(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0201 20230101AFI20240820BHJP
【FI】
G06Q30/0201
(21)【出願番号】P 2021179527
(22)【出願日】2021-11-02
【審査請求日】2023-03-15
(73)【特許権者】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田島 玲
【審査官】阿部 圭子
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-190964(JP,A)
【文献】特開2010-282561(JP,A)
【文献】特開2003-030403(JP,A)
【文献】特開2012-079005(JP,A)
【文献】特開2002-366724(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子商店街において所定のアクションを取った利用者の行動履歴を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された前記行動履歴を所定の期間毎に分割した分割データそれぞれから
指定された特定の対象に対する
前記利用者の興味を数値化した興味スコ
アを算出する算出部と、
前記算出部によって算出され
た前記興味スコアの変動を示すスコア情報を提供する提供部と
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記算出部は、
前記所定のアクションとして、所定のアイテムを購入した前記利用者の前記行動履歴から前記アイテム毎に前記興味スコアを算出すること
を特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記算出部は、
前記特定の対象として、事業者が指定した商品に対する前記興味スコアを算出すること
を特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記取得部は、
ポータルサイトにおける検索履歴を前記行動履歴として取得し、
前記算出部は、
前記検索履歴から前記興味スコアを算出すること
を特徴とする請求項1、2または3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記取得部は、
前記利用者のデモグラフィック属性に関する情報を前記行動履歴に紐づけて取得し、
前記算出部は、
前記デモグラフィック属性毎に前記興味スコアを算出すること
を特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記提供部は、
前記スコア情報として、前記興味スコアの時系列変化に関する情報を提供すること
を特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記算出部は、
前記利用者の前記行動履歴から前記期間毎の興味の特徴を示すベクトルを算出し、
前記提供部は、
前記ベクトルの変動に関する情報を前記スコア情報として提供すること
を特徴とする請求項1~6のいずれか一つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
電子商店街において所定のアクションを取った利用者の行動履歴を取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された前記行動履歴を所定の期間毎に分割した分割データそれぞれから
指定された特定の対象に対する
前記利用者の興味を数値化した興味スコ
アを算出する算出工程と、
前記算出工程によって算出され
た前記興味スコアの変動を示すスコア情報を提供する提供工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項9】
電子商店街において所定のアクションを取った利用者の行動履歴を取得する取得手順と、
前記取得手順によって取得された前記行動履歴を所定の期間毎に分割した分割データそれぞれから
指定された特定の対象に対する
前記利用者の興味を数値化した興味スコ
アを算出する算出手順と、
前記算出手順によって算出され
た前記興味スコアの変動を示すスコア情報を提供する提供手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの飛躍的な普及に伴い、企業側が指定した条件にマッチするユーザに絞って各種キャンペーンを展開する技術が広く普及している。たとえば、各利用者のクエリログを解析することで、各利用者の興味または関心がある対象を特定する技術が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、たとえば、各利用者の興味や関心がどのように遷移するかについては考慮されていなかった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、各利用者の興味や関心の遷移に関するコンテンツを提供することができる情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る情報処理装置は、所定のアクションを取った利用者の行動履歴を取得する取得部と、前記取得部によって取得された前記行動履歴を所定の期間毎に分割した分割データそれぞれから前記利用者の特定の対象に対する興味を数値化した興味スコアをアクション毎に算出する算出部と、前記算出部によって算出された前記アクション毎の前記興味スコアの変動を示すスコア情報を提供する提供部とを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、各利用者の興味や関心の遷移に関するコンテンツを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係るユーザ情報記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るモデル記憶部に記憶される情報の一例を示す図である。
