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特許7540585検知システム、検知方法、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】検知システム、検知方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20240820BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
G06Q30/06
G07G1/00 331B
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2023510245
(86)(22)【出願日】2021-12-20
(86)【国際出願番号】 JP2021046952
(87)【国際公開番号】W WO2022209055
(87)【国際公開日】2022-10-06
【審査請求日】2023-07-21
(31)【優先権主張番号】P 2021056682
(32)【優先日】2021-03-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100149618
【弁理士】
【氏名又は名称】北嶋 啓至
(72)【発明者】
【氏名】菅ヶ谷 啓希
(72)【発明者】
【氏名】津田 隼輔
(72)【発明者】
【氏名】李 寧
(72)【発明者】
【氏名】鶴岡 佑樹
(72)【発明者】
【氏名】岡田 崇太
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-129335(JP,A)
【文献】国際公開第2020/042966(WO,A1)
【文献】特開2018-160140(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G07G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客がスキャナで商品シンボルを読み取る映像から検出された商品スキャン動作の回数に関して、商品登録前の商品の映像から検出された前記商品登録前の商品数で補正した数を商品登録予定の商品数として取得する第1取得手段と、
前記顧客により商品登録された商品数を取得する第2取得手段と、
商品登録する予定の商品数と商品登録された商品数との不一致を検知する検知手段と、
検知結果を出力する出力手段と、を備える検知システム。
【請求項2】
記映像を画像解析して前記顧客が前記スキャナで前記商品シンボルを読み取る商品スキャン動作を検出する動作検出手段を備え求項1に記載の検知システム。
【請求項3】
前記動作検出手段は、姿勢推定モデルを用いて前記顧客の前記商品スキャン動作を検出する、請求項に記載の検知システム。
【請求項4】
前記動作検出手段は、前記姿勢推定モデルを用いて前記顧客のハンディスキャナによる前記商品スキャン動作を検出する、請求項に記載の検知システム。
【請求項5】
前記動作検出手段は、前記姿勢推定モデルによる前記顧客の左腕に相当する左腕フレームの端と右腕に相当する右腕フレームの端が互いに近接する動きを、前記顧客による前記商品スキャン動作として検出する請求項3または4に記載の検知システム。
【請求項6】
前記動作検出手段は、前記顧客がハンディスキャナと固定スキャナで前記商品シンボルを読み取る映像に基づき、前記ハンディスキャナによる第1商品スキャン動作と前記固定スキャナによる第2商品スキャン動作を検出し、
前記第1取得手段は、前記第1商品スキャン動作の回数と前記第2商品スキャン動作の回数の合計を、前記商品登録予定の前記商品数として取得する請求項2乃至5のいずれか1項に記載の検知システム。
【請求項7】
前記第1取得手段は、商品登録前の商品の映像に基づき、前記商品登録前の商品数を検出し、
前記動作検出手段は、検出した前記商品登録前の商品数で前記顧客の前記商品スキャン動作の回数を補正する請求項2乃至6のいずれか1項に記載の検知システム。
【請求項8】
コンピュータが、
顧客がスキャナで商品シンボルを読み取る映像から検出された商品スキャン動作の回数に関して、商品登録前の商品の映像から検出された前記商品登録前の商品数で補正した数を商品登録予定の商品数として取得し、
前記顧客により商品登録された商品数を取得し、
商品登録する予定の商品数と商品登録された商品数との不一致を検知し、
