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特許7540923処理液供給装置、基板処理装置および処理液供給方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】処理液供給装置、基板処理装置および処理液供給方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/304 20060101AFI20240820BHJP
【FI】
H01L21/304 648F
H01L21/304 648K
H01L21/304 648G
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020155583
(22)【出願日】2020-09-16
(65)【公開番号】P2022049394
(43)【公開日】2022-03-29
【審査請求日】2023-06-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000207551
【氏名又は名称】株式会社SCREENホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110002310
【氏名又は名称】弁理士法人あい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 直子
(72)【発明者】
【氏名】鰍場 真樹
【審査官】庄司 一隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-059884(JP,A)
【文献】特開2007-201330(JP,A)
【文献】特開2007-039845(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に処理液を供給して前記基板を処理する処理ユニットに処理液を供給する処理液供給装置であって、
処理液中の不純物を除去する不純物除去ユニットと、
前記不純物除去ユニットから処理液を排液する排液流路と、
前記不純物除去ユニットから前記処理ユニットに向けて処理液を送る供給流路と
を備え、
前記不純物除去ユニットが、
処理液を貯留する貯留タンクと、
前記貯留タンクに収容されている感温性ゲルフィルタであって、転移温度を境界として、親水性および疎水性のうちの一方から他方に変化する感温性ゲルを有する感温性ゲルフィルタと、
前記貯留タンクから処理液を引き込み、前記貯留タンク内に処理液を戻すことで処理液を循環させる循環流路であって、前記循環する処理液を前記感温性ゲルフィルタに通過させる循環流路と、
前記転移温度以上の温度に前記感温性ゲルフィルタを加熱する加熱ユニットとを含む、処理液供給装置。
【請求項2】
前記感温性ゲルフィルタは、前記感温性ゲルが疎水性であるときには、その内部を通過する処理液の不純物を捕獲し、前記感温性ゲルが親水性であるときには、その内部を通過する処理液に不純物を放出する、請求項1に記載の処理液供給装置。
【請求項3】
前記感温性ゲルは、前記感温性ゲルフィルタの温度が前記転移温度以上になることで親水性から疎水性に変化し、前記感温性ゲルフィルタの温度が前記転移温度よりも低くなることで疎水性から親水性に変化する、請求項1または2に記載の処理液供給装置。
【請求項4】
前記不純物除去ユニットが、前記循環流路によって循環される処理液中の不純物量を測定する不純物量測定ユニットをさらに含み、
前記感温性ゲルが疎水性である状態で前記不純物量測定ユニットによって測定される不純物量が基準不純物量よりも少ない場合には、前記処理液が前記供給流路に送り出され、前記感温性ゲルが疎水性である状態で前記不純物量測定ユニットによって測定される不純物量が基準不純物量以上である場合には、前記感温性ゲルを親水化した後に前記処理液が前記排液流路に送り出される、請求項1~3のいずれか一項に記載の処理液供給装置。
【請求項5】
前記感温性ゲルフィルタが、前記処理液を通過させつつ前記感温性ゲルを保持するフィルタ部材をさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の処理液供給装置。
【請求項6】
前記貯留タンクの内部が、前記感温性ゲルフィルタによって、第1収容部および第2収容部に仕切られており、
前記第1収容部は、前記感温性ゲルフィルタを挟んで前記第2収容部よりも処理液の循環方向の上流側に位置し、
前記第1収容部には、前記排液流路が接続されており、
前記第2収容部には、前記供給流路が接続されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の処理液供給装置。
【請求項7】
前記供給流路が、前記不純物除去ユニットから送出される処理液が流れる上流供給流路と、前記上流供給流路を介して前記不純物除去ユニットから供給される処理液を貯留する供給タンクと、前記供給タンク内の処理液を前記処理ユニットに供給する下流供給流路とを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の処理液供給装置。
【請求項8】
前記循環流路が、前記貯留タンクから処理液が送られる上流循環流路と、前記上流循環流路を介して前記貯留タンクから供給される処理液を貯留する循環タンクと、前記循環タンク内の処理液を前記貯留タンクに戻す下流循環流路とを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の処理液供給装置。
【請求項9】
前記処理ユニットで使用された汚染処理液を前記不純物除去ユニットに戻す帰還流路をさらに備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の処理液供給装置。
【請求項10】
前記処理ユニットで使用されていない新たな処理液を前記不純物除去ユニットに供給する新液流路をさらに備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の処理液供給装置。
【請求項11】
前記不純物除去ユニットが、前記感温性ゲルフィルタを洗浄する洗浄液を前記貯留タンクに供給する洗浄液流路をさらに含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の処理液供給装置。
【請求項12】
前記不純物除去ユニットが、複数設けられており、
各前記不純物除去ユニットが、処理液の送出先を前記供給流路および前記排液流路のいずれかに切り替えるように構成されている、請求項1~11のいずれか一項に記載の処理液供給装置。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の処理液供給装置と、前記処理ユニットとを含む、基板処理装置。
【請求項14】
処理液で基板を処理する処理ユニットに処理液を供給する処理液供給方法であって、
処理液を貯留する貯留タンク内に収容されている感温性ゲルフィルタに含まれる感温性ゲルが疎水性である状態で前記感温性ゲルフィルタに処理液を通過させることによって、前記感温性ゲルフィルタに前記処理液中の不純物を捕獲させて前記処理液中から不純物を除去する不純物除去工程と、
前記不純物除去工程の後、前記処理ユニットに処理液を供給する供給流路へ向けて前記貯留タンクから前記処理液を送り出す供給工程と、
前記供給工程の後、前記感温性ゲルが親水性となっている状態で前記感温性ゲルフィルタに洗浄液を通過させることによって、前記感温性ゲルフィルタから前記洗浄液に不純物を放出させる不純物放出工程と、
前記不純物放出工程の後、排液流路を介して、前記貯留タンクから前記処理液を排除する排液工程とを含む、処理液供給方法。
【請求項15】
前記感温性ゲルフィルタを転移温度以上の温度に加熱することによって、前記感温性ゲルを疎水性に変化させる疎水化工程と、
前記感温性ゲルフィルタを前記転移温度よりも低い温度に冷却することによって、前記感温性ゲルを親水性に変化させる親水化工程とをさらに含む、請求項14に記載の処理液供給方法。
【請求項16】
前記不純物除去工程が、前記貯留タンクから液体を引き込み前記貯留タンク内に液体を戻す循環流路によって処理液を循環させることによって、前記感温性ゲルフィルタに前記処理液を通過させる循環除去工程を含み、
前記不純物放出工程が、前記循環流路によって前記洗浄液を循環させることによって、前記感温性ゲルフィルタに前記洗浄液を通過させる循環洗浄工程を含む、請求項14または15に記載の処理液供給方法。
【請求項17】
前記処理ユニットで使用された汚染処理液を、帰還流路を介して前記貯留タンクに帰還させる帰還工程をさらに含み、
前記循環除去工程が、前記感温性ゲルフィルタに前記汚染処理液中の不純物を捕獲させて前記汚染処理液から不純物を除去する工程を含み、
前記循環洗浄工程が、前記感温性ゲルフィルタから前記汚染処理液に不純物を放出させる工程を含む、請求項16に記載の処理液供給方法。
【請求項18】
前記不純物放出工程が、前記貯留タンクに前記洗浄液を供給して前記感温性ゲルフィルタを前記洗浄液に浸漬させ、前記貯留タンク内の前記洗浄液を前記排液流路から排液して前記貯留タンク内に排液流を形成する浸漬洗浄工程を含む、請求項14または15に記載の処理液供給方法。
【請求項19】
前記貯留タンクとして、第1貯留タンクおよび第2貯留タンクが設けられており、
前記不純物放出工程が、前記第1貯留タンク内に収容されている第1感温性ゲルフィルタに含まれる第1感温性ゲルが親水性である状態で、前記第1感温性ゲルフィルタに洗浄液を通過させることによって、前記第1感温性ゲルフィルタから前記洗浄液に不純物を放出させる工程を含み、
前記不純物除去工程が、前記不純物放出工程が実行されている間に、前記第2貯留タンク内に収容されている第2感温性ゲルフィルタに含まれる第2感温性ゲルが疎水性である状態で前記第2貯留タンク内の処理液を前記第2感温性ゲルフィルタに通過させることによって、前記感温性ゲルフィルタに前記処理液中の不純物を捕獲させて前記処理液中から不純物を除去する工程を含む、請求項14~18のいずれか一項に記載の処理液供給方法。
【請求項20】
処理液で基板を処理する処理ユニットに処理液を供給する処理液供給方法であって、
転移温度を境界として、親水性および疎水性のうちの一方から他方に変化する感温性ゲルを有する感温性ゲルフィルタを収容する貯留タンク内の処理液を循環させて、前記感温性ゲルフィルタに処理液を通過させる循環工程と、
前記感温性ゲルが疎水性となる温度に前記感温性ゲルフィルタの温度を調節する温度調節工程と、
前記感温性ゲルが疎水性となる温度に前記感温性ゲルフィルタの温度が調節されている状態で、前記感温性ゲルフィルタを通過する処理液の不純物量が所定の基準不純物量よりも少ないか否かを判定する不純物量判定工程とを含み、
前記不純物量判定工程によって測定される不純物量が、前記基準不純物量よりも少ない場合には、前記処理ユニットに向けて処理液を送る供給流路に処理液を送出する供給工程が実行され、前記不純物量判定工程によって測定される不純物量が、前記基準不純物量以上である場合には、前記感温性ゲルが親水性となる温度に前記感温性ゲルフィルタの温度を調節した後、前記処理液を排液する排液流路に処理液を送出する排液工程が実行されるように、前記供給工程および前記排液工程が選択的に実行される、処理液供給方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板に処理液を供給する装置、処理液で基板を処理する装置、および、基板に処理液を供給する方法に関する。処理の対象となる基板には、たとえば、半導体ウエハ、液晶表示装置および有機EL(Electroluminescence)表示装置等のFPD(Flat Panel Display)用基板、光ディスク用基板、磁気ディスク用基板、光磁気ディスク用基板、フォトマスク用基板、セラミック基板、太陽電池用基板等が含まれる。
【背景技術】
【0002】
処理液によって基板の表面を処理する手法が知られている。基板上には緻密な回路パターンが形成されている。そのため、基板への不純物の付着を抑制するために、処理液を送液する配管には、処理液中の不純物を除去するフィルタが設けられている(下記特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-36639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているフィルタは、そのポア径よりも大きい不純物を捕獲するように構成されている。そのため、使用時間の経過とともにフィルタが目詰まりを起こして不純物除去効率が低下するので、定期的に交換する必要がある。
そこで、この発明の1つの目的は、フィルタの不純物除去効率が低下した場合に、フィルタを交換することなく不純物除去効率を回復させることができる処理液供給装置、基板処理装置および処理液供給方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明の一実施形態は、基板に処理液を供給して前記基板を処理する処理ユニットに処理液を供給する処理液供給装置を提供する。この処理液供給装置は、処理液中の不純物を除去する不純物除去ユニットと、前記不純物除去ユニットから処理液を排液する排液流路と、前記不純物除去ユニットから前記処理ユニットに向けて処理液を送る供給流路とを備える。
【0006】
そして、前記不純物除去ユニットが、処理液を貯留する貯留タンクと、前記貯留タンクに収容されている感温性ゲルフィルタであって、転移温度を境界として、親水性および疎水性のうちの一方から他方に変化する感温性ゲルを有する感温性ゲルフィルタと、前記貯留タンクから処理液を引き込み、前記貯留タンク内に処理液を戻すことで処理液を循環させる循環流路であって、前記循環する処理液を前記感温性ゲルフィルタに通過させる循環流路と、前記転移温度以上の温度に前記感温性ゲルフィルタを加熱する加熱ユニットとを含む。
【0007】
この装置によれば、感温性ゲルを有する感温性ゲルフィルタが貯留タンクに収容されている。感温性ゲルは、転移温度を境界として、親水性および疎水性の一方から他方に変化する性質を有する。
処理液中に存在する不純物は、主に、金属や有機物等の疎水性物質である。そのため、感温性ゲルが疎水性であるときには、感温性ゲルと不純物との間の疎水性相互作用によって感温性ゲルが不純物を捕獲する。一方、感温性ゲルが親水性であるときには、感温性ゲルと不純物との間の疎水性相互作用が充分に作用せず、感温性ゲルから不純物が放出される。そのため、感温性ゲルフィルタは、加熱ユニットで転移温度以上の温度に加熱されることによって、処理液中の不純物を捕獲可能な状態と、処理液中に不純物を放出可能な状態とのいずれかに切り替えられる。
