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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】食品材料切断システム及び方法
(51)【国際特許分類】
   B26D 7/06 20060101AFI20240820BHJP
   B65G 47/14 20060101ALI20240820BHJP
   B65G 47/24 20060101ALI20240820BHJP
   B65G 47/68 20060101ALI20240820BHJP
   B26D 7/08 20060101ALI20240820BHJP
   B26D 1/08 20060101ALI20240820BHJP
   B26D 5/20 20060101ALI20240820BHJP
   B26D 7/04 20060101ALI20240820BHJP
   B26D 3/20 20060101ALI20240820BHJP
【FI】
B26D7/06 D
B65G47/14 M
B65G47/24 H
B65G47/68 D
B26D7/08 D
B26D1/08
B26D5/20 C
B26D7/04
B26D3/20
【請求項の数】 27
(21)【出願番号】P 2021517277
(86)(22)【出願日】2019-10-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-11
(86)【国際出願番号】 EP2019076969
(87)【国際公開番号】W WO2020070315
(87)【国際公開日】2020-04-09
【審査請求日】2022-09-05
(31)【優先権主張番号】18198859.3
(32)【優先日】2018-10-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】519414701
【氏名又は名称】マレル・アクティエセルスカブ
【氏名又は名称原語表記】Marel A/S
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】エリアス・ハルドル・ビャルナソン
【審査官】永井 友子
(56)【参考文献】
【文献】特表平09-503650(JP,A)
【文献】特開平08-118288(JP,A)
【文献】特表2007-522948(JP,A)
【文献】特公昭47-013099(JP,B1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0205961(US,A1)
【文献】特開2002-238532(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 7/06
B65G 47/14
B65G 47/24
B65G 47/68
B26D 7/08
B26D 1/08
B26D 5/20
B26D 7/04
B26D 3/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品材料を切断する切断システムであって、
送込み搬送面を備えた送込みコンベアと、
送出し搬送面を備えた送出しコンベアと、ここで送込みコンベア及び送出しコンベアは、終端間配置にて配置されており、
切断を実行するときに移動する切断面を形成する切断ナイフと、ここで切断面は、送込みコンベアと送出しコンベアとの端間に形成されており、
を備え、
当該切断システムは、送出し搬送面に面する表面で、切断ナイフで切断されている間、送出し搬送面に置かれている食品材料の一部に、送出しコンベアの搬送面の方向に圧力を加えることができるように送出し搬送面に対して配置された表面を備えた送出し押下装置を備え、
当該切断システムはさらに、切断ナイフが切断を実行した直後及び/又は切断ナイフが2つの連続した切断を実行する間のような、切断ナイフが切断を実行した後に、切断ナイフの切断面から離れる下流方向におけるような、送出しコンベアの搬送速度が、切断ナイフの切断面の方への下流方向におけるような、送込みコンベアの搬送速度よりも大きいように、切断を実行する切断ナイフを制御し、さらに、送出しコンベアの搬送速度及び/又は送込みコンベアの搬送速度を制御するように構成されたコントローラを備え、
コントローラは、送出しコンベアよりも高速で送出し押下装置のコンベアを加速するように構成される、
切断システム。
【請求項2】
送込み搬送面に面する表面で、切断ナイフで切断されている間、送込み搬送面に置かれている食品材料の一部に圧力を加えることができるように送込み搬送面に対して配置された表面を備えた送込み押下装置をさらに備えた、請求項1に記載の切断システム。
【請求項3】
送込み押下装置及び/又は送出し押下装置は、電動高さ調整機構を備える、請求項1又は2に記載の切断システム。
【請求項4】
電動高さ調整機構は、送出し押下装置及び/又は送込み押下装置と切断面との間の最小距離のような距離が一定であるような実質的に一定のままである間に高さが調整可能なように配置されている、請求項3に記載の切断システム。
【請求項5】
切断ナイフの切断面の上流の食品材料をスキャンするように構成されたスキャナをさらに備える、請求項1から4のいずれかに記載の切断システム。
【請求項6】
切断システムは、スキャナからデータを受信し、受信したデータに基づいて輪郭を計算し、計算された輪郭に基づいて、送込み押下装置及び/又は送出し押下装置の高さを制御するように構成された制御ユニットをさらに備える、請求項3から5のいずれかに記載の切断システム。
【請求項7】
送込み押下装置は、送込み搬送面に面する搬送面を有するコンベアを備え、及び/又は、送出し押下装置は、送出し搬送面に面する搬送面を有するコンベアを備える、請求項1から6のいずれかに記載の切断システム。
【請求項8】
送出しコンベアの搬送面が第1平面を形成し、送出し押下装置の搬送面が第2平面を形成し、第1及び第2の平面が切断ナイフの少なくとも切断面の近くで0-25度の角度を形成し、切断ナイフの切断面は、切断ナイフの少なくとも切断面の近くで第1平面と85-95度の角度を形成する、請求項7に記載の切断システム。
【請求項9】
切断ナイフが切断を実行した直後及び/又は切断ナイフが2つの連続した切断を実行する間のような、切断ナイフが切断を実行した後に、最初は切断ナイフの両側において隣接する食品材料間の距離が増加するように、切断を実行する切断ナイフを制御し、さらに、送出しコンベアの搬送速度及び/又は送込みコンベアの搬送速度を制御するように構成されたコントローラを備えた、請求項1から8のいずれかに記載の切断システム。
【請求項10】
少なくとも送出しコンベアの搬送速度を制御し、切断を実行するように切断ナイフを制御するように、さらに、切断ナイフが切断を実行するときに、切断ナイフの切断面から離れるように送出しコンベアの搬送面を加速するように構成されたコントローラを備えた、請求項1から9のいずれかに記載の切断システム。
【請求項11】
少なくとも送出しコンベアの搬送速度を制御し、切断を実行するために切断ナイフを制御するように、さらに、切断ナイフが切断を実行した直後及び/又は切断ナイフが2つの連続した切断を実行する間のような、切断ナイフが切断を実行した後に、切断ナイフの切断面から離れるように送出しコンベアの搬送面を加速するように構成されたコントローラを備えた、請求項1から10のいずれかに記載の切断システム。
【請求項12】
送出し押下装置は、送出し搬送面に面する搬送面を有するコンベアを備え、コントローラは、切断ナイフが切断を実行するときに、切断ナイフの切断面から離れるように送出し押下装置の搬送面を加速するようにさらに構成される、請求項1から11のいずれかに記載の切断システム。
【請求項13】
送出し押下装置は、送出し搬送面に面する表面を有するコンベア手段を備え、コントローラは、さらに、切断ナイフが切断を実行した直後及び/又は切断ナイフが2つの連続した切断を実行する間のような、切断ナイフが切断を実行した後に、切断ナイフの切断面から離れるように送出し押下装置の表面を加速するように構成される、請求項1から12のいずれかに記載の切断システム。
