(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】自動運転方法、関連装置及びコンピュータ読み取り可能記憶媒体
(51)【国際特許分類】
B60W 40/02 20060101AFI20240820BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20240820BHJP
G08G 1/16 20060101ALI20240820BHJP
B60W 60/00 20200101ALI20240820BHJP
【FI】
B60W40/02
G08G1/09 D
G08G1/16 A
B60W60/00
(21)【出願番号】P 2022540325
(86)(22)【出願日】2020-09-09
(86)【国際出願番号】 CN2020114265
(87)【国際公開番号】W WO2021135371
(87)【国際公開日】2021-07-08
【審査請求日】2022-08-02
(31)【優先権主張番号】201911425837.X
(32)【優先日】2019-12-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】リィウ,ジィチィウ
(72)【発明者】
【氏名】ウ,ヨン
(72)【発明者】
【氏名】リィウ,ジエンチン
【審査官】鶴江 陽介
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/151749(WO,A1)
【文献】特開2018-155577(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第109733391(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/00-60/00
G08G 1/00- 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラウドサーバによって行われる自動運転方法であって、当該方法は、
ターゲット車両から、該ターゲット車両の車両属性情報及び該ターゲット車両の走行情報を受信することであって、前記ターゲット車両の車両属性情報は、前記ターゲット車両の自動運転能力、前記ターゲット車両のセンサ分布情報及び前記ターゲット車両内の運転手の運転状態のうちの少なくとも1つを含む、ことと、
前記走行情報に基づいて、自動運転ポリシー層から、前記ターゲット車両が走行する第1の道路区画の層情報を得ることと、
前記第1の道路区画の層情報及び前記ターゲット車両の車両属性情報に基づいて、前記第1の道路区画を走行する前記ターゲット車両のための第1の自動運転ポリシーを得ることと、
前記第1の自動運転ポリシーを前記ターゲット車両に送信することと、
前記第1の道路区画を走行する前記ターゲット車両のための第2の自動運転ポリシーを得ることであって、該第2の自動運転ポリシーは、前記ターゲット車両によって得られるセンサデータに基づいて決定される、ことと、
前記第1の自動運転ポリシーと前記第2の自動運転ポリシーとの類似性が第1の閾値未満であると判定された場合、前記第1の自動運転ポリシーを採用するためのプロンプト情報を前記ターゲット車両に送信することと、
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の自動運転ポリシーは自動運転レベル又は前記ターゲット車両に加速、減速、進行、停止又は開始を指示するための命令又は前記ターゲット車両の速度、加速度、移動方向又は位置を指示するための命令を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の道路区画の層情報及び前記ターゲット車両の車両属性情報に基づいて、前記第1の道路区画を走行する前記ターゲット車両のための第1の自動運転ポリシーを得ることは、
前記第1の道路区画の層情報及び前記ターゲット車両の車両属性情報に基づいて第1の安全通行確率を得ることと、
自動運転ポリシーと安全通行確率との対応関係に基づいて、前記第1の安全通行確率に対応する前記第1の自動運転ポリシーを得ることと、
を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の道路区画の層情報は、前記第1の道路区画の静的層情報及び前記第1の道路区画の動的層情報のうちの少なくとも一方を含み、前記第1の道路区画の静的層情報は、前記第1の道路区画のインフラ情報を示すために用いられ、前記第1の道路区画の動的層情報は、前記第1の道路区画の動的交通情報を示すために用いられる、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
ターゲット車両の車載端末によって行われる自動運転方法であって、当該方法は、
前記ターゲット車両の走行情報をサーバに送信することと、
前記ターゲット車両が走行する第1の道路区画の層情報を前記サーバから受信することと、
前記第1の道路区画の層情報及び前記ターゲット車両の車両属性情報に基づいて、前記第1の道路区画を走行する前記ターゲット車両のための第1の自動運転ポリシーを得ることであって、前記ターゲット車両の車両属性情報は、前記ターゲット車両の自動運転能力、前記ターゲット車両のセンサ分布情報及び前記ターゲット車両内の運転手の運転状態のうちの少なくとも1つを含む、ことと、
前記第1の自動運転ポリシーに従って前記ターゲット車両上で自動運転を行うことと、
前記第1の道路区画を走行する前記ターゲット車両のための第2の自動運転ポリシーを得ることであって、該第2の自動運転ポリシーは、前記ターゲット車両によって得られるセンサデータに基づいて決定される、ことと、
前記第1の自動運転ポリシーと前記第2の自動運転ポリシーとの類似性が第1の閾値未満であると判定された場合に、前記第1の自動運転ポリシーを採用す
ることと、
を含む、方法。
【請求項6】
前記第1の自動運転ポリシーは自動運転レベル又は前記ターゲット車両に加速、減速、進行、停止又は開始を指示するための命令又は前記ターゲット車両の速度、加速度、移動方向又は位置を指示するための命令を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の道路区画の層情報及び前記ターゲット車両の車両属性情報に基づいて、前記第1の道路区画を走行する前記ターゲット車両のための第1の自動運転ポリシーを得ることは、
前記第1の道路区画の層情報及び前記ターゲット車両の車両属性情報に基づいて第1の安全通行確率を得ることと、
自動運転ポリシーと安全通行確率との対応関係に基づいて、前記第1の安全通行確率に対応する前記第1の自動運転ポリシーを得ることと、
を含む、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の道路区画の層情報及び前記ターゲット車両の車両属性情報に基づいて第1の安全通行確率を得ることは、
第1のモデルを用いることにより前記第1の安全通行確率を計算することであって、該第1のモデルは少なくとも1つの情報アイテムと、該少なくとも1つの情報アイテムに対応する重みパラメータとを含み、該少なくとも1つの情報アイテムは、前記第1の道路区画の層情報及び前記ターゲット車両の車両属性情報に基づく抽出を介して得られる情報アイテムであり、前記重みパラメータは、前記第1の安全通行確率を決定するために前記情報アイテムが用いられる場合に、前記情報アイテムの重要性を示すために用いられる、こと、
を含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の道路区画の層情報は、前記第1の道路区画の静的層情報及び前記第1の道路区画の動的層情報のうちの少なくとも一方を含み、前記第1の道路区画の静的層情報は、前記第1の道路区画のインフラ情報を示すために用いられ、前記第1の道路区画の動的層情報は、前記第1の道路区画の動的交通情報を示すために用いられる、請求項5乃至8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法のステップを行うように構成されたユニットを含む自動運転装置。
【請求項11】
プログラムを含むコンピュータ読み取り可能記憶媒体であって、該プログラムがプロセッサによって実行された場合、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の方法が行われる、コンピュータ読み取り可能記憶媒体。
【請求項12】
少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを含む自動運転装置であって、該少なくとも1つのメモリはプログラム命令を記憶するように構成され、該少なくとも1つのプロセッサは該少なくとも1つのメモリに連結されて、
ターゲット車両から、該ターゲット車両の車両属性情報及び該ターゲット車両の走行情報を受信することであって、前記ターゲット車両の車両属性情報は、前記ターゲット車両の自動運転能力、前記ターゲット車両のセンサ分布情報及び前記ターゲット車両内の運転手の運転状態のうちの少なくとも1つを含む、ことと、
前記走行情報に基づいて、自動運転ポリシー層から、前記ターゲット車両が走行する第1の道路区画の層情報を得ることと、
前記第1の道路区画の層情報及び前記ターゲット車両の車両属性情報に基づいて、前記第1の道路区画を走行する前記ターゲット車両のための第1の自動運転ポリシーを得ることと、
前記第1の自動運転ポリシーを前記ターゲット車両に送信することと、
前記第1の道路区画を走行する前記ターゲット車両のための第2の自動運転ポリシーを得ることであって、該第2の自動運転ポリシーは、前記ターゲット車両によって得られるセンサデータに基づいて決定される、ことと、
前記第1の自動運転ポリシーと前記第2の自動運転ポリシーとの類似性が第1の閾値未満であると判定された場合に前記第1の自動運転ポリシーを採用するためのプロンプト情報を前記ターゲット車両に送信することと、
を行うために前記プログラム命令を実行する、装置。
【請求項13】
前記第1の自動運転ポリシーは自動運転レベル又は前記ターゲット車両に加速、減速、進行、停止又は開始を指示するための命令又は前記ターゲット車両の速度、加速度、移動方向又は位置を指示するための命令を含む、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記少なくとも1つのメモリに連結されて、
前記第1の道路区画の層情報及び前記ターゲット車両の車両属性情報に基づいて第1の安全通行確率を得ることと、
自動運転ポリシーと安全通行確率との対応関係に基づいて、前記第1の安全通行確率に対応する前記第1の自動運転ポリシーを得ることと、
を行うために前記プログラム命令を実行する、請求項12又は13に記載の装置。
【請求項15】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記少なくとも1つのメモリに連結されて、
第1のモデルを用いることにより前記第1の安全通行確率を計算することであって、該第1のモデルは少なくとも1つの情報アイテムと、該少なくとも1つの情報アイテムに対応する重みパラメータとを含み、該少なくとも1つの情報アイテムは、前記第1の道路区画の層情報及び前記ターゲット車両の車両属性情報に基づく抽出を介して得られる情報アイテムであり、前記重みパラメータは、前記第1の安全通行確率を決定するために前記情報アイテムが用いられる場合に、前記情報アイテムの重要性を示すために用いられる、こと、
を行うために前記プログラム命令を実行する、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記第1の道路区画の層情報は、前記第1の道路区画の静的層情報及び前記第1の道路区画の動的層情報のうちの少なくとも一方を含み、前記第1の道路区画の静的層情報は、前記第1の道路区画のインフラ情報を示すために用いられ、前記第1の道路区画の動的層情報は、前記第1の道路区画の動的交通情報を示すために用いられる、請求項12乃至15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
少なくとも1つのプロセッサ及び少なくとも1つのメモリを含む自動運転装置であって、該少なくとも1つのメモリはプログラム命令を記憶するように構成され、該少なくとも1つのプロセッサは該少なくとも1つのメモリに連結されて、
ターゲット車両の走行情報をサーバに送信することと、
前記ターゲット車両が走行する第1の道路区画の層情報を前記サーバから受信することと、
前記第1の道路区画の層情報及び前記ターゲット車両の車両属性情報に基づいて、前記第1の道路区画を走行する前記ターゲット車両のための第1の自動運転ポリシーを得ることであって、前記ターゲット車両の車両属性情報は、前記ターゲット車両の自動運転能力、前記ターゲット車両のセンサ分布情報及び前記ターゲット車両内の運転手の運転状態のうちの少なくとも1つを含む、ことと、
前記第1の自動運転ポリシーに従って前記ターゲット車両上で自動運転を行うことと、
前記第1の道路区画を走行する前記ターゲット車両のための第2の自動運転ポリシーを得ることであって、該第2の自動運転ポリシーは、前記ターゲット車両によって得られるセンサデータに基づいて決定される、ことと、
前記第1の自動運転ポリシーと前記第2の自動運転ポリシーとの類似性が第1の閾値未満であると判
定された場合に、前記第1の自動運転ポリシーを採用す
ることと、
を行うために前記プログラム命令を実行する、装置。
【請求項18】
前記第1の自動運転ポリシーは自動運転レベル又は前記ターゲット車両に加速、減速、進行、停止又は開始を指示するための命令又は前記ターゲット車両の速度、加速度、移動方向又は位置を指示するための命令を含む、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記少なくとも1つのプロセッサは前記少なくとも1つのメモリに連結されて、
前記第1の道路区画の層情報及び前記ターゲット車両の車両属性情報に基づいて第1の安全通行確率を得ることと、
自動運転ポリシーと安全通行確率との対応関係に基づいて、前記第1の安全通行確率に対応する前記第1の自動運転ポリシーを得ることと、
を行うために前記プログラム命令を実行する、請求項17又は18に記載の装置。
【請求項20】
前記少なくとも1つのプロセッサは前記少なくとも1つのメモリに連結されて、
第1のモデルを用いることにより前記第1の安全通行確率を計算することであって、該第1のモデルは少なくとも1つの情報アイテムと、該少なくとも1つの情報アイテムに対応する重みパラメータとを含み、該少なくとも1つの情報アイテムは、前記第1の道路区画の層情報及び前記ターゲット車両の車両属性情報に基づく抽出を介して得られる情報アイテムであり、前記重みパラメータは、前記第1の安全通行確率を決定するために前記情報アイテムが用いられる場合に、前記情報アイテムの重要性を示すために用いられる、こと、
を行うために前記プログラム命令を実行する、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記第1の道路区画の層情報は、前記第1の道路区画の静的層情報及び前記第1の道路区画の動的層情報のうちの少なくとも一方を含み、前記第1の道路区画の静的層情報は、前記第1の道路区画のインフラ情報を示すために用いられ、前記第1の道路区画の動的層情報は、前記第1の道路区画の動的交通情報を示すために用いられる、請求項17乃至20のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は人工知能技術の分野に関し、とりわけ、自動運転方法、関連装置及びコンピュータ読み取り可能記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
人工知能(Artificial Intelligence、AI)は、デジタルコンピュータ又はデジタルコンピュータによって制御される機械を用いることにより人間の知能をシミュレートし、拡大し、拡張して、環境を認識し、知識を取得し、該知識に基づいて最適な結果を得る理論、方法、技術又はアプリケーションシステムである。つまり、人工知能はコンピュータ科学の一分野であり、知能の本質を理解し、人間の知能と同様のやり方で反応可能な新たなインテリジェント機械を作り出すことを意図している。人工知能とは、様々なインテリジェント機械の設計原理及び実施方法を研究して、機械が知覚、推論及び意思決定機能を有するようにすることである。人工知能分野の研究には、ロボット、自然言語処理、コンピュータビジョン、意思決定及び推論、人間とコンピュータとの相互作用、推薦及び検索、AI基礎理論等を含む。
【0003】
自動運転は、人工知能の分野における主流の用途である。自動運転技術は、コンピュータビジョン、レーダ、モニタリング装置、全地球測位システム等に依存して互いに協働し、人の介入なしに自動車の自動運転を実施する。自動走行車両は、様々なコンピューティングシステムを用いることにより、ある場所から別の場所に乗客を運ぶ。一部の自動走行車両は、オペレータ(運転手又は乗客等)からの初期入力又は連続入力を必要とし得る。自動走行車両は、オペレータが手動運転モードから自動運転モードに又は2つのモード間でモードに切り替えることを可能にする。自動運転技術は、自動車を運転するために人を必要としないため、理論的には人間の運転の失敗を効果的に回避でき、交通事故を減らすことができ、道路輸送効率を改善できる。したがって、自動運転技術への注目が高まっている。
【0004】
