IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ キョーワ株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-ため池滑落対策装置 図1
  • 特許-ため池滑落対策装置 図2
  • 特許-ため池滑落対策装置 図3
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】ため池滑落対策装置
(51)【国際特許分類】
   B63C 9/04 20060101AFI20240820BHJP
   B63B 35/44 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
B63C9/04
B63B35/44 Z
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2022008646
(22)【出願日】2022-01-24
(65)【公開番号】P2023107443
(43)【公開日】2023-08-03
【審査請求日】2023-09-25
(73)【特許権者】
【識別番号】392031572
【氏名又は名称】キョーワ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001586
【氏名又は名称】弁理士法人アイミー国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】梶原 幸治
(72)【発明者】
【氏名】岩重 泰行
(72)【発明者】
【氏名】岩本 泰毅
【審査官】福田 信成
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2021/0001959(US,A1)
【文献】実公昭44-021868(JP,Y1)
【文献】米国特許第05421757(US,A)
【文献】特開平08-331998(JP,A)
【文献】特開2015-094163(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B63C 9/04
B63B 35/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端にフック部を有するロープと、
前記ロープに連続して設けられた複数のつかみ部と、
前記複数のつかみ部に連続して設けられたフロートと、
前記フロートに連続して設けられた重りと、を含み、
前記複数のつかみ部は相互に分離された複数のわっか状のロープを含み、
前記フロートは前記複数のわっか状のロープの下部に設けられ、前記重りはリング状であり、前記ロープの下端部に設けられている、ため池滑落対策装置。
【請求項2】
前記ロープには鈴が設けられる、請求項1に記載のため池滑落対策装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はため池滑落対策装置に関し、特に、ため池等への滑落者を救助するためのため池滑落対策装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のため池等滑落者救助装置が、例えば特開2020-50076号公報に開示されている。特開2020-50076号公報によれば、ため池等滑落者救助装置は、矩形の浮き枠で矩形の網を水面に浮かせて保持している。浮き枠はポリエチレンフォーム、網はポリエステル製である。この網はポリエステル線を三つねじにねじり合わせて六角形の網目を形成した亀甲網で、ねじりが枠短辺と平行となるように取り付けられている。網は陸地と水面との境にまで延長され、ロープが網を護岸に枠を繋ぎ止めるように構成されていた。その結果、護岸スロープより滑落した滑落者を救助でき、敷設、除去などを容易に行える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2020-50076号公報(要約等)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来のため池等滑落者救助装置は、上記のように構成されていた。このような装置では、規模が大きく、小さなため池には設置するのが困難な場合があったり、網材を3本のロープによって、護岸にアンカーおよびU型アンカーピンで固定する必要があり、緊急時に対処が困難であるという問題があった。
【0005】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、小さなため池にも設置が容易にでき、かつコンパクトな、ため池滑落対策装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る、ため池滑落対策装置は、先端にフック部を有するロープと、ロープに連続して設けられた複数のつかみ部と、複数のつかみ部に連続して設けられたフロートと、フロートに連続して設けられた重りと、を含む。
【0007】
好ましくは、複数のつかみ部は梯子を含む。
【0008】
さらに好ましくは、梯子は、所定の幅を有するパイプで構成された複数の段部と、複数の段部を接続する、ロープで構成された接続部材と、を含む。
【0009】
梯子には、フロートと、重りとが取付けられてもよい。
