(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】補強リブを備えたゴルフクラブヘッド
(51)【国際特許分類】
A63B 53/04 20150101AFI20240820BHJP
A63B 102/32 20150101ALN20240820BHJP
【FI】
A63B53/04 A
A63B102:32
(21)【出願番号】P 2021535961
(86)(22)【出願日】2019-12-20
(86)【国際出願番号】 US2019068183
(87)【国際公開番号】W WO2020132657
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-12-16
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-05-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591086452
【氏名又は名称】カーステン マニュファクチュアリング コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エリック ジェイ. モラレス
(72)【発明者】
【氏名】コリー エス. ベーコン
(72)【発明者】
【氏名】ジェレミー エス. ポープ
【審査官】田中 洋行
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-116002(JP,A)
【文献】特開2008-212623(JP,A)
【文献】特開2008-148762(JP,A)
【文献】特開2000-042149(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0045608(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0236329(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 53/00-53/14
A63B 102/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフクラブであって、
第2の構成要素に接着されてそれらの間に閉じた内部容積を画定する第1の構成要素を備えるゴルフクラブヘッドであって、ゴルフボールを打撃するように構成されたストライクフェースと、前記ストライクフェースに対向するリア部と、クラウンと、前記クラウンに対向するソールと、ヒール端部と、前記ヒール端部に対向するトウ端部と、を有する、ゴルフクラブヘッド、を備えており、
前記第1の構成要素は、
前記ストライクフェースから後方に延びており、前記クラウンの一部を形成するクラウンリターンと、
前記ストライクフェースから後方に延びており、前記ソールの一部を形成するソールリターンと、
前記ソールリターンから後方に延びており、前記ソールの一部を形成するソール延長部と、
前記ソール延長部に接合されているバックレールと、を有しており、
前記バックレールは、上壁と、後壁と、リップと、を含み、
前記上壁と前記後壁と前記リップは一緒になって、ヒールからトウに向かう方向において、前記バックレールに沿って延びているチャネルを画定しており、
前記上壁は、後方に延びるとともに前記リップに対して平行に延びており、
前記第2の構成要素は、
前記ゴルフクラブヘッドの前記ヒール端部の周りで前記クラウンから前記ソールまで延びているヒール側ウイングと、
前記ゴルフクラブヘッドの前記トウ端部の周りで前記クラウンから前記ソールまで延びているトウ側ウイングと、を有しており、
前記ソール延長部は、前記ストライクフェースから後方への方向において測定したときに、前記
ソールリターンよりも前記ストライクフェースからより大きな距離だけ離れて延びており、
前記チャネルは、少なくとも14グラムのウェイト部を受け入れるように構成されており、
前記第1の構成要素は、前記ゴルフクラブヘッドの総質量の約85%~90%を含む、ゴルフクラブ。
【請求項2】
リブが、前記ゴルフクラブヘッドの閉じた前記内部容積の内面に配置されている、請求項1に記載のゴルフクラブ。
【請求項3】
前記リブは、前記バックレールと前記ソール延長部に近接した前記内面上に配置されている、請求項2に記載のゴルフクラブ。
【請求項4】
前記リブは、前記ソール延長部の前記内面に垂直に測定されたリブ高さをさらに含む、請求項2に記載のゴルフクラブ。
【請求項5】
前記リブ高さは、前方から後方に向けて弓形に増加する、請求項4に記載のゴルフクラブ。
【請求項6】
前記ゴルフクラブヘッドは、前記クラウンリターンと前記バックレールと一体的に形成され、前記ストライクフェースから前記リア部への方向に延びているクラウンブリッジ、をさらに備える、請求項2~5のいずれか一項に記載のゴルフクラブ。
【請求項7】
前記リブは、前記ソール延長部の内面から前記クラウンブリッジまで延びている、請求項6に記載のゴルフクラブ。
【請求項8】
