(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】油圧式木造住宅吊上げ装置
(51)【国際特許分類】
E04G 23/06 20060101AFI20240820BHJP
E04G 21/16 20060101ALI20240820BHJP
E04H 9/14 20060101ALN20240820BHJP
【FI】
E04G23/06 B
E04G21/16
E04H9/14 Z
(21)【出願番号】P 2021088791
(22)【出願日】2021-04-07
【審査請求日】2023-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】504196492
【氏名又は名称】株式会社高橋監理
(72)【発明者】
【氏名】高橋 龍夫
【審査官】櫻井 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-513763(JP,A)
【文献】特開2004-238173(JP,A)
【文献】特開2018-199549(JP,A)
【文献】特開2018-003507(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 21/16
23/06
E04B 1/348
E04H 9/14
B66F 1/00-5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
既存の木造住宅を吊上げるための住宅嵩上げ
装置において、
木造住宅を取り囲むように配置した木造住宅吊上げ用フレーム
(50)を吊上げるため
、厚さ9mm、縦550mm、横125mmで成形したトラス固定鋼板(127)のトラス固定鋼板上端部(125)に、厚さ24mm、縦50mm、横100mmで成形したローラーチェーン取付けボルト固定プレート(122)をトラス固定鋼板(127)に対して直角に溶接で接合し、さらにトラス固定鋼板(127)のトラス固定鋼板下端部(129)の側面に厚さ12mm、縦25mm、横125mmで成形した底板(130)を溶接で接合し、このように接合した底板(130)の側面に厚さ12mm、縦50mm、横125mmで成形した当て板(131)を溶接で接合することにより底板(130)と当て板(131)で概ねU字形に成形したフレーム下引掛け部(134)を形成し、さらにトラス固
定鋼板(127)の両端に厚さ12mm、縦550mm、横50mmで成形した2枚の補強板(124)、補強板(126)を溶接で接合し、平行弦トラス形骨組み(2)の垂直材に成形した4個のトラス固定用穴(49)と相対するトラス固定鋼板(127)の位置に4個のトラス固定穴(128)を成形すると共に、ローラーチェーン取付けボルト固定プレート(122)にローラーチェーン取付けボルト(120)を挿入するため穴(123)を成形したU字形吊上げ金物
(112)を備え、
内径160mm、ロッド径90mm、ストローク1500mm、呼び圧力21MPaで構成した油圧シリンダー(73)と、縦300mm、横150mm、ウェブ厚さ6.5mm、フランジ厚さ9mm、長さ4000mmのH型鋼で成形したフレーム引上用H型鋼(100)と、縦300mm、横150mm、ウェブ厚さ6.5mm、フランジ厚さ9mm、長さ1950mmのH型鋼で成形したローラーチェーン固定用H型鋼(76)と、さらにフレーム引上用H型鋼(100)とローラーチェーン固定用H型鋼(76)のウェブ面を互いに向き合うように配置し、さらにフレーム引上用H型鋼(100)とローラーチェーン固定用H型鋼(76)の下端を溶接で接合して一体化するため、厚さ12mm、縦300mm、横550mmの平板鋼板に4個の油圧シリンダー固定穴(105)を成形したベースプレート鋼板(104)と、さらに横並びに配置したフレーム引上用H型鋼(100)とローラーチェーン固定用H型鋼(76)の下側のフランジ両面を補強するため厚さ12mm、縦200mm、横550mmの平板鋼板で成形した2枚の下部連結用鋼板(60)、下部連結用鋼板(101)と、さらにローラーチェーン固定用H型鋼(76)の上側とフレーム引上用H型鋼(100)のフランジ両面を補強するため厚さ12mm、縦200mm、横550mmの平板鋼板で成形した2枚の上部連結用鋼板(93)、上部連結用鋼板(99)で構成し、このように構成したフレーム引上用H型鋼(100)の上端に厚さ12mmの平板鋼板をH型に成形したH型平板鋼板(82)を溶接で接合し、さらにH型平板鋼板(82)の上面に2組の軸受ベアリング(78)を平行に取り付けると共に、軸受ベアリング(78)に第1のスプロケット(80)を取り付け、さらにフレーム引上用H型鋼(100)の概ね上下中間部分のフランジ先端に、縦200mm、横100mm、ウェブ厚さ5.5mm、フランジ厚さ8mm、長さ324mmのH型鋼で成形したスプロケット取付用H型鋼(85)のフランジ先端部(63)、フランジ先端部(64)を溶接で接合させると共に、左右2枚の上部連結用鋼板(93)、上部連結用鋼板(99)に成形した複数個の穴(92)、穴(95)に厚さ12mm、縦420mm、横140mmの平板鋼板に複数個の穴(89)、穴(98)を成形した補強板(87)、補強板(96)を、各々ボルト(88)、ボルト(97)とナット(59)、ナット(94)で取り付け、つづいて前記スプロケット取付用H型鋼(85)の側面(61)、側面(62)を補強板(87)、補強板(96)に溶接で接合し、このように構成したスプロケット取付用H型鋼(85)の下面に厚さ12mmの平板鋼板をH型に成形したH型平板鋼板(86)を溶接で接合し、さらにH型平板鋼板(86)の下側に2組の軸受ベアリング(90)を平行に取り付けると共
