(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】坑における坑の狭い余分な溝の流動化硬化土埋め戻しをするためのシステム及び施工方法
(51)【国際特許分類】
E02D 27/01 20060101AFI20240820BHJP
E02D 29/05 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
E02D27/01 Z
E02D29/05 Z
(21)【出願番号】P 2024057117
(22)【出願日】2024-03-29
【審査請求日】2024-03-29
(31)【優先権主張番号】202311773461.8
(32)【優先日】2023-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520448452
【氏名又は名称】浙大城市学院
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】▲だお▼ 紅国
(72)【発明者】
【氏名】王 智禹
(72)【発明者】
【氏名】汪 海
(72)【発明者】
【氏名】王 新泉
(72)【発明者】
【氏名】李 梟
(72)【発明者】
【氏名】劉 成杰
【審査官】湯本 照基
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-147782(JP,A)
【文献】特開2013-47416(JP,A)
【文献】特開2013-538952(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 27/01
E02D 29/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
坑における坑の狭い余分な溝の流動化硬化土埋め戻し
をするためのシステムであって、
前記システムは、坑における坑掘削囲み
構造と、余分な溝床スラブ予約後注入帯
構造と、余分な溝地盤強化
構造と、余分な溝配管変形防止支持
構造と、地下室防水
構造とを含み、
前記坑における坑掘削囲み
構造は、第一の基礎坑と、第二の基礎坑と、第一の支保杭と、第二の支保杭と、噴射コンクリート層とを含み、前記第一の基礎坑は、第一の支保杭を囲み構造として採用し、坑底にクッション層が敷設され、前記第二の基礎坑は、第二の支保杭とスロープ掘削後の噴射コンクリート層を囲み構造として採用し、坑底にクッション層が敷設され、第二の基礎坑の坑底に底板が設けられ、
前記余分な溝床スラブ予約後注入帯
構造は、第一の余分な溝と、第二の余分な溝と、第一の床スラブと、第二の床スラブと、後注入帯と、一時支持鋼板とを含み、第一の床スラブの端部と第二の床スラブの端部との間に第一の外壁が設けられ、第二の床スラブの端部と底板の端部との間に第二の外壁が設けられ、前記第一の余分な溝は、第一の外壁と第一の支保杭との間に位置し、前記第二の余分な溝は、第二の外壁、第二の支保杭と噴射コンクリート層との間に位置し、前記後注入帯は、第二の余分な溝上方の第二の床スラブに設置され、前記一時支持鋼板は、後注入帯の両端に敷設される、ことを特徴とする坑における坑の狭い余分な溝の流動化硬化土埋め戻し
をするためのシステム。
【請求項2】
前記第一の基礎坑内に第一の床スラブを施工するための型枠支持
構造がさらに設けられ、前記型枠支持
構造は、第二の床スラブと一時支持鋼板上に支持する、ことを特徴とする請求項1に記載の坑における坑の狭い余分な溝の流動化硬化土埋め戻し
をするためのシステム。
【請求項3】
前記後注入帯の両端に第一の予約鉄筋と第二の予約鉄筋がそれぞれ設けられ、下方に第一の予約防水コイル材と第二の予約防水コイル材がそれぞれ設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の坑における坑の狭い余分な溝の流動化硬化土埋め戻し