既存の実施では、自動走行車両にセンサが配置され、センサは周囲の車両の走行状態データ(例えば、速度、加速度及び周囲の車両の進行角度)を取得し得るため、自動走行車両は、取得したセンサデータに基づいて、安全要件を満たす運転ポリシーを決定できる。センサからデータを得る必要があり、センサによって得られたデータは一般的に限定されている。その結果、安全要件を満たす運転ポリシーが得られたデータに基づいて決定された場合に、センサが故障しているか又は感度が低いか若しくは精度が低い場合に、安全性の低い運転ポリシーが容易に生成される。このことは、疑いなく自動運転のリスクを増大させる。したがって、車両の安全運転の安全性を改善するために、安全要件を満たす運転ポリシーを決定する精度をどのように改善させるかは、緊急に解決する必要がある技術的課題である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願は、安全要件を満たす運転ポリシーを決定する精度を改善し、自動運転のリスクを低減するために、自動運転方法、関連装置及びコンピュータ読み取り可能記憶媒体を提供する。
【0006】
第1の態様によれば、自動運転方法が提供され、当該方法はクラウドサーバに適用され、当該方法は、ターゲット車両によって報告される該ターゲット車両の車両属性情報及び走行情報を受信することであって、該ターゲット車両の車両属性情報は、自動運転ポリシーを生成するために用いられる、ことと、前記走行情報に基づいて、自動運転ポリシー層から前記ターゲット車両が走行する第1の道路区画の層情報を得ることと、前記第1の道路区画の層情報及び前記ターゲット車両の車両属性情報に基づいて第1の運転ポリシーを得ることと、前記第1の運転ポリシーを前記ターゲット車両に送信することと、を含む。
【0007】
本願の実施形態の実施の間に、クラウドサーバは、ターゲット車両によって報告された走行情報を用いることにより、自動運転ポリシー層から第1の道路区画の層情報を得て、第1の道路区画の層情報及び車両属性情報に基づいて、安全要件を満たす運転ポリシーを得るため、ターゲット車両はクラウドサーバによって決定された運転ポリシーに従って自動運転を行うことができる。自動運転ポリシー層は、よりリッチな情報を含み、センサの知覚欠陥(例えば、センサの知覚欠陥は、センサによって得られるデータが限られていること、センサの検出範囲が限られていること及びセンサの検出が環境に対して脆弱であることである)を克服できる。したがって、安全要件を満たす運転ポリシーを決定する精度を改善でき、自動運転のリスクを軽減できる。
【0008】
可能な実施では、前記クラウドサーバは、運転ポリシーと安全通行確率との対応関係を記憶し、前記第1の道路区画の層情報及び前記ターゲット車両の車両属性情報に基づいて第1の運転ポリシーを得ることは、前記第1の道路区画の層情報及び前記ターゲット車両の車両属性情報に基づいて第1の安全通行確率を得ることと、前記運転ポリシーと安全通行確率との対応関係に基づいて、前記第1の安全通行確率に対応する前記第1の運転ポリシーを得ることと、を含む。本願の実施形態の実施の間、クラウドサーバは、ターゲット車両が走行する第1の道路区画の層情報及びターゲット車両の車両属性情報に基づいて第1の安全通行確率を得て、その後、運転ポリシーと安全通行確率との予め設定された対応関係を用いることにより、第1の安全通行確率に対応する第1の運転ポリシーを取得し得る。層はよりリッチな情報を含み、センサの知覚欠陥を克服できる。したがって、この実施では、安全要件を満たす運転ポリシーを決定する精度を改善でき、自動運転のリスクを軽減できる。
【0009】
可能な実施では、前記第1の道路区画の層情報及び前記ターゲット車両の車両属性情報に基づいて第1の安全通行確率を得ることは、第1のモデルを用いることにより前記第1の安全通行確率を計算することであって、該第1のモデルは、少なくとも1つの情報アイテムと、該少なくとも1つの情報アイテムに対応する重みパラメータとを含み、該少なくとも1つの情報アイテムは、前記第1の道路区画の層情報及び前記ターゲット車両の車両属性情報に基づく抽出を介して得られる情報アイテムであり、前記重みパラメータは、前記第1の安全通行確率を決定するために前記情報アイテムが用いられる場合に、前記情報アイテムの重要性を示すために用いられる、こと、を含む。
【0010】
可能な実施では、前記第1のモデルは、少なくとも1つのサンプルデータに基づく訓練を介して得られるモデルであり、該サンプルデータは、第2の道路区画の層情報及び前記ターゲット車両の車両属性情報から抽出される少なくとも1つの情報アイテムを含み、該第2の道路区画は、前記第1の道路区画に隣接する道路区画であり、前記第2の道路区画の出口は前記第1の道路区画の入口である。本願のこの実施形態の実施の間、隣接する道路区画は同じ又は同様の特性を有するため、訓練された第1のモデルは第2の道路区画の層情報及びターゲット車両の車両属性情報に基づいて得られるため、第1のモデルを用いることにより第1の安全通行確率を計算する精度を改善できる。
【0011】
可能な実施では、前記第1の道路区画の層情報は、前記第1の道路区画の静的層情報及び前記第1の道路区画の動的層情報のうちの少なくとも一方を含み、前記第1の道路区画の静的層情報は、前記第1の道路区画のインフラ情報を示すために用いられ、前記第1の道路区画の動的層情報は、前記第1の道路区画の動的交通情報を示すために用いられる。本願の実施形態の実施の間、クラウドサーバは、ターゲット車両によって報告される走行情報を用いることにより、ターゲット車両が走行する第1の道路区画の層情報を自動走行ポリシー層から取得し、その後に、第1の道路区画の層情報及び車両属性情報に基づいて、安全要件を満たす走行ポリシーを取得するため、ターゲット車両はクラウドサーバによって決定された運転ポリシーに従って自動運転を行うことができる。自動運転ポリシー層はよりリッチな情報を含み、道路の静的層情報は、自動運転の間に走行経路を効率的に決定すること及び障害物を回避することを確実にし、道路の動的層情報は自動運転の間に予期しない状況に対して適時に対応することができることを確実にする。したがって、この実施では、センサの知覚欠陥(例えば、センサの知覚欠陥は、センサによって得られるデータが限られていること、センサの検出範囲が限られていること及びセンサの検出が環境に対して脆弱であることである)を克服できる。したがって、安全要件を満たす運転ポリシーを決定する精度を改善でき、自動運転のリスクを軽減できる。
【0012】
可能な実施では、前記第1の道路区画の静的層情報は、車線属性、デジタル装置情報及び緑地帯情報のうちの少なくとも1つを含み、前記第1の道路区画の動的層情報は、気象情報、路面情報、第1の時間帯における前記第1の道路区画の渋滞状況、前記第1の時間帯において前記第1の道路区画を移動する歩行者及び非自動車両の走行確率、前記第1の時間帯において前記第1の道路区画で運転事故が起こる事故確率のうちの少なくとも1つを含む。本願のこの実施形態の実施の間、道路の静的層情報は、自動運転の間に走行経路を効率的に決定すること及び障害物を回避することを確実にし、道路の動的層情報は、自動運転の間に予期しない状況に対して適時に対応することができることを確実にする。したがって、この実施では、センサの知覚欠陥(例えば、センサの知覚欠陥は、センサによって得られるデータが限られていること、センサの検出範囲が限られていること及びセンサの検出が環境に対して脆弱であることである)を克服できる。したがって、安全要件を満たす運転ポリシーを決定する精度を改善でき、自動運転のリスクを軽減できる。
【0013】
可能な実施では、前記第1の道路区画は、前記ターゲット車両が走行する道路区画であり、前記方法は、前記第1の道路区画を走行する前記ターゲット車両のための第2の運転ポリシーを得ることであって、該第2の運転ポリシーは、リアルタイムに得られるセンサデータに基づいて、前記ターゲット車両によって決定される、ことと、前記第1の運転ポリシーと前記第2の運転ポリシーとの類似性が第1の閾値未満の場合、前記第2の運転ポリシーを前記第1の運転ポリシーに切り替えるためのプロンプト情報を前記ターゲット車両に送信することと、をさらに含む。本願のこの実施形態の実施の間、自動運転ポリシー層はリッチ情報を含み、センサの知覚欠陥を克服できる。したがって、これは、自動運転ポリシー層に基づいてクラウドサーバによって決定された第1の運転ポリシーは、リアルタイムに得られるセンサデータに基づいてターゲット車両によって決定される第2の運転ポリシーよりも安全であることも意味する。安全運転のために、第1の運転ポリシーと第2の運転ポリシーとの類似性が所定の閾値未満であると判定された場合、クラウドサーバは、第2の運転ポリシーを第1の運転ポリシーに切り替えるためのプロンプト情報をターゲット車両に送信するため、ターゲット車両はより安全な第1の運転ポリシーを用いることにより自動運転を行い、自動運転のリスクを軽減できる。
【0014】
可能な実施形態では、前記ターゲット車両の車両属性情報は、前記ターゲット車両の自動運転能力、前記ターゲット車両のセンサ分布情報及び前記ターゲット車両内の運転手の運転状態のうちの少なくとも1つを含む。
【0015】
第2の態様によれば、本願の実施形態は自動運転方法を提供し、当該方法はターゲット車両の車載端末に適用され、当該方法は、クラウドサーバによって送信される第1の運転ポリシーを受信することであって、該第1の運転ポリシーは、第1の態様に係る方法で得られる前記第1の運転ポリシーである、ことと、前記第1の運転ポリシーに従って、前記ターゲット車両で自動運転を行うことと、を含む。
【0016】
本願のこの実施形態の実施の間、クラウドサーバは、自動運転ポリシー層に基づいて第1の運転ポリシーを決定し、次いで、第1の運転ポリシーをターゲット車両に送信するため、ターゲット車両はクラウドサーバによって決定された第1の運転ポリシーに従って自動運転を行うことができる。自動運転ポリシー層はよりリッチな情報を含み、センサの知覚欠陥(例えば、センサの知覚欠陥は、センサによって得られるデータが限られていること、センサの検出範囲が限られていること及びセンサの検出が環境に対して脆弱であることである)を克服できる。したがって、安全要件を満たす運転ポリシーを決定する精度を改善でき、自動運転のリスクを軽減できる。
【0017】
可能な実施では、前記方法は、第1の道路区画を走行するために前記ターゲット車両によって用いられる第2の運転ポリシーを、センサデータを用いることにより得ることをさらに含み、前記第1の運転ポリシーに従って、前記ターゲット車両で自動運転を行うことは、前記第1の運転ポリシー及び前記第2の運転ポリシーに従って、前記ターゲット車両で自動運転を行うこと、を含む。本願のこの実施形態の実施の間、ターゲット車両が第1の道路区画を走行する場合、ターゲット車両は、リアルタイムで得られるセンサデータに基づいて第2の運転ポリシーを取得し、第1の運転ポリシー及び第2の運転ポリシーに従って、ターゲット車両で自動運転を行い得る。したがって、ターゲット車両は、安全性が低い運転ポリシーを用いることによってターゲット車両で自動運転を行うことを防止でき、自動運転のリスクを軽減できる。
【0018】
可能な実施では、前記第1の運転ポリシー及び前記第2の運転ポリシーに従って、前記ターゲット車両で自動運転を行うことは、前記第1の運転ポリシーと前記第2の運転ポリシーとの類似性が第1の閾値よりも大きいと判定された場合、前記第1の運転ポリシーに従って、前記ターゲット車両で自動運転を行うこと又は前記第2の運転ポリシーに従って、前記ターゲット車両で自動運転を行うこと、又は前記第1の運転ポリシーと前記第2の運転ポリシーとの類似性が第1の閾値未満であると判定された場合、前記第1の運転ポリシーに従って、前記ターゲット車両で自動運転を行うこと、を含む。本願のこの実施形態の実施の間、自動運転ポリシー層はリッチ情報を含み、センサの知覚欠陥を克服できる。したがって、これは、自動運転ポリシー層に基づいてクラウドサーバによって決定された第1の運転ポリシーは、リアルタイムに得られるセンサデータに基づいてターゲット車両によって決定される第2の運転ポリシーよりも安全であることも意味する。安全運転のために、第1の運転ポリシーと第2の運転ポリシーとの類似性が所定の閾値未満であると判定された場合、ターゲット車両は第1の運転ポリシーに従ってターゲット車両で自動運転を行うか又は第2の運転ポリシーに従ってターゲット車両で自動運転を行う。第1の運転ポリシーと第2の運転ポリシーとの類似性が所定の閾値未満であると判定された場合、ターゲット車両は第1の運転ポリシーに従って、ターゲット車両で自動運転を行う。この実施では、ターゲット車両はより安全性の低い運転ポリシーを用いることによりターゲット車両で自動運転を行うのを防止でき、自動運転のリスクを軽減できる。
【0019】
第3の態様によれば、本願の実施形態はクラウドサーバを提供し、当該クラウドサーバは、
ターゲット車両によって報告される該ターゲット車両の車両属性情報及び走行情報を受信するように構成された受信ユニットであって、該ターゲット車両の車両属性情報は、自動運転ポリシーを生成するために用いられる、受信ユニットと、前記走行情報に基づいて、自動運転ポリシー層から前記ターゲット車両が走行する第1の道路区画の層情報を取得するように構成された第1の取得ユニットと、前記第1の道路区画の層情報及び前記ターゲット車両の車両属性情報に基づいて第1の運転ポリシーを取得するように構成された第2の取得ユニットと、前記第1の運転ポリシーを前記ターゲット車両に送信するように構成された第1の送信ユニットと、を含む。
【0020】
本願の実施形態の実施の間、クラウドサーバは、ターゲット車両によって報告される走行情報を用いることにより、ターゲット車両が走行する第1の道路区画の層情報を自動走行ポリシー層から取得し、その後に、第1の道路区画の層情報及び車両属性情報に基づいて、安全要件を満たす走行ポリシーを取得し得るため、ターゲット車両はクラウドサーバによって決定された走行ポリシーに従って自動走行を行うことができる。自動運転ポリシー層は、よりリッチな情報を含み、センサの知覚欠陥(例えば、センサの知覚欠陥は、センサによって得られるデータが限られていること、センサの検出範囲が限られていること及びセンサの検出が環境に対して脆弱であることである)を克服できる。したがって、安全要件を満たす運転ポリシーを決定する精度を改善でき、自動運転のリスクを軽減できる。
【0021】
可能な実施では、前記クラウドサーバは、運転ポリシーと安全通行確率との対応関係を記憶し、前記第2の取得ユニットは安全通行確率取得ユニット及び運転ポリシー取得ユニットを含み、前記安全通行確率取得ユニットは、前記第1の道路区画の層情報及び前記ターゲット車両の車両属性情報に基づいて第1の安全通行確率を得るように構成され、前記運転ポリシー取得ユニットは、前記運転ポリシーと安全通行確率との対応関係に基づいて、前記第1の安全通行確率に対応する前記第1の運転ポリシーを得るように構成されている。
【0022】
可能な実施では、前記安全通行確率取得ユニットは、第1のモデルを用いることにより前記第1の安全通行確率を計算することであって、該第1のモデルは、少なくとも1つの情報アイテムと、該少なくとも1つの情報アイテムに対応する重みパラメータとを含み、該少なくとも1つの情報アイテムは、前記第1の道路区画の層情報及び前記ターゲット車両の車両属性情報に基づく抽出を介して得られる情報アイテムであり、前記重みパラメータは、前記第1の安全通行確率を決定するために前記情報アイテムが用いられる場合に、前記情報アイテムの重要性を示すために用いられる、こと、を行うように具体的に構成されている。
【0023】
可能な実施では、前記第1のモデルは、少なくとも1つのサンプルデータに基づく訓練を介して得られるモデルであり、該サンプルデータは、第2の道路区画の層情報及び前記ターゲット車両の車両属性情報から抽出される少なくとも1つの情報アイテムを含み、該第2の道路区画は、前記第1の道路区画に隣接する道路区画であり、前記第2の道路区画の出口は前記第1の道路区画の入口である。
【0024】
可能な実施では、前記第1の道路区画の層情報は、前記第1の道路区画の静的層情報及び前記第1の道路区画の動的層情報のうちの少なくとも一方を含み、前記第1の道路区画の静的層情報は、前記第1の道路区画のインフラ情報を示すために用いられ、前記第1の道路区画の動的層情報は、前記第1の道路区画の動的交通情報を示すために用いられる。
【0025】
可能な実施では、前記第1の道路区画の静的層情報は、車線属性、デジタル装置情報及び緑地帯情報のうちの少なくとも1つを含み、前記第1の道路区画の動的層情報は、気象情報、路面情報、第1の時間帯における前記第1の道路区画の渋滞状況、前記第1の時間帯において前記第1の道路区画を移動する歩行者及び非自動車両の走行確率、前記第1の時間帯において前記第1の道路区画で運転事故が起こる事故確率のうちの少なくとも1つを含む。
【0026】
可能な実施では、前記第1の道路区画は、前記ターゲット車両が走行する道路区画であり、前記クラウドサーバは、前記第1の道路区画を走行するために前記ターゲット車両によって用いられる第2の運転ポリシーを得るように構成された第3の取得ユニットであって、該第2の運転ポリシーは、リアルタイムに得られるセンサデータに基づいて、前記ターゲット車両によって決定される、第3の取得ユニットと、前記第1の運転ポリシーと前記第2の運転ポリシーとの類似性が第1の閾値未満の場合、前記第2の運転ポリシーを前記第1の運転ポリシーに切り替えるためのプロンプト情報を前記ターゲット車両に送信するように構成された第2の送信ユニットと、をさらに含む。
【0027】
第4の態様によれば、本願の実施形態は自動運転装置を提供し、当該装置はターゲット車両の車載端末に適用され、当該装置は、クラウドサーバによって送信される第1の運転ポリシーを受信するように構成された受信ユニットであって、該第1の運転ポリシーは、第1の態様に係る方法で得られる前記第1の運転ポリシーである、受信ユニットと、前記第1の運転ポリシーに従って、前記ターゲット車両で自動運転を行うように構成された制御ユニットと、を含み得る。
【0028】
可能な実施では、前記装置は、第1の道路区画を走行するために前記ターゲット車両によって用いられる第2の運転ポリシーを、センサデータを用いることにより得るように構成された第2の運転ポリシー取得ユニットをさらに含み、前記制御ユニットは、前記第1の運転ポリシー及び前記第2の運転ポリシーに従って、前記ターゲット車両で自動運転を行うように具体的に構成されている。
