(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】会話ロボットおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/16 20060101AFI20240820BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240820BHJP
G06F 3/01 20060101ALI20240820BHJP
G10L 15/00 20130101ALN20240820BHJP
【FI】
G06F3/16 650
G06Q50/10
G06F3/01 510
G06F3/16 610
G06F3/16 660
G10L15/00 200T
(21)【出願番号】P 2020176402
(22)【出願日】2020-10-21
【審査請求日】2023-05-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】平瀬 公太
(72)【発明者】
【氏名】川田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】大野 明子
【審査官】三田村 陽平
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-224661(JP,A)
【文献】特開2018-055633(JP,A)
【文献】特開2020-112692(JP,A)
【文献】特開2020-034988(JP,A)
【文献】特開2003-316388(JP,A)
【文献】国際公開第2020/129865(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048- 3/04895
G06F 3/16
G10L 15/00 -17/26
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザと会話する会話ロボットであって、
前記ユーザの口から音声により発せられた言葉である言葉情報を取得する言葉取得手段と、
前記言葉取得手段にて取得された前記言葉情報から前記ユーザが求める説明の対象
の機器の種類と項目とを特定する特定手段と、
前記ユーザに用いられる機器の型式に合わせて
予め取得
した説明情報が
機器の種類に対応付けて項目ごとに記憶された記憶部
と、
前記記憶部に記憶されている前記説明情報から、前記特定手段により特定された前記説明の対象
の機器の種類に関する説明情報
であり、当該特定手段により特定された前記説明の対象
の項目の説明情報を前記ユーザとの会話の中で出力する出力手段と、
を備える会話ロボット。
【請求項2】
前記出力手段は、前記説明の対象における項目の説明情報を出力する前に、当該項目に関する情報を出力することを特徴とする請求項1記載の会話ロボット。
【請求項3】
前記出力手段は、前記特定手段によって前記ユーザが求める説明の対象が特定されない場合に、ユーザに前記言葉情報を促す促進情報を出力することを特徴とする請求項1記載の会話ロボット。
【請求項4】
前記出力手段は、前記特定手段によって前記ユーザが求める説明の対象が特定されない場合において、前記説明情報における説明の対象である機器の種類と前記言葉情報との関係について定められた機器条件を満たさない場合、機器の種類に係る前記言葉情報を促す前記促進情報を出力することを特徴とする請求項3記載の会話ロボット。
【請求項5】
前記
出力手段は、前記機器について区分けされた項目の説明に係る前記説明情報を
前記記憶部から取得し、
前記出力手段は、前記特定手段によって前記ユーザが求める説明の対象が特定されない場合において、前記機器条件を満たす場合、前記項目に係る前記言葉情報を促す前記促進情報を出力することを特徴とする請求項4記載の会話ロボット。
【請求項6】
ユーザおよび/または前記機器の態様を検知する検知手段をさらに備え、
前記出力手段は、前記検知手段に検知された前記態様が予め定められた条件を満たす場合、ユーザに前記言葉情報を促す促進情報を出力することを特徴とする請求項1記載の会話ロボット。
【請求項7】
前記促進情報は、前記機器に係る言葉情報を促す情報であり、
前記出力手段は、前記検知手段に検知された前記態様が前記条件を満たす場合に、当該態様に応じて促す前記機器の対象が定められた前記促進情報を出力することを特徴とする請求項6記載の会話ロボット。
【請求項8】
ユーザと会話する会話ロボットに、
前記ユーザの口から音声により発せられた言葉である言葉情報を取得する機能と、
取得された前記言葉情報から前記ユーザが求める説明の対象
の機器の種類と項目とを特定する機能と、
前記ユーザに用いられる機器の型式に合わせて
予め取得
した説明情報が記憶された
機器の種類に対応付けて項目ごとに記憶
する機能と、
前記記憶する機能により記憶されている前記説明情報から、前記特定する機能により特定された前記説明の対象
の機器の種類に関する説明情報
であり、当該特定する機能により特定された前記説明の対象
の項目の説明情報を前記ユーザとの会話の中で出力する機能と、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、会話ロボットおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、個人、団体などが所有している一つ以上の機器、ソフトウェアなどの製品コード、シリアル番号情報などを1つのウェッブサイトで登録することによって、集中管理を行いそれぞれの製品の取扱説明書が掲載されているウェッブサイトあるいは電子フォーマットの説明書へのリンク情報を自動的に付加し、1ウェッブサイトから複数の異なる製品情報へのアクセスを可能とするサービスを提供することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、機器の説明が表示されるページのアドレスが複数の機器の各々について示されている一の画面を表示し、一の画面において何れかのアドレスがユーザに選択されると、選択されたアドレスに対応する機器の説明を表示する技術が存在する。しかしながら、この場合、ユーザに伝える機器の説明をユーザに特定させる必要があった。
【0005】
