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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】二次電池用缶および二次電池
(51)【国際特許分類】
   H01M 10/6552 20140101AFI20240820BHJP
   H01M 50/103 20210101ALI20240820BHJP
   H01M 50/15 20210101ALI20240820BHJP
   H01M 50/176 20210101ALI20240820BHJP
   H01M 50/531 20210101ALI20240820BHJP
   H01M 50/55 20210101ALI20240820BHJP
   H01M 10/6553 20140101ALI20240820BHJP
   H01M 10/659 20140101ALI20240820BHJP
   H01M 50/119 20210101ALI20240820BHJP
   H01M 50/159 20210101ALI20240820BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20240820BHJP
   H01M 10/647 20140101ALI20240820BHJP
【FI】
H01M10/6552
H01M50/103
H01M50/15
H01M50/176
H01M50/531
H01M50/55 101
H01M10/6553
H01M10/659
H01M50/119
H01M50/159
H01M10/613
H01M10/647
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022552471
(86)(22)【出願日】2021-03-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-13
(86)【国際出願番号】 KR2021002846
(87)【国際公開番号】W WO2021182823
(87)【国際公開日】2021-09-16
【審査請求日】2022-08-31
(31)【優先権主張番号】10-2020-0030912
(32)【優先日】2020-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】ユン・ウ・パク
(72)【発明者】
【氏名】ウイ・フン・ミョン
(72)【発明者】
【氏名】サン・ホ・パク
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第108987844(CN,A)
【文献】特開2006-278327(JP,A)
【文献】特開2019-192381(JP,A)
【文献】特表2022-542762(JP,A)
【文献】特開2009-099305(JP,A)
【文献】国際公開第2011/092773(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 10/6552
H01M 50/103
H01M 50/15
H01M 50/176
H01M 50/531
H01M 50/55
H01M 10/6553
H01M 10/659
H01M 50/119
H01M 50/159
H01M 10/613
H01M 10/647
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極組立体が収容される電極組立体収容部が形成され、一側に開口された缶本体と、
前記缶本体の前記一側の端部を覆って開口を密閉し、前記電極組立体の電極リードが貫通する貫通孔が形成された蓋体とを含み、
前記缶本体は、熱を伝達する本体ヒートパイプ(heat pipe)部を含み、
前記本体ヒートパイプ部は、
前記電極リードで発生した熱が前記蓋体から前記缶本体に伝達される時に、前記缶本体を介して放熱されるように熱を伝達し、
前記本体ヒートパイプ部は、
前記電極組立体収容部側に位置した内壁と、
前記内壁と所定の間隔で離隔した外壁と、
前記内壁と前記外壁との間に位置し、前記内壁と前記外壁との間の空間を区画して複数の本体区画空間を形成する区画ブロックと、
前記本体区画空間に収容される揮発性熱媒体とを含
