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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】ユーザ装置及び基地局
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/0446 20230101AFI20240820BHJP
   H04W 16/14 20090101ALI20240820BHJP
   H04W 72/044 20230101ALI20240820BHJP
   H04W 72/0457 20230101ALI20240820BHJP
【FI】
H04W72/0446
H04W16/14
H04W72/044
H04W72/0457
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022071677
(22)【出願日】2022-04-25
(62)【分割の表示】P 2019129937の分割
【原出願日】2015-07-31
(65)【公開番号】P2022101664
(43)【公開日】2022-07-06
【審査請求日】2022-04-25
【審判番号】
【審判請求日】2023-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ジャン レイ
(72)【発明者】
【氏名】リュウ ホンメイ
(72)【発明者】
【氏名】ジャン チュアンシン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ガン
【合議体】
【審判長】廣川 浩
【審判官】本郷 彰
【審判官】河合 弘明
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/094914(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/048216(WO,A1)
【文献】Huawei, HiSilicon,Frame structure for LAA DL and UL transmission operation[online],3GPP TSG-RAN WG1#81 R1-152470,2015年 5月16日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B7/24-7/26
H04W4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
3GPP TSG SA WG1-4
3GPP TSG CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ装置(UE)であって、
第1の情報および第2の情報を基地局から受信する手段を有し、
前記第1の情報は、第1の送信の開始位置を示し、前記第1の送信は、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)を有し、
前記第1の送信に対する、第2の送信の相対的な開始位置は前記第2の情報に基づき、
前記相対的な開始位置は、第1のチャネルがアイドルであると検知された後に開始し、
また、前記相対的な開始位置は、前記第1の送信の前記開始位置に先立
前記第1のチャネルにて、前記第1の送信および前記第2の送信を実行する手段を有する、UE。
【請求項2】
前記第1の送信の前記開始位置前記第1の情報によって、時間ドメインにおけるシンボルで示される、請求項1に記載のUE。
【請求項3】
サブフレームにおける最初のn個のサブフレームがダウンリンク送信によって占有されている旨を示す、第3の情報を受信する手段を更に有し、
前記サブフレームにおける他のシンボルは占有されていない、
請求項1に記載のUE。
【請求項4】
前記第3の情報を、Downlink Control Information(DCI)によって受信する、請求項3に記載のUE。
【請求項5】
基地局であって、
第1の情報および第2の情報をユーザ装置(UE)へ送信する手段を有し、
前記第1の情報は、第1の送信の開始位置を示し、前記第1の送信は、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)を有し、
前記第1の送信に対する、第2の送信の相対的な開始位置は前記第2の情報に基づき、
前記相対的な開始位置は、第1のチャネルがアイドルであると検知された後に開始し、
また、前記相対的な開始位置は、前記第1の送信の前記開始位置に先立
前記第1のチャネルにて、前記第1の送信および前記第2の送信を受信する手段を有する、基地局。
【請求項6】
前記第1の送信の前記開始位置前記第1の情報によって、時間ドメインにおけるシンボルで示される
請求項5に記載の基地局。
【請求項7】
サブフレームにおける最初のn個のサブフレームがダウンリンク送信によって占有されている旨を示す、第3の情報を送信する手段を更に有し、
前記サブフレームにおける他のシンボルは占有されていない、
請求項5に記載の基地局。
【請求項8】
前記第3の情報を、Downlink Control Information(DCI)によって送信する、
請求項7に記載の基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の非限定的かつ例示的な実施形態は、一般的に無線通信に関し、特に、ライセンススペクトル(ライセンスされた周波数帯)(licensed spectrum)および非ライセンススペクトル(ライセンスされていない周波数帯)(unlicensed spectrum)の両方による通信をサポートする無線ネットワークにおいて、非ライセンススペクトルにおけるフレーム構造に従って送信を実行する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
このセクションは、本開示をより良く理解をすることを容易にすることができる態様を紹介する。したがって、このセクションの記述は、この観点から読まれるべきであり、先行技術におけるもの、または先行技術にないものについての自認として理解されるべきではない。
【0003】
世界の様々な地域において、サードジェネレーションパートナーシッププロジェクト(3GPP:Third Generation Partnership Project)-ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)の急速な普及は、ワイヤレスブロードバンドデータ(wireless broadband data)に対する需要の高まりを示している。ますます増加するユーザからのデータトラフィック需要を満たすために、特に、集中的な高トラフィックのビルまたはホットスポットにおいて、より多くのモバイルブロードバンド帯域幅が必要となるだろう。世界中の非ライセンスバンド(unlicensed band)において利用可能なスペクトルが多いことを考えると、非ライセンススペクトルは、セルラ事業者によってサービス提供を増加するための補完的手段と見なされている。非ライセンススペクトルは、ライセンス制度(licensed regime)の品質と一致しないかもしれないが、ライセンスされた展開の補完として、非ライセンススペクトルを効率的に利用することを許容するソリューションは、モバイルオペレータ、そして最終的にはモバイル産業全体にとって大きな価値をもたらす可能性がある。この種のソリューションにより、オペレータとベンダは、無線ネットワークおよびコアネットワークにおいて、LTE/EPC(Evolved Package Core)ハードウェアの既存または計画された投資を活用することが出来る。
