(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】電池状態検出装置及び電池保護装置
(51)【国際特許分類】
H02H 7/18 20060101AFI20240820BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240820BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20240820BHJP
G01R 31/00 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
H02H7/18
H02J7/00 S
H01M10/48 P
G01R31/00
(21)【出願番号】P 2023503482
(86)(22)【出願日】2022-04-21
(86)【国際出願番号】 KR2022005726
(87)【国際公開番号】W WO2022270736
(87)【国際公開日】2022-12-29
【審査請求日】2023-01-18
(31)【優先権主張番号】10-2021-0082830
(32)【優先日】2021-06-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】スユプ・ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ミンキュ・キム
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-157217(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0071601(KR,A)
【文献】特開2010-019809(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2021-0007245(KR,A)
【文献】特開2018-021880(JP,A)
【文献】特開2010-230678(JP,A)
【文献】特開2018-125969(JP,A)
【文献】特開2014-238379(JP,A)
【文献】特開2017-215276(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2020-0042238(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02H 7/18
H02J 7/00
H01M 10/48
G01R 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池の正極と接続された第1ヒューズ、
前記電池の負極と接続された第2ヒューズ、
前記第1ヒューズ及び前記第2ヒューズを介して前記電池と並列に配置される高抵抗素子
であって、前記高抵抗素子に微小電流が流れるような抵抗値を有するように構成される高抵抗素子、
前記高抵抗素子に流れる電
流を測定するセンサ、及び
前記センサによって測定された電
流から
、前記電池によって提供されるシステム電圧及びヒューズの断線の有無を判断する制御部、
を含
み、
前記センサは、
前記高抵抗素子と前記第1ヒューズとの間に位置して前記高抵抗素子と直列接続されるか、前記高抵抗素子と前記第2ヒューズとの間に位置して前記高抵抗素子と直列接続される電流センサである、電池状態検出装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記電池の状態を管理するBMSに含まれる、請求項1に記載の電池状態検出装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記電流センサから測定された電流値が0である場合、前記ヒューズが断線したと判断する、請求項
1に記載の電池状態検出装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記電流センサから測定された電流値と前記高抵抗素子の抵抗値とを用いて前記電池によって提供されるシステム電圧を算出する、請求項
1に記載の電池状態検出装置。
【請求項5】
電池及び電力変換システムを含むエネルギー貯蔵システムで前記電池を保護する装置であって、
前記電池の正極と接続された第1ヒューズ、
前記電池の負極と接続された第2ヒューズ、
前記第1ヒューズと前記電力変換システムとの接続を制御する第1メインコンタクタ、
前記第2ヒューズと前記電力変換システムとの接続を制御する第2メインコンタクタ、
前記第1ヒューズ及び前記第2ヒューズを介して前記電池と並列に配置される高抵抗素子
であって、前記高抵抗素子に微小電流が流れるような抵抗値を有するように構成される高抵抗素子、
前記高抵抗素子に流れる電
流を測定するセンサ、及び
前記センサによって測定された電
流から
、前記電池によって提供されるシステム電圧及びヒューズの断線の有無を判断する制御部
を含
み、
前記センサは、