前記缶本体は、前記蓋体から、前記電極リードで発生した熱の伝達を受けて放熱させ、
前記本体ヒートパイプ部は、前記缶本体の、収容される前記電極組立体を囲う周方向の全体に設けられ、前記内壁は、前記缶本体に収容される前記電極組立体の外周面の全体に対向し、前記本体区画空間は、前記缶本体の前記周方向の全体において、前記本体ヒートパイプ部に設けられる、二次電池用缶。
【請求項2】
前記本体ヒートパイプ部は、前記缶本体の長さ方向に沿って複数の列および行の少なくともいずれか一つ以上の形態に形成される、請求項1に記載の二次電池用缶。
【請求項3】
前記区画ブロックは、
一側部が幅方向に前記内壁に備えられ、他側部が前記外壁で備えられる、請求項1または2に記載の二次電池用缶。
【請求項4】
前記蓋体は、
前記電極リードで発生した熱が前記蓋体を介して放熱されるように熱を伝達する蓋体ヒートパイプ部を含む、請求項1からのいずれか一項に記載の二次電池用缶。
【請求項5】
前記蓋体ヒートパイプ部は、
前記電極組立体収容部側に位置した内側板と、
前記内側板と所定の間隔で離隔した外側板と、
前記内側板と前記外側板との間に位置し、前記内側板と前記外側板との間の空間を区画して複数の蓋体区画空間を形成する区画部と、
前記蓋体区画空間に収容される揮発性熱媒体とを含む、請求項に記載の二次電池用缶。
【請求項6】
前記揮発性熱媒体は、
アセトン、水、フロン、およびアンモニアのうち少なくともいずれか一つ以上からなる、請求項に記載の二次電池用缶。
【請求項7】
前記揮発性熱媒体が収容された前記本体区画空間および前記蓋体区画空間は、密閉された真空状態の空間である、請求項に記載の二次電池用缶。
【請求項8】
前記缶本体および前記蓋体は、アルミニウムまたは銅材料を含む、請求項5から7のいずれか一項に記載の二次電池用缶。
【請求項9】
電極組立体および缶を含み、
前記缶は、
前記電極組立体が収容される電極組立体収容部が形成され、一側に開口された缶本体と、
前記缶本体の前記一側の端部を覆って開口を密閉し、前記電極組立体の電極リードが貫通する貫通孔が形成された蓋体とを含み、
前記缶本体は、前記電極リードで発生した熱が前記蓋体から前記缶本体の前記一側の端部に伝達される時に、前記缶本体を介して放熱されるように熱を伝達する本体ヒートパイプ部を含み、
前記本体ヒートパイプ部は、
前記電極組立体収容部側に位置した内壁と、
前記内壁と所定の間隔で離隔した外壁と、
前記内壁と前記外壁との間に位置し、前記内壁と前記外壁との間の空間を区画して複数の本体区画空間を形成する区画ブロックと、
前記本体区画空間に収容される揮発性熱媒体とを含
前記缶本体は、前記蓋体から、前記電極リードで発生した熱の伝達を受けて放熱させ、
前記本体ヒートパイプ部は、前記缶本体の、収容される前記電極組立体を囲う周方向の全体に設けられ、前記内壁は、前記缶本体に収容される前記電極組立体の外周面の全体に対向し、前記本体区画空間は、前記缶本体の前記周方向の全体において、前記本体ヒートパイプ部に設けられる、二次電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2020年3月12日付けの韓国特許出願第10-2020-0030912号に基づく優先権の利益を主張し、該当韓国特許出願の文献に開示されている全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
【0002】
本発明は、二次電池用缶および二次電池に関する。
【背景技術】
【0003】
二次電池は、一次電池とは異なり、再充電が可能であり、また、小型化および大容量化の可能性によって近年多く研究開発されている。モバイル機器に関する技術開発と需要の増加に伴い、エネルギー源としての二次電池の需要が急激に増加している。
【0004】
二次電池は、電池ケースの形状に応じて、コイン型電池と、円筒型電池と、角型電池と、パウチ型電池とに分けられる。二次電池は、電極組立体と電解液を収容する。二次電池において、電池ケースの内部に装着される電極組立体は、電極およびセパレータの積層構造からなる充放電が可能な発電素子である。
【0005】
電極組立体は、活物質が塗布されたシート状の正極と負極との間にセパレータを介在して巻き取ったゼリーロール(Jelly-roll)型と、多数の正極と負極をセパレータが介在された状態で順に積層したスタック型と、スタック型の単位セルを長い長さの分離フィルムで巻き取ったスタック/フォールディング型とに大まかに分けることができる。
