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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】磁気キップ用紙
(51)【国際特許分類】
   D21H 27/00 20060101AFI20240820BHJP
   D21H 19/22 20060101ALI20240820BHJP
   D21H 21/16 20060101ALI20240820BHJP
   B42D 25/369 20140101ALI20240820BHJP
   B42D 25/25 20140101ALI20240820BHJP
【FI】
D21H27/00 Z
D21H19/22
D21H21/16
B42D25/369
B42D25/25
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020208619
(22)【出願日】2020-12-16
(65)【公開番号】P2022095345
(43)【公開日】2022-06-28
【審査請求日】2023-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000183484
【氏名又は名称】日本製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100162396
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 泰之
(74)【代理人】
【識別番号】100194803
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 理弘
(72)【発明者】
【氏名】丸子 秀宣
(72)【発明者】
【氏名】長沼 良雄
(72)【発明者】
【氏名】相川 浩敏
(72)【発明者】
【氏名】藤井 義満
(72)【発明者】
【氏名】藤城 圭
(72)【発明者】
【氏名】田中 陽一郎
【審査官】佐藤 彰洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-274458(JP,A)
【文献】特開2015-009411(JP,A)
【文献】特開平07-125414(JP,A)
【文献】特開2018-062715(JP,A)
【文献】特開2007-177333(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0146765(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D21H 27/00
D21H 19/22
D21H 21/16
B42D 25/369
B42D 25/25
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原紙と、前記原紙の少なくとも一面に設けられた塗工層とを有し、
前記塗工層が、少なくともバインダー、撥水剤、表面サイズ剤を含み、かつ、前記撥水剤100質量部に対して、前記スチレン系サイズ剤を10質量部以上40質量部以下含み、
前記表面サイズ剤として、スチレン系サイズ剤を含むことを特徴とする磁気キップ用紙。
【請求項2】
前記塗工層が、澱粉系バインダーを47質量%以上含むことを特徴とする請求項1に記載の磁気キップ用紙。
【請求項3】
前記塗工層が、前記撥水剤100質量部に対して、前記バインダーを100質量部以上400質量部以下含むことを特徴とする請求項1または2に記載の磁気キップ用紙。
【請求項4】
前記原紙が、濾水度が250mlCSF以上400mlCSF以下の木材パルプを含むことを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の磁気キップ用紙。
【請求項5】
前記塗工層の塗工量が、前記原紙に対して2.0質量%以上10質量%以下であることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の磁気キップ用紙。
【請求項6】
