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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】端末装置及び基地局
(51)【国際特許分類】
   H04W 76/27 20180101AFI20240820BHJP
   H04W 74/08 20240101ALI20240820BHJP
   H04W 76/19 20180101ALI20240820BHJP
【FI】
H04W76/27
H04W74/08
H04W76/19
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022558192
(86)(22)【出願日】2020-03-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-11
(86)【国際出願番号】 CN2020081817
(87)【国際公開番号】W WO2021189462
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ワン ガン
【審査官】倉本 敦史
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0037447(US,A1)
【文献】3GPP TS36.331 V15.8.0,2020年01月08日,pp.68-70, 88-90
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置であって、
スモールデータ送信(SDT)のために設定されるデータ無線ベアラ(DRB)を示す情報を含む無線リソース制御(RRC)リリースメッセージを基地局から受信する手段と、
前記DRBが非アクティブ状態における第1のアップリンクデータの送信をサポートする旨の決定に基づいて、前記SDTを非アクティブ状態において開始することを決定する手段と、
前記DRB、第1のシグナリング無線ベアラ(SRB)、および前記SDTのために設定される第2のSRBが保留されていると決定する手段と、
前記DRB、前記第1のSRB、および前記第2のSRBを再開する手段と、
前記DRB、前記第1のSRB、および前記第2のSRBに基づいて、非アクティブ状態において前記第1のアップリンクデータを前記基地局へ送信する手段と、を含む、
端末装置。
【請求項2】
前記第1のアップリンクデータのサイズを決定する手段をさらに含み、
前記端末装置は、前記第1のアップリンクデータの前記サイズが閾値以下の場合に、前記SDTを開始することを決定する、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記閾値を示す情報を含むシステム情報を前記基地局から受信する手段をさらに含む、請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記SDTのために、configured grant情報が保持されているか否かを決定する手段と、
前記configured grant情報が前記SDTのために保持されていると決定したことに従って、前記SDTに関連付けられているタイミングアドバンス(TA)が有効であるか否かを決定する手段と、
前記TAが有効であると決定したことに従って、前記configured grant情報に基づいて、前記SDTを実行する手段と、
前記configured grant情報が設定されていないか、または前記TAが有効ではないと決定したことに従って、ランダムアクセスプロシージャに基づいて、前記SDTを実行する手段と、
をさらに含む請求項1から3のいずれか1つに記載の端末装置。
【請求項5】
前記SDT中に、ネットワーク装置によってサービングされる第1セルから第2基地局によってサービングされる第2セルへ再選択することに応じて、アイドル状態に入る手段をさらに含む、
請求項1から4のいずれか1つに記載の端末装置。
【請求項6】
configured grant又はdynamic grantに基づいて後続の送信を実行する手段をさらに含む、
請求項1から5のいずれか1つに記載の端末装置。
【請求項7】
基地局であって、
スモールデータ送信(SDT)のために設定されるデータ無線ベアラ(DRB)を示す情報を含む無線リソース制御(RRC)リリースメッセージを、端末装置に送信する手段を有し、
前記DRBが非アクティブ状態における第1のアップリンクデータの送信をサポートする旨の決定に基づいて、前記SDTが非アクティブ状態の前記端末装置によって開始されることが決定され、
前記DRB、第1のシグナリング無線ベアラ(SRB)、および前記SDTのために設定される第2のSRBが保留されていると決定され、
前記DRB、前記第1のSRB、および前記第2のSRBが再開され、
前記DRB、前記第1のSRB、および前記第2のSRBに基づいて、非アクティブ状態において前記端末装置から前記第1のアップリンクデータを受信する手段と、
を含む基地局。
【請求項8】
前記第1のアップリンクデータのサイズが閾値以下の場合に、前記SDTが開始することが決定される、
請求項7に記載の基地局。
【請求項9】
前記閾値を示す情報を含むシステム情報を前記端末装置に送信する手段をさらに含む請求項8に記載の基地局。
【請求項10】
前記送信する手段は、
前記SDTのために、configured grant情報が保持され、かつ前記SDTに関連付けられているタイミングアドバンス(TA)が有効であると決定されたことに従って、前記configured grant情報に基づいて、前記SDTを実行することと、
前記configured grant情報が設定されていないか、または前記TAが有効ではないと決定されたことに従って、ランダムアクセスプロシージャに基づいて、前記SDTを実行することと、
を含む請求項7または8に記載の基地局。
【請求項11】
前記SDT中に、前記基地局によってサービングされる第1セルから第2基地局によってサービングされる第2セルへの再選択に応じて、前記端末装置がアイドル状態に入る、
請求項7から10のいずれか1つに記載の基地局。
【請求項12】
configured grant又はdynamic grantに基づいて後続の送信を受信する手段をさらに含む請求項7から11のいずれか1つに記載の基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、全体として電気通信の分野に関するものであり、特にスモールデータ送信(SDT)制御のための通信方法、通信装置及び通信用コンピュータ記憶媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
通常、非アクティブ状態にある端末装置は依然として、送信すべき少量で頻繁ではないデータトラフィック(以下、SDTとも称する)を有する場合がある。第3世代パートナープロジェクト(3GPP)リリース16までは、非アクティブ状態はデータ転送をサポートしておらず、端末装置はダウンリンクデータとアップリンクデータのいずれについても接続を再開しなければならない。各データ送信において、データパケットの量と頻度が如何に小さくても、接続が確立され、その後非アクティブ状態にリリースされることになる。これは、不必要な電力消費とシグナリングオーバーヘッドを引き起こす。
【0003】
これに対し、3GPP リリース17は、非アクティブ状態にあるランダムアクセスチャネル(RACH)および事前に設定された物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)リソースに基くSDTを既に承認している。そのため、SDTをどのように制御するかは注目される問題になっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
全体として、本開示の例示的な実施形態は、SDT制御のための通信方法、通信装置及び通信用のコンピュータ記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様において、通信方法を提供する。この方法は、端末装置において、アップリンクデータに関連付けられているトラフィックの特性に基づいて、端末装置の非アクティブ状態においてアップリンクデータが送信されるか否かを決定することと、非アクティブ状態においてアップリンクデータが送信されると決定したことに従って、非アクティブ状態においてアップリンクデータの送信のための無線ベアラを復旧することと、端末装置が非アクティブ状態にあるときに、無線ベアラに基づいて、アップリンクデータをネットワーク装置に送信することと、を含む。
【0006】
第2態様において、通信方法を提供する。この方法は、ネットワーク装置において、トラフィックに関連するアップリンクデータを受信することを含み、アップリンクデータは、トラフィックの特徴に基づいて端末装置によって非アクティブ状態で送信される、そして、アップリンクデータの受信に対する応答を端末装置に送信する。
【0007】
第3態様において、端末装置を提供する。端末装置は、プロセッサと、プロセッサに結合されたメモリとを含む。メモリは、プロセッサによって実行された場合、端末装置に本開示の第1態様に記載の方法を実行させる命令を記憶する。
【0008】
第4態様において、ネットワーク装置を提供する。ネットワーク装置は、プロセッサと、プロセッサに結合されたメモリとを含む。メモリは、プロセッサによって実行された場合、ネットワーク装置に本開示の第2態様に記載の方法を実行させる命令を記憶する。
【0009】