【0004】
3GPPのRP-141664で、ライセンスアシスタントアクセス(LAA:Licensed-Assisted Access)技術の検討に合意した。このLAAフレームワークは、非ライセンススペクトルにおける追加的な帯域幅にアクセスするために、LTEリリース10(LTE Release-10)において導入されたキャリアアグリゲーションソリューション(carrier aggregation solutions)をベースに構築されており、このように、LTEおよびWi-Fiのような異なる無線技術の共存をサポートしている。図1は、非ライセンススペクトルにおける非ライセンスキャリア(unlicensed carrier)を用いるセカンダリセル(SCell:secondary cell)を統合する(aggregate)ために、ユーザ装置(UE:user equipment)を構成する例示的なネットワークを示す。プライマリセル(PCell:primary cell)は、必須の制御メッセージの交換を維持し、ライセンススペクトル上でリアルタイムかつ高価値のトラフィックを提供することができる。安定するライセンススペクトル(robust licensed spectrum)を介して、PCellは、UEに対してモビリティ処理および管理(mobility handling and management)も提供することができる。非ライセンススペクトルにおいて統合されたSCellは、利用可能な場合、ベストエフォート型トラフィック(best effort traffic)を提供するために、対応するための帯域幅ブースター(bandwidth booster)として利用することができる。LAA SCellは、ダウンリンク(DL:downlink)またはアップリンク(UL:uplink)またはその両方で動作されてもよい。
【0005】
しかし、非ライセンスキャリアにおいて、利用可能なリソースが確実ではないことから、LTEシステムにおける既存のフレーム構造をLAAシステムに直接適用することは、例えば、予期しないリソースの浪費や、送信遅延など、いくつかの問題を引き起こす可能性がある。LAAシステムに適用可能なフレーム構造に対するいくつかの解決策は提案されているが、当該フレーム構造に従って、非ライセンススペクトル上で、DLおよび/またはUL送信が基地局と端末装置との間で実行することが出来るように、例えば、基地局から端末装置またはその逆に(端末装置から基地局)などの通信当事者(communicating parties)間で、当該フレーム構造を指示する(indicate)方法は存在しない。
【発明の概要】
【0006】
本開示の様々な実施形態は、ライセンススペクトルおよび非ライセンススペクトル上で通信をサポートする無線ネットワークに適用可能なフレーム構造に従って、非ライセンススペクトル上で基地局と端末装置との間で送信が実行できるように、当該フレーム構造を指示するためのソリューションを提供することを主な目的とする。本開示の実施形態の他の特徴および利点は、本開示の実施形態の原理を示す添付の図面と併せて読めば、特定の実施形態の以下の説明からも理解するであろう。
【0007】
本開示の第1の態様では、ライセンススペクトルおよび非ライセンススペクトルの両方による通信をサポートする無線ネットワークにおいて、非ライセンススペクトルにおけるフレーム構造に従って、基地局と端末装置との間の送信を実行する方法を提供する。本方法は、フレーム構造を示す情報を通知すること、および当該フレーム構造に従って、非ライセンススペクトルの非ライセンスキャリアにおいて、基地局と端末装置との間の送信を実行することを含む。本方法は、基地局で実行されてもよく、または端末装置で実行されてもよい。
【0008】
本開示の第2の態様では、ライセンススペクトルおよび非ライセンススペクトルの両方による通信をサポートする無線ネットワークにおいて、非ライセンススペクトルにおけるフレーム構造に従って、基地局と端末装置との間の送信を実行する装置を提供する。本装置は、フレーム構造を示す情報を通知する通知部(signaling unit:通知ユニット)と、当該フレーム構造に従って非ライセンススペクトルの非ライセンスキャリアにおいて、基地局と端末装置との間の送信を実行する送信実行部(transmission performing unit:送信実行ユニット)とを含む。本装置は、基地局において、または基地局の少なくとも一部として具体化されてもよい。本装置は、代替的に端末装置において、または端末装置の少なくとも一部として具体化されてもよい。
【0009】
本開示の第3の態様では、ライセンススペクトルおよび非ライセンススペクトルの両方において通信をサポートする無線ネットワークにおいて、非ライセンススペクトルにおけるフレーム構造に従って、基地局と端末装置との間の送信を実行する装置を提供する。本装置は、プロセッサおよびメモリを備え、上記メモリは上記プロセッサにより実行可能な命令を含み、上記装置は、本開示の第1の態様による方法を実行するように動作する。本装置は、基地局において、または基地局の少なくとも一部として具体化されてもよい。本装置は、代替的に、端末装置において、または端末装置の一部として具体化されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示の様々な実施形態の上記および他の態様、特徴、および利点は、添付の図面を参照して、以下の詳細な説明からより完全に明らかになるであろう。
【0011】
図1図1は、非ライセンススペクトルにおける非ライセンスキャリアを使用するセカンダリセルを統合するようにUEを構成する例示的なネットワークを示す。
【0012】
図2図2は、3つの送信ケースに対応する3つの概念的なフレーム構造を示す。
【0013】
図3図3は、図2における3つのフレーム構造にそれぞれ対応する3つの具体例を示す。
【0014】
図4図4は、本開示の実施形態にかかる非ライセンスンスペクトルにおけるフレーム構造に従って送信を実行する方法のフローチャートを示す。
【0015】
図5図5は、本開示の実施形態にかかる初期信号(initial signal)の開始に関する情報を指示するためのビット数をどのように減らしているかの例を示す図である。
【0016】
図6図6は、本開示の実施形態にかかる非ライセンススペクトルにおけるフレーム構造に従って送信を実行する装置の概略ブロック図を示す。
