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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】伸縮デバイス
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/14 20060101AFI20240820BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
H05K1/14 C
H05K1/02 B
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2023566194
(86)(22)【出願日】2022-11-15
(86)【国際出願番号】 JP2022042423
(87)【国際公開番号】W WO2023106051
(87)【国際公開日】2023-06-15
【審査請求日】2024-05-28
(31)【優先権主張番号】P 2021201035
(32)【優先日】2021-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100221501
【弁理士】
【氏名又は名称】式見 真行
(74)【代理人】
【識別番号】100206324
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 明子
(72)【発明者】
【氏名】西田 圭佑
(72)【発明者】
【氏名】中村 祐依
(72)【発明者】
【氏名】堀 信康
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-34822(JP,A)
【文献】特開2016-219543(JP,A)
【文献】特開2016-178121(JP,A)
【文献】国際公開第2019/138855(WO,A1)
【文献】国際公開第2020/137078(WO,A1)
【文献】実開昭56-172980(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/14
H05K 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向する第1主面および第2主面を有する第1基板と、
前記第1主面上に設けられ、前記第1主面に沿って延在する第1配線および前記第1配線に隣接する第2配線と、
互いに対向する第3主面および第4主面を有する伸縮可能な第2基板と、
前記第4主面上に設けられ、前記第4主面に沿って延在する伸縮可能な第3配線および前記第3配線に隣接する伸縮可能な第4配線とを備え、
前記第1基板と前記第2基板とが接続され、
前記第1基板の幅が、前記第1基板のうち前記第2基板と向かい合う端辺における第1基板の幅と同等の範囲において、第1配線から第2配線までの距離を順次計測して得られた計測値のうちの最短値は、前記第3配線と前記第4配線の間の最短距離より短い、伸縮デバイス。
【請求項2】
前記第1配線と前記第2配線の間の最短距離は、250μm未満であり
前記第3配線と前記第4配線の間の最短距離は、250μm以上である、請求項1に記載の伸縮デバイス。
【請求項3】
さらに、前記第1主面上のみに第1電子部品を備え、
前記第1電子部品は、前記第1配線および前記第2配線に電気的に接続される、請求項1または2に記載の伸縮デバイス。
【請求項4】
さらに、前記第1主面上に設けられる第1電子部品と、
前記第4主面上に設けられる第2電子部品とを備え、
前記第1電子部品は、前記第1配線に電気的に接続される第1端子および前記第2配線に電気的に接続される第2端子を有し、
前記第2電子部品は、前記第3配線に電気的に接続される第3端子および前記第4配線に電気的に接続される第4端子を有し、
前記第1端子と前記第2端子の間の最短距離は、前記第3端子と前記第4端子の間の最短距離より短い、請求項1または2に記載の伸縮デバイス。
【請求項5】
さらに、前記第1主面上に設けられる第5配線を備え、
前記第5配線は、前記第1主面に直交する方向からみて、前記第1配線または前記第2配線と重なる領域を有する、請求項1または2に記載の伸縮デバイス。
【請求項6】
さらに、前記第1配線と前記第3配線とを電気的に接続する導電部材を備える、請求項1または2に記載の伸縮デバイス。
【請求項7】
前記第1基板および前記第2基板は、前記第1主面と前記第4主面とが互いに向かい合うように配置され、
前記第1配線と前記第3配線とは、前記第1主面に直交する方向において互いに向かい合うように配置され、
前記導電部材は、第1配線と第3配線との間に配置される、請求項6に記載の伸縮デバイス。
【請求項8】
前記導電部材は、導電性粒子を含み、
前記導電性粒子の粒子径は、前記第1配線と前記第3配線の間の距離よりも大きい、請求項6に記載の伸縮デバイス。
【請求項9】
前記導電部材と、前記第1配線と、前記第3配線とが重なる領域における、前記第1配線の延在する方向に直交する断面において、
前記第1配線の幅と前記第3配線の幅とが異なる、請求項6に記載の伸縮デバイス。
【請求項10】
前記第1配線と前記第3配線とが重なる部分における、前記第1配線の延在する方向に直交する断面において、
前記第1配線および前記第3配線のうち、幅の狭い方の幅は、500μm以下である、請求項9に記載の伸縮デバイス。
【請求項11】
前記第1配線および前記第3配線の少なくとも一方の端部は、幅方向に並列され離隔して設けられる複数の歯部を有する、請求項6に記載の伸縮デバイス。
【請求項12】
隣り合う2つの前記歯部の間隔は、700μm以下である、請求項11に記載の伸縮デバイス。
【請求項13】
隣り合う2つの前記歯部の間隔は、全て同一である、請求項11に記載の伸縮デバイス。
【請求項14】
隣り合う2つの前記歯部の間隔は、200μm以上である、請求項11に記載の伸縮デバイス。
【請求項15】
前記第1配線を被覆する第1絶縁被覆層をさらに備え、
前記第1絶縁被覆層は、前記第1主面に直交する方向からみて前記導電部材と重なる、請求項1または2に記載の伸縮デバイス。
【請求項16】
前記第2配線を被覆する第2絶縁被覆層をさらに備え、
前記第2絶縁被覆層は、前記第4主面に直交する方向からみて前記導電部材と重なる、請求項1または2に記載の伸縮デバイス。
【請求項17】
前記第1基板は伸縮可能である、請求項1または2に記載の伸縮デバイス。
【請求項18】
前記第1配線および前記第2配線は伸縮可能である、請求項1または2に記載の伸縮デバイス。
【請求項19】
さらに、互いに対向する第5主面および第6主面を有する第3基板と、
前記第5主面上に設けられ、前記第5主面に沿って延在する第6配線および第7配線とを備え、
前記第2基板と前記第3基板とが接続され、
前記第6配線と前記第7配線の間の最短距離は、前記第3配線と前記第4配線の間の最短距離より短い、請求項1または2に記載の伸縮デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、伸縮デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、伸縮デバイスとしては、特開2017-118109号公報(特許文献1)に記載されたものがある。伸縮デバイスは、一つの伸縮基板と、伸縮基板の一つの主面に形成される伸縮配線とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-118109号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、伸縮デバイスには、配線の密度が高い領域と低い領域とが存在する。伸縮デバイスの製造時、配線の密度の高い領域では、伸縮基板上に伸縮配線を引き回す難易度が高い。そのため、一つの伸縮基板を用いて伸縮デバイスを製造しようとすると、製造難易度の高い部分で不良が発生した場合、伸縮デバイスの全てが不良となり、歩留まりが低下する問題がある。また、製造時の難易度が高い部分に合わせて製造時の精度を高めようとすると、製造効率が低くなり、結果として歩留まりが低下する問題もある。
【0005】
そこで、本開示の目的は、製造時の難易度が高くなく、歩留まりよく製造可能な伸縮デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本開示の一態様である伸縮デバイスは、
互いに対向する第1主面および第2主面を有する第1基板と、
