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特許7540622部品供給システム、組立体の製造方法、軸受の製造方法、機械の製造方法、車両の製造方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】部品供給システム、組立体の製造方法、軸受の製造方法、機械の製造方法、車両の製造方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/43 20240101AFI20240820BHJP
   B23P 19/00 20060101ALI20240820BHJP
   B23P 21/00 20060101ALI20240820BHJP
   B25J 5/00 20060101ALI20240820BHJP
   B25J 13/00 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
G05D1/43
B23P19/00 301L
B23P21/00 307P
B25J5/00 E
B25J13/00 Z
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2024534448
(86)(22)【出願日】2024-02-19
(86)【国際出願番号】 JP2024005831
【審査請求日】2024-06-10
(31)【優先権主張番号】P 2023062856
(32)【優先日】2023-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000004204
【氏名又は名称】日本精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100207789
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 良平
(72)【発明者】
【氏名】越智 俊介
(72)【発明者】
【氏名】中畑 多佳之
(72)【発明者】
【氏名】牧野 裕
【審査官】尾形 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-89211(JP,A)
【文献】特開平6-95736(JP,A)
【文献】特開平11-77562(JP,A)
【文献】特開2021-84185(JP,A)
【文献】特開2009-298223(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/43
B23P 19/00
B23P 21/00
B25J 5/00
B25J 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御装置と、
前記制御装置からの指令に基づいて、部品置場と組立設備との間を無軌道で移動して、部品を収容する部品ケースを搬送する移動ロボットと、
前記組立設備と前記移動ロボットとの間で前記部品ケースの移載を行う移載装置と、
前記組立設備と前記移動ロボットとの間の位置関係を測定する測定装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記移動ロボットと前記組立設備との間で前記部品ケースの移載を行う前に、前記測定装置を用いて前記組立設備と前記移動ロボットとの間の位置関係を測定し、前記位置関係の測定結果に基づいて、前記組立設備に対する前記移動ロボットの停止位置を補正
前記移載装置は、力覚センサを有し、前記力覚センサの検出値に基づいて前記組立設備における所定のセット部に対する前記部品ケースの挿入動作を補正しながら、前記部品ケースを前記セット部にセットする、
部品供給システム。
【請求項2】
前記測定装置は、前記組立設備と前記移動ロボットとのうちの一方の所定の箇所に付された補正マークと、前記組立設備と前記移動ロボットとのうちの他方に備えられた補正用カメラとを含み、
前記制御装置は、前記補正用カメラにより前記補正マークを読み取って前記組立設備と前記移動ロボットとの間の位置関係を測定する、請求項1に記載の部品供給システム。
【請求項3】
前記移載装置は、ロボットアーム、および、前記ロボットアームの先端部に取り付けられかつ前記部品ケースを把持可能なハンドと、を有する、請求項1または2に記載の部品供給システム。
【請求項4】
前記移載装置は、ロボットアーム、および、前記ロボットアームの先端部に取り付けられかつ前記部品ケースを把持可能なハンドと、を有し、
前記補正マークは、前記組立設備の前記所定の箇所に付されており、
前記補正用カメラは、前記ロボットアームの先端部に取り付けられている、請求項2に記載の部品供給システム。
【請求項5】
前記移載装置は、前記ロボットアームの先端部に取り付けられた力覚センサを有し、
前記制御装置は、前記組立設備に対する前記移動ロボットの停止位置の補正を行った後に、前記力覚センサの検出値に基づいて前記移載装置の移載動作を補正する、請求項3に記載の部品供給システム。
【請求項6】
前記部品ケースは、長軸を有する収容空間であり、複数の部品が前記長軸に沿って積み重ねられて収容される前記収容空間を有し、
前記移載装置は、前記長軸と平行な軸に沿って前記部品ケースを前記セット部に挿入することにより、前記部品ケースを前記セット部にセットし、
前記組立設備において前記長軸に沿って前記部品ケースから前記複数の部品が順に取り出される、
請求項1または2に記載の部品供給システム。
【請求項7】
前記移動ロボットは、前記移載のためのコンベアを有する、請求項1または2に記載の部品供給システム。
【請求項8】
前記コンベアは、2つのコンベアを含む、請求項に記載の部品供給システム。
【請求項9】
制御装置と、
前記制御装置からの指令に基づいて、部品置場と組立設備との間を無軌道で移動して、部品を収容する部品ケースを搬送する移動ロボットと、
前記組立設備と前記移動ロボットとの間で前記部品ケースの移載を行う移載装置と、
前記組立設備と前記移動ロボットとの間の位置関係を測定する測定装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記移動ロボットと前記組立設備との間で前記部品ケースの移載を行う前に、前記測定装置を用いて前記組立設備と前記移動ロボットとの間の位置関係を測定し、前記位置関係の測定結果に基づいて、前記組立設備に対する前記移動ロボットの停止位置を補正し、
前記部品ケースは、長軸を有する収容空間であり、複数の部品が前記長軸に沿って積み重ねられて収容される前記収容空間を有し、
前記移載装置は、前記長軸と平行な軸に沿って前記部品ケースを前記組立設備におけるセット部に挿入することにより、前記部品ケースを前記セット部にセットし、
前記組立設備において前記長軸に沿って前記部品ケースから前記複数の部品が順に取り出される、
部品供給システム。
【請求項10】
複数の部品が収容された部品ケースが搭載された自立走行ロボットを、ベース装置から組立装置の前に移動させることと、
測定装置を用いて前記組立装置と前記自立走行ロボットとの間の位置関係を測定した結果に基づいて、前記組立装置に対する前記自立走行ロボットの停止位置を補正することと、
移載装置を用いて、前記部品ケースを、前記停止位置が補正された前記自立走行ロボットから前記組立装置に移載して前記組立装置における所定のセット部に前記部品ケースをセットすることと、
