(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】検査装置、検査方法及びヘッドアップディスプレイ装置
(51)【国際特許分類】
G09G 3/20 20060101AFI20240820BHJP
G02B 27/01 20060101ALI20240820BHJP
H04N 5/74 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
G09G3/20 670G
G02B27/01
H04N5/74 Z
G09G3/20 680B
(21)【出願番号】P 2021529184
(86)(22)【出願日】2020-07-02
(86)【国際出願番号】 JP2020026006
(87)【国際公開番号】W WO2021002429
(87)【国際公開日】2021-01-07
【審査請求日】2023-05-19
(31)【優先権主張番号】P 2019124800
(32)【優先日】2019-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000231512
【氏名又は名称】日本精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100195648
【氏名又は名称】小林 悠太
(74)【代理人】
【識別番号】100175019
【氏名又は名称】白井 健朗
(74)【代理人】
【識別番号】100104329
【氏名又は名称】原田 卓治
(72)【発明者】
【氏名】近藤 光正
【審査官】西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-229341(JP,A)
【文献】特開2017-081456(JP,A)
【文献】特開2018-090120(JP,A)
【文献】特開平04-107089(JP,A)
【文献】特開2007-028299(JP,A)
【文献】特開2014-186073(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 - 5/42
G02B 27/01
H04N 5/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドアップディスプレイ装置に画像を表示させるための、画像領域に配置される複数の画素の赤値、緑値及び青値を示す画像データを検査する検査装置であって、
前記画像データに基づき、前記画像領域が分割された複数のブロック毎の輝度を判定する輝度判定部と、
前記輝度判定部により判定された単数又は複数の前記ブロックの輝度が予め設定される第1閾値を超えたときに前記画像データに異常があると判定する異常判定部と、を備
え、
前記第1閾値は前記複数のブロックそれぞれに対応した値に設定され、
前記画像領域は、情報が表示される表示領域、及び前記画素の輝度がゼロである非表示領域を含み、
前記非表示領域における前記ブロックに対応する前記第1閾値は、前記表示領域における前記ブロックに対応する前記第1閾値よりも小さく設定される
検査装置。
【請求項2】
前記ヘッドアップディスプレイ装置は、前記画像を示す表示光を被投射部材に投射することにより虚像を表示し、
前記表示領域は、前記虚像の歪みを補正するために前記画像領域と非相似形状をなし、
前記非表示領域は、前記表示領域の周囲に位置する、
請求項
1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記複数のブロックは、第1グループと前記第1グループよりも前記非表示領域が占める割合が高い第2グループに分けられ、
前記異常判定部は、前記第1グループと前記第2グループそれぞれについて、前記輝度判定部により判定された輝度が前記第1閾値を超える前記ブロックの数をカウントし、カウントした前記数が予め設定される規定値を超えたときに前記画像データに異常があると判定し、
前記第2グループにおける前記規定値は、前記第1グループにおける前記規定値よりも小さく設定される、
請求項
1又は
2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記輝度判定部は、前記画像データに含まれる前記画素毎の前記赤値、前記緑値及び前記青値に基づき前記ブロック毎の輝度を算出することにより前記ブロック毎の輝度を判定する、
請求項1から
3の何れか1項に記載の検査装置。
【請求項5】
ヘッドアップディスプレイ装置に画像を表示させるための、画像領域に配置される複数の画素の赤値、緑値及び青値を示す画像データを検査する検査装置であって、
前記画像データに基づき、前記画像領域が分割された複数のブロック毎の輝度を判定する輝度判定部と、
前記輝度判定部により判定された単数又は複数の前記ブロックの輝度が予め設定される第1閾値を超えたときに前記画像データに異常があると判定する異常判定部と、を備え、
前記輝度判定部は、前記ブロック毎に、輝度が第2閾値を超える前記画素である高輝度画素の数をカウントすることにより前記ブロックの輝度を判定し、
前記異常判定部は、前記高輝度画素の数が第3閾値を超えたときに当該ブロックの輝度が前記第1閾値を超えたと判定する、