【0008】
そこで、感温性ゲルが疎水性であるときに循環流路によって処理液を循環させて感温性ゲルフィルタに通過させることによって、貯留タンクおよび循環流路を流れる処理液中の不純物を感温性ゲルフィルタに捕獲させて処理液中から不純物を除去できる。そして、不純物が充分に除去された処理液を、供給流路を介して処理ユニットに供給できる。
不純物を捕獲することによって感温性ゲルフィルタの不純物除去効率が低下した場合には、感温性ゲルを親水性に変化させた状態で処理液を感温性ゲルフィルタに通過させれば、感温性ゲルフィルタから不純物を解放させ、不純物を処理液中に放出できる。これにより、感温性ゲルフィルタの不純物除去効率を回復させることができる。そして、不純物を多量に含んだ処理液を、排液流路を介して貯留タンクから排除することで、不純物除去ユニットを再び利用可能な状態に戻すことができる。
【0009】
以上のように、感温性ゲルフィルタの不純物除去効率が低下した場合であっても、感温性ゲルフィルタを交換することなく不純物除去効率を回復させることができる。
感温性ゲルは、下限臨界溶液温度(LCST: Lower Critical Solution Temperature)以上の温度になると疎水性を示すLCST型感温性ゲルであってもよい。LCSTは、LCST型感温性ゲルの転移温度に相当する。
【0010】
また、感温性ゲルは、上限臨界溶液温度(UCST: Upper Critical Solution Temperature)よりも低い温度になると疎水性を示すUCST型感温性ゲルであってもよい。UCSTは、UCST型感温性ゲルの転移温度に相当する。
感温性ゲルがLCST型感温性ゲルである場合、加熱によって親水性から疎水性へ感温性ゲルの状態を速やかに変化させることができる。そのため、感温性ゲルフィルタによる不純物の捕獲を速やかに開始することができる。ひいては、不純物が除去された処理液の供給流路への供給を速やかに開始できる。
【0011】
温度調節によって、親水性から疎水性へ感温性ゲルを変化させることを、感温性ゲルを疎水化すると表現する。同様に、温度調節によって、疎水性から親水性へ感温性ゲルを変化させることを、感温性ゲルを親水化すると表現する。
この発明の一実施形態では、前記不純物除去ユニットが、前記循環流路によって循環される処理液中の不純物量を測定する不純物量測定ユニットをさらに含む。そして、前記感温性ゲルが疎水性である状態で前記不純物量測定ユニットによって測定される不純物量が基準不純物量よりも少ない場合には、前記処理液が前記供給流路に送り出され、前記感温性ゲルが疎水性である状態で前記不純物量測定ユニットによって測定される不純物量が基準不純物量以上である場合には、前記感温性ゲルを親水化した後に前記処理液が前記排液流路に送り出される。
【0012】
この構成によれば、処理液の送出先が、不純物量測定ユニットによって測定される不純物量に基づいて切り替えられる。したがって、処理液の送出先を、感温性ゲルの不純物除去効率に基づいて、適切に切り替えることができる。
この発明の一実施形態では、前記感温性ゲルフィルタが、前記処理液を通過させつつ前記感温性ゲルを保持するフィルタ部材をさらに含む。そのため、親水性の感温性ゲルが吸液して膨潤した場合であっても、感温性ゲルを感温性ゲルフィルタの外部に流出させることなく貯留タンク内の所定の位置に維持できる。
【0013】
この発明の一実施形態では、前記貯留タンクの内部が、前記感温性ゲルフィルタによって、第1収容部および第2収容部に仕切られている。前記第1収容部は、前記感温性ゲルフィルタを挟んで前記第2収容部よりも処理液の循環方向の上流側に位置する。そして、前記第1収容部には、前記排液流路が接続されており、前記第2収容部には、前記供給流路が接続されている。
【0014】
そのため、感温性ゲルフィルタよりも循環方向の上流側の不純物が比較的多い処理液を排液流路に送ることができる。一方、感温性ゲルフィルタよりも循環方向の下流側の不純物が比較的少ない処理液を供給流路に送ることができる。
この発明の一実施形態では、前記供給流路が、前記不純物除去ユニットから送出される処理液が流れる上流供給流路と、前記上流供給流路を介して前記不純物除去ユニットから供給される処理液を貯留する供給タンクと、前記供給タンク内の処理液を前記処理ユニットに供給する下流供給流路とを含む。
【0015】
この構成によれば、不純物が充分に除去された処理液が、不純物除去ユニットから送出され、供給タンクに貯留される。そのため、感温性ゲルフィルタの不純物除去効率を回復させるために不純物除去ユニットから供給流路への処理液の送出が一時的に停止されている場合であっても、供給タンク内の処理液を処理ユニットに供給できる。したがって、感温性ゲルフィルタの不純物除去効率を回復させつつ、処理ユニットに処理液を安定して供給できる。
【0016】
この発明の一実施形態では、前記循環流路が、前記貯留タンクから処理液が送られる上流循環流路と、前記上流循環流路を介して前記貯留タンクから供給される処理液を貯留する循環タンクと、前記循環タンク内の処理液を前記貯留タンクに戻す下流循環流路とを含む。
この構成によれば、循環流路の一部である循環タンク内に処理液を貯留することができる。そのため、循環流路および貯留タンクを循環する処理液の量を増大させることができる。
【0017】
この発明の一実施形態では、前記基板処理装置が、前記処理ユニットから排出される汚染処理液を前記不純物除去ユニットに戻す帰還流路をさらに備える。そのため、処理ユニットから排出される汚染処理液を再利用することで、基板処理に要するコストおよび環境負荷を低減できる。
その一方で、処理ユニットから排出される汚染処理液中には不純物が多量に存在している。そのため、汚染処理液を不純物除去ユニットに戻した場合、感温性ゲルフィルタの不純物除去効率が低下しやすい。しかしながら、感温性ゲルフィルタを含む不純物除去ユニットを用いれば、汚染処理液からの不純物の除去によって不純物除去効率が低下した場合であっても、温度調節によって容易に不純物を放出できる。そのため、感温性ゲルフィルタを交換することなく汚染処理液から不純物を除去できる。
【0018】
この発明の一実施形態では、前記基板処理装置が、前記処理ユニットで使用されていない新処理液を前記循環タンクに供給する新液流路をさらに備える。
処理ユニットで使用されていない新処理液中の不純物量は、処理ユニットで使用された汚染処理液と比較して非常に少ない。しかしながら、感温性ゲルフィルタを含む不純物除去ユニットを用いて不純物量を新処理液中から一層低減すれば、清浄度が一層高い処理液を処理ユニットに供給できる。
【0019】
この発明の一実施形態では、前記不純物除去ユニットが、前記感温性ゲルフィルタを洗浄する洗浄液を前記貯留タンクに供給する洗浄液流路をさらに含む。そのため、感温性ゲルフィルタの不純物除去効率が低下した場合には、貯留タンク内に洗浄液を供給して感温性ゲルフィルタを速やかに洗浄できる。
この発明の一実施形態では、前記不純物除去ユニットが、複数設けられている。そして、各前記不純物除去ユニットが、処理液の送出先を前記供給流路および前記排液流路のいずれかに切り替えるように構成されている。そのため、不純物除去ユニットの感温性ゲルフィルタの不純物除去効率が低下した場合であっても、その不純物除去ユニットの感温性ゲルフィルタの感温性ゲルから不純物を放出させて不純物除去効率を回復させつつ、別の不純物除去ユニットを用いて処理液から不純物を充分に除去し、その処理液を供給流路に送出できる。
【0020】
この発明の一実施形態では、前記処理液供給装置と前記処理ユニットとを含む、基板処理装置が提供される。この基板処理装置によれば、上述の効果を奏する。
この発明の他の実施形態は、処理液で基板を処理する処理ユニットに処理液を供給する処理液供給方法を提供する。この処理液供給方法は、処理液を貯留する貯留タンク内に収容されている感温性ゲルフィルタに含まれる感温性ゲルが疎水性となっている状態で前記感温性ゲルフィルタに処理液を通過させることによって、前記感温性ゲルフィルタに前記処理液中の不純物を捕獲させて前記処理液中から不純物を除去する不純物除去工程と、前記不純物除去工程の後、前記処理ユニットに処理液を供給する供給流路へ向けて前記貯留タンクから前記処理液を送り出す供給工程と、前記供給工程の後、前記感温性ゲルが親水性である状態で前記感温性ゲルフィルタに洗浄液を通過させることによって、前記感温性ゲルフィルタから前記洗浄液に不純物を放出させる不純物放出工程と、前記不純物放出工程の後、排液流路を介して、前記貯留タンクから前記処理液を排除する排液工程とを含む。
【0021】
この方法によれば、感温性ゲルが疎水性であるときに処理液を感温性ゲルフィルタに通過させることによって、処理液中の不純物を感温性ゲルフィルタに捕獲させて処理液中から不純物を除去できる。そして、不純物が充分に除去された処理液を、供給流路を介して処理ユニットに供給できる。
不純物を捕獲することによって感温性ゲルフィルタの不純物除去効率が低下した場合には、感温性ゲルを親水化した状態で貯留タンク内の処理液を感温性ゲルフィルタに通過させることで、感温性ゲルフィルタによって捕獲されていた不純物を処理液中に放出できる。これにより、感温性ゲルフィルタの不純物除去効率を回復させることができる。そして、排液流路を介して、処理液とともに多量の不純物を貯留タンクから排除することで、不純物除去ユニットを再び利用可能な状態に戻すことができる。
【0022】
以上のように、感温性ゲルフィルタの不純物除去効率が低下した場合であっても、感温性ゲルフィルタを交換することなく不純物除去効率を回復させることができる。
この発明の他の実施形態によれば、前記処理液供給方法が、前記感温性ゲルフィルタを転移温度以上の温度に加熱することによって、前記感温性ゲルを疎水性に変化させる疎水化工程と、前記感温性ゲルフィルタを前記転移温度よりも低い温度に冷却することによって、前記感温性ゲルの状態を親水性に変化させる親水化工程とをさらに含む。
【0023】
この方法によれば、加熱によって感温性ゲルが疎水化し、冷却によって感温性ゲルが親水化する。すなわち、感温性ゲルが、LCST型感温性ゲルである。
この場合、たとえばヒータによる加熱によって感温性ゲルを速やかに疎水化させることができる。そのため、感温性ゲルフィルタによる不純物の捕獲を速やかに開始できる。ひいては、不純物が除去された処理液の供給流路への供給を速やかに開始できる。
【0024】
この発明の他の実施形態によれば、前記不純物除去工程が、前記貯留タンクから液体を引き込み前記貯留タンク内に液体を戻す循環流路によって処理液を循環させることによって、前記感温性ゲルフィルタに前記処理液を通過させる循環除去工程を含む。そして、前記不純物放出工程が、前記循環流路によって前記洗浄液を循環させることによって、前記感温性ゲルフィルタに前記洗浄液を通過させる循環洗浄工程を含む。
【0025】
この方法によれば、循環流路によって処理液を循環させて感温性ゲルフィルタに処理液を通過させることによって処理液から不純物が除去され、循環流路によって洗浄液を循環させて感温性ゲルフィルタに洗浄液を通過させることによって感温性ゲルフィルタから不純物が放出される。液体の循環によって処理液および洗浄液を感温性ゲルフィルタに効率良く通過させることができる。これにより、処理液から不純物の除去、および、不純物除去効率の回復が速やかに行われる。
【0026】
この発明の他の実施形態によれば、前記処理液供給方法が、前記処理ユニットで使用された汚染処理液を、帰還流路を介して前記貯留タンクに帰還させる帰還工程をさらに含む。そして、前記循環除去工程において前記循環流路によって循環される前記処理液が、前記汚染処理液であり、前記循環洗浄工程において前記循環流路によって循環される前記洗浄液が、前記汚染処理液である。
【0027】
この方法によれば、処理ユニットから排出される汚染処理液が貯留タンクに帰還する。すなわち、汚染処理液が再利用される。これにより、基板処理に要するコストおよび環境負荷を低減できる。
その一方で、汚染処理液中には不純物が多量に存在している。そのため、汚染処理液を不純物除去ユニットに戻した場合、感温性ゲルフィルタの不純物除去効率が低下しやすい。しかしながら、感温性ゲルフィルタを用いれば、汚染処理液からの不純物の除去によって不純物除去効率が低下した場合であっても、温度調節によって容易に不純物を放出できる。そのため、感温性ゲルフィルタを交換することなく汚染処理液から不純物を除去できる。
【0028】
さらに、感温性ゲルフィルタに不純物を捕獲させるための処理液、および、感温性ゲルフィルタから不純物を放出させるための洗浄液として、汚染処理液が用いられる。そのため、感温性ゲルフィルタの不純物除去効率が低下した際には、循環流路によって循環される液体の液種を変更する必要がないため、不純物除去効率の回復に速やかに開始できる。したがって、汚染処理液とは別の種類の洗浄液を感温性ゲルフィルタに通過させる構成と比較して、不純物を感温性ゲルフィルタから速やかに放出させることができる。
【0029】
この発明の他の実施形態によれば、前記不純物放出工程が、前記貯留タンクに前記洗浄液を供給して前記感温性ゲルフィルタを前記洗浄液に浸漬させ、前記貯留タンク内の前記洗浄液を前記排液流路から排液して前記貯留タンク内に排液流を形成する浸漬洗浄工程を含む。
この構成によれば、貯留タンク内に供給された洗浄液に感温性ゲルフィルタが浸漬される。これにより、洗浄液中に感温性ゲルから不純物が放出される。その後、貯留タンク内の洗浄液を排液流路から排液することによって貯留タンク内に排液流が形成される。洗浄液中に放出された不純物が、この排液流によって洗浄液とともに貯留タンク内から除去される。これにより、感温性ゲルフィルタの不純物除去効率を回復させることができる。
【0030】
この発明の他の実施形態によれば、前記貯留タンクとして、第1貯留タンクおよび第2貯留タンクが設けられている。前記不純物放出工程が、前記第1貯留タンク内に収容されている第1感温性ゲルフィルタに含まれる第1感温性ゲルが親水性である状態で、前記第1感温性ゲルフィルタに洗浄液を通過させることによって、前記第1感温性ゲルフィルタから前記洗浄液に不純物を放出させる工程を含む。そして、前記不純物除去工程は、前記不純物放出工程が実行されている間に、前記第2貯留タンク内に収容されている第2感温性ゲルフィルタに含まれる前記第2感温性ゲルが疎水性である状態で前記第2貯留タンク内の処理液を前記第2感温性ゲルフィルタに通過させることによって、前記感温性ゲルフィルタに前記処理液中の不純物を捕獲させて前記処理液中から不純物を除去する工程を含む。