前記高抵抗素子と前記第1ヒューズとの間に位置して前記高抵抗素子と直列接続されるか、前記高抵抗素子と前記第2ヒューズとの間に位置して前記高抵抗素子と直列接続される電流センサである、電池保護装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年6月25日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10-2021-0082830号の出願日の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された内容の全ては、本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、電池状態検出装置に関し、より具体的には、高抵抗並列構造を適用した電池状態検出装置、そしてこれを利用する電池保護装置に関する。
【背景技術】
【0003】
エネルギー貯蔵システム(Energy Storage System;ESS)は、新再生可能エネルギー、電力を貯蔵した電池、そして既存の系統電力を連携させるシステムである。近年、スマートグリッド(smart grid)と新再生可能エネルギーの普及が広がっており、電力系統の効率化と安定性が強調されることに伴って、電力供給及び需要の調節、及び電力品質の向上のために、エネルギー貯蔵システムに対する需要がますます増加しつつある。使用の目的によって、エネルギー貯蔵システムは、出力と容量が変わる。大容量エネルギー貯蔵システムを構成するために、複数の電池システムが互いに接続されることができる。
【0004】
一方、ESSを用いたサービス提供の際に、電池の状態をモニタリングして管理する必要があるが、このために、ESSシステムは、電池システムの電圧、電池ヒューズの断線の有無などに関する情報を提供するのが普通である。例えば、電池として17段電池ラックが使用される場合、直列に接続された238個の電池セルの電圧をそれぞれ測定し、これらを全部合算してシステム電圧と計算することになる。この場合、電池セルの個数が多くて、個別の電圧算出過程で小数点以下切り捨てによって発生する誤差が、各電池セルに対する電圧の合算時に一層大きくなる問題が発生し得る。また、電池の充放電が行われない場合には、ヒューズの問題なのか他の素子の問題なのかを判断しにくいという問題がある。
【0005】
このように、現在の電池の状態を管理する方式によれば、システム電圧の測定に誤差が発生するか、ヒューズの断線の有無を即時知ることができないという問題が発生している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のような問題点を解決するための本発明の目的は、システム電圧及びヒューズの断線の有無を確認することができる電池状態検出装置を提供することにある。
【0007】
上記のような問題点を解決するための本発明の別の目的は、上記電池状態検出装置を含む電池保護装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するための本発明の一実施例に係る電池状態検出装置は、電池の正極と接続された第1ヒューズ;上記電池の負極と接続された第2ヒューズ;上記第1ヒューズ及び上記第2ヒューズと接続されて上記電池と並列に配置される高抵抗素子;上記高抵抗素子に流れる電流又は上記高抵抗素子に印加される電圧を測定するセンサ;及び上記センサによって測定された電流又は電圧からシステム電圧及びヒューズの断線の有無を判断する制御部を含むことができる。
【0009】
ここで、上記センサは、上記高抵抗素子と上記第1ヒューズとの間に位置して上記高抵抗素子と直列接続されるか、上記高抵抗素子と上記第2ヒューズとの間に位置して上記高抵抗素子と直列接続される電流センサであってよい。
【0010】
上記センサはまた、上記高抵抗素子と並列接続されて上記高抵抗素子に印加される電圧を測定する電圧センサであってよい。
【0011】
このとき、制御部は、上記電池の状態を管理するBMS(Battery Management System)に含まれることができる。
【0012】
一方、制御部は、上記電流センサから測定された電流値が0である場合、上記ヒューズが断線したと判断することができ、上記電流センサから測定された電流値と上記高抵抗素子の抵抗値とを用いて上記電池によって提供されるシステム電圧を算出することができる。
【0013】
また、上記制御部は、上記電圧センサから測定された電圧値が0である場合、上記ヒューズが断線したと判断し、上記電圧センサから測定された電圧値を上記電池によって提供されるシステム電圧値と判断することができる。
【0014】
上記別の目的を達成するための本発明の実施例に係る電池保護装置は、電池及びPCS(電力変換システム)を含むエネルギー貯蔵システムで上記電池を保護する装置であって、上記電池の正極と接続された第1ヒューズ;上記電池の負極と接続された第2ヒューズ;上記第1ヒューズと上記PCSとの接続を制御する第1メインコンタクタ;上記第2ヒューズと上記PCSとの接続を制御する第2メインコンタクタ;上記第1ヒューズ及び上記第2ヒューズと接続されて上記電池と並列に配置される高抵抗素子;上記高抵抗素子に流れる電流又は上記高抵抗素子に印加される電圧を測定するセンサ;及び上記センサによって測定された電流又は電圧からシステム電圧及びヒューズの断線の有無を判断する制御部を含むことができる。
【発明の効果】
【0015】
上記のような本発明の実施例によれば、高抵抗並列構造の適用を通じて、低コストで電池システムの電圧情報とヒューズの断線の有無に関する情報を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明が適用されることができるエネルギー貯蔵システムのブロック図である。
【
図2】従来の電池状態モニタリング装置の構成図である。
【
図3】本発明の一実施例に係る電池状態検出装置の構成図である。