前記第1主面上に設けられ、前記第1主面に沿って延在する第1配線および前記第1配線に隣接する第2配線と、
互いに対向する第3主面および第4主面を有する伸縮可能な第2基板と、
前記第4主面上に設けられ、前記第4主面に沿って延在する伸縮可能な第3配線および前記第3配線に隣接する伸縮可能な第4配線とを備え、
前記第1基板と前記第2基板とが接続され、
前記第1配線と前記第2配線の間の最短距離は、前記第3配線と前記第4配線の間の最短距離より短い。
【0007】
ここで、主面上とは、重力方向に規定される鉛直情報のような絶対的な一方向ではなく、当該主面を境界とする基板の外側と内側とのうち、外側に向かう方向を指す。したがって、「主面上」とは主面の無機によって定まる相対的な方向である。また、ある要素に対して「上」には、当該要素と接する直上の位置(on)だけでなく、当該要素と離れた上方、すなわち当該要素上の他の物体を介した上側の位置や間隔を空けた上側の位置(above)も含む。
【0008】
前記態様によれば、第1基板上に設けられた第1配線と第2配線の間の最短距離が、伸縮可能な第2基板上に設けられた伸縮可能な第3配線と第4配線の間の最短距離よりも短くなるように配置される。このため、第1基板上に、製造時の難易度が高い精細な配線パターンを形成しつつ、伸縮可能な第2基板上には、配線が比較的疎に分散して配置されることとなる。したがって、製造難易度が高くなく、歩留まりよく製造可能となる。
【0009】
また、好ましくは、伸縮デバイスの一実施形態では
前記第1配線と前記第2配線の間の最短距離は、250μm未満であり
前記第3配線と前記第4配線の間の最短距離は、250μm以上である。
【0010】
前記実施形態によれば、第1基板上に設けられる配線間の距離が250μm未満であり、第2基板上に設けられる配線間の距離が250μm以上となるため、基板の種類に応じた製造難易度の違いをより調整しやすくなり、伸縮デバイスの製造難易度を下げて、より歩留まりよく製造することが容易となる。
【0011】
好ましくは、伸縮デバイスの一実施形態では、
さらに、前記第1主面上のみに第1電子部品を備え、
前記第1電子部品は、前記第1配線および前記第2配線に電気的に接続される。
【0012】
前記実施形態によれば、第1基板のみに電子部品が設けられるので、第2基板の製造難易度を下げて、歩留まりよく製造することが容易となる。
【0013】
好ましくは、伸縮デバイスの一実施形態では、
さらに、前記第1主面上に設けられる第1電子部品と、
前記第4主面上に設けられる第2電子部品とを備え、
前記第1電子部品は、前記第1配線に電気的に接続される第1端子および前記第2配線に電気的に接続される第2端子を有し、
前記第2電子部品は、前記第3配線に電気的に接続される第3端子および前記第4配線に電気的に接続される第4端子を有し、
前記第1端子と前記第2端子の間の最短距離は、前記第3端子と前記第4端子の間の最短距離より短い。
【0014】
前記実施形態によれば、伸縮可能な第2基板にも第2電子部品を設けた場合であっても、第1基板上の第1電子部品における第1端子と第2端子の間の最短距離が、第2基板上の第2電子部品における第3端子と第4端子の間の最短距離よりも短いため、第2基板の製造難易度を下げ、歩留まりよく製造することが容易となる。
【0015】
好ましくは、伸縮デバイスの一実施形態では、
さらに、前記第1主面上に設けられる第5配線を備え、
前記第5配線は、前記第1主面に直交する方向からみて、前記第1配線または前記第2配線と重なる領域を有する。
【0016】
前記実施形態によれば、第1基板上に、より複雑な構造の配線が配置されることになり、第2基板における配線の構造を簡略化できる。そのため、第2基板の製造難易度を下げて、歩留まりよく製造することが容易となる。
【0017】
好ましくは、伸縮デバイスの一実施形態では、さらに、前記第1配線と前記第3配線とを電気的に接続する導電部材を備える。
【0018】
前記実施形態によれば、第1配線と第3配線とが導電部材を介して電気的に接続されるので、接続信頼性を高めることができる。また、第1配線と第3配線とを直接接合する必要がないので、製造難易度を下げることができる。
【0019】
好ましくは、伸縮デバイスの一実施形態では、
前記第1基板および前記第2基板は、前記第1主面と前記第4主面とが向かい合うように配置され、
前記第1配線と前記第3配線とは、前記第1主面に直交する方向において互いに向かい合うように配置され、
前記導電部材は、第1配線と第3配線との間に配置される。
【0020】
前記実施形態によれば、第1配線と第3配線との接続信頼性をさらに高めることができる。さらに、導電部材により第1基板と第2基板とが接続され得るので、第1基板と第2基板の接合部の機械的強度を高めることができる。
【0021】
好ましくは、伸縮デバイスの一実施形態では、
前記導電部材は、導電性粒子を含み、
前記導電性粒子の粒子径は、前記第1配線と前記第3配線の間の距離よりも大きい。
【0022】
前記実施形態によれば、電気的に接続される第1配線と第3配線の間の距離よりも、導通性を導電性粒子の粒子径が大きいので、第1配線と第3配線とがより確実に電気的に接続される。
【0023】
好ましくは、伸縮デバイスの一実施形態では、
前記導電部材と、前記第1配線と、前記第3配線とが重なる部分における、前記第1配線の延在する方向に直交する断面において、
前記第1配線の幅と前記第3配線の幅とが異なる。
【0024】
前記実施形態によれば、第1配線と第3配線とが重なる部分において、第1配線の幅と第2配線の幅とが異なるため、ドーミングが抑制され、第1配線と第3配線とを確実に電気的に接続できる。
【0025】
好ましくは、伸縮デバイスの一実施形態では、
前記第1配線と前記第3配線とが重なる部分における、前記第1配線の延在する方向に直交する断面において、
前記第1配線および前記第3配線のうち、幅の狭い方の幅は、500μm以下である。
【0026】
前記実施形態によれば、第1配線と第3配線とが重なる部分において、幅の狭い方の配線の幅が500μm以下であるので、ドーミングがさらに抑制され、第1配線と第3配線の電気的接続がさらに良好になる。
【0027】
好ましくは、伸縮デバイスの一実施形態では、前記第1配線および前記第3配線の少なくとも一方の端部は、幅方向に並列され離隔して設けられる複数の歯部を有する。
【0028】
前記実施形態によれば、第1配線と第3配線の少なくとも一方が、櫛歯状の端部を有するため、ドーミング抑制され、第1配線と第3配線の電気的接続が良好になる。
【0029】
好ましくは、伸縮デバイスの一実施形態では、
隣り合う2つの前記歯部の間隔は、700μm以下である。
【0030】
前記実施形態によれば、歯部の間隔が700μm以下であるので、第1配線と第3配線とがより確実に電気的に接続される。
【0031】
好ましくは、伸縮デバイスの一実施形態では、隣り合う2つの前記歯部の間隔は、全て同一である。
【0032】
前記実施形態によれば、複数の歯部が幅方向に等間隔で配置されるので、第1配線と第3配線とがより確実に電気的に接続される。
【0033】
好ましくは、伸縮デバイスの一実施形態では、隣り合う2つの前記歯部の間隔は、200μm以上である。
【0034】
前記実施形態によれば、複数の歯部の間隔が200μm以上であるので、ドーミングがいっそう抑制され、第1配線と第3配線の電気的接続がいっそう良好になる。
【0035】
好ましくは、伸縮デバイスの一実施形態では、
前記第1配線を被覆する第1絶縁被覆層をさらに備え、
前記第1絶縁被覆層は、前記第1主面に直交する方向からみて前記導電部材と重なる。
【0036】
前記実施形態によれば、第1配線は第1絶縁被覆層により被覆されているため、第1配線と外部との接触が抑制され、ノイズを軽減できる。さらに、第1絶縁被覆層は、第1配線と第3配線とが導電部材により電気的に接続されている領域内まで拡張されているため、配線の破断等を抑制しやすくなる。
【0037】
好ましくは、伸縮デバイスの一実施形態では、
前記第2配線を被覆する第2絶縁被覆層をさらに備え、
前記第2絶縁被覆層は、前記第4主面に直交する方向からみて前記導電部材と重なる。
【0038】
前記実施形態によれば、第3配線は第2絶縁被覆層により被覆されているため、第3配線と外部との接触が抑制され、ノイズを軽減できる。さらに、第2絶縁被覆層は、第1配線と第3配線とが導電部材により電気的に接続されている領域内まで拡張されているため、配線の破断等を抑制しやすくなる。
【0039】
好ましくは、伸縮デバイスの一実施形態では、前記第1基板は伸縮可能である。
【0040】
