(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】コンピュータープログラム及び端末装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0484 20220101AFI20240820BHJP
G06T 19/00 20110101ALI20240820BHJP
G06Q 30/0601 20230101ALI20240820BHJP
【FI】
G06F3/0484
G06T19/00 300A
G06Q30/0601 340
(21)【出願番号】P 2023170643
(22)【出願日】2023-09-29
【審査請求日】2023-09-29
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 ウェブサイトの掲載日:令和5年7月26日、ウェブサイトのアドレス https://event.vket.com/2023Summer/uc/realgoodsshop
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519056800
【氏名又は名称】株式会社HIKKY
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100211122
【氏名又は名称】白石 卓也
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【氏名又は名称】酒井 太一
(72)【発明者】
【氏名】喜田 龍一
【審査官】佐藤 光起
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-195475(JP,A)
【文献】特開2012-234355(JP,A)
【文献】特開2019-195536(JP,A)
【文献】特開2003-167659(JP,A)
【文献】特開2011-159062(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0484
G06T 19/00
G06Q 30/0601
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーの操作を受け付ける入力部と、
仮想空間の表示及び操作に応じた制御を含む仮想空間の提供に関する第一アプリケーションを制御することで前記入力部に対するユーザーの操作のうち
前記仮想空間における操作を受け付け、前記仮想空間における操作に応じて、前記仮想空間の提供とは異なるサービスに関する
表示及び制御を行う第二アプリケーションを制御する制御部と、
前記仮想空間に関する画像と前記サービスに関する画像とを表示する出力部と、
を備え、
前記制御部は、前記サービスにおいて取り扱われる商品に関する手続を、前記サービスに関する
前記第二アプリケーションにおいて行われた前記ユーザーの操作にしたがって受け付ける端末装置としてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラム。
【請求項2】
前記制御部は、前記仮想空間における操作のうち、前記仮想空間に配置されたオブジェクトに対する操作に応じて、前記サービスに関する画像として前記オブジェクトに関する情報を表示する、請求項1に記載のコンピュータープログラム。
【請求項3】
前記制御部は、前記仮想空間における操作のうち、前記仮想空間に配置されたアバターに対する操作に応じて、前記サービスに関する画像を表示する、請求項1に記載のコンピュータープログラム。
【請求項4】
前記制御部は、前記仮想空間中のオブジェクトのうち、そのオブジェクトに対して設定されているコライダーに対して前記アバターに設定されたコライダーが衝突したと判定されたオブジェクトに関する画像を前記サービスに関する画像として表示する、請求項3に記載のコンピュータープログラム。
【請求項5】
ユーザーの操作を受け付ける入力部と、
仮想空間の表示及び操作に応じた制御を含む仮想空間の提供に関する第一アプリケーションを制御することで前記入力部に対するユーザーの操作のうち
前記仮想空間における操作を受け付け、前記仮想空間における操作に応じて、前記仮想空間の提供とは異なるサービスに関する
表示及び制御を行う第二アプリケーションを制御する制御部と、
前記仮想空間に関する画像と前記サービスに関する画像とを表示する出力部と、
を備え、
前記制御部は、前記サービスにおいて取り扱われる商品に関する手続を、前記サービスに関する
前記第二アプリケーションにおいて行われた前記ユーザーの操作にしたがって受け付ける端末装置。
【請求項6】
ユーザーの操作を受け付ける入力部と、
仮想空間の表示及び操作に応じた制御を含む仮想空間の提供に関する第一アプリケーションと、前記仮想空間の提供とは異なるサービスに関する表示及び制御を行う第二アプリケーションと、を制御する制御部と、
