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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】トイレ用着衣保護着
(51)【国際特許分類】
   A41D 1/00 20180101AFI20240820BHJP
   A41D 13/00 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
A41D1/00 A
A41D13/00 102
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020184186
(22)【出願日】2020-11-04
(65)【公開番号】P2022074275
(43)【公開日】2022-05-18
【審査請求日】2023-10-04
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和02年9月01日発行、「ダンスビュウ」2020年9月号(第33巻第9号)第58頁(モダン出版)にて公開 令和02年7月10日下記ウェブサイトにて発表及び販売開始 http://www.tamishyo.com/ http://www.tamishyo.com/goods_ja_jpy_1838.html https://ameblo.jp/tamishyo/entry-12609842592.html 令和02年10月01日発行、「ダンスビュウ」2020年10月号(第33巻第10号)誌上のダンスビュウ市場にて販売開始
(73)【特許権者】
【識別番号】304030501
【氏名又は名称】有限会社多美咲
(74)【代理人】
【識別番号】100120396
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】岸田 多美子
【審査官】嘉村 泰光
(56)【参考文献】
【文献】実開昭60-122310(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 1/00
A41D 13/00
A41D 13/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着衣を来たままで前記着衣の裾を汚さずに着衣者がトイレに入ることが可能なトイレ用着衣保護着であって、
上衣部と、
スカート状の下衣部とを備え、
前記下衣部が、下端裾部に沿って設けられ伸縮して前記下端裾部の開口を収縮可能な裾ゴム部を備え、
少なくとも下半身を覆うロングスカート部を有する前記着衣の上から着た際に、前記ロングスカート部を前記下衣部内に収納可能であり、
前記下衣部内に前記ロングスカート部を収納した状態で前記下衣部が膨らんで、前記裾ゴム部で前記開口が絞られて全体が巾着袋状の形状となり、
前記着衣者が腰まで前記下衣部を内部の前記ロングスカート部と共に引き上げて下半身を露出可能であると共に、前記着衣者が手を離しても前記裾ゴム部により前記ロングスカート部の裾が前記下衣部から落ちて来ないことを特徴とするトイレ用着衣保護着。
【請求項2】
請求項1に記載のトイレ用着衣保護着において、
前記上衣部が、左右に両腕を通すことが可能な一対の袖部を有し、
前記袖部が、振り袖部を有し、
前記袖部の袖口が、内部よりも絞られ
前記振り袖部が、前記袖口よりも太く形成され、前記着衣に付いたフロート又は前記着衣者の腕に付けたアクセサリー類を内部に収納可能な収納空間を有していることを特徴とするトイレ用着衣保護着。
【請求項3】
請求項2に記載のトイレ用着衣保護着において、
前記上衣部が、前記振り袖部の袖口に沿って設けられ前記袖口の開口を収縮可能な袖口ゴム部を備えていることを特徴とするトイレ用着衣保護着。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載のトイレ用着衣保護着において、
前記上衣部が、着衣者の頭部が挿通可能な首元開口部を有し、
前記首元開口部に設けられ前記首元開口部の開口を収縮可能な首元調整部を備えていることを特徴とするトイレ用着衣保護着。
【請求項5】
請求項1から3のいずれか一項に記載のトイレ用着衣保護着において、
前記上衣部及び前記下衣部が、前部を左右に開閉可能で前開き可能な左前身頃及び右前身頃と、
前記左前身頃と前記右前身頃とを前記前部で着脱可能なファスナー部又はボタン部とを備えていることを特徴とするトイレ用着衣保護着。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダンス用ドレス等の着衣を着たままで着衣の裾を汚さずにトイレに入ることができるトイレ用着衣保護着である。