【0017】
図7図7は、本開示の実施形態にかかる非ライセンススペクトルにおけるフレーム構造に従って送信を実行するための他の装置の概略ブロック図を示す。
【0018】
様々な図面における同様の参照番号および記号表示(designations)は同様の要素を示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本開示の原理および考え方(spirit:精神)を、例示的な実施形態を参照して説明する。これらの実施形態の全ては、当業者が本開示をより良く理解し、さらに実施するために単に与えられるが、本開示の範囲を限定するものではないことは理解すべきである。例えば、一実施形態の一部として図示または説明された特徴は、他の実施形態と共に用いられ、さらに別の実施形態をもたらしてもよい。明瞭化のために、実際の実装のすべての特徴が本明細書に記載されているわけではない。
【0020】
「実施形態(an embodiment)」、「他の実施形態(another embodiment)」、「さらなる実施形態(a further embodiment)」など、明細書における言及は、記載された実施形態が特定の特徴、構造、または特性を含むことができることを示しているが、すべての実施形態が特定の特徴、構造または特性を必ずしも含むとは限らない。さらに、そのような表現は必ずしも同じ実施形態を指しているわけではない。さらに、特定の特徴、構造、または特性が実施形態に関連して記載されている場合、明示的に記載されているか否かに関わらず、そのような特徴、構造、または特性に影響を与えることは、当業者の知識の範囲内であると言える。
【0021】
「第1(first)」および「第2(second)」などの用語は、本明細書において様々な要素を説明するために使用されるが、これらの要素は、これらの用語によって限定されるべきではないことは理解される。これらの用語は、ある要素を他の要素と区別するためだけに使用される。例えば、例示的な実施形態の範囲から逸脱することなく、第1の要素は第2の要素と称することができ、同様に、第2の要素は第1の要素と称することができる。本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、関連する列挙された用語の1つまたは複数のいずれか、および全ての組み合わせを含む。
【0022】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明するためのものであり、実施形態を限定するものではない。本明細書で使用されるように、本明細書に使用されるように、文脈が明らかに他を示さない限り、単数形は、複数形を含むことを意図している。「備える」、「備えている」、「含む」および/または「含んでいる」という用語は、本明細書で使用されるとき、言及する特徴、要素、および/またはコンポーネントなどの存在が特定されると理解されるが、1つ以上の他の特徴、要素、コンポーネント、および/またはそれらの組み合わせの存在または追加を排除するものではない。
【0023】
以下の説明および特許請求の範囲において、他に定義されていない限り、本明細書中で使用される全ての技術用語および科学用語は、本開示が属する当業者によって共通に理解されるのと同じ意味を有する。例えば、本明細書で使用される「基地局(BS:base station)」という用語は、使用される技術および用語に応じて、例えば、eNB、eNodeB、NodeB、または基地局(BTS:base transceiver station)、アクセスノード(AN:Access Node)または、アクセスポイント(AP:Access Point)等、として称されてもよい。同様に、本明細書で使用される「端末装置(terminal device)」またはUEという用語は、モバイル無線通信機能を有する任意の端末と呼んでもよい。例えば、携帯電話(モバイルフォン)、携帯電話(セルラフォン)、スマートフォン、またはパーソナルデジタルアシスタント(PDA:personal digital assistant)、ポータブルコンピュータ、デジタルカメラの様なイメージキャプチャ装置、ゲーム装置、音楽記憶機器および音楽再生機器、および無線通信機能を有する任意のポータブルユニットまたは端末、またはインターネットアクセスおよびブラウジングを可能とするインターネット機器など、を含むが、これに限定されない。本文書では、「端末装置(terminal device)」および「UE」は区別せずに使用される。
【0024】
本開示の実施形態は、ライセンススペクトルおよび非ライセンススペクトルの両方による通信をサポートする任意の無線ネットワークに適用可能であり、LAAネットワークを含むが、これに限定されない。以下の説明を簡略化するために、LAAネットワークは、ライセンススペクトルおよび非ライセンススペクトルの両方による通信をサポートする無線ネットワークの例示的な例として使用されるが、本開示の限定するものではない。
【0025】
一般的に、LAAネットワークに適用可能なフレーム構造に従って非ライセンススペクトル上で実行される送信は、DL送信およびUL送信のうち少なくとも1つを含んでもよい。言い替えると、LAAネットワークに適用可能なフレーム構造は、3つのクラス(class)に分類されてもよい:1)DL-オンリー(DL-only):DL送信のみをサポートするフレーム構造、2)DL+UL:DLおよびUL送信の両方をサポートするフレーム構造、および3)UL-オンリー(UL-only):UL送信のみをサポートするフレーム構造、である。DL送信は、例えば、PDCCH(Physical Downlink Control Channel:物理ダウンリンク制御チャネル)などの、(本明細書ではDL制御送信と呼ばれる)DL制御情報の送信、および、例えば、PDSCH(Physical Downlink Shared Channel:物理ダウンリンク共有チャネル)などのDLデータ送信を含んでもよい。同様に、UL送信は、例えば、PUCCH(Physical Uplink Control Channel:物理アップリンク制御チャネル)などの、(本明細書ではUL制御送信と呼ばれる)UL制御情報の送信、および/または、例えば、PUSCH(Physical Uplink Shared Channel:物理アップリンク共有チャネル)などの、ULデータ送信を含んでもよい。本明細書において、「のみ(only)」という用語の利用は、DLまたはULにおいて他の送信が無いことを意味するわけではないことは理解されるであろう。例えば、DLまたはULにおいて、(後述する)初期信号送信(initial signal transmission)があってもよい。しかし、DLまたはULにおける、そのような信号送信は、本文書では、DL送信またはUL送信に属しているとはみなされない。
【0026】