をするためのシステム。
【請求項4】
前記余分な溝地盤強化
構造は、第一の鋼管杭と、第二の鋼管杭と、第三の鋼管杭と、流動化硬化埋め戻し土とを含み、前記第一の鋼管杭は、第一の余分な溝の坑底内に埋められ、頂部は、室外床面の標高と同じであり、前記第二の鋼管杭は、第二の余分な溝の坑底内に埋められ、頂部に一時支持鋼板下方に支持されるコーベルが設けられ、前記第三の鋼管杭の下端は、予約カップ口によって第二の支保杭に挿入され、頂部に一時支持鋼板下方に支持されるコーベルが設けられ、前記流動化硬化埋め戻し土は、第一の余分な溝と第二の余分な溝内に注入される、ことを特徴とする請求項1に記載の坑における坑の狭い余分な溝の流動化硬化土埋め戻し
をするためのシステム。
【請求項5】
前記余分な溝配管変形防止支持
構造は、管路と、フレキシブル支持板と、支持フレームと、フランジバンドとを含み、前記管路は、第二の支保杭、第二の余分な溝と第二の外壁を順に通過し、前記フレキシブル支持板は、管路下方に設置され、支持フレームとフランジバンドによって第二の鋼管杭杭体に固定される、ことを特徴とする請求項1に記載の坑における坑の狭い余分な溝の流動化硬化土埋め戻し
をするためのシステム。
【請求項6】
前記地下室防水
構造は、保護層と、防水コイル材と、レベリング層と、第一の遮水層と、第二の遮水層とを含み、底板下方に保護層、防水コイル材とレベリング層が順に設けられ、レベリング層は、クッション層と貼り合わせられ、前記第一の遮水層は、第一の余分な溝のクッション層上方に位置し、第一の植筋によって第一の支保杭と固定され、前記第二の遮水層は、第二の余分な溝のクッション層上方に位置し、第二の植筋によって第二の支保杭と固定され、前記地下室防水
構造における保護層、防水コイル材とレベリング層は、底板下方から、第二の外壁、第二の床スラブと第一の外壁の外側に順に延伸する、ことを特徴とする請求項1に記載の坑における坑の狭い余分な溝の流動化硬化土埋め戻し
をするためのシステム。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の坑における坑の狭い余分な溝の流動化硬化土埋め戻し
をするためのシステムの施工方法であって、
第一の支保杭の施工、第一の基礎坑の掘削、第二の支保杭の施工、噴射コンクリート層のスロープかけと第二の基礎坑の掘削、底板と第二の外壁の施工、第二の床スラブ、予約後注入帯と第一の外壁の施工を順に行うステップ1と、
第二の余分な溝内で第二の鋼管杭を打設し、それにフレキシブル支持板を貫通させ、フレキシブル支持板下方に支持フレームとフランジバンドを取り付け且つ第二の鋼管杭杭体に固定し、第三の鋼管杭を打設し、それを第二の支保杭の予約カップ口内に挿入するステップ2と、
一時支持鋼板を取り付け、型枠支持
構造をかけ、第一の床スラブを施工するステップ3と、
型枠支持
構造、一時支持鋼板、第二の鋼管杭と第三の鋼管杭のコーベルを順に取り外し、その後、第二の余分な溝の底部に抗浸透コンクリートを打設して第二の遮水層を形成し、内部に流動化硬化埋め戻し土を充填して注入し、地下室防水
構造を施工するステップ4と、
第一の余分な溝内で第一の鋼管杭を打設し、底部に抗浸透コンクリートを打設して第一の遮水層を形成し、内部に流動化硬化埋め戻し土を充填して注入し、平らにした後に室外床面の標高に一致させるステップ5と、を含む、ことを特徴とする坑における坑の狭い余分な溝の流動化硬化土埋め戻し
をするためのシステムの施工方法。
【請求項8】
ステップ3において、一時支持鋼板両側にストッパーボルトを取り付けることをさらに含む、ことを特徴とする請求項7に記載の坑における坑の狭い余分な溝の流動化硬化土埋め戻し
をするためのシステムの施工方法。