【請求項14】
コントローラは、送込みコンベアの搬送速度を制御し、送出しコンベアが加速されている間、送込みコンベアの搬送速度を一定に保つようにさらに構成される、請求項1から13のいずれかに記載の切断システム。
【請求項15】
送込み押下装置の表面及び/又は送出し押下装置の表面は、食品材料の輪郭に少なくとも部分的に適応可能にするように柔軟性を有する、請求項1から14のいずれかに記載の切断システム。
【請求項16】
送出し押下装置及び送込み押下装置のそれぞれの一部のような、垂直下の搬送面に最も近い及び/又は切断面に最も近い、送出し押下装置の一部は、上記搬送面に垂直でそこから離れる方向において、例えば少なくとも1mm又は2mm又は5mm又は10mm、食品材料によって変位するように配置され、この変位のために食品材料によって作用する力は、100ニュートン以下の力の作用に関して少なくとも10mm以下で変位するように、100ニュートン以下、例えば10ニュートン以下、1ニュートン以下である、請求項1から15のいずれかに記載の切断システム。
【請求項17】
送出し押下装置と切断ナイフとの間の距離が、少なくとも切断中、50mm以下、例えば40mm以下、30mm以下、25mm以下、20mm以下、15mm以下、10mm以下、5mm以下など、である、請求項1から16のいずれかに記載の切断システム。
【請求項18】
少なくとも食品材料がないときにおいて、送出し押下装置と送出しコンベアとの間の、例えば最小距離のような距離が、200mm以下、例えば100mm以下、50mm以下、40mm以下、30mm以下、25mm以下、20mm以下、15mm以下、10mm以下、5mm以下など、である、請求項1から17のいずれかに記載の切断システム。
【請求項19】
当該切断システムが送込み押下装置を備え、少なくとも食品材料がないときにおいて、送込み押下装置と送込みコンベアとの間の最小距離のような距離は、例えば50mm以下、40mm以下、30mm以下、25mm以下、20mm以下、15mm以下、10mm以下、5mm以下、0mmなど、である、請求項1から18のいずれかに記載の切断システム。
【請求項20】
コンベア手段によって搬送されている間に、切断ナイフによって切断された、入ってくる食品材料を、受け取り回転するように構成された回転装置をさらに備え、
入ってくる食品材料の長手方向軸を、入ってくる食品材料の搬送方向に対して第1角度から、入ってくる食品材料の搬送方向に対して第2角度に調整する、
請求項1から19のいずれかに記載の切断システム。
【請求項21】
食品材料の少なくとも幾つかを搬送するために配置された2つのコンベアをさらに備え、任意的に2つのコンベアの少なくとも1つが切断ナイフの下流に配置され、また2つのコンベアが送込みコンベア及び送出しコンベアであるように、終端間配置で配置され、当該切断システムは、さらに、
2つのコンベア間のギャップを閉じる又は開くように、2つのコンベア間の相対位置を調整する移動機構と、
1つ以上の他の選択された食品材料がさらに下流へ搬送される間に、1つ以上の選択された食品材料がギャップに落ちてもよいように、2つのコンベア間のギャップを閉じる又は開くように、移動機構を制御する制御装置と、
を備える、請求項1から20のいずれかに記載の切断システム。
【請求項22】
切断システムの使用により食品材料を切断する方法であって、切断システムは、
切断ナイフと、
送込み搬送面を備えた送込みコンベアと、
送出し搬送面を備えた送出しコンベアと、ここで送込みコンベア及び送出しコンベアは、終端間配置で配置され、
送出し押下装置と、
を備え、
当該切断システムはさらに、切断ナイフが切断を実行した直後及び/又は切断ナイフが2つの連続した切断を実行する間のような、切断ナイフが切断を実行した後に、切断ナイフの切断面から離れる下流方向におけるような、送出しコンベアの搬送速度が、切断ナイフの切断面の方への下流方向におけるような、送込みコンベアの搬送速度よりも大きいように、切断を実行する切断ナイフを制御し、さらに、送出しコンベアの搬送速度及び/又は送込みコンベアの搬送速度を制御するように構成されたコントローラを備え、
コントローラは、送出しコンベアよりも高速で送出し押下装置のコンベアを加速するように構成され、
当該方法は、
送込みコンベアの搬送面において食品材料を搬送すること、
食品材料が送出しコンベアの搬送面に係合すること、
送出し押下装置が送出しコンベアの搬送面に食品材料を押圧すること、
食品材料が送出しコンベアに対して少なくとも押圧されている間に、切断ナイフが切断面で食品材料を切断すること、
を備える、切断方法。
【請求項23】
切断システムは、さらに送込み押下装置を備え、当該方法は、
食品材料が送込みコンベアに対して及び送出しコンベアに対して同時に押圧されながら、切断ナイフが切断面において食品材料を切断することを備える、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
さらに、切断ナイフが切断を実行するとき、送出しコンベアの搬送面を切断ナイフの切断面から離すように加速することを備える、請求項22又は23に記載の方法。
【請求項25】
さらに、切断ナイフが切断を実行した直後及び/又は切断ナイフが2つの連続した切断を実行する間のような、切断ナイフが切断を実行した後に、送出しコンベアの搬送面を切断ナイフの切断面から離れるように加速することを備える、請求項22から24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
切断ナイフが切断を実行した直後及び/又は切断ナイフが2つの連続した切断を実行する間のような、切断ナイフが切断を実行した後に、切断ナイフの切断面から離れる下流方向におけるような送出しコンベアの搬送速度が、切断ナイフの切断面の方への下流方向におけるような送込みコンベアの搬送速度よりも大きいように、
送出しコンベアの搬送速度、及び/又は
送込みコンベアの搬送速度
を制御することをさらに備える、請求項22から25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
切断ナイフが切断を実行した直後及び/又は切断ナイフが2つの連続した切断を実行する間のような、切断ナイフが切断を実行した後に、最初には切断ナイフの両側における隣接した食品材料間の距離が増加するように、
送出しコンベアの搬送速度、及び/又は
送込みコンベアの搬送速度
を制御することをさらに備える、請求項22から26のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品材料処理の分野に関し、特には、切断ナイフ及びコンベアを備えた食品材料切断システム、及びこのようなシステムの動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食品材料を切断する種々のシステムが知られている。そのようなシステムの一つの部門は、切断ナイフの方へ食品材料を搬送する少なくとも一つのコンベアを備える。コンベアの搬送速度、及び時間内に既定点でのコンベアにおける食品材料の位置を知ることによって、食品材料の所望の面においてナイフの切断が実行可能であり、食品材料を所望サイズの個片へ分割する。幾つかの例では、これらの個片は、後続の食品材料加工ステップで処理される。このような例では、取り上げコンベアにおける切断後の個片の位置/方向が予期するものになるように、切断が良好に制御されることが最も重要であるかもしれない。
【0003】
しかしながら、これは一般的には当てはまらない。一例として、これらの個片が食品材料の細長片である場合、ナイフからの衝撃は、結果として生じる食品材料片の制御されない動きに帰着し、即ち、それらは、部分的に位置を変え及び/又は部分的に回転することになる。これは、多くの場合、例えば材料片の向きを変えるように手作業でしか解決できない問題を引き起こす。
【発明の概要】
【0004】
第1態様において、発明の実施形態は、食品材料を切断する切断システムを提供し、該切断システムは、
送込み搬送面を備えた送込みコンベアと、
送出し搬送面を備えた送出しコンベアと、ここで送込み及び送出しのコンベアは、終端間配置にて配置されている、