【0006】
従来の円筒型電池または角型電池は、電極組立体および電極組立体を収容する缶から構成され、缶は、電極組立体を収容する収容部が形成された缶本体と収容部を覆う蓋体からなる。
【0007】
この際、電極組立体の電極リードが貫通する蓋体が、電極リードで発生した熱によって加熱され、また、蓋体と隣接した缶本体の端部部分だけ局所的に加熱される。
【0008】
そのため、電極リードで発生する熱を放熱することに不都合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】韓国公開特許第10-2014-0015647号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の一つの観点は、缶の局所的な領域で発生した熱を缶に均一に分布させて放熱することができる二次電池用缶および二次電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の実施形態による二次電池用缶は、電極組立体が収容される電極組立体収容部が形成され、一側に開口された缶本体と、前記缶本体の前記一側の端部を覆って開口を密閉し、前記電極組立体の電極リードが貫通する貫通孔が形成された蓋体とを含み、前記缶本体は、前記電極リードで発生した熱が前記蓋体から前記缶本体に伝達される時に、前記缶本体を介して放熱されるように熱を伝達する本体ヒートパイプ(heat pipe)部を含むことができる。
【0012】
一方、本発明の実施形態による二次電池は、電極組立体および缶を含み、前記缶は、前記電極組立体収容部が形成され、一側に開口された缶本体と、前記缶本体の前記一側の端部を覆って開口を密閉し、前記電極組立体の電極リードが貫通する貫通孔が形成された蓋体とを含み、前記缶本体は、前記電極リードで発生した熱が前記蓋体から前記缶本体の前記一側の端部に伝達される時に、前記缶本体を介して放熱されるように熱を伝達する本体ヒートパイプ部を含むことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、缶において、電極リードが備えられた蓋体側で発生する熱を、缶本体への熱伝達に効果的なヒートパイプを介して、缶本体の全域に均一に分布させることができ、放熱を効果的に行うことができる。したがって、放熱効率が高くなるにつれて電池の寿命が長くなり、電池の性能が向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1実施形態による二次電池用缶およびこれを含む二次電池を示す斜視図である。
図2】第1実施形態による二次電池用缶およびこれを含む二次電池を示す分解斜視図である。
図3図2でA-A'線に沿って切開した斜視図である。
図4】本発明の第2実施形態による二次電池用缶およびこれを含む二次電池を示す斜視図である。
図5】第2実施形態による二次電池用缶およびこれを含む二次電池を示す分解斜視図である。
図6図5でB-B'線に沿って切開した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の目的、特定の利点および新規な特徴は、添付の図面と関連する以下の詳細な説明と好ましい実施形態からより明白になる。本明細書において、各図面の構成要素に参照番号を付けるに際し、同じ構成要素に限っては仮に異なる図面上に表示されてもできるだけ同じ番号を有するようにしていることに留意すべきである。また、本発明は、様々な相違する形態に実現されることができ、ここで説明する実施形態に限定されない。また、本発明を説明するに際し、本発明の要旨を不明瞭にし得る関連する公知の技術に関する詳細な説明は省略する。
【0016】
(第1実施形態による二次電池用缶)
図1は本発明の第1実施形態による二次電池用缶およびこれを含む二次電池を示す斜視図であり、図2は第1実施形態による二次電池用缶およびこれを含む二次電池を示す分解斜視図であり、図3図2でA-A'線に沿って切開した斜視図である。
【0017】
図1図3を参照すると、本発明の第1実施形態による二次電池用缶130は、開口されて電極組立体140が収容される缶本体110と、缶本体110の開口を密閉し、電極リード147が貫通する蓋体120とを含み、缶本体110は、電極リード147で発生した熱が蓋体120から缶本体110に伝達される時に、缶本体110を介して放熱されるように熱を伝達する本体ヒートパイプ(heat pipe)部P1を含む。