に、前記軸受ベアリング(90)に第2のスプロケット(91)を取り付け、つづいて油圧シリンダー(73)の側面をローラーチェーン固定用H型鋼(76)のウェブ面に当接するように4本のボルト・ナット(74)でベースプレート鋼板(104)に成形した油圧シリンダー固定穴(105)に取り付け、油圧シリンダー(73)のピストンロット(72)に油圧シリンダー用ナット(71)を取り付け、油圧シリンダー用ナット(71)の上部に厚さ12mmの平板鋼板をH型に成形したH型平板鋼板(69)を溶接で接合し、さらにH型平板鋼板(69)の上面に2組の軸受ベアリング(65)を平行に取り付けると共に、軸受ベアリング(65)に第3のスプロケット(67)を取り付け、つづいて油圧シリンダー(73)の側面を当接させたローラーチェーン固定用H型鋼(76)のウェブの裏面に、ローラーチェーン(111)の一端を固定するため厚さ24mm、縦281mm、横71mmの平板鋼板に複数個の穴を成形したローラーチェーン固定用プレート(75)を溶接で接合して備え、
ローラーチェーン
(111)の一端に木造住宅吊上げ用フレーム
(50)の下部を係合させて前記木造住宅吊上げ用フレーム(50)を吊上げるため
、底板(130)と当て板(131)で概ねU字形に成形したU字形吊上げ金物
(112)を取り付けると共に、
油圧シリンダー(73)に作動油を流入させることにより押し出されたピストンロッド(72)の2倍の長さをU字形吊上げ金物(112)で吊上げるため、ローラーチェーン(111)の一端にU字形吊上げ金物(112)を取り付けたあと、さらにローラーチェーン(111)をフレーム引上用H型鋼(100)に固定した第1のスプロケット(80)に噛み合わせ、さらにローラーチェーン(111)をフレーム引上用H型鋼(100)に固定した第2のスプロケッ卜(91)に噛み合わせ、つづいてローラーチェーン(111)を油圧シリンダー(73)のピストンロッド(72)に固定した第3のスプロケット(67)に噛み合わせたあと、ローラーチェーン(111)の他端を前記ローラーチェーン固定用H型鋼(76)に固定したローラーチェーン固定用プレート(75)に取り付けたことを特徴とする油圧式木造住宅吊上げ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台風等の自然災害における住宅の浸水や破損を防ぐため、氾濫した河川の洪水等から住宅を守るため既存の木造住宅を吊上げ高床住宅に改造するための木造住宅吊上げ装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、大型台風により河川が氾濫して住宅等の床上まで浸水するという被害が多発している。
さらに、増水した河川の水により下水が逆流してマンホール等から下水が噴き出し住宅内部に浸水するという水害も発生している。
【0003】
このような住宅等への浸水被害を事前に抑制するためには、
(1)敷地を盛土し、宅地の地盤を高くしたうえで住宅を建築する。
(2)住宅の周囲にコンクリートを打設して擁壁(型枠にコンクリートを打ち込み形成した壁や、コンクリートブロックを使用した壁状の構造物)を構築すると共に、敷地の出入口(門扉)に洪水等の水害が発生した場合に備えて土のう、防水シート、止水装置等を設置する。
これまでは、このような対策が行われてきた。
【0004】
しかしながら、上記のような水害対策をしていても、市町村が作成した洪水ハザードマップで表示した特別警戒水位以上の高さの水が押し寄せ、住宅の1階部分が浸水したといった事例も数多く報告されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
そこで、本出願人は、特許文献1に記載された「高床工法」を発明し出願した。この発明によれば、既存の木造住宅を2階以上の高さに吊上げるための住宅嵩上げ工法において、土台の下の基礎に複数の架台用穴を開けると共に、木造住宅の全ての土台を同時に支え吊上げることが出来るように架台用穴に複数の架台用H型鋼を挿入し、木造住宅を囲うように、住宅の出隅に複数本の引上用鋼材を建て、架台用H型鋼の両端の上面に、それぞれ吊上用H型鋼を載せ、架台用H型鋼の上側のフランジと吊上用H型鋼の下側のフランジをフランジ固定金具で固定し、吊上用H型鋼に滑車を取り付けると共に、引上用H型鋼の上部に滑車を取り付け、滑車に取り付けたワイヤーロープを巻取機で巻き取ることにより木造住宅を吊上げることが可能になった。
【文献】特願2020-120931
【0006】
しかしながら、本出願人が出願した特許文献1の発明においては、吊上用H型鋼に滑車を取り付けると共に、引上用H型鋼の上部に滑車を取り付け、滑車に取り付けたワイヤーロープを巻取機で巻き取ることにより木造住宅を吊上げるため、建物の荷重を受止めるための大型滑車が必要になると共に、滑車を利用してワイヤーロープを大型巻取機(電動ウインチ等)で巻き上げたため、大型巻取機を現場へ搬入するためのクレーン等の重機が必要になると共に、大型巻取機を稼働させるための高圧電気が必要となり、大型巻取機と滑車を使って木造住宅を水平状態を保ったまま吊上げるため多くの問題が発生した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、かかる問題を解決するためになされたもので、建築現場で大型巻取機(電動ウインチ等)を作動させるための高圧電気を使用することなく水平状態を保ったまま木造住宅を吊上げるための装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
かかる課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、既存の木造住宅を吊上げるための住宅嵩上げ装置において、木造住宅を取り囲むように配置した木造住宅吊上げ用フレーム(50)を吊上げるため、厚さ9mm、縦550mm、横125mmで成形したトラス固定鋼板(127)のトラス固定鋼板上端部(125)に、厚さ24mm、縦50mm、横100mmで成形したローラーチェーン取付けボルト固定プレート(122)をトラス