【背景技術】
【0002】
ダンス用ドレスやウェディングドレス等の裾の長い着衣を着ているときにトイレに入る場合、長い裾がトイレの床に付いてしまい汚れてしまったり、周囲のドアノブ等に引っ掛かって傷付いたりするおそれがあった。そのため、裾を手で引き上げた状態の無理な体勢を維持しなければならず、不自由かつ面倒であると共にトイレ時間が長くなり、着衣者にとって非常に大変であった。
【0003】
そのため、例えば着衣が周囲に引っ掛からないようにするためには、着替え用のポンチョなどを用いることも考えられる。例えば特許文献1には、身体の部位を止めるゴム紐を紐ホルダーで調整し、裏側に表側からと裏側の両方から手及び腕を出し入れできる袖口とポケットのついたポンチョが記載されている。
このポンチョは、着替えるときに着衣の上から被って使用するものであり、着衣がポンチョで覆われることで、着衣を周囲に引っ掛かり難くすることもできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-113736号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の技術には、以下の課題が残されている。
すなわち、上記従来の技術では、ドレス等の着衣の上からポンチョを被ることで、着衣が覆われて周囲に引っ掛かり難くなるが、ロングスカートのドレス等の長い裾はそのままポンチョの下から出てしまうために、やはりトイレの床に付いて裾が汚れてしまう問題があった。
【0006】
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたもので、ドレス等の長い裾の着衣を着ていても裾がトイレの床に付いて汚れてしまうことを防止できるトイレ用着衣保護着を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、第1の発明に係るトイレ用着衣保護着は、上衣部と、スカート状の下衣部とを備え、前記下衣部が、下端裾部に沿って設けられ伸縮して前記下端裾部の開口を収縮可能な裾ゴム部を備え、少なくとも下半身を覆うロングスカート部を有する着衣の上から着た際に、前記ロングスカート部を前記下衣部内に収納可能であることを特徴とする。
【0008】
このトイレ用着衣保護着では、下衣部が、下端裾部に沿って設けられ伸縮して下端裾部の開口を収縮可能な裾ゴム部を備え、少なくとも下半身を覆うロングスカート部を有する着衣の上から着た際に、ロングスカート部を下衣部内に収納可能であるので、トイレの床にロングスカート部の裾が付かず、清潔を保つことができる。すなわち、下端裾部内にロングスカート部をたくし上げると共に裾ゴム部により下端裾部の開口をすぼめて下衣部内に収納することで、手を離してもロングスカート部の裾が下衣部から落ちて来ず、トイレの床にロングスカート部の裾が付かない。
また、さらにロングスカート部を収納した状態の下衣部をロングスカート部と共に着衣者の腰まで持ち上げることで、下半身を露出させることができ、トイレで用を足すことも容易になる。
なお、着衣をトイレ用着衣保護着が包み込むので、周囲に引っ掛かって傷付くことも防止できる。また、下端裾部は裾ゴム部により開口が絞られているが、裾ゴム部が伸び縮みすることで、トイレ用着衣保護着内に着衣を収納した状態でも自由に歩くこともできる。
さらに、使用しないときは、トイレ用着衣保護着が基本的に布地で形成されているので、コンパクトに畳むことができ、鞄等に収納が容易である。
【0009】
第2の発明に係るトイレ用着衣保護着は、第1の発明において、前記上衣部が、左右に両腕を通すことが可能な一対の袖部を有し、前記袖部が、振り袖部を有し、前記振り袖部の袖口が、内部よりも絞られていることを特徴とする。
すなわち、このトイレ用着衣保護着では、袖部が、振り袖部を有し、振り袖部の袖口が、内部よりも絞られているので、振り袖部内にドレスの袖についたフロート等を収納することができると共に、袖口が絞られていることで収納したフロート等が袖口から出てしまうことを抑制できる。また、腕に付けたアクセサリー類も落とさないように振り袖部内に収納することができる。
なお、上記着衣には着物も含まれ、特に振り袖を有する着物を着用した際も振り袖を振り袖部内に収納することができる。さらに、ドレス等と同様に着物の裾を下衣部内に収納することが可能である。
【0010】
第3の発明に係るトイレ用着衣保護着は、第2の発明において、前記上衣部が、前記振り袖部の袖口に沿って設けられ前記袖口の開口を収縮可能な袖口ゴム部を備えていることを特徴とする。
すなわち、このトイレ用着衣保護着では、上衣部が、振り袖部の袖口に沿って設けられ袖口の開口を収縮可能な袖口ゴム部を備えているので、袖口ゴム部により袖口が絞られることで、振り袖部内に収納したフロート等が袖口から出てしまうことをさらに抑制することができる。