検査装置。
【請求項6】
前記異常判定部は、前記画像データにおいて、複数フレーム連続で、前記輝度判定部により判定された前記ブロックの輝度が前記第1閾値を超えたときに前記画像データに異常があると判定する、
請求項1から
5の何れか1項に記載の検査装置。
【請求項7】
ヘッドアップディスプレイ装置に画像を表示させるための、画像領域に配置される複数の画素の赤値、緑値及び青値を示す画像データを検査する検査方法であって、
前記画像データに基づき、前記画像領域が分割された複数のブロック毎の輝度を判定する輝度判定ステップと、
前記輝度判定ステップにより判定された単数又は複数の前記ブロックの輝度が予め設定される第1閾値を超えたときに前記画像データに異常があると判定する異常判定ステップとを
含み、
前記第1閾値は前記複数のブロックそれぞれに対応した値に設定され、
前記画像領域は、情報が表示される表示領域、及び前記画素の輝度がゼロである非表示領域を含み、
前記非表示領域における前記ブロックに対応する前記第1閾値は、前記表示領域における前記ブロックに対応する前記第1閾値よりも小さく設定される、
検査方法。
【請求項8】
ヘッドアップディスプレイ装置に画像を表示させるための、画像領域に配置される複数の画素の赤値、緑値及び青値を示す画像データを検査する検査方法であって、
前記画像データに基づき、前記画像領域が分割された複数のブロック毎の輝度を判定する輝度判定ステップと、
前記輝度判定ステップにより判定された単数又は複数の前記ブロックの輝度が予め設定される第1閾値を超えたときに前記画像データに異常があると判定する異常判定ステップと、を含み、
前記輝度判定ステップは、前記ブロック毎に、輝度が第2閾値を超える前記画素である高輝度画素の数をカウントすることにより前記ブロックの輝度を判定し、
前記異常判定ステップは、前記高輝度画素の数が第3閾値を超えたときに当該ブロックの輝度が前記第1閾値を超えたと判定する、
検査方法。
【請求項9】
請求項1から
6の何れか1項に記載の検査装置と、
前記画像を示す表示光を放射する表示部と、
前記表示部から放射された前記表示光を被投射部材に導く光学リレー部と、を備える、
ヘッドアップディスプレイ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、検査装置、検査方法及びヘッドアップディスプレイ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、表示光をフロントガラス又はコンバイナである被投射部材に照射させて虚像を表示するヘッドアップディスプレイ装置が知られている。特許文献1に記載のヘッドアップディスプレイ装置は、情報を表示する表示領域、及び情報を表示せずに黒を表示する非表示領域を有する表示器を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載の構成において、ヘッドアップディスプレイ装置に入力される画像データの異常により、表示領域又は非表示領域が所望の輝度よりも高い輝度で光輝する場合でも、画像データに異常があることが判定されなかった。
【0005】
本開示は、上記実状を鑑みてなされたものであり、入力される画像データに異常があることを判定できる検査装置、検査方法及びヘッドアップディスプレイ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示の第1の観点に係る検査装置は、ヘッドアップディスプレイ装置に画像を表示させるための、画像領域に配置される複数の画素の赤値、緑値及び青値を示す画像データを検査する検査装置であって、前記画像データに基づき、前記画像領域が分割された複数のブロック毎の輝度を判定する輝度判定部と、前記輝度判定部により判定された単数又は複数の前記ブロックの輝度が予め設定される第1閾値を超えたときに前記画像データに異常があると判定する異常判定部と、を備え、前記第1閾値は前記複数のブロックそれぞれに対応した値に設定され、前記画像領域は、情報が表示される表示領域、及び前記画素の輝度がゼロである非表示領域を含み、前記非表示領域における前記ブロックに対応する前記第1閾値は、前記表示領域における前記ブロックに対応する前記第1閾値よりも小さく設定される。
上記目的を達成するため、本開示の別の観点に係る検査装置は、ヘッドアップディスプレイ装置に画像を表示させるための、画像領域に配置される複数の画素の赤値、緑値及び青値を示す画像データを検査する検査装置であって、前記画像データに基づき、前記画像領域が分割された複数のブロック毎の輝度を判定する輝度判定部と、前記輝度判定部により判定された単数又は複数の前記ブロックの輝度が予め設定される第1閾値を超えたときに前記画像データに異常があると判定する異常判定部と、を備え、前記輝度判定部は、前記ブロック毎に、輝度が第2閾値を超える前記画素である高輝度画素の数をカウントすることにより前記ブロックの輝度を判定し、前記異常判定部は、前記高輝度画素の数が第3閾値を超えたときに当該ブロックの輝度が前記第1閾値を超えたと判定する。
【0007】