本発明の目的は、ユーザに伝える機器の説明をユーザに特定させる必要を無くすことにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、ユーザと会話する会話ロボットであって、前記ユーザの口から音声により発せられた言葉である言葉情報を取得する言葉取得手段と、前記言葉取得手段にて取得された前記言葉情報から前記ユーザが求める説明の対象の機器の種類と項目とを特定する特定手段と、前記ユーザに用いられる機器の型式に合わせて予め取得した説明情報が機器の種類に対応付けて項目ごとに記憶された記憶部と、前記記憶部に記憶されている前記説明情報から、前記特定手段により特定された前記説明の対象の機器の種類に関する説明情報であり、当該特定手段により特定された前記説明の対象の項目の説明情報を前記ユーザとの会話の中で出力する出力手段と、を備える会話ロボットである。
請求項2に記載の発明は、前記出力手段は、前記説明の対象における項目の説明情報を出力する前に、当該項目に関する情報を出力することを特徴とする請求項1記載の会話ロボットである。
請求項3に記載の発明は、前記出力手段は、前記特定手段によって前記ユーザが求める説明の対象が特定されない場合に、ユーザに前記言葉情報を促す促進情報を出力することを特徴とする請求項1記載の会話ロボットである。
請求項4に記載の発明は、前記出力手段は、前記特定手段によって前記ユーザが求める説明の対象が特定されない場合において、前記説明情報における説明の対象である機器の種類と前記言葉情報との関係について定められた機器条件を満たさない場合、機器の種類に係る前記言葉情報を促す前記促進情報を出力することを特徴とする請求項3記載の会話ロボットである。
請求項5に記載の発明は、前記出力手段は、前記機器について区分けされた項目の説明に係る前記説明情報を前記記憶部から取得し、前記出力手段は、前記特定手段によって前記ユーザが求める説明の対象が特定されない場合において、前記機器条件を満たす場合、前記項目に係る前記言葉情報を促す前記促進情報を出力することを特徴とする請求項4記載の会話ロボットである。
請求項6に記載の発明は、ユーザおよび/または前記機器の態様を検知する検知手段をさらに備え、前記出力手段は、前記検知手段に検知された前記態様が予め定められた条件を満たす場合、ユーザに前記言葉情報を促す促進情報を出力することを特徴とする請求項1記載の会話ロボットである。
請求項7に記載の発明は、前記促進情報は、前記機器に係る言葉情報を促す情報であり、前記出力手段は、前記検知手段に検知された前記態様が前記条件を満たす場合に、当該態様に応じて促す前記機器の対象が定められた前記促進情報を出力することを特徴とする請求項6記載の会話ロボットである。
請求項8に記載の発明は、ユーザと会話する会話ロボットに、前記ユーザの口から音声により発せられた言葉である言葉情報を取得する機能と、取得された前記言葉情報から前記ユーザが求める説明の対象の機器の種類と項目とを特定する機能と、前記ユーザに用いられる機器の型式に合わせて予め取得した説明情報が記憶された機器の種類に対応付けて項目ごとに記憶する機能と、前記記憶する機能により記憶されている前記説明情報から、前記特定する機能により特定された前記説明の対象の機器の種類に関する説明情報であり、当該特定する機能により特定された前記説明の対象の項目の説明情報を前記ユーザとの会話の中で出力する機能と、を実現させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザに伝える機器の説明をユーザに特定させる必要を無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】機器説明システムの全体構成例を示した図である。
【
図2】会話ロボットおよびサーバ装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図3】会話ロボットの機能構成例を示した図である。
【
図6】説明出力処理の流れを示したフローチャートである。
【
図7】促進処理の流れを示したフローチャートである。
【
図8】(a)、(b)は、ユーザの言葉に応じて会話ロボットが説明情報を出力する例を示した図である。
【
図9】(a)、(b)は、ユーザの言葉に応じて会話ロボットが促進情報を出力する例を示した図である。
【
図10】(a)、(b)は、会話ロボットがユーザや機器の態様を検知した結果に基づいて出力される促進情報の例を示した図である。
【
図11】(a)、(b)は、ユーザの言葉に応じて会話ロボットが説明情報を出力する変形例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<機器説明システムの構成>
図1は、本実施形態に係る機器説明システム1の全体構成例を示した図である。
機器説明システム1は、ユーザに機器を説明するシステムである。より具体的には、機器説明システム1は、ユーザの口から発せられた言葉に応じて、機器を説明する。図示の例では、機器Mとしての冷蔵庫が設けられている。
機器説明システム1は、会話ロボット10と、サーバ装置20とを備える。会話ロボット10と、サーバ装置20および機器Mとは、ネットワークを介して接続されている。
【0010】
機器説明装置の一例としての会話ロボット10は、ユーザと会話するロボットである。会話ロボット10は、ユーザとの会話を通じて、ユーザとコミュニケーションを図る。また、本実施形態の会話ロボット10は、ユーザに対して機器Mを説明する。より具体的には、会話ロボット10は、ユーザから発せられた言葉から、説明の対象としてユーザに求められている機器Mを特定し、特定した機器Mの説明に関する情報を出力することにより、この機器Mを説明する。
機器Mの説明に関する情報としては、例えば、機器の説明が示された情報が挙げられる。機器の説明に関する情報を、以下では、説明情報と称することがある。なお、説明情報は、説明が示された生データであってもよいし、生データに基づいて説明を示す情報として加工されたデータであってもよい。説明情報としては、例えば、機器Mの説明書のテキストデータが挙げられる。
【0011】
会話ロボット10は、音を取得するマイクロフォン11と、情報を表示するディスプレイ12と、音を出力するスピーカ13と、動画像や静止画像を撮影するカメラ14とを備える。本実施形態では、会話ロボット10のディスプレイ12として、文字の入力が可能なタッチパネルが用いられている。また、会話ロボット10は、会話ロボット10が動作するための電力を供給するモバイル型電池15を備える。なお、会話ロボット10には、コンセントに差し込まれることで電力を会話ロボット10に供給するプラグ(不図示)が設けられてもよい。
会話ロボット10は、例えば、コンピュータにより実現される。
【0012】
