにより、居室10内の入居者20の生体情報が検出され得る。一例では、ドップラーセンサー106は、24GHz帯のマイクロ波を各居室10のベッド30に向けて放射し、入居者20で反射した反射波を受信する。反射波は、入居者20の動作により、ドップラーシフトしている。ドップラーセンサー106は、当該反射波から、入居者20の呼吸状態や心拍数を検出し得る。
【0039】
無線通信装置107は、ケアコール子機500、ドアセンサー510、トイレセンサー520、臭いセンサー530、および、バイタルセンサー540からの信号を受信し、当該信号を制御装置101へ送信する。たとえば、ケアコール子機500は、ケアコールボタン501を備え、当該ケアコールボタン501が操作されると、当該操作があったことを示す信号を無線通信装置107へ送信する。ドアセンサー510、トイレセンサー520、臭いセンサー530、および、バイタルセンサー540のそれぞれは、それぞれの検出出力を無線通信装置107へ送信する。
【0040】
記憶装置120は、たとえば、ハードディスクや外付けの記憶装置などの記憶媒体である。記憶装置120は、制御装置101によって実行されるプログラム、および、当該プログラムの実行に利用される各種のデータを格納する。各種のデータは、入居者20の行動情報を含んでいてもよい。
【0041】
上記のプログラムおよびデータのうち少なくとも一方は、制御装置101がアクセス可能な記憶装置であれば、記憶装置120以外の記憶装置(たとえば、制御装置101の記憶領域(たとえば、キャッシュメモリーなど)、ROM102、RAM103、外部機器(たとえば、管理サーバー400など)に格納されていてもよい。
【0042】
[4.入居者の行動情報]
上記の行動情報について、説明する。行動情報は、たとえば入居者20が所定の行動を実行したことを表わす情報である。一例では、所定の行動は、入居者20がベッド30上で寝ていることを表す「臥床」、入居者20が起きたことを表わす「起床」、入居者20が寝具から離れたことを表わす「離床」、入居者20が寝具から落ちたことを表わす「転落」、および、入居者20が倒れたことを表わす「転倒」の5つの行動を含む。
【0043】
一実施の形態では、制御装置101が、各居室10に設置されたカメラ105が撮像した画像に基づいて、各居室10に関連付けられた入居者20の行動情報を生成する。制御装置101は、たとえば、上記画像から入居者20の頭部を検出し、この検出した入居者20の頭部における大きさの時間変化に基づいて、入居者20の「臥床」、「起床」、「離床」、「転倒」および「転落」を検出する。以下、行動情報の生成の一具体例を、より詳細に説明する。
【0044】
まず、記憶装置120に、居室10におけるベッド30の所在領域、第1閾値Th1、第2閾値Th2、および、第3閾値Th3が格納される。第1閾値Th1は、ベッド30の所在領域内において、横臥姿勢にあるときと座位姿勢にあるときとの間で入居者の頭部の大きさを識別する。第2閾値Th2は、ベッド30の所在領域を除く居室10内において、入居者の頭部の大きさに基づいて、当該入居者が立位姿勢にあるか否かを識別する。第3閾値Th3は、ベッド30の所在領域を除く居室RM内において、入居者の頭部の大きさに基づいて、当該入居者が横臥姿勢にあるか否かを識別する。
【0045】
制御装置101は、対象画像から、例えば背景差分法やフレーム差分法によって、入居者20の人物の領域として、動体領域を抽出する。制御装置101は、さらに、当該抽出した動体領域から、例えば円形や楕円形のハフ変換によって、予め用意された頭部のモデルを用いたパターンマッチングによって、頭部検出用に学習したニューラルネットワークによって導出された閾値を用いて、入居者20の頭部領域を抽出する。
【0046】
制御装置101は、以下に説明されるように、当該抽出された頭部の位置および大きさから、「起床」、「離床」、「転倒」および「転落」を検知する。なお、制御装置101は、ベッド30上の入居者20の位置がベッド30の領域に含まれ、かつ移動量が所定量以下である場合に、入居者20の「臥床」を検知する。
【0047】
制御装置101は、上記のように抽出された頭部の位置がベッド30の所在領域内にあり、かつ、上記のように抽出された頭部の大きさが第1閾値Th1を用いることによって横臥姿勢の大きさから座位姿勢の大きさへと変化したことを検出した場合に、行動「起床」が発生したことを決定してもよい。
【0048】
制御装置101は、上記のように抽出された頭部の位置がベッド30の所在領域内からベッド30の所在領域外へ移動した場合であって、上記のように抽出された頭部の大きさが第2閾値Th2を用いることによって或る大きさから立位姿勢の大きさへと変化したことを検出した場合に、行動「離床」が発生したことを決定してもよい。
【0049】
制御装置101は、上記のように抽出された頭部の位置がベッド30の所在領域内からベッド30の所在領域外へ移動した場合であって、上記のように抽出された頭部の大きさが第3閾値Th3を用いることによって或る大きさから横臥姿勢の大きさへ時間変化した場合には、行動「転落」が発生したと決定してもよい。
【0050】
制御装置101は、上記のように抽出された頭部の位置がベッド30の所在領域を除く居室10内に位置し、かつ、抽出された頭部の大きさが第3閾値Th3を用いることによって或る大きさから横臥姿勢の大きさへと変化したことを検出した場合には、行動「転倒」が発生したと決定してもよい。
【0051】
以上説明されたように、一具体例では、センサーボックス100の制御装置101が、入居者20の行動情報を生成する。なお、ケアシステムでは、居室10内の画像を用いて、他の装置が入居者20の行動情報を生成してもよい。
【0052】
[5.ハードウェア構成(クライアント端末)]