【0010】
パイプはアルミ製であってもよい。
【0011】
この発明の一実施の形態によれば、複数のつかみ部は、相互に分離された複数のわっか状のロープを含む。
【0012】
ロープには鈴が設けられるのが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、ため池滑落対策装置が、先端にフック部を有するロープと、ロープに連続して設けられた複数のつかみ部と、複数のつかみ部に連続して設けられたフロートと、フロートに連続して設けられた重りと、を含むため、小さなため池にも設置が容易にでき、かつコンパクトな、ため池滑落対策装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】この発明の一実施の形態に係る、ため池滑落対策装置を示す斜視図である。
図2図1に示したため池滑落対策装置を示す平面図である。
図3】この発明の他の実施の形態に係る、ため池滑落対策装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、この発明の一実施の形態に係る、ため池滑落対策装置10を示す斜視図である。図1を参照して、ため池滑落対策装置10は、先端にフック11を有するロープ12と、ロープ12に取付けられた鈴13と、鈴13に連続して設けられた梯子14と、梯子14の下部に連続して設けられたフロート20と、フロート20の下端部に設けられた、リング状の重り21とを含む。梯子14の下部のフロート20や重り21もロープ19で接続されている。
【0016】
図2は、図1に示した、ため池滑落対策装置10の平面図である。図2を参照して、梯子14の具体的な構成について説明する。梯子14は、1本のロープ12が2本に分割されて、分割された2本のロープ14a,14bが梯子の段部15を両側で支持する構成である。段部15は、パイプ状であり、例えばアルミで構成される。
【0017】
図に示すように、パイプの両端付近に貫通孔があり、貫通孔にロープを通し、パイプの下部をロープを玉結びして支持して、パイプを地側に落ちないように位置決めしている。また、パイプは梯子のような形状になっているため、滑落者は、水面上で呼吸ができるところでロープを掴み、パイプのところに両足をかけて待機することができる。これによって、発見者は、ロープごと滑落者を引っ張って救助することができる。
【0018】
また、このような形状としたため、子供や自力でたつことが困難な場合、ブランコに座るような形でパイプに両足を通して、臀部で座るようにして待機できる。
【0019】
また、握力が無くてもパイプや肘を通して待機できるので、身体を支えることができる。
【0020】
以上のように、この実施の形態に係るため池滑落対策装置10は、先端にフック11を有するロープ12に滑落対策装置としての梯子14が取付けられているため、ため池の近くにある樹木や、柵等にフック11を用いて梯子14を取付けることができるため、従来のように、アンカー等を別途準備する必要がなく、設置に時間がかかることはない。また、構成が簡単であるため、任意のため池に設置できる。
【0021】
また、ため池滑落対策装置に鈴をつけているため、滑落者が声を出せない状況でも鈴の音で場所を特定できる。また、夜間でも場所を特定できる。
【0022】
また、ため池に滑落した者は、梯子14につかまって救助を待つことができるし、必要に応じて、ロープ12を掴んでよじ登ることが可能になる。また、梯子14が足場としても機能する。
【0023】
さらに、水位が低い場合、ロープ12を伝ってよじ登ることができ、水位が高い場合、梯子につかまって水面下に沈むことなく身体を保持できる。
【0024】
次に、この発明の他の実施の形態について説明する。図3は、この発明の他の実施の形態に係る、ため池滑落対策装置30を示す図である。図3を参照して、この実施の形態においては、ため池滑落対策装置30は、先の実施の形態と同様に、先端にフック31を有するロープ32と、ロープ32に取付けられた、複数のつかみ部を含む。ここでは、複数のつかみ部は、複数のわっか状のロープ33,34を含む。
【0025】
複数のわっか状のロープ33,34は、相互に分離して設けられており、それぞれのわっか状のロープ33,34は、独立してロープ32に、例えば、30cm間隔で取付けられている。また、わっかの大きさは、足や腕を入れるくらいの大きさである。
【0026】
なお、ここには図示をしていないが、複数のわっか状のロープ33,34の下部には、フロート20と、フロート20の下端部に設けられた、リング状の重り21が設けられている。
【0027】
また、この実施の形態においても、先の実施の形態と同様に、鈴を設けても良い。
【0028】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示する実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0029】
この発明にかかるため池滑落対策装置は、簡単に設置できるため、ため池滑落対策装置として有利に使用される。
【符号の説明】
【0030】
10、30 ため池滑落対策装置、11、31 フック、12、32 ロープ、13 鈴、14 梯子14、20 フロート、21 重り、33,34 わっか状のロープ。
図1
図2
図3