固定鋼板(127)に対して直角に溶接で接合し、さらにトラス固定鋼板(127)のトラス固定鋼板下端部(129)の側面に厚さ12mm、縦25mm、横125mmで成形した底板(130)を溶接で接合し、このように接合した底板(130)の側面に厚さ12mm、縦50mm、横125mmで成形した当て板(131)を溶接で接合することにより底板(130)と当て板(131)で概ねU字形に成形したフレーム下引掛け部(134)を形成し、さらにトラス固定鋼板(127)の両端に厚さ12mm、縦550mm、横50mmで成形した2枚の補強板(124)、補強板(126)を溶接で接合し、平行弦トラス形骨組み(2)の垂直材に成形した4個のトラス固定用穴(49)と相対するトラス固定鋼板(127)の位置に4個のトラス固定穴(128)を成形すると共に、ローラーチェーン取付けボルト固定プレート(122)にローラーチェーン取付けボルト(120)を挿入するため穴(123)を成形したU字形吊上げ金物(112)を備え、内径160mm、ロッド径90mm、ストローク1500mm、呼び圧力21MPaで構成した油圧シリンダー(73)と、縦300mm、横150mm、ウェブ厚さ6.5mm、フランジ厚さ9mm、長さ4000mmのH型鋼で成形したフレーム引上用H型鋼(100)と、縦300mm、横150mm、ウェブ厚さ6.5mm、フランジ厚さ9mm、長さ1950mmのH型鋼で成形したローラーチェーン固定用H型鋼(76)と、さらにフレーム引上用H型鋼(100)とローラーチェーン固定用H型鋼(76)のウェブ面を互いに向き合うように配置し、さらにフレーム引上用H型鋼(100)とローラーチェーン固定用H型鋼(76)の下端を溶接で接合して一体化するため、厚さ12mm、縦300mm、横550mmの平板鋼板に4個の油圧シリンダー固定穴(105)を成形したベースプレート鋼板(104)と、さらに横並びに配置したフレーム引上用H型鋼(100)とローラーチェーン固定用H型鋼(76)の下側のフランジ両面を補強するため厚さ12mm、縦200mm、横550mmの平板鋼板で成形した2枚の下部連結用鋼板(60)、下部連結用鋼板(101)と、さらにローラーチェーン固定用H型鋼(76)の上側とフレーム引上用H型鋼(100)のフランジ両面を補強するため厚さ12mm、縦200mm、横550mmの平板鋼板で成形した2枚の上部連結用鋼板(93)、上部連結用鋼板(99)で構成し、このように構成したフレーム引上用H型鋼(100)の上端に厚さ12mmの平板鋼板をH型に成形したH型平板鋼板(82)を溶接で接合し、さらにH型平板鋼板(82)の上面に2組の軸受ベアリング(78)を平行に取り付けると共に、軸受ベアリング(78)に第1のスプロケット(80)を取り付け、さらにフレーム引上用H型鋼(100)の概ね上下中間部分のフランジ先端に、縦200mm、横100mm、ウェブ厚さ5.5mm、フランジ厚さ8mm、長さ324mmのH型鋼で成形したスプロケット取付用H型鋼(85)のフランジ先端部(63)、フランジ先端部(64)を溶接で接合させると共に、左右2枚の上部連結用鋼板(93)、上部連結用鋼板(99)に成形した複数個の穴(92)、穴(95)に厚さ12mm、縦420mm、横140mmの平板鋼板に複数個の穴(89)、穴(98)を成形した補強板(87)、補強板(96)を、各々ボルト(88)、ボル
ト(97)とナット(59)、ナット(94)で取り付け、つづいて前記スプロケット取付用H型鋼(85)の側面(61)、側面(62)を補強板(87)、補強板(96)に溶接で接合し、このように構成したスプロケット取付用H型鋼(85)の下面に厚さ12mmの平板鋼板をH型に成形したH型平板鋼板(86)を溶接で接合し、さらにH型平板鋼板(86)の下側に2組の軸受ベアリング(90)を平行に取り付けると共に、前記軸受ベアリング(90)に第2のスプロケット(91)を取り付け、つづいて油圧シリンダー(73)の側面をローラーチェーン固定用H型鋼(76)のウェブ面に当接するように4本のボルト・ナット(74)でベースプレート鋼板(104)に成形した油圧シリンダー固定穴(105)に取り付け、油圧シリンダー(73)のピストンロット(72)に油圧シリンダー用ナット(71)を取り付け、油圧シリンダー用ナット(71)の上部に厚さ12mmの平板鋼板をH型に成形したH型平板鋼板(69)を溶接で接合し、さらにH型平板鋼板(69)の上面に2組の軸受ベアリング(65)を平行に取り付けると共に、軸受ベアリング(65)に第3のスプロケット(67)を取り付け、つづいて油圧シリンダー(73)の側面を当接させたローラーチェーン固定用H型鋼(76)のウェブの裏面に、ローラーチェーン(111)の一端を固定するため厚さ24mm、縦281mm、横71mmの平板鋼板に複数個の穴を成形したローラーチェーン固定用プレート(75)を溶接で接合して備え、ローラーチェーン(111)の一端に木造住宅吊上げ用フレーム(50)の下部を係合させて前記木造住宅吊上げ用フレーム(50)を吊上げるため、底板(130)と当て板(131)で概ねU字形に成形したU字形吊上げ金物(112)を取り付けると共に、油圧シリンダー(73)に作動油を流入させることにより押し出されたピストンロッド(72)の2倍の長さをU字形吊上げ金物(112)で吊上げるため、ローラーチェーン(111)の一端にU字形吊上げ金物(112)を取り付けたあと、さらにローラーチェーン(111)をフレーム引上用H型鋼(100)に固定した第1のスプロケット(80)に噛み合わせ、さらにローラーチェーン(111)をフレーム引上用H型鋼(100)に固定した第2のスプロケット(91)に噛み合わせ、つづいてローラーチェーン(111)を油圧シリンダー(73)のピストンロッド(72)に固定した第3のスプロケット(67)に噛み合わせたあと、ローラーチェーン(111)の他端を前記ローラーチェーン固定用H型鋼(76)に固定したローラーチェーン固定用プレート(75)に取り付けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の発明によれば、既存の木造住宅を吊上げるための住宅嵩上げ装置において、木造住宅を取り囲むように配置した木造住宅吊上げ用フレーム(50)を吊上げるため、厚さ9mm、縦550mm、横125mmで成形したトラス固定鋼板(127)のトラス固定鋼板上端部(125)に、厚さ24mm、縦50