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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】タイヤ成形方法
(51)【国際特許分類】
   B29D 30/72 20060101AFI20240820BHJP
   B60C 13/00 20060101ALI20240820BHJP
   F16C 13/00 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
B29D30/72
B60C13/00 C
F16C13/00 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020211090
(22)【出願日】2020-12-21
(65)【公開番号】P2022097863
(43)【公開日】2022-07-01
【審査請求日】2023-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000003148
【氏名又は名称】TOYO TIRE株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 之博
【審査官】上谷 公治
(56)【参考文献】
【文献】特公昭52-003830(JP,B1)
【文献】特開2015-107593(JP,A)
【文献】特開2013-133064(JP,A)
【文献】特開昭55-045838(JP,A)
【文献】米国特許第5320874(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29D 30/72
B60C 13/00
F16C 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1ゴム層に、前記第1ゴム層の色彩と異なる色彩である液状ゴムを塗布して第2ゴム層を形成する塗布工程と、
前記第2ゴム層がサイドウォールの外表面に配置されるように、未加硫タイヤを形成する未加硫タイヤ形成工程と、
前記サイドウォールの外表面をタイヤ成形型に当接させることによって、前記サイドウォールに凸部を形成する加硫成形工程と、
前記凸部の先端部を除去することにより前記第1ゴム層を露出させて表示部を形成する除去工程と、を含む、タイヤ成形方法。
【請求項2】
前記塗布工程は、塗布手段によって、前記液状ゴムを前記第1ゴム層に塗布する工程を含み、
前記塗布手段は、外周面に付着した前記液状ゴムを前記第1ゴム層に転写する転写ロールを備える、請求項1に記載のタイヤ成形方法。
【請求項3】
前記塗布工程は、均一化手段によって、前記転写ロールの外周面に付着した前記液状ゴムの厚みを均一にする工程を含み、
前記均一化手段は、前記液状ゴムを圧延するために、前記転写ロールと隙間を有して配置される圧延ロールを備える、請求項2に記載のタイヤ成形方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、タイヤ成形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サイドウォールに表示部を形成するタイヤ成形方法として、第1ゴム層に、第1ゴム層の色彩と異なる色彩であるシート状の第2ゴム層を貼り付ける工程と、第2ゴム層がサイドウォールの外表面に配置されるように、未加硫タイヤを形成する未加硫タイヤ形成工程と、サイドウォールの外表面をタイヤ成形型に当接させることによって、サイドウォールに凸部を形成する加硫成形工程と、凸部の先端部を除去することにより第1ゴム層を露出させて表示部を形成する除去工程と、を含むタイヤ成形方法が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
