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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】サンドイッチ包装袋の組立シート
(51)【国際特許分類】
   B65D 30/28 20060101AFI20240820BHJP
   B65D 85/50 20060101ALI20240820BHJP
   B65D 85/36 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
B65D30/28 L
B65D85/50 100
B65D85/36 100
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020108862
(22)【出願日】2020-06-24
(65)【公開番号】P2022006569
(43)【公開日】2022-01-13
【審査請求日】2023-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000236746
【氏名又は名称】不二精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080160
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 憲一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100149205
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 泰央
(72)【発明者】
【氏名】上野 克
(72)【発明者】
【氏名】青木 太志
【審査官】二ッ谷 裕子
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3199074(JP,U)
【文献】特開2001-322672(JP,A)
【文献】特表2014-503432(JP,A)
【文献】米国特許第6431365(US,B1)
【文献】実開平2-15432(JP,U)
【文献】特開平9-86512(JP,A)
【文献】実開平7-28846(JP,U)
【文献】実開昭62-54940(JP,U)
【文献】特開2000-53147(JP,A)
【文献】実開平6-35144(JP,U)
【文献】特開2002-2791(JP,A)
【文献】特開2008-100716(JP,A)
【文献】特開平10-218200(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 30/00 - 33/38
B65D 85/50
B65D 85/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
製のシートと透明フィルムから組み立て式として構成されたサンドイッチ包装袋の組立シートであって、
前記紙製のシートは、直角三角形に形成した左右側三角面体と、直角三角形のサンドイッチの厚み包装用の周面包装帯とより構成し、
周面包装帯の中途部の左右端縁部に左右側三角面体の傾斜面縁部をそれぞれ折曲自在に連設し、
周面包装帯は、
包装時のサンドイッチの垂直背面に対応し、かつ、包装帯の背面略中央線部分を長手方向に左右切離するための切離用破断線を設けた背面部と、
包装時のサンドイッチの傾斜面に対応する枠内に前記透明フィルムを張設した透明傾斜面部と、
包装時のサンドイッチの底面に対応する底面部と、
透明傾斜面部と背面部との間に介在した二つ折り可能なつまみ部と、を有し、
周面包装帯と左右側三角面体によりサンドイッチ包装袋を組立構成するために、左右側三角面体の一対の直角辺部と、背面部の左右辺部と、底面部の左右辺部とに接着代部を延設し、
左右側三角面体の一対の直角辺部のうち少なくとも一方の直角辺部の接着代部は、背面部の左右辺部の接着代部、または底面部の左右辺部の接着代部と重なった状態で外方に突出した重複形態をなす
ことを特徴とするサンドイッチ包装袋の組立シート。
【請求項2】
