(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】よもぎ蒸し用の椅子
(51)【国際特許分類】
A61H 33/10 20060101AFI20240820BHJP
【FI】
A61H33/10 R
(21)【出願番号】P 2024092981
(22)【出願日】2024-06-07
【審査請求日】2024-06-07
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和5年11月15日 店舗「MUWHAT」(東京都台東区寿2-9-17真山ビル1階)にて展示、令和6年3月1日 ウエブサイト https://muwhat.com/collections/pickup、https://muwhat.com/collections/furniture、https://muwhat.com/products/stool、https://muwhat.com/products/chairにて公開
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】513077586
【氏名又は名称】株式会社ドゥ-ブルアッシュ
(74)【代理人】
【識別番号】100129001
【氏名又は名称】林 崇朗
(72)【発明者】
【氏名】中谷 友祐
【審査官】沼田 規好
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3128609(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0024170(KR,A)
【文献】韓国公開実用新案第20-2017-0003217(KR,U)
【文献】特開平10-229955(JP,A)
【文献】実開平05-084299(JP,U)
【文献】米国特許第5588162(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 33/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
よもぎ蒸し用の椅子であって、
右前脚と、
左前脚と、
右後脚と、
左後脚と、
前記右前脚と前記左前脚とを連結する前幕板と、
前記右前脚と前記右後脚とを連結する右側幕板と、
前記左前脚と前記左後脚とを連結する左側幕板と、
中央に貫通孔を有するドーナツ状を成す座板と、
非接合状態で前記座板を載置するために前記座板を下方から支持する載置面と、
前記載置面に載置された前記座板の外周よりも外側に位置するとともに前記載置面よりも上方に突出し、前記載置面に載置された前記座板を位置決めする4つの突出部と
を備え、
前記前幕板における第1の上端面、前記右側幕板における第2の上端面、並びに前記左側幕板における第3の上端面は、それぞれ前記載置面を構成し、
前記右前脚における第1の上端部、並びに前記左前脚における第2の上端部は、前記4つの突出部のうちの2つを構成する、よもぎ蒸し用の椅子。
【請求項2】
前記4つの突出部の高さは、前記載置面に載置された前記座板の上面よりも低い、請求項1に記載のよもぎ蒸し用の椅子。
【請求項3】
請求項1に記載のよもぎ蒸し用の椅子であって、更に、前記右後脚と前記左後脚とを連結する後幕板を備え、
前記後幕板における第4の上端面は、前記第1、第2および第3の上端面と共に前記載置面を構成し、
前記右後脚における第3の上端部、並びに前記左後脚における第4の上端部は、前記第1および第2の上端部と共に前記4つの突出部を構成する、よもぎ蒸し用の椅子。
【請求項4】
請求項1に記載のよもぎ蒸し用の椅子であって、更に、
前記右後脚における第1の上方延長部と前記左後脚における第2の上方延長部との間に設けられた背もたれ部と、
前記右側幕板と前記左側幕板とを連結する中幕板と
を備え、
前記中幕板における第4の上端面は、前記第1、第2および第3の上端面と共に前記載置面を構成し、
前記4つの突出部のうち前記第1および第2の上端部とは異なる2つの突出部は、前記第4の上端面に設けられている、よもぎ蒸し用の椅子。
【請求項5】
木組み工法によって複数の無垢材を組み立てて成る請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のよもぎ蒸し用の椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、よもぎ蒸し用の椅子に関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
