(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】情報処理装置、方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G08G 1/00 20060101AFI20240820BHJP
B60W 30/09 20120101ALI20240820BHJP
B60W 30/165 20200101ALI20240820BHJP
G01C 21/34 20060101ALI20240820BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20240820BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
G08G1/00 X
B60W30/09
B60W30/165
G01C21/34
G08G1/09 F
G08G1/09 V
G08G1/16 E
(21)【出願番号】P 2022013632
(22)【出願日】2022-01-31
【審査請求日】2023-11-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100187078
【氏名又は名称】甲原 秀俊
(74)【代理人】
【識別番号】100205833
【氏名又は名称】宮谷 昂佑
(72)【発明者】
【氏名】桑山 裕基
(72)【発明者】
【氏名】藤木 健司
(72)【発明者】
【氏名】村井 理恵
(72)【発明者】
【氏名】三輪 耕平
(72)【発明者】
【氏名】宮本 晃良
(72)【発明者】
【氏名】岡田 強志
(72)【発明者】
【氏名】伊東 宥
【審査官】宮本 礼子
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-170228(JP,A)
【文献】特許第6692567(JP,B1)
【文献】特開2021-142905(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
B60W 10/00-10/30
B60W 30/00-60/00
G01C 21/00-21/36
G01C 23/00-25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部及び通信部を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、
追従走行機能を有する作業車両のサイズに基づいて、自動走行機能を有する車両の走行ルート又は無人航空機の飛行ルートを選択し、
前記車両又は
前記無人航空機への追従走行を指令する追従指令を生成し、
前記通信部を介して
前記作業車両に前記追従指令を送信する、
情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、
前記追従走行の不安定性を示す指標が所定の閾値以上であることを検知すると、
前記作業車両をその場で停止させる停止指令又は前記作業車両を退避走行させた後に停止させる停止指令を、前記通信部を介して前記作業車両に送信する、情報処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、
前記作業車両の周辺に障害物が存在すると判断すると、
前記作業車両をその場で停止させる停止指令を、前記通信部を介して前記作業車両に送信する、情報処理装置。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記作業車両の取得部によって取得された前記作業車両の周辺情報に基づいて、前記障害物が存在するか否かを判断する、情報処理装置。
【請求項5】
請求項2乃至4の何れか一項に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記作業車両が停止してから所定時間の経過後に、前記通信部を介して、前記作業車両に前記追従指令を再び送信する、情報処理装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の情報処理装置であって、
前記制御部は、前記作業車両が追従走行中であることを前記作業車両の周辺に通知する制御を行う、情報処理装置。
【請求項7】
情報処理装置が実行する方法であって、
追従走行機能を有する作業車両のサイズに基づいて、自動走行機能を有する車両の走行ルート又は無人航空機の飛行ルートを選択すること、
前記車両又は
前記無人航空機への追従走行を指令する追従指令を生成すること、及び
前記作業車両に前記追従指令を送信すること
を含む、方法。
【請求項8】
請求項
7に記載の方法であって、
前記追従走行の不安定性を示す指標が所定の閾値以上であることを検知すると、
前記作業車両をその場で停止させる停止指令又は前記作業車両を退避走行させた後に停止させる停止指令を前記作業車両に送信することを更に含む、方法。