非ライセンススペクトルは共有財産であることから、同一の送信リソースが、基地局および端末装置を含む複数の局(stations:ステーション)により同時に使用される可能性があり、それにより衝突が発生する可能性がある。このような衝突をさけるために、例えば、Wi-Fi技術を用いた無線LAN(WLAN:Wireless Local Area Network)のような、非ライセンススペクトルにおける既存の無線ネットワーク運用(existing wireless networks operating)において、送信リソースへのアクセスを調節するために、「リッスンビフォアトーク(LBT:listen before talk)」とも呼ばれる、キャリアセンス多重アクセス(CSMA:Carrier Sense Multiple Access)方式が使用される。基地局および端末装置を含む、全てのステーションは、リソースにアクセスすることを許可されているが、送信前に、リソースが他のステーションにより使用されていないことを確認する必要がある。
【0027】
同様に、LAAネットワークでは、基地局または端末装置を問わず、送信前に、非ライセンススペクトルにおける非ライセンスキャリア上でアクセスされるリソースが他の基地局または端末装置により使用されていないことを確認する必要がある。例えば、基地局または端末装置が非ライセンスキャリア上で送信するパケットがある場合、非ライセンスキャリア上で排他的な占有を取得するために、LBTを実行することにより、クリアチャネルアセスメント(CCA:clear channel assessment)チェックを行ってもよい。DL送信またはUL送信のいずれかが、例えば、所定のシンボルの境界またはサブフレームの境界など、特定の位置で開始する必要があることから、通常、LBTが成功した後、DLまたはUL送信が実際に実施されるまでの期間(time period)が存在する。この期間に、信号が非ライセンスキャリア上で送信されてもよい。この信号の送信の主な目的は、この期間中、非ライセンスキャリアにおけるリソースが、他のユーザによって使用されないことを保証することである。さらに、送信された信号は、非ライセンスキャリア上で、送信を補助または容易とするために、または他の目的のために、いくつかの情報を含んでもよい。本文書では、この信号を初期信号(initial signal)と呼び、この期間を予約期間(reservation period)と呼ぶ。しかしながら、他の用語も上記信号および上記期間に名前をつけるために使用されてもよく、上記信号および期間に名前を付けるための任意の特定の用語は、その信号および期間自体の限定を構成しないことは理解されるべきである。さらに、非ライセンスキャリアにおけるリソースは、他の手法を通して予約されてもよいが、初期信号の送信に限定されない。
【0028】
本開示をより理解するために、上述したフレーム構造の3つのクラスのそれぞれに対応する3つの概略的なフレーム構造を図2に示す。
【0029】
図2(A)は、DL-オンリー(DL-only)クラスに対応する。図示するように、図2(A)のフレーム構造は、送信機会(TXOP:transmission opportunity)として呼ぶことができる、許容される最大送信期間(maximum transmission time period)内に、予約期間に対応する時間リソースの第1のグループと、DL送信のための時間リソースの第2のグループと、を含む。許容される最大送信期間は、CCAを実行する必要がない期間を指す。当業者は、許容される最大送信期間を表すための特定の用語であるTXOPは、その許容される最大送信期間の意味に限定を構成するものではないことは理解するだろう。
【0030】
図2(B)は、DL+ULクラスに対応する。図2(B)のフレーム構造は、TXOP内に、予約期間に対応する時間リソースの第1のグループと、DL送信のために使用される時間リソースの第2のグループと、UL送信のための時間リソースの第3のグループと、を含む。
【0031】
図2(C)はUL-オンリー(UL-only)クラスに対応する。図2(C)のフレーム構造は、TXOP内に、予約期間に対応する時間リソースの第1のグループと、UL送信のための時間リソースの第2のグループと、を含む。
【0032】
本明細書では、これらの3つのフレーム構造は、本開示の以降の説明を容易にするために、サブフレーム構造のいくつかの一般的な特徴を説明するためにのみ示されていることを理解されたい。したがって、様々な時間リソースが示される特定の順序および様々な時間リソースの図示された持続期間(duration)のような、この図に示される任意の特定の特徴は、本開示を限定するものではない。また、この図で使用される点線は、他の時間リソースが存在しても存在しなくてもよく、特に限定されないことを意味する。当業者であれば、第1、第2または第3の時間リソースは、1つ以上のサブフレームまたはシンボルまたは他のリソース単位(resource units)に対応してもよいが、個々の時間リソースに対応する、1つ以上のサブフレームまたはシンボルまたは他のリソース単位は、本開示の限定を構成するものではない。したがって、この図では、サブフレームやシンボルの詳細は図示しない。
【0033】
図3は、図2における3つのフレーム構造のそれぞれに対応する具体例を示す。
【0034】
特に、図3(A)は、図2(A)のフレーム構造の具体例を示す。この例では、フレーム構造は、時間リソースの第1セットと、DL送信が実行される4つのDLサブフレームとを含む。水平斜線のブロックで示される時間リソースの第1のセットのサブセットは、図2(A)の時間リソースの第1のグループに対応するが、4つのDLサブフレームは、図2(A)の時間リソースの第2のグループに対応する。このフレーム構造によれば、非ライセンスキャリアの利用可能性(availability)は(非ライセンスキャリアが利用できるかについては)、まず、LBT方式を使用することにより、時間リソースの第1のセット中の点線のブロックで示された部分内で決定される。そして、時間リソースの第1のセットのサブセットは、時間リソースの第1のセットの終わりまで予約される。予約された時間のリソースのサブセットの持続期間が終了すると、DL制御送信およびDLデータ送信を含むDL送信が、4つの連続するDLサブフレームにおいて実行される。
【0035】
図3(B)は、図2(B)のフレーム構造の具体例を示す。この例では、フレーム構造は、時間リソースの第1のセット、DL送信が実行される1つのDLサブフレーム、ガード期間(GP:guard period)を含むサブフレーム、UL送信が実行される1つのULサブフレーム、および時間リソースの第2のセットを含む。水平斜線のブロックで示される時間リソースの第1のセットのサブセットは、図2(B)の時間リソースの第1のグループに対応する。時間リソースの第1のセットにおけるサブセットの後の部分的なリソース、DLサブフレーム、およびGPを含むサブフレームにおけるGPの前の部分的なリソースの合計は、図2(B)の時間リソースの第2のグループに対応する。GPを含むサブフレームにおけるGPの後の部分的なリソース、ULサブフレーム、および時間リソースの第2のセットの前半の合計は、図2(B)の時間リソースの第3のグループに対応する。このフレーム構造によれば、非ライセンスキャリアの利用可能性は(非ライセンスキャリアが利用できるかについては)、まず、時間リソースの第1のセット中の点線のブロックで示された部分内で行われる。そして、水平斜線のブロックで示すように、時間リソースの第1のセットのサブセットは、時間リソースの第1のセットにおける特定のシンボルの開始まで予約される。時間リソースの予約されたサブセットの持続期間が終了すると、DL制御送信およびDLデータ送信を含むDL送信が、GPに遭遇するまで行われる。その後、GPの持続期間が終了すると、TXOPの終わりまでUL送信が行われる。