切断を行うときに切断ナイフが移動する切断面を有する切断ナイフと、ここで切断面は、送込み及び送出しのコンベアの端間に形成される、
を備え、
該切断システムは、送出し搬送面に面する表面で、切断ナイフで食品材料が切断されている間、送出し搬送面に置かれている食品材料の一部に、送出しコンベアの搬送面の方向において圧力を加えることができるように送出し搬送面に関して配置された表面を備えた送出し押下装置をさらに備える。
【0005】
食品材料は、例えば、畜牛/乳牛、豚、子羊、鳥肉などからの肉材料のような、肉材料であってもよい。食品材料は、例えば、500g未満、400g未満、300g未満、200g未満、100g未満のような、600g未満の重さを有する肉材料であってもよい。食品材料は、生、未加工、又は加工済のものであってよい。好ましい実施形態では、肉材料は、鳥肉、例えば骨抜きの鳥の脚肉である。
【0006】
実施形態において、食品材料は、互いに対して異なるサイズである、又は異なるサイズであってもよい。これは、例えば、動物の独特な個々の特徴が、例えばプライマルカットなど、派生材料のサイズの相違を必然的に伴うところの鳥製品によるケースであるかもしれない。
【0007】
実施形態において、切断ナイフは、滑らかなエッジを有する(切断ナイフのエッジが波打っていない、及び/又は鋸歯状ではない等)。これの考えられる利点は、切断ナイフのエッジの(存在しない)窪みに材料が蓄積あるいは付着することができないということである。
【0008】
第2態様では、本発明の実施形態は、切断システムを使用することによって食品材料を切断する方法を提供し、この切断システムは、
切断ナイフと、
送込み搬送面を備えた送込みコンベアと、
送出し搬送面を備えた送出しコンベアと、ここで送込み及び送出しのコンベアは、終端間配置にて配置されている、
送出し押下装置と、
を備え、
切断方法は、
送込みコンベアの搬送面において食品材料を搬送すること、
食品材料が送出しコンベアの搬送面に係合すること、
送出し押下装置が送出しコンベアの搬送面に食品材料を押圧すること、
食品材料が送出しコンベアに対して少なくとも押圧されている間に、切断ナイフが切断平面において食品材料を切断すること、
を備える。
【0009】
送込みコンベア及び切断ナイフと組み合わせた送出し押下装置及び送出しコンベアの提供のおかげで、食品材料のより制御された切断及び取り扱いが達成され得る。さらに、送出し押下装置が食品材料に圧力を加え、それによって食品材料を送出しコンベアに押圧することができることから、切断中の食品材料の制御されない移動リスクがより少なくなる。そのような制御されていない移動は、潜在的に不正確な切断につながる可能性があり、それによって不正確な切断食品材料部分のサイズ/重量につながる可能性がある。ある場合には、制御されていない移動は、食品材料及び/又は切断された食品材料部分を、送込み及び/又は送出しのコンベアの搬送面から落下させる可能性さえある。これはまた、利益の浪費及び/又は損失につながる可能性がある。
【0010】
本記述において、「切断された食品材料部分(切断食品材料部分)」という用語は、切断ナイフによって食品材料の別の部分から切断された食品材料の任意の部分として理解されるべきである。食品材料は、送込みコンベアで搬送され、切断ナイフで順次切断されることから、最終的には目標サイズに到達する、あるいはさらに減じる必要のない、目標サイズを下回るであろう。これが起こると、目標サイズの食品材料は、さらに切断されず、さらに切断されることなく切断ナイフを通過してもよい。そのような目標サイズの食品材料はまた、本記述内の切断食品材料部分と見なされてもよい。
【0011】
さらに、送出し押下装置は、送出しコンベアの搬送面に食品材料を押圧することができるので、それにより食品材料と送出しコンベアの搬送面との間の摩擦を増加させることができる。このことは、送出しコンベアの能力を向上し、切断された食品材料部分の移動が制御される。切断された食品材料部分の改善され制御された移動は、例えば、切断が実行された後の切断ナイフの切断面に対する切断された食品材料部分の位置を最適化するために利用することができ、これは、切断ナイフに付着する切断された食品材料部分のリスクを低減可能だろう。
【0012】
本明細書で定義されるような具現化されたシステム及び方法は、1つ又は複数の食品材料を複数の切断された食品材料部分に連続的に切断するために利用されてもよい。この場合、送出し押下装置は、食品材料が切断されているとき、及び食品材料が切断された直後に、食品材料に連続的に圧力を加える。そして、食品材料が切断されているときなどに圧力をかける。この場合、送出し押下装置は、切断された食品材料部分の互いに対する位置の改善された制御を可能にする。これにより、送出しコンベアの搬送面における切断された食品材料部分の配置精度の改善を図ることができる。この改善された配置は、切断された食品材料部分の配置を少なくとも部分的に保持しながら、切断された食品材料部分を輸送容器及び/又は販売食品材料容器に移送するために利用されてもよい。このことは、切断された食品材料部分の移送前及び/又は移送中に、切断された食品材料部分を再配置する必要性を最小にすることができるだろう。さらに、切断中及び/又は切断後における切断された食品材料部分の制御されない移動は、送出しコンベアにおける切断された食品材料部分の不規則な配向及び/又は配置につながる可能性があり、これは、個々の切断された食品材料部分が送出しコンベアにおいてランダムに配向され及び/又は配置された場合には、それらが分離及び/又は区別することがより困難になるので、その後の、仕分け及び/又は梱包ステップの動作に弊害をもたらす可能性がある。例えば、いくつかの切断された食品材料部分は、再切断のために、又は残りの切断された食品材料部分以外の異なる製品で使用するために処分することが望ましい場合がある。そのような処分は、送出しコンベアにおける切断された食品材料部分の制御された配向及び/又は配置により、より容易に実行され得る。
【0013】
送込みコンベア、送出しコンベア、送出し押下装置、及び切断ナイフのそれぞれは、切断システムの1つ又は複数の制御ユニットによって電動化及び制御されてもよい。送込み及び送出しのコンベアは、個々のユーザーのニーズに最も良く適合するように直線又は曲線の経路を形成してもよい。
【0014】
このシステムは、少なくとも切断ナイフの切断面の近くで、平行に走行する少なくとも2つの送込みコンベアを備えてもよい。少なくとも2つの送込みコンベアは、食品材料が例えば皮をむく又は骨抜きされることによって切断されるために準備可能な、異なる例えば食品材料準備システムから、切断ナイフの切断面へ食品材料を供給してもよい。そのような実施形態では、少なくとも2つの送込みコンベアにおける食品材料は、切断ナイフによって同時に切断されてもよい。本実施形態では、システムは、送込みコンベアと共に終端間配置において配置された少なくとも2つの送出しコンベアをさらに備えてもよい。この場合、異なる送込みコンベアにおける食品材料に由来する切断された食品材料部分は、例えば、異なる切断された食品材料部分の梱包ステーションにつながる、異なる送出しコンベアに配置されてもよい。
【0015】
送出し押下装置及び/又は送込み押下装置の表面は、ローラー、送出しコンベアの搬送面の摩擦係数と比較して低い摩擦係数を有する搬送面又は表面を備えてもよい。送出し押下装置及び/又は送込み押下装置の表面は、ロボットウォーカーリンク機構を備えてもよい。
【0016】
本発明の好ましい実施形態では、送込みコンベアは、食品材料を第1速度で搬送し、送出しコンベアは、食品材料を第2速度で搬送し、切断ナイフは、食品材料が送込みコンベア及び送出しコンベアによって搬送されている間に、食品材料を切断する。そして、具現化された切断システムは、第1速度で食品材料を運ぶように送込みコンベアを制御し、第2速度で食品材料を運ぶように送出しコンベアを制御し、及び第3速度で移動しながら同時に切断動作を行うように切断ナイフを制御するように構成された制御ユニットを備えてもよい。
【0017】
これらの場合、食品材料は、切断ナイフで切断されている間に移動している。これにより、食品材料が切断されている間、送込みコンベア及び/又は送出しコンベアを停止させる必要がないので、切断システムの効率を改善することができる。