【請求項9】
請求項
7又は
8に記載の方法であって、
前記作業車両の周辺に障害物が存在すると判断すると、
前記作業車両をその場で停止させる停止指令を前記作業車両に送信することを更に含む、方法。
【請求項10】
請求項
9に記載の方法であって、
前記作業車両の取得部によって取得された前記作業車両の周辺情報に基づいて、前記障害物が存在するか否かを判断することを更に含む、方法。
【請求項11】
請求項
8乃至
10の何れか一項に記載の方法であって、
前記作業車両が停止してから所定時間の経過後に、前記作業車両に前記追従指令を再び送信することを更に含む、方法。
【請求項12】
請求項
7乃至
11の何れか一項に記載の方法であって、
前記作業車両が追従走行中であることを前記作業車両の周辺に通知する制御を行うことを更に含む、方法。
【請求項13】
コンピュータに、
追従走行機能を有する作業車両のサイズに基づいて、自動走行機能を有する車両の走行ルート又は無人航空機の飛行ルートを選択すること、
前記車両又は
前記無人航空機への追従走行を指令する追従指令を生成すること、及び
前記作業車両に前記追従指令を送信すること
を実行させる、プログラム。
【請求項14】
請求項
13に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記追従走行の不安定性を示す指標が所定の閾値以上であることを検知すると、
前記作業車両をその場で停止させる停止指令又は前記作業車両を退避走行させた後に停止させる停止指令を前記作業車両に送信することを更に実行させる、プログラム。
【請求項15】
請求項
13又は
14に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記作業車両の周辺に障害物が存在すると判断すると、
前記作業車両をその場で停止させる停止指令を前記作業車両に送信することを更に実行させる、プログラム。
【請求項16】
請求項
15に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記作業車両の取得部によって取得された前記作業車両の周辺情報に基づいて、前記障害物が存在するか否かを判断することを更に実行させる、プログラム。
【請求項17】
請求項
14乃至
16の何れか一項に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記作業車両が停止してから所定時間の経過後に、前記作業車両に前記追従指令を再び送信することを更に実行させる、プログラム。
【請求項18】
請求項
13乃至
17の何れか一項に記載のプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記作業車両が追従走行中であることを前記作業車両の周辺に通知する制御を行うことを更に実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自動操舵機能を有する作業車両が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
公道において作業車両を自動走行させる技術には改善の余地がある。
【0005】
かかる事情に鑑みてなされた本開示の目的は、公道において作業車両を自動走行させる技術を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る情報処理装置は、
制御部及び通信部を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、
自動走行機能を有する車両又は無人航空機への追従走行を指令する追従指令を生成し、
前記通信部を介して追従走行機能を有する作業車両に前記追従指令を送信する。
【0007】
本開示の一実施形態に係る方法は、
情報処理装置が実行する方法であって、
自動走行機能を有する車両又は無人航空機への追従走行を指令する追従指令を生成すること、及び
追従走行機能を有する作業車両に前記追従指令を送信すること
を含む。
【0008】
本開示の一実施形態に係るプログラムは、
コンピュータに、
自動走行機能を有する車両又は無人航空機への追従走行を指令する追従指令を生成すること、及び
追従走行機能を有する作業車両に前記追従指令を送信すること
を実行させる。
【発明の効果】
【0009】
本開示の一実施形態によれば、公道において作業車両を自動走行させる技術を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一実施形態に係るシステムの概略構成を示すブロック図である。
【
図2】本開示の一実施形態に係る車両の概略構成を示すブロック図である
【
図3】本開示の一実施形態に係る情報処理装置の概略構成を示すブロック図である。
【
図4】本開示の一実施形態に係る作業車両の概略構成を示すブロック図である
