(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】荷電粒子システムにおけるサンプルの3D画像の深度再構成
(51)【国際特許分類】
H01J 37/22 20060101AFI20240820BHJP
G01N 23/2251 20180101ALI20240820BHJP
【FI】
H01J37/22 502H
H01J37/22 501Z
G01N23/2251
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021155319
(22)【出願日】2021-09-24
【審査請求日】2024-06-28
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501233536
【氏名又は名称】エフ イー アイ カンパニ
【氏名又は名称原語表記】FEI COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】パヴェル ポトチェク
(72)【発明者】
【氏名】ミロス ホヴォルカ
(72)【発明者】
【氏名】マウリース ペーメン
(72)【発明者】
【氏名】ルカス ヒュブナー
【審査官】右▲高▼ 孝幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-198657(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0266440(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0228683(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0007307(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0189922(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01J 37/22
G01N 23/2251
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スライスアンドビュー荷電粒子イメージングを介してサンプルの改善された3D再構成を生成する方法であって、
サンプルの第1の層に関連する第1のデータであって、荷電粒子ビームによる前記サンプルの前記第1の層の第1の照射によって取得された第1のデータを取得することと、
サンプルの第2の層に関連する第2のデータであって、前記荷電粒子ビームによる前記サンプルの前記第2の層の第2の照射によって取得された第2のデータを取得することであって、
前記サンプルの前記第1の層が、前記第1の照射と前記第2の照射との間に除去され、
前記荷電粒子ビームの電子相互作用の深さが、前記第1の層の厚さおよび前記第2の層の厚さよりも大きい、ことと、
トレーニングベースの3Dブラインド逆畳み込みアルゴリズムによって前記第1のデータを増強し、増強された第1のデータを作成することであって、前記トレーニングベースの3Dブラインド逆畳み込みアルゴリズムが、前記第1の層の外側の電子相互作用から生じる前記第1のデータの第1の部分によって引き起こされる深さぼけを低減する、ことと、
前記トレーニングベースの3Dブラインド逆畳み込みアルゴリズムによって前記第2のデータを増強し、増強された第2のデータを作成することであって、前記トレーニングベースの3Dブラインド逆畳み込みアルゴリズムが、前記第2の層の外側の電子相互作用から生じる前記第2のデータの第2の部分によって引き起こされる深さぼけを低減する、ことと、
前記増強された第1のデータと前記増強された第2のデータとを使用して、前記サンプルの高解像度3D再構成を構築することと、を備える、方法。
【請求項2】
さらに、
前記サンプルの前記第1の層の第1の画像を生成することと、
前記サンプルの前記第2の層の第2の画像を生成することと、を備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のデータを増強することが、前記第1の層の外側の電子相互作用に基づいて情報量が低減された、増強された第1の画像を生成することを備え、前記第2のデータを増強することが、前記第2の層の外側の電子相互作用に基づいて情報量が低減された、増強された第2の画像を生成することと、を備える、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記深さぼけを低減することが、
前記第1のデータから前記第1の層の外側の電子相互作用から生じる前記第1のデータの前記第1の部分を除去することと、
前記第2のデータから前記第2の層の外側の電子相互作用から生じる前記第2のデータの前記第2の部分を除去することと、に対応する、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記深さぼけが、前記画像が対応するサンプル層の外側で発生する前記電子相互作用から生じる画像データの存在に対応する、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記荷電粒子ビームが単一エネルギー電子ビームである、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記サンプルの前記第1の層が、
集束イオンビーム、
レーザー、
電子ビーム、および
ダイヤモンドブレード、のうちの1つ以上によって除去される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記トレーニングベースの3Dブラインド逆畳み込みアルゴリズムが3Dニューラルネットワークを備える、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
前記3Dニューラルネットワークが、
トレーニングサンプルのスライスアンドビュー荷電粒子イメージングを介して取得され、前記イメージングビームの前記電子相互作用の深さが前記対応するスライス厚さよりも大きいトレーニングデータの第1のセットと、
前記トレーニングサンプルのラベル付き再構成に対応するトレーニングデータの第2のセットと、を使用してトレーニングされる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記トレーニングデータの前記第2のセットが、前記トレーニングサンプルの低電圧スライスアンドビュー荷電粒子イメージング処理を使用して取得され、前記イメージングビームの前記電子相互作用の深さが前記対応するスライス厚さよりも小さい、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記トレーニングデータの前記第2のセットが、前記トレーニングデータの前記第1のセットに逆畳み込みアルゴリズムを適用することによって少なくとも部分的に取得される、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記トレーニングサンプルのマッピング、前記トレーニングサンプルの説明、前記トレーニングサンプルの既知の特性、またはそれらの組み合わせに基づいてシミュレートされた前記トレーニングデータの前記第2のセットが取得される、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記方法が、さらに、複数のトレーニングベースの3Dブラインド逆畳み込みアルゴリズムにアクセスすることと、1つ以上の顕微鏡条件に基づいて前記複数のトレーニングベースの3Dブラインド逆畳み込みアルゴリズムから前記深さぼけ低減アルゴリズムを選択することと、を備え、前記複数のトレーニングベースの3Dブラインド逆畳み込みアルゴリズムのうちの個々のトレーニングベースの3Dブラインド逆畳み込みアルゴリズムが、異なる対応する顕微鏡条件についてトレーニングされる、請求項1~12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記方法が、さらに、複数のトレーニングベースの3Dブラインド逆畳み込みアルゴリズムにアクセスすることと、1つ以上のサンプル条件に基づいて、前記複数のトレーニングベースの3Dブラインド逆畳み込みアルゴリズムから前記トレーニングベースの3Dブラインド逆畳み込みアルゴリズムを選択することと、を備え、前記複数のトレーニングベースの3Dブラインド逆畳み込みアルゴリズムのうちの個々のトレーニングベースの3Dブラインド逆畳み込みアルゴリズムが、異なる対応するサンプル条件についてトレーニングされる、請求項1~13のいずれかに記載の方法。
【請求項15】
荷電粒子顕微鏡システムであって、
サンプルを保持するように構成されたサンプルホルダーと、
前記サンプルに向かって電子ビームを放射するように構成された電子ビーム源と、
前記電子ビームを前記サンプル上に向けるように構成された電子ビームカラムと、
前記サンプルの表面から層を除去するように構成された遅延コンポーネントであって、前記層が既知の厚さを有する遅延コンポーネントと、
前記サンプルを照射する前記電子ビームから生じる放射を検出するように構成された1つ以上の検出器と、
1つ以上のプロセッサと、
前記1つ以上のプロセッサで実行されると、前記荷電粒子顕微鏡システムに、
前記サンプルの第1の層に関連する第1のデータであって、前記電子ビームによる前記サンプルの前記第1の層の第1の照射によって取得された第1のデータを取得させ、
前記サンプルの第2の層に関連する第2のデータであって、前記電子ビームによる前記サンプルの前記第2の層の第2の照射によって取得された第2のデータを取得させ、
前記サンプルの前記第1の層が、前記第1の照射と前記第2の照射との間の前記遅延コンポーネントによって除去され、
前記電子ビームの電子相互作用の深さが、前記第1の層の厚さおよび前記第2の層の厚さよりも大きく、
トレーニングベースの3Dブラインド逆畳み込みアルゴリズムによって前記第1のデータを増強させ、増強された第1のデータを作成させ、前記トレーニングベースの3Dブラインド逆畳み込みアルゴリズムが、前記第1の層の外側の電子相互作用から生じる前記第1のデータの第1の部分によって引き起こされる深さぼけを低減させ、