図4は、クライアント端末200のハードウェア構成の一例を示す図である。クライアント端末200は、制御装置201と、ROM202と、RAM203と、通信インターフェイス204と、表示インターフェイス205と、操作インターフェイス207と、記憶装置220とを含む。
【0053】
制御装置201は、クライアント端末200を制御する。制御装置201は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU、少なくとも1つのASIC、少なくとも1つのFPGA、またはこれらの組み合わせなどによって構成される。
【0054】
通信インターフェイス204には、アンテナ(図示しない)などが接続される。クライアント端末200は、当該アンテナを介して、外部の通信機器との間でデータをやり取りする。外部の通信機器は、たとえば、センサーボックス100を含む。
【0055】
表示インターフェイス205は、ディスプレイ206と接続され、制御装置201などからの指令に従って、ディスプレイ206に対して、画像を表示するための画像信号を送出する。
【0056】
操作インターフェイス207は、たとえば、USB(Universal Serial Bus)端子であり、入力デバイス209に接続される。操作インターフェイス207は、入力デバイス209からのユーザー操作を示す信号を受ける。入力デバイス209は、たとえば、マウス、キーボード、タッチパネル、またはユーザーの入力操作を受け付けることが可能なその他の装置である。
【0057】
記憶装置220は、たとえば、ハードディスクや外付けの記憶装置などの記憶媒体である。一実現例では、記憶装置220は、制御装置201によって実行されるプログラムを格納するが、当該プログラムは、制御装置201がアクセス可能な他の記憶装置に格納あされていてもよい。
【0058】
[6.ハードウェア構成(携帯端末)]
図5は、携帯端末300のハードウェア構成の一例を示す図である。携帯端末300は、制御装置301と、RAM303と、通信インターフェイス304と、ディスプレイ305と、入力デバイス306と、内蔵メモリー320とを含む。
【0059】
制御装置301は、携帯端末300を制御する。制御装置301は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU、少なくとも1つのASIC、少なくとも1つのFPGA、またはそれらの組み合わせなどによって構成される。
【0060】
通信インターフェイス304には、アンテナ(図示しない)などが接続される。携帯端末300は、当該アンテナおよびアクセスポイントAP(図1)を介して、外部の通信機器との間でデータをやり取りする。外部の通信機器は、たとえば、センサーボックス100、クライアント端末200などを含む。
【0061】
ディスプレイ305は、たとえば有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイによって実現される。入力デバイス306は、たとえばディスプレイ305に重ねられたタッチセンサーによって実現される。当該タッチセンサーは、携帯端末300に対する各種操作をタッチ操作で受け付け、当該操作の内容を制御装置301へ出力する。
【0062】
内蔵メモリー320は、たとえば、eMMC(Embedded MultiMediaCard)などの記憶媒体である。一例として、内蔵メモリー320は、制御装置301によって実行されるプログラムを格納するが、当該プログラムは、制御装置301がアクセス可能な記憶装置であれば、内蔵メモリー320以外の記憶装置に格納されていてもよい。
【0063】
[7.ハードウェア構成(管理サーバー)]
図6は、管理サーバー400のハードウェア構成の一例を示す図である。管理サーバー400は、制御装置401と、ROM402と、RAM403と、通信インターフェイス404と、記憶装置420とを含む。
【0064】
制御装置401は、管理サーバー400を制御する。制御装置401は、たとえば、少なくとも1つの集積回路によって構成される。集積回路は、たとえば、少なくとも1つのCPU、少なくとも1つのASIC、少なくとも1つのFPGA、またはこれらの組み合わせなどによって構成される。
【0065】
通信インターフェイス404には、アンテナ(図示しない)などが接続される。管理サーバー400は、当該アンテナを介して、外部の通信機器との間でデータをやり取りする。外部の通信機器は、たとえば、センサーボックス100、クライアント端末200を含む。
【0066】
記憶装置420は、たとえば、ハードディスクや外付けの記憶装置などの記憶媒体である。図6の例では、記憶装置420は、ケア記録を格納するケア記録用領域421を含む。ケア記録は、入居者に提供されたケアの内容の記録を含む。記憶装置420は、入居者の、臥床、起床などの行動情報を格納するための行動記録用領域422をさらに含む。
【0067】
本実施の形態では、入居者に提供されるケアに関するルールが登録され得る。記憶装置420は、設定されたルールを特定する情報を格納するためのルール用領域423と、ルールに関連して設定された効果を特定する情報を格納するための効果用領域424とをさらに含む。記憶装置420は、制御装置401(のプロセッサー)によって実行されるプログラムおよび必要なデータを格納するためのデータ領域425をさらに含む。なお、プログラムおよびデータは、制御装置401がアクセス可能な他の記憶装置に格納されていてもよい。
【0068】
[8.ケア記録のデータ構造]
図7は、ある入居者についてのケア記録のデータ構造の一例を模式的に示す図である。図7の例では、ケア記録は、「イベントID」「イベント種類」「発生時刻」「画像」「経過情報」「対応内容」「スタッフID」「対応開始時刻」および「対応終了時刻」を含む。
【0069】