前記仮想空間に関する画像と前記サービスに関する画像とを表示する出力部と、
を備え、
前記制御部は、前記入力部に対するユーザーの操作のうち、前記第二アプリケーションにおける操作に応じて、前記第一アプリケーションに関する前記仮想空間内での操作情報を受け付け、
前記制御部は、前記サービスにおいて取り扱われる商品に関する操作であって前記
第二アプリケーションにおける操作にしたがって、前記仮想空間での操作情報を受け付ける端末装置としてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラム。
【請求項7】
ユーザーの操作を受け付ける入力部と、
仮想空間の表示及び操作に応じた制御を含む仮想空間の提供に関する第一アプリケーションと、前記仮想空間の提供とは異なるサービスに関する表示及び制御を行う第二アプリケーションと、を制御する制御部と、
前記仮想空間に関する画像と前記サービスに関する画像とを表示する出力部と、
を備え、
前記制御部は、前記入力部に対するユーザーの操作のうち、前記第二アプリケーションにおける操作に応じて、前記第一アプリケーションに関する前記仮想空間内での操作情報を受け付け、
前記制御部は、前記サービスにおいて取り扱われる商品に関する操作であって前記
第二アプリケーションにおける操作にしたがって、前記仮想空間での操作情報を受け付ける端末装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータープログラム及び端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複数のユーザーがアバターを操作して交流する仮想空間であるメタバース空間の活用が注目を浴びている。例えば、メタバース空間内において広告を表示するための技術が提案されている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、メタバース空間での操作は必ずしも全ての者にとって容易なものではなく、操作性等のユーザーインターフェースの向上が望まれている。メタバース空間は、仮想空間の一態様であり、このような課題はメタバース空間に限定された課題ではなく、仮想空間全体に共通する課題である。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、仮想空間の操作におけるユーザーインターフェースの向上を可能にする技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、ユーザーの操作を受け付ける入力部と、前記入力部に対するユーザーの操作のうち、仮想空間における操作に応じて、前記仮想空間とは異なるサービスに関するアプリケーションを制御する制御部と、前記仮想空間に関する画像と前記サービスに関する画像とを表示する出力部と、を備える端末装置としてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラムである。
【0006】
本発明の一態様は、上記のコンピュータープログラムであって、前記制御部は、前記仮想空間における操作のうち、前記仮想空間に配置されたオブジェクトに対する操作に応じて、前記サービスに関する画像として前記オブジェクトに関する情報を表示する。
【0007】
本発明の一態様は、上記のコンピュータープログラムであって、前記制御部は、前記仮想空間における操作のうち、前記仮想空間に配置されたアバターに対する操作に応じて、前記サービスに関する画像を表示する。
【0008】
本発明の一態様は、上記のコンピュータープログラムであって、前記制御部は、前記仮想空間中のオブジェクトのうち、そのオブジェクトに対して設定されているコライダーに対して前記アバターに設定されたコライダーが衝突したと判定されたオブジェクトに関する画像を前記サービスに関する画像として表示する。
【0009】
本発明の一態様は、ユーザーの操作を受け付ける入力部と、前記入力部に対するユーザーの操作のうち、仮想空間における操作に応じて、前記仮想空間とは異なるサービスに関するアプリケーションを制御する制御部と、前記仮想空間に関する画像と前記サービスに関する画像とを表示する出力部と、を備える端末装置である。
【発明の効果】
【0010】
本発明により、メタバース空間の操作におけるユーザーインターフェースの向上が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の仮想空間提供システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。
【
図2】端末装置10の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。
【
図3】端末装置10の出力部13に表示される画面の具体例を示す図である。
【
図4】端末装置10の出力部13に表示される画面の他の具体例を示す図である。
【
図5】端末装置10の出力部13に表示される画面の具体例を示す図である。