第4態様において、記憶された命令を有するコンピュータ可読媒体を提供する。命令は、少なくとも1つのプロセッサ上で実行された場合、当該少なくとも1つのプロセッサに、本開示の第1態様に記載の方法を実行させる。
【0010】
第6態様において、記憶された命令を有するコンピュータ可読媒体を提供する。命令は、少なくとも1つのプロセッサ上で実行された場合、当該少なくとも1つのプロセッサに、本開示の第2態様に記載の方法を実行させる。
【0011】
本開示の他の特徴は、以下の説明により容易に理解できるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図面において本開示のいくつかの実施形態をさらに詳細に説明することで、本開示の上述の及びその他の目的、特徴及び利点を、さらに明らかにする。
【0013】
図1】本開示のいくつかの実施形態を実施可能な例示的な通信ネットワークを示す図である。
【0014】
図2】本開示のいくつかの実施形態にかかる、SDT制御のための通信プロセスを示す模式図である。
【0015】
図3】本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置において実装される例示的な通信方法を示す図である。
【0016】
図4】本開示のいくつかの実施形態にかかる、非アクティブ状態においてアップリンクデータの例示的な送信方法を示す図である。
【0017】
図5】本開示のいくつかの実施形態にかかる、ランダムアクセスプロシージャに基づいてアップリンクデータを送信する別の例示的な方法を示す図である。
【0018】
図6】本開示のいくつかの実施形態にかかる、後続の送信がサポートされるか否かを決定する例示的な方法を示す図である。
【0019】
図7】本開示のいくつかの実施形態にかかる、ネットワーク装置において実装される例示的な通信方法を示す図である。
【0020】
図8】本開示のいくつかの実施形態にかかる、ネットワーク装置において実装される別の例示的な通信方法を示す図である。
【0021】
図9】本開示のいくつかの実施形態にかかる、ネットワーク装置において実装される別の例示的な通信方法を示す図である。
【0022】
図10】本開示の実施形態を実装するのに適した装置の概略ブロック図である。
【0023】
図中、同一又は類似の参照番号は、同一又は類似の要素を表す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
ここで、いくつかの実施形態を参照して、本開示の原理を説明する。これらの実施形態は、説明のためにのみ記載され、当業者が本開示を理解し、実施するのを助けるものであり、本開示の範囲に関するいかなる制限も示唆しないことが理解されるべきである。本文で説明される開示内容は、以下で説明される方法とはことなる様々な方法で実施することができる。
【0025】
以下の説明及び特許請求の範囲において、別途定義されていない限り、本文で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本開示の当業者が一般に理解するものと同一の意味を有する。
【0026】
本文で使用されるように、用語「端末装置」は、無線又は有線の通信能力を有する任意の装置を意味する。端末装置の例としては、ユーザ装置(UE)、パーソナルコンピュータ、デスクトップコンピュータ、携帯電話、セルラーホン、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ポータブルコンピュータ、タブレット、ウェアラブル装置、モノのインターネット(IoT)装置、あらゆるモノのインターネット(IoE)装置、マシンタイプ通信(MTC)装置、V2X通信のための車載装置などを含むが、これらに限定されない、V2Xの「X」は歩行者、車両又はインフラ/ネットワーク、あるいはデジタルカメラなどの画像取得装置、ゲーム装置、音楽保存及び再生装置、あるいは無線又は有線のインターネットアクセス及び閲覧を可能とするインターネット家電などを表す。「端末装置」という用語は、UE、移動局、加入者局、移動端末、ユーザ端末、または無線デバイスと互換的に使用することができる。また、「ネットワーク装置」という用語は、端末装置が通信可能なセルまたはカバレッジを提供またはホストすることのできるデバイスを意味する。ネットワーク装置の例としては、ノードB(NodeB又はNB)、進化型ノードB(eNodeB又はeNB)、次世代ノードB(gNB)、送受信点(TRP)、リモートラジオユニット(RRU)、ラジオヘッド(RH)、リモートラジオヘッド(RRH)、フェムトノード、ピコノードなどの低電力ノードを含むが、これらに限定されない。
【0027】
一実施形態において、端末装置は、第1ネットワーク装置及び第2ネットワーク装置に接続することができる。第1ネットワーク装置と第2ネットワーク装置の一方をマスターノードとして、他方をセカンダリ―ノードとしてもよい。第1ネットワーク装置と第2ネットワーク装置は、異なるRATを利用してもよい。一実施形態において、第1ネットワーク装置は第1 RAT装置であってもよく、そして第2ネットワーク装置は第2 RAT装置であってもよい。一実施形態において、第1RATデバイスはeNBであり、第2RATデバイスはgNBである。異なるRATに関する情報は、第1ネットワーク装置及び第2ネットワーク装置の少なくとも一方から端末装置に送信することができる。一実施形態において、第1情報は、第1ネットワーク装置から端末装置に送信されてもよく、そして第2情報は、第2ネットワーク装置から直接または第1ネットワーク装置を介して端末装置に送信されてもよい。一実施形態において、第2ネットワーク装置によって設定された端末装置の設定に関する情報は、第2ネットワーク装置から第1ネットワーク装置を介して送信することができる。第2ネットワーク装置によって設定された端末装置の再設定に関する情報は、第2ネットワーク装置から直接又は第1ネットワーク装置を介して端末装置に送信することができる。
【0028】
単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈に明示的に示されていない限り、複数形も含む。「含む」という用語およびその変型は、「含むが、これらに限定されるものではない」を意味するオープンエンド用語として理解されるべきである。「に基づく」という用語は、「に少なくとも部分的に基づく」と理解されるべきである。「一実施形態」および「実施形態」という用語は、「少なくとも1つの実施形態」と理解されるべきである。「別の実施形態」という用語は、「少なくとも1つの別の実施形態」と理解されるべきである。「第1」、「第2」などの用語は、異なる又は同一の対象を指すことができる。その他の明示的及び暗黙的な定義は以下に含まれることがある。
【0029】
いくつかの例において、値、プロシージャ、又は機器は、「最良」、「最低」、「最高」、「最小」、「最大」などと呼ばれる。このような説明は、多くの使用される機能的代替案の中から選択することができることを示すことを意図されており、そして、このような選択は、他の選択より良く、より小さく、より高い必要がなく、又はそのほかの点でより好ましい必要はないことは、理解されるべきである。
【0030】
図1は、本開示の実施形態を実施可能な例示的な通信ネットワーク100を示す模式図である。図1に示すように、通信ネットワーク100は、ネットワーク装置110と、ネットワーク装置110からサービスを受ける端末装置120とを含むことができる。ネットワーク装置110と端末装置120とは、無線通信チャネルなどのチャネルを介して互いに通信可能である。例えば、端末装置120は、データパケット(すなわち、アップリンクデータ)をネットワーク装置110に送信することができ、ネットワーク装置110は、アップリンクデータの受信に対する応答を端末装置120に送信することができる。
【0031】
図1の装置の数およびタイプは、説明の目的のために与えられるものであり、本開示に対するいかなる制限も示唆しないことを理解すべきである。通信ネットワーク100は、本開示の実施態様を実施するのに適した任意の適切な数のネットワーク装置及び/又は端末装置を含むことができる。さらに、通信ネットワーク100は、ネットワーク装置及び端末装置以外の任意の他の装置(例えば、コアネットワーク要素)を含むことができるが、本発明を不明瞭にすることを避けるために、本明細書ではそれらを省略する。
【0032】
通信ネットワーク100における通信は、モバイル通信のためのグローバルシステム(GSM)、ロングタームエボリューション(LTE)、LTE-Evolution、LTE-Advanced(LTE-A)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、GSM EDGE無線アクセスネットワーク(GERAN)、マシンタイプ通信(MTC)などを含むが、これらに限定されない任意の適切な規格に準拠することができる。さらに、通信は、現在知られている、又は将来開発される任意の世代の通信プロトコルに従って実行することができる。通信プロトコルの例は、第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、第5世代(5G)通信プロトコルを含むが、これらに限定されない。
【0033】