【0011】
第4の発明に係るトイレ用着衣保護着は、第1から第3の発明のいずれかにおいて、前記上衣部が、着衣者の頭部が挿通可能な首元開口部を有し、前記首元開口部に設けられ前記首元開口部の開口を収縮可能な首元調整部を備えていることを特徴とする。
すなわち、このトイレ用着衣保護着では、首元開口部に設けられ首元開口部の開口を収縮可能な首元調整部を備えているので、首元開口部を拡げた状態で首元開口部からトイレ用着衣保護着を足側から履くことができ、首元まで引き上げた状態で、首元調整部により首元開口部の開口を絞ることで、上衣部が肩からずり落ちることを防止できる。
【0012】
第5の発明に係るトイレ用着衣保護着は、第1から第3の発明のいずれかにおいて、前記上衣部及び前記下衣部が、前部を左右に開閉可能で前開き可能な左前身頃及び右前身頃と、前記左前身頃と前記右前身頃とを前記前部で着脱可能なファスナー部又はボタン部とを備えていることを特徴とする。
すなわち、このトイレ用着衣保護着では、左前身頃と右前身頃とを前部で着脱可能なファスナー部又はボタン部を備えているので、左前身頃と右前身頃とが前開きの状態で着衣の上から羽織ることができ、この状態でファスナー部又はボタン部で左前身頃と右前身頃との開きを閉じることで、着衣全体を容易に包み込むことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、以下の効果を奏する。
すなわち、本発明に係るトイレ用着衣保護着によれば、下衣部が、下端裾部に沿って設けられ伸縮して下端裾部の開口を収縮可能な裾ゴム部を備え、少なくとも下半身を覆うロングスカート部を有する着衣の上から着た際に、ロングスカート部を下衣部内に収納可能であるので、トイレの床にロングスカート部の裾が付かず、清潔を保つことができ、衛生的である。
したがって、本発明のトイレ用着衣保護着では、ドレス等の着衣のロングスカート部をすっぽりまとめて容易に下衣部に収納でき、特に長くボリュームのあるロングスカート部を有するダンス用ドレスを着用した場合のトイレでの使用に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係るトイレ用着衣保護着の第1実施形態において、着衣者がトイレ用着衣保護着を着た状態を示す斜視図である。
図2】第1実施形態において、ドレスを着た着衣者を示す斜視図である。
図3】第1実施形態において、ドレスを着た着衣者が足からトイレ用着衣保護着を履く状態を示す斜視図である。
図4】第1実施形態において、ドレスを着た着衣者がトイレ用着衣保護着の上衣部の袖部に腕を通している状態を示す斜視図である。
図5】第1実施形態において、ドレスを着た着衣者がトイレ用着衣保護着の下衣部内にロングスカート部を収納した状態を示す斜視図である。
図6】第1実施形態において、ドレスを着た着衣者がトイレ用着衣保護着を着た状態でトイレの便座に座っている状態を示す斜視図である。
図7】第1実施形態において、ドレスを着たマネキン(a)及びこのマネキンにトイレ用着衣保護着を着させて下衣部内にロングスカート部を収納した状態(b)を示す写真である。
図8】本発明に係るトイレ用着衣保護着の第2実施形態において、着衣者がトイレ用着衣保護着を着た状態を示す斜視図である。
図9】第2実施形態において、ドレスを着た着衣者がトイレ用着衣保護着の下衣部内にロングスカート部を収納した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係るトイレ用着衣保護着の第1実施形態を、図1から図7を参照しながら説明する。
【0016】
本実施形態のトイレ用着衣保護着1は、図1から図5に示すように、上衣部2と、スカート状の下衣部3とを備えている。
上記下衣部3は、下端裾部3aに沿って設けられ伸縮して下端裾部3aの開口を収縮可能な裾ゴム部4を備えている。
本実施形態のトイレ用着衣保護着1は、少なくとも下半身を覆うロングスカート部Sを有する着衣Dの上から着た際に、ロングスカート部Sを下衣部3内に収納可能である。
すなわち、下衣部3は、上衣部2に比べて内側の空間が大きく設定されており、ロングスカート部Sを収納した際に外側に大きく膨らむと共に下端裾部3aがすぼまった状態となる。
【0017】
上記上衣部2は、左右に両腕を通すことが可能な一対の袖部2aを有している。
上記袖部2aは、振り袖部2bを有し、振り袖部2bの袖口2cが、内部よりも絞られている。すなわち、振り袖部2bは、先端の袖口2cよりも太く形成されており、内部に大きな収納空間を有している。
また、上衣部2は、着衣者Wの頭部が挿通可能な首元開口部2dを有し、上記首元開口部2dに設けられ首元開口部2dの開口を収縮可能な首元調整部5を備えている。