前記トレーニングベースの3Dブラインド逆畳み込みアルゴリズムによって前記第2のデータを増強させ、増強された第2のデータを作成させ、前記トレーニングベースの3Dブラインド逆畳み込みアルゴリズムが、前記第2の層の外側の電子相互作用から生じる前記第2のデータの第2の部分によって引き起こされる深さぼけを低減させ、
前記増強された第1のデータと前記増強された第2のデータとを使用して、前記サンプルの高解像度3D再構成を構築させる命令を記憶するメモリと、を備える、荷電粒子顕微鏡システム。
【請求項16】
前記深さぼけを低減することが、
前記第1のデータから前記第1の層の外側の電子相互作用から生じる前記第1のデータの前記第1の部分を除去することと、
前記第2のデータから前記第2の層の外側の電子相互作用から生じる前記第2のデータの前記第2の部分を除去することと、に対応する、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記トレーニングベースの3Dブラインド逆畳み込みアルゴリズムが3Dニューラルネットワークを備える、請求項15~16のいずれかに記載のシステム。
【請求項18】
前記3Dニューラルネットワークが、
トレーニングサンプルのスライスアンドビュー荷電粒子イメージングを介して取得され、前記イメージングビームの前記電子相互作用の深さが前記対応するスライス厚さよりも大きいトレーニングデータの第1のセットと、
前記トレーニングサンプルのラベル付き再構成に対応するトレーニングデータの第2のセットと、を使用してトレーニングされる、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記トレーニングデータの第2のセットが、前記トレーニングサンプルの低電圧スライスアンドビュー荷電粒子イメージング処理を使用して取得され、前記イメージングビームの前記電子相互作用の深さが、前記対応するスライス厚さよりも小さい、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記トレーニングデータの第2のセットが、前記トレーニングデータの第1のセットに逆畳み込みアルゴリズムを適用することによって少なくとも部分的に取得される、請求項18に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
スライスアンドビュー荷電粒子イメージングは、生物学研究、半導体デバッグ、材料科学、およびその他の多くの用途におけるサンプルの再構成および検査に不可欠なツールである。スライスアンドビュー荷電粒子イメージングでは、サンプルの連続する表面層が繰り返しイメージングされてから削除され、その後、結果の画像が合成されてサンプルの3D再構成を形成する。例えば、
図1は、荷電粒子顕微鏡を用いてスライスおよびビューイメージングを実施するためのサンプルプロセス100を示している。具体的には、
図1は、スライスおよびビューイメージングプロセスの反復ステップを描写する3つの画像を含む。
【0002】
画像102は、サンプル108の第nの層のSEMイメージングを示している。SEMイメージングの間、電子ビーム110は、サンプル108の第nの層の表面108にわたって走査され、検出器112は、電子ビームによって照射されたサンプルから生じる放射114を検出する。次に、画像104は、除去および/または他の方法で遅延されるサンプル108の第nの層のプロセスを示している。画像104は、集束イオンビーム116が除去された第nの層を示しているが、第nの層は、電子ビーム、レーザー、ダイヤモンドブレードなどの他の機構を使用して除去されることができる。画像106に示すように、次に、SEMイメージングは、サンプル108の第n+1の層で繰り返されることができる。次に、画像102および106からの検出された放射114が使用されて、サンプル108の第nの層およびサンプル108の第n+1の層の画像をそれぞれ生成する。スライスアンドビュー荷電粒子イメージングは、z軸に沿った様々な深さでサンプルの一連の断面画像を取得するため、取得された画像および/またはそれらが生成されたデータが使用されて、サンプルの3D表現を再構成することができる。
【0003】
しかしながら、スライスアンドビュー荷電粒子イメージングの基本的な制限は、除去されたサンプルのスライスの厚さが荷電粒子ビームの電子相互作用の深さ以下に減少するときに発生するサンプルのz軸に沿った3D再構成のぼけ(すなわち、z-ぼけ)の増加である。電子相互作用の深さは、サンプル108の表面から、イメージングビームの電子/荷電粒子が相互作用してサンプルの領域内の分子/元素/特徴を引き起こし、放射114を放出するサンプルの領域のさらなる部分までの垂直距離に対応する。例えば、画像102および106は、それぞれ、第nおよび第n+1のサンプル層の厚さ以下に延在するように電子相互作用領域118(すなわち、電子ビーム110によって導入された電子が相互作用するサンプルの領域)を示している。検出された放射114は、それらが生じる電子相互作用領域118を説明する情報を含むため、そのような検出された放射から生成された画像は、スライス厚さよりも大きいz深度からの情報を含む。すなわち、画像は、サンプルの対応するスライスを描写することを目的としているが、電子相互作用の深さが除去されたサンプルのスライスの厚さを超えると、画像は、複数のスライスからの情報を含む。この現象は、前述のz軸に沿った3D再構成のぼけの原因である。
【0004】
これに対抗するために、現在の慣行は、より小さな電子相互作用領域120が存在するように、荷電粒子ビームの電圧を低減するようにしている。これは、電子相互作用領域の深さを低減するが、荷電粒子ビームの電圧の低減は、ひいては検出器112によって得られる信号の信号対雑音比(SNR)を低減させる放射114の対応する低減を引き起こす。さらに、荷電粒子ビームの電圧の低減はまた、ビームの成形を困難にする。ビーム形状のこの変動は、3D再構成のx-y解像度の低減を引き起こす。したがって、x-y解像度またはSNRを低減させることなく、サンプルのより薄いスライス(例えば、2~5nm以下)が除去されることを可能にする解決策が必要である。
【発明の概要】
【0005】
イメージングビームの電子相互作用の深さがスライスの厚さよりも大きいスライスアンドビュープロセスを使用してイメージングされた3Dサンプルの高解像度再構成を生成するための方法およびシステムが開示される。例示的な方法は、荷電粒子ビームをサンプルの第1の層に照射することによって取得されたサンプルの第1の層に関連する第1のデータを取得することと、次に、荷電粒子ビームをサンプルの第2の層に照射することによって取得されたサンプルの第2の層に関連する第2のデータを取得することと、を含み、第1の照射と第2の照射との間にサンプルの第1の層が除去され、荷電粒子ビームの電子相互作用の深さが第1の層の厚さおよび第2の層の厚さのそれぞれよりも大きい。次に、第1のデータおよび第2のデータは、それぞれ第1の層および第2の層の外側の電子相互作用から生じる第1のデータおよび第2のデータの部分によって引き起こされる深さぼけを低減して、増強された第1のデータおよび増強された第2のデータを作成するように構成された深さぼけ低減アルゴリズム(例えば、3Dニューラルネットワークベースのアルゴリズム、3Dブラインドニューラルネットワークベースのアルゴリズム、トレーニングベースの3Dブラインド逆畳み込みアルゴリズムなど)によって増強される。次に、サンプルの高解像度3D再構成が、増強された第1のデータと増強された第2のデータとを使用して生成される。いくつかの実施形態では、深さぼけ低減アルゴリズムは、特定の顕微鏡条件(例えば、イメージングビーム電圧、イメージングビーム種類、スポットサイズ、走査速度など)、サンプル条件(例えば、サンプルの種類、サンプルの材料、サンプルの特徴など)、またはそれらの組み合わせに対して個別に構成されたそのようなアルゴリズムのセットから選択されることができる。
【0006】
イメージングビームの電子相互作用の深さがスライス厚さよりも大きいスライスアンドビュープロセスを使用してイメージングされた3Dサンプルの高解像度再構成を生成するシステムは、サンプルを保持するように構成されたサンプルホルダーと、電子ビームをサンプルに向けて放射するように構成された電子ビーム源と、電子ビームをサンプル上に向けるように構成された電子ビームカラムと、サンプルの表面から既知の厚さを有する層を除去するように構成された遅延コンポーネントと、サンプルを照射する電子ビームから生じる放射を検出するように構成された1つ以上の検出器と、を備える。システムは、さらに、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサ上で実行されると、システムに、スライスアンドビューイメージングを介してサンプルの第1の層に関連する第1のデータおよびサンプルの第2の層に関連する第2のデータを取得させ、イメージングの電子相互作用の深さが第1の層の厚さおよび第2の層の厚さのそれぞれよりも大きく、深さぼけ低減アルゴリズムを使用して第1のデータおよび第2のデータを増強させ、次に、増強されたデータを使用してサンプルの高解像度3D再構成を生成させる命令を記憶するメモリとを含む。
【0007】
イメージングビームの電子相互作用の深さがスライスの厚さよりも大きいスライスアンドビュープロセスを使用してイメージングされた3Dサンプルの高解像度再構成を生成する他の例の方法は、トレーニングサンプルのスライスアンドビュー荷電粒子イメージングを介して取得され、イメージングビームの電子相互作用の深さが対応するスライス厚さよりも大きいトレーニングデータの第1のセットと、トレーニングサンプルのラベル付き再構成に対応するトレーニングデータの第2のセットとに少なくとも部分的に基づいて、深さぼけ低減アルゴリズムをトレーニングすることを含む。第1のデータおよび第2のデータは、荷電粒子ビームの電子相互作用の深さが第1の層の厚さおよび第2の層の厚さのそれぞれよりも大きいスライスアンドビューイメージングを介した、サンプルの第1の層およびサンプルの第2の層に(それぞれ)関連する。次に、第1のデータおよび第2のデータは、それぞれ、第1の層および第2の層の外側の電子相互作用から生じる第1のデータおよび第2のデータの部分によって引き起こされる深さぼけを低減するように構成された深さぼけ低減アルゴリズムによって増強され、増強された第1のデータおよび増強された第2のデータを作成する。次に、サンプルの高解像度3D再構成が、増強された第1のデータと増強された第2のデータとを使用して生成される。