【請求項9】
ステップ4とステップ5において、第一の鋼管杭、第二の鋼管杭と第三の鋼管杭内に流動化硬化埋め戻し土を充填して注入することをさらに含む、ことを特徴とする請求項7に記載の坑における坑の狭い余分な溝の流動化硬化土埋め戻し
をするためのシステムの施工方法。
【請求項10】
ステップ1において、第二の支保杭の坑底杭体に第二の植筋を取り付け、管路下方にフレキシブル支持板を設置し、レベリング層、防水コイル材と保護層を防水
構造として施工し且つ第一の予約防水コイル材を設置し、第一の支保杭の坑底杭体に第一の植筋を取り付け、レベリング層、防水コイル材と保護層を防水
構造として施工し且つ第二の予約防水コイル材を設置し、後注入帯の両端に第一の予約鉄筋と第二の予約鉄筋を設置し、ステップ4において、地下室防水
構造を施工する具体的な方法は、第二の余分な溝内の流動化硬化埋め戻し土が硬化した後に、順に後注入帯位置にレベリング層を施工し、第一の予約防水コイル材と第二の予約防水コイル材を溶接し、保護層を施工し、後注入帯コンクリートを打設し、完全な第二の床スラブ及びその防水
構造を形成し、第一の予約防水コイル材と第二の予約防水コイル材を溶接する時に、両者のラップ領域に赤外線レーザー位置決め装置によって複数のホットメルトガスケットを均一に配置し、超音波溶接機によってホットメルトガスケットを加熱して第一の予約防水コイル材と第二の予約防水コイル材を溶接して固定し、両者の境界の隙間で走間溶接機を採用して二重スリット溶接してシールすることである、ことを特徴とする請求項7に記載の坑における坑の狭い余分な溝の流動化硬化土埋め戻し
をするためのシステムの施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基礎坑(Foundation pit)の余分な溝(Trench)の埋め戻し施工分野に属し、特に坑における坑の狭い余分な溝の流動化硬化土埋め戻し系統及び施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
余分な溝は、基礎、地下室外壁と基礎坑支保構造内壁との間の空間を指し、建築施工のために作業面を提供している。工事建設において、基礎坑掘削範囲は、用地制限線、地下配管網、地質条件などにより拘束され、使用機能から言って建築物は、しばしばより大きな使用面積を必要とし、地下空間を十分に利用するために、基礎坑の余分な溝の幅は、さらに小さくなり、基礎坑は、ますます深くなり、一部の工事余分な溝の最も狭いところは、すでに50cmに足りず、基礎坑の余分な溝の埋め戻し難度を大幅に増加させる。施工機関は、しばしば本体構造施工品質を重点として着目し、余分な溝の埋め戻し土制御を無視し、余分な溝内に敷設された様々な配管が常に不均一な沈降によってクラックなどの破壊を形成することをもたらし、必要のない経済損失を引き起こす。余分な溝の埋め戻し材料の選択と施工品質は、基礎安全、配管の正常な使用、建築物全体の安定性にとって非常に重要である。狭い余分な溝の発生に伴い、通常の土ぼこり類固体埋め戻し材料は、突き固め作業空間がないので使用できない。
【0003】
基礎坑の土方埋め戻し施工が複雑な一部の原因は、現在、地上構造がカンチレバー構造を採用することが多く、その型枠支持フレームが埋め戻し土上にかけられる場合が比較的多く、合理的な制御措置を取らないと型枠支持フレーム基礎沈下などの潜在的な危険が存在することである。
【0004】
なお、近年、余分な溝埋め戻し品質による工事事故は、水が関与していることが多く、特に山間地帯建築であり、豪雨に遭い又は地面において水が順調に排出できなくて余分な溝にしみこむ場合に、埋め戻し土杭体沈降をもたらすほかに、地下構造の浮かび事故も現れやすい。
【0005】
