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特許7540819作業管理装置、作業管理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】作業管理装置、作業管理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20230101AFI20240820BHJP
【FI】
G06Q30/06
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020126573
(22)【出願日】2020-07-27
(65)【公開番号】P2022023559
(43)【公開日】2022-02-08
【審査請求日】2023-06-05
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000232092
【氏名又は名称】NECソリューションイノベータ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】遊川 佐武郎
(72)【発明者】
【氏名】山田 瑠璃子
(72)【発明者】
【氏名】藤田 孝志
(72)【発明者】
【氏名】打田 亜希子
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 友謙
(72)【発明者】
【氏名】北本 貴久
(72)【発明者】
【氏名】杉浦 毅
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 靖彦
(72)【発明者】
【氏名】前野 正博
【審査官】宮地 匡人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2010/023944(WO,A1)
【文献】特開2007-153577(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業者に所持される携帯端末に送信された情報であって、当該作業者に割り当てられた作業対象を示す第1識別情報を含む作業内容情報を取得する作業内容取得手段と、
当該作業者の前記携帯端末によって読み取られた情報であって、陳列棚ごとに当該陳列棚に配置すべき配置物が収容された容器を識別するとともに、当該容器の作業対象を示す第2識別情報を取得する容器情報取得手段と、
前記第1識別情報により特定される前記作業対象と前記第2識別情報により特定される前記作業対象とを比較し、一致しているか否かを判定する判定手段と、
を有する、作業管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の作業管理装置において、
前記判定手段により基準を満たすと判定された場合、前記配置物を配置すべき陳列棚を報知する報知手段をさらに備える、作業管理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の作業管理装置において、
前記陳列棚の棚毎に照明手段がそれぞれ設けられ、
前記報知手段は、前記配置物を配置すべき前記陳列棚の棚に設けられた前記照明手段を点灯する、作業管理装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の作業管理装置において、
前記容器情報取得手段は、さらに、作業が完了した前記容器から前記第2識別情報を取得し、
前記作業者の生体情報および、前記作業後に前記容器から取得された前記第2識別情報に基づいて、作業完了を登録する登録手段をさらに備える、作業管理装置。
【請求項5】
請求項4に記載の作業管理装置において、
前記陳列棚の画像を取得する画像取得手段をさらに備え、
前記登録手段は、前記判定手段による判定を完了する以前の前記陳列棚の画像である第1画像と、前記判定手段による判定を完了してから所定時間経過後の前記陳列棚の画像である第2画像とを比較し、前記第2画像に前記第1画像よりも商品の数が多く写っている場合、作業完了を登録する、作業管理装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の作業管理装置において、
前記生体情報は、前記作業者の入店時に取得した顔情報である、作業管理装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の作業管理装置において、
前記携帯端末によって読み取られた情報であって、前記配置物を配置した前記陳列棚を識別する第3識別情報を取得する陳列棚情報取得手段を備える、作業管理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の作業管理装置において、
前記陳列棚には当該陳列棚を識別する第3識別情報を示す二次元コードが付されており、
前記容器に、前記作業対象の第2識別情報を示す二次元コードが付与されており、
前記判定手段は、さらに、前記携帯端末によって読み取られた前記二次元コードが示す前記第2識別情報により特定される前記作業対象と、前記容器に梱包された前記配置物を陳列した前記陳列棚に付与されている、前記携帯端末によって読み取られた前記二次元コードが示す前記陳列棚の前記第3識別情報が示す作業対象とを比較し、一致しているか否かを判定する、作業管理装置。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の作業管理装置において、
前記作業内容情報を前記携帯端末の表示手段に表示させる表示処理手段を備える、作業管理装置。
【請求項10】
コンピュータに、
作業者に所持される携帯端末に送信された情報であって、当該作業者に割り当てられた作業対象を示す第1識別情報を含む作業内容を取得する手順、
前記作業者の前記携帯端末によって読み取られた情報であって、陳列棚ごとに当該陳列棚に配置すべき配置物が収容された容器を識別するとともに、当該容器の作業対象を示す第2識別情報を取得する手順、
前記第1識別情報により特定される前記作業対象と前記第2識別情報により特定される前記作業対象とを比較し、一致しているか否かを判定する手順、を実行させるためのプログラム。
【請求項11】
作業管理装置が、
作業者に所持される携帯端末に送信された情報であって、当該作業者に割り当てられた作業対象を示す第1識別情報を含む作業内容を取得し、
前記作業者の前記携帯端末によって読み取られた情報であって、陳列棚ごとに当該陳列棚に配置すべき配置物が収容された容器を識別するとともに、当該容器の作業対象を示す第2識別情報を取得し、
前記第1識別情報により特定される前記作業対象と前記第2識別情報により特定される前記作業対象とを比較し、一致しているか否かを判定する、作業管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業管理装置、作業管理方法、およびプログラムに関し、特に、店舗における作業管理装置、作業管理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
商品の入荷作業を支援する方法の一例が特許文献1に記載されている。特許文献1の入荷作業支援方法では、作業員がカメラとマイクロホンを有するウエアラブル端末を装着する。そして入荷作業支援装置は、入荷商品の商品画像(商品の種類を特定する商品コードのバーコードを含む)から商品コードを取得し、商品の保管場所を表す場所画像(場所を特定する場所コードのバーコードを含む)から場所コードを取得し、保管場所に保管する商品の数を作業員の発話(例えば、「5個」)を音声認識することで取得し、場所コードと、商品コードと、入荷数とを関連付けて記録している。さらに、コンピュータは、入荷伝票画像から商品コードと入荷総数を取得し、各場所に保管された商品の入荷数と、伝票から取得した入荷総数とを比較して、入荷した商品が過不足なく棚に収容されたか否かをチェックしている。
【0003】
特許文献2には、倉庫などから物品をピッキングする作業を支援する装置が記載されている。作業員はカメラとディスプレイを有するヘッドマウントディスプレイを装着する。ピッキングされる物品が収納されている棚にはその場所(例えば、間口番号)を特定する識別子を示すバーコードが付設されている。ピッキングすべき物品が収納されている棚の間口番号を識別する識別子と、ピッキングする個数とが、ピッキング作業指示情報に記憶されている。支援装置は、ヘッドマウントディスプレイのカメラで物品の収納棚を撮像した画像からバーコードを抽出して識別子を読み取り、作業指示情報に記憶されている識別子が検出されると当該識別子の場所をピッキングすべき物品が収納されている場所として特定し、当該領域を赤色などに変更してディスプレイに表示させている。また、支援装置は、ピッキング作業の完了についても自動判別している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-190729号公報
【文献】国際公開第2014/002686号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