「イベントID」は、各作業を識別する。「イベント種類」は、各作業の起因となったイベントの種類を識別する。たとえば、「食事介助」は、入居者の食事時刻の到来を表す。「ケアコール」は、入居者によるケアコールボタン501の操作を表す。「投薬介助」は、入居者の投薬時刻の到来を表す。「運動介助」は、入居者の運動時刻の到来を表す。「離床」は、行動情報「離床」が生成されたことを表す。「転倒」は、行動情報「転倒」が生成されたことを表す。
【0070】
「発生時刻」は、「イベント種類」によって特定されるイベントの発生時刻を表す。イベント種類「食事介助」については、「発生時刻」はスケジュール情報における食事開始予定時刻を表す。イベント種類「投薬介助」「運動介助」のそれぞれについては、「発生時刻」はスケジュール情報における投薬開始予定時刻,運動開始予定時刻のそれぞれを表す。イベント種類「ケアコール」については、ケアコールボタン501の操作が検出された時刻を表す。イベント種類「離床」については、一例では、センサーボックス100が行動情報「離床」を生成した時刻を表し、他の例では、センサーボックス100から取得した検出出力を用いて管理サーバー400が行動情報「離床」を生成した時刻を表す。
【0071】
「画像」は、各イベントの発生に起因してカメラ105で撮影されて保存された画像のファイル名を表す。空調システムでは、イベントが発生すると一定時間カメラ105で撮影された画像(映像)が管理サーバー400へ送信され、記憶装置420に格納されてもよい。他の例では、一定時間カメラ105で撮影された画像(映像)は、イベント発生後、携帯端末300等を操作してでスタッフが終了を指示するまで、管理サーバー400へ送信されてもよい。
【0072】
「経過情報」は、各イベントに対するスタッフの対応状況を表す。イベントの発生後、未だスタッフが対応していない場合、「経過情報」の値は「未対応」である。イベントが発生すると、管理サーバー400からクライアント端末200へイベントの発生が通知される。クライアント端末200を操作するディレクターは、所与の携帯端末300に向けてイベントの発生を転送する。いずれかのスタッフが、イベントに対応する意思を携帯端末300に入力すると、当該入力が管理サーバー400を介してクライアント端末200へ通知される。これに応じて、制御装置201は、当該イベントの「経過情報」の値を「対応中」へと切り替える。当該スタッフが、イベントへの対応が終了したことを携帯端末300へ入力すると、当該入力が管理サーバー400を介してクライアント端末200へと通知される。これに応じて、制御装置201は、当該イベントの「経過情報」の値を「対応済み」へと切り替える。
【0073】
「対応内容」は、スタッフが提供した作業の内容を識別する。「食事介助」は、居室における入居者の食事の介助である。なお、食事の介助は、食堂などの、居室外の場所で行われても良い。この場合、「食事介助」は、食事の介助がなされた場所を特定する情報(居室、食堂、など)を含んでいても良い。「排泄介助」は、入居者の排泄に関する介助である。排泄介助の一例は、おむつ交換である。「外出」は、入居者の散歩に伴うなど、入居者の外出に関する介助である。「窓開け」は、居室の窓を開ける介助である。
【0074】
「スタッフID」は、作業を提供したスタッフを識別する。制御装置201は、たとえば、複数の携帯端末300のそれぞれに関連付けられた複数のスタッフのうち、イベントに対応する意思の入力を受け付けた携帯端末300に関連付けられたスタッフのIDを、「スタッフID」として登録する。
【0075】
「対応開始時刻」は、たとえば、制御装置201が、携帯端末300から、イベントに対応する意思の入力を受け付けた時刻を表す。「対応終了時刻」は、たとえば、制御装置201が、携帯端末300から、イベントに対応する作業の終了の通知を受け付けた時刻を表す。
【0076】
なお、図7のデータ構造は、「イベント種類」「発生時刻」「画像」および「経過情報」の値を持たない情報を含む。このような情報は、クライアント端末200から携帯端末300に向けたイベントの発生の通知とは関連なく、作業が提供されたことを表す。
【0077】
たとえば、イベントID「008」の作業は、対応内容として「訪室」の値を含む。この作業は、スタッフが、自発的に、または、予め定められたルールに従って、行った作業を表す。「訪室」とは、たとえば、居室へ行って、入居者の様子を伺うことを意味する。
【0078】
イベントID「009」の作業は、対応内容として「モーニングケア」の値を含む。「モーニングケア」とは、たとえば、居室へ行って、起床の補助などを行うことを意味する。一実現例では、「モーニングケア」は、起床時刻であることを声かけ、離床介助、着替え介助、寝床の整頓、窓開け、および、離床した入居者の食堂などへの誘導を含む。ただし、「モーニングケア」は、これらの一部のみを含んでいても良く、その具体的な内容はこれらに限定されない。
【0079】
「イベント種類」「発生時刻」「画像」および「経過情報」の値を持たない情報については、スタッフが携帯端末300に入力した情報に基づいて、ケア記録が生成される。たとえば、スタッフがある居室を「訪室」した場合、当該スタッフは、対象となった「居室」と、対象となった対応内容「訪室」とを携帯端末300へ入力する。当該スタッフは、さらに、訪室の開始時刻および終了時刻を携帯端末300へ入力する。携帯端末300は、入力された情報をクライアント端末200へ送信する。制御装置201は、携帯端末300から送信された情報を、ケア記録としてケア記録用領域421に登録する。
【0080】
[9.操作の流れ]
一実現例では、ディレクターは、クライアント端末200を操作することによって、作業についてのルールを登録し、また、当該ルールの登録後のデータを取得する。ルールの登録などのためのクライアント端末200の操作の流れの一例を説明する。
【0081】
(メイン画面)