上述したように、非アクティブ状態にある端末装置120は依然として、送信すべき少量で頻繁ではないデータトラフィック(以下、SDTとも称する)を有する場合がある。いくつかの実施形態において、少量で頻繁ではないデータトラフィックは、インスタントメッセージ(IM)サービス(ワッツアップ、QQ、ウィチャットなど)からのトラフィック、IM/電子メールクライアント及び他のアプリケーションからのハートビート(heart-beat)/コネクション継続(keep-alive)トラフィック、及び様々なアプリケーションからのプッシュ通知などのスマートフォンアプリケーションを含むことができる。いくつかの実施形態において、少量で頻繁ではないデータトラフィックは、ウェアラブルデバイス(定期的な位置情報など)、センサ(温度、圧力の読み取り値を定期的に、またはイベントによりトリガする方法で送信する産業用無線センサネットワークなど)、および定期的なメーター読み取り値を送信するスマートメーター及びスマートメーターネットワークからのトラフィックなどの非スマートフォンアプリケーションを含むことができる。
【0034】
現在、端末装置の非アクティブ状態においてSDTを実行するために、事前に設定されたPUSCH上でのRACHに基づく計画及び送信は既に承認されている。しかし、SDTの性能をどのようにコントロールするかについては、さらなる詳細な解決策は提案されていない。本開示の実施形態は、SDT制御のための通信解決策を提供する。本解決策によれば、端末装置の非アクティブ状態においてSDT制御を実現することができる。以下、添付図面を参照して、本開示の原理および実施態様について詳細に説明する。
【0035】
図2は本開示のいくつかの実施形態にかかる、SDT制御のための通信プロセス200を示す模式図である。説明のために、図1を参照してプロセス200を説明する。プロセス200には、図1に示されるように、端末装置120とネットワーク装置110が関与してもよい。
【0036】
図2に示すように、非アクティブ状態にある端末装置120が送信すべきデータパケット(すなわち、アップリンクデータ)を有する場合、端末装置120は、非アクティブ状態においてアップリンクデータが送信されるか否かを決定(201)することができる。すなわち、端末装置120は、アップリンクデータの送信のためにSDTを実行するか否かを決定することができる。本開示の実施形態によれば、SDTをトリガすることは、アップリンクデータの送信をトリガする異なるトラフィックまたはサービスに基づく。
【0037】
いくつかの実施形態において、端末装置120は、少なくとも以下の条件が満たされたときにSDTを開始することができる。1)端末装置120が無線リソース制御(RRC)非アクティブ状態にあり、送信はモバイル発信呼(すなわち、アップリンクトラフィック)のためのものである。2)端末装置120はSDTをサポートし、ネットワーク装置110のシステム情報もSDTをサポートすることを示す。3)端末装置120の媒体アクセス制御(MAC)層からフォールバック指示を受信していない。4)送信をトリガするトラフィックはSDTをサポートする。
【0038】
条件4)についてのいくつかの実施形態において、端末装置120は、トラフィックのアクセスカテゴリとアクセスアイデンティティのうちの少なくとも1つを決定し、そして、アクセスカテゴリとアクセスアイデンティティのうちの該少なくとも1つが非アクティブ状態においてアップリンクデータの送信をサポートすると決定したことに従って、非アクティブ状態においてアップリンクデータが送信されると決定する。いくつかの実施形態において、SDTをサポートするアクセスカテゴリまたはアクセスアイデンティティを事前に定義してもよい。いくつかの代替実施形態において、SDTをサポートするアクセスカテゴリまたはアクセスアイデンティティは、ネットワーク装置110からのシステム情報によってブロードキャストされてもよい。いくつかの代替実施形態において、SDTをサポートするアクセスカテゴリまたはアクセスIDは、RRCメッセージ(例えば、RRC Releaseメッセージまたは任意の他の適切なメッセージ)のみによって端末装置120に対して設定されてもよい。
【0039】
いくつかの代替実施形態において、SDTのための特定のアクセスカテゴリまたはアクセスアイデンティティを導入することができる。例えば、特定のアクセスカテゴリまたはアクセスアイデンティティの値は、10または任意の他の適切な数字とすることができる。いくつかの代替実施形態において、1セットのアクセスカテゴリまたはアクセスアイデンティティがSDTをサポートすると考えることができる。例えば、SDTをサポートすると考えられる可能なアクセスカテゴリまたはアクセスアイデンティティは、11~15または任意の他の適切な数とすることができる。
【0040】
条件4)についてのいくつかの代替実施形態において、端末装置120は、トラフィックのQoSフローのサービス品質(QoS)パラメータ(すなわち、5QI)を決定することができ、そして、QoSパラメータが非アクティブ状態においてアップリンクデータの送信をサポートすると決定したことに従って、非アクティブ状態においてアップリンクデータが送信されると決定する。いくつかの実施形態において、SDTをサポートする5QI値を事前に定義してもよい。いくつかの代替実施形態において、SDTをサポートする5QI値は、ネットワーク装置110からのシステム情報によってブロードキャストされてもよい。いくつかの代替実施形態において、SDTをサポートする5QI値は、RRCメッセージ(例えば、RRC Releaseメッセージまたは任意の他の適切なメッセージ)のみによって端末装置120に対して設定されてもよい。いくつかの代替実施形態において、SDTのための特定の5QI値を導入することができる。例えば、SDTをサポートすると考えられる可能な5QI値は、66または任意の他の適切な数とすることができる。
【0041】
条件4)についてのいくつかの代替実施形態において、端末装置120は、トラフィックのために1つまたは複数のデータ無線ベアラ(DRB)を決定することができ、該1つまたは複数のDRBが非アクティブ状態においてアップリンクデータの送信がサポートされると決定したことに従って、非アクティブ状態においてアップリンクデータが送信されると決定する。いくつかの実施形態において、非アクティブ状態においてSDTはUEのために開始され、SDTに使用される設定が保存されたUEコンテキストに基づいているため、1つのDRBによるSDTのサポートは、該保存されたUEコンテキストに含まれる場合がある。いくつかの代替実施形態において、1つのDRBによるSDTのサポートは、RRC接続状態の間、すなわちRRCReconfigurationメッセージまたは任意の他の適切なメッセージによって設定されてもよい。いくつかの代替実施形態において、例えば、RRCReleaseメッセージまたは保留指示を伴う他の任意の適切なメッセージによって、端末装置120が非アクティブ状態にされた際に、1つのDRBによるサポートを設定してもよい。
【0042】
条件4)についてのいくつかの代替実施形態において、端末装置120は、非アクティブ状態においてアップリンクデータが送信されるか否かについての第1指示を、端末装置120のRRC層において端末装置120の非アクセス層(NAS)から受信し、そして、NAS層からの第1指示に基づいて、非アクティブ状態においてアップリンクデータが送信されるか否かを決定することができる。
【0043】
条件4)についての上記の実施形態の追加の実施形態として、端末装置120はさらに、トラフィックに関連付けられているバッファされたコンテンツのサイズを決定し、そして、バッファされたコンテンツのサイズが閾値サイズより小さいと決定したことに従って、非アクティブ状態においてアップリンクデータが送信されると決定することができる。いくつかの実施形態において、バッファされたコンテンツは、送信のために利用可能なすべてのアップリンクデータ及びシグナリングに加えてMACヘッダ、および必要な場合にはMAC制御要素(CE)を参照することができる。
【0044】
いくつかの実施形態において、閾値サイズは、ネットワーク装置110からのシステム情報によってブロードキャストされてもよい。いくつかの代替実施形態において、閾値サイズは所定の値であってもよい。いくつかの代替実施形態において、SDTをサポートする閾値サイズは、RRCメッセージ(例えば、RRC Releaseメッセージ)のみによって端末装置120に対して設定されてもよい。
【0045】
バッファされたコンテンツのサイズは、アクセスカテゴリ、アクセスアイデンティティ、5QI、およびDRBのうちの1つまたは複数と組み合わせて使用することができる。いくつかの実施形態において、異なるアクセスカテゴリ、アクセスアイデンティティ、5QI、またはDRBは、閾値サイズの異なる値に関連付けることができる。このように、SDTを開始するための条件が満たされた場合、端末装置120のRRC層は、通常のデータ送信(以下、NDTとも称する)の代わりに、SDTプロシージャを開始することができる。
【0046】
図2に戻り、非アクティブ状態においてアップリンクデータが送信されると決定(201)したことに応じて、端末装置120は、非アクティブ状態においてアップリンクデータの送信のための無線ベアラを復旧(202)することができる。いくつかの実施形態において、端末装置120のRRC層は、非アクティブ状態においてアップリンクデータの送信をサポートするために必要な1つまたは複数のDRBを復旧することができる。追加として、端末装置120のRRC層は、シグナリング無線ベアラ1(SRB1)およびシグナリング無線ベアラ2(SRB2)を復旧することができる。その後、端末装置120は、復旧された設定に基づいて、非アクティブ状態においてアップリンクデータを送信することができる。
【0047】
端末装置120は、非アクティブ状態においてアップリンクデータの送信のために、設定権限付与(configured grant information)情報が記憶されているか否かを決定(203)することができる。設定許可情報が記憶されていると決定したことに従って、端末装置120は、アップリンクデータの送信に関連付けられているタイミング前進(TA:Timing Advance)が有効であるか否かを決定(204)することができる。TAが有効であると決定したことに従って、端末装置120は、設定権限付与情報を用いて、非アクティブ状態においてアップリンクデータを送信(205)することができる。
