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  • 特許-低毒性のポリマー粒子の製法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】低毒性のポリマー粒子の製法
(51)【国際特許分類】
   C08F 2/28 20060101AFI20240820BHJP
   C08F 12/08 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
C08F2/28
C08F12/08
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020002999
(22)【出願日】2020-01-10
(65)【公開番号】P2021109925
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2022-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000253503
【氏名又は名称】キリンホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000109
【氏名又は名称】弁理士法人特許事務所サイクス
(72)【発明者】
【氏名】辻 俊一
(72)【発明者】
【氏名】此枝 優希
(72)【発明者】
【氏名】小泉 英樹
(72)【発明者】
【氏名】長尾 大輔
(72)【発明者】
【氏名】石井 治之
(72)【発明者】
【氏名】村上 槙菜
【審査官】中村 英司
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-098033(JP,A)
【文献】特開平04-114011(JP,A)
【文献】国際公開第2015/020200(WO,A1)
【文献】特開昭50-098990(JP,A)
【文献】特開2004-076169(JP,A)
【文献】特開2002-160443(JP,A)
【文献】特開2013-100493(JP,A)
【文献】国際公開第2005/047417(WO,A1)
【文献】特開2017-051113(JP,A)
【文献】特表2017-509587(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 2/00- 2/60
C08F 12/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳化重合によりポリマー粒子を製造する方法であって、トリメチルステアリルアンモニウム塩、炭素-炭素二重結合を含むモノマー、ならびに2,2’-アゾビス-(2-(1,3-ジメチル-4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-3-イウム-2-イル))プロパン トリフレート(ADIP)およびそのカウンターアニオンを塩化物イオンに交換したADIP-Clからなる群より選択されるカチオン性重合開始剤を含む反応混合物において乳化重合を行う工程を含んでなる、
方法。
【請求項2】
前記炭素-炭素二重結合を含むモノマーが、スチレンである、請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、界面活性剤もしくは乳化剤を用いた乳化重合によるポリマー粒子を合成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な乳化重合法では、疎水性モノマーを水中で界面活性剤もしくは乳化剤と混ぜ、水溶性の重合開始剤を用いて撹拌せしめることにより、粒子懸濁液が合成される。この場合、用いた界面活性剤は粒子の表面などに付着し、粒子表面上に付着した界面活性剤は工業的な精製法では取り除くことができないため、生体刺激などを引き起こす原因になっていた。特に、カチオン性ポリマー粒子を合成する場合には、カチオン性の界面活性剤を用いることが多く、より低濃度でも毒性・刺激性が生じ、問題になりやすかった。
【0003】
一方、乳化重合に用いる界面活性剤に臨界ミセル濃度(CMC)の低い分子を選択することにより、乳化重合に必要な界面活性剤の量を減らすことができることが報告されている(非特許文献1)。臨界ミセル濃度は、界面活性剤の疎水部の炭素鎖を長くすることによって低減することができる。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】Ishii Haruyuki et al., "Environmentally adaptable pathway to emulsion polymerization for monodisperse polymer nanoparticle synthesis," Polymer, 2015, Vol. 77, pp. 64-69.