検知結果を出力する、検知方法。
【請求項9】
顧客がスキャナで商品シンボルを読み取る映像から検出された商品スキャン動作の回数に関して、商品登録前の商品の映像から検出された前記商品登録前の商品数で補正した数を商品登録予定の商品数として取得し、
前記顧客により商品登録された商品数を取得し、
商品登録する予定の商品数と商品登録された商品数との不一致を検知し、
検知結果を出力する、ことをコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、商品の商品登録に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケット等の店舗において、購入する商品のスキャン登録を顧客自身で行うレジ端末が普及している。一方で、このようなレジ端末では、顧客が購入予定の商品の一部をスキャン登録をせずに持ち出す不正行為が発生している。特許文献1には、商品の一部をスキャン登録しない店員の不正行為を検知する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特表2008-538030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の技術は、店員による不正行為の検知であり、顧客による商品登録前後で商品数の不一致を検知するものではない。
【0005】
本開示の目的の1つは、顧客による商品登録の前後で商品数の不一致を検知する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様であるシステムは、検知システムは、顧客がスキャナで商品シンボルを読み取る映像に基づき、商品登録予定の商品数を取得する第1取得部と、前記顧客により商品登録された商品数を取得する第2取得部と、商品登録する予定の商品数と商品登録された商品数との不一致を検知する検知部と、検知結果を出力する出力部と、を備える。
【0007】
本開示の一形態である検知方法は、顧客がスキャナで商品シンボルを読み取る映像に基づき、商品登録予定の商品数を取得し、前記顧客により商品登録された商品数を取得し、商品登録する予定の商品数と商品登録された商品数との不一致を検知し、検知結果を出力する。
【0008】
本開示の一形態であるプログラムは、顧客がスキャナで商品シンボルを読み取る映像に基づき、商品登録予定の商品数を取得し、前記顧客により商品登録された商品数を取得し、商品登録する予定の商品数と商品登録された商品数との不一致を検知し、検知結果を出力することをコンピュータに実行させる。プログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体に記憶されていてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、顧客による商品登録の前後で商品数の不一致を検知できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】顧客が商品を商品登録する様子を示す図である。
図2】第1の実施形態に係る検知システムと商品登録装置の概要を示す図である。
図3】第1の実施形態に係る検知システムの構成の例を示すブロック図である。
図4】第1取得部の構成の例を示すブロック図である。
図5】映像における腕の商品スキャン動作の例を示す図である。
図6】姿勢推定モデルによる腕フレームの商品スキャン動作を示す図である。
図7】第1の実施形態に係る検知システムの動作の例を示すフローチャートである。
図8】第1の実施形態の第1処理部の動作の例を示すフローチャートである。
図9】第2の実施形態の第1処理部の動作の例を示すフローチャートである。
図10】第3の実施形態の第1処理部の動作の例を示すフローチャートである。
図11】コンピュータによるハードウエア構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(第1の実施形態)
第1の実施形態の一態様である検知システムについて図面を用いて説明する。第1の実施形態に係る検知システムは、顧客により商品登録する予定の商品数と商品登録された商品数の不一致を検知し、検知結果を出力する。
【0012】