【0048】
設定権限付与情報が記憶されていないか、またはTAが有効ではないと決定したことに従って、端末装置120は、ランダムアクセスプロシージャに基づいて、非アクティブ状態においてアップリンクデータを送信することを決定することができる。例えば、端末装置120のRRC層は、下位層(すなわち、MAC層)を、ランダムアクセスに基づくSDTを実行するように構成することができる。
【0049】
ランダムアクセスプロシージャに基づいてアップリンクデータを送信すると、端末装置120は、RRC層において、後続の送信(すなわち、後続のSDT)がサポートされるか否かを決定(206)することができる。言い換えれば、端末装置は、1回のSDTのみをサポートするのか、後続のSDTをサポートするのかを決定することができる。いくつかの実施形態において、端末装置120のRRC層は、後続の送信がサポートされるか否かを決定し、その後、後続の送信がサポートされるか否かを下位層(すなわち、MAC層)に通知することができる。いくつかの実施形態において、RRC層は、後でアップリンクデータに関連付けられているバッファされたコンテンツのサイズと比較するために、SDTの開始に使用される閾値サイズをMAC層に通知してもよい。
【0050】
いくつかの実施形態において、端末装置120のRRC層は、アップリンクデータの後続の送信が端末装置120とネットワーク装置110の両方によりサポートされるか否かを決定することができる。本開示の実施形態によれば、2つのタイプの後続のSDT、すなわち、設定権限付与に基づく後続のSDTおよび動的権限付与(dynamic grant)に基づく後続のSDTをサポートすることができる。設定権限付与に基づく後続のSDTは、事前に設定されたPUSCHリソース上でのアップリンクスモールデータ送信(すなわち、送信に関連付けられているタイミング前進(TA)が有効である場合、設定権限付与タイプ1を再利用すること)を意味する。動的権限付与に基づく後続のSDTは、動的にスケジューリングされたPUSCHリソース上でのアップリンクスモールデータ送信を意味する。
【0051】
いくつかの実施形態において、後続の送信をネットワーク装置110によりサポートできるか否か、およびどのタイプの後続の送信をネットワーク装置110によりサポートできるかのうちの少なくとも1つに関する情報は、ネットワーク装置110からのシステム情報によってブロードキャストされてもよい。いくつかの実施形態において、後続の送信を端末装置120によりサポートできるか否か、およびどのタイプの後続の送信を端末装置120によりサポートできるかに関する情報は、ネットワーク装置110からのRRCメッセージ(例えば、RRCReleaseメッセージまたは任意の他の適切なメッセージ)によって端末装置120に対して設定されてもよい。いくつかの実施形態において、後続の送信をサポートできるか否かことと、どのタイプの後続の送信をサポートできるかこととは、アクセスカテゴリ、アクセスアイデンティティ、5QI、またはDRBに関連付けられてよい。
【0052】
後続の送信が端末装置120とネットワーク装置110の両方によりサポートされないと決定したことに従って、後続の送信がサポートされないと決定する。
【0053】
いくつかの追加の実施形態において、後続の送信が端末装置120とネットワーク装置110の両方によりサポートされると決定したことに従って、端末装置120は、トラフィックがアップリンクデータの後続の送信をサポートする否かをさらに決定してもよい。いくつかの実施形態において、トラフィックによる後続の送信へのサポートは、ネットワーク装置110からのシステム情報によってブロードキャストされてもよい。任意の他の適切な形態も可能であることに留意すべきである。
【0054】
いくつかの追加の実施形態において、トラフィックがアップリンクデータの後続の送信をサポートすると決定したことに従って、端末装置120は、さらに、トラフィックによりサポートされる後続の送信のためのアップリンクリソース設定タイプを決定してもよい。例えば、端末装置120は、トラフィックが動的権限付与をサポートするか、設定権限付与をサポートするかを決定することができる。端末装置がアップリンクリソース設定タイプをサポートしないと決定したことに従って、端末装置120は、後続の送信がサポートされないと決定し、そして、端末装置がアップリンクリソース設定タイプをサポートすると決定したことに従って、端末装置120は、後続の送信がサポートされると決定することができる。
【0055】
トラフィックが後続の送信をサポートしないと決定したことに従って、端末装置120は、後続の送信がサポートされないと決定することができる。
【0056】
再び図2に戻り、後続の送信がサポートされないことを決定し、後続の送信がサポートされない(すなわち、1回のSDTのみがサポートされる)ことをMAC層に通知すると、端末装置120は、トラフィックに関連付けられているバッファされたコンテンツのサイズが閾値サイズより大きいか否かをMAC層において決定(207)することができる。いくつかの実施形態において、バッファされたコンテンツは、送信のために利用可能なすべてのアップリンクデータ及びシグナリングに加えてMACヘッダ、および必要な場合にはMAC CEを参照することができる。閾値サイズは、RRC層によってMAC層に通知されてもよく、図2を参照して210で説明した閾値サイズと同様であってもよい。
【0057】
バッファされたコンテンツのサイズが閾値サイズ以下であると決定したことに従って、端末装置120は、閾値サイズ以上のサイズを有する専用リソースが存在するか否かを決定(208)することができる。閾値サイズ以上のサイズを有する専用リソースが存在すると決定したことに従って、端末装置120は、その専用リソースを利用して、非アクティブ状態においてアップリンクデータを送信(209)することができる。
【0058】
バッファされたコンテンツのサイズが閾値サイズより大きいか、又は閾値サイズ以上のサイズを有する専用リソースが存在しないと決定したことに従って、端末装置120は、非アクティブ状態においてアップリンクデータの送信をキャンセルすることができる。いくつかの実施形態において、端末装置120のMAC層は、SDTがキャンセルされたことを上位層(すなわち、RRC層)に通知することができる。それで、アップリンクデータの送信のために、NDTが実行されることになる。
【0059】
後続の送信がサポートされると決定(206)したことに応じて、端末装置120は、アップリンクデータの送信のためのアップリンクリソース設定を決定し、該アップリンクリソース設定によってアップリンクデータを送信することができる。決定及び送信は、任意の適切な方法で行うことができる。
【0060】
ランダムアクセスプロシージャに基づいてアップリンクデータを送信するいくつかの追加の実施形態において、端末装置120は、非アクティブ状態においてアップリンクデータを送信することを示すRRCメッセージを生成し、ランダムアクセスプロシージャにおいて、RRCメッセージおよびアップリンクデータをネットワーク装置110に送信することができる。例えば、端末装置120は、RRC層において、RRCConnectionResumeRequestメッセージ内の復旧要因(resume cause)IEを、SDTを示す新しい復旧要因に設定し、そして、送信のために該RRCConnectionResumeRequestメッセージを下位層(すなわち、MAC層)にサブミットすることができる。任意の他の適切な形態も可能であることに留意すべきである。
【0061】
ランダムアクセスプロシージャに基づいてアップリンクデータを送信するいくつかの代替または追加の実施形態において、端末装置120は、端末装置120のRRC層から下位層(すなわち、MAC層)に、端末装置120のアイデンティティ(例えば、非アクティブ無線ネットワーク一時識別子(I-RNTI))を運ぶMAC CEを提供し、そして、ランダムアクセスプロシージャにおいて、MAC CEおよびアップリンクデータをネットワーク装置110に送信することができる。これは単なる一例であり、任意の他の適切な形態も可能であることに留意すべきである。
【0062】
再び図2に戻り、アップリンクデータを受信すると、ネットワーク装置110は、アップリンクデータの受信に対する応答を送信(210)することができる。後続の送信がサポートされないいくつかの実施形態において、ネットワーク装置110は、非アクティブ状態においてアップリンクデータの送信のための無線ベアラを保留するように端末装置120に通知する第1RRCメッセージで、端末装置120に応答することができる。例えば、第1RRCメッセージは、RRCReleaseメッセージであってもよい。代替として、第1RRCメッセージは、RRCRejectメッセージであってもよい。任意の他の適切なメッセージも可能であることに留意すべきである。
【0063】
第2ネットワーク装置(図示せず)からネットワーク装置110へのアンカーリロケーションが発生する実施形態において、第1RRCメッセージは保留設定を含むことができる。第2ネットワーク装置は、端末装置120が接続状態から非アクティブ状態に変更する直前に端末装置120をサービングするネットワーク装置であり、即ち、最後のサービングネットワーク装置である。
【0064】