そのため、基礎坑狭い余分な溝施工の時に土体が不均一に沈降する問題の発生による土体沈下、配管破裂、地下構造浮かびなどの安全問題を回避し、且つ上部全体構造に正常に施工させ、余分な溝の埋め戻し施工が重要なルートを占有することを回避し及び地下室構造の貫通後注入帯の予約が構造全体性に与える影響を回避するために、狭い余分な溝の流動化硬化土埋め戻し系統及び施工方法を研究開発する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、従来の技術における欠点を克服するために、坑における坑の狭い余分な溝の流動化硬化土埋め戻し系統及び施工方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような坑における坑の狭い余分な溝の流動化硬化土埋め戻し系統は、坑における坑掘削囲み系統と、余分な溝床スラブ予約後注入帯系統と、余分な溝地盤強化系統と、余分な溝配管変形防止支持系統と、地下室防水系統とを含み、
前記坑における坑掘削囲み系統は、第一の基礎坑と、第二の基礎坑と、第一の支保杭と、第二の支保杭と、噴射コンクリート層とを含み、前記第一の基礎坑は、第一の支保杭を囲み構造として採用し、坑底にクッション層が敷設され、前記第二の基礎坑は、第二の支保杭とスロープ掘削後の噴射コンクリート層を囲み構造として採用し、坑底にクッション層が敷設され、第二の基礎坑の坑底に底板が設けられ、
前記余分な溝床スラブ予約後注入帯系統は、第一の余分な溝と、第二の余分な溝と、第一の床スラブと、第二の床スラブと、後注入帯と、一時支持鋼板とを含み、第一の床スラブの端部と第二の床スラブの端部との間に第一の外壁が設けられ、第二の床スラブの端部と底板の端部との間に第二の外壁が設けられ、前記第一の余分な溝は、第一の外壁と第一の支保杭との間に位置し、前記第二の余分な溝は、第二の外壁、第二の支保杭と噴射コンクリート層との間に位置し、前記後注入帯は、第二の余分な溝上方の第二の床スラブに設置され、前記一時支持鋼板は、後注入帯の両端に敷設される。
【0008】
好ましくは、前記第一の基礎坑内に第一の床スラブを施工するための型枠支持系統がさらに設けられ、前記型枠支持系統は、第二の床スラブと一時支持鋼板上に支持する。
【0009】
好ましくは、前記後注入帯の両端に第一の予約鉄筋と第二の予約鉄筋がそれぞれ設けられ、下方に第一の予約防水コイル材と第二の予約防水コイル材がそれぞれ設けられる。
【0010】
好ましくは、前記余分な溝地盤強化系統は、第一の鋼管杭と、第二の鋼管杭と、第三の鋼管杭と、流動化硬化埋め戻し土とを含み、前記第一の鋼管杭は、第一の余分な溝の坑底内に埋められ、頂部は、室外床面の標高と同じであり、前記第二の鋼管杭は、第二の余分な溝の坑底内に埋められ、頂部に一時支持鋼板下方に支持されるコーベルが設けられ、前記第三の鋼管杭の下端は、予約カップ口によって第二の支保杭に挿入され、頂部に一時支持鋼板下方に支持されるコーベルが設けられ、前記流動化硬化埋め戻し土は、第一の余分な溝と第二の余分な溝内に注入される。
【0011】
好ましくは、前記余分な溝配管変形防止支持系統は、管路と、フレキシブル支持板と、支持フレームと、フランジバンドとを含み、前記管路は、第二の支保杭、第二の余分な溝と第二の外壁を順に通過し、前記フレキシブル支持板は、管路下方に設置され、支持フレームとフランジバンドによって第二の鋼管杭杭体に固定される。
【0012】
好ましくは、前記地下室防水系統は、保護層と、防水コイル材と、レベリング層と、第一の遮水層と、第二の遮水層とを含み、底板下方に保護層、防水コイル材とレベリング層が順に設けられ、レベリング層は、クッション層と貼り合わせられ、前記第一の遮水層は、第一の余分な溝のクッション層上方に位置し、第一の植筋によって第一の支保杭と固定され、前記第二の遮水層は、第二の余分な溝のクッション層上方に位置し、第二の植筋によって第二の支保杭と固定され、前記地下室防水系統における保護層、防水コイル材とレベリング層は、底板下方から、第二の外壁、第二の床スラブと第一の外壁の外側に順に延伸する。