はじめに、検知システムの概略について説明する。図1は、顧客が商品を商品登録する様子を示す図である。図1において、顧客は商品登録のために商品に付された商品シンボルをハンディスキャナ11又は固定スキャナ12(単にスキャナと称す場合もある)にスキャンさせ、商品を精算対象として商品登録装置10に登録する。商品登録装置10は、顧客により商品登録された商品数を検知システム20に送信する。
【0013】
カメラ21は、例えば、スキャンエリアの上方に設置される。スキャンエリアは、スキャナで顧客が商品の商品シンボルを読み込ませるエリアである。カメラ21は、顧客が商品シンボルをスキャナに読み取らせる動作(商品スキャン動作)を撮影し、撮影した映像を検知システム20に送信する。検知システム20は、カメラ21からの映像に基づき、顧客が商品登録する予定の商品数を取得する。検知システム20は、顧客により商品登録する予定の商品数と商品登録された商品数の不一致を検知し、検知結果を出力する。
【0014】
以下、第1の実施形態の商品登録装置10、検知システム20について説明する。図2は、第1実施形態の商品登録装置10と検知システム20の概要を示す図である。商品登録装置10は、スキャナ(ハンディスキャナ11、固定スキャナ12)と接続される。なお、商品登録装置10に接続されるスキャナは、ハンディスキャナ11、固定スキャナ12の少なくとも一方であってもよい。
【0015】
商品の商品シンボル(例えば商品コード)がスキャナに近づくと、スキャナは商品シンボル(例えば、商品コード)を読み取る。商品シンボルは、例えば、バーコード、2次元コード、文字シンボルでもよい。文字シンボルは、商品情報を特定する情報を含む。スキャナは、例えば、バーコードリーダである。スキャナは、画像センサ式、レーザ式等であってもよい。なお、スキャナの説明は例示であり、これらに限られない。スキャナは、読み取った商品シンボルをデコードした商品識別子を商品登録装置10に送る。
【0016】
図2に示す商品登録装置10は、商品登録部101を備える。商品登録装置10は、例えば、セルフレジに含まれる商品登録装置である。商品登録装置10は、スキャナから商品識別子を受付けると、商品識別子を用いて商品データベース(図示せず)の商品情報を検索し、商品識別子に紐づく商品名、商品単価を抽出して商品登録情報を生成し、商品登録を実行する。
【0017】
商品登録情報は、例えば、番号、商品名、単価、数量、小計金額、総数量、合計金額である。番号は、1つの取引で異なる商品ごとに付される番号である。数量は、同一商品が商品登録された数である。総数量は商品ごとの数量の合計である。商品登録部101は、別の商品識別子を受付け、商品名、商品単価を抽出すると、番号をインクリメントして商品登録情報を生成し更新する。商品登録部101は、同じ商品識別子を受付ると、同じ商品名の数量をインクリメントして商品登録情報を生成し更新する。例えば、顧客が商品登録の終了として商品登録装置10の精算ボタン(図示せず)を押すと、商品登録装置10は、商品登録された商品数を検知システム20に送信する。
【0018】
次に、第1の実施形態に係る検知システム20、カメラ21について説明する。検知システム20は、カメラ21と通信可能に接続される。カメラ21は、例えば、スキャンエリアの上方に設置される。スキャンエリアは、スキャナで顧客が商品の商品シンボルを読み込ませるエリアである。カメラ21は、スキャンエリアにおいて顧客の商品スキャン動作を撮影する。カメラ21は、撮影した映像を検知システム20に送信する。
【0019】
図3は、第1の実施形態に係る検知システムの構成の例を示すブロック図である。図3に示す検知システム20は、第1取得部201、第2取得部202、検知部203、出力部204を備える。
【0020】
第1取得部201は、顧客が商品登録する予定の商品数を取得する。例えば、第1取得部201は、顧客がハンディスキャナ11で商品シンボルを読み取る映像に基づき、商品登録予定の商品数を取得する。以下、顧客がハンディスキャナ11で商品シンボルを読み取る例で説明する。
【0021】
具体的には、第1取得部201は、カメラ21から受付けた映像を画像解析し、顧客が商品シンボルをスキャナ(ハンディスキャナ11)に読み取らせる動作(商品スキャン動作)を検出する。図4は、第1取得部201の構成の例を示すブロック図である。第1取得部201は動作検出部2011を備える。動作検出部2011は、顧客の映像を姿勢推定モデルで画像処理して、顧客の左腕と右腕に相当する左腕フレームと右腕フレームを検出する。姿勢推定モデルとは、画像から人間の関節点を学習し、静止画や動画からリアルタイムに関節点を結んだ人間の姿勢を検出するモデルである。