【
図5】
図5は、生成条件の入力を受け付ける画面の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、生成条件の入力を受け付ける画面の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係るモデル生成処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施形態に係るスコア情報提供処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図9】
図9は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する。)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラムが限定されるものではない。
【0010】
[実施形態]
〔1.情報処理〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理の一例を示す図である。なお、かかる情報処理方法は、たとえば、
図1に示す情報処理装置10によって実行される。
【0011】
図1に示すように、実施形態に係る情報処理装置10は、ポータルサイトと連携し、ポータルサイトを利用する各利用者Uの行動履歴を用いて、各利用者Uの興味関心に関する興味スコアを算出する情報処理装置である。
【0012】
たとえば、情報処理装置10は、興味スコアの変動に関するコンテンツであるスコア情報を事業者端末500に対し提供する。たとえば、事業者端末500は、企業、個人事業主といった各事業者が有する端末装置であり、スコア情報に応じて、たとえば、各事業者の顧客に対し各種キャンペーンを実施する。
【0013】
利用者端末50は、ポータルサイトを利用する利用者Uが保有する端末装置である。利用者端末50として、たとえば、スマートフォン、タブレット端末、パソコン、ウェアラブル端末などが挙げられる。
【0014】
なお、
図1に示す例では、ポータルサイトとして、検索サービスを提供する検索ログサーバ101と、ショッピングサイトを運営するショッピングサーバ102が含まれる場合について示している。ポータルサイトは、上記以外にも、ニュースサイト、SNS、不動産サイトなどといった多様なサービスを提供するサーバが含まれていてもよい。
【0015】
ところで、たとえば、事業者が、自身の製品を購入した顧客に対し個別にキャンペーンを行うことを想定した場合、各顧客が製品を購入後にどのように興味関心が変動するかを適切に把握する必要がある。
【0016】
より具体的な例として、たとえば、一眼レフカメラを購入した顧客に対し、どのタイミングで一眼レンズに対して興味が高くなるかといった情報が分かれば、かかるタイミングで一眼レンズのキャンペーンを行えば、キャンペーンを効率よく行うことが可能である。
【0017】
一方で、たとえば、事業者は、このような興味関心の変動に関する情報について十分な知見を得ていないことが多く、キャンペーンの効率化、あるいは、顧客の満足度の向上を図るうえで改善の余地があった。
【0018】
これに対し、実施形態に係る情報処理装置10は、所定のアクションを取った利用者Uのポータルサイトの行動履歴を所定期間毎に分割し、分割した行動履歴それぞれから興味を数値化した興味スコアを算出し、提供する。
【0019】
なお、以下では、アクションが、ポータルサイト上で所定のアイテムを購入したことである場合について説明するが、アクションは、たとえば、ポータルサイト上で所定のアイテムを閲覧したこと、カートに入れたことなどであってもよく、また、利用者Uが実際に店舗を訪れたことなどであってもよい。なお、この場合、たとえば、情報処理装置10は、利用者端末50の位置情報を利用して、利用者Uが店舗を訪れたことを認識するようにしてもよい。
【0020】
たとえば、利用者Uが利用者端末50を介してポータルサイトを利用すると(ステップS01)、ポータルサイト上には、利用者Uの利用履歴が蓄積される。そして、情報処理装置10は、各ポータルサイトを運営するサーバ(
図1の例では、検索ログサーバ101、ショッピングサーバ102)から各利用者Uの利用履歴を取得する(ステップS02)。
【0021】
情報処理装置10は、取得した利用履歴から所定のアクションを取った利用者Uの検索ログを用いて、モデルを生成する(ステップS03)。同図に示す例では、一眼レフカメラを購入した30代男性に関するモデルを生成する場合を例示する。
【0022】