【0013】
このような坑における坑の狭い余分な溝の流動化硬化土埋め戻し系統の施工方法は、
第一の支保杭の施工、第一の基礎坑の掘削、第二の支保杭の施工、噴射コンクリート層のスロープかけと第二の基礎坑の掘削、底板と第二の外壁の施工、第二の床スラブ、予約後注入帯と第一の外壁の施工を順に行うステップ1と、
第二の余分な溝内で第二の鋼管杭を打設し、それにフレキシブル支持板を貫通させ、フレキシブル支持板下方に支持フレームとフランジバンドを取り付け且つ第二の鋼管杭杭体に固定し、第三の鋼管杭を打設し、それを第二の支保杭の予約カップ口内に挿入するステップ2と、
一時支持鋼板を取り付け、型枠支持系統をかけ、第一の床スラブを施工するステップ3と、
型枠支持系統、一時支持鋼板、第二の鋼管杭と第三の鋼管杭のコーベルを順に取り外し、その後、第二の余分な溝の底部に抗浸透コンクリートを打設して第二の遮水層を形成し、内部に流動化硬化埋め戻し土を充填して注入し、地下室防水系統を施工するステップ4と、
第一の余分な溝内で第一の鋼管杭を打設し、底部に抗浸透コンクリートを打設して第一の遮水層を形成し、内部に流動化硬化埋め戻し土を充填して注入し、平らにした後に室外床面の標高に一致させるステップ5とを含む。
【0014】
好ましくは、ステップ3において、一時支持鋼板両側にストッパーボルトを取り付けることをさらに含む。
【0015】
好ましくは、ステップ4とステップ5において、第一の鋼管杭、第二の鋼管杭と第三の鋼管杭内に流動化硬化埋め戻し土を充填して注入することをさらに含む。
【0016】
好ましくは、ステップ1において、第二の支保杭の坑底杭体に第二の植筋を取り付け、管路下方にフレキシブル支持板を設置し、レベリング層、防水コイル材と保護層を防水系統として施工し且つ第一の予約防水コイル材を設置し、第一の支保杭の坑底杭体に第一の植筋を取り付け、レベリング層、防水コイル材と保護層を防水系統として施工し且つ第二の予約防水コイル材を設置し、後注入帯の両端に第一の予約鉄筋と第二の予約鉄筋を設置し、ステップ4において、地下室防水系統を施工する具体的な方法は、第二の余分な溝内の流動化硬化埋め戻し土が硬化した後に、順に後注入帯位置にレベリング層を施工し、第一の予約防水コイル材と第二の予約防水コイル材を溶接し、保護層を施工し、後注入帯コンクリートを打設し、完全な第二の床スラブ及びその防水系統を形成し、第一の予約防水コイル材と第二の予約防水コイル材を溶接する時に、両者のラップ領域に赤外線レーザー位置決め装置によって複数のホットメルトガスケットを均一に配置し、超音波溶接機によってホットメルトガスケットを加熱して第一の予約防水コイル材と第二の予約防水コイル材を溶接して固定し、両者の境界の隙間で走間溶接機を採用して二重スリット溶接してシールすることである。
【発明の効果】
【0017】
本発明の有益な効果は、以下のとおりである。
【0018】
1)本発明は、余分な溝床スラブ予約後注入帯技術を採用し、後注入帯に一時支持鋼板を型枠支持系統の一時支持として設置することによって、基礎坑の異なる区画の同一階の構造板の同期施工を保証するとともに、流動化硬化土を採用して第二の余分な溝を埋め戻し、さらに第二の床スラブ防水系統の作業を行い、最後にシール後注入帯の作業を行い、地下室本体構造の施工効率と品質を向上させた。
【0019】
2)本発明は、余分な溝地盤強化技術を採用し、余分な溝内で鋼管杭を打設し、流動化硬化土を埋め戻すことによって、基礎坑の余分な溝の埋め戻し緻密さを向上させ、狭い空間において従来のコンクリートが打設しにくいという難題を解決した。
【0020】