前記塗工層の塗工量が、3.0g/m以上15g/m以下であることを特徴とする請求項1~のいずれかに記載の磁気キップ用紙。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気記録層を有する駐車券、航空券、高速道路通行券等に用いられる、磁気キップ用紙に関する。
【背景技術】
【0002】
駐車券、航空券、高速道路通行券等のその片面に磁気記録層を有する磁気キップは、発券機や読み取り機の磁気ヘッドによって情報が書き込まれ、また、その情報が読み取られている。
磁気キップ用紙は、大径、広幅の巻取りから所望の幅に断裁され、磁気記録層の塗布、駐車場名、緊急連絡先、注意事項等の共通事項の印刷、ミシン目加工等されて、ミシン目でジグザグに折り畳まれた状態、またはロール状の磁気キップの集合体として出荷される。そして、この集合体は、発券機内で、個別の情報が印刷され、ミシン目で切り離されて、各利用者が使用する磁気キップとなる。
【0003】
磁気キップ用紙には、様々な特性が要求されるが、例えば、特許文献1には、紙粉の発生が少なく、高湿度下でカールやボコツキ等の変形が少ない磁気キップ用紙が提案されている。
これらの他にも、磁気キップ用紙には、情報を正確に書込み、読取りできる均一な磁気記録層が形成できるように磁気インキが裏抜けしないこと、共通事項の印刷に用いられるUVインキ印刷適性が要求される。また、磁気キップの集合体は、発券機内で収容箇所から取出口まで引き出されるが、予期せぬ箇所で切断が起こらないように、磁気キップ用紙にはミシン目強度が要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2006-274458号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
磁気インキが裏抜けせず、UVインキ印刷適性とミシン目強度に優れる磁気キップ用紙を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の課題を解決するための手段は以下のとおりである。
1.原紙と、前記原紙の少なくとも一面に設けられた塗工層とを有し、
前記塗工層が、少なくともバインダー、撥水剤、表面サイズ剤を含み、
前記表面サイズ剤として、スチレン系サイズ剤を含むことを特徴とする磁気キップ用紙。
2.前記塗工層が、澱粉系バインダーを47質量%以上含むことを特徴とする1.に記載の磁気キップ用紙。
3.前記塗工層が、前記撥水剤100質量部に対して、前記バインダーを100質量部以上400質量部以下含むことを特徴とする1.または2.に記載の磁気キップ用紙。
4.前記塗工層が、前記撥水剤100質量部に対して、前記スチレン系サイズ剤を10質量部以上40質量部以下含むことを特徴とする1.~3.のいずれかに記載の磁気キップ用紙。
5.前記原紙が、濾水度が250mlCSF以上400mlCSF以下の木材パルプを含むことを特徴とする1.~4.のいずれかに記載の磁気キップ用紙。
6.前記塗工層の塗工量が、前記原紙に対して2.0質量%以上10質量%以下であることを特徴とする1.~5.のいずれかに記載の磁気キップ用紙。
7.前記塗工層の塗工量が、3.0g/m以上15g/m以下であることを特徴とする1.~5.のいずれかに記載の磁気キップ用紙。
【発明の効果】
【0007】
本発明の磁気キップ用紙は、磁気インキが裏抜けせず、均一な磁気記録層が形成できるため、情報を正確に記録し、読取ることができる。本発明の磁気キップ用紙は、UVインキ印刷適性に優れ、擦れ等により印刷が掠れにくい。本発明の磁気キップ用紙は、ミシン目強度に優れており、発券機内での取り回し時に予期せぬ切断が起こりにくい。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の磁気キップ用紙は、原紙と、この原紙の少なくとも一面に設けられた塗工層とを有し、この塗工層が、少なくともバインダー、撥水剤、表面サイズ剤を含み、表面サイズ剤として、スチレン系サイズ剤を含むことを特徴とする。
【0009】
・原紙