【
図5】本開示の一実施形態に係る情報処理装置の動作を示すフローチャートである。
【
図6】本開示の一変形例に係る無人航空機の概略構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の実施形態について説明する。
【0012】
図1を参照して、本開示の実施形態に係るシステム1の概要について説明する。
【0013】
システム1は、車両10と、情報処理装置20と、作業車両30と、を備える。車両10、情報処理装置20、及び作業車両30は、ネットワーク40と通信可能に接続される。
【0014】
車両10は、任意のレベルで運転が自動化された自動走行機能を有する自動車等の普通車両である。自動車は、例えばガソリン自動車、BEV(Battery Electric Vehicle)、HEV(Hybrid Electric Vehicle)、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle)、又はFCEV(Fuel Cell Electric Vehicle)等であるが、これらに限られない。
【0015】
情報処理装置20は、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属するサーバ等のコンピュータであるが、これらに限られない。
【0016】
作業車両30は、車両10(先導車両)との車間距離を所定の値に保ちながら、車両10に自動で追従して走行可能な追従走行機能を有する車両である。作業車両30は、例えばトラクタ、田植え機、又はコンバイン等の農業機械であるが、これらに限られない。なお、作業車両30の数は任意に定められてよい。
【0017】
ネットワーク40は、インターネット、少なくとも1つのWAN(wide area network)、少なくとも1つのMAN(metropolitan area network)、又はこれらの任意の組合せを含む。ネットワーク40は、少なくとも1つの無線ネットワーク、少なくとも1つの光ネットワーク、又はこれらの任意の組合せを含んでもよい。無線ネットワークは、例えば、アドホックネットワーク、セルラーネットワーク、無線LAN(local area network)、衛星通信ネットワーク、又は地上マイクロ波ネットワークである。
【0018】
【0019】
情報処理装置20の制御部21は、自動走行機能を有する車両10への追従走行を指令する追従指令を生成する。そして、情報処理装置20の制御部21は、通信部22を介して、追従走行機能を有する作業車両30に追従指令を送信する。
【0020】
ここで、人件費を削減するために、私道及び農地等以外に公道等においても、作業車両30を自動走行させることが望まれている。一方、公道等において作業車両30を自動走行させるために、作業車両30が備える農作業に供する各種センサに加えて、公道等における自動走行に供する各種センサを作業車両30に更に搭載すると、作業車両30の販価が上昇してしまう。本実施形態によれば、自動走行機能を有する車両10に作業車両30を追従走行させることによって、人件費を削減しつつ、作業車両30の販価の上昇を抑えることができる。従って、公道において作業車両30を自動走行させる技術を改善することができる。
【0021】
図2を参照して、本実施形態に係る車両10の構成を説明する。
【0022】
車両10は、制御部11と、通信部12と、記憶部13と、取得部14と、を備える。
【0023】
制御部11は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのプログラマブル回路、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの任意の組合せを含む。プロセッサは、CPU(central processing unit)若しくはGPU(graphics processing unit)等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。プログラマブル回路は、例えばFPGA(field-programmable gate array)である。専用回路は、例えばASIC(application specific integrated circuit)である。制御部11は、取得部14と協働して、車両10の自動走行を実現する。具体的には、制御部11は、取得部14によって取得された情報を用いて、車両10のステアリング制御、アクセル制御、及びブレーキ制御等を行う。なお、自動走行は、例えばSAE(Society of Automotive Engineers)において定義されるレベル1乃至5を含むが、これらに限られず、任意に定義されてもよい。
【0024】