よもぎ蒸し用の椅子は、よもぎをはじめとする薬草を煎じた蒸気を発生させるコンロを内側に配置可能であるとともに、その蒸気を利用者に効果的に浴びせるために座板に貫通孔を有する。特許文献1には、座板に貫通孔を有する椅子について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の椅子は、通常の椅子として使用することについて十分に考慮されていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書に開示する技術は、以下の形態として実現できる。
【0006】
(1)本明細書に開示する一形態は、よもぎ蒸し用の椅子である。このよもぎ蒸し用の椅子は、右前脚と;左前脚と;右後脚と;左後脚と;前記右前脚と前記左前脚とを連結する前幕板と;前記右前脚と前記右後脚とを連結する右側幕板と;前記左前脚と前記左後脚とを連結する左側幕板と;中央に貫通孔を有するドーナツ状を成す座板と;非接合状態で前記座板を載置するために前記座板を下方から支持する載置面と;前記載置面に載置された前記座板の外周よりも外側に位置するとともに前記載置面よりも上方に突出し、前記載置面に載置された前記座板を位置決めする4つの突出部とを備える。前記前幕板における第1の上端面、前記右側幕板における第2の上端面、並びに前記左側幕板における第3の上端面は、それぞれ前記載置面を構成する。前記右前脚における第1の上端部、並びに前記左前脚における第2の上端部は、前記4つの突出部のうちの2つを構成する。この形態のよもぎ蒸し用の椅子によれば、右前脚における第1の上端部、並びに、左前脚における第2の上端部を含む4つの突出部によって、非接合状態で座板を載置面に位置決めすることができる。そのため、座板を載置面に対して上下に移動させることによって座板を容易に着脱することができる。その結果、貫通孔を有する座板と、貫通孔のない他の座板とを取り替えることによって、よもぎ蒸し用途と、通常の椅子としての用途との間で容易に使い分けすることができる。また、右前脚および左前脚におけるそれぞれの上端部によって2つの突出部を構成できるため、突出部を構成するための部品点数の増加を抑制できる。
【0007】
(2)上記形態のよもぎ蒸し用の椅子において、前記4つの突出部の高さは、前記載置面に載置された前記座板の上面よりも低くてもよい。この形態のよもぎ蒸し用の椅子によれば、4つの突出部の高さが座板の上面よりも低いため、座板に座っている使用者の体に突出部が引っ掛かることを防止できる。
【0008】
(3)上記形態のよもぎ蒸し用の椅子は、更に、前記右後脚と前記左後脚とを連結する後幕板を備えてもよい。この形態のよもぎ蒸し用の椅子において、前記後幕板における第4の上端面は、前記第1、第2および第3の上端面と共に前記載置面を構成してもよい。そして、前記右後脚における第3の上端部、並びに前記左後脚における第4の上端部は、前記第1および第2の上端部と共に前記4つの突出部を構成してもよい。この形態のよもぎ蒸し用の椅子によれば、右前脚、左前脚、右後脚および左後脚におけるそれぞれの上端部によって、非接合状態で座板を載置面に位置決めすることができる。また、右前脚、左前脚、右後脚および左後脚におけるそれぞれの上端部によって4つの突出部を構成できるため、突出部を構成するための部品点数の増加をいっそう抑制できる。
【0009】
(4)上記形態のよもぎ蒸し用の椅子は、更に、前記右後脚における第1の上方延長部と前記左後脚における第2の上方延長部との間に設けられた背もたれ部と;前記右側幕板と前記左側幕板とを連結する中幕板とを備えてもよい。この形態のよもぎ蒸し用の椅子において、前記中幕板における第4の上端面は、前記第1、第2および第3の上端面と共に前記載置面を構成してもよい。そして、前記4つの突出部のうち前記第1および第2の上端部とは異なる2つの突出部は、前記第4の上端面に設けられていてもよい。この形態のよもぎ蒸し用の椅子によれば、右後脚と左後脚との間に背もたれ部を設けながら、4つの突出部によって非接合状態で座板を載置面に位置決めすることができる。
【0010】
