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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】電子機器
(51)【国際特許分類】
   H04M 1/02 20060101AFI20240820BHJP
   G06F 1/16 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
H04M1/02 C
G06F1/16 312G
G06F1/16 312Q
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021011527
(22)【出願日】2021-01-27
(65)【公開番号】P2022114993
(43)【公開日】2022-08-08
【審査請求日】2023-08-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000006633
【氏名又は名称】京セラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安藤 幸一
(72)【発明者】
【氏名】遠山 政利
【審査官】石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-053943(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0041744(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0277084(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0295618(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第102548266(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M1/02-1/23
G06F 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の第1面の一部を覆って配置される保護部を備え、
前記保護部は、
長手方向における両端に位置して前記第1面に当接する当接部と、
前記当接部同士の間に位置して前記第1面から離隔する離隔部と、
を有することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
請求項1に記載の電子機器において、
前記第1面は、ガラス面を有する電子機器。
【請求項3】
請求項2に記載の電子機器において、
前記第1面は、前記ガラス面上に保護シートを有し、
前記保護部は、前記保護シートに対向して配置される電子機器。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1項に記載の電子機器において、
前記当接部は、前記当接部における前記離隔部側の側面と前記第1面とでなす角度が、鋭角である電子機器。
【請求項5】
請求項4に記載の電子機器において、
前記当接部は、前記当接部において前記第1面に当接する当接面と前記側面とが曲面により接続される電子機器。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載の電子機器において、
前記離隔部における前記第1面に対向する離隔面に対向する位置には、前記第1面とスピーカー口部材とが配置される電子機器。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の電子機器において、
前記保護部は、前記第1面を正面視した際における、前記保護部の延在方向に直交する方向における幅が、前記当接部よりも前記離隔部の方が狭い電子機器。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1項に記載の電子機器において、
前記第1面は、前記第1面を正面視した際に前記保護部に重なる位置から前記離隔部の幅方向における一方側に配置され、
前記第1面を正面視した際の前記離隔部の幅方向における他方側には、前記保護部と前記筐体とが離隔することにより形成される開口部を有する電子機器。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか1項に記載の電子機器において、
前記保護部は、前記筐体に対して着脱自在に取り付けられる電子機器。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の電子機器において、
前記筐体は、弾力性を有して前記第1面の側面に当接するバンパーを備える電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器の中には、ユーザーが手で持って使用することが可能なものがあるが、ユーザーが電子機器を手で持って使用したり、持ち運んだりする場合、誤って電子機器を落下させてしまうことがある。このため、従来の電子機器の中には、電子機器に作用する衝撃を吸収するバンパーを備えているものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-215184号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の電子機器に用いられるバンパーは、電子機器の筐体のコーナー部に装着してコーナー部に作用する衝撃を吸収するのには有効であるが、電子機器の落下時等に電子機器の平面部分に作用する衝撃を吸収するのは困難であり、耐衝撃性の観点で改善の余地がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、耐衝撃性を向上させることのできる電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