mm、横100mmで成形したローラーチェーン取付けボルト固定プレート(122)をトラス固定鋼板(127)に対して直角に溶接で接合し、さらにトラス固定鋼板(127)のトラス固定鋼板下端部(129)の側面に厚さ12mm、縦25mm、横125mmで成形した底板(130)を溶接で接合し、このように接合した底板(130)の側面に厚さ12mm、縦50mm、横125mmで成形した当て板(131)を溶接で接合することにより底板(130)と当て板(131)で概ねU字形に成形したフレーム下引掛け部(134)を形成し、さらにトラス固定鋼板(127)の両端に厚さ12mm、縦550mm、横50mmで成形した2枚の補強板(124)、補強板(126)を溶接で接合し、平行弦トラス形骨組み(2)の垂直材に成形した4個のトラス固定用穴(49)と相対するトラス固定鋼板(127)の位置に4個のトラス固定穴(128)を成形すると共に、ローラーチェーン取付けボルト固定プレート(122)にローラーチェーン取付けボルト(120)を挿入するため穴(123)を成形したU字形吊上げ金物(112)を備え、内径160mm、ロッド径90mm、ストローク1500mm、呼び圧力21MPaで構成した油圧シリンダー(73)と、縦300mm、横150mm、ウェブ厚さ6.5mm、フランジ厚さ9mm、長さ4000mmのH型鋼で成形したフレーム引上用H型鋼(100)と、縦300mm、横150mm、ウェブ厚さ6.5mm、フランジ厚さ9mm、長さ1950mmのH型鋼で成形したローラーチェーン固定用H型鋼(76)と、さらにフレーム引上用H型鋼(100)
とローラーチェーン固定用H型鋼(76)のウェブ面を互いに向き合うように配置し、さらにフレーム引上用H型鋼(100)とローラーチェーン固定用H型鋼(76)の下端を溶接で接合して一体化するため、厚さ12mm、縦300mm、横550mmの平板鋼板に4個の油圧シリンダー固定穴(105)を成形したベースプレート鋼板(104)と、さらに横並びに配置したフレーム引上用H型鋼(100)とローラーチェーン固定用H型鋼(76)の下側のフランジ両面を補強するため厚さ12mm、縦200mm、横550mmの平板鋼板で成形した2枚の下部連結用鋼板(60)、下部連結用鋼板(101)と、さらにローラーチェーン固定用H型鋼(76)の上側とフレーム引上用H型鋼(100)のフランジ両面を補強するため厚さ12mm、縦200mm、横550mmの平板鋼板で成形した2枚の上部連結用鋼板(93)、上部連結用鋼板(99)で構成し、このように構成したフレーム引上用H型鋼(100)の上端に厚さ12mmの平板鋼板をH型に成形したH型平板鋼板(82)を溶接で接合し、さらにH型平板鋼板(82)の上面に2組の軸受ベアリング(78)を平行に取り付けると共に、軸受ベアリング(78)に第1のスプロケット(80)を取り付け、さらにフレーム引上用H型鋼(100)の概ね上下中間部分のフランジ先端に、縦200mm、横100mm、ウェブ厚さ5.5mm、フランジ厚さ8mm、長さ324mmのH型鋼で成形したスプロケット取付用H型鋼(85)のフランジ先端部(63)、フランジ先端部(64)を溶接で接合させると共に、左右2枚の上部連結用鋼板(93)、上部連結用鋼板(99)に成形した複数個の穴(92)、穴(95)に厚さ12mm、縦420mm、横140mmの平板鋼板に複数個の穴(89)、穴(98)を成形した補強板(87)、補強板(96)を、各々ボルト(88)、ボルト(97)とナット(59)、ナット(94)で取り付け、つづいて前記スプロケット取付用H型鋼(85)の側面(61)、側面(62)を補強板(87)、補強板(96)に溶接で接合し、このように構成したスプロケット取付用H型鋼(85)の下面に厚さ12mmの平板鋼板をH型に成形したH型平板鋼板(86)を溶接で接合し、さらにH型平板鋼板(86)の下側に2組の軸受ベアリング(90)を平行に取り付けると共に、前記軸受ベアリング(90)に第2のスプロケット(91)を取り付け、つづいて油圧シリンダー(73)の側面をローラーチェーン固定用H型鋼(76)のウェブ面に当接するように4本のボルト・ナット(74)でベースプレート鋼板(104)に成形した油圧シリンダー固定穴(105)に取り付け、油圧シリンダー(73)のピストンロット(72)に油圧シリンダー用ナット(71)を取り付け、油圧シリンダー用ナット(71)の上部に厚さ12mmの平板鋼板をH型に成形したH型平板鋼板(69)を溶接で接合し、さらにH型平板鋼板(69)の上面に2組の軸受ベアリング(65)を平行に取り付けると共に、軸受ベアリング(65)に第3のスプロケット(67)を取り付け、つづいて油圧シリンダー(73)の側面を当接させたローラーチェーン固定用H型鋼(76)のウェブの裏面に、ローラーチェーン(111)の一端を固定するため厚さ24mm、縦281mm、横71mmの平板鋼板に複数個の穴を成形したローラーチェーン固定用プレート(75)を溶接で接合して備え、ローラーチェーン(111)の一端に木造住宅吊上げ用フレーム(50)の下部を係合させて前記木造住宅吊上げ用フレーム(50)を吊上げるため、底板(130)と当て板(131)で概ねU字形に成形したU字形吊上げ金物(112)を取り付けると共に、油圧シリンダー(73)に作動油を流入させることにより押し出されたピストンロッド(72)の2倍の長さをU字形吊上げ金物(112)で吊上げるため、ローラーチェーン(111)の一端にU字形吊上げ金物(112)を取り付けたあと、さらにローラーチェーン(111)をフレーム引上用H型鋼(100)に固定した第1のスプロケット(80)に噛み合わせ、さらにローラーチェーン(111)をフレーム引上用H型鋼(100)に固定した第2のスプロケット(91)に噛み合わせ、つづいてローラーチェーン(111)を油圧シリンダー(73)のピストンロッド(72)に固定した第3のスプロケット(67)に噛み合わせたあと、ローラーチェーン(111)の他端を前記ローラーチェーン固定用H型鋼(76)に固定したローラーチェーン固定用プレート(75)に取り付けたことにより、木造住宅を安定した状態て高く吊上げることが可能になった。