原紙は、製紙用繊維として少なくとも木材パルプを含む。木材パルプとしては、広葉樹漂白クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹漂白クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹未漂白クラフトパルプ(LUKP)、針葉樹未漂白パルプ(NUKP)、サルファイトパルプなどの化学パルプ、ストーングラインドパルプ、サーモメカニカルパルプなどの機械パルプが挙げられ、これらの1種または2種以上を混合して使用することができる。木材パルプとしては、LBKPやNBKP等の化学パルプが、性能及びコスト面から有利である。また、性能に影響を与えない範囲で、木材パルプ以外の竹パルプ、靭皮パルプ、コットンリンターパルプ等の非木材パルプ、ポリエチレン繊維やポリエステル繊維等の合成繊維パルプを併用することも可能であるが、製紙用繊維全量に対する木材パルプの配合率が80%以上であることが好ましい。
【0010】
本発明で使用する木材パルプの濾水度は、紙紛の発生、及びカールやボコツキ等の変形を抑制する点から、250mlCSF以上400mlCSF以下であることが好ましい。2種以上の木材パルプを混合する場合は、混合後の濾水度が250mlCSF以上450mlCSF以下の範囲であればよい。例えば、一方の木材パルプの濾水度が250mlCSF未満、もう一方の木材パルプの濾水度が450mlCSFを超えている場合であっても、混合後の濾水度が250mlCSF以上400mlCSF以下の範囲に入ればよい。パルプの濾水度が250mlCSF未満であると、繊維間の結合強度が高くなるので紙紛は少なくなる傾向となるが、カールやボコツキが発生し易くなる場合がある。また、濾水度が450mlCSFを超えると、カールやボコツキは減少するが、紙紛が発生し易くなる場合がある。木材パルプの濾水度は、300mlCSF以上400mlCSF以下であることがより好ましく、350mlCSF以上400mlCSF以下であることがさらに好ましい。
【0011】
本発明の磁気キップ用紙は、填料、各種内添助剤等を含むことができる。
填料としては、公知の無機填料、有機填料を用いることができるが、紙粉の発生を防止する点から、填料の配合量は少ないことが好ましく、製紙用繊維100質量部に対する填料の含有量は、10質量部以下であることが好ましく、5質量部以下であることがより好ましく、2質量部以下であることが更に好ましく、含まないこと(0質量部)が最も好ましい。
【0012】
内添助剤としては、ロジン、アルキルケテンダイマー(AKD)、アルケニルコハク酸無水物(ASA)などのサイズ剤、ポリアクリルアミド系高分子、ポリビニルアルコール系高分子、カチオン化澱粉、各種変性澱粉、尿素・ホルマリン樹脂、メラミン・ホルマリン樹脂などの乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、歩留剤、濾水性向上剤、凝結剤、硫酸バンド、嵩高剤、染料、蛍光増白剤、pH調整剤、消泡剤、紫外線防止剤、退色防止剤、ピッチコントロール剤、スライムコントロール剤等が例示可能であり、必要に応じて適宜選択して使用可能である。
【0013】
本発明の原紙は、塗工液を原紙に均一に浸透させるために、原紙のステキヒトサイズ度が30秒以下であることが好ましい。ステキヒトサイズ度が30秒を超えると、塗工液が原紙内部まで浸透し難くなり、不均一に浸透して、紙紛の発生、ボコツキ、カール等の変形が生じ易くなる場合がある。
【0014】
・塗工層
塗工層は、原紙の少なくとも一面に設けられる。
塗工層の塗工量は、原紙に対して2.0質量%以上10質量%以下であることが好ましい。塗工層の塗工量がこの範囲内であると、紙紛発生の抑制や撥水性を良好に保つことができる。一方、この塗工量が2.0質量%未満であると、紙紛の抑制が十分でない場合がある。一方、10質量%を超えると乾燥性が悪化し、操業性が低下する場合がある。塗工層の塗工量は、原紙に対して3.0質量%以上8.0質量%以下であることが好ましい。
【0015】
塗工層の塗工量は、3.0g/m以上15g/m以下であることが好ましい。塗工層の塗工量がこの範囲内であると、均一な塗工層が形成でき、印刷適性と紙力が向上する。一方、この塗工量が3.0g/m未満であると、十分な塗工層が形成できない場合がある。一方、15.0g/mを超えるとそれ以上はほとんど性能が向上せず、高コストとなる上に乾燥性が悪化し操業性が悪化する場合がある。塗工層の塗工量は、4.0g/m以上12g/m以下であることがより好ましい。