態様の1つに係る電子機器は、筐体の第1面の一部を覆って配置される保護部を備え、前記保護部は、長手方向における両端に位置して前記第1面に当接する当接部と、前記当接部同士の間に位置して前記第1面から離隔する離隔部と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係るスマートフォンの正面図である。
図2図2は、図1に示すスマートフォンの斜視図である。
図3図3は、図1のA部詳細図である。
図4図4は、図2のB部詳細図である。
図5図5は、図3のC-C矢視方向から見た保護部の形態を示す模式図である。
図6図6は、図2に示す保護部を筐体から取り外した状態を示す説明図である。
図7図7は、図2のD-D断面図である。
図8図8は、図7に示す断面の斜視図である。
図9図9は、スクリーン部の配置範囲についての説明図である。
図10図10は、図3のカバー部材を取り外した状態を示す説明図である。
図11図11は、図10のE-E方向の断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に、本発明に係る電子機器の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能、且つ、容易に想到できるもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
【0009】
[実施形態]
図1は、実施形態に係るスマートフォン1の正面図である。図2は、図1に示すスマートフォン1の斜視図である。本実施形態に係るスマートフォン1は、電子機器であり、通信ユニットを用いて無線により通信を行い、通話やデータの送受信を行う。通信ユニットによってサポートされる通信方式は、無線通信規格である。無線通信規格として、例えば、2G、3G、4G等のセルラーフォンの通信規格がある。セルラーフォンの通信規格として、例えば、LTE(Long Term Evolution)、W-CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)、CDMA2000(Wideband Code Division Multiple Access 2000)、PDC(Personal Digital Cellular)、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)、PHS(Personal Handy-phone System)等を含む。無線通信規格として、さらに、例えば、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、IEEE802.11、Bluetooth(登録商標)、IrDA(Infrared Data Association)、NFC(Near Field Communication)等を含む。通信ユニットは、上述した通信規格の1つまたは複数をサポートしていてもよい。
【0010】
また、スマートフォン1は、各種動作を制御し、実現するための、ストレージとコントローラとを有する。ストレージは、プログラム及びデータを記憶する。ストレージは、コントローラの処理結果を一時的に記憶する作業領域としても利用してもよい。ストレージは、半導体記憶媒体、及び磁気記憶媒体等の任意の非一過的(non-transitory)な記憶媒体を含んでよい。ストレージは、複数の種類の記憶媒体を含んでよい。ストレージは、メモリカード、光ディスク、又は光磁気ディスク等の可搬の記憶媒体と、記憶媒体の読み取り装置との組み合わせを含んでよい。ストレージは、RAM(Random Access Memory)等の一時的な記憶領域として利用される記憶デバイスを含んでよい。コントローラは、演算処理装置である。演算処理装置は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、SoC(System-on-a-chip)、MCU(Micro Control Unit)、及びFPGA(Field-Programmable Gate Array)を含むが、これらに限定されない。コントローラは、スマートフォン1の動作を統括的に制御して各種の機能を実現する。
【0011】
図1図2に示すように、スマートフォン1は、厚さが薄い直方体状、或いは厚さ方向に見た場合の形状が略長方形となる板状の形状で形成されている。スマートフォン1は、外装をなす筐体10を備えており、筐体10は、ケース部11と、スクリーン部20とを有している。ケース部11は、筐体10におけるベースとなる部分であり、スマートフォン1における、背面(図1で図示されている側の面を正面とする場合における反対側の面)と、側面を構成している。スクリーン部20は、筐体10の1つの面である第1面を構成しており、スマートフォン1における正面に配置される。このため、スクリーン部20は、略長方形の形状で形成されている。スマートフォン1は、ケース部11とスクリーン部20とが組み合わされることにより形成される筐体10の内側の空間内に、ストレージやコントローラを始めとする各装置を配置することにより構成される。
【0012】