【発明の概要】
【0005】
本発明者らは、界面活性剤の炭素鎖の鎖長によって細胞毒性が大きく変わらないことを見出した。そして、臨界ミセル濃度の低い界面活性剤を採用することで、毒性の低い粒子が合成できることを見出した。本発明はこの知見に基づくものである。
【0006】
従って、本発明は、乳化重合法において毒性や刺激性の低いポリマー粒子を製造する方法を提供する。
【0007】
そして、本発明は、以下の発明を包含する。
(1)乳化重合によりポリマー粒子を製造する方法であって、重合時の臨界ミセル濃度が1mM以下である界面活性剤、炭素-炭素二重結合を含むモノマー、および重合開始剤を含む反応混合物において乳化重合を行う工程を含んでなる、方法。
(2)前記界面活性剤の重合時の臨界ミセル濃度が0.5mM以下である、前記(1)に記載の方法。
(3)前記界面活性剤がカチオン性界面活性剤である、前記(1)または(2)に記載の方法。
(4)前記界面活性剤がトリメチルステアリルアンモニウム塩である、前記(1)~(3)のいずれかに記載の方法。
(5)前記重合開始剤がカチオン性重合開始剤である、前記(1)~(4)のいずれかに記載の方法。
(6)前記カチオン性重合開始剤が、2,2’-アゾビス-(2-(1,3-ジメチル-4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-3-イウム-2-イル))プロパン トリフレート(ADIP)およびそのカウンターアニオンを塩化物イオンに交換したADIP-Cl、2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(V-50)、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩(VA-044)、および2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン](VA-061)からなる群から選択されるものである、前記(5)に記載の方法。
【0008】
本発明によれば、乳化重合法において、毒性や刺激性の低いポリマー粒子を製造することが可能となる。また、本発明によれば、乳化重合法において、毒性や刺激性の低いポリマー粒子を高収率で製造することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、カチオン性界面活性剤であるC16TABおよびC18TABのヒト細胞への毒性評価を行った結果を示すグラフである。
【発明の具体的説明】
【0010】
本明細書において「臨界ミセル濃度」(以下「CMC」ともいう)とは、界面活性剤(乳化剤)を少しずつ水に溶解した場合に、一つ一つの分子が個々に溶けた状態から、親油基を互いに向け合った球状の会合体(ミセル)を形成するときの濃度を示す。特に、本発明におけるCMCとは、界面活性剤のみからなる溶液でのCMCではなく、重合時を模した環境下で測定したCMCを指し、例えば、重合時の温度下で、重合開始剤を所定濃度添加した状態測定したCMCを意味する。
【0011】
CMCは、当業者であれば適切に測定することができ、例えば、電気伝導法、粘度法、色素法、表面張力法、光散乱法などの公知の方法に従って測定することができる。
【0012】
本発明に用いられる界面活性剤(乳化剤)は、臨界ミセル濃度(CMC)の低いものである。このような界面活性剤(乳化剤)を用いることにより、乳化重合における界面活性剤(乳化剤)の使用量を減らすことができ、また、得られるポリマー粒子の毒性・刺激性を低減することができる。さらに、CMCが高い界面活性剤(乳化剤)を使用する場合と比較して、CMCが低い界面活性剤(乳化剤)を同じ量で使用すると、ポリマー粒子の収率が向上する。本発明に用いられる界面活性剤(乳化剤)の重合時の臨界ミセル濃度(CMC)は1mM以下とされ、好ましくは0.5mM以下とされる。
【0013】
本発明の好ましい実施態様によれば、本発明により製造されるポリマー粒子はカチオン性のポリマー粒子とされる。
【0014】
一般的に、カチオン性ポリマー粒子を合成する際には、重合中に形成するミセルの安定性を高めるために、カチオン性の界面活性剤(乳化剤)を用いることが望ましい。カチオン性界面活性剤としては、例えば、塩化アルキルトリメチルアンモニウム類、臭化アルキルトリメチルアンモニウム類、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウムサッカリン、セチルトリメチルアンモニウムサッカリン、メチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム等が挙げられる。
【0015】
例えば、塩化アルキルトリメチルアンモニウム類、臭化アルキルトリメチルアンモニウム類では、価格の面や水への溶解性の面から、セチルメチルトリメチルアンモニウム塩が使用されることが多いが、本発明において低毒性ポリマー粒子を合成するための界面活性剤としては、より炭素鎖の長いトリメチルステアリルアンモニウム塩が望ましい。具体的には、塩化トリメチルステアリルアンモニウム、臭化トリメチルステアリルアンモニウム等が挙げられる。
【0016】