サーバ装置20は、説明情報を記憶するサーバである。本実施形態のサーバ装置20には、機器Mごとの説明情報が記憶されている。また、サーバ装置20は、会話ロボット10から特定の機器Mについての説明情報を要求されると、要求された機器Mについての説明情報を、会話ロボット10に送信する。そのため、サーバ装置20は、説明情報を提供する提供手段としても捉えられる。
【0013】
サーバ装置20は、例えば、コンピュータにより実現される。サーバ装置20は、単一のコンピュータにより構成しても良いし、複数のコンピュータによる分散処理により実現しても良い。また、サーバ装置20は、クラウドコンピューティングにより提供される仮想的なハードウェア上にて実現してもよい。
【0014】
会話ロボット10と、サーバ装置20および機器Mとの接続に用いられるネットワークは、データの送受信が可能であれば、その種類は特に限定されず、例えばインターネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等として良い。データの送受信に用いられる通信回線は、有線であっても無線であっても良い。また、複数のネットワークや通信回線を介して各装置を接続する構成としても良い。
【0015】
<ハードウェア構成例>
図2は、会話ロボット10およびサーバ装置20のハードウェア構成例を示す図である。
図2に示すように、会話ロボット10およびサーバ装置20は、演算手段であるCPU(Central Processing Unit)100aと、主記憶手段であるメモリ100cとを備える。また、各装置は、外部デバイスとして、不揮発性記録デバイス100g、ネットワークインターフェイス100f、表示機構100d、音声機構100h、キーボードやマウス等の入力デバイス100i等を備える。なお、表示機構100dおよび入力デバイス100iが一体として構成されたタッチパネルが用いられてもよい。
【0016】
メモリ100cおよび表示機構100dは、システムコントローラ100bを介してCPU100aに接続されている。また、ネットワークインターフェイス100f、不揮発性記録デバイス100g、音声機構100hおよび入力デバイス100iは、ブリッジコントローラ100eを介してシステムコントローラ100bと接続されている。各構成要素は、システムバスや入出力バスなどの各種のバスによって接続される。
【0017】
不揮発性記録デバイス100gには、各機能を実現するためのプログラムが格納されている。そして、このプログラムがメモリ100cにロードされ、このプログラムに基づく処理がCPU100aにより実行されることで、各種の機能が実現される。不揮発性記録デバイス100gとしては、例えば、SSD(Solid State Drive)等の半導体メモリやHDD(Hard Disk Drive)等の磁気ディスク装置などが挙げられる。
【0018】
<会話ロボットの機能構成>
次に、会話ロボット10の機能構成について説明する。
図3は、会話ロボット10の機能構成例を示した図である。
会話ロボット10は、型式取得部101と、記憶部102と、説明取得部103と、分類部104と、言葉取得部105と、決定部106と、出力部107と、検知部108と、促進部109とを備える。
【0019】
識別情報取得手段の一例としての型式取得部101は、ユーザに用いられている機器Mの型式を識別する情報を取得する。機器Mの型式を識別する情報を、以下では、識別情報と称することがある。ユーザが会話ロボット10のディスプレイ12に識別情報を入力すると、型式取得部101は、ユーザに入力された識別情報を取得する。
なお、ユーザは、識別情報を音声により会話ロボット10に入力してもよい。ユーザから音声により発せられた識別情報は、会話ロボット10のマイクロフォン11を介して、型式取得部101に取得される。また、ユーザは、会話ロボット10のカメラ14を用いて機器Mを撮影してもよい。型式取得部101は、カメラ14に撮影された機器Mの画像から機器Mの型式を特定することで、この機器Mを識別する識別情報を得る。
【0020】
記憶部102は、情報を記憶する。より具体的には、記憶部102は、識別情報や説明情報等の情報を記憶する。記憶部102の記憶内容については、後に詳述する。
説明取得手段の一例としての説明取得部103は、サーバ装置20から説明情報を取得する。より具体的には、説明取得部103は、説明情報をサーバ装置20に要求し、要求した説明情報をサーバ装置20から取得する。説明取得部103が要求し取得する説明情報は、型式取得部101に取得された識別情報から特定される機器Mに係る説明情報である。また、説明取得部103は、取得した説明情報を、この説明情報と同一の機器Mを対象とする識別情報に関連付けて、記憶部102に記憶させる。
【0021】
分類部104は、説明情報の内容を、説明の対象ごとに分類する。より具体的には、分類部104は、説明情報に示された説明の対象を、機器Mについて区分けされた複数の項目のうちの説明の対象に該当する項目に関連付けることで、説明情報の内容を説明の対象ごとに分類する。機器Mについて区分けされた項目としては、例えば、機器Mの説明書のページごとに区分けされた項目が挙げられる。また、機器Mについて区分けされた項目としては、例えば、説明の対象である機器Mの機能や機器Mの操作の方法ごとに区分けされた項目が挙げられる。さらに、機器Mについて区分けされた項目としては、例えば、説明の対象である機器Mの不具合の種類ごとに区分けされた項目が挙げられる。
なお、機器Mの機能や機器Mの操作の方法ごとに項目が区分けされたり、機器Mの不具合の種類ごとに項目が区分けされたりする場合、機器Mの説明書の一のページに含まれる複数の説明情報が、項目ごとに区分けされることがある。一例を挙げると、一のページにおける最初の段落から示されている説明情報と、この一のページにおける途中の段落から示されている説明情報とが、項目ごとに区分けされる。
【0022】
分類部104による分類の一例を説明する。機器Mである「冷蔵庫」の説明情報に「冷凍室の説明」が示されている場合に、分類部104は、「冷凍室の説明」を、冷蔵庫について区分けされた複数の項目のうちの「冷凍室」の項目に関連付ける。
分類部104に分類される対象の説明情報は、記憶部102に記憶されている説明情報である。
【0023】
言葉取得手段の一例としての言葉取得部105は、言葉に関する情報を、ユーザを介して取得する。言葉に関する情報としては、例えば、言葉が特定される情報が挙げられる。言葉に関する情報を、以下では、言葉情報と称する。なお、言葉情報は、言葉が特定される生データであってもよいし、生データに基づいて言葉が特定される情報として加工されたデータであってもよい。