しかしながら、斯かるタイヤ成形方法においては、シート状の第2ゴム層が破れることなどを防止する観点から、第2ゴム層の厚みを薄くすることが困難であった。そのため、凸部を形成する加硫成形工程において、凸部の側面に位置する第2ゴム層が厚くなり、除去工程後の表示部に露出された第1ゴム層が所望の形状にならないことがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5417086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本開示の目的は、表示部の先端面に露出された第1ゴム層の形状を所望の形状にすることができるタイヤ成形方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のタイヤ成形方法は、第1ゴム層に、前記第1ゴム層の色彩と異なる色彩である液状ゴムを塗布して第2ゴム層を形成する塗布工程と、前記第2ゴム層がサイドウォールの外表面に配置されるように、未加硫タイヤを形成する未加硫タイヤ形成工程と、前記サイドウォールの外表面をタイヤ成形型に当接させることによって、前記サイドウォールに凸部を形成する加硫成形工程と、前記凸部の先端部を除去することにより前記第1ゴム層を露出させて表示部を形成する除去工程と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態に係る空気入りタイヤの断面図
図2】同実施形態に係る空気入りタイヤの要部拡大断面図
図3】同実施形態に係るタイヤ成形方法のフロー図
図4】同実施形態に係る塗布工程を示す図
図5図4のV-V線拡大断面図
図6】同実施形態に係る除去工程前の空気入りタイヤの要部拡大断面図
図7】他の実施形態に係る塗布工程を示す図
図8】さらに他の実施形態に係る塗布工程を示す図
図9】さらに他の実施形態に係る塗布工程を示す図
図10】さらに他の実施形態に係る第1~第3ゴム層を示す断面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、タイヤ成形方法の一例について、図1図6を参照しながら説明する。なお、各図(図7図10も同様)において、図面の寸法比と実際の寸法比とは、必ずしも一致しておらず、また、各図面の間での寸法比も、必ずしも一致していない。
【0009】
<空気入りタイヤの構成>
図1に示すように、空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ともいう)1は、ビード11,11と、各ビード11からタイヤ径方向の外側に延びるサイドウォール12,12と、一対のサイドウォール12,12のタイヤ径方向の外側端に連なるトレッド13と、一対のビード11,11の間を架け渡されるように延びるカ―カスプライ14と、を備えている。
【0010】
サイドウォール12は、タイヤ幅方向の外側に向けて突出する凸状の表示部121を備えている。表示部121は、例えば、タイヤ1の意匠性や装飾性を高めるために文字、数字、図形などを表している。本実施形態に係る表示部121は、一対のサイドウォール12,12の少なくとも一方に設けられている。
【0011】
図2に示すように、表示部121は、第1色彩の第1ゴム層12aと、第1色彩とは異なる第2色彩の第2ゴム層12bと、第3色彩の第3ゴム層12c(サイドウォールゴムともいう)と、を備えている。第1ゴム層12aは、表示部121の先端面S1で露出するように配置されている。そして、第2ゴム層12bは、第1ゴム層12a及び第3ゴム層12cの外表面(タイヤ幅方向外側面)に隣接して配置され、第3ゴム層12cは、第1ゴム層12a及び第2ゴム層12bの内面(タイヤ幅方向内側面)に隣接して配置されている。
【0012】
先端面S1は、第1ゴム層12aによって所望の形状に形成された表示面S11と、第2ゴム層12bによって表示面S11の周囲を覆うように配置された輪郭面S12と、を備える。表示面S11は文字、数字、図形などを表し、輪郭面S12は表示面S11によって表された文字などの輪郭を表している。
【0013】
本実施形態においては、第1ゴム層12a(表示面S11)の第1色彩は、白色であり、第2ゴム層12b(輪郭面S12)の第2色彩は、黒色である。これにより、表示面S11と輪郭面S12との色差によって、視認者は、表示面S11によって表された文字、数字、図形などを明確に認識することができる。そして、本実施形態に係る第3色彩は、第2色彩と同一の黒色である。
【0014】
なお、第1色彩は、白色に限定されることなく、例えば、赤色などであってもよい。そして、第2色彩は、黒色に限定されることなく、例えば、白色などであってもよい。また、第3色彩は、例えば、第1色彩と同一であってもよく、第1色彩及び第2色彩と異なる第3色彩であってもよい。
【0015】
次に、本実施形態に係るタイヤ成形方法について説明する。
【0016】
<タイヤ成形方法>