【実施例】
【0018】
以下、この発明の実施の形態について説明する。
【発明を実施するための形態】
【0019】
【0020】
図1は、一点鎖線で示す木造住宅1と、前記木造住宅1の下部の土台3と基礎コンクリート4を実線で示すと共に、基礎コンクリート4に土台3を下から支え木造住宅1を吊上げるための架台用H型鋼6(
図2で示す)を挿入するための複数個の基礎コンクリート凹部5(凹部の開口寸法は
図2で示す架台用H型鋼6の寸法に合わせて概ね縦300mm、横150mm)を開口し、さらに木造住宅1を取り囲むように複数個の平行弦トラス形骨組み2を配置した状態を示す。
【0021】
図2は、
図1で説明した基礎コンクリート4に開口した複数個の基礎コンクリート凹部5に架台用H型鋼6を挿入した状態を示す。架台用H型鋼6は土台3を下から支えて木造住宅1を安定した状態で吊上げるためのH型鋼で、基礎コンクリート4に開口した基礎コンクリート凹部5に架台用H型鋼6(H型鋼の寸法は、縦300mm、横150mm、ウェブ厚さ6.5mm、フランジ厚さ9mm、長さは木造住宅の土台位置により決定される)を挿入した状態を示す。このように基礎コンクリート凹部5に挿入した架台用H型鋼6の両端を平行弦トラス形骨組み2に固定するため、架台用H型鋼6の両端は
図4bで示すように基礎コンクリート4の外面より概ね200mm外側にせり出した状態で設置される。
【0022】
図3は、
図1、
図2で説明した2組の平行弦トラス形骨組み2を横並びに配置した状態を示す。平行弦トラス形骨組み2は上弦材12と下弦材27を同一規格のH型鋼で成形し互いのウェブ面を向き合うように配置すると共に、上弦材12と下弦材27に固定する第1の垂直材15、第2の垂直材18、第3の垂直材20と、第1の斜材17、第2の斜材19、第3の斜材21と方杖22を同一規格の溝形鋼で成形し、平行弦トラス形骨組み2の一方の端部29の上弦材12と下弦材27に第1の垂直材15の上端部と下端部を互いに直角に溶接で接合し、さらに平行する上弦材12と下弦材27に第2の垂直材18と第3の垂直材20を同一間隔で溶接により接合し、さらに他方の端部30の下弦材27と隣に位置する第3の垂直材20と上弦材12が当接する角部に第3の斜材21(フランジとウェブの何れの対辺も同一長さで成形)を溶接で接合し、前記斜材21のウェブ面の中央と上弦材12の端部30を方杖22で固定すると共に、第3の斜材21と同一形状で成形した第1の斜め材17、第2の斜材19を、第2の垂直材18と第3の垂直材20が上弦材12、下弦材27と当接する角部に溶接により接合した状態を示す。
【0023】
図3aは2組の平行弦トラス形骨組み2を横並びに配置した状態を斜視図で示すと共に、横並びに配置した2組の平行弦トラス形骨組み2の上弦材12と下弦材27の互いの端部を当接させて一体化させるため、上弦材12の一方の端部29のフランジ両面に複数個の穴10、穴11を成形し、他方の端部30のフランジ両面にも複数個の穴13、穴14を成形し、同様に、下弦材27の一方の端部29のフランジ両面に複数個の穴23、穴47(点線で示す)を成形し、他方の端部30のフランジ両面にも複数個の穴28、穴48(点線で示す)を成形し、このように横並びに配置した2組の平行弦トラス形骨組み2の上弦材12と下弦材27の端部を当接させて一体化させるため、横並びに配置した2組の平行弦トラス形骨組み2の、互いの上弦材12と下弦材27の端部を当接させ、一方の上弦材12の端部30のフランジ両面に成形した複数個の穴13、穴14と、他方の上弦材12の端部29のフランジ両面に成形した複数個の穴10、穴11に、長方形の平板鋼板に複数個の穴33、穴42を成形した2組のトラス固定金具32、トラス固定金具40を上弦材12のフランジ外側に対して向き合うように互いに配置すると共に、同様に、一方の下弦材27の端部30のフランジ両面に成形した複数個の穴28、穴48(点線で示す)と、他方の下弦材27の端部29のフランジ両面に成形した複数個の穴23、穴47(点線で示す)に長方形の平板鋼板に複数個の穴36、穴44を成形した2組のトラス固定金具35、トラス固定金具46を下弦材27のフランジ外側に対して向き合うように互いに配置し、つづいて横並びに配置した2組の平行弦トラス形骨組み2の端部29と端部30を当接させ、フランジ外面に当接させたトラス固定金具40をボルト41、ナット39で上弦材12の一方のフランジをサンドイッチ状に一体となるように固定し、さらにフランジ外面にトラス固定金具32を当接させ、ボルト31、ナット34で上弦材12の他方のフランジをサンドイッチ状に一体となるように固定することにより隣り合う2組の平行弦トラス形骨組み2の上弦材12を固定させると共に、さらに下弦材27の一方のフランジ外面にトラス固定金具46を当接させボルト45、ナット43で下弦材27の一方のフランジをサンドイッチ状に一体となるように固定し、さらに下弦材27の他方のフランジ外面にトラス固定金具35を当接させボルト37、ナット38で下弦材27の他方のフランジをサンドイッチ状に一体となるように固定させることにより隣り合う2組の平行弦トラス形骨組み2を固定した状態を
図3bで示す。
【0024】
図3cは、
図3aで説明した平行弦トラス形骨組み2を逆方向から見た状態を斜視図で示す。
【0025】
図4は、
図2で説明した木造住宅1を取り囲むように配置した複数個の平行弦トラス形骨組み2の両端を平板鋼板をL字形に折り曲げて形成したL形トラス固定金具51で固定することにより木造住宅を吊上げるための木造住宅吊上げ用トラス形フレーム50を構成すると共に、さらに
図4bでは、土台3の下部の基礎コンクリート4に挿入した架台用H型鋼6の両端部を平行弦トラス形骨組み2の下弦材27の上部と第2の垂直材18のウェブ面が当接する角部に載せ、L形鋼材で成形したL形H型鋼固定プレート53の両面の2箇所に成形した穴(図示せず)と、第2の垂直材18のウェブ面に成形した側面固定穴24(
