(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】ストリング振動止め用ホルダ
(51)【国際特許分類】
A45C 13/30 20060101AFI20240820BHJP
【FI】
A45C13/30 Z
(21)【出願番号】P 2024084532
(22)【出願日】2024-05-24
【審査請求日】2024-05-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】524185939
【氏名又は名称】DRUCKEN株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129001
【氏名又は名称】林 崇朗
(72)【発明者】
【氏名】大矢 一登
【審査官】木戸 優華
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-79408(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第0208639(EP,A1)
【文献】米国特許第4927143(US,A)
【文献】特開平10-211303(JP,A)
【文献】米国特許第4761007(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0310203(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 13/30
A63B 51/12
A63B 60/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
テニスラケットのストリングを挟み込み可能に構成された外周溝を有するストリング振動止めを、保持するストリング振動止め用ホルダであって、
前記ストリング振動止めの前記外周溝に嵌り合い可能に構成されたシリコンゴム製の環状部材と、
一端において前記環状部材に連結されるとともに、他端において他の物品に対して連結可能に構成された連結具と、
前記環状部材に連結された装飾部材と
を備え、
前記環状部材の断面形状は、直径1mmの円形であり、
前記環状部材の周長は、500mm~600mmである、
ストリング振動止め用ホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、ストリング振動止め用ホルダに関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
ストリング振動止めは、テニスボールを打った際に手に伝わる振動を抑制するために、テニスラケットのストリング(ガット)に取り付けて用いられる器具である。ストリング振動止めは、「振動止め」および「振動ダンパ」とも呼ばれる。
【0003】
ストリング振動止めの種類としては、ワンポイントタイプと呼ばれるものがある。ワンポイントタイプの振動止めは、2本のストリングを挟み込み可能な外周溝が形成された合成ゴム製の器具である。このタイプの振動止めは、テニスラケットにおける隣り合う2本のストリングを振動止めの両側から外周溝にそれぞれ挟み込むことによって、これら2本のストリングの間に取り付けて使用される。特許文献1には、ワンポイントタイプの振動止めが記載されている。
【0004】
近年、ワンポイントタイプの振動止めとしては、テニスラケットの装飾も兼ねて種々のデザインのものが提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ワンポイントタイプの振動止めを持ち運ぶことについて十分な検討がなされていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書に開示する技術は、以下の形態として実現できる。
【0008】
本明細書に開示する一形態におけるストリング振動止め用ホルダは、テニスラケットのストリングを挟み込み可能に構成された外周溝を有するストリング振動止めを、保持する。このストリング振動止め用ホルダは、前記ストリング振動止めの前記外周溝に嵌り合い可能に構成されたシリコンゴム製の環状部材と;一端において前記環状部材に連結されるとともに、他端において他の物品に対して連結可能に構成された連結具と;前記環状部材に連結された装飾部材とを備える。前記環状部材の断面形状は、直径1mmの円形である。前記環状部材の周長は、500mm~600mmである。この形態のストリング振動止め用ホルダによれば、鞄、財布および携帯電話などの身の回り品に対して、ストリング振動止めを装飾品として取り付けることができる。また、この形態のストリング振動止め用ホルダによれば、ストリング振動止めを環状部材に対して容易に着脱可能でありながら、環状部材の張力によってストリング振動止めを連結具と装飾部材との間に挟み込むため、ストリング振動止めの脱落を防止できる。
【0009】
本明細書に開示する技術は、ストリング振動止め用ホルダとは異なる種々の形態で実現できる。本明細書に開示する技術は、例えば、ストリング振動止め用ホルダの部品、ストリング振動止めの保持方法などの形態で実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図3】振動ダンパを取り付けた状態にあるホルダを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、ホルダ100を示す説明図である。
図2は、振動ダンパ200を示す説明図である。
図3は、振動ダンパ200を取り付けた状態のホルダ100を示す説明図である。
【0012】
ホルダ100は、テニスラケット用の振動ダンパ200を保持するストリング振動止め用ホルダである。ホルダ100は、連結具110と、シリコンリング120と、装飾部材130とを備える。
【0013】