【0018】
本発明の一実施形態では、第3速度は、第1速度及び第2速度の両方よりも、少なくとも10倍、例えば少なくとも25倍、例えば少なくとも50倍、大きい。搬送速度に比べて切断ナイフの速い速度は、切断品質を改善することができる。さらに、この場合、切断ナイフの速度は、搬送速度の少なくとも10倍よりも大きいので、食品材料が搬送されていても、改善された切断精度で切断されながら比較的少ない移動であろう。
【0019】
切断は、送込み搬送面に面する表面で、切断ナイフで切断されている間、送込みコンベアの表面に置かれた食品材料の一部に圧力を加えることができるように、送込み搬送面に対して配置された表面、を備えた送込み押下装置をさらに備えてもよい。この場合、送込みコンベアに対する食品材料の固定は、送込み押下装置が送込みコンベアの搬送面に対して食品材料を押下することを可能にすることによって、さらに改善されてもよい。送込みコンベアに対して食品材料のより正確に制御された位置を有することによって、切断ナイフの切断面に対する食品材料のより正確に制御された位置も達成可能である。これにより、より正確な切断が可能になり、その結果、浪費が少なくなる。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態では、切断ナイフの切断面と送出し押下装置及び/又は送込み押下装置との間の距離は、送出しコンベア及び/又は送込みコンベアの搬送方向において測定されたとき、切断された食品材料部分の平均長さよりも短く、好ましくは上記長さの半分未満である。この場合、食品材料が切断されている間、送出し及び/又は送込みのコンベアの方へ食品材料に圧力を加える送出し及び/又は送込みの押下装置の有効性が改善され得る。
【0021】
送込み押下装置及び/又は送出し押下装置は、電動高さ調整機構を備えてもよい。この場合、1つ又は複数の電動高さ調整機構は、好ましくは、自動操作用の、切断システムの1つ又は複数の制御ユニットによって制御される。これは、押下装置が食品材料に作用可能な圧力の改善された制御のために、制御された明確な高さ調整を可能にする。食品材料の輪郭がわかっている場合には、電動押下装置は、食品材料が通過するときに食品材料の輪郭に追従するように制御されてもよい。したがって、食品材料に作用される圧力は、より正確に制御可能である。これにより、食品材料と、送込みコンベア又は送出しコンベアの搬送面との間に、切断された食品部分のサイズ/重量の許容できない不正確さを引き起こす程度まで食品材料が変形する程に大きい圧力をかけずに、搬送面に対して食品材料を固定するのに十分な大きさの摩擦を達成する目的で、加える圧力を最適化することができる。
【0022】
一実施形態では、送込み押下装置及び送出し押下装置は、押下装置の高さ調整の同期性を高めるために、単一の電動高さ調整機構によって電動化される。
【0023】
一実施形態によれば、電動高さ調整機構は、送出し押下装置及び/又は送込み押下装置と、切断面との間の、最小距離などの、距離が、一定など実質的に一定のままである間に高さが調整可能であるように配置されている。このことのあり得る利点は、一方側における送出し押下装置及び/又は送込み押下装置のそれぞれと、他方側における切断面との間の最小距離が、増加により最適な切断ができなくなる可能性がある高さ調整中でさえ、いかなるときでも増加しないことを保証することである。このことの別のあり得る利点は、一方側における送出し押下装置及び/又は送込み押下装置のそれぞれと、他方側における切断面との間の最小距離が、増加により送込み押下装置及び/又は送出し押下装置が切断ナイフによって損傷する可能性がある場合、例えば距離がゼロに近づくあるいはゼロになる場合における、高さ調整中でさえ、いかなるときでも減少しないことを保証することである。上述の距離を高さ調整中に実質的に一定に保つことは、例えば、切断面に平行な平面における切断面に最も近い、送込み押下装置及び/又は送出し押下装置の部分を移動することにより高さを調整することによって、実現できるであろう。「実質的に一定」とは、上述の最小距離が変化することなく、例えば2mmを超えて変化することなく、高さが調整できること(例えば、食品材料から離れた位置から移動し、及び食品材料と接触するまで移動するように)、例えば少なくとも5mm、少なくとも10mmなど、少なくとも50mmなど、少なくとも100mmなど、と理解することができる。
【0024】
実施形態では、送出し押下装置は、コンベアベルトを備える。実施形態では、送出し押下装置は、送出し搬送面に対してある角度を形成する実質的に真っ直ぐな、例えば直線の、表面を備え、ここで上記角度は、送出し押下装置と切断ナイフとの間の距離を調整することなく調整することができる。これは、例えば、切断面に最も近い(及び隣接する)プーリーと同軸である軸の周りに送出し押下装置(実質的に真っ直ぐな表面を含む)を回転することによって実現されてもよい。
【0025】
切断システムは、切断ナイフの切断面の上流の食品材料をスキャンするように配置されたスキャナをさらに備えてもよい。これにより、切断システムの制御ユニットが、スキャンに基づいて、送込み押下装置及び/又は切断ナイフ及び/又は送出し押下装置を制御することを可能にする。
【0026】
切断システムは、スキャナからデータを受信し、受信したデータに基づいて輪郭を計算し、計算された輪郭に基づいて、送込み押下装置及び/又は送出し押下装置の高さを制御するように構成された制御ユニットをさらに備えてもよい。これにより、各押下装置の最適化された制御が可能になり、切断された食品材料部分のサイズ/重量の許容できない不正確さを引き起こす程度まで食品材料が変形するような大きな圧力をかけないで、同時に、食品材料と、送込み及び送出しのコンベアの搬送面との間に、搬送面に対して食品材料を固定するのに十分な大きさの摩擦を達成する可能性を有する。
【0027】
切断システムは、スキャナからデータを受信するように構成され、かつ、受信したデータに基づいて(例えば、受信したデータ、並びにそこから導出されたデータ、例えば輪郭、重さ、高さ、幅、長さ及び密度のいずれか1つなどに基づいて)、送出しコンベアの搬送速度、及び/又は送込みコンベアの搬送速度を制御するように構成された、制御ユニットをさらに備えてもよい。
【0028】
考えられる利点は、切断後に、切断面の両側における2つの隣接する食品材料を、例えば互いに分離するために、互いに相対的に移動するための異なる戦略が受信したデータに応じて適用できることであろう。例えば、異なる戦略は、他の2つの食品材料と比較して比較的薄い(例えば、コンベアからの高さがより低い)及び/又は比較的軽い2つの食品材料に関して有利に適用されるかもしれない。より良い空間的分離の見込まれる利点は、それが後続の回転及び/又は切断においてより良い精度を容易にすることであるかもしれない。
【0029】
別の例では、切断後に、送出しコンベアにおける切断面に隣接し、その幅よりも大きい高さ(スキャナ及び部分計算などの、スキャナからの情報に基づく)を有する食品部分は、送出しコンベアの速度を制御する(例えば、送出し押下装置の速度に対して)ことによって傾けられる(90°)ことができるだろう。その結果、その食品部分は、その(より大きな)「側面」にて横たわり、送出しコンベアにおいてより安定して置かれるだろう。
【0030】
傾斜は、例えば、送出しコンベアの速度と比較して、送出し押下コンベアに、より大きな速度を適用することによって達成されるであろう。
【0031】
送込み押下装置は、送込み搬送面に面する搬送面を有するコンベアを備えてもよく、送出し押下装置は、送出し搬送面に面する搬送面を有するコンベアを備えてもよい。これにより、食品材料又は切断された食品材料部分に係合する対向表面の搬送速度を個別に制御することができる。したがって、食品材料又は切断された食品材料部分は、対向する搬送面に対して傾斜していてもよい。これにより、切断された食品材料部分を、送出しコンベアに対する送出し押下コンベアの速度に応じて、送出しコンベアの表面において横になる又は立つように、選択的に配向することができる。
【0032】