言葉取得部105は、例えば、ユーザの口から音声により発せられた言葉を、言葉情報として取得する。
【0024】
決定部106は、言葉取得部105に取得された言葉情報に基づいて、会話ロボット10に出力させる説明情報を決定する。より具体的には、決定部106は、機器Mにおいてユーザが求める説明の対象が言葉情報から特定される場合に、特定した対象の説明に関する情報である説明情報を、出力させる説明情報に決定する。
出力手段の一例としての出力部107は、情報を出力する。より具体的には、出力部107は、情報を画像によりディスプレイ12に表示したり、情報を音によりスピーカ13から出力したりする。出力部107は、例えば、決定部106に決定された説明情報を、会話ロボット10から音声により出力する。
【0025】
検知手段の一例としての検知部108は、ユーザや機器Mの態様を検知する。態様としては、例えば、ユーザの言動が挙げられる。また、態様としては、例えば、ユーザや機器Mの状態が挙げられる。検知部108は、マイクロフォン11に入力された情報や、カメラ14に撮影された画像から、ユーザや機器Mの態様を検知する。また、検知部108は、ネットワークを介して機器Mから送信された情報から、機器Mの態様を検知してもよい。
また、検知部108は、ユーザや機器Mについて検知した態様が、特定の条件を満たすか否かを判定する。そして、検知部108は、検知した態様が特定の条件を満たすと判定した場合に、検知した態様を促進部109に通知する。
【0026】
促進部109は、ユーザが機器Mに関する言葉を発することをユーザに促進する。より具体的には、促進部109は、ユーザが特定の機器Mにおける特定の項目の説明を求める言葉を発することをユーザに促すための情報を、会話ロボット10に出力させる。なお、ユーザが機器Mに関する言葉を発することをユーザに促進する情報を、以下では、促進情報と称することがある。
促進部109は、検知部108に検知された結果として検知部108に通知された内容に基づいて、促進情報の内容を決定する。
【0027】
<記憶部の記憶内容>
次に、会話ロボット10の記憶部102に記憶されている情報の内容について説明する。
図4は、説明管理テーブルを示した情報である。説明管理テーブルは、説明情報を管理するためのテーブルである。説明管理テーブルには、型式取得部101に取得された識別情報に関連付けられた説明情報が管理されている。また、説明管理テーブルは、記憶部102に記憶されている。
【0028】
図4に示す説明管理テーブルでは、「機器」に、機器Mの名称が示されている。より具体的には、「機器」として、「コンロ」、「給湯器」、「オーブン」、「電話機」、「冷蔵庫」、「洗濯機」、「電子レンジ」、「掃除機」、「パソコン」、「空調装置」、「テレビ」が示されている。各「機器」は、型式取得部101に取得された識別情報から特定される機器Mの名称である。
【0029】
また、説明管理テーブルでは、「型式」に、「機器」の識別情報が示されている。この識別情報は、型式取得部101に取得された識別情報である。
また、説明管理テーブルでは、「項目」に、「機器」について区分けされた項目が示されている。「項目」に示された「1」乃至「10」は、複数の「項目」のうちの何れの「項目」であるかを識別するための番号である。
【0030】
また、説明管理テーブルでは、説明情報が示されている。より具体的には、説明管理テーブルでは、説明情報が、この説明情報における説明の対象に該当する「機器」の「項目」に示されている。本実施形態では、説明管理テーブルの各「項目」には、分類部104によって「項目」に関連付けられた説明情報が示されている。一例を挙げると、「コンロ」の項目である「1」に示された「a1」は、「コンロ」の項目である「1」が説明の対象であるものとして分類部104に分類された説明情報である。
【0031】
図5は、関係管理テーブルを示した情報である。関係管理テーブルは、言葉と機器Mの項目との関係を管理するためのテーブルである。関係管理テーブルは、会話ロボット10の記憶部102に記憶されている。また、関係管理テーブルは、機器Mごとに設けられている。図示の例では、機器Mである「コンロ」を管理の対象とする関係管理テーブルが示されている。
【0032】
図5に示す関係管理テーブルでは、「項目」に、機器Mについて区分けされた項目が示されている。また、各「項目」には、番号が付されている。「項目」に付された番号は、説明管理テーブル(
図4参照)の「項目」に付された番号に対応する。一例を挙げると、
図5に示す関係管理テーブルの「項目」である「1:各部の名前」は、説明管理テーブルにおける「コンロ」の「項目」である「1」と同一の項目である。
【0033】
また、関係管理テーブルでは、「言葉」に、「項目」に関連付けられた言葉情報が示されている。一例を挙げると、「言葉」である「名前」、「呼び方」、「名称」は、それぞれ、「項目」である「1:各部の名前」に関連付けられている言葉情報である。
【0034】
(決定部の処理)
次に、会話ロボット10の決定部106の処理について説明する。言葉取得部105に言葉情報が取得されると、決定部106は、取得された言葉情報が出力条件を満たすか否かを判定する。出力条件は、会話ロボット10に説明情報を出力させるか否かの決定部106による判定に用いられる条件である。言い換えると、出力条件は、ユーザが説明を求める機器Mの項目を特定できるか否かの決定部106による判定に用いられる条件である。また、出力条件は、言葉情報から特定される言葉と、機器Mの項目との関係について定められた条件である。
【0035】
出力条件の一例について説明する。決定部106は、関係管理テーブル(
図5参照)を参照する。そして、言葉取得部105に取得された言葉情報から特定される言葉が、関係管理テーブルにおける何れかの「項目」に関連付けられている「言葉」であるか否かにより、言葉情報が出力条件を満たすか否かを判定する。言い換えると、決定部106は、言葉情報から特定される言葉が、関係管理テーブルの「言葉」に含まれているか否かにより、言葉情報が出力条件を満たすか否かを判定する。言葉情報から特定される言葉に、関係管理テーブルの「言葉」が含まれている場合、決定部106は、言葉情報が出力条件を満たすと判定する。
【0036】
ここで、