前記組立装置において前記部品ケースから前記複数の部品を順に取り出すことと、
を備え
前記移載装置は、力覚センサを有し、前記力覚センサの検出値に基づいて前記セット部に対する前記部品ケースの挿入動作を補正しながら、前記部品ケースを前記セット部にセットする、
組立体の製造方法。
【請求項11】
前記部品ケースは、長軸を有する収容空間であり、前記複数の部品が前記長軸に沿って積み重ねられて収容される前記収容空間を有し、
前記移載装置は、前記長軸に沿って前記部品ケースを前記セット部に挿入することにより、前記部品ケースを前記セット部にセットし、
前記組立装置は、前記長軸に沿って前記部品ケースから前記複数の部品を順に取り出す、
請求項10に記載の製造方法。
【請求項12】
複数の部品が収容された部品ケースが搭載された自立走行ロボットを、ベース装置から組立装置の前に移動させることと、
測定装置を用いて前記組立装置と前記自立走行ロボットとの間の位置関係を測定した結果に基づいて、前記組立装置に対する前記自立走行ロボットの停止位置を補正することと、
移載装置を用いて、前記部品ケースを、前記停止位置が補正された前記自立走行ロボットから前記組立装置に移載して前記組立装置における所定のセット部に前記部品ケースをセットすることと、
前記組立装置において前記部品ケースから前記複数の部品を順に取り出すことと、
を備え、
前記部品ケースは、長軸を有する収容空間であり、前記複数の部品が前記長軸に沿って積み重ねられて収容される前記収容空間を有し、
前記移載装置は、前記長軸に沿って前記部品ケースを前記セット部に挿入することにより、前記部品ケースを前記セット部にセットし、
前記組立装置は、前記長軸に沿って前記部品ケースから前記複数の部品を順に取り出す、
組立体の製造方法。
【請求項13】
請求項10又は12に記載の製造方法を用いて軸受を製造する、軸受の製造方法。
【請求項14】
請求項10又は12に記載の製造方法を用いて機械を製造する、機械の製造方法。
【請求項15】
請求項13に記載の製造方法を用いて軸受を製造することと、
前記軸受を使って車両を組み立てることと、
を備える、車両の製造方法。
【請求項16】
請求項14に記載の製造方法を用いて機械を製造することと、
前記機械を使って車両を組み立てることと、
を備える、車両の製造方法。
【請求項17】
複数の部品が収容された部品ケースが搭載された自立走行ロボットを、ベース装置から組立装置の前に移動させることと、
測定装置を用いて前記組立装置と前記自立走行ロボットとの間の位置関係を測定した結果に基づいて、前記組立装置に対する前記自立走行ロボットの停止位置を補正することと、
移載装置を用いて、前記部品ケースを、前記停止位置が補正された前記自立走行ロボットから前記組立装置に移載して前記組立装置における所定のセット部に前記部品ケースをセットすることと、
前記部品ケースを前記セット部にセットするときに、前記移載装置に設けられた力覚センサの検出値に基づいて前記セット部に対する前記部品ケースの挿入動作を補正することと、
前記組立装置において前記部品ケースから前記複数の部品を順に取り出すことと、
をプロセッサに実行させる、プログラム。
【請求項18】
長軸を有する収容空間であり、複数の部品が前記長軸に沿って積み重ねられて収容される前記収容空間を有する部品ケースが搭載された自立走行ロボットを、ベース装置から組立装置の前に移動させることと、
測定装置を用いて前記組立装置と前記自立走行ロボットとの間の位置関係を測定した結果に基づいて、前記組立装置に対する前記自立走行ロボットの停止位置を補正することと、
移載装置を用いて、前記部品ケースを、前記停止位置が補正された前記自立走行ロボットから前記組立装置に移載して前記組立装置における所定のセット部に前記部品ケースをセットすることと、
前記部品ケースを前記セット部にセットするときに、前記移載装置において前記長軸に沿って前記部品ケースを前記セット部に挿入することと、
前記組立装置において前記長軸に沿って前記部品ケースから前記複数の部品を順に取り出すことと、
をプロセッサに実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、製品の生産工場において、部品を収容した部品ケースを、移動ロボットを用いて部品置場から組立設備へ搬送して供給することが可能な、部品供給システムに関する。
本願は、2023年4月7日に出願された特願2023-062856号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
複数の部品からなる製品、たとえば、軸受装置、ボールねじ装置、リニアガイドなどの生産工場には、部品の組み立てを行うための組立装置、組立作業台などの組立設備(組立装置)が存在する。組立設備は、通常、製品の生産ラインの一部に配置されている。このような組立設備を備えた生産工場では、部品を収容した部品ケースを部品置場から組立設備へ搬送して供給する作業が、随時行われる。
【0003】
かかる作業は、重労働であり、また、人件費が嵩むという問題がある。そこで、このような問題を解決するために、移動ロボットを用いて部品ケースを搬送することが考えられる。
【0004】
特開2020-91571号公報には、上述したような作業を行うために用いることが可能な移動ロボットが記載されている。移動ロボットは、レールなどの軌道が敷設されていない場所を移動する無軌道移動ロボットであり、搬送対象物を移載するためのハンド部などの移載手段を備えている。移動ロボットは、第1地点で搬送対象物を自身に移載した後、第1地点から第2地点まで移動し、第2地点で搬送対象物を車両などの相手側の物体、設備、又は装置に移載するように制御される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2020-91571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特開2020-91571号公報に記載された移動ロボットは、所定のルートに沿って移動したり、所定の位置で停止したりするための位置検出センサを備えている。しかしながら、移動ロボットは、無軌道で移動するため、停止位置の精度を十分に確保することが難しく、第2地点での停止位置が最適位置からずれる可能性がある。移動ロボットの停止位置がずれた場合には、相手側への搬送対象物の移載を高い位置精度で行うことができないという問題がある。
【0007】
特に、複数の部品からなる製品の生産工場では、組立設備への部品ケースの移載を、高い位置精度で行うことが要求される場合がある。たとえば、かかる移載の作業が、組立設備に備えられたセット部に対して部品ケースを挿入したり嵌合したりするセット作業である場合、移動ロボットと組立設備との間に作業者が介在するのであれば、その作業者がセット作業を行うことで特に問題を生じることはない。一方、作業者が介在しない場合には、移動ロボットがセット作業を高い位置精度で行わないと、セット部に対して部品ケースをセットできず、部品ケースが落下してしまうなどの問題を生じる場合がある。
【0008】