【0018】
上記下衣部3の最大外周長は、2m以上に設定されている。
すなわち、平坦面に載置した際の下衣部3の横幅は、1m以上に設定されている。
このように下衣部3の最大外周長が、2m以上に設定されているので、長くかつボリュームがあってかさ張るロングスカート部Sでも余裕で下衣部3内に収納することができる。
下衣部3は、着衣者Wの足Lの膝あたりに下端裾部3aが配される長さに設定される。
上記着衣Dは、図2に示すように、例えばダンス用のドレスであり、長くボリュームのあるロングスカート部Sを備え、両袖部分に長いフロートFが取り付けられている。
【0019】
上記裾ゴム部4は、下端裾部3aに沿って下端裾部3a内に挿通させたゴム紐であり、縮んだ状態で下端裾部3aの開口を両足が通せる程度の大きさに収縮可能とされている。
また、裾ゴム部4は、伸びた状態で下端裾部3aの開口を少なくとも腰上まで通せる程度の大きさに拡大可能とされている。なお、下端裾部3aの最大開口は、足Lを肩幅程度に開くことができる程度にも設定されている。
上記首元調整部5は、首元開口部2dに沿って首元開口部2d内に挿通されたゴム紐5aと、首元開口部2dの前部中央においてゴム紐5aに取り付けられゴム紐5aの長さを調整可能なつまみ部5bとを備えている。
なお、首元開口部2dの最大幅は、肩幅よりも広く設定されている。
【0020】
次に、本実施形態のトイレ用着衣保護着1の使用方法について説明する。
トイレ用着衣保護着1の使用する際には、図3に示すように、まずドレス等の着衣Dを着た着衣者Wが、予め拡げた首元開口部2dからトイレ用着衣保護着1内に足Lを入れると共に下端裾部3aから足Lを出し、さらにトイレ用着衣保護着1を引き上げて着衣Dの上にトイレ用着衣保護着1を着る。
【0021】
このとき、図4に示すように、両腕を一対の袖部2aに通して袖部2aの袖口2cから手首から先を出すと共に、着衣D(ドレス)の袖に付いたフロートFや腕に付けたアクセサリーを振り袖部2b内に収納する。
また、首元調整部5により首元開口部2dの開口を適度に絞って肩から上衣部2が落ちないようにする。
【0022】
さらに、下端裾部3aから下に出ないように下衣部3内に着衣Dのロングスカート部Sをたくし上げて収納する。このとき、着衣者Wが直立すると、足Lの膝下が下衣部3の下端裾部3aから露出した状態となる。
この状態では、図5に示すように、ロングスカート部Sを収納した下衣部3が膨らんでいると共に着衣D全体がトイレ用着衣保護着1で包み込まれた状態となることで、全体が巾着袋のような形状となる。
【0023】
すなわち、下端裾部3aが裾ゴム部4で開口が絞られてロングスカート部Sが膝近くの下端裾部3aから出ない下衣部3内に収納しているため、トイレに入ってもロングスカート部Sの裾が床に触れることがない。
上記のように着衣Dの上からトイレ用着衣保護着1を着た状態で、図6に示すように、トイレの便座Tに座る際は、さらに下衣部3を内部のロングスカート部Sと共に着衣者Wの腰まで引き上げて下半身を露出させることで、便座Tにも着衣Dが触れることがなく、用を足すことができる。
【0024】
なお、洋式トイレだけでなく、和式トイレにおいても、トイレ用着衣保護着1を同様に使用可能である。
また、上記では首元開口部2dから足Lを入れてトイレ用着衣保護着1を着ているが、逆に頭から被るようしてに下端裾部3a内に入ってトイレ用着衣保護着1を着てもよい。
【0025】
実際に、図7の(a)に示すように、ダンス用ドレスを着たマネキンに、トイレ用着衣保護着を着させた写真を図7の(b)に示す。このように、ダンス用ドレスの長いロングスカート部は、膝上の下衣部内に完全に収納される。また、袖に付いたフロートや腕に付けたアクセサリーは、振り袖部内に収納されることで、ダンス用ドレス全体がトイレ用着衣保護着に包まれた状態となる。
【0026】
このように本実施形態のトイレ用着衣保護着1では、下衣部3が、下端裾部3aに沿って設けられ伸縮して下端裾部3aの開口を収縮可能な裾ゴム部4を備え、少なくとも下半身を覆うロングスカート部Sを有する着衣Dの上から着た際に、ロングスカート部Sを下衣部3内に収納可能であるので、トイレの床にロングスカート部Sの裾が付かず、清潔を保つことができる。すなわち、下端裾部3a内にロングスカート部Sをたくし上げると共に裾ゴム部4により下端裾部3aの開口をすぼめて下衣部3内に収納することで、手を離してもロングスカート部Sの裾が下衣部3から落ちて来ず、トイレの床にロングスカート部Sの裾が付かない。
【0027】
また、さらにロングスカート部Sを収納した状態の下衣部3をロングスカート部Sと共に着衣者Wの腰まで持ち上げることで、下半身を露出させることができ、トイレで用を足すことも容易になる。