【0008】
詳細な説明は、添付の図を参照して説明される。図において、参照符号の最も左の桁(複数可)は、参照符号が最初に現れる図を識別する。異なる図の同じ参照符号は、類似または同一の項目を示している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、荷電粒子顕微鏡を使用してスライスアンドビューイメージングを実行するためのサンプルプロセスを示している。
【
図2】
図2は、イメージングビームの電子相互作用の深さがスライス厚さよりも大きいスライスアンドビュープロセスを使用してイメージングされた3Dサンプルの高解像度再構成を生成するための深さぼけ低減アルゴリズムの使用、トレーニング、最適化、および/または再トレーニングのためのサンプルプロセスを示している。
【
図3】
図3は、本発明にかかる、イメージングビームの電子相互作用の深さがスライス厚さよりも大きいスライスアンドビュープロセスを使用してイメージングされた3Dサンプルの高解像度再構成を生成するプロセスを示す一連の画像を示している。
【
図4】
図4は、イメージングビームの電子相互作用の深さがスライス厚さよりも大きいスライスアンドビュープロセスを使用してイメージングされた3Dサンプルの高解像度再構成を生成するプロセスを示す一連の図を示している。
【
図5】
図5は、従来技術のシステムによるスライスアンドビュー画像と比較して、本発明のプロセスによって処理されたスライスアンドビュー画像を示す実験結果である。
【
図6】
図6は、従来技術のシステムによるスライスアンドビュー画像と比較して、本発明のプロセスによって処理されたスライスアンドビュー画像を示す実験結果である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
同様の参照符号は、図面のいくつかの図を通して対応する部分を指す。一般に、図において、所与の例において含まれる可能性が高い要素は、実線で示されているのに対し、所与の例に対して任意選択的である要素は、破線で示されている。しかしながら、実線で示される要素は、本開示の全ての例に必須である訳ではなく、実線で示される要素は、本開示の範囲から逸脱しない限り、特定の例から省略されることができる。
【0011】
イメージングビームの電子相互作用の深さがスライス厚さよりも大きいスライスアンドビュープロセスを使用してイメージングされた3Dサンプルの高解像度再構成を生成する方法およびシステムが本明細書に開示される。具体的には、方法およびシステムは、スライスアンドビューイメージングを介して取得されたデータに深さぼけ低減アルゴリズムを採用して、対応するサンプル層の外側の電子相互作用から生じるデータの部分によって引き起こされるz方向のぼけなしにサンプルの3D再構成の生成を可能にする。本発明のいくつかの実施形態では、深さぼけ低減アルゴリズムは、トレーニングサンプルのスライスアンドビュー荷電粒子イメージングを介して取得され、イメージングビームの電子相互作用の深さは、対応するスライス厚さよりも大きいトレーニングデータの第1のセットと、トレーニングサンプルのラベル付き再構成に対応するトレーニングデータの第2のセットとを使用してトレーニングされる。
【0012】
本開示の方法およびシステムは、電子相互作用の深さが層の厚さよりも小さくなるように、イメージングビームエネルギーを低減する必要なしに、スライスアンドビュープロセスによってサンプルの高解像度3D再構成が取得されることを可能にする。さらに、そのようなスライスアンドビュープロセスがより高いエネルギービームを使用することを可能にすることにより、取得されたデータのSNRが低減され、ビームは、一貫して成形されて高解像度データ取得を可能にすることができる。
【0013】
図2は、イメージングビームの電子相互作用の深さがスライス厚さよりも大きいスライスアンドビュープロセスを使用してイメージングされた3Dサンプルの高解像度再構成を生成するための深さぼけ低減アルゴリズムの使用、トレーニング、最適化、および/または再トレーニングのための環境200の図示である。具体的には、
図2は、サンプル206のスライスアンドビュー画像を生成するための例示的な顕微鏡システム204と、z次元ぼけを低減してイメージングされた3Dサンプルの高解像度再構成を生成するために深さぼけ低減アルゴリズムを使用、トレーニング、最適化、および/または再トレーニングするための1つ以上のコンピューティングデバイス208とを含む例示的な環境202を示している。本開示は、顕微鏡を含む環境に限定されるものではなく、いくつかの実施形態では、環境200は、相関画像を生成するように構成された異なるタイプのシステムを含んでもよいか、または画像を生成するためのシステムを全く含まなくてもよいことに留意されたい。
【0014】
例示的な顕微鏡システム204は、限定されるものではないが、走査型電子顕微鏡(SEM)、走査透過型電子顕微鏡(STEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)、荷電粒子顕微鏡(CPM)、低温適合顕微鏡、集束イオンビーム(FIB)顕微鏡、デュアルビーム顕微鏡システム、またはそれらの組み合わせなどの1つ以上の異なるタイプの光学、および/または荷電粒子顕微鏡とすることができるかまたはこれらを含むことができる。
図2は、SEMカラム210およびFIBカラム212を含むデュアルビーム顕微鏡システムであるとして例示的な顕微鏡システム204を示している。
【0015】
図2は、スライスアンドビューイメージング中にサンプル206の層をイメージングするためのSEMカラム210を含むものとして例示的な顕微鏡システム204を示している。SEMカラム210は、電子放射軸218に沿ってサンプル206に向かって電子ビーム216を放射する電子源214(例えば、熱電子源、ショットキー放射源、電界放射源など)を含む。電子放射軸218は、電子源214からサンプル206を通って例示的な顕微鏡システム204の長さに沿って延びる中心軸である。
図2は、電子源204を含むものとして例示的な顕微鏡システム204を示しており、他の実施形態では、例示的な顕微鏡システム204は、サンプル206に向かって複数の荷電粒子を放射するように構成されたイオン源などの荷電粒子源を備えることができる。
【0016】
加速レンズ220は、電子ビーム216を電子集束カラム222に向けて加速/減速、集束、および/または方向付ける。電子集束カラム222は、電子ビームがサンプル206の少なくとも一部に入射するように電子ビーム212を集束する。さらに、集束カラム222は、電子ビーム216の収差(例えば、幾何学的収差、色収差)を補正および/または調整することができる。いくつかの実施形態では、電子集束カラム222は、電子源214からの電子をサンプル206上の小さなスポットにともに集束させるアパーチャ、デフレクタ、伝送レンズ、走査コイル、コンデンサレンズ、対物レンズなどのうちの1つ以上を含むことができる。サンプル206の異なる位置は、デフレクタおよび/または走査コイルを介して電子ビームの方向を調整することによって走査されることができる。このようにして、電子ビーム216は、サンプルの表面層(すなわち、SEMカラム204に近接する層の表面、および/または電子ビーム216によって照射される層)にわたって走査されるイメージングビームとして機能する。サンプル206の表面層のこの照射は、成分/分子/特徴が放射223をサンプル206によって放射させるように、電子ビーム216の成分電子をサンプルの成分/分子/特徴と相互作用させる。放出される特定の放射は、放射が分析されて対応する元素/分子に関する情報を判定することができるように、それらを放射させる対応する元素/分子/特徴に基づいている。
【0017】
電子ビーム216がサンプル206の表面層に入射する間、その成分電子の一部は、サンプルを貫通し、サンプルの表面から異なる深さで元素/分子/特徴と相互作用する。電子ビーム216の電子相互作用の深さは、電子ビーム216の電子が照射中に相互作用するサンプルの95%の元素/分子/特徴を含むサンプルの表面からの距離に対応する。このようにして、放射223が分析されて、サンプル206の表面から電子相互作用の深さまで存在する元素/分子に関する情報を判定することができる。
【0018】
図2は、さらに、サンプル206に入射する電子ビーム216から生じる放射を検出する検出器システム224を示している。検出器システム224は、そのような放射を検出するように配置または構成された1つ以上の検出器を備えることができる。様々な実施形態では、異なる検出器および/または単一検出器の異なる部分は、異なる種類の放射を検出するように構成されることができるか、または放射の異なるパラメータが異なる検出器および/または異なる部分によって検出されるように構成されることができる。検出器システム224は、検出された放射に対応するデータ/データ信号を生成し、データ/データ信号を1つ以上のコンピューティングデバイス208に送信するようにさらに構成される。
【0019】
図2は、スライスアンドビューイメージング中にサンプル206の層を除去するためのFIBカラム212を含むものとして例示的な顕微鏡システム204を示しており、他の実施形態では、例示的な顕微鏡システム204は、レーザー、機械的ブレード(例えば、ダイヤモンドブレード)、電子ビームなどの他の種類の遅延コンポーネントを含むことができる。FIBカラム212は、イオン放射軸230に沿って複数のイオン228を放射するように構成された荷電粒子エミッタ226を含むものとして示されている。
【0020】
イオン放射軸230は、荷電粒子エミッタ226からサンプル206を通って延びる中心軸である。FIBカラム212は、さらに、荷電粒子エミッタ226からのイオンをサンプル206上の小さなスポットにともに集束させるアパーチャ、デフレクタ、伝送レンズ、走査コイル、コンデンサレンズ、対物レンズなどのうちの1つ以上を備えるイオン集束カラム232を含む。このようにして、イオン集束カラム232内の要素は、荷電粒子エミッタ226によって放射されたイオンを粉砕させるか、さもなければサンプルの1つ以上の部分を除去させることができる。例えば、スライスアンドビューイメージング中に、FIBカラム212は、画像取得の間に、既知の厚さを有するサンプル206の表面層をサンプル206から除去させるように構成されることができる。