図8は、ルールの登録などに利用されるアプリケーション(以下、スタッフの作業管理用のアプリケーションともいう)のメイン画面の一例を示す図である。当該アプリケーションは、クライアント端末200にインストールされていてもよい。当該アプリケーションは、クライアント端末200がWebブラウザーを介して利用可能な、他の装置にインストールされたものであってもよい。制御装置201は、ディスプレイ206に、図8のメイン画面800を表示する。
【0082】
メイン画面800は、ルール等の情報を登録するためのボタン801と、スタッフおよび/または入居者の情報の出力を得るためのボタン802とを含む。ボタン801を操作されると、制御装置201は、ディスプレイ206に、図9の条件設定画面900を表示する。ボタン801,802は、ソフトウェアボタンであってもよい。
【0083】
(条件設定画面)
図9は、条件設定画面の一例を示す図である。図9の条件設定画面900は、ルールを登録するためのボタン901と、登録されたルールによって期待される効果を登録するためのボタン902とを含む。ボタン901を操作されると、制御装置201は、ディスプレイ206に、図10のルール設定画面1000を表示する。ボタン902を操作されると、制御装置201は、ディスプレイ206に、図11の効果設定画面1100を表示する。
【0084】
(ルール設定画面)
図10は、ルール設定画面の一例を示す図である。図10のルール設定画面1000は、欄1001,1002,1003とボタン1004とを含む。欄1001は、ルールに関連する作業を規定する。欄1001は、スタッフによって提供されるサービスについての作業の名称をリスト表示する。図10の例では、「訪室」および「モーニングケア」が表示されている。欄1001に表示される作業の種類は、欄1001内のスライダーが操作されることによって切り替えられる。ディレクターは、欄1001から、登録しようとするルールに関連する作業を選択する。
【0085】
欄1002は、ルールの内容を規定する。欄1002には、欄1001で選択された作業の種類に従った、内容のリストが表示される。図10の例では、作業「訪室」に対応する内容のリスト、すなわち、訪室時刻の選択肢である時刻がリスト表示されている。欄1002に表示される選択肢は、欄1002内のスライダーが操作されることによって切り替えられる。
【0086】
欄1003は、選択された作業および内容を表示する。ボタン1004は、欄1003に表示された作業および内容をルールとして登録するために操作される。
【0087】
一例として、ディレクターが「0:00と5:00に訪室を実施する」というルールを登録するための操作を説明する。まず、ディレクターは、欄1001で「訪室」を選択する。その後、ディレクターは、欄1002で「0:00」を選択する。これにより、欄1003には、作業名として「訪室」が、内容として「0:00」が、表示される。ディレクターは、さらに、欄1001で「訪室」を選択し、その後、欄1002で「5:00」を選択する。これにより、欄1003には、作業名として「訪室」が、内容として「0:00」と「5:00」とが、表示される。この状態で、ディレクターが、ボタン1004を操作すると、制御装置201は、ルール用領域423(図6)に、「0:00と5:00に訪室を実施する」というルールを登録する。
【0088】
上記ルールは、「0:00」および「5:00」として示されるように数値を含む。これにより、スタッフによる作業の実施内容が、当該ルールに従っているか否かが容易に判断され得る。
【0089】
(効果設定画面)
図11は、効果設定画面の一例を示す図ある。ルール設定画面1000において登録されたルールによって期待される改善の内容を登録するための画面である。
【0090】
図11の効果設定画面1100は、入居者に関する情報を設定するための領域1110と、スタッフに関する情報を設定するための領域1120と、ボタン1130とを含む。ボタン1130は、領域1110,1120における設定を登録するために操作される。
【0091】
領域1110は、入居者について改善が期待される内容を登録するための領域である。領域1110は、欄1111,1112,1113を含む。欄1111は、行動情報を規定する。欄1112は、行動情報に関する時間帯を規定する。欄1113は、行動情報に関する内容を規定する。
【0092】
一例として、ディレクターが「23:00から翌5:00までは『起床』の発生が90分以内」という改善の内容を登録するための操作を説明する。この改善は、入居者について行動情報「起床」が生成される期間が90分以下に抑えられることを意味する。
【0093】
この場合、ディレクターは、欄1111で「起床」を設定し、欄1112で「23:00~翌5:00」を設定し、欄1113で「90分以内」を設定し、その後、ボタン1130を操作する。これに応じて、制御装置201は、効果設定画面1100に入力された改善の内容を効果用領域424(図6)に登録する。欄1111~1113では、リスト表示からの選択などのいかなる態様でも情報が設定され得る。
【0094】
上記改善は、数値(「23:00」「5:00」「90分」)を含む。これにより、改善が達成されたか否かについて、客観的な判断が可能になり得る。これらの数値は、改善を定義する数値の一例である。一方、行動情報「起床」は、改善が期待される項目の一例である。
【0095】
改善の内容は、必ずしも数値を含んでいなくてもよい。たとえば、入居者について改善が期待される内容として、入居者からの、ポジティブな感想の入力(ヒアリング)であってもよい。感想がポジティブなものを含むかネガティブなものを含むかは、ディレクターの主観によって判断されてもよい。
【0096】
領域1120は、スタッフについて改善が期待される内容を登録するための領域である。領域1120は、欄1121,1122,1123を含む。欄1121は、作業の種類を規定する。欄1122は、作業に関する時間帯を規定する。欄1123は、作業に関する内容を規定する。