【0016】
塗工層は、少なくとも、バインダー、撥水剤、表面サイズ剤を含み、表面サイズ剤として、スチレン系サイズ剤を含む。このような塗工層を得るためには、これらを配合した塗工液を塗工すればよい。また、本発明の効果を妨げない範囲内において、塗工液中に、染料、消泡剤、粘度調整剤等を適宜添加することが可能である。
【0017】
バインダーとしては、澱粉系、カルボキシメチルセルロース系、ポリビニルアルコール系、アクリル樹脂系、合成ゴム系等の公知のものを使用することができ、これらの1種または2種以上を混合して使用することができる。これらの中で、澱粉系バインダーを用いることが、操業性の点から好ましい。
撥水剤としては、パラフィン系ワックス、石油系ワックス、動植物系ワックス等のワックス系撥水剤、シリコーン含有系撥水剤、フッ素含有系撥水剤等が挙げられる。これらの中で、ワックス系撥水剤が、撥水性の発現性やコストのバランスの観点から好適である。
【0018】
本発明において、表面サイズ剤(外添サイズ剤)は、スチレン系サイズ剤を含む。表面サイズ剤としてスチレン系サイズ剤を含む磁気キップ用紙は、磁気インキの裏抜け防止性、UVインキ印刷適性に優れている。なお、本発明の効果を妨げない範囲内において、オレフィン系サイズ剤、アクリル系サイズ剤、スチレン-アクリル系サイズ剤、ロジン系サイズ剤、カチオン性サイズ剤等を併用することもできる。他の表面サイズ剤を併用する場合、表面サイズ剤の全量に対するスチレン系サイズ剤の割合は、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、75質量%以上であることがさらに好ましい。
【0019】
塗工層は、塗工層の固形分全体に対して、澱粉系バインダーを47質量%以上含むことが好ましい。澱粉系バインダーを47質量%未満では、製造ラインでの汚れ、粕(カス)の発生が起こりやすくなり、操業性が低下する場合がある。この澱粉系バインダーの配合率は、49質量%以上であることがより好ましく、51質量%以上であることがさらに好ましい。
塗工層は、撥水剤100質量部に対して、バインダーを100質量部以上400質量部以下含むことが好ましい。バインダーが100質量部未満であると紙粉が発生しやすくなる場合があり、400質量部を超えると撥水性が不十分となる場合がある。撥水剤100質量部に対するバインダーの配合量は、110質量部以上300質量部以下であることがより好ましく、120質量部以上200質量部以下であることがさらに好ましい。
塗工層は、撥水剤100質量部に対して、スチレン系サイズ剤を10質量部以上40質量部以下含むことが好ましい。スチレン系サイズ剤が10質量部未満であると磁気インキの裏抜け防止性、UVインキ印刷適性が不十分となる場合があり、40質量部を超えると塗工液の乾燥に時間がかかり、操業性が低下する場合がある。撥水剤100質量部に対するスチレン系サイズ剤の配合量は、12質量部以上35質量部以下であることがより好ましく、15質量部以上30質量部以下であることがさらに好ましい。
【0020】
・製造方法
本発明の原紙の抄紙方法、塗工液の塗工方法は特に制限されず、公知の方法を用いることができ、特に、塗工方法は、サイズプレスであることが好ましい。塗工液は、抄紙ラインと一体化したオンラインで塗工してもよく、抄紙後にオフラインで塗工することもできる。
【0021】
本発明の磁気キップ用紙の坪量は、取り扱い性等により適宜選択可能であるが、通常は100g/m以上230g/m以下程度のものが好ましく、130g/m以上200g/m以下のものがより好ましい。
本発明の磁気キップ用紙の厚さは、取り扱い性等により適宜選択可能であるが、通常は140μm以上240μm以下程度のものが好ましく、160μm以上220μm以下のものがより好ましい。
【実施例
【0022】
以下に、実施例によって本発明を更に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
「実施例1」