無人または省人店舗においては、商品の棚入れ作業は、その作業のためだけに雇われたアルバイトにより行われることがある。店舗に店員が不在の中で、アルバイトが作業を行うため、不慣れな作業者でも効率よく正確に作業できることが望まれる。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、店舗作業において経験に乏しい作業者による作業を支援することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の各側面では、上述した課題を解決するために、それぞれ以下の構成を採用する。
【0008】
第一の側面は、作業管理装置に関する。
第一の側面に係る作業管理装置は、
作業者に所持される携帯端末によって読み取られた情報であって、作業対象の第1識別情報を含む作業内容情報を取得する作業内容取得手段と、
前記携帯端末によって読み取られた情報であって、陳列棚ごとに当該陳列棚に配置すべき配置物が収容された容器を識別する第2識別情報を取得する容器情報取得手段と、
前記第1識別情報と前記第2識別情報とを比較し、基準を満たしているか否かを判定する判定手段と、を有する。
【0009】
第二の側面は、少なくとも1つのコンピュータにより実行される作業管理方法に関する。
第二の側面に係る作業管理方法は、
作業管理装置が、
作業者の携帯端末を用いて、作業対象の第1識別情報を含む作業内容を取得し、
前記作業者の携帯端末を用いて、陳列棚ごとに当該陳列棚に配置すべき配置物が収容された容器を識別する第2識別情報を取得し、
前記第1識別情報と前記第2識別情報とを比較し、基準を満たしているか否かを判定する、ことを含む。
【0010】
なお、本発明の他の側面としては、上記第二の側面の方法を少なくとも1つのコンピュータに実行させるプログラムであってもよいし、このようなプログラムを記録したコンピュータが読み取り可能な記録媒体であってもよい。この記録媒体は、非一時的な有形の媒体を含む。
このコンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されたとき、コンピュータに、作業管理装置上で、その作業管理方法を実施させるコンピュータプログラムコードを含む。
【0011】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本発明の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【0012】
また、本発明の各種の構成要素は、必ずしも個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
【0013】
また、本発明の方法およびコンピュータプログラムには複数の手順を順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の手順を実行する順番を限定するものではない。このため、本発明の方法およびコンピュータプログラムを実施するときには、その複数の手順の順番は内容的に支障のない範囲で変更することができる。
【0014】
さらに、本発明の方法およびコンピュータプログラムの複数の手順は個々に相違するタイミングで実行されることに限定されない。このため、ある手順の実行中に他の手順が発生すること、ある手順の実行タイミングと他の手順の実行タイミングとの一部ないし全部が重複していること、等でもよい。
【発明の効果】
【0015】
上記各側面によれば、店舗作業において経験に乏しい作業者による作業を支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施の形態に係る作業管理装置を含む作業管理システムの概要を説明するための図である。
図2】店舗における棚入れ作業の流れを説明するための図である。
図3】携帯端末のディスプレイに表示される作業内容画面の一例を示す図である。
図4】作業者のユーザ登録手順を説明するための図である。
図5】ユーザ登録情報のデータ構造例を示す図である。
図6】作業管理装置を実現するコンピュータのハードウェア構成を例示するブロック図である。
図7】作業管理サーバの構成を論理的に示す機能ブロック図である。
図8】作業管理サーバの動作例を示すフローチャートである。
図9】作業割当情報および作業内容情報のデータ構造例を示す図である。
図10】携帯端末を用いた容器に付された識別情報の読み取り方法を説明するための図である。
図11】記憶装置に記憶される判定結果のデータ構造例を示す図である。
図12】作業管理サーバの論理的な構成例を示す機能ブロック図である。
図13】作業管理サーバの動作の一例を示すフローチャートである。
図14】作業管理サーバの論理的な構成例を示す機能ブロック図である。
図15】作業完了情報のデータ構造例を示す図である。
図16】作業前の什器を撮像した第1画像および作業後の什器を撮像した第2画像の例を示す図である。
図17】作業管理サーバの動作例を示すフローチャートである。
図18】作業管理サーバの論理的な構成例を示す機能ブロック図である。
図19】陳列棚に付された第3識別情報を取得する方法を説明するための図である。
図20】作業管理サーバの動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。以下の各図において、本発明の本質に関わらない部分の構成については省略してあり、図示されていない。
【0018】
実施形態において「取得」とは、自装置が他の装置や記憶媒体に格納されているデータまたは情報を取りに行くこと(能動的な取得)、および、自装置に他の装置から出力されるデータまたは情報を入力すること(受動的な取得)の少なくとも一方を含む。能動的な取得の例は、他の装置にリクエストまたは問い合わせしてその返信を受信すること、及び、他の装置や記憶媒体にアクセスして読み出すこと等がある。また、受動的な取得の例は、配信(または、送信、プッシュ通知等)される情報を受信すること等がある。さらに、「取得」とは、受信したデータまたは情報の中から選択して取得すること、または、配信されたデータまたは情報を選択して受信することであってもよい。
【0019】
(第1実施形態)
<システム概要>
図1は、本発明の実施の形態に係る作業管理装置を含む作業管理システム1の概要を説明するための図である。図1では、作業管理装置は、作業管理サーバ100にて例示されている。以後、作業管理装置は、作業管理サーバ100とも呼ぶ。図中、複数の店舗40(店舗A、店舗B、店舗Cなど)は、例えば、その運営形態が少なくとも一部の時間帯において無人または省人である店舗である。店舗40は、例えば、コンビニエンスストア、ドラッグストア、あるいは、家電製品、衣料品、カー用品、日用雑貨品などの量販店などである。
【0020】
母店30は、分店(店舗40)で販売する商品を管理している。商品管理サーバ34は、店舗40から仕入先32への商品の発注処理および仕入先32からの母店30への納品処理を管理している。商品管理サーバ34は、例えば、各店舗40におけるPOS(Point Of Sales)レジ(不図示)の売上データから、セルワンバイワン方式で商品の発注処理を行うことができる。
【0021】
各店舗40への商品の納品の仕方の一例は以下の通りである。まず、母店30において分店(店舗40)の分の検品が実施され、各店舗40の棚ごとの商品が容器50に梱包され、各店舗40に納品される。容器50は、例えば、所謂「折りコン」と呼ばれる折りたたみ式のコンテナやクーラーボックスなどである。店舗40において、納品された商品を陳列棚に陳列する作業(以後、棚入れ作業とも呼ぶ)を行う作業者Uは、所謂アルバイトなど、非常勤の作業者である。作業者Uは、携帯端末200を用いて、アルバイト仲介サイト(例えば、アルバイト管理サーバ20が管理している)などを閲覧して、アルバイトの募集に申し込み、採用される。このため、作業者Uは作業に慣れていない場合もある。
【0022】
作業者Uが陳列作業を行う陳列棚は、店舗40に設置される物品などを陳列する什器であり、物品が載置される棚板または底面を少なくとも一つ有している。什器は、冷蔵または冷凍のショーケース、ゴンドラなども含んでもよい。
【0023】
作業管理サーバ100は、アルバイト管理サーバ20に対して、店舗40における商品(配置物の一例)の棚入れ作業のアルバイトの募集を依頼し、アルバイト管理サーバ20にて採用されたアルバイトの情報を受信する。そして、作業管理サーバ100は、その作業者Uの携帯端末200に作業指示(作業場所、作業日時、作業内容などを含む)を送信する。作業者Uは、携帯端末200で受信した作業内容に従い、店舗40に行って、店舗40に搬送されている容器50に収容されている商品の棚入れ作業を行う。
【0024】
配置物は商品に限定されず、売り物以外の展示物であってもよい。例えば、季節毎に入れ替えられる季節限定商品のサンプル品などであってもよい。
【0025】
図2は、店舗における棚入れ作業の流れを説明するための図である。まず、作業者Uの携帯端末200は、作業管理サーバ100から作業指示を受信する。作業指示の受信方法は以下に例示されるがこれらに限定されない。
(1)作業管理サーバ100から作業者Uが予め登録しているメールアドレスに送信されたメールを受信する。
(2)携帯端末200のアプリケーションに作業管理サーバ100から作業指示がある旨の通知を送信し、アプリケーションは、作業管理サーバ100から作業指示を取得する。
(3)作業者Uがユーザ登録したサイトにログインして閲覧できる専用ウェブページ上に作業管理サーバ100から作業指示をアップロードする。作業者Uは携帯端末200のブラウザで専用ウェブページにログインして作業指示を閲覧する。なお、上記(1)のメールに作業指示内容が記載されている当該サイトのURL(Uniform Resource Locator)が記載されていてもよい。