第1RRCメッセージを受信すると、端末装置120は、非アクティブ状態においてアップリンクデータの送信のための無線ベアラを保留(211)することができる。例えば、端末装置120は、非アクティブ状態においてアップリンクデータ送信のための1つまたは複数のDRBを保留することができる。また、端末装置120は、SRB1とSRB2をさらに保留することができる。このようにして、端末装置120は、データ送信のない通常の非アクティブ状態に戻る。
【0065】
後続の送信がサポートされるいくつかの実施形態において、ネットワーク装置110は、後続の送信のためのアップリンクリソース設定を含む第2RRCメッセージで、端末装置120に応答してもよい。いくつかの実施形態において、アップリンクリソース設定は、後続の送信のための動的権限付与に関連付けられてもよい。いくつかの代替実施形態において、アップリンクリソース設定は、後続の送信のための設定権限付与に関連付けられてもよい。例えば、第2RRCメッセージは、RRCReleaseメッセージであってもよい。代替として、第2RRCメッセージは、RRCRejectメッセージであってもよい。任意の他の適切なメッセージも可能であることに留意すべきである。
【0066】
第2ネットワーク装置(図示せず)からネットワーク装置110へのアンカーリロケーションが発生する実施形態において、第2RRCメッセージは保留設定を含むことができる。第2ネットワーク装置は、端末装置120が接続状態から非アクティブ状態に変更する直前に端末装置120をサービングするネットワーク装置であり、即ち、最後のサービングネットワーク装置である。
【0067】
第2RRCメッセージを受信すると、端末装置120は、アップリンクリソースを利用して、非アクティブ状態においてアップリンクデータの後続の送信を実行(212)することができる。例えば、端末装置120は、非アクティブ状態に維持し、1つまたは複数の現在アクティブなSRBおよびDRBを維持し、パケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)状態変数を維持し、そしてセキュリティキーを維持することができる。このようにして、端末装置120は、後続の送信を開始することができる。
【0068】
現在、非アクティブ状態にある端末装置120については、タイマT319の実行中(すなわち、RRCResumeRequestメッセージが送信されたが応答が受信されなかった場合)に、ネットワーク装置110によってサービングされる第1セルから第3ネットワーク装置(図示せず)によってサービングされる第2セルへ再選択された場合、端末装置120はアイドル状態に入る。しかし、後続のSDTの間、測定および報告メカニズムが存在しないため、ネットワーク装置110は、端末装置120が既に他のセルに移動したことを認識せず、そして、特に、設定権限付与に基づくSDTの場合、端末装置120に引き続きリソースを割り当てる可能性があり、これは無線リソースの無駄につながる。
【0069】
以上に鑑みて、本開示の実施形態は、状態遷移時にSDTのネットワーク制御を提供する。ネットワーク装置110からの応答が受信されず、アップリンクデータの送信(1回目のSDT)中にセル再選択が行われる実施形態において、端末装置120はアイドル状態に入り、アップリンクデータを第3ネットワーク装置に再送することができる。
【0070】
アップリンクデータの後続の送信中または設定権限付与情報に基づくアップリンクデータの送信中にセル再選択が行われるいくつかの実施形態において、端末装置120はアイドル状態に入り、非アクティブ状態においてアップリンクデータ送信のためのアップリンクリソース設定をリリースすることができる。いくつかの代替実施形態において、端末装置120は、後続の送信を停止するが、非アクティブ状態に残ってもよい。この場合、端末装置120は、非アクティブ状態においてアップリンクデータ送信のための無線ベアラを保留することができる。例えば、端末装置120は、SDTのためのSRB0を除いたすべてのSRBおよびDRBを保留し、RRC層から下位層(すなわちMAC層)PDCP保留を示してもよい。いくつかの実施形態において、端末装置120はさらに、非アクティブ状態においてアップリンクデータの送信のためのアップリンクリソース設定をリリースしてもよい。いくつかの実施形態において、端末装置120はさらに、SDTの有効性を再評価し、必要に応じてSDTを再開してもよい。
【0071】
アップリンクデータの後続の送信中または設定権限付与情報に基づくアップリンクデータの送信中にセル再選択が行われるいくつかの追加または代替実施形態において、端末装置120は、再選択に関する第2指示を生成し、第2指示をネットワーク装置110に送信することができる。例えば、端末装置120は、ネットワーク装置110にbyeメッセージを送信してセル再選択を通知してもよいため、ネットワーク装置110は、後続のSDTのために端末装置120にアップリンク許可を提供するのを停止することができる。
【0072】
いくつかの実施形態において、端末装置120は、RRCメッセージを介して第2指示を送信することができる。例えば、RRCメッセージは、UEAssistanceInfomationメッセージまたは任意の他の適切なメッセージであってもよい。いくつかの代替実施形態において、端末装置120は、MAC CEを介して第2指示を送信することができる。例えば、MAC CEは、固定されたゼロビットサイズを有することができる。MAC CEの任意の他の適切な形態も可能であることに留意すべきである。いくつかの代替実施形態において、端末装置120は、物理(PHY)層指示を介して第2指示を送信することができる。例えば、端末装置120は、専用スケジューリング要求(SR)設定を使用して、後続のSDTまたは設定権限付与に基づくSDT中に、セル再選択を示すことができる。
【0073】
一般的には、端末装置120が非アクティブ状態からアイドル状態に変更するいくつかの場合がある。いくつかの実施形態において、非アクティブ状態にある端末装置120がコアネットワーク(CN)ページングを受信すると、端末装置120は非アクティブ状態からアイドル状態に変更する。いくつかの実施形態において、RRCResumeに従えない場合、端末装置120は、非アクティブ状態からアイドル状態に変更する。いくつかの実施形態において、タイマT319が満了するか、またはタイマT319の実行中に下位層からの完全性検査に失敗すると、端末装置120は、非アクティブ状態からアイドル状態に変更する。いくつかの実施形態において、タイマT319またはタイマTT302の実行中のセル再選択の場合、端末装置120は、非アクティブ状態からアイドル状態に変更する。いくつかの実施形態において、端末装置120がAC規制のためにRNAをトリガすることに失敗した場合、端末装置120は、非アクティブ状態からアイドル状態に変更する。
【0074】
端末装置120が非アクティブ状態からアイドル状態に変更するこれらの実施形態において、端末装置120は、変更に関する第3指示を生成し、第3指示をネットワーク装置110に送信し、そして非アクティブ状態においてアップリンクデータ送信のためのアップリンクリソース設定をリリースすることができる。例えば、端末装置120は、ネットワーク装置110にbyeメッセージを送信して変更を通知しもよいため、ネットワーク装置110は、後続のSDTのために端末装置120にアップリンク許可を提供するのを停止することができる。第3指示は、第2指示と同様に行うことができ、その詳細はここでは省く。
【0075】
以上に説明したプロセスにより、SDTを良好に制御することができる。このプロセスに対応して、本開示の実施形態は、端末装置とネットワーク装置においてそれぞれ実装される通信方法も提供する。図3~9を参照してこれをより詳細に説明する。
【0076】
図3は本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置において実装される例示的な通信方法300を示す図である。例えば、方法300は、図1に示す端末装置120において実行できる。以下、説明のために、図1を参照して方法300を説明する。方法300は、図示されていない追加のブロックを含むことができ、且つ/又は図示されているいくつかのブロックを省略することができ、本開示の範囲はこの点で限定されないことが理解されるべきである。
【0077】
図3に示すように、ブロック310において、端末装置は、アップリンクデータに関連付けられているトラフィックの特性に基づいて、端末装置120の非アクティブ状態においてアップリンクデータが送信されるか否かを決定する。すなわち、SDTの有効性を評価する。
【0078】
いくつかの実施形態において、端末装置120は、トラフィックのアクセスカテゴリとアクセスアイデンティティのうちの少なくとも1つを決定し、そして、アクセスカテゴリとアクセスアイデンティティのうちの該少なくとも1つが非アクティブ状態においてアップリンクデータの送信をサポートすると決定したことに従って、非アクティブ状態においてアップリンクデータが送信されると決定する。
【0079】
いくつかの代替実施形態において、端末装置120は、トラフィックのQoSフローのQoSパラメータを決定することができ、そして、QoSパラメータが非アクティブ状態においてアップリンクデータの送信をサポートすると決定したことに従って、非アクティブ状態においてアップリンクデータが送信されると決定する。
【0080】
いくつかの代替実施形態において、端末装置120は、トラフィックのために1つまたは複数のDRBを決定することができ、該1つまたは複数のDRBが非アクティブ状態においてアップリンクデータの送信をサポートすると決定したことに従って、非アクティブ状態においてアップリンクデータが送信されると決定する。
【0081】