図5に示す関係管理テーブルの「言葉」に示されている「操作」、「方法」、「やり方」は、機器Mの操作に関する言葉である。また、関係管理テーブルの「言葉」に示されている「注意」、「気を付ける」、「危ない」は、ユーザに対する機器Mの注意喚起に関する言葉である。また、関係管理テーブルの「言葉」に示されている「手入れ」、「掃除」、「片付け」は、ユーザが機器Mを使用した後の機器Mに関する言葉である。また、関係管理テーブルの「言葉」に示されている「火が付かない」、「火が消える」、「点火しない」は、ユーザが機器Mを操作した場合の機器Mの状態に関する言葉である。すなわち、出力条件を満たす言葉情報としては、ユーザによる機器Mの使い方に関する言葉が特定される情報が挙げられる。
【0037】
なお、出力条件は、言葉情報から特定される言葉に、関係管理テーブルの「言葉」と同一の言葉が含まれることに限られない。決定部106は、言葉情報から特定される言葉に、関係管理テーブルの「言葉」に類似する言葉が含まれる場合に、言葉情報が出力条件を満たすと判定してもよい。また、決定部106は、言葉情報から特定される言葉に、関係管理テーブルの「言葉」の一部が含まれる場合に、言葉情報が出力条件を満たすと判定してもよい。
【0038】
また、決定部106は、言葉情報が出力条件を満たす場合に、この言葉情報に関連付けられた説明情報を、会話ロボット10に出力させる説明情報に決定する。より具体的には、決定部106は、言葉情報から特定される言葉が関係管理テーブル(
図5参照)において関連付けられた「項目」を、会話ロボット10による説明の対象に決定する。そして、決定した「項目」が説明管理テーブル(
図4参照)において関連付けられた「説明情報」を、会話ロボット10に出力させる説明情報に決定する。
また、決定部106は、言葉情報が出力条件を満たさないと判定した場合、会話ロボット10に促進情報を出力させることを、促進部109に指示する。
【0039】
<説明出力処理>
図6は、説明出力処理の流れを示したフローチャートである。説明出力処理は、会話ロボット10が説明情報を出力する処理である。本実施形態では、言葉情報が言葉取得部105に取得されると、説明出力処理が開始される。
まず、決定部106は、言葉情報が出力条件を満たすか否かを判定する(ステップ(以下「S」と称する)101)。
決定部106は、言葉情報が出力条件を満たすと判定した場合(S101にてYES)、言葉情報から、ユーザが説明を求める対象の機器Mの項目を特定する。そして、決定部106は、特定した項目に関連付けられた説明情報を、会話ロボット10に出力させる(S102)。
【0040】
一方、決定部106は、言葉情報が出力条件を満たさないと判定した場合(S101にてNO)、言葉情報が機器条件を満たすか否かを判定する(S103)。機器条件は、ユーザが説明を求める対象の機器が特定できるか否かの決定部106による判定に用いられる条件である。また、機器条件は、言葉情報と、機器Mとの関係について定められている。
機器条件の一例について説明する。決定部106は、説明管理テーブル(
図4参照)を参照する。そして、言葉取得部105に取得された言葉情報から特定される言葉に、説明管理テーブルの「機器」に示された名称が含まれているか否かにより、言葉情報が機器条件を満たすか否かを判定する。
【0041】
なお、機器条件は、言葉情報から特定される言葉に、説明管理テーブルの「機器」と同一の言葉が含まれることに限られない。決定部106は、言葉情報から特定される言葉に、説明管理テーブルの「機器」に類似する言葉が含まれる場合に、言葉情報が機器条件を満たすと判定してもよい。また、決定部106は、言葉情報から特定される言葉に、説明管理テーブルの「機器」の一部が含まれる場合に、言葉情報が機器条件を満たすと判定してもよい。
【0042】
言葉情報が機器条件を満たすと決定部106に判定された場合(S103にてYES)、促進部109は、機器Mの項目の種類に係る促進情報を出力させる(S104)。より具体的には、促進部109は、ユーザが機器Mにおける何れの項目の説明を求めるかが特定される言葉をユーザに促すための促進情報を出力させる。言い換えると、促進部109は、出力条件を満たす言葉情報を含む言葉をユーザに促すための促進情報を出力させる。
【0043】
また、言葉情報が機器条件を満たさないと決定部106に判定された場合(S103にてNO)、促進部109は、機器Mの種類に係る促進情報を出力させる(S105)。より具体的には、促進部109は、ユーザが何れの機器Mの説明を求めるかが特定される言葉をユーザに促すための促進情報を出力させる。
なお、言葉情報が機器条件を満たさない場合、会話ロボット10は、説明情報および促進情報の何れも出力しないようにしてもよい。
【0044】
<促進処理>
図7は、促進処理の流れを示したフローチャートである。促進処理は、検知部108による検知の結果に基づいて会話ロボット10が促進情報を出力する処理である。本実施形態では、ユーザや機器Mの態様が検知部108に検知されると、促進処理が開始される。
【0045】
まず、検知部108は、ユーザや機器Mについて検知した態様が、促進条件を満たすか否かを判定する(S201)。促進条件は、会話ロボット10に促進情報を出力させるか否かの検知部108による判定に用いられる条件である。より具体的には、促進条件は、検知部108による検知の結果に基づいて促進情報を出力させるか否かの判定に用いられる条件である。また、促進条件は、検知部108に検知されたユーザや機器Mの態様が特定の態様であることが定められる。特定の態様としては、例えば、機器Mに不具合が生じている態様が挙げられる。また、特定の態様としては、例えば、ユーザが機器Mを操作しても機器Mの機能が発揮されない態様が挙げられる。
検知部108に検知された態様が促進条件を満たさない場合(S201にてNO)、促進処理が終了する。この場合、会話ロボット10は、促進情報を出力しない。
【0046】
一方で、検知部108に検知された態様が促進条件を満たす場合(S201にてYES)、検知部108は、検知した態様が、項目条件を満たすか否かを判定する(S202)。項目条件は、検知部108による判定に用いられる条件である。より具体的には、項目条件は、検知部108に検知されたユーザや機器Mの態様が、機器Mにおける何れの項目に関する態様であるかを特定できるか否かの判定に用いられる条件である。
項目条件に関する例を説明する。検知部108が、機器Mとしての「冷蔵庫」の項目である「野菜室」の不具合を検知した場合、「冷蔵庫」について検知した態様が項目条件を満たすと判定する。また、検知部108が、機器Mとしての「冷蔵庫」の不具合を検知した一方で、「冷蔵庫」における何れの部分の不具合であるかを検知していない場合、「冷蔵庫」について検知した態様が項目条件を満たさないと判定する。
【0047】