周面包装帯において、背面部の基端幅員と透明傾斜面部の底面側幅員と底面部の先端部の基端幅員とはそれぞれ順次幅狭になるように構成することにより、背面部は包装時に上方幅広の逆台形に、透明傾斜面部は包装時に上方幅広の逆台形に、底面部は包装時に前方幅広の逆台形に、それぞれ形成したことを特徴とする請求項1に記載のサンドイッチ包装袋の組立シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械で自動的に大量のサンドイッチを包装する機械の開発に伴い必要とされるサンドイッチ包装袋の組立シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サンドイッチは製造工程の必然性から複数枚の直角三角形パンに多種の食材を挟んでつくられる。
従って、サンドイッチの包装に際しては、予めサンドイッチの全体形状に合致した樹脂フィルムの包装ケースを作成しておき開放された後側面から前面傾斜面に向けてサンドイッチを挿入し、後側面を閉塞することにより包装を完了する。
かかる包装技術においては、包装素材を樹脂フィルムとしたこと、及び販売時の店頭におけるディスプレイにおいてサンドイッチの三角傾斜面が前面を向いた形態、すなわち、サンドイッチの具材が傾斜面の切り口から露出して視覚的に視認できる形態で流通展示させること等が求められている。
【0003】
特許文献1には、自動で連続してサンドイッチを封入するための樹脂フィルムで構成された連続袋体について記載されている。この連続袋体は、合成樹脂製で略方形形状の2枚のフィルムシートを重ね合せ、その周縁部3辺を溶着することにより、1辺を開放形態としたサンドイッチを挿入可能な袋体に構成している。この連続袋体は、開放形態の1辺に空気を吹き込むことでサンドイッチを挿入するための収納空間を形成し、開放した1辺から収納空間にサンドイッチを挿入することで容易に封入できることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開平5-58647号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載のサンドイッチの包装形態では樹脂フィルムを使用するために昨今の環境保全の要請から可及的に有機質の包装紙を使用する要請が強く産業界からも素材の変更が求められている。同時にサンドイッチの包装作業を機械装置によって自動的に行えるような技術が求められている。
そのためには機械装置を用いて自動で包装することができるような組み立て式の包装袋をまず提供しなければならない。
このようにサンドイッチの自動包装技術を実施するためにその前提として包装機による自動包装作業に適合するような紙素材の組立式サンドイッチ包装袋が出現しなければならない。
【0006】
本発明では、紙素材の組み立て式サンドイッチ包装袋を提供してかかる従来技術の課題を解消せんとするものであり、特にかかる機械式の包装装置に使用可能な包装袋に組み上げるための組立式のシート構造を提供せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、直角三角形に形成した左右側三角面体と、幅員をサンドイッチの厚みとすると共に、長方形状の長さを直角三角形のサンドイッチの三角形外周の長さとしたサンドイッチ包装用の周面包装帯とより構成し、周面包装帯の中途部の左右端縁部に左右側三角面体の傾斜面縁部をそれぞれ折曲自在に連設し、周面包装帯は、包装時のサンドイッチの垂直背面に対応し、かつ、包装帯の背面略中央線部分を長手方向に左右切離するための切離用破断線を設けた背面部と、包装時のサンドイッチの傾斜面に対応する透明傾斜面部と、包装時のサンドイッチの底面に対応する底面部と、透明傾斜面部と背面部との間に介在した二つ折り可能なつまみ部と、より構成したことを特徴とするサンドイッチ包装袋の組立シートを提供するものである。
【0008】
また、周面包装帯と左右側三角面体によりサンドイッチ包装袋を組立構成するために、左右側三角面体の直角辺部と、背面部の左右辺部及び先端辺部と、底面部の左右辺部及び先端辺部とに接着代部を延設したことを特徴とする。
【0009】