上記目的を達成するため、本開示の第2の観点に係る検査方法は、ヘッドアップディスプレイ装置に画像を表示させるための、画像領域に配置される複数の画素の赤値、緑値及び青値を示す画像データを検査する検査方法であって、前記画像データに基づき、前記画像領域が分割された複数のブロック毎の輝度を判定する輝度判定ステップと、前記輝度判定ステップにより判定された単数又は複数の前記ブロックの輝度が予め設定される第1閾値を超えたときに前記画像データに異常があると判定する異常判定ステップと、を含み、前記第1閾値は前記複数のブロックそれぞれに対応した値に設定され、前記画像領域は、情報が表示される表示領域、及び前記画素の輝度がゼロである非表示領域を含み、前記非表示領域における前記ブロックに対応する前記第1閾値は、前記表示領域における前記ブロックに対応する前記第1閾値よりも小さく設定される。
また、上記目的を達成するため、本開示の別の観点に係る検査方法は、ヘッドアップディスプレイ装置に画像を表示させるための、画像領域に配置される複数の画素の赤値、緑値及び青値を示す画像データを検査する検査方法であって、前記画像データに基づき、前記画像領域が分割された複数のブロック毎の輝度を判定する輝度判定ステップと、前記輝度判定ステップにより判定された単数又は複数の前記ブロックの輝度が予め設定される第1閾値を超えたときに前記画像データに異常があると判定する異常判定ステップと、を含み、前記輝度判定ステップは、前記ブロック毎に、輝度が第2閾値を超える前記画素である高輝度画素の数をカウントすることにより前記ブロックの輝度を判定し、前記異常判定ステップは、前記高輝度画素の数が第3閾値を超えたときに当該ブロックの輝度が前記第1閾値を超えたと判定する。
【0008】
上記目的を達成するため、本開示の第3の観点に係るヘッドアップディスプレイ装置は、前記検査装置と、前記画像を示す表示光を放射する表示部と、前記表示部から放射された前記表示光を被投射部材に導く光学リレー部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、検査装置、検査方法及びヘッドアップディスプレイ装置において、入力される画像データに異常があることを判定できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の第1の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置が搭載された車両の模式図である。
【
図2】本開示の第1の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置の構成を示す概略図である。
【
図3】本開示の第1の実施形態に係るヘッドアップディスプレイ装置のブロック図である。
【
図4】本開示の第1の実施形態に係る複数のブロックに分割された画像領域の模式的な図である。
【
図5】本開示の第1の実施形態に係る検査処理のフローチャートである。
【
図6】本開示の第2の実施形態に係る輝度判定処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施形態)
本開示に係る検査装置、検査方法及びヘッドアップディスプレイ装置の第1の実施形態について図面を参照して説明する。この検査装置は、ヘッドアップディスプレイ装置(以下、HUD装置と記載)に搭載されている。
図1に示すように、HUD装置1は、車両2のダッシュボードに搭載され、画像を表す表示光Lを生成し、生成した表示光Lをウインドシールド3に向けて投射する。表示光Lは、ウインドシールド3で反射したうえで視認者4(例えば、車両2の運転者)に到達する。これにより、視認者4は、ウインドシールド3の前方に表示された虚像Vを視認可能となる。虚像Vには、例えば、エンジン回転数、車速等の各種車両情報が含まれている。
【0012】
図2に示すように、HUD装置1は、表示部35と、制御部80と、平面鏡61と、凹面鏡62と、筐体70と、透光部71と、備える。表示部35は、画像Mを示す表示光Lを出射する。表示部35は、照明装置10と、照明光学系20と、表示素子30と、投射光学系40と、スクリーン50と、を備える。
【0013】
筐体70は、例えば、遮光性の樹脂又は金属により箱状に形成されている。筐体70内には、照明装置10、照明光学系20、表示素子30、投射光学系40、スクリーン50、平面鏡61及び凹面鏡62が収納される。筐体70には、表示光Lが通過する開口部70aが形成されている。
透光部71は、アクリル等の透光性の樹脂からなる湾曲板状に形成され、筐体70の開口部70aを塞ぐように設けられている。
【0014】
照明装置10は、照明光Cを生成し、その生成した照明光Cを表示素子30に向けて放射する。
具体的には、照明装置10は、光源11r,11g,11bと、光合成部13と、を備える。
光源11r,11g,11bはそれぞれLED(Light Emitting Diode)からなる。光源11rは、赤色光を放射する赤色光源である。光源11gは、緑色光を放射する緑色光源である。光源11bは、青色光を放射する青色光源である。光源11r,11g,11bの各々は、制御部80によって駆動され、所定の光強度及びタイミングで発光する。
【0015】
光合成部13は、光源11r,11g,11bから順次放射される赤色光、緑色光及び青色光の光軸を合わせることで照明光Cを生成し、その生成した照明光Cを照明光学系20に放射する。