乳化重合における界面活性剤(乳化剤)の使用量は、CMCの値を参考に決定することができ、例えば、乳化重合の反応混合物中における界面活性剤(乳化剤)の濃度を、CMCの値の近辺またはそれ以上とすることができる。
【0017】
本発明に用いられる重合開始剤は、乳化重合において用いられるものであればよく、特に制限されない。このような重合開始剤は、当業者であれば適切に選択することができる。例えば、乳化重合によってカチオン性のポリマー粒子を得るために、カチオン性重合開始剤を用いることができる。
【0018】
本発明の好ましい実施態様によれば、カチオン性重合開始剤としては、例えば、pHに依存せずに常に安定的なカチオン性を示す2,2’-アゾビス-(2-(1,3-ジメチル-4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-3-イウム-2-イル))プロパン トリフレート(略称ADIP,CAS RN.2088831-30-3)およびそのカウンターアニオンを塩化物イオンに交換したADIP-Cl、ならびに水中環境で酸性から中性領域でプロトン化し、カチオン性を示す2,2’-アゾビス(2-メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(略称V-50,CAS RN.2997-92-4)、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]二塩酸塩(略称VA-044,CAS RN.27776-21-2)、および2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン](略称VA-061、CAS RN.20858-12-2)などが挙げられ、これらの中から1つ以上を選択して用いることができる。
【0019】
本発明において、乳化重合反応の原料となるモノマーとしては、炭素-炭素二重結合を有する化合物であれば、いずれのものも使用することができる。また、その中で、乳化重合反応の効率、経済性、安全性等の観点から適当なものを、当業者であれば適宜選択することができる。
【0020】
本発明の好ましい実施態様によれば、炭素-炭素二重結合を含むモノマーとしてはビニル系化合物モノマーが用いられ、例えば、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アクリル酸類、アクリル酸類のエステル類、メタクリル酸類、メタクリル酸類のエステル類、スチレン類、酢酸ビニルモノマー、およびこれらの組み合わせ等が挙げられる。
【0021】
また、ポリマー粒子をヒトの皮膚や粘膜に適用する場合には、ポリマー粒子は医薬部外品としての使用が認められているポリマーエマルションであることが望ましい。このようなポリマーエマルションには、酢酸ビニル・スチレン共重合体エマルション、ポリ酢酸ビニルエマルション、ポリスチレン樹脂エマルション、ポリアクリル酸ブチルエマルション、ポリアクリル酸エマルション、ポリアクリル酸エチルエマルション、ポリアクリル酸アルキルエマルション、ビニルピロリドン・スチレン共重合体エマルション、スチレン重合体エマルション、スチレン・ブタジエン共重合体エマルション、アクリル酸アルキル共重合体エマルション、アクリル酸アルキル・酢酸ビニル共重合体エマルション、アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル・メタクリル酸ポリオキシエチレンステアリルエーテル(20E.O.)共重合体エマルション、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体エマルション、アクリル酸・アクリル酸2-エチルヘキシル・スチレン共重合体エマルションなどがあり、これらのポリマーエマルションを与えるようにモノマーを選択することができる。
【0022】
本発明における乳化重合反応の条件は、通常の乳化重合反応と同様であり、当業者であれば、用いられる具体的なモノマー、重合開始剤、界面活性剤(乳化剤)等の材料に応じて適宜設定することができる。
【実施例
【0023】
以下に実施例を示すことにより本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0024】
カチオン性重合開始剤である2,2’-アゾビス-(2-(1,3-ジメチル-4,5-ジヒドロ-1H-イミダゾール-3-イウム-2-イル))プロパン トリフレート(ADIP)は、特許文献(国際公開第2017/043484号)に記載の方法に従って合成した。
【0025】
ポリマー粒子重合で用いた装置は、以下のとおりである。反応器には、内径7.5cm、高さ15cmのガラス製の円筒型撹拌槽を用いた。また、系内を均一に保つため、反応器内壁に幅0.7cmのステンレス製の邪魔板を4枚取り付けて撹拌した。撹拌翼には、翼径5cm、傾斜角45度の4枚傾斜羽を用いた。撹拌翼は、羽根の中心が反応器底部から1cmの高さとなるように設置した。また、本装置は、重合停止を誘発する酸素の混入を防止するため、窒素で反応溶液をバブリングできる構造になっている。窒素流通用の流入口は反応器上部に設置した。バブリングおよび窒素フローの際は、モノマーおよび溶媒の蒸発を防止するため、還流冷却器を設置した。