ホルダ100の連結具110は、一端においてシリコンリング120に連結されている。連結具110は、他端において他の物品(例えば、鞄、財布および携帯電話などの身の回り品(図示しない))に対して連結可能に構成されている。連結具110は、ストラップ、リング、フック、ナスカン、Dカン、カラビナ、チェーンなどの装身具用部材を適宜組み合わせて構成できる。
【0014】
本実施形態では、連結具110は、ストラップ112と、リング114と、フック116とを備える。ストラップ112は、他の物品に対して連結可能な紐である。ストラップ112は、連結具110の他端を構成する。リング114は、ストラップ112とフック116との間を連結する環状金具である。フック116は、シリコンリング120に連結する鉤状を成す留金である。フック116は、連結具110の一端を構成する。
【0015】
ホルダ100のシリコンリング120は、振動ダンパ200の外周溝230に嵌り合い可能に構成されたシリコンゴム製の環状部材である。シリコンリング120は、伸縮可能な部材である。シリコンリング120の断面形状は、直径1mm(ミリメートル)の円形である。シリコンリング120の周長は、収縮時において500mm~600mmである。
【0016】
本実施形態では、シリコンリング120は、円形断面かつ直径1mmのシリコンゴム製線材の両端を結び合わせて環状に形成した部材である。シリコンリング120は、線材を結び合わせた結び目125を有する。他の実施形態では、シリコンリング120は、環状に射出形成された部材であってもよい。
【0017】
ホルダ100の装飾部材130は、シリコンリング120に連結された装飾品である。装飾部材130は、宝石、ビーズ、チャーム、リングなどの装身具用部材を適宜組み合わせて構成できる。
【0018】
本実施形態では、装飾部材130は、宝石132と、Tピン134と、リング136とを備える。宝石132は、貫通孔が形成された球状の天然石である。Tピン134は、宝石132を保持するとともにリング136に連結する金具である。リング136は、シリコンリング120とTピン134との間を連結する環状金具である。
【0019】
振動ダンパ200は、テニスボールを打った際に手に伝わる振動を抑制するために、テニスラケットのストリング(ガット)に取り付けて用いられるワンポイントタイプのストリング振動止めである。振動ダンパ200は、合成ゴムを射出成形した製品である。
図2に示すように、振動ダンパ200は、表面210と、裏面220と、外周溝230と、中央部240と、リブ250と、リブ260とを備える。
【0020】
振動ダンパ200の表面210は、平面的に広がる面を構成する。振動ダンパ200の裏面220は、表面210の裏側において平面的に広がる面を構成する。本実施形態では、表面210および裏面220は、無地の円形である。他の実施形態では、表面210および裏面220は、種々の模様を有してもよいし、種々の形状(星形、四角形およびマスコットの形状など)を有してもよい。
【0021】
振動ダンパ200の外周溝230は、テニスラケットのストリングを挟み込み可能に構成された隙間である。外周溝230は、表面210と裏面220との間に形成されている。振動ダンパ200の中央部240は、外周溝230の中央において表面210と裏面220とを連結する。振動ダンパ200のリブ250は、中央部240から外側に延びて外周溝230を左右に分断する。振動ダンパ200のリブ260は、中央部240からリブ250とは反対側の外側に延びて外周溝230を左右に分断する。
【0022】
振動ダンパ200は、テニスラケットにおける隣り合う2本のストリングを振動ダンパ200の両側から外周溝230にそれぞれ挟み込むことによって、これら2本のストリングの間に取り付けて使用される。
【0023】
ホルダ100に振動ダンパ200を取り付ける際には、手で引き延ばしたシリコンリング120を振動ダンパ200の両側から外周溝230に挟み込むことによって、
図3に示すように、振動ダンパ200は、連結具110と装飾部材130との間に保持される。
【0024】
以上説明したホルダ100によれば、鞄、財布および携帯電話などの身の回り品に対して、振動ダンパ200を装飾品として取り付けることができる。また、ホルダ100によれば、振動ダンパ200をシリコンリング120に対して容易に着脱可能でありながら、シリコンリング120の張力によって振動ダンパ200を連結具110と装飾部材130との間に挟み込むため、振動ダンパ200の脱落を防止できる。
【0025】
本明細書に開示する技術は、上述した実施形態、実施例および変形例に限られない。本明細書に開示する技術は、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現できる。上述した実施形態、実施例および変形例における技術的特徴のうち、発明の概要の欄に記載した各形態における技術的特徴に対応するものは、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、差し替えおよび組み合わせる可能である。また、本明細書中に必須なものとして説明されていない技術的特徴は、必要に応じて削除できる。
【符号の説明】
【0026】
100…ホルダ
110…連結具
112…ストラップ
114…リング
116…フック
120…シリコンリング
125…結び目
130…装飾部材
132…宝石
136…リング
200…振動ダンパ
210…表面
220…裏面
230…外周溝
240…中央部
250…リブ
260…リブ
【要約】
【課題】身の回り品に対してストリング振動止めを装飾品として取り付けることができる器具を提供する。
【解決手段】ストリング振動止め用ホルダは、テニスラケットのストリングを挟み込み可能に構成された外周溝を有するストリング振動止めを、保持する。このストリング振動止め用ホルダは、ストリング振動止めの外周溝に嵌り合い可能に構成されたシリコンゴム製の環状部材と;一端において環状部材に連結されるとともに、他端において他の物品に対して連結可能に構成された連結具と;環状部材に連結された装飾部材とを備える。環状部材の断面形状は、直径1mmの円形である。環状部材の周長は、500mm~600mmである。
【選択図】
図3