【0029】
可能な実施では、前記制御ユニットは、前記第1の運転ポリシーと前記第2の運転ポリシーとの類似性が第1の閾値よりも大きいと判定された場合、前記第1の運転ポリシーに従って、前記ターゲット車両で自動運転を行うこと又は前記第2の運転ポリシーに従って、前記ターゲット車両で自動運転を行うこと、又は前記第1の運転ポリシーと前記第2の運転ポリシーとの類似性が第1の閾値未満であると判定された場合、前記第1の運転ポリシーに従って、前記ターゲット車両で自動運転を行うことを行うように具体的に構成されている。
【0030】
第5の態様によれば、本願の実施形態はクラウドサーバを提供し、当該クラウドサーバはメモリ及びプロセッサを含んでもよく、該メモリは、前述の方法を行う上で協調装置を支持するコンピュータプログラムを記憶するように構成され、コンピュータプログラムはプログラム命令を含み、プロセッサは該プログラム命令を呼び出して、第1の態様に係る方法を行うように構成されている。
【0031】
第6の態様によれば、本願の実施形態は車載装置を提供し、当該車載装置は、メモリ及びプロセッサを含んでもよく、該メモリは、前述の方法を行う上で協調装置を支持するコンピュータプログラムを記憶するように構成され、コンピュータプログラムはプログラム命令を含み、プロセッサは該プログラム命令を呼び出して、第2の態様に係る方法を行うように構成されている。
【0032】
第7の態様によれば、本願はチップシステムを提供し、チップシステムは、関連する機能が実施されるように、第1の態様に係るいずれかの方法を行い得る。可能な設計では、チップシステムはメモリをさらに含む。メモリは、プログラム命令及びデータを記憶するように構成されている。チップシステムはチップを含み得るか又はチップ及び別の個別コンポーネントを含み得る。
【0033】
第8の態様によれば、本願はチップシステムを提供し、チップシステムは、関連する機能が実施されるように、第2の態様に係るいずれかの方法を行い得る。可能な設計では、チップシステムはメモリをさらに含む。メモリは、プログラム命令及びデータを記憶するように構成されている。チップシステムはチップを含み得るか又はチップ及び別の個別コンポーネントを含み得る。
【0034】
第9の態様によれば、本願の一実施形態は、コンピュータ読み取り可能記憶媒体をさらに提供する。コンピュータ記憶媒体はコンピュータプログラムを記憶し、コンピュータプログラムはプログラム命令を含み、プログラム命令がプロセッサによって実行された場合、プロセッサは、第1の態様の方法を行うことができる。
【0035】
第10の態様によれば、本願の一実施形態は、コンピュータ読み取り可能記憶媒体をさらに提供する。コンピュータ記憶媒体はコンピュータプログラムを記憶し、コンピュータプログラムはプログラム命令を含み、プログラム命令がプロセッサによって実行された場合、プロセッサは、第2の態様の方法を行うことができる。
【0036】
第11の態様によれば、本願の一実施形態はコンピュータプログラムをさらに提供し、コンピュータプログラムはコンピュータソフトウェア命令を含み、コンピュータソフトウェア命令がコンピュータによって実行された場合、コンピュータは、第1の態様に係るいずれかの自動運転方法を行うことができる。
【0037】
第12の態様によれば、本願の一実施形態はコンピュータプログラムをさらに提供し、コンピュータプログラムはコンピュータソフトウェア命令を含み、コンピュータソフトウェア命令がコンピュータによって実行された場合、コンピュータは、第2の態様に係るいずれかの自動運転方法を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1a】
図1aは、本願の一実施形態に係る自動運転ポリシー層の概略図である。
【
図1b】
図1bは、本願の一実施形態に係る、別の自動運転ポリシー層の概略図である。
【
図1c】
図1cは、本願の一実施形態に係る、別の自動運転ポリシー層の概略図である。
【
図1d】
図1dは、本願の一実施形態に係る、別の自動運転ポリシー層の概略図である。
【
図1e】
図1eは、本願の一実施形態に係る、別の自動運転ポリシー層の概略図である。
【
図1f】
図1fは、本願の一実施形態に係る、自動運転装置110の機能ブロック図である。
【
図1g】
図1gは、本願の一実施形態に係る、自動運転システムの構造の概略図である。
【
図2】
図2は、本出願の一実施形態による自動運転方法の概略フローチャートである。
【
図3a】
図3aは、本願の一実施形態に係る別の自動運転方法の概略フローチャートである。
【
図3b】
図3bは、本願の一実施形態に係る、オブジェクト検出及び特定方法の概略フローチャート1である。
【
図3c】
図3cは、本願の一実施形態に係る、オブジェクト検出及び特定方法の概略フローチャート2である。
【
図3d】
図3dは、本願の一実施形態に係る、畳み込みニューラルネットワークモデルの概略図である。
【
図4】
図4は、本願の一実施形態に係る別の自動運転方法の概略フローチャートである。
【
図5】
図5は、本願の一実施形態に係るクラウドサーバの構造の概略図である。
【
図6】
図6は、本願の一実施形態に係る自動運転装置の構造の概略図である。
【
図7】
図7は、本願の一実施形態に係る別のクラウドサーバの構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本願の実施形態における添付図面を参照しながら、本願の実施形態を以下で説明する。
【0040】
本願の明細書及び添付の図面において、「第1」、「第2」等の用語は、異なるオブジェクトを区別すること又は同じオブジェクトの異なる処理を区別することを意図しているが、オブジェクトの特定の順序を説明するために用いられるものではない。加えて、本願の説明で言及される「含む」、「含有する」という用語及びその任意の他の変形は、非排他的包含を含むことを意図している。例えば、一連のステップ又はユニットを含むプロセス、方法、システム、製品又は装置は、列挙されたステップ又はユニットに限定されず、任意で列挙されていないステップ又はユニットを含むか又は任意でプロセス、方法、製品又は装置の他の固有のステップ又はユニットを含む。なお、本願の実施形態では、「一例」、「例えば」等の用語は、一例、解説又は説明を示すために用いられている。本願の実施形態で「一例」又は「例え」として説明される任意の実施形態又は設計方法は、他の実施形態又は設計ソリューションよりも好ましいか又はより多くの利点を有するものとして説明されるべきではない。正確には、「一例」又は「例え」等の用語の使用は、関連する概念を特定の方法で提示することを意図している。本願の実施形態では、「A及び/又はB」はA及びB及びA又はBという2つの意味を表す。「A及び/又はB及び/又はC」はA、B及びCを表すか又はA、B及びCのうちのいずれか2つを表すか又はA、B及びCを表す。
【0041】
本願で説明する技術的解決策の理解を容易にするために、本願におけるいくつかの用語を以下で説明する。
【0042】
(1)自律走行車両(Autonomous vehicles;self-piloting automobile)
本願の実施形態では、自律走行車両は、無人自動車、コンピュータ運転車両又は車輪付きモバイルロボットとも呼ばれ、コンピュータシステムを用いることにより無人運転を実施するインテリジェント自動車である。実際の適用では、自律走行車両は、いかなる能動的な人間の操作なしに、コンピュータ装置が自動で且つ安全に自動車を運転できるように、人工知能、視覚計算、レーダ、監視装置及び全地球測位システム間の協調に依存する。
【0043】
(2)自動運転ポリシー層
本願の実施形態では、自動運転ポリシー層は自動運転マップのサブセットであり、自動運転を行うよう車両に示すために用いられ得る。具体的には、自動運転ポリシー層は静的層情報を含んでもよく、動的層情報も含み得る。各層は特定のマップと見なされ得る。例えば、静的層情報は、道路、車線位置、車線の数及び道路の周囲の別のオブジェクト間の接続関係であり得る。別の例では、静的層情報は交通標識に関する情報(例えば、交通信号の位置、交通信号の高さ又は速度制限標識、カーブ標識又は減速標識等の標識コンテンツ)、道路の周囲の木に関する情報又は建物の情報であり得る。例えば、動的層情報は動的交通情報であってもよく、情報は、ある時点(又はある期間)に関連付けられてもいいし、ある時点(又はある期間)に関連付けられなくてもよい。一部の実施では、動的層情報の形式は、タイムスタンプ(又は期間)+道路区画+情報、例えば、ある時点又は期間における道路区画1の天候情報及びある時点又は期間における道路区画1の路面情報(例えば、道路遮断、道路保守、道路上への落下物又は道路洪水)であり得る。
【0044】
一部の実施では、自動運転ポリシー層に含まれる層情報は二次元情報であってもいいし、三次元情報であってもよい。本願の実施形態では、二次元情報はベクトル情報とも呼ばれる。ベクトルは、大きさ及び方向の両方を有する量である。例えば、二次元情報は、道路内の障害物の座標情報であり得る。本願の実施形態では、三次元情報は、二次元情報に加えて、いくつかの抽象情報をさらに含む情報であり、抽象情報は、オブジェクトの特徴を反映するために用いられる。例えば、三次元情報は、道路内の障害物の座標情報及び障害物のサイズであり得る。
【0045】
本願の実施形態では、自動運転ポリシー層を用いるオブジェクトは、一般に、自動運転能力を有する車両である。
【0046】
本願の実施形態において、
図1a~
図1dは、本願の実施形態に係る自動運転ポリシー層の概略図である。道路区画1を一例として用いる。
図1aに示すように、自動運転ポリシー層は、道路の静的層情報、例えば、車線情報、車線の数、道路境界情報及び道路運転パラメータを含む。道路区画2を一例として用いる。
図1bに示すように、自動運転ポリシー層は道路の静的層情報、例えば、車線情報、車線の数、道路境界情報及び緑地帯情報を含み、さらに、路面を横切って落下した木等の動的層情報を含む。道路区画3を一例として用いる。
図1cに示すように、自動運転ポリシー層は、道路の静的層情報、例えば、車線情報、車線の数、道路境界情報及び緑地帯情報を含み、さらに、気象情報(例えば、時点T1における軽度の雪から大雪)等の動的層情報を含む。道路区画4を一例として用いる。
図1dに示すように、自動運転ポリシー層は、道路の静的層情報、例えば、車線情報、車線の数、道路境界情報、緑地帯情報及びデジタル情報装置を含み、さらに、気象情報(時点T1における晴れから曇り)、歩行者及び非自動車両が移動する60%の歴史的確率及び中程度の渋滞等の動的層情報を含む。
【0047】
本願の実施形態では、自動運転ポリシー層は、従来のハードウェアセンサ(例えば、レーダ、レーザレンジファインダ又はカメラ)の拡張とみなしてもよく、よりリッチなデータを含み、環境、障害物干渉の影響を受けない。具体的には、道路の静的層情報は、自動運転の間に、運転経路を効率的に決定でき、障害物を回避できることを確実にし、道路の動的層情報は、自動運転の間に予期せぬ状況に対して適時に対応できることを確実にする。この実施では、従来のハードウェアセンサの知覚欠陥を効果的に克服できる。例えば、センサの知覚欠陥は、センサによって得られるデータが限られていること、センサの検出範囲が限られていること及びセンサの検出が環境に対して脆弱である。
【0048】
実際の用途では、道路の静的層情報は事前情報とみなされ得る。具体的には、事前情報は、予め収集可能であり、短時間で変化しない情報である。つまり、該情報は客観的に存在し、外部のものによって変化しない。したがって、情報は事前に収集され、意思決定のために自動運転車両に事前情報として送信され得る。
【0049】
(3)自動運転ポリシー
現在、世界の自動車業界には、自動運転車両に関する2つの認識された技術レベル規格があり、2つの規格はそれぞれ、国家道路交通安全局(略称NHTSA)及びSAEインターナショナル(略称SAE)によって提案されている。既存の自動運転レベル分布が表1に示される。
【0050】
【0051】
本願の実施形態では、自動運転ポリシーは自動運転レベルを含み得るか又は車両に加速、減速、進行、停止及び開始を指示するための命令を含み得るか又は車両の速度、加速、移動方向、位置等を含み得る。実際の走行では、使用するための特定の運転ポリシーを道路の静的層情報及び/又は道路の動的層情報、例えば、使用するための特定の自動運転レベルに基づいて決定する必要がある。
【0052】
本出願の実施形態で提供される自動運転方法は、自動運転制御機能を有する別の装置(例えば、クラウドサーバ)に適用されるか又は自動運転機能を有する車両に適用される。以下で方法を具体的に説明する。
【0053】
一実施では、クラウドサーバは、本願の実施形態で提供される自動運転方法を実施するように構成されている。ターゲット車両が走行する第1の道路区画(第1の道路区画は走行情報における任意の道路区画である)に対応する第1の運転ポリシーは、クラウドサーバに記憶される自動運転マップ層を用いて又は自動運転ポリシーの層であって、クラウドサーバによって受信され、他の装置によって伝送される層を用いることにより取得され、第1の運転ポリシーはターゲット車両に送信される。ここでは、第1の運転ポリシーは、ターゲット車両に第1の運転ポリシーに従って自動運転を行うよう示すために用いられる。加えて、第1の道路区画が、ターゲット車両が走行する道路区画の場合、クラウドサーバは、ターゲット車両が第1の道路区画を走行するために用いられる第2の運転ポリシーをさらに取得し得る。第2の運転ポリシーは、リアルタイムで得られるセンサデータに基づいてターゲット車両によって決定される。第1の運転ポリシーと第2の運転ポリシーとの類似性があらかじめ設定された条件を満たすと判定された場合、クラウドサーバは、ターゲット車両に速やかに情報を送信し、第2の運転ポリシーを第1の運転ポリシーに切り替えるためのプロンプト情報をターゲット車両に送信する。本願の実施形態では、第1の運転ポリシーと第2の運転ポリシーとの類似性が予め設定された条件を満たすことは、第1の運転ポリシーと第2の運転ポリシーとの類似性が特定の第1の閾値を満たすことを含み得るか又は第1の運転ポリシーと第2の運転ポリシーとの類似性が機能関係を満たすことを含み得る。これは、本願の実施形態では具体的に限定されない。この実施では、ターゲット車両の自動運転のリスクを軽減できる。
【0054】
一実施では、ターゲット車両はクラウドサーバによって送信される自動運転マップを受信し、自動運転マップから、ターゲット車両が走行する第1の道路区画に対応する第1の運転ポリシーを取得し、その後に、第1の運転ポリシーに従ってターゲット車両で自動運転を行い得る。加えて、ターゲット車両のために、ターゲット車両は、リアルタイムで得られるセンサデータを用いることにより第2の運転ポリシーをさらに取得し得る。第1の運転ポリシーと第2の運転ポリシーとの類似性が特定の第1の閾値よりも大きいと判定された場合、ターゲット車両は、第1の運転ポリシーに従ってターゲット車両で自動運転を行い得るか又は第2の運転ポリシーに従ってターゲット車両で自動運転を行い得る。第1の運転ポリシーと第2の運転ポリシーとの類似性が特定の第1の閾値未満であると判定された場合、ターゲット車両は、第1の運転ポリシーに従ってターゲット車両で自動運転を行う。この実施では、ターゲット車両の自動運転のリスクを軽減できる。
【0055】
図1eは、本願の一実施形態に係る自動運転システムのネットワークアーキテクチャの概略図である。
図1eに示すように、自動運転システムのアーキテクチャは、車両10(すなわち、車両1)、車両2、車両M(Mは0より大きい整数であり、図に示す車両の数は説明のための一例であり、限定をなすものではない)及びクラウドサーバ20を含む。実際の用途では、クラウドサーバ20は、有線ネットワーク又は無線ネットワークを用いることにより、複数の車両10への通信接続を確立し得る。
【0056】
本願のこの実施形態では、
図1eに示すように、車両10は自動運転装置110を含む。
【0057】
本願のこの実施形態では、クラウドサーバ20は、自動運転ポリシー層に含まれる多次元データを用いることにより、クラウドサーバ20に記憶され、車両1、車両2及び車両Mを制御するために(例えば、運転ポリシーを用いることにより、どのように移動するか車両に示す)車両の自動運転を制御するために用いられる関連プログラムを実行し得る。車両の自動運転を制御するための関連プログラムは、自律走行車両と道路上の障害物との間のやりとりを管理するためのプログラム、自律走行車両の経路又は速度を制御するためのプログラム又は自律走行車両と道路上の他の自律走行車両とのやりとりを制御するためのプログラムであり得る。
【0058】
別の例では、クラウドサーバは、車両が走行する道路区画(例えば、第1の道路区画)の層情報を自動運転層から取得し、次いで、車両が走行する第1の道路区画の層情報に基づいて自律走行車両に送信する。例えば、クラウドサーバは、第1の道路区画の動的層情報(例えば、落下物を含む動的レイヤ情報)を用いることにより、前方に障害物があると判定し、障害物をバイパスする方法を自律走行車両に通知する。別の例では、クラウドサーバは、第1の道路区画の動的層情報(例えば、路面情報を含む動的層情報)を用いることにより、路面が浸水していると判定し、浸水した路面を走行する方法を自律走行車両に通知する。クラウドサーバは、所与のシナリオで車両がどのように移動すべきかを示すために、自律走行車両に応答を送信する。例えば、第1の道路区画の層情報に基づいて、クラウドサーバは、道路上に一時駐車標識があると判定し、自律走行車両にどのように道路をバイパスかを通知し得る。これに対応して、クラウドサーバは、自律車両が閉鎖道路区画(又は障害物)を通過するために自律走行車両によって用いられる推奨運転モード(例えば、他の道路への車線変更を行うよう車両に示す)を送信する。実際の用途では、クラウドサーバは、該エリアで同じ障害物に遭遇し得る別の車両に推奨運転モードをさらに送信して、別の車両が閉鎖車線を特定し、どのように車線を通過かを知るのを支援し得る。