前記実施形態によれば、第1基板も伸縮可能であることで、第2基板にかかる伸縮負荷を低減できる。
【0041】
好ましくは伸縮デバイスの一実施形態では、前記第1配線および前記第2配線は伸縮可能である。
【0042】
前記実施形態によれば、第1配線および第2配線も伸縮可能であることで、第3配線および第4配線にかかる伸縮負荷を低減できる。
【0043】
好ましくは、伸縮デバイスの一実施形態では、
さらに、互いに対向する第5主面および第6主面を有する第3基板と、
前記第5主面上に設けられ、前記第5主面に沿って延在する第6配線および第7配線とを備え、
前記第2基板と前記第3基板とは接続され、
前記第6配線と前記第7配線の間の最短距離は、前記第3配線と前記第4配線の間の最短距離より短い。
【0044】
前記実施形態によれば、より複雑な構成の伸縮デバイスを製造できる。
【発明の効果】
【0045】
本開示の一態様である伸縮デバイスによれば、製造難易度が高くなく、歩留まりよく製造可能である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】伸縮デバイスの第1実施形態を示す平面図である。
図2図1のI-I断面図である。
図3】伸縮デバイスの第1実施形態を示し、第1基板側配線と第2基板側配線を示す部分断面図である。
図4A】伸縮デバイスの第1実施形態を示す断面図である。
図4B】伸縮デバイスの第1実施形態を示す断面図である。
図5】伸縮デバイスの第2実施形態を示す平面図である。
図6A】伸縮デバイスの第3実施形態を示し、第1基板側配線と第2基板側配線を示す拡大平面図である。
図6B】伸縮デバイスの第3実施形態を示し、第1基板側配線と第2基板側配線を示す拡大平面図である。
図7】伸縮デバイスの第4実施形態を示し、第1基板側配線と第5配線を示す拡大平面図である。
図8図7のII-II断面図である。
図9】伸縮デバイスの第5実施形態を示し、第1基板側配線と第2基板側配線を示す部分断面図である。
図10】伸縮デバイスの第6実施形態を示し、第1基板側配線と第2基板側配線を示す部分断面図である。
図11図10のIII-III断面図である。
図12】伸縮デバイスの第7実施形態を示す断面図である。
図13】伸縮デバイスの第8実施形態を示す平面図である。
図14】伸縮デバイスの第9実施形態を示す平面図である。
図15A】伸縮デバイスの第9実施形態を示し、第1基板側配線と第2基板側配線を示す拡大平面図である。
図15B】伸縮デバイスの第9実施形態を示し、第1基板側配線と第2基板側配線を示す拡大平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、本開示の一態様である伸縮デバイスを図示の実施の形態により詳細に説明する。なお、図面は一部模式的なものを含み、実際の寸法や比率を反映していない場合がある。
【0048】
(第1実施形態)
図1は、伸縮デバイスの第1実施形態を示す平面図である。図2は、図1のI-I断面図である。伸縮デバイスは、例えば、生体に接触させて、生体信号を測定するために用いられる。
【0049】
図1図2に示すように、伸縮デバイス1は、第1基板11と、第1基板11に設けられる複数の第1基板側配線21と、第1基板11に設けられる第1電子部品31と、伸縮可能な第2基板12と、第2基板12に設けられる複数の伸縮可能な第2基板側配線22とを備える。隣り合う第1基板側配線21の一方が特許請求の範囲に記載される第1配線に該当し、他方が特許請求の範囲に記載される第2配線に該当する。また、隣り合う第2基板側配線22の一方が特許請求の範囲に記載される第3配線に該当し、他方が特許請求の範囲に記載される第4配線に該当する。
【0050】
第1基板11は、樹脂材料、例えば、スチレン樹脂、オレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、フェノール樹脂、ビスマレイミド樹脂、アクリル樹脂又はシリコーン樹脂で形成され、ガラス繊維、紙繊維等の繊維を含んでいてもよい。第1基板11は、伸縮可能であってもよい。第1基板11が伸縮可能であると、第2基板12にかかる伸縮負荷を低減できる。また、第1基板11は、プリント配線基板(PCB)等の伸縮性を有しない基板であってもよい。
【0051】
第1基板11の伸縮率は、100~1000%であることが好ましい。前記伸縮率とすることで、第1基板11への複雑な構造の配線の形成が容易である。第1基板11のヤング率は、好ましくは0.1~50MPaである。前記ヤング率とすることで、第1基板11への複雑な構造の配線の形成が容易である。第1基板11の厚さは、例えば10~100μmである。
【0052】
第1基板11は、互いに対向する第1主面111および第2主面112を含む。第1基板11は、平面視で矩形状に形成され、第1基板11の一つの端辺11aが第2基板12と向かい合うように配置される。
【0053】
第1基板側配線21は、導電性材料で形成される。導電性材料には、例えば、銀、銅、ニッケルなどの金属箔を用いてもよく、銀、銅、ニッケルなどの金属粉とエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂などのエラストマ系樹脂とからなる混合物を用いてもよい。金属箔の厚さは、好ましくは0.01μm以上10μm以下であり、金属粉の平均粒子D50は、好ましくは0.01μm以上10μm以下である。金属粉の形状は、球状、扁平状、突起等を有する異形状等であってよい。第1基板側配線21は、伸縮可能であってもよい。第1基板側配線21が伸縮可能であると、第2基板側配線22にかかる伸縮負荷を低減できる。
【0054】
第1基板側配線21の厚さは、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下であり、好ましくは1μm以上、より好ましくは10μm以上である。第1基板側配線21の厚さが薄いほど、凹凸が小さくラミネート等が容易である。第1基板側配線21の幅は、好ましくは100μm以上10,000μm以下、より好ましくは300μm以上4,000μm以下である。
【0055】
第1基板側配線21は、第1主面111上に配置される。すなわち、特許請求の範囲に記載される第1配線および第2配線は、いずれも第1主面111上に配置され、同一主面上に存在する。第1基板側配線21は、第1主面111に直接接触するようにスクリーン印刷、インクジェット印刷、ディスペンスまたは金属箔のエッチングにより形成される。なお、第1基板側配線21は、第1主面111上に図示しない絶縁部材などの他の部材を介して配置されていてもよい。また、第1基板側配線21は、図示しない絶縁被覆層で覆われていてもよい。
【0056】
なお、第1基板側配線21の本数は2本以上であればよい。第1基板側配線21が3本以上である場合、特許請求の範囲に記載される第1配線及び第2配線は、第1基板側配線21のうち、任意の隣り合う2本の配線をいう。すなわち、第1基板側配線21は、特許請求の範囲に記載される第1配線及び第2配線以外の配線を含んでいてもよい。
【0057】
また、第1基板側配線21は、第1基板11に垂直な方向から見て第1電子部品31または当該第1電子部品31の端子に重なる第1領域と、第1電子部品31および当該第1電子部品31の端子に重ならない第2領域とによって構成される。特許請求の範囲に記載される第1配線と第2配線との最短距離とは、それぞれの配線の第2領域同士の最短距離のことを指す。
【0058】
複数の第1基板側配線21は、それぞれ第1主面111に沿って延在する。複数の第1基板側配線21は、互いに交差しないで離隔して配列されていてもよい。図1では、第1基板側配線21は、直線部分及び角部分から構成されるが、これに限定されず、曲線部分を有していてもよい。
【0059】
第2基板12は、伸縮性を有する樹脂材料、例えば、スチレン樹脂、オレフィン樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂又はシリコーン樹脂で形成され、好ましくはウレタン樹脂で形成される。ウレタン樹脂としては、熱可塑性ポリウレタン(TPU)が挙げられる。スチレン樹脂としては、スチレン-ブタジエン-スチレン共重合樹脂(SBS)が挙げられる。
【0060】
第2基板12の伸縮率は、50%以上であることが好ましい。前記伸縮率とすることで、伸縮デバイスの生体への追従性が良好になる。第2基板12のヤング率は、好ましくは100MPa以下であり、より好ましくは30MPa以下である。前記ヤング率とすることで、使用者の不快感を抑制できる。第2基板12の厚さは、例えば0.1~100μmである。