本発明のいくつかの実施形態では、送出しコンベアの搬送面は、第1平面を形成し、送出し押下装置の搬送面は、第2平面を形成し、第1及び第2の平面は、切断ナイフの少なくとも切断面の近くで0-25度の角度を形成し、切断ナイフの切断面は、切断ナイフの少なくとも切断面の近くで第1平面と85-95度の角度を形成する。この場合、送出しコンベア及び送出し押下装置の搬送面は、食品材料又は切断された食品材料部分と、搬送面との間の接触面積を最適化するために、切断ナイフの切断面の近くで、比較的小さな角度を形成する。また、送出しコンベアの搬送面がその近傍の切断ナイフの切断面に少なくとも垂直に近いことは、切断ナイフによる境界がより明確な切断を可能にする。
【0033】
送出しコンベアの搬送速度(速度)の大きさ及び/又は送出し押下装置の搬送速度(速度)の大きさは、送出しコンベアの表面に平行で送出しコンベアの搬送方向に直交する軸周りに各食品材料を回転するように、など、それら2つの搬送速度(速度)の搬送方向に平行な(任意的に水平の)成分(要素)が異なるように、互いに相対的に調整されてもよい。これは、例えば、食品材料の重心を下げることができる場合(例えば、それをより安定した方向に配置するために。例えば、細長い直立した食品材料の場合、より大きな支持面に横になるように回転される)に、有利であるかもしれない。
【0034】
本発明のいくつかの実施形態では、送出しコンベアの搬送面は、第1平面を形成し、送出し押下装置の搬送面は、第2平面を形成し、第1及び第2の平面は、切断ナイフの少なくとも切断面の近くで、25度未満のゼロではない角度(>0;25< 度などの、<1;25< 度などの、<5;20> 度などの)を形成する。
【0035】
第1及び第2の平面がゼロ以外の角度を形成する実施形態では、送出しコンベアの搬送スピード(速度)の大きさ、及び/又は送出し押下装置の搬送スピード(速度)の大きさは、これらの2つの搬送スピード(速度)の搬送方向に平行な(任意的に水平な)成分が、実質的に一致、例えば互いに等しい等、するように、互いに対して調整されてもよい。
【0036】
一実施形態によれば、切断システムは、以下のものを制御するように構成されたコントローラを備える、
-切断を実行する切断ナイフ、
さらに下記のものを制御する、
-送出しコンベアの搬送速度、及び/又は
-送込みコンベアの搬送速度、
ここでコントローラは、切断ナイフが切断を実行した後に、例えば切断ナイフが切断を実行した直後、及び/又は切断ナイフが2つの連続した切断を実行する間などで、切断ナイフの切断面から離れる下流方向などにおける送出しコンベアの搬送速度が、切断ナイフ切断面の方への下流方向などにおける送込みコンベアの搬送速度よりも大きいように、上のものを制御する。これにより、食品材料から切断されている切断食品部分を、食品材料の残りの部分よりも速いスピードで切断ナイフの切断面から離すことができる(加速に関して、以下で挿入されるさらに詳細なコメントが必要な変更を加えて、ここでも適用される)。「直後」とは、切断ナイフが切断を行ってから1秒以内、例えば0.5秒以内、例えば0.1秒以内、例えば0.01秒以内と理解することができる。
【0037】
「よりも大きい」とは、一般に、特にコンベアの速度及び/又は加速度の文脈において、少なくとも1%大きい、例えば少なくとも2%大きい、例えば少なくとも5%大きい、例えば少なくとも10%大きい、例えば少なくとも50%大きい、例えば少なくとも100%大きいなど、と理解することができる。
【0038】
送込みコンベア及び送出しコンベアのそれぞれは、一般に、切断前、切断中、及び切断後においてゼロを超える速度を維持する。しかしながら、送込みコンベア及び送出しコンベアの一方又は両方は、例えば切断中又は切断直後に、停止されることが考えられる。
【0039】
一実施形態によれば、切断システムは、以下のものを制御するように構成されたコントローラを備える、
-切断を実行する切断ナイフ
及び、さらに以下を制御する、
-送出しコンベアの搬送速度、及び/又は
-送込みコンベアの搬送速度、
ここでコントローラは、切断ナイフが切断を実行した後に、例えば切断ナイフが切断を実行した直後、及び/又は切断ナイフが2つの連続した切断を実行する間などで、初めには切断ナイフの両側において隣接する食品材料間の距離が増加するように、上のものを制御する。「増加」とは、相対的用語において「増加した」と理解することができ、例えば少なくとも1%大きくなる、例えば少なくとも2%大きくなる、例えば少なくとも5%大きくなる、例えば少なくとも10%大きくなる、例えば少なくとも50%大きくなる、例えば少なくとも100%大きくなるなど、のように増加する、又は、絶対的用語において「増加した」と理解することができ、例えば少なくとも1mmにて、例えば少なくとも2mmにて、例えば少なくとも5mmにて、少なくとも10mmにて、例えば少なくとも20mmにて、例えば少なくとも50mmにてなど、のように増加すると理解することができる。
【0040】
切断システムは、少なくとも送出しコンベアの搬送速度を制御し、切断を実行するために切断ナイフを制御するように、さらに、切断ナイフが切断を実行したときに、切断ナイフの切断面から離れるように送出しコンベアの搬送面を加速するように、構成されたコントローラを備えてもよい。これにより、食品材料から切断された切断食品部分を、切断ナイフの切断面から離れるように加速することができる。まず第1に、このことは、切断ナイフが切断するのと同じ経路に沿ってそれが後退可能なので、送出しコンベアにおける切断された食品部分が切断ナイフに付着するリスクを低減することができる。第2に、切断された食品部分は、食品材料から離れて、よって切断される次の食品部分からも離れて加速され、したがって、送出しコンベアにおける切断された食品部分が不必要に互いに付着するリスクを低減する。第3に、粘着性ではない切断された食品部分の場合でさえ、例えば、仕分け及び/又は梱包の目的のため、互いからそれらを取り出すプロセスを容易にするために、送出しコンベアにおいて、切断された食品部分を離して配置するのに有利であることができる。
【0041】
一実施形態によれば、切断システムは、送出しコンベアの少なくとも搬送速度を制御し、かつ切断を実行する切断ナイフを制御するように、さらに、切断ナイフが切断を実行した後に、例えば、切断ナイフが切断を実行した直後、及び/又は切断ナイフが2つの連続した切断を実行する間などに、切断ナイフの切断面から離れるように送出しコンベアの搬送面を加速するように、構成されたコントローラを備える。
【0042】
「加速」とは、送込みコンベアと相対的なものであると理解してもよく、例えば、加速は、切断面を横切る下流方向において正の加速勾配があるということを意味してもよい。加速は、送出しコンベアの加速が送込みコンベアの加速よりも大きいことを意味してもよい(例えば、送込みコンベアの加速がゼロ又は正の値から負の値に変化した場合において、下流方向において正の加速勾配が達成可能であるなど、符号を考慮して)。
【0043】
コントローラはさらに、切断ナイフが切断を実行するとき、切断ナイフの切断面から離れるように送出し押下装置の搬送面を加速するように構成されてもよい。これにより、2つの対向する搬送面、つまり送出しコンベア及び送出し押下装置の搬送面、の移動によってもたらされる切断された食品部分の加速の制御を強化することができる。したがって、より効果的な加速が達成可能である。それはさらに、切断された食品部分の傾斜/回転用の対向する搬送面の異なる加速速度を可能にする。
【0044】
一実施形態によれば、送出し押下装置は、送出し搬送面に面する表面を有するコンベア手段を含み、ここでコントローラは、切断ナイフが切断を実行した後に、例えば切断ナイフが切断を実行した直後、及び/又は切断ナイフが2つの連続した切断を実行する間など、切断ナイフの切断面から離れるように送出し押下装置の表面を加速するようにさらに構成される。
【0045】
送出しコンベアの搬送面が第1平面を形成し、送出し押下装置の搬送面が第2平面を形成する本発明の実施形態では、第1及び第2の平面は、少なくとも切断ナイフの切断面の近くで0-25度の角度を形成し、切断ナイフの切断面が少なくとも切断ナイフの切断面の近くで第1面と85-95度の角度を形成し、切断ナイフは、第2平面から第1平面に向かう方向において食品材料を切断することによって食品材料を切断するように構成されてもよい。これにより、切断中に送出し搬送面に対して食品材料が移動するリスクを最小限にするため、切断ナイフが送出しコンベアの支持面に向かう方向に食品材料に力を加えることができる。