また、周面包装帯において、背面部の基端幅員と透明傾斜面部の底面側幅員と底面部の先端部の基端幅員とはそれぞれ順次幅狭になるように構成することにより、背面部は包装時に上方幅広の逆台形に、透明傾斜面部は包装時に上方幅広の逆台形に、底面部は包装時に前方幅広の逆台形に、それぞれ形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、直角三角形に形成した左右側三角面体と、幅員をサンドイッチの厚みとすると共に、長方形状の長さを直角三角形のサンドイッチの三角形外周の長さとしたサンドイッチ包装用の周面包装帯とより構成し、周面包装帯の中途部の左右端縁部に左右側三角面体の傾斜面縁部をそれぞれ折曲自在に連設し、周面包装帯は包装時のサンドイッチの垂直背面に対応し、かつ、包装帯の背面略中央線部分を長手方向に左右切離するための切離用破断線を設けた背面部と、包装時のサンドイッチの傾斜面に対応する透明傾斜面部と、包装時のサンドイッチの底面に対応する底面部と、透明傾斜面部と背面部との間に介在した二つ折り可能なつまみ部とより構成したことにより、周面包装帯の背面縁と透明傾斜面部と底面部によりサンドイッチの幅員となる外周面を被覆包装し、サンドイッチの左右側三角面体によりサンドイッチの両側面を被覆包装することができ、しかも、これらの周面包装帯と左右側三角面体とは一体にサンドイッチの直角三角形状に組み立てることができ、しかもこれらの構成部材は一枚のシートで構成することができることになり機械による組立工程が簡便に行えて、しかも確実な機械の組み立て作動を実現することができる効果がある。
【0011】
請求項2の発明によれば、周面包装帯と左右側三角面体によりサンドイッチ包装袋を組立構成するために、左右側三角面体の直角辺部と、背面部の左右辺部及び先端辺部と、底面部の左右辺部及び先端辺部とに接着代部を延設したことにより、周面包装帯と左右側三角面体接着代とを組み立てる際に各構成部材の接着代部を介して各部材をサンドイッチの三角形状に組み立てることができ、しかも、各部材の連設境界線に沿って折り曲げるだけで折り曲げ線から延設した接着代を利用して接着することによりサンドイッチの外観形状を形成することができる効果がある。
【0012】
請求項3の発明によれば、周面包装帯において、背面部の基端幅員と透明傾斜面部の底面側幅員と底面部の先端部の基端幅員とはそれぞれ順次幅狭になるように構成することにより、背面部は包装時に上方幅広の逆台形に、透明傾斜面部は包装時に上方幅広の逆台形に、底面部は包装時に前方幅広の逆台形に、それぞれ形成したことにより、最終的に組み立てサンドイッチ形状の包装袋に形成した際にサンドイッチを開放背面部から袋空間内部に挿入することにより最終的なサンドイッチの商品流通形態に仕上げられる。
かかるサンドイッチの包装形態への製造プロセスにおいて、周面包装帯の各構成部材が逆台形形状に形成され、かつ、背面部の基端幅員と透明傾斜面部の底面側幅員と底面部の先端部の基端幅員とはそれぞれ順次幅狭になるように構成されているため、開放背面部からのサンドイッチ挿入に際して背面から三角形空間の奥部と天井部分が手前から漸次拡開空間となっていることになり、具材で中央や端部が膨張したサンドイッチを挿入しやすくなり、挿入した後の商品化したサンドイッチ包装袋の膨大形状がサンドイッチと包装袋との密着性を容易に視認させサンドイッチの高度な充填状態を購買者に暗示して商品価値を更に視認的に向上することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第一の実施例に係るサンドイッチ包装袋の組立シートを示す展開図である。
図2】第一の実施例に係るサンドイッチ包装袋の組立シートを製函し、底面部を開放した状態を示す斜視図である。
図3】第二の実施例に係るサンドイッチ包装袋の組立シートを示す展開図である。
図4】第三の実施例に係るサンドイッチ包装袋の組立シートを示す展開図である。
図5】第三の実施例に係るサンドイッチ包装袋の組立シートを製函し、底面部を開放した状態を示す斜視図である。
図6】第三の実施例に係るサンドイッチ包装袋の組立シートを製函し、サンドイッチを封入した状態を示す斜視図である。
図7】第四の実施例に係るサンドイッチ包装袋の組立シートを示す展開図である。
図8】第四の実施例に係るサンドイッチ包装袋の組立シートを製函し、底面部を開放した状態を示す斜視図である
図9】第一の実施例に係るサンドイッチ包装袋の組立シートを組立完成してサンドイッチを封入した状態を示す斜視図である。
図10】第一の実施例に係るサンドイッチ包装袋の組立シートを組立完成してサンドイッチを封入した状態を示す右背面側斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
この発明の要旨は、直角三角形に形成した左右側三角面体と、幅員をサンドイッチの厚みとすると共に、長方形状の長さを直角三角形のサンドイッチの三角形外周の長さとしたサンドイッチ包装用の周面包装帯とより構成し、周面包装帯の中途部の左右端縁部に左右側三角面体の傾斜面縁部をそれぞれ折曲自在に連設し、周面包装帯は包装時のサンドイッチの垂直背面に対応し、かつ、包装帯の背面略中央線部分を長手方向に左右切離するための切離用破断線を設けた背面部と、包装時のサンドイッチの傾斜面に対応する透明傾斜面部と、包装時のサンドイッチの底面に対応する底面部と、透明傾斜面部と背面部との間に介在した二つ折り可能なつまみ部と、より構成したことを特徴とする。