【0022】
図5は、映像における腕の商品スキャン動作の例を示す図である。図5において、顧客は左手に商品を持ち、右手にハンディスキャナ11を持つ。そして顧客は左手の商品のバーコードを右手のハンディスキャナ11で読み込ませる商品スキャン動作を行う。
【0023】
図6は、姿勢推定モデルによる腕フレームの商品スキャン動作を示す図である。動作検出部2011は、顧客の左腕(例えば、商品側)に相当する左腕フレームの端と右腕(例えば、ハンディスキャナ側)に相当する右腕フレームの端が互いに近接する動きを、顧客による商品スキャン動作として検出する。そして動作検出部2011は、商品スキャン動作の回数をカウントする。第1取得部201は、カウントした商品スキャン動作の回数を商品登録する予定の商品数として取得する。
【0024】
ハンディスキャナ11は固定スキャナ12に比べて自由度が高いため、映像の物体認識では顧客の商品スキャン動作が識別しにくくなる。一方、第1取得部201の動作検出部2011で姿勢推定モデルを用いる場合、顧客の右腕フレームの端と左腕フレームの端の近接を検知すればよいため、顧客による商品スキャン動作が識別し易くなる。
【0025】
なお、動作検出部2011において、姿勢推定モデルを用いて顧客の商品スキャン動作を検出することは、固定スキャナ12でも可能である。例えば、固定スキャナ12の場合、顧客は所定の位置にある固定スキャナ12に商品を近づけて商品シンボルを読み取らせる。このため、姿勢推定モデルによる腕フレームの端が、顧客の映像における固定スキャナの位置に近づいて遠ざかる動作を検出することで、動作検出部2011は、姿勢推定モデルによる固定スキャナを用いた商品スキャン動作を検出できる。
【0026】
第2取得部202は、商品登録装置10から顧客により商品登録された商品数を取得する。なお、第2取得部202は、顧客により商品登録された商品数を商品登録装置10以外から取得してもよい。例えば、商品登録装置10が商品登録情報を送信した店舗サーバ、本部サーバから取得してもよい。第2取得部202は、顧客により商品登録された商品数を検知部203に送る。
【0027】
検知部203は、顧客が商品登録する予定の商品数と、顧客により商品登録された商品数との不一致を検知する。なお、検知部203は、商品登録された商品数が商品登録する予定の商品数よりも少ない場合のみを不一致として検知してもよい。この場合には、例えば、商品登録装置10を備えるセルフレジにおいて、顧客が購入予定の商品の一部をスキャン登録せずに持ち出す不正行為、あるいは、顧客のスキャンミス等により正常にスキャン登録できていなかったケースを検知できる。なお、検知部203は、顧客の商品スキャン動作の回数と、顧客により商品登録された商品数の値を比較して、顧客による商品登録の前後で商品数の不一致を検知してもよい。
【0028】
また、検知部203は、商品登録された商品数が商品登録する予定の商品数よりも多い場合のみを不一致として検知してもよい。この場合には、顧客が購入予定ではない商品を誤って商品登録しているケースを検知できる。本実施形態では、商品登録された商品数が商品登録する予定の商品数よりも少ない場合および商品登録された商品数が商品登録する予定の商品数よりも多い場合の両方又は少なくとも一方を検知する。検知部203は、検知結果を出力部204に送る。
【0029】
出力部204は、検知結果を出力する。例えば、検知結果は、顧客が商品登録する予定の商品数と、顧客により商品登録された商品数が不一致である、又は、一致しているである。出力部204は、不一致の場合にエラーを通知してもよく、その一例として、商品登録をやり直すことを促すメッセージや商品登録の内容を確認することを促すメッセージを出力してもよい。あるいは、出力部204は、顧客による商品登録が正常に完了したことを示すメッセージを出力してもよい。なお、商品登録された商品数が商品登録する予定の商品数よりも多い場合と少ない場合とで異なるメッセージを出力するようにしても良い。
【0030】
商品数が不一致の場合、その商品スキャン動作が含まれる映像を出力してもよい。出力先は、例えば、表示装置(図示せず)であってもよく、商品登録装置10が設定された店舗サーバ(図示せず)、商品登録装置10が設置された店舗の店員が利用する端末(図示せず)、又は、商品登録装置10の商品登録情報を収集する本部サーバであってもよい。
【0031】