【0031】
この方法によれば、第1貯留タンク内に収容されている第1感温性ゲルフィルタから洗浄液に不純物を放出させている間に、別の貯留タンク(第2貯留タンク)に収容されている第2感温性ゲルフィルタによって、処理液から不純物を充分に除去できる。
そのため、一方の感温性ゲルフィルタの不純物除去効率が低下した場合にであっても、その感温性ゲルフィルタの感温性ゲルから不純物を放出させて不純物除去効率を回復させつつ、別の感温性ゲルフィルタを用いて処理液から不純物を充分に除去し、その処理液を供給流路に送出できる。
【0032】
したがって、貯留タンク内の感温性ゲルフィルタの不純物除去効率を回復させつつ、別の貯留タンク内の感温性ゲルフィルタを用いて処理ユニットに処理液を安定して供給できる。
この発明のさらに他の実施形態は、処理液で基板を処理する処理ユニットに処理液を供給する処理液供給方法を提供する。この処理液供給方法は、転移温度を境界として、親水性および疎水性のうちの一方から他方に変化する感温性ゲルを有する感温性ゲルフィルタを収容する貯留タンク内の処理液を循環させて、前記感温性ゲルフィルタに処理液を通過させる循環工程と、前記感温性ゲルが疎水性となる温度に前記感温性ゲルフィルタの温度を調節する温度調節工程と、前記感温性ゲルが疎水性となる温度に前記感温性ゲルフィルタの温度が調節されている状態で、前記感温性ゲルフィルタを通過する処理液の不純物量が所定の基準不純物量よりも少ないか否かを判定する不純物量判定工程とを含む。さらに、前記不純物量判定工程によって測定される不純物量が、前記基準不純物量よりも少ない場合には、前記処理ユニットに向けて処理液を送る供給流路に処理液を送出する供給工程が実行され、前記不純物量判定工程によって測定される不純物量が、前記基準不純物量以上である場合には、前記感温性ゲルが親水性となる温度に前記感温性ゲルフィルタの温度を調節した後、前記処理液を排液する排液流路に処理液を送出する排液工程が実行されるように、前記供給工程および前記排液工程が選択的に実行される。
【0033】
この処理液供給方法によれば、上述の処理液供給方法と同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1図1は、この発明の第1実施形態に係る基板処理装置の構成例を示す模式図である。
図2図2は、前記基板処理装置の主要部の電気的構成例を示すブロック図である。
図3図3は、前記基板処理装置に備えられる不純物除去ユニットの動作例を説明するためのフローチャートである。
図4A図4Aは、前記基板処理装置に備えられる不純物除去ユニットの動作例を説明するための模式図である。
図4B図4Bは、前記不純物除去ユニットの動作例を説明するための模式図である。
図4C図4Cは、前記不純物除去ユニットの動作例を説明するための模式図である。
図4D図4Dは、前記不純物除去ユニットの動作例を説明するための模式図である。
図4E図4Eは、前記不純物除去ユニットの動作例を説明するための模式図である。
図5図5は、この発明の第2実施形態に係る基板処理装置の構成例を示す模式図である。
図6A図6Aは、第2実施形態に係る基板処理装置に備えられる不純物除去ユニットの動作例を説明するための模式図である。
図6B図6Bは、第2実施形態に係る不純物除去ユニットの動作例を説明するための模式図である。
図6C図6Cは、第2実施形態に係る不純物除去ユニットの動作例を説明するための模式図である。
図6D図6Dは、第2実施形態に係る不純物除去ユニットの動作例を説明するための模式図である。
図7図7は、この発明の第3実施形態に係る基板処理装置の構成例を示す模式図である。
図8A図8Aは、第3実施形態に係る基板処理装置に備えられる不純物除去ユニットの動作例を説明するための模式図である。
図8B図8Bは、第3実施形態に係る不純物除去ユニットの動作例を説明するための模式図である。
図9図9は、この発明の第4実施形態に係る基板処理装置の構成例を示す模式図である。
図10A図10Aは、第4実施形態に係る基板処理装置に備えられる不純物除去ユニットの動作例を説明するための模式図である。
図10B図10Bは、第4実施形態に係る不純物除去ユニットの動作例を説明するための模式図である。
図10C図10Cは、第4実施形態に係る不純物除去ユニットの動作例を説明するための模式図である。
図10D図10Dは、第4実施形態に係る不純物除去ユニットの動作例を説明するための模式図である。
図10E図10Eは、第4実施形態に係る不純物除去ユニットの動作例を説明するための模式図である。
図11図11は、前記不純物除去ユニットに備えられる貯留タンクの変形例について説明するための模式図である。
図12図12は、第1実施形態に係る不純物除去ユニットと第4実施形態に係る不純物除去ユニットとを組み合わせた場合の基板処理装置の構成例を示す模式図である。
図13図13は、第1実施形態に係る不純物除去ユニットに備えられる感温性ゲルがUCST型感温性ゲルである場合の、不純物除去ユニットの動作例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る基板処理装置1の構成例を示す模式図である。基板処理装置1は、半導体ウエハなどの円板状の基板Wを一枚ずつ処理する枚葉式の装置である。基板処理装置1は、処理液で基板Wを処理する処理ユニット2と、処理ユニット2に基板Wを搬送する搬送ロボット(図示せず)と、処理ユニット2に処理液を供給する処理液供給装置3と、基板処理装置1を制御するコントローラ4(図2を参照)とを含む。
【0036】
処理ユニット2内で基板Wに対して供給される処理液には、薬液やリンス液等が含まれる。薬液は、たとえば、フッ酸(フッ化水素水:HF)である。薬液は、フッ酸に限られず、硫酸、酢酸、硝酸、塩酸、フッ酸、バッファードフッ酸(BHF)、希フッ酸(DHF)、アンモニア水、過酸化水素水、界面活性剤、腐食防止剤のうちの少なくとも1つを含む液であってもよい。これらを混合した薬液の例としては、SPM(硫酸過酸化水素水混合液)、SC1(アンモニア過酸化水素水混合液:APM)、SC2(塩酸過酸化水素水混合液:HPM)等が挙げられる。
【0037】
リンス液とは、たとえば、脱イオン水(Deionized Water: DIW)である。リンス液は、DIWに限られず、炭酸水、電解イオン水、オゾン水、希釈濃度(たとえば、10ppm以上100ppm以下)の塩酸水、アンモニア水、還元水(水素水)、親水性の有機溶剤のうちの少なくとも1つを含む液であってもよい。
親水性の有機溶剤は、たとえば、IPA(イソプロピルアルコール)、メタノール、エタノール、およびアセトンのうちの少なくとも1つを含む液であってもよい。
【0038】
処理ユニット2は、スピンチャック10と、処理液ノズル11と、カップ12と、処理チャンバ13とを含む。スピンチャック10は、一枚の基板Wを水平な姿勢で保持しながら基板Wの中央部を通る鉛直な回転軸線A1まわりに基板Wを回転させる。処理液ノズル11は、基板Wの上面に処理液を供給する。カップ12は、スピンチャック10を取り囲み、基板Wから飛散する処理液を受ける。処理チャンバ13は、スピンチャック10、処理液ノズル11およびカップ12を収容する。処理ユニット2内で使用された処理液を汚染処理液という。したがって、カップ12の底部から排出される処理液は、汚染処理液である。
【0039】
スピンチャック10は、複数のチャックピン15と、スピンベース16と、回転軸17と、スピンモータ18とを含む。複数のチャックピン15は、スピンベース16の上面に周方向に間隔を空けて配置されている。複数のチャックピン15は、基板Wがスピンベース16と一体回転可能なように、基板Wを把持する。回転軸17は、回転軸線A1に沿って鉛直方向に延びている。回転軸17の上端は、スピンベース16の下面中央に結合されている。スピンモータ18は、回転軸17に回転力を与えることによって、スピンベース16および基板Wを回転させる。
【0040】
処理液供給装置3は、処理液中の不純物を除去する不純物除去ユニット20と、不純物除去ユニット20から処理液を排液する排液配管21と、汚染処理液を処理ユニット2から不純物除去ユニット20に戻す帰還配管22と、不純物除去ユニット20から処理ユニット2に向けて処理液を送る供給ユニット19とを備えている。
供給ユニット19は、不純物除去ユニット20から送出される処理液が流れる上流供給配管23と、上流供給配管23を介して不純物除去ユニット20から供給される処理液を貯留する供給タンク24と、供給タンク24内の処理液を処理ユニット2に供給する下流供給配管25と、下流供給配管25から供給タンク24へ処理液を戻す供給側戻り配管26とをさらに備えている。上流供給配管23内の流路と、供給タンク24の内部空間と、下流供給配管25内の流路とによって、供給流路が構成されている。
【0041】
不純物除去ユニット20は、処理液を貯留する貯留タンク30と、貯留タンク30に収容されている感温性ゲルフィルタ31と、貯留タンク30内の処理液を循環させる循環配管32とを含む。
循環配管32は、その内部に貯留タンク30内の処理液を引き込み、循環配管32内に引き込んだ処理液をその一端から他端まで移動させ、貯留タンク30内に戻すことによって、処理液を循環させる。これにより、循環配管32および貯留タンク30を循環する処理液が感温性ゲルフィルタ31内を通過する。循環配管32は、その内部に循環流路を形成する配管である。
【0042】
貯留タンク30は、処理液を貯留する内部空間33を有する。貯留タンク30の内部空間33は、感温性ゲルフィルタ31によって、第1収容部33aと第2収容部33bとに仕切られている。第1収容部33aは、感温性ゲルフィルタ31を挟んで第2収容部33bよりも処理液の循環方向Cの上流側に位置する。循環配管32の上流端は、第2収容部33bに接続されており、循環配管32の下流端は、第1収容部33aに接続されている。
【0043】
この実施形態では、感温性ゲルフィルタ31は、第2収容部33bが第1収容部33aよりも上方に位置するように貯留タンク30の内部空間33を仕切っている。そのため、循環配管32が処理液を循環させている間、循環配管32の上流端が処理液の液面よりも下方に位置するように、循環配管32は、貯留タンク30の内部にまで延びている。
貯留タンク30内には、貯留タンク30内の処理液の液面の高さを検知する液面センサ34が設けられている。液面センサ34は、非接触式のレベルセンサが好ましく、たとえば、超音波式のレベルセンサであってもよい。
【0044】
不純物除去ユニット20は、循環ポンプ40、上流循環バルブ41、不純物量測定ユニット42、中間循環バルブ43、下流循環バルブ44、循環ヒータ45、および、循環温度計46を含む。循環ポンプ40、上流循環バルブ41、不純物量測定ユニット42、中間循環バルブ43、下流循環バルブ44、循環ヒータ45、および、循環温度計46は、循環配管32の上流端側から下流端側に向かって、この順番で介装されている。
【0045】
循環ポンプ40は、貯留タンク30内の処理液を循環配管32に送り出す。上流循環バルブ41、中間循環バルブ43および下流循環バルブ44は、循環配管32内の循環流路を開閉する。
不純物量測定ユニット42は、たとえば、液中パーティクル測定器および金属濃度測定器の少なくとも一方を含む機器である。液中パーティクル測定器は、サンプルに光を照射して、パーティクルからの光の散乱の強さを測り、そのパーティクルの大きさに比例した光強度を電気信号として取り出すことでパーティクル径およびパーティクル数を測定する機器である。
【0046】
金属濃度測定器は、イオン選択性電極法(ISE: Ion Selective Electrode)を用いた電気化学的測定手法によって、液中の特定イオン濃度を測定する機器である。
循環温度計46は、循環配管32内の処理液の温度を検出する循環温度検出ユニットの一例である。
循環ヒータ45は、循環配管32内の処理液を加熱する。循環ヒータ45は、加熱ユニットの一例である。循環配管32内の流路において循環ヒータ45によって加熱される循環加熱部分32aは、下流循環バルブ44よりも下流側で、かつ、循環温度計46よりも上流側に設定される。
【0047】
循環ヒータ45は、下流循環バルブ44よりも下流側で、かつ、循環温度計46よりも上流側の循環加熱部分32aを加熱する構成であれば、循環配管32に介装されている構成でなくてもよく、循環配管32を外部から加熱する構成であってもよい。
感温性ゲルフィルタ31は、転移温度を境界として、親水性および疎水性の一方から他方に変化する性質を有する感温性ゲル50と、処理液を通過させつつ感温性ゲル50を保持するフィルタ部材51とを含む。この実施形態では、フィルタ部材51は、循環方向Cの両側から感温性ゲル50を挟む一対のシート状フィルタ52を含む。
【0048】
感温性ゲル50は、転移温度を境界として、親疎水転移する高分子の共重合体である。親疎水転移とは、親水性および疎水性の一方から他方に変化する性質のことである。
処理液中に存在する不純物は、主に、金属や有機物等の疎水性物質である。そのため、感温性ゲル50が疎水性であるときには、疎水性相互作用によって感温性ゲル50が処理液中の不純物を捕獲(吸着)する。一方、感温性ゲル50が親水性であるときには、疎水性相互作用が弱いため、感温性ゲル50は、処理液中に不純物を放出する。感温性ゲル50は、温度変化によって、疎水性および親水性の一方から他方に可逆的に変化する。感温性ゲル50は、親水条件下では吸水して膨潤し、疎水条件下では脱水して収縮(凝集)する体積相転移を発現する。
【0049】
感温性ゲル50は、転移温度以上の温度で疎水性を示し、転移温度よりも低い温度で親水性を示すLCST型感温性ゲルと、転移温度よりも低い温度で疎水性を示し、転移温度以上の温度で親水性を示すUCST型感温性ゲルとに分類される。LCST型感温性ゲルは、転移温度以上の温度で疎水性を示し、転移温度よりも低い温度で親水性を示す。UCST型感温性ゲルは、転移温度以下の温度で疎水性を示し、転移温度よりも高い温度で親水性を示す。
【0050】