ここでのモデルとは、一眼レフカメラを購入した30代男性の興味が一眼レフカメラを購入後にどのように推移するかを学習したモデルである。たとえば、モデルの学習段階において、まず、情報処理装置10は、ショッピングサーバ102の利用履歴から一眼レフカメラを購入した利用者Uを特定し、一眼レフカメラの購入を起点t0として所定期間tnまでの検索ログをn個に分割する。
【0023】
そして、たとえば、情報処理装置10は、分割した検索ログと、経過期間とを利用した機械学習によってモデルを生成する。たとえば、上述の例では、購入したアイテム×デモグラフィック属性毎にモデルが生成され、生成されたモデルが情報処理装置10のモデル記憶部に格納される。なお、ここでは、検索ログを用いてモデルを生成する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、たとえば、ニュースや情報メディアへのアクセスログや、SNSへの投稿履歴、あるいは、閲覧履歴を用いて、モデルを生成するようにしてもよい。
【0024】
つづいて、情報処理装置10は、たとえば、事業者端末500から指定された条件に基づき、モデルを利用して、経過期間毎の興味スコアを算出する(ステップS04)。たとえば、事業者端末500から「購入したアイテム」、「30代男性」、「キャンペーンを行う予定の商品(たとえば、一眼レンズや他の自社製品)」といった条件を指定することができ、情報処理装置10は、これらの条件に基づいて、経過期間毎の興味スコアを算出する。
【0025】
つづいて、情報処理装置10は、経過期間毎の興味スコアに関するスコア情報を生成し(ステップS05)、生成したスコア情報を事業者端末500に対して提供する(ステップS06)。
【0026】
これにより、事業者は、興味スコアの推移を知ることができるので、どのタイミングでどのデモグラフィック属性の顧客に対しキャンペーンを行うべきかを容易に把握することができる。
【0027】
このように、実施形態に係る情報処理装置10では、たとえば、ポータルサイトの利用履歴を期間毎に分割し、分割した期間毎の利用履歴それぞれから興味スコアを算出することとした。
【0028】
これにより、実施形態に係る情報処理装置10では、各利用者Uの興味や関心の遷移に関するコンテンツを提供することができる。なお、上記の例では、デモグラフィック属性毎にモデルを生成する場合について説明したが、居住地や(都道府県/市町村/メッシュ)、職業など、利用者Uの所定の共通属性毎にモデルを生成するようにしてもよい。これにより、かかる共通属性毎の興味スコアの推移に関するコンテンツを提供することが可能となる。
【0029】
〔2.情報処理装置の構成例〕
次に、
図2を用いて、実施形態に係る情報処理装置10の構成例について説明する。
図2は、実施形態に係る情報処理装置10の構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、情報処理装置10は、通信部110と、制御部120と、記憶部130とを有する。
【0030】
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、4G(Generation)、5G、LTE(Long Term Evolution)、WiFi(登録商標)若しくは無線LAN(Local Area Network)等といった各種の無線通信網若しくは各種の有線通信網といったネットワークを介して、外部装置との間で情報の送受信を行う。
【0031】
記憶部130は、例えば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。また、記憶部130は、ユーザ情報記憶部131およびモデル記憶部132を有する。
【0032】
ユーザ情報記憶部131は、ポータルサイトを利用する利用者Uに関する情報を記憶する記憶部である。
図3は、実施形態に係るユーザ情報記憶部131に記憶する情報の一例を示す図である。
【0033】
図3に示すように、たとえば、ユーザ情報記憶部131は、「利用者ID」、「デモグラフィック属性」、「購入履歴」、「検索履歴」といった項目の情報を互いに対応付けて記憶する。
【0034】
「利用者ID」は、各利用者を識別するための識別子である。「デモグラフィック属性」は、対応する利用者IDで識別される利用者Uのデモグラフィック属性に関する情報である。なお、ここでのデモグラフィック属性は、年齢、性別、住居エリア、学歴、家族構成、勤務先、年収などといった各利用者Uの人口統計学的属性が含まれ得る。
【0035】
「購入履歴」は、対応する利用者IDで識別される利用者Uがポータルサイト上で購入した商品の購入履歴に関する情報である。たとえば、「購入履歴」には、購入した商品、購入日時、購入した店舗などに関する情報が格納される。
【0036】
「検索履歴」は、対応する利用者IDで識別される利用者Uがポータルサイト上で行った検索履歴(検索ログ)に関する情報である。たとえば、「検索履歴」には、利用者Uが入力した検索クエリや検索した日時に関する情報が格納される。
【0037】
図2の説明に戻り、モデル記憶部132について説明する。モデル記憶部132は、興味スコアの推移を算出するためのモデルを記憶する記憶部である。
図4は、実施形態に係るモデル記憶部132に記憶する情報の一例を示す図である。
【0038】
図4に示すように、たとえば、モデル記憶部132は、「購買アイテム」、「属性種別」、「スコアモデル」といった項目の情報を互いに対応付けて記憶する。「購買アイテム」は、利用者Uが購入したアイテムを識別するための識別子である。なお、購買アイテムは、対応するアイテムのカテゴリや、価格帯、グレードを識別するための情報であってもよい。「属性種別」は、モデルの対象となるデモグラフィック属性を識別するための識別子である。