通信部12は、ネットワーク40に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。通信インタフェースは、例えば4G(4th Generation)又は5G(5th Generation)等の移動体通信規格に対応するが、これらに限られない。通信部12は、車両10の動作に用いられるデータを受信し、また車両10の動作によって得られるデータを送信する。
【0025】
記憶部13は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらの任意の組合せを含む。半導体メモリは、例えばRAM(random access memory)又はROM(read only memory)である。RAMは、例えばSRAM(static random access memory)又はDRAM(dynamic random access memory)である。ROMは、例えばEEPROM(electrically erasable programmable read only memory)である。記憶部13は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部13には、車両10の自動走行に用いられる任意の情報が記憶される。
【0026】
取得部14は、1つ以上のセンサモジュールを含む。センサモジュールは、例えば速度センサ、加速度センサ、角速度センサ、LIDAR(Light Detection and Ranging又はLaser Imaging Detection and Ranging)、又はステアリング操舵角センサ等であるが、これらに限られない。センサモジュールは、車両10の走行情報を取得する。また、取得部14は、1つ以上の測位モジュールを含む。測位モジュールは、例えばGPS(Global Positioning System)、QZSS(Quasi-Zenith Satellite System)、GLONASS(Global Navigation Satellite System)、又はGalileoに対応した測位モジュール等であるが、これらに限られない。測位モジュールは、車両10の位置情報を取得する。
【0027】
図3を参照して、本実施形態に係る情報処理装置20の構成を説明する。
【0028】
情報処理装置20は、制御部21と、通信部22と、記憶部23と、を備える。
【0029】
制御部21は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのプログラマブル回路、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの任意の組合せを含む。プロセッサは、CPU若しくはGPU等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。プログラマブル回路は、例えばFPGAである。専用回路は、例えばASICである。制御部21は、情報処理装置20の各部を制御しながら、情報処理装置20の動作に関わる処理を実行する。
【0030】
通信部22は、ネットワーク40に接続する少なくとも1つの通信用インタフェースを含む。通信用インタフェースは、例えば、移動体通信規格、有線LAN規格、又は無線LAN規格に対応するが、これらに限られず、任意の通信規格に対応してもよい。通信部22は、情報処理装置20の動作に用いられるデータを受信し、また情報処理装置20の動作によって得られるデータを送信する。
【0031】
記憶部23は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらの任意の組合せを含む。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。RAMは、例えばSRAM又はDRAMである。ROMは、例えばEEPROMである。記憶部23は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部23には、情報処理装置20の動作に用いられるデータと、情報処理装置20の動作によって得られたデータとが記憶される。本実施形態では、情報処理装置20の動作に用いられるデータは、システムプログラム、アプリケーションプログラム、データベース、及び地図情報等を含む。
【0032】
図4を参照して、本実施形態に係る作業車両30の構成を説明する。
【0033】
作業車両30は、制御部31と、通信部32と、記憶部33と、取得部34と、作業部35と、を備える。
【0034】
制御部31は、少なくとも1つのプロセッサ、少なくとも1つのプログラマブル回路、少なくとも1つの専用回路、又はこれらの任意の組合せを含む。プロセッサは、CPU若しくはGPU等の汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。プログラマブル回路は、例えばFPGAである。専用回路は、例えばASICである。制御部31は、通信部32を介して情報処理装置20から受信した追従指令に基づいて、車両10への追従走行を実現する。具体的には、制御部31は、追従指令に基づいて、作業車両30のステアリング制御、アクセル制御、及びブレーキ制御等を行う。なお、制御部31は、取得部34と協働して、公道以外(例えば私道又は農地等)における作業車両30の自動走行を実現可能である。