LCST型感温性ゲルは、たとえば、ポリ(N-アルキルアクリルアミド)、ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(N-ビニルアルキルアミド)、ポリビニルアルキルエーテル、メチルセルロースのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。
UCST型感温性ゲルは、ポリ(アクリルアミド-CO-アクリロニトリル)、ポリ(アリルアミン-CO-アリルウレア)、スルフォベタインポリマーのうちの少なくとも1つを含んでいてもよい。
【0051】
この実施形態では、感温性ゲルがLCST型感温性ゲルである例について説明する。LCST型感温性ゲルの転移温度(LCST)は、常温(5℃以上25℃以下の温度)よりも高く、たとえば、30℃以上で、かつ、50℃以下である。そのため、感温性ゲル50を親水性から疎水性への変化は、ヒータによる加熱が必要であるが、感温性ゲル50を疎水性から親水性への変化は、自然冷却によって達成できる。自然冷却とは、クーラ等の冷却ユニットを用いずに、感温性ゲルフィルタ31および処理液の放熱によって、感温性ゲルフィルタ31および処理液が冷却されることをいう。
【0052】
帰還配管22は、その内部に帰還流路を形成する配管である。帰還配管22の上流端は、たとえば、カップ12に接続されている。帰還配管22の下流端は、たとえば、循環配管32に分岐接続されている。循環配管32において帰還配管22が分岐する位置は、中間循環バルブ43よりも下流側で、かつ、下流循環バルブ44よりも上流側に位置する。
この実施形態では、帰還配管22が貯留タンク30に直接接続されているのではなく、帰還配管22は、循環配管32に分岐接続されている。そのため、処理液が、帰還配管22から貯留タンク30に直接送られるのではなく、循環配管32を介して貯留タンク30に送られる。この実施形態とは異なり、帰還配管22は、貯留タンク30の第1収容部33aに直接接続されていてもよい。
【0053】
処理液供給装置3は、帰還配管22に介装され、帰還配管22内の流路を開閉する帰還バルブ60を備えている。
排液配管21は、その内部に排液流路を形成する配管である。排液配管21の上流端は、貯留タンク30の第1収容部33aに接続されている。処理液供給装置3は、排液配管21に介装され、排液配管21内の流路を開閉する排液バルブ70をさらに備えている。なお、この実施形態とは異なり、処理液供給装置3は、第2収容部33bに接続される排液配管(図示せず)をさらに備えていてもよく、用途に応じて、当該排液配管と排液配管21とが使い分けられてもよい。
【0054】
上流供給配管23は、その内部に上流供給流路を形成する配管である。上流供給配管23の上流端は、たとえば、循環配管32に分岐接続されている。上流供給配管23の上流端は、循環ポンプ40よりも下流側で、かつ、上流循環バルブ41よりも上流側において循環配管32に接続されていることが好ましい。
この実施形態のように、上流供給配管23の分岐接続位置が循環ポンプ40よりも下流側に位置する構成であれば、上流供給配管23に処理液を送り出すポンプを省略できる。上流供給配管23の下流端は、供給タンク24に接続されている。上流供給配管23は、この実施形態では、循環配管32に接続されているが、この実施形態とは異なり、貯留タンク30の第1収容部33aに直接接続されていてもよい。
【0055】
処理液供給装置3は、上流供給配管23に介装され、上流供給配管23内の流路を開閉する上流供給バルブ80をさらに備えている。
下流供給配管25は、その内部に下流供給流路を形成する配管である。下流供給配管25は、下流供給配管25の上流端が処理液の液面よりも下方に位置するように、供給タンク24の内部にまで延びている。下流供給配管25の下流端は、処理液ノズル11に接続されている。供給ユニット19は、供給ポンプ81、供給ヒータ82、供給フィルタ83、および下流供給バルブ84を含む。供給ポンプ81、供給ヒータ82、供給フィルタ83、および下流供給バルブ84は、下流供給配管25の上流側からこの順番で下流供給配管25に介装されている。
【0056】
供給ポンプ81は、供給タンク24内の処理液を下流供給配管25に送り出す。供給フィルタ83は、下流供給配管25内の処理液中の不純物を除去するフィルタである。供給フィルタ83としては、常温よりも高温での使用に適したフィルタが用いられる。供給フィルタ83は、たとえば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)疎水膜をろ過膜として含む。供給フィルタ83が濾過膜としてPTFE疎水膜を含む構成であれば、不純物としての疎水性化合物を処理液から効果的に除去できる。
【0057】
下流供給バルブ84は、下流供給配管25内の流路(下流供給流路)を開閉する。
供給ヒータ82は、下流供給配管25内の処理液を加熱する。下流供給配管25内の流路において供給ヒータ82によって加熱される供給加熱部分25aは、たとえば、供給ポンプ81よりも下流側でかつ供給フィルタ83よりも上流側に設定される。
供給ヒータ82は、供給ポンプ81よりも下流側でかつ供給フィルタ83よりも上流側の供給加熱部分25aを加熱する構成であれば、下流供給配管25に介装されていなくてもよく、下流供給配管25を外部から加熱する構成であってもよい。
【0058】
供給側戻り配管26の上流端は、下流供給配管25に分岐接続されている。供給側戻り配管26の下流端は、供給タンク24に接続されている。処理液供給装置3は、供給側戻り配管26に介装され、供給側戻り配管26内の流路(供給側戻り流路)を開閉する供給側循環バルブ85をさらに備えている。
供給側戻り配管26の分岐接続位置は、供給フィルタ83よりも下流側で、かつ、下流供給バルブ84よりも上流側に位置することが好ましい。供給側戻り配管26の分岐接続位置が、供給ポンプ81よりも下流側であるため、供給側戻り配管26に処理液を送り出すポンプを供給ポンプ81とは別に設ける必要がない。供給側戻り配管26の分岐接続位置が、供給ヒータ82よりも下流側であるため、供給タンク24内の処理液を加熱するためのヒータを供給ヒータ82とは別に設ける必要がない。
【0059】
図2は、基板処理装置1の主要部の電気的構成を説明するためのブロック図である。コントローラ4は、マイクロコンピュータを備えており、所定のプログラムに従って、基板処理装置1に備えられた制御対象を制御する。より具体的には、コントローラ4は、プロセッサ(CPU)5と、プログラムが格納されたメモリ6とを含み、プロセッサ5がプログラムを実行することによって、基板処理のための様々な制御処理を実行するように構成されている。
【0060】
特に、コントローラ4は、スピンモータ18、循環ヒータ45、供給ヒータ82、不純物量測定ユニット42、循環ポンプ40、供給ポンプ81、液面センサ34、循環温度計46、上流循環バルブ41、中間循環バルブ43、下流循環バルブ44、帰還バルブ60、排液バルブ70、上流供給バルブ80、下流供給バルブ84、供給側循環バルブ85等の動作を制御する。その他、コントローラ4は、後述する各実施形態に係る基板処理装置1P、1Q、1Rに備えられる部材の動作も制御する。
【0061】
次に、処理液供給装置3の全体の動作について説明する。
まず、処理ユニット2へ処理液を供給する前に、下流供給バルブ84が閉じられかつ供給側循環バルブ85が開かれる。この状態で、供給ポンプ81を作動させることで、供給タンク24内の処理液が、下流供給配管25および供給側戻り配管26を循環する。詳しくは、供給タンク24の内の処理液が、下流供給配管25の上流端から引き込まれ、下流供給配管25内に引き込まれた処理液が供給側戻り配管26の下流端まで移動し、供給タンク24内に戻る。
【0062】
供給タンク24内の処理液が、下流供給配管25および供給側戻り配管26を循環している間、供給ヒータ82を作動させることによって、供給タンク24内の処理液の温度を上昇させることができる。
処理液の温度が充分に上昇した後、下流供給バルブ84が開かれ、供給側循環バルブ85が閉じられ、供給ポンプ81が作動される。これにより、供給タンク24内の処理液が、処理ユニット2の処理液ノズル11に供給される。
【0063】
処理液を加熱する必要がない場合には、供給タンク24内の処理液の循環を省略してもよい。
処理液ノズル11から吐出された処理液は、回転状態の基板Wの上面に着液する。基板Wの上面に着液した処理液は、遠心力の作用によって基板W外に飛散し、カップ12によって受けられる。
【0064】
カップ12によって受けられた汚染処理液は、帰還配管22を介して不純物除去ユニット20に流入する。不純物除去ユニット20に流入した処理液が不純物除去ユニット20の感温性ゲルフィルタ31を通過することによって、汚染処理液中の不純物が除去される。これにより、不純物が除去された清浄処理液が生成される。清浄処理液は、上流供給配管23を介して供給タンク24に送られる。このように、汚染処理液から不純物が除去されて清浄処理液が生成され、清浄処理液が供給タンク24に戻される。つまり、処理液が再利用される。
【0065】
以下では、不純物除去ユニット20の動作について詳しく説明する。
図3は、不純物除去ユニット20の動作について説明するためのフローチャートである。図4A図4Eは、不純物除去ユニット20の動作例について説明するための模式図である。
図4A図4Eでは、開いているバルブを黒色で示しており、閉じているバルブを白色で示している(後述する図6A図6D図8A図8Bおよび図10A図10Eにおいても同様)。図4A図4Eでは、作動中のヒータおよびポンプには、「ON」と記載し、作動していないヒータおよびポンプには、「OFF」と記載している(後述する図6A図6D図8A図8Bおよび図10A図10Eにおいても同様)。
【0066】
不純物量測定ユニット42、循環温度計46および液面センサ34は、常時作動していてもよい。
図4Aに示すように、帰還バルブ60および下流循環バルブ44が開かれる。これにより、処理液が、不純物除去ユニット20に戻り(帰還工程)、貯留タンク30に補充される(補充工程)。
【0067】
帰還配管22から貯留タンク30内に処理液が送られて貯留タンク30内の処理液の液面が上昇し、液面センサ34の測定値が循環配管32の上流端よりも上方の所定の第1高さH1に達すると、帰還バルブ60が閉じられ、上流循環バルブ41および中間循環バルブ43が開かれる。そして、循環ポンプ40が作動される。これにより、図4Bに示すように、貯留タンク30内の処理液が、循環配管32に引き込まれ循環配管32から貯留タンク30内に戻されることで、処理液の循環が開始される(循環工程)。
【0068】
循環配管32内を流れる処理液は、循環ヒータ45によって加熱される。貯留タンク30内の感温性ゲルフィルタ31は、循環ヒータ45によって加熱された処理液によって加熱される(ステップS1:ゲル加熱開始工程)。
感温性ゲルフィルタ31は、循環する処理液を介して、循環ヒータ45によって加熱される(循環加熱工程)。感温性ゲルフィルタ31は、処理液によって加熱されることで、処理液と同じ温度に達する。そのため、循環配管32内を流れる処理液の温度を循環温度計46によって測定することによって、感温性ゲルフィルタ31の温度(ゲル温度)を間接的に測定できる(ゲル温度測定工程)。この実施形態では、帰還工程においても循環ヒータ45が作動している。そのため、循環工程が開始される前に処理液の加熱が開始されている。
【0069】
そして、ステップS1の後、コントローラ4は、感温性ゲルフィルタ31の温度が、転移温度以上の温度であるか否かを監視する(ステップS2:第1ゲル温度監視工程)。ゲル温度が感温性ゲル50の転移温度(LCST)よりも低い場合には(ステップS2:NO)、ステップS2に戻る。
処理液は、循環配管32および貯留タンク30を所定時間循環することによって、感温性ゲル50の転移温度以上の温度に加熱される。感温性ゲルフィルタ31が感温性ゲル50の転移温度以上の温度に加熱されることによって、感温性ゲルフィルタ31に含まれる感温性ゲルが疎水化される(疎水化工程)。すなわち、感温性ゲル50が疎水性となる温度に感温性ゲルフィルタ31の温度が調節される(温度調節工程)。貯留タンク30内の感温性ゲルフィルタ31が感温性ゲル50の転移温度以上の温度に加熱されると(ステップS2:YES)、ステップS3に進む。
【0070】
ステップS3では、コントローラ4は、ゲル温度が転移温度以上の温度に達したときから所定の不純物除去時間が経過したか否かを監視する(ステップS3:経過時間監視工程)。
感温性ゲルフィルタ31が転移温度以上に加熱されている状態、すなわち、感温性ゲル50が疎水性となっている状態で、感温性ゲルフィルタ31に処理液を通過させることによって、処理液中の不純物が感温性ゲルフィルタ31によって除去される(不純物除去工程、循環除去工程)。感温性ゲルフィルタ31の不純物除去効率が充分に高い場合には、不純物は、時間経過とともに処理液から除去される。
【0071】
この実施形態の不純物除去工程では、不純物除去ユニット20に供給される処理液は汚染処理液である。そのため、感温性ゲルフィルタ31によって汚染処理液中の不純物が捕獲されて汚染処理液から不純物が除去される。
循環配管32および貯留タンク30を循環する処理液を加熱することで不純物除去工程および疎水化工程が実行される。不純物除去工程は、疎水化工程による感温性ゲル50の疎水化が達成された後に実行される。
【0072】
この実施形態とは異なり、処理液の温度が、貯留タンク30および循環配管32を循環する前から転移温度以上の温度であった場合には、疎水化工程は実行されず、循環工程の開始と同時に不純物除去工程が開始される。
コントローラ4は、不純物除去時間が経過していない場合(ステップS3:NO)、ステップS3に戻る。コントローラ4は、不純物除去時間が経過すると(ステップS3:YES)、不純物量測定ユニット42が測定する不純物量が、基準不純物量よりも低いか否かを判定する(ステップS4:不純物量判定工程)。不純物量判定工程は、感温性ゲル50が疎水性となる温度にゲル温度が調節されている状態で実行される。
【0073】
不純物除去時間経過後に、不純物量測定ユニット42によって測定される不純物量が基準不純物量よりも低い場合には(ステップS4:YES)、図4Cに示すように、処理液の循環を維持しながら、上流供給バルブ80が開かれる。貯留タンク30から供給タンク24に向けて、不純物が充分に除去された処理液(清浄処理液)が送られる(ステップS5:供給工程)。すなわち、循環配管32および貯留タンク30を循環する処理液から不純物が充分に除去された後、供給工程が実行される。