検知部108が検知した態様が項目条件を満たすと判定した場合(S202にてYES)、促進部109は、機器Mの項目の種類に係る促進情報を出力させる(S203)。より具体的には、促進部109は、ユーザが機器Mにおける何れの項目の説明を求めるかが特定される言葉をユーザに促すための促進情報を出力させる。
また、検知部108が検知した態様が項目条件を満たさないと判定した場合(S202にてNO)、促進部109は、機器Mの種類に係る促進情報を出力させる(S204)。より具体的には、促進部109は、ユーザが何れの機器Mの説明を求めるかが特定される言葉をユーザに促すための促進情報を出力させる。
【0048】
<説明情報の例>
次に、会話ロボット10が出力する説明情報の例について説明する。
図8(a)および
図8(b)は、ユーザの言葉に応じて会話ロボット10が説明情報を出力する例を示した図である。なお、以下では、ユーザが、機器Mである「コンロ」を用いて火を付ける操作をした場合において、点火の直後に消火する場合について説明する。
【0049】
図8(a)に示すように、ユーザは、コンロについて、会話ロボット10に話しかけている。図示の例では、ユーザは、「火が消えるのはどうして?」と話している。
会話ロボット10の言葉取得部105は、ユーザから発せられた言葉を言葉情報として取得する。また、ユーザから発せられた言葉には、関係管理テーブル(
図5参照)における項目である「火が付かない場合の対処」に関連付けられた言葉である「火が消える」が含まれている。そのため、決定部106は、言葉取得部105に取得された言葉情報が出力条件を満たすと判定する(
図6のS101にてYES)。
【0050】
この場合、会話ロボット10は、
図8(b)に示すように、ユーザから発せられた言葉に応じた説明情報を出力する。より具体的には、会話ロボット10は、ユーザから発せられた言葉から、ユーザが説明を求める機器Mの項目を特定し、特定した項目に関連付けられた説明情報を出力する。図示の例では、会話ロボット10は、「安全装置がガスを遮断している可能性があります。ガスバーナーの周りの汚れを取ってください。」の説明情報を音声により出力する。この説明情報は、説明管理テーブル(
図4参照)の「項目」のうちの、関係管理テーブル(
図5参照)の「火がつかない場合の対処」の「項目」に関連付けられた説明情報である。
【0051】
以上の通り、本実施形態では、会話ロボット10の出力部107は、言葉取得部105に取得された言葉情報について定められた出力条件を満たす場合に、言葉情報から特定される説明情報に基づく情報を出力する。
この場合、ユーザが機器Mについて何れの説明を聞くかを選択することなく、機器Mの説明がユーザに伝えられる。そのため、ユーザに伝える機器Mの説明をユーザに特定させる必要を無くすことができる。
【0052】
また、本実施形態では、出力部107は、出力条件を満たす場合に、複数の項目のうちの言葉情報から特定される項目に係る説明情報に基づく情報を出力する。
この場合、ユーザが機器Mにおける何れの項目の説明を聞くかを選択することなく、機器Mにおける特定の項目の説明をユーザに伝えることができる。
【0053】
また、本実施形態では、型式取得部101は、ユーザに用いられる機器Mの型式を識別する識別情報を取得する。そして、説明取得部103は、型式取得部101に取得された識別情報に関連付けられた説明情報を取得する。さらに、出力部107は、説明取得部103に取得された説明情報に基づく情報を出力する。
この場合、ユーザに用いられていない型式からなる機器Mの説明がユーザに伝えられることを抑制できる。
【0054】
<促進情報の例>
次に、会話ロボット10に出力される促進情報の例について説明する。
図9(a)および
図9(b)は、ユーザの言葉に応じて会話ロボット10が促進情報を出力する例を示した図である。
図9(a)に示すように、ユーザは、会話ロボット10に話しかけている。図示の例では、「どうやって設定するの?」と話しかけている。
【0055】
会話ロボット10の言葉取得部105は、ユーザから発せられた言葉を言葉情報として取得する。この例では、言葉取得部105に取得された言葉情報が出力条件を満たさないものとする(
図6のS101にてNO)。また、この例では、言葉情報から特定される言葉には、説明管理テーブル(
図4参照)の「機器」に示された言葉が含まれておらず、この言葉情報が機器条件を満たさないものとする(
図6のS103にてNO)。
この場合、会話ロボット10は、ユーザが何れの機器Mの説明を求めるかが特定される言葉をユーザに促すための促進情報を出力する。図示の例では、会話ロボット10は、「どの機器の設定ですか?」の促進情報を音声により出力する。
【0056】
また、ユーザは、会話ロボット10からの促進情報に対して、
図9(b)に示すように返答している。図示の例では、ユーザは、機器Mである冷蔵庫について、「冷蔵庫の設定だよ」と返答している。
【0057】
会話ロボット10の言葉取得部105は、ユーザから発せられた言葉を言葉情報として取得する。この例では、言葉取得部105に取得された言葉情報が出力条件を満たさないものとする(
図6のS101にてNO)。また、言葉情報から特定される言葉には、説明管理テーブルの「機器」である「冷蔵庫」が含まれているため、決定部106は、言葉情報が機器条件を満たすと判定する(
図6のS103にてYES)。
この場合、会話ロボット10は、ユーザが機器Mの何れの項目の説明を求めるかが特定される言葉をユーザに促すための促進情報を出力する。図示の例では、会話ロボット10は、「冷蔵庫のどの機能の設定ですか?」の促進情報を音声により出力する。
【0058】
また、ユーザは、会話ロボット10からの促進情報に対して、
図9(c)に示すように返答している。図示の例では、ユーザは、冷蔵庫の特定の項目について、「除菌だよ」と返答している。
会話ロボット10の言葉取得部105は、ユーザから発せられた言葉を言葉情報として取得する。また、この例では、言葉取得部105に取得された言葉情報が出力条件を満たすものとする(
図6のS101にてYES)。この場合、決定部106は、言葉情報から特定される言葉が関係管理テーブルにおいて関連付けられた機器Mの項目を、説明の対象に決定する。そして、会話ロボット10は、説明管理テーブルにおいて、説明の対象である項目に関連付けられた説明情報を出力する。図示の例では、会話ロボット10は、冷蔵庫の内部を除菌する機能を設定する方法の説明である「冷蔵庫の内部にある「除菌」と表示されたボタンを押します」の説明情報を音声により出力する。
【0059】