【
図6】端末装置10の出力部13に表示される画面の具体例を示す図である。
【
図7】端末装置10の出力部13に表示される画面の他の具体例を示す図である。
【
図8】本実施形態に適用される情報処理装置90のハードウェア構成例の概略を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、本発明の仮想空間提供システム100のシステム構成を示す概略ブロック図である。仮想空間提供システム100は、端末装置10と仮想空間提供装置20とサービス提供装置30とを含む。サービス提供装置30は、仮想空間の提供とは異なるサービスをユーザーに対して提供する装置である。端末装置10と仮想空間提供装置20とサービス提供装置30とは、ネットワーク70を介して通信可能に接続される。ネットワーク70は、無線通信を用いたネットワークであってもよいし、有線通信を用いたネットワークであってもよい。ネットワーク70は、例えばインターネットを用いて構成されてもよいし、ローカルエリアネットワーク(LAN)を用いて構成されてもよい。ネットワーク70は、複数のネットワークが組み合わされて構成されてもよい。
【0013】
図2は、端末装置10の機能構成の具体例を示す概略ブロック図である。端末装置10は、例えばスマートフォン、タブレット、パーソナルコンピューター、専用機器などの情報機器を用いて構成される。端末装置10は、通信部11、入力部12、出力部13、記憶部14及び制御部15を備える。
【0014】
通信部11は、通信機器である。通信部11は、例えばネットワークインターフェースとして構成されてもよい。通信部11は、制御部15の制御に応じて、ネットワーク70を介して他の装置とデータ通信する。通信部11は、無線通信を行う装置であってもよいし、有線通信を行う装置であってもよい。
【0015】
入力部12は、キーボード、ポインティングデバイス(マウス、タブレット等)、ボタン、タッチパネル等の既存の入力装置を用いて構成される。入力部12は、ユーザーの指示を端末装置10に入力する際にユーザーによって操作される。入力部12は、入力装置を端末装置10に接続するためのインターフェースであっても良い。この場合、入力部12は、入力装置においてユーザーの入力に応じ生成された入力信号を端末装置10に入力する。入力部12は、マイク及び音声認識装置を用いて構成されてもよい。この場合、入力部12はユーザーの発話によって生じた音響信号を取得し、ユーザーによって発話された文言を音声認識し、認識結果の文字列情報を端末装置10に入力する。音声認識処理は制御部15によって実行されてもよい。入力部12は、ユーザーの指示を端末装置10に入力可能な構成であればどのように構成されてもよい。
【0016】
出力部13は、少なくとも映像をユーザーが認知可能な形で出力する。出力部13は、例えば液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の画像表示装置であってもよい。出力部13は、画像表示装置を端末装置10に接続するためのインターフェースであっても良い。この場合、出力部13は、画像データを表示するための映像信号を生成し、自身に接続されている画像表示装置に映像信号を出力する。出力部13は、スピーカー等の音響を出力する装置をさらに備えてもよい。出力部13は、スピーカーやヘッドホン等の音響出力装置を端末装置10に接続するためのインターフェースをさらに備えてもよい。この場合、出力部13は、音響データを再生するための音響信号を生成し、自身に接続されている音響出力装置に音響信号を出力する。なお、出力部13は、入力部12と一体のタッチパネルとして構成されてもよい。
【0017】
記憶部14は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置等の記憶装置を用いて構成される。記憶部14は、制御部15によって使用されるデータを記憶する。記憶部14は、制御部15が処理を行う際に必要となるデータを記憶する。
【0018】
制御部15は、CPU(Central Processing Unit)等のプロセッサーとメモリー(主記憶装置)とを用いて構成される。制御部15は、プロセッサーがプログラムを実行することによって、サービスアプリ制御部151及び仮想空間制御部152として機能する。なお、制御部15の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されても良い。上記のプログラムは、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されても良い。コンピューター読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM、半導体記憶装置(例えばSSD:Solid State Drive)等の可搬媒体、コンピューターシステムに内蔵されるハードディスクや半導体記憶装置等の記憶装置である。上記のプログラムは、電気通信回線を介して送信されてもよい。