【0074】
供給工程の実行によって、貯留タンク30内の処理液の液面が低下し、図4Cに二点鎖線に示すように液面センサ34の測定値が所定の第2高さH2に達すると、上流供給バルブ80、上流循環バルブ41および中間循環バルブ43が閉じられる。これにより、処理液の循環および供給タンク24への処理液の供給が停止される。その後、貯留タンク30に処理液が補充されると、不純物除去ユニット20の動作がステップS1から再び開始される。
【0075】
一方、不純物除去時間経過後においても、不純物量測定ユニット42によって測定される不純物量が基準不純物量以上である場合には(ステップS4:NO)、図4Dに示すように、循環ヒータ45が停止される。
循環ヒータ45が停止された状態で処理液が循環配管32および貯留タンク30を所定時間循環することによって、処理液が常温にまで自然冷却される。貯留タンク30内の感温性ゲルフィルタ31は、処理液によって冷却される(ステップS6:ゲル加熱停止工程)。
【0076】
感温性ゲルフィルタ31は、循環する処理液を介して、冷却される(循環冷却工程)。感温性ゲルフィルタ31は、処理液によって冷却されることで、処理液と同じ温度に達する。
ステップS6の後、コントローラ4は、感温性ゲルフィルタ31の温度が、転移温度よりも低いか否かを監視する(ステップS7:第2ゲル温度監視工程)。コントローラ4は、貯留タンク30内の感温性ゲルフィルタ31が感温性ゲル50の転移温度以上である場合には(ステップS7:NO)、ステップS7に戻る。
【0077】
処理液は、循環配管32および貯留タンク30を所定時間循環することによって、感温性ゲル50の転移温度よりも低い温度に冷却される。感温性ゲルフィルタ31が感温性ゲル50の転移温度よりも低い温度に冷却されることによって、感温性ゲルフィルタ31に含まれる感温性ゲルが親水化される(親水化工程)。
感温性ゲルフィルタ31が転移温度よりも低い温度に冷却されている状態、すなわち、感温性ゲル50が親水性となっている状態で、感温性ゲルフィルタ31に処理液を通過させることによって、感温性ゲルフィルタ31によって捕獲されていた不純物が処理液中に放出される(不純物放出工程、循環洗浄工程、循環放出工程)。
【0078】
この実施形態の不純物放出工程において不純物除去ユニット20に供給される処理液は、洗浄液としての汚染処理液である。そのため、感温性ゲルフィルタ31から汚染処理液に不純物が放出される。
貯留タンク30内の感温性ゲルフィルタ31が感温性ゲル50の転移温度よりも低い温度に冷却されると(ステップS7:YES)、図4Eに示すように、処理液の循環を維持しながら、排液バルブ70が開かれる。これにより、貯留タンク30から排液配管21(排液流路)に向けて処理液が送られる(ステップS8:排液工程)。すなわち、循環配管32および貯留タンク30を循環する処理液に不純物が放出された後、排液工程が実行される。
【0079】
排液工程の実行によって、貯留タンク30内の処理液の液面が低下し、図4Eに二点鎖線に示すように液面センサ34の測定値が所定の第2高さH2に達すると、排液バルブ70、上流循環バルブ41および中間循環バルブ43が閉じられる。これにより、処理液の循環および排液が停止される。その後、貯留タンク30に処理液が補充されると、不純物除去ユニット20の動作がステップS1から再び開始される。
【0080】
このように、この実施形態では、不純物除去ユニット20の不純物除去効率の低下度合に応じて、供給工程と排液工程とが選択的に実行される。
ただし、最初の不純物除去工程の実行前では、感温性ゲルフィルタ31の不純物除去効率は低下しておらず充分に高い。そのため、最初の不純物除去工程の際に不純物量測定ユニット42によって測定される不純物量は、基準不純物量よりも低い。したがって、不純物除去ユニット20の動作において、供給工程(ステップS5)が少なくとも一回実行された後に、二回目以降の動作において排液工程(ステップS8)が実行される。
【0081】
第1実施形態によれば、感温性ゲル50が疎水性であるときに処理液を感温性ゲルフィルタ31に通過させることによって、処理液中の不純物を感温性ゲルフィルタ31に捕獲させ処理液中から不純物を除去できる。そして、不純物が充分に除去された処理液を、上流供給配管23、供給タンク24および下流供給配管25を介して処理ユニット2に供給できる。
【0082】
不純物を捕獲することによって感温性ゲルフィルタ31の不純物除去効率が低下した場合には、感温性ゲル50を親水性に変化させた状態で貯留タンク30内の洗浄液としての処理液を循環配管32によって循環させて感温性ゲルフィルタ31に通過させれば、感温性ゲルフィルタ31によって捕獲されていた不純物を処理液中に放出できる。これにより、感温性ゲルフィルタ31の不純物除去効率を回復させることができる。そして、不純物を多量に含んだ処理液を、排液配管21を介して貯留タンク30から排除することで、不純物除去ユニット20を再び利用可能な状態に戻すことができる。
【0083】
以上のように、感温性ゲルフィルタ31の不純物除去効率が低下した場合であっても、感温性ゲルフィルタ31を交換することなく不純物除去効率を回復させることができる。
この実施形態のように、感温性ゲル50がLCST型感温性ゲルである場合、加熱によって親水性から疎水性へ感温性ゲル50の状態を速やかに変化させることができる。そのため、感温性ゲルフィルタ31による不純物の捕獲を速やかに開始することができる。ひいては、不純物が除去された処理液の上流供給配管23(供給流路)への供給を速やかに開始できる。
【0084】
第1実施形態によれば、感温性ゲル50が疎水性である状態で不純物量測定ユニット42によって測定された不純物量が基準不純物量よりも少ない場合には、処理液が上流供給配管23に送り出される。そして、感温性ゲル50が疎水性である状態で不純物量測定ユニット42によって測定される不純物量が基準不純物量以上である場合には、感温性ゲル50を親水化した後に処理液が排液配管21に送り出される。
【0085】
そのため、貯留タンク30内の処理液の送出先が、不純物量測定ユニット42によって測定される不純物量に基づいて適切に切り替えることができる。
詳しくは、不純物除去工程が実行された後の不純物量が基準不純物量よりも少ない場合には、感温性ゲルフィルタ31の不純物除去効率が充分に高い。そのため、不純物除去工程の後、上流供給配管23に向けて清浄度の高い処理液を送り出すことができる。一方、不純物除去工程が実行された後の不純物量が基準不純物量以上である場合には、感温性ゲルフィルタ31の不純物除去効率が低下している。そのため、不純物放出工程を実行することで、感温性ゲルフィルタの不純物除去効率が回復される。
【0086】
このように、不純物量を測定することで、適切なタイミングで不純物除去効率を回復させることができる。
第1実施形態によれば、感温性ゲルフィルタ31が、処理液を通過させつつ感温性ゲル50を保持するフィルタ部材51をさらに含む。そのため、親水性の感温性ゲル50が吸液して膨潤した場合であっても、感温性ゲル50を感温性ゲルフィルタ31の外部に流出させることなく貯留タンク30内の所定の位置に維持できる。
【0087】
第1実施形態によれば、貯留タンク30の内部空間33が、感温性ゲルフィルタ31によって、第1収容部33aおよび第2収容部33bに仕切られている。第1収容部33aは、感温性ゲルフィルタ31を挟んで第2収容部33bよりも処理液の循環方向Cの上流側に位置する。そして、上流供給配管23は、第2収容部33bに接続されており、第1収容部33aには、排液配管21が接続されている。
【0088】
そのため、感温性ゲルフィルタ31よりも循環方向Cの上流側の不純物が比較的多い処理液を排液配管21に送ることができる。一方、感温性ゲルフィルタ31よりも循環方向Cの下流側の不純物が比較的少ない処理液を上流供給配管23に送ることができる。
第1実施形態によれば、上流供給配管23と、供給タンク24と、下流供給配管25とによって、供給流路が構成されている。そのため、不純物除去ユニット20によって生成された清浄処理液が、供給タンク24に貯留される。そのため、感温性ゲルフィルタ31の不純物除去効率を回復させるために不純物除去ユニット20から上流供給配管23への処理液の送出が一時的に停止されている場合であっても、供給タンク24内の処理液を処理ユニット2に供給できる。したがって、感温性ゲルフィルタ31の不純物除去効率を回復させつつ、処理ユニット2に処理液を安定して供給できる。
【0089】
第1実施形態によれば、汚染処理液が、帰還配管22を介して貯留タンク30に帰還させる。処理ユニット2から排出される汚染処理液を再利用することで、基板処理に要するコストおよび環境負荷を低減できる。
その一方で、汚染処理液中には不純物が多量に存在している。そのため、汚染処理液を不純物除去ユニット20に戻した場合、感温性ゲルフィルタ31の不純物除去効率が低下しやすい。しかしながら、汚染処理液からの不純物の除去によって不純物除去効率が低下した場合であっても、感温性ゲルフィルタ31は、冷却によって容易に不純物を放出できる。そのため、感温性ゲルフィルタ31を交換することなく汚染処理液から不純物を除去できる。
【0090】
さらに、感温性ゲルフィルタ31に不純物を捕獲させるための処理液、および、感温性ゲルフィルタ31から不純物を放出させるための洗浄液として、汚染処理液が用いられる。そのため、感温性ゲルフィルタ31の不純物除去効率が低下した際には、循環配管32によって循環される液体の液種を変更する必要がないため、不純物除去効率の回復に速やかに開始できる。したがって、汚染処理液とは別の種類の洗浄液を感温性ゲルフィルタ31に通過させて感温性ゲル50から不純物を放出させる構成と比較して、感温性ゲルフィルタ31から不純物を速やかに除去できる。
【0091】
第1実施形態によれば、処理液を循環させて感温性ゲルフィルタ31に処理液を通過させる。そのため、処理液を感温性ゲルフィルタ31に効率良く通過させることができる。これにより、処理液から不純物の除去、および、不純物除去効率の回復が速やかに行われる。
また、この実施形態では、帰還配管22は、循環ヒータ45よりも上流側で循環配管32に接続されている。そのため、帰還配管22から貯留タンク30に送られる処理液が循環ヒータ45によって加熱される。したがって、処理液が循環される前に処理液の加熱が開始される。
【0092】
第1実施形態では、ステップS6のゲル加熱停止工程の後に、感温性ゲルフィルタ31を冷却する方法として、循環冷却工程が用いられる。しかしながら、循環冷却工程では、処理液の冷却に伴って、感温性ゲルフィルタ31から処理液に不純物が放出されるため、この不純物によって循環配管32が汚染されるおそれがある。
そこで、循環冷却工程を行うことなく感温性ゲルフィルタ31を冷却するために、循環ポンプ40を停止させた状態で放置して感温性ゲルフィルタ31を自然冷却させてもよい。感温性ゲルフィルタ31の温度低下を促進するために、図示しない冷却ユニット(クーラ)を貯留タンク30に設け、当該冷却ユニットを用いて貯留タンク30を冷却することで感温性ゲルフィルタ31を強制的に冷却してもよい。
【0093】
また、ゲル加熱停止工程(ステップS6)の後、循環冷却工程および第2ゲル温度監視工程(ステップS7)を行うことなく、排液工程(ステップS8)が行われてもよい。貯留タンク30から処理液が排出される過程で処理液が自然冷却され、冷却された処理液によって感温性ゲルフィルタ31が処理液の温度にまで冷却される。感温性ゲルフィルタ31が常温にまで冷却されることによって、不純物を放出する。処理液に放出された不純物は、処理液とともに貯留タンク30外へ排出されるため、不純物による循環配管32の汚染を抑制できる。
【0094】
<第2実施形態>
図5は、この発明の第2実施形態に係る基板処理装置1Pの構成例を示す模式図である。図5および後述する図6A図6Dにおいて、前述の図1図4Eに示された構成と同等の構成については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。基板処理装置1Pが、第1実施形態に係る基板処理装置1と主に異なる点は、処理液供給装置3Pが、洗浄液配管90、洗浄液ポンプ91および洗浄液バルブ92を備える点である。
【0095】
洗浄液配管90は、貯留タンク30に洗浄液を供給する。洗浄液配管90は、その内部に洗浄液流路を形成する配管である。洗浄液配管90の上流端は、洗浄液タンク93に接続されており、洗浄液配管90の下流端は、貯留タンク30に接続されている。
洗浄液ポンプ91は、洗浄液配管90に介装されている。洗浄液ポンプ91は、洗浄液タンク93内の洗浄液を洗浄液配管90に向けて送り出す。洗浄液バルブ92は、洗浄液ポンプ91よりも下流側で洗浄液配管90に介装されている。洗浄液バルブ92は、洗浄液配管90内の洗浄液流路を開閉する。
【0096】
第2実施形態における洗浄液は、汚染処理液ではなく、洗浄液タンク93内に貯留されたDIW等である。より具体的には、洗浄液としては、リンス液と同様の液体を使用することができる。洗浄液は、DIWに限られず、炭酸水、電解イオン水、オゾン水、希釈濃度(たとえば、10ppm以上100ppm以下)の塩酸水、アンモニア水、還元水(水素水)、親水性の有機溶剤のうちの少なくとも1つを含む液であってもよい。
【0097】
次に、第2実施形態に係る不純物除去ユニット20の動作例について説明する。
第2実施形態に係る不純物除去ユニット20の動作例は、排液工程(ステップS8)を除いて第1実施形態に係る不純物除去ユニット20の動作例とほぼ同じである。そのため、以下では、排液工程(ステップS8)を中心に、第2実施形態に係る不純物除去ユニット20の動作例について説明する。
【0098】
図6A図6Dは、第2実施形態に係る不純物除去ユニット20の動作例を説明するための模式図である。
第2実施形態においても、第1実施形態と同様に、不純物除去時間経過後に、不純物量が基準不純物量よりも低い場合には(ステップS4:YES)、処理液が、循環配管32および貯留タンク30を所定時間循環することによって感温性ゲル50の転移温度よりも低い温度に冷却される(循環冷却工程)。
【0099】
貯留タンク30内の感温性ゲルフィルタ31が感温性ゲル50の転移温度よりも低い温度に冷却されると(ステップS7:YES)、図6Aに示すように、上流循環バルブ41、中間循環バルブ43、および下流循環バルブ44が閉じられ、排液バルブ70が開かれる。さらに、循環ポンプ40が停止される。