3)本発明は、余分な溝配管変形防止支持技術を採用し、管路下方にフレキシブル支持板、支持フレームとフランジバンドを設置するとともに、鋼管杭強化、流動化硬化土埋め戻しなどの措置を結び付けることによって三重強化変形防止作用を果たし、余分な溝地盤土の不均一な沈降による配管変形を効果的に防止することができる。
【0021】
4)本発明は、地下室外壁防水技術を採用し、構造外側に保護層、防水コイル材とレベリング層を設置し、床スラブ後注入帯予約防水コイル材を溶接して強化し、及び異なる区画余分な溝底部の支保構造に筋を植え且つ遮水層を設置することによって、地下室構造全体の滲み防止特性を向上させると同時に、地下水位が余分な溝領域に与える影響を回避する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】坑における坑の狭い余分な溝の埋め戻す前の施工概略図である。
【
図2】坑における坑の狭い余分な溝の埋め戻した後の施工概略図である。
【
図3】坑における坑余分な溝配管変形防止支持系統概略図である。
【
図4】埋め戻す前の余分な溝床スラブ予約後注入帯系統概略図である。
【
図5】埋め戻した後の余分な溝床スラブ予約後注入帯系統概略図である。
【
図6】地下室防水系統における第二の余分な溝処概略図である。
【
図7】地下室防水系統における第一の余分な溝処概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
実施例1
一つの実施例とし、このような坑における坑の狭い余分な溝の流動化硬化土埋め戻し系統は、坑における坑掘削囲み系統と、余分な溝床スラブ予約後注入帯系統と、余分な溝地盤強化系統と、余分な溝配管変形防止支持系統と、地下室防水系統とを含む。
【0024】
前記坑における坑掘削囲み系統は、第一の基礎坑1と、第二の基礎坑2と、第一の支保杭3と、第二の支保杭4と、噴射コンクリート層5とを含む。前記第一の基礎坑1は、第一の支保杭3を囲み構造として採用し、坑底にクッション層6が敷設され、前記第二の基礎坑2は、第二の支保杭4とスロープ掘削後の噴射コンクリート層5を囲み構造として採用し、坑底にクッション層6が敷設される。
【0025】
前記第一の基礎坑1内に第一の床スラブ9を施工するための型枠支持系統34がさらに設けられ、前記型枠支持系統34は、すでに打設された第二の床スラブ10と一時支持鋼板12上に支持する。
【0026】
前記余分な溝床スラブ予約後注入帯系統は、第一の余分な溝7と、第二の余分な溝8と、第一の床スラブ9と、第二の床スラブ10と、後注入帯11と、一時支持鋼板12とを含む。前記第一の余分な溝7は、第一の外壁13と第一の支保杭3との間に位置し、前記第二の余分な溝8は、第二の外壁14、第二の支保杭4と噴射コンクリート層5との間に位置し、前記後注入帯11は、第二の余分な溝8上方の第二の床スラブ10に設置され、前記一時支持鋼板12は、後注入帯11両端に敷設される。前記後注入帯11の両端に第一の予約鉄筋35と第二の予約鉄筋36がそれぞれ設けられ、下方に第一の予約防水コイル材37と第二の予約防水コイル材38がそれぞれ設けられる。
【0027】
前記余分な溝地盤強化系統は、第一の鋼管杭15と、第二の鋼管杭16と、第三の鋼管杭17と、流動化硬化埋め戻し土18とを含む。前記第一の鋼管杭15は、第一の余分な溝7の坑底内に埋められ、頂部は、室外床面19の標高と同じであり、前記第二の鋼管杭16は、第二の余分な溝8の坑底内に埋められ、頂部に一時支持鋼板12下方に支持されるコーベル20が設けられ、前記第三の鋼管杭17の下端は、予約カップ口21によって第二の支保杭4に挿入され、頂部に一時支持鋼板12下方に支持されるコーベル20が設けられ、前記流動化硬化埋め戻し土18は、第一の余分な溝7と第二の余分な溝8内に注入される。
【0028】