次に、第1の実施形態に係る検知システムの動作について説明する。図7は、第1の実施形態に係る検知システムの動作の例を示すフローチャートである。カメラ21は、スキャンエリアにおいて、商品を商品スキャンする顧客の様子を撮影し、撮影した映像を検知システム20に送信する。
【0032】
検知システム20の第1取得部201は、スキャンエリアで商品スキャンする顧客の映像に基づき、顧客が商品登録する予定の商品数を取得する(ステップS11)。第1取得部201の動作について詳しく説明する。図8は、第1取得部の動作の例を示すフローチャートである。第1取得部201は、カメラ21からスキャンエリアの顧客の映像を取得する(ステップS101)。第1取得部201の動作検出部2011が顧客の映像を姿勢推定モデルで画像解析し、顧客が商品シンボルをハンディスキャナ11に読み取らせる動作(商品スキャン動作)を検出する(ステップS102)。
【0033】
具体的には、動作検出部2011は、顧客の左腕(例えば、商品側)に相当する左腕フレームの端と右腕(例えば、ハンディスキャナ側)に相当する右腕フレームの端が互いに近接する動きを、顧客による商品スキャン動作として検出する。そして動作検出部2011は、商品スキャン動作の回数をカウントする(ステップS103)。第1取得部201は、カウントした商品スキャン動作の回数を商品登録する予定の商品数とする。なお、第1取得部201による商品登録する予定の商品数の取得はこれに限られない。
【0034】
図7に戻り、第2取得部202は、顧客により商品登録された商品数を取得する(ステップS12)。第2取得部202は、顧客により商品登録された商品数を商品登録装置10から取得してもよく、商品登録装置10以外から取得してもよい。第2取得部202は、顧客により商品登録された商品数を検知部203に送る。
【0035】
検知部203は、顧客が商品登録する予定の商品数と、顧客により商品登録された商品数との不一致を検知する(ステップS13)。検知部203は、検知結果を出力部204に送る。出力部204は、検知結果を出力する(ステップS14)。検知結果は、顧客が商品登録する予定の商品数と、顧客により商品登録された商品数が不一致、又は、一致である。
【0036】
(第1の実施形態の効果)
第1の実施形態によれば、顧客による商品登録の前後で商品数の不一致を検知する。その理由は、第1取得部201が顧客がスキャナで商品シンボルを読み取る映像に基づき、商品登録予定の商品数を取得し、第2取得部202が顧客により商品登録された商品数を取得する。検知部203が、商品登録する予定の商品数と商品登録された商品数との不一致を検知するからである。
【0037】
さらに、第1取得部201の動作検出部2011が姿勢推定モデルを用いた商品スキャン動作を検出することにより、商品スキャン動作の識別の精度が向上する。
【0038】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る検知システムの構成について説明する。第2の実施形態に係る検知システム20の構成は、第1取得部201、第2取得部202、検知部203、出力部204を備える。但し、第2の実施形態の第1取得部201の機能が、第1の実施形態の第1取得部201と異なる。
【0039】
第2の実施形態に係る検知システム20は、顧客がハンディスキャナ11と固定スキャナ12をそれぞれ使って商品登録するケースに対応する。例えば、顧客が固定スキャナ12で商品登録する複数の商品の中に固定スキャナ12で読み取りにくい大きさや重さの商品があり、固定スキャナ12に代えてハンディスキャナ11で商品スキャンするケースである。
【0040】
以下、第2の実施形態が第1の実施形態と相違する点について説明し、同様な構成、動作についての説明は省略する。
【0041】
第2の実施形態では、カメラ21は、スキャンエリアでハンディスキャナ11と固定スキャナ12を使う顧客の商品スキャン動作を撮影する。カメラ21は、撮影した映像を検知システム20に送信する。
【0042】
検知システム20は、カメラ21から映像を受付ける。検知システム20の第1取得部201は、顧客がハンディスキャナ11と固定スキャナ12を使って商品スキャンする映像に基づき、商品登録予定の商品数を取得する。
【0043】