【0016】
図2に示すように、照明光学系20は、凹状のレンズ等からなり、照明装置10から放射された照明光Cを表示素子30に対応した大きさに調整する。
【0017】
表示素子30は、例えば、DMD(Digital Micro mirror Device )を含む。表示素子30は複数の可動式のマイクロミラー30aを備える。複数のマイクロミラー30aは、画像Mの画素に対応するようにマトリックス状に配置されている。マイクロミラー30aは、制御部80による制御のもと、オン及びオフの何れかの状態に切り替えられる。マイクロミラー30aは、オンのとき、照明装置10からの照明光Cをスクリーン50に向けて反射する。マイクロミラー30aは、オフのとき、照明光Cをスクリーン50とは異なる方向に反射する。
各マイクロミラー30aは、制御部80による制御のもと、オンとなる期間が調整されることにより、画像Mの各画素における色を表現する。複数のマイクロミラー30aは、画素毎に所望の階調となるように画像Mを表示する。
【0018】
図2に示すように、投射光学系40は、凹レンズ又は凸レンズ等で構成され、表示素子30からの表示光Lをスクリーン50に効率良く投射する。
スクリーン50は、ホログラフィックディフューザ、マイクロレンズアレイ、拡散板等から構成され、投射光学系40からの表示光Lを背面(
図2中下側の面)で受光し、前面(
図2中上側の面)に画像Mを表示する。
【0019】
平面鏡61は、スクリーン50に表示された画像Mを表す表示光Lを、凹面鏡62に向けて反射させる。凹面鏡62は、平面鏡61からの表示光Lをウインドシールド3に向けて反射する。表示光Lは、筐体70の透光部71を透過したうえでウインドシールド3にて視認者4に向けて反射する。
【0020】
制御部80は、CPU(Central Processing Unit)、デシリアライザ(Deserializer)、GDC(Graphic Display Controller)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えるマイクロコンピュータからなる。
図3に示すように、制御部80は、機能ブロックとして、輝度判定部81と、異常判定部82と、表示素子制御部83と、光源制御部84と、を備える。輝度判定部81及び異常判定部82は、画像データVdの異常の有無を検査する検査装置89の一例である。
【0021】
表示素子制御部83は、画像データVdに基づき、表示素子30を制御し、スクリーン50に画像Mを表示する。
光源制御部84は、光源11r,11g,11bを点灯制御する。光源制御部84は、光源11r,11g,11bのうち何れか一つを選択的に点灯させ、点灯させる光源11r,11g,11bを高速で切り替える、いわゆるフィールドシーケンシャル方式により動作する。
【0022】
輝度判定部81は、外部装置から入力される画像データVdに基づき、ブロックBk1~Bk50毎の輝度を判定する。
図4に概念的に示すように、画像データVdにおける画像領域88は複数のブロックBk1~Bk50に分割されている。複数のブロックBk1~Bk50は、それぞれ矩形をなし、行方向Rw及び列方向Clに沿って画像領域88の全域に隙間なく並べられている。一例として、画像領域88は50個のブロックBk1~Bk50に分割されている。ブロックBk1~Bk50は5行×10列に配置されている。各ブロックBk1~Bk50は複数の画素88gにより構成されている。
ブロックBk1~Bk50の数、配置態様及び形状については適宜変更可能である。
【0023】
画像データVdは、画像領域88の画素88g毎の赤値R、緑値G及び青値Bが規定されるデータである。赤値R、緑値G及び青値Bは、0~255までの256段階で示され、赤値R、緑値G及び青値Bが大きくなるほど色が明るくなる。
輝度判定部81は、下記式(1)により、各ブロックBk1~Bk50の輝度を算出する。
【0024】
【数1】
n:ブロックの画素数
Xr:赤係数
Xg:緑係数
Xb:青係数
i:変数
Ri:ブロックにおけるi番目の画素の赤値R
Gi:ブロックにおけるi番目の画素の緑値G
Bi:ブロックにおけるi番目の画素の青値B
赤係数Xr、緑係数Xg及び青係数Xbは、赤値R、緑値G及び青値Bにおける画素88gの輝度に影響する程度を示す係数である。例えば、画素88gの輝度の観点からは、緑値G=140と青値B=255が同等である場合、緑係数Xg=1で、青係数Xb=140/255となる。
ブロックの輝度は、上記式(1)により、そのブロックに属する全ての画素の輝度の平均値として算出される。
【0025】
図4に示すように、画像領域88は、表示領域88aと非表示領域88bに分割される。表示領域88aは、情報が表示される領域である。表示領域88aは、
図1に示すウインドシールド3の曲率に伴う虚像Vの歪みを補正するために形状補正されている。よって、表示領域88aは画像領域88と非相似形状をなす。詳しくは、表示領域88aは、長方形の上辺と下辺が上に向けて膨らむ曲線状をなし、長方形の上辺が下辺よりも長く形成されている。