本開示は、移動ロボットと組立設備との間で部品ケースを高い位置精度で移載することが可能な部品供給システムを提供することを目的とする。本開示の別の目的は、製造コストの低減や製造品質の向上に有利な、部品供給システム、組立体の製造方法、軸受の製造方法、機械の製造方法、車両の製造方法、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様に係る部品供給システムは、制御装置と、前記制御装置からの指令に基づいて、部品置場と組立設備との間を無軌道で移動して、部品を収容する部品ケースを搬送する移動ロボットと、前記組立設備と前記移動ロボットとの間で前記部品ケースの移載を行う移載装置と、前記組立設備と前記移動ロボットとの間の位置関係を測定する測定装置と、を備える。前記制御装置は、前記移動ロボットと前記組立設備との間で前記部品ケースの移載を行う前に、前記測定装置を用いて前記組立設備と前記移動ロボットとの間の位置関係を測定し、前記位置関係の測定結果に基づいて、前記組立設備に対する前記移動ロボットの停止位置を補正する。
【0010】
本発明の一態様に係る組立体の製造方法は、複数の部品が収容された部品ケースが搭載された自立走行ロボットを、ベース装置から組立装置の前に移動させることと、測定装置を用いて前記組立装置と前記自立走行ロボットとの間の位置関係を測定した結果に基づいて、前記組立装置に対する前記自立走行ロボットの停止位置を補正することと、移載装置を用いて、前記部品ケースを、前記停止位置が補正された前記自立走行ロボットから前記組立装置に移載して前記組立装置における所定のセット部に前記部品ケースをセットすることと、前記組立装置において前記部品ケースから前記複数の部品を順に取り出すことと、を備える。
【0011】
本発明の一態様に係る軸受の製造方法は、上記の組立体の製造方法を用いて軸受を製造する。
【0012】
本発明の一態様に係る機械の製造方法は、上記の組立体の製造方法を用いて機械を製造する。
【0013】
本発明の一態様に係る車両の製造方法は、上記の軸受の製造方法を用いて軸受を製造することと、前記軸受を使って車両を組み立てることと、を備える。
【0014】
本発明の一態様に係る車両の製造方法は、上記の機械の製造方法を用いて機械を製造することと、前記機械を使って車両を組み立てること、を備える。
【0015】
本発明の一態様に係るプログラムは、複数の部品が収容された部品ケースが搭載された自立走行ロボットを、ベース装置から組立装置の前に移動させることと、測定装置を用いて前記組立装置と前記自立走行ロボットとの間の位置関係を測定した結果に基づいて、前記組立装置に対する前記自立走行ロボットの停止位置を補正することと、移載装置を用いて、前記部品ケースを、前記停止位置が補正された前記自立走行ロボットから前記組立装置に移載して前記組立装置における所定のセット部に前記部品ケースをセットすることと、前記組立装置において前記部品ケースから前記複数の部品を順に取り出すことと、をプロセッサに実行させる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一態様の部品供給システムによれば、移動ロボットと組立設備との間で、部品ケースを高い位置精度で移載することが可能である。
【0017】
本発明の別の態様によれば、製造コストの低減や製造品質の向上に有利な、部品供給システム、組立体の製造方法、軸受の製造方法、機械の製造方法、車両の製造方法、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、第1実施形態における部品供給システムの概念図である。
図2図2は、移動ロボットの斜視図である。
図3図3は、部品供給手順を示す図である。
図4図4は、移動ロボットによる組立設備への部品供給作業の開始から完了までの手順を示す図である。
図5図5は、組立体の製造方法の一例を示すフローチャート図である。
図6図6は、第2実施形態における部品供給システムを構成する移動ロボットの斜視図である。
図7図7は、第3実施形態における部品供給システムの概念図である。
図8図8は、転がり軸受の一部断面斜視図である。
図9図9は、転がり軸受により回転軸を支持したモータの概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1実施形態] 本発明の第1実施形態について、図1図5を用いて説明する。
【0020】
本実施形態において、部品供給システムは、複数の部品からなる製品(組立体)の生産工場に設置されるシステムである。生産工場は、部品置場(ベース装置、テーブル装置)1と、組立設備(組立装置)2とを備える。部品供給システムは、図1にその概念図を示すように、制御装置3と、移動ロボット(自立走行搬送ロボット、無軌道ロボット)4とを備える。移動ロボット4が床面等に沿って移動する平面(XY平面)内で互いに直交する方向をX軸方向及びY軸方向とし、XY平面に直交する方向をZ軸方向とする。
【0021】
一例において、生産工場において生産される製品は、軸受装置、ボールねじ装置、リニアガイドなど、複数の部品からなる製品(組立体)である。他の例において、上記以外の製品(組立体)が適用可能である。
【0022】
生産工場において、部品置場(ベース装置)1、組立設備(組立装置)2、および制御装置3の相互の位置関係は、図1に示されている位置関係に限定されず、任意に設定することができる。かかる任意性は、図1に破線で示されている、移動ロボット4の移動ルートについても同様である。
【0023】
部品置場(ベース装置)1は、部品を収容した部品ケース5(図2参照)が置かれている場所である。一例において、部品置場1は、部品ケース5を置くためのテーブル、棚などを備える。他の例において、別の構成を有する部品置場(ベース装置)が適用可能である。一例において、部品ケース5は、円筒状など、長軸を有する筒状形状を有する。他の例において、部品ケース5は、別の形状を有することができる。
【0024】
組立設備2は、部品の組み立てを行うための組立装置または作業台を備える。組立設備(組立装置)2は、部品置場1から離れた場所、たとえば製品の生産ラインの一部に配置されている。
【0025】
組立設備(組立装置)2は、挿入(嵌合を含む)などの適宜の態様(例えば、円柱嵌合)で部品ケース5をセットすることが可能な、セット部21を備える。一例において、組立設備2は、複数のセット部21を備える。他の例において、組立設備2は、単数のセット部21を備える。例えば、セット部21にセットされた部品ケース5内の部品は、部品ケース5から順次取り出されて他の部品に組み付けられるか、あるいは、部品ケース5ごとの部品収容部に移された後、部品収容部から順次取り出されて他の部品に組み付けられる。組み付けの作業は、組立装置による自動作業、作業者による手作業、および、組立装置と作業者との協働作業のうち、いずれかの態様で行われる。
【0026】
一例において、部品ケース5は、長軸を有する収容空間(chamber)を有する。部品ケース5は、開口部と、長軸に沿って延在し収容空間を囲む周壁とを有する。部品ケース5の収容空間に対し、開口部を介して、部品が出し入れされる。複数の部品が長軸に沿って積み重ねられて部品ケース5の収容空間内に収容される。例えば、部品ケース5は、長軸に沿って延在する円周壁で囲まれた空間を含む略円柱状又は略円筒状の収容空間を有する。複数の部品は、略円環状、又は略円筒状を有する。部品の中心が収容空間の長軸と略一致した状態で、収容空間の長軸に沿って複数の部品が積み重ねられて収容空間に収容される。部品ケース5に収容された部品は、収容空間の長軸と直交する面に沿って配置される軸面を有する。第1部品の軸面と第2部品の軸面とが面するように、部品ケース5内で積み重ねられる。組立設備(組立装置)2において、収容空間の長軸に沿って部品ケース5から複数の部品が順に取り出されて、別の部品と組み立てられる。例えば、部品ケース5から複数の部品が1つずつ取り出される、又は数個ずつ取り出される。例えば、部品ケース5の収容空間(収容室)において、長軸の長さをL1、長軸と直交する短軸の長さをL2とするとき、L1/L2は、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、又は10以上である。