【0026】
図3は、携帯端末200のディスプレイに表示される作業内容画面300の一例を示す図である。
作業内容画面300は、登録者情報表示部310と、作業日程表示部320と、作業内容表示部330と、店内図表示部340と、カメラ起動ボタン350と、を含む。
【0027】
登録者情報表示部310は、作業者Uを識別するユーザ識別情報と、作業者Uの氏名と、作業者Uが登録した顔画像とを含む。作業日程表示部320は、作業日時と、作業場所とを示す情報を含む。作業内容表示部330は、具体的な作業内容として、商品の陳列作業を行うことの指示と、陳列作業を行うべき容器50(「折りコン」とも呼ぶ)の識別情報(第1識別情報に相当する)と、作業の仕方の説明と、を含む。
【0028】
作業内容表示部330は、さらに、作業の仕方の詳細な説明の画面に移行させるための詳細ボタン332を含んでもよい。店内図表示部340には、作業場所となる店内の案内図が表示される。案内図には、陳列棚の配置342と、陳列棚のうち、作業を行う場所にランプのアイコン344等とを重畳表示させてもよい。カメラ起動ボタン350は、携帯端末200のカメラを起動してQRコード(登録商標)の撮影画面を移行させるための操作を受け付ける。
【0029】
図2に戻り、作業者Uは作業内容画面300に表示された作業指示に従い、店舗40に出勤する(ステップS1)。店舗40には、複数のカメラ10が設置されている。図2に示す例では、店舗40の店舗出入口ドア46からバックヤード42に出入りする人物を撮影するためのカメラ10aと、店舗40のバックヤード42と店内44の間を店内出入口ドア48から出入りする人物を撮影するためのカメラ10bと、店内44の陳列棚の陳列状態を撮影するためのカメラ10cとが少なくとも店舗40に設置されている。
【0030】
カメラ10は、撮影範囲を撮影し、画像を生成する。カメラ10は、レンズとCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサといった撮像素子を備える。カメラ10は、画角に入る人物の動きに合わせて追従してカメラ本体やレンズの向きの制御、ズーム制御、焦点合わせ等を行う機構を備えてもよい。カメラ10は、ネットワークを介して顔認証サーバ90および作業管理サーバ100に接続される。
【0031】
カメラ10は、常時撮影していてもよいし、カメラ10の撮影範囲に人物をセンサ(不図示)により検知したときに撮影して、画像を生成してもよい。生成された画像は、撮影時にリアルタイムに顔認証サーバ90および作業管理サーバ100に送信されるのが好ましい。ただし、送信される画像は、カメラ10から直接送信されなくてもよく、所定の時間遅延した画像であってもよい。カメラ10で撮像された画像は、一旦他の記憶装置に格納され、顔認証サーバ90または作業管理サーバ100が記憶装置から逐次または所定間隔毎に読み出してもよい。さらに、画像は、動画像であってもよいし、所定間隔毎のフレーム画像であってもよいし、静止画であってもよい。
【0032】
作業者Uは、従業員用の店舗出入口ドア46の前でカメラ10aにより顔を撮影され、顔認証処理などにより認証されると店舗出入口ドア46が開錠され、バックヤード42内に入ることができる(ステップS3)。また、図示していないが、作業者Uは、さらにバックヤード42内のカメラ(不図示)によって顔認証されるとロッカーが開錠され、手荷物を預け入れて作業を開始する。
【0033】
本実施形態では、人物の顔画像を用いて顔認証サーバ90により認証処理を行うものとするが、他の生体認証情報を用いる認証装置により認証処理を行ってもよい。生体認証情報は、例えば、虹彩、静脈、耳介、指紋、歩容、背格好(身長、肩幅、身丈、骨格等)等の少なくともいずれか一つの特徴量を含む。認証装置は、カメラ10により撮像される画像から生体認証情報の特徴量を抽出し、認証処理を行う。
【0034】
本作業管理システム1を利用する際、作業者Uは事前にユーザ登録を行う。作業管理装置100は、作業者Uのユーザ情報の入力を受け付け、後述する記憶装置150にユーザ登録情報160(図5)として登録させるユーザ登録部(不図示)をさらに備えてよい。以下の例では、ユーザ登録部は携帯端末200により実現される。ただし、作業管理装置のユーザ登録部は、携帯端末200および作業管理サーバ100の組み合わせ、あるいは、作業管理サーバ100により実現されてもよい。
【0035】
ユーザ登録部は、上記したように、作業者Uに登録すべき情報を入力させて受け付ける機能と、入力された情報の正当性(本人確認)の照合処理を行い、その正当性が確認された場合にユーザ登録情報160として記憶装置150に登録する機能を有する。
【0036】
ユーザ登録部は、登録すべき情報を受け付ける機能として、作業者Uにユーザ情報の登録手続きをさせるための登録画面を携帯端末200の表示部に表示させる。ユーザ登録部は、作業者Uの携帯端末200のアプリケーション上で、登録画面を表示させてもよいし、作業者Uの携帯端末200でブラウザからウェブサイトにアクセスして、登録画面を表示させてもよい。
【0037】
ユーザ登録部は、アプリケーションまたはウェブサイトを経由して、作業者Uによるユーザ情報の入力を受け付け、照合処理によりその正当性が確認された場合にユーザ登録情報160に登録させる。ユーザ登録情報160に登録される情報は、作業者Uが入力するユーザ情報と、作業者Uが撮像した作業者Uの顔画像または顔画像の特徴量の情報(認証情報)とを含む。
【0038】
図5の例では、ユーザ登録情報160は、例えば、作業者Uを識別するユーザIDと、作業者Uの氏名と、認証情報として顔写真から抽出された顔の特徴量または顔画像のデータファイルとが関連付けて記憶されている。
【0039】
作業者Uから入力を受け付けるユーザ情報は、少なくとも、作業者Uの氏名を含む。ユーザ情報は、さらに、作業者Uの携帯電話番号、自宅電話番号、メールアドレス、住所、生年月日などの他の情報を含んでもよい。
【0040】
ユーザ情報の登録手続きの手順について図4を用いて説明する。まず、ユーザ登録部は、登録画面を携帯端末200に表示させて、作業者Uの氏名などのユーザ情報の入力を受け付ける。次に、ユーザ登録部は、図4(a)に示すように、作業者Uに、自身の顔と、顔写真付きの身分証明書Vとが一緒の画像に入るように撮影させる画面を携帯端末200に表示させる。そして、ユーザ登録部は、作業者Uが画面上の撮影指示に従い撮影した撮像画像から作業者Uの顔画像と、身分証明書Vの画像内の顔写真の顔画像とをそれぞれ抽出する。そして、ユーザ登録部は、抽出した作業者Uの顔画像と、身分証明書Vの画像内の顔写真とを照合する。
【0041】
この例では、ユーザ登録部による照合処理は、携帯端末200に顔認証機能を実現するアプリケーションを実装することにより、携帯端末200上で実行される。他の例では、この照合処理は、作業管理サーバ100、顔認証サーバ90、あるいは、他のサーバ(不図示)に、顔認証機能を有するアプリケーションを実装することにより、いずれかのサーバ装置上で実行させることができる。つまり、照合処理は、携帯端末200、作業管理サーバ100、顔認証サーバ90、および他のサーバの少なくともいずれか一つで行うことができる。
【0042】
ユーザ登録部は、照合結果が基準を満たした場合、作業者Uの本人確認が正常に完了したものとして、作業者Uのユーザ登録を有効にする。図4(b)は、本人確認が正常に完了したときの画面例を示している。照合結果が基準を満たさない場合は、作業者Uのユーザ登録を無効とする。そして、ユーザ登録部は、ユーザ登録が有効とされた作業者Uの顔画像または顔画像の特徴量を認証情報として、上記したユーザ情報とともに作業管理サーバ100に送信する。ただし、認証情報とユーザ情報は、別々のタイミングで作業管理サーバ100に送信されてもよい。
【0043】
照合結果が基準を満たさず、作業者Uのユーザ登録が無効となった場合、ユーザ登録部は、作業者Uにその旨を通知するとともに、再度、作業者Uに自身の顔と、顔写真付きの身分証明書Vとが一緒の画像に入るように撮影させる画面を携帯端末200に表示させてもよい。
【0044】
「照合結果が基準を満たす」とは、例えば、作業者Uの顔画像と、身分証明書Vの画像内の顔写真との照合の結果、一致度が閾値以上であることなどである。さらに、照合結果の尤度が閾値以上であることや、画像の解像度が閾値以上であることなどを含んでもよい。
【0045】
作業管理サーバ100は、携帯端末200から受信したユーザ情報と上記で有効とされた認証情報をユーザ登録情報160として記憶装置150に記憶させる。
【0046】
この例では、ユーザ登録部は、携帯端末200上で照合処理を行い、照合結果が基準を満たした場合に作業管理サーバ100に作業者Uの情報を送信し、記憶装置150に登録させていた。上記したように、他の例では、顔画像の照合処理を顔認証サーバ90、作業管理サーバ100、および他のサーバのいずれかに行わせてもよい。この場合、ユーザ登録部は、携帯端末200から顔認証サーバ90、作業管理サーバ100、および他のサーバのいずれかに撮像画像を送信して照合処理を実行させる。撮像画像を受信したいずれかのサーバにおいて、作業者Uの顔画像と、身分証明書Vの画像内の顔写真とを照合する照合処理が実行される。
【0047】