スクリーン部20は、いわゆるタッチスクリーンディスプレイになっており、スマートフォン1における情報の表示部であるディスプレイ20Aと、スマートフォン1に対して入力操作を行う入力部であるタッチスクリーン20Bとを有している。ディスプレイ20Aとタッチスクリーン20Bとは、それぞれ略長方形の形状で形成され、重ねて配置されている。つまり、ディスプレイ20Aとタッチスクリーン20Bとは、ディスプレイ20Aの長辺がタッチスクリーン20Bの長辺に沿い、ディスプレイ20Aの短辺がタッチスクリーン20Bの短辺に沿って配置されている。
【0013】
ディスプレイ20Aは、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electro-Luminescence Display)、または無機ELディスプレイ(IELD:Inorganic Electro-Luminescence Display)等の表示デバイスを備える。ディスプレイ20Aは、文字、画像、記号、及び図形等を表示する。
【0014】
タッチスクリーン20Bは、タッチスクリーン20Bに対する指、ペン、またはスタイラスペン等の接触を検出する。タッチスクリーン20Bは、複数の指、ペン、またはスタイラスペン等がタッチスクリーン20Bに接触した位置を検出することができる。
【0015】
タッチスクリーン20Bの検出方式は、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式、及び荷重検出方式等の任意の方式でよい。以下の説明では、説明を簡単にするため、ユーザーはスマートフォン1を操作するために指を用いてタッチスクリーン20Bに接触するものと想定する。
【0016】
スマートフォン1は、タッチスクリーン20Bにより検出された接触、接触が検出された位置、接触が検出された位置の変化、接触が検出された間隔、及び接触が検出された回数の少なくとも1つに基づいてジェスチャの種別を判別する。ジェスチャは、タッチスクリーン20Bに対して行われる操作である。スマートフォン1によって判別されるジェスチャは、例えば、タッチ、ロングタッチ、リリース、スワイプ、タップ、ダブルタップ、ロングタップ、ドラッグ、フリック、ピンチイン、及びピンチアウトを含むがこれらに限定されない。
【0017】
スマートフォン1は、タッチスクリーン20Bを介して判別するこれらのジェスチャに従って動作を行う。このため、ユーザーにとって直感的で使いやすい操作性が実現される。判別されるジェスチャに従ってスマートフォン1が行う動作は、ディスプレイ20Aに表示されている画面に応じて異なることがある。
【0018】
スマートフォン1は、スクリーン部20が配置される側の面に、スクリーン部20の保護を行う保護部30を備えている。保護部30は、スマートフォン1のスクリーン部20が配置される側の面における、スクリーン部20の形状である長方形の長手方向における両端付近の2箇所に配置されている。つまり、保護部30は、スマートフォン1の長手方向における両端付近に配置されている。2箇所の保護部30は、それぞれ樹脂材料等の弾力性を有する部材からなり、スクリーン部20の一部を覆って配置されている。
【0019】
図3は、図1のA部詳細図である。図4は、図2のB部詳細図である。スマートフォン1の長手方向における両端付近に配置される保護部30は、スマートフォン1の短手方向における一端側から他端側にかけて配置されている。保護部30は、スマートフォン1の長手方向における保護部30の幅が、スマートフォン1の短手方向における長さよりも大幅に小さくなっている。つまり、保護部30は、長手方向における長さが、スマートフォン1の短手方向、即ち、筐体10の短手方向における長さと同程度に長さになっており、保護部30の長手方向がスマートフォン1の短手方向に沿う向きで、スマートフォン1の長手方向における端部付近に配置されている。
【0020】
保護部30は、スマートフォン1におけるスクリーン部20が配置される側の面に配置されるため、スクリーン部20の長手方向における端部付近を覆っている。保護部30は、保護部30の長手方向における両端がスクリーン部20に当接し、保護部30の長手方向における中央付近がスクリーン部20から離隔する、ブリッジ構造で構成されている。
【0021】
詳しくは、保護部30は、保護部30の長手方向における両端に位置してスクリーン部20に当接する当接部31と、当接部31同士の間に位置してスクリーン部20から離隔する離隔部35とを有している。つまり、保護部30は、保護部30の長手方向における両端の2箇所に配置される当接部31が、スクリーン部20の短手方向における両端付近、即ち、スクリーン部20の長辺付近で、スクリーン部20に当接している。また、保護部30は、保護部30の長手方向における両端の2箇所に位置する当接部31同士の間に位置する離隔部35が、スクリーン部20に接触せず、スクリーン部20から離隔している。
【0022】
図5は、図3のC-C矢視方向から見た、保護部30の形態を示す模式図である。保護部30の当接部31は、当接部31においてスクリーン部20に当接する部分である当接面32から、保護部30の長手方向において離隔部35側に向かうに従って、スクリーン部20との距離が徐々に大きくなって形成されている。つまり、保護部30の当接部31は、当接部31における離隔部35側に位置する面である側面33が、スクリーン部20に対して対向し、且つ、当接面32側から離隔部35側に向かうに従ってスクリーン部20との距離が大きくなる方向に、スクリーン部20に対して傾斜している。
【0023】
このため、保護部30の当接部31は、当接部31における離隔部35側の側面33と、スクリーン部20とでなす角度θaが、鋭角になっている。この場合における、当接部31の側面33とスクリーン部20とでなす角度θaは、スクリーン部20における、当接面32が当接する部分から保護部30の離隔部35側に延びる部分と、当接部31の側面33とでなす角度になっている。