【0027】
一例において、組立設備2は、それぞれのセット部21にセットされた部品ケース5に収容されている部品、または、部品ケース5から部品が移される部品収容部に収容されている部品の数量を監視する機能を有する。この機能は、たとえば、部品ケース5または部品収容部から取り出される部品の数量をカウントしたり、部品ケース5または部品収容部の重量を計測したりするなどの適宜の方法によって実現される。例えば、この機能は、組立設備2が制御装置3に部品を要求するタイミングを計るために利用される。
【0028】
一例において、部品供給システムでは、組立設備2から制御装置3への部品要求指令や、制御装置3から移動ロボット4への部品供給指令を含む、制御装置3による部品供給制御を可能とするために、部品置場1、組立設備2、制御装置3、および移動ロボット4の相互間の通信を可能とする無線通信ネットワークが構築されている。
【0029】
移動ロボット(自立走行ロボット)4は、制御装置3からの指令に基づいて、部品置場1と組立設備2との間を無軌道で移動して、部品を収容する部品ケース5を搬送し、かつ、組立設備2の前で停止して、組立設備2との間で部品ケース5の移載を行うことが可能である。
【0030】
一例において、移動ロボット4は、台車8を備える。台車8は、荷台9と、荷台9の下端部に設置された、移動ロボット4が無軌道で任意の方向へ移動することを可能とするための複数の車輪10とを備える。例えば、荷台9は、略直方体状の外形を有し、その上面に、複数の部品ケース5を載せることが可能なケース載せ部11を有する。
【0031】
一例において、荷台9には、前記無線通信ネットワークを構成する無線通信機、制御装置3からの制御指令に基づいて移動ロボット4を適切に動作させるためのロボット用コンピュータ、動力源であるバッテリなどが搭載されている。例えば、移動ロボット4は、部品置場1での待機中に、バッテリの充電を行うことを可能とされている。
【0032】
本実施形態において、移動ロボット(自立走行ロボット)4は、部品ケース5の移載を行うための移載装置(移載手段)6を有する。
【0033】
一例において、移載装置6は、荷台9の上面のうちケース載せ部11から外れた部分に支持されたロボットアーム12と、ロボットアーム12の先端部に取り付けられたハンド13とを備える。ロボットアーム12は、その先端部の3次元位置および向きを適宜変化させることが可能である。ハンド13は、部品ケース5を把持可能であり、具体的には、部品ケース5の把持および解放を行うための拡縮動作が可能である。
【0034】
一例において、ハンド13は、ロボットアーム12の先端部に着脱可能であり、対象となる部品ケース5の形状および大きさに合わせたハンド13に交換することが可能である。追加的に、部品供給システムにおいて、ハンド13の交換作業を自動で行わせる機能を備えることもできる。
【0035】
本実施形態において、部品供給システムは、組立設備2と移動ロボット4との間に設けられ、組立設備2と移動ロボット4との位置関係を確認するための測定装置(位置関係確認手段)25を備える。
【0036】
一例において、測定装置25は、組立設備2と移動ロボット4とのうちの一方の所定の箇所に付された補正マーク16と、組立設備2と移動ロボット4とのうちの他方に備えられた補正用カメラ7とを含む。
【0037】
一例において、組立設備2の所定の箇所に補正マーク16が付されており、移動ロボット4に補正用カメラ7が備えられている。他の例において、組立設備2に補正用カメラ7が設けられ、移動ロボット4に補正マーク16が設けられる。
【0038】
補正マーク16は、移動ロボット4の補正用カメラ7に読み取られることによって、組立設備2と移動ロボット4との位置関係を確認可能とするためのマークであって、たとえば二次元コードなどにより構成されている。補正マーク16は、移動ロボット4の補正用カメラ7により読み取ることが可能な箇所であれば、任意の箇所に付されることができる。例えば、補正マーク16は、セット部21の近傍に付されている。
【0039】
一例において、補正用カメラ7は、ロボットアーム12の先端部に取り付けられている。補正用カメラ7は、組立設備2の補正マーク16を読み取ることによって、組立設備2と移動ロボット4との位置関係を確認するために用いられる。補正用カメラ7は、たとえば2Dカメラにより構成することができる。
【0040】
代替的及び/又は追加的に、測定装置25として、別の光学的方法や、電磁的方法や、物理的方法などを用いた態様を採用することもできる。別の光学的方法としては、たとえば、バーコードなどの各種の補正マーク(基準マーク)との位置関係をレーザにより測定する方法がある。電磁的方法としては、たとえば、ミリ波を対象物に照射して対象物との位置関係を測定するミリ波レーダを用いる方法がある。物理的方法としては、たとえば、移動ロボットの形状に合わせたガイドレール、広い開口部から徐々に狭くなるようなガイド、移動ロボットを接触させる基準ブロックなどを用いて位置関係を測定する方法がある。
【0041】
一実施形態において、移動ロボット4は、ロボットアーム12の先端部に取り付けられた力覚センサ14をさらに備える。力覚センサ14は、ハンド13に作用する外力の方向および大きさを検知可能である。力覚センサ14は、移動ロボット4が相手側との間で部品ケース5の移載を行う際に、移載装置6の動きを補正するために用いられる。
【0042】
一例において、部品供給システムでは、移動ロボット4は、作業者などの人または障害物の接近または接触を検知するための安全センサを備える。部品供給システムは、前記安全センサにより人または障害物の接近または接触を検知した場合に、移動ロボット4の動きの速度を低下または該動きを停止させる機能を有する。
【0043】
例えば、前記安全センサは、それぞれが荷台9に搭載された複数のセンサにより構成される。複数のセンサは、人や障害物の接近を検知する不図示の距離センサ、床に落ちている障害物の接近を検知する不図示の障害物カメラ、および、人や障害物が接触したことを検知する接触センサ15を含む。障害物カメラは、たとえば3Dカメラや2次元レーザーセンサにより構成することができる。接触センサ15は、荷台9の上端部の外周に全周にわたり設置されている。
【0044】
一例において、移動ロボット4は、移動時に、前記距離センサにより人が所定の距離まで接近したことを検知した場合に、制御装置3からの指令に基づいて、移動速度を低下させたり、移動を停止したりすることができる。
【0045】
一例において、移動ロボット4は、移動時に、前記距離センサや前記障害物カメラにより障害物が所定の距離まで接近したことを検知した場合に、制御装置3からの指令に基づいて、移動ルートを変更し、障害物との接触を回避することができる。
【0046】