【0035】
通信部32は、ネットワーク40に接続する1つ以上の通信インタフェースを含む。通信インタフェースは、例えば4G又は5G等の移動体通信規格に対応するが、これらに限られない。通信部32は、作業車両30の動作に用いられるデータを受信し、また作業車両30の動作によって得られるデータを送信する。
【0036】
記憶部33は、少なくとも1つの半導体メモリ、少なくとも1つの磁気メモリ、少なくとも1つの光メモリ、又はこれらの任意の組合せを含む。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。RAMは、例えばSRAM又はDRAMである。ROMは、例えばEEPROMである。記憶部33は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部33には、作業車両30の追従走行及び自動走行に用いられる任意の情報が記憶される。
【0037】
取得部34は、1つ以上のセンサモジュールを含む。センサモジュールは、例えば、速度センサ、加速度センサ、角速度センサ、ステアリング操舵角センサ、又は農作業等に供するカメラ等であるが、これらに限られない。センサモジュールは、公道以外における作業車両30の自動走行に供する情報を取得する。また、取得部34は、1つ以上の測位モジュールを含む。測位モジュールは、例えば、GPS(Global Positioning System)、QZSS(Quasi-Zenith Satellite System)、GLONASS(Global Navigation Satellite System)、又はGalileoに対応した測位モジュール等であるが、これらに限られない。測位モジュールは、作業車両30の位置情報を取得する。
【0038】
作業部35は、農作業等を行うための1つ以上の作業装置を含む。作業装置は、例えば肥料若しくは農薬等を散布する散布装置、田畑に種を播く播種装置、又は農作物等を収穫する収穫装置であるが、これらに限られない。作業部35は、作業車両30から供給される電力等により駆動可能である。
【0039】
図5を参照して、本実施形態に係る情報処理装置20の動作について説明する。この動作は、本開示の一実施形態に係る方法に相当する。
【0040】
本例において、車両10は、無人での自動走行(例えば、SAEにおいて定義されるレベル5の自動運転)が可能な普通車両であり、後述する方法で選択される走行ルートを自動走行するものとして説明する。
【0041】
ステップS100:情報処理装置20の制御部21は、車両10に追従走行させる作業車両30を検知する。
【0042】
具体的には、情報処理装置20の制御部21は、通信部22を介して、例えば作業車両30のユーザが所有するユーザ端末等から追従走行に関する情報を受信する。そして、情報処理装置20の制御部21は、受信した追従走行に関する情報に基づいて、車両10に追従走行させる作業車両30を検知する。なお、追従走行に関する情報は、追従走行させる作業車両30の識別情報(車両番号標等)、並びに追従走行の開始日時、出発地(例えばユーザの畑)、及び目的地(例えばユーザの自宅)等を含んでもよいが、これらに限られない。
【0043】
ステップS101:情報処理装置20の制御部21は、車両10への追従走行を指令する追従指令を生成する。
【0044】
具体的には、情報処理装置20の制御部21は、例えば記憶部23に記憶された地図情報と上述した追従走行に関する情報とに基づいて、走行ルート、走行車速、加速度、減速度、及び車両10と作業車両30との車間距離等を含む、車両10への追従走行を指令する追従指令を生成する。なお、車両10に追従走行する作業車両30が複数存在する場合、当該追従指令は、作業車両30同士の車間距離を更に含んでもよい。例えば、車両10を先導車両として、小型トラクタ及び収穫用農業機械等の作業車両30が例えばこの順にて追従走行してもよい。
【0045】
ここで、情報処理装置20の制御部21は、作業車両30のサイズに基づいて、出発地(例えばユーザの畑)から目的地(例えばユーザの自宅)までの公道を含む車両10の走行ルートを選択してもよい。例えば、情報処理装置20の制御部21は、記憶部23に予め記憶された作業車両30の車長又は車幅と、記憶部23に予め記憶された地図情報から取得した道路の幅員とに基づいて、作業車両30が追従走行可能な車両10の走行ルートを選択する。そして、情報処理装置20の制御部21は、通信部22を介して、選択した走行ルートを示す情報を車両10に送信する。そして、車両10の制御部11は、取得部14と協働して、車両10による当該走行ルート上の自動走行を実現する。なお、情報処理装置20の制御部21は、走行ルートを選択するにあたって、車両10の車長又は車幅を更に考慮してもよい。