【0019】
制御部15は、例えば自装置(端末装置10)にインストールされたアプリケーションを実行してもよい。このようなアプリケーションの具体例として、仮想空間提供システム100の専用アプリケーションとして端末装置10に提供されるアプリケーションがある。例えば仮想空間制御部152は、このようなアプリケーションの実行によって実現されてもよい。端末装置10にインストールされるアプリケーションの他の具体例として、サービス提供装置30からサービスを受ける際に使用されるアプリケーションがある。このようなアプリケーションの具体例として、WEBブラウザーのアプリケーションや、サービス提供装置30から提供される専用アプリケーションがある。以下、このようにサービス提供装置30からサービスを受ける際に使用されるアプリケーションを「サービスアプリ」という。例えばサービスアプリ制御部151は、このようなWEBブラウザーのアプリケーションの実行によって実現されてもよい。以下の説明では、サービスアプリ制御部151は、WEBブラウザーのアプリケーションの実行によって実現される例について説明する。
【0020】
これらのアプリケーションは、予め端末装置10にインストールされていてもよいし、仮想空間に接続する際にその都度ダウンロードされてもよい。例えばWEBブラウザー上で動作するアプリケーションとして実装される場合には、特定のWEBサーバーに端末装置10が接続することに応じてWEBサーバーによって指定された装置(例えばWEBサーバーそのものでもよいし他のサーバーでもよい)から端末装置10がアプリケーションをダウンロードして実行してもよい。制御部15は、実行中のアプリケーションのプログラムにしたがって動作する。
【0021】
サービスアプリ制御部151は、端末装置10にインストールされているWEBブラウザーのアプリケーションにしたがって動作する。例えば、サービスアプリ制御部151は、入力部12に対するユーザーの操作に応じてWEBサーバー(例えばサービス提供装置30)に対して所定のプロトコルでデータを送信する。例えば、サービスアプリ制御部151は、WEBサーバー(例えばサービス提供装置30)からデータを受信すると、受信されたデータに応じた画面を生成して出力部13に表示する。サービスアプリ制御部151は、ブラウザーに対するユーザーの操作を示す情報を、仮想空間制御部152に出力してもよい。
【0022】
仮想空間制御部152は、端末装置10で動作する仮想空間提供システム100のアプリケーションにしたがって動作する。例えば、仮想空間制御部152は、入力部12に対するユーザーの操作に応じて仮想空間内での操作情報を生成し、操作情報に応じて仮想空間内を示す画面を生成して出力部13に表示する。このような操作には、アバター移動指示、アバター動作指示、表示範囲変更指示、オブジェクト選択指示、アバター選択指示などがある。アバター移動指示は、メタバース空間においてアバターを移動させるための指示である。アバター操作指示は、アバターに所定の動作を実行させるための指示である。表示範囲変更指示は、端末装置10に表示させるメタバース空間の表示範囲の位置や大きさを変更するための指示である。オブジェクト選択指示は、メタバース空間に配置されているオブジェクト(物体)を選択するための指示である。オブジェクトの具体例として、アバターが保持可能なアイテムや、ユーザーが購入する対象となる商品を示す物体や、メタバース空間内の飾りや装置や施設などがある。アバター選択指示は、メタバース空間に存在している他のアバターを選択するための指示である。他のアバターの具体例として、他のユーザーによって操作されるアバターや、ユーザーによって操作されるのではなくコンピューターによって制御されるアバター(いわゆるNPC)などがある。
【0023】
アバター移動指示がアバター動作指示を兼ねてもよいし、アバター移動指示が表示範囲変更指示を兼ねてもよい。例えば、アバターを前方へ移動させるアバター移動指示は、アバターに前方に歩く動作をさせるためのアバター動作指示を兼ねてもよく、さらに、表示範囲をアバターの進行方向に移動させる表示範囲変更指示を兼ねてもよい。また、例えば、アバターが右を向く動作をさせるためのアバター動作指示は、表示範囲を右方向へ回旋させる表示範囲変更指示を兼ねてもよい。アバター移動指示とアバター動作指示とを総称してアバター操作指示と記載する。
【0024】
仮想空間制御部152は、仮想空間内でユーザーのアバターがオブジェクトに触れたか否か判定してもよい。例えば、仮想空間制御部152は、ユーザーのアバターがオブジェクトの所定の範囲内に位置した場合に、そのアバターがオブジェクトに触れたと判定する。仮想空間制御部152は、この判定に、オブジェクト及びアバターに設定されたコライダーを利用してもよい。コライダーは、アバターやオブジェクトに対する衝突の判定を行う範囲である。例えば、オブジェクトに設定されているコライダーに対してアバターのコライダーが衝突したことに応じて、オブジェクトに対してアバターが衝突(接触)したことの判定が可能となる。また、2つのオブジェクトのコライダー同士が衝突したかによって、それらオブジェクト同士の衝突が判定可能となる。上述したオブジェクト選択指示の判定においてもコライダーが用いられてもよい。例えば、オブジェクトに設定されたコライダーに対して、選択指示に用いられるポインターが衝突したと判定されたことに応じて、そのオブジェクトが選択されたと判定されてもよい。
