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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】口腔洗浄器
(51)【国際特許分類】
   A61C 17/028 20060101AFI20240820BHJP
   A61C 17/02 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
A61C17/028
A61C17/02 J
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022527824
(86)(22)【出願日】2020-11-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-02-01
(86)【国際出願番号】 EP2020081984
(87)【国際公開番号】W WO2021099212
(87)【国際公開日】2021-05-27
【審査請求日】2023-09-07
(31)【優先権主張番号】62/938,636
(32)【優先日】2019-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】20154459.0
(32)【優先日】2020-01-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】Koninklijke Philips N.V.
【住所又は居所原語表記】High Tech Campus 52, 5656 AG Eindhoven,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】アルブライト イーサン
(72)【発明者】
【氏名】ブルフマンス マールテン ヨハネス ベルナルドス
【審査官】松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0127641(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0272782(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0154640(US,A1)
【文献】特表2016-513519(JP,A)
【文献】特開昭49-048846(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 15/00-17/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
口腔洗浄器であって、
出力ノズルと、
前記出力ノズルから排出するために、加圧された液体の流れを前記出力ノズルに供給するフローシステムと、
前記出力ノズルから排出される加圧流の流量を制御するコントローラとを有し、
前記コントローラが、一連のパルスとして時間にわたり変化する流量を供給し、各パルスが、少なくとも前記パルスの持続時間の大部分にわたって漸増する流量振幅を持ち、前記パルス間に時間ギャップが提供され、各パルスは、一つの歯間スペースの口腔洗浄のためのものである、口腔洗浄器。
【請求項2】
各パルスがゼロ流量で始まり、最大流量で終わる、請求項1に記載の口腔洗浄器。
【請求項3】
各パルスが、時間と共に単調に減少する勾配を持つ流量ランプを有する、請求項1又は2に記載の口腔洗浄器。
【請求項4】
前記勾配が、各パルスの終了時にゼロである、請求項3に記載の口腔洗浄器。
【請求項5】
各パルスが、
時間と共に単調に増加する勾配を持つ流量ランプ、又は
一定の勾配を持つ流量ランプを有する、請求項1又は2に記載の口腔洗浄器。
【請求項6】
各パルスが、流量振幅における一連の段階的な増加を有する、請求項1又は2に記載の口腔洗浄器。
【請求項7】
隣接する段差の中心点を結ぶ直線の傾きが、時間とともに単調に減少する勾配を持つ、請求項6に記載の口腔洗浄器。
【請求項8】
前記流量が、パルス間でゼロである、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の口腔洗浄器。
【請求項9】
前記流量が、前記パルスの間にゼロでないベースライン値を持ち、前記パルスは、前記ベースライン上に重畳される、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の口腔洗浄器。
【請求項10】
各パルスが、0.5~3秒の範囲持続時間を持つ、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の口腔洗浄器。
【請求項11】
パルス間の時間ギャップが、0.2~2秒範囲の持続時間を持つ、請求項1乃至10のいずれか1項に記載の口腔洗浄器。
【請求項12】
可聴又は可視出力装置を更に有し、前記コントローラが、前記出力装置を制御して、歯毎のタイミングを示す信号を出力する、請求項1乃至11のいずれか1項に記載の口腔洗浄器。