【0097】
一例として、ディレクターが「7:30から翌6:00までは『モーニングケア』が発生しない」という改善の内容を登録するための操作を説明する。この改善は、毎朝6:00からモーニングケアを開始し、その作業が7:30までに完了し、これにより、スタッフが翌朝の6:00まではモーニングケアをする必要がないことを意味する。
【0098】
この場合、ディレクターは、欄1121で「モーニングケア」を設定し、欄1122で「7:30~翌6:00」を設定し、欄1123で「発生しない」を設定し、その後、ボタン1130を操作する。これに応じて、制御装置201は、効果設定画面1100に入力された改善の内容を効果用領域424(図6)に登録する。欄1121~1123では、リスト表示からの選択などのいかなる態様でも情報が設定され得る。
【0099】
上記改善は、数値(「7:30」「6:00」)を含む。さらに、「発生しない」という要件は、「発生時間が0分である」ことを意味するとも解釈されるため、数値「0分」を含むと解釈され得る。これにより、改善が達成されたか否かについて、客観的な判断が可能になり得る。これらの数値は、改善を定義する数値の一例である。一方、「モーニングケア」の作業時間は、改善が期待される項目の一例である。
【0100】
登録される改善の内容は、「作業」を含まなくても良い。改善の内容は、「スタッフの1週間の残業時間が5時間以下になった」であってもよい。
【0101】
改善の内容は、必ずしも数値を含んでいなくてもよい。たとえば、スタッフについて改善が期待される内容として、スタッフの笑顔が増えた、などのディレクターの主観によって判断されてもよい。ただし、スタッフの顔画像のパターン認識技術が利用されればスタッフの笑顔に関する定量的な計測が可能であるため、改善の内容はスタッフの笑顔に関する数値を含んでいてもよい。
【0102】
効果設定画面1100では、入居者についての改善(領域1110)とスタッフについての改善(領域1120)の一方のみに入力がなされてもよい。この場合、制御装置201は、入力された内容のみを、効果用領域424に登録する。あるルールについて、入居者についての改善(領域1110)の入力および登録が、スタッフについての改善(領域1120)の入力および登録とは異なるタイミングでなされてもよい。
【0103】
一実現例では、複数のルールが登録され得る。効果設定画面には、登録された複数のルールの中のどのルールに関連付けられた改善の内容を登録するかを設定するための欄が設けられていても良い。
【0104】
(結果出力画面)
図12は、結果出力画面の一例を示す図である。制御装置201は、図8のメイン画面800においてボタン802が操作されると、ディスプレイ206に、図12の結果出力画面1200を表示する。
【0105】
結果出力画面1200は、ボタン1201,1202,1203を含む。ボタン1201は、入居者についての情報を表示するために操作される。ボタン1202,1203は、スタッフについての情報を表示するために操作される。
【0106】
(入居者についての情報の表示:図13図14
図13は、結果出力画面1200におけるボタン1201への操作によって表示されるグラフの一例を示す図である。図13のグラフ1300は、2019年2月3日から同年2月9日までの期間の各日の、ある入居者(入居者P)の行動情報の一例を表す。グラフ1300では、横方向に各日の時刻(0:00から24:00まで)が示されている。グラフ1300には、各日において、行動情報「臥床」「起床」を生成された期間が、行動情報の種類ごとに異なるハッチングを付されて示されている。行動情報は、入居者の状態を表すデータの一例である。
【0107】
図14は、結果出力画面1200におけるボタン1201への操作によって表示されるグラフの他の例を示す図である。図14のグラフ1400は、2018年12月27日から2019年1月2日までの期間の各日の、入居者Pの行動情報を表す。グラフ1400では、グラフ1300と同様に、横方向に各日の時刻が示され、行動情報「臥床」「起床」のそれぞれを生成された期間が示されている。
【0108】
グラフ1300は、ルールの登録後の入居者の情報の一例である。グラフ1400は、ルール登録前の入居者の情報の一例である。一実現例では、制御装置201は、グラフ1300をディスプレイ206に表示する。他の実現例では、制御装置201は、グラフ1300およびグラフ1400をディスプレイ206に表示する。
【0109】
入居者の行動情報は、行動記録用領域422(図6)に蓄積され得る。制御装置201は、行動記録用領域422から入居者Pの行動情報の履歴を読み出し、グラフ1300またはグラフ1400として表示する。
【0110】
グラフ1300が対象とする期間は、ルールが登録された後の期間である。当該期間は、所与の条件(たとえば、ルールが登録された直後の7日間、最新の7日間、等)に従って設定されてもよいし、ディレクターなどから指定されてもよい。
【0111】
グラフ1400が対象とする期間は、ルールが登録されるより前の期間である。当該期間は、所与の条件(たとえば、ルールが登録される直前の7日間、ルールが登録された日から所定期間(1ヶ月等)前の7日間、等)に従って設定されてもよいし、ディレクターなどから指定されてもよい。
【0112】
グラフ1300を視認することにより、ディレクターは、ルールの登録後、行動情報「起床」が生成された各日の時刻(時間帯)を確認できる。
【0113】
グラフ1300は、要素1311,1312を含む。要素1311,1312は、図11の欄1112において登録された時間を表す。すなわち、図11の例では、欄1112において、23:00から翌5:00までの時間帯が設定される。要素1311は、0:00から5:00までの時間帯を指し示す。要素1312は、23:00から24:00(0:00)までの時間帯を指し示す。