(5)上記形態のよもぎ蒸し用の椅子は、木組み工法によって複数の無垢材を組み立てて成ってもよい。この形態のよもぎ蒸し用の椅子によれば、金具を使用せずに無垢材を組み立てて製作されているため、よもぎ蒸しのように高温蒸気に晒される使用環境において、木材と金具との熱膨張率の差による損傷、並びに、集成材のような接着面の剥がれによる損傷を防止することができる。また、高温蒸気で加熱された金具による使用者の火傷を防止することができる。
【0011】
本明細書に開示する技術は、よもぎ蒸し用の椅子とは異なる種々の形態で実現できる。本明細書に開示する技術は、例えば、椅子の部品、椅子の製造方法、並びに、よもぎ蒸しの施術方法などの形態で実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】座板を取り外した状態で正面上方から見た椅子の斜視図である。
【
図3】他の座板に取り替えた状態で正面上方から見た椅子の斜視図である。
【
図8】第2実施形態における椅子の左側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、第1実施形態における椅子10の斜視図である。
図1の斜視図は、正面上方から見た椅子10を示す。
図2は、座板150を取り外した状態で正面上方から見た椅子10の斜視図である。
図3は、他の座板160に取り替えた状態で正面上方から見た椅子の斜視図である。
図4は、上方から見た椅子10の平面図である。
図5は、正面から見た椅子10の正面図である。
【0014】
椅子10は、よもぎ蒸し用の椅子である。椅子10は、座板150と、座板160とを備える。椅子10は、座板150と座板160とを選択的に取り替えて使用可能に構成されている。座板150を取り付けた椅子10は、よもぎ蒸しに使用可能である(
図1を参照)。座板160を取り付けた椅子10は、通常の椅子として快適に使用可能である(
図3を参照)。
【0015】
図1に示すように、椅子10の座板150は、よもぎ蒸し用途に使用される座板である。座板150は、中央に貫通孔152を有するドーナツ状を成す。座板150は、無垢材で形成されている。座板150の外形は、円盤状である。座板150の外形は、楕円盤状であってもよい。貫通孔152の断面形状は、円である。貫通孔152の断面形状は、楕円であってもよい。
【0016】
図3に示すように、椅子10の座板160は、通常の椅子としての用途に使用される座板である。座板160は、座板150のような貫通孔を有していない。座板160の外形は、座板150の外形と同様である。座板160は、集成材の上にウレタンを積層して織物で覆うことによって作製されている。座板160は、無垢材で形成されていてもよい。
【0017】
椅子10は、非接合状態で座板150,160を載置するために座板150,160を下方から支持する載置面PSを有する。椅子10は、載置面PSに載置された座板150,160を位置決めする4つの突出部P1,P2,P3,P4を有する。4つの突出部P1,P2,P3,P4は、載置面PSに載置された座板150,160の外周よりも外側に位置するとともに載置面PSよりも上方に突出している。
図4に示すように、4つの突出部P1,P2,P3,P4の内側には、遊びを持った状態で座板150,160が嵌め込まれる。
【0018】
図5に示すように、4つの突出部P1,P2,P3,P4の高さは、載置面PSに載置された座板150の上面154よりも低い。同様に、4つの突出部P1,P2,P3,P4の高さは、載置面PSに載置された座板160の上面164よりも低い。
【0019】
椅子10は、4本の脚部材として、右前脚111と、左前脚112と、右後脚113と、左後脚114とを備える。これら4本の脚部材は、棒状を成す。本実施形態では、これら4本の脚部材は、円柱状を成す。これら4本の脚部材は、多角柱状を成してもよい。これら4本の脚部材は、無垢材で形成されている。これら4本の脚部材は、共通の部材である。
【0020】
右前脚111の上端部111Pは、突出部P1を構成する第1の上端部である。左前脚112の上端部112Pは、突出部P2を構成する第2の上端部である。右後脚113の上端部113Pは、突出部P3を構成する第3の上端部である。左後脚114の上端部114Pは、突出部P4を構成する第4の上端部である。
【0021】