【0018】
より詳細には、缶本体110は、電極組立体140が収容される電極組立体収容部111が形成され、一側に開口されることができる。
【0019】
なお、缶本体110は、アルミニウムまたは銅材料を含むことができる。
【0020】
また、缶本体110は、電極リード147で発生した熱が蓋体120から缶本体110の一側の端部に伝達される時に、缶本体110を介して放熱されるように熱を伝達する本体ヒートパイプ部P1を含むことができる。
【0021】
本体ヒートパイプ部P1は、電極組立体収容部111側に位置した内壁113と、内壁113と所定の間隔で離隔した外壁112と、内壁113と外壁112との間に位置し、内壁113と外壁112との間の空間を区画して多数個の本体区画空間115を形成させる区画ブロック114と、本体区画空間115に収容される揮発性熱媒体とを含む。
【0022】
本体ヒートパイプ部P1は、缶本体110の長さ方向に沿って多数個の列および行の少なくともいずれか一つ以上の形態に形成されることができる。
【0023】
この際、例えば、本体ヒートパイプ部P1は、缶本体110の長さ方向に沿って多数個の列として形成されることができる。
【0024】
区画ブロック114は、一側部が幅方向に内壁113に備えられ、他側部が外壁112で備えられることができる。
【0025】
揮発性熱媒体は、揮発性液体からなり、加熱されると気化し、効果的に熱伝逹を起こすことができる。
【0026】
ここで、揮発性熱媒体は、アセトン、水、フロン、およびアンモニアのうち少なくともいずれか一つ以上からなることができる。
【0027】
一方、揮発性熱媒体が収容された本体区画空間115は、密閉された真空状態の空間として備えられることができる。また、本体区画空間115は、缶本体110の長さ方向に沿って形成され、本体区画空間115に収容された揮発性熱媒体が缶本体110の長さ方向に沿って容易に熱伝逹を起こすことができる。この際、蓋体120に接触した缶本体110の上側端部が、電極リード147の発熱によって蓋体120を介して加熱される時に、缶本体110の下側部まで熱伝逹が効果的に行われ、缶本体110を介して容易に放熱されることができる。
【0028】
蓋体120は、缶本体110の一側の端部を覆って開口を密閉し、電極組立体140の電極リード147が貫通する貫通孔121、122が形成されることができる。この際、蓋体120の下側の縁部は、缶本体110の上側端部に結合または固定されることができる。
【0029】
また、蓋体120は、長方形または円形の板形態に形成されることがでる。
【0030】
また、蓋体120は、アルミニウムまたは銅材料を含むことができる。
【0031】
この際、缶本体110および蓋体120がアルミニウム材料を含む時に、揮発性熱媒体は、アセトンであることができる。
【0032】
一方、蓋体120は、電極リード147と貫通孔121、122との間に絶縁体が位置し、電極リード147と蓋体120との間を絶縁することができる。
【0033】
また、缶本体110と蓋体120の外面は、絶縁体が包んで缶130を外部と絶縁させることができる。
【0034】
一方、第1実施形態による二次電池用缶100は、缶本体110の外側面に塗布されたサーマルグリース(thermal grease)をさらに含むことができる。これにより、缶本体110の熱伝導性を増加させて放熱効果を高めることができる。
【0035】
前記のように構成された本発明の第1実施形態による二次電池用缶100は、電極リード147が備えられた蓋体側で発生する熱を本体ヒートパイプ部P1が備えられた缶本体110を介して効果的に放熱することができる。すなわち、電極リード147で発生した熱によって蓋体120および蓋体120と隣接した缶本体110の上側端部部分が加熱される時に、缶本体110に備えられた本体ヒートパイプ部P1を介して缶本体110の全体に熱を均一に伝達することで、効果的な放熱が可能になる。なお、缶本体110の上側端部だけでなく、缶本体110の他の局所部位で発熱が生じても、本体ヒートパイプ部P1を介して効果的に缶本体110の全域に熱を均一に分布させて放熱を効果的に行うことができる。したがって、放熱効率が高くなるにつれて電池の寿命が長くなり、電池の性能が向上することができる。