【
図4】本発明の一実施例に係る電池状態検出装置でシステム電圧情報を確認する例を示す。
【
図5】本発明の一実施例に係る電池状態検出装置でヒューズの断線の有無を確認する例を示す。
【
図6】本発明の別の実施例に係る電池状態検出装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、種々の変更を加えることができ、様々な実施例を有することができるので、特定の実施例を図面に例示し、詳細な説明で詳しく説明しようとする。ところが、これは、本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするのではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるすべての変更、均等物ないし代替物を含むものと理解されたい。各図面を説明しながら類似の参照符号を類似の構成要素に対して使用している。
【0018】
第1、第2、A、Bなどの用語は、多様な構成要素を説明するのに使用されることができるが、上記構成要素は、上記用語によって限定されてはいけない。上記用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使用される。例えば、本発明の権利範囲を逸脱することなく、第1の構成要素は第2の構成要素と命名されることができ、同様に第2の構成要素も第1の構成要素と命名されることができる。「及び/又は」という用語は、複数の関連して記載された項目の組合わせ又は複数の関連して記載された項目のうちのある項目を含む。
【0019】
ある構成要素が他の構成要素に「連結されて」いるとか「接続されて」いると言及されたときには、当該他の構成要素に直接的に連結されているか又は接続されていることもあるが、中間に他の構成要素が存在することもできると理解されたい。これに対し、ある構成要素が他の構成要素に「直接連結されて」いるとか「直接接続されて」いると言及されたときには、中間に他の構成要素が存在しないことと理解されたい。
【0020】
本出願で使用した用語は、単に特定の実施例を説明するために使用されたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味でない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」又は「有する」などの用語は、明細書に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであって、一つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものなどの存在又は付加可能性をあらかじめ排除しないことと理解されたい。
【0021】
別に定義されない限り、技術的又は科学的な用語を含め、ここで使用されるすべての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有している。一般的に使用される辞書に定義されているような用語は、関連技術の文脈上有する意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、本出願において明白に定義しない限り、理想的であるか過度に形式的な意味としては解釈されない。
【0022】
以下、本発明に係る好ましい実施例を添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0023】
図1は、本発明が適用されることができるエネルギー貯蔵システムのブロック図である。
【0024】
エネルギー貯蔵システム(ESS)で電力を貯蔵する役割を果たす電池の最小単位は、通常、電池セル(cell)である。電池セルの直/並列の組合わせが電池モジュールをなし、多数の電池モジュール(Battery Module)が電池ラック(Rack)を構成することができる。すなわち、電池ラックは、電池モジュールの直/並列の組合わせであって、電池システムの最小単位になることができる。ここで、電池が使用される装置又はシステムによって、電池ラックは電池パック(pack)と呼ばれることもできる。
【0025】
図1を参照すれば、一つの電池ラックは、複数の電池モジュールと一つのBPU500又は保護装置を含むことができる。電池ラックは、RBMS(Rack BMS)100を通じてモニタリングと制御が可能である。RBMS100は、自分が管掌する各電池ラックの電流、電圧及び温度をモニタリングし、モニタリングの結果に基づいて電池のSOC(Status Of Charge)を算出して充放電を制御する役割を果たすことができる。
【0026】
一方、BPU(Battery Protection Unit)500は、電池ラック単位で異常電流 と故障電流から電池を保護するための装置である。BPUは、メインコンタクタ(Main Contactor;MC)、ヒューズ、回路遮断器(Circuit Breaker;CB)又は断路器 (Disconnect Switch;DS)などを含むことができる。BPUは、RBMSの制御によってメインコンタクタをオン/オフ制御してラック単位で電池システムを制御することができる。BPUはまた、短絡の発生時にヒューズを用いて短絡電流から電池を保護することができる。このように、電池システムは、BPU、スイッチギヤのような保護装置を通じて制御されることができる。
【0027】