【0061】
第2基板12は、互いに対向する第3主面121と第4主面122とを含む。第2基板は、矩形状に形成され、第2基板12の一つの端辺12aが、第1基板11の一つの端辺11aと向かい合うように配置される。
【0062】
第2基板側配線22は、伸縮性を有する導電性材料で形成される。導電性材料には、例えば、銀、銅、ニッケルなどの金属粉とシリコーンなどのエラストマ系樹脂とからなる混合物を用いる。
【0063】
第2基板側配線22は、第4主面122上に配置される。すなわち、特許請求の範囲に記載される第3配線および第4配線は、いずれも第4主面122上に配置され、同一主面上に存在する。第2基板側配線22は、それぞれ、第4主面122に直接接触するように印刷により形成される。なお、第2基板側配線22は、第4主面122上に図示しない絶縁部材などの他の部材を介して配置されていてもよい。また、第2基板側配線22は、図示しない絶縁被覆層で覆われていてもよい。
【0064】
なお、第2基板側配線22の本数は2本以上であればよい。第2基板側配線22が3本以上である場合、特許請求の範囲に記載される第3配線及び第4配線は、第2基板側配線22のうち、任意の隣り合う2本の配線をいう。すなわち、第2基板側配線22は、特許請求の範囲に記載される第3配線及び第4配線以外の配線を含んでいてもよい。
【0065】
複数の第2基板側配線22は、それぞれ第4主面122に沿って延在する。複数の第2基板側配線22は、互いに交差しないで離隔して配列されていてもよい。第2基板側配線22は、それぞれ、第1基板側配線21に電気的に接続される。第3配線に該当する第2基板側配線22は、第1配線に該当する第1基板側配線21に電気的に接続されていてもよく、第4配線に該当する第2基板側配線22は、第2配線に該当する第1基板側配線21に電気的に接続されていてもよい。図1では、第2基板側配線21は、直線部分から構成されるが、これに限定されず、曲線部分を有していてもよい。
【0066】
隣り合う第1基板側配線21間の最短距離d1は、隣り合う第2基板側配線22間の最短距離d2よりも短い。つまり、第1主面111上に配置される配線パターンは、第4主面122上に配置される配線パターンよりも精細である。このため、第1基板11上に、精細な配線パターンを形成しつつ、伸縮可能な第2基板12上には、配線が比較的疎に分散して配置されることとなる。したがって、製造難易度が高くなく、歩留まりよく製造可能となる。さらに、第2基板12上には、配線が比較的疎に分散して配置されることとなるため、第2基板12全体で比較的均等に伸縮負荷を吸収することが可能となる。
【0067】
第1基板側配線21の数量をnとし、nが2の場合に関し、配線間の最短距離について説明する。以下では、所定の第1基板側配線を21a、21b、21c、21dとし、所定の第2基板側配線を22a、22b、22c、22dとして説明する。
【0068】
隣り合う第1基板側配線21a、21b間の最短距離d1は、一方の第1基板側配線21aに沿って、一方の第1基板側配線21aから他方の第1基板側配線21bまでの距離を順次計測して得られた計測値のうちの、最短値をいう。
【0069】
また、隣り合う第2基板側配線22a、22b間の最短距離d2は、一方の第2基板側配線22aに沿って、一方の第2基板側配線22aから他方の第2基板側配線22bまでの距離を順次計測して得られた計測値のうちの、最短値をいう。
【0070】
隣り合う第1基板側配線21a、21b間の最短距離d1が、隣り合う第2基板側配線22a、22b間の最短距離d2より短いとは、d1とd2とを比較してd1の方が小さい値を有することをいう。
【0071】
第1基板側配線21の数量nが3以上の場合に関し、配線間の最短距離について説明する。
【0072】
隣り合う第1基板側配線21間の最短距離は、n-1組の隣り合う第1基板側配線21間の最短距離のうち、最も小さい値をいう。
【0073】
図1では、1組目の隣り合う第1基板側配線21a、21b間の最短距離がd11であり、2組目の隣り合う第1基板側配線21c、21d間の最短距離がd12である。最短距離d11と最短距離d12とを比較すると、最短距離d11の方が小さい。このように、n-1個の値を比較することで、その最小値である最短距離d1を求めることができる。
【0074】
隣り合う第2基板側配線22間の最短距離d2は、n-1組の隣り合う第2基板側配線22間の最短距離のうちの、最も小さい値をいう。
【0075】
図1では、1組目の隣り合う第2基板側配線22a、21b間の最短距離がd21であり、2組目の隣り合う第2基板側配線21c、21d間の最短距離がd22である。最短距離d21と最短距離d22とを比較すると、最短距離d21の方が小さい。このように、n-1個の値を比較することで、その最小値である最短距離d2を求めることができる。
【0076】
隣り合う第1基板側配線21間の最短距離が、隣り合う第2基板側配線22間の最短距離より短いとは、d1とd2とを比較してd1の方が小さい値を有することをいう。
【0077】
図1では、第1基板側配線21の幅は、第2基板側配線22の幅よりも狭い。第1基板側配線の幅が、第2基板側配線の幅よりも狭いことで、第1基板上に、より精細な配線パターンを形成することが容易である。
【0078】
図1および図2において、伸縮デバイス1は、第1基板側配線21と第2基板側配線22とを電気的に接続する導電部材41をさらに備える。これにより、第1配線と第3配線とが導電部材を介して電気的に接続されるので、接続信頼性を高めることができる。また、第1配線と第3配線とを直接接合する必要がないので、位置合わせが容易となり、製造難易度を下げることができる。
【0079】
第1基板11および第2基板12は、第1主面111と第4主面122とが向かい合うように配置される。また、第1基板側配線21と第2基板側配線23とは、互いに向かい合うように配置され、導電部材41は、第1基板側配線21と第2基板側配線22との間に配置される。これにより、第1基板側配線21と第2基板側配線22とが重なる部分が生じ、この部分に導電部材41が存在して、第1基板側配線21と第2基板側配線22が導電部材41を介して電気的に接続されるので、接続信頼性をさらに高めることができる。さらに、導電部材41により第1基板11と第2基板12とが接続され得るので、第1基板11と第2基板12の接合部の機械的強度を高めることができる。
【0080】
導電部材41は、例えば、異方性導電フィルム(ACF)であり、第1主面111に直交する方向に対して導通性を有し、平面方向に対しては絶縁性を有する。導電部材41は、熱硬化性のエポキシ樹脂と、エポキシ樹脂中に分散して配置される導電性粒子とを含む。したがって、第1基板側配線21は、直上の第2基板側配線22のみに導通し、第1主面111方向に隣り合う第1基板側配線21や直上にない第2基板側配線22に導通しない。
【0081】
導電性粒子の粒子径は、例えば10~30μmである。図3に示すように、第1基板側配線21と第2基板側配線22の間の第1主面111に直交する方向の距離よりも大きいことが好ましい。導電性粒子の表面は導電性を有しており、電気的に接続される第1基板側配線21と第2基板側配線22の間の距離よりも導電性粒子の粒子径が大きいと、導電性粒子の表面と配線とがより確実に接触することになるので、第1基板側配線21と第2基板側配線22とがより確実に電気的に接続される。
【0082】
図4A図4Bは、第1基板側配線21と第2基板側配線22と導電部材41を示す部分断面図である。図4Aに示すように、第1基板側配線21と第2基板側配線22とが重なる部分における、第1基板側配線21が延在する方向に直交する断面において、第1基板側配線21の幅と、第2基板側配線22の幅とは異なり、第2基板側配線22の幅は、第1基板側配線21の幅より狭い。そのため、第1基板側配線21と第2基板側配線22とを、導電部材41を介して接続する場合でも、導電部材41が、第1基板側配線21と第2基板側配線22との間に均等な厚さで存在することになり、第1基板側配線21と第2基板側配線22とをより確実に電気的に接続できる。
【0083】
導電部材41を介して第1基板側配線21と第2基板側配線22とを電気的に接続する際、第1基板側配線21と第2基板側配線22との間に導電部材41を配置し、第1主面に直交する方向に圧力を加えながら、熱圧着する。その際、図4Bに示すように、第1基板側配線21の幅と第2基板側配線22の幅とが一致していると、第1基板側配線21と第2基板側配線22とが端縁のみで接触し、幅方向中央部に導電部材41が閉じ込められるドーミングが生じやすい。ドーミングが生じると、第1基板側配線21と第2基板側配線との接続部において幅方向中央部における第1主面111に直交する方向の厚みが増加する。そのため、導電部材41を介した電気的接続が十分に行えなくなる。