また、周面包装帯と左右側三角面体によりサンドイッチ包装袋を組立構成するために、左右側三角面体の直角辺部と、背面部の左右辺部及び先端辺部と、底面部の左右辺部及び先端辺部とに接着代部を延設したことを特徴とする。
また、周面包装帯において、背面部の基端幅員と透明傾斜面部の底面側幅員と底面部の先端部の基端幅員とはそれぞれ順次幅狭になるように構成することにより、背面部は包装時に上方幅広の逆台形に、透明傾斜面部は包装時に上方幅広の逆台形に、底面部は包装時に前方幅広の逆台形に、それぞれ形成したことを特徴とする。
【0015】
この発明の実施例を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、第一の実施例のサンドイッチ包装袋の組立シートを示す全体説明図、図2は、第一の実施例のサンドイッチ包装袋の組立シートからサンドイッチを挿入する前のサンドイッチ包装袋を示す斜視図である。
【0016】
この発明の実施例では、図1に示すように、直角三角形に形成した左右側三角面体10、20と、幅員をサンドイッチの厚みとすると共に、長方形状の長さを直角三角形のサンドイッチの三角形外周の長さとしたサンドイッチ包装用の周面包装帯30とより構成している。
【0017】
すなわち、帯状の周面包装帯30の略中央の左右端縁部30A、30Bに左右側三角面体10、20を突設しており、しかも、これらの部材は一枚の紙素材のシートから構成されている。
【0018】
本発明では、かかる一枚の紙シートを適宜折り曲げてサンドイッチの形状に合致した包装袋の形態に加工するものであり、しかも、かかる組立加工作業は本発明の紙シートを自動的に組立加工する別発明のサンドイッチ包装装置によって行われるが、本発明の実施例ではこの装置については説明を使用しないこととする。
【0019】
本発明の主体的な構成は、図1に示すように、帯状の周面包装帯30の略中央の左右端縁部30A、30Bに突設した左右側三角面体10、20と、周面包装帯30のうちの端部から順次、背面部31、包装時のサンドイッチの傾斜面に対応する透明傾斜面部32、包装時のサンドイッチの底面に対応する底面部33等が一直線に並列して設けられており、透明傾斜面部32と背面部31との間には二つ折り可能に構成したつまみ部34が介在している。しかもこれらの構成は一枚の紙製のシートから構成され組み立て式としてサンドイッチの包装形態に組み立てられる。
【0020】
以下、本件発明の第一の実施例を構成する部材について順次説明する。
(1)左右側三角面体10、20について
帯状の周面包装帯30の略中央の左右端縁部30A、30Bに突設した左右側三角面体10、20は直角三角形状に形成されており、突設境界線部分から折り曲げてサンドイッチの左右側面を形成する。しかも、左右側三角面体10、20の直角辺部10A、10B、20A、20Bと、背面部31の左右辺部31A、31B及び先端辺部31Cと、底面部33の左右辺部33A、33B及び先端辺部33Cとには幅狭の接着代部10a、10b、20a、20b、31a、31b、31c、33a、33b、33cが延設されており、三角形状に組み立てる際の接着代として機能する。
【0021】
しかも、かかる接着代は組立時の構成部材の接着代同士を重ねて包装外方において重ね接着を行う。かかる接着形態は一枚の紙シートを機械装置で自動的に組立てるために機械装置の構造上可及的に包装袋の外側(外方)で接着するような構造が必然的に必要となる。
すなわち、包装袋に組み立てられた形態では各構成部材の接着部分は二枚の接着代が重なった状態で外方に突出している。
【0022】
(2)背面部31について
周面包装帯30のうちの背面部31は、周面包装帯30の最上部に位置して形成されておりサンドイッチの包装形態においては三角傾斜面の透明傾斜面部32から後方に折り曲げて三角形状の後面に位置する。
【0023】
しかも、背面部31の左右辺部31A、31B及び先端辺部31Cには接着代部31a、31b、31cが延設されており、左右側三角面体10、20の接着代部10a、20aと底面部33の接着代部33cとに重ねて接着される。かかる重ねられた接着代部31a、31b、31cと接着代部10a、20a、33cは、前述の通り外方に突設した重複形態となる。