図3図6に示すように、タイヤ成形方法は、第3ゴム層12cに第1ゴム層12aを貼り付ける貼付工程ST1と、第1ゴム層12a及び第3ゴム層12cに液状ゴムM1を塗布して第2ゴム層12bを形成する塗布工程ST2と、第2ゴム層12bがサイドウォール12の外表面に配置されるように、未加硫タイヤ(グリーンタイヤ、生タイヤともいう)を形成する未加硫タイヤ形成工程ST3と、サイドウォール12の外表面をタイヤ成形型に当接させることによって、サイドウォール12に凸部122を形成する加硫成形工程ST4と、凸部122の先端部を除去することにより第1ゴム層12aを露出させて表示部121(図2参照)を形成する除去工程ST5と、を含む。
【0017】
以下、各工程の詳細を説明する。
【0018】
<貼付工程>
貼付工程ST1では、第3ゴム層12cに第1ゴム層12aを貼り付ける不図示の貼付装置が用いられる。第1ゴム層12a及び第3ゴム層12cは、公知の成形方法によって帯状に形成されたゴムが用いられ、例えば、第3ゴム層12cの幅方向の任意の位置に第1ゴム層12aが貼り付けられる。
【0019】
<塗布工程>
塗布工程ST2では、上流から下流(図4の右方向)に搬送される第1ゴム層12a及び第3ゴム層12cに液状ゴムM1を塗布する塗布装置2と、液状ゴムM1を冷却して固めることによって第2ゴム層12bを形成する不図示の冷却装置と、が用いられる。ここで、液状ゴムとは、雰囲気温度20℃において、ゴムの粘度が1500Pa・S以下のものをいう。
【0020】
液状ゴムM1は、第2ゴム層12bの厚みを薄くするために、雰囲気温度20℃において粘度が500~1500Pa・Sであることが好ましい。また、液状ゴムM1(第2ゴム層12b)は、第1ゴム層12aの第1色彩を変色しないゴムであることが好ましい。本実施形態に係る液状ゴムM1としては、例えば、溶剤で溶かれたブチルゴムを主成分とする液状のゴムが用いられるが、これに限定されない。
【0021】
塗布装置2は、液状ゴムM1を第1ゴム層12a及び第3ゴム層12cに塗布する塗布手段21と、液状ゴムM1の厚みを均一にする均一化手段22と、を備える。これにより、液状ゴムM1によって形成された第2ゴム層12bは、第1ゴム層12a及び第3ゴム層12cに隣接される。なお、塗布装置2は、例えば、塗布手段21のみを備える、という構成であってもよい。
【0022】
塗布手段21は、液状ゴムM1を第1ゴム層12a及び第3ゴム層12cに転写する転写ロール211と、転写ロール211の外周面に液状ゴムM1を付着する付着手段212と、を備える。
【0023】
転写ロール211は、付着手段212によって外周面に付着された液状ゴムM1を、上流から下流に搬送される第1ゴム層12a及び第3ゴム層12cに転写する。転写ロール211で第1ゴム層12a及び第3ゴム層12cに液状ゴムM1を転写することにより、転写ロール211の幅方向における液状ゴムM1の転写(塗布)ムラを抑えることができる。
【0024】
付着手段212は、不図示の充填手段により液状ゴムM1が充填される充填容器212aと、充填容器212aに充填された液状ゴムM1を転写ロール211の外周面に付着する付着ロール212bと、を備える。本実施形態に係る充填容器212a及び付着ロール212bは、転写ロール211の上流側に配置されているが、転写ロール211の下流側に配置されていてもよい。
【0025】
第1ゴム層12a及び第3ゴム層12cに液状ゴムM1を均一に塗布するために、転写面である第1ゴム層12a及び第3ゴム層12cの外面は、面一であることが好ましい。
【0026】
均一化手段22は、転写ロール211の外周面に付着した液状ゴムM1を圧延して液状ゴムM1の厚みを均一にする圧延ロール221を備える。本実施形態に係る圧延ロール221は、付着ロール212bとしての機能を兼用する。
【0027】
転写ロール211の軸心方向と圧延ロール221の軸心方向とは、平行である。そして、転写ロール211の外周面と圧延ロール221の外周面との間には、隙間L1が設けられている。転写ロール211の外周面と圧延ロール221の外周面との隙間L1(本実施形態においては、0.3mm以下)を小さくして、転写ロール211の外周面に付着した液状ゴムM1を圧延することにより、第1ゴム層12a及び第3ゴム層12cに転写(塗布)される液状ゴムM1を薄くすることができる。
【0028】