椅子10は、4本の脚部材を連結する連結部材として、前幕板121と、右側幕板122と、左側幕板123と、後幕板124と、4つの隅木131,132,133,134と、4つの脚貫141,142,143,144とを備える。これらの連結部材は、無垢材で形成されている。4本の脚部材および連結部材は、金具を使用することなく、木組み工法によって組み立てられている。
【0022】
前幕板121は、右前脚111と左前脚112とを連結する。前幕板121は、上方を向いた上端面121Uを有する。上端面121Uは、載置面PSを構成する。
【0023】
右側幕板122は、右前脚111と右後脚113とを連結する。右側幕板122は、上方を向いた上端面122Uを有する。上端面122Uは、載置面PSを構成する。
【0024】
左側幕板123は、左前脚112と左後脚114とを連結する。左側幕板123は、上方を向いた上端面123Uを有する。上端面123Uは、載置面PSを構成する。
【0025】
後幕板124は、右後脚113と左後脚114とを連結する。後幕板124は、上方を向いた上端面124Uを有する。上端面124Uは、載置面PSを構成する。
【0026】
隅木131は、前幕板121と右側幕板122とを連結する。隅木131は、上方を向いた上端面131Uを有する。上端面131Uは、載置面PSを構成する。
【0027】
隅木132は、前幕板121と左側幕板123とを連結する。隅木132は、上方を向いた上端面132Uを有する。上端面132Uは、載置面PSを構成する。
【0028】
隅木133は、右側幕板122と後幕板124とを連結する。隅木133は、上方を向いた上端面133Uを有する。上端面133Uは、載置面PSを構成する。
【0029】
隅木134は、左側幕板123と後幕板124とを連結する。隅木134は、上方を向いた上端面134Uを有する。上端面134Uは、載置面PSを構成する。
【0030】
脚貫141は、前幕板121より下方において右前脚111と左前脚112とを連結する。脚貫142は、右側幕板122より下方において右前脚111と右後脚113とを連結する。脚貫143は、左側幕板123より下方において左前脚112と左後脚114とを連結する。脚貫144は、後幕板124より下方において右後脚113と左後脚114とを連結する。
【0031】
以上説明した第1実施形態の椅子10によれば、右前脚111、左前脚112、右後脚113および左後脚114におけるそれぞれの上端部111P,112P,113P,114Pで構成される4つの突出部P1,P2,P3,P4によって、非接合状態で座板150,160を載置面PSに位置決めすることができる。そのため、座板150,160を載置面PSに対して上下に移動させることによって座板150,160を容易に着脱することができる。その結果、貫通孔152を有する座板150と、貫通孔のない座板160とを取り替えることによって、よもぎ蒸し用途と、通常の椅子としての用途との間で容易に使い分けすることができる。また、右前脚111、左前脚112、右後脚113および左後脚114におけるそれぞれの上端部111P,112P,113P,114Pによって4つの突出部P1,P2,P3,P4を構成できるため、突出部P1,P2,P3,P4を構成するための部品点数の増加を抑制できる。
【0032】
また、4つの突出部P1,P2,P3,P4の高さが座板150,160の上面154,164よりも低いため、座板150,160に座っている使用者の体に突出部P1,P2,P3,P4が引っ掛かることを防止できる。
【0033】
また、椅子10は、金具を使用せずに無垢材を組み立てて製作されるため、よもぎ蒸しのように高温蒸気に晒される使用環境において、木材と金具との熱膨張率の差による損傷、並びに、集成材のような接着面の剥がれによる損傷を防止することができる。また、高温蒸気で加熱された金具による使用者の火傷を防止することができる。
【0034】
図6は、第2実施形態における椅子20の平面図である。
図7は、第2実施形態における椅子20の正面図である。
図8は、第2実施形態における椅子20の左側面図である。
【0035】
椅子20は、よもぎ蒸し用の椅子である。椅子20は、第1実施形態の椅子10とは異なり、背もたれ部260を有する。椅子20は、第1実施形態の座板150と同様の座板250と、第1実施形態の座板160とを備える。椅子20は、座板250と座板160とを選択的に取り替えて使用可能に構成されている。座板250を取り付けた椅子20は、よもぎ蒸しに使用可能である(