【0046】
この場合、送出しコンベアよりも高速で送出し押下装置のコンベアを加速するように構成されたコントローラを有することが特に有利であるかもしれない。「よりも高速」とは、例えば、より大きい割合で生じる速度変化等、加速がより大きいと理解してもよい。これにより、食品材料が切断されているときでさえ、つまり切断ナイフが食品材料を通り切断している間でさえ、食品材料の切断された部分を食品材料の切断されていない部分から分離する方法で、送出し押下装置のコンベアの加速を切断ナイフにより時間を調整することが可能になる。これにより、切断された食品材料部分が切断ナイフに付着するリスクをさらに低減することができる。
【0047】
コントローラはさらに、送込みコンベアの搬送速度を制御し、送出しコンベアが加速されている間、送込みコンベアの搬送速度を一定に保つように構成されてもよい。したがって、送込みコンベアの加速は、切断システムの通常の動作中はゼロであり、このことは、食品材料を送込みコンベアへ供給する一又は複数の装置が、通常動作中、送込みコンベアの速度変化を考慮する必要が無いので、送込みコンベアへの食品材料の移送を容易にするかもしれない。
【0048】
切断システムのコントローラが、送出しコンベアの搬送面及び/又は送出し押下装置の搬送面を切断ナイフの切断面から離れるように加速するように構成される本発明の実施形態では、コントローラは、さらに、第1の期間の後に、送出しコンベアの搬送面及び/又は送出し押下装置の搬送面を減速するように構成されてもよい。これにより、送出しコンベア及び送出し押下装置の搬送速度を、切断ナイフの切断面から離して加速する前のように、それぞれの元の搬送速度に戻すことができる。加速、減速、及び第1の期間の制御は、送出しコンベアの搬送面における個々の切断された食品材料部分間の距離の制御を可能にする。
【0049】
本発明のいくつかの実施形態では、切断システムのコントローラは、食品材料が送出しコンベアの搬送面に係合するときで、送込みコンベアと送出しコンベアとの搬送速度が同じになるように制御するように構成される。これは、食品材料が切断されるときに不規則に引き伸ばされるリスクを軽減する。食品材料が引き伸ばされて、かつ食品材料が不均一な弾性を有する場合に、不規則な引き伸ばしが発生する可能性がある。不均一な弾性は、例えば、骨、腱、脂肪組織、きめが粗い組織などから生じるかもしれない。そのような不規則な引き伸ばしは、不正確に制御された切断食品材料部分のサイズ/重量につながる可能性がある。
【0050】
一実施形態では、切断システムの1又は複数の制御システムは、送込みコンベアの上流に配置されたスキャナからデータを受信し、受信したデータに基づいて輪郭を計算し、計算された輪郭に基づいて、送出し及び/又は送込み押下装置の高さを制御するようにさらに構成される。
【0051】
送込み押下装置の表面及び/又は送出し押下装置の表面は、それぞれの押下装置と食品材料あるいは切断された食品材料部分との間の接触を増すために、食品材料の輪郭に少なくとも部分的に適応可能にするように柔軟であってもよい。
【0052】
一実施形態によれば、送出し押下装置の一部、例えば送出し押下装置及び送込み押下装置のそれぞれの一部で、垂直下(又は、非水平の送出しコンベアの場合、送出しコンベアの表面に垂直な方向において)の搬送面に最も近い部分、及び/又は切断面に最も近い部分は、上記搬送面に垂直方向で、かつ食品材料によってそこから離れる方向において変位するように、例えば、少なくとも1mm、又は2mm、又は5mm、又は10mm等で、例えば、上記変位のために食品材料によって作用される力が100ニュートン以下、例えば1ニュートン以下、10ニュートン以下等で、変位するように配置される。これによる可能な利点は、食品材料が送込み押下装置及び/又は送出し押下装置を変位することができ、このことは、ギャップのサイズが食品材料のサイズに自動的に対応すること、及び/又は食品材料に作用する力が過小、過大にならないことを保証可能なことである。この実施形態は、多数の方法で、例えば、上記変位がばね、弾性要素の変形、及び/又はおもりの垂直変位を伴うように、送込み押下装置及び/又は送出し押下装置を配置することによって実現することができる。
【0053】
一実施形態によれば、送出し押下装置と切断ナイフとの間の距離は、少なくとも切断中では、50mm以下、例えば40mm以下、例えば30mm以下、例えば25mm以下、例えば20mm以下、例えば15mm以下、例えば10mm以下、例えば5mm以下、などである。小さな距離を有する利点は、切断中の食品材料のより良い把持を確実にし、それにより高い切断品質を確保することができることである。
【0054】
一実施形態によれば、少なくとも食品材料がない場合、送出し押下装置と送出しコンベアとの間の、例えば最小距離などの、距離は、200mm以下、例えば100mm以下、例えば50mm以下、例えば40mm以下、例えば30mm以下、例えば25mm以下、例えば20mm以下、例えば15mm以下、例えば10mm以下、例えば5mm以下である。小さい距離を有する利点は、小さな食品材料が送出し押下装置に到達しないというリスクを低減可能であることである。
【0055】
一実施形態によれば、システムは、送込み押下装置を備え、ここで、少なくとも食品がない場合の、送込み押下装置と送込みコンベアとの間の、例えば最小距離などの距離は、200mm以下、例えば100mm以下、例えば50mm以下、例えば40mm以下、例えば30mm以下、例えば25mm以下、例えば20mm以下、例えば15mm以下、例えば10mm以下、例えば5mm以下、例えば0mmなど、である。小さい距離を有する利点は、小さな食品材料が送込み押下装置に到達しないというリスクを低減又は排除することができることである。
【0056】
一実施形態によれば、システムは、入ってくる食品材料を受け取り、回転させるように構成された回転装置をさらに備え、例えば入ってくる食品材料は、コンベア手段によって搬送されている間に、切断ナイフによって切断されたものであり、ここで入ってくる食品材料の長手方向軸は、入ってくる食品材料の搬送方向に対して第1角度を形成する。上記回転装置は、以下のものを備える:
-入ってくる食品材料の前部のほとんどの食品材料と係合するように構成された第1の回転装置、及び
-第1の回転装置に接続され、前部のほとんどの食品材料の長手方向軸が第1の回転装置によって解放されたときに食品材料の搬送方向に対して第2角度を形成するように、前部のほとんどの食品材料と係合しながら第1の回転装置の角度位置を調整するように構成された第1の移動機構。
【0057】
一実施形態によれば、システムは、食品材料の少なくともいくつかを搬送するために配置された2つのコンベアをさらに備えてもよく、任意的に、2つのコンベアの少なくとも1つは、切断ナイフの下流に配置され、例えば2つのコンベアーが送込みコンベア及び送出しコンベアであるなどの終端間配置で配置されており、当該切断システムは、さらに以下のものを備える:
-2つのコンベア間のギャップを開く又は閉じるなど、2つのコンベア間の相対位置を調整する移動機構と、
-例えば、他の1つ以上の選択された食品材料はさらに下流へ搬送されながら、1つ以上の選択された食品材料がギャップに落ちてもよいように、2つのコンベア間のギャップを開く又は閉じるように移動機構を制御する制御装置。
【0058】
このように配置されたそのような2つのコンベアの例は、WO18229206A1の出願において提供されており、これは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0059】