【0039】
また、「スコアモデル」は、対応する「購買アイテム」および「属性種別」の利用者Uの興味スコアを算出するためのモデルである。同図に示す例では、「UI001」で識別される購買アイテムに対し「D1-1」および「D2-1」でそれぞれ識別される属性種別のモデルがそれぞれ「スコアモデル」に格納されることを示す。
【0040】
図2の説明に戻り、制御部120について説明する。制御部120は、たとえば、コントローラ(controller)であり、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置10内部の記憶装置に記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。
【0041】
図2に示すように、制御部120は、取得部121、生成部122、受付部123、算出部124および提供部125を有する。取得部121は、所定のアクションを取った利用者Uの行動履歴を取得する。
【0042】
本実施形態では、取得部121は、ポータルサイト上で商品を購入した利用者Uのポータルサイトの利用履歴を取得し、ユーザ情報記憶部131に格納する。たとえば、取得部121は、検索ログサーバ101から検索ログを取得し、ショッピングサーバ102から購入履歴を取得する。
【0043】
なお、取得部121は、すべての利用者Uの検索ログを取得するようにしてもよく、たとえば、所定のアイテムを購入した利用者Uの検索ログを取得するようにしてもよい。
【0044】
生成部122は、所定のアクションを取った利用者Uの興味を数値化した興味スコアを算出するためのモデルを生成する。たとえば、生成部122は、モデルの学習段階において、利用者Uが商品を購入後のポータルサイトの利用履歴を経過期間(たとえば、1カ月)毎に分割した分割データを生成する。
【0045】
つづいて、生成部122は、分割データそれぞれに対し経過期間毎の情報を対応付けて機械学習を行うことで、経過期間と検索ログとの関係性、すなわち、経過期間と、利用者Uの興味との関係性を学習したモデルを生成する。
【0046】
たとえば、生成部122は、購入商品およびデモグラフィック属性毎にモデルを生成し、生成したモデルをモデル記憶部132に格納する。
【0047】
受付部123は、たとえば、事業者端末500からスコア情報の生成条件を受け付け、受け付けた生成条件に関する情報を算出部124へ渡す。なお、生成条件の具体例については
図5および
図6を用いて後述する。
【0048】
算出部124は、取得部121によって取得された行動履歴を所定の期間毎に分割した分割データそれぞれから利用者Uの特定の対象に対する興味を数値化した興味スコアをアクション毎に算出する。
【0049】
算出部124は、受付部123から受け取った事業者端末500が指定した生成条件に応じて、モデル記憶部132に記憶されたモデルを用いて興味スコアを算出し、提供部125へ渡す。
【0050】
提供部125は、算出部124によって算出された興味スコアの変動を示すスコア情報を事業者端末500に対し提供する。ここで、
図5および
図6を用いて、受付部123、算出部124および提供部125の一連の処理について説明する。
【0051】
図5および
図6は、生成条件の入力を受け付ける画面の一例を示す図である。たとえば、情報処理装置10は、
図5に示すようなUIを提供し、スコア情報の生成条件を事業者端末500から受け付ける。
【0052】
図5に示す例では、たとえば、「購入アイテム」、「デモグラフィック属性」および「対象商品」といった項目の生成条件を受け付ける場合を示す。「購入アイテム」は利用者Uが購入したアイテム名を示し、「デモグラフィック属性」はスコア情報の生成対象となるデモグラフィック属性を示す。
【0053】
また、「対象アイテム」は、興味スコアの算出対象となるアイテムを示す。同図に示す例では、購入アイテムが一眼レフカメラ、デモグラフィック属性が30代、男性、対象アイテムが一眼レンズである場合を示す。
【0054】
すなわち、この場合、一眼レフカメラを購入した30代男性の一眼レンズに関する興味スコアの推移がスコア情報として事業者端末500に対し提供される。たとえば、受付部123は、
図5のようなUIを介してスコア情報の生成条件を受け付け、算出部124は、生成条件に応じて、指定されたデモグラフィック属性の対象アイテムに対する興味スコアを期間毎にモデルを用いて算出する。
【0055】
そして、提供部125は、算出部124によって算出された期間毎の興味スコアの推移を示すスコア情報を対し事業者端末500に対し提供する。同図に示すスコア情報の例では、時期t11において、一眼レンズに対して興味が最も高くなることを示しており、事業者は、時期t11に一眼レンズに関するキャンペーンを行うことで、効率よくキャンペーンを実施することが可能となる。
【0056】
なお、たとえば、購入アイテムに対応するモデルがない場合には、類似する他の購入アイテムのモデルを用いて、興味スコアを算出するようにしてもよく、また、購入アイテムに対応する上位のカテゴリのモデルを用いて、興味スコアを算出するようにしてもよい。
【0057】