一方、多数の電池及び周辺回路、装置などを含んで構成された電池セクションのそれぞれには、電池セクションコントローラ(Battery Section Controller;BSC)200が設けられ、電圧、電流、温度、遮断器といった制御の対象をモニタリングして制御することができる。BSCは、複数の電池パックを含むバンク単位の電池システムを含む電池システムの最上段制御装置であって、複数個のバンクレベル構造の電池システムで制御装置として使用されることもある。
【0028】
また、電池セクション毎に設けられた電力変換システム(Power Conversion System;PCS)400は、外部から供給される電力と電池セクションから外部へ供給する電力を制御して電池の充放電を制御し、DC/ACインバータを含むことができる。一方、ESSシステムがPV(Photovoltaic、太陽光発電システム)と連動する場合、PVインバータを含むことができる。
【0029】
一方、各BPUの出力は、DCバスを通じてPCS400と接続されることができ、PCS400は、電力網600と接続されることができる。また、EMS(Energy Management System)/PMS(Power Management System)300は、ESSシステムを全体的に管理する。
【0030】
図2は、従来の電池状態モニタリング装置の構成図である。
【0031】
ESSシステムの電池状態をモニタリングするために、従来は
図2に示すような構成の装置が使用されていた。
【0032】
図2を参照すれば、一連の電池の正極には第1ヒューズが接続されており、電池の負極には第2ヒューズが接続されている。第1ヒューズの他端は第1メインコンタクタと接続されており、第2ヒューズの他端は第2メインコンタクタと接続されている。ここで、第1メインコンタクタは、DCリンク部の正極端子と接続され、第2メインコンタクタは、DCリンク部の負極端子と接続されている。
【0033】
従来の構造では、メインコンタクタとDCリンク部との間に電流センサ(current sensor)を配置し、電流センサ510を通じて測定した電流値を通じて、RBMSが電池セルの電圧の合算値を推定していた。このような構造では、ヒューズが断線する場合にも、これを認知できずにいて、電池の充放電命令にも電流が流れないことを認知した後にヒューズあるいは他の部品に問題があることを間接的に知ることしかできなかった。そのため、熟練したメンテナンスエンジニアでなければ、充放電にならない理由を容易かつ迅速に知ることができなかった。
【0034】
本発明は、かかる問題点を解決するために提案され、下記
図3~
図6を通じて提示される実施例を通じて、システムの電圧情報及びヒューズ断線の有無を同時に確認できるようにする。
【0035】
図3は、本発明の一実施例に係る電池状態検出装置の構成図である。
【0036】
図3を参照すれば、本発明の実施例に係る電池状態検出装置は、電池の正極と接続された第1ヒューズ;上記電池の負極と接続された第2ヒューズ;上記第1ヒューズ及び上記第2ヒューズと接続されて上記電池と並列に配置される高抵抗素子550;上記高抵抗素子に流れる電流を測定するセンサ520;及び上記センサによって測定された電流からシステム電圧及びヒューズの断線の有無を判断する制御部100を含んで構成されることができる。
【0037】
ここで、制御部100は、RBMSであるか、又はRBMSの一部としてRBMSに含まれることができる。
【0038】
本発明の実施例において、センサ520は、上記高抵抗素子と上記第1ヒューズとの間に位置して上記高抵抗素子と直列接続されることができる。上記電流センサはまた、上記高抵抗素子と上記第2ヒューズとの間に位置して上記高抵抗素子と直列接続されることができる。
【0039】
図3に示す本発明の一実施例によれば、第1ヒューズと第1メインコンタクタとの接点、そして第2ヒューズと第2メインコンタクタとの接点との間に高抵抗素子550が電池110と並列に接続されて配置されることができる。
【0040】
ヒューズ(Fuse)は、BPUの主要部品の一つであって、短絡電流の発生時に電池保護のために受動的に断線する保護素子であり、使用の際に定期的な交換が必須である使い捨て部品である。また、メインコンタクタ(main contactor)は電気開閉装置であって、一般にマグネチックコンタクタとも呼ばれる。DCリンク部(DC Link)は、ESS主回路でCloseになると、電池の充放電が可能である。
【0041】
ここで、高抵抗素子の抵抗値は、数メガオーム(MΩ)であってよい。本発明においては、このように高抵抗素子を電池と並列に結線して数mAの微小電流が高抵抗素子に流れるようにし、高抵抗素子と直列接続された電流センサ520を通じて微小電流を測定する。測定された微小電流値は制御部100によって分析され、これに基づいてシステムの電圧情報及びヒューズ1又はヒューズ2の断線の有無を確認することができる。よって、従来の装置で使用されていた電流センサ510は必須に使用されなくてもよいこととなる。
【0042】
ここで、制御部100は、RBMSであるか、又はRBMSの一部としてRBMSに含まれることができる。
【0043】
本発明に係る電池状態検出装置は、高抵抗値を有する素子550を使用して当該素子に微小電流のみ流れるようにすることで、電池の充放電というシステム固有の機能に大きな影響を及ぼさずに電池状態に対するモニタリングを行うことができる。
【0044】
一方、