以上の通り、本実施形態では、会話ロボット10の出力部107は、言葉情報が出力条件を満たさない場合に、ユーザに言葉情報を促す促進情報を出力する。
この場合、ユーザに言葉情報を促さない構成に比べて、会話ロボット10が説明情報を出力するための言葉情報が会話ロボット10に取得されやすくなる。
【0060】
また、本実施形態では、出力部107は、出力条件を満たさない場合において、機器条件を満たさない場合、機器の種類に係る言葉情報を促す促進情報を出力する。
この場合、ユーザに言葉情報を促さない構成に比べて、機器Mの種類が特定される言葉情報が会話ロボット10に取得されやすくなる。
【0061】
また、本実施形態では、出力部107は、出力条件を満たさない場合において、機器条件を満たす場合、機器Mの項目に係る言葉情報を促す促進情報を出力する。
この場合、ユーザに言葉情報を促さない構成に比べて、機器Mにおける項目が特定される言葉情報が会話ロボット10に取得されやすくなる。
【0062】
なお、本実施形態では、言葉情報が機器条件を満たす場合(
図6のS103にてYES)、会話ロボット10の出力部107は、促進情報を出力しているが、これに限定されない。
例えば、言葉情報が機器条件を満たす場合、出力部107は、機器Mにおいて説明の対象の候補である項目に関する情報を出力してもよい。一例を挙げると、
図9(b)に示したユーザの「冷蔵庫の設定だよ」の返答に基づき、会話ロボット10は、「冷蔵庫の設定には、急速冷凍の設定と、除菌の設定とがあります」の情報を音声により出力する。ここで、「急速冷凍の設定」および「除菌の設定」は、何れも、機器Mである冷蔵庫について区分けされた項目であって、会話ロボット10による説明の対象の候補としての項目である。
【0063】
以上の通り、出力部107は、説明情報に基づく情報を出力する前に、機器Mの項目に関する情報を出力してもよい。
この場合、ユーザは、会話ロボット10からの項目に関する情報を受けて、説明を求める対象の項目を答えやすくなる。そのため、機器Mにおける項目が特定される言葉情報が会話ロボット10に取得されやすくなる。
【0064】
<検知結果に基づく促進情報の例>
次に、会話ロボット10がユーザや機器Mの態様を検知した結果に基づいて出力される促進情報の例について説明する。
なお、以下では、蛇口から流れる水の温度を検知する温度センサ(不図示)が機器説明システム1に設けられており、温度センサに検知された温度の情報が、会話ロボット10の検知部108に取得されるものとする。また、以下では、温度センサに検知された温度が「20℃」であるものとする。
【0065】
図10(a)に示すように、機器Mである給湯器により、蛇口から流れる水の温度が40℃に設定されている。会話ロボット10の検知部108は、給湯器に設定されている水の温度の情報を、給湯器から取得する。
また、会話ロボット10の検知部108は、温度センサから、蛇口から流れる水の温度の検知結果である「20℃」を取得する。また、この例では、給湯器に設定されている水の温度と、温度センサに検知された水の温度との差が、予め定められた温度以上であることが促進条件として定められているものとする。また、予め定められた温度を、10℃とする。
【0066】
この場合、検知部108は、給湯器について検知した結果が促進条件を満たすと判定する(
図7のS201にてYES)。また、検知部108は、検知した給湯器の態様が、給湯器について区分けされた項目である「お湯の温度」に関する態様であると特定し、給湯器の態様が項目条件を満たすと判定する(
図7のS202にてYES)。
【0067】
この場合、会話ロボット10は、
図10(b)に示すように、ユーザが機器Mの何れの項目の説明を求めるかが特定される言葉をユーザに促すための促進情報を出力する。図示の例では、会話ロボット10は、「お湯の温度が上がりませんか?」の促進情報を音声により出力する。また、ユーザは、会話ロボット10から出力された促進情報に対して返答する。図示の例では、ユーザは、「うん」と返答する。
【0068】
会話ロボット10の言葉取得部105は、ユーザから発せられた言葉を言葉情報として取得する。また、決定部106は、言葉取得部105に取得された言葉情報が出力条件を満たすと判定する(
図6のS101にてYES)。
なお、会話ロボット10が機器Mにおける特定の項目に係る促進情報を出力した場合において、この促進情報に対するユーザの返答に、促進情報を肯定する返答が含まれている場合、決定部106は、上述の通り、言葉情報が出力条件を満たすと判定してもよい。このように、出力条件を満たす言葉情報は、関係管理テーブルの「言葉」に含まれる言葉情報に限られない。
【0069】
そして、会話ロボット10は、
図10(c)に示すように、給湯器について区分けされた項目である「お湯の温度」に係る説明情報を出力する。図示の例では、会話ロボット10は、「お湯側の水栓を目一杯開いてください」の説明情報を音声により出力する。
【0070】
以上の通り、本実施形態では、出力部107は、検知部108に検知されたユーザや機器Mの態様が促進条件を満たす場合に、ユーザに言葉情報を促す促進情報を出力する。
この場合、検知部108による検知の結果に基づいて、会話ロボット10に説明情報を出力させる契機をユーザに与えることができる。
【0071】
また、本実施形態では、出力部107は、検知部108に検知された態様が促進条件を満たす場合に、検知された態様に応じて促す機器Mの対象が定められた促進情報を出力する。
この場合、検知部108による検知の結果に応じた機器Mの対象に係る説明情報を出力させる契機をユーザに与えることができる。
【0072】
(変形例)
次に、会話ロボット10から出力される説明情報の変形例について説明する。
本実施形態では、ユーザに用いられている機器Mの説明に関する情報である説明情報が会話ロボット10から出力されることを説明した。ここで、会話ロボット10から出力される説明情報は、ユーザに用いられている機器Mの説明に関する情報に限定されない。
【0073】
変形例においては、説明管理テーブル(
図4参照)にて、ユーザに用いられていない機器Mに係る説明情報が記憶されている。より具体的には、ユーザに用いられていない機器Mの項目ごとに、項目を説明する説明情報が記憶されている。また、関係管理テーブル(
図5参照)において、ユーザに用いられていない機器Mの項目と、この項目に関連付けられた言葉とが管理されている。
【0074】