また、購入アイテムについては、商品カテゴリであってもよく、商品のメーカや価格帯、グレードといった項目で細分化するようにしてもよい。すなわち、たとえば、一眼レフカメラであっても、メーカ、価格帯、グレードに応じて、モデルをそれぞれ生成したうえで、興味スコアを算出するようにしてもよい。
【0058】
この場合、たとえば、事業者端末500は、異なる生成条件を指定することで、メーカ、価格帯、グレードによる興味スコアの推移の違いを確認することができる。すなわち、競合製品と自社製品との興味スコアの推移の違いを確認することで、単にキャンペーンの効率化のみならず、製品開発にとっても有益な情報を受け取ることができる。なお、この場合に、複数のスコア情報を同一のグラフに重畳して提供するようにしてもよい。
【0059】
また、
図6の例では、対象アイテムに代えて「サイコグラフィック属性」の入力を受け付ける場合について示している。ここで、「サイコグラフィック属性」とは、趣味、嗜好、ライフスタイルなどといった心理的属性であり、以下では、「サイコグラフィック属性」が趣味を示すものであるとする。なお、サイコグラフィック属性については、たとえば、ポータルサイトの利用履歴を用いて導出されたものであってもよく、利用者Uに対して行ったアンケート結果を用いるようにしてもよい。
【0060】
同図に示す例では、「サイコグラフィック属性」として、「車」が選択された場合を示す。すなわち、この場合においては、一眼レフカメラを購入した車好きの30代男性の興味スコアの推移に関する情報がスコア情報として提供される。
【0061】
このように、たとえば、「サイコグラフィック属性」をさらに限定して、スコア情報を生成、提供することで、サイコグラフィック属性に応じて適切なキャンペーンの実施が可能となる。
【0062】
〔3.処理手順〕
次に、
図7および
図8を用いて、実施形態に係る情報処理装置10が実行する処理手順について説明する。
図7は、実施形態に係るモデル生成処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
図8は、実施形態に係るスコア情報提供処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0063】
図7に示すように、たとえば、情報処理装置10は、所定のアクションを取った利用者Uのポータルサイトの利用履歴を取得する(ステップS101)。つづいて、情報処理装置10は、期間毎の利用履歴それぞれから興味スコアを算出する(ステップS102)。
【0064】
つづいて、情報処理装置10は、期間毎の興味スコアを用いて、モデルを更新する(ステップS103)。そして、情報処理装置10は、モデル生成処理を終了する。
【0065】
つづいて、
図8に示すように、情報処理装置10は、スコア情報の生成条件を受け付ける(ステップS111)。つづいて、情報処理装置10は、生成条件に応じたモデルを用いて、経過期間毎の興味スコアを算出する(ステップS112)。
【0066】
つづいて、情報処理装置10は、経過期間毎の興味スコアの推移に関するスコア情報を提供する(ステップS113)。そして、情報処理装置10は、スコア情報提供処理を終了する。
【0067】
〔4.変形例〕
ところで、上述した実施形態では、利用者Uによる商品購入後の興味スコアの推移をスコア情報として提供する場合について説明したが、これに限定されるものではない。商品購入前後における一連の興味スコアの推移をスコア情報として提供することにしてもよい。
【0068】
また、上述した実施形態では、スコア情報として興味スコアの一連の推移に関する情報を提供する場合について説明したが、これに限定されるものではない。たとえば、興味スコアが最も高くなる時期、最も低くなる時期に関する情報をスコア情報として提供することにしてもよい。また、たとえば、複数のデモグラフィック属性に対応するモデルを用いて複数のデモグラフィック属性に対応する興味スコアを自動的に算出し、たとえば、年齢差や地域差によって特徴的な興味スコアの推移を示す情報をスコア情報として提供するようにしてもよい。
【0069】
たとえば、各デモグラフィック属性で、年齢が50歳を境に興味スコアの推移傾向に変化が生じる場合、都会と田舎では興味スコアの推移傾向に変化が生じるなどといった事象を分析し、分析結果をスコア情報として提供するようにしてもよい。
【0070】
また、上述した実施形態では、たとえば、1つのアイテムを購入した利用者Uに関する検索ログから興味スコアを算出する場合について説明したが、これに限定されるものではない。たとえば、複数のアイテムを購入した利用者Uの検索ログを利用して興味スコアを算出するようにしてもよい。この場合、たとえば、情報処理装置10は、製品Aおよび製品Bを購入した利用者Uに関するスコア情報を提供することができる。
【0071】
また、上述した実施形態では、興味スコアの変動に関する情報をスコア情報として提供する場合について説明したが、これに限定されるものではない。たとえば、算出部124は、経過期間毎に興味の特徴を示すベクトルを算出し、提供部125は、ベクトルの変動に関する情報をスコア情報として提供することにしてもよい。なお、ここでのベクトルとは、検索ログをN次元(たとえば、128次元)のデータに落とし込んだデータである。この場合においても、事業者は、ベクトルの変動から利用者Uの興味の傾向を把握することが可能となる。
【0072】
〔5.効果〕