【請求項13】
コントローラを有する口腔洗浄器の作動方法において、
前記コントローラが、出力ノズルから排出するために、加圧された液体の流れを前記出力ノズルに供給するステップと、
前記コントローラが、前記出力ノズルから排出される加圧流の流量を制御し、一連のパルスとして時間にわたり変化する流量を前記ノズルに供給するステップであって、各パルスが、少なくとも前記パルスの持続時間の大部分にわたって漸増する振幅を持ち、前記パルス間に時間ギャップが提供され、各パルスは、一つの歯間スペースの口腔洗浄のためのものである、ステップとを有する、方法。
【請求項14】
前記コントローラが、ゼロ流量で開始し、最大流量で終了するように各パルスを生成するステップを有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
各パルスが、時間と共に単調に減少する勾配を持つランプを有する、請求項13又は14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔洗浄器に関する。
【背景技術】
【0002】
口腔洗浄器は、加圧水を使って歯間から及び歯肉縁にそって歯垢及び食べかすを除去する装置である。
洗浄器は、カウンタートップ及びハンドヘルドの2つの形態がある。
カウンタートップ洗浄器は、ポンプを備えたベースユニットと、チューブを用いてハンドルに接続される水のリザーバとから成り、その一部をユーザが口にくわえて、目的の治療部位に水が適用される。
【0003】
ハンドヘルド洗浄器は、機能的にはカウンタートップ洗浄器と同じであるが、ポンプとリザーバを1つのハンドヘルド装置に含む。
【0004】
特に、手先が不自由でフロスが使えない方又は歯科矯正中の方には、歯肉炎の治療に口腔洗浄器が効果的である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、その効果は使い方に大きく依存する。
【0006】
通常、口腔洗浄器の使用時には、効果に直接影響する3つのユーザが制御可能なパラメーターがあり、それは強さ、歯から歯への移動速度、及び治療時間である。
最良の結果を得るためには、快適に使用されることができる最も高い強度の設定を使用し、約90~120秒で口の中全体をユーザが処置することができるような速度で歯茎のラインに沿って歯から歯へと移動させることが推奨されることが多い。
しかしながら、一般的に、正しいケイデンスを確立することは実際難しく、特に初心者の場合、多くのユーザが、急いでルーチンをこなし、最良の結果を得るには速すぎる傾向がある。
【0007】
1つの既知のソリューションは、30秒ごとなど一定時間ごとにタイマーを使ってユーザに警告することである。これは、口腔内の各象限を処置するのに必要な時間とほぼ一致する。ユーザに警告するため、1つのアプローチは、ポンプモーターのオフ及びオンを電子的に素早く数回切り替えるものがある。
【0008】
このタイマーソリューションには、いくつかの問題点がある。まず、採用されるアラートは、ユーザにとって必ずしもわかりやすいものではなく、見逃しやすいということである。第2に、警告の間隔が長すぎて、ユーザのケイデンスの意味のある尺度を提供しないことである。
【0009】
このソリューションは、ユーザが各歯の間隔に対して正確な速度を推測することを課し、これをうまく行うことは困難である。もしユーザがあるセクションを終えるのが早過ぎると、ユーザは次のセクションに移るのが早過ぎる可能性がある。もし、あるセクションを完了する前に警告が発生する場合、ユーザはそのまま次のセクションの冒頭に進む可能性がある。いずれの場合も、未処理領域又は処理不足の領域がもたらされることになる。
【0010】
リアルタイムにクローズドループフィードバックをユーザに提供することが検討されている。しかしながら、これは、技術的に複雑で高コストなソリューションをもたらし、十分な精度で実現するのが難しい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、特許請求の範囲により規定される。
【0012】
本発明の一態様による実施例によれば、口腔洗浄器が提供され、これは、
出力ノズルと、
出力ノズルから排出するために、加圧された液体の流れを出力ノズルに供給するフローシステムと、
上記出力ノズルから排出される加圧流の流量を制御するコントローラとを有し、
上記コントローラは、一連のパルスとして時間と共に変化する流量を供給するよう構成され、各パルスが、少なくともパルスの持続時間の大部分にわたって漸増する振幅を持つ。
【0013】
ノズルにより供給される流量のパルスは、ユーザへのフィードバック情報として使用され、歯間から次の歯間へのユーザの進行のタイミングをアシストする。パルスは徐々に流量を増加させるので、流量の段階的増加による飛沫又は衝撃が軽減される。この口腔洗浄器は、オープンループのリアルタイムガイダンスを実現し、クローズドループフィードバックシステムのコスト及び複雑さを伴わずに、ユーザーエラーを低減する。