いくつかの代替実施形態において、端末装置120は、非アクティブ状態においてアップリンクデータが送信されるか否かに関する第1指示を、端末装置120のRRC層において端末装置120のNAS層から受信し、そして、第1指示に基づいて、非アクティブ状態においてアップリンクデータが送信されるか否かを決定することができる。
【0082】
いくつかの追加の実施形態において、端末装置120はさらに、トラフィックに関連付けられているバッファされたコンテンツのサイズを決定し、そして、バッファされたコンテンツのサイズが閾値サイズより小さいと決定したことに従って、非アクティブ状態においてアップリンクデータが送信されると決定することができる。非アクティブ状態においてアップリンクデータが送信されるか否かの決定の他の詳細は、図2を参照して201において説明した詳細と同様であるので、ここでは省く。
【0083】
ブロック320において、端末装置120は、非アクティブ状態においてアップリンクデータ送信のための無線ベアラを復旧する。いくつかの実施形態において、端末装置120は、非アクティブ状態においてアップリンクデータの送信をサポートするために必要な1つまたは複数のDRBを復旧することができる。ブロック320におけるオペレーションは、図2を参照して202において説明したオペレーションと同様であり、ここで他の詳細を省く。
【0084】
ブロック330において、端末装置120が非アクティブ状態にあるとき、端末装置120は、設定に基づいてアップリンクデータをネットワーク装置110に送信する。以下、図4を参照してその詳細について説明する。図4は本開示のいくつかの実施形態にかかる、非アクティブ状態においてアップリンクデータの例示的な送信方法400を示す図である。例えば、方法400は、図1に示す端末装置120において実行できる。以下、説明のために、図1を参照して方法400を説明する。方法400は、図示されていない追加のブロックを含むことができ、且つ/又は図示されているいくつかのブロックを省略することができ、本開示の範囲はこの点で限定されないことが理解されるべきである。
【0085】
図4に示すように、ブロック410において、端末装置120は、非アクティブ状態においてアップリンクデータの送信のために、設定権限付与情報が記憶されているか否かを決定することができる。設定権限付与情報が記憶されていると決定された場合、ブロック420において、端末装置120は、アップリンクデータの送信に関連付けられているTAが有効であるか否かを決定することができる。TAが有効であると決定された場合、ブロック430において、端末装置120は、設定権限付与情報を用いて、非アクティブ状態においてアップリンクデータを送信することができる。
【0086】
ブロック410において、設定権限付与情報が記憶されていないと決定された場合、またはブロック420において、TAが無効であると決定された場合、ブロック440において、端末装置120は、ランダムアクセスプロシージャに基づいて、非アクティブ状態においてアップリンクデータを送信することができる。
【0087】
図5は本開示のいくつかの実施形態にかかる、ランダムアクセスプロシージャに基づいてアップリンクデータを送信する例示的な方法500を示す図である。例えば、方法500は、図1に示す端末装置120において実行できる。以下、説明のために、図1を参照して方法500を説明する。方法500は、図示されていない追加のブロックを含むことができ、且つ/又は図示されているいくつかのブロックを省略することができ、本開示の範囲はこの点で限定されないことが理解されるべきである。本実施形態は、後続のSDT(本明細書では後続の送信とも称される)がサポートされるか否かを考慮し、対応するネットワーク制御計画を提供する。
【0088】
図5に示すように、ブロック510において、端末装置120は、RRC層において、アップリンクデータの後続の送信がサポートされるか否かを決定することができる。以下、図6を参照してその詳細について説明する。図6は本開示のいくつかの実施形態にかかる、後続の送信がサポートされるか否かを決定する例示的な方法600を示す図である。例えば、方法600は、図1に示す端末装置120において実行できる。以下、説明のために、図1を参照して方法600を説明する。方法600は、図示されていない追加のブロックを含むことができ、且つ/又は図示されているいくつかのブロックを省略することができ、本開示の範囲はこの点で限定されないことが理解されるべきである。
【0089】
図6に示すように、ブロック610において、端末装置120は、アップリンクデータの後続の送信が端末装置120とネットワーク装置110の両方によりサポートされるか否かを決定することができる。ブロック610において、後続の送信が端末装置120とネットワーク装置110の両方によりサポートされないと決定された場合、プロセスはブロック650に進むことができる。ブロック650において、端末装置120は、後続の送信がサポートされないと決定することができる。
【0090】
ブロック610において、後続の送信が端末装置120とネットワーク装置110の両方によりサポートされると決定された場合、ブロック620において、端末装置120は、トラフィックが後続の送信をサポートするか否かを決定することができる。ブロック620において、トラフィックが後続の送信をサポートしないと決定された場合、プロセスもブロック650に進むことができる。ブロック650において、端末装置120は、後続の送信がサポートされないと決定することができる。
【0091】
ブロック620において、トラフィックが後続の送信をサポートすると決定された場合、端末装置120は、ブロック630において、端末装置120が、トラフィックによりサポートされる後続の送信のためのアップリンクリソース設定タイプをサポートするか否かを決定することができる。ブロック630において、端末装置120がアップリンクリソース設定タイプをサポートしないと決定された場合、プロセスもブロック650に進むことができる。ブロック650において、端末装置120は、後続の送信がサポートされないと決定することができる。
【0092】
ブロック630において、端末装置120がアップリンクリソース設定タイプをサポートすると決定された場合、端末装置120は、ブロック640において、後続の送信がサポートされると決定することができる。後続の送信がサポートされるか否かを決定するための他の詳細は、図2を参照して206において説明した詳細と同様であるため、ここでは省く。
【0093】
図6の上記の例は、説明のためにのみ与えられるものであり、本開示を限定することを意図していないことに留意すべきである。後続の送信がサポートされるか否かを決定するために、任意の他の適切な解決策も可能である。
【0094】
図5に戻り、ブロック510において、後続の送信がサポートされないと決定された場合、ブロック520において、端末装置120は、トラフィックに関連付けられているバッファされたコンテンツのサイズが閾値サイズより大きいか否かを決定することができる。いくつかの実施形態において、バッファされたコンテンツは、送信のために利用可能なすべてのアップリンクデータ及びシグナリングに加えてMACヘッダ、および必要な場合にはMAC CEを参照することができる。いくつかの実施形態において、バッファされたコンテンツは、送信のために利用可能なすべてのアップリンクデータ及びシグナリングに加えてMACヘッダ、および必要な場合にはMAC CEを参照することができる。閾値サイズについての詳細は、図2を参照して201において説明した詳細と同様であり、ここでは省く。
【0095】
ブロック520において、トラフィックに関連付けられているバッファされたコンテンツのサイズが閾値サイズより大きくない以下、すなわち、閾値サイズ以下であると決定された場合、ブロック530において、端末装置120は、閾値サイズ以上のサイズを有する専用リソースが存在するか否かを決定することができる。ブロック530において、専用リソースが存在すると決定された場合、ブロック540において、端末装置120は、非アクティブ状態においてアップリンクデータを送信することができる。
【0096】
ブロック530において、閾値サイズ以上のサイズを有する専用リソースが存在しないと決定された場合、または、ブロック520において、バッファされたコンテンツのサイズが閾値サイズより大きいと決定された場合、プロセスはブロック550に進む。ブロック550において、端末装置120は、非アクティブ状態においてアップリンクデータ送信をキャンセルすることができる。
【0097】
ブロック510において、後続の送信がサポートされると決定された場合、ブロック560において、端末装置120は、アップリンクデータの送信のためのアップリンクリソース設定を決定し、ブロック570において、端末装置120は、該アップリンクリソース設定に基づいてアップリンクデータを送信することができる。いくつかの実施形態において、ブロック560および570におけるオペレーションは、上述した方法400によって実行することができる。任意の他の適切な方法も可能であることに留意すべきである。
【0098】
いくつかの実施形態において、端末装置120は、非アクティブ状態においてアップリンクデータの送信のための無線ベアラを保留するように端末装置120に通知する第1RRCメッセージをネットワーク装置110から受信し、第1RRCメッセージを受信したことに応じて無線ベアラを保留することができる。第2ネットワーク装置からネットワーク装置110へのアンカーリロケーションが発生する実施形態において、RRCメッセージは保留設定を含むことができる。第2ネットワーク装置は、端末装置120が接続状態から非アクティブ状態に変更する直前に端末装置120をサービングするネットワーク装置であり、即ち、端末装置120の最後のサービングネットワーク装置である。