【0024】
当接部31の側面33は、このようにスクリーン部20とでなす角度θaが鋭角になっているため、保護部30を単体で見た場合、当接部31は、当接面32と側面33とでなす角度θbが、鈍角になっている。
【0025】
また、保護部30の当接部31は、当接面32と側面33とが、曲面により接続されている。つまり、当接部31は、当接面32と側面33との間に、曲面状の面取り部である曲面部34が形成されている。これにより、保護部30の当接部31が有する当接面32と側面33とは、曲面状に形成される曲面部34を介して接続されており、即ち、当接面32と側面33とは、曲面により接続されている。
【0026】
当接部31と離隔部35とを有する保護部30は、スクリーン部20を正面視する方向から見た場合に、離隔部35の長手方向における端部付近の位置で、屈曲して形成されている。詳しくは、保護部30は、スクリーン部20を正面視する方向から見た場合に、保護部30の延存方向が、離隔部35と当接部31との境界部分で変化している。これにより、離隔部35の両側2箇所の位置する当接部31は、離隔部35に対して屈曲して離隔部35に接続されている。
【0027】
離隔部35に対する当接部31の屈曲の方向は、離隔部35の両側2箇所に位置する当接部31で、互いに同じ方向になっている。つまり、保護部30をスマートフォン1の長手方向における一方の端部付近に配置した状態において、離隔部35の両側2箇所に位置する当接部31は、離隔部35から離れるに従って、スマートフォン1の長手方向における他方の端部に近付く方向に、離隔部35に対して屈曲している。保護部30は、このように当接部31と離隔部35との境界部分で屈曲することにより、スクリーン部20を正面視した際における保護部30の延在方向は、当接部31と離隔部35との境界部分で変化している。このため、保護部30は、当接部31の延在方向と離隔部35の延在方向とが、互いに異なって形成されている。
【0028】
また、保護部30は、当接部31と離隔部35とで幅が異なっており、スクリーン部20を正面視した際における、保護部30の延在方向に直交する方向における幅が、当接部31よりも離隔部35の方が狭くなっている。つまり、保護部30は、スクリーン部20を正面視した際における、離隔部35の延在方向に直交する方向における離隔部35の幅Wsが、当接部31の延在方向に直交する方向における当接部31の幅Wcよりも狭くなっている。
【0029】
保護部30は、このように離隔部35の幅Wsが当接部31の幅Wcよりも狭くなっており、即ち、当接部31の幅Wcが離隔部35の幅Wsより広くなっているため、当接部31は、離隔部35に対する幅の差の分、段差を有している。離隔部35に対する当接部31の段差は、スクリーン部20を正面視する方向に見た場合において、当接部31が離隔部35に対して屈曲する方向に反対方向に形成されている。このため、当接部31は、離隔部35に対して当接部31が屈曲する方向に反対方向に向かって、当接部31と離隔部35との幅の差の分、離隔部35より突出して形成されている。
【0030】
保護部30は、取り付け部材であるネジ40により、筐体10に対して着脱自在に取り付けられており、即ち、保護部30は、筐体10が有するケース部11に対して、ネジ40によって着脱自在に取り付けられている。詳しくは、保護部30には、ネジ40を通す孔が形成されており、ケース部11には、ネジ40と螺合するネジ孔(図示省略)が形成されている。このため、保護部30は、保護部30に形成されるネジ40用の貫通孔にネジ40を通した状態で、ケース部11に形成されるネジ孔にネジ40を螺合させることにより、保護部30は、スクリーン部20の一部を覆ってケース部11に取り付けられる。
【0031】
本実施形態では、保護部30は、離隔部35の延在方向における両側2箇所に配置される当接部31のそれぞれに、ネジ40を通す孔が形成されており、2箇所の当接部31に形成されるネジ40用の貫通孔を用いて、保護部30は、ケース部11に取り付けることができる。
【0032】
図6は、図2に示す保護部30を筐体10から取り外した状態を示す説明図である。筐体10が有するケース部11に対してネジ40によって取り付けられる保護部30は、ケース部11に形成されるネジ孔に対するネジ40の螺合を取り外すことにより、図6に示すように、ケース部11から取り外すことが可能になっている。保護部30は、スマートフォン1の長手方向における両端付近の2箇所に配置されるが、いずれの保護部30も、取り付け部材であるネジ40により、筐体10のケース部11に対して着脱自在になっている。
【0033】
図7は、図2のD-D断面図である。図8は、図7に示す断面の斜視図である。保護部30が覆うスクリーン部20は、ガラスからなるガラス面21と、ガラス面21上に配置される保護シート22を有している。ガラス面21を構成するガラスは、サファイヤガラスを用いてもよく、無機ガラスを用いてもよく、ガラス面21を構成するガラスの種類は問わない。保護シート22は、透明の樹脂材料からなり、ガラス面21上に重ねられ、ガラス面21に接合されている。このため、スクリーン部20は、ガラス面21と保護シート22とが一体となって形成されている。ガラス面21と保護シート22とが重ねられたスクリーン部20は、保護シート22側が、スクリーン部20における表面側、即ち、スマートフォン1における表面側に位置する向きで配置される。これにより、スクリーン部20は、ガラス面21が保護シート22に覆われる状態で配置される。
【0034】
スクリーン部20は、このようにスマートフォン1における表面側に保護シート22が位置するため、スクリーン部20の一部を覆って配置される保護部30は、保護シート22に対向して配置される。このため、保護部30における、スクリーン部20に当接する当接部31は、スクリーン部20における表面側に位置する保護シート22に対して当接する。