作業管理サーバ100以外のサーバで照合処理が実行された場合、照合結果は作業管理サーバ100に送信される。ユーザ登録情報160を記憶装置150に登録する前に、ユーザ登録部は、得られた照合結果が基準を満たすか否かを判定し、照合結果が基準を満たした場合、作業者Uの本人確認が正常に完了したものとして、作業者Uのユーザ登録を有効にする。
【0048】
そして、作業管理サーバ100は、ユーザ登録が有効とされた作業者Uの情報を、図5に示すユーザ登録情報160として記憶装置150に記憶させる。
【0049】
図2に戻り、バックヤード42には、母店30から搬送された、商品が収容されている容器50が複数保管されている。作業者Uは、携帯端末200で受信した作業指示を閲覧する。図3の作業内容画面300には、作業内容として棚入れ作業の対象となる陳列棚62を識別する第1識別情報として棚番号が示されている。図の例では、棚番号が「7-1」と「8-3」の陳列棚62が作業対象となっている。棚番号は、商品が陳列される什器(「7-1」の「7」が7番目の什器であることを示している)と什器内の棚(「7-1の「1」が1段目の棚板であることを示している」)を特定できるような識別情報であれば、その形式は特に限定されない。ただし、容器50や陳列棚62に付される棚番号は、作業者Uが目視にて確認することを考慮すると、棚番号は、数桁(例えば、3~5桁程度)の数字、文字、および記号の組み合わせであるのが好ましい。
【0050】
図2に戻り、各容器50には、その容器50に収容されている商品を陳列すべき陳列棚62の棚番号(第2識別情報のラベル52)が付されている。作業者Uは作業内容画面300(図4)に示されている棚番号(図2に示す例では「7-1」と「8-3」)が付されている容器50を台車82に載せ、バックヤード42から店内44に向かう。このとき、店内出入口ドア48の前でカメラ10bにより作業者Uの顔が撮影され、顔認証サーバ90により認証されると店内出入口ドア48が開錠されると、作業者Uは店内44に入ることができる(ステップS5)。
【0051】
そして、店内44に入ると、作業者Uは容器50に付されている棚番号の陳列棚62のところに行き、陳列棚62に商品80を陳列する(ステップS7)。そして、陳列作業が終了すると、空になった容器50を台車82に載せて店内出入口ドア48に向かう。作業者Uは、店内出入口ドア48の前でカメラ10(不図示)により顔を撮影され、顔認証サーバ90により認証されると店内出入口ドア48が開錠され、バックヤード42に戻ることができる。そして、バックヤード42では、出勤時と同様に、顔認証によりロッカーが開錠される。そして、作業者Uは手荷物をロッカーから出し、店舗出入口ドア46から退店する。以上により作業者Uの棚入れ作業のアルバイトが完了する。
【0052】
<ハードウェア構成例>
図6は、後述する図7の作業管理装置を実現するコンピュータ1000のハードウェア構成を例示するブロック図である。なお、作業管理装置は、図1の作業管理サーバ100および携帯端末200の組み合わせによって実現されてよい。つまり、作業管理装置は、作業管理サーバ100を実現するコンピュータ1000と、携帯端末200を実現するコンピュータ1000との組み合わせにより実現されてよい。
【0053】
コンピュータ1000は、バス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、およびネットワークインタフェース1060を有する。
【0054】
バス1010は、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、およびネットワークインタフェース1060が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1020などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0055】
プロセッサ1020は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)などで実現されるプロセッサである。
【0056】
メモリ1030は、RAM(Random Access Memory)などで実現される主記憶装置である。
【0057】
ストレージデバイス1040は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又はROM(Read Only Memory)などで実現される補助記憶装置である。ストレージデバイス1040は作業管理装置の各機能(例えば、後述する作業管理サーバ100の作業内容取得部102、容器ID取得部104、判定部106、報知部110、陳列棚情報取得部120、登録部130、画像取得部132など)を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1020がこれら各プログラムモジュールをメモリ1030上に読み込んで実行することで、そのプログラムモジュールに対応する各機能が実現される。また、ストレージデバイス1040は作業管理サーバ100の記憶装置150の各データも記憶してもよい。
【0058】
プログラムモジュールは、記録媒体に記録されてもよい。プログラムモジュールを記録する記録媒体は、非一時的な有形のコンピュータ1000が使用可能な媒体を含み、その媒体に、コンピュータ1000(プロセッサ1020)が読み取り可能なプログラムコードが埋め込まれてよい。
【0059】
入出力インタフェース1050は、コンピュータ1000と各種入出力機器とを接続するためのインタフェースである。入出力インタフェース1050は、ブルートゥース(登録商標)、NFC(Near Field Communication)などの近距離無線通信を行う通信インタフェースとしても機能する。
【0060】
ネットワークインタフェース1060は、コンピュータ1000を通信ネットワークに接続するためのインタフェースである。この通信ネットワークは、例えばLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)である。ネットワークインタフェース1060が通信ネットワークに接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。
【0061】
そして、コンピュータ1000は、入出力インタフェース1050またはネットワークインタフェース1060を介して、必要な機器(例えば、照明装置70、携帯端末200のディスプレイ(表示部202)、カメラ、スピーカ、マイクロフォン、図示されない、作業管理サーバ100のキーボード、マウス、スピーカ、マイクロフォン、プリンタ等)に接続する。
【0062】
作業管理装置は、作業管理サーバ100と、携帯端末200との組み合わせにより実現されるため、それぞれを構成する複数のコンピュータ1000により実現される。作業管理サーバ100は、例えば、サーバコンピュータである。携帯端末200は、作業者Uが所持する端末であり、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)などである。
【0063】
携帯端末200には、作業管理装置の機能を実現するためのアプリケーションプログラムをインストールして起動することで、作業管理装置の機能の一部が実現される。他の例では、携帯端末200は、ブラウザを用いてインターネット上の所定のウェブページにアクセスすることで、作業管理装置の機能を利用できてもよい。作業者Uは、予めユーザ登録などの手続きを行い、ウェブページには認証情報を用いてログインすることで作業管理装置の機能を利用する。
【0064】
図3の作業内容画面300は、携帯端末200の表示部202に表示される。表示部202は、例えば、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro-Luminescence)ディスプレイなどである。携帯端末200の表示部202はタッチパネルであり、画面操作を受け付ける受付手段の機能も有している。
【0065】
後述する図7の作業管理装置の各構成要素は、図6のコンピュータ1000のハードウェアとソフトウェアの任意の組合せによって実現される。そして、その実現方法、装置にはいろいろな変形例があることは、当業者には理解されるところである。以下説明する各実施形態の作業管理装置を示す機能ブロック図は、ハードウェア単位の構成ではなく、論理的な機能単位のブロックを示している。
【0066】
<機能構成例>
図7は、本実施形態の作業管理サーバ100の構成を論理的に示す機能ブロック図である。
作業管理サーバ100は、作業内容取得部102と、容器ID取得部104と、判定部106と、を有する。作業管理サーバ100は、さらに、記憶装置150を有してよい。ただし、記憶装置150は、作業管理サーバ100の内部に含まれる装置であってもよいし、作業管理サーバ100とは別体の装置であってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。
【0067】
作業内容取得部102は、作業内容情報を取得する。作業内容情報は、作業者Uに所持される携帯端末200によって読み取られた情報であって、作業対象の第1識別情報を含む。第1識別情報は、上記した棚番号に相当する。
【0068】