【0025】
仮想空間制御部152は、仮想空間内でユーザーのアバターが他のアバターに触れたか否か判定してもよい。例えば、仮想空間制御部152は、ユーザーのアバターが他のアバターの所定の範囲内に位置した場合に、そのアバターが他のアバターに触れたと判定する。仮想空間制御部152は、この判定に、各アバターに設定されたコライダーを利用してもよい。例えば、2つのアバターのコライダー同士が衝突したかによって、それらアバター同士の衝突が判定可能となる。
【0026】
仮想空間制御部152は、操作情報を仮想空間提供装置20に送信してもよい。この場合、上述した仮想空間制御部152による各処理の一部又は全てが仮想空間提供装置20によって実行されてもよい。また、仮想空間制御部152は、仮想空間提供装置20からデータを受信すると、受信されたデータに応じて仮想空間内を示す画面を生成して出力部13に表示する。仮想空間制御部152は、仮想空間におけるユーザーの操作に基づいて、サービスアプリ制御部151に対するユーザーの操作情報を生成し、生成された操作情報をサービスアプリ制御部151に出力してもよい。
【0027】
仮想空間提供装置20は、パーソナルコンピューターやサーバー装置等の情報処理装置を用いて構成される。仮想空間提供装置20は、仮想空間の画像情報を生成して端末装置10に送信する。仮想空間提供装置20によって提供される仮想空間には、例えば各端末装置10のユーザーが操作可能なアバターが含まれていてもよい。アバターが配置された仮想空間の一例はメタバース空間である。
【0028】
仮想空間提供装置20によって各端末装置10に提供される画像情報は、画像そのもののデータであってもよいし、画像を生成するために必要となる情報であってもよい。画像を生成するために必要となる情報とは、例えば、各ユーザーのアバターの周辺に位置するオブジェクトやテクスチャーや他のアバターを示すデータ等である。仮想空間提供装置20が画像情報として画像そのもののデータを送信する場合には、各ユーザーの端末装置10は受信した画像情報を出力部13の画面の一部又は全部としてそのまま表示してもよい。仮想空間提供装置20が画像情報として画像を生成するために必要となる情報を送信する場合には、各ユーザーの端末装置10は受信した画像情報に基づいて各ユーザーのアバターの視界を示す画像を生成し、出力部13の画面の一部又は全部として表示してもよい。
【0029】
サービス提供装置30は、パーソナルコンピューターやサーバー装置等の情報処理装置を用いて構成される。端末装置10にインストールされているWEBブラウザーとデータ通信することによって、所定のサービスを端末装置10のユーザーに対して提供する。サービス提供装置30は、例えば物理的に実世界に存在する商品をユーザーに対して販売する商品販売システムであってもよい。サービス提供装置30が商品販売システムである場合には、サービス提供装置30は端末装置10のブラウザー上に表示されるユーザーインターフェースに対するユーザーの操作に応じて、ユーザーによる購入処理を確定させ、会計処理や商品発送に関する処理を実行してもよい。
【0030】
図3は、端末装置10の出力部13に表示される画面の具体例を示す図である。端末装置10の出力部13に表示される画面には、大きく分けて第一領域及び第二領域の2種類の領域がある。第一領域は、仮想空間制御部152によって制御される表示の領域であり、仮想空間が表示される。第一領域において行われた操作の内容は、仮想空間制御部152によって取得され、仮想空間内のアバターの移動やオブジェクトに対する操作や表示の切り替えに用いられる。第一領域は、いわゆるインゲームの領域である。第二領域は、サービスアプリ制御部151によって制御される表示の領域であり、例えばブラウザーの画面が表示される。第二領域において行われた操作の内容は、サービスアプリ制御部151によって取得され、ブラウザー上のテキストやオブジェクトやハイパーリンク等に対する操作に用いられる。第二領域は、いわゆるアウトゲームの領域である。
【0031】
インゲームの領域がアクティブになった状態で行われた操作は、仮想空間において行われた操作として仮想空間制御部152が受け付けて処理する。アウトゲームの領域がアクティブになった状態で行われた操作は、仮想空間外において行われた操作としてサービスアプリ制御部151が受け付けて処理する。例えば、インゲームの領域にカーソルが位置する状態で行われた操作や、インゲームの領域が選択された(例えばクリックされた)状態で行われた操作が、インゲームの領域がアクティブになった状態で行われた操作として取り扱われても良い。例えば、アウトゲームの領域にカーソルが位置する状態で行われた操作や、アウトゲームの領域が選択された(例えばクリックされた)状態で行われた操作が、アウトゲームの領域がアクティブになった状態で行われた操作として取り扱われても良い。