前記余分な溝配管変形防止支持系統は、管路22と、フレキシブル支持板23と、支持フレーム24と、フランジバンド25とを含む。前記管路22は、第二の支保杭4、第二の余分な溝8と第二の外壁14を順に通過し、前記フレキシブル支持板23は、管路22下方に設置され、支持フレーム24とフランジバンド25によって第二の鋼管杭16杭体に固定される。
【0029】
前記地下室防水系統は、底板26と、第一の外壁13と、第二の外壁14と、保護層27と、防水コイル材28と、レベリング層29と、第一の遮水層30と、第二の遮水層31とを含む。前記底板26は、第二の基礎坑2坑底に設けられ、前記保護層27、防水コイル材28とレベリング層29は、底板26下方に順に設置され、レベリング層29は、クッション層6と貼り合わせられ、前記第一の遮水層30は、第一の余分な溝7のクッション層6上方に位置し、第一の植筋32によって第一の支保杭3と固定され、前記第二の遮水層31は、第二の余分な溝8のクッション層6上方に位置し、第二の植筋33によって第二の支保杭4と固定される。前記地下室防水系統における保護層27、防水コイル材28とレベリング層29は、底板26下方から、第二の外壁14、第二の床スラブ10と第一の外壁13の外側に順に延伸する。
【0030】
実施例2
別の実施例とし、このような坑における坑の狭い余分な溝の流動化硬化土埋め戻し系統の施工方法は、以下のようなステップを含む。
【0031】
図1に示すように、第一の支保杭3を施工し、第一の基礎坑1を設計された標高まで掘削し、さらに第二の支保杭4を施工し、杭頂部に予約カップ口21を設置し、一定の深さまでスロープ掘削した後に噴射コンクリート層5の作業を行い、そしてさらに第二の基礎坑2を設計された標高まで掘削する。
【0032】
第二の基礎坑2坑底を平らにした後にクッション層6を敷設し、第二の支保杭4の坑底杭体において化学的筋植えなどの方法によって第二の植筋33を取り付け、レベリング層29、防水コイル材28と保護層27を底板の防水系統として施工し、サポート、鉄筋固縛、コンクリート打設などのプロセスによって地下室底板26を施工し、その後、第二の外壁14を施工し、外側でレベリング層29、防水コイル材28と保護層27を第二の外壁の防水系統として施工し、且つ壁頂部に第一の予約防水コイル材37を設置し、その期間において管路22下方にフレキシブル支持板23を設置し、それを第二の支保杭4と第二の外壁14との間に一時的に固定して対向支持する。
【0033】
第一の基礎坑1坑底にクッション層6を敷設し、第一の支保杭3の坑底杭体に第一の植筋32、施工レベリング層29、防水コイル材28と保護層27を第二の床スラブの防水系統として取り付け、且つ第二の予約防水コイル材38を設置し、その後、第二の床スラブ10と第一の外壁13を施工し、ここで、第二の余分な溝8上方の第二の床スラブ10に後注入帯11を予約し、第二の床スラブ10鉄筋を固縛する時に後注入帯11両端に第一の予約鉄筋35と第二の予約鉄筋36を設置する。
【0034】
第二の余分な溝8内で第二の鋼管杭16を打設し、それにフレキシブル支持板23を貫通させ、フレキシブル支持板23下方に支持フレーム24とフランジバンド25を取り付け、フランジバンド25ボルトを締め付けることによってフレキシブル支持板23を第二の鋼管杭16杭体に固定し、
図3に示される。続いて第三の鋼管杭17を打設し、それを第二の支保杭4の予約カップ口21内に挿入し、第二の鋼管杭16と第三の鋼管杭17の頂端が第二の床スラブ10上面と面一であることを確保する。
【0035】
図1と
図4に示すように、後注入帯11両端に平らな鋼板を一時支持鋼板12として敷設する。一時支持鋼板12にオフセットが発生することを防止するために、その両側にストッパーボルト41を埋め込んで制限してもよい。その後、第一の基礎坑1内で足がかりを第一の床スラブ9を施工する型枠支持系統34としてかけ、第一の床スラブ9を打設して完了し、基礎坑の異なる区画の同一階の構造板の同期施工を保証する。