容器ID取得部104は、携帯端末200によって読み取られた情報であって、陳列棚(什器60の棚板62であり、以後、陳列棚62とも呼ぶ)ごとに当該陳列棚62に配置すべき配置物(商品)が収容された容器50を識別する第2識別情報を取得する。第2識別情報は、容器50を識別するとともに、当該容器50に収容されている商品を陳列すべき陳列棚62の棚番号を示している。容器50の外側には、第2識別情報を記録した二次元コード(バーコードやQRコード54など)と、棚番号を示す第2識別情報のラベル52とが付されている。例えば、作業者Uの携帯端末200のカメラを用いて容器50に付されているQRコード54を読み取ることで、容器ID取得部104は、第2識別情報を取得する。
【0069】
言い換えると、店舗40において、什器60の各陳列棚62には、その位置を特定できる棚番号が割り当てられている。そして、容器50には、容器50に収容されている配置物80を陳列すべき陳列棚62の棚番号を示す第2識別情報が、作業者Uが視覚的に認識できる形式(ここでは、ラベル52)と、データとして取得できる形式(ここでは、QRコード54)とで付されている。また、作業内容情報には、棚入れ作業を行うべき陳列棚62の棚番号を示す第1識別情報が含まれている。
【0070】
判定部106は、第1識別情報と第2識別情報とを比較し、基準を満たしているか否かを判定する。上記したように、母店30では、商品を陳列すべき陳列棚62毎に容器50に梱包されて、商品は店舗40に納品されている。母店30では、商品を梱包するときに容器50に陳列棚62を示す第2識別情報(QRコード54)を付している。容器50には、さらに、作業者Uが目視でも商品を陳列すべき陳列棚62を特定できるように、当該陳列棚62の棚番号を文字列(例えば、「7-1」など)でも表記してラベルを付与しておくのが好ましい。
【0071】
判定部106における判定基準は、例えば、第1識別情報により特定される作業対象の棚番号と第2識別情報により特定される作業対象の棚番号が一致しているか否かを含む。判定結果は、例えば、作業者Uの識別情報と日時情報に関連付けて記憶装置150に記憶されてよい。
【0072】
<動作例>
図8は、作業管理サーバ100の動作例を示すフローチャートである。まず、作業管理サーバ100において、作業内容取得部102は、作業対象の第1識別情報を含む作業内容情報を取得する(ステップS101)。この作業内容情報は、母店30、各店舗40、あるいは、図示されない本部(本社、本店など)にて作成された情報が、母店30または各店舗40の図示されない端末(例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォンなど)から作業管理サーバ100に送信されて作業内容取得部102により取得することができる。
【0073】
例えば、図9(a)に示すように、各作業者Uに割り当てられる作業指示の識別情報(作業IDと呼ぶ)を、当該作業者Uの識別情報(ユーザIDと呼ぶ)に関連付けた作業割当情報172は記憶装置150に記憶されている。さらに、図9(b)に示すように、作業指示毎に具体的な作業内容を示す作業内容情報170は記憶装置150に記憶されている。作業内容情報170は、作業ID毎に、作業日時、作業場所(店舗ID)、作業内容(少なくとも一つの第1識別情報)を含んでいる。
【0074】
作業管理サーバ100は、作業者Uに作業が割り当てられると、当該割り当てられた作業の作業IDに対応する作業内容情報170を当該作業者Uの携帯端末200に送信する。あるいは、携帯端末200を用いて作業者Uが作業管理サーバ100に作業内容を問い合わせると、作業管理サーバ100は当該作業者UのユーザIDに割り当てられている作業内容を当該作業者Uの携帯端末200に作業内容をメールで返信または画面表示させてもよい。
【0075】
一例として、作業内容取得部102が取得した作業内容情報170は、図示されない表示処理部(アプリケーションの機能として、またはブラウザを用いたウェブサイトの閲覧によって)によって、携帯端末200の表示部202に作業内容画面300(図3)として表示される。
【0076】
図8に戻り、容器ID取得部104は、作業者Uの携帯端末200により容器50から読み取られた第2識別情報を携帯端末200から取得する(ステップS103)。
【0077】
ステップS103において、作業者Uは、作業内容に含まれている棚番号が表記されている容器50を台車82に載せる。そして、携帯端末200を用いて容器50に付与されているQRコード54の読み取りを行う。図10は、携帯端末200で容器50のQRコード54を撮影している様子を示している。例えば、図3の作業内容画面300のカメラ起動ボタン350の押下を受け付けることで、QRコード54の読み取り画面360(図10)に移行させることができる。
【0078】
ただし、QRコード54の読み取りは、スマートフォンの汎用のQRコード読み取りアプリケーションを用いて行ってもよい。QRコード54を読み取ると、作業管理装置を実現するアプリケーションを自動的に起動し、またはブラウザを起動して所定のウェブページを開いてもよい。容器ID取得部104は、各容器50のQRコード54に記録されている第2識別情報を取得する。
【0079】
そして、判定部106は、ステップS101で取得した第1識別情報と、ステップS103で取得した第2識別情報を比較する。ここでは、作業内容情報に含まれる第1識別情報は、作業対象の棚板62の棚番号(例えば、「7-1」と「8-3」)を含んでいる。
【0080】
判定部106による判定結果は、作業IDに関連付けて記憶装置150に記憶されてもよい(図11)。例えば、第1識別情報が示す棚番号と第2識別情報が示す棚番号とが一致した場合、判定結果として「一致」したことを示す情報が記憶される。第1識別情報と第2識別情報の棚番号が一致しなかった場合、判定結果として「不一致」であったことを示す情報が記憶される。判定結果は、作業管理サーバ100の管理者により閲覧できるのが好ましい。
【0081】
本実施形態によれば、作業内容取得部102により、作業内容として指示されている陳列棚62の棚番号を示す第1識別情報が取得されるとともに、容器ID取得部104により、陳列すべき商品80が梱包されている容器50に付されている、容器50内の商品80を陳列すべき陳列棚62の棚番号を示す第2識別情報が取得される。そして、判定部106により、第1識別情報が示す棚番号と第2識別情報が示す棚番号とを比較し、基準を満たすか否かが判定される。
【0082】
これにより、作業者Uに対して指示された作業内容と、作業者Uが作業を行おうとしている作業対象(容器50)が一致しているかを判定できる。よって作業者Uは一致していない場合に、容器50を正しいものに替えることができる。また、判定結果を記録することで、管理者側も、作業が正しく行われた否かを判定結果に基づいて検証することができる。
【0083】
(第2実施形態)
<機能構成例>
図12は、作業管理サーバ100の論理的な構成例を示す機能ブロック図である。本実施形態の作業管理サーバ100は、作業者Uに配置物を配置すべき場所を報知する構成を有する点以外は上記実施形態と同様である。本実施形態の作業管理サーバ100は、図7の構成に加え、さらに、報知部110を備える。ただし、本実施形態の構成は、他の実施形態の構成の少なくともいずれか一つと矛盾を生じない範囲で組み合わせてもよい。
【0084】
報知部110は、判定部106により基準を満たすと判定された場合、配置物を配置すべき陳列棚62を報知する。例えば、什器60の棚板62毎に照明装置70がそれぞれ設けられている。報知部110は、配置物を配置すべき陳列棚62に設けられた照明装置70を点灯する。
【0085】
照明装置70は、特に限定されないが、例えば、LED(Light Emitting Diode)、電球、蛍光灯、あるいは、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどであってよい。照明装置70は、点灯または点滅、あるいは、画像や文字などを表示させることで、作業者Uに配置物を配置すべき場所を認識させることができる形態のものであればよい。
【0086】
<動作例>
図13は、作業管理サーバ100の動作の一例を示すフローチャートである。図13のフローチャートは、図8のフローチャートのステップS101からステップS105を含むとともに、さらに、ステップS107~ステップS109の作業場所を報知する処理を含む。
【0087】
ステップS105の判定部106により判定処理の後、判定結果が基準を満たしている場合(ステップS107のYES)、報知部110は、配置物を配置すべき陳列棚62の照明装置70を点灯させる処理を行うことで、陳列棚62の場所を作業者Uに報知する(ステップS109)。報知部110は、作業指示に含まれている作業内容が示す陳列棚62の位置を示す第2識別情報に基づいて、対応する陳列棚62に対応付けられている照明装置70を特定し、特定された照明装置70を点灯する制御を行う。これにより、作業者Uは、店内44で照明装置70が点灯している場所に行き、陳列棚62に配置物80を配置する作業を行う。
【0088】
一方、ステップS105の判定部106により判定処理の後、判定結果が基準を満たしていない場合(ステップS107のNO)、ステップS103に戻り、再度、作業者Uに容器50のQRコード54の読み取りを行わせる。このとき、作業者Uに対し、作業指示内容を確認し、容器50に付されている番号に間違いがないか確認を促すメッセージを表示部202に表示したり、携帯端末200のスピーカ(不図示)から音声出力したりしてもよい。
【0089】