【0035】
図9は、スクリーン部20の配置範囲についての説明図である。図9は、スクリーン部20における保護部30に重なっている部分の端部を、破線により示している。保護部30は、スクリーン部20の長手方向における端部であるスクリーン部端部25付近を覆っており、即ち、保護部30は、スクリーン部20の正面視方向において、スクリーン部端部25付近に重なる形状で形成され、配置されている。保護部30は、図9に示すように、当接部31と離隔部35とのいずれにも、スクリーン部20に対して重なっている。
【0036】
詳しくは、スクリーン部端部25付近における、保護部30を筐体10に取り付けるネジ40が配置される位置の近傍では、スクリーン部20は、ネジ40が配置される位置を外す形状で形成されている。保護部30の当接部31は、このように、スクリーン部端部25付近において、保護部30を筐体10に取り付けるネジ40が配置される位置を外す形状で形成されている部分に重ねられている。当接部31は、スクリーン部20における、このように当接部31に重なる部分に対して当接する。
【0037】
また、保護部30の離隔部35は、スクリーン部端部25付近におけるスクリーン部20の狭い範囲を覆っている。即ち、保護部30の離隔部35は、スクリーン部端部25付近を、スクリーン部20からは離隔しつつ、スクリーン部20の長手方向において狭い幅で覆っている。これらにより、保護部30は、当接部31と離隔部35とのいずれもが、スクリーン部20の一部を覆っている。
【0038】
ここで、スクリーン部20の長手方向の両側に位置するスクリーン部端部25のうち、一方側のスクリーン部端部25付近には、スピーカー口部材50が配置されている(図7図8参照)。スピーカー口部材50は、板状の部材に複数の孔が開けられた形状で形成されており、スピーカー本体51から発せられる音を、外部に向けて放出する部分になっている。つまり、スピーカー本体51は、スピーカー口部材50よりも、スマートフォン1の内部側に配置されており、電気信号に基づいて音を発することが可能になっている。スピーカー口部材50は、スピーカー本体51に対して空間を介在して配置されており、スマートフォン1の内部側に配置されるスピーカー本体51から発した音を、スピーカー口部材50に形成される孔を通して、外部に放出することが可能になっている。
【0039】
このように形成されるスピーカー口部材50は、スクリーン部20とほぼ同一平面上で、スクリーン部端部25に隣接して配置されており、スクリーン部20の長手方向における幅が狭く、スクリーン部20の短手方向における長さが所定の長さで形成された、略長方形の板状の形状になっている。保護部30が有する離隔部35は、スクリーン部20の正面視方向において、このように形成されるスピーカー口部材50を覆う形状で形成され、スピーカー口部材50を覆って配置されている。このため、換言すると、保護部30の離隔部35における、スクリーン部20に対向する面である離隔面36に対向する位置には、スクリーン部20とスピーカー口部材50とが配置されている。
【0040】
また、離隔部35の離隔面36は、スクリーン部20やスピーカー口部材50に対して離隔しているため、スピーカー本体51から発せられてスピーカー口部材50に形成される孔を通った音は、離隔面36とスクリーン部20との間を通って外に出ることができる。このため、離隔部35の離隔面36と、スクリーン部20との間に部分は、スピーカー口部材50に形成される孔を通った音を外に向けて放出する、スピーカー開口部52として形成されている。
【0041】
また、保護部30が有する離隔部35における、スクリーン部20が配置される側の反対側には、カバー部材15が配置されている。つまり、スクリーン部20は、スクリーン部20を正面視した際に保護部30に重なる位置から離隔部35の幅Ws方向における一方側に配置されており、カバー部材15は、離隔部35の幅Ws方向における他方側に配置されている。
【0042】
詳しくは、保護部30は、離隔部35の幅Wsが、当接部31の幅Wcよりも狭くなっているため、当接部31が、当接部31と離隔部35との幅の差の分、当接部31の屈曲方向に反対方向に向かって離隔部35より突出して形成されている。換言すると、保護部30における、スクリーン部20が配置される側の反対側の部分では、離隔部35の位置が、当接部31の位置よりも、スクリーン部20が配置される側に凹んで形成されている。
【0043】
カバー部材15は、このように形成される保護部30における、スクリーン部20が配置される側の反対側の部分で、離隔部35の位置で、当接部31の位置と比較してスクリーン部20が配置される側に凹んで形成される部分に配置されている。カバー部材15は、筐体10のケース部11に対して、取り付け部材であるネジによって着脱自在に取り付けられており、カバー部材15も、スマートフォン1の外装をなす筐体10を構成している。
【0044】
また、カバー部材15と保護部30の離隔部35とは、少なくとも一部が離隔している。本実施形態では、離隔部35におけるカバー部材15に対向する部分が、離隔部35の延在方向における中央付近の位置で、カバー部材15との距離が大きくなる方向に所定の長さで切り欠かれることにより、カバー部材15と離隔部35とは、少なくとも一部が離隔している。このように、離隔部35におけるカバー部材15側の部分と、カバー部材15との、互いに対向しつつ離隔している部分は、開口部16として形成されている。
【0045】