具体的には、図4に示す第1取得部201の動作検出部2011は、カメラ21から受付けた映像を画像解析し、ハンディスキャナ11による商品スキャン動作と固定スキャナ12による商品スキャン動作を検出する。動作検出部2011は、ハンディスキャナ11と固定スキャナ12による商品スキャン動作の回数をそれぞれカウントして合計する。第1取得部201は、ハンディスキャナ11と固定スキャナ12のそれぞれの商品スキャン動作の回数の合計を、商品登録予定の商品数として取得する。第1取得部201は、商品登録予定の商品数を検知部203に送信する。
【0044】
第2取得部202は、商品登録装置10から顧客により商品登録された商品数を取得する。なお、第2取得部202は、顧客により商品登録された商品数を商品登録装置10以外から取得してもよい。例えば、商品登録装置10が商品登録情報を送信した店舗サーバ、本部サーバから取得してもよい。第2取得部202は、顧客により商品登録された商品数を検知部203に送る。検知部203は、顧客が商品登録する予定の商品数と、顧客により商品登録された商品数との不一致を検知する。出力部204は、検知結果を出力する。
【0045】
次に第2の実施形態の検知システム20の動作について説明する。第2の実施形態に係る検知システム20の動作において、第1取得部201の動作が第1の実施形態の検知システム20の動作と異なる。
【0046】
図9は、第2の実施形態における第1取得部201の動作の例を示すフローチャートである。図9に示す動作において、第1取得部201は、スキャンエリアでハンディスキャナ11と固定スキャナ12を使う顧客を撮影した映像を取得する(ステップS201)。第1取得部201の動作検出部2011は、映像から固定スキャナ12による顧客の商品スキャン動作を検出する(ステップS202)。さらに、動作検出部2011は、同じ映像からハンディスキャナ11による顧客の商品スキャン動作を検出する(ステップS203)。動作検出部2011は、ハンディスキャナ11と固定スキャナ12による商品スキャン動作の回数をそれぞれカウント(ステップS204)して合計する。
第1取得部201は、ハンディスキャナ11と固定スキャナ12のそれぞれの商品スキャン動作の回数の合計を、商品登録予定の商品数として取得する。第1取得部201は、商品登録予定の商品数を検知部203に送信する。以降は、図7に示す検知システム20の動作のステップS12、ステップS13、ステップS14と同様である。
【0047】
(第2の実施形態の効果)
第2の実施形態によれば、顧客がハンディスキャナ11と固定スキャナ12を使って商品登録する場合でも、検知システム20は、商品登録予定の商品数を取得することができる。
【0048】
その理由は、第1取得部201の動作検出部2011が、スキャンエリアの顧客を撮影した映像に基づき、ハンディスキャナ11と固定スキャナ12による商品スキャン動作をそれぞれ検出するからである。
【0049】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る検知システムの構成について説明する。第3の実施形態に係る検知システム20の構成は、第1取得部201、第2取得部202、検知部203、出力部204を備える。但し、第3の実施形態の第1取得部201の機能は、第1、第2の実施形態の第1取得部201と異なる。
【0050】
第3の実施形態に係る検知システム20は、顧客による商品登録前に撮影した映像に含まれる商品数を用いて、顧客による商品スキャン動作の回数を補正する例である。
【0051】
以下の説明では、第3の実施形態が第1、第2の実施形態と相違する点について説明し、同様な構成、動作についての説明は省略する。
【0052】
第3の実施形態において、カメラ21は、スキャンエリアにおける顧客による商品登録前の商品を撮影し、撮影した映像を検知システム20に送信する。さらに、カメラ21は、スキャンエリアで商品スキャンする顧客を撮影し、撮影した映像を検知システム20に送信する。
【0053】
検知システム20の第1取得部201は、カメラ21から顧客による商品登録前の商品の映像を取得する。さらに、第1取得部201、スキャンエリアで商品スキャンする顧客の映像を取得する。第1取得部201は、商品登録前の商品の映像に基づき、商品登録前の商品数を検出する。具体的には、第1取得部201は、商品登録前の商品の映像を画像解析して商品数を検出する。
【0054】