【0059】
図1fは、本願の一実施形態に係る自動運転装置100の機能ブロック図である。一部の実施では、自動運転装置100は、完全自動運転モード、部分的自動運転モード又は手動運転モードとして構成され得る。表1においてSAEで提案される自動運転レベルを一例として用いる。完全自動運転モードはL5であってもよく、これは、車両が全ての運転操作を遂行することを示し、人間の運転手は運転手の注意を維持する必要がない。部分的自動運転モードは、L1、L2、L3、L4であり得る。L1は、ハンドル及び加速/減速で運転のための1つの操作を提供し、残りの操作は人間の運転手が行うことを意味する。L2は、ハンドル及び加速/減速で運転のための複数の操作を提供し、残りの操作は人間の運転手が行う。L3は大半の運転操作を遂行し、人間の運転手は緊急のために運転手の注意を維持する必要があることを示す。L4は、車両が全ての運転操作を遂行し、人間の運転手は運転手の注意を維持する必要がないことを示すが、道路及び環境条件は限定されている。手動運転モードはL0であってもよく、人間の運転手が車両を完全に運転することを示す。
【0060】
実際の用途では、自動運転装置100は、自動運転モードの間に自動運転装置100を制御し、人間の操作を用いることにより車両の現在の状態及び周囲環境を判定し、周囲環境における少なくとも別の車両の可能な挙動を判定し、他の車両が可能な挙動を行う可能性に対応する信頼レベルを判定し、決定された情報に基づいて自動運転装置110を制御し得る。自動運転装置110が完全自動運転モードにある場合、自動運転装置110は、人間とのやりとりなしで動作し得る。
【0061】
自動運転装置110は、走行システム102、センサシステム104、制御システム106、1つ以上の周辺装置108、電源110、コンピュータシステム112及びユーザインターフェイス116等の複数のサブシステムを含み得る。一部の実施では、自動運転装置110はより多くの又はより少ないサブシステムを含んでもよく、各サブシステムは複数の要素を含み得る。加えて、自動運転装置110のサブシステム及び要素は、有線又は無線で相互接続され得る。
【0062】
本願のこの実施形態では、走行システム102は、自動運転装置110が動くための電力を提供するコンポーネントを含み得る。一部の実施では、走行システム102は、エンジン118、エネルギー源119、駆動装置120及びホイール/タイヤ121を含み得る。エンジン118は、内燃エンジン、電気モーター、空気圧縮エンジン又は他の種類のエンジンの組み合せ、例えば、ガソリンエンジン及び電気モーターを含むハイブリッドエンジン又は内燃エンジン及び空気圧縮エンジンを含むハイブリッドエンジンであり得る。実際の用途では、エンジン118は、エネルギー源119を機械的エネルギーに変換する。
【0063】
本願のこの実施形態では、エネルギー源119は、限定されないが、ガソリン、ディーゼル、他の石油系燃料、プロパン、他の圧縮ガス系燃料、エタノール、ソーラーパネル、バッテリ及び他の電源を含み得る。エネルギー源119は、自動運転装置110の別のシステムのためにエネルギーをさらに供給し得る。
【0064】
本願のこの実施形態では、駆動装置120は、機械的な動力をエンジン118からホイール121に伝達し得る。駆動装置120は、ギアボックス、差動装置及び駆動シャフトを含み得る。一部の実施では、駆動装置120は、クラッチ等の別のコンポーネントをさらに含み得る。駆動シャフトは、1つ以上のホイール121に連結され得る1つ以上のシャフトを含み得る。
【0065】
本願のこの実施形態では、センサ104は、自動運転装置110の周囲環境に関する情報を感知するいくつかのセンサを含み得る。例えば、センサシステム104は、ポジショニングシステム122(ここでは、ポジショニングシステムはGPSシステムであり得るか又はBeiDouシステム若しくは他のポジショニングシステムであり得る)、慣性測定ユニット124(Inertial
measurement system、IMU)、レーダ126、レーザレンジファインダ128及びカメラ130を含み得る。センサシステム104は、監視される自動運転装置110の内部システムのセンサ、例えば、車載空気品質モニタ、燃料計及び油温計をさらに含み得る。センサからの1つ以上のセンサデータを用いて、オブジェクト及びその対応する特徴(例えば、位置、形状、方向及び速度)が検出され得る。検出及び識別は、自動運転装置110の安全な動作のための重要な機能である。
【0066】
本願のこの実施形態では、ポジショニングシステム122は、自動運転装置110の地理的位置を推定するように構成され得る。IMU124は、慣性加速度に基づいて自動運転装置110の位置及び向きの変化を感知するように構成されている。一部の実施では、IMU124は、加速度計とジャイロスコープとの組み合わせであり得る。
【0067】
本願のこの実施形態では、レーダ126は、無線信号を用いることにより、自動運転装置110の周囲環境内のオブジェクトを感知し得る。一部の実施では、オブジェクトを感知することに加えて、レーダ126は、オブジェクトの速度及び/又は進行方向を感知するようにさらに構成され得る。
【0068】
本願のこの実施形態では、レーザレンジファインダ128は、レーザを用いることによって、自動運転装置110が位置する環境内のオブジェクトを感知し得る。一部の実施では、レーザレンジファインダ128は1つ以上のレーザ源、レーザスキャナ、1つ以上の検出器及び別のシステムコンポーネントを含み得る。
【0069】
本願のこの実施形態では、カメラ130は、自動運転装置110の周囲環境の複数の画像を取り込むように構成され得る。一部の実施では、カメラ130は静止カメラ又はビデオカメラであり得る。これは、本願のこの実施形態では具体的に限定されない。
【0070】
本願のこの実施形態では、制御システム106は、自動運転装置110及びコンポーネントの動作を制御し得る。制御システム106は、ステアリングシステム132、スロットル134、ブレーキユニット136、コンピュータビジョンシステム140、経路制御システム142及び障害物回避システムを含む様々な要素を含み得る。
【0071】
本願のこの実施形態では、ステアリングシステム132は、自動運転装置110の進行方向を調節するように操作され得る。例えば、一実施形態では、ステアリングシステム132はステアリングホイールシステムであり得る。
【0072】
本願のこの実施形態では、スロットル134は、エンジン118の動作速度を制御し、自動運転装置110の速度を制御するように構成されている。
【0073】
本願のこの実施形態では、ブレーキユニット136は、自動運転装置110の速度を制御するように構成されている。ブレーキユニット136は、摩擦を利用してホイール121を減速させ得る。一部の実施では、ブレーキユニット136は、ホイール121の運動エネルギーを電流に変換し得る。ブレーキユニット136は、自動運転装置110の速度を制御するために、ホイール121の回転速度を別の形態で低下され得る。
【0074】
本願のこの実施形態では、コンピュータビジョンシステム140は、自動運転装置110の周囲環境内のオブジェクト及び/又は特徴を識別するために、カメラ130によって取り込まれた画像を処理及び分析するように動作し得る。一部の実施では、本明細書で言及したオブジェクト及び/又は特徴は、限定されないが、交通信号、道路境界及び障害物を含み得る。コンピュータビジョンシステム140は、オブジェクト認識アルゴリズム、ストラクチャーフロムモーション(Structure from Motion、SFM)アルゴリズム、ビデオトラッキング及び他のコンピュータビジョン技術を用いり得る。一部の実施では、コンピュータビジョンシステム140は、環境をマッピングし、オブジェクトを追跡し、オブジェクトの速度を推定する等として構成され得る。
【0075】
本願のこの実施形態では、経路制御システム142は、自動運転装置110の走行ルートを決定するように構成されている。一部の実施形態では、経路制御システム142は、センサからのデータ、ポジショニングシステム122及び1つ以上の所定のマップに基づいて、自動運転装置110のための走行経路を決定し得る。
【0076】
本願のこの実施形態では、障害物回避システム144は、自動運転装置110の環境内の潜在的な障害物を別の方法で識別、評価、回避又はバイパスするように構成され得る。
【0077】
一部の実施では、制御システム106は、
図1fで図示説明したもの以外のコンポーネントを追加し得るか又は代替的に含み得ることが理解されよう。あるいは、制御システム106は、前述のコンポーネントの一部を含まなくてもよい。
【0078】
本願のこの実施形態では、自動運転装置110は、周辺装置108を用いることにより、外部センサ、別の車両、別のコンピュータシステム又はユーザとやりとりする。周辺装置108は、無線通信システム146、車載コンピュータ148、マイクロホン150及び/又はラウドスピーカ152を含み得る。
【0079】
一部の実施では、周辺装置108は、自動運転装置110のユーザとユーザインターフェイス116とのやりとりのための手段を提供する。例えば、車載コンピュータ148は、自動運転装置110のユーザに情報を提供し得る。ユーザインターフェイス116は、ユーザ入力を受けるために車載コンピュータ148をさらに動作させ得る。車載コンピュータ148は、タッチスクリーンを介して動作を行い得る。別の場合では、周辺装置108は、自動運転装置110と車両内の別の装置との間の通信のための手段を提供し得る。例えば、マイクロホン150は、オーディオ、例えば、音声コマンド又は他のオーディオ入力を、自動運転装置110のユーザから受信し得る。同様に、ラウドスピーカ150は、自動運転装置110のユーザに音声を出力し得る。
【0080】
本願のこの実施形態では、無線通信システム146は、1つ以上の装置と直接又は通信ネットワークを用いることにより無線通信し得る。例えば、無線通信システム146は、CDMA、EVDO、GSM/GPRS等の3Gセルラ通信又はLTE等の4Gセルラ通信を用いり得るか又は5Gセルラネットワークを介して通信を行い得る。一部の実施では、無線通信システム146は、Wi-Fiを介して無線ローカルエリアネットワーク(Wireless local area network、WLAN)と通信し得る。一部の実施では、無線通信システム146は、赤外線リンク、Bluetooth又はZigBeeを介して装置と直接通信し得る。様々な車両通信システム等の他の無線プロトコルを用いてもよく、例えば、無線通信システム146は、1つ以上の専用短距離通信(Dedicated short-range communications、DSCR)装置を含み得る。
【0081】
本願のこの実施形態では、電源110は、自動運転装置110の様々なコンポーネントに電力を供給し得る。一部の実施形態では、電源110は再充電可能なリチウムイオン又は鉛酸バッテリであり得る。バッテリの1つ以上のバッテリパックは、自動運転装置110の様々なコンポーネントに電力を供給するための電源として構成され得る。一部の実施では、電源110及びエネルギー源119は共に実施されてもよく、例えば、一部のバッテリ電気自動車の場合のように共に構成され得る。
【0082】
本願のこの実施形態では、自動運転装置110の一部または全部の機能はコンピュータシステム112によって制御される。コンピュータシステム112は、少なくとも1つのプロセッサ113を含むことができる。プロセッサ113は、データ記憶装置114のような非過渡的なコンピュータ読み取り可能媒体に記憶された命令115を実行する。コンピュータシステム112は、分散方式で自動運転装置110の個々の構成要素又はサブシステムを制御する複数の計算装置であってもよい。
【0083】
一部の実施では、プロセッサ113は、市販の中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)等の任意の従来のプロセッサであり得るか又は別の汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit、ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(Field-Programmable Gate Array、FPGA)又は別のプログラマブル論理デバイス、個別ゲート又はトランジスタ論理デバイス、個別ハードウェアコンポーネント等であり得る。
図1fは、同じ物理的ハウジング内のプロセッサ、メモリ及び他の要素を機能的に示しているが、当業者は、プロセッサ、コンピュータシステム又はメモリは、同じ物理的ハウジング内に収容されない場合がある複数のプロセッサ、コンピュータシステム又はメモリを代替的に含むことを理解すべきである。例えば、メモリは、ハードディスクドライブ又は異なる物理的ハウジング内に位置する別の記憶媒体であり得る。したがって、プロセッサ又はコンピュータシステムへの参照は、並列で動作可能な一組のプロセッサ又はコンピュータシステム又はメモリへの参照又は並列で動作しないことがある一組のプロセッサ又はコンピュータシステム又はメモリへの参照を含むことが理解されよう。本明細書で説明するステップを実行するために単一のプロセッサを用いることとは異なり、ステアリングコンポーネント及び減速コンポーネント等の一部のコンポーネントはそれぞれのプロセッサを含み得る。プロセッサは、コンポーネント固有の機能に関連する計算のみを行う。
【0084】
本明細書で説明する様々な態様では、プロセッサ113は車両から遠く離れて位置し、車両と無線通信を行い得る。他の態様では、本明細書で説明するプロセスの一部は、車両に配置されるプロセッサによって実行され、単一の操作を行うステップを含む他のプロセスは、リモートプロセッサによって実行される。
【0085】
一部の実施では、データ記憶装置114は、命令115(例えば、プログラム論理)を含んでもよく、命令115は、上述の機能を含む自動運転装置110の様々な機能を行うためにプロセッサ113によって実行され得る。データ記憶装置114は、走行システム102、センサシステム104、制御システム106及び周辺装置108のうちの1つ以上にデータを送信するため、データを受信するため、やりとりするため及び/又は制御するための命令を含む追加の命令も含み得る。
【0086】
命令115に加えて、データ記憶装置114は、ロードマップ、経路メッセージ、車両の位置、方向及び速度、他の車両データ及び他の情報等のデータをさらに記憶し得る。情報は、自動運転装置110が自動モード、半自動モード及び/又は手動モードで動作している場合に、自動運転装置110及びコンピュータシステム112によって用いられ得る。
【0087】
例えば、本願のこの実施形態では、データ記憶装置114は、センサ104又は自動運転装置110の別のコンポーネントから車両の環境情報を得る。環境情報は、例えば、車線情報、車線の数、道路境界情報、道路走行パラメータ、交通信号、緑地帯情報及び車両が現在位置する環境に歩行者又は車両があるかどうかであり得る。データ記憶装置114は、車両のステータス情報及び車両とやりとりする他の車両のステータス情報をさらに記憶し得る。ステータス情報は、限定されないが、車両の速度、加速度及び進行角度を含み得る。例えば、車両は、レーダ126の速度測定及び距離測定等の機能に基づいて、別の車両と車両との間の距離及び別の車両の速度を取得し得る。この場合、プロセッサ113は、データ記憶装置114から車両データを取得し、車両の環境情報に基づいて、安全要件を満たす運転ポリシーを決定し得る。
【0088】
本願のこの実施形態では、ユーザインターフェイス116は、自動運転装置110のユーザに情報を提供するか又は情報を受け取るように構成されている。一部の実施では、ユーザインターフェイス116は、一組の周辺装置108内に1つ以上の入出力装置、例えば、無線通信システム146、車載コンピュータ148、マイクロホン150及びラウドスピーカ152のうちの1つ以上を含み得る。
【0089】
本願のこの実施形態では、コンピュータシステム112は、様々なサブシステム(例えば、走行システム102、センサシステム104及び制御システム)及びユーザインターフェイス116から受信した入力に基づいて、自動運転装置110の機能を制御し得る。例えば、コンピュータシステム112は、センサシステム104及び障害物回避システム144によって検出される障害物を回避するために、制御システム106からの入力を用いることによりステアリングシステム132を制御し得る。一部の実施では、コンピュータシステム112は、自動運転装置110及びそのサブシステムの多くの態様のための制御を提供するように操作され得る。
【0090】
一部の実施では、前述のコンポーネントのうちの1つ以上は、自動運転装置110とは別個に搭載され得るか又は自動運転装置110と関連付けられ得る。例えば、データ記憶装置114は、自動運転装置110から部分的に又は完全に分離され得る。前述のコンポーネントは、有線及び/又は無線で互いに通信可能に連結され得る。
【0091】
一部の実施では、前述のコンポーネントは一例にすぎない。実際の用途では、前述のモジュールのコンポーネントは、実際の要件に基づいて追加又は削除され得る。
図1fは、本願のこの実施形態に対する限定として理解すべきでない。
【0092】
道路上を走行する自律走行車両、例えば自動運転装置110は、自動運転装置110の現在の運転速度を調整するかどうかを決定するために、自律走行車両の周囲環境内のオブジェクトを識別し得る。ここで、オブジェクトは別の車両、交通制御装置又は別の種類のオブジェクトであり得る。一部の実施では、各識別されたオブジェクトは独立して考慮されてもよく、自律走行車両の調整されるべき速度は、オブジェクトのそれぞれの特徴、例えば、オブジェクトの現在の運転データ、オブジェクトの加速度又はオブジェクトと車両との間の距離に基づいて決定される。