本実施形態によれば、上記実施形態と同様な効果を奏するとともに、さらに、判定部106により作業指示に含まれている第1識別情報と容器50から読み取った第2識別情報が一致している場合に、報知部110は、作業対象の陳列棚62、つまり、第1識別情報および第2識別情報が示す陳列棚62に設けられている照明装置70を点灯させる。これにより作業者Uは、店内44で配置物80を配置すべき陳列棚62を容易に見つけることができる。
【0090】
はじめて店舗40で作業を行う作業者Uでも、店内44で作業すべき陳列棚62を直ぐに認識することができ、迷わずに作業を進めることができるので、作業効率が向上する。
【0091】
さらに、作業内容画面300の店内図表示部340(図3)も表示されるので、作業者Uは案内図を参照しながら、迷うことなく作業場所に行くことができる。
【0092】
(第3実施形態)
<機能構成例>
図14は、作業管理サーバ100の論理的な構成例を示す機能ブロック図である。本実施形態の作業管理サーバ100は、作業完了を登録する構成を有する点以外は、第1実施形態と同様である。本実施形態の作業管理サーバ100は、図7の構成に加え、さらに、登録部130を備える。ただし、本実施形態の構成は、他の実施形態の構成の少なくともいずれか一つと矛盾を生じない範囲で組み合わせてもよい。
【0093】
容器ID取得部104は、作業完了の容器50から第2識別情報をさらに取得する。
登録部130は、作業者Uの生体情報および、作業後に容器50から取得された第2識別情報に基づいて、作業完了を登録する。具体的には、作業者Uは、容器50内の配置物80を陳列棚62に陳列し終わったとき、容器50の内側、特に、底部に付されている第2識別情報を示すQRコード54の読み取りを携帯端末200のカメラを用いて行う。容器ID取得部104は、携帯端末200により読み取られた第2識別情報を取得する。登録部130は、容器ID取得部104から第2識別情報を取得する。作業前に取得される第2識別情報は、容器50の外側に付されているQRコード54から取得され、作業後に取得される第2識別情報は、容器50の内側、特に、底面に付されているQRコード54から取得されるのが好ましい。
【0094】
2つのQRコード54は、互いに識別可能に、陳列棚62の棚番号に加えて、さらに、作業前または作業後のいずれであるかを示す情報が付加されていてよい。例えば、容器50の外側に付されているQRコード54は、第2識別情報として「7-1」が記録されていて、容器50の内側に付されているQRコード54は、第2識別情報として「7-1A」が記録されていてもよい。この例では、作業後であることを示す情報「A」が付加されている。登録部130は、第2識別情報が「7-1A」の場合、容器50の内側の第2識別情報であることを特定でき、「7-1」の場合、容器50の外側の第2識別情報であることを特定できる。
【0095】
さらに、登録部130は、店内44とバックヤード42の間の店内出入口ドア48を通過する人物を撮像するカメラ10により撮像された作業者Uの顔画像(生体情報の一例である)を取得する。この顔画像は作業者UのユーザIDを紐付けて、顔認証サーバ90に送信される。顔認証サーバ90は、作業者UのユーザIDからユーザ登録情報160に登録されている作業者Uの認証情報と、受信した顔画像を照合する。照合の結果が基準を満たす場合、顔認証サーバ90は、作業者Uを本人であると認証し、登録部130に認証されたことを示す情報を送信する。登録部130は、顔認証サーバ90から作業者Uの照合結果を受信する。
【0096】
ただし、登録部130が取得する生体情報(認証結果)は、作業後に取得されたものに限定されず、例えば、作業者Uが店舗40に出勤したとき、あるいは、ロッカーを開錠するとき、バックヤード42から店内44に入室するときの店内出入口ドア48を開錠するとき、作業者Uが陳列作業中など、様々なタイミングで顔認証サーバ90により顔認証処理された結果のうち少なくとも一つであってよい。登録部130は、前記した複数のタイミングの認証結果を取得してもよい。
【0097】
照合の結果、作業者Uが本人であることが確認された場合、登録部130は、認証結果と、作業完了時に取得した第2識別情報を関連付けて、図15の作業完了情報180として記憶装置150に記憶する。作業完了情報180には、作業者UのユーザIDと、作業者Uに割り当てられた作業の作業IDと、作業の開始時刻と、完了時刻と、作業完了の第2識別情報と、認証結果とを関連付けて記憶している。
【0098】
作業開始日時は、例えば、(1)作業者Uが店舗40の店舗出入口ドア46のカメラ10aで撮像された顔画像に基づく顔認証結果で本人であると確認された時刻、(2)作業者Uが店舗40の店内出入口ドア48のカメラ10bで撮像された顔画像に基づく顔認証結果で本人であると確認された時刻、(3)作業者Uが、容器50から最初のQRコード54を読み取り、第2識別情報を取得した時刻、の少なくともいずれか一つである。
【0099】
作業完了日時は、例えば、(1)顔認証サーバ90から作業完了後の顔認証処理の結果、本人であると確認された時刻または当該認証結果を作業管理サーバ100が受信した時刻、(2)作業完了情報180に顔認証サーバ90から作業完了後の顔認証処理の結果で本人であると確認された認証結果を顔認証サーバ90から受信した時刻または当該認証結果を作業完了情報180に記録した時刻、(3)作業完了第2識別情報が全て作業完了情報180に記録された時刻、のうち少なくともいずれか一つである。
【0100】
登録部130は、さらに、当該作業IDに対応する作業内容情報170に含まれる作業内容の情報と、作業完了情報180に含まれる作業完了情報とを比較し、基準を満たした場合に作業完了として登録し、基準を満たさない場合は、作業未完として登録してもよい。
【0101】
ここで、「基準を満たす」とは、例えば、作業内容情報170に含まれる第1識別情報と、作業完了情報180の第2識別情報とが一致することである。また、「基準を満たさない」とは、(1)作業内容情報170に含まれる第1識別情報のうち、作業完了情報180の第2識別情報と一致しなかった第1識別情報がある場合と、(2)作業完了情報180の第2識別情報のうち、作業内容情報170の第1識別情報と一致しなかった第2識別情報がある場合と、の少なくとも一方を含む。
【0102】
基準を満たさない場合は、作業者Uに、基準を満たしていない内容を通知してもよい。例えば、(1)と(2)のいずれの場合も作業者Uに通知する。通知内容は、一致しなかった識別情報を通知してもよい。(1)の場合、まだ作業が完了していない容器50があること、その容器50の識別情報とともに通知してもよい。(2)の場合、容器50を間違って作業している可能性があること、間違えた容器50の第2識別情報および陳列棚62の棚番号の少なくとも一方とともに通知してもよい。
【0103】
図14に戻り、作業管理サーバ100は、さらに、画像取得部132を有してもよい。画像取得部132は、陳列棚の画像を取得する。登録部130は、さらに、判定部106による判定を完了する以前の陳列棚62の画像である第1画像と、判定部106による判定を完了してから所定時間経過後の陳列棚62の画像である第2画像とを比較し、第2画像に第1画像よりも商品80の数が多く写っている場合、作業完了を登録してもよい。第1画像および第2画像は、什器60のうち、商品が陳列されている領域を撮影するカメラ10cにより撮像され、生成される。画像取得部132は、カメラ10cから第1画像および第2画像を取得する。
【0104】
図16(a)は、第1画像に写る什器60を示している。図16(b)は、第2画像に写る什器60を示している。図16(a)の第1画像の什器60においては、陳列すべき配置物80が作業対象の陳列棚62(例えば、7-1と8-3)に未だ配置されていない。一方、図16(b)の第2画像の什器60においては、作業対象の陳列棚62(例えば、7-1と8-3)に配置物80が配置されている。第2画像の方が、第1画像よりも多くの商品80が写っている。
【0105】
なお、陳列棚62に陳列されている商品80の数の特定方法は、特に限定されない。例えば、画像認識装置(不図示)による画像認証処理により、各商品80を特定し、特定された商品80の数を計数する。また、商品80の数量以外でもよく、各画像に写る什器60の収納領域のうち、商品80の領域(例えば、商品80のパッケージのフェイス領域)と、商品80以外の領域の面積または面積比を算出してもよい。登録部130は、商品80の領域の面積が、商品80以外の領域の面積より広い場合、作業完了を登録してもよい。
【0106】
<動作例>
図17は、作業管理サーバ100の動作例を示すフローチャートである。
本フローは、作業者Uが陳列作業を終えた後、携帯端末200の操作画面にて作業完了登録メニューを選択することで開始されてよい。
【0107】
作業者Uが携帯端末200の操作画面にて作業完了登録メニューを選択すると本フローは開始する。まず、容器ID取得部104は、作業が完了した容器50の内側(底部)に付されているQRコード54を、作業者Uが携帯端末200を用いて読み取ることにより、第2識別情報を取得する(ステップS201)。ただし、容器50内のQRコード54の読み取り方法は、作業者Uの携帯端末200を用いる以外の方法であってもよい。容器ID取得部104は、例えば、店内44の什器60に設置されたカメラ10cを用いて容器50内のQRコード54を撮像して読み取られた第2識別情報を取得してもよい。
【0108】