【0046】
ステップS102:情報処理装置20の制御部21は、通信部22を介して、ステップS100で検知した作業車両30にステップS101で生成した追従指令を送信する。
【0047】
具体的には、情報処理装置20の制御部21は、通信部22を介して、ステップS100で検知した作業車両30にステップS101で生成した追従指令を、例えば作業車両30が上記出発地から上記目的地に至るまで所定の時間間隔で送信する。そして、作業車両30の制御部31は、通信部32を介して情報処理装置20から追従指令を受信する度に、当該追従指令に基づいて作業車両30のステアリング制御、アクセル制御、及びブレーキ制御等を行うことによって、車両10への追従走行を実現する。
【0048】
ここで、情報処理装置20の制御部21は、作業車両30が追従走行中であることを、作業車両30の周辺に通知する制御を行ってもよい。具体的には、情報処理装置20の制御部21は、車両10の後方に作業車両30が追従走行していることを通知する任意のメッセージを生成する。そして、情報処理装置20の制御部21は、通信部22を介して、生成したメッセージを車両10に送信する。そして、車両10の制御部11は、通信部12を介して情報処理装置20から受信したメッセージを、例えば車両10に搭載可能なスピーカ等を介して作業車両30の周辺に音声で通知する。なお、車両10が作業車両30の周囲に光学的なロープ(「バーチャルロープ」とも称される。)を表示させることが可能な任意の投光器を備える場合、情報処理装置20の制御部21は、当該投光器によって作業車両30の周囲にバーチャルロープを表示してもよい。これによれば、車両10と作業車両30との間への他車両の割り込みを回避することができる。
【0049】
ステップS103:情報処理装置20の制御部21は、作業車両30の周辺に障害物が存在するか否かを判断する。障害物が存在すると判断された場合、プロセスはステップS104に進む。一方、障害物が存在すると判断されなかった場合、プロセスはステップS102に戻る。
【0050】
具体的には、作業車両30の制御部31は、取得部34に含まれる農作業等に供するカメラ等によって取得された作業車両30の周辺情報を、通信部32を介して情報処理装置20に送信する。なお、作業車両30の周辺情報は、作業車両30との衝突の恐れがある進路前方の歩行者又は他車両等を含む、障害物の画像情報であってもよいが、これに限られない。そして、情報処理装置20の制御部21は、通信部22を介して、作業車両30の周辺情報を作業車両30から取得する。そして、情報処理装置20の制御部21は、取得した作業車両30の周辺情報に基づいて、任意の画像認識技術を用いて作業車両30の周辺に障害物が存在するか否かを判断する。
【0051】
ステップS104:情報処理装置20の制御部21は、通信部22を介して、作業車両30をその場で停止させる停止指令を作業車両30に送信する。
【0052】
具体的には、情報処理装置20の制御部21は、作業車両30が現在位置する場所で作業車両30を停止させる停止指令を生成する。そして、情報処理装置20の制御部21は、通信部22を介して、生成した停止指令を作業車両30に送信する。そして、作業車両30の制御部31は、通信部32を介して情報処理装置20から受信した停止指令に基づいて作業車両30のブレーキペダル等を制御することによって、作業車両30を停止させる。これにより、作業車両30が障害物に衝突することが回避される。
【0053】
ステップS105:情報処理装置20の制御部21は、作業車両30が停止してから所定の時間の経過後に、通信部22を介して、車両10への追従走行を指令する追従指令を作業車両30に再び送信する。
【0054】
具体的には、情報処理装置20の制御部21は、ステップS101と同様にして、作業車両30が停止してから所定の時間の経過後に車両10への追従走行を指令する追従指令を生成する。そして、情報処理装置20の制御部21は、通信部22を介して、生成した追従指令を作業車両30に再び送信する。
【0055】
なお、情報処理装置20の制御部21は、作業車両30が目的地に到着したことを検知すると、通信部22を介して作業車両30に停止指令を送信することにより、当該追従走行を終了させてもよい。
【0056】
以上述べたように、本実施形態に係る情報処理装置20の制御部21は、自動走行機能を有する車両10への追従走行を指令する追従指令を生成する。そして、情報処理装置20の制御部21は、通信部22を介して、追従走行機能を有する作業車両30に生成した追従指令を送信する。
【0057】