【0021】
図2は、さらに、サンプルホルダー234をさらに含むものとして例示的な顕微鏡システム204を示している。サンプルホルダー234は、サンプル206を保持するように構成され、例示的な顕微鏡システム204に対してサンプル102を並進、回転、および/または傾斜させることができる。
【0022】
環境200はまた、1つ以上のコンピューティングデバイス208を含むものとして示されている。当業者であれば、
図2に示されるコンピューティングデバイス208は単なる例示であり、本開示の範囲を限定することを意図するものではないことを理解するであろう。コンピューティングシステムおよびデバイスは、コンピュータ、ネットワークデバイス、インターネット家電製品、PDA、無線電話、コントローラ、オシロスコープ、増幅器などを含む、指定された機能を実行することができるハードウェアまたはソフトウェアの任意の組み合わせを含んでもよい。コンピューティングデバイス208は、示されていない他のデバイスに接続されてもよく、または代わりに、スタンドアロンシステムとして動作してもよい。
【0023】
コンピューティングデバイス208のうちの1つ以上は、例示的な顕微鏡システム204のコンポーネントであってもよく、ネットワーク通信インターフェースを介して例示的な顕微鏡システム204と通信する例示的な顕微鏡システム204とは別個のデバイスであってもよく、またはそれらの組み合わせであってもよいことにも留意されたい。例えば、例示的な顕微鏡システム204は、例示的な荷電粒子顕微鏡システム204のコンポーネント部分であり、且つ例示的な荷電粒子顕微鏡システム204の動作を駆動するコントローラとして機能する(例えば、走査コイルを動作させることによってサンプル上の走査位置を調整するなど)第1のコンピューティングデバイス208を含んでもよい。そのような実施形態では、例示的な顕微鏡システム204はまた、例示的な顕微鏡システム204とは別のデスクトップコンピュータであり、且つ検出器システム224から受信したデータを処理してサンプル206の画像を生成する、および/または検出器データの他の種類の分析または後処理を実行するように実行可能である第2のコンピューティングデバイス208を含んでもよい。コンピューティングデバイス208は、さらに、キーボード、マウス、タッチパッド、タッチスクリーンなどを介して、ユーザ選択を受信するように構成されることができる。
【0024】
コンピューティングデバイス208は、検出器システム224からのデータおよび/またはデータ信号に基づいて、例示的な顕微鏡システム204内のサンプル206の表面層の画像を生成するように構成される。具体的には、検出器システム224からのデータおよび/またはデータ信号は、サンプルの表面の照射中にサンプル206から放射された放射223に基づいていることから、サンプルの表面層の画像が生成されることができるように、データおよび/またはデータ信号が分析されて、サンプルの表面と電子ビーム216の電子相互作用の深さとの間のサンプルの構成(すなわち、成分/分子/特徴)を判定することができる。いくつかの実施形態では、画像は、サンプルの形状および/または材料を示すコントラストを示すグレースケール画像である。
【0025】
さらに、FIBカラム212は、既知の厚さを有するサンプル206の層を除去することができるため、コンピューティングデバイス208は、一連の画像の各画像が対応するサンプル206の位置を判定することができる。このようにして、スライスアンドビューイメージングのプロセス中に、コンピューティングデバイス208は、周期的な深さでサンプルの層の一連の画像を生成する。しかしながら、画像は、表面と電子ビーム216の電子相互作用深さとの間の元素/分子/特徴に関する情報を含むため、FIBカラム212が除去する層の厚さが電子ビーム216の電子相互作用の深さよりも小さい場合、コンピューティングデバイス208によって生成された画像は、サンプルの複数の層からのサンプルの元素/分子/特徴を描写する。例えば、FIBカラム212がサンプル206の表面から2nmの層を除去し、電子ビーム216の電子相互作用の深さが10nmである実施形態では、コンピューティングデバイス208によって生成された各画像は、サンプルの5つの異なる層からのサンプルの元素/分子/特徴を描写するであろう。したがって、そのような画像に基づいて生成されるサンプル206の3D再構成は、実際にはそれらが1つの層にのみ存在する場合、サンプルの複数の層に起因する個々の元素/分子/特徴のために再構成のぼけを有するであろう。
【0026】
本発明によれば、コンピューティングデバイス208は、個々の画像が対応していないサンプル206の層内に存在する元素/分子/特徴に対応する個々の画像から情報を除去するために、生成された一連の画像のうちの1つ以上に深さぼけ低減アルゴリズムを適用するようにさらに構成される。換言すれば、コンピューティングデバイス208によって適用される深さぼけ低減アルゴリズムは、表面層(すなわち、サンプルの表面とスライスアンドビューイメージング中にイメージング間に除去される層の厚さとの間のサンプルの層)の外側の電子相互作用から生じる放射に対応するデータ/センサデータに起因する画像情報を低減する。このようにして、深さ低減アルゴリズムは、対応するサンプルが示すサンプルの層の外側の電子相互作用から生じる情報量が低減されたスライスアンドビュー画像の増強バージョンを生成する。
【0027】
いくつかの実施形態では、コンピューティングデバイス208が深さぼけ低減アルゴリズムを適用する場合、コンピューティングデバイス208は、1つ以上の顕微鏡条件(例えば、ビーム電圧、ビームのスポットサイズ、ビームの種類など)、サンプル条件(例えば、サンプルの種類、サンプルの材料、サンプルの特徴など)、またはそれらの組み合わせに基づいて、最初に複数の深さぼけ低減アルゴリズムにアクセスし、複数の深さぼけ低減アルゴリズムの中から深さぼけ低減アルゴリズムを選択するように構成されることができる。複数の深さぼけ低減アルゴリズムのうちの深さぼけ低減アルゴリズムのそれぞれは、異なる対応する顕微鏡条件、サンプル条件、またはそれらの組み合わせのためにトレーニングされることができる。そのような実施形態では、コンピューティングデバイス208は、複数の生成された画像に関連する対応する顕微鏡条件および/またはサンプル条件にトレーニングされた深さぼけ低減アルゴリズムを選択することができる。
【0028】
様々な実施形態では、深さぼけ低減アルゴリズムは、同じ元素/分子/特徴に起因する複数のサンプル層の画像情報および/またはデータ/データストリームの部分を判定し、その後に元素/分子/特徴が実際に存在する複数のサンプル層の層を判定するモジュールまたはモジュールの集合を備えることができる。例えば、深さぼけ低減アルゴリズムは、元素/分子/特徴が、複数の層の最中央層、または元素/分子/特徴に起因する画像情報および/またはデータ/データストリームの部分が最適である(すなわち、ピクセルの信号の最も明確な、最も強い、最も高いパーセンテージなど)層に配置されているかを判定することができる。
【0029】
代替的に、または追加的に、深さぼけ低減アルゴリズムは、3Dニューラルネットワークなどの3次元以上でデータを処理するように構成された機械学習アルゴリズムを備えることができる。例えば、深さぼけ低減アルゴリズムは、イメージングビームの電子浸透深さがスライス厚さよりも大きいサンプルのスライスアンドビューイメージングに基づいて生成された複数の画像および/またはデータを受信し、サンプルの対応する層の外側の元素/分子/特徴に起因する複数の画像および/またはデータの部分を除去するようにトレーニングされたトレーニング済3Dニューラルネットワークを備えることができる。本発明によれば、そのようなニューラルネットワークは、サンプルのスライスアンドビュー荷電粒子イメージングを介して取得され、イメージングビームの電子相互作用の深さは、対応するスライス厚さよりも大きいトレーニングデータの第1のセットと、参照として使用されるサンプルのラベル付き再構成に対応するトレーニングデータの第2のセットとを使用してトレーニングされることができる。いくつかの実施形態では、トレーニングデータの第2のセットは、イメージングビームの電子相互作用の深さが対応するスライス厚さよりも小さい低電圧スライスアンドビュープロセスを使用して取得される。あるいは、トレーニングデータの第2のセットは、トレーニングデータの第1のセットの少なくとも一部に逆畳み込みアルゴリズムを適用することによって、少なくとも部分的に取得されることができる。別の実施形態では、トレーニングデータの第2のセットは、サンプルのマッピング、サンプルの説明、サンプルの既知の特性、またはそれらの組み合わせに基づくサンプルのシミュレートされた再構成である。
【0030】
図2は、コンピューティングデバイス208の例示的なコンピューティングアーキテクチャ250を示す概略図をさらに含む。例示的なコンピューティングアーキテクチャ250は、本開示で説明される技術を実装するために使用されることができるハードウェアおよびソフトウェアコンポーネントの追加の詳細を示している。当業者は、コンピューティングアーキテクチャ250が単一のコンピューティングデバイス208に実装されることができるか、または多数のコンピューティングデバイスにわたって実装されることができることを理解するであろう。例えば、コンピューティングアーキテクチャ250に示される個々のモジュールおよび/またはデータ構成は、異なるコンピューティングデバイス208によって実行され、および/または記憶されることができる。このようにして、本明細書に開示される本発明の方法の異なるプロセスステップは、別個のコンピューティングデバイス208によって、本開示の範囲内の様々な順序で実行および/または実施されることができる。換言すれば、図示のコンポーネントにより実現される機能は、いくつかの実装では、より少ないコンポーネントに組み合わせることができる、または追加のコンポーネントに分散させることができる。同様に、いくつかの実装では、図示のコンポーネントのうちいくつかのコンポーネントの機能は実現されなくてもよい、および/または他の追加機能が利用可能であってもよい。