さらに、第1取得部201は、商品スキャンする顧客の映像に基づき、商品登録予定の商品数を取得する。具体的には、第1取得部201の動作検出部2011は、カメラ21から受付けた映像を画像解析し、顧客の商品スキャン動作を検出する。動作検出部2011は、顧客の商品スキャン動作の回数をカウントする。第1取得部201は、顧客の商品スキャン動作の回数を、商品登録予定の商品数として取得する。第1取得部201は、商品登録予定の商品数を検知部203に送信する。
【0055】
第2取得部202は、商品登録装置10から顧客により商品登録された商品数を取得する。なお、第2取得部202は、顧客により商品登録された商品数を商品登録装置10以外から取得してもよい。例えば、商品登録装置10が商品登録情報を送信した店舗サーバ、本部サーバから取得してもよい。第2取得部202は、顧客により商品登録された商品数を検知部203に送る。検知部203は、顧客が商品登録する予定の商品数と、顧客により商品登録された商品数との不一致を検知する。出力部204は、検知結果を出力する。
【0056】
次に第3の実施形態の検知システム20の動作について説明する。第3の実施形態の第1取得部201の動作は、第1の実施形態の第1取得部201の動作と異なる。図10は、第3の実施形態における第1取得部201の動作の例を示すフローチャートである。第3の実施形態において、カメラ21は、スキャンエリアにおける顧客による商品登録前の商品を撮影し、撮影した映像を検知システム20に送信する。さらに、カメラ21は、スキャンエリアで商品スキャンする顧客を撮影し、撮影した映像を検知システム20に送信する。
【0057】
検知システム20の第1取得部は、カメラ21から顧客による商品登録前の商品の映像を取得する(ステップS301)。さらに、第1取得部201は、カメラ21からスキャンエリアで商品スキャンする顧客の映像を取得する(ステップS302)。第1取得部201は、商品登録前の商品の映像に基づき、商品登録前の商品数を検出する(ステップS303)。具体的には、第1取得部201は、商品登録前の商品の映像を画像解析して商品数を検出する。
【0058】
さらに、第1取得部201は、商品スキャンする顧客の映像に基づき、商品登録予定の商品数を取得する。具体的には、第1取得部201の動作検出部2011は、カメラ21から受付けた映像を画像解析し、顧客の商品スキャン動作を検出する(ステップS304)。動作検出部2011は、顧客の商品スキャン動作の回数をカウントする(ステップS305)。
【0059】
例えば、商品登録の終了の際、商品登録前の商品数が、検出した商品スキャン動作の回数よりも大きい場合、商品スキャン動作または商品スキャン動作のカウントにミスが発生した可能性がある。このため動作検出部2011は、商品登録前の商品数で商品スキャン動作の回数を補正する(ステップS306)。第1取得部201は、補正がある場合、補正後の商品スキャン動作の回数を商品登録予定の商品数として検知部203に送信する。以降は、図7に示す検知システム20の動作のステップS12、ステップS13、ステップS14と同様である。
【0060】
(第3の実施形態の効果)
第3の実施形態によれば、商品スキャン動作の検出精度を向上させることができる。その理由は、第1取得部201の動作検出部2011が、商品スキャンする顧客の映像に基づき、商品登録前の商品数を検出し、検出した商品数と商品スキャン動作の回数を比較するからである。
【0061】
(ハードウエア構成)
図11は、コンピュータのハードウエア構成の例を示す図である。検知システム20の第1取得部201、第2取得部202、検知部203、出力部204の各機能は、CPU(Central Processing Unit)91がプログラム94を実行することにより実現される。また検知システム20の機能は、外部装置(図示せず)で構成され、ネットワークを介して外部装置から検知システム20に提供されてもよい。検知システム20は、CPU91がROM(Read Only Memory)92、又は記憶装置95からプログラム94を読み込み、CPU91、RAM(Random Access Memory)93で実行してもよい。
【0062】
上述した実施形態を例に説明した本開示は、コンピュータプログラムを表すコードあるいはそのコンピュータプログラムを表すコードが格納されたコンピュータ読み取り可能な記憶媒体によって構成されると捉えることができる。コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、例えば記憶装置95、不図示の着脱可能な磁気ディスク媒体,光学ディスク媒体やメモリカードなどである。なお、各実施形態の構成は、集積回路による専用のハードウエアであってもよい。検知システム20はクラウドコンピューティングにより実現されてもよい。