【0024】
また、包装時のサンドイッチの垂直背面に対応する背面部31は、周面包装帯30の背面略中央線部分を長手方向に左右切離するための切離用破断線31Dを設けており、包装されたサンドイッチを食するために包装袋からサンドイッチを取り出すに際しては切離用破断線31Dから背面部31を切り裂いて後面からサンドイッチを取り出すことができるように構成している。
【0025】
本件発明では、切離用破断線31Dは一定の間隔を保持して両サイドに切欠スリット31dを傾斜状に多数形成して構成している。切欠スリット31dは切削方向に向かって斜め登りの傾斜状に一定の間隔を保持して多数形成している。
【0026】
(3)透明傾斜面部32について
透明傾斜面部32は、包装時のサンドイッチの傾斜面に対応してサンドイッチの斜面傾斜部分を包装するものであり、サンドイッチの具材挟持の断面を視認することができるように枠内に透明フィルムF(図1図9参照)を張設している。
この透明傾斜面部32は、周面包装帯30の主要部分を構成してサンドイッチを包装した状態のディスプレイで購買者の注目を最も惹く主体をなす包装部分である。
【0027】
(4)底面部33について
周面包装帯30における最下端部に位置するものであり、包装時のサンドイッチの底面に対応する底面部33である。底面部33の左右辺部33A、33B及び先端辺部33Cは接着代部33a、33b、33cを介して左右側三角面体10、20と背面部31と連設される。
【0028】
(5)つまみ部34について
透明傾斜面部32と背面部31との間に介在した二つ折り可能な方形部分であり、組み立てた時に透明傾斜面部32の上縁部32Aと背面部31の上縁部31Eとの接合部分で折り曲げられて突設された状態で立設される(図1図6図10参照)。
【0029】
上記のように本件発明は、周面包装帯30の周縁部に折り曲げ自在に連設した左右側三角面体10、20と、サンドイッチ後面に対応する背面部31と、包装時のサンドイッチの傾斜面に対応する透明傾斜面部32と、包装時のサンドイッチの底面に対応する底面部33と、透明傾斜面部32と背面部31との間に介在した二つ折り可能なつまみ部34とより構成され、しかも、かかる本件発明の構成部材のうち背面部31、つまみ部34、透明傾斜面部32、底面部33はその幅員を均一ではなく背面部31からつまみ部34にかけて順次幅広に構成し、つまみ部34から底面部33に至る幅員を順次幅狭に構成した。
【0030】
すなわち、背面部31の基端幅員と透明傾斜面部32の底面側幅員と底面部33の先端部の基端幅員とはそれぞれ順次幅狭になるように、背面部31は包装時に上方幅広の逆台形に、透明傾斜面部32は包装時に上方幅広の逆台形に、底面部33は包装時に前方幅広の逆台形にそれぞれ形成した。
【0031】
かかる幅員の構成部材を一定の範囲で変化させることにより、最終的に組み立ててサンドイッチ形状の包装袋に形成した際にサンドイッチを開放した背面部31から袋空間内部に容易に挿入できて最終的なサンドイッチの商品流通形態に仕上げることができる。
【0032】
かかるサンドイッチの包装形態への製造プロセスにおいて、周面包装帯30の各構成部材が逆台形形状に形成され、かつ、背面部31の基端幅員と透明傾斜面部32の底面側幅員と底面部33の先端辺部33Cの基端幅員とはそれぞれ順次幅狭になるように構成することにより、開放した背面部31からサンドイッチを挿入する際、背面から三角形空間の奥部と天井部分が手前から漸次拡開空間となるため、具材で中央や端部が膨張したサンドイッチを袋体に水平に挿入しやすくなり挿入した後のサンドイッチ包装の包装袋の膨大形状がサンドイッチと包装袋との密着性を視認させサンドイッチの充填状態を膨大化して購買者に視認させることができサンドイッチの展示価値を向上することができる。
【0033】
≪第二の実施例≫
この発明の第二の実施例を図面に基づき説明する。
図3は、サンドイッチ包装袋の組立シートの第二の実施例を示す全体説明図である。第二の実施例では、サンドイッチ包装袋の組立シートS1における周面包装帯30´の背面部31´、底面部33´及びつまみ部34´の構成が第一の実施例とは異なる。その他の構成(左右側三角面体10、20、透明傾斜面部32)については、同一であるためその説明を省略する。
【0034】