前記リブは、前記リア部の最後点の20%以内に配置されている、請求項7に記載のゴルフクラブ。
【請求項9】
前記リブは、前記リア部の最後点の10%以内に配置されている、請求項7に記載のゴルフクラブ。
【請求項10】
前記リブは、複数の穿孔を形成する、請求項7~9のいずれか一項に記載のゴルフクラブ。
【請求項11】
ゴルフクラブであって、
第2の構成要素に接着されてそれらの間に閉じた内部容積を画定する第1の構成要素を備えるゴルフクラブヘッドであって、ゴルフクラブヘッドは、ゴルフボールを打撃するように構成されたストライクフェースと、前記ストライクフェースに対向するリア部と、クラウンと、前記クラウンに対向するソールと、ヒール端部と、前記ヒール端部に対向するトウ端部と、を有する、ゴルフクラブヘッド、を備えており、
前記第1の構成要素は、
前記ストライクフェースから後方に延びており、前記クラウンの一部を形成するクラウンリターンと、
前記ストライクフェースから後方に延びており、前記ソールの一部を形成するソールリターンと、
前記ソールリターンから後方に延びており、前記ソールの一部を形成するソール延長部と、
前記ソール延長部に接合されているバックレールと、を有しており、
前記バックレールは、上壁と、後壁と、リップと、を含み、
前記上壁は、後方に延びるとともに前記リップに対して平行に延びており、
前記上壁と前記後壁と前記リップは一緒になって、ヒールからトウに向かう方向において、前記バックレールに沿って延びているチャネルを画定しており、前記チャネルの前記後壁は複数のウェイト受けボスを有しており、
前記第2の構成要素は、
前記ゴルフクラブヘッドの前記ヒール端部の周りで前記クラウンから前記ソールまで延びているヒール側ウイングと、
前記ゴルフクラブヘッドの前記トウ端部の周りで前記クラウンから前記ソールまで延びているトウ側ウイングと、を有しており、
前記ソール延長部は、前記ストライクフェースから後方への方向において測定したときに、前記
ソールリターンよりも前記ストライクフェースからより大きな距離だけ離れて延びており、
前記チャネルは、少なくとも14グラムのウェイト部を受け入れるように構成されており、
前記第1の構成要素は、前記ゴルフクラブヘッドの総質量の約85%~90%を含み、
リブが、前記ゴルフクラブヘッドの閉じた前記内部容積の内面に配置されている、ゴルフクラブ。
【請求項12】
前記リブは、前記ウェイト受けボスの間に延在し、前記バックレールの内面と前記ソール延長部と一体である、請求項11に記載のゴルフクラブ。
【請求項13】
前記クラウンリターンと前記バックレールと一体的に形成され、前記ストライクフェースから前記リア部への方向に延びているクラウンブリッジ、をさらに備えており、
前記リブは前記クラウンブリッジから前記ソール延長部に延びている第1の弓形面を備えており、前記第1の弓形面は前記ストライクフェースに対して垂直に見たときに凸状であり、前記リブは前記クラウンブリッジから前記ソール延長部に延びている第2の弓形面を備えており、前記第2の弓形面は前記ストライクフェースに対して垂直に見たときに凹状である、請求項11又は12に記載のゴルフクラブ。
【請求項14】
前記リブは、複数の穿孔を形成する、請求項13に記載のゴルフクラブ。
【請求項15】
前記複数の穿孔は、円形、三角形、四角形、五角形、六角形、台形、八角形、および長方形からなる群からの形状を含む、請求項14に記載のゴルフクラブ。
【請求項16】
前記第1の構成要素と前記第2の構成要素は、それらの間に重ね継手または凹状リップを画定し、前記第2の構成要素は、前記重ねにわたって前記第1の構成要素に接着される、請求項11~15のいずれか一項に記載のゴルフクラブ。
【請求項17】
前記重ね継手は、前記重ね継手の表面にわたって複数の接着促進特徴を含む、請求項16に記載のゴルフクラブ。
【請求項18】
前記リブは、前記チャネルの全幅にわたって延びている、請求項11~17のいずれか一項に記載のゴルフクラブ。
【請求項19】
前記第2の構成要素は、前記第2の構成要素の全体重量を低減するために、1つ以上の薄くされた部分を含む、請求項11~18のいずれか一項に記載のゴルフクラブ。
【請求項20】
前記薄くされた部分は、0.002インチから0.035インチの間である請求項19に記載のゴルフクラブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2018年12月21日に出願された米国仮出願第62/784,265号、2019年5月31日に出願された米国仮出願第62/855,751号、2018年12月21日に出願された米国仮出願第62/784,190号、および2019年7月24日に出願された米国仮出願第62/878,263号の利益を主張し、これらの全ての内容は参照により本明細書中に完全に組み込まれる。
【0002】
本開示は、クラブヘッドを補強する構造またはリブを有するゴルフクラブヘッドに関する。
【背景技術】
【0003】