【0063】
本開示は上述した各実施形態に限定されるものではなく、種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された構成、動作、処理を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本開示の技術的範囲に含まれる。
【0064】
以上、上述した実施形態を模範的な例として本開示を説明した。しかしながら、本開示は、上述した実施形態には限定されない。即ち、本開示は、本開示のスコープ内において、当業者が理解し得る様々な態様を適用することができる。
【0065】
この出願は、2021年3月30日に出願された日本出願特願2021-056682を基礎とする優先権を主張し、その開示のすべてをここに取り込む。
【0066】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
【0067】
[付記]
[付記1]
顧客がスキャナで商品シンボルを読み取る映像に基づき、商品登録予定の商品数を取得する第1取得手段と、
前記顧客により商品登録された商品数を取得する第2取得手段と、
商品登録する予定の商品数と商品登録された商品数との不一致を検知する検知手段と、
検知結果を出力する出力手段と、
を備える検知システム。
【0068】
[付記2]
前記商品登録予定の商品数は、前記顧客が前記スキャナで前記商品シンボルを読み取る商品スキャン動作の回数である
付記1に記載の検知システム。
【0069】
[付記3]
前記第1取得手段は、前記映像を画像解析して前記顧客が前記スキャナで前記商品シンボルを読み取る商品スキャン動作を検出する動作検出手段を備え、
前記第1取得手段は、前記顧客の前記商品スキャン動作の回数を前記商品登録予定の商品数として取得する
付記1又は2に記載の検知システム。
【0070】
[付記4]
前記動作検出手段は、前記映像を姿勢推定モデルを用いて前記顧客の前記商品スキャン動作を検出する、
付記3に記載の検知システム。
【0071】
[付記5]
前記動作検出手段は、前記姿勢推定モデルを用いて前記顧客のハンディスキャナによる前記商品スキャン動作を検出する、
付記4に記載の検知システム。
【0072】
[付記6]
前記動作検出手段は、前記姿勢推定モデルによる前記顧客の左腕に相当する左腕フレームの端と右腕に相当する右腕フレームの端が互いに近接する動きを、前記顧客による前記商品スキャン動作として検出する
付記4に記載の検知システム。
【0073】
[付記7]
前記動作検出手段は、前記顧客がハンディスキャナと固定スキャナで前記商品シンボルを読み取る映像に基づき、前記ハンディスキャナによる第1商品スキャン動作と前記固定スキャナによる第2商品スキャン動作を検出し、
前記第1取得手段は、前記第1商品スキャン動作の回数と前記第2商品スキャン動作の回数の合計を、前記商品登録予定の前記商品数として取得する
付記3に記載の検知システム。
【0074】
[付記8]
前記第1取得手段は、商品登録前の商品の映像に基づき、前記商品登録前の商品数を検出し、
前記動作検出手段は、検出した前記商品登録前の商品数で前記顧客の前記商品スキャン動作の回数を補正する
付記3に記載の検知システム。
【0075】
[付記9]
顧客がスキャナで商品シンボルを読み取る映像に基づき、商品登録予定の商品数を取得し、
前記顧客により商品登録された商品数を取得し、
商品登録する予定の商品数と商品登録された商品数との不一致を検知し、
検知結果を出力する、
検知方法。
【0076】
[付記10]
顧客がスキャナで商品シンボルを読み取る映像に基づき、商品登録予定の商品数を取得し、
前記顧客により商品登録された商品数を取得し、
商品登録する予定の商品数と商品登録された商品数との不一致を検知し、
検知結果を出力する、
ことをコンピュータに実行させるプログラムを非一時的に記憶する記憶媒体。
【符号の説明】
【0077】
10 商品登録装置
11 ハンディスキャナ
12 固定スキャナ
20 検知システム
21 カメラ
201 第1取得部
202 第2取得部
203 検知部
204 出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11