【0036】
また、缶本体110が本体ヒートパイプ部P1を備えた放熱構造として備えられ、別の放熱装置の設置が必要ではなく、空間活用の柔軟性を確保することができる。これにより、同じ大きさの二次電池または電池パックに比べて、著しく高いエネルギー密度を有することができる。また、放熱のための部品の数が減少することから組立工数が減少し、生産性が向上することができる。ここで、従来、セル(Cell)、カートリッジ(catridge)、および放熱板の構造で熱伝逹過程を経たときに放熱されるのに対し、本発明は、電極組立体140および本体ヒートパイプ部P1を備えた缶130から構成された熱伝逹過程を経て放熱される構造であり、放熱のための部品の数が減少することができる。
【0037】
なお、本発明の缶130の内面および外面を形成し、内部に区画空間を形成した後、揮発性液体を注入し真空状態にして迅速に熱を伝達して放熱させるヒートパイプ方式は、薄い厚さの缶130に適用することができ、電極組立体140が占める空間が増大し、エネルギー密度が高い。しかし、例えば、前記区画空間に放熱グリースや放熱パッドを入れると、缶130の厚さは増加し、それに伴い電極組立体が占める空間が減少してエネルギー効率が低下し、また、缶130は、薄い厚さを有するように設計されるため、区画空間に放熱グリースや放熱パッドを入れる技術を適用することが困難である。
【0038】
(第2実施形態による二次電池用缶)
以下では、本発明の第2実施形態による二次電池用缶について説明する。
【0039】
図4は本発明の第2実施形態による二次電池用缶およびこれを含む二次電池を示す斜視図であり、図5は第2実施形態による二次電池用缶およびこれを含む二次電池を示す分解斜視図であり、図6図5でB-B'線に沿って切開した斜視図である。
【0040】
図4図6を参照すると、本発明の第2実施形態による二次電池用缶130は、開口されて電極組立体140が収容される缶本体110と、缶本体110の開口を密閉し、電極リード147が貫通する蓋体220とを含み、缶本体110は、電極リード147で発生した熱が蓋体220から缶本体110に伝達される時に、缶本体110を介して放熱されるように熱を伝達する本体ヒートパイプ部を含む。
【0041】
本発明の第2実施形態による二次電池用缶230は、上述の本発明の第1実施形態による二次電池用缶と比較したときに、蓋体220に蓋体ヒートパイプ部P2をさらに含むという差がある。したがって、本二次電池用缶230に対する第2実施形態は、上述の二次電池用缶230に関する第1実施形態と重複する内容は省略するか簡単に記述し、相違点を中心に記述する。
【0042】
より詳細には、缶本体110は、電極組立体140が収容される電極組立体収容部111が形成され、一側に開口されることができる。
【0043】
また、缶本体110は、電極リード147で発生した熱が蓋体220から缶本体110の一側の端部に伝達される時に、缶本体110を介して放熱されるように熱を伝達する本体ヒートパイプ部を含むことができる。
【0044】
なお、缶本体110は、アルミニウムまたは銅材料を含むことができる。
【0045】
蓋体220は、缶本体110の一側の端部を覆って開口を密閉し、電極組立体140の電極リード147が貫通する貫通孔221、222が形成されることができる。
【0046】
また、蓋体120は、アルミニウムまたは銅材料を含むことができる。
【0047】
なお、蓋体220は、電極リード147で発生した熱が蓋体220を介して放熱されるように熱を伝達する蓋体ヒートパイプ部P2を含むことができる。
【0048】
蓋体ヒートパイプ部P2は、電極組立体収容部111側に位置した内側板224と、内側板224と所定の間隔で離隔した外側板225と、内側板224と外側板225との間に位置し、内側板224と外側板225との間の空間を区画して多数個の蓋体区画空間227を形成する区画部226と、蓋体区画空間227に収容される揮発性熱媒体とを含むことができる。
【0049】
この際、蓋体区画空間227に収容される揮発性熱媒体は、アセトン、水、フロン、およびアンモニアのうち少なくともいずれか一つ以上からなることができる。
【0050】
一方、揮発性熱媒体が収容された蓋体区画空間227は、密閉された真空状態の空間として備えられることができる。
【0051】