本実施形態に係る冷却装置は、液状ゴムM1、第1ゴム層12a及び第3ゴム層12cにシャワーで水を掛ける水冷手段を備える。これにより、液状ゴムM1を冷却して固めることによって第2ゴム層12bを形成でき、且つ、第1ゴム層12a及び第3ゴム層12cの温度を下げることができる。なお、冷却装置は、例えば、液状ゴムM1、第1ゴム層12a及び第3ゴム層12cにファンで風を当てる空冷手段を備えていてもよい。また、塗布工程ST2は、例えば、塗布装置2のみが用いられ、自然冷却によって液状ゴムM1、第1ゴム層12a及び第3ゴム層12cが冷却される、という構成であってもよい。
【0029】
<未加硫タイヤ形成工程>
未加硫タイヤ形成工程ST3では、公知の不図示の未加硫タイヤ形成装置が用いられる。未加硫タイヤ形成装置によって、未加硫タイヤは、第2ゴム層12bがサイドウォール12の外表面に配置されるように形成される。これにより、第1ゴム層12aは、サイドウォール12の内部に配置される。
【0030】
<加硫成形工程>
加硫成形工程ST4では、未加硫タイヤを加硫成形する不図示のタイヤ成形型が用いられる。タイヤ成形型は、サイドウォール12の第2ゴム層12bの外表面と当接する位置に凹部が設けられている。そして、加硫成形によって、第1ゴム層12a及び第2ゴム層12bがタイヤ成形型の凹部に入り込み、サイドウォール12に凸部122が形成される。なお、タイヤ成形型は、所謂セグメンテッドモールドであってもよく、所謂ツーピースモールドであってもよい。
【0031】
<除去工程>
除去工程ST5では、凸部122の先端部を除去することにより第1ゴム層12aを露出させて表示部121を形成する不図示の除去装置が用いられる。本実施形態に係る除去装置は、バフ研磨装置であり、除去面S2まで凸部122の先端部をバフ掛けすることにより、第1ゴム層12aが露出され表示部121が形成される。なお、除去装置は、例えば、除去面S2で凸部122の先端部を切削する切削装置などであってもよい。
【0032】
以上のように、本実施形態のように、タイヤ成形方法は、第1ゴム層12aに、第1ゴム層12aの色彩(第1色彩)と異なる色彩(第2色彩)である液状ゴムM1を塗布して第2ゴム層12bを形成する塗布工程ST2と、第2ゴム層12bがサイドウォール12の外表面に配置されるように、未加硫タイヤを形成する未加硫タイヤ形成工程ST3と、サイドウォール12の外表面をタイヤ成形型に当接させることによって、サイドウォール12に凸部122を形成する加硫成形工程ST4と、凸部122の先端部を除去することにより第1ゴム層12aを露出させて表示部121を形成する除去工程ST5と、を含む、という構成が好ましい。
【0033】
斯かるタイヤ成形方法によれば、第2ゴム層12bの厚み(本実施形態においては、塗布工程ST2後の第2ゴム層12bの厚みは、0.3mm以下)を薄くすることができ、表示部121の先端面S1において第2ゴム層12b(輪郭面S12)の第1ゴム層12a(表示面S11)への浸食を抑えることができる。即ち、第2ゴム層12bの厚みを薄くすることにより、表示面S11内に第2ゴム層12bが存在することを抑えることができる。これにより、先端面S1に露出された第1ゴム層12a(表示面S11)の形状を所望の形状にすることができる。
【0034】
また、本実施形態のように、タイヤ成形方法において、塗布工程ST2は、塗布手段21によって、液状ゴムM1を第1ゴム層12aに塗布する工程を含み、塗布手段21は、外周面に付着した液状ゴムM1を第1ゴム層12aに転写する転写ロール211と、転写ロール211に液状ゴムM1を付着させる付着手段212と、を備える、という構成が好ましい。
【0035】
斯かるタイヤ成形方法によれば、転写ロール211で転写ロール211の外周面に付着した液状ゴムM1を第1ゴム層12aに転写(塗布)することにより、転写ロール211の幅方向における液状ゴムM1の転写(塗布)ムラを抑えることができる。
【0036】
また、本実施形態のように、タイヤ成形方法において、塗布工程ST2は、均一化手段22によって、転写ロール211の外周面に付着した液状ゴムM1の厚みを均一にする工程を含み、均一化手段22は、液状ゴムM1を圧延するために、転写ロール211と隙間L1を有して配置される圧延ロール221を備える、という構成が好ましい。
【0037】
斯かるタイヤ成形方法によれば、均一化手段22により、第1ゴム層12aに転写される液状ゴムM1の厚みを均一することができる。また、圧延ロール221で転写ロール211の外周面に付着した液状ゴムM1を隙間L1で圧延することにより、第1ゴム層12aに転写される液状ゴムM1を薄くすることができる。