そして、登録部130は、作業内容情報170に含まれている作業者Uに割り当てられている作業内容の第1識別情報と、ステップS201で取得した第2識別情報とを比較する。そして、第1識別情報と第2識別情報が基準を満たすか否かを判定する(ステップS203)。例えば、第1識別情報が示す棚番号と第2識別情報が示す棚番号とが一致するか否かを判定する。そして、登録部130は、作業者Uの生体情報による顔認証サーバ90の認証結果を取得し、当該認証結果が、作業者Uは本作業を割り当てられた本人であることを示しているか否かを判定する(ステップS205)。ステップS203の判定結果とステップS205の判定結果が両方ともに基準を満たしている場合(ステップS207のYES)、登録部130は、当該作業者の作業が完了したことを作業完了情報180に登録する(ステップS209)。
【0109】
ステップS207における基準は、上記したように、作業者Uに割り当てられている作業内容情報170に含まれる第1識別情報が示す棚番号と、ステップS201で取得した第2識別情報が示す棚番号とが一致していること、ステップS205で生体情報に基づく認証結果が、作業者U本人であることを示しているときである。
【0110】
本実施形態によれば、登録部130は、作業者Uの作業の完了を自動的に検出し、登録することができる。店員が不在の店舗40においても、作業者Uの作業完了を管理できる。また、登録部130は、容器50の内側のQRコード54から第2識別情報を取得し、第1識別情報と比較するので、作業が正しく行われた場合に作業完了を登録でき、作業ミスを検出して正すことができる。また、登録部130は、作業者Uの顔画像を取得して顔認証処理により本人確認された場合に作業完了を登録できるので、作業者Uの成りすましなどの不正行為を防ぐこともできる。
【0111】
また、本実施形態では、画像取得部132により、作業前と作業後の什器60の画像を比較することで、作業完了を登録することもできる。
【0112】
(第4実施形態)
図18は、作業管理サーバ100の論理的な構成例を示す機能ブロック図である。本実施形態の作業管理サーバ100は、配置物80を陳列する対象となる陳列棚62に正しく配置物80を陳列できたか否かを判定する構成を有する点以外は上記実施形態と同様である。本実施形態の作業管理サーバ100は、図12の第2実施形態の作業管理サーバ100の構成に加え、さらに、陳列棚情報取得部120を備える。ただし、本実施形態の構成は、第2実施形態以外の他の実施形態の構成の少なくともいずれか一つと矛盾を生じない範囲で組み合わせてもよい。
【0113】
図19に示すように、各陳列棚62には、陳列棚62を識別する第3識別情報を示すQRコード54(二次元コードの一例)が付されている。作業者Uは、運んできた容器50に付されている作業対象の棚番号(7-1)を示す第2識別情報のラベル52と同じ棚番号(7-1)を示す第3識別情報のラベル52が付されている陳列棚62を見つけると、携帯端末200のカメラを起動し、陳列棚62に付されているQRコード54を撮像する。
陳列棚情報取得部120は、作業者Uの携帯端末200によって撮像されたQRコード54から第3識別情報(棚番号(7-1))を取得する。
【0114】
陳列棚情報取得部120により取得された第3識別情報は、作業者Uの作業記録として記録されてもよい。
【0115】
また、容器50には、作業対象の棚番号を示す第2識別情報のラベル52と、第2識別情報を示すQRコード54が付与されている。作業者Uは、携帯端末200のカメラを起動し、容器50に付されているQRコード54を撮像する。そして、容器ID取得部104は、作業者Uの携帯端末200によって撮像されたQRコード54から第2識別情報(棚番号(7-1))を取得する。
判定部106は、さらに、容器ID取得部104が容器50から取得した第2識別情報と、容器50に梱包された商品80を陳列した陳列棚62に付与されているQRコード54が示す棚番号を示す第3識別情報とを比較し、基準を満たしているか否かを判定する。
【0116】
つまり、判定部106は、作業者Uが商品を陳列しようとしている陳列棚62が、正しいか否かを判定する。
【0117】
<動作例>
図20は、作業管理サーバ100の動作例を示すフローチャートである。まず、作業者Uは、携帯端末200を用いて陳列棚62に陳列すべき商品80が梱包されている容器50の外側に付されているQRコード54を読み取ると、容器ID取得部104は、読み取られたQRコード54から、容器50の外側に付されている第2識別情報(当該容器50の中の商品80を陳列すべき棚番号に相当)を取得する(ステップS301)。
【0118】
次に。作業者Uは、携帯端末200を用いて当該容器50内の商品80を陳列すべき陳列棚62に付されているQRコード54を読み取ると、陳列棚情報取得部120は、読み取られたQRコード54から、陳列棚62に付されている第3識別情報(棚番号に相当)を取得する(ステップS303)。
【0119】
そして、判定部106は、ステップS301で取得した第2識別情報と、ステップS303で取得した第3識別情報とを比較する。そして、第2識別情報と第3識別情報が基準を満たすか否かを判定する(ステップS305)。例えば、第2識別情報が示す棚番号と第3識別情報が示す棚番号とが一致するか否かを判定する。
【0120】
ステップS305の判定結果が基準を満たしていない場合(ステップS305のNO)、報知部110は、容器50と陳列棚62が一致していないことを作業者Uに報知する(ステップS309)。そして、ステップS301に戻る。
【0121】
ステップS309における報知方法は様々考えられ、以下に例示されるがこれらに限定されない。また、以下を組み合わせてもよい。
(1)携帯端末200に対して、容器50と陳列棚62が一致していないことなどを通知するメッセージを出力(表示または音声出力)する。
(2)容器50から取得した第2識別情報に相当する陳列棚62の照明装置70を点滅点灯させる。あるいは、照明装置70が液晶ディスプレイの場合、陳列すべき陳列棚62はここであることを示すメッセージをディスプレイに表示させる。
【0122】
これにより、作業者Uは、陳列すべき商品80が入っている容器50を取り違えたり、商品80を陳列すべき陳列棚62を間違えてしまったりした場合にも、容器50と陳列棚62のQRコード54を携帯端末200で読み取るだけで、双方が正しいか否かを直ぐに確認できる。また、間違えてしまった場合にも間違いを知ることができ、直ぐに正すことができる。
【0123】
一方、ステップS305の判定結果が基準を満たしている場合(ステップS307のYES)、報知部110は、容器50と陳列棚62は一致していることを作業者Uに通知するメッセージを出力してもよい(ステップS311)。ただし、ステップS311はバイパスし、処理を終了してもよい。
【0124】
本実施形態によれば、陳列棚62に棚番号を示す第3識別情報のQRコード54が付されており、陳列棚情報取得部120により棚番号が示す第3識別情報を取得し、判定部106により容器50から取得した第2識別情報と比較するので、陳列すべき商品が収容されている容器50と、当該商品を陳列する陳列棚62が一致しているか否かを判定できる。これにより作業ミスを防ぐことができる。さらに、容器50と陳列棚62の識別情報が示す棚番号が一致しない場合、容器50に収容されている商品を陳列すべは陳列棚62を報知部110により報知できるので、作業者Uは正しい陳列棚62の場所を知ることができる。
【0125】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる。
たとえば、第3実施形態の登録部130により記憶装置150に登録された作業完了情報180は、アルバイト管理サーバ20に提供されてよい。アルバイト管理サーバ20は、作業完了情報180に記録された作業時刻から、作業者Uの勤務時間を算出し、勤務時間を賃金の計算に使用することができる。あるいは、作業完了情報180に記録されている作業が完了した容器50を示す第2識別情報に基づいて、容器50の数量を作業量として計数して、作業量を賃金の計算に使用してもよい。ただし、作業者Uの賃金などの算出処理は、作業管理サーバ100あるいは、他のサーバが行ってもよい。そして、算出された賃金の情報は作業管理サーバ100からアルバイト管理サーバ20に送信されてもよい。
【0126】
また、上記実施形態では、QRコード54などの二次元コードの読み取りを、作業者Uの携帯端末200を用いて行う構成について説明した。しかし、携帯端末200を用いず、店舗40に設置されたカメラ10を用いて撮像した画像から、作業者Uと、容器50と、什器60の陳列棚62と、配置物80と、を画像解析処理により特定するとともに、AI学習などにより作業者Uの作業内容(容器50の運搬作業、配置物80の陳列作業など)を特定して、作業毎に読み取りが必要なQRコード54を特定して、カメラ10により生成される画像から読み取ってもよい。
【0127】
以上、実施形態および実施例を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態および実施例に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
なお、本発明において利用者(作業者U)に関する情報を取得、利用する場合は、これを適法に行うものとする。