第二の実施例におけるサンドイッチ包装袋の組立シートS1は、図3に示すように、つまみ部34´の背面側に位置する背面側つまみ部34b及び背面部31´を周面包装帯30´の最下部に配置している。すなわち、周面包装帯30´は、最上部に透明傾斜面部32及び正面側つまみ部34aが位置し、最下部に背面部31´及び背面側つまみ部34bが位置している。
【0035】
背面部31´は、周面包装帯30´の最下部に位置して形成されており、サンドイッチの包装形態においては包装時の底面に位置する底面部33から後方に折り曲げて三角形状の後ろ面に位置する。
【0036】
しかも、背面部31´の左右辺部31A、31Bには、接着代部31a、31bが延設されており、左右側三角面体10、20の接着代部10a、20aに重ねて接着される。かかる重ねられた接着代部31a、31bと接着代部10a、20aは、外方に突設した重複形態となる。
【0037】
つまみ部34´は、サンドイッチの包装形態において正面側に位置する正面側つまみ部34aと、背面側に位置する背面側つまみ部34bと、で構成している。
正面側つまみ部34aは、透明傾斜面部32の上縁部32Aに連結しており、背面側つまみ部34bは、背面部31´の上縁部31Eに連結している。
組立シートS1を包装形態にする際には、正面側つまみ部34aの裏面側と、背面側つまみ部34bの裏面側とを接着することにより突設状態で立設している。
【0038】
また、背面側つまみ部34bから底面部33´には、切離用破断線31Dを形成している。また、切離用破断線31Dは、背面側つまみ部34bを基点として封緘されたサンドイッチ包装袋を開封状態にできる。
【0039】
上述したように本件発明における第二の実施例では、周面包装帯30´の周縁部に折り曲げ自在に連設した左右側三角面体10、20と、サンドイッチ後面に対応する背面部31´と、包装時のサンドイッチの傾斜面に対応する透明傾斜面部32と、包装時のサンドイッチの底面に対応する底面部33´と、透明傾斜面部32の上部及び背面部31´の下部に設けたつまみ部34´とより構成され、しかも、かかる第二の実施例の構成部材のうち背面部31´、つまみ部34´、透明傾斜面部32、底面部33´はその幅員を均一ではなく背面部31の上縁部31Eから背面部31´と底面部33´の連結部にかけて順次幅狭に構成し、正面側つまみ部34aから底面部33´と背面部31´の連結部に至る幅員を順次幅狭に構成した。
【0040】
かかる構成により、組立シートS1は、サンドイッチの包装袋を一枚のシートから構成することができ、機械による組立が簡便に行え、しかも包装袋にサンドイッチを封入する際には、背面側つまみ部34bと正面側つまみ部34aの貼着面の位置合わせだけで包装袋とする際の位置合わせが行え、機械による組立が簡便に行える。
【0041】
≪第三の実施例≫
この発明の第三の実施例を図面に基づき説明する。
図4は、サンドイッチ包装袋の組立シートの第三の実施例を示す展開図であり、図5は、第三の実施例のサンドイッチ包装袋の組立シートS2からサンドイッチを挿入する前のサンドイッチ包装袋を示す斜視図を示し、図6は、第三の実施例にサンドイッチを封入して包装袋を封緘した状態を示す斜視図である。
【0042】
第三の実施例では、サンドイッチ包装袋の組立シートS3における周面包装帯30´´の背面部31´´と透明傾斜面部32´´及び底面部33´´の位置、及び構成が第一の実施例とは異なる。その他の構成(左右側三角面体10、20、つまみ部34)については、同一であるためその説明を省略する。
【0043】
第三の実施例におけるサンドイッチ包装袋の組立シートS2は、図4に示すように、底面部33´´を周面包装帯30´´の最上部に配置したものである。すなわち、周面包装帯30´´は、最上部から最下部にかけて底面部33´´、背面部31´´、つまみ部34、透明傾斜面部32の順番で連結されている。
【0044】
底面部33´´は、周面包装帯30´´の最上部に位置して形成されており、サンドイッチの包装形態においては、包装時の背面に位置する背面部31から前方に折り曲げて三角形状の底面に位置する。
【0045】
しかも、底面部33´´の左右辺部33A、33B及び先端辺部33Dには、接着代部33a、33b、33dが延設されており、左右側三角面体10、20の接着代部10b、20bと透明傾斜面部32´´の接着代部32bとに重ねて接着される。かかる重ねられた接着代部33a、33b、33dと接着代部10a、20a、32bは、外方に突設した重複形態となる。
【0046】
背面部31´´は、底面部33´´の下部に連結している。背面部31´´は、サンドイッチを包装形態とする際つまみ部34の上縁部31Eから上方に折り曲げ、三角形状の背面に位置する。