【0114】
要素1311,1312は、改善を定義する数値の表示の一例である。グラフ1300中の要素1311,1312は、ディレクターが入居者の行動情報においてルール登録による効果が現れているか否かを当該数値を基準にして判断する際に、ディレクターの判断を支援し得る。
【0115】
グラフ1300は、項目1301を含む。項目1301は、入居者の行動情報が、図11の領域1110に入力された内容を満たした日数を表す。行動情報が当該内容を満たすことは、ディレクターが意図した改善が実現されることに相当し得る。この意味において、項目1301は、改善を表す情報の一例である。
【0116】
図13の例では、7日間(2019年2月3日~同年2月9日)のうち、6日、入居者の行動情報が上記内容を満たしたとする。このことに応じて、項目1301は、「6日(7日中)目標達成!!」という文字列を含む。制御装置201は、行動記録用領域422に格納された行動情報と効果用領域424に格納された改善の内容とを用いて、項目1301の文字列を生成し得る。
【0117】
制御装置201は、図13のグラフ1300に加えて、図14のグラフ1400を、ディスプレイ206に表示し得る。ディレクターは、グラフ1300とグラフ1400を容易に比較できる。ディレクターは、これらのグラフの比較によって、ルールの設定によって行動情報に改善が現れているか否かを判断し得る。グラフ1400においても、要素1311,1312に相当する要素が表示されてもよい。
【0118】
(スタッフについての情報の表示:図15図16
図15は、結果出力画面1200におけるボタン1202への操作によって表示されるグラフの一例を示す図である。図15のグラフ1500は、2019年2月3日から同年2月9日までの期間の各日の、あるスタッフ(スタッフA)の作業「訪室」の記録の一例を表す。グラフ1500では、スタッフAが作業「訪室」を実施していた期間が塗りつぶされたバーで示されている。すなわち、グラフ1500は、スタッフによる作業の実施内容の表示の一例である。
【0119】
一具体例では、制御装置201は、ケア記録用領域421に格納されたケア記録から所与の条件でイベントIDの情報を抽出することによって、グラフ1500を生成する。所与の条件の一例は、スタッフIDがスタッフAに対応するイベントIDであり、かつ、対応内容が「訪室」であるイベントIDであることである。
【0120】
図16は、結果出力画面1200におけるボタン1202への操作によって表示されるグラフの他の例を示す図である。図16のグラフ1600は、2018年12月27日から2019年1月2日までの期間の各日の、スタッフAの作業「訪室」の記録の一例を表す。
【0121】
グラフ1500,1600のそれぞれが対象とする期間は、グラフ1300,1400のそれぞれが対象とする期間と同様に設定される。すなわち、図15のグラフ1500は、ルールの登録後の作業の記録を表す。図16のグラフ1600は、ルールの登録前の作業の記録を表す。
【0122】
グラフ1500は、枠1511,1512を含む。枠1511,1512は、登録されたルールの内容の表示の一例である。たとえば、ルールとして、0:00(から所与の時間内)と5:00(から所与の時間内)に訪室することが、ルールとして登録されたとする。枠1511は、0:00から所与の時間の範囲を指し示す。枠1512は、5:00から所与の時間の範囲を指し示す。制御装置201は、たとえば、ルール用領域423に格納されたルールを規定する情報を参照することにより、枠1511,1512を表示する。枠1511,1512は、ディレクターにとって、ルールの登録後に、表示対象のスタッフが当該ルールを遵守しているか否かの判断のサポートとなり得る。すなわち、グラフ1500を見たディレクターは、スタッフAの作業「訪室」の期間が枠1511または枠1512の中に収まっているか否かによって、スタッフAが作業「訪室」についてのルールを遵守しているか否かを判断できる。なお、ディレクターは、ディスプレイ208における表示をスタッフ本人に見せることによって、当該スタッフに、当該スタッフがルールを遵守しているか否かをより確実に理解させることができる。
【0123】
グラフ1500は、ルールの遵守に関する情報の一例として、項目1501を含む。項目1501は、「6日(6日中)目標達成!!」という文字列を含む。この文字列は、表示対象の期間中の、スタッフAが作業を行った6日(2月3日~2月7日および2月9日)の中で、6日、スタッフAの作業「訪室」が、登録されたルールに従ったものであったことを意味する。一実現例では、制御装置201は、スタッフAによって実施された作業と登録されたルールとを比較することによって上記文字列を生成し、表示する。
【0124】
一実現例では、制御装置201は、ボタン1202への操作に応じて、グラフ1500をディスプレイ206に表示する。他の実現例では、制御装置201は、ボタン1202への操作に応じて、グラフ1500およびグラフ1600をディスプレイ206に表示する。
【0125】
グラフ1600は、グラフ1500の枠1511,1512に相当する、枠1611,1512を含む。枠1611,1612は、ディレクターにとって、ルールの登録前に、表示対象のスタッフによる作業が当該ルールからどの程度外れていたかの判断のサポートとなり得る。
【0126】
(スタッフについての情報の表示:図17図18
図17は、結果出力画面1200におけるボタン1203への操作によって表示されるグラフの一例を示す図である。図17のグラフ1700は、2019年2月3日から同年2月9日までの期間の各日の、あるスタッフ(スタッフA)の作業「モーニングケア」の記録の一例を表す。グラフ1700では、スタッフAが作業「モーニングケア」を実行していた期間が塗りつぶされたバーで示されている。