【0093】
一部の実施では、自動運転装置110又は自動運転装置110に関連するコンピュータ装置(例えば、コンピュータシステム112、コンピュータビジョンシステム140又は
図1fに示すデータ記憶装置114)は、識別されたオブジェクトの特徴及び周囲環境の状態(例えば、道路上の交通、雨及び氷)に基づいて識別されたオブジェクトの挙動を予測し得る。一部の実施では、識別されたオブジェクトは互いの挙動に依存する。したがって、全ての識別されたオブジェクトは、単一の識別されたオブジェクトの挙動を予測するために共に考慮され得る。自動運転装置110は、識別されたオブジェクトの予測された挙動に基づいて自動運転装置110の速度を調整できる。つまり、自動運転装置110は、オブジェクトの予測された挙動に基づいて、車両を調整する必要がある特定の安定状態(例えば、調整動作は、加速動作、減速動作又は停止動作を含み得る)を決定できる。このプロセスでは、自動運転装置110の速度を決定するために別の要因、例えば、走行道路上の自動運転装置110の横方向位置、道路の曲率、自動運転装置110と静的及び動的オブジェクトのそれぞれとの間の近接性が考慮され得る。
【0094】
自律走行車両の速度を調整するための命令を提供することに加えて、コンピュータ装置は、自律走行車両が所与の軌道に追従するように及び/又は自律走行車両の近くのオブジェクト(例えば、道路上の隣接する車線にある車両)から安全な横方向及び縦方向距離が維持されるように、車両100の操舵角を修正するための命令をさらに提供し得る。
【0095】
本願のこの実施形態では、前述の自動運転装置110は、自動車、トラック、オートバイ、バス、ボート、航空機、ヘリコプタ、芝刈り機、レクリエーション用車両、プレイグラウンド車両、建設装置、トロリー、ゴルフカート、列車、ハンドカート等であり得る。これは、本願のこの実施形態では具体的に限定されない。
【0096】
一部の実施では、自動運転装置110は、ハードウェア構造、ソフトウェアモジュール又はハードウェア構造プラスソフトウェアモジュールの形態で前述の機能を実施するために、ハードウェア構造及び/又はソフトウェアモジュールをさらに含み得る。前述の機能における特定の機能がハードウェア構造、ソフトウェアモジュール又はハードウェア構造とソフトウェアモジュールとの組み合わせを用いることにより行われるかどうかは、技術的解決策の特定の用途及び設計上の制約に依存する。
【0097】
図1fは、自動運転装置110の機能ブロック図である。自動運転装置110の自動運転システム101について以下で説明する。
図1gは、本願の一実施形態に係る自動運転システムの構造の概略図である。
図1f及び
図1gは、自動運転装置110を異なる観点から記載し、例えば、
図1gのコンピュータシステム101は、
図1fのコンピュータシステム112である。
図1gに示すように、コンピュータシステム101はプロセッサ103を含み、プロセッサ103はシステムバス105に連結されている。プロセッサ103は1つ以上のプロセッサであってもよく、各プロセッサは1つ以上のプロセッサコアを含み得る。ビデオアダプタ(video adaptor)107はディスプレイ109を駆動してもよく、ディスプレイ109はシステムバス105に連結されている。システムバス105は、バスブリッジ111を介して入出力(I/O)バス113に連結されている。I/Oインターフェイス115はI/Oバスに連結されている。入出力インターフェイス115は、複数のI/O装置、例えば、入力装置117(キーボード、マウス及びタッチスクリーン等)及びマルチメディアトレイ(media tray)121(CD-ROM及びマルチメディアインターフェイス等)と通信する。(無線通信信号を送受信し得る)トランシーバ123、(静的及び動的デジタルビデオ画像を取り込み得る)カメラ155及び外部USBインターフェイス125が設けられている。任意で、I/Oインターフェイス115に接続されたインターフェイスはUSBインターフェイスであり得る。
【0098】
プロセッサ103は、縮小命令セットコンピューティング(「RISC」)プロセッサ、複雑命令セットコンピューティング(「CISC」)プロセッサ又はそれらの組み合わせを含む任意の従来のプロセッサであり得る。任意で、プロセッサは、特定用途向け集積回路(「ASIC」)等の専用装置であり得る。任意で、プロセッサ103は、ニューラルネットワークプロセッサ又はニューラルネットワークプロセッサと前述の従来のプロセッサとの組み合わせであり得る。
【0099】
任意で、本明細書で説明する様々な実施形態において、コンピュータシステム101は、自律走行車両から離れて位置していてもよく、自律走行車両100と無線で通信し得る。他の態様では、本明細書で説明するプロセスのうちの一部は、自律走行車両内に配置されたプロセッサで行われ、単一の動作を行うためのアクションをとることを含む他のものは、遠隔プロセッサによって行われる。
【0100】
コンピュータ101は、ネットワークインターフェイス129を用いることによりソフトウェア配備サーバ149と通信し得る。ネットワークインターフェイス129はハードウェアネットワークインターフェイス、例えば、ネットワークインターフェイスカードである。ネットワーク127は、インターネット等の外部ネットワークであり得るか又はイーサネット若しくは仮想プライベートネットワーク(VPN)等の内部ネットワークであり得る。任意で、ネットワーク127は、Wi-Fiネットワーク又はセルラネットワーク等の無線ネットワークであり得る。
【0101】
ハードディスクドライブインターフェイスがシステムバス105に連結されている。ハードウェアドライバインターフェイスはハードディスクドライブに接続されている。システムメモリ135がシステムバス105に連結されている。システムメモリ135内で実行されるデータは、コンピュータ101のオペレーティングシステム137及びアプリケーション143を含み得る。
【0102】
オペレーティングシステムはシェル(Shell)139及びカーネル(kernel)141を含む。シェル139は、ユーザとオペレーティングシステムのカーネル(kernel)との間のインターフェイスである。シェルは、オペレーティングシステムの最外層である。シェルは、ユーザとオペレーティングシステムとのやりとりを管理し、ユーザの入力を待ち、オペレーティングシステムのためのユーザの入力を解釈し、オペレーティングシステムの様々な出力を処理する。
【0103】
カーネル141は、メモリ、ファイル、周辺機器及びシステムリソースを管理するように構成されたオペレーティングシステムのコンポーネントを含む。カーネルはハードウェアと直接やりとりする。オペレーティングシステムのカーネルは、通常、プロセスを実行し、プロセス間の通信を提供し、CPU時間スライス管理、割り込み、メモリ管理、I/O管理等を提供する。
【0104】
アプリケーション141は、車両の自動運転を制御するための関連プログラム、例えば、自律走行車両と道路上の障害物とのやりとりを管理するためのプログラム、自律走行車両の経路又は速度を制御するためのプログラム又は自律走行車両と道路上の他の自律走行車両とのやりとりを制御するためのプログラムを含む。アプリケーション141は配備サーバ149のシステム内にも存在する。一実施形態では、アプリケーション141を実行する必要がある場合、コンピュータシステム101は配備サーバ14からアプリケーション141をダウンロードし得る。
【0105】
別の例として、アプリケーション141は、リアルタイムで得られるセンサデータに基づいて運転ポリシーを計算するために車両を制御するアプリケーションであり得る。リアルタイムで得られるセンサデータは、環境情報、ターゲット車両のステータス情報及びターゲット車両と潜在的にやりとりするターゲットオブジェクトのステータス情報を含み得る。具体的には、環境情報は、ターゲット車両が現在位置する環境に関する情報(例えば、緑地帯分布、車線及び信号機)であり、ステータス情報は、限定されないが、車両の速度、加速度及び進行角度を含み得る。例えば、車両は、レーダ126の速度測定及び距離測定の等の機能に基づいて、別の車両と当該車両との間の距離及び別の車両の速度を得る。コンピュータシステム101のプロセッサ103はアプリケーション141を起動して、第2の運転ポリシーを取得し得る。
【0106】
一部の実施では、自動運転ポリシー層はよりリッチ情報を含み、道路の静的層情報は、自動運転の間に、走行経路を効率的に決定でき、障害物を回避できることを確実にし、道路の動的層情報は、自動運転の間に予期しない状況に対して適時に対応できることを確実にする。したがって、この実施では、センサの知覚欠陥を克服できるため、第1の運転ポリシーの精度は概して第2の運転ポリシーの精度よりも高いことがわかる。この場合、アプリケーション141は、さらに、クラウドサーバによって送信される第1の運転ポリシー及び第2の運転ポリシー(ここでは、第2の運転ポリシーは、リアルタイムに得られるセンサデータを用いることによって車両によって決定される)に従って、最終的な運転ポリシーを決定するために車両を制御するのに用いられるアプリケーションであり得る。具体的には、第1の運転ポリシーと第2の運転ポリシーとの類似性が特定の第1の閾値よりも大きい場合、アプリケーション141は、第1の運転ポリシー又は第2の運転ポリシーが最終的な運転ポリシーであると判定する。第1の運転ポリシーと第2の運転ポリシーとの類似性が特定の第1の閾値未満の場合、アプリケーション141は、第1の運転ポリシーが最終的な運転ポリシーであると判定する。
【0107】
センサ153はコンピュータシステム101に関連する。センサ153は、コンピュータ101の周囲の環境を検出するように構成されている。例えば、センサ153は、動物、自動車、障害物、歩行者横断歩道等を検出できる。また、センサは、動物、自動車、障害物、又は歩行者横断歩道の周囲環境を検出できる。例えば、センサ153は、周囲環境内の他の動物といった動物の周囲環境、天候条件及び周囲環境の明るさを検出できる。任意で、コンピュータ101が自動運転自動車内に位置する場合、センサ153は、カメラ、赤外線センサ、化学検出器、マイクロホン等であり得る。起動されると、センサ153は予め設定された間隔で情報を感知し、感知した情報をコンピュータシステム101にリアルタイムで提供する。
【0108】
任意で、本明細書で説明する様々な実施形態において、コンピュータシステム101は、自動運転装置110から遠く離れていてもよく、自動運転装置110と無線通信を行い得る。トランシーバ123は、自動運転タスク、センサ153によって収集されたセンサデータ、及び他のデータをコンピュータシステム101に送信し、コンピュータシステム101によって送信される制御命令をさらに受信し得る。自動運転装置は、コンピュータシステム101からトランシーバによって受信された制御命令を実行し、対応する運転操作を行い得る。他の態様では、本明細書で説明するプロセスの一部は、自律走行車両内に配置されるプロセッサによって実行され、単一の動作を行うためのアクションを含む他のプロセスは、遠隔プロセッサによって実行される。
【0109】
図1eに示されたシステムアーキテクチャに基づき且つ
図2の本願の一実施形態に係る自動運転方法の概略フローチャートを参照しながら、本願のこの実施形態における車両の自動運転がどのように実施されるかを以下で具体的に説明する。本方法は、限定されないが、以下のステップを含み得る。
【0110】
ステップS200:ターゲット車両は、ターゲット車両の車両属性情報及び走行情報をクラウドサーバに報告する。
【0111】
ステップS202:クラウドサーバは、ターゲット車両によって報告されたターゲット車両の車両属性情報及び走行情報を受信し、ターゲット車両の車両属性情報は、自動運転ポリシーを生成するために用いられる。
【0112】
本願のこの実施形態では、ターゲット車両は、
図1eに示すシステムアーキテクチャにおける複数の自律走行車両のうちのいずれか1つである。
【0113】
本願のこの実施形態では、走行情報は、ターゲット車両の走行を示すために用いられる。1つの例では、走行情報はターゲット車両の現在位置を含み得る。例えば、現在位置は2次元配列で表される座標値(X、Y)であり、Xは経度値で、Yは緯度値である。1つの例では、走行情報は開始位置及び目的地位置を含み得る。例えば、開始位置は2次元配列で表される座標値(X1、Y1)であり、目的地位置は2次元配列で表される座標値(X2、Y2)であり、X1、X2は経度値、Y1、Y2は緯度値である。1つの例では、走行情報は、開始位置から目的地位置までの計画走行道路区画であってもよく、計画走行道路区画は、方向を有する連続ベクトル線である。例えば、開始位置はA、目的地位置はB、計画走行道路区画は方向を有する連続ベクトル線A-C-D-E-Bである。走行情報がターゲット車両の現在位置の場合、車載端末は、位置センサによって得られた走行情報をサーバに送信し得る。走行情報が、ターゲット車両の開始位置及びターゲット位置又は開始位置から目的地位置までの計画走行道路区間の場合、ターゲット車両は、車載ナビゲーション(例えば、GPSシステム、BeiDouシステム又は他のポジショニングシステム)によって決定される走行情報をサーバに送信し得る。例えば、ユーザは、ターゲット車両の車載ナビゲーションに開始位置及び目的地位置を入力し、車載ナビゲーションは、ユーザによって入力された開始位置及び目的地位置を走行情報として決定する。別の例として、ユーザは、開始位置から目的地位置までの計画走行道路区画をターゲット車両の車載ナビゲーションから選択し、車載ナビゲーションは、ユーザによって選択された計画走行道路区画を走行情報として決定する。
【0114】
本願のこの実施形態では、車両属性情報は自動運転ポリシーを示すために用いられる。例えば、自動運転ポリシーは、ターゲット車両がサポート可能な自動運転ポリシーを含み得る。具体的には、ターゲット車両の車両属性情報は、ターゲット車両の自動運転能力、ターゲット車両のセンサ分布情報及びターゲット車両内の運転手の運転状態のうちの少なくとも1つを含み得る。ターゲット車両の自動運転能力は、ターゲット車両がサポート可能な最高の自動運転レベルである。ターゲット車両のセンサ分布情報は、センサの種類、数、配置位置等を含み得る。運転手の運転状態は、車両内の運転手の疲労度、車両内の運転手の運転能力等を含み得る。
【0115】
次に、ターゲット車両のセンサ分布情報を詳細に説明する。例えば、ターゲット車両は1つ以上の車両速度センサを含み、車両速度センサは、車両の運転速度を検出するためにターゲット車両内に分布し得る。ターゲット車両は1つ以上の加速度センサを含み、加速度センサは、運転プロセスにおける車両の加速度を検出するためにターゲット車両内に分布し得る。例えば、加速度は、非常ブレーキの場合の加速度である。ターゲット車両は1つ以上のビデオセンサを含み、ビデオセンサは、車両の周囲環境の画像データを取得し且つ監視するために、ターゲット車両の外側に分布し得る。ターゲット車両は1つ以上のレーダセンサを含み、レーダセンサは車両の周囲環境の電磁波データを取得し且つ監視するために、ターゲット車両全体の外側に分布し得る。周囲のオブジェクトと車両との距離及び周囲のオブジェクトの形状等の様々なデータは、主に、電磁波を送信し、周囲のオブジェクトによって反射された電磁波を受信することによって検出される。複数のレーダセンサがターゲット車両全体の外側に分散する例を用いる。複数のレーダセンサのサブセットは、車両の前方にあるオブジェクトを特定するために、車両の前側に連結される。車両が後方に移動する場合に車両の後ろにあるオブジェクトを特定するために、1つ以上の他のレーダセンサが車両の後ろ側に位置し得る。側方から車両に接近する別の車両等のオブジェクトを特定するために、別のレーダセンサが車両の側部に位置し得る。例えば、光検出及び測距(light detection and ranging、LIDAR)センサが車両10に搭載され得る。例えば、LIDARセンサは、車両10の上部の回転構造に取り付けられる。LIDARセンサ120は、車両の移動に伴って車両の周りのオブジェクトの全てを連続的にマッピングするために、車両の周りに360°モードで光信号を伝送するために回転される。例えば、ターゲット車両は、カメラ、ビデオカメラ、又は他の同様の画像収集センサ等の撮像センサを含み、画像センサは、車両の移動に伴って画像を取り込みために車両に搭載され得る。車両の周囲の画像を360°モードで取り込むために、複数の撮像センサを車両の全ての側に設置してもよい。撮像センサは可視スペクトル画像だけでなく赤外スペクトル画像も取り込む。例えば、ターゲット車両は、全地球測位システム(Global Positioning System、GPS)センサ(又はBeiDouシステムセンサ)を含み、センサは、車両の位置に関する地理的座標及び座標の生成時間をコントローラに提供するために車両上に位置し得る。GPSは、GPS衛星信号を受信するためのアンテナ及びアンテナに連結されたGPS受信機の両方を含む。例えば、オブジェクトが画像内又は他のセンサによって観察された場合、GPSは、発見の地理的座標及び時間を提供し得る。
【0116】
ドライバの運転状態を一例として用いる。ターゲット車両内の運転手の疲労度は、軽度の疲労度、中度の疲労度、重度の疲労度及び良好な状態のいずれか1つであり得る。実際の用途では、先ず、運転手の顔の画像を取得し、次に取得した運転手の顔の画像を識別して運転手の疲労度を判定する。運転手の顔の画像の分類結果が特定された後で、列挙値を用いることにより、運転手の様々な種類の運転状態が表され得る。例えば、0は良好な状態を表し、1は軽度の疲労度を表し、2は中度の疲労度を表し、3は重度の疲労度を表す。ターゲット車両の運転手の運転能力は、高い運転能力、中程度の運転能力及び低い運転能力のうちの1つを含み得る。実際の用途では、運転手の運転能力は表示情報を用いることにより表され得る。例えば、00は運転手の「高い」運転能力を表し、01は運転手の「中程度の」運転能力を表し、02は運転手の「低い」運転能力を表す。あるいは、運転手の運転能力は、共同表示情報を用いることによって表され得る。なお、前述の例の全ては例に過ぎず、限定を成すものではない。