例えば、表示領域88aは、ブロックBk12~Bk19,Bk22~Bk29,Bk33~Bk38の全域を含み、ブロックBk1~Bk11,Bk20,Bk21,Bk30~Bk32,Bk39,Bk40,Bk42~Bk49の一部を含む。
【0026】
非表示領域88bは画素88gの輝度がゼロである領域、すなわち、黒表示される領域である。非表示領域88bは表示領域88aの周囲に形成される。
例えば、非表示領域88bは、ブロックBk41,Bk50の全域を含み、ブロックBk1~Bk11,Bk20,Bk21,Bk30~Bk32,Bk39,Bk40,Bk42~Bk49の一部を含む。
【0027】
異常判定部82は、輝度判定部81により算出されたブロックBk1~Bk50の輝度が閾値Th1を超える場合には画像データVdに異常があると判定し、ブロックBk1~Bk50の輝度が閾値Th1以下の場合には画像データVdが正常であると判定する。
制御部80のROMには、ブロックBk1~Bk50に対応する閾値Th1が記憶されている。閾値Th1は、対応するブロックBk1~Bk50における表示領域88aが占める割合が高くなるほど大きい値に設定され、対応するブロックBk1~Bk50における非表示領域88bが占める割合が高くなるほど小さい値に設定される。非表示領域88bに全域が含まれるブロックBk41,Bk50に対応する閾値Th1は、表示領域88aに全域が含まれるブロックBk25に対応する閾値Th1よりも小さく設定されている。閾値Th1は、実験又はシミュレーション等により正常時の画像データVdのブロックの輝度に基づき設定される。閾値Th1は、ブロックの輝度の正常範囲の上限値以上に設定される。
【0028】
一例として、ブロックBk1~Bk50は行毎に5つのグループGp1~Gp5に分けられ、グループGp1~Gp5毎に閾値Th1が設定されてもよい。ブロックBk1~Bk10がグループGp1に属し、ブロックBk11~Bk20がグループGp2に属し、ブロックBk21~Bk30がグループGp3に属し、ブロックB31~Bk40がグループGp4に属し、ブロックBk41~Bk50がグループGp5に属する。各グループGp1~Gp5の閾値Th1の大小関係は、「グループGp4の閾値Th1>グループGp3の閾値Th1>グループGp2の閾値Th1>グループGp1の閾値Th1=グループGp5の閾値Th1」に設定される。非表示領域88bに対応する最上側のグループGp1と最下側のグループGp5の閾値Th1は、表示領域88aに対応する中央部のグループGp2~Gp4の閾値Th1よりも小さく設定される。例えば、グループGp4の閾値Th1は0.8、グループGp3の閾値Th1は0.7、グループGp2の閾値Th1は0.6、グループGp1及びグループGp5の閾値Th1は0.3に設定される。
【0029】
次に、
図5のフローチャートを参照しつつ、検査装置89(輝度判定部81及び異常判定部82)により実行される検査処理について説明する。この検査処理は、HUD装置1の虚像Vが表示されている期間において繰り返し実行される。
まず、輝度判定部81は、各ブロックBk1~Bk50の輝度を判定する(ステップS101)。本例では、上記式(1)により、ブロックBk1~Bk50の輝度が算出される。
【0030】
次に、異常判定部82は、ブロックBk1~Bk50のうち輝度が閾値Th1を超える異常ブロックの数をカウントする(ステップS102)。異常判定部82は、異常ブロックの数が規定値T1を超えるか否かを判定する(ステップS103)。
【0031】
異常判定部82は、異常ブロックの数が規定値T1を超える旨判定すると(ステップS103;YES)、画像データVdのデータエラーが発生した旨判定し、画像データVdのデータエラーが複数フレーム、例えば、5フレーム連続で発生しているか否かを判定する(ステップS105)。フレームとは、動画を構成する個々の静止画の画像データである。例えば、数~数十mS毎に1フレームの画像データVdが送信される。すなわち、異常判定部82は、画像データVdのデータエラーが発生すると、データエラーの連続回数をカウントアップし、後述のように、画像データVdが正常であると判定すると(ステップS104)、データエラーの連続回数をゼロにリセットする。
【0032】
異常判定部82は、データエラーが5フレーム連続で発生していない、すなわち、データエラーの連続回数が4以下であると判定すると(ステップS105;NO)、上記ステップS101の処理に戻る。一方、データエラーが5フレーム連続で発生している旨判定すると(ステップS105;YES)、画像データVdに異常があると判定する(ステップS106)。すると、制御部80はHUD装置1をシャットダウン(電源オフ)し(ステップS107)、この検査処理を終了する。HUD装置1がシャットダウンされると、制御部80への電源供給が停止され、画像M及び虚像Vの表示が消される。
なお、制御部80は、HUD装置1をシャットダウンすることに代えて、又はHUD装置1をシャットダウンするとともに、図示しない通知部を通じて視認者4に対して警告を行ってもよい。この通知部は、例えば、車載メータであり、例えば、車載メータのインジケータである。
【0033】
異常判定部82は、異常ブロックの数が規定値T1以下であると判定すると(ステップS103;NO)、画像データVdが正常であると判定し(ステップS104)、この検査処理を終了する。