【0014】
各パルスは例えば、ゼロ流量で始まり、最大流量で終わる。この場合、パルスの持続時間中、流量は徐々に増加し、洗浄プロセスで意図された最大流量で終了する。
【0015】
各パルスは、時間と共に単調に減少する勾配を持つランプを有することができる。こうして、パルスの終わりに向かって流量が時間的に一定になるため、意図した最大流量又はそれに近い流量の流れが一定期間供給される。これは、各パルス終了時の流量の短時間スパイクを防ぐ。勾配は例えば、各パルスの終わり(即ち、パルスが停止する直前)にゼロとすることができる。
【0016】
各パルスは実質的に瞬時に終了してもよいが、各パルスの終了時に傾斜を持たせてもよい。従って、流量の増加はパルスの全期間にわたって続く必要はない。パルス終了時の流量の変化は、ユーザにとってすぐに分かるようにする必要があるため、急激な変化が好ましい。
【0017】
他の例では、各パルスは、
時間と共に単調に増加する勾配を持つランプ、又は
一定の勾配を持つランプを有することができる。
【0018】
他の例では、各パルスは、振幅の一連の増分ステップ増加を有することができる。これは、上記のアナログ実現の離散実現を提供すると考えられることができる。これは、よりシンプルな制御の実現を可能にすることができる。
【0019】
例えば、隣接するステップを結ぶ直線の傾きは、時間とともに単調に減少する勾配を持つことができる。これは、上記の対応するアナログバージョンの離散バージョンである。
【0020】
パルス間の流量はゼロであってもよい。そのため、ユーザは、流れが止まったことを認識し、これは、次の歯間スペースに進むためのインジケーションである。
【0021】
流量は代わりに、パルス間にゼロでないベースライン値を持ち、パルスはベースライン上に重畳される。これは、フローシステムの摩耗を減らすため、又はよりシンプルな制御方法を可能にするために使用されることができる。
【0022】
パルスは例えば、0.5~3秒の範囲の持続時間を持つ。これは、一つの歯間スペースを洗浄するのに適した時間である。持続時間は、1秒から2秒の範囲とすることができる。パルス間の時間ギャップは、0.2~2秒、例えば0.5~1秒の範囲の持続時間を持つことができる。これは、全体のプロセスを過度に長引かせることなく、歯間スペースの間の移行に適した時間である。
【0023】
口腔洗浄器は、可聴又は可視の出力装置を更に有することができ、上記コントローラが、上記出力装置を制御して、歯毎のタイミングを示す信号を出力する。これは、ユーザへの追加のフィードバックを提供する。出力信号は、パルスに同期される。
【0024】
本発明はまた、口腔洗浄を提供する方法も提供し、これは、
出力ノズルから排出するために、加圧された液体の流れを出力ノズルに供給するステップと、
出力ノズルから排出される加圧流の流量を制御し、一連のパルスとして時間的に変化する流量を供給するステップであって、各パルスが、少なくともパルスの持続時間の大部分にわたって漸増する振幅を持つ、ステップとを有する。
【0025】
この方法は、ゼロ流量で開始し、最大流量で終了するように各パルスを生成するステップを有することができる。各パルスは、時間と共に単調に減少する勾配を持つランプを有することができる。
【0026】
本発明のこれら及び他の側面が、以下に説明する実施形態から明らかとなり、実施形態を参照して説明されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明に基づき制御され得る口腔洗浄器の一例を示す図である。
図2】ノズルが歯間スペースの間に進められる様子を示す図である。
図3】供給される流れの可能な流量パルスの例を示す図である。
図4】供給される流れの可能な流量パルスの例を示す図である。
図5】供給される流れの可能な流量パルスの例を示す図である。
図6】供給される流れの可能な流量パルスの例を示す図である。
図7】供給される流れの可能な流量パルスの例を示す図である。
図8】供給される流れの可能な流量パルスの例を示す図である。
図9】供給される流れの可能な流量パルスの例を示す図である。
図10】供給される流れの可能な流量パルスの例を示す図である。
図11】供給される流れの可能な流量パルスの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明の好適な理解のため、及びその実現方法をより明確に示すため、例示に過ぎない添付の図面が参照される。
【0029】
図を参照して本発明が説明される。
【0030】
詳細な説明及び具体的な例は、装置、システム、及び方法の例示的な実施形態を示すものの、説明のみを目的としており、本発明の範囲を限定することを意図していない点を理解されたい。本発明の装置、システム、及び方法のこれら及び他の特徴、側面、及び利点が、以下の説明、添付の請求項、及び添付の図面からより好適に理解されるであろう。図は単なる概略的なものであり、縮尺に合わせて描かれていないことを理解されたい。同一又は類似の部品を示すために図を通して同じ参照番号が使用される点も理解されたい。