本明細書に記載の切断システムは、食品材料加工ライン又はシステムに組み込まれてもよく、食品材料加工システムは、例えば、第1の切断システム、回転装置、及び第2の切断装置(任意的にその順序で、すなわち、第1の切断システムと第2の切断システムとの間に回転装置を有する)を備えてもよい。食品材料加工システムにおいて、入ってくる食品材料は、本明細書に記載するような第1の切断システムに提供され、送込み搬送手段によって搬送されてもよく、送込み搬送手段では、第1の感知手段が食品材料をスキャンして、食品材料を説明するデータを、第1の切断システムを制御するために構成された制御手段に提供する。第1の切断システムは、食品材料を、例えば食品材料片に切断するように制御されてもよい。食品材料片は、搬送方向に対して第1角度を形成する長手方向軸を有してもよい。食品材料加工システムは、例えば、食品材料片の長手方向軸が搬送方向に対して第1角度から搬送方向に対して第2角度に調整されるように、食品材料片の角度位置/配向を調整するように配置された回転装置をさらに備えてもよく、これは、例えば、搬送手段において食品材料片を90度回転させて、回転前、回転中、回転後に食品材料の下側を下側として維持するようなものである。第2の感知手段が、回転装置の送出し搬送手段における食品材料片をスキャンして、食品材料片を説明するデータを、第2の切断システムにおける第2の切断手段を制御するように構成された制御手段へ、提供するようにしてもよい。第2の切断システムは、食品材料片を、例えば食品材料キューブに切断するように制御されてもよい。第2の切断システムは、例えば本明細書に記載するような切断システムの、少なくとも1つの切断システムを備えてもよい。
【0060】
本発明のいくつかの実施形態では、切断システムは、送込み押下装置をさらに備え、ここで方法は、以下のステップを備える:
食品材料が同時に、送込みコンベアに対して押圧され、かつ送出しコンベアに対して押圧されながら、切断ナイフが食品材料を切断面において切断する。
【0061】
食品材料が切断ナイフによって切断されている間、食品材料を送込みコンベア及び送出しコンベアに同時に押圧することは、切断中の各送込みコンベア及び送出しコンベアに対する食品材料の不動性を改善することができる。このことは、切断中の食品材料の望ましくない移動を最小化することにより、より制御された切断が可能になる。これはさらに、切断中の切断ナイフの切断面に対する食品材料の動きの改善された制御を可能にする。
【0062】
本発明のいくつかの実施形態では、この方法は、以下のステップをさらに備える:
切断ナイフが切断を実行するとき、切断ナイフの切断面から離れるように送出しコンベアの搬送面を加速すること。
【0063】
第1に、このことは、切断ナイフが切断するのと同じ経路に沿ってそれが後退するときに、送出しコンベアにおける切断された食品材料部分が切断ナイフに付着するリスクを低減することができる。第2に、切断された食品材料部分は、食品材料から離れて加速され、よって、切断される次の食品材料部分からも離れて加速され、したがって、送出しコンベアにおける切断された食品材料部分が互いに望ましくなく付着するリスクを低減する。第3に、非粘着性の切断された食品材料部分の場合でさえ、例えば、仕分け及び/又は梱包の目的のため、それらを互いから取り出すプロセスを容易にするために、送出しコンベアにおいて食品材料部分を離して配置するのに有利であることができる。
【0064】
一実施形態によれば、この方法は、以下のステップをさらに備える:
-切断ナイフが切断を実行した後に、例えば、切断ナイフが切断を実行した直後、及び/又は切断ナイフが2つの連続した切断を実行する間など、切断ナイフの切断面から離れるように送出しコンベアの搬送面を加速すること。
【0065】
一実施形態によれば、この方法は、以下のステップをさらに備える:
-下記のように以下事項を制御すること、
送出しコンベアの搬送速度、及び/又は
送込みコンベアの搬送速度、
例えば切断ナイフの切断面から離れる下流方向において、送出しコンベアの搬送速度は、例えば切断ナイフの切断面へ向かう下流方向において、切断ナイフが切断を実行した後に、例えば切断ナイフが切断を実行した直後、及び/又は切断ナイフが2つの連続する切断を実行する間、送込みコンベアの搬送速度よりも大きいように、制御する。
【0066】
一実施形態によれば、この方法は、以下のステップをさらに備える:
-下記のように以下事項を制御すること、
送出しコンベアの搬送速度、及び/又は
送込みコンベアの搬送速度、
切断ナイフが切断を実行した後に、例えば切断ナイフが切断を実行した直後、及び/又は切断ナイフが2つの連続した切断を実行する間、最初に切断ナイフの両側に隣接する食品材料間の距離が増加するように、制御する。
【0067】
距離の増加は、多くの方法において達成されてもよく、以下のものを含むが、これらに限定されない:
-一定の送出しコンベア速度が一定の送込みコンベア速度よりも大きい状態で、送出しコンベア速度と送込みコンベア速度との両方を一定に保つ(つまり、切断前/切断中/切断後で同じ)、
-切断後、例えば切断直後など、下流方向において、送込みコンベアよりも送出しコンベアの大きな加速を提供する(下流方向におけるこの大きな加速は、送出しコンベアの加速を増加することによって、及び/又は送込みコンベアの加速を減少-例えば任意的にゼロ未満の負の方向など)することによって、提供可能であることに注意)、
-切断直後に、送込みコンベア及び送込みコンベア押下を減速して、送出し側における食品材料部分と送込み側の残りの肉との間に分離を生成する。その場合、送出しコンベア及び送出し押下の速度は、必ずしも変更しない。分離が行われた後、送込み速度は、再び加速される。
-上述の箇条書き方法の組み合わせ。
【図面の簡単な説明】
【0068】
図1図1は、具現化された切断システムの概略断面図である。
図2図2は、別の具体化された切断システムの概略断面図である。
図3図3は、第1の切断システム、回転装置、及び第2の切断システムを設けた加工ラインを示す。
【発明を実施するための形態】
【0069】
図面の詳細な説明
次に、本発明の実施形態を、添付の図面を参照してさらに説明する。
図1の実施形態は、食品材料3を切断するための切断システム1である。図1の断面図において、食品材料3は、送込みコンベア7の送込み搬送面5及び送出しコンベア11の送出し搬送面9によって支持されている。送込みコンベア7の搬送方向は、矢印8で示され、送出しコンベア11の搬送方向は、矢印12で示されている。図示の状況では、食品材料3は、切断ナイフ13によって切断されている。切断ナイフ13は、矢印15によって示される切断面において切断する。切断面は、送込み及び送出しコンベア7、11の端部間において延在し、切断ナイフ13の切断面の近くにおける送込み及び送出しコンベア7、11の搬送面5、9によって形成される第1及び第2の平面に垂直である。図1に示される状況の前に、食品材料3は、送込みコンベア7のみによって支持された後、ある点で、送出しコンベア11の搬送面9に係合した。送込みコンベア7及び送出しコンベア11の搬送速度は、食品材料3が送出しコンベア11の送出し搬送面9に係合した時点で同じであった。このことは、食品材料3が不規則に引き伸ばされるリスクを最小にした。
【0070】
図1の実施形態では、食品材料3は、食品材料3が切断されながら、送出し押下装置17によって送出し搬送面9に押圧される。これは、食品材料が切断されている間、送出し搬送面9に対して食品材料を不動にするのに役立つ。それはさらに、食品材料3から切断された後、送出し搬送面9に対して切断された食品材料部分19を不動にするのを助ける。
【0071】
図1の送出し押下装置17は、送出し搬送面9に面する搬送面23を有するコンベア21を備える。これは、食品材料3又は切断された食品材料部分19と係合する、対向する搬送面9,23の搬送速度を個別に制御することを可能にする。送出し押下装置のコンベア21の搬送方向は、矢印22で示されている。また図1においても、送出しコンベア7及び送出し押下装置17のコンベア面9、23は、食品材料3又は切断された食品材料部分19と搬送面9、23との間の接触面積を最適化するために、切断ナイフ13の切断面の近くにおいて平行である。また、送出しコンベア11の搬送面9は、その近傍で切断ナイフ13の切断面に垂直であり、切断ナイフ13による明確な切断を可能にする。
【0072】