【0034】
規定値T1は実験又はシミュレーション等により予め設定される。例えば、ブロックBk1~Bk50が行毎に5つのグループGp1~Gp5に分けられ、グループGp1~Gp5毎に規定値T1が設定されてもよい。この場合には、グループGp1~Gp5毎に上記ステップS103に係る判断処理が実行される。例えば、グループGp1の規定値T1及びグループGp5の規定値T1はゼロに設定され、グループGp2の規定値T1は1に設定され、グループGp3の規定値T1は2に設定され、グループGp4の規定値T1は3に設定される。すなわち、非表示領域88bに対応する最上側のグループGp1と最下側のグループGp5の規定値T1は、表示領域88aに対応する中央部のグループGp2~Gp4の規定値T1よりも小さく設定される。
例えば、グループGp5の規定値T1がゼロに設定される場合について説明する。この場合、異常判定部82は、グループGp5のうち1つのブロック(例えばブロックBk41)の輝度が閾値Th1を超えると、この1つのブロックが異常ブロックであるとしてカウントし(ステップS102)、異常ブロックの数がゼロである規定値T1を超えると判定する(ステップS103;YES)。そして、異常判定部82は、この状態が複数フレーム連続で続いたと判定すると(ステップS105;YES)、画像データVdに異常があると判定する(ステップS106)。
本例では、グループGp2~Gp4はそれぞれ表示領域88aに対応する第1グループの一例であり、グループGp1,Gp5はそれぞれ非表示領域88bに対応する第2グループの一例である。第1グループは第2グループよりも表示領域88aが占める割合が高く、第2グループは第1グループよりも非表示領域88bが占める割合が高い。
なお、ブロックBk1~Bk50のグループの分け方はこれに限定されない。例えば、非表示領域88bに対応する第2グループは、ブロックBk31,Bk40,Bk41,Bk50により構成されてもよい。また、グループは列毎のブロックBk1~Bk50で構成されてもよい。
【0035】
(効果)
以上、説明した第1の実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)検査装置89は、HUD装置1に画像Mを表示させるための、画像領域88に配置される複数の画素88gの赤値R、緑値G及び青値Bを示す画像データVdを検査する。検査装置89は、画像データVdに基づき画像領域88が分割された複数のブロックBk1~Bk50毎の輝度を判定する輝度判定部81と、輝度判定部81により判定された単数又は複数のブロックBk1~Bk50の輝度が予め設定される第1閾値の一例である閾値Th1を超えたときに画像データVdに異常があると判定する異常判定部82と、を備える。
この構成によれば、画像データVdの異常により、ブロックBk1~Bk50のうち単数又は複数のブロックが閾値Th1を超えたときに画像データVdに異常があると判定される。
ブロックBk1~Bk50毎の輝度により、画像データVdの異常の有無が判定されるため、画素88g毎に輝度の異常を判定する場合に比べて、判定に係る処理負担を低減することができ、画像データVdの異常判定の精度を高めることができる。
また、異常判定部82は、画像データVdに異常があると判定すると、例えば、虚像Vの表示を停止する。これにより、画像領域88の輝度が所望の輝度よりも高くなることにより視認者4の視界を妨げることを抑制できる。
さらに、異常判定部82は、画像データVdに異常があると判定すると、図示しない通知部を通じて警告を行ってもよい。これにより、視認者4に、画像データVdに異常があること、ひいては、虚像Vに異常があることを知らせることができ、画像データVdの異常に伴って視認者4に違和感を与えることを抑制できる。
【0036】
(2)閾値Th1は複数のブロックBk1~Bk50それぞれに対応した値に設定される。画像領域88は、情報が表示される表示領域88a、及び画素88gの輝度がゼロである非表示領域88bを含む。非表示領域88bにおけるブロックBk41,Bk50に対応する閾値Th1は、表示領域88aにおけるブロックBk22~Bk29に対応する閾値Th1よりも小さく設定される。なお、非表示領域88bにおけるブロックとは、ブロックの全面積のうち半分を超える面積が非表示領域88bであるブロックをいう。また、表示領域88aにおけるブロックとは、ブロックの全面積のうち半分を超える面積が表示領域88aであるブロックをいう。
この構成によれば、閾値Th1は表示領域88aと非表示領域88bに応じた値に設定される。よって、表示領域88aと非表示領域88bにおける輝度の異常を判定可能となる。
【0037】
(3)HUD装置1は、画像Mを示す表示光Lを被投射部材の一例であるウインドシールド3に投射することにより虚像Vを表示する。表示領域88aは、虚像Vの歪みを補正するために画像領域88と非相似形状をなす。非表示領域88bは、表示領域88aの周囲に位置する。
例えば、虚像Vの歪み補正を行う必要がない場合、表示領域88aは画像領域88の全域に形成可能となるため、非表示領域88bが形成されない。