【0036】
図3(C)は、図2(C)のフレーム構造の具体例を示す。この例では、フレーム構造は、時間リソースの第1のセット、UL送信が実行される3つのULサブフレーム、および時間リソースの第2のセットを含む。水平斜線のブロックで示される時間リソースの第1のセットのサブセットは、図2(C)の時間リソースの第1のグループに対応する。時間リソースの第1のセットにおけるサブセット後の部分的なリソース、ULサブフレーム、GPを含むサブフレームにおけるGP前の部分的なリソース、および時間リソースの第2のセットの前半の合計は、図2(C)の時間リソースの第2のグループに対応する。このフレーム構造によれば、非ライセンスキャリアの利用可能性は(非ライセンスキャリアが利用できるかについては)、まず、LBT方式を使用することにより、時間リソースの第1のセット中に点線のブロックで示された部分内で決定される。そして、水平斜線のブロックで示すように、時間リソースの第1のセットのサブセットは、時間リソースの第1のセットにおける特定のシンボルの開始まで予約される。時間リソースの予約されたサブセットの持続期間が終了すると、UL制御送信および/またはULデータ送信を含むUL送信が、TXOPの終わりまで実行される。
【0037】
図3において、DLサブフレームまたはULサブフレームの数およびGPを含むサブフレームは、限定する目的よりもむしろ説明を目的としてのみ図示されていることは理解される。当業者であれば、これらの数字は、実際の用途における要求にしたがって変更されてもよいことは理解することができる。
【0038】
以降、本開示の様々な実施形態は、図4図7を参照しつつ説明される。
【0039】
図4は、本開示の実施形態にかかる無線ネットワークにおいて、非ライセンススペクトルにおけるフレーム構造に従って、基地局と端末装置との間で送信を実行する方法400のフローチャートを示す。無線ネットワークは、ライセンススペクトルと非ライセンススペクトルの両方を介した通信をサポートする。つまり、基地局および端末装置は、ライセンススペクトルおよび非ライセンススペクトルの両方で動作可能であることを意味する。送信は、DL送信および/またはUL送信を含んでもよい。方法400は、基地局または端末装置で実行されてもよい。
【0040】
図4において、実線のブロックにおける動作は必須であるが、破線のブロックにおける動作は、本開示の様々な実装に応じて選択される(オプショナルである)。説明は、ブロック410における必須の動作から開始する。
【0041】
具体的には、方法400は、フレーム構造を示す情報が通知されるステップ410から開始する。そして、フレーム構造に従って、非ライセンススペクトルの非ライセンスキャリアにおいて、基地局と端末装置との間で、送信が実行される。実施形態では、フレーム構造を示す情報(以下、「指示情報(indicating information)」と呼ぶ)は、ライセンススペクトルのライセンスキャリアにおいて通知されてもよい。他の実施形態では、指示情報は、非ライセンスキャリアにおいて通知されてもよい。
【0042】
非ライセンススペクトル上で使用されるフレーム構造を指示することの最終的な目標は、フレーム構造に従って、非ライセンススペクトルにおける非ライセンスキャリアにおいて送信が実行されることを可能にすることであることは明らかである。したがって、非ライセンスキャリア上で送信を可能とするために必要なフレーム構造に関する情報は、通信相手(当事者)、つまり、基地局および端末装置の両方に知られるべきである。上記の必要な情報は、直接取得されてもよく、間接的に他の情報から導出されてもよい。このように、必要な情報そのもの、および必要な情報を導出することが可能な任意の情報は、指示情報として通知されてもよい。上記情報のシグナリング(通知)は、以下、3つのケースに関して詳述される:1)DL送信のみが含まれる、DL-オンリー(DL-only)ケース;2)DL送信およびUL送信の両方が含まれる、DL+ULケース;3)UL送信のみが含まれるUL-オンリー(UL-only)ケース、である。

DL-オンリーケース(DL-only Case)
【0043】
送信を可能にする最終的な目標を達成するために、すなわち、DL送信が非ライセンスキャリア上で実行されるために、非ライセンスキャリア上でDL送信を可能にするために必要な情報を単独でまたは組み合わせて導出することができる、任意の1つ以上の情報が、指示情報として端末装置に指示されてもよい。
【0044】
実施形態では、指示情報は、以下のグループ内の情報の任意のまたは任意の組み合わせの情報を含んでもよい:
DL送信の開始に関する情報、
DL送信の終了に関する情報、
TXOPの持続期間に関する情報、
DL送信の持続期間に関する情報、および
非ライセンスキャリアに関する情報。
【0045】
図2(A)におけるフレーム構造が採用され、初期信号が時間リソースの第1のグループにおいて送信される、さらなる実施形態では、上記グループは、時間リソースの第1のグループの開始に関する情報、または初期信号の開始に関する情報をさらに含んでもよい。
【0046】
DL送信は非ライセンスキャリアに固有であるため、DL送信が実行される非ライセンスキャリアは、端末装置に知られるべきである。したがって、非ライセンスキャリアは、端末装置に指示されてもよい。一例では、特に、指示情報が受信される非ライセンスキャリアが、DL送信が実行される非ライセンスキャリアと異なるとき、非ライセンスキャリアに関する情報を指示情報に含めることにより、非ライセンスキャリアが明示的に指示されてもよい。他の例では、特に、指示情報が受信される非ライセンスキャリアが、DL送信が実行される非ライセンスキャリアと同じであるとき、非ライセンスキャリアは暗示的に指示されてもよい。この場合、DL送信が実行される非ライセンスキャリアは、指示情報が受信される非ライセンスキャリアとして暗示的に決定されてもよい。
【0047】
一例では、初期信号およびDLデータまたはDL制御情報を正しく検出できる場合、受信する端末装置が、例えば、DL送信の開始および終了など、DL送信を可能にするために必要な情報を導出することができる、DL送信の持続期間またはTXOPの持続期間のみが指示される必要があり、DL送信の終了は、最も近いシンボルまたはサブフレームに切り捨てられて(rounded down)もよい。したがって、この例では、指示情報は、DL送信の持続期間に関する情報、またはTXOPの持続期間に関する情報を含んでもよい。