【0031】
本発明は、流量を一連のパルスとして供給する口腔洗浄器を提供し、各パルスは、パルスの時間持続の少なくとも大部分にわたって漸進的に増加する振幅を持つ。各パルスは、1つの歯間スペースの清掃に対して意図される。
【0032】
従って、本発明は、流量出力のパルスの流量を調節することに関する。本発明の流量調節を説明する前に、口腔洗浄器の一般的な構造が概説される。
【0033】
図1は、カウンタートップ洗浄器10の典型的なアーキテクチャの一例を示す。
【0034】
洗浄器は、ピストンポンプなどのポンプ14を介して出力ノズル16に水を供給する水リザーバ12を有する。ポンプは、制御回路20の制御のもと、ポンプモーター18により駆動される。制御回路は、モーターの回転数を制御し、これにより、ポンプにより実現される圧力差及び従って流量が制御される。
【0035】
遮断弁22は、出力ノズル16と直列に、及びその上流にあり、ユーザが流れを開始及び停止することが可能にされる。遮断弁及び出力ノズルは、口腔洗浄器のハンドヘルドヘッドの部品である。
【0036】
洗浄器はまた、(最大)流量を設定するための強度制御弁24と、圧力開放弁26とを含む。
【0037】
代わりに同じ機能が、完全なハンドヘルド装置で実現されることもできる。
【0038】
歯ブラシの使い方と同様に、口腔洗浄器の使い方も技術に大きく依存する。適切な技術は一般に、製品の使用説明書に記載されるか、又は歯科医師により指導される。それにもかかわらず、多くのユーザは正しい技術を身につけるのに苦労し、しばしばルーチンにかける時間が短すぎる。
【0039】
この問題に対する唯一の既知の技術的解決策は、所定の時間が経過したときにユーザに警告を発するタイマーである。
【0040】
図2は、矢印30で示すように、ユーザがノズル16を歯間スペースから歯間スペースへ移動させる様子を示す。
【0041】
本発明は、加圧された流れの一連のパルスを供給するシステムを提供し、各パルスは、歯間スペースに対応する。しかしながら、各パルスを方形波パルスとして提供する代わりに、個々のパルス中の流量が、パルスの時間持続の少なくとも大部分にわたって漸増する振幅を持つ。
【0042】
図3は、流量F対時間としてプロットされる一連のパルス40の第1の例を示す。流量は、モーター、及び従ってポンプを制御することにより調整される。従って、y軸は、代わりに、モーター駆動信号(例えば、電圧)を表すことができる。
【0043】
パルスは例えば、それぞれ0.5~3秒の範囲の持続時間t1を持つ。これは、一つの歯間スペースを洗浄するのに適した時間である。持続時間は、1~2秒の範囲とすることができ、例えば1.5秒などである。
【0044】
パルス間の時間間隔t2は、0.2~2秒、例えば0.5~1秒の範囲の持続時間を持つことができる。これは、全体のプロセスを過度に長引かせることなく、歯間スペースの間の移行に適した時間である。
【0045】
歯間スペースが全部で30(大人の歯並びの場合)であり、各スペースの両側を処置する場合(即ち60パルス)、これは、42秒(1スペースにつき0.5秒、ギャップにつき0.2秒、1.4Hz)~300秒(1スペースにつき3秒、ギャップにつき2秒、0.2Hz)の処置時間に対応する。より好ましくは、結果として得られる総処置時間は、60秒(1Hz)~120秒(0.5Hz)の範囲にあり、例えば約80秒(0.75Hz)、約90秒(0.67Hz)又は約80から約90秒の間などである。例えば、80秒は、1秒のパルスと0.33秒のギャップというように、歯間スペースあたり1.33秒に対応する。
【0046】
これらのタイミングは、後述する流量プロファイルの全ての例に適用される。
【0047】
ノズルにより供給される流量のパルスはユーザにより知覚され、フィードバック情報として使用され、ある歯間スペースから次の歯間スペースへのユーザの進行のタイミングをアシストする。
【0048】
パルスは徐々に流量を増加させるので、流量の段階的増加による飛沫又は衝撃が軽減される。
【0049】
図3の例では、各パルスはゼロ流量で始まり、最大流量で終わる。この場合、パルスの持続時間中、流量は徐々に増加し、洗浄プロセスで意図された最大流量で終了する。これは、流量パルスの終了が瞬時であることを想定している。実際には、流量がゼロになるまでの時間は有限である。なぜなら、ポンプモーターが減速して停止するからである。しかしながら、瞬時に流れを止めることが意図される例では、このエンドランプはパルスの一部とはみなされず、モーターに流れ停止の指示が与えられる時点でパルスは終了すると考えられることができる。こうして、意図した最大流量でパルスが終了する。
【0050】
以下の例から明らかなように、パルスは代わりに、パルスの終わりに流量を減少させる期間を意図的に持つことができる。各パルスの終わりが傾斜であっても、流量の変化はユーザにとって知覚可能であるため、シャープな変化が好ましい。
【0051】