ここで、缶本体110および蓋体220がアルミニウム材料を含む時に、揮発性熱媒体は、アセトンであることができる。
【0052】
前記のように構成された本発明の第2実施形態による二次電池用缶200は、電極リード147が備えられた蓋体220側に蓋体ヒートパイプ部P2が備えられ、電極リード147が貫通する貫通孔221、222の周辺部が電極リード147によって加熱される時に、蓋体220全体および缶本体110の上側端部に熱が容易に伝達されるようにすることができる。
【0053】
したがって、電極リード147で発生した熱を蓋体220および蓋体220と隣接した缶本体110の上側端部部分に伝達し、本体ヒートパイプ部が備えられた缶本体110の全体に熱を迅速かつ均一に伝達してより効果的な放熱が可能になり得る。
【0054】
(第1実施形態による二次電池)
以下では本発明の第1実施形態による二次電池について説明する。
【0055】
図1図3を参照すると、本発明の第1実施形態による二次電池100は、電極組立体140および電極組立体140を収容する缶130を含み、缶130は、開口されて電極組立体140が収容される缶本体110と、缶本体110の開口を密閉し、電極リード147が貫通する蓋体120とを含み、缶本体110は、電極リード147で発生した熱が蓋体120から缶本体110に伝達される時に、缶本体110を介して放熱されるように熱を伝達する本体ヒートパイプ部P1を含む。
【0056】
本発明の第1実施形態による二次電池100は、上述の本発明の第1実施形態による二次電池用缶130を含む二次電池100に関するものである。したがって、本第1実施形態による二次電池100については、上述の第1実施形態による二次電池用缶130と重複する内容は省略するか簡単に記述し、相違点を中心に記述する。
【0057】
より詳細には、二次電池100は、電極組立体140および電極組立体140を収容する缶130を含む。
【0058】
電極組立体140は、充放電が可能な発電素子であり、交互に積層される電極142およびセパレータ144を含むことができる。この際、電極組立体140は、巻き取られた形態で備えられることができる。
【0059】
電極142は、正極141および負極142から構成されることができる。この際、電極組立体140は、正極141/セパレータ144/負極142が交互に積層された構造からなることができる。また、電極リード147は、正極141と連結される正極リード145と、負極142と連結される負極リード146とを含むことができる。
【0060】
正極141は、正極集電体と、正極集電体に積層された正極活物質とを含むことができる。
【0061】
正極集電体は、アルミニウム材料の箔(Foil)からなることができる。
【0062】
正極活物質は、リチウムマンガン酸化物、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウムリン酸鉄、またはこれらのうち1種以上が含まれた化合物および混合物などからなることができる。
【0063】
負極142は、負極集電体と、負極集電体に積層された負極活物質とを含むことができる。
【0064】
負極集電体は、例えば、銅(Cu)材料からなる箔(foil)からなることができる。
【0065】
負極活物質は、黒鉛系物質を含む化合物または混合物であることができる。
【0066】
セパレータ144は、絶縁材料からなり、正極141と負極142との間を電気的に絶縁する。ここで、セパレータ144は、微多孔性を有するポリエチレン、ポリプロピレンなど、ポリオレフィン系樹脂膜で形成されることができる。
【0067】
缶本体110は、電極組立体140が収容される電極組立体収容部111が形成され、一側に開口されることができる。
【0068】
また、缶本体110は、電極リード147で発生した熱が蓋体120から缶本体110の一側の端部に伝達される時に、缶本体110を介して放熱されるように熱を伝達する本体ヒートパイプ部P1を含むことができる。
【0069】
本体ヒートパイプ部P1は、電極組立体収容部111側に位置した内壁113と、内壁113と所定の間隔で離隔した外壁112と、内壁113と外壁112との間に位置し、内壁113と外壁112との間の空間を区画して多数個の本体区画空間115を形成する区画ブロック114と、本体区画空間115に収容される揮発性熱媒体とを含む。
【0070】