【0127】
一具体例では、制御装置201は、ケア記録用領域421に格納されたケア記録から所与の条件でイベントIDの情報を抽出することによって、グラフ1500を生成する。所与の条件の一例は、スタッフIDがスタッフAに対応するイベントIDであり、かつ、対応内容が「モーニングケア」であるイベントIDであることである。
【0128】
図18は、結果出力画面1200におけるボタン1203への操作によって表示されるグラフの他の例を示す図である。図18のグラフ1800は、2018年12月27日から2019年1月2日までの期間の各日の、スタッフAの作業「モーニングケア」の記録の一例を表す。
【0129】
グラフ1700,1800のそれぞれが対象とする期間は、グラフ1300,1400のそれぞれが対象とする期間と同様に設定される。すなわち、図17のグラフ1700は、ルールの登録後の作業の記録を表す。図18のグラフ1800は、ルールの登録前の作業の記録を表す。
【0130】
グラフ1700は、枠1711を含む。枠1711は、改善を定義する数値の表示の一例である。たとえば、改善の内容として、「7:30から翌6:00までは『モーニングケア』が発生しない」が登録された場合を想定する。当該ルールに従えば、「モーニングケア」の発生が許容されるのは、6:00から7:30までの期間となる。枠1711は、この期間を指し示す。制御装置201は、効果用領域424に格納された改善の内容を用いて枠1711を生成し、表示する。枠1711は、ディレクターにとって、登録されたルールによってスタッフの作業が所与の期間内に収まるようになったか否かの判断のサポートとなり得る。
【0131】
グラフ1700は、項目1701を含む。項目1701は、スタッフAの作業「モーニングケア」が、登録された改善の内容を満たした日数を表す。スタッフAの作業「モーニングケア」が、登録された改善の内容を満たすことは、ディレクターが意図した改善が実現されることに相当し得る。この意味において、項目1701は、改善を表す情報の一例である。
【0132】
図17の例では、7日(2019年2月3日~同年2月9日)のうち、スタッフAが稼働したのは6日(2月3日~2月7日および2月9日)である。図17の例では、この6日のうち6日、スタッフAの作業「モーニングケア」の作業時間が枠1711によって指し示される期間内に収まっている。このことに応じて、項目1701は、「6日(6日中)目標達成!!」という文字列を含む。制御装置201は、ケア記録用領域421に格納されたケア記録の中のスタッフAの作業「モーニングケア」の情報と効果用領域424に格納された改善の内容とを用いて、項目1701の文字列を生成し得る。
【0133】
制御装置201は、図17のグラフ1700に加えて、図18のグラフ1800を、ディスプレイ206に表示し得る。ディレクターは、グラフ1700とグラフ1800を容易に比較できる。ディレクターは、これらのグラフの比較によって、ルールの設定によって、スタッフAの作業に改善が現れているか否かを判断し得る。グラフ1800においても、枠1711に相当する要素が表示されてもよい。
【0134】
グラフ1700およびグラフ1800は、スタッフの作業「訪室」に関するルールが設定されたことに対応する、スタッフの状態を表すデータの一例である。これにより、ディレクターは、ある作業に関するルールが設定された場合に、同じスタッフの他の作業に要する時間によって、当該スタッフの状態の変化に関する知見を取得できる。なお、スタッフの状態を表すデータの他の例は、スタッフのストレスの大きさを表す情報であってもよい。ストレスの大きさは、たとえば、スタッフの操作パターン(ディスプレイ305をタップする力の大きさ等)であってもよい。制御装置201は、携帯端末300から当該情報を取得し得る。さらに他の例は、スタッフの勤怠情報(たとえば、残業時間)である。制御装置201は、スタッフの勤怠システムにアクセスすることにより、スタッフの勤怠情報を取得し得る。
【0135】
[10.処理の流れ]
図19は、ディスプレイ208にルールに関する情報を表示するために制御装置201が実行する処理のフローチャートである。当該処理は、たとえば、CPUが所与のプログラムを実行することによって実現される。当該処理は、1つ以上の専用回路(ASIC等)によって実現されてもよい。制御装置201は、スタッフの作業管理用のアプリケーションの起動に応じて、または、クライアント端末200における所与の操作に応じて、図19の処理を開始する。
【0136】
図19を参照して、ステップS10にて、制御装置201は、ディスプレイ208にメイン画面800を表示し、メニューの選択を受け付けるまで待機する。メニューの選択を受け付けると、ステップS20へ制御を進める。
【0137】
ステップS20にて、制御装置201は、メイン画面800において選択されたメニューを識別する。一実現例では、メニューの選択は、操作されたボタンの種類に基づいて実現される。なお、ボタンの操作の代わりに、または、ボタンの操作に加えて、音声によってメニューが選択されてもよい。制御装置201は、メニュー「条件設定」(ボタン801)が選択されるとステップS30へ制御を進め、メニュー「結果出力」(ボタン802)が選択されるとステップS60へ制御を進める。
【0138】
ステップS30にて、制御装置201は、ディスプレイ208に条件設定画面900を表示する。
【0139】
ステップS32にて、制御装置201は、条件設定画面900において選択されたメニューを識別し、メニュー「ルール設定」(ボタン901)を選択されるとステップS40へ制御を進め、メニュー「効果設定」(ボタン902)を選択されるとステップS50へ制御を進める。
【0140】