【0047】
しかも、背面部31´´の左右辺部31A、31Bには接着代部31a、31bが延設されており、左右側三角面体10、20の接着代部10a、20aに重ねて接着される。かかる重ねられた背面部31´´の接着代部31a、31bと左右側三角面体10、20の接着代部10a、20aは、外方に突設した重複形態となる。
【0048】
背面部31´´は、周面包装帯30´´の背面略中央線部分を長手方向に左右切離するための切離用破断線31Dを設けている。切離用破断線31Dは、図4及び図5に示すように、始端部をつまみ部34に構成し、終端部を底面部33´´に構成している。包装されたサンドイッチを食するために包装袋からサンドイッチを取り出すに際しては、切離用破断線31Dで背面部31´´及び底面部33´´を左右切離して2面を開封状態とする。これにより、容易にサンドイッチを取り出すことができる。なお、切欠スリット31dは、第1の実施形態と同様の構成としている。
【0049】
透明傾斜面部32´´は、周面包装帯30´´の最下部に位置して形成されており、下縁部32Bから接着代部32bを延設している。サンドイッチの包装形態においては、包装されたサンドイッチの具材が確認できるように透明フィルムFを張設すると共に、底面部33´´の接着代部33dと透明傾斜面部32´´の接着代部32bを接着することでサンドイッチ包装袋を三角形状に封緘できる。
【0050】
上述したように本件発明における第三の実施例では、周面包装帯30´´の周縁部に折り曲げ自在に連設した左右側三角面体10、20と、サンドイッチ後面に対応する背面部31´´と、包装時のサンドイッチの傾斜面に対応する透明傾斜面部32´´と、包装時のサンドイッチの底面に対応する底面部33´´と、透明傾斜面部32´´と背面部31´´に介設したつまみ部34とより構成され、しかも、かかる本件発明の構成部材のうち背面部31´´、つまみ部34、透明傾斜面部32´´、底面部33´´はその幅員を均一ではなく背面部31´´の上縁部31Eから背面部31´´と底面部33´´との連結部にかけて順次幅狭に構成し、背面部31´´と底面部33´´との連結部から底面部33´´の先端辺部33Dにかけて順次幅広に構成し、さらに、切離用破断線31Dをつまみ部34から底面部33´´にかけて連続する構成とした。
【0051】
かかる構成により、組立シートS2は、サンドイッチの包装袋を一枚のシートから構成することができ、機械による組立が簡便に行える。また、包装袋に封入されたサンドイッチを開封して取り出す際には、切離用破断線31Dで背面部31´´及び底面部33´´を切り裂いて2面が開封でき、サンドイッチの取り出しがし易い。
【0052】
≪第四の実施例≫
この発明の第四の実施例を図面に基づき説明する。
図7は、サンドイッチ包装袋の組立シートの第四の実施例を示す展開図であり、図8は、第四の実施例におけるサンドイッチ包装袋を封緘する前の状態を示す斜視図である。
第四の実施例では、サンドイッチ包装袋の組立シートS3における左右側三角面体10、20の構成が第一の実施例とは異なる。その他の構成(周面包装帯30を構成する背面部31、透明傾斜面部32、底面部33)については同一であるためその説明を省略する。
【0053】
第四の実施例におけるサンドイッチ包装袋の組立シートS3は、図7に示すように、左右側三角面体10´、20´の直角辺部10A´、20A´及び直角辺部10A´、20A´から延設した接着代部10a´、20a´の接着代が第一の実施形態とは異なるものである。すなわち、左右側三角面体10´、20´の接着代部10a´、20a´の上端縁部を上縁部32Aに連結するように構成している。言い換えると、左右側三角面体10´、20´は左右側三角面体10、20に比して面積を小さくしたものである。
【0054】
かかる構成により組立シートS3は、図8に示すように、左右側三角面体10´、20´と背面部31との接合において、接着代部31a、31bの表面側と、接着代部10a´、20a´の裏面側とを接合する。すなわち、左右側三角面体10´、20´の接着代部10a´、20a´と、背面部31の接着代部31a、31bとの接合面をサンドイッチ収納空間に収納した状態で接合できる。
なお、ここでいう表面側とは、図7の展開図において、視認できる面のことを示し、裏面側とは、視認できない面のことを示す。
【0055】