一例において、移動ロボット4は、移動停止中の相手側との間での部品ケース5の移載作業時に、前記距離センサにより人が所定の距離まで接近したことを検知したり、前記接触センサ15に人が接触したことを検知したりした場合に、移載作業の速度を低下させたり、移載作業を停止したりすることができる。
【0047】
追加的に、移動ロボット4は、自身の存在を周囲の人に認識させるための音声発生装置、および/または、発光装置を備えることができる。音声発生装置は、移動ロボット4の周囲に音声を発する装置である。発光装置は、移動ロボット4の外部から視認可能な光を発生させる装置である。たとえば、移動ロボット4は、移動時、あるいは、移動停止中の相手側との間での部品ケース5の移載作業時に、前記距離センサにより人が所定の距離まで接近したことを検知した場合に、前記音声発生装置や前記発光装置を用いて人に注意を喚起することができる。
【0048】
一例において、部品供給システムは、生産工場内での移動ロボット4の位置を検知するためのロボット位置検出手段(ロボット位置検出装置)を備える。ロボット位置検出手段は、たとえば、生産工場内の複数箇所に設置された、移動ロボット4の位置を確認するための位置検出カメラ、移動ロボット4に搭載された、生産工場の床面などに記された位置標示を検出するための位置検出センサ、移動ロボット4に搭載されたGPS受信機などにより構成することができる。制御装置3は、ロボット位置検出手段を利用して生産工場内での移動ロボット4の位置を確認しながら、移動ロボット4の移動を制御する。
【0049】
図3は、部品供給システムにおける部品供給手順の1例を示すブロック図である。
【0050】
一例において、部品供給システムでは、組立設備2は、適宜のタイミングで、制御装置3に部品を要求する(ステップS1)。具体的には、組立設備2は、いずれかのセット部21にセットされている部品ケース5に収容されている部品、または、部品ケース5から部品が移される前記部品収容部に収容されている部品の数量が所定量以下またはゼロになったタイミングで、制御装置3に対し、セット部21にセットされている部品ケース5を回収し、セット部21に新たな部品ケース5をセットすることを要求する。制御装置3は、その要求を受け付け(ステップS2)、移動ロボット4に部品の供給指令を出す(ステップS3)。
【0051】
移動ロボット4は、その供給指令を受け付け(ステップS4)、部品置場1にて、部品ケース5を自身のケース載せ部11に移載する(ステップS5)。なお、部品置場1における部品ケース5の移載作業を、作業者が行うこともできる。
【0052】
移動ロボット4のケース載せ部11への部品ケース5の移載作業が完了した後、移動ロボット4は、組立設備2の前に存在する指令位置に向けて移動し(ステップS6)、指令位置に到着する(ステップS7)。具体的には、移動ロボット4は、ロボット位置検出手段を利用した指令位置基準の制御に基づいて、指令位置に向けて移動し、指令位置に到着する。
【0053】
次いで、組立設備2において移動ロボット4の到着が確認され(ステップS8)、移動ロボット4に部品ケース5の供給作業指令が出される(ステップS9)。
【0054】
移動ロボット4は、その供給作業指令を受け付け(ステップS10)、組立設備2への部品ケース5の供給作業を開始し(ステップS11)、供給作業を完了する(ステップS12)。かかる供給作業の具体的な内容については、後述する。
【0055】
次いで、組立設備2において供給作業の完了が確認され(ステップS13)、移動ロボット4に部品置場1への帰還指令が出される(ステップS14)。移動ロボット4は、その帰還指令を受け付け(ステップS15)、部品置場1に向けて移動し(ステップS16)、部品置場1に到着して待機する(ステップS17)。
【0056】
ここで、部品供給システムは、生産工場内での移動ロボット4の位置を検知するためのロボット位置検出手段を備えている。移動ロボット4は無軌道で移動するため、停止位置の精度を十分に確保することが難しい。図3におけるステップS7の到着位置が最適位置からずれる可能性がある。仮に、移動ロボット4の停止位置が目標位置からずれた場合に、なんらの措置も講じなければ、移動ロボット4と組立設備2との間で部品ケース5の移載を高い位置精度で行うことができない可能性がある。
【0057】
部品供給システムは、図3におけるステップS11からステップS12までの供給作業を行う際、具体的には移動ロボット4が自身と組立設備2との間で部品ケース5の移載を行う前に、補正用カメラ7により補正マーク16を読み取って、移動ロボット4と組立設備2との位置関係を測定する。また、部品供給システムは、測定した位置関係に基づいて、組立設備2に対する移動ロボット4の停止位置を補正する停止位置補正機能を有する。この補正は、制御装置3の制御によって行われる。より具体的には、制御装置3からの制御指令に基づいて移動ロボット4を適切に動作させるためのロボット用コンピュータにより行われる。
【0058】
さらに、部品供給システムは、微細補正機能を有する。図3におけるステップS11からステップS12までの供給作業を行う際、具体的には停止位置補正機能による補正を行った後に、移載装置6の動きに対する微細補正が行われる。力覚センサ14の検出値に基づいて移載装置6の動きを補正しながら移動ロボット4が自身と組立設備2との間で部品ケース5の移載が行われる。この微細補正は、制御装置3の制御によって行われる。より具体的には、制御装置3からの制御指令に基づいて移動ロボット4を適切に動作させるためのロボット用コンピュータにより行われる。
【0059】
上述した停止位置補正機能および微細補正機能の一例についてより具体的に説明するために、図3におけるステップS11からステップS12までの供給作業を、図4を用いてさらに詳しく説明する。
【0060】
一例において、前述したように、移動ロボット4は、組立設備2の前に存在する指令位置に到着した後、組立設備2に対して、部品を収容した部品ケース5の供給作業を開始する(ステップS11)。
【0061】
この作業の開始後、部品供給システムは、まず、前記停止位置補正機能による補正を行う(ステップS11-1)。具体的には、制御装置3が移動ロボット4を制御して、補正用カメラ7で移動ロボット4の停止位置ずれの補正、すなわち大きな位置ずれの補正を行う。組立設備2に付された補正マーク16を、移動ロボット4のロボットアーム12の先端部に取り付けられた補正用カメラ7で読み取り、移動ロボット4と組立設備2との位置関係を測定する。次いで、位置関係の測定結果に基づいて、組立設備2に対する移動ロボット4の適正位置からのずれ量を判定し、そのずれ量がゼロになるように移動ロボット4の停止位置を移動させる補正を行う(ステップS11-2)。例えば、補正後の停止位置精度(2次元平面(移動面、XY平面)における許容ずれ量)は、10、9、8、7、6、5、4、3、又は2mm以下である。好ましくは、補正後の停止位置精度(許容ずれ量)は、数mm以下、たとえば2mm以下である。上記数値は一例であり、これに限定されない。このような補正により、無軌道で移動可能な移動ロボット4と組立設備2との間で、部品ケース5を高い位置精度で移載することが可能となる。
【0062】