【0128】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1. 作業者に所持される携帯端末によって読み取られた情報であって、作業対象の第1識別情報を含む作業内容情報を取得する作業内容取得手段と、
前記携帯端末によって読み取られた情報であって、陳列棚ごとに当該陳列棚に配置すべき配置物が収容された容器を識別する第2識別情報を取得する容器情報取得手段と、
前記第1識別情報と前記第2識別情報とを比較し、基準を満たしているか否かを判定する判定手段と、
を有する、作業管理装置。
2. 1.に記載の作業管理装置において、
前記判定手段により基準を満たすと判定された場合、前記配置物を配置すべき陳列棚を報知する報知手段をさらに備える、作業管理装置。
3. 2.に記載の作業管理装置において、
前記陳列棚の棚毎に照明手段がそれぞれ設けられ、
前記報知手段は、前記配置物を配置すべき前記陳列棚の棚に設けられた前記照明手段を点灯する、作業管理装置。
4. 1.から3.のいずれか一つに記載の作業管理装置において、
前記容器情報取得手段は、さらに、作業が完了した前記容器から前記第2識別情報を取得し、
前記作業者の生体情報および、前記作業後に前記容器から取得された前記第2識別情報に基づいて、作業完了を登録する登録手段をさらに備える、作業管理装置。
5. 4.に記載の作業管理装置において、
前記陳列棚の画像を取得する画像取得手段をさらに備え、
前記登録手段は、前記判定手段による判定を完了する以前の前記陳列棚の画像である第1画像と、前記判定手段による判定を完了してから所定時間経過後の前記陳列棚の画像である第2画像とを比較し、前記第2画像に前記第1画像よりも商品の数が多く写っている場合、作業完了を登録する、作業管理装置。
6. 4.または5.に記載の作業管理装置において、
前記生体情報は、前記作業者の入店時に取得した顔情報である、作業管理装置。
7. 1.から6.のいずれか一つに記載の作業管理装置において、
前記携帯端末によって読み取られた情報であって、前記配置物を配置した前記陳列棚を識別する第3識別情報を取得する陳列棚情報取得手段を備える、作業管理装置。
8. 7.に記載の作業管理装置において、
前記容器に、前記作業対象の第1識別情報を示す二次元コードが付与されており、
前記判定手段は、さらに、前記携帯端末によって読み取られた前記容器を識別する第2識別情報と、前記容器に梱包された前記配置物を陳列した前記陳列棚に付与されている前記二次元コードが示す前記陳列棚の識別情報とを比較し、基準を満たしているか否かを判定する、作業管理装置。
9. 1.から8.のいずれか一つに記載の作業管理装置において、
前記作業内容情報を前記携帯端末の表示手段に表示させる表示処理手段を備える、作業管理装置。
【0129】
10. コンピュータに、
作業者の携帯端末を用いて、作業対象の第1識別情報を含む作業内容を取得する手順、
前記作業者の携帯端末を用いて、陳列棚ごとに当該陳列棚に配置すべき配置物が収容された容器を識別する第2識別情報を取得する手順、
前記第1識別情報と前記第2識別情報とを比較し、基準を満たしているか否かを判定する手順、を実行させるためのプログラム。
11. 10.に記載のプログラムにおいて、
前記判定する手順により基準を満たすと判定された場合、前記配置物を配置すべき陳列棚を報知する手順、をさらにコンピュータに実行させるためのプログラム。
12. 11.に記載のプログラムにおいて、
前記陳列棚の棚毎に照明手段がそれぞれ設けられ、
前記報知する手順において、前記配置物を配置すべき前記陳列棚の棚に設けられた前記照明手段を点灯する手順をコンピュータに実行させるためのプログラム。
13. 10.から12.のいずれか一つに記載のプログラムにおいて、
さらに、作業が完了した前記容器から前記第2識別情報を取得する手順、
前記作業者の生体情報および、前記作業後に前記容器から取得された前記第2識別情報に基づいて、作業完了を登録する手順、をさらにコンピュータに実行させるためのプログラム。
14. 13.に記載のプログラムにおいて、
前記陳列棚の画像を取得する手順、
前記判定する手順による判定を完了する以前の前記陳列棚の画像である第1画像と、前記判定する手順による判定を完了してから所定時間経過後の前記陳列棚の画像である第2画像とを比較し、前記第2画像に前記第1画像よりも商品の数が多く写っている場合、作業完了を登録する手順、をさらにコンピュータに実行させるためのプログラム。
15. 13.または14.に記載のプログラムにおいて、
前記生体情報は、前記作業者の入店時に取得した顔情報である、プログラム。
16. 10.から15.のいずれか一つに記載のプログラムにおいて、
前記携帯端末によって読み取られた情報であって、前記配置物を配置した前記陳列棚を識別する第3識別情報を取得する手順、をさらにコンピュータに実行させるためのプログラム。
17. 16.に記載のプログラムにおいて、
前記容器に、前記作業対象の第1識別情報を示す二次元コードが付与されており、
前記判定する手順において、さらに、前記携帯端末によって読み取られた前記容器を識別する第2識別情報と、前記容器に梱包された前記配置物を陳列した前記陳列棚に付与されている前記二次元コードが示す前記陳列棚の識別情報とを比較し、基準を満たしているか否かを判定する手順をコンピュータに実行させるためのプログラム。
18. 10.から17.のいずれか一つに記載のプログラムにおいて、
前記作業内容情報を前記携帯端末の表示手段に表示させる手順をさらにコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0130】
19. 作業管理装置が、
作業者の携帯端末を用いて、作業対象の第1識別情報を含む作業内容を取得し、
前記作業者の携帯端末を用いて、陳列棚ごとに当該陳列棚に配置すべき配置物が収容された容器を識別する第2識別情報を取得し、
前記第1識別情報と前記第2識別情報とを比較し、基準を満たしているか否かを判定する、作業管理方法。
20. 19.に記載の作業管理方法において、
前記作業管理装置が、さらに、
前記判定により基準を満たすと判定された場合、前記配置物を配置すべき陳列棚を報知する、作業管理方法。
21. 20.に記載の作業管理方法において、
前記陳列棚の棚毎に照明手段がそれぞれ設けられ、
前記作業管理装置が、さらに、
前記配置物を配置すべき前記陳列棚の棚に設けられた前記照明手段を点灯する、作業管理方法。
22. 19.から21.のいずれか一つに記載の作業管理方法において、
前記作業管理装置が、さらに、
作業が完了した前記容器から前記第2識別情報を取得し、
前記作業者の生体情報および、前記作業後に前記容器から取得された前記第2識別情報に基づいて、作業完了を登録する、作業管理方法。
23. 22.に記載の作業管理方法において、
前記作業管理装置が、さらに、
前記陳列棚の画像を取得し、
前記判定を完了する以前の前記陳列棚の画像である第1画像と、前記判定を完了してから所定時間経過後の前記陳列棚の画像である第2画像とを比較し、前記第2画像に前記第1画像よりも商品の数が多く写っている場合、作業完了を登録する、作業管理方法。
24. 22.または23.に記載の作業管理方法において、
前記生体情報は、前記作業者の入店時に取得した顔情報である、作業管理方法。
25. 19.から24.のいずれか一つに記載の作業管理方法において、
前記作業管理装置が、さらに、
前記携帯端末によって読み取られた情報であって、前記配置物を配置した前記陳列棚を識別する第3識別情報を取得する、作業管理方法。
26. 25.に記載の作業管理方法において、
前記容器に、前記作業対象の第1識別情報を示す二次元コードが付与されており、
前記作業管理装置が、さらに、
前記携帯端末によって読み取られた前記容器を識別する第2識別情報と、前記容器に梱包された前記配置物を陳列した前記陳列棚に付与されている前記二次元コードが示す前記陳列棚の識別情報とを比較し、基準を満たしているか否かを判定する、作業管理方法。
27. 19.から26.のいずれか一つに記載の作業管理方法において、
前記作業管理装置が、さらに、
前記作業内容情報を前記携帯端末の表示手段に表示させる、作業管理方法。
【符号の説明】
【0131】
1 作業管理システム
10、10a、10b、10c カメラ
20 アルバイト管理サーバ
30 母店
32 仕入先
34 商品管理サーバ
40 店舗
42 バックヤード
44 店内
46 店舗出入口ドア
48 店内出入口ドア
50 容器
52 ラベル
54 QRコード
60 什器
62 陳列棚、棚板
70 照明装置
80 配置物、商品
82 台車
90 顔認証サーバ
100 作業管理サーバ(作業管理装置)
102 作業内容取得部
104 容器ID取得部
106 判定部
110 報知部
120 陳列棚情報取得部
130 登録部
132 画像取得部
150 記憶装置
160 ユーザ登録情報
170 作業内容情報
172 作業割当情報
180 作業完了情報
200 携帯端末
202 表示部
300 作業内容画面
310 登録者情報表示部
320 作業日程表示部
330 作業内容表示部
332 詳細ボタン
340 店内図表示部
350 カメラ起動ボタン
1000 コンピュータ
1010 バス
1020 プロセッサ
1030 メモリ
1040 ストレージデバイス
1050 入出力インタフェース
1060 ネットワークインタフェース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20