【0031】
例示的なコンピューティングアーキテクチャ250では、コンピューティングデバイスは、1つ以上のプロセッサ252と、1つ以上のプロセッサ252に通信可能に結合されたメモリ254とを含む。例示的なコンピューティングアーキテクチャ250は、メモリ254に記憶された画像生成モジュール256、データ増強モジュール258、再構成生成モジュール260、トレーニングモジュール262、および制御モジュール264を含むことができる。例示的なコンピューティングアーキテクチャ250は、メモリ254に記憶された深さぼけ低減アルゴリズム266を含むものとしてさらに示されている。本明細書で使用される場合、「モジュール」という用語は、考察の目的で実行可能な命令の例示的な区分を表すように意図されており、あらゆるタイプの要件または必要な方法、方式、または編成を表すようには意図されていない。したがって、様々な「モジュール」が説明されているが、それらの機能および/または同様の機能は、異なって配置されることができる(例えば、より少数のモジュールに結合、より多数のモジュールに分割など)。さらに、特定の機能およびモジュールは、本明細書ではプロセッサ上で実行可能なソフトウェアおよび/またはファームウェアによって実装されるものとして説明されているが、他の例では、任意または全てのモジュールは、説明された機能を実行するようにハードウェア(例えば、特殊な処理ユニットなど)によって全体または部分的に実装されることができる。様々な実装において上述したように、例示的なコンピューティングアーキテクチャ250に関連して本明細書で記載されるモジュールは、多数のコンピューティングデバイス208にわたって実行されることができる。
【0032】
画像生成モジュール256は、プロセッサ252によって、検出器システム224からのデータおよび/またはデータ信号に基づいて例示的な顕微鏡システム204内のサンプル206の表面層の画像に対して実行可能とすることができる。具体的には、検出器システム224からのデータおよび/またはデータ信号は、サンプルの表面の照射中にサンプル206から放射された放射223に基づいていることから、サンプルの表面の画像が生成されることができるように、データおよび/またはデータ信号が分析されて、サンプルの表面と電子ビーム216の電子相互作用の深さとの間のサンプルの構成(すなわち、成分/分子/特徴)を判定することができる。いくつかの実施形態では、画像は、サンプルの形状および/または材料を示すコントラストを示すグレースケール画像である。
【0033】
データ増強モジュール256は、一連の生成された画像および/または検出器データ/データ信号のうちの1つ以上に深さぼけ低減アルゴリズムを適用して、個々の画像が対応していないサンプル206の層に存在する元素/分子/特徴に対応するその個々の部分から情報を除去するようにプロセッサ252によって実行可能である。換言すれば、コンピューティングデバイス208によって適用される深さぼけ低減アルゴリズムは、表面層(すなわち、サンプルの表面とスライスアンドビューイメージング中にイメージング間に除去される層の厚さとの間のサンプルの層)の外側の電子相互作用から生じる放射に対応するデータ/センサデータに起因する情報/データを低減する。このようにして、深さ低減アルゴリズムは、対応するサンプルが示すサンプルの層の外側の電子相互作用から生じる情報量が低減されたスライスアンドビュー画像の増強バージョンを生成する。
【0034】
深さぼけ低減アルゴリズム266は、同じ元素/分子/特徴に起因する複数のサンプル層の画像情報および/またはデータ/データストリームの部分を判定し、その後に元素/分子/特徴が実際に存在する複数のサンプル層の層を判定するモジュールまたはモジュールの集合を備えることができる。例えば、深さぼけ低減アルゴリズムは、元素/分子/特徴が、複数の層の最中央層、または元素/分子/特徴に起因する画像情報および/またはデータ/データストリームの部分が最適である(すなわち、ピクセルの信号の最も明確な、最も強い、最も高いパーセンテージなど)層に配置されているかを判定することができる。このようにして、深さぼけ低減アルゴリズムは、次にサンプルの対応する層の外側に配置された元素/分子/特徴に起因する画像/データ信号の部分を除去する。
【0035】
様々な実施形態では、深さぼけ低減アルゴリズムは、個々の画像/データ信号が対応する層とは異なるサンプル206の層に存在する元素/分子/特徴に対応する画像および/または検出器データ/データ信号の部分を識別することができるトレーニングされた機械学習モジュール(例えば、人工ニューラルネットワーク(ANN)、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、完全畳み込みニューラルネットワーク(FCN)など)を備えることができる。例えば、深さぼけ低減アルゴリズムは、3Dニューラルネットワークなどの3次元以上でデータを処理するように構成された機械学習アルゴリズムを備えることができる。いくつかの実施形態では、深さぼけ低減アルゴリズムは、イメージングビームの電子浸透深さがスライス厚さよりも大きいサンプルのスライスアンドビューイメージングに基づいて生成された複数の画像および/またはデータを受信し、サンプルの対応する層の外側の元素/分子/特徴に起因する複数の画像および/またはデータの部分を除去するようにトレーニングされたトレーニング済3Dニューラルネットワークを備えることができる。
【0036】
いくつかの実施形態では、データ増強モジュール256は、最初に複数の深さぼけ低減アルゴリズム264にアクセスし、次に、1つ以上の顕微鏡条件(例えば、ビーム電圧、ビームのスポットサイズ、ビームの種類など)、サンプル条件(例えば、サンプルの種類、サンプルの材料、サンプルの特徴など)、またはそれらの組み合わせに基づいて複数の深さぼけ低減アルゴリズムから深さぼけ低減アルゴリズムを選択するように、プロセッサ252によって実行可能とすることができる。複数の深さぼけ低減アルゴリズムのうちの深さぼけ低減アルゴリズムのそれぞれは、異なる対応する顕微鏡条件、サンプル条件、またはそれらの組み合わせのためにトレーニングされることができる。そのような実施形態では、データ増強モジュール256は、複数の生成された画像に関連する対応する顕微鏡条件および/またはサンプル条件にトレーニングされた深さぼけ低減アルゴリズムを選択することができる。
【0037】
再構成生成モジュール260は、深さぼけ低減アルゴリズム266によって増強された増強画像および/またはデータに基づいて、サンプル206の3D再構成を生成するように、プロセッサ252によって実行可能とすることができる。FIBカラム212は、既知の厚さを有するサンプル206の層を除去することができるため、再構成生成モジュール260は、一連の画像の各画像が対応するサンプル206の位置を判定し、サンプル206の3Dモデル/レンダリングを構築するためにこの情報を使用することができる。
【0038】
コンピューティングアーキテクチャ250は、画像の顕著な特徴において画像内の重要な点を識別するために、深さぼけ低減アルゴリズム266および/またはそのコンポーネント機械学習アルゴリズムをトレーニングするために実行可能なトレーニングモジュール262を含むことができる。トレーニングモジュール170は、サンプルのスライスアンドビュー荷電粒子イメージングを介して取得され、イメージングビームの電子相互作用の深さが対応するスライス厚さよりも大きいトレーニングデータの第1のセットと、サンプルのラベル付き再構成に対応するトレーニングデータの第2のセットとを使用して、深さぼけ低減アルゴリズム266および/またはコンポーネント機械学習アルゴリズムのトレーニングを容易にする。いくつかの実施形態では、トレーニングデータの第2のセットは、イメージングビームの電子相互作用の深さが対応するスライス厚さよりも小さい低電圧スライスアンドビュープロセスを使用して取得される。あるいは、トレーニングデータの第2のセットは、トレーニングデータの第1のセットの少なくとも一部に逆畳み込みアルゴリズムを適用することによって、少なくとも部分的に取得されることができる。別の実施形態では、トレーニングデータの第2のセットは、サンプルのマッピング、サンプルの説明、サンプルの既知の特性、またはそれらの組み合わせに基づくサンプルのシミュレートされた再構成である。トレーニングモジュール262は、新たなトレーニングデータによって追加のトレーニングを実行し、その後、更新を送信して、深さぼけ低減アルゴリズム266および/またはそのコンポーネント機械学習アルゴリズムの性能を向上させるように構成されることができる。
【0039】
制御モジュール264は、コンピューティングデバイス208および/または例示的な顕微鏡システム204に1つ以上の動作を実行させるように、プロセッサ252によって実行可能とすることができる。例えば、制御モジュール264は、例示的な顕微鏡システム204に、イメージングビームの電子相互作用の深さが遅延コンポーネント(例えば、FIBカラム212)によって除去された層の厚さよりも大きいサンプル206のスライスアンドビュー処理を実行させることができる。
【0040】
上述したように、コンピューティングデバイス208は、1つ以上のプロセッサにアクセス可能なメモリ254に記憶された命令、アプリケーション、またはプログラムを実行するように構成された1つ以上のプロセッサ252を含む。いくつかの例では、1つ以上のプロセッサ252は、これらに限定されるものではないが、ハードウェア中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理装置(GPU)などを含むハードウェアプロセッサを含むことができる。多くの場合、本技術は、1つ以上のプロセッサ252によって実行されるものとして本明細書では説明されているが、場合によっては、本技術は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、複合プログラマブル論理デバイス(CPLD)、特定用途向け集積回路(ASIC)、システムオンチップ(SoC)、またはそれらの組み合わせなどの1つ以上のハードウェア論理コンポーネントによって実装されてもよい。