【0084】
しかしながら、前記実施形態によれば、第1基板側配線21の幅と第2基板側配線22の幅とが異なるので、熱圧着の際にも、導電部材41が閉じ込められずに均等に拡がることとなる。その結果、第1基板側配線21と第2基板側配線22とが、より確実に電気的に接続されることとなる。また、第1基板側配線21の幅と第2基板側配線22の幅とが異なり、一方の配線が他方の配線より広い幅を持つこととなる結果、位置合わせが容易となり、製造難易度をより下げることができる。また、位置ずれを低減でき、歩留まりをより高めることができる。
【0085】
ここで、幅方向とは、第1主面111に沿って、第1基板側配線21が延在する方向に直交する方向をいう。また、配線の側縁とは、配線の延在する方向に沿う縁をいう。また、第1基板側配線21と第2基板側配線22とが重なる部分における、第1基板側配線21が延在する方向に直交する断面は、第1基板側配線21と第2基板側配線22とが重なる部分において、第1基板側配線21が延在する方向の中央部分における断面図である。
【0086】
隣り合う第1基板側配線21の最短距離d1は、250μm未満であり、隣り合う第2基板側配線22の最短距離d2は、250μm以上である。これにより、基板の種類に応じた製造難易度の違いをより調整しやすくなり、結果として、伸縮デバイスの製造難易度をより引き下げ、より歩留まりよく製造可能となる。また、第1基板側配線21と第2基板側配線22とが重なる部分における、第1基板側配線21が延在する方向に直交する断面において、第1基板側配線21および第2基板側配線22のうち、幅の狭い方の幅は、好ましくは500μm以下であり、300μm以下であってもよい。
【0087】
図4では、第2基板側配線22の幅が第1基板側配線21の幅よりも狭いが、これに限定されず、第1基板側配線21の幅が第1基板側配線22の幅より狭くてもよい。
【0088】
第1電子部品31は、例えば、コネクタや素子、制御回路を有する。
【0089】
第1電子部品31は、第1主面111上のみに配置され、複数の第1基板側配線21に電気的に接続される。これにより、第1基板のみに電子部品が設けられるので、第2基板の製造難易度をより引き下げることが容易となる。
【0090】
図1および図2において、第1基板側配線21と電子部品31とは、実装用電極42およびはんだ43を介して電気的に接続される。電子部品31は、図示しない端子を有する。具体的に述べると、第1基板側配線21の端部は、実装用電極42に覆われ、電子部品31は、はんだ43を介して実装用電極42に電気的に接続される。実装用電極42には、銀、銅などの金属粉とエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂とからなる混合物を用いる。第1配線とはんだとの間に実装用電極を介することで、はんだ接合時にも第1基板側配線21が変形することなく、第1基板側配線と電子部品31とをより確実に電気的に接続できる。
【0091】
前記実施形態では、第1基板側配線21と第2基板側配線22とが重なる部分における、第1基板側配線21が延在する方向に直交する断面において、第2基板側配線22の幅は、第1基板側配線21の幅よりも狭いが、これに限定されず、第1基板側配線21の幅は、第2基板側配線22の幅より狭くてもよい。
【0092】
前記実施形態では、第1基板側配線21と第2基板側配線22とは、導電部材41を介して電気的に接続されるが、これに限定されず、第1基板側配線と第2基板側配線とは、第1基板側配線と第3基板側配線とが直接接触することにより、電気的に接続されてもよい。
【0093】
(第2実施形態)
図5は、伸縮デバイスの第2実施形態を示す平面図である。第2実施形態は、第1実施形態とは、さらに第3基板と第3基板上に配置される第3基板側配線を備える点で相違する。この相違する構成を以下に説明する。その他の構成は、第1実施形態と同じ構成であり、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0094】
図5に示すように、第2実施形態の伸縮デバイス1Aでは、第2基板12Aがさらに端辺12bを有し、さらに、第3基板13と、第3基板13に設けられる複数の第3基板側配線23および第3電子部品33とを備える。隣り合う第3基板側配線の一方が特許請求の範囲に記載される第6配線に該当し、他方が特許請求の範囲に記載される第7配線に該当する。これにより、より複雑な構成の伸縮デバイスを製造できる。
【0095】
第3基板13は、樹脂材料、例えば、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂又はポリイミド樹脂で形成され、ガラス繊維、紙繊維を含んでいてもよい。
【0096】
第3基板13の伸縮率は、100~1000%であることが好ましい。前記伸縮率とすることで、第3基板13への複雑な配線の形成が容易である。第3基板13のヤング率は、好ましくは0.1~50MPaである。前記ヤング率とすることで、第3基板13への複雑な配線の形成が容易である。第3基板13の厚さは、例えば10~100μmである。
【0097】
第3基板13は、互いに対向する第5主面131および第6主面132を含む。第3基板13は、平面視で矩形状に形成され、第3基板13の一つの端辺13aが、第2基板12の端辺12bと向かい合うように配置される。
【0098】
第3基板側配線23は、導電性材料で形成される。導電性材料には、例えば、銀、銅などの金属箔を用いてもよく、銀、銅などの金属粉とシリコーンなどのエラストマ系樹脂とからなる混合物を用いてもよい。エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂などのエラストマ系樹脂とからなる混合物を用いてもよい。金属箔の厚さは、好ましくは0.01μm以上10μm以下であり、金属粉の平均粒子D50は、好ましくは0.01μm以上10μm以下である。金属粉の形状は、球状、扁平状、突起等を有する異形状等であってよい。第3基板側配線23は、伸縮可能であってもよい。
【0099】
第3基板側配線23の厚さは、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下であり、好ましくは1μm以上、より好ましくは10μm以上である。第3基板側配線23の厚さが薄いほど、凹凸が小さくラミネート等が容易である。第3基板側配線23の幅は、好ましくは100μm以上10,000μm以下、より好ましくは300μm以上4,000μm以下である。
【0100】
第3基板側配線23は、第5主面131上に配置される。すなわち、特許請求の範囲に記載される第6配線および第7配線は、いずれも第5主面131上に配置され、同一主面上に存在する。第3基板側配線23は、第5主面131に直接接触するようにスクリーン印刷、インクジェット印刷、ディスペンスまたは金属箔のエッチングにより形成される。なお、第3基板側配線23は、第5主面131上に図示しない絶縁部材などの他の部材を介して配置されていてもよい。また、第3基板側配線23は、図示しない絶縁被覆層で覆われていてもよい。
【0101】
また、第3基板側配線23は、第5基板131に垂直な方向から見て第3電子部品33または当該第3電子部品33の端子に重なる第3領域と、第3電子部品33および当該第3電子部品33の端子に重ならない第4領域とによって構成される。特許請求の範囲に記載される第6配線と第7配線との最短距離とはそれぞれの配線の第4領域同士の最短距離のことを指す。
【0102】
複数の第3基板側配線23は、第5主面131に沿って延在する。複数の第3基板側配線は、互いに交差しないで離隔して配置されていてもよい。第5主面131に沿って延在する。第3基板側配線23は、それぞれ、第2基板側配線22に電気的に接続される。第6配線に該当する第3基板側配線23は、第3配線に該当する第2基板側配線に電気的に接続されていてもよく、第7配線に該当する第2基板側配線23は、第4配線に該当する第2基板側配線22に電気的に接続されていてもよい。図5では、第3基板側配線23は、直線部分及び角部分から構成されるが、これに限定されず、曲線部分を有していてもよい。
【0103】