図6~8を参照)。座板160を取り付けた椅子20は、第1実施形態の椅子10と同様に、通常の椅子として快適に使用可能である。
【0036】
椅子20は、非接合状態で座板250,160を載置するために座板250,160を下方から支持する載置面PSを有する。椅子20は、載置面PSに載置された座板250,160を位置決めする4つの突出部P1,P2,P3,P4を有する。4つの突出部P1,P2,P3,P4は、載置面PSに載置された座板250,160の外周よりも外側に位置するとともに載置面PSよりも上方に突出している。
図6に示すように、4つの突出部P1,P2,P3,P4の内側には、遊びを持った状態で座板250,160が嵌め込まれる。
【0037】
図8に示すように、4つの突出部P1,P2,P3,P4の高さは、載置面PSに載置された座板250の上面254よりも低い。同様に、4つの突出部P1,P2,P3,P4の高さは、載置面PSに載置された座板160の上面164よりも低い。
【0038】
椅子20は、4本の脚部材として、右前脚211と、左前脚212と、右後脚213と、左後脚214とを備える。これら4本の脚部材は、棒状を成す。本実施形態では、これら4本の脚部材は、四角柱状を成す。これら4本の脚部材は、円柱状または他の多角柱状を成してもよい。これら4本の脚部材は、無垢材で形成されている。右前脚211および左前脚212は、共通の部材である。右後脚213および左後脚214は、右前脚211および左前脚212よりも長い共通の部材である。
【0039】
右前脚211の上端部211Pは、突出部P1を構成する第1の上端部である。左前脚212の上端部212Pは、突出部P2を構成する第2の上端部である。
【0040】
右後脚213の上方延長部213Pは、背もたれ部260を支持する第1の上方延長部である。左後脚214の上端部214Pは、背もたれ部260を支持する第2の上方延長部である。上方延長部213Pと上端部214Pとの間には、背もたれ部260が設けられている。本実施形態では、背もたれ部260は、4本の背貫によって構成されている。
【0041】
椅子20は、4本の脚部材を連結する連結部材として、前幕板221と、右側幕板222と、左側幕板223と、中幕板225と、後幕板224と、4つの隅木231,232,233,234と、4つの脚貫241,242,243,244とを備える。これらの連結部材は、無垢材で形成されている。4本の脚部材および連結部材は、金具を使用することなく、木組み工法によって組み立てられている。
【0042】
前幕板221は、右前脚211と左前脚212とを連結する。前幕板221は、上方を向いた上端面221Uを有する。上端面221Uは、載置面PSを構成する。
【0043】
右側幕板222は、右前脚211と右後脚213とを連結する。右側幕板222は、上方を向いた上端面222Uを有する。上端面222Uは、載置面PSを構成する。
【0044】
左側幕板223は、左前脚212と左後脚214とを連結する。左側幕板223は、上方を向いた上端面223Uを有する。上端面223Uは、載置面PSを構成する。
【0045】
後幕板224は、右後脚213と左後脚214とを連結する。
【0046】
中幕板225は、右側幕板222と左側幕板223とを連結する。中幕板225は、上方を向いた上端面225Uを有する。上端面225Uは、載置面PSを構成する。上端面225Uには、突出部P3,P4が設けられている。本実施形態では、突出部P3,P4は、下方が上端面225Uに埋め込まれた丸棒である。
【0047】
隅木231は、前幕板221と右側幕板222とを連結する。隅木231は、上方を向いた上端面231Uを有する。上端面231Uは、載置面PSを構成する。
【0048】
隅木232は、前幕板221と左側幕板223とを連結する。隅木232は、上方を向いた上端面232Uを有する。上端面232Uは、載置面PSを構成する。
【0049】
隅木233は、右側幕板222と中幕板225とを連結する。隅木233は、上方を向いた上端面233Uを有する。上端面233Uは、載置面PSを構成する。
【0050】
隅木234は、左側幕板223と中幕板225とを連結する。隅木234は、上方を向いた上端面234Uを有する。上端面234Uは、載置面PSを構成する。
【0051】