概して、ゴルフクラブヘッドの全性能に影響を及ぼす多くの重要な物理的なパラメータ(すなわち、体積、質量など)が存在する。最も重要な物理的パラメータの1つは、ゴルフクラブヘッドの重心(CG)である。ゴルフクラブヘッドのCGは、性能特性(すなわち、慣性力モーメント、打ち上げ、ボールスピードなど)に直接的に影響を及ぼす。ゴルフクラブヘッドの望ましいCG位置はゴルフボールの打ち出し角およびMOIを最適に上昇させるために、ストライクフェースから低く、後方である。さらに、CG位置はゴルフボールのサイドスピンにさらに影響を及ぼすために、ゴルフクラブヘッドのトウ端部またはヒール端部により近くに移動され得る。
【0004】
典型的には、ウッドタイプのゴルフクラブは主に金属製である。これらのクラブヘッドでは、中空シェルボディは、ボールインパクトのための厚いフェースと、インパクトの擦れに耐えるための厚いソールと、を含む。クラブの残りの部分は、重量を抑えるために可能な限り薄く製造される。しかしながら、最近では、軽量の複合材料およびプラスチック材料がゴルフクラブの中空シェル構造に実装されて、重量の抑制をさらに増大させている。上述の重量の抑制は、外部ウェイトを使用することによって質量を局所化することを可能にする。材料重量の抑制および質量の局在化は、最適なCGおよびMOI特性を可能にすることができる。
【0005】
材料重量の抑制、ならびに理想的なCGおよびMOI特性を提供することに加えて、軽量材料およびウェイトシステムを含むゴルフクラブヘッドは、消費者が期待するクラブの摩耗寿命を満たし続けなければならない。従来技術では、リブがしばしば使用され、軽量支持のためにクラブのクラウン及びソールに所望の剛性を加えていた。これらのリブは、高応力の位置でクラブヘッドボディを強化するのに役立つ。
【0006】
従来技術は、軽量材料と局所化された質量の両方を含むクラブヘッドがインパクト後のクラブヘッドの運動振動のために付加的な支持を必要とすることを認識していない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、一実施形態によるゴルフクラブヘッドの前方斜視図を示す。
【0008】
【0009】
【
図3】
図3は、
図2の線3-3に沿った
図1のゴルフクラブヘッドの側断面図を示す。
【0010】
【0011】
【0012】
【
図6】
図6は、
図1のゴルフクラブヘッドの第1の構成要素のクラウン図を示す。
【0013】
【
図7】
図7は、
図1のゴルフクラブヘッドの第2の構成要素の前方斜視図を示す。
【0014】
【
図8】
図8は、別の実施形態によるゴルフクラブヘッドのためのリブ構成の側断面図を示す。
【0015】
【
図9】
図9は、別の実施形態によるゴルフクラブヘッドのためのリブ構成の側断面図を示す。
【0016】
【
図10】
図10は、別の実施形態によるゴルフクラブヘッドのためのリブ構成の側面断面図を示す。
【0017】
【
図11】
図11は、別の実施形態によるゴルフクラブヘッドのためのリブ構成の側面断面図を示す。
【0018】
【
図12】
図12は、別の実施形態によるゴルフクラブヘッドのためのリブ構成の側断面図を示す。
【0019】
【
図13】
図13は、別の実施形態によるゴルフクラブヘッドのためのリブ構成の側面断面図を示す。
【0020】
【
図14】
図14は、本開示で説明される様々なリブの実施形態について、インチ/秒で測定されたウェイト部速度対秒で測定された時間のグラフを示す。
【0021】
【
図15】
図15は、本開示で説明される様々なリブの実施形態について、インチ/秒で測定されたウェイト部速度対秒で測定された時間のグラフを示す。
【0022】
【
図16】
図16は、本開示で説明される様々なリブの実施形態について、インチ/秒で測定されたウェイト部速度対秒で測定された時間のグラフを示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
I. リブ付きマルチ材料ゴルフクラブヘッド
A. 序文
クラブヘッドリア部に配置されたウェイトシステムをインパクト中に支持するように作用する補強リブを有するマルチ材料ゴルフクラブが本明細書に記載される。マルチ材料ゴルフクラブヘッドは、中空ゴルフクラブボディとすることができる。中空ゴルフクラブヘッドボディは、互いに結合された第1の構成要素および第2の構成要素によって画定される。第1の構成要素は、金属材料から製造される。第2の構成要素は、非金属の複合材料から製造される。第1の構成要素は、ウェイトシステムを含む。ウェイトシステムは、固定された大きな質量を有するウェイト部と、クラブボディ上の最も後方の点と、を備える。加えて、ウェイトシステムは、クラブヘッドリア部の小さな円弧領域内に制限されている。
【0024】
ウェイトシステムの制限された位置および重い質量は、CGを前方に移動させることなく、重心(CG)をヒールまたはトウに向けて移動させることを可能にするように組み合わされる。しかしながら、上記構造を含むゴルフクラブヘッドは、単一材料構造であってウェイト配置のためのより大きな領域を含むゴルフクラブヘッドと比較した場合、加速された速度で疲労破壊に達する傾向がある。ゴルフボールに対するインパクトに続いて、クラブヘッドのボディは反跳する。反跳の間、クラブヘッドは屈曲し、ウェイトシステムの位置で弾性的に変形する。クラブの元の位置への復元は、クラブヘッドをウェイトシステムの近くで振動させる。一般に、振動は、繰返し運動によって生じる上記の加速された疲労破壊のために望ましくない。