かかる構成により、組立シートS3は、サンドイッチの包装袋を一枚のシートから構成することができ、機械による組立が簡便に行える。しかも、サンドイッチが収納できる状態に組立てる際には、直角辺部10A´、20A´と左右辺部31A、31Bの位置を合わせるだけで左右側三角面体10´、20´と背面部31とを接合できる。さらに、サンドイッチ挿入後の開放した底面部33を封緘する際には、底面部33の接着代部33a、33b、33cと、左右側三角面体10´、20´の接着代部10b、20b及び背面部31の接着代部31cを外方に突出して接合する構成により機械による組立が簡便に行える。
【0056】
かかる第一の実施例から第三の実施例までに記載したサンドイッチ包装袋の組立シートを用いて別途設けたサンドイッチ包装装置により包装袋に組み立て、裸のサンドイッチを包装袋中に収納する工程を説明する。なお、説明に際しては、第一の実施形態で説明したサンドイッチ包装袋の組立シートSを用いて説明する。
【0057】
まず、サンドイッチ包装装置の始端部に本発明のサンドイッチ包装袋の組立シートSを展開した状態で載置する。サンドイッチ包装装置では組立シートSを組み立てる手順として各種の手順を採用することができるがここでは最も単純な手順で説明する。
【0058】
組立シートSを展開した状態で周面包装帯30を長手方向に向けてサンドイッチ包装装置内に進入させる。
【0059】
装置内の進行途中で周面包装帯30を順次、背面部31、つまみ部34、透明傾斜面部32の各連結部分を折り曲げていき底面部33を除いた直角三角形の立体に形成する。しかも、底面部33を未折曲の開放した三角形とした立体は傾斜面の透明傾斜面部32を進行ベルト上に載置し直角部分が真上を向いた状態としている(図2参照)。
なお、かかる形態の保形には周面包装帯30の折り曲げ時に直角形の中子を折り曲げ三角形の立体中に収納しておく。
【0060】
その後に折り曲げた周面包装帯30の側面を塞ぐように左右側三角面体10、20を折り曲げて底面部33開放の直角三角形の立体が完成する。
【0061】
かかる立体への組み立て工程においては、背面部31、左右側三角面体10、20、底面部33の周縁部に伸延した各辺部を接着代部33a、33b、33cとしているので立体に組み立てる際にかかる接着代部33a、33b、33cと接着代部10b、20b、31cを接着して確実な直角三角形の立体に形成する。特にかかる接着代部同士を連結するに際して接着代が外方に突出した形態とする。すなわち、接着代部同士は、図1の展開図における表面同士を接合している。なお、ここでいう“表面”とは、図1の展開図において視認できる面を“表面”としている。
【0062】
かかる接着代の外方突出により最終工程のサンドイッチ収納作業が円滑に行えると共に収納サンドイッチを食する衛生面から可及的に接着剤や食品回避物がサンドイッチと接触しないようにすることができる。さらに、接着代を外方突出形態とすることにより、直角三角形の立体への組立工程において、接着代同士の接着時に加熱圧着しやすく、立体組立が容易かつ加熱温度を低温にて接着できる効果がある。
【0063】
底面部33を開放したままで開放底面部からサンドイッチを傾斜面下方向き状態で収納し、その後、底面部33を閉塞してサンドイッチの包装作業が完了する。
なお、サンドイッチを最終的に収納する際には当然に組立保形のための中子は除去する。
【0064】
以上述べた本件の組立シートを用いた包装装置による包装技術はサンドイッチ包装装置の技術に応じて適宜変更可能であることは当然である。
【符号の説明】
【0065】
S、S1、S2、S3 組立シート
F 透明フィルム
10、10´ 左側三角面体
10A、10A´、10B、10B´ 直角辺部
10a、10a´、10b、10b´ 接着代部
20、20´ 右側三角面体
20A、20A´、20B 直角辺部
20a、20a´、20b 接着代部
30、30´、30´´ 周面包装帯
30A 左端縁部
30B 右端縁部
31、31´、31´´ 背面部
31A 左辺部
31B 右辺部
31C 先端辺部
31a、31b、31c 接着代部
31D 切離用破断線
31d 切欠スリット
31E 上縁部
32、32´´ 透明傾斜面部
32A 上縁部
32B 下縁部
32b 接着代部
33、33´、33´´ 底面部
33A 左辺部
33B 右辺部
33C、33D 先端辺部
33a、33b、33c 接着代部
34、34´ つまみ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10