つまり、スクリーン部20を正面視した際の離隔部35の幅Ws方向におけるスクリーン部20が配置される側を一方側とし、反対側を他方側とする場合に、離隔部35の幅Ws方向における他方側には、保護部30とカバー部材15とが離隔することにより形成される開口部16を有している。この場合における開口部16は、離隔部35におけるカバー部材15に対向しつつカバー部材15から離隔する部分と、カバー部材15における離隔部35に対向する部分とで形成されている。
【0046】
このように形成される開口部16は、離隔部35の離隔面36に対向する位置に配置されるスピーカー口部材50に形成される孔と、保護部30の外側部分とを連通する部分になっている。
【0047】
また、筐体10は、スマートフォン1の長手方向における両端付近にバンパー60を備えている。図10は、図3のカバー部材15を取り外した状態を示す説明図である。バンパー60は、樹脂材料やゴム材料等の弾力性を有する部材からなるメインバンパー61とサブバンパー62とを有している。メインバンパー61とサブバンパー62とを有するバンパー60は、一体成形により形成されており、ケース部11と比較して弾力性が高くなっている。このうち、メインバンパー61は、ケース部11における、スマートフォン1の長手方向の端面12と、スマートフォン1の長辺の部分に位置するケース部11の側面13における端面12寄りの所定の範囲に亘って配置されている。つまり、メインバンパー61は、ケース部11における長手方向の端面12と側面13とが交差する角部を覆って配置されている。その際に、メインバンパー61におけるケース部11の側面13に配置される部分は、スマートフォン1の長手方向において保護部30が配置される範囲よりも、ケース部11の端面12からスマートフォン1の長手方向に離れる範囲に亘って配置されている。
【0048】
また、サブバンパー62は、メインバンパー61における、保護部30が配置される範囲よりもケース部11の端面12からスマートフォン1の長手方向に離れた位置に配置される部分における、メインバンパー61とスクリーン部20との間の位置に配置されている。図11は、図10のE-E方向の断面模式図である。メインバンパー61は、ケース部11の側面13に接して配置されており、スクリーン部20は、接着剤Gによってケース部11に接着されている。また、メインバンパー61は、スクリーン部20の厚さ方向において、ケース部11におけるスクリーン部20が配置される側の面よりも、スクリーン部20側に突出して形成されており、さらに、メインバンパー61は、スクリーン部20よりも、スクリーン部20の厚さ方向に突出して形成されている。
【0049】
サブバンパー62は、メインバンパー61における、スクリーン部20の厚さ方向においてケース部11よりもスクリーン部20側に突出して形成されている部分とスクリーン部20との間に配置されている。即ち、サブバンパー62は、スマートフォン1の短手方向において、メインバンパー61からスクリーン部20が位置する側に向かって突出して形成されている。このため、サブバンパー62は、スクリーン部20の側面26に当接することが可能になっている。つまり、筐体10は、弾力性を有してスクリーン部20の側面26に当接するサブバンパー62を有するバンパー60を備えている。
【0050】
本実施形態に係るスマートフォン1は、以上のような構成を含み、以下、その作用の一例について説明する。スマートフォン1を使用する際には、ユーザーが主にスマートフォン1を手で持った状態で、タッチスクリーン20Bを有するスクリーン部20に対して指やペン等によって入力操作を行ったり、ディスプレイ20Aを有するスクリーン部20に表示される情報を視認したりすることにより使用する。
【0051】
また、スマートフォン1は、スマートフォン1に内設されるスピーカー本体51から任意の音をすることができる。スピーカー本体51から発した音は、スピーカー口部材50に形成される孔を通り、離隔部35の離隔面36とスクリーン部20との間に形成されるスピーカー開口部52から外に向けて放出されることにより、ユーザーが聴くことが可能になっている。スピーカー本体51から発する音としては、例えば、スクリーン部20で動画を表示する際に、動画と共に流れる音や、スマートフォン1で任意のアプリケーションプログラムを実行する際に、アプリケーションプログラムにより発せられる音、または、スマートフォン1を電話として使用する際における通話の相手の音声等が挙げられる。
【0052】
これらのように使用されるスマートフォン1は、ユーザーが手で持つことが可能なため、使用時やスマートフォン1を移動させる際に、誤って落下させてしまうことが考えられる。その際に、入力操作や情報の表示を行うスクリーン部20は、スマートフォン1の表面に露出しているため、スクリーン部20が位置する側が下になってスマートフォン1を落下した場合、スクリーン部20が床面や床に置いてある物等に接触することにより、スクリーン部20に大きな衝撃が作用し易くなる。スクリーン部20に大きな衝撃が作用した場合、衝撃によってスクリーン部20が損傷し、スクリーン部20への入力操作が行い難くなったり、スクリーン部20による情報の表示が適切に行われ難くなったりする虞がある。
【0053】
本実施形態では、このように形成されるスマートフォン1において、スクリーン部20の一部を覆って配置される保護部30を備えている。このため、スマートフォン1が落下した場合、床面や床に置いてある物等に対しては、スクリーン部20よりも先に保護部30が接触し易くなっており、スクリーン部20が直接床面等に接触することに起因して、スクリーン部20に大きな衝撃が作用することを抑制できる。
【0054】