本実施形態によれば、自動運転機能を有する車両10に作業車両30を追従走行させることで、公道等において作業車両30を人が操作する必要が無くなるので、人件費を削減することができる。また、本実施形態によれば、公道等における自動走行に供するセンサを作業車両30に搭載する必要が無くなるので、作業車両30の販価の上昇を抑えることができる。従って、公道において作業車両30を自動走行させる技術を改善することができる。
【0058】
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び改変を行ってもよいことに注意されたい。したがって、これらの変形及び改変は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部又は各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部又はステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0059】
一変形例として、情報処理装置20の構成及び動作を、互いに通信可能な複数のコンピュータに分散させた実施形態も可能である。また、情報処理装置20の一部又は全部を、例えば牽引装置として、車両10又は後述する無人航空機50に搭載させた実施形態も可能である。
【0060】
また、一変形例として、情報処理装置20の制御部21は、作業車両30による車両10への追従走行の不安定性を示す指標が所定の閾値以上であることを検知すると、作業車両30をその場で停止させる停止指令、又は作業車両30を退避走行させた後に停止させる停止指令を、通信部22を介して作業車両30に送信してもよい。具体的には、情報処理装置20の制御部21は、例えば通信部22を介して作業車両30から取得可能な作業車両30のスピン又はドリフトアウト等の程度を示す指標が所定の閾値以上であることを検知すると、作業車両30をその場で停止させる停止指令、又は作業車両30を退避走行させた後に停止させる停止指令を生成する。そして、情報処理装置20の制御部21は、通信部22を介して、生成した停止指令を作業車両30に送信する。そして、情報処理装置20の制御部21は、作業車両30が停止してから所定の時間の経過後に、通信部22を介して、車両10への追従走行を指令する追従指令を作業車両30に再び送信する。これら以外については、上述した実施形態における説明を援用する。なお、退避走行は、任意の運転支援技術を用いて作業車両30を所定の安全地帯等まで移動させることを含んでもよい。本変形例によれば、ネットワーク40の不安定性等に起因して上述した追従指令の送信を完了できないために、作業車両30の追従走行が一時的に不安定となった場合であっても、安全性を確保することができる。
【0061】
また、一変形例として、自動運転機能を有する車両10に代えて、ドローン等の無人航空機50が作業車両30を先導してもよい。本変形例では、情報処理装置20の制御部21は、無人航空機50への追従走行を指令する追従指令を生成する。そして、情報処理装置20の制御部21は、通信部22を介して、追従走行機能を有する作業車両30に生成した追従指令を送信する。情報処理装置20の具体的な動作については、車両10に代えて無人航空機50が作業車両30を先導すること、及び車両10の走行ルートに代えて無人航空機50の飛行ルートが選択されること以外、
図5に示すフローチャートに関する説明を援用する。なお、本変形例に係る無人航空機50は、
図6に示すように、制御部51と、通信部52と、記憶部53と、取得部54と、を備え、制御部51が無人航空機50の飛行制御を行うこと以外、上述した実施形態における各部の説明を援用する。本変形例によれば、例えば、無人航空機50の制御部51は、取得部54を介して無人航空機50と作業車両30との間への他車両の割り込みを検知すると、当該他車両の後方に自身が移動する飛行制御を行うことも可能である。また、無人航空機50の制御部51は、通信部52を介して取得した作業車両30が備える農作業等に供するカメラ等によって取得された画像から作業車両30の周辺の異常を検知すると、現場確認のため作業車両30の周辺に移動する飛行制御を行うことも可能である。
【0062】
また、一変形例として、汎用のコンピュータを、上述した実施形態に係る情報処理装置20として機能させる実施形態も可能である。具体的には、上述した実施形態に係る情報処理装置20の各機能を実現する処理内容を記述したプログラムを、汎用のコンピュータのメモリに格納し、プロセッサによって当該プログラムを読み出して実行させる。したがって、本開示は、プロセッサが実行可能なプログラム、又は当該プログラムを記憶する非一時的なコンピュータ可読媒体としても実現可能である。
【符号の説明】
【0063】
1 システム
10 車両
11 制御部
12 通信部
13 記憶部
14 取得部
20 情報処理装置
21 制御部
22 通信部
23 記憶部
30 作業車両
31 制御部
32 通信部
33 記憶部
34 取得部
35 作業部
40 ネットワーク
50 無人航空機
51 制御部
52 通信部
53 記憶部
54 取得部