脚貫241は、前幕板221より下方において右前脚211と左前脚212とを連結する。脚貫242は、右側幕板222より下方において右前脚211と右後脚213とを連結する。脚貫243は、左側幕板223より下方において左前脚212と左後脚214とを連結する。脚貫244は、後幕板224より下方において右後脚213と左後脚214とを連結する。
【0052】
以上説明した第2実施形態の椅子20によれば、右後脚213と左後脚214との間に背もたれ部260を設けながら、4つの突出部P1,P2,P3,P4によって非接合状態で座板250,160を載置面PSに位置決めすることができる。そのため、座板250,160を載置面PSに対して上下に移動させることによって座板250,160を容易に着脱することができる。その結果、貫通孔252を有する座板250と、貫通孔のない座板160とを取り替えることによって、よもぎ蒸し用途と、通常の椅子としての用途との間で容易に使い分けすることができる。また、右前脚211および左前脚212におけるそれぞれの上端部111P,112Pによって2つの突出部P1,P2を構成できるため、突出部P1,P2を構成するための部品点数の増加を抑制できる。
【0053】
また、4つの突出部P1,P2,P3,P4の高さが座板250,160の上面254,164よりも低いため、座板250,160に座っている使用者の体に突出部P1,P2,P3,P4が引っ掛かることを防止できる。
【0054】
また、椅子20は、金具を使用せずに無垢材を組み立てて製作されるため、よもぎ蒸しのように高温蒸気に晒される使用環境において、木材と金具との熱膨張率の差による損傷、並びに、集成材のような接着面の剥がれによる損傷を防止することができる。また、高温蒸気で加熱された金具による使用者の火傷を防止することができる。
【0055】
本明細書に開示する技術は、上述した実施形態、実施例および変形例に限られない。本明細書に開示する技術は、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現できる。上述した実施形態、実施例および変形例における技術的特徴のうち、発明の概要の欄に記載した各形態における技術的特徴に対応するものは、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、差し替えおよび組み合わせる可能である。また、本明細書中に必須なものとして説明されていない技術的特徴は、必要に応じて削除できる。
【符号の説明】
【0056】
10…椅子
20…椅子
111…右前脚
111P…上端部
112…左前脚
112P…上端部
113…右後脚
113P…上端部
114…左後脚
114P…上端部
121…前幕板
121U…上端面
122…右側幕板
122U…上端面
123…左側幕板
123U…上端面
124…後幕板
124U…上端面
131~134…隅木
131U~134U…上端面
141~144…脚貫
150…座板
152…貫通孔
154…上面
160…座板
164…上面
211…右前脚
211P…上端部
212…左前脚
212P…上端部
213…右後脚
213P…上方延長部
214…左後脚
214P…上方延長部
221…前幕板
221U…上端面
222…右側幕板
222U…上端面
223…左側幕板
223U…上端面
224…後幕板
225…中幕板
225U…上端面
231~234…隅木
231U~234U…上端面
241~244…脚貫
250…座板
252…貫通孔
254…上面
260…背もたれ部
P1~P4…突出部
PS…載置面
【要約】
【課題】通常の椅子として使用することについて考慮された、よもぎ蒸し用の椅子を提供する。
【解決手段】よもぎ蒸し用の椅子は、右前脚と;左前脚と;右後脚と;左後脚と;右前脚と左前脚とを連結する前幕板と;右前脚と右後脚とを連結する右側幕板と;左前脚と左後脚とを連結する左側幕板と;中央に貫通孔を有するドーナツ状を成す座板と;非接合状態で座板を載置するために座板を下方から支持する載置面と;載置面に載置された座板の外周よりも外側に位置するとともに載置面よりも上方に突出し、載置面に載置された座板を位置決めする4つの突出部とを備える。前幕板における第1の上端面、右側幕板における第2の上端面、並びに左側幕板における第3の上端面は、それぞれ載置面を構成する。右前脚における第1の上端部、並びに左前脚における第2の上端部は、4つの突出部のうちの2つを構成する。
【選択図】
図1