決定部106は、言葉取得部105に取得された言葉情報から特定された言葉が、関係管理テーブルにおいて、ユーザに用いられていない機器Mの項目に関連付けられている「言葉」であるか否かにより、言葉情報が出力条件を満たすか否かを判定する。言い換えると、決定部106は、言葉情報から特定される言葉が、ユーザに用いられていない機器Mについての関係管理テーブルの「言葉」に含まれているか否かにより、言葉情報が出力条件を満たすか否かを判定する。そして、言葉情報が出力条件を満たす場合に、決定部106は、ユーザに用いられていない機器Mの項目であって、言葉情報から特定される言葉が関係管理テーブルにおいて関連付けられた「項目」を、会話ロボット10による説明の対象に決定する。さらに、決定した「項目」が説明管理テーブルにおいて関連付けられた「説明情報」を、会話ロボット10に出力させる説明情報に決定する。
【0075】
図11(a)および
図11(b)は、ユーザの言葉に応じて会話ロボット10が説明情報を出力する変形例を示した図である。
図11(a)に示すように、ユーザは、ユーザに用いられていない機器Mについて、会話ロボット10に話しかけている。図示の例では、ユーザは、「最新の洗濯機の機能を教えて」と話しかけている。
会話ロボット10の言葉取得部105は、ユーザから発せられた言葉を言葉情報として取得する。また、この例では、ユーザから発せられた「最新の洗濯機」は、説明管理テーブルにおいて、ユーザに用いられていない「機器」を示す名称であるものとする。また、ユーザから発せられた「機能」は、関係管理テーブルにおいて、「最新の洗濯機」について区分けされた「項目」に関連付けられた「言葉」であるものとする。この場合、決定部106は、言葉情報が出力条件を満たすと判定する。
【0076】
この場合、会話ロボット10は、
図11(b)に示すように、ユーザに用いられていない機器Mにおける機能に関する情報である説明情報を出力する。図示の例では、会話ロボット10は、「来月発売されるX洗濯機は、専用タンクに洗剤を入れておけば、洗濯物の量に応じた量の洗剤が自動で投入されます」の説明情報を音声により出力する。このように、会話ロボット10から出力される説明情報は、ユーザに用いられていない機器Mに関する情報であってもよい。また、説明情報は、未発売の機器Mに関する情報であってもよい。
【0077】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は上記の実施形態に記載の範囲には限定されない。上記の実施形態に、種々の変更又は改良を加えたものも、本発明の技術的範囲に含まれることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0078】
本実施形態では、会話ロボット10は、サーバ装置20から説明情報を取得することを説明したが、これに限定されない。
会話ロボット10は、例えば、説明情報を管理するアプリケーションをインストールし、このアプリケーションを介して説明情報を取得してもよい。また、会話ロボット10は、例えば、インターネットを介して、説明情報を取得してもよい。
【0079】
また、説明情報の内容は、上記の例に限定されない。
会話ロボット10は、例えば、機器Mにおける修理の方法の説明に関する情報である説明情報を出力してもよい。機器Mにおける修理の方法としては、例えば、機器Mにおける特定の部品を交換する方法等が挙げられる。そして、会話ロボット10は、説明情報を出力することにより、機器Mの修理をユーザに促してもよい。
【0080】
また、本実施形態では、会話ロボット10は、言葉情報に関連付けられた説明情報を出力することを説明した。ここで、言葉情報と説明情報とは、機器説明システム1において関連付けられたものであれば、何れの関係であってもよい。
また、本実施形態では、会話ロボット10は、言葉情報に関連付けられた機器Mの項目を、説明の対象として決定することを説明した。ここで、言葉情報と機器Mの項目とは、機器説明システム1において関連付けられたものであれば、何れの関係であってもよい。
【0081】
また、本実施形態では、会話ロボット10は、言葉情報を音声により取得することを説明したが、これに限定されない。
例えば、ユーザは、言葉情報を文字により会話ロボット10に入力してもよい。この場合、会話ロボット10は、言葉情報を、テキストデータとして取得する。
【0082】
また、本実施形態では、会話ロボット10の出力部107は、説明情報や促進情報を音声により出力しているが、これに限定されない。
会話ロボット10の出力部107は、説明情報や促進情報を、ディスプレイ12に表示させてもよい。
【0083】
また、本実施形態では、会話ロボット10は、促進情報を出力することにより、ユーザが機器Mに関する言葉を発することをユーザに促しているが、これに限定されない。
会話ロボット10は、促進情報を出力することにより、機器Mに関する言葉であるか否かに関わらずユーザが言葉を発することをユーザに促してもよい。一例を挙げると、会話ロボット10は、「どうかしましたか?」の促進情報を出力してもよい。この場合であっても、ユーザに言葉情報を促さない構成に比べて、機器Mの種類が特定される言葉情報が会話ロボット10に取得されやすくなる。また、ユーザに言葉情報を促すことには、「どうかしましたか?」のように、会話ロボット10がユーザに質問することも含まれる。
【0084】
また、機器条件は、上述した例に限定されない。
例えば、会話ロボット10が特定の機器Mに係る促進情報を出力した場合において、この促進情報に対するユーザの返答に、促進情報を肯定する返答が含まれている場合、決定部106は、言葉情報が機器条件を満たすと判定してもよい。
【0085】
また、本実施形態では、会話ロボット10の出力部107は、説明情報を出力しているが、これに限定されない。
会話ロボット10は、例えば、説明情報を、機器Mの特定の項目を説明する情報に加工してもよい。そして、出力部107は、加工された情報を出力してもよい。すなわち、会話ロボット10が出力する情報は、説明情報に基づく情報であればよく、説明情報に限定されない。
【0086】
また、本発明の実施形態を実現するプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスクなど)、光記録媒体(光ディスクなど)、光磁気記録媒体、半導体メモリなどのコンピュータが読取可能な記録媒体に記憶した状態で提供し得る。また、インターネットなどの通信手段を用いて提供することも可能である。
【符号の説明】
【0087】
1…機器説明システム、10…会話ロボット、20…サーバ装置、101…型式取得部、103…説明取得部、105…言葉取得部、107…出力部