【0036】
図2に示すように、型枠支持系統34、一時支持鋼板12を順に取り外し、第二の鋼管杭16と第三の鋼管杭17のコーベル20を切断し、切断された後に第二の鋼管杭16と第三の鋼管杭17の頂端が第一の基礎坑1のクッション層6と面一であることを確保する。
図6に示すように、その後、第二の余分な溝8の底部に抗浸透コンクリートを打設して第二の遮水層31を形成し、流動化硬化埋め戻し土を採用して第二の鋼管杭16、第三の鋼管杭17と第二の余分な溝8を満たし、
図5に示すように、第二の余分な溝8内の流動化硬化埋め戻し土18が硬化した後に、順に後注入帯11位置にレベリング層29を施工し、第一の予約防水コイル材37と第二の予約防水コイル材38を溶接し、保護層27を施工し、後注入帯11コンクリートを打設し、完全な第二の床スラブ10及びその防水系統を形成し、ここで、第一の予約防水コイル材37と第二の予約防水コイル材38を溶接する時に、両者のラップ領域に赤外線レーザー位置決め装置によって複数のホットメルトガスケット39を均一に配置し、超音波溶接機によってホットメルトガスケット39を加熱して第一の予約防水コイル材37と第二の予約防水コイル材38を溶接して固定し、両者の境界の隙間で走間溶接機40を採用して二重スリット溶接してシールする。
【0037】
図2と
図7に示すように、第一の余分な溝7内で第一の鋼管杭15を打設し、底部に抗浸透コンクリートを打設して第一の遮水層30を形成し、流動化硬化埋め戻しを採用して第一の鋼管杭15と第一の余分な溝7を満たし、埋め戻されて平らにした後の第一の余分な溝7は、室外床面19標高に一致する。
【0038】
最後、基礎坑をすべて施工して完了した後に、続いて上部構造の作業を行う。
【符号の説明】
【0039】
1 第一の基礎坑
2 第二の基礎坑
3 第一の支保杭
4 第二の支保杭
5 噴射コンクリート層
6 クッション層
7 第一の余分な溝
8 第二の余分な溝
9 第一の床スラブ
10 第二の床スラブ
11 後注入帯
12 一時支持鋼板
13 第一の外壁
14 第二の外壁
15 第一の鋼管杭
16 第二の鋼管杭
17 第三の鋼管杭
18 流動化硬化埋め戻し土
19 室外床面
20 コーベル
21 予約カップ口
22 管路
23 フレキシブル支持板
24 支持フレーム
25 フランジバンド
26 底板
27 保護層
28 防水コイル材
29 レベリング層
30 第一の遮水層
31 第二の遮水層
32 第一の植筋
33 第二の植筋
34 型枠支持系統
35 第一の予約鉄筋
36 第二の予約鉄筋
37 第一の予約防水コイル材
38 第二の予約防水コイル材
39 ホットメルトガスケット
40 走間溶接機
41 ストッパーボルト
【要約】 (修正有)
【課題】坑における坑の狭い余分な溝の流動化硬化土埋め戻し系統及び施工方法を提供する。
【解決手段】坑における坑掘削囲み系統と、余分な溝床スラブ予約後注入帯系統と、余分な溝地盤強化系統と、余分な溝配管変形防止支持系統と、地下室防水系統とを含み、余分な溝床スラブ予約後注入帯技術を採用し、後注入帯に一時支持鋼板を型枠支持系統の一時支持として設置することによって、基礎坑の異なる区画の同一階の構造板の同期施工を保証するとともに、流動化硬化土を採用して第二の余分な溝を埋め戻し、さらに第二の床スラブ防水系統の作業を行い、最後にシール後注入帯の作業を行い、地下室本体構造の施工効率と品質を向上させ、余分な溝地盤強化技術を採用し、余分な溝内で鋼管杭を打設し、流動化硬化土を埋め戻すことによって、基礎坑の余分な溝の埋め戻し緻密さを向上させ、狭い空間において従来のコンクリートが打設しにくいという難題を解決した。
【選択図】
図1