上述した実施形態に係る情報処理装置10は、所定のアクションを取った利用者Uの行動履歴を取得する取得部121と、取得部121によって取得された行動履歴を所定の期間毎に分割した分割データそれぞれから利用者の特定の対象に対する興味を数値化した興味スコアをアクション毎に算出する算出部124と、算出部124によって算出されたアクション毎の興味スコアの変動を示すスコア情報を提供する提供部125とを備える。したがって、実施形態に係る情報処理装置10によれば、各利用者の興味や関心の遷移に関するコンテンツを提供することができる。
【0073】
また、上述した実施形態に係る算出部124は、所定のアイテムを購入した利用者の行動履歴からアイテム毎に興味スコアを算出する。したがって、実施形態に係る情報処理装置10によれば、所定のアイテムを購入した利用者Uの興味関心の推移に関するコンテンツを提供することができる。
【0074】
また、上述した実施形態に係る算出部124は、特定の対象として、事業者が指定した商品に対する興味スコアを算出する。したがって、実施形態に係る情報処理装置10によれば、事業者が望む商品に対する利用者Uの興味関心の推移に関するコンテンツを提供することができる。
【0075】
また、上述した実施形態に係る取得部121は、ポータルサイトにおける検索履歴を行動履歴として取得し、算出部124は、検索履歴から興味スコアを算出する。したがって、実施形態に係る情報処理装置10によれば、興味スコアを精度よく算出することができる。
【0076】
また、上述した実施形態に係る取得部121は、利用者のデモグラフィック属性に関する情報を行動履歴に紐づけて取得し、算出部124は、デモグラフィック属性毎に興味スコアを算出する。したがって、実施形態に係る情報処理装置10によれば、デモグラフィック属性に応じた利用者Uの興味関心の推移に関するコンテンツを提供することができる。
【0077】
また、上述した実施形態に係る提供部125は、スコア情報として、興味スコアの時系列変化に関する情報を提供する。したがって、実施形態に係る情報処理装置10によれば、利用者Uの興味スコアの時系列変化を容易に把握可能なコンテンツを提供することができる。
【0078】
また、上述した実施形態に係る算出部124は、利用者Uの行動履歴から期間毎の興味の特徴を示すベクトルを算出し、提供部125は、ベクトルの変動に関する情報をスコア情報として提供する。したがって、実施形態に係る情報処理装置10によれば、ベクトルの変化によって、利用者Uの興味の傾向を把握することが可能となる。
【0079】
〔6.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報処理装置10は、例えば
図9に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。
図9は、実施形態に係る情報処理装置10の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0080】
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
【0081】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、ネットワーク(通信ネットワーク)Nを介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータをネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0082】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置(
図9では、出力装置および入力装置を総称して「入出力装置」と記載する)を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0083】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0084】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る情報処理装置10として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部120の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0085】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0086】
〔7.その他〕
また、上記実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0087】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0088】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0089】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0090】
10 情報処理装置
50 利用者端末
101 検索ログサーバ
102 ショッピングサーバ
110 通信部
120 制御部
121 取得部
122 生成部
123 受付部
124 算出部
125 提供部
130 記憶部
131 ユーザ情報記憶部
132 モデル記憶部
500 事業者端末