この実施形態では、排液流路が貯留タンク30の底面から開口しているため、処理液は、自重によって、貯留タンク30から排液配管21(排液流路)に向けて送られる(ステップS8:排液工程)。
【0100】
その後、排液バルブ70が閉じられ洗浄液バルブ92が開かれる。そして、洗浄液ポンプ91が作動される。これにより、図6Bに示すように、貯留タンク30内に洗浄液が供給される。たとえば、図6Bに二点鎖線で示すように、液面センサ34の測定値が所定の第1高さH1に達すると、洗浄液バルブ92が閉じられる。第1高さH1は、感温性ゲルフィルタ31よりも高い位置に設定されている。これにより、感温性ゲルフィルタ31が洗浄液に浸漬される(洗浄液浸漬工程)。
【0101】
感温性ゲルフィルタ31を洗浄液に浸漬させた後、排液バルブ70が再び開かれる。これにより、図6Cに示すように、貯留タンク30内の洗浄液が貯留タンク30内に排液流Dを形成しながら排液配管21から排液される(浸漬洗浄工程)。
その後、浸漬洗浄工程(図6Bおよび図6Cを参照)が繰り返される。具体的には、貯留タンク30に洗浄液を再び供給して感温性ゲルフィルタ31を洗浄液に浸漬させ、貯留タンク30内の洗浄液を排液配管21から排液して貯留タンク30内に排液流Dが形成される。排液流Dは、上方から下方に向かう洗浄液の流れである。
【0102】
浸漬洗浄工程が複数回実行された後、排液バルブ70が閉じられた状態で、帰還バルブ60および下流循環バルブ44が開かれ、図6Dに示すように、貯留タンク30に汚染処理液が供給される。これにより、たとえば、図6Dに二点鎖線で示すように、液面センサ34の測定値が所定の第1高さH1に達すると、帰還バルブ60および下流循環バルブ44が閉じられる。これにより、感温性ゲルフィルタ31が汚染処理液に浸漬される(汚染処理液浸漬工程)。その後、排液バルブ70が開かれて貯留タンク30内の汚染処理液が排液される。これにより、貯留タンク30内に残存していた洗浄液が汚染処理液によって置換される。
【0103】
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。
第2実施形態によれば、以下の効果も奏する。第2実施形態では、貯留タンク30内に供給された洗浄液に感温性ゲルフィルタ31が浸漬される。これにより、洗浄液中に感温性ゲル50から不純物が放出される。その後、貯留タンク30内の洗浄液を排液配管21から排液することによって貯留タンク30内に排液流Dが形成される。洗浄液中に放出された不純物が、この排液流Dによって洗浄液とともに貯留タンク30内から除去される。これにより、感温性ゲルフィルタ31の不純物除去効率を回復させることができる。
また、第2実施形態によれば、洗浄液が、洗浄液配管90を介して、洗浄液タンク93から貯留タンク30に供給される。そのため、感温性ゲルフィルタ31を速やかに洗浄できる。
【0104】
第2実施形態とは異なり、循環冷却工程を行うことなく感温性ゲルフィルタ31を冷却するために、循環ポンプ40を停止させた状態で放置して感温性ゲルフィルタ31を自然冷却させてもよい。また、感温性ゲルフィルタ31の温度低下を促進するために、図示しない冷却ユニット(クーラ)を貯留タンク30に設け、冷却ユニットを用いて貯留タンク30を冷却することで感温性ゲルフィルタ31を強制的に冷却してもよい。
【0105】
また、ゲル加熱停止工程(ステップS6)の後、循環冷却工程および第2ゲル温度監視工程(ステップS7)を行うことなく、排液工程(ステップS8)が行われてもよい。すなわち、ゲル加熱停止工程において循環ヒータ45が停止されるとともに、循環ポンプ40が停止され、かつ、排液バルブ70が開かれる。これにより、感温性ゲルフィルタ31が冷却される前に貯留タンク30内の処理液が排液される。その後、貯留タンク30内に供給される洗浄液によって、感温性ゲルフィルタ31が、処理液の温度にまで冷却される。それによって感温性ゲルフィルタ31が不純物を放出する。処理液に放出された不純物は、処理液とともに貯留タンク30外へ排出されるため、不純物による循環配管32の汚染を抑制できる。
【0106】
<第3実施形態>
図7は、この発明の第3実施形態に係る基板処理装置1Qの構成例を示す模式図である。図7ならびに後述する図8Aおよび図8Bにおいて、前述の図1図6Dに示された構成と同等の構成については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
基板処理装置1Qが第1実施形態に係る基板処理装置1と主に異なる点は、処理液供給装置3Qが、複数(この実施形態では2個)の不純物除去ユニット20を備えている点である。
【0107】
複数の不純物除去ユニット20は、第1不純物除去ユニット20Aと、第2不純物除去ユニット20Bとを含む。第1不純物除去ユニット20Aおよび第2不純物除去ユニット20Bは、いずれも同様の構成を有している。
詳しくは、第1不純物除去ユニット20Aの貯留タンク30、感温性ゲルフィルタ31、循環配管32、循環ポンプ40、上流循環バルブ41、不純物量測定ユニット42、中間循環バルブ43、下流循環バルブ44、循環ヒータ45、および、循環温度計46を、それぞれ、第1貯留タンク30A、第1感温性ゲルフィルタ31A、第1循環配管32A、第1循環ポンプ40A、第1上流循環バルブ41A、第1不純物量測定ユニット42A、第1中間循環バルブ43A、第1下流循環バルブ44A、第1循環ヒータ45A、第1循環温度計46Aと表現する場合がある。
【0108】
同様に、第2不純物除去ユニット20Bの貯留タンク30、感温性ゲルフィルタ31、循環配管32、循環ポンプ40、上流循環バルブ41、不純物量測定ユニット42、中間循環バルブ43、下流循環バルブ44、循環ヒータ45、および、循環温度計46を、それぞれ、第2貯留タンク30B、第2感温性ゲルフィルタ31B、第2循環配管32B、第2循環ポンプ40B、第2上流循環バルブ41B、第2不純物量測定ユニット42B、第2中間循環バルブ43B、第2下流循環バルブ44B、第2循環ヒータ45B、第2循環温度計46Bと表現する場合がある。
【0109】
第3実施形態の処理液供給装置3Qは、複数の帰還配管22および複数の排液配管21を備えている。
複数の帰還配管22は、第1帰還配管22Aおよび第2帰還配管22B含む。第1帰還配管22Aは、その内部に第1帰還流路を形成する配管である。第2帰還配管22Bは、その内部に第2帰還流路を形成する配管である。
【0110】
第1帰還配管22Aの上流端は、たとえば、カップ12に接続されている。第1帰還配管22Aの下流端は、たとえば、第1循環配管32Aに分岐接続されている。第1帰還配管22Aに介装されている帰還バルブ60は、第1帰還配管22A内の流路(第1帰還流路)を開閉する第1帰還バルブ60Aともいう。
第2帰還配管22Bの上端部は、第1帰還バルブ60Aよりも上流側で第1帰還配管22Aに接続されている。第2帰還配管22Bの下流端は、たとえば、第2循環配管32Bに分岐接続されている。第2帰還配管22Bに介装されている帰還バルブ60は、第2帰還配管22B内の流路(第2帰還流路)を開閉する第2帰還バルブ60Bともいう。
【0111】
複数の排液配管21は、第1排液配管21Aおよび第2排液配管21Bを含む。第1排液配管21Aの上流端および第2排液配管21Bの上流端は、それぞれ、第1貯留タンク30Aおよび第2貯留タンク30Bに接続されている。第1排液配管21Aは、その内部に第1排液流路を形成する配管である。第2排液配管21Bは、その内部に第2排液流路を形成する配管である。
【0112】
第1帰還配管22Aに介装されている排液バルブ70は、第1排液配管21A内の流路(第1排液流路)を開閉する第1排液バルブ70Aともいう。第2排液配管21Bに介装されている排液バルブ70は、第2排液配管21B内の流路(第2排液流路)を開閉する第2排液バルブ70Bともいう。
供給ユニット19は、複数の上流供給配管23を備える。複数の上流供給配管23は、第1上流供給配管23Aおよび第2上流供給配管23Bを含む。
【0113】
第1上流供給配管23Aは、その内部に第1上流供給流路を形成する配管である。第1上流供給配管23Aの上流端は、たとえば、第1循環ポンプ40Aよりも下流側で、かつ、第1上流循環バルブ41Aよりも上流側で、第1循環配管32Aに分岐接続されている。第1上流供給配管23Aに介装されている上流供給バルブ80は、第1上流供給配管23A内の流路(第1上流供給流路)を開閉する第1上流供給バルブ80Aともいう。
【0114】
第2上流供給配管23Bは、その内部に第2上流供給流路を形成する配管である。第2上流供給配管23Bの上流端は、たとえば、第2循環ポンプ40Bよりも下流側で、かつ、第2上流循環バルブ41Bよりも上流側において、第2循環配管32Bに分岐接続されている。第2上流供給配管23Bの下流端は、第1上流供給バルブ80Aよりも下流側で第1上流供給配管23Aに接続されている。第2上流供給配管23Bに介装されている上流供給バルブ80は、第2上流供給配管23B内の流路(第2上流供給流路)を開閉する第2上流供給バルブ80Bともいう。
【0115】
次に、第3実施形態に係る複数の不純物除去ユニット20の動作例について説明する。
第3実施形態に係る各不純物除去ユニット20の動作例は、第1実施形態に係る不純物除去ユニット20の動作例とほぼ同じである。しかしながら、第3実施形態に係る複数の不純物除去ユニット20は、一部の不純物除去ユニット20が不純物除去効率を回復させている間に、別の不純物除去ユニット20が処理液から不純物を除去するように動作される。
【0116】
そのため、以下では、各不純物除去ユニット20の動作の詳細については説明を省略し、第1不純物除去ユニット20Aが不純物除去効率を回復させている間に、第2不純物除去ユニット20Bが処理液から不純物を除去している様子について説明する。
図8Aおよび図8Bは、第3実施形態に係る複数の不純物除去ユニット20の動作例を説明するための模式図である。
【0117】
具体的には、図8Aに示すように、第1循環ヒータ45Aによる加熱を停止した状態で、処理液を第1循環配管32Aおよび第1貯留タンク30Aに循環させる。これにより、処理液が冷却され、処理液を介して第1感温性ゲルフィルタ31Aが冷却される。第1感温性ゲルフィルタ31Aが転移温度よりも低い温度に冷却されている状態、すなわち、第1感温性ゲル50Aが親水性である状態で、第1感温性ゲルフィルタ31Aに処理液を通過させることによって、不純物が第1感温性ゲルフィルタ31Aから処理液に放出される(不純物放出工程、循環放出工程)。
【0118】
ここで、不純物放出工程において、第1感温性ゲルフィルタ31Aを冷却するために、処理液を循環させることなく、第1循環ポンプ40Aを停止した状態で第1感温性ゲルフィルタ31Aを常温に自然冷却させてもよい。第1感温性ゲルフィルタ31Aの温度低下を促進するために、図示しない冷却ユニット(クーラ)を第1貯留タンク30Aに設け、冷却ユニットを用いて第1貯留タンク30Aを冷却することで第1感温性ゲルフィルタ31Aを強制的に冷却してもよい。
【0119】
一方、第2不純物除去ユニット20Bでは、処理液が、第2循環ヒータ45Bによって加熱されながら、第2循環配管32Bおよび第2貯留タンク30Bを循環する。これにより、処理液が加熱され、処理液を介して第2感温性ゲルフィルタ31Bが加熱される。
第2感温性ゲルフィルタ31Bが転移温度以上に加熱されている状態、すなわち、第2感温性ゲル50Bが疎水性となっている状態で、第2感温性ゲルフィルタ31Bに処理液を通過させることによって、処理液中の不純物が第2感温性ゲルフィルタ31Bによって捕獲されて、処理液中から除去される(不純物除去工程、循環除去工程)。
【0120】
その後、図8Bに示すように、第1不純物除去ユニット20Aでは、処理液の循環を維持しながら、第1排液バルブ70Aが開かれる。これにより、第1貯留タンク30Aから第1排液配管21A(第1排液流路)に向けて処理液が送られる(排液工程)。すなわち、第1循環配管32Aおよび第1貯留タンク30Aを循環する処理液に第1感温性ゲルフィルタ31Aから不純物が放出された後、排液工程が実行される。
【0121】
一方、第2不純物除去ユニット20Bでは、処理液の循環を維持しながら、第2上流供給バルブ80Bが開かれる。第2貯留タンク30Bから供給タンク24(供給流路)に向けて、清浄処理液が送られる(供給工程)。すなわち、第2循環配管32Bおよび第2貯留タンク30Bを循環する処理液から不純物が第2感温性ゲルフィルタ31Bによって充分に除去された後、供給工程が実行される。
【0122】
このように、第3実施形態では、第1貯留タンク30A内に収容されている第1感温性ゲルフィルタ31Aから洗浄液に不純物を放出させている間に、別の貯留タンク(第2貯留タンク30B)に収容されている第2感温性ゲルフィルタ31Bによって、処理液から不純物を充分に除去できる。
そのため、一方の感温性ゲルフィルタ31の不純物除去効率が低下した場合であっても、その感温性ゲルフィルタ31の感温性ゲル50から不純物を放出させて不純物除去効率を回復させつつ、別の感温性ゲルフィルタ31を用いて処理液から不純物を充分に除去し、その処理液を供給ユニット19に送出できる。
【0123】
したがって、一部の貯留タンク30内の感温性ゲルフィルタ31の不純物除去効率を回復させつつ、別の貯留タンク30内の感温性ゲルフィルタ31を用いて処理ユニット2に処理液を安定して供給できる。
当然、図8Aおよび図8Bとは異なり、第1不純物除去ユニット20Aにおいて不純物除去工程が実行され、第2不純物除去ユニット20Bにおいて不純物放出工程が実行されることもある。
【0124】
第2不純物除去ユニット20Bにおいて不純物放出工程が行われる場合であっても、第1不純物除去ユニット20Aにおいて不純物放出工程が行われるときと同様に、冷却方法を変更することが可能である。
すなわち、第2感温性ゲルフィルタ31Bを冷却するために、処理液を循環させることなく、第2循環ポンプ40Bを停止させた状態で第2感温性ゲルフィルタ31Bを常温にまで自然冷却させてもよい。第2感温性ゲルフィルタ31Bの温度低下を促進するために、図示しない冷却ユニット(クーラ)を第2貯留タンク30Bに設け、冷却ユニットを用いて第2貯留タンク30Bを冷却することで第2感温性ゲルフィルタ31Bを強制的に冷却してもよい。
【0125】
<第4実施形態>
図9は、この発明の第4実施形態に係る基板処理装置1Rの構成例を示す模式図である。図9および後述する図10A図10Eにおいて、前述の図1図8Bに示された構成と同等の構成については、図1等と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