次いで、セットミスを防止するための部品照合を行う(ステップS11-3)。すなわち、部品ケース5の一部には、収容されている部品を表す情報がバーコードなどの適宜の形式で付されている。そこで、移動ロボット4のケース載せ部11に載せられている部品ケース5、すなわち、これから組立設備2に移載しようとしている部品ケース5の一部に付されている部品を表す情報を、補正用カメラ7あるいはロボットアーム12の先端部に別途取り付けられている読み取り機械を利用して読み取り、供給すべき部品に間違いないかを確認する。
【0063】
次いで、組立設備2が備える複数の前記セット部のうち、図3のステップS1で部品が要求されたセット部21にセットされている空の部品ケース5を回収する(ステップS11-4)。具体的には、セット部21にセットされている空の部品ケース5を、ロボットアーム12の先端部に取り付けられたハンド13により把持して、セット部21から抜き取り、移動ロボット4のケース載せ部11に移載する。
【0064】
次いで、移動ロボット4のケース載せ部11に載せられている、前記部品照合をした部品ケース5を、組立設備2に移載する(ステップS11-5)。具体的には、部品ケース5を、ロボットアーム12の先端部に取り付けられたハンド13により把持して持ち上げ、前記空の部品ケース5を抜き取ったセット部21にセットする。
【0065】
このようなセット作業を行う際に、必要に応じ、微細補正機能による補正を行う(ステップS11-6)。具体的には、上述のようなセット作業を行いながら、力覚センサ14により、ハンド13に作用する外力の方向および大きさを検知する。ここで、ハンド13に所定値以上の外力が作用しているということは、部品ケース5がセット部21やその周辺部にぶつかっている可能性を意味している。一例において、セット部21の入口に、部品ケース5をセット部21の内側に向けて物理的に案内するためのテーパ部などのガイド部が設けられている。セット作業の際に部品ケース5がガイド部にぶつかった場合など、力覚センサ14により、ハンド13に作用した外力の方向および大きさを検知する。検知結果に基づき、移載装置6の動きを補正する(ステップS11-7)。例えば、検知した外力の方向および大きさを判定し、判定した外力が消失する方向、すなわち部品ケース5をセット部21にセット可能な方向に、移載装置6の動きを補正する。補正後の位置精度(2次元平面(移動基準面、XY平面)における許容ずれ量)は、1.0、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、又は0.1mm以下である。好ましくは、補正後の位置精度(許容XYずれ量)は、たとえば0.1mm以下である。上記数値は一例であり、これに限定されない。なお、移載装置6の動きの補正は、XY平面での座標位置に限らず、Z軸に沿った位置、及び姿勢/傾き(例えば、θX、θY、θZ)を含むことができる。このような補正により、部品ケース5を移載する際の位置精度を高められ、上述したセット作業を適切に行うことができる。
【0066】
上述のようにしてセット部21に部品ケース5がセットされることで、供給作業が完了する(ステップS12)。
【0067】
以上のように、本例の部品供給システムによれば、前記安全センサを利用して、移動ロボット4の移動時、および、部品ケース5の移載作業時の安全を確保することができる。
【0068】
制御装置3が前記停止位置補正機能を発揮することで、位置ずれの補正、すなわち移動ロボット4の停止位置ずれの補正を行うことができる。また、制御装置3が前記微細補正機能を発揮することで、移載装置6の動きを微細に補正することができる。例えば、作業者が介在することなく、±0.1mm以下のオーダーの正確さが要求される部品ケース5のセット作業に適切に対応することができる。
【0069】
部品ケース5をセット部21にセットする動作は、セット部21に対して部品ケース5を挿入する動作を含む。挿入動作は、少なくとも部品ケース5の収容空間の長軸に沿って所定距離を部品ケース5が移動する直線運動を含む。例えば、部品ケース5の収容空間の長軸がZ軸に平行であり、セット動作は、Z軸に沿った部品ケース5の直線運動を含む。組み立て作業は、部品ケース5から複数の部品を順に取り出して別の部品と組み合わせる作業を含む。取り出し動作は、少なくとも部品ケース5の収容空間の長軸に沿って所定距離を部品が移動する直線運動を含む。例えば、部品ケース5の収容空間の長軸がZ軸に平行であり、取り出し動作は、Z軸に沿った部品の直線運動を含む。
【0070】
一実施形態において、移載工程におけるセット動作と、組み立て工程における取り出し動作とがそれぞれ同じ1つの基準軸(例えばZ軸)に平行な軸に沿った直線運動を含む。基準軸(例えばZ軸)は、移動ロボット4の移動基準面(XY平面)と交差又は直交する。測定装置25を用いた移動ロボット4の停止位置の補正(XY平面内での位置補正)と、力覚センサ14を用いた移載動作の補正(XY平面内での微細位置補正+姿勢補正)とにより、直線的挿入動作を含むセット動作が高い精度で実行される。高い精度で部品ケース5がセットされることで、組み立て工程における作業効率及び作業制度の向上が図られる。これは、製品品質の向上や製品コストの低減に有利である。
【0071】
一例において、部品ケース5の収容空間の長軸の長さをL1、セット動作における部品ケース5の直線運動の距離をL3とするとき、L3/L1は、1/20、1/15、1/10、1/9、1/8、1/7、1/6、1/5、1/4、1/3、1/2、又は1以上である。上記数値は一例であり、これに限定されない。セット部21における高い保持安定性は、組み立て工程における作業効率や作業精度の向上に有利である。
【0072】
図5は、組立体の製造方法の一例を示すフローチャート図である。組立体の製造方法は、複数の部品が収容された部品ケース5が搭載されたロボット(移動ロボット、自立走行ロボット、無軌道ロボット)4を、部品置場(ベース装置)1から組立設備(組立装置)2の前に移動させること(S21)と、測定装置25を用いて組立設備2とロボット4との間の位置関係を測定した結果に基づいて、組立設備2に対するロボット4の停止位置を補正すること(S22)と、移載装置6を用いて、部品ケース5を、停止位置が補正されたロボット4から組立設備2に移載して組立設備2における所定のセット部21に部品ケース5をセットすること(S23)と、組立設備2において部品ケース5から複数の部品を順に取り出して別の部品と組み立てること(S24)と、を備える。一例において、部品ケース5は、長軸を有する収容空間を有する。複数の部品が部品ケース5の長軸に沿って積み重ねられて収容される。停止位置の補正は、部品ケース5の長軸に対して交差する平面座標上の位置に関する補正である。移載装置6は、部品ケース5の長軸に沿って部品ケース5をセット部21に挿入することにより、部品ケース5をセット部21にセットする。挿入動作は、長軸に沿った部品ケース5の直線運動を含む。移載装置6は、力覚センサ14の検出値に基づいてセット部21に対する部品ケース5の挿入動作を補正しながら、部品ケース5をセット部21にセットする。組立設備2は、部品ケース5の長軸に沿って部品ケース5から複数の部品を順に取り出して、別の部品と組み立てる。挿入動作は、長軸に沿った部品ケース5の直線運動を含む。
【0073】