【0041】
1つ以上のプロセッサ252にアクセス可能なメモリ254は、コンピュータ可読媒体の例である。コンピュータ可読媒体は、2つのタイプのコンピュータ可読媒体、すなわちコンピュータ記憶媒体および通信媒体を含むことができる。コンピュータ記憶媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータのような、情報を記憶する任意の方法または技術で実現される揮発性媒体および不揮発性媒体、着脱可能媒体、および着脱不能媒体を含むことができる。コンピュータ記憶媒体は、これらに限定されるものではないが、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ(ROM)、消去可能なプログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリもしくは他のメモリ技術、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、もしくは他の光記憶、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置もしくは他の磁気記憶デバイス、または所望の情報を格納するように使用されることができ、且つコンピューティングデバイスによってアクセスされることができる、任意の他の非伝送媒体を含む。一般に、コンピュータ記憶媒体は、1つ以上の処理ユニットによって実行されるときに、本明細書に記載される様々な機能および/または操作が実行されるようにする、コンピュータ実行可能命令を含むことができる。対照的に、通信媒体は、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュール、もしくは搬送波のような変調データ信号における他のデータ、または他の伝送機構を具体化する。本明細書において定義されるように、コンピュータ記憶媒体は通信媒体を含まない。
【0042】
当業者であれば、項目またはその部分が、メモリ管理およびデータ完全性の目的のために、メモリ254と他の記憶デバイスとの間で転送されることができることを理解することもできるであろう。あるいは、他の実装では、ソフトウェアコンポーネントのいくつかまたは全ては、別のデバイスのメモリで実行してもよく、コンピューティングデバイス208と通信してもよい。システムコンポーネントまたはデータ構造のいくつかまたは全ては、(例えば、命令または構造化データとして)非一時的なコンピュータアクセス可能媒体に記憶されることもでき、またはその様々な例が上述されている適切なドライブにより読み取られるポータブル製品に記憶されることもできる。いくつかの実装では、コンピューティングデバイス208とは別個のコンピュータアクセス可能媒体に記憶された命令は、無線リンクなどの通信媒体を介して伝達される電気信号、電磁信号、またはデジタル信号などの伝送媒体または信号を介して、コンピューティングデバイス208に伝送されてもよい。様々な実装は、コンピュータアクセス可能媒体に関するこれまでの記述にしたがって実装される命令および/またはデータを受信する、送信する、または記憶することをさらに含むことができる。
【0043】
図3は、本発明にかかる、イメージングビームの電子相互作用の深さがスライス厚さよりも大きいスライスアンドビュープロセスを使用してイメージングされた3Dサンプルの高解像度再構成を生成するために環境200によって実行されることができる例示的なプロセスをともに描写する複数の画像を含む視覚的フロー
図300を示している。画像302~306は、イメージングビーム318の電子侵入深さ316が、遅延コンポーネント322によって除去された層の厚さ320よりも大きい、例示的なスライスアンドビューイメージングプロセスを示している。画像304では、遅延コンポーネント322がFIBとして示されているが、本開示は、この実施形態に限定されるものではなく、当業者は、他の既知の遅延技術が開示の範囲内で使用されることができることを理解するであろう。イメージングビームの電子と、電子侵入深さ内のサンプルの元素/分子/特徴との間の相互作用から生じる放射は、検出器324によって検出される。
図3に示されるように、サンプルのイメージングおよび遅延のプロセスは、サンプルの所望の部分がイメージングされるまで(例えば、所望の領域、層の数、サンプルの所望の深さ、サンプル全体、サンプルのパーセンテージ、サンプルの1つ以上の特徴など)繰り返されることができる。
【0044】
画像308は、画像302~306のスライスアンドビューイメージングプロセス中に得られた検出器324からのデータに基づいて生成されたサンプルの層の複数の画像を示している。複数の画像のうちの画像のそれぞれは、対応する層のイメージングステップ中に検出器324からのデータを使用して再構成される。画像310に象徴的に描かれる深さぼけ低減アルゴリズムは、サンプルの対応する層の外側に位置する元素/分子/特徴から生じる情報が除去されるように、画像308の複数の生成された画像および/またはそれらを構築するために使用されるデータに適用される。このようにして、画像312に示される増強画像が作成されることができる。312におけるこれらの増強画像は、対応するサンプルが示すサンプルの層の外側の電子相互作用から生じる情報量が低減された308におけるスライスアンドビュー画像の増強バージョンである。
【0045】
画像314は、増強画像および/またはデータに基づくサンプルの3D再構成を示している。したがって、本開示の方法を使用して、スライスアンドビュー処理の個々のスライスの外側で発生する電子相互作用に起因するz次元ぼけが低減された、サンプルのより高解像度の3D再構成が作成されることができる。
【0046】
画像316~320は、深さぼけ低減アルゴリズムの1つ以上のニューラルネットワークコンポーネントをトレーニングするためのオプションのプロセスを示している。このプロセスでは、トレーニングサンプルのスライスアンドビュー検査を使用して取得されたトレーニングデータ(画像316に示される)は、電子相互作用の深さが層の厚さよりも大きくなるようなイメージングビーム設定によって取得される。このトレーニングデータは、画像318に示されているラベル付きデータとともに、画像320に示されているニューラルネットワークトレーニングプロセスに入力される。深さぼけ低減アルゴリズムは、定期的に再トレーニングされることができ、および/または複数の深さぼけ低減アルゴリズムは、各深さぼけ低減アルゴリズムが特定の顕微鏡および/またはサンプル設定に対して最適化されるようにトレーニングされることができる。当業者は、画像320がUネットトレーニングプロセスを描写しているが、他の様々な実施形態では、他のトレーニングプロセスが使用されて深さぼけ低減アルゴリズムをトレーニングすることができることを理解するであろう。
【0047】
図4は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組み合わせで実装されることができる一連の動作を表す論理フローグラフのブロックの集合として描写された例示的なプロセスのフロー図である。ソフトウェアの文脈では、ブロックは、コンピュータ実行可能命令が1つ以上のプロセッサによって実行されると、列挙された動作を実行する1つ以上のコンピュータ可読記憶媒体に記憶されたコンピュータ実行可能命令を表す。一般に、コンピュータ実行可能命令は、特定の機能を実行、または特定の抽象データタイプを実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、構成要素、データ構造などを含む。動作が記載される順序は、限定として解釈されるべきではなく、任意の数の記述ブロックが、処理を実装するために任意の順序で、および/または並列に組み合わされることができる。
【0048】
具体的には、
図4は、イメージングビームの電子相互作用の深さがスライス厚さよりも大きいスライスアンドビュープロセスを使用してイメージングされた3Dサンプルの高解像度再構成を生成する例示的なプロセス200のフロー図である。プロセス400は、環境300において、および/または1つ以上のコンピューティングデバイス208によって、および/またはコンピューティングアーキテクチャ250によって、および/または他の環境においておよびコンピューティングデバイスによって実装されることができる。
【0049】
402において、トレーニングデータが必要に応じて取得され、トレーニングデータは、イメージングビームの電子深さがスライス厚さよりも大きいサンプルに対してスライスアンドビュープロセスを使用して生成された。トレーニングデータは、環境200に記載されているデュアルビーム顕微鏡システムなどの顕微鏡システムによるサンプルの処理を介して取得することができる。あるいは、データは、有線または無線接続(例えば、WAN、LAN、ケーブル接続など)によるコンピューティングデバイスによって、またはトレーニングデータを記憶する別のメモリデバイス(例えば、別のコンピュータメモリ、ハードドライブ、CD-ROM、ポータブルメモリデバイスなど)から取得されることができる。
【0050】
404において、サンプルのラベル付きトレーニングデータが必要に応じて取得される。ラベル付きトレーニングデータは、ステップ402において取得されたトレーニングデータと比較して、深さのぼけが低減されたサンプルのスライスアンドビュー画像に対応する。いくつかの実施形態では、ラベル付きトレーニングデータは、イメージングビームの電子相互作用の深さが対応するスライス厚さよりも小さい低電圧スライスアンドビュープロセスを使用して取得される。別の実施形態では、ラベル付きトレーニングデータは、逆畳み込みアルゴリズム、ノイズ低減アルゴリズム、および/または別の種類のデータクリーニングアルゴリズムをステップ402において取得されたトレーニングデータの少なくとも一部に適用することによって少なくとも部分的に取得されることができる。代替的にまたは追加的に、ラベル付きトレーニングデータの少なくとも一部は、サンプルのマッピング、サンプルの説明、サンプルの既知の特性、またはそれらの組み合わせに基づくサンプルのシミュレートされた再構成とすることができる。
【0051】