【0048】
他の例では、DL送信の開始が予め定められている場合、受信する端末装置が、例えば、DL送信の開始および終了などのDL送信のために必要な情報を導出することができる、初期信号の開始、およびDL送信の持続期間、またはTXOPの持続期間が指示されてもよい。したがって、この例では、指示情報は、初期信号の開始に関する情報と、DL送信の期間に関する情報またはTXOPの持続期間に関する情報とを含んでもよい。
【0049】
さらに他の例では、受信する端末装置が、例えば、DL送信の開始および終了などの、DL送信を可能にするために必要な情報を導出することができる、初期信号の開始、DL送信の開始、およびDL送信の持続期間またはTXOPの持続期間が指示されてもよい。したがって、この例では、指示情報は、初期信号の開始に関する情報、DL送信の開始に関する情報、およびDL送信の持続期間またはTXOPの持続期間に関する情報を含んでもよい。
【0050】
さらに他の例では、DL送信の開始およびDL送信の終了が直接に指示されてもよい。したがって、この例では、指示情報は、DL送信の開始に関する情報と、DL送信の持続期間に関する情報と、を含んでもよい。
【0051】
または、例えば、TXOPのように、ゆっくりと変化するか、または予め定めることが出来るいくつかの情報は、指示情報に含まれる代わりに、上位レイヤシグナリングを介して端末装置に通知されてもよい。
【0052】
さらに、指示情報は、3GPP Technical Specification 36.212 version 12.4.0のセクション5.3.3に定義されているように、例えば、既存のDCI(Downlink Control Information)フォーマット1Cを再利用することにより、複数のビットで通知されてもよい。この場合、再利用されたDCIフォーマット1CをDCIフォーマット1Cの既存の使用と区別するために、新しい無線ネットワークテンポラリ識別子(RNTI:radio network temporary identifier)が必要とされてもよい。
【0053】
代替的に、指示情報は、指示情報を含んでもよいフィールドを含む新しいDCIフォーマットで通知されてもよい。
【0054】
制限された帯域幅リソースを効率的に利用するために、フレーム構造を指示するために使用されるビット数は可能な限り小さく減らしてもよい。図5は、本開示の実施形態にかかる初期信号の開始に関する情報を指示するビット数をどのように減らすかの例を示している。
【0055】
この例では、DL送信は、14シンボルから構成されるサブフレームにおいて、シンボル11で開始することが予め定められている。DL送信は、異なる特定のシンボルにおいて開始されてもよく、サブフレームは、より少ない、またはより多くのシンボルを含んでもよいことは理解される。初期信号がシンボル8において開始される場合、初期信号の開始を指示するための2つの方法が存在する:1)初期信号の絶対的な開始位置を使用すること。つまり、指示を行うために4ビットを要する、このサブフレームの9番目のシンボルを使用すること、2)初期信号の開始位置とDL送信の開始位置との間の差分である、DL送信に対する初期信号の相対的な開始位置を使用すること。つまり、指示を行うために2ビットを要する、3シンボルを使用すること、である。明らかに、初期信号の相対開始位置を使用することは、指示するためのビットの数を減らすことができる。
【0056】
例として、表1は、20MHzに対して15ビットを提供し得る、再利用されるDCIフォーマット1Cにおいて、単独でまたは組み合わせてフレーム構造を指示するために使用される可能性があるいくつかのビットを列挙する。

【表1】

DL+ULケース
【0057】
DL-オンリー(DL-only)ケースと同様に、送信を可能にする最終的な目標を達成するために、つまり、DLおよびUL送信が非ライセンスキャリア上で実行されるようにするために、非ライセンスキャリア上でDL送信およびUL送信を可能にするために必要な情報を、単独または組み合わせて導出することができる、任意の1つまたは複数の情報が、指示情報として、端末装置に指示されてもよい。
【0058】
実施形態では、指示情報は、以下のグループ内のいずれかの情報または任意の組み合わせの情報を含んでもよい:
DL送信の開始に関する情報、
DL送信の終了に関する情報、
UL送信の開始に関する情報、
UL送信の終了に関する情報、
TXOPの持続期間に関する情報、
DL送信の持続期間に関する情報、
UL送信の持続期間に関する情報、および
DL送信の持続期間とUL送信の持続期間との合計に関する情報、
非ライセンスキャリアに関する情報。
【0059】
図2(B)におけるフレーム構造が採用され、時間リソースの第1のグループにおいて初期信号が送信される、さらなる実施形態では、上記グループは、時間リソースの第1のグループの開始に関する情報または初期信号の開始に関する情報をさらに含んでもよい。
【0060】
DL送信およびUL送信は、非ライセンスキャリアに固有であるため、DL送信およびUL送信が実行される非ライセンスキャリアは、端末装置に知られていなければならない。したがって、非ライセンスキャリアは、端末装置に指示する必要があってもよい。DL-オンリーケースについて上述したように、例えば、非ライセンスキャリアは、指示情報において非ライセンスキャリアに関する情報を含めることにより明示的に指示されてもよく、または暗示的に指示されてもよい。
【0061】
代替的な実施形態では、TXOPのようにゆっくり変化するか、または予め定められることができるいくつかの情報は、上位レイヤシグナリングを介して端末装置に通知されてもよい。したがって、そのような情報は、指示情報に含まれていなくてもよい。
【0062】
ULスケジューリング(UL scheduling)のためのULグラント(UL grant)が端末装置で正常に受信することができる、他の実施形態では、ULグラントは、UL送信の開始を決定するために使用されてもよい。例えば、UL送信は、端末装置においてアップリンクグラントが受信されるサブフレームの後のサブフレームの境界で開始されてもよい。特に、サブフレーム1においてULグラントが正常に受信される場合、このULグラントによりスケジューリングされたUL送信は、サブフレーム2、サブフレーム3、等の境界において開始されてもよい。この場合、UL送信の開始に関する情報は、指示情報に含まれなくてもよい。
【0063】
この場合も先と同様に、指示情報は、例えば、3GPP Technical Specification 36.212 version 12.4.0のセクション5.3.3に示されるように、既存のDCIフォーマット1Cを再利用することにより、複数のビットにおいて通知されてもよい。この場合、再利用されたDCIフォーマット1CをDCIフォーマット1Cの既存の使用と区別するために、新しいRNTIが要求されてもよい。
【0064】