図3を参照すれば、本発明の実施例に係る電池保護装置500は、電池の正極と接続された第1ヒューズ;上記電池の負極と接続された第2ヒューズ;上記第1ヒューズとPCS(電力変換システム)との接続を制御する第1メインコンタクタ;上記第2ヒューズと上記PCSとの接続を制御する第2メインコンタクタ;上記第1ヒューズ及び上記第2ヒューズと接続されて上記電池と並列に配置される高抵抗素子550;上記高抵抗素子に流れる電流又は上記高抵抗素子に印加される電圧を測定するセンサ520;及び上記センサによって測定された電流又は電圧からシステム電圧及びヒューズの断線の有無を判断する制御部100を含むことができる。
【0045】
図4は、本発明の一実施例に係る電池状態検出装置でシステム電圧情報を確認する例を示す。
【0046】
図4に示す例では、電池によって提供されるシステム電圧を知らない状態で、高抵抗素子に流れる電流値を通じてシステム電圧値を算出する方式を確認することができる。より具体的に、
図4に使用された高抵抗素子の抵抗値は20メガオーム(MΩ)であり、高抵抗素子を流れる電流が0.05mAと測定されると仮定する。このとき、システム電圧は、V=IRの式を用いて、0.05m*20M=1000(V)と計算されることができる。
【0047】
本発明においては、このように高抵抗素子を電池と並列に結線して数mAの微小電流が高抵抗素子に流れるようにし、高抵抗素子と直列接続された電流センサ520を通じて微小電流を測定する。測定された微小電流値は制御部100によって分析され、これに基づいてシステムの電圧情報及びヒューズの断線の有無を確認することができる。
【0048】
図5は、本発明の一実施例に係る電池状態検出装置でヒューズの断線の有無を確認する例を示す。
【0049】
図5に示す例では、電流センサに電流値が示されない場合、すなわち0に近い電流値が測定される場合を示す。この場合、制御部100は、電流センサによって測定された電流値からヒューズ(ヒューズ1又はヒューズ2)が断線したことを知ることができる。
【0050】
図6は、本発明の別の実施例に係る電池状態検出装置の構成図である。
【0051】
図6に示す本発明の別の実施例でも、第1ヒューズと第1メインコンタクタとの接点、そして第2ヒューズと第2メインコンタクタとの接点との間に高抵抗素子550が電池110と並列に接続されて配置される。ここで、高抵抗素子の抵抗値は数メガオーム(MΩ)であってよい。
【0052】
すなわち、
図6に示す本発明の実施例に係る電池状態検出装置は、電池の正極と接続された第1ヒューズ;上記電池の負極と接続された第2ヒューズ;上記第1ヒューズ及び上記第2ヒューズと接続されて上記電池と並列に配置される高抵抗素子550;上記高抵抗素子に印加される電圧を測定するセンサ520;及び上記センサによって測定された電圧からシステム電圧及びヒューズの断線の有無を判断する制御部100を含んで構成されることができ、当該実施例において、センサは、上記高抵抗素子と並列接続されて上記高抵抗素子に印加される電圧を測定する電圧センサであってよい。
【0053】
図6の実施例においては、高抵抗素子と並列に接続された電圧センサ530を通じて、高抵抗素子に印加される電圧値を測定することができる。
【0054】
ヒューズが正常動作する場合、電圧センサ520を通じて測定される高抵抗素子に印加される電圧値は、システム電圧値、すなわち直列に接続された複数の電池の電圧値の合算値と同一ないし類似の値になることができる。ヒューズが断線する場合、高抵抗素子に印加される電圧は0に近い値になるのであろう。
【0055】
すなわち、制御部100は、電圧センサによって測定される電圧値が電池システムで期待できる通常の電圧値(例えば、電池セル電圧 4.2V、モジュール 17段ラックの場合、SOC100%を基準に、モジュール1つ当り58.8Vの電圧値を持つので、電池ラックが出力する電圧は999.6V)である場合、当該電圧値をシステム電圧情報と認知することができる。制御部100はまた、電圧センサによって測定される電圧値が0に近い値である場合、ヒューズが断線したことを確認することができる。
【0056】
以上説明したような本発明の実施例によって提供される高抵抗並列構造の適用を通じて、電池電圧の確認及びヒューズの断線状態の確認機能を経済的に実現することができる。
【0057】
本発明の一部の側面は、装置の文脈で説明されたが、それは、対応する方法による説明も示すことができ、ここで、ブロック又は装置は、方法ステップ又は方法ステップの特徴に対応する。同様に、方法の文脈で説明された側面は、対応するブロック又はアイテム又は対応する装置の特徴で示すことができる。方法ステップのいくつか又は全部は、例えばマイクロプロセッサ、プログラム可能なコンピュータ又は電子回路のようなハードウェア装置によって(又は用いて)行われることができる。いくつかの実施例において、最も重要な方法ステップの一つ以上は、このような装置によって行われることができる。
【0058】
以上、本発明の好ましい実施例を参照して説明したが、該当技術分野の熟練した当業者は、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正及び変更できることを理解するであろう。
【符号の説明】
【0059】
100:RBMS
110:電池
200:BSC
300:EMS/PMS
400:PCS
500:BPU(電池保護装置)
520:電流センサ
530:電圧センサ
550:高抵抗素子
600:電力網(Grid)