また、保護部30は、スクリーン部20に当接する当接部31と、当接部31同士の間に位置してスクリーン部20から離隔する離隔部35とを有しており、弾力性を有する部材により形成されている。このため、スマートフォン1が落下することにより、床面等に保護部30が接触した場合、保護部30は、離隔部35とスクリーン部20との距離が小さくなる方向に弾性変形することにより、保護部30が床面等に接触した際における衝撃を緩和することができる。即ち、スクリーン部20の一部を保護部30によって覆い、保護部30に当接部31と離隔部35とを形成することにより、保護部30に緩衝作用を発揮させることができ、スクリーン部20に大きな衝撃が作用することを抑制することができる。これにより、耐衝撃性を向上させることができる。
【0055】
また、スクリーン部20は、ガラス面21を有しているため、スクリーン部20に大きな衝撃が作用した場合、スクリーン部20は損傷し易くなっているが、このようなスクリーン部20においても、スクリーン部20の一部を保護部30によって覆うことにより、スクリーン部20の損傷を抑制することができる。これにより、スクリーン部20にガラス面21を用いて、入力操作性や情報の表示性能を確保する場合においても、スクリーン部20に大きな衝撃が作用することを抑制することができ、耐衝撃性を向上させることができる。
【0056】
また、スクリーン部20は、ガラス面21上に保護シート22を有しているため、ガラス面21の損傷を、保護シート22によって抑制することができ、スクリーン部20の損傷を、より抑制することができる。また、保護部30は、保護シート22に対向して配置されるため、保護シート22がガラス面21から剥がれることを、保護部30により抑制することができ、ガラス面21の損傷を、保護シート22によってより抑制することができる。これにより、スクリーン部20の保護を行うことができ、スクリーン部20の耐久性をより向上させることができる。
【0057】
また、保護部30の当接部31は、当接部31における離隔部35側の側面33とスクリーン部20とでなす角度θaが、鋭角であるため、スマートフォン1の落下時等の力が保護部30に力が作用した場合、離隔部35がスクリーン部20に近付く方向に、より弾性変形させることができる。これにより、スマートフォン1の落下時等の衝撃を、保護部30によってより緩和することができ、耐衝撃性をより向上させることができる。
【0058】
また、保護部30の当接部31は、当接部31においてスクリーン部20に当接する当接面32と側面33との間に曲面部34が形成されるため、スマートフォン1の落下時等の力が保護部30に力が作用した場合、離隔部35がスクリーン部20に近付く方向に、より弾性変形させることができる。また、当接面32と側面33との間に曲面部34が形成されることにより、保護部30に大きな力が作用した場合でも、スクリーン部20における当接面32と側面33との境界部分付近で、応力集中が発生することを抑制することができる。これにより、スマートフォン1の落下時等にスクリーン部20に大きな力が作用することを、保護部30によってより抑制することができ、耐衝撃性をより向上させることができる。
【0059】
また、保護部30は、離隔部の幅Wsが、当接部の幅Wcよりも狭いため、スマートフォン1の落下時等の力が保護部30に力が作用した場合、離隔部35がスクリーン部20に近付く方向に、離隔部35をより弾性変形させることができる。これにより、スマートフォン1の落下時等の衝撃を、保護部30によってより緩和することができ、耐衝撃性をより向上させることができる。
【0060】
また、スマートフォン1は、弾力性を有するバンパー60が設けられるため、スマートフォン1の落下時には、保護部30の他に、バンパー60によっても衝撃を吸収することができる。つまり、バンパー60は、ケース部11の端面12から側面13に亘って配置されるメインバンパー61を有しており、スマートフォン1の落下時には、大きな衝撃が発生し易い、ケース部11の端面12と側面13とが接続される角部で発生する衝撃を、メインバンパー61によって吸収することができる。これにより、スマートフォン1の落下時における衝撃を緩和することができ、大きな衝撃が発生することによりスマートフォン1の損傷を抑制することができる。
【0061】
さらに、バンパー60は、メインバンパー61の他に、メインバンパー61から突出してスクリーン部20の側面26に当接するサブバンパー62を備えるため、スクリーン部20に大きな衝撃が作用することを、より抑制することができる。つまり、例えば、スクリーン部20の側面26にケース部11が対向する部分では、スマートフォン1が落下した場合、落下時にケース部11に作用する大きな力は、大きな衝撃となってケース部11からスクリーン部20の側面26に伝わり、スクリーン部20に伝えられる。このため、スクリーン部20は、ケース部11からの衝撃により、損傷し易くなることが考えられる。これに対し、本実施形態では、ケース部11の端面12寄りの位置で、弾力性を有するサブバンパー62がスクリーン部20の側面26に当接するため、スマートフォン1が落下した際にメインバンパー61に大きな力が作用した場合でも、落下時の衝撃をサブバンパー62によって吸収することができる。これにより、落下時の衝撃がスクリーン部20に伝わることを抑制でき、耐衝撃性をより向上させることができる。
【0062】
また、スピーカー本体51から発せられた音を通すスピーカー口部材50は、保護部30の離隔部35における、スクリーン部20に対向する離隔面36に対向する位置に配置されるため、スピーカー本体51の音を、外に出し易くすることができる。つまり、保護部30は、離隔部35がスクリーン部20から離隔することにより、離隔部35とスクリーン部20との間の部分は、スピーカー口部材50に形成される孔を通った音を外に向けて放出することができる、スピーカー開口部52として形成されている。