なお、着衣Dをトイレ用着衣保護着1が包み込むので、周囲に引っ掛かって傷付くことも防止できる。また、下端裾部3aは裾ゴム部4により開口が絞られているが、裾ゴム部4が伸び縮みすることで、トイレ用着衣保護着1内に着衣Dを収納した状態でも自由に歩くこともできる。
【0028】
さらに、使用しないときは、トイレ用着衣保護着1が基本的に布地で形成されているので、コンパクトに畳むことができ、鞄等に収納が容易である。
また、袖部2aが、振り袖部2bを有し、振り袖部2bの袖口2cが、内部よりも絞られているので、振り袖部2b内にドレスの袖についたフロートF等を収納することができると共に、袖口2cが絞られていることで収納したフロートF等が袖口2cから出てしまうことを抑制できる。また、腕に付けたアクセサリー類も落とさないように振り袖部2b内に収納することができる。
【0029】
さらに、首元開口部2dに設けられ首元開口部2dの開口を収縮可能な首元調整部5を備えているので、首元開口部2dを拡げた状態で首元開口部2dからトイレ用着衣保護着1を足側から履くことができ、首元まで引き上げた状態で、首元調整部5により首元開口部2dの開口を絞ることで、上衣部2が肩からずり落ちることを防止できる。
【0030】
次に、本発明に係るトイレ用着衣保護着の第2実施形態について、図8及び図9を参照して以下に説明する。なお、以下の実施形態の説明において、上記実施形態において説明した同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明は省略する。
【0031】
第2実施形態と第1実施形態との異なる点は、第1実施形態では、上衣部2及び下衣部3の前部が開かないのに対し、第2実施形態のトイレ用着衣保護着21では、図8及び図9に示すように、上衣部22及び下衣部23が、前部を左右に開閉可能で前開き可能な左前身頃23A及び右前身頃23Bと、左前身頃23Aと右前身頃23Bとを前部で着脱可能なファスナー部27とを備えている。
【0032】
上記ファスナー部27は、上衣部22及び下衣部23の前部を中央から左右に前開き可能に首元開口部2dから下端裾部3aまで上下に延在した線ファスナーや面ファスナーである。
なお、ファスナー部27の代わりに左前身頃23Aと右前身頃23Bとを前部で着脱可能なボタン部としても構わない。
【0033】
また、第2実施形態のトイレ用着衣保護着21では、上衣部2が、振り袖部2bの袖口2cに沿って設けられ袖口2cの開口を収縮可能な袖口ゴム部28を備えている点で第1実施形態と異なっている。
なお、第2実施形態のトイレ用着衣保護着21では、上衣部2が前開き可能となっているので、首元開口部2dの開口を調整する首元調整部5を備えていない。
【0034】
このように第2実施形態のトイレ用着衣保護着21では、左前身頃23Aと右前身頃23Bとを前部で着脱可能なファスナー部27又はボタン部を備えているので、左前身頃23Aと右前身頃23Bとが前開きの状態で着衣Dの上から羽織ることができ、この状態でファスナー部27又はボタン部で左前身頃23Aと右前身頃23Bとの開きを閉じ、ロングスカート部Sをたくし上げて下衣部3内に入れることで、着衣D全体を容易に包み込むことができる。
【0035】
すなわち、第1実施形態では、首元開口部2dから足Lを入れてトイレ用着衣保護着1を引き上げることで着ていたが、第2実施形態では、袖部2aに腕を先に通してトイレ用着衣保護着21を羽織ることができ、この後にファスナー部27又はボタン部で前部の左前身頃23Aと右前身頃23Bとを閉じることで容易に着ることができる。
また、上衣部22が、振り袖部2bの袖口2cに沿って設けられ袖口2cの開口を収縮可能な袖口ゴム部28を備えているので、袖口ゴム部28により袖口2cが絞られることで、振り袖部2b内に収納したフロートF等が袖口から出てしまうことをさらに抑制することができる。
【0036】
なお、本発明の技術範囲は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明のトイレ用着衣保護着は、ドレス等のロングスカート部を有する着衣を着たままでも、トイレの床にロングスカート部の裾が付かず、着衣の清潔を保つものである。
【符号の説明】
【0038】
1,21…トイレ用着衣保護着、2,22…上衣部、2a…袖部、2b…振り袖部、2c…振り袖部の袖口、2d…首元開口部、3,23…下衣部、3a…下端裾部、4…裾ゴム部、5…首元調整部、23A…左前身頃、23B…右前身頃、27…ファスナー部、28…袖口ゴム部、D…着衣、S…ロングスカート部、W…着衣者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9