【0026】
生成ポリマーの収率は重量測定法により算出した。合成終了後に採取したサンプル溶液を超純水とエタノールで流しながら100mLのナスフラスコに移した。次に、液体窒素中でナスフラスコを回転させながらサンプル溶液を凍結させた。約16時間、凍結乾燥機(FD-5N型、東京理化器械株式会社製)を用いてサンプル溶液中の水、エタノール、モノマーなどの揮発成分を完全に除去した。その後、残留固形重量から重合開始剤、界面活性剤等の不揮発成分重量を差し引いた値に基づいて生成ポリマー収率を求めた。このポリマー収率は、安定に分散している粒子として得られたポリマーの収率である。
【0027】
実施例1:各界面活性剤のCMC濃度の算出
水/モノマー/水溶性重合開始剤/界面活性剤からなる乳化重合系では、CMCを境に粒子の生成機構が異なると考えられている。CMC未満となる低い界面活性剤濃度では、均一核形成によって粒子が生成する。一方、界面活性剤濃度がCMCを超えると、水相中にミセルが形成され、ミセル内部が主な重合場となる。そのため、界面活性剤濃度が生成粒子に与える影響を検討するに当たり、界面活性剤のCMCを正確に把握することが重要となる。そこで、本研究で用いたカチオン性界面活性剤:臭化セチルメチルトリメチルアンモニウム(C16TAB)、臭化トリメチルステアリルアンモニウム(C18TAB)のCMCを、本系と同じ重合条件([ADIP]=2mM、反応温度70℃)において、電気伝導度法により決定した。CMCの前後では導電率の傾きが変化するため、低界面活性剤濃度側と高界面活性剤濃度側2つの直線の交点からCMCを算出した。具体的には、開始剤と高濃度の界面活性剤混合水溶液をビュレットから滴下し、各界面活性剤濃度における溶液の導電率を測定した。界面活性剤濃度に対して導電率をプロットしたときの変曲点がCMCである。測定装置には電気導電率計(D-54、株式会社堀場製作所製)を用いた。
【0028】
その結果、[ADIP]=2mM、測定温度70℃の条件下におけるCMCは、C16TABで1.3mM、C18TABは0.37mMとなった。
【0029】
実施例2:各界面活性剤を用いた時のカチオン性ポリスチレン粒子の合成収率
30分間窒素バブリングを施した脱イオン水220mLに界面活性剤を所定量溶かし、それを反応器中に投入し、70℃に保った恒温槽に反応器を設置した。反応器に窒素フローを設置した後、モノマー(スチレン)を反応器に投入し、20分間撹拌した。その後、重合開始剤(ADIP)水溶液30mLを反応器に投入することで重合を開始させた。反応溶液中のモノマー濃度は300mM、重合開始剤の濃度は2mMとした。重合は、窒素フロー下、重合温度70℃、撹拌速度360rpmで9時間行った。
【0030】
合成して得られたカチオン性ポリマー粒子の収率を表1に示す。
【表1】
【0031】
C16TAB、C18TABのどちらの場合も、実施例1から求めたCMCを超えたところで収率の上昇が確認できた。特に、80%の収率を一つの指標とした場合に、C16TABでは5mM、C18TABでは0.3mMの界面活性剤濃度が必要で、その必要量の差は10倍以上であった。
【0032】
実施例3:各界面活性剤の細胞毒性
C16TABおよびC18TABのヒト細胞への毒性評価を行った。毒性評価はWST-1アッセイ(TaKaRa Premix WST-1 Cell Proliferation Assay System、タカラバイオ(株)製)による細胞の代謝活性によって評価した。ヒト子宮頸がん由来HeLa細胞を、1×10細胞/ウエルの濃度(100μL培地)で、96wellプレートに播種し、同時に、カチオン性界面活性剤を所定濃度添加した。24時間、5%CO下、37℃で培養した後、Premix WST-1を10μl/ウエルの量で加え、60分間、37℃でインキュベートした。440nmの吸光度を測定し、カチオン性界面活性剤未添加の場合の吸光度を生存率100%としたときの比生存・増殖率(%)を算出した。
【0033】
結果を図1に示した。この比生存・増殖率からわかるように炭素数の長さやCMCの違いにより細胞毒性に違いはなく、同程度の毒性を示すことがわかった。このことから低濃度で高収率に粒子が合成できるC18TABの方が毒性の面からは使いやすいことが示唆された。
【0034】
実施例4:各界面活性剤で合成したカチオン性ポリスチレン粒子の細胞毒性
実施例2において合成したカチオン性ポリスチレン粒子懸濁液を遠心(20000×g、1時間)精製後に、超純水を外液とする透析(MWCO 3500Da,1日)で精製したサンプルを用いて、ヒト細胞への毒性評価を行った。毒性評価は実施例3と同様に行った。カチオン性ポリスチレン粒子懸濁液の添加量は、カチオン性ポリスチレン粒子が200mg/Lとなるように設定した。
【0035】
細胞毒性試験の結果を表2に示す。
【表2】
【0036】
同量の界面活性剤を添加した場合(0.3mM)、C16TABでは収率が著しく低い。一方、C18TABでは収率が高い状態でありながら、C16TABの0.5mM添加時よりも低毒性の粒子が合成できていることがわかった。以上から、C18TABは低濃度で高い収率でポリマー粒子が合成でき、さらに毒性の低い粒子が合成できることがわかった。
図1