【0038】
なお、タイヤ成形方法は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、タイヤ成形方法は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0039】
(1)本実施形態に係る塗布手段21は、液状ゴムM1を第1ゴム層12a及び第3ゴム層12cに転写する転写ロール211を備える、という構成である。しかしながら、塗布手段21は、斯かる構成に限られない。例えば、図7に示すように、塗布手段21は、液状ゴムM1に圧力を掛けて第1ゴム層12a及び第3ゴム層12cに液状ゴムM1を塗布する幅広ノズル213を備える、という構成であってもよい。
【0040】
斯かる構成においては、幅広ノズル213の幅方向の液状ゴムM1の吐出(塗布)ムラを抑えるために、複数の幅広ノズル213によって液状ゴムM1を第1ゴム層12a及び第3ゴム層12cに塗布することが好ましい。なお、斯かる構成においては、例えば、第1ゴム層12aを覆う幅を有する単体の幅広ノズル213によって、液状ゴムM1を第1ゴム層12a及び第3ゴム層12cに塗布してもよい。
【0041】
(2)本実施形態に係る均一化手段22は、転写ロール211の外周面に付着した液状ゴムM1を圧延して液状ゴムM1の厚みを均一にする圧延ロール221を備える、という構成である。しかしながら、均一化手段22は、斯かる構成に限られない。
【0042】
例えば、図8に示すように、均一化手段22は、液状ゴムM1の厚みを調整する厚み調整板222を備える、という構成であってもよい。厚み調整板222と転写ロール211との間には隙間L2が設けられており、転写ロール211の外周面に付着した液状ゴムM1が厚み調整板222と転写ロール211との隙間L2を通ることにより、液状ゴムM1の厚みが均一になる。
【0043】
(3)本実施形態に係る付着手段212は、充填手段により液状ゴムM1が充填される充填容器212aと、充填容器212aに充填された液状ゴムM1を転写ロール211の外周面に付着させる付着ロール212bと、を備える、という構成である。しかしながら、付着手段212は、斯かる構成に限られない。
【0044】
(3-1)例えば、図8に示すように、付着手段212は、液状ゴムM1に圧力を掛けて転写ロール211の外周面に液状ゴムM1を付着させる幅広ノズル213を備える、という構成であってもよい。
【0045】
(3-2)例えば、図9に示すように、付着手段212は、付着ロール212bと転写ロール211との間に中間ロール212cをさらに備える、という構成であってもよい。中間ロール212cを増やすことによって、付着ロール212bの外径D1を充填容器212aの幅W1よりも小さくすることができる。
【0046】
これにより、付着ロール212bが充填容器212aからはみ出ることを防止することができ、付着ロール212bに付着した液状ゴムM1が上流から下流に搬送される第1ゴム層12aなどに垂れることを防止することができる。また、斯かる中間ロール212cは、圧延ロール221としての機能を兼用する。
【0047】
(4)本実施形態に係る液状ゴムM1が塗布される第1ゴム層12a及び第3ゴム層12cの外面は、面一である、という構成である。しかしながら、第1ゴム層12a及び第3ゴム層12cの外面は、斯かる構成に限られない。例えば、図9に示すように、第1ゴム層12aの外面は、第3ゴム層12cの外面よりも突出している、という構成であってもよい。斯かる構成においては、液状ゴムM1は、第1ゴム層12aを覆うように、第1ゴム層12a及び第3ゴム層12cに凸状に塗布される。
【符号の説明】
【0048】
1…タイヤ、11…ビード、12…サイドウォール、121…表示部、122…凸部、12a…第1ゴム層、12b…第2ゴム層、12c…第3ゴム層、13…トレッド、14…カーカスプライ、2…塗布装置、21…塗布手段、211…転写ロール、212…付着手段、212a…充填容器、212b…付着ロール、212c…中間ロール、213…幅広ノズル、22…均一化手段、221…圧延ロール、222…厚み調整板、M1…液状ゴム、S1…先端面、S11…表示面、S12…輪郭面、S2…除去面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10