406において、深さぼけ低減アルゴリズムは、必要に応じて、トレーニングデータおよびラベル付きデータに少なくとも部分的に基づいてトレーニングされる。例えば、深さぼけ低減アルゴリズムは、トレーニングデータおよびラベル付きデータを3D Uネットに入力することによってトレーニングされるニューラルネットワークコンポーネント(例えば、3Dニューラルネットワーク)を備えることができる。いくつかの実施形態では、深さぼけ低減アルゴリズムは、性能を改善するために、または特定の顕微鏡および/またはサンプル設定に適応するために、定期的に再トレーニングされることができる。そのようなトレーニングを繰り返すことにより、深さぼけ低減アルゴリズムの性能は向上されることができる。代替的に、または追加的に、複数の深さぼけ低減アルゴリズムは、各深さぼけ低減アルゴリズムが特定の顕微鏡および/またはサンプル設定に対して最適化されるようにトレーニングされることができる。そのような実施形態では、402におけるトレーニングデータは、結果として生じる深さぼけ低減アルゴリズムが最適化されるべきである所望の顕微鏡および/またはサンプル設定によって取得される。
【0052】
408において、サンプルの画像データが取得され、画像データは、イメージングビームの電子深さがスライス厚さよりも大きいスライスアンドビュープロセスを使用して生成された。いくつかの実施形態では、サンプルの画像データは、環境200に記載されているデュアルビーム顕微鏡システムなどの顕微鏡システムによるサンプルの処理を介して取得される。しかしながら、他の実施形態では、データを取得することは、有線または無線接続(例えば、WAN、LAN、ケーブル接続など)を介して、またはトレーニングデータを記憶する別のメモリデバイス(別のコンピュータメモリ、ハードドライブ、CD-ROM、ポータブルメモリデバイスなど)から画像データを取得することを備えることができる。
【0053】
410において、複数の画像が、必要に応じて画像データから生成され、各画像は、スライスアンドビューイメージングを使用してイメージングされたサンプルの層に対応する。例えば、複数のグレースケール画像は、各画像が対応するサンプルの個々の層の形状および/または材料を示すコントラストを示す。サンプルの画像データは、電子相互作用の深さがスライス厚さよりも大きいスライスアンドビュープロセスを使用して取得されたことから、個々の各スライスのイメージング中に取得されたデータは、イメージングされた特定のサンプル層の外側にある分子/元素/特徴に関する情報を含む。したがって、複数の画像のそれぞれはまた、サンプルの描写された層に実際には存在しない分子/元素/特徴に関連する情報も含む。この現象は、画像の深さぼけを引き起こす。
【0054】
412において、画像データは、深さぼけ低減アルゴリズムによって増強される。例えば、深さぼけ低減アルゴリズムは、個々の画像/画像データが対応するサンプルの層に実際には存在しない元素/分子/特徴に対応する個々の画像からの情報を除去するために画像データおよび/または複数の画像に適用されることができる。換言すれば、深さぼけ低減アルゴリズムは、表面層(すなわち、サンプルの表面とスライスアンドビューイメージング中にイメージング間に除去される層の厚さとの間のサンプルの層)の外側の電子相互作用から生じる放射に対応するデータ/センサデータに起因する画像情報を低減する。このようにして、深さ低減アルゴリズムは、対応するサンプルが示すサンプルの層の外側の電子相互作用から生じる情報量が低減されたスライスアンドビュー画像の増強バージョンを生成する。いくつかの実施形態では、深さ低減アルゴリズムは、1つ以上の顕微鏡条件(例えば、ビーム電圧、ビームのスポットサイズ、ビームの種類など)、サンプル条件(例えば、サンプルの種類、サンプルの材料、サンプルの特徴など)、またはそれらの組み合わせに基づいて、複数の深さぼけ低減アルゴリズムから選択されることができる。複数の深さぼけ低減アルゴリズムのうちの深さぼけ低減アルゴリズムのそれぞれは、異なる対応する顕微鏡条件、サンプル条件、またはそれらの組み合わせのためにトレーニングされることができる。
【0055】
414において、複数の増強画像が、必要に応じて増強画像データから生成される。各画像に関連付けられた増強画像データは、画像が示すサンプル層に存在しない分子/元素/特徴に関連する情報量が低減されることから、画像は、より高解像度、鮮明度、および/または低減したぼけを有する。
【0056】
416において、サンプルの増強3D再構成が、増強画像データおよび/または増強画像に基づいて生成される。各画像に関連付けられた増強画像データは、画像が示すサンプル層に存在しない分子/元素/特徴に関連する情報が低減されることから、3D再構成は、従来技術のスライスアンドビューイメージングプロセスにおいて問題となる深さぼけの量が低減される。
【0057】
図5および
図6は、従来技術のシステムによるスライスアンドビュー画像と比較した、本発明のプロセスによって処理されたスライスアンドビュー画像を示している。例えば、画像502および602は、画像ビームの電子侵入深さがスライス厚さよりも大きいスライスアンドビュー処理を介して取得されたサンプルの層の画像を示している。画像504および604は、それぞれ、画像502および602の元のデータに画像増強フィルタを適用した結果を示している。画像506および606は、それぞれ、本開示の深度低減アルゴリズムを画像502および602の元のデータに適用した結果を示している。画像508および608は、それぞれ、画像502および602の元のデータを後処理するために逆畳み込みアルゴリズムを適用した結果である。見られるように、本開示の方法およびシステムは、従来技術のシステムと比較してサンプルの解像度の改善を引き起こし、同時に、画像の信号対雑音比も増加させる。
【0058】
本開示にかかる本発明の主題の例は、以下に列挙される段落において説明される。
【0059】
A1.スライスアンドビュー荷電粒子イメージングを介した改善された解像度再構成のための方法であって、サンプルの第1の層に関連する第1のデータであって、荷電粒子ビームによるサンプルの第1の層の第1の照射によって取得された第1のデータを取得することと、サンプルの第2の層に関連する第2のデータであって、荷電粒子ビームによるサンプルの第2の層の第2の照射によって取得された第2のデータを取得することであって、サンプルの第1の層が第1の照射と第2の照射との間に除去され、荷電粒子ビームの電子相互作用の深さが第1の層の厚さおよび第2の層の厚さの双方よりも大きい、ことと、深さぼけ低減アルゴリズムによって第1のデータを増強して、増強された第1のデータを作成することであって、深さぼけ低減アルゴリズムが、第1の層の外側の電子相互作用に起因する第1のデータの第1の部分によって引き起こされる深さぼけを低減する、ことと、深さぼけ低減アルゴリズムによって第2のデータを増強して、増強された第2のデータを作成することであって、深さぼけ低減アルゴリズムが、第2の層の外側の電子相互作用に起因する第2のデータの第2の部分によって引き起こされる深さぼけを低減する、ことと、増強された第1のデータおよび増強された第2のデータを使用してサンプルの高解像度3D再構成を構築することと、を備える、方法。
【0060】
A2.サンプルの第1の層の第1の画像を生成するステップと、サンプルの第2の層の第2の画像を生成するステップと、をさらに備える、請求項1に記載の方法。
【0061】
A3.前記第1のデータを増強することが、第1の層の外側の電子相互作用に基づいて情報量が低減された、増強された第1の画像を生成することを備える、請求項A1~A2のいずれかに記載の方法。
【0062】
A3.1.第2のデータを増強することが、第2の層の外側の電子相互作用に基づいて情報量が低減された、増強された第2の画像を生成することを備える、段落A3に記載の方法。
【0063】
A4.深さぼけを低減することが、第1のデータから第1の層の外側の電子相互作用から生じる第1のデータの第1の部分を除去することと、第2のデータから第2の層の外側の電子相互作用から生じる第2のデータの第2の部分を除去することとに対応する、段落A1~A3.1のいずれかに記載の方法。
【0064】
A5.深さぼけが、第1の層および/または第2の層の厚さよりも大きい荷電粒子ビームの電子相互作用の深さから生じる画像データの存在に対応する、段落A1~A4のいずれかに記載の方法。
【0065】
A6.荷電粒子ビームが電子ビームである、段落A1~A5のいずれかに記載の方法。
【0066】
A6.1.電子ビームが単一エネルギー電子ビームである、段落A6に記載の方法。
【0067】
A7.サンプルの第1の層が、集束イオンビーム、レーザー、電子ビーム、およびダイヤモンドブレードのうちの1つ以上によって除去される、段落A1~A6.1のいずれかに記載の方法。
【0068】
A8.深さぼけ低減アルゴリズムがニューラルネットワークである、段落A1~A7のいずれかに記載の方法。
【0069】
A8.1.深さぼけ低減アルゴリズムが3Dニューラルネットワークである、段落A8に記載の方法。
【0070】
A8.2.ニューラルネットワークが、サンプルのスライスアンドビュー荷電粒子イメージングを介して取得され、イメージングビームの電子相互作用の深さが対応するスライス厚さよりも大きいトレーニングデータの第1のセットと、サンプルのラベル付き再構成に対応するトレーニングデータの第2のセットとを使用してトレーニングされる、段落A8~A8.2のいずれかに記載の方法。
【0071】
A8.2.1.トレーニングデータの第2のセットが、低電圧スライスアンドビュー荷電粒子イメージング処理を使用して取得され、イメージングビームの電子相互作用の深さが対応するスライス厚さよりも小さい、段落A8.2に記載の方法。
【0072】
A8.2.2.トレーニングデータの第2のセットが、データの第1のセットに逆畳み込みアルゴリズムを適用することによって少なくとも部分的に取得される、段落A8.2~A8.2.1のいずれかに記載の方法。
【0073】
A8.2.3.サンプルのマッピング、サンプルの説明、サンプルの既知の特性、またはそれらの組み合わせに基づいてシミュレートされたトレーニングデータの第2のセットが取得される、段落A8.2~A8.2.2のいずれかに記載の方法。
【0074】