基板処理装置1Rが第1実施形態に係る基板処理装置1と主に異なる点は、処理液供給装置3Rの不純物除去ユニット20Rに供給される処理液が新液タンク141から供給される新処理液である点、および、循環流路が、上流循環配管100、循環タンク101および下流循環配管102によって形成されている点である。
【0126】
詳しくは、第4実施形態に係る不純物除去ユニット20Rは、貯留タンク30Rと、貯留タンク30Rから処理液が送られる上流循環配管100と、上流循環配管100を介して貯留タンク30Rから供給される処理液を貯留する循環タンク101と、循環タンク内の処理液を貯留タンク30Rに戻す下流循環配管102とを含む。貯留タンク30R内の構成は、第1実施形態に係る貯留タンク30と同様である。
【0127】
上流循環配管100は、その内部に上流循環流路を形成する配管である。上流循環配管100の上流端は、貯留タンク30Rに接続されており、上流循環配管100の下流端は、循環タンク101に接続されている。上流循環配管100の上流端は、詳しくは、第2収容部33bに接続されており、上流循環配管100内を処理液が流れている間に上流循環配管100の上流端が処理液の液面よりも下方に維持されるように、上流循環配管100の上流端は、貯留タンク30Rの内部にまで延びている。
【0128】
下流循環配管102は、その内部に下流循環流路を形成する配管である。下流循環配管102の上流端は、循環タンク101に接続されており、下流循環配管102の下流端は、貯留タンク30Rの第1収容部33aに接続されている。下流循環配管102の上流端は、下流循環配管102内を処理液が流れている間において下流循環配管102の上流端が処理液の液面よりも下方に位置するように、循環タンク101の内部にまで延びている。
【0129】
不純物除去ユニット20は、不純物量測定ユニット110、上流循環バルブ111、循環ポンプ112、第1下流循環バルブ113、循環ヒータ114、循環フィルタ115、第2下流循環バルブ116、第3下流循環バルブ117および循環温度計118を備えている。不純物量測定ユニット110および上流循環バルブ111は、上流循環配管100の上流側からこの順番で上流循環配管100に介装されている。
【0130】
不純物量測定ユニット110は、不純物量測定ユニット42と同様の構成である。上流循環バルブ111は、上流循環配管100の内の流路(上流循環流路)を開閉する。
循環ポンプ112、第1下流循環バルブ113、第2下流循環バルブ116、第3下流循環バルブ117、および、循環温度計118は、下流循環配管102の上流側から下流側に向かってこの順番で、下流循環配管102に介装されている。
【0131】
循環ポンプ112は、循環タンク101内の処理液を下流循環配管102に送り出す。下流循環配管102に処理液が送り出されることによって、下流循環配管102内の処理液が貯留タンク30R内に送り出され、貯留タンク30R内の処理液が上流循環配管100内に送り出される。言い換えると、循環ポンプ112は、貯留タンク30R内の処理液を上流循環配管100に送り出している。この実施形態とは異なり、循環ポンプ112は、上流循環配管100に介装されていてもよい。
【0132】
第1下流循環バルブ113、第2下流循環バルブ116および第3下流循環バルブ117は、下流循環配管102内の流路(下流循環流路)を開閉する。
循環フィルタ115は、下流循環配管102内の処理液中の不純物を除去するフィルタである。循環フィルタ115としては、常温よりも高温での使用に適したフィルタが用いられる。循環フィルタ115は、たとえば、PTFE疎水膜をろ過膜として含む。循環フィルタ115が濾過膜としてPTFE疎水膜を含む構成であれば、不純物としての疎水性化合物を処理液から効果的に除去できる。
【0133】
循環ヒータ114は、下流循環配管102内の処理液を加熱する。循環ヒータ114は、加熱ユニットの一例である。下流循環配管102において循環ヒータ114によって加熱される循環加熱部分102aは、下流循環配管102において第1下流循環バルブ113よりも下流側で、かつ循環フィルタ115よりも上流側の位置に設定されている。
循環ヒータ114は、第1下流循環バルブ113よりも下流側で、かつ循環フィルタ115よりも上流側の循環加熱部分102aを加熱する構成であれば、下流循環配管102に介装されている構成でなくてもよく、下流循環配管102を外部から加熱する構成であってもよい。
【0134】
循環温度計118は、下流循環配管102内の処理液の温度を検出する循環温度検出ユニットの一例である。
不純物除去ユニット20Rは、下流循環配管102に分岐接続される分岐循環配管103をさらに備えている。分岐循環配管103の上流端は、循環ポンプ112の下流側で、かつ、第1下流循環バルブ113の上流側において、下流循環配管102に分岐接続されている。分岐循環配管103の下流端は、第2下流循環バルブ116の下流側で、かつ、第3下流循環バルブ117の上流側において、下流循環配管102に分岐接続されている。
【0135】
不純物除去ユニット20Rは、第1分岐バルブ120、第2分岐バルブ121および循環クーラ122を備えている。分岐循環配管103には、第1分岐バルブ120および第2分岐バルブ121が、上流側からこの順番で介装されている。第1分岐バルブ120および第2分岐バルブ121は、分岐循環配管103内の流路(分岐循環流路)を開閉する。
【0136】
循環クーラ122は、分岐循環配管103内の処理液を冷却する。循環クーラ122は、感温性ゲルフィルタ31Rを冷却させる冷却ユニットの一例である。分岐循環配管103において循環クーラ122によって冷却される循環冷却部分103aは、分岐循環配管103において第1分岐バルブ120よりも下流側で、かつ第2分岐バルブ121よりも上流側の位置に設定されている。
【0137】
循環クーラ122は、第1分岐バルブ120よりも下流側で、かつ第2分岐バルブ121よりも上流側の循環冷却部分103aを冷却する構成であれば、分岐循環配管103に介装されている構成でなくてもよく、分岐循環配管103を外部から加熱する構成であってもよい。
第4実施形態に係る処理液供給装置3Rは、不純物除去ユニット20Rから処理ユニット2に向けて処理液を送る供給配管130と、処理ユニット2で使用されていない処理液(新処理液)を不純物除去ユニット20に供給する新液配管140と、不純物除去ユニット20から処理液を排液する排液配管21とを備えている。排液配管21は、第1実施形態と同様の構成である。
【0138】
処理ユニット2内で使用されていない処理液とは、処理液ノズル11から吐出された後、配管を介して循環流路に戻った処理液ではなく、新液タンク141から循環流路に新たに供給される処理液のことである。
供給配管130は、その内部に供給流路を形成する配管である。供給配管130の上流端は、たとえば、上流循環配管100において不純物量測定ユニット110よりも上流側に分岐接続されている。供給配管の下流端は、処理液ノズル11に接続されている。この実施形態とは異なり、供給配管130の上流端は、貯留タンク30Rの第2収容部33bに接続されていてもよい。
【0139】
処理液供給装置3Rは、供給配管130に介装され、供給配管130内の流路(供給流路)を開閉する供給バルブ131をさらに備えている。
新液配管140は、循環タンク101に新処理液を供給する。新処理液は、処理ユニット2で使用されていない処理液であり、汚染処理液よりも清浄度が高い。新液配管140は、その内部に新液流路を形成する配管である。新液配管140の上流端は、新液タンク141に接続されており、新液配管140の下流端は、循環タンク101に接続されている。
【0140】
処理液供給装置3は、新液配管140に介装されている新液ポンプ142と、新液ポンプ142よりも下流側で新液配管140に介装されている新液バルブ143とを含む。新液ポンプ142は、新液タンク141内の新液を新液配管140に向けて送り出す。新液バルブ143は、新液ポンプ142よりも下流側で新液配管140に介装されている。新液バルブ143は、新液配管140内の新液流路を開閉する。
【0141】
以下では、図3および図10A図10Eを参照して、第4実施形態に係る不純物除去ユニット20Rの動作について詳しく説明する。図10A図10Eは、不純物除去ユニット20Rの動作例について説明するための模式図である。
不純物量測定ユニット110、循環温度計118および液面センサ34は、常時作動していてもよい。
【0142】
新液バルブ143が開かれ、新液ポンプ142が作動されることにより、新処理液が、不純物除去ユニット20Rの循環タンク101に補充される(補充工程)。循環タンク101に処理液が充分貯留されている場合には、不純物除去ユニット20Rへの新処理液の補充は省略可能である。
図10Aに示すように、循環タンク101に処理液が貯留されている状態で、循環ポンプ112および循環ヒータ114が作動され、第1下流循環バルブ113、第2下流循環バルブ116および第3下流循環バルブ117が開かれる。これにより、貯留タンク30Rに処理液が補充される。
【0143】
貯留タンク30R内に処理液が送られて貯留タンク30R内の処理液の液面が上昇し、液面センサ34の測定値が上流循環配管100の上流端よりも上方の所定の第1高さH1に達すると、新液バルブ143が閉じられ、新液ポンプ142が停止される。そして、上流循環バルブ111が開かれる。これにより、図10Bに示すように、貯留タンク30R内の処理液が、上流循環配管100に引き込まれ下流循環配管102から貯留タンク30R内に戻されることで、処理液の循環が開始される(循環工程)。
【0144】
上流循環配管100内を流れる処理液は、循環ヒータ114によって加熱される。貯留タンク30R内の感温性ゲルフィルタ31Rは、循環ヒータ114によって加熱された処理液によって加熱される(ステップS1:ゲル加熱開始工程)。
第4実施形態とは異なり、処理液の循環や、貯留タンク30Rから上流循環配管100への処理液の供給を助けるため、上流循環配管100にポンプ(図示せず)をさらに介装させてもよい。
【0145】
感温性ゲルフィルタ31Rは、循環する処理液を介して、循環ヒータ114によって加熱される(循環加熱工程)。感温性ゲルフィルタ31Rは、処理液によって加熱されることで、処理液と同じ温度に達する。そのため、下流循環配管102内を流れる処理液の温度を循環温度計118によって測定することによって、感温性ゲルフィルタ31Rの温度(ゲル温度)が間接的に測定される(ゲル温度測定工程)。
【0146】
そして、ステップS1の後、コントローラ4は、感温性ゲルフィルタ31Rの温度が、転移温度よりも低いか否かを監視する(ステップS2:第1ゲル温度監視工程)。ゲル温度が感温性ゲル50の転移温度よりも低い場合には(ステップS2:NO)、ステップS2に戻る。
処理液は、上流循環配管100、循環タンク101および下流循環配管102によって構成される循環流路と、貯留タンク30Rとを所定時間循環することによって、感温性ゲル50の転移温度以上の温度に加熱される。感温性ゲルフィルタ31Rが感温性ゲル50の転移温度以上の温度に加熱されることによって、感温性ゲルフィルタ31Rに含まれる感温性ゲルが疎水化される(疎水化工程)。貯留タンク30R内の感温性ゲルフィルタ31Rが感温性ゲル50の転移温度以上の温度に加熱されると(ステップS2:YES)、ステップS3に進む。
【0147】
ステップS3では、コントローラ4は、ゲル温度が転移温度以上の温度に達したときから所定の不純物除去時間が経過したか否かを監視する(ステップS3:経過時間監視工程)。
感温性ゲルフィルタ31Rが転移温度以上に加熱されている状態、すなわち、感温性ゲル50が疎水性となっている状態で、感温性ゲルフィルタ31Rに処理液を通過させることによって、処理液中の不純物が感温性ゲルフィルタ31Rによって捕獲されて、処理液中から除去される(不純物除去工程、循環除去工程)。感温性ゲルフィルタ31Rの不純物除去効率が充分に高い場合には、不純物は、時間経過とともに処理液から除去される。
【0148】
この実施形態の不純物除去工程では、不純物除去ユニット20Rに供給される処理液は、新液である。そのため、感温性ゲルフィルタ31Rによって汚染処理液中の不純物が捕獲されて汚染処理液から不純物が除去される。
循環流路(上流循環配管100、循環タンク101および下流循環配管102)と貯留タンク30Rとを循環する処理液を加熱することで不純物除去工程および疎水化工程が行われる。不純物除去工程は、疎水化工程による感温性ゲル50の疎水化が達成された後に実行される。
【0149】
この実施形態とは異なり、処理液の温度が、貯留タンク30Rおよび循環流路(上流循環配管100、循環タンク101および下流循環配管102)を循環する前から転移温度以上の温度であった場合には、循環工程の開始と同時に不純物除去工程が開始される。
コントローラ4は、不純物除去時間が経過していない場合(ステップS3:NO)、ステップS3に戻る。不純物除去時間が経過すると(ステップS3:YES)、不純物量測定ユニット42が検出する不純物量が、基準不純物量よりも低いか否かを判定する(ステップS4:不純物量判定工程)。不純物量判定工程は、感温性ゲル50が疎水性となる温度にゲル温度が調節されている状態で実行される。
【0150】
不純物除去時間経過後に、不純物量測定ユニット110によって測定される不純物量が基準不純物量よりも低い場合には(ステップS4:YES)、図10Cに示すように、処理液の循環を維持しながら、供給バルブ131が開かれる。貯留タンク30Rから供給配管130(供給流路)に向けて、不純物が充分に除去された処理液(清浄処理液)が送られる(ステップS5:供給工程)。すなわち、循環流路および貯留タンク30Rを循環する処理液から不純物が充分に除去された後、供給工程が実行される。この実施形態では、供給配管130は、処理ユニット2の処理液ノズル11(図9を参照)に直接接続されているので、供給バルブ131が開かれると、基板Wの上面に処理液が供給される。
【0151】
供給工程の実行によって、循環タンク101および貯留タンク30R内の処理液の液面が低下し、液面センサ34の測定値が所定の第2高さH2に達すると、供給バルブ131が閉じられる。あるいは、所定時間供給工程が継続された後、供給バルブ131が閉じられる。そして、処理液の循環を維持しながら、新液タンク141から循環タンク101への新液の供給が開始される。その後、貯留タンク30Rに処理液が補充されると、不純物除去ユニット20の動作が再び開始される。