【0117】
ステップS204:クラウドサーバは、走行情報に基づいて自動運転ポリシー層から、ターゲット車両が走行する第1の道路区画の層情報を取得する。
【0118】
本願のこの実施形態では、道路区画は、点Aと点Bとの間の、方向を有する連続ベクトル線である。例えば、点Aは走行情報における開始位置であり、点Bは走行情報における目的地位置である。
【0119】
本願のこの実施形態では、クラウドサーバは、ターゲット車両によって報告される走行情報に基づいて、少なくとも1つの走行道路区間(例えば、道路区画は第1の道路区画であり、第1の道路区画は説明のための一例にすぎず、限定をなすものではない)を決定する。その後、クラウドサーバは自動運転ポリシー層から第1の道路区画の層情報を取得する。ここで、走行道路区画は、ターゲット車両が走行している道路区画を含み得るか又はターゲット車両が走行を計画している道路区画を含み得る。これは、本願のこの実施形態で具体的に限定されない。
【0120】
一部の実施では、第1の道路区画の層情報は、第1の道路区画の静的層情報を含み得る。第1の道路区画の静的層情報は、第1の道路区画のインフラ情報を示すために用いられる。一部の実施形態では、第1の道路区画の層情報は、第1の道路区画の静的層情報及び第1の道路区画の動的層情報を含む。第1の道路区画の静的層情報は第1の道路区画のインフラ情報を示すために用いられ、第1の道路区画の動的層情報は第1の道路区画の動的交通情報を示すために用いられる。
【0121】
具体的には、道路区画のインフラ情報は、車両の移動要件を満たすために関連部門(例えば、交通局又は政府の部局)が計画及び建設したインフラである。例えば、第1の道路区画のインフラ情報は、道路(高速道路、幹線道路、支線等の道路レベルを含む)、橋梁(カルバートを含む)、トンネル(監視施設、通信施設、照明施設等のトンネル電気機械設備を含む)及び交通安全工学施設(標識、標識、ガードバー等を含む)のうちの少なくとも1つを含み得る。実際の用途では、「道路」は標識Rを用いることにより表され、「橋」は標識Lを用いることにより表さ、「トンネル」は標識Uを用いることにより表され、「交通安全工学施設」は標識Jを用いることによって表され得る。例えば、第1の道路区画の静的層情報は、車線属性、道路のデジタル装置情報、緑地情報のうちの少なくとも1つを含み得る。車線属性は、基本道路の正規化情報を示すために用いられる。道路のデジタル装置情報は、道路のハードウェア設備情報を示すために用いられる。緑地帯情報は、緑地帯の位置を示すために用いられる。
【0122】
例えば、車線属性は、車線情報、車線の数、道路境界情報、道路走行パラメータ、交通信号及び障害物のうちの少なくとも1つを含み得る。車線情報は、車線位置を示すために用いられる。例えば、車線情報は、車線幅、車線角度及び曲率を含み得る。車線の数は、車線の数を示すために用いられる。道路XXは3つの車線を含むと判断できるように、例えば、3つの車線を区別するために、左左、左、右、右右等の4つの車線情報が用いられ得る。道路境界情報は、道路境界の位置を示すために用いられる。道路走行パラメータは、現在の道路区画で許容されている最高速度制限値と、現在の道路区画でサポートされている走行速度を示すために用いられる。例えば、道路区画YYの制限速度は60km/hであるか又は道路区画XYでサポート可能な走行速度は100km/h~120km/hであり、道路区画XYでサポート可能な走行速度レベルは走行速度レベル3である。交通信号は、車両の進行方向を示すために用いられる(例えば、赤信号の場合は車両が停止し、青信号の場合は車両が進行し、車両が左折し、車両が右折し、車両がUターンする)。障害物は、車両の運転境界を示すために用いられる。
【0123】
例えば、道路のデジタル装置情報は、車車間・路車間通信システムと路側機のうちの少なくとも1つを含み得る。「車車間・路車間」とは、車両と全て、すなわち、車両とX(V2X)を意味し、車両と車両、車両と基地局、車両と路側機、車両とクラウドサーバ、車両と歩行者が互いに通信し、リアルタイムの道路状況、道路情報、歩行者情報等の一連の交通情報を得ることができる高度道路交通システムのキー技術である。V2Xシステムでは、自動運転装置110は、よりリッチなリアルタイムデータを取得してもよく、リアルタイムで交通情報を分析し、最良の運転経路を選択するように構成され得る。路側機(Road Side Unit、RSU)とは、路側に設置され、短距離通信技術(例えば、セルラーV2X技術)を用いることにより車載器(On Board Unit、OBU)と通信する装置である。具体的には、ターゲット車両は、道路上のデジタル装置(例えば、路側機)と情報を交換し、ネットワークを用いてクラウドサーバと情報を交換して、走行道路区間の環境情報を適時に更新し、ターゲット車両が許容された走行領域外の非走行領域を走行すること、例えば、ターゲット車両が道路交通規制が行われる道路上を走行することを防止する。
【0124】
具体的には、道路区画の動的交通情報は、車両が走行する際の変化属性を有する交通情報である。本願のこの実施形態では、第1の道路区画の動的層情報は、ある時点(又はある期間)に関連する情報であり得るか又はある時点(又はある時間帯)に関連しない情報であり得る。例えば、第1の道路区画の動的層情報は、気象情報、路面情報、ある時間帯(例えば、第1の時間帯であり、第1の時間帯は具体的に午前8時から午前9時の期間であり得る)における第1の道路区画の渋滞状態、第1の時間帯に歩行者及び非自動車が第1の道路区画を走行する確率及び第1の時間帯に第1の道路区画で運転事故が起こる事故確率のうちの少なくとも1つを含み得る。ここで、第1の時間帯での第1の道路区画の渋滞状態は、過去の渋滞状態であり得るか又は将来の期間の渋滞状態であって、過去の渋滞状態に基づいて予測されるものであり得る。同様に、第1の時間帯に歩行者及び非自動車両が第1の時間帯に第1の道路区画を走行する確率は、歴史的な走行確率であり得るか又は将来の期間における走行確率であって、歴史的な走行確率に基づいて予測されるものであり得る。同様に、第1の時間帯に第1の道路区画で運転事故が起こる事故確率は、歴史的な事故確率であり得るか又は将来の期間における事故確率であって、歴史的な事故確率に基づいて予測されるものであり得る。
【0125】
例えば、天気情報は、晴天、曇り、大雨、霧雨及び雪を含み得る。
【0126】
例えば、路面情報は、道路遮断、道路整備、道路上の落下物及び道路浸水を含み得る。例えば、道路が遮断されている場合、車両が道路区画を走行できないことを示す。例えば、道路が整備中の場合、車両は道路区画を注意深く走行するか又は道路区画をバイパスする必要があることを示す。この場合、安全運転のために、一般的に、自動化の度合いが高い自動運転ポリシーを、自動化度合いが低い自動運転ポリシーに切り替える必要がある。例えば、完全自動運転ポリシーは、部分的自動運転ポリシーに切り替えられる。例えば、道路上に落下物がある場合、落下物のサイズが閾値よりも大きいかどうかがさらに得られる。落下物のサイズが閾値未満の場合、落下物は自動運転ポリシーに対する影響がほとんどないか又は影響を無視してもよいことを示す。例えば、落下物が紙片である場合、道路上の落下物は自動運転ポリシーの運転にほとんど影響がない。落下物のサイズが閾値よりも大きい場合、例えば落下物が石の場合、道路上の落下物は自律走行車両の運転に大きな影響がある。この場合、安全運転のためには、一般に、自動化度合いの高い自動運転ポリシーを自動化度合いの低い自動運転ポリシーに切り替える必要がある。
【0127】
本願のこの実施形態では、前述した、ある期間(例えば、第1の時間帯であり、第1の時間帯は具体的には午前8時から午前9時の時間帯であり得る)における第1の道路区画の渋滞状態、前述した、第1の時間帯に歩行者及び非自動車両が第1の道路区画を走行する確率及び前述した、第1の時間帯に第1の道路区画で運転事故が起こる事故確率は、全て第1の道路区画の統計値である。統計値(サンプル値とも呼ばれる)は、サンプル中の変数の包括的な記述又はサンプル中の全ての要素の特徴の包括的な定量的表現である。統計値はサンプルから計算され、対応するパラメータ値の推定値である。一部の実施では、第1の道路区画上の車両に関する統計は時分割を介して収集されてもよく、例えば、ある期間に第1の道路区画を走行する車両の数に関する統計が収集され、ある期間に第1の道路区画を走行する車両の自動運転ポリシーの分布に関する統計が収集される。あるいは、第1の道路区画上の車両以外の交通参加者に関する統計が時分割を介して収集されてもよく、例えば、第1の道路区画の統計値を得るために、ある期間に第1の道路区画を走行する歩行者及び非自動車両の数に関する統計が収集され得る。
【0128】
本願のこの実施形態では、道路の渋滞状態の定義のために、道路区画の交通速度が特定の閾値未満であるかどうかが判定され得る。例えば、閾値は10km/hであってもよく、道路区画の交通速度が10km/h未満であれば、道路上で渋滞が起きていることを示す。別の例では、閾値が1車線当たりの車両が20台の場合、道路上で渋滞が起きていることを示す。
【0129】
ステップS206:クラウドサーバは、第1の道路区画の層情報及びターゲット車両の車両属性情報に基づいて第1の運転ポリシーを得る。
【0130】
一部の実施では、第1の道路区画の層情報及びターゲット車両の車両属性情報に基づいて第1の運転ポリシーを得る実施ステップは、第1の道路区画の層情報及びターゲット車両の車両属性情報に基づいて第1の安全通行確率を取得し、次に、運転ポリシーと安全通行確率との対応関係に基づいて、第1の安全通行確率に対応する第1の運転ポリシーを得ることを含み得る。具体的には、クラウドサーバは、運転ポリシーと安全通過確率との対応関係を記憶する。例えば、クラウドサーバは、安全通過確率70%に対応する運転ポリシーを運転ポリシー1に設定し、クラウドサーバは、安全通過確率75%に対応する運転ポリシーを運転ポリシー2に設定し、クラウドサーバは、安全通過確率80%に対応する運転ポリシーを運転ポリシー3に設定し、クラウドサーバは、安全通過確率85%に対応する運転ポリシーを運転ポリシー4に設定し、クラウドサーバは、安全通過確率90%に対応する運転ポリシーを運転ポリシー5に設定し、クラウドサーバは、安全通過確率95%に対応する運転ポリシーを運転ポリシー6に設定する。したがって、第1の道路区画の層情報及びターゲット車両の車両属性情報に基づいてクラウドサーバによって決定された第1の安全通行確率が90%の場合、クラウドサーバは、運転ポリシーと安全通行確率との予め設定された対応関係に基づいて、第1の安全通行確率90%に対応する運転ポリシーは運転ポリシー5であると判定する。
【0131】
一部の実施では、運転ポリシーと安全通行確率との対応関係であって、クラウドサーバに記憶される対応関係は安全通行確率のインターバルと運転ポリシーとの対応関係を含む。この場合、運転ポリシーと安全通行確率との対応関係に基づいて、第1の安全通行確率に対応する運転ポリシーを得ることは、具体的には、運転ポリシーと安全通行確率の間隔との対応関係に基づいて、第1の安全通行確率に対応する運転ポリシーを検索することである。具体的には、クラウドサーバは安全通行確率を異なる確率間隔にグループ化し、各確率間隔は1つの運転ポリシーに対応する。例えば、クラウドサーバは、安全通行確率が70%以上且つ75%未満の確率間隔に対応する運転ポリシーを運転ポリシー1に設定する。
【0132】
本願のこの実施形態では、第1の道路区画の層情報及びターゲット車両の車両属性情報に基づいて第1の安全通行確率を得る実施プロセスは、第1のモデルを用いることにより第1の安全通行確率を計算することを含み得る。例えば、第1のモデルは式であってもいいし、関数モデルであってもいいし又は訓練されたニューラルネットワークモデルであってもよい。ここでは、安全通行確率を計算するために複数の方法があり得ることを理解すべきである。一実施では、第1の安全通行確率の計算は式又は関数モデルを満たし得る。
【0133】
可能な実施では、第1のモデルは、少なくとも1つの情報アイテムと、少なくとも1つの情報アイテムに対応する重みパラメータとを含む。ここで、少なくとも1つの情報アイテムは、第1の道路区画の層情報及びターゲット車両の車両属性情報に基づいて抽出される情報アイテムであり、重みパラメータは、情報アイテムが第1の安全通行確率を決定するために用いられる場合に情報項目の重要度を示すために用いられる。具体的には、第1のモデルは以下のように表され得る。
P=A1*ω1+An*ωn+・・・・・・+An*ωn (1)
ここで、A1は第1の情報アイテムを表し、ω1は第1の情報アイテムに対応する重みパラメータを表し、A2は第2の情報アイテムを表し、ω2は第2の情報アイテムに対応する重みパラメータを表し、Anは第nの情報アイテムを表し、ωnは第nの情報アイテムに対応する重みパラメータを表す。なお、情報アイテムに対応する重みパラメータが大きいほど、情報アイテムが安全通行確率を決定するために用いられた場合に、情報アイテムの重要度が高いことを示す。
【0134】
可能な実施では、第1のモデルはサンプルデータに関連する。一実施では、第1のモデルは、少なくとも1つのサンプルデータに関連する。実際の用途では、第1のモデルはニューラルネットワークモデルであり得る。例えば、ニューラルネットワークモデルはディープラーニングニューラルネットワークモデル(Deep Neural Networks、DNN)であり得るか又はリカレントニューラルネットワークモデル(Recurrent Neural Networks、RNN)であり得る。第1のモデルがリカレントニューラルネットワークモデルRNNである例を用いる。RNNの隠れ層は複数の隠れ層ノードを含み、各隠れ層ノードは1つの情報アイテムに対応する。各隠れ層ノードは重みパラメータを有する。なお、リカレントニューラルネットワークモデルRNNを訓練するための鍵は、訓練サンプルを決定することである。隣接する道路区画が一般に同様の交通特性を有することを考慮すると、リカレントニューラルネットワークモデルRNNのサンプルデータは、第2の道路区画の層情報お及びターゲット車両の車両属性情報から抽出された少なくとも1つの情報アイテムを含む。第2の道路区画は、第1の道路区画に隣接する道路区画であり、第2の道路区画は、第1の道路区画の入口である。この実施では、隣接する道路区画は同じ又は同様の交通特性を有するため、訓練された第1のモデルは、第2の道路区画の層情報及びターゲット車両の車両属性情報に基づいて得られるため、第1のモデルを用いることにより第1の安全通行確率を計算する精度を改善できる。
【0135】
本願のこの実施形態では、訓練されたリカレントニューラルネットワークモデルRNNは、第2の道路区画の複数のサンプルデータを用いることにより得られ得る。訓練されたリカレントニューラルネットワークモデルRNNは、第2の道路区画の層情報、ターゲット車両の車両属性情報及び安全運転確率の間の対応関係を表すために用いられ得る。ターゲット車両が走行する他の道路区画(例えば、第1の道路区画)の安全通行確率が決定されると、第1の道路区画の安全通行確率を得るために第1の道路区画の層情報及びターゲット車両の車両属性情報が訓練されたリカレントニューラルネットワークモデルに入力される。
【0136】
なお、前述の、第1の道路区画の層情報及びターゲット車両の車両属性情報に基づいて第1の運転ポリシーを得る実施プロセスにおいて、一部の実施では、第1の道路区画の層情報が第1の道路区画の静的層情報を含む場合に、第1の道路区画の層情報及びターゲット車両の車両属性情報に基づいて第1の運転ポリシーを得る実施ステップは、第1の道路区画の静的層情報及びターゲット車両の車両属性情報とに基づいて第1の運転ポリシーを得ることを含み得る。この場合、第1のモデル(例えば、第1のモデルは式)を用いることにより安全通行確率を計算する場合、第1の道路区画の静的層情報及びターゲット車両の車両属性情報から情報アイテムを抽出し、各情報アイテムに対応する重みパラメータを得て安全通行確率を計算する。第1のモデル(例えば、第1のモデルは訓練されたニューラルネットワークモデル)を用いることにより安全通行確率を計算する場合、第1の道路区画の静的層情報及びターゲット車両の車両属性情報を第1のモデルに入力して、ターゲット車両が走行する第1の道路区画の安全通行確率を得る。一部の実施では、第1の道路区画の層情報が、第1の道路区画の静的層情報及び第1の道路区画の動的層情報を含む場合、第1の道路区画の層情報及びターゲット車両の車両属性情報に基づいて、第1の運転ポリシーを得る実施ステップは、第1の道路区画の静的層情報、第1の道路区画の動的層情報及びターゲット車両の車両属性情報に基づいて、第1の運転ポリシーを得ることを含み得る。この場合、第1のモデル(例えば、第1のモデルは式)を用いることにより安全通行確率を計算する場合、第1の道路区画の静的層情報及び第1の道路区画の動的層情報から情報アイテムを抽出し、各情報アイテムに対応する重みパラメータを得て、安全通行確率を計算する。第1のモデル(例えば、第1のモデルは訓練されたニューラルネットワークモデル)を用いることにより安全通行確率を計算する場合、第1の道路区画の静的層情報、第2の道路区画の動的層情報及びターゲット車両の車両属性情報を第1のモデルに入力し、ターゲット車両が走行する第1の道路区画の安全通行確率を得る。
【0137】
ステップS208:クラウドサーバは、第1の運転ポリシーをターゲット車両に送信する。
【0138】
本願のこの実施形態では、クラウドサーバが、第1の道路区画の層情報及びターゲット車両の車両属性情報に基づいて第1の安全運転ポリシーを得た後に、クラウドサーバは、第1の安全運転ポリシーをターゲット車両の自動運転装置に届けるため、ターゲット車両は第1の運転ポリシーに従って自動運転を行う。
【0139】