LBKP(濾水度390mlCSF)であるパルプ100質量部に対して、内添薬品として硫酸バンドを1.5質量部、サイズ剤0.1質量部を混合した紙料を、長網抄紙機により抄紙して原紙とした。この原紙のステキヒトサイズ度は10秒であった。
この原紙に、サイズプレスによって、澱粉系バインダー6質量%、パラフィン系撥水剤4質量%、スチレン系表面サイズ剤1質量%の固形分濃度11質量%である塗工液を有する塗工液を塗布、乾燥して塗工層とし、磁気キップ用紙を得た。この磁気キップ用紙は坪量160g/m、厚さ190μmであり、塗工層の塗工量は、原紙100質量%に対して5質量%であった。
【0023】
「実施例2」
澱粉系バインダー6質量%、パラフィン系撥水剤5質量%、スチレン系表面サイズ剤1質量%の固形分濃度12質量%である塗工液を用いた以外は実施例1と同様にして、磁気キップ用紙を得た。
磁気キップ用紙は坪量160g/m、厚さ190μmであり、塗工層の塗工量は、原紙100質量%に対して5質量%であった。
「実施例3」
LBKP90質量部とNBKPパルプ10質量部を混合したパルプ(濾水度350mlCSF)を用いた以外は実施例1と同様にして原紙を得た。この原紙のステキヒトサイズ度は10秒であった。
この原紙に、サイズプレスによって、澱粉系バインダー6質量%、アクリル樹脂系バインダーを10質量%、パラフィン系撥水剤3質量%、スチレン系表面サイズ剤1質量%の固形分濃度20質量%である塗工液を有する塗工液を塗布、乾燥して塗工層とし、磁気キップ用紙を得た。この磁気キップ用紙は坪量160g/m、厚さ190μmであり、塗工層の塗工量は、原紙100質量%に対して5質量%であった。
【0024】
「比較例1」
LBKパルプ90質量部とNBKP10質量部とを混合したパルプ(濾水度400mlCSF)を用いた以外は実施例1と同様にして原紙を得た。この原紙のステキヒトサイズ度は10秒であった。
この原紙に、サイズプレスによって、澱粉系バインダー6質量%、パラフィン系撥水剤6質量%、アクリル系表面サイズ剤0.2質量%、固形分濃度12.2質量%である塗工液を有する塗工液を塗布、乾燥して塗工層とし、磁気キップ用紙を得た。この磁気キップ用紙は坪量160g/m、厚さ190μmであり、塗工層の塗工量は、原紙100質量%に対して5質量%であった。
【0025】
「評価方法」
(1)操業性
上記実施例1~3、比較例1は、抄紙速度350/minで12時間程度抄造した。抄造中のサイズプレス液の給液ライン、アプリケーターロール、ドライヤーの汚れ、粕の発生を目視で確認し、下記基準で評価した。
○ 抄造時マシンに汚れや粕が発生しない。
× 抄造時マシンに汚れや粕が発生する。
(2)撥水度
紙及び板紙のはっ水度試験方法(JIS P8137-1976)に従い、Rxで表示した(xは0~10の非連続な整数であり数字が大きいほど良好な撥水性を示す)。
【0026】
(3)磁気インキ裏抜け
RI印刷適性試験機(石川島産業機械株式会社製)を用い、オフセット印刷用磁気インキ(Guangzhou Print Area Technology社(中国)製)を使用し、インキ量0.4ml一定で印刷後、乾燥させた後に、下記基準で印字部の評価を行った。
◎ 印字部を反対面から目視し、裏抜けが発生していない。
○ 印字部を反対面から目視し、僅かに裏抜けが発生している。
× 印字部を反対面から目視し、裏抜けが発生している。
(4)UVインキ印刷適性
RI印刷適性試験機(石川島産業機械株式会社製)を用い、UVインキ(東洋インキ株式会社製、FLASH DRY LPC WEB)を使用し、インキ量0.4ml一定で印刷後、紫外線ランプにて乾燥させた後に、下記基準で印字部の評価を行った。
◎ 乾燥直後の印字部を紙で擦り、印字部に掠れが発生しない。
○ 乾燥直後の印字部を紙で擦り、印字部が僅かに掠れる。
× 乾燥直後の印字部を紙で擦り、印字部が掠れる。
【0027】
(5)ミシン目強度
幅100mmの磁気キップ用紙に、金属製のミシン刃を当てて縦方向5cm毎にミシン目加工を施し、100枚分のミシン目加工を実施し、下記基準で評価した。
◎ ミシン目からの切断が全く発生しない。
○ ミシン目からの切断を起こしそうな箇所がある。
× ミシン目からの切断が発生した。
【0028】
【表1】