図3aで示す)と架台用H型鋼6の上部フランジに成形した穴(図示せず)を重ねてボルトとナット52、ボルトとナット54で架台用H型鋼6の上部フランジと第2の垂直材18を固定すると共に、架台用H型鋼6の下部フランジに成形した穴(図示せず)とH型鋼固定プレート25(
図3で示す)に成形したH型鋼固定穴26(
図3で示す)を重ねてボルトとナット55(点線で示す)で架台用H型鋼6と下弦材27を固定した状態を示す。なお、平行弦トラス形骨組み2の第2の垂直材18に架台用H型鋼6を固定する位置については、木造住宅1の建築面積の大小により平行弦トラス形骨組み2を組み合わせる個数と取付位置が異なるため、架台用H型鋼6を平行弦トラス形骨組み2に固定する位置は
図4bで示した位置に限定せず、
図3で説明した平行弦トラス形骨組み2の第1の垂直材15、第2の垂直材18、第3の垂直材20の何れの垂直材に架台用H型鋼6を取り付けることも可能である。
【0026】
図5は、
図4で説明した木造住宅吊上げ用トラス形フレーム50を安定した状態で高く吊上げるための油圧式木造住宅吊上げ装置110(
図7、
図8で示す)を分解図で示す。油圧式木造住宅吊上げ装置110は、油圧シリンダーの動力を張力として伝達するためローラーチェーン(
図8で示す)とスプロケットを組み合わせた形で構成される。油圧式木造住宅吊上げ装置110を構成する部材は、内径160mm、ロッド径90mm、ストローク1500mm、呼び圧力21MPaで構成した油圧シリンダー73と、縦300mm、横150mm、ウェブ厚さ6.5mm、フランジ厚さ9mm、長さ4000mmのH型鋼で成形したフレーム引上用H型鋼100と、縦300mm、横150mm、ウェブ厚さ6.5mm、フランジ厚さ9mm、長さ1950mmのH型鋼で成形したローラーチェーン固定用H型鋼76と、さらに、フレーム引上用H型鋼100とローラーチェーン固定用H型鋼76のウェブ面を互いに向き合うように配置し、フレーム引上用H型鋼100とローラーチェーン固定用H型鋼76の下端を溶接で接合して一体化するため、厚さ12mm、縦300mm、横550mmの平板鋼板に4個の油圧シリンダー固定穴105を成形したベースプレート鋼板104と、さらに、横並びに配置したフレーム引上用H型鋼100とローラーチェーン固定用H型鋼76の下側のフランジ両面を補強するため厚さ12mm、縦200mm、横550mmの平板鋼板で成形した2枚の下部連結用鋼板60、下部連結用鋼板101と、さらにローラーチェーン固定用H型鋼76の上側とフレーム引上用H型鋼100のフランジ両面を補強するため厚さ12mm、縦200mm、横550mmの平板鋼板で成形した2枚の上部連結用鋼板93、上部連結用鋼板99で構成され、このように構成したフレーム引上用H型鋼100の上端に厚さ12mmの平板鋼板をH型に成形したH型平板鋼板82を溶接で接合し、さらにH型平板鋼板82の上面に2組の軸受ベアリング78を平行に取り付けると共に、軸受ベアリング78に第1のスプロケット80を取り付け、さらにフレーム引上用H型鋼100の概ね上下中間部分のフランジ先端に、縦200mm、横100mm、ウェブ厚さ5.5mm、フランジ厚さ8mm、長さ324mmのH型鋼で成形したスプロケット取付用H型鋼85のフランジ先端部63、フランジ先端部64を溶接で接合させると共に、左右2枚の上部連結用鋼板93、上部連結用鋼板99に成形した複数個の穴92、穴95に厚さ12mm、縦420mm、横140mmの平板鋼板に複数個の穴89、穴98を成形した補強板87、補強板96を、各々ボルト88、ボルト97とナット59、ナット94で取り付け、つづいて前記スプロケット取付用H型鋼85の側面61、側面62を補強板87、補強板96に溶接で接合し、このように構成したスプロケット取付用H型鋼85の下面に厚さ12mmの平板鋼板をH型に成形したH型平板鋼板86を溶接で接合し、さらにH型平板鋼板86の下側に2組の軸受ベアリング90を平行に取り付けると共に、前記軸受ベアリング90に第2のスプロケット91を取り付け、つづいて油圧シリンダー73の側面をローラーチェーン固定用H型鋼76のウェブ面に当接するように4本のボルト・ナット74でベースプレート鋼板104に成形した油圧シリンダー固定穴105に取り付け、油圧シリンダー73のピストンロット72に油圧シリンダー用ナット71を取り付け、油圧シリンダー用ナット71の上部に厚さ12mmの平板鋼板をH型に成形したH型平板鋼板69を溶接で接合し、さらにH型平板鋼板69の上面に2組の軸受ベアリング65を平行に取り付けると共に、軸受ベアリング65に第3のスプロケット67を取り付け、つづいて油圧シリンダー73の側面を当接させたローラーチェーン固定用H型鋼76のウェブの裏面に、ローラーチェーン111(
図8で示す)の一端を固定するため厚さ24mm、縦281mm、横71mmの平板鋼板に複数個の穴(図示せず)を成形したローラーチェーン固定用プレート75を溶接で接合し、さらに複数台の油圧式木造住宅吊上げ装置110(
図7で示す)を地表面と水平になるように高さ調節するため、下部連結用鋼板60、下部連結用鋼板101の外側面に平板鋼板でL字形に形成したジャッキベース取付部材106を溶接で接合し、ジャッキベース取付部材106に成形した穴(図示せず)にジャッキベース102をジャッキベース用ナット108で取り付けることにより傾斜地においても複数台の油圧式木造住宅吊上げ装置110の高さを簡単に調節して地面に水平に設置することが可能になった。
【0027】
図6は、
図5で説明したベースプレート鋼板104にフレーム引上用H型鋼100とローラーチェーン固定用H型鋼76のウェブ面を互いに向き合うように配置して下端を溶接で接合すると共に、油圧シリンダー73をベースプレート鋼板104に成形した油圧シリンダー固定穴105に4本のボルト・ナット74で取り付け、さらにフレーム引上用H型鋼100の上端のフレーム引上用H型鋼上端部84にH型平板鋼板82を溶接で接合すると共に、H型平板鋼板82の上部に2組の軸受ベアリング78と第1のスプロケット80を取り付け、さらにフレーム引上用H型鋼100の概ね上下中央のフランジ先端に溶接で接合したスプロケット取付用H型鋼85の下面にH型平板鋼板86を溶接で接合すると共に、H型平板鋼板86の下部に2組の軸受ベアリング90と第2のスプロケット91を取り付け、さらに油圧シリンダー73のピストンロット72(