代替的に、指示情報は、指示情報を含み得るフィールドを含む新しいDCIフォーマットで通知されてもよい。
【0065】
DL-オンリーケースと同様に、フレーム構造を指示するビットの数を減らすために、初期信号の相対的な開始位置が使用されてもよい。
【0066】
例として、表2は、20MHzに対して15ビットを提供し得る再使用DCIフォーマット1Cにおいて、単独でまたは組み合わせて、フレーム構造を指示するために使用され得るいくつかのビットが列挙されている。この例では、UL送信は、サブフレームの境界から開始すると仮定している。

【表2】
【0067】
他の例として、表3は、20MHzに対して15ビットを提供し得る再利用DCIフォーマット1Cにおいて、単独でまたは組み合わせて、フレーム構造を指示するために使用され得るいくつかのビットが列挙されている。この例では、UL送信は、シンボルの境界から開始すると仮定している。

【表3】

UL-オンリーケース(UL-only Case)
【0068】
DL-オンリーケースまたはDL+ULケースと同様に、送信を可能にする最終的な目的を達成するために、つまり、UL送信が非ライセンスキャリア上で実行されるようにするために、非ライセンスキャリア上でUL送信を可能にするために必要な情報を単独でまたは組み合わせて導出することができる、任意の1つ以上の情報が、基地局に指示情報として指示されてもよい。
【0069】
実施形態では、指示情報は、以下のグループ内の情報のいずれかまたは任意の組み合わせを含んでもよい:
アップリンク送信の開始に関する情報、
アップリンク送信の終了に関する情報、
TXOPの持続期間に関する情報、および
UL送信の持続期間に関する情報。
【0070】
図2(C)におけるフレーム構造が採用され、初期信号が、時間リソースの第1のグループにおいて送信される、さらなる実施形態では、上記グループは、時間リソースの第1のグループの開始に関する情報、または初期信号の開始に関する情報をさらに含んでもよい。
【0071】
ULスケジューリングのためのULグラントが端末装置により正常に受信することができる、他の実施形態では、ULグラントはUL送信の開始を決定するために使用されてもよい。したがって、UL送信の開始に関する情報は、指示情報に含まれなくてもよい。
【0072】
指示情報は、例えばPUCCH上で、複数のビットにおいて、定期的にまたは非定期的に通知されてもよい。
【0073】
DL-オンリーケースまたはDL+ULケースと同様に、初期信号の相対的な開始位置は、フレーム構造を指示するためのビット数を減らすために使用されてもよい。
【0074】
例として、表4は、単独でまたは組み合わせて、フレーム構造を指示するために使用され得るいくつかのビットを列挙している。

【表4】
【0075】
ここで、図4を再度参照する。任意に、方法400は、ステップ401において非ライセンススペクトルにおける非ライセンスキャリアの利用可能性(非ライセンスキャリアが利用可能であるか)を決定することと、ステップ402において非ライセンスキャリアが利用可能であると決定されると、非ライセンスキャリアにおいて、期間を予約することと、を含んでもよい。予約期間は、上述した予約期間と同じであってもよい。
【0076】
上記の様々な実施形態によれば、送信が、非ライセンススペクトルにおける送信に適用可能なフレーム構造に従って、非ライセンススペクトルにおいて実行することができるように、通信当事者間で非ライセンススペクトルにおける送信に適用可能なフレーム構造を指示する、実行可能な方法400を提供する。
【0077】
図6は、本開示の実施形態にかかる無線ネットワークにおいて、非ライセンススペクトルにおけるフレーム構造に従って、基地局と端末装置との間で送信を実行する装置600の概略ブロック図を示す。無線ネットワークは、ライセンススペクトルと非ライセンススペクトルの両方による通信をサポートし、基地局および端末装置は、ライセンススペクトルおよび非ライセンススペクトルの両方で動作可能であることを意味する。装置600は、基地局または端末装置において、または基地局または端末装置の少なくとも一部として具体化されてもよい。
【0078】
特に、装置600は、通知部610と、送信実行部620とを含む。
【0079】
通知部610は、フレーム構造を指示する情報を通知する。送信実行部620は、フレーム構造に従って、非ライセンススペクトラムにおいて、非ライセンスキャリア上で、基地局と端末装置との間の送信を実行する。
【0080】
実施形態では、通知部610は、ライセンススペクトルにおいて、ライセンスキャリアにおけるフレーム構造を指示する情報を通知するように構成されてもよい。
【0081】
代替的な実施形態では、通知部610は、非ライセンスキャリアにおけるフレーム構造を指示する情報を通知するように構成されてもよい。
【0082】
他の実施形態では、フレーム構造を示す情報は、以下のグループの任意のまたは任意の組み合わせの情報を含んでもよい:
ダウンリンク送信の開始に関する情報、
ダウンリンク送信の終了に関する情報、
許容される最大送信期間の持続期間に関する情報、
ダウンリンク送信の持続期間に関する情報、および
非ライセンスキャリアに関する情報。
【0083】
さらなる実施形態では、本グループは、以下の任意のまたは任意の組み合わせを含んでもよい:
アップリンク送信の開始に関する情報、
アップリンク送信の終了に関する情報、
アップリンク送信の持続期間に関する情報、および
ダウンリンク送信の持続期間とアップリンク送信の持続期間との合計に関する情報。
【0084】
さらに他の実施形態では、UL送信は、端末装置においてアップリンクグラントが受信されたサブフレームの後のサブフレームの境界において開始されてもよい。したがって、UL送信の開始に関する情報は、フレーム構造を指示する情報に含まれていなくてもよい。
【0085】
さらに他の実施形態では、通知部610は、DCIフォーマット1Cを再利用することによりフレーム構造を指示する情報を通知するように構成されてもよい。
【0086】
さらに他の実施形態では、通知部610は、フレーム構造を指示する情報を含むフィールドを含む、新しいDCIフォーマットを用いることによりフレーム構造を指示する情報を通知するように構成されてもよい。
【0087】
代替的な実施形態では、フレーム構造を指示する情報は、以下のグループの任意のまたは任意の組み合わせを含んでもよい:
アップリンク送信の開始に関する情報、
アップリンク送信の終了に関する情報、
アップリンク送信の持続期間に関する情報、および
許容される最大送信期間の持続期間に関する情報。
【0088】
他の実施形態では、本方法は、非ライセンススペクトルにおいて非ライセンスキャリアの利用可能性を(非ライセンスキャリアが利用可能であるかを)決定するように構成される決定部(determining unit:決定ユニット)630と、非ライセンスキャリアが利用可能であると決定されると、非ライセンスキャリアにおける期間を予約するように構成される予約部(reserving unit:予約ユニット)640と、をさらに含んでもよい。本実施形態では、上述した実施形態において説明したグループは、予約された期間の開始に関する情報および/または予約された期間の終了に関する情報をさらに含んでもよい。