【0063】
スピーカー開口部52は、離隔部35がスクリーン部20から離隔することにより形成されているため、スマートフォン1が、スクリーン部20が下側となって置かれた場合でも、スピーカー開口部52が塞がれることを抑制することができる。これにより、スクリーン部20が下側となってスマートフォン1が置かれた場合でも、スマートフォン1は、スピーカー本体51で発してスピーカー口部材50を通った音を、スピーカー開口部52から外に放つことができる。従って、スマートフォン1の状態に関わらず、スピーカー本体51から発せられた音を、スピーカー開口部52を通して外に向けて放出することができ、スピーカー本体51からの音を聞こえ易くすることができる。
【0064】
また、本実施形態に係るスマートフォン1は、防水性能を備えている。このため、スマートフォン1に水がかかった場合でも、スマートフォン1の内部におけるコントローラや通信ユニットが配置されている部分に水が入り込むことを抑制することができ、スマートフォン1が水に濡れた後も、継続して使用することができる。スマートフォン1に水がかかった場合には、防水機能によりスマートフォン1の使用が不可能になる領域には水は入り込まないが、それ以外の領域には水が入り込むことがある。このような水は、スクリーン部20を正面視した際における、離隔部35に対してスクリーン部20が配置される側の反対側で、保護部30と筐体10のカバー部材15とが離隔することにより形成される開口部16から、水抜きを行うことができる。
【0065】
つまり、スマートフォン1が水に浸されることにより、スピーカー口部材50に形成される孔からスマートフォン1の内側に水が入り込んだ場合でも、スピーカー口部材50を覆う離隔部35に隣接する開口部16から、水抜きを行うことができる。これにより、スピーカー口部材50を保護部30で覆った際における水抜き性能を確保することができ、スピーカー口部材50に対向する位置に保護部30を配置することによる音の聞こえ易さと、水抜き性能とを両立することができる。
【0066】
また、保護部30は、筐体10に対して着脱自在に取り付けられているため、メンテナンス性を確保することができる。例えば、スピーカー口部材50に形成される孔に異物が詰まった場合でも、保護部30を取り外すことにより、容易に異物を取り除くことができる。これにより、メンテナンス性能を向上させることができる。
【0067】
本出願の開示する実施形態は、発明の要旨及び範囲を逸脱しない範囲で変更することができる。さらに、本出願の開示する実施形態及びその変形例は、適宜組み合わせることができる。例えば、上記の実施形態は、以下のように変形してもよい。
【0068】
上記の実施形態では、電子機器の一例として、スマートフォン1を用いて説明したが、添付の請求項に係る電子機器は、スマートフォン1に限定されない。添付の請求項に係る電子機器は、スマートフォン1以外の携帯電子機器であってもよい。携帯電子機器は、例えば、モバイルフォン、タブレット、携帯型パソコン、デジタルカメラ、スマートウォッチ、メディアプレイヤ、電子書籍リーダ、ナビゲータ、及びゲーム機を含むが、これに限定されない。
【0069】
上記の実施形態では、保護部30が一部を覆う第1面として、ディスプレイ20Aとタッチスクリーン20Bとを有するスクリーン部20を用いて説明したが、添付の請求項に係る第1面は、ディスプレイ20Aとタッチスクリーン20Bとを有するスクリーン部20に限定されない。添付の請求項に係る第1面は、例えば、情報の表示部のみを行うディスプレイであってもよい。第1面は、筐体において衝撃によって損傷し易い面、または、損傷した際における影響が大きい面が適用されるのが好ましい。
【0070】
上記の実施形態では、バンパー60は、メインバンパー61とサブバンパー62とが、一体成形により形成されているが、メインバンパー61とサブバンパー62とは、別部品により構成されていてもよい。メインバンパー61とサブバンパー62とが別部品により構成される場合でも、弾力性を有するサブバンパー62が、スクリーン部20の側面26に当接することにより、スクリーン部20に大きな衝撃が作用することを抑制でき、耐衝撃性を向上させることができる。
【0071】
上記の実施形態では、保護部30が有する離隔部35の離隔面36に対向する位置に、スクリーン部20とスピーカー口部材50が配置されているが、離隔面36に対向する位置には、スピーカー口部材50以外が配置されていてもよい。離隔面36に対向する位置には、例えば、スマートフォン1の内部に配置されるマイクに対して伝えられる音が通る孔が、スピーカー口部材50と同様に複数形成される、マイク用の部材が配置されていてもよい。
【0072】
添付の請求項に係る技術を完全かつ明瞭に開示するために特徴的な実施形態に関し記載してきた。しかし、添付の請求項は、上記実施形態に限定されるべきものでなく、本明細書に示した基礎的事項の範囲内で当該技術分野の当業者が創作しうるすべての変形例及び代替可能な構成を具現化するように構成されるべきである。
【符号の説明】
【0073】
1 スマートフォン
10 筐体
11 ケース部
12 端面
13、26、33 側面
15 カバー部材
16 開口部
20 スクリーン部
20A ディスプレイ
20B タッチスクリーン
21 ガラス面
22 保護シート
25 スクリーン部端部
30 保護部
31 当接部
32 当接面
34 曲面部
35 離隔部
36 離隔面
40 ネジ
50 スピーカー口部材
51 スピーカー本体
52 スピーカー開口部
60 バンパー
61 メインバンパー
62 サブバンパー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11