本願のこの実施形態で説明する自動運転方法の実施の間に、クラウドサーバは、ターゲット車両によって報告される走行情報を用いることにより、自動運転ポリシー層から、ターゲット車両が走行する第1の道路区画の層情報を取得し、次いで、第1の道路区画の層情報及び車両属性情報に基づいて、安全要件を満たす運転ポリシーを得るため、ターゲット車両はクラウドサーバによって決定された走行ポリシーに従って自動運転を行うことができる。自動走行ポリシー層はよりリッチな情報を含み、道路の静的層情報は、自動運転の間に走行経路を効率的に決定すること及び障害物を回避することを確実にし、道路の動的層情報は自動運転の間に予期しない状況に対して適時に対応することができることを確実にする。したがって、この実施では、センサの知覚欠陥(例えば、センサの知覚欠陥は、センサによって得られるデータが限られていること、センサの検出範囲が限られていること及びセンサの検出が環境に対して脆弱であることである)を克服できる。したがって、安全要件を満たす運転ポリシーを決定する精度を改善でき、自動運転のリスクを軽減できる。
【0140】
一部の実施では、ターゲット車両が第1の道路区画を走行している場合、ターゲット車両は、第1の道路区画を走行するために用いられる第2の運転ポリシーをクラウドサーバに報告し得る。第2の運転ポリシーは、
図1fに示すセンサ104によってリアルタイムに得られるセンサデータを用いることにより、ターゲット車両によって決定される。この場合、クラウドサーバは、第1の運転ポリシーと第2の運転ポリシーとの類似性が、特定の予め設定された条件を満たすかどうか判定し得る。第1の運転ポリシーと第2の運転ポリシーとの類似性が特定の予め設定された条件を満たす場合、クラウドサーバは、第2の運転ポリシーから第1の運転ポリシーに切り替えるためのプロンプト情報をターゲット車両に送信する。
【0141】
本願のこの実施形態では、プロンプト情報の形式は、音声、光又は画像及びテキストの表示等の別の形式であってもよい。例えば、プロンプト情報の形式は音声であり、プロンプト情報は「現在の運転の場合、第2の運転ポリシーの安全性は低い。第2の運転ポリシーを第1の運転ポリシーに切り替えて」であり得る。音声は強く、厳しくてもよく。プロンプト情報の形式が光である例が用いられ、プロンプト情報は点滅する明るい光である。プロンプト情報の形式が画像及びテキストである例が用いられ、画像及びテキストは「ハイリスク運転」であり得る。
【0142】
例えば、前述の第1の運転ポリシーと第2の運転ポリシーとの類似性が、予め設定された条件を満たすことは、第1の運転ポリシーと第2の運転ポリシーとの類似性が特定の第1の閾値(例えば、第1の閾値が0.8であり得る)未満であり得る。あるいは、第1の運転ポリシーと第2の運転ポリシーとの類似性が予め設定された条件を満たすことは、第1の運転ポリシーと第2の運転ポリシーとの類似性が関数関係を満たすこと等であり得る。
【0143】
この実施では、自動運転ポリシー層はリッチ情報を含み、センサの知覚欠陥を克服できる。したがって、これは、自動運転ポリシー層に基づいてクラウドサーバによって決定される第1の運転ポリシーは、リアルタイムに得られるセンサデータに基づいてターゲット車両によって決定される第2の運転ポリシーよりも安全であることも意味する。安全運転のために、第1の運転ポリシーと第2の運転ポリシーとの類似性が特定の閾値未満であると判定された場合、クラウドサーバは、第2の運転ポリシーを第1の運転ポリシーに切り替えるためのプロンプト情報をターゲット車両に送信するため、ターゲット車両はより安全な第1の運転ポリシーを用いることにより自動運転を行い、自動運転のリスクを軽減できる。
【0144】
図2に示す方法を以下で説明する。クラウドサーバは、ターゲット車両よって報告された走行情報を用いることにより、自動運転ポリシー層から、ターゲット車両が走行する第1の道路区画の層情報を取得し、次に、第1の道路区画の層情報及び車両属性情報に基づいて、安全要件を満たす運転ポリシーを取得し得る。車載端末に適用される自動運転方法を以下で説明し、具体的には、第1の運転ポリシーに従って車載端末がどのように自動運転を行うかを具体的に説明する。
図3aは、本願の一実施形態に係る自動運転方法を示す。具体的には、前述のステップS208の後に本方法が行われる。
図3aに示すように、本方法は以下のステップを含み得る。
【0145】
ステップS2010:ターゲット車両は、クラウドサーバによって送信された第1の運転ポリシーを受信する。
【0146】
ステップS2012:ターゲット車両は、第1の運転ポリシーに従って、ターゲット車両で自動運転を行う。
【0147】
一部の実施では、ターゲット車両は、
図1fに示すセンサによって得られたセンサデータを用いることにより、第1の道路区画を走行するためにターゲット車両によって用いられる第2の運転ポリシーを決定し得る。この場合、第1の運転ポリシーに従って、ターゲット車両で自動運転を行う実施ステップは、第1の運転ポリシー及び第2の運転ポリシーに従って、ターゲット車両で自動運転を行うことを含み得る。
【0148】
ターゲット車両が、得られたセンサデータに基づいて第2の運転ポリシーを決定する方法を以下で具体的に説明する。例えば、センサデータは、ターゲット車両の現在の走行環境に関する情報を示すために用いられる。
【0149】
本願のこの実施形態では、センサデータが、運転環境にある画像データであり、カメラによって得られた画像データである例を用いる。具体的には、画像データは、静的オブジェクト(例えば、緑地帯)の画像データであり得るか又は動的オブジェクト(例えば、先行車両)の画像データであり得る。
【0150】
静的オブジェクト又は動的オブジェクトを識別するプロセスでは、先ず、オブジェクトの種類が検出され、識別される。具体的には、
図3bは、オブジェクトを検出及び識別する実施プロセスを示す。画像データが特徴抽出モデルに入力され、特徴抽出モデルは画像から候補領域を選択し、候補領域の特徴を抽出する。次に、特徴抽出モデルは抽出した特徴を出力し、該特徴を分類器に入力する。分類器は、抽出された特徴に対して分類識別を行い、分類器は、静的オブジェクト又は動的オブジェクトをi番目の種類のオブジェクトとして識別する確率を出力する。また、識別されたオブジェクトは、表現のためにボックスで選択されてもよい。
図3bは、分類器が取得する方法をさらに示す。具体的には、訓練サンプルが選択され、特徴抽出等の操作が訓練サンプルに対して行われ、訓練プロセスの訓練プロセスを遂行でき、分類器が得られる。
【0151】
訓練サンプルは正のサンプル及び負のサンプルを含む。正のサンプルは、検出され且つ識別されたオブジェクトに関連するサンプルであり、負のサンプルは、検出され且つ特定されたオブジェクトに関連しないか又は関連性が低いサンプルである。例えば、
図3bに示すオブジェクト検出及び識別プロセスでは、オブジェクトが車両であるかどうかを検出する必要がある。すなわち、検出され且つ識別されたオブジェクトが車両である。この場合、正のサンプルは車両の画像であり、負のサンプルは車両以外のオブジェクトの画像である。例えば、負のサンプルは車線の画像又は緑地帯の画像である。
【0152】
一部の実施では、前述の特徴抽出モデルは、畳み込みニューラルネットワークモデル(Convolution Neural Network、CNN)であり得る。もちろん、特徴抽出モデルは、画像データ特徴機能を有する別の学習モデルであってもよい。分類器は、サポートベクトルマシン(Support Vector Machine、SVM)であり得るか又は別の種類の分類器を用いてもよい。分類器及び特徴抽出モデルの種類は、本願のこの実施形態では限定されない。
【0153】
ディープラーニングアルゴリズムを用いてオブジェクトを検出及び特定し、特徴抽出モデルがニューラルネットワークモデルである例を用いる。
図3cは、本願の一実施形態に係る、畳み込みニューラルネットワークモデルの構造の概略図である。畳み込みニューラルネットワークモデルは、1つの畳み込み層、1つのプーリング層及び3つの完全に接続された層を含む。
図3cに示すように、オブジェクト検出及び識別プロセスは具体的には以下の通りである。畳み込みニューラルネットワークモデルに画像が入力され、モデルの畳み込み層を用いることにより、画像データの候補領域の特徴マップが取得され、特徴マップは、候補領域から抽出された特徴を示すために用いられる。次に、プーリング層は、畳み込み層によって出力された特徴マップに基づいてプーリング演算を行い、候補領域の主な特徴を予約し、畳み込みニューラルネットワークモデルの計算量を減らすために計算する必要のある特徴の数を減らす。次に、プーリング層によって出力された特徴ベクトルは完全に接続された層に入力され、完全に接続された層は、画像全体の特徴を得るために、全ての候補領域の特徴を結合し、画像特徴を分類器に出力する。分類器は、画像内のオブジェクトの分類確率を出力し得る。例えば、分類器は、画像内のオブジェクトが車両である確率98%を出力する。一部の実施では、オブジェクトの分類確率を得た後に、識別されたオブジェクトはボックス選択され、ボックス選択された位置は、リグレッサを用いることにより微細にトリミングされる。
【0154】
なお、畳み込みニューラルネットワークモデルでは、複数の畳み込み層、複数のプーリング層及び複数の完全に接続された層が存在し得る。例えば、
図3dに示す複数の畳み込み層/プーリング層は、それぞれ抽出された特徴を、処理のためにニューラルネットワーク層130に並列に入力する。
【0155】
この場合、ターゲット車両は、現在の走行環境における1つ以上の静的オブジェクトの得られた画像データ及び1つ以上の動的オブジェクトの得られた画像データに基づいて、第2の運転ポリシーを取得し得る。
【0156】
本願のこの実施形態では、第1の運転ポリシー及び第2の運転ポリシーに従って、ターゲット車両で自動運転を行うの実施プロセスについては、以下の2つのケースを参照されたい。
【0157】
ケース1:第1の運転ポリシーと第2の運転ポリシーとの類似性が第1の閾値よりも大きいと判定された場合、ターゲット車両は、第1の運転ポリシーに従ってターゲット車両で自動運転を行うか又は第2の運転ポリシーに従ってターゲット車両で自動運転を行う。
【0158】
本願のこの実施形態では、類似性は、類似性メトリック、すなわち、2つの事項の類似度合いを包括的に評価するためのメトリックともいう。もし、2つの事柄がより類似している場合、2つの事柄の類似性はより大きいことが理解されよう。例えば、ターゲット車両は、リアルタイムに得られたセンサデータを用いることにより、ターゲット車両が走行する第1の道路区画の自動運転ポリシーは完全自動運転L5であると判定し、クラウドサーバは、自動運転ポリシー層に基づいて、ターゲット車両が走行する第1の道路区画の自動運転ポリシーは高度な自動運転ポリシーであると判定する。表1から、完全自動運転ポリシーL5は、車両が全ての運転操作を遂行し、人間の運転手は運転手の注意を維持する必要がないことを意味することが分かる。高度自動運転ポリシーL4は、車両が全ての運転操作を遂行し、人間の運転手は運転手の注意を維持する必要がないが、道路及び環境条件は限定されていることを意味する。2つの運転ポリシーの違いは、道路及び環境条件が高度自動運転ポリシーL4では限定され、道路及び環境条件は完全自動運転ポリシーL5では限定されていないことである。高度自動運転ポリシーL4と完全自動運転ポリシーL5との類似性は非常に高いことが理解されよう。例えば、類似性計算式(例えば、ユークリッド距離式)を用いることにより、2つの運転ポリシー間の類似性は0.85であり、類似性は特定の第1の閾値(例えば、第1の閾値は0.8である)よりも大きいと判定される。この場合、ターゲット車両は、第1の運転ポリシーに従ってターゲット車両で自動運転を行い得るか又は第2の運転ポリシーに従ってターゲット車両で自動運転を行い得る。
【0159】
なお、一部の実施では、第1の運転ポリシーと第2の運転ポリシーとの類似性が第1の閾値以上であると判定された場合、ターゲット車両は、第1の運転ポリシーに従ってターゲット車両で自動運転を行い得るか又はターゲット車両は、第2の運転ポリシーに従ってターゲット車両で自動運転を行い得る。これは、第1の運転ポリシー又は第2の運転ポリシーを用いることにより、ターゲット車両が自動運転を行う場合、車両の安全性が確保できることを示す。
【0160】
ケース2:第1の運転ポリシーと第2の運転ポリシーとの類似性が第1の閾値未満であると判定された場合、ターゲット車両は、第1の運転ポリシーに従ってターゲット車両で自動運転を行う。
【0161】
本願のこの実施形態では、センサには知覚欠陥があり、例えば、知覚欠陥は、センサによって得られるデータが限定されていること、センサの検出範囲が限定されていること及びセンサの検出が環境に対して脆弱であることである。したがって、知覚欠陥は、得られたセンサデータの精度の低下を容易にもたらし、センサデータに基づいて決定される運転ポリシーの精度を容易に低下させる。自動運転ポリシー層は、従来のハードウェアセンサ(例えば、レーダ、レーザレンジファインダ又はカメラ)の拡張とみなすことができ、よりリッチなデータを含み、環境、障害物又は干渉の影響を受けない。道路の静的層情報は、自動運転の間に走行経路を効率的に決定すること及び障害物を回避することを確実にし、道路の動的層情報は、自動運転の間に予期しない状況に対して適時に対応することができることを確実にする。したがって、自動運転ポリシー層に基づいて決定される第1の運転ポリシーは、リアルタイムに得られたセンサデータを用いることによりターゲット車両によって決定される第2の運転ポリシーよりも安全であることが分かる。このことを踏まえ、第1の運転ポリシーと第2の運転ポリシーとの類似性が第1の閾値未満であると判定された場合、安全運転を目的として、自動運転装置は、、運転リスクを回避するために、第1の運転ポリシーに従ってターゲット車両で自動運転を行う。
【0162】
なお、一部の実施では、第1の運転ポリシーと第2の運転ポリシーとの類似性が第1の閾値以下であると判定された場合、ターゲット車両は、第1の運転ポリシーに従って自動運転を行う。すなわち、車両の事故のリスクを回避するために、ターゲット車両は自動運転を行うために、より安全性が高い第1の運転ポリシーを選択する。
【0163】
本願のこの実施形態では、「第1の運転ポリシーと第2の運転ポリシーとの類似性が第1の閾値と等しい」場合、そのケースは上述のケース1を満たすと考えられ得るか又は、ケースはケース2を満たすと考えられ得ることが理解されよう。これは、本願のこの実施形態では具体的に限定されない。
【0164】
以下、
図2に示す方法を説明する。クラウドサーバは、ターゲット車両によって報告された走行情報を用いることにより、自動運転ポリシー層から、ターゲット車両が走行する第1の道路区画の層情報を取得し、次いで、第1の道路区画の層情報及び車両属性情報に基づいて、安全要件を満たす運転ポリシーを取得し得る。以下では、車載端末(自動運転装置ともいう)に適用される自動運転方法を説明し、自動運転ポリシーの層であり、クラウドサーバによって送信される層に基づいて、車載端末がどのように運転ポリシーを取得するかを具体的に説明する。
図4は、本願の一実施形態に係る別の自動運転方法を示す。
図4に示すように、本方法は以下のステップを含み得る。
【0165】
ステップS400:ターゲット車両は、クラウドサーバに走行情報を報告する。
【0166】
本願のこの実施形態では、走行情報の特定の説明及びターゲット車両がクラウドサーバに走行情報を報告する特定の実施については、
図2の前述の実施形態の関連説明を参照されたい。詳細については、ここでは再度説明しない。
【0167】
ステップS402:クラウドサーバは、ターゲット車両によって報告された走行情報を受信する。
【0168】
ステップS404:クラウドサーバは、走行情報に基づいて、自動運転ポリシー層から、ターゲット車両が走行する第1の道路区画の層情報を取得する。
【0169】
一部の実施では、第1の道路区画の層情報は第1の道路区画の静的層情報を含み得る。第1の道路区画の静的層情報は、第1の道路区画のインフラ情報を示すために用いられる。一部の実施では、第1の道路区画の層情報は、第1の道路区画の静的層情報及び第1の道路区画の動的層情報を含む。具体的には、第1の道路区画の静的層情報は第1の道路区画のインフラ情報を示すために用いられ、第1の道路区画の動的層情報は第1の道路区画の動的交通情報を示すために用いられる。
【0170】
ステップS406:クラウドサーバは、第1の道路区画の層情報をターゲット車両に送信する。
【0171】
ステップS408:ターゲット車両は、第1の道路区画の層情報を受信し、第1の道路区画の層情報及びターゲット車両の車両属性情報に基づいて、第1の運転ポリシーを取得する。
【0172】
本願のこの実施形態では、第1の道路区画のレイヤ情報及びターゲット車両の車両属性情報に基づいて、ターゲット車両が第1の運転ポリシーを取得する特定の実施については、前述のステップS206の関連説明を参照されたい。詳細については、ここでは再度説明しない。
【0173】
ステップS4010:ターゲット車両は、第1の運転ポリシーに従って、ターゲット車両で自動運転を行う。
【0174】
一部の実施では、ターゲット車両は、第1の道路区画の層情報及びターゲット車両の車両属性情報に基づいて得られた第1の運転ポリシーをクラウドサーバに報告するため、クラウドサーバは第1の運転ポリシーを記憶し、第1の道路区画の自動運転ポリシー層内の対応する層情報を更新し得る。実際の用途では、クラウドサーバは、領域内にあり且つターゲット車両と同じ又は同様の他の車両に第1の運転ポリシー(例えば、推奨運転モード)を送信して他の車両の運転を支援し得る。
【0175】