制御装置3は、プロセッサ及びメモリを有し、プログラムに基づいて情報処理を行う。制御装置3は、CPU、GPU、FPGA、ASIC等のデバイス、及びROM、RAM等のメモリを有する。制御装置3は、メモリに格納されたプログラムを読み込んで実行し、システムにおける各部の制御を行う。制御装置3は、信号処理を行う信号処理部ともいえる。制御装置3は、通信部を介して、サーバー及び他の装置と双方向に情報を送受信する通信を行うことができる。また、制御装置3は、記憶部を有する。記憶部は、不揮発性の記憶媒体等により構成され、プログラム及びデータが記憶(記録)される。記憶部は、ROM、フラッシュメモリ等のメモリ、ハードディスク、SSD等の記憶装置であり、種々の情報が記憶される。
【0074】
[第2実施形態] 本発明の第2実施形態について、図6を用いて説明する。図6は、本実施形態における部品供給システムを構成する移動ロボット4aの斜視図である。
【0075】
本実施形態において、移動ロボット4aの移載装置6は、コンベアを含む。一例において、移載装置6は、2つのコンベア17a、17bを含む。2つのコンベア17a、17bは、荷台9の上面において、水平方向に隣接して設置されている。それぞれのコンベア17a、17bは、自身の上面に載せられた部品ケースを水平方向に搬送することが可能である。それぞれのコンベア17a、17bによる部品ケースの搬送方向αは、2つのコンベア17a、17bの隣接方向βに対して直角な方向に設定されている。それぞれのコンベア17a、17bと相手側との間での部品ケースの移載は、搬送方向αの一方側(図6における手前側)から行われる。
【0076】
一例において、移動ロボット4aの補正用カメラ(図示省略)は、荷台9の一部に取り付けられている。例えば、組立設備2(図1参照)の補正マーク16は、組立設備2のうち、移動ロボット4aの補正用カメラにより読み取ることができる箇所に付されている。他の例において、移動ロボット4aに補正マークを付し、組立設備2に補正用カメラを備えさせることもできる。位置関係確認手段の態様として、上記と異なる光学的方法や、電磁的方法や、物理的方法などを用いた態様を採用することもできる。
【0077】
一例において、組立設備2のセット部にセットされている空の部品ケースの回収は、それぞれのコンベア17a、17bのうちのいずれか一方のコンベアにより行われ、組立設備2のセット部に対する、部品を収容した部品ケースの供給は、それぞれのコンベア17a、17bのうちの他方のコンベアにより行われる。
【0078】
一方のコンベアがセット部に隣接する位置まで移動ロボット4aを移動させた状態で、一方のコンベアにより、空の部品ケースの回収を行う。その後、他方のコンベアがセット部に隣接する位置まで移動ロボット4aを移動させた状態で、他方のコンベアにより、部品を収容した部品ケースの供給を行う。
【0079】
他方のコンベアがセット部に隣接する位置まで移動ロボット4aを移動させた後、部品を収容した部品ケースの供給を行う前に、制御装置が移動ロボット4aの停止位置を補正する。本実施形態において、その他の構成および作用効果は、第1例と同様である。
【0080】
なお、移動ロボット4aの移載装置6が、1つのコンベアのみを有する構成を採用することもできる。
【0081】
[第3実施形態] 図7は、本発明の第3実施形態の部品供給システムを示す。
【0082】
本実施形態において、部品供給システムでは、部品置場は、複数(図示の例では2つ)の部品置場1a、1bにより構成される。組立設備は、複数(図示の例では3つ)の生産ライン18のそれぞれに複数(図示の例では3つ)ずつ組み込まれた組立設備2a、2b、2cにより構成される。移動ロボットは、複数(図示の例では2つ)の移動ロボット4、4aにより構成される。
【0083】
一例において、制御装置3の制御に基づいて、移動ロボット4が、部品置場1aとそれぞれの組立設備2aとの間で部品ケースを搬送し、かつ、それぞれの組立設備2aとの間で部品ケースの移載を行う。また、移動ロボット4aが、部品置場1bとそれぞれの組立設備2b、2cとの間で部品ケースを搬送し、かつ、それぞれの組立設備2b、2cとの間で部品ケースの移載を行う。
【0084】
一例において、それぞれの移動ロボット4、4aの台数が1台ずつである。他の例において、それぞれの移動ロボット4、4aの台数が複数台(例えば、2台以上)にできる。本実施形態において、その他の構成および作用効果は、上記実施形態と同様である。
【0085】
上述した第1、第2、及び第3実施形態は、矛盾を生じない限り、適宜組み合わせて実施することができる。
【0086】
以上説明した部品供給システム、及び/又は組立体の製造方法は、軸受(軸受装置)の製造工程に好適に適用できる。
【0087】
軸受(軸受装置)として、転がり軸受、滑り軸受等、様々な種類のものが好適に適用可能である。例えば、軸受における部品として、ラジアル転がり軸受の外輪、内輪、及び保持器、円筒ころ(ニードルを含む)を使用したラジアル円筒ころ軸受の外輪、内輪、及び保持器、円すいころを使用したラジアル円すいころ軸受の外輪、内輪、及び保持器等が挙げられる。
【0088】
図8は、転がり軸受71の一部断面斜視図である。転がり軸受71は、軸受用軌道輪である内輪73と、軸受用軌道輪である外輪75と、内輪73と外輪75との間に設けられる複数の転動体(ボール)77と、転動体77を転動自在に保持する保持器79と、を備える。内輪73は、外周面に転動体77を案内する軌道溝73aを有する鋼材等の金属製の円環状体である。外輪75は、内周面に転動体77を案内する軌道溝75aを有する鋼材等の金属製の円環状体である。
【0089】
また、上記した部品供給システム、及び/又は組立体の製造方法は、各種の機械(器械等の動力が手動であるものを含む)の製造にも適用可能である。例えば、レール、スライダー等の直動案内装置、ねじ軸、ナット等のボールねじ装置やねじ装置、直動案内軸受とボールねじとを組み合わせた装置やXYテーブル等のアクチュエータ、等の直動装置への適用が可能である。また、ステアリングコラム、自在継手、中間ギア、ラックアンドピニオン、電動パワーステアリング装置、ウォーム減速機、トルクセンサ等の操舵装置の回転部分に使用される軸受への適用も可能である。そして、上記した部品供給システム、及び/又は組立体の製造方法は、機械や操舵装置等を含む車両、工作機械、住宅機器等、広く適用することができる。これにより得られた機械、車両等によれば、従来よりも低コストで、且つ、高品質な構成にできる。
【0090】
一例において、転がり軸受は、モータ(組立体)の回転軸を支持する部品として使用される。図9は、転がり軸受71A,71Bにより回転軸83を支持したモータ81の概略断面図である。このモータ81は、ブラシレスモータであって、円筒形のセンタハウジング85と、このセンタハウジング85の一方の開口端部を閉塞する略円板状のフロントハウジング87とを有する。センタハウジング85の内側には、その軸心に沿って、フロントハウジング87及びセンタハウジング85の内部に配置された転がり軸受71A,71Bを介して、回転自在な回転軸83が支持される。回転軸83の周囲にはモータ駆動用のロータ89が設けられ、センタハウジング85の内周面にはステータ91が固定される。上記した構成のモータ81は、一般に、機械や車両に搭載され、転がり軸受71A,71Bにより支持された回転軸83を回転駆動する。
【0091】
上記例は一例であって、軸受の適用例としては、相対回転する箇所であれば、本構成の軸受を好適に適用できる。
【0092】