【0089】
上記ユニット610~640は、図4図6を参照して説明したように、対応する動作またはステップを実装するように構成されてもよい。方法400に関連して、上述したフレーム構造指示(frame structure indication:フレーム構造インジケーション)に関するすべての特徴は、装置600に等しく適用可能であり、したがって、簡潔さのために本明細書では詳述しない。
【0090】
図7は、本開示の実施形態にかかる無線ネットワークにおいて、非ライセンススペクトルにおけるフレーム構造に従って、基地局と端末装置との間で送信を実行する装置700の概略ブロック図である。無線ネットワークは、ライセンススペクトルと非ライセンススペクトルの両方を介した通信をサポートし、基地局および端末装置は、ライセンススペクトルおよび非ライセンススペクトルの両方で動作可能であることを意味する。装置700は、基地局または端末装置において、または基地局または端末装置の少なくとも一部として具体化されてもよい。
【0091】
図7において、実線のブロックのユニットは必須である一方、破線のブロックのユニットは本開示の様々な実施形態に応じて選択可能(オプショナル)である。
【0092】
装置700は、データプロセッサ(DP:data processor)のような少なくとも1つのプロセッサ710と、プロセッサ710と結合された少なくとも1つのメモリ(MEM:memory)とを備える。装置700は、他の装置と無線通信を確立するために、プロセッサ710と結合された送信機TXおよび受信機RX730をさらに備えてもよい。MEM720は、プログラム(PROG:program)740を格納する。少なくとも1つのプロセッサ710と、少なくとも1つのMEM720との組み合わせは、本開示のいくつかの実施形態を実装するために適した処理手段(processing means)750を形成してもよい。
【0093】
PROG740は、関連するプロセッサ710上で実行されるとき、例えば図4を参照して説明したように、方法400を実行するために、本開示の実施形態に従って装置700を動作することを可能にする命令を含んでもよい。または、処理手段750は、図4を参照して説明したように、本開示のいくつかの実施形態を実装するために適合するものであってもよい。
【0094】
MEM720は、ローカル技術環境(local technical environment)に適した任意のタイプであってもよく、半導体ベースのメモリデバイス、磁気メモリデバイスおよびシステム、光メモリデバイスおよびシステム、固定メモリおよびリムーバルメモリなどの任意の適切なデータストレージ技術を用いて実装されてもよいが、これに限定されるものではない。
【0095】
プロセッサ710は、ローカル技術環境(local technical environment)に適した任意のタイプであってもよく、1つ以上の汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサDSP、およびマルチコアプロセッサアーキテクチャに基づくプロセッサを含んでもよいが、これに限定されるものではない。
【0096】
さらに、本開示は、上述したようにコンピュータプログラムを含むキャリア(carrier)を提供してもよく、キャリアは、電気信号、光信号、無線信号、またはコンピュータ可読媒体の1つである。コンピュータ可読媒体は、例えば、光コンパクトディスク、またはRAM(random access memory)またはROM(read only memory)、フラッシュメモリ、磁気テープ、CD-ROM、DVD、ブルーレイディスク等の電機メモリデバイスであり得る。
【0097】
本明細書で説明される技術は、実施形態を伴って説明した対応する装置の1つ以上の機能を実装する装置が、先行技術の手段だけでなく、実施の形態を伴って説明した対応する装置の1つ以上の機能を実装するための手段を含むように、様々な手段によって実装されてもよく、それぞれ別々の機能のための別々の手段、または2つ以上の機能を実行するように構成された手段を含んでもよい。例えば、これらの技術は、ハードウェア(1つ以上の装置)、ファームウェア(1つ以上の装置)、ソフトウェア(1つ以上のモジュール)、またはそれらの組み合わせで実装されてもよい。ファームウェアまたはソフトウェアに対して、実装は、本明細書で説明した機能を実行するモジュール(例えば、手順、機能など)を介してされてもよい。
【0098】
本明細書の例示的な実施形態を、方法および装置のブロック図およびフローチャートを参照して上記の様に説明した。ブロック図およびフローチャート図の各ブロック、およびブロック図およびフローチャート図におけるブロックの組み合わせは、それぞれ、コンピュータプログラム命令を含む様々な手段によって実装することができることは理解される。コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置上で実行される命令が、フローチャートのブロックまたはブロックにおいて特定された機能を実装するための手段を生成するように、機械を生産するために、これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータまたは他のプログラム可能なデータ処理装置上でロードされてもよい。
【0099】
本明細書は、多くの具体的な実装の詳細を含むが、これらは、実装の範囲または請求され得るものの限定として解釈されるべきではなく、特定の実装の特定の実施形態に固有の特徴の説明として解釈されるべきである。別個の実施形態の文脈において、本明細書に記載されるいくつかの特徴は、単一の実施形態において組み合わせて実施することもできる。逆に、単一の実施形態の文脈で記載されている様々な特徴は、複数の実施形態において、別々にまたは任意の適切なサブコンビネーション(sub-combination)で実施することもできる。さらに、特徴は、いくつかの組合せで動作するものとして、上述されてもよいが、当初はそのように主張されていたとしても、ある場合には、請求された組合せから1つ以上の特徴を、組み合わせから切り出されてもよく、請求された組み合わせはサブコンビネーションまたはサブコンビネーションのバリエーションに向けられてもよい。
【0100】
技術が進歩するにつれて、本発明の概念は、様々な方法で実装することができることは当業者には当業者には明らかであろう。上述の実施形態は、開示を限定するのではなく、説明するために与えられており、当業者が容易に理解するように、本開示の思想(精神)および範囲から逸脱することなく、改変および変形が可能であることは理解される。そのような変更および変形は、本開示および添付の特許請求の範囲の範囲内であると考えられる。本開示の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7