本体ヒートパイプ部P1は、缶本体110の長さ方向に沿って多数個の列および行の少なくともいずれか一つ以上の形態に形成されることができる。この際、例えば、本体ヒートパイプ部P1は、缶本体110の長さ方向に沿って多数個の列として形成されることができる。
【0071】
区画ブロック114は、一側部が幅方向に内壁113に備えられ、他側部が外壁112に備えられることができる。
【0072】
揮発性熱媒体は、アセトン、水、フロン、およびアンモニアの少なくともいずれか一つ以上からなることができる。
【0073】
一方、揮発性熱媒体が収容された本体区画空間115は、密閉された真空状態の空間として備えられることができる。
【0074】
蓋体120は、缶本体110の一側の端部を覆って開口を密閉し、電極組立体140の電極リード147が貫通する貫通孔121、122が形成されることができる。
【0075】
(第2実施形態による二次電池)
以下では、本発明の第2実施形態による二次電池について説明する。
【0076】
図4図6を参照すると、本発明の第2実施形態による二次電池200は、電極組立体140および電極組立体140を収容する缶230を含み、缶230は、開口されて電極組立体140が収容される缶本体110と、缶本体110の開口を密閉し、電極リード147が貫通する蓋体220とを含み、缶本体110は、電極リード147で発生した熱が蓋体220から缶本体110に伝達される時に、缶本体110を介して放熱されるように熱を伝達する本体ヒートパイプ部を含む。
【0077】
本発明の第2実施形態による二次電池200は、上述の本発明の第2実施形態による二次電池用缶230を含む二次電池200に関するものである。したがって、本第2実施形態による二次電池200については、上述の第2実施形態による二次電池用缶230と重複する内容は省略するか簡単に記述し、相違点を中心に記述する。
【0078】
より詳細には、二次電池200は、電極組立体140と、電極組立体140を収容する缶230とを含む。
【0079】
缶本体110は、電極組立体140が収容される電極組立体収容部111が形成され、一側に開口されることができる。
【0080】
また、缶本体110は、電極リード147で発生した熱が蓋体220から缶本体110の一側の端部に伝達される時に、缶本体110を介して放熱されるように熱を伝達する本体ヒートパイプ部を含むことができる。
【0081】
蓋体220は、缶本体110の一側の端部を覆って開口を密閉し、電極組立体140の電極リード147が貫通する貫通孔221、222が形成されることができる。
【0082】
また、蓋体220は、電極リード147で発生した熱が蓋体220を介して放熱されるように熱を伝達する蓋体ヒートパイプ部P2を含むことができる。
【0083】
蓋体ヒートパイプ部P2は、電極組立体収容部111側に位置した内側板224と、内側板224と所定の間隔で離隔した外側板225と、内側板224と外側板225との間に位置し、内側板224と外側板225との間の空間を区画して多数個の蓋体区画空間227を形成する区画部226と、蓋体区画空間227に収容される揮発性熱媒体とを含むことができる。
【0084】
一方、揮発性熱媒体が収容された蓋体区画空間227は、密閉された真空状態の空間として備えられることができる。
【0085】
以上、本発明を具体的な実施形態により詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであって、本発明による二次電池用缶および二次電池はこれに限定されない。本発明の技術的思想内で当該分野において通常の知識を有する者により様々な実施が可能であると言える。
【0086】
また、発明の具体的な保護範囲は、添付の特許請求の範囲により明確になる。
【符号の説明】
【0087】
100、200 二次電池
110 缶本体
111 電極組立体収容部
112 外壁
113 内壁
114 区画ブロック
115 本体区画空間
120、220 蓋体
121、122、221、222 貫通孔
130、230 缶
140 電極組立体
141 正極
142 負極
143 電極
144 セパレータ
145 正極リード
146 負極リード
147 電極リード
224 内側板
225 外側板
226 区画部
227 蓋体区画空間
P1 本体ヒートパイプ部
P2 蓋体ヒートパイプ部
図1
図2
図3
図4
図5
図6