本発明の技術的範囲は実施形態に記載の範囲には限定されない。実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能である。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得る。また、説明した実施形態に限らず、これらの構成の任意の組み合わせでもよい。
【0093】
本開示は、以下のような組み合わせを含む。
(1) 一実施形態において、部品供給システムは、制御装置と、前記制御装置からの指令に基づいて、部品置場と組立設備との間を無軌道で移動して、部品を収容する部品ケースを搬送する、移動ロボットと、前記組立設備と前記移動ロボットとの間で前記部品ケースの移載を行う、移載装置と、前記組立設備と前記移動ロボットとの間の位置関係を測定する測定装置と、を備える。前記制御装置は、前記移動ロボットと前記組立設備との間で前記部品ケースの移載を行う前に、前記測定装置を用いて前記組立設備と前記移動ロボットとの間の位置関係を測定し、前記位置関係の測定結果に基づいて、前記組立設備に対する前記移動ロボットの停止位置を補正する。
(2) 上記(1)に記載の部品供給システムにおいて、前記測定装置は、前記組立設備と前記移動ロボットとのうちの一方の所定の箇所に付された補正マークと、前記組立設備と前記移動ロボットとのうちの他方に備えられた補正用カメラとを含み、前記制御装置は、前記補正用カメラにより前記補正マークを読み取って前記組立設備と前記移動ロボットとの間の位置関係を測定する。
(3) 上記(1)又は(2)に記載の部品供給システムにおいて、前記移載装置は、ロボットアーム、および、前記ロボットアームの先端部に取り付けられかつ前記部品ケースを把持可能なハンドと、を有する。
(4) 上記(1)又は(2)に記載の部品供給システムにおいて、前記移載装置は、ロボットアーム、および、前記ロボットアームの先端部に取り付けられかつ前記部品ケースを把持可能なハンドと、を有し、前記補正マークは、前記組立設備の前記所定の箇所に付されており、前記補正用カメラは、前記ロボットアームの先端部に取り付けられている。
(5) 上記(1)から(4)のいずれかに記載の部品供給システムにおいて、前記移載装置は、前記ロボットアームの先端部に取り付けられた力覚センサを有し、前記制御装置は、前記組立設備に対する前記移動ロボットの停止位置の補正を行った後に、前記力覚センサの検出値に基づいて前記移載装置の移載動作を補正する。
(6) 上記(1)から(4)のいずれかに記載の部品供給システムにおいて、前記部品ケースは、長軸を有する収容空間であり、複数の部品が前記長軸に沿って積み重ねられて収容される前記収容空間を有し、前記移載装置は、前記長軸に沿って前記部品ケースを前記組立設備におけるセット部に挿入することにより、前記部品ケースを前記セット部にセットし、前記組立設備において前記長軸に沿って前記部品ケースから前記複数の部品が順に取り出される。
(7) 上記(6)に記載の部品供給システムにおいて、前記移載装置は、力覚センサを有し、前記力覚センサの検出値に基づいて前記セット部に対する前記部品ケースの挿入動作を補正しながら、前記部品ケースを前記セット部にセットする。
(8) 上記(1)から(7)のいずれかに記載の部品供給システムにおいて、前記移動ロボットは、前記移載のためのコンベアを有する。
(9) 上記(8)に記載の部品供給システムにおいて、前記コンベアは、2つのコンベアを含む。
(10) 一実施形態において、組立体の製造方法は、複数の部品が収容された部品ケースが搭載された自立走行ロボットを、部品置場から組立装置の前に移動させることと、測定装置を用いて前記組立装置と前記自立走行ロボットとの間の位置関係を測定した結果に基づいて、前記組立装置に対する前記自立走行ロボットの停止位置を補正することと、移載装置を用いて、前記部品ケースを、前記停止位置が補正された前記自立走行ロボットから前記組立装置に移載して前記組立装置における所定のセット部に前記部品ケースをセットすることと、前記組立装置において前記部品ケースから前記複数の部品を順に取り出すことと、を備える。
(11) 上記(10)に記載の製造方法において、前記部品ケースは、長軸を有する収容空間であり、前記複数の部品が前記長軸に沿って積み重ねられて収容される前記収容空間を有する。前記移載装置は、前記長軸に沿って前記部品ケースを前記セット部に挿入することにより、前記部品ケースを前記セット部にセットする。前記組立装置は、前記長軸に沿って前記部品ケースから前記複数の部品を順に取り出す。
(12) 上記(10)又は(11)に記載の製造方法において、前記移載装置は、力覚センサを有し、前記力覚センサの検出値に基づいて前記セット部に対する前記部品ケースの挿入動作を補正しながら、前記部品ケースを前記セット部にセットする。
(13) 一実施形態において、軸受の製造方法は、上記(1)から(9)のいずれかに記載の部品供給システム、又は、上記(10)から(12)のいずれかに記載の組立体の製造方法、を用いて軸受を製造する。
(14) 一実施形態において、機械の製造方法は、上記(1)から(9)のいずれかに記載の部品供給システム、又は、上記(10)から(12)のいずれかに記載の組立体の製造方法、を用いて機械を製造する。
(15) 一実施形態において、車両の製造方法は、上記(13)に記載の製造方法を用いて軸受を製造することと、前記軸受を使って車両を組み立てることと、を備える。
(16) 一実施形態において、機械の製造方法は、上記(14)に記載の製造方法を用いて機械を製造することと、前記機械を使って車両を組み立てることと、を備える。
(17) 一実施形態において、プログラムは、複数の部品が収容された部品ケースが搭載された自立走行ロボットを、部品置場から組立装置の前に移動させることと、測定装置を用いて前記組立装置と前記自立走行ロボットとの間の位置関係を測定した結果に基づいて、前記組立装置に対する前記自立走行ロボットの停止位置を補正することと、移載装置を用いて、前記部品ケースを、前記停止位置が補正された前記自立走行ロボットから前記組立装置に移載して前記組立装置における所定のセット部に前記部品ケースをセットすることと、前記組立装置において前記部品ケースから前記複数の部品を順に取り出すことと、をプロセッサに実行させる。
【符号の説明】
【0094】
1、1a、1b 部品置場(ベース装置、テーブル装置)
2、2a、2b、2c 組立設備(組立装置)
3 制御装置
4、4a 移動ロボット(自立走行搬送ロボット、無軌道ロボット)
5 部品ケース
6 移載装置(移載手段)
7 補正用カメラ
8 台車
9 荷台
10 車輪
11 ケース載せ部
12 ロボットアーム
13 ハンド
14 力覚センサ
15 接触センサ
16 補正マーク
17a、17b コンベア
18 生産ライン
21 セット部
【要約】
部品供給システムは、制御装置(3)と、移動ロボット(4)と、移載装置と、測定装置(25)とを備える。移動ロボット(4)は、制御装置(3)からの指令に基づいて、部品置場(1)と組立設備(2)との間を無軌道で移動して、部品を収容する部品ケースを搬送する。移載装置は、組立設備(2)と移動ロボット(4)との間で部品ケースの移載を行う。制御装置(3)は、測定装置(25)を用いて組立設備(2)と移動ロボット(4)との間の位置関係を測定し、組立設備(2)に対する移動ロボット(4)の停止位置を補正する。
図1
図2
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図9