一方で、虚像Vの歪み補正に伴い表示領域88aが画像領域88と非相似形状をなすため、非表示領域88bが形成される。この場合に、画像データVdの異常により、非表示領域88bの輝度がゼロとならないと、虚像Vの周囲が光輝することになり、視認者4に違和感を与える。この点、本実施形態では、画像データVdに異常が発生したことが判定可能となるため、画像データVdの異常に対して、画像Mの表示を停止する等の対策を講じることができ、視認者4に違和感を与えることを抑制できる。
【0038】
(4)複数のブロックBk1~Bk50は、表示領域88aに対応する第1グループの一例であるグループGp2~Gp4と非表示領域88bに対応する第2グループの一例であるグループGp1,Gp5に分けられる。異常判定部82は、グループGp1~Gp5それぞれについて、輝度判定部81により判定された輝度が閾値Th1を超えるブロックBk1~Bk50の数をカウントし、カウントした数が予め設定される規定値T1を超えたときに画像データVdに異常があると判定する。グループGp1,Gp5における規定値T1は、グループGp2~Gp4における規定値T1よりも小さく設定される。
この構成によれば、ブロックBk1~Bk50が属するグループ毎に、異なる規定値T1が設定される。よって、異常判定部82による画像データVdの異常の判定の精度を高めることができる。
【0039】
(5)輝度判定部81は、画像データVdに含まれる画素88g毎の赤値R、緑値G及び青値Bに基づきブロックBk1~Bk50毎の輝度を算出することによりブロックBk1~Bk50毎の輝度を判定する。
この構成によれば、画素88g毎の赤値R、緑値G及び青値Bに基づきブロックBk1~Bk50毎の輝度が算出される。このため、画素88g毎の輝度と閾値を比較する処理が不要であり、輝度判定部81の処理負担を低減することができる。
【0040】
(6)異常判定部82は、画像データVdにおいて、複数(例えば5)フレーム連続で、複数のブロックBk1~Bk50のうち単数又は複数のブロックの輝度が閾値Th1を超えたときに画像データVdに異常があると判定する。
この構成によれば、異常判定部82における画像データVdの異常の判定の精度を高めることができる。
【0041】
(7)検査方法は、HUD装置1に画像Mを表示させるための、画像領域88に配置される複数の画素88gの赤値R、緑値G及び青値Bを示す画像データVdを検査する。検査方法は、画像データVdに基づき画像領域88が分割された複数のブロックBk1~Bk50毎の輝度を判定するステップS101に相当する輝度判定ステップと、輝度判定ステップにより判定されたブロックBk1~Bk50の輝度が予め設定される閾値Th1を超えたときに画像データVdに異常があると判定するステップS102,S103,S106に相当する異常判定ステップと、を備える。
この構成によれば、画像データVdに異常があることを判定可能である。
【0042】
(8)HUD装置1は、検査装置89と、画像Mを示す表示光Lを放射する表示部35と、表示部35から放射された表示光Lを被投射部材の一例であるウインドシールド3に導く光学リレー部の一例である平面鏡61及び凹面鏡62と、を備える。
この構成によれば、HUD装置1において、画像データVdに異常があることを判定可能である。
【0043】
(第2の実施形態)
本開示に係る検査装置、検査方法及びヘッドアップディスプレイ装置の第2の実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態では、ブロックの輝度を判定する方法が上記第1の実施形態と異なり、過度に高い輝度の高輝度画素がカウントされることによりブロックの輝度を判定する。以下、第1の実施形態との相違点を中心に説明する。
【0044】
図6のフローチャートに沿って、高輝度画素の数をカウントすることによりブロックBk1の輝度を判定する輝度判定処理について説明する。
図6の輝度判定処理は、
図5のステップS101において実行される。
【0045】
まず、輝度判定部81は、ブロックBk1の全ての画素88gのうち、画素88gの輝度が閾値Th2を超える高輝度画素の数をカウントする(ステップS201)。閾値Th2は、赤値R、緑値G及び青値B毎に設定されている。ブロックBk1の所定の画素88gが赤値R、緑値G及び青値Bに対応する3つの閾値Th2の全てを超える場合、高輝度画素としてカウントされる。閾値Th2は、閾値Th1と同様の観点から、ブロックBk1~Bk50毎、又はグループ毎に設定される。非表示領域88bに全域が含まれるブロックBk41,50に対応する閾値Th2は、表示領域88aに全域が含まれるブロックBk25に対応する閾値Th2よりも小さく設定されている。一例として、ブロックBk25における、赤値Rの閾値Th2は200に設定され、緑値Gの閾値Th2は120に設定され、青値Bの閾値Th2は200に設定される。また、ブロックBk41における赤値R、緑値G及び青値Bの閾値Th2は何れもゼロに設定される。
【0046】