隣り合う第3基板側配線23間の最短距離d3は、隣り合う第2基板側配線22間の最短距離d2よりも短い。つまり、第5主面131上に配置される配線パターンは、第4主面122に配置される配線パターンよりも、精細である。このため、第3基板13上に、精細な配線パターンを形成しつつ、伸縮可能な第2基板12上には、配線が比較的疎に分散して配置されることとなる。したがって、製造難易度が高くなく、歩留まりよく製造可能となる。さらに、第2基板12上には、配線が比較的疎に分散して配置されることとなるため、第2基板12全体で比較的均等に伸縮負荷を吸収することが可能となる。
【0104】
第3基板側配線23の数量nが2の場合に関し、配線間の最短距離について説明する。
【0105】
第3基板側配線23間の最短距離d3は、一方の第3基板側配線23aに沿って、一方の第3基板側配線23aから他方の第1基板側配線23bまでの距離を順次計測して得られた計測値のうちの、最短値をいう。
【0106】
隣り合う第3基板側配線23間の最短距離d3が、隣り合う第2基板側配線22間の最短距離d2より短いとは、d3とd2とを比較してd3の方が小さい値を有することをいう。
【0107】
第3基板側配線23の数量nが3以上の場合に関し、配線間の最短距離について説明する。以下では、所定の第2基板側配線を22a、22b、22c、22dとし、所定の第3基板側配線を23a、23b、23c、23dとして説明する。
【0108】
隣り合う第3基板側配線23間の最短距離は、n-1組の隣り合う第3基板側配線23の最短距離のうち、最も小さい値をいう。
【0109】
図5では、1組目の隣り合う第3基板側配線23a、23b間の最短距離がd31であり、2組目の隣り合う第3基板側配線23c、23d間の最短距離がd32である。最短距離d31と最短距離d32とを比較すると、最短距離d31の方が小さい。このように、n-1個の最短距離を求め、これらの値を比較することで、その最小値である最短距離d3を求めることができる。
【0110】
隣り合う第3基板側配線23間の最短距離が、隣り合う第2基板側配線22間の最短距離より短いとは、d3とd2とを比較してd3の方が小さい値を有することをいう。
【0111】
第3電子部品33は、例えば、コネクタや素子、制御回路を有する。
【0112】
第3電子部品33は、第5主面131上に配置され、複数の第3基板側配線23に電気的に接続される。その他の構成の効果は、第1実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0113】
(第3実施形態)
図6A図6Bは伸縮デバイスの第3実施形態を示し、第1基板側配線と第2基板側配線を示す拡大平面図である。第3実施形態は、第1実施形態とは、第1基板側配線および第2基板側配線の構成が相違する。この相違する構成を以下に説明する。その他の構成は、第1実施形態と同じ構成であり、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0114】
第3実施形態の伸縮デバイス1Bでは、第1基板側配線21Bと第2基板側配線22Bの少なくとも一方は、櫛歯状の端部を有し、好ましくは第2基板側配線22Bが、櫛歯状の端部を有する。これにより、第1基板側配線21Bと第2基板側配線22Bの間に図示しない導電部材を介して電気的に接続する際、導電部材が櫛歯の間に流出することができ、第1基板側配線21Bと第2基板側配線22Bとの間に閉じ込められないので、ドーミングが抑制され、第1基板側配線21Bと第2基板側配線22Bの電気的接続が良好になる。
【0115】
櫛歯状の端部は、幅方向に並列され離隔して設けられる複数の歯部22aを有し、隣り合う2つの歯部22aの間隔は、全ての歯部22aにおいて、好ましくは700μm以下である。これにより、第1基板側配線21Bと第2基板側配線22Bとが重なる部分の面積が大きくなるので、第1基板側配線21Bと第2基板側配線22Bとがより確実に電気的に接続される。また、隣り合う2つの歯部22aの間隔は、全ての歯部22aにおいて、好ましくは200μm以上である。これにより、ドーミング抑制効果がより確実に発揮され、第1基板側配線21Bと第2基板側配線22Bの電気的接続がいっそう良好になる。また、隣り合う2つの歯部22aの間隔は、全ての歯部において同一である。これにより、複数の歯部が幅方向に等間隔で配置されるので、第1配線と第3配線とがより確実に電気的に接続される。
【0116】
また、隣り合う2つの歯部22aの間隔は、歯部の幅の0.5~2倍であってよく、0.8~1.2倍であってよい。
【0117】
歯部22aの少なくとも一部が第1基板側配線21Bと重なっていればよく、歯部22aの全部が第1基板側配線21Bと重なっていてもよい。
【0118】
図6Aでは、第2基板側配線22Bが櫛歯状の端部を有するが、これに限定されず、第2基板側配線22Bと接続される側に、第1基板側配線21Bが櫛歯状の端部を有していてもよい。この場合、第2基板側配線22Bの端部に設けられる歯部の数と、第1基板側配線21Bの第2基板側配線22Bに接続される端部に設けられる歯部の数とは、同一であっても異なっていてもよい。第2基板側配線22Bの端部に設けられる歯部の数が、第1基板側配線21Bの第2基板側配線22Bに接続される端部に設けられる歯部の数の2倍であってもよい。例えば、図6Bに示すように、第2基板側配線22Bの端部に設けられる歯部の数が4本であり、第1基板側配線21Bの第2基板側配線22Bに接続される端部に設けられる歯部の数が2本であってもよい。第2基板側配線22Bの端部に設けられる歯部の数が、第1基板側配線21Bの第2基板側配線22Bに接続される端部に設けられる歯部の数の1/2倍であってもよく、さらに、第2基板側配線22Bの端部に設けられる歯部の数が2本であり、第1基板側配線21Bの第2基板側配線22Bに接続される端部に設けられる歯部の数が4本であってもよい。また、図6Bでは、櫛歯状の端部に設けられる歯部の数は、2本または4本であるが、これに限定されず、その数量の増減は、自由である。その他の構成の効果は、第1実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0119】
(第4実施形態)
図7は、伸縮デバイスの第4実施形態を示し、第1基板側配線と第5配線を示す拡大平面図である。図8は、図7のII-II断面図である。第4実施形態は、第1実施形態とは、第5配線を有する構成が相違する。この相違する構成を以下に説明する。その他の構成は、第1実施形態と同じ構成であり、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0120】
図7図8に示すように、第4実施形態の伸縮デバイス1Cは、さらに、第1主面111C上に設けられる第5配線27を備え、第5配線27は、第1主面111Cに直交する方向からみて第1基板側配線21Cと重なる領域を有する。つまり、第1基板11Cに配置される配線の、第1主面111Cに直交する方向の重なりは、第2基板12Cに配置される配線の、第4主面122に直交する方向の重なりよりも低くなる。これにより、第1基板11上にはより複雑な配線パターンが配置されることになり、第2基板12における配線パターンを簡略化でき、第2基板の製造難易度をより引き下げることができる。
【0121】
第5配線27は、導電性材料で形成される。導電性材料には、例えば、銀、銅、ニッケルなどの金属箔を用いてもよく、銀、銅、ニッケルなどの金属粉とエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂などのエラストマ系樹脂とからなる混合物を用いてもよい。金属箔の厚さは、好ましくは0.01μm以上10μm以下であり、金属粉の平均粒子D50は、好ましくは0.01μm以上10μm以下である。金属粉の形状は、球状、扁平状、突起等を有する異形状等であってよい。第5配線27は、伸縮可能であってもよい。第5配線27が伸縮可能であると第1基板側配線上に第5配線を形成した場合でも、断線等の抑制が容易になる。
【0122】
第5配線27の厚さは、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下であり、好ましくは1μm以上、より好ましくは10μm以上である。第5配線27の厚さが薄いほど、凹凸が小さくラミネート等が容易である。第5配線27の幅は、好ましくは100μm以上10,000μm以下、より好ましくは300μm以上4,000μm以下である。
【0123】