【0099】
いくつかの代替実施形態において、端末装置120は、アップリンクデータの後続の送信のためのアップリンクリソース設定を含む第2RRCメッセージをネットワーク装置から受信し、該アップリンクリソース設定を利用して非アクティブ状態において後続の送信を実行することができる。
【0100】
アップリンクデータの送信に対する応答がネットワーク装置110から受信されず、アップリンクデータの送信中に、端末装置120が、ネットワーク装置110によってサービングされる第1セルから図示しない第3ネットワーク装置によってサービングされる第2セルへ再選択するいくつかの実施形態において、端末装置120は、アイドル状態に入ることができる。さらに、端末装置120は、アップリンクデータを第3ネットワーク装置に再送することができる。
【0101】
アップリンクデータの後続の送信中に、または設定権限付与情報に基づくアップリンクデータの送信中に、端末装置120が、ネットワーク装置110によってサービングされる第1セルから第3ネットワーク装置によってサービングされる第2セルへ再選択するいくつかの実施形態において、端末装置120は、アイドル状態に入り、非アクティブ状態においてアップリンクデータ送信のためのアップリンクリソース設定をリリースすることができる。
【0102】
アップリンクデータの後続の送信中に、または設定権限付与情報に基づくアップリンクデータの送信中に、端末装置120が、ネットワーク装置110によってサービングされる第1セルから第3ネットワーク装置によってサービングされる第2セルへ再選択するいくつかの代替実施形態において、端末装置120は、後続の送信を停止し、アップリンクデータ送信のための無線ベアラを保留し、非アクティブ状態においてアップリンクデータ送信のためのアップリンクリソース設定をリリースすることができる。また、端末装置120は、非アクティブ状態においてアップリンクデータが送信されるか否かを再決定し、そして、非アクティブ状態においてアップリンクデータを送信すると再決定したことに従って、アップリンクデータの送信を再開することができる。例えば、端末装置120は、図3において説明したプロセスを繰り返すことにより、SDTの有効性を再評価し、必要に応じてSDTを再開することができる。
【0103】
アップリンクデータの後続の送信中に、または設定権限付与情報に基づくアップリンクデータの送信中に、端末装置120が、ネットワーク装置110によってサービングされる第1セルから第3ネットワーク装置によってサービングされる第2セルへ再選択するいくつかの代替又は追加の実施形態において、端末装置120は、再選択に関する第2指示を生成し、第2指示をネットワーク装置110に送信することができる。
【0104】
端末装置120が非アクティブ状態からアイドル状態に変更するいくつかの実施形態において、端末装置120は、変更に関する第3指示を生成し、第3指示をネットワーク装置110に送信し、そして非アクティブ状態においてアップリンクデータ送信のためのアップリンクリソース設定をリリースすることができる。
【0105】
端末装置において上記のSDT制御計画を実施することにより、SDTを開始する条件が定義し、SDTを開始する際の詳細なRRCプロシージャが提供され、後続のSDT中にセル再選択が発生した場合のUEの挙動も提供される。
【0106】
以下、ネットワーク装置において実現されるSDT制御計画について説明する。図7は本開示のいくつかの実施形態にかかる、ネットワーク装置において実装される例示的な通信方法700を示す図である。例えば、方法700は、図1に示すネットワーク装置110において実行できる。以下、説明のために、図1を参照して方法700を説明する。方法700は、図示されていない追加のブロックを含むことができ、且つ/又は図示されているいくつかのブロックを省略することができ、本開示の範囲はこの点で限定されないことが理解されるべきである。
【0107】
図7に示すように、ブロック710において、ネットワーク装置110は、トラフィックに関連付けられているアップリンクデータを受信する。アップリンクデータは、トラフィックの特性に基づいて非アクティブ状態における端末装置120によって送信される。ネットワーク装置110が、非アクティブ状態においてアップリンクデータの送信のための設定権限付与情報を端末装置120に送信するいくつかの実施形態において、ネットワーク装置110は、設定権限付与情報に基づいてアップリンクデータを受信することができる。
【0108】
いくつかの実施形態において、ネットワーク装置110は、ランダムアクセスプロシージャ中に、端末装置120からアップリンクデータおよびRRCメッセージを受信することができる。RRCメッセージは、非アクティブ状態においてアップリンクデータを送信することを示すことができる。
【0109】
ブロック720において、ネットワーク装置110は、アップリンクデータの受信に対する応答を端末装置120に送信することができる。いくつかの実施形態において、ネットワーク装置110は、応答内で、非アクティブ状態においてアップリンクデータ送信のための無線ベアラを保留するように端末装置120に通知する第1RRCメッセージを送信することができる。第2ネットワーク装置からネットワーク装置への端末装置120のアンカーリロケーションが発生する実施形態において、第1RRCメッセージは保留設定を含むことができる。第2ネットワーク装置は、端末装置120が接続状態から非アクティブ状態に変更する直前に端末装置をサービングするネットワーク装置であり、即ち、最後のサービングネットワーク装置である。
【0110】
いくつかの代替実施形態において、ネットワーク装置110は、応答内で、アップリンクデータの後続の送信のためのアップリンクリソース設定を含む第2RRCメッセージを送信することができる。いくつかの実施形態において、アップリンクリソース設定は、後続のSDTのための動的権限付与に関連付けられてもよい。いくつかの代替実施形態において、アップリンクリソース設定は、後続のSDTのための設定権限付与に関連付けられてもよい。第2ネットワーク装置からネットワーク装置への端末装置120のアンカーリロケーションが発生する実施形態において、第2RRCメッセージは保留設定を含むことができる。第2ネットワーク装置は、端末装置120が接続状態から非アクティブ状態に変更する直前に端末装置をサービングするネットワーク装置であり、即ち、最後のサービングネットワーク装置である。
【0111】
いくつかの追加の実施形態において、ネットワーク装置110は、ネットワーク装置110がアップリンクデータの後続の送信をサポートするか否かに関する情報を送信することができる。例えば、ネットワーク装置110は、システム情報を介してこの情報をブロードキャストすることができる。代替として、ネットワーク装置110は、RRCメッセージを介して端末装置120に情報を設定することができる。
【0112】
このように、1回目のSDTに対するネットワークレスポンスが提供される。図8図9を参照して後続のSDTのネットワーク制御を説明する。図8は本開示のいくつかの実施形態にかかる、ネットワーク装置において実装される別の例示的な通信方法800を示す図である。例えば、方法800は、図1に示すネットワーク装置110において実行できる。以下、説明のために、図1を参照して方法800を説明する。方法800は、図示されていない追加のブロックを含むことができ、且つ/又は図示されているいくつかのブロックを省略することができ、本開示の範囲はこの点で限定されないことが理解されるべきである。本実施形態において、セル再選択時の挙動を説明する。
【0113】
図8に示すように、ブロック810において、ネットワーク装置110は、アップリンクデータの後続の送信中に、または設定権限付与情報に基づくアップリンクデータの送信中に、端末装置120がネットワーク装置110によってサービングされる第1セルから第3ネットワーク装置(図示せず)によってサービングされる第2セルへ再選択することに関する第2指示を端末装置120から受信することができる。いくつかの実施形態において、ネットワーク装置110は、RRCメッセージを介して第2指示を受信することができる。いくつかの代替実施形態において、ネットワーク装置110は、MAC CEを介して第2指示を受信することができる。いくつかの代替実施形態において、ネットワーク装置110は、PHY層指示を介して第2指示を受信することができる。他の詳細は、第2指示の送信に関連して説明された詳細と同様であり、ここでは省く。
【0114】
第2指示を受信したことに応じて、ブロック820において、ネットワーク装置110は、アップリンクデータの後続の送信のための、端末装置120へのアップリンクリソースのスケジューリングを停止することができる。このように、リソースの無駄を避けることができる。
【0115】
図9は本開示のいくつかの実施形態にかかる、ネットワーク装置において実装される別の例示的な通信方法900を示す図である。例えば、方法900は、図1に示すネットワーク装置110において実行できる。以下、説明のために、図1を参照して方法900を説明する。方法900は、図示されていない追加のブロックを含むことができ、且つ/又は図示されているいくつかのブロックを省略することができ、本開示の範囲はこの点で限定されないことが理解されるべきである。本実施形態において、非アクティブ状態からアイドル状態に遷移する際の挙動を説明する。
【0116】