図1の実施形態において、切断システム1は、食品材料3を第1速度で搬送するために送込みコンベア7を制御し、食品材料3を第2速度で搬送するために送出しコンベア11を制御し、及び、第3速度で移動しながら切断を同時に実行するように切断ナイフ13を制御するように構成された制御ユニット(不図示)を備える。一実施形態では、第3速度は、第1速度及び第2速度の両方よりも少なくとも10倍大きい。したがって、食品材料3は、切断ナイフ13によって切断されている間、移動している。これにより、食品材料3が切断されながら、送込み及び送出しコンベア7、11が食品材料3を搬送しているので、切断システム1の効率を改善することができる。切断ナイフ13が食品材料3を切断するとき、切断ナイフ13は、送込み及び送出しコンベア7、11よりもはるかに高速で移動するので、送込み及び送出しコンベア7、11は、切断実行のために減速する必要がないかもしれない。
【0073】
図1の切断システム1の制御システムは、切断ナイフ13が切断を実行するときに、送出しコンベア11の搬送面9を、切断ナイフ13の切断面から離れるように加速するようにさらに構成される。これにより、切断された食品材料部分19と、それが切断された食品材料3と及び切断ナイフ13と、の間に距離が生成される。コントローラは、切断ナイフ13が切断を行うとき、送出し押下装置17の搬送面23を、切断ナイフ13の切断面から離れるように加速するように構成される。これにより、より効果的な加速が可能になり、及び切断された食品材料部分19の傾斜/回転を達成するために、対向する搬送面9、23の異なる加速割合が可能になる。送込みコンベア7の搬送速度は、切断ナイフ13が食品材料3を切断する間も、コントローラによって一定に保たれる。
【0074】
図2は、図2の実施形態が送込み押下装置25を備えることを除いて、図1の実施形態と同様の切断システムの実施形態の断面図である。送込み押下装置25は、送込みコンベア表面5に面する搬送面29を有するコンベア27を備える。送込み押下装置25のコンベア27の搬送方向は、矢印28で示されている。コンベア27は、送込みコンベア7の搬送速度と同じ速度で搬送面29を移動するように制御される。これは、切断ナイフ13の送込み側において食品材料3と係合する、対向する表面5,29が同期して移動し、食品材料3が切断されているときの転位を回避することを確実にする。
【0075】
図1及び図2の切断システム1の制御システムは、さらに、送込みコンベア7の上流に配置されたスキャナ(不図示)からのデータを受信し、受信したデータに基づいて輪郭を計算し、及び、計算された輪郭に基づいて送出し押下装置17の高さを制御するように構成される。高さは、矢印31に示すように、送出し押下装置17全体を上又は下に動かすことによって調整される。この高さ調整は、送出し押下装置17と、矢印15で示された切断面との間の距離を変えることなく実行可能である。図2の実施形態では、送込み押下装置25の高さも、矢印33によって示されるように、計算された輪郭に基づいて送込み押下装置を上又は下に動かすことによって調整される。したがって、送出し押下装置17、及び場合によっては送込み押下装置25の高さは、食品材料3又は切断された食品材料部分19の輪郭に追従するように、それぞれの押下装置17,25を通過するように、調整される。
【0076】
以下は、具現化された方法及び切断システム1を使用して、食品材料3を切断食品材料部分19に切断する順序の例である。最初に、食品材料3は、送込みコンベア7の搬送面5に搬送される。図2のシステムでは、次に、食品材料3は、送込みコンベア7に対してそれを押し付ける送込み押下装置25と係合する。送込み押下装置25のコンベア27の搬送速度は、送込みコンベア7の搬送速度に等しく(例えば、送込みコンベア及び送込み押下装置の各速度の搬送方向における速度成分が等しい)、及び、送込み押下装置25の高さは、前のスキャンから計算された輪郭に基づいて、食品材料3の輪郭に従うように調整される。
【0077】
次に、食品材料3は、送出しコンベア11の搬送面9上に搬送され、送出し押下装置17の搬送面23と係合する。この段階で、送出し押下装置17の送出しコンベア23の搬送速度は、送込みコンベア7及び送出しコンベア11の搬送速度に等しい。また、送出し押下装置17の高さは、前のスキャンに基づいて食品材料3の輪郭に追従するように調整される。したがって、食品材料3は、送込みコンベアと送出しコンベア9、11間、及びそれにより切断ナイフ13の切断面にも、浮かされる。
【0078】
次に、食品材料3は、送込みコンベア7、送込み押下装置25、送出しコンベア11、及び送出し押下装置17のそれぞれと接触している間に、切断ナイフ13によって切断される。切断ナイフが食品材料3を切断して切断食品材料部分19を形成した直後に、送出しコンベア11及び送出し押下装置17のコンベア21は、切断された食品材料部分19を切断ナイフ13の切断面から離れるように加速する。この加速は、この段階で食品材料3が一定速度で送込みコンベアによって搬送されているので、切断された食品材料部分19と食品材料3との間に距離を生成する。
【0079】
次に、送出しコンベア11及び送出し押下装置17のコンベア21は、食品材料3が送出しコンベア11及び送出し押下装置17と係合する前に、送込みコンベア7の搬送速度に一致するように減速する。その後、この順序が繰り返される。
【0080】
図3に示すように、本明細書に記載の切断システム303は、食品材料加工ライン又はシステム300に組み込まれてもよく、システム300は、さらに、回転装置100及び第2の切断システム340を設けている。このシステムは、食品材料を細長い片に、これはその後、立方体(キューブ)に切断される、切断することによって示されている。他のタイプの切断が、そのような食品材料加工ライン300において実行されてもよい。切断システム303はまた、食品材料において1つ又は複数の切断を実行するスタンドアロンシステムであってもよい。
【0081】
図3は、押下装置を示しておらず、これは、第1の切断システム303及び/又は第2の切断システム340に組み込まれてもよい。
【0082】
システム300において、入ってくる食品材料334は、第1の切断システム303に提供され、第1の送込み搬送手段335によって搬送方向313に搬送される。第1の感知手段330は、送込み搬送手段335における食品材料334をスキャンし、食品材料334を説明するデータを、第1の切断手段333を制御するように構成されたコンピューティングユニット331などの制御手段に提供する。第1の切断手段333は、食品材料334を食品材料片301に切断するように制御されてもよい。食品材料片301は、搬送方向に対して第1角度を形成する長手方向軸を有してもよい。
【0083】
図3に図示される例では、第1の切断手段333は、例えば第1の送込み搬送手段335及び第2の送込み搬送手段336によって形成されるギャップを通るブレードの回転332などによって、搬送方向313に垂直な方向に食品材料334を切断するように位置決めされてもよい。第2の送込み搬送手段は、得られた食品材料片301を搬送方向313において回転装置100へ搬送するように構成されてもよい。
【0084】
回転装置100は、例えば、食品材料片の長手方向軸が搬送方向313に対する第1角度から搬送方向313に対する第2角度まで調整されるように、食品材料片301の角度位置を調整するように構成される。図3による実施形態では、回転装置100は、食品材料片301を、第2の送込み搬送手段336から、切断手段340を備える第2の切断装置の送出し搬送手段320、321へ、さらに移動させる。
【0085】
第2の感知手段337は、送出し搬送手段320、321における食品材料片301をスキャンし、食品材料片301を説明するデータを、切断手段340を制御するように構成されたコンピューティングユニット338などの制御手段に提供する。切断手段340は、食品材料片301を食品材料キューブ342へ切断するように制御されてもよい。
【0086】
図3に図示する例では、切断手段340は、送出し搬送手段320、321によって形成されるギャップ(不図示)でブレードの回転339、341によって、搬送方向313に垂直な方向に食品材料片301などの食品材料を切断するように位置決めされてもよい。
図1
図2
図3