ステップS40にて、制御装置201は、ルールの入力を受け付け、当該ルールをルール用領域423に登録する。制御装置201は、ルールの入力の受け付けのために、ディスプレイ208にルール設定画面1000(図10)を表示してもよい。制御装置201は、音声によるルールの入力を受け付けてもよい。その後、制御装置201は制御をステップS10に戻す。
【0141】
ステップS50にて、制御装置201は、効果(改善の内容)の入力を受け付け、当該効果を効果用領域424に登録する。制御装置201は、効果の入力の受け付けのために、ディスプレイ208に効果設定画面1100(図11)を表示してもよい。制御装置201は、音声による効果の入力を受け付けてもよい。その後、制御装置201は制御をステップS10に戻す。
【0142】
ステップS60にて、制御装置201は、ディスプレイ208に結果出力画面1200を表示する。
【0143】
ステップS62にて、制御装置201は、結果出力画面1200において選択されたメニューを識別し、メニュー「入居者系」(ボタン1201)を選択されるとステップS70へ制御を進め、メニュー「スタッフ系(ルール関連)」(ボタン1202)を選択されるとステップS80へ制御を進め、メニュー「スタッフ系(効果関連)」(ボタン1203)を選択されるとステップS90へ制御を進める。
【0144】
ステップS70にて、制御装置201は、ディスプレイ208に、入居者についての情報(たとえば、グラフ1300、または、グラフ1300,1400)を表示する。その後、制御装置201はステップS10へ制御を戻す。
【0145】
ステップS80にて、制御装置201は、ディスプレイ208に、スタッフの作業に関する情報(たとえば、グラフ1500、または、グラフ1500,1600)を表示する。その後、制御装置201はステップS10へ制御を戻す。
【0146】
ステップS90にて、制御装置201は、ディスプレイ208に、スタッフの状態を表すデータ(たとえば、グラフ1700、または、グラフ1700,1800)を表示する。その後、制御装置201はステップS10へ制御を戻す。
【0147】
[11.変形例]
以上説明された本実施の形態では、ルールが登録される。ルール設定画面の構成は、図10に示されたものに限定されない。たとえば、作業の種類および内容は、リスト表示からの選択によって規定されるではなく、ディレクターの自由な入力によって規定されてもよい。これにより、ディレクターの所望のパターンで、ルールが登録され得る。
【0148】
本実施の形態では、さらに、登録されたルールによって改善が期待される項目および改善を定義する数値が登録されることによって、項目に関する改善を表す情報が生成され得る。複数のルールが登録された場合、それぞれのルールについて、同じ数値を利用して、項目に関する改善を表す情報が生成され得る。これにより、生成された情報に基づいて、複数のルールが比較され得る。
【0149】
たとえば、ルール1「0:00と5:00に訪室を実施する」とルール2「0:00と5:30に訪室を実施する」とが登録され得る。ルール1およびルール2の双方について、改善内容(改善が期待される項目および改善を定義する数値)として、「23:00から翌5:00までは『起床』の発生が90分以内」が登録され得る。ルール1では、ルール登録後、7日のうち6日上記改善内容を達成した入居者が70%であった。一方、ルール2では、ルール登録後、7日のうち6日上記改善内容を達成した入居者が50%であった。この場合、ルール1の方が、上記改善内容を達成した入居者の割合が高い。これにより、ディレクターは、上記改善内容を達成するためには、ルール2よりルール1の方が適しているという知見を得ることができる。
【0150】
本実施の形態では、クライアント端末200の制御装置201は、外部の記憶装置(図6の記憶装置420)に格納された情報を利用して、図8図18を参照して説明された内容をディスプレイ208に表示する。なお、制御装置201は、これらの表示に、クライアント端末200内の記憶装置に格納された情報を利用してもよい。すなわち、図6の記憶装置420に格納された各種の情報の一部またはすべては、記憶装置220に格納されていてもよい。
【0151】
ディスプレイ208における各種の表示を視認するのは、ディレクターに限定されない。スタッフも、当該表示を視認してもよい。これにより、ルールの遵守の度合いおよび/またはルールの遵守の度合いに従った効果(改善)の度合いが、スタッフ本人によってより確実に理解され得る。
【0152】
今回開示された各実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、実施の形態および各変形例において説明された発明は、可能な限り、単独でも、組合わせても、実施することが意図される。
【符号の説明】
【0153】
10 居室、20 入居者、30 ベッド、100,100A,100B センサーボックス、101,201,301,401 制御装置、200,200A,200B クライアント端末、300,300A,300B 携帯端末、400 管理サーバー、500 ケアコール子機、501 ケアコールボタン、800 メイン画面、801,802,901,902,1004,1130,1201,1202,1203 ボタン、820,820A,820B ディレクター、850,850A,850B スタッフ、900 条件設定画面、1000 ルール設定画面、1001,1002,1003,1111,1112,1113,1121,1122,1123 欄、1100 効果設定画面、1110,1120 領域、1200 結果出力画面、1300,1400,1500,1600,1700,1800 グラフ、1301,1501,1701 項目、1311,1312 要素、1511,1512,1611,1612,1711 枠。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19