第5配線27は、第1主面111C上に配置される。第5配線27は、第1主面111Cにスクリーン印刷、インクジェット印刷、ディスペンスまたは金属箔のエッチングにより形成される。第5配線27と第1基板側配線21Cとは、絶縁部材51Cにより電気的に絶縁される。また、第5配線27は、図示しない絶縁被覆層で覆われていてもよい。
【0124】
第5配線27は、第1主面111Cに直交する方向からみて、第1基板側配線21Cと交差する。図7では、第5配線27と第1基板側配線21Cとは直交しているが、これに限定されず、交差角の増減は自由である。また、図7では、第7基板側配線は、直線部分から構成されるが、これに限定されず、角部分、曲線部分を有していてもよい。
【0125】
さらに、図7では、第5配線27と第1基板側配線21Cのみを示しているが、これに限定されない。伸縮デバイス1Cでは、例えば、第4主面上に、さらに、第5配線27と電気的に接続され、互いに交差しないで離隔して配置され、第4主面に沿って延在する第8配線が配置されていてもよい。第8配線の構成は、第2基板側配線の構成と同じである。また、伸縮デバイス1Cには、例えば、第1主面111C上に、第5配線27に電気的に接続される第4電子部品が配置されていてもよい。第4電子部品の構成は、第1電子部品の構成と同じである。その他の構成の効果は、第1実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0126】
(第5実施形態)
図9は、伸縮デバイスの第5実施形態を示し、第1基板側配線と第2基板側配線を示す部分断面図である。第5実施形態は、第1実施形態とは、絶縁被覆層を有する構成が相違する。この相違する構成を以下に説明する。その他の構成は、第1実施形態と同じ構成であり、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0127】
図9に示すように、第5実施形態の伸縮デバイス1Dでは、第1基板側配線21Dは、第1主面111D上に、第1絶縁部材53を介して形成され、第1基板側配線21Dは、第1絶縁被覆層51で被覆されている。また、第2基板側配線22Dは、第4主面122D上に、第2絶縁部材54を介して形成され、第2基板側配線22Dは、第2絶縁被覆層52で被覆されている。かつ、第1基板側配線21Dおよび第2基板側配線22Dと導電部材41Dとは、第1主面111に直交する方向に重なるように配置され、第1絶縁被覆層51は、第1主面111Dに直交する方向からみて導電部材41Dと重なる。さらに、第2絶縁被覆層は、第4主面122Dに直交する方向からみて導電部材41Dと重なる。
【0128】
本実施形態において、第1基板側配線21Dは第1絶縁被覆層51により被覆されているため、第1基板側配線21Dと外部との接触が抑制され、ノイズを軽減できる。さらに、第1絶縁被覆層51は、第1主面111Dに直交する方向において、第2基板側配線22Dと導電部材41Dの間に配置される領域を有する。そのため、第1基板側配線21Dの破断を抑制しやすくなる。また、第2基板側配線22Dは第2絶縁被覆層52により被覆されているため、第2基板側配線22Dと外部との接触が抑制され、ノイズを軽減できる。さらに、第2絶縁被覆層52は、第1主面111Dに直交する方向において、第1基板側配線21Dと導電部材41Dの間に配置される領域を有する。そのため、第2基板側配線22Dの破断を抑制しやすくなる。
【0129】
図9では、第1基板側配線21Dは、第1主面111D上に、第1絶縁部材53を介して形成されているが、これに限定されず、第1絶縁部材53を介さずに形成されていてもよい。また、第2基板側配線22Dは、第4主面122D上に、第2絶縁部材54を介して形成されているが、これに限定されず、第2絶縁部材54を介さずに形成されていてもよい。その他の構成の効果は、第1実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0130】
(第6実施形態)
図10は、伸縮デバイスの第6実施形態を示し、第1基板側配線と第2基板側配線を示す断面図である。図11は、図10のIII-III断面図である。第6実施形態は、第1実施形態とは、第1基板側配線と第2基板側配線とをはんだおよび実装用電極を介して電気的に接続する構成が相違する。この相違する構成を以下に説明する。その他の構成は、第1実施形態と同じ構成であり、第1実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0131】
図10および図11に示すように、第6実施形態の伸縮デバイス1Eでは、第1基板側配線21Eと第2基板側配線22Eとは、実装用電極42およびはんだ43を介して電気的に接続される。具体的に述べると、第1基板側配線21Eおよび第2基板側配線22Eの端部は、それぞれ、実装用電極42で覆われ、それぞれの実装用電極42は、はんだ43を介して電気的に接続される。これにより、第1基板側配線21Eと第2基板側配線22Eの電気的接続を確保し、多様な伸縮デバイスの製造形態に対応できる。また、第1基板側配線21Eおよび第2基板側配線22Eとはんだ43との間に実装用電極42を介することで、はんだ接合時に、第1基板側配線21Eと第2基板側配線22Eが変形しにくくなるので、第1基板側配線21Eと第2基板側配線22Eをより確実に電気的に接続できる。
【0132】
実装用電極には、銀、銅などの金属粉とエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂とからなる混合物を用いる。その他の構成の効果は、第1実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0133】
本実施形態において、第1基板側配線と第2基板側配線とは、実装用電極およびはんだを介して電気的に接続されるが、これに限定されず、第1基板側配線と第2基板側配線とは、実装用電極および導電性接着剤を介して電気的に接続されていてもよい。
【0134】
(第7実施形態)
図12は、伸縮デバイスの第7実施形態を示す断面図である。第7実施形態は、第2実施形態とは、第2基板の構成ならびに第1基板側配線と第2基板側配線の電気的接続に導電部材でなくコネクタを用いる構成が相違する。この相違する構成を以下に説明する。その他の構成は、第1実施形態と同じ構成であり、第1実施形態と同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0135】
図12に示すように、第7実施形態の伸縮デバイス1Fでは、第2基板12Fは、第4主面122Fが第1主面111Fと同一方向を向くように配置され、第1基板側配線21Fと第2基板側配線22Fとは、コネクタ44を介して電気的に接続される。同時に、第1基板11Fと第2基板12Fとは、コネクタ44を介して接続される。コネクタ44を介して第1基板側配線21および第2基板側配線22Fがそれぞれ電気的に接続されることで、接続部分における機械強度が高くなる。
【0136】
図12では、第1基板側配線21Fと第2基板側配線22Fがコネクタ44を介して電気的に接続されているが、同様に、第2基板側配線22Fと第3基板側配線とがコネクタを介して電気的に接続されていてもよい。その他の構成の効果は、第1実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0137】
(第8実施形態)
図13は、伸縮デバイスの第8実施形態を示す平面図である。第8実施形態は、第1実施形態とは、第2基板上に第2電子部品を有する構成が相違する。この相違する構成を以下に説明する。その他の構成は、第1実施形態と同じ構成であり、第1実施形態と同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0138】
図13に示すように、第8実施形態の伸縮デバイス1Gでは、第1電子部品31Gが複数の第1部品端子311を有しており、さらに、第4主面122G上に、複数の第2部品端子321を有する第2電子部品32が配置される。隣り合う第1電子部品端子311の一方が第1端子に該当し、他方が第2端子に該当する。また、隣り合う第2電子部品端子の一方が第3端子に該当し、他方が第4端子に該当する。
【0139】
第1部品端子311は、第1基板側配線21Gにそれぞれ電気的に接続される。第1端子に該当する第1部品端子311は、第1配線に該当する第1基板側配線21Gに電気的に接続され、第2端子に該当する第1部品端子311は、第2配線に該当する第1基板側配線21Gに電気的に接続される。
【0140】