【0032】
図3において符号51で示される領域は第一領域であり、符号52及び符号53で示される領域は第二領域である。第一領域51には、仮想空間が表示される。第二領域52及び第二領域53には、サービス提供装置30によって提供されるサービスに関する情報が表示される。例えば、第二領域52には、実世界に存在する商品を購入するための操作をするユーザーインターフェース(以下「購入UI」という。)が表示されてもよい。例えば、第二領域53には、実商品を取り扱う店舗に関する情報(店舗情報)が表示されてもよい。店舗情報の具体例として、店舗の名称、店舗の説明、店舗で取り扱われる商品のリスト、などがある。
【0033】
図4は、端末装置10の出力部13に表示される画面の他の具体例を示す図である。
図4では、
図3に示される画面において、符号54で示される重畳領域(重畳して表示される領域)を含む。重畳領域は、第二領域の一態様である。すなわち、重畳領域はサービスアプリ制御部151によって制御される。重畳領域は、例えばモーダルウィンドウとして実装されてもよいし、ポップアップウィンドウとして実装されてもよいし、他の態様で実装されてもよい。
【0034】
図5は、端末装置10の出力部13に表示される画面の具体例を示す図である。
図5では、第一領域51に表示される仮想空間では、商品を購入可能な店舗内にアバター511が位置している。店舗内には、実世界に存在する商品(以下「実商品」という。)を模擬した複数の仮想商品512が表示されている。例えば、白地のTシャツである実商品を模擬した仮想商品512が表示されている。また、第二領域53には、アバター511が位置している仮想空間の店舗において購入可能な実商品のリストが表示される。実商品のリストには、1又は複数の実商品に関する情報が表示される。例えば、
図5では、5つの実商品それぞれについて、画像(コンピューターグラフィック又は写真)、名称、値段が表示されている。第二領域53には、第一領域51に表示される仮想空間内の店舗において購入可能な全ての実商品が表示されてもよい。例えば、画面を下方向にスクロールさせることに応じて第二領域53に表示される実商品が変わることによって、実質的に全ての実商品が表示されてもよい。
【0035】
図6は、端末装置10の出力部13に表示される画面の具体例を示す図である。
図6の第一領域51に示される仮想空間では、アバター511が仮想商品512に接触している。このような接触は、上述したようにアバター511及び仮想商品512のコライダーを用いて判定されてもよい。アバター511が接触した仮想商品512に対応する実商品に関する情報が、第二領域52に表示される。
図6の例では、実商品について、画像(コンピューターグラフィック又は写真)、名称、サイズの選択領域、商品バリエーションの選択領域、購入個数の選択領域、がそれぞれ表示されている。サイズの選択領域、商品バリエーションの選択領域及び購入個数の選択領域は、購入UIの一例である。仮想商品512に対応する実商品の購入を希望するユーザーは、第二領域53に表示された購入UIを操作することによって、実商品を実際に購入することが可能である。例えば、ユーザーが各選択領域で希望する選択肢を選択した後に“カートに入れる”というボタンを操作すると、第二領域53の画面が購入画面に遷移する。ユーザーが購入画面において“購入する”等の購入を指示するボタンを操作すると、予め登録されているユーザー情報にしたがって商品購入の手続が実行される。
【0036】
図5に示される画面の表示から
図6に示される画面の表示を経て商品が購入されるまでの処理の流れの具体例について説明する。ユーザーがサービスアプリ(例えばWEBブラウザー)を操作して所定の仮想空間にアクセスすると、仮想空間制御部152は仮想空間提供装置20と通信し、画像情報を受信する。仮想空間制御部152は、受信された画像情報に基づいて第一領域51に仮想空間の画像を表示する。仮想空間制御部152は、所定のタイミング(例えば仮想空間表示の更新レートに応じたタイミング)で、第一領域51の画像を更新する。
【0037】
仮想空間においてアバター511が商品購入の所定の領域(例えば仮想空間内の店舗領域)に侵入すると、仮想空間制御部152は、アバター511が侵入した仮想空間の店舗領域に応じた店舗情報を取得して表示することをサービスアプリ制御部151に要求する。アバター511が店舗領域に侵入したことは、例えばアバター511及び店舗のコライダーを用いて判定されてもよい。サービスアプリ制御部151は、要求に応じてサービス提供装置30に対して店舗情報をリクエストする。このとき、画像情報の一部として、サービスアプリ制御部151が店舗情報の取得のためにアクセスすべきネットワークアドレス(例えばURLやIPアドレス)が含まれていても良い。この場合、仮想空間制御部152は、アクセス先を示す情報としてネットワークアドレスをサービスアプリ制御部151に渡しても良い。