図3では、各パルスは時間と共に単調に減少する勾配を持つランプを有する。こうして、パルスは比較的急な勾配で始まり、流量が素早く増加し、より平坦な勾配で終わる。その結果、より一定の流量が供給される。これは、パルスの持続時間の一部(即ち終了時)において、意図した最大流量の又はそれに近い流れの期間を与える。
【0052】
図4図11は、再度流量(又はモータ駆動電圧)対時間で、代替的なパルス形状を示す。
【0053】
図4は、パルスが直線的なランプを有する第1の選択肢を示す。
【0054】
図5では、各パルスは、時間と共に単調に増加する勾配を持つランプを有する。こうして、パルスは比較的平坦な勾配で始まり、流量が徐々に増加する。
【0055】
図4及び図5は、各パルスの終了時に流量に短時間のスパイクが現れる点で、図3よりも好ましくない。そのため、所望の最適な流量の又はそれに近い流れの持続的な供給がない。しかしながら、各パルスの終わりが、より気づきやすい場合がある。
【0056】
図6は、図3に対する修正を示し、そこでは、各パルスの終わり(即ちパルスが停止する直前)に勾配がゼロになる。これは、最適な処理結果を得るために望ましい最大流量での持続された流量の期間がある。
【0057】
図3図6はいずれも、流量ゼロ、即ちポンプモーターの停止状態で始まり、流量ゼロで終わるパルスを示す。
【0058】
図7は、図6に対する修正を示し、そこでは、各パルスがベースラインに対して重畳される。これは、フローシステムの摩耗を減らすため、又はよりシンプルな制御方法を可能にするために使用されることができる。ベースライン値に対する流量の減少は、流量変化をユーザにより容易に知覚可能なものにするのに十分である。
【0059】
図3図7はいずれも、滑らかな、即ちアナログ形状を持つパルスを示す。
【0060】
図8は、図6に対する修正を示し、そこでは、各パルスが流量の振幅の一連の増分ステップを有する。これは、図6のアナログ実現の離散的実現を提供すると考えられることができる。これは、モーターのよりシンプルな制御実現を可能にすることができる。
【0061】
すべてのアナログパルス形状の離散的バージョンが実現されることができる。各パルスの形状は、そのアナログ等価物により特徴付けられる。例えば、図8では、隣接ステップの中心点を結ぶ線の傾きは、時間とともに単調に減少する勾配を持つ。これは、図6の離散的バージョンである。
【0062】
図3図8はいずれも、最大流量で終了するパルスを示し、瞬時にゼロ又はベースラインに意図的に戻ることは無視される。
【0063】
図9は、終了する前にパルスがピークを迎え、及び従ってゼロ又はベースラインに戻る前であっても、パルスの終了時に負の勾配を持つ例を示す。
【0064】
従って、パルスの流量は、パルスの持続時間のすべてにわたって漸増する必要はない。その代わり、それは、少なくともパルスの持続時間の大部分にわたって増加することができる。言い換えると、パルスが最大流量にあるのは、パルスの持続時間の半分以下である。
【0065】
このオプションの他の例として、図10は、最初の直線的なランプの後、最大流量の期間が続く例を示す。増加の期間は例えば、最大に達した後、パルスの前半の間続くことができる。
【0066】
図3図10はいずれも、パルスの終了時にゼロ又はベースラインに瞬時に戻ることを意図したパルスを示したものである。
【0067】
図11は、パルスの一部と考えられるゼロ(又はベースライン)への意図的なランプダウンがある例を示す。
【0068】
図示されるすべての例において、すべてのパルスは同じピーク流量を持つ。しかしながら、これは例えばユーザからの入力に基づき、時間の経過とともに変化する場合がある。従って、ユーザは最大流量を設定することができる。
【0069】
ユーザは、弁22を使用してパルスのシーケンスを中断し、準備ができたときにシーケンスを再び開始することができる。
【0070】
口腔洗浄器は、可聴又は可視の出力装置を更に有することができ、上記コントローラが、上記出力装置を制御して、歯毎のタイミングを示す信号を出力するよう構成されることができる。これは、ユーザへの追加のフィードバックを提供する。出力信号はそのパルスに同期される。
【0071】
開示された実施形態への変形は、図、開示、及び添付の請求項の検討から、請求項に記載された発明を実施する当業者により理解及び実施されることができる。特許請求の範囲において、「有する」という語は、他のステップ又は要素を除外するものではなく、不定冠詞「a」又は「an」は複数性を除外するものではない。
【0072】
ある手段が相互に異なる従属請求項に記載されるという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用されることができないことを示すものではない。
【0073】
特許請求の範囲又は明細書において、「~よう適合」という用語が使用される場合、「~よう適合」という用語は「~よう構成された」という用語と同等であることが意図されることに留意されたい。
【0074】
特許請求の範囲に記載される任意の参照符号は、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11