図9に示すように、ブロック910において、ネットワーク装置110は、端末装置120の非アクティブ状態からアイドル状態への変更に関する第3指示を端末装置120から受信することができる。いくつかの実施形態において、ネットワーク装置110は、RRCメッセージを介して第3指示を受信することができる。いくつかの代替実施形態において、ネットワーク装置110は、MAC CEを介して第3指示を受信することができる。いくつかの代替実施形態において、ネットワーク装置110は、PHY層指示を介して第3指示を受信することができる。他の詳細は、第3指示の送信に関連して説明された詳細と同様であり、ここでは省く。
【0117】
第3指示を受信したことに応じて、ブロック920において、ネットワーク装置110は、アップリンクデータの後続の送信のための、端末装置120へのアップリンクリソースのスケジューリングを停止することができる。このように、リソースの無駄を避けることができる。
【0118】
ネットワーク装置において上記のSDT制御計画を実施することにより、1回目のSDTおよび後続のSDTに対するネットワーク応答が提供され、セル再選択および状態遷移の際のUEの挙動も提供される。
【0119】
図10は本開示の実施形態を実装するのに適した装置1000の概略ブロック図である。装置1000は、図1に示すネットワーク装置110又は端末装置120の別の例示的な実施態様として考えられる。したがって、装置1000は、ネットワーク装置110又は端末装置120において、或いはそれらの少なくとも一部として実現することができる。
【0120】
図示されるように、装置1000は、プロセッサ1010と、プロセッサ1010に結合されたメモリ1020と、プロセッサ1010に結合された適切な送信機(TX)及び受信機(RX)1040と、TX/RX 1040に結合された通信インターフェースとを備える。メモリ 1020は、プログラム1030の少なくとも一部を記憶する。TX/RX 1040は双方向通信用である。TX/RX 1040は、通信を容易にするために少なくとも1つのアンテナを有するが、本明細書に言及されたアクセスノードは、実際には複数のアンテナを有することができる。通信インターフェースは、eNB/gNB間の双方向通信のためのX2/Xnインターフェース、モビリティ管理エンティティ(MME)/アクセス及びモビリティ管理機能(AMF)/SGW/UPFとeNB/gNBとの間の通信のためのS1/NGインターフェース、eNB/gNBと中継ノード(RN)との間の通信のためのUnインターフェース、又はeNB/gNBと端末装置との間の通信のためのUuインターフェースなど、他のネットワーク要素との通信に必要な任意のインターフェースを表すことができる。
【0121】
プログラム1030は、図1から図9を参照して本文で説明したように、関連するプロセッサ1010によって実行された場合、装置1000が本開示の実施形態に従って動作することを可能にするプログラム命令を含むと仮定する。本文の実施形態は、装置1000のプロセッサ1010によって実行可能なコンピュータソフトウェアによって、又はハードウェアによって、又はソフトウェアとハードウェアとの組合せによって実現できる。プロセッサ1010は、本開示の様々な実施形態を実施するように構成することができる。さらに、プロセッサ1010とメモリ1020との組み合わせは、本開示の様々な実施形態を実現するのに適した処理手段1050を形成することができる。
【0122】
メモリ1020は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプであってもよく、また、非限定的な例として、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体、半導体に基づくメモリ装置、磁気メモリ装置及びシステム、光学メモリ装置及びシステム、固定メモリ及びリムーバブルメモリなど、任意の適切なデータ記憶技術を使用して実現することができる。装置1000内には1つのメモリ1020のみが示されているが、装置1000内にはいくつかの物理的に異なるメモリモジュールが存在してもよい。プロセッサ1010は、ローカル技術ネットワークに適した任意のタイプであってもよく、非限定的な例として、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、及びマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサのうちの1つ以上を含むことができる。装置1000は、複数のプロセッサ、例えば、メインプロセッサを同期化するクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップを有することができる。
【0123】
全体として、本開示の様々な実施形態は、ハードウェア又は専用回路、ソフトウェア、論理、又はそれらの任意の組み合わせで実現することができる。いくつかの態様は、ハードウェアで実現されてもよく、他の態様は、コントローラ、マイクロプロセッサ、又は他のコンピューティング装置によって実行できるファームウェア又はソフトウェアで実現されてもよい。本開示の実施形態の様々な態様は、ブロック図、フローチャート又は他の何らかの絵画的表現を用いて図示及び説明されているが、本明細書に記載されたブロック、装置、システム、技術、又は方法は、非限定的な例として、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路又は論理、汎用ハードウェア又はコントローラ又は他のコンピューティング装置、又はそれらの何らかの組み合わせで実装できることを理解されたい。
【0124】
本開示はまた、非一時的なコンピュータ可読記憶媒体上に有形的に記憶された少なくとも1つのコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品は、図2から図9を参照して上述したプロセスまたは方法を実行するために、対象の実プロセッサまたは仮想プロセッサ上の装置内で実行される、プログラムモジュールに含まれる命令などのコンピュータ実行可能な命令を含む。一般に、プログラムモジュールには、特定のタスクを実行したり、特定の抽象データ型を実装したりするルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造などが含まれる。様々な実施形態において、プログラムモジュールの機能は、必要に応じて、プログラムモジュール間で結合又は分割することができる。プログラムモジュールの機械実行可能命令は、ローカル又は分散型装置内で実行することができる。分散型装置において、プログラムモジュールは、ローカル記憶媒体及びリモート記憶媒体両方内に配置されていてもよい。
【0125】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述することができる。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、又は他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサ又はコントローラに提供され、プロセッサ又はコントローラにより実行された場合、プログラムコードで、フローチャート及び/又はブロック図に指定された機能/動作を実現させる。プログラムコードは、完全にマシン上で、部分的にマシン上で、独立したソフトウェアパッケージとして、部分的にマシン上でかつ部分的にリモートマシン上で、又は完全にリモートマシン又はサーバ上で実行することができる。
【0126】
上述のプログラムコードは、機械可読媒体上で実装することができ、機械可読媒体は、命令実行システム、機器、又は装置によって使用されるか、又はそれらに関連するプログラムを含むか又は記憶することができる任意の有形媒体であってもよい。機械可読媒体は、機械可読信号媒体又は機械可読記憶媒体とすることができる。機械可読媒体は、電子、磁気、光学、電磁、赤外線、又は半導体のシステム、機器、又は装置、あるいは上記の任意の適切な組合せを含むことができるが、これらに限定されない。機械可読記憶媒体のより具体的な例は、1つ以上のワイヤを有する電気接続、ポータブルコンピュータディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブル光ディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM)、光学記憶装置、磁気記憶装置、又は上述の任意の適切な組合せを含むことができる。
【0127】
また、特定の順序で動作が記述されているが、これは、所望の結果を得るために、示された特定の順序又は連続した順序で動作を実行すること、又は示された全ての動作を実行することが要求されていると理解すべきではない。場合によっては、マルチタスクや並列処理が有利になることもある。同様に、いくつかの特定の実装の詳細が上記の議論に含まれているが、これらは、本開示の範囲に対する制限として解釈されるべきではなく、特定の実施形態に固有となり得る特徴の説明として解釈されるべきである。個々の実施形態の文脈で説明されたいくつかの特徴は、単一の実施形態において組み合わされて実装されてもよい。逆に、単一の実施形態の文脈で説明された様々な特徴は、複数の実施形態において別々に、又は任意の適切なサブ組合せで実装されてもよい。
【0128】
本開示は、構造的特徴及び/又は方法論的動作に特有の言語で説明されてきたが、添付の特許請求の範囲において定義された本開示は、必ずしも上記の特定の特徴又は動作に限定されないことが理解されるべきである。むしろ、上述した特定の特徴及び動作は、特許請求の範囲を実施する例示的な形態として開示されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10