輝度判定部81は、ブロックBk1における、高輝度画素の数が閾値Th3を超えるか否かを判定する(ステップS202)。閾値Th3は、閾値Th1と同様の観点から、ブロックBk1~Bk50毎、又はグループ毎に設定される。非表示領域88bに全域が含まれるブロックBk41,50に対応する閾値Th3は、表示領域88aに全域が含まれるブロックBk25に対応する閾値Th3よりも小さく設定されている。一例として、ブロックBk41に対応する閾値Th3はブロックBk41を構成する全画素数の1%~5%に相当する値に設定され、ブロックBk25に対応する閾値Th3はブロックBk25を構成する全画素数の60%~80%に相当する値に設定される。輝度判定部81は、高輝度画素の数が閾値Th3を超える旨判定すると(ステップS202;YES)、ブロックBk1の輝度が閾値Th1を超えたとして、ブロックBk1が異常ブロックであると判定し(ステップS203)、この輝度判定処理を終了する。一方、輝度判定部81は、高輝度画素の数が閾値Th3以下であると判定すると(ステップS202;NO)、ブロックBk1が異常ブロックでなく、正常ブロックであると判定し(ステップS204)、この輝度判定処理を終了する。輝度判定部81は、ブロックBk1~Bk50の全てについて、この輝度判定処理を実行した後に、
図5の検査処理のステップS102の処理に移行する。
【0047】
なお、単一のブロックにおける高輝度画素の数は、単一のブロックを構成する全画素数から輝度が低すぎる低輝度画素の数を差し引くことにより算出されてもよい。低輝度画素は、画素の輝度が閾値Th4以下となる画素である。
【0048】
(効果)
以上、説明した第2の実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)輝度判定部81は、ブロックBk1~Bk50毎に、画素88gの輝度が第2閾値の一例である閾値Th2を超える画素88gである高輝度画素の数をカウントすることによりブロックBk1~Bk50の輝度を判定する。異常判定部82は、複数のブロックBk1~Bk50のうち所定のブロックにおける高輝度画素の数が第3閾値の一例である閾値Th3を超えたときに所定のブロックの輝度が閾値Th1を超えたと判定する。
この構成によれば、異常判定部82における画像データVdの異常の判定の精度を高めることができる。
【0049】
なお、本開示は以上の実施形態及び図面によって限定されるものではない。本開示の要旨を変更しない範囲で、適宜、変更(構成要素の削除も含む)を加えることが可能である。以下に、変形の一例を説明する。
【0050】
(変形例)
上記実施形態においては、規定値T1は、グループGp1~Gp5毎に設定されていたが、これに限らず、ブロックBk1~Bk50の全てに1つだけ設定されてもよい。
【0051】
上記実施形態においては、異常判定部82は、データエラーが画像データVdの5フレーム連続で発生しているか否かを判定していたが(ステップS105)、5フレームに限らず、複数フレームであれば、いくつであってもよい。また、ステップS105に係る処理は省略されてもよい。
また、異常判定部82は、データエラーが発生すると(ステップS103;YES)、データエラーの回数をカウントアップし、データエラーが発生しないと(ステップS103;NO)、データエラーの回数をカウントダウンしてもよい。そして、異常判定部82は、データエラーの回数が規定数を超えると、画像データVdに異常があると判定し(ステップS106)、HUD装置1をシャットダウンしてもよい(ステップS107)。
【0052】
上記実施形態においては、HUD装置1は、車載用であったが、車載用に限らず、飛行機、船等の乗り物に搭載されていてもよい。また、HUD装置1からの表示光Lはウインドシールド3に投射されていたが、専用のコンバイナに投射されてもよい。
【0053】
上記実施形態においては、表示領域88aは画像領域88と非相似形状をなしていたが、これに限らず、表示領域88aは画像領域88と相似形状をなしていてもよい。すなわち、表示領域88aは虚像Vの歪みを補正するために形状補正されていなくてもよい。
【0054】
上記実施形態においては、検査装置89はHUD装置1内の制御部80に設けられていたが、これに限らず、HUD装置1の外部に設けられていてもよい。
【0055】
上記実施形態においては、HUD装置1の表示部35は、DMDを有していたが、これに限らず、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)又は液晶パネルを有していてもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 HUD装置
2 車両
3 ウインドシールド
4 視認者
10 照明装置
11r,11b,11g 光源
13 光合成部
20 照明光学系
30 表示素子
30a マイクロミラー
40 投射光学系
50 スクリーン
61 平面鏡
62 凹面鏡
70 筐体
70a 開口部
71 透光部
80 制御部
81 輝度判定部
82 異常判定部
83 表示素子制御部
84 光源制御部
88 画像領域
88a 表示領域
88b 非表示領域
88g 画素
89 検査装置
C 照明光
R 赤値
G 緑値
B 青値
M 画像
L 表示光
V 虚像
Rw 行方向
Cl 列方向
Gp1~Gp5 グループ
T1 規定値
Bk1~Bk50 ブロック
Vd 画像データ
Xr 赤係数
Xg 緑係数
Xb 青係数
Th1,Th2,Th3 閾値