図5で示す)に油圧シリンダーナット71を取り付け、油圧シリンダー用ナット71の上部にH型平板鋼板69を溶接で接合させ、H型平板鋼板69の上面に2組の軸受ベアリング65と第3のスプロケット67を取り付けた状態を示す。さらに
図5で説明した2枚の下部連結用鋼板60、下部連結用鋼板101の側面に各々2組のジャッキベース取付部材106を溶接で接合させ、つづいて上部連結用鋼板93、上部連結用鋼板99にボルト88、ボルト97とナット59、ナット94で補強板87、補強板96を取り付けた状態を示す。
【0028】
図7は、
図6で説明した2枚の下部連結用鋼板60、下部連結用鋼板101と、2枚の上部連結用鋼板93、上部連結用鋼板99を横並びに構成したフレーム引上用H型鋼100とローラーチェーン固定用H型鋼76の左右のフランジ面に溶接で接合した状態を示す。
【0029】
図8は、
図7で説明した油圧式木造住宅吊上げ装置110にローラーチェーン111を装着させた状態を示すと共に、ローラーチェーン111の一端にU字形吊上げ金物112を取り付けた状態を示す。
図8aでは、木造住宅を囲うように地表面に設置した平行弦トラス形骨組み2(点線で示す)にU字形吊上げ金物112を取り付けた状態を示すと共に、
図8bでは
図8aで説明した平行弦トラス形骨組み2を油圧シリンダー73に作動油を流入させることによりピストンロット72が伸びてU字形吊上げ金物112で吊上げた状態を示す。
【0030】
図9は、
図8aで説明した油圧式木造住宅吊上げ装置110を反対方向から見た状態を斜視図で示す。ローラーチェーン111の先端は、
図5で説明したローラーチェーン固定用H型鋼76に溶接で接合したローラーチェーン固定用プレート75に成形した穴(図示せず)にローラーチェーン取付けボルト115とローラーチェーン取付けナット116で取り付けられる。
【0031】
図10は、
図8で説明した油圧式木造住宅吊上げ装置110に取り付けたローラーチェーン111の先端にU字形吊上げ金物112を取り付けた状態を断面図で示す。
図10aでは、ローラーチェーン111の先端に取り付けたU字形吊上げ金物112を平行弦トラス形骨組み2に取り付けると共に、つづいてローラーチェーン111をフレーム引上用H型鋼100の上部に取り付けた第1のスプロケット80に噛み合わせ、さらにローラーチェーン111をスプロケット取付用H型鋼85の下部に取り付けた第2のスプロケット91に噛み合わせ、さらにローラーチェーン111を油圧シリンダー73のピストンロット72の上部に取り付けた第3のスプロケット67に噛み合わせ、さらにローラーチェーン111の他端をローラーチェーン固定用H型鋼76に取り付けたローラーチェーン固定用プレート75に取り付けた状態を示す。
図10cは、
図10aで説明した油圧シリンダー73に作動油を流入させたことによりピストンロット72が油圧により押し出されU字形吊上げ金物112が引っ張られることにより平行弦トラス形骨組み2を吊上げた状態を示す。さらに
図10bでは、ローラーチェーン111の先端に取り付けたU字形吊上げ金物112を平行弦トラス形骨組み2に取り付けた状態を拡大図で示す。ローラーチェーン111の先端に取り付けたU字形吊上げ金物112を平行弦トラス形骨組み2の垂直材(
図3で説明した第1の垂直材15、第2の垂直材18、第3の垂直材20の何れかの垂直材を示す)のフランジ面に当接させると共に、U字形吊上げ金物112の下部のU字形に形成したH型鋼フランジ下部139をU字形吊上げ金物112の下弦材27の外側のフランジ下部に引っ掛け、さらに垂直材(
図3で説明した第1の垂直材15、第2の垂直材18、第3の垂直材20の何れかの垂直材を示す)に成形した4個のトラス固定用穴49(
図3bで示す)とU字形吊上げ金物112に成形した4個のトラス固定穴128(
図11で示す)を重ねてボルト132を挿入し、ナット133でU字形吊上げ金物112と垂直材(
図3で説明した第1の垂直材15、第2の垂直材18、第3の垂直材20の何れかの垂直材を示す)を固定することにより平行弦トラス形骨組み2とU字形吊上げ金物112が固定された状態を示す。このように平行弦トラス形骨組み2とU字形吊上げ金物112をボルト132、ナット133で固定することにより安定した状態で木造住宅を吊上げることが可能になった。
【0032】
図11は、
図10で説明したU字形吊上げ金物112を分解図で示す。U字形吊上げ金物112を平行弦トラス形骨組み2の垂直材(
図3で説明した第1の垂直材15、第2の垂直材18、第3の垂直材20の何れかの垂直材を示す)に当接させたうえで固定するため、厚さ9mm、縦550mm、横125mmで成形したトラス固定鋼板127のトラス固定鋼板上端部125に、厚さ24mm、縦50mm、横100mmで成形したローラーチェーン取付けボルト固定プレート122をトラス固定鋼板127に対して直角に溶接で接合させ、さらにトラス固定鋼板127のトラス固定鋼板下端部129の側面に厚さ12mm、縦25mm、横125mmで成形した底板130を溶接で接合し、このように接合した底板130の側面に厚さ12mm、縦50mm、横125mmで成形した当て板131を溶接で接合し、さらにトラス固定鋼板127の両端に厚さ12mm、縦550mm、横50mmで成形した2枚の補強板124、補強板126を溶接で接合させ、平行弦トラス形骨組み2の垂直材(
図3で説明した第1の垂直材15、第2の垂直材18、第3の垂直材20の何れかの垂直材を示す)に成形した4個のトラス固定用穴49(
図3bで示す)と相対するトラス固定鋼板127の位置に4個のトラス固定穴128を成形すると共に、ローラーチェーン取付けボルト固定プレート122にローラーチェーン取付けボルト120を挿入するため穴123を成形した状態を示す。
【0033】
図12は、