第2電子部品32は、例えば、コネクタや素子、制御回路を有する。
【0141】
第2電子部品32は、第4主面122G上に配置される。
【0142】
第2部品端子321は、第2基板側配線22Gにそれぞれ電気的に接続される。第3端子に該当する第2部品端子321は、第3配線に該当する第2基板側配線22Gに電気的に接続され、第4端子に該当する第2部品端子322は、第4配線に該当する第2基板側配線22Gに電気的に接続される。
【0143】
そして、隣り合う第1部品端子間の最短距離d3は、隣り合う第2部品端子間の最短距離d4よりも短い。つまり、第1基板に設けられる電子部品の方が、第2部品に設けられる電子部品よりも狭い端子間距離を有する。これにより、伸縮可能な第2基板にも第2電子部品を設けた場合であっても、第1基板上の第1電子部品における第1端子と第2端子との最短距離が、第2基板上の第2電子部品における第3端子と第4端子との最短距離よりも短いため、第2基板において、配線が比較的疎に分散して配置されることになり、製造難易度を下げることが容易となる。
【0144】
図13では、第1部品端子311および第2部品端子321は、それぞれ、電子部品の側面に配置されているが、これに限定されず、それぞれ、電子部品の底面に配置されていてもよい。その他の構成の効果は、第1実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0145】
(第9実施形態)
図14は、伸縮デバイスの第9実施形態を示す平面図である。第9実施形態は、第1実施形態とは、第1基板側配線の幅が第2基板側配線の幅よりも広い構成が相違する。この相違する工程を以下に説明する。その他の構成は、第1実施形態と同じ構成であり、第1実施形態と同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0146】
図14に示すように、第9実施形態の伸縮デバイス1Hでは、第1基板側配線21Hの幅は、第2基板側配線22Hの幅よりも広い。第1基板側配線21Hの幅が広いことで、基板の変形を抑制し、接続信頼性を高めることができる。
【0147】
第2基板側配線22Hの厚さは、好ましくは100μm以下、より好ましくは50μm以下であり、好ましくは1μm以上、より好ましくは10μm以上である。第1基板側配線21の厚さが薄いほど、凹凸が小さくラミネート等が容易である。第1基板側配線21の幅は、好ましくは100μm以上10,000μm以下、より好ましくは300μm以上4,000μm以下である。
図14において、第1基板側配線21Hと第2基板側配線22Hの端部の端縁は、直線状であるが、これに限定されない。例えば、上記第3実施形態のように、第1基板側配線21Hと第2基板側配線22Hの少なくとも一方は、櫛歯状の端部を有してよく、好ましくは、第1基板側配線21Hが櫛歯状の端部を有していてもよい。これにより、第1基板側配線21Hと第2基板側配線22Hの間に図示しない導電部材を介して電気的に接続する際、導電部材が櫛歯の間に流出することができ、第1基板側配線21Hと第2基板側配線22Iの間に閉じ込められないので、ドーミングが抑制され、第1基板側配線21Hと第2基板側配線22Hの電気的接続が良好になる。
【0148】
櫛歯状の端部は、幅方向に並列され離隔して設けられる複数の歯部21eを有し、隣り合う2つの歯部21eの間隔は、全ての歯部21eにおいて、好ましくは700μm以下である。これにより、第1基板側配線21Iと第2基板側配線22Iとが重なる部分の面積が大きくなるので、第1基板側配線21Iと第2基板側配線22Iとがより確実に電気的に接続される。また、隣り合う2つの歯部21eの間隔は、全ての歯部21eにおいて、好ましくは200μm以上である。これにより、ドーミング抑制効果がより確実に発揮され、第1基板側配線21Iと第2基板側配線22Iの電気的接続がいっそう良好になる。また、隣り合う2つの歯部21eの間隔は、全ての歯部において同一である。これにより、複数の歯部が幅方向に等間隔で配置されるので、第1配線と第3配線とがより確実に電気的に接続される。
【0149】
また、隣り合う2つの歯部21eの間隔は、歯部の幅の0.5~2倍であってよく、0.8~1.2倍であってよい。
【0150】
歯部21eの少なくとも一部が第2基板側配線22Hと重なっていればよく、歯部21eの全部が第2基板側配線22Hと重なっていてもよい。
【0151】
図15Aでは、第1基板側配線21Hが櫛歯状の端部を有するが、これに限定されず、第1基板側配線21Hと接続される側に、第2基板側配線22Hが櫛歯状の端部を有していてもよい。この場合、第1基板側配線21Hの端部に設けられる歯部の数と、第2基板側配線22Hの第1基板側配線に接続される端部に設けられる歯部の数とは、同一であっても異なっていてもよい。第1基板側配線21Hの端部に設けられる歯部の数が、第2基板側配線22Hの第1基板側配線21Hに接続される端部に設けられる歯部の数の2倍であってもよい。例えば、図15Bに示すように、第1基板側配線21Hの端部に設けられる歯部の数が4本であり、第2基板側配線22Hの第1基板側配線21Hに接続される端部に設けられる歯部の数が2本であってもよい。第1基板側配線21Hの端部に設けられる歯部の数が、第2基板側配線22Hの第1基板側配線21Hに接続される端部に設けられる歯部の数の1/2倍であってもよく、さらに、第1基板側配線21Hの端部に設けられる歯部の数が2本であり、第2基板側配線22Hの第1基板側配線21Hに接続される端部に設けられる歯部の数が4本であってもよい。また、図15Bでは、櫛歯状の端部に設けられる歯部の数は、2本または4本であるが、これに限定にされず、その数量の増減は自由である。その他の構成の効果は、第1実施形態と同じであるため、その説明を省略する。
【0152】
なお、本開示は上述の実施形態に限定されず、本開示の要旨を逸脱しない範囲で設計変更可能である。例えば、第1から第9実施形態のそれぞれの特徴点を様々に組み合わせてもよい。
【0153】
第1実施形態では、第1基板側配線の幅は、第2基板側配線の幅より狭く、第9実施形態では、第1基板側配線の幅は、第2基板側配線の幅より広いが、これに限定されない。例えば、第1基板側配線には、第2基板側配線よりも幅の広いものと第2基板側配線よりも幅の狭いものが混在していてもよい。また、第1基板側配線の幅と第2基板側配線の幅とは同一であってもよい。
【0154】
前記実施形態では、第1基板は、矩形状であるが、矩形状に限定されず、例えば、多角形状であってもよい。多角形状は、外に凸となる多角形状であってもよく、内に凹となる多角形状であってもよい。
【0155】
前記実施形態では、第2基板は、矩形状であるが、矩形状に限定されず、例えば、多角形、円形、楕円形などの長尺でない形状であってもよい。
【0156】
前記実施形態では、第3基板は矩形状であるが、矩形状に限定されず、例えば、多角形状であってもよい。多角形状は、外に凸となる多角形状であってもよく、内に凹となる多角形状であってもよい。
【0157】
前記実施形態では、第1電子部品は第1主面上に配置されるが、第1主面上に限定されず、例えば、第2主面上に配置されていてもよい。
【0158】
前記実施形態では、第2電子部品は第4主面上に配置されるが、第4主面上に限定されず、第3主面上に配置されていてもよい。
【符号の説明】
【0159】
1、1A~1H 伸縮デバイス
11、11C~11H 第1基板
111、111C~111H 第1主面
112、112C~112H 第2主面
11a 端辺
12、12A~12H 第2基板
121、121E、121F 第3主面
122、122E、122F 第4主面
12a、12b 端辺
13 第3基板
131 第5主面
132 第6主面
13a 端辺
21、21a、21b、21c、21d、21A~21H 第1基板側配線
22、22a、22b、22c、22d、22A~22H 第2基板側配線
21e、22a 歯部
23、23a、23b、23c、23d 第3基板側配線
27 第5配線
31、31G~31H 第1電子部品
311 第1基板側部品端子
32 第2電子部品
321 第2基板側部品端子
33 第3電子部品
41、41A~41H 導電部材
411 導電性粒子
42 実装用電極
43 はんだ
44 第1コネクタ
45 第2コネクタ
51、51C、51D 第1絶縁被覆層
52、52D 第2絶縁被覆層
53 第1絶縁部材
54 第2絶縁部材
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B