A8.3.サンプルのスライスアンドビュー荷電粒子イメージングを介して取得され、イメージングビームの電子相互作用の深さが対応するスライス厚さよりも大きいトレーニングデータの第1のセットと、サンプルのラベル付き再構成に対応するトレーニングデータの第2のセットとによってニューラルネットワークをトレーニングすることをさらに備える、段落A8~A8.2.3のいずれかに記載の方法。
【0075】
A.8.4.深さぼけ低減アルゴリズムが、トレーニングベースの3Dブラインド逆畳み込みアルゴリズムである、段落A8~A8.3のいずれかに記載の方法。
【0076】
A.8.5.深さぼけ低減アルゴリズムが、3Dブラインドニューラルネットワークベースのアルゴリズムである、段落A8~A8.4のいずれかに記載の方法。
【0077】
A9.方法が、複数の深さぼけ低減アルゴリズムにアクセスすることと、1つ以上の顕微鏡条件に基づいて複数の深さぼけ低減アルゴリズムから深さぼけ低減アルゴリズムを選択することと、をさらに備える、段落A1~A8.5のいずれかに記載の方法。
【0078】
A9.1.顕微鏡条件が、荷電粒子ビーム電圧、荷電粒子ビームのスポットサイズ、荷電粒子ビームの種類を含む、段落A9に記載の方法。
【0079】
A9.2.複数の深さぼけ低減アルゴリズムのうちの個々の深さぼけ低減アルゴリズムが、異なる対応する顕微鏡条件に対してトレーニングされる、段落A9~A9.1のいずれかに記載の方法。
【0080】
A10.方法が、複数の深さぼけ低減アルゴリズムにアクセスすることと、1つ以上のサンプル条件に基づいて複数の深さぼけ低減アルゴリズムから深さぼけ低減アルゴリズムを選択することと、をさらに備える、段落A1~A9.2のいずれかに記載の方法。
【0081】
A10.1.1つ以上のサンプル条件が、サンプルの種類、サンプルの材料、サンプルの特徴、またはそれらの組み合わせを含む、段落A10に記載の方法。
【0082】
A10.2.複数の深さぼけ低減アルゴリズムのうちの個々の深さぼけ低減アルゴリズムが、異なる対応するサンプル条件に対してトレーニングされる、段落A10~A10.1のいずれかに記載の方法。
【0083】
B1.荷電粒子顕微鏡システムであって、サンプルを保持するように構成されたサンプルホルダーと、サンプルに向かって電子ビームを放射するように構成された電子ビーム源と、電子ビームをサンプルに向けるように構成された電子ビームカラムと、サンプルの表面から層を除去するように構成された遅延コンポーネントであって、層が既知の厚さを有する遅延コンポーネントと、サンプルを照射する電子ビームから生じる放射を検出するように構成された1つ以上の検出器と、1つ以上のプロセッサと、1つ以上のプロセッサ上で実行されると、荷電粒子顕微鏡システムに段落A1~A10.2のいずれかに記載の方法を実行させる命令を記憶するメモリと、を備える、荷電粒子顕微鏡システム。
【0084】
C1.スライスアンドビュー荷電粒子イメージングを介した改善された解像度再構成のための方法であって、トレーニングサンプルのスライスアンドビュー荷電粒子イメージングを介して取得され、イメージングビームの電子相互作用の深さが対応するスライス厚さよりも大きいトレーニングデータの第1のセットと、トレーニングサンプルのラベル付き再構成に対応するトレーニングデータの第2のセットとに少なくとも部分的に基づいて、深さぼけ低減アルゴリズムをトレーニングすることと、サンプルの第1の層に関連する第1のデータであって、荷電粒子ビームによるサンプルの第1の層の第1の照射によって取得された第1のデータを取得することと、サンプルの第2の層に関連する第2のデータであって、荷電粒子ビームによるサンプルの第2の層の第2の照射によって取得された第2のデータを取得することであって、サンプルの第1の層が、第1の照射と第2の照射との間に除去され、荷電粒子ビームの電子相互作用の深さが、第1の層の厚さおよび第2の層の厚さの双方よりも大きい、ことと、深さぼけ低減アルゴリズムによって第1のデータを増強して、増強された第1のデータを作成することであって、深さぼけ低減アルゴリズムが、第1の層の外側の電子相互作用から生じる第1のデータの第1の部分によって引き起こされる深さぼけを低減する、ことと、深さぼけ低減アルゴリズムによって第2のデータを増強して、増強された第2のデータを作成することであって、深さぼけ低減アルゴリズムが、第2の層の外側の電子相互作用から生じる第2のデータの第2の部分によって引き起こされる深さぼけを低減する、ことと、増強された第1のデータおよび増強された第2のデータを使用して、サンプルの高解像度3D再構成を構築することと、を備える、方法。
【0085】
C2.サンプルの第1の層の第1の画像を生成するステップと、サンプルの第2の層の第2の画像を生成するステップと、をさらに備える、段落C1に記載の方法。
【0086】
C2.1.第1のデータを増強することが、第1の層の外側の電子相互作用に基づいて情報量が低減された、増強された第1の画像を生成することに対応する、段落C2に記載の方法。
【0087】
C2.2.第2のデータを増強することが、第2の層の外側の電子相互作用に基づいて情報量が低減された、増強された第2の画像を生成することに対応する、段落C2~C2.1のいずれかに記載の方法。
【0088】
C3.深さぼけを低減することが、第1のデータから第1の層の外側の電子相互作用から生じる第1のデータの第1の部分を除去することと、第2のデータから第2の層の外側の電子相互作用から生じる第2のデータの第2の部分を除去することとに対応する、段落C1~C2.2のいずれかに記載の方法。
【0089】
C4.深さぼけが、第1の層および/または第2の層の厚さよりも大きい荷電粒子ビームの電子相互作用の深さから生じる画像データの存在に対応する、段落C1~C3のいずれかに記載の方法。
【0090】
C5.荷電粒子ビームが電子ビームである、段落C1~4のいずれかに記載の方法。
【0091】
C5.1.電子ビームが単一エネルギー電子ビームである、請求項C5に記載の方法。
【0092】
C6.サンプルの第1の層が、集束イオンビーム、レーザー、電子ビーム、およびダイヤモンドブレードのうちの1つ以上によって除去される、段落C1~C5.1のいずれかに記載の方法。
【0093】
C7.深さぼけ低減アルゴリズムがニューラルネットワークである、段落C1~C6のいずれかに記載の方法。
【0094】
C7.1.深さぼけ低減アルゴリズムが3Dニューラルネットワークである、請求項C7に記載の方法。
【0095】
C8.トレーニングデータの第2のセットが、低電圧スライスアンドビュー荷電粒子イメージング処理を使用して取得され、イメージングビームの電子相互作用の深さが、対応するスライス厚さよりも小さい、段落C1~C7.1のいずれかに記載の方法。
【0096】
C9.トレーニングデータの第2のセットが、データの第1のセットに逆畳み込みアルゴリズムを適用することによって少なくとも部分的に取得される、段落C1~C8のいずれかに記載の方法。
【0097】
C10.サンプルのマッピング、サンプルの説明、サンプルの既知の特性、またはそれらの組み合わせに基づいてシミュレートされたトレーニングデータの第2のセットが取得される、段落C1~C9のいずれかに記載の方法。
【0098】
C11.方法が、複数の深さぼけ低減アルゴリズムにアクセスすることと、1つ以上の顕微鏡条件に基づいて複数の深さぼけ低減アルゴリズムから深さぼけ低減アルゴリズムを選択することと、をさらに備える、段落C1~C10のいずれかに記載の方法。
【0099】
C11.1.顕微鏡条件が、荷電粒子ビーム電圧、荷電粒子ビームのスポットサイズ、荷電粒子ビームの種類を含む、請求項C11に記載の方法。
【0100】
C11.2.複数の深さぼけ低減アルゴリズムのうちの個々の深さぼけ低減アルゴリズムが、異なる対応する顕微鏡条件に対してトレーニングされる、請求項C11に記載の方法。
【0101】
C12.方法が、複数の深さぼけ低減アルゴリズムにアクセスすることと、1つ以上のサンプル条件に基づいて複数の深さぼけ低減アルゴリズムから深さぼけ低減アルゴリズムを選択することと、をさらに備える、段落C1~C11.2のいずれかに記載の方法。
【0102】
C12.1.1つ以上のサンプル条件が、サンプルの種類、サンプルの材料、サンプルの特徴、またはそれらの組み合わせを含む、請求項C12に記載の方法。
【0103】
C12.1.複数の深さぼけ低減アルゴリズムのうちの個々の深さぼけ低減アルゴリズムが、異なる対応するサンプル条件に対してトレーニングされる、請求項C12に記載の方法。
【0104】
D1.B1のシステムを使用して、段落A1~A10.2またはC1~C12.1のいずれかに記載の方法を実行する、使用方法。
【0105】
本明細書に記載のシステム、装置、および方法は、多少なりとも限定的なものとして解釈されるべきではない。代わりに、本開示は、単独で、ならびに相互の様々な組み合わせおよび部分的な組み合わせにおいて、様々な開示された実施形態の全ての新規性および非自明性を有する特徴および態様を対象とする。開示されたシステム、方法、および装置は、任意の特定の態様もしくは特徴またはそれらの組み合わせに限定されるものではなく、開示されたシステム、方法、および装置は、任意の1つ以上の特定の利点が存在すべきである、または問題が解決されるべきであることも必要としない。いずれの動作理論も説明を容易にするためであるが、開示されたシステム、方法、および装置は、そのような動作理論に限定されるものではない。
【0106】
開示された方法のいくつかの動作は、便宜的な提示のため、特定の順番で記載されているが、以下に記載される具体的な用語によって特定の順序が要求されない限り、この説明様式が並び替えを包含することが理解されるべきである。例えば、順次記載される動作は、場合によっては、並び替えられるかまたは同時に実行されることができる。さらに、単純化のために、添付の図は、開示されたシステム、方法、および装置を、他のシステム、方法、および装置とともに使用されることができる様々な方式を示していない場合がある。さらに、詳細な説明は、開示された方法を記載するために、「判定する」、「識別する」「製造する」および「提供する」などの用語を使用することがある。これらの用語は、実行される実際の動作の高レベルの抽象化である。これらの用語に対応する実際の動作は、特定の実装に応じて様々であり、当業者によって容易に認識可能である。