本願の実施形態の実施の間に、クラウドサーバは、ターゲット車両によって報告された走行情報を用いることにより、自動運転ポリシー層から、ターゲット車両が走行する第1の道路区画の層情報を取得し、次いで、第1の道路区画の層情報をターゲット車両に送信するため、ターゲット車両は、第1の道路区画の層情報及び車両属性情報に基づいて、安全要件を満たす運転ポリシーを取得し、決定された運転ポリシーに従って自動運転を行い得る。自動運転ポリシー層はよりリッチな情報を含み、道路の静的層情報は、自動運転の間に走行経路を効率的に決定すること及び障害物を回避することを確実にし、道路の動的層情報は自動運転の間に予期しない状況に対して適時に対応することができることを確実にする。したがって、この実施では、センサの知覚欠陥(例えば、センサの知覚欠陥は、センサによって得られるデータが限られていること、センサの検出範囲が限られていること及びセンサの検出が環境に対して脆弱であることである)を克服できる。したがって、安全要件を満たす運転ポリシーを決定する精度を改善でき、自動運転のリスクを軽減できる。
【0176】
本願の実施形態において、前述の解決策をより良好に実施するために、本願の実施形態はクラウドサーバを提供する。クラウドサーバは、第1の態様の実施のいずれか1つに係る方法のユニットを実行して、自動運転ポリシー層を用いることにより運転ポリシーを決定するように構成されている。具体的には、
図5は、本願の一実施形態に係るクラウドサーバ500の概略ブロック図である。本願のこの実施形態におけるクラウドサーバ50は、
ターゲット車両によって報告される該ターゲット車両の車両属性情報及び走行情報を受信するように構成された受信ユニット500であって、該ターゲット車両の車両属性情報は、自動運転ポリシーを生成するために用いられる、受信ユニット500と、
走行情報に基づいて、自動運転ポリシー層からターゲット車両が走行する第1の道路区画の層情報を取得するように構成された第1の取得ユニット502と、
第1の道路区画の層情報及びターゲット車両の車両属性情報に基づいて第1の運転ポリシーを取得するように構成された第2の取得ユニット504と、
第1の運転ポリシーをターゲット車両に送信するように構成された第1の送信ユニット506と、
を含み得る。
【0177】
可能な実施では、クラウドサーバは、運転ポリシーと安全通行確率との対応関係を記憶し、第2の取得ユニット504は安全通行確率取得ユニット及び運転ポリシー取得ユニットを含み得る。
【0178】
安全通行確率取得ユニットは、第1の道路区画の層情報及びターゲット車両の車両属性情報に基づいて第1の安全通行確率を得るように構成されている。
【0179】
運転ポリシー取得ユニットは、運転ポリシーと安全通行確率との対応関係に基づいて、第1の安全通行確率に対応する第1の運転ポリシーを得るように構成されている。
【0180】
可能な実施では、安全通行確率取得ユニットは、
第1のモデルを用いることにより第1の安全通行確率を計算することであって、該第1のモデルは、少なくとも1つの情報アイテムと、該少なくとも1つの情報アイテムに対応する重みパラメータとを含み、該少なくとも1つの情報アイテムは、第1の道路区画の層情報及びターゲット車両の車両属性情報に基づく抽出を介して得られる情報アイテムであり、重みパラメータは、第1の安全通行確率を決定するために情報アイテムが用いられる場合に、情報アイテムの重要性を示すために用いられる、こと、を行うように具体的に構成されている。
【0181】
可能な実施では、第1のモデルは、少なくとも1つのサンプルデータに基づいて訓練を行って得られたモデルであり、サンプルデータは、第2の道路区画の層情報およびターゲット車両の車両属性情報から抽出された少なくとも1つの情報項目を含み、第2の道路区画は、第1の道路区画に隣接する道路区画であり、第2の道路区画の出口は、第1の道路区画の入口である。
【0182】
可能な実施では、第1の道路区画の層情報は、第1の道路区画の静的層情報及び第1の道路区画の動的層情報のうちの少なくとも一方を含み、第1の道路区画の静的層情報は、第1の道路区画のインフラ情報を示すために用いられ、第1の道路区画の動的層情報は、第1の道路区画の動的交通情報を示すために用いられる。
【0183】
可能な実施では、第1の道路区画の静的層情報は、車線属性、デジタル装置情報及び緑地帯情報のうちの少なくとも1つを含み、第1の道路区画の動的層情報は、気象情報、路面情報、第1の時間帯における第1の道路区画の渋滞状況、第1の時間帯において歩行者及び非自動車両が第1の道路区画を移動する確率、第1の時間帯において第1の道路区画で運転事故が起こる事故確率のうちの少なくとも1つを含む。
【0184】
可能な実施では、第1の道路区画は、ターゲット車両が走行する道路区画であり、クラウドサーバ50は、
第1の道路区画を走行するためにターゲット車両によって用いられる第2の運転ポリシーを取得するように構成された第3の取得ユニット508であって、該第2の運転ポリシーは、リアルタイムに得られるセンサデータに基づいて、ターゲット車両によって決定される、第3の取得ユニット508と、
第1の運転ポリシーと第2の運転ポリシーとの類似性が第1の閾値未満の場合、第2の運転ポリシーを第1の運転ポリシーに切り替えるためのプロンプト情報をターゲット車両に送信するように構成された第2の送信ユニット5010と、
をさらに含む。
【0185】
可能な実施では、ターゲット車両の車両属性情報は、ターゲット車両の自動運転能力、ターゲット車両のセンサ分布情報及びターゲット車両内の運転手の運転状態のうちの少なくとも1つを含む。
【0186】
なお、本願のこの実施形態で説明するクラウドサーバについては、
図3a及び
図4の前述の方法の実施形態における自動運転方法の関連説明を参照されたい。詳細については、ここでは再度説明しない。
【0187】
本願の実施形態における前述の解決策をより良好に実施するために、本願の実施形態は自動運転装置を提供する。自動運転装置は、クラウドサーバによって決定される第1の運転ポリシーに従って自動運転を行うために、第2の態様の実施のいずれか1つに係る方法のユニットを実行するように構成されている。具体的には、
図6は、本願の一実施形態に係る自動運転装置60の概略ブロック図である。本願のこの実施形態における自動運転装置60は、
クラウドサーバによって送信される第1の運転ポリシーを受信するように構成された受信ユニット600であって、該第1の運転ポリシーは、第1の態様の実施のいずれか1つに係る方法で得られる第1の運転ポリシーである、受信ユニット600と、
第1の運転ポリシーに従って、ターゲット車両で自動運転を行うように構成された制御ユニット602と、
を含み得る。
【0188】
可能な実施では、装置60は、
第1の道路区画を走行するためにターゲット車両によって用いられる第2の運転ポリシーを、センサデータを用いることにより取得するように構成された第2の運転ポリシー取得ユニット604をさらに含みみ得る。
【0189】
制御ユニット602は、
第1の運転ポリシー及び第2の運転ポリシーに従って、ターゲット車両で自動運転を行うように具体的に構成されている。
【0190】
可能な実施では、制御ユニット602は、
第1の運転ポリシーと第2の運転ポリシーとの類似性が第1の閾値よりも大きいと判定された場合、第1の運転ポリシーに従って、ターゲット車両で自動運転を行うこと又は第2の運転ポリシーに従って、ターゲット車両で自動運転を行うこと、又は
第1の運転ポリシーと第2の運転ポリシーとの類似性が第1の閾値未満であると判定された場合、第1の運転ポリシーに従って、ターゲット車両で自動運転を行うことを行うように具体的に構成されている。
【0191】
なお、本願のこの実施形態で説明した自動運転装置については、
図4の前述の方法の実施形態における自動運転方法の関連説明を参照されたい。詳細については、ここでは再度説明しない。
【0192】
図7は、本願の一実施形態に係るクラウドサーバの構造の概略図である。クラウドサーバ70は、少なくとも1つのプロセッサ701、少なくとも1つのメモリ702及び少なくとも1つの通信インターフェイス703を含む。加えて、クラウドサーバは、アンテナ等の汎用コンポーネントをさらに含み得る。ここでは、詳細については説明しない。
【0193】
プロセッサ701は、汎用中央処理装置(CPU)、マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(application-specific integrated circuit、ASIC)又は前述の解決策のプログラム実行を制御するように構成された1つ以上の集積回路であり得る。
【0194】
通信インターフェイス703は、他の装置又は通信ネットワークと通信するように構成されている。
【0195】
メモリ702は、読み出し専用メモリ(read-only memory、ROM)、静的情報及び命令を記憶可能な別の種類の静的記憶装置、ランダムアクセスメモリ(random access memory、RAM)又は情報及び命令を記憶可能な別の種類の動的記憶装置であり得るか又は電気的に消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ(電気的消去可能なプログラマブル読み出し専用メモリ、EEPROM)、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(Compact Disc Read-Only Memory、CD-ROM)、その他の光ディスク記憶装置、光ディスク記憶装置(コンパクトディスク、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク、ブルーレイディスク等を含む)、磁気ディスク記憶媒体、別の磁気記憶装置又は命令若しくはデータ構造の形態で予期されるプログラムコードを搬送又は記憶するのに用いられ、コンピュータによってアクセス可能な他の媒体であり得る。しかしながら、これは限定されない。メモリは独立して存在してもいいし、バスを用いることによりプロセッサに接続される。あるいは、メモリは、プロセッサと一体化されてもよい。
【0196】
メモリ702は、前述の解決策を行うためのアプリケーションコードを記憶するように構成され、プロセッサ701は、アプリケーションコードの実行を制御する。プロセッサ701は、メモリ702に記憶されたアプリケーションコードを実行するように構成されている。例えば、メモリ702に記憶されたコードは、
図2又は
図3aで提供される自動運転方法を行うために用いられ得る。
【0197】
なお、本願のこの実施形態で説明する装置70の機能については、
図2及び
図3aの方法の実施形態の関連説明を参照されたい。詳細については、ここでは再度説明しない。
【0198】
本願の一実施形態は、コンピュータ記憶媒体をさらに提供する。コンピュータ読み取り可能記憶媒体は命令を記憶する。命令がコンピュータ又はプロセッサ上で実行された場合、コンピュータ又はプロセッサは、前述の実施形態のいずれかに1つにおける方法の1つ以上のステップを行うことができる。前述の装置の各コンポーネントモジュールがソフトウェア機能ユニットの形態で実施され、独立した製品として販売又は用いられた場合、そのモジュールはコンピュータ読み取り可能記憶媒体に記憶され得る。そのような理解に基づいて、本願の技術的解決策は、本質的に又は従来技術に寄与する部分又は技術的解決策の全て若しくは一部は、ソフトウェア製品の形態で実施され得る。コンピュータ製品は、コンピュータ読み取り可能記憶媒体に記憶される。
【0199】
コンピュータ読み取り可能記憶媒体は、前述の実施形態における装置の内部記憶ユニット、例えば、ハードディスク又はメモリであり得る。あるいは、コンピュータ読み取り可能記憶媒体は装置の外部記憶装置、例えば、装置上に構成される、リムーバブルハードディスク、スマートメディアカード(Smart Media Card、SMC)、セキュアデジタル(Secure Digital、SD)カード及びフラッシュカード(Flash Card)であり得る。また、前述のコンピュータ読み取り可能記憶媒体は、前述の装置の内部記憶装置及び外部記憶装置の両方を含み得る。前述のコンピュータ読み取り可能記憶媒体は、コンピュータプログラム及び前述の装置のために用いられる他のプログラム及びデータを記憶するように構成されている。コンピュータ読み取り可能記憶媒体は、出力されているか又は出力されるべきデータを一時的に記憶するようにさらに構成され得る。
【0200】
当業者であれば、実施形態における方法のプロセスの全て又は一部は、関連するハードウェアに命令するコンピュータプログラムによって実施され得ることを理解するであろう。コンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能記憶媒体に記憶され得る。プログラムが実行されると、実施形態における方法のプロセスが行われる。前述の記憶媒体は、ROM、RAM、磁気ディスク又は光ディスク等のプログラムコードを記憶可能な任意の媒体を含む。
【0201】
本願の実施形態における方法のステップの順番は、実際の要件に基づいて調整、組み合わせ又は削除され得る。
【0202】
本願の実施形態における装置内のモジュールは、実際の要件に基づいて組み合わせ、分割又は削除され得る。
【0203】
当業者であれば、本願の実施形態で開示した実施形態で説明した例と組み合わせて、ユニット及びアルゴリズムのステップは電子ハードウェア又はコンピュータソフトウェアと電子ハードウェアとの組み合わせによって実施され得ることを理解するであろう。機能がハードウェア又はソフトウェアによって行われるかどうかは、技術的解決策の特定の用途及び設計上の制約条件に依存する。当業者であれば、各特定の用途のために、説明した機能を実施するために異なる方法を用いり得るが、その実施は本願の範囲を超えるものであると考えるべきではない。
【0204】
当業者であれば、本願の実施形態で開示される様々な例示的な論理ブロック、モジュール及びアルゴリズムステップを組み合わせて説明した機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア又はそれらの任意の組み合わせによって実現され得ることを理解できる。ソフトウェアが実施のために用いられる場合、例示の論理ブロック、モジュール及びステップを参照して説明した機能は、1つ以上の命令又はコードとしてコンピュータ読み取り可能媒体に記憶され得るか又は送信され、ハードウェアベースの処理ユニットによって実行される。コンピュータ読み取り可能媒体は、コンピュータ読み取り可能記憶媒体を含み得る。コンピュータ読み取り可能記憶媒体は、データ記憶媒体等の有形媒体又は(例えば、通信プロトコルに従って)ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの伝送を容易にする任意の媒体を含む通信媒体に対応する。このように、コンピュータ読み取り可能媒体は、一般に、(1)非一時的な有形コンピュータ読み取り可能記憶媒体又は(2)通信媒体、例えば、信号若しくはキャリアに対応し得る。データ記憶媒体は、本願で説明する技術を実施するために命令、コード及び/又はデータ構造を読み出すために、1つ以上のコンピュータ又は1つ以上のプロセッサによってアクセス可能な任意の利用可能な媒体であり得る。コンピュータプログラム製品は、コンピュータ読み取り可能媒体を含み得る。
【0205】
当業者であれば、便利で簡単な説明のために、前述のシステム、装置及びユニットの詳細な作業プロセスについては、前述の方法の実施形態における対応するプロセスが参照され得ることを明確に理解するであろう。詳細については、ここでは再度説明しない。
【0206】
本願に提供されるいくつかの実施形態、開示のシステム、装置及び方法は、他の方法で実施され得ることを理解すべきである。例えば、説明した装置の実施形態は一例にすぎない。例えば、ユニットへの分割は論理的な機能分割にすぎず、実際の実施では他の分割であってもよい。例えば、複数のユニット又はコンポーネントは別のシステムに結合又は統合され得るか又は一部の特徴は無視され得るか若しくはおこなわれなくてもよい。加えて、表示又は説明した相互連結又は直接連結又は通信接続は、一部のインターフェイスを介して実施され得る。装置又はユニット間の間接的な連結又は通信接続は、電子的、機械的又は他の形態で実施され得る。
【0207】
別個の部品として説明したユニットは、物理的に分かれていても、なくてもよく、ユニットとして表示した部品は物理的ユニットであっても、なくてもよく、1つの位置に位置しうるか又は複数のネットワークユニット上に分散され得る。ユニットの一部又は全ては、実施形態の解決策の目的を実現するために、実際の要件に基づいて選択され得る。
【0208】
加えて、本願の実施形態における機能ユニットは1つの処理ユニットに統合され得るか、ユニットのそれぞれは物理的に単独で存在し得るか又は2つ以上のユニットが1つのユニットに統合される。
【0209】
該機能がソフトウェア機能ユニットの形態で実施され、独立した製品として販売又は用いられる場合、該機能はコンピュータ読み取り可能記憶媒体に記憶され得る。そのような理解に基づいて、本願の技術的解決策は、本質的に、従来の技術に寄与する部分又は技術的解決策の一部は、ソフトウェア製品の形態で実施され得る。コンピュータソフトウェア製品は記憶媒体に記憶され、コンピュータ装置(パーソナルコンピュータ、サーバ又はネットワーク装置であり得る)に、本願の実施形態で説明した方法のステップの全て又は一部を行うように指示するためのいくつかの命令を含む。前述の記憶媒体は、プログラムコードを記憶可能な任意の媒体、例えば、USBフラッシュドライブ、リムーバブルハードディスク、リードオンリーメモリ(Read-Only Memory、ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)、磁気ディスク、光ディスク等を含む。
【0210】
前述の説明は本願の具体的な実施にすぎず、本願の保護範囲を限定することを意図していない。本願で開示した技術的範囲内で当業者が容易に理解できる任意の変更又は置き換えは、本願の保護範囲に含まれるものとする。したがって、本願の保護範囲は、特許請求の範囲の保護範囲に従うものとする。