【0038】
サービス提供装置30は、要求に応じて店舗情報を端末装置10に送信する。サービスアプリ制御部151は、受信された店舗情報に基づいて、第二領域53に店舗に関する情報を表示する。店舗に関する情報には、例えば店舗の名称や、店舗で取り扱われている実商品に関する情報が含まれてもよい。本実施形態では、店舗に関する情報の具体例として、店舗で取り扱っている実商品のリストが含まれている。そのため、サービスアプリ制御部151は、実商品のリストを第二領域53に表示する。このような状態で表示される画像が、
図5に示される画像である。
【0039】
ユーザーがアバター511を操作して、アバター511を仮想商品512の近くまで移動させる。すると、アバター511及び仮想商品512のコライダーを用いた判定処理によって、アバター511が仮想商品512に接触したと判定される。この判定は、仮想空間制御部152によって実行されてもよいし、仮想空間提供装置20によって実行されてもよい。仮想空間制御部152は、アバター511が接触した仮想商品512に応じた実商品の商品情報を取得して表示することをサービスアプリ制御部151に要求する。サービスアプリ制御部151は、要求に応じてサービス提供装置30に対して商品情報をリクエストする。このとき、画像情報の一部として、サービスアプリ制御部151が商品情報の取得のためにアクセスすべきネットワークアドレス(例えばURLやIPアドレス)が含まれていても良い。この場合、仮想空間制御部152は、アクセス先を示す情報としてネットワークアドレスをサービスアプリ制御部151に渡しても良い。
【0040】
サービス提供装置30は、要求に応じて商品情報を端末装置10に送信する。サービスアプリ制御部151は、受信された商品情報に基づいて、第二領域52に商品に関する情報を表示する。商品に関する情報には、例えば商品の画像や名称が含まれても良い。サービスアプリ制御部151は、仮想商品512に応じた実商品の購入UIを第二領域52に表示してもよい。このような状態で表示される画像が、
図6に示される画像である。
【0041】
このような商品情報の表示や実商品の購入UIの表示は、上述したようなアバター511と仮想商品512との接触とは異なる契機で行われてもよい。例えば、仮想空間内に配置された仮想商品512をユーザーが直接的に操作することに応じて行われてもよい。このような操作の具体例として、例えばカーソルを合わせてクリックする操作や、タッチする操作などがある。これらの操作に限定される必要は無い。
【0042】
第二領域52に表示された購入UIにおけるユーザーの操作で、実商品をカートに入れる操作が行われると、サービスアプリ制御部151は、実商品がカートに入れる操作が行われたことをサービス提供装置30に送信する。サービス提供装置30は、実商品がカートに入れられたことに応じて表示される画面(例えば決済画面)を示す端末装置10に送信する。サービスアプリ制御部151は、サービス提供装置30から送信された情報に基づいて、例えば決済操作を行うための画面を第二領域52に表示する。ユーザーが第二領域52に表示された画面で決済操作(例えば購入ボタンや決済ボタンの操作)を行うと、サービスアプリ制御部151は、決済操作が行われたことをサービス提供装置30に送信する。サービス提供装置30は、サービスアプリ制御部151から送信された情報に基づいて、決済処理を行う。
【0043】
図7は、端末装置10の出力部13に表示される画面の他の具体例を示す図である。
図7では、
図5に示される画面において、符号54で示される重畳領域を含む。
図7では、モーダルウィンドウとして重畳領域が表示されている。例えば、仮想空間内に配置された仮想商品512をユーザーが操作(クリック、タッチなど)した場合に、仮想空間制御部152は、操作された仮想商品512に応じた実商品の商品情報を取得して表示することをサービスアプリ制御部151に要求する。サービスアプリ制御部151は、要求に応じてサービス提供装置30に対して商品情報をリクエストする。具体的な処理は上述した通りである。
【0044】
サービス提供装置30は、要求に応じて商品情報を端末装置10に送信する。サービスアプリ制御部151は、受信された商品情報に基づいて、第二領域52に商品に関する情報を表示する。サービスアプリ制御部151は、仮想商品512に応じた実商品の購入UIを重畳領域54に表示してもよい。このような状態で表示される画像が、
図7に示される画像である。
【0045】