図4aで説明した木造住宅吊上げ用フレーム50に油圧式木造住宅吊上げ装置110を取り付けた状態を示す。木造住宅1の荷重を4基の油圧式木造住宅吊上げ装置110で受け止めるため、油圧式木造住宅吊上げ装置110に取り付けたジャッキベース取付部材106の下部に各々4本の90cm角の木材141を敷くと共に、前記木材141を厚さ5mm、ウェブ面100mm、フランジ面50mm、長さ約4mの溝形鋼140に嵌め込むことにより木造住宅1の荷重を均一に分散することが出来るようになり油圧式木造住宅吊上げ装置110の沈下を防ぐことが可能になった。
【0034】
図13は、
図12で説明した油圧式木造住宅吊上げ装置110で木造住宅吊上げ用フレーム50を吊上げた状態を示す。このように油圧式木造住宅吊上げ装置110の高さを低くコンパクトに構成することにより、油圧式木造住宅吊上げ装置110を小型トラック等で輸送することが出来るようになると共に、木造住宅1を安定した状態を保ったまま短時間で確実に吊上げることが可能になった。
【0035】
以上、実施の形態に基づいて、本発明に係る油圧式木造住宅吊上げ装置について詳細に説明してきたが、本発明は、以上の実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において各種の改変をなしても、本発明の技術的範囲に属するのはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明の実施の形態に係る、木造住宅を取り囲むように配置した平行弦トラス形骨組みを斜視図で示す。
【
図2】同実施の形態に係る、
図1で示した木造住宅の基礎コンクリートにH型鋼を挿入した状態を斜視図で示す。
【
図3】同実施の形態に係る、
図1、
図2で示した2組の平行弦トラス形骨組みを横並びに配置すると共に、2組の平行弦トラス形骨組みを固定した状態を斜視図で示す。
【
図4】同実施の形態に係る、
図2で示した木造住宅の土台下に設置した架台用H型鋼を平行弦トラス形骨組みに組み付けた状態を斜視図で示す。
【
図5】同実施の形態に係る、油圧式木造住宅吊上げ装置を分解図で示す。
【
図6】同実施の形態に係る、
図5で示した油圧式木造住宅吊上げ装置を一部組み立てた状態を斜視図で示す。
【
図7】同実施の形態に係る、
図5で示した油圧式木造住宅吊上げ装置を組み立てた状態を示す。
【
図8】同実施の形態に係る、
図7で示した油圧式木造住宅吊上げ装置にローラーチェーンを取り付けると共に、ローラーチェーン先端にU字形吊上げ金物を取り付けた状態を斜視図で示す。
【
図9】同実施の形態に係る、
図8で示した油圧式木造住宅吊上げ装置を反対方向から見た状態を斜視図で示す。
【
図10】同実施の形態に係る、
図8で示した油圧式木造住宅吊上げ装置の油圧シリンダーとスプロケットとローラーチェーンを断面図で示す。
【
図11】同実施の形態に係る、
図8で示したU字形吊上げ金物を分解図で示す。
【
図12】同実施の形態に係る、木造住宅に取り付けたトラスフレームに油圧式木造住宅吊上げ装置を取り付けた状態を斜視図で示す。
【
図13】同実施の形態に係る、
図12で示した油圧式木造住宅吊上げ装置で木造住宅を持ち上げた状態を斜視図で示す。
【符号の説明】
【0037】
1 木造住宅
2 平行弦トラス形骨組み
3 土台
4 基礎コンクリート
5 基礎コンクリート凹部
6 架台用H型鋼
10 穴
11 穴
12 上弦材
13 穴
14 穴
15 第1の垂直材
16 側面固定穴
17 第1の斜材
18 第2の垂直材
19 第2の斜材
20 第3の垂直材
21 第3の斜材
22 方杖
23 穴
24 側面固定穴
25 H型鋼固定プレート
26 H型鋼固定穴
27 下弦材
28 穴
29 端部
30 端部
31 ボルト
32 トラス固定金具
33 穴
34 ナット
35 トラス固定金具
36 穴
37 ボルト
38 ナット
39 ナット
40 トラス固定金具
41 ボルト
42 穴
43 ナット
44 穴
45 ボルト
46 トラス固定金具
47 穴
48 穴
49 トラス固定用穴
50 木造住宅吊上げ用フレーム
51 L形トラス固定金具
52 ボルトとナット
53 L形H型鋼固定プレート
54 ボルトとナット
55 ボルトとナット
56 垂直材
59 ナット
60 下部連結用鋼板
61 側面
62 側面
63 フランジ先端部
64 フランジ先端部
65 軸受ベアリング
66 軸
67 第3のスプロケット
68 ボルト
69 H型平板鋼板
70 穴
71 油圧シリンダー用ナット
72 ピストンロット
73 油圧シリンダー
74 ボルト・ナット
75 ローラーチェーン固定用プレート
76 ローラーチェーン固定用H型鋼
77 ローラーチェーン固定用H型鋼下端部
78 軸受ベアリング
79 軸
80 第1のスプロケット
81 ボルト
82 H型平板鋼板
83 穴
84 フレーム引上用H型鋼上端部
85 スプロケット取付用H型鋼
86 H型平板鋼板
87 補強板
88 ボルト
89 穴
90 軸受ベアリング
91 第2のスプロケット
92 穴
93 上部連結用鋼板
94 ナット
95 穴
96 補強板
97 ボルト
98 穴
99 上部連結用鋼板
100 フレーム引上用H型鋼
101 下部連結用鋼板
102 ジャッキベース
103 フレーム引上用H型鋼下端部
104 ベースプレート鋼板
105 油圧シリンダー固定穴
106 ジャッキベース取付部材
107 穴
108 ジャッキベース用ナット
109 ジャッキベース用ボルト
110 油圧式木造住宅吊上げ装置
111 ローラーチェーン
112 U字形吊上げ金物
115 ローラーチェーン取付けボルト
116 ローラーチェーン取付けナット
120 ローラーチェーン取付けボルト
121 ローラーチェーン取付けナット
122 ローラーチェーン取付けボルト固定プレート
123 穴
124 補強板
125 トラス固定鋼板上端部
126 補強板
127 トラス固定鋼板
128 トラス固定穴
129 トラス固定鋼板下端部
130 底板
131 当て板
132 ボルト
133 ナット
134 フレーム下引掛け部
139 H型鋼フランジ下部
140 溝形鋼
141 角材