【0152】
一方、不純物除去時間経過後においても、不純物量測定ユニット110によって測定される不純物量が基準不純物量以上である場合には(ステップS4:NO)、図10Dに示すように、循環ヒータ114が停止され、第1下流循環バルブ113および第2下流循環バルブ116が閉じられる。その代わりに、循環クーラ122が作動され、第1分岐バルブ120および第2分岐バルブ121が開かれる。
【0153】
分岐循環配管103を流れる処理液は、循環クーラ122によって冷却される。貯留タンク30R内の感温性ゲルフィルタ31Rは、循環クーラ122によって冷却された処理液によって冷却される(ステップS6:ゲル加熱停止工程、ゲル冷却工程)。
感温性ゲルフィルタ31Rは、循環する処理液を介して、冷却される(循環冷却工程)。感温性ゲルフィルタ31Rは、処理液によって冷却されることで、処理液と同じ温度に達する。
【0154】
ステップS6の後、コントローラ4は、感温性ゲルフィルタ31Rの温度が、転移温度よりも低いか否かを監視する(ステップS7:第2ゲル温度監視工程)。貯留タンク30R内の感温性ゲルフィルタ31Rが感温性ゲルの転移温度以上である場合には(ステップS7:NO)、ステップS7に戻る。
処理液は、循環流路および貯留タンク30Rを所定時間循環することによって、感温性ゲル50の転移温度よりも低い温度に冷却される。感温性ゲルフィルタ31Rが感温性ゲル50の転移温度よりも低い温度に冷却されることによって、感温性ゲルフィルタ31Rに含まれる感温性ゲルが親水化される(親水化工程)。
【0155】
感温性ゲルフィルタ31Rが転移温度よりも低い温度に冷却されている状態、すなわち、感温性ゲル50が親水性となっている状態で、感温性ゲルフィルタ31Rに処理液を通過させることによって、感温性ゲルフィルタ31Rによって捕獲されていた不純物が処理液中に放出される(不純物放出工程、循環放出工程)。
この実施形態の不純物放出工程において不純物除去ユニット20に供給される処理液は、洗浄液としての新液である。そのため、感温性ゲルフィルタ31Rから新液に不純物が放出される。
【0156】
貯留タンク30R内の感温性ゲルフィルタ31Rが感温性ゲル50の転移温度よりも低い温度に冷却されると(ステップS7:YES)、図10Eに示すように、処理液の循環を維持しながら、排液バルブ70が開かれる。これにより、貯留タンク30Rから排液配管21(排液流路)に向けて処理液が送られる(ステップS8:排液工程)。すなわち、循環流路および貯留タンク30Rを循環する処理液に不純物が放出された後、排液工程が実行される。
【0157】
排液工程の実行によって、貯留タンク30R内の処理液の液面が低下し、液面センサ34の測定値が所定の第2高さH2に達すると、排液バルブ70、上流循環バルブ41および中間循環バルブ43が閉じられる。あるいは、所定時間排液工程が継続された後、排液バルブ70が閉じられる。これにより、処理液の循環および排液が停止される。その後、貯留タンク30Rに処理液が補充されると、不純物除去ユニット20Rの動作がステップS1から再び開始される。
【0158】
このように、第4実施形態においても、不純物除去ユニット20Rの不純物除去効率の低下度合に応じて、供給工程と排液工程とが選択的に実行される。
ただし、最初の不純物除去工程の実行前では、感温性ゲルフィルタ31Rの不純物除去効率は低下しておらず充分に高い。そのため、最初の不純物除去工程の際に不純物量測定ユニット110によって測定される不純物量は、基準不純物量よりも低い。したがって、不純物除去ユニット20Rの動作において、供給工程(ステップS5)が少なくとも一回実行された後に、二回目以降の動作において排液工程(ステップS8)が実行される。
【0159】
第4実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。
また、新処理液中に不純物量は、処理ユニット2で使用された汚染処理液と比較して非常に少ない。しかしながら、感温性ゲルフィルタ31Rを含む不純物除去ユニット20を用いて不純物量を新処理液中から一層低減すれば、清浄度が一層高い処理液を処理ユニット2に供給できる。
【0160】
ステップS6のゲル加熱停止工程の後に、感温性ゲルフィルタ31Rを冷却する方法として、第4実施形態では、循環冷却工程が用いられる。しかしながら、感温性ゲルフィルタ31Rを冷却するために、処理液を循環させることなく、循環ポンプ112を停止させた状態で感温性ゲルフィルタ31Rが常温にまで自然冷却させてもよい。感温性ゲルフィルタ31Rの温度低下を促進するために、図示しない冷却ユニット(クーラ)を貯留タンク30Rに設け、冷却ユニットを用いて貯留タンク30Rを冷却することで感温性ゲルフィルタ31Rを強制的に冷却してもよい。
【0161】
また、排液バルブ70を閉じ、第1分岐バルブ120および第2分岐バルブ121を開くことで、冷却された処理液を貯留タンク30Rに注入し、感温性ゲルフィルタ31Rを浸漬および冷却してもよい(浸漬洗浄工程)。これにより、感温性ゲルフィルタ31Rから処理液中に不純物が放出される。その後、排液バルブ70を開くことで、貯留タンク30Rから不純物とともに処理液を排液できる。
【0162】
このように、処理液の循環を行うことなく感温性ゲルフィルタ31Rから不純物を放出させれば循環流路の汚染を回避しつつ、感温性ゲルフィルタ31Rの不純物効率を回復できる。なお、貯留タンク30Rへの処理液の注入は複数回行われてもよい。すなわち、浸漬による感温性ゲルフィルタ31Rの洗浄は複数回行われてもよい。
<その他の実施形態>
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、さらに他の形態で実施することができる。
【0163】
たとえば、図11に示すように、貯留タンク30の内部空間33は、第1収容部33aと第2収容部33bとが感温性ゲルフィルタ31を挟んで横方向(水平方向)に互いに対向するように感温性ゲルフィルタ31によって仕切られていてもよい。この場合、貯留タンク30に接続される各配管(循環配管32、排液配管21等)は、貯留タンク30の第1収容部33aおよび第2収容部33bのいずれに接続されているかに関わらず、貯留タンク30の下端部に接続されていることが好ましい。そうであれば処理液の液面と、配管の端部との位置関係を考慮することなく、処理液を循環配管32に循環させることができる。むろん、この構成は、第1実施形態~第3実施形態に係る貯留タンク30だけでなく、図9に示す第4実施形態に係る貯留タンク30Rにも適用可能である。
【0164】
また、図1図5および図7に二点鎖線で示すように、供給タンク24に新処理液を供給できるように構成されていてもよい。詳しくは、処理液供給装置3,3P,3Qが、新液タンク150から新処理液が送出される新液配管151と、新液配管151に介装された新液ポンプ152と、新液ポンプ152よりも下流側で新液配管151に介装された新液バルブ153とを含んでいてもよい。
【0165】
また、各実施形態を組み合わせることが可能である。たとえば、図12に示すように、第1実施形態と第4実施形態とが組み合わせられていてもよい。すなわち、汚染処理液が帰還配管22から不純物除去ユニット20に供給され、不純物除去ユニット20から不純物除去ユニット20Rに清浄処理液が供給される。そして、不純物除去ユニット20Rによってさらに清浄化された処理液が処理ユニット2に供給される。第4実施形態において、不純物除去ユニット20Rを複数設けることも可能である。
【0166】
また、第1実施形態に係る処理液供給装置3(図1を参照)、第2実施形態に係る処理液供給装置3P(図5を参照)、第3実施形態に係る処理液供給装置3Q(図7を参照)においても、第4実施形態と同様に、不純物除去ユニット20が、処理液を冷却するクーラ(冷却ユニット)を有していてもよい。この場合、クーラによって冷却された処理液を介して、感温性ゲルフィルタ31が冷却される。
【0167】
また、上述の各実施形態では、感温性ゲルフィルタ31の加熱は、循環流路内の処理液を介して行われる。しかしながら、貯留タンク30内にヒータを設けて貯留タンク30内の処理液を加熱し、その処理液を介して感温性ゲルフィルタ31を加熱してもよい。あるいは、感温性ゲルフィルタ31を直接加熱してもよい。
また、上述の各実施形態では、感温性ゲル50がLCST型感温性ゲルである例について説明した。上述の実施形態とは異なり、感温性ゲル50は、UCST型感温性ゲルであってもよい。
【0168】
UCST型感温性ゲルの転移温度(UCST)は、常温よりも高く、たとえば、30℃以上で50℃以下である。つまり、UCST型感温性ゲルは、常温において疎水性である。そのため、処理液を加熱することなく、処理液を感温性ゲルフィルタ31に通過させることによって、処理液から不純物を除去できる。処理液の温度を常温に維持することによって、感温性ゲルフィルタ31の温度が調節される(温度調節工程)。
【0169】
そのため、感温性ゲル50がUCST型感温性ゲルである場合には、不純物除去ユニット20の動作例は、図13に示すように、図3に示す動作例とは多少異なる。
具体的には、コントローラ4が、ゲル加熱開始工程(ステップS1)が省略され、まず、ゲル温度が転移温度よりも低いか否かを監視する(ステップS10:第1ゲル温度監視工程)。ゲル温度が感温性ゲル50の転移温度(UCST)以上の温度である場合には(ステップS10:NO)、ステップS10に戻る。
【0170】
ゲル温度が感温性ゲル50の転移温度よりも低い温度である場合には(ステップS10:YES)、コントローラ4は、ゲル温度が転移温度以上の温度に達したときから所定の不純物除去時間が経過したか否かを監視する(ステップS3:経過時間監視工程)。
コントローラ4は、不純物除去時間が経過していない場合(ステップS3:NO)、ステップS3に戻る。不純物除去時間が経過すると(ステップS3:YES)、不純物量測定ユニット42が検出する不純物量が、基準不純物量よりも低いか否かを判定する(ステップS4:不純物量判定工程)。
【0171】
不純物除去時間経過後に、不純物量測定ユニット42によって測定される不純物量が基準不純物量よりも低い場合には(ステップS4:YES)、供給工程(ステップS5)が実行される。
一方、不純物除去時間経過後においても、不純物量測定ユニット42によって測定される不純物量が基準不純物量以上である場合には(ステップS4:NO)、循環ヒータ45が作動され、感温性ゲルフィルタ31の加熱が開始される(ステップS11:ゲル加熱開始工程)。
【0172】
その後、コントローラ4は、感温性ゲルフィルタ31の温度が、転移温度以上の温度であるか否かを監視する(ステップS12:第2ゲル温度監視工程)。貯留タンク30内の感温性ゲルフィルタ31が感温性ゲル50の転移温度よりも低い場合には(ステップS12:NO)、ステップS12に戻る。
一方、貯留タンク30内の感温性ゲルフィルタ31が感温性ゲル50の転移温度以上の温度に加熱されると(ステップS12:YES)、排液工程(ステップS8)が実行される。
【0173】
このように、感温性ゲル50がUCST型感温性ゲルである場合においても、供給工程と排液工程とが選択的に実行される。詳しくは、不純物量が基準不純物量よりも少ない場合には、供給ユニット19に処理液を送出される。そして、不純物量が基準不純物量以上である場合には、感温性ゲル50が親水性となる温度(転移温度以上の温度)に感温性ゲルフィルタ31の温度を調節した後、排液配管21に処理液が送出される。
【0174】
なお、上述した実施形態は例示的なものであり、種々の変更が可能である。たとえば、処理液の循環を好適に行うために、配管に介装されるポンプの位置や個数を適宜変更することが可能である。また、排液を好適に行うために、貯留タンクに接続される排液配管の個数や接続位置を適宜変更することが可能である。また、貯留タンクに直接接続され、新液を貯留タンクへと供給する新液供給ユニットや、貯留タンクに直接接続され洗浄液を貯留タンクへと供給する洗浄液供給ユニットをさらに設ける等の変更が可能である。
【0175】
その他、特許請求の範囲に記載した範囲で種々の変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0176】
1 :基板処理装置
1P :基板処理装置
1Q :基板処理装置
1R :基板処理装置
2 :処理ユニット
3 :処理液供給装置
3P :処理液供給装置
3Q :処理液供給装置
3R :処理液供給装置
19 :供給ユニット(供給流路)
20 :不純物除去ユニット
20A :第1不純物除去ユニット
20B :第2不純物除去ユニット
20R :不純物除去ユニット
21 :排液配管(排液流路)
21A :第1排液配管(排液流路)
21B :第2排液配管(排液流路)
22 :帰還配管(帰還流路)
22A :第1帰還配管(帰還流路)
22B :第2帰還配管(帰還流路)
23 :上流供給配管(供給流路)
23A :第1上流供給配管(供給流路)
23B :第2上流供給配管(供給流路)
24 :供給タンク(供給流路)
25 :下流供給配管(供給流路)
30 :貯留タンク
30A :第1貯留タンク
30B :第2貯留タンク
30R :貯留タンク
31 :感温性ゲルフィルタ
31A :第1感温性ゲルフィルタ
31B :第2感温性ゲルフィルタ
31R :感温性ゲルフィルタ
32 :循環配管(循環流路)
32A :第1循環配管(循環流路)
32B :第2循環配管(循環流路)
33 :内部空間
33a :第1収容部
33b :第2収容部
42 :不純物量測定ユニット
42A :第1不純物量測定ユニット
42B :第2不純物量測定ユニット
45 :循環ヒータ(加熱ユニット)
45A :第1循環ヒータ(加熱ユニット)
45B :第2循環ヒータ(加熱ユニット)
50 :感温性ゲル
50A :第1感温性ゲル
50B :第2感温性ゲル
51 :フィルタ部材
100 :上流循環配管(循環流路)
101 :循環タンク(循環流路)
102 :下流循環配管(循環流路)
110 :不純物量測定ユニット
114 :循環ヒータ(加熱ユニット)
130 :供給配管(供給流路)
140 :新液配管(新液流路)
W :基板
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図11
図12
図13