重畳領域54に表示された購入UIにおけるユーザーの操作で、実商品をカートに入れる操作が行われると、サービスアプリ制御部151は、実商品がカートに入れる操作が行われたことをサービス提供装置30に送信する。サービス提供装置30は、実商品がカートに入れられたことに応じて表示される画面(例えば決済画面)を示す端末装置10に送信する。サービスアプリ制御部151は、サービス提供装置30から送信された情報に基づいて、例えば決済操作を行うための画面を重畳領域54に表示する。ユーザーが重畳領域54に表示された画面で決済操作(例えば購入ボタンや決済ボタンの操作)を行うと、サービスアプリ制御部151は、決済操作が行われたことをサービス提供装置30に送信する。サービス提供装置30は、サービスアプリ制御部151から送信された情報に基づいて、決済処理を行う。
【0046】
上述した処理の具体例では、商品情報や購入UIの表示は、アバター511と仮想商品512との接触や、ユーザーによる仮想商品512に対する直接的な操作を契機としていた。それぞれの契機に応じて、表示態様が異なっても良い。例えば、アバター511と仮想商品512との接触が判定された場合には、
図6に示されるように第二領域52に商品情報が表示され、ユーザーによる仮想商品512に対する直接的な操作が行われた場合には、
図7に示されるように重畳領域54に商品表示が表示されてもよい。
【0047】
本実施形態の仮想空間提供システム100では、端末装置10の第一領域(仮想空間の領域、インゲームの領域)において行われた操作に応じて、第二領域が制御される。そのため、仮想空間の操作におけるユーザーインターフェースを向上することができる。すなわち、仮想空間において行われた操作に応じて、仮想空間だけではなく、仮想空間以外の領域への操作を実現することができる。そのため、例えば仮想空間での操作に応じて仮想空間では仮想空間以外の領域での表示に影響を与えることや、仮想空間での操作に応じて実空間でのサービス提供(例えば実商品の販売)を実現することが可能となる。
【0048】
図8は、本実施形態に適用される情報処理装置90のハードウェア構成例の概略を示す図である。情報処理装置90は、プロセッサー91、主記憶装置92、通信インターフェース93、補助記憶装置94、入出力インターフェース95及び内部バス96を備える。プロセッサー91、主記憶装置92、通信インターフェース93、補助記憶装置94及び入出力インターフェース95は、内部バス96を介して互いに通信可能に接続される。情報処理装置90は、例えば端末装置10、仮想空間提供装置20及びサービス提供装置30に適用されてもよい。この場合、例えば通信部11は通信インターフェース93を用いて構成されてもよい。例えば記憶部14は補助記憶装置94を用いて構成されてもよい。また、制御部15は、プロセッサー91及び主記憶装置92を用いて構成されてもよい。
【0049】
(変形例)
本実施形態では、仮想空間(インゲーム)における操作に応じて、仮想空間以外の表示領域(アウトゲーム)を制御した。逆に、仮想空間以外の表示領域(アウトゲーム)における操作に応じて、仮想空間(インゲーム)を制御してもよい。すなわち、アウトゲームにおける操作に応じて、仮想空間(インゲーム)内での操作情報が受け付けられてもよい。例えば、仮想空間制御部152は、第二領域52や第二領域53におけるユーザーの操作情報の一部又は全部を、第一領域51における操作情報の一部又は全部として用いてもよい。この場合、サービスアプリ制御部151は、第二領域52や第二領域53におけるユーザーの操作情報を、仮想空間制御部152に対して出力する。例えば、仮想空間制御部152は、第二領域52や第二領域53におけるユーザーの操作情報に基づいて、仮想空間におけるアバター511を移動させてもよい。例えば、仮想空間制御部152は、第二領域52や第二領域53におけるユーザーの操作情報に基づいて、仮想空間におけるアバター511に特定の動作を実行させてもよい。例えば、第二領域52において特定の商品を購入する操作が行われたことに応じて、アバター511が購入動作や購入された商品に予め対応付けられている所定の動作(例えば飛び跳ねる、踊る、など)を実行してもよい。例えば、仮想空間制御部152は、第二領域52や第二領域53におけるユーザーの操作情報に基づいて、仮想空間に表示を変更(例えば表示の向き、表示の拡大率、視点位置等の変更)してもよい。
【0050】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0051】
100…仮想空間提供システム, 10…端末装置, 11…通信部, 12…入力部, 13…出力部, 14…記憶部, 15…制御部, 151…サービスアプリ制御部, 152…仮想空間制御部, 20…仮想空間提供装置, 30…サービス提供装置
【要約】
【課題】仮想空間の操作におけるユーザーインターフェースの向上を可能にすること。
【解決手段】ユーザーの操作を受け付ける入力部と、前記入力部に対するユーザーの操作のうち、仮想空間における操作に応じて、前記仮想空間とは異なるサービスに関するアプリケーションを制御する制御部と、前記仮想空間に関する画像と前記サービスに関する画像とを表示する出力部と、を備える端末装置としてコンピューターを機能させるためのコンピュータープログラムである。
【選択図】
図1