【0025】
しかし、曲げや振動が生じる程度は質量に正比例し、剛性に反比例する。以下に説明する補強リブはゴルフクラブヘッドのウェイトシステムを安定化させて、クラブの振動を低減し、摩耗寿命を改善するためにクラブヘッドの曲げを低減する。
【0026】
本明細書では、「一体」という用語は、同じ材料片から構成される場合の2つ以上の要素と定義することができる。本明細書で定義するように、2つ以上の要素は、各要素が異なる材料片から構成される場合、「非一体」である。
【0027】
「結合」という語句は本明細書では機械的または他の方法で、2つ以上の要素を接続することとして定義することができる。結合(機械的または他の方法を問わない)は任意の長さの期間、例えば、永久的または半永久的であってもよいし、一瞬だけであってもよい。機械的結合などは広く理解されるべきであり、すべてのタイプの機械的結合を含むべきである。「結合される」という語の近傍に「取り外し可能に」、「取り外し可能な」などという語がないことは問題の結合が取り外し可能であるか、または取り外されないことを意味しない。
【0028】
「ソール」という用語または語句は、ゴルフクラブヘッドの底面として定義することができる。
【0029】
「取り付け」という用語または語句は、本明細書では何かに接続する、または接合されると定義することができる。取り付けは、永久的であっても半永久的であってもよい。機械的取り付け等は広く理解されるべきであり、あらゆる種類の機械的取り付け手段を備える。一体型取付け手段は広く理解されるべきであり、2つ以上の物体を互いに永久的に接続する全てのタイプの一体型取付け手段を備える。
【0030】
ウェイトシステムの制限された位置および重い質量は、CGを前方に移動させることなく、重心(CG)をヒールまたはトウに向けて移動させることを可能にするように組み合わされる。しかしながら、上記構造を含むゴルフクラブヘッドは、単一材料構造であってウェイト配置のためのより大きな領域を含むゴルフクラブヘッドと比較した場合、加速された速度で疲労破壊に達する傾向がある。ゴルフボールに対するインパクトに続いて、クラブヘッドのボディは反跳する。反跳の間、クラブヘッドは屈曲し、ウェイトシステムの位置で弾性的に変形する。クラブの元の位置への復元は、クラブヘッドをウェイトシステムの近くで振動させる。一般に、振動は、繰返し運動によって生じる上記の加速された疲労破壊のために望ましくない。
【0031】
もしあれば、本明細書および特許請求の範囲における用語「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」などは、類似の要素を区別するために使用され、必ずしも特定の順序または時系列順序を説明するために使用されるわけではなく、そのように使用される用語は適切な状況下で交換可能であり、例えば、本明細書で説明される実施形態は本明細書で図示されるまたは別の方法で説明されるシーケンス以外のシーケンスで動作することができることを理解されたい。さらに、用語「含む」、「有する」、およびその任意の変形は、要素のリストを備えるプロセス、方法、システム、物品、デバイス、または装置が必ずしもそれらの要素に限定されず、そのようなプロセス、方法、システム、物品、デバイス、または装置に記述的にリストされていない他の要素を含むように、非排他的な包含物を包むように意図されている。
【0032】
「グランド面」とは正面視においてゴルフクラブヘッドのホーゼル軸に対して60度の角度で位置し、側面視おいてゴルフクラブヘッドのホーゼル軸に対して垂直な平面をいい、グランド面はクラブヘッドがアドレス位置にあるときにゴルフクラブヘッドのソールに接する。また、「フロント面」とは側面視から見てリーディングエッジ点に接し、グランド面にも垂直な垂直面をいう。
【0033】
もしあれば、本明細書および特許請求の範囲における用語「左」、「右」、「前」、「後」、「上」、「下」、「の上」、「の下」等は、説明目的で使用され、必ずしも永久的な相対位置を記述するためのものではない。そのように使用された用語は、本明細書に記載される製造装置、製造方法、および/または製造物品の実施形態が、例えば、例示されているかまたは別様に本明細書に記載されているもの以外の配向で操作可能であるように、適切な状況において置き換え可能であると理解すべきである。
【0034】
本開示の任意の実施形態が詳細に説明される前に、本開示は、その適用において、以下の説明に記載されるか、または以下の図面に例示される構成の詳細および構成要素の配置に限定されないことが理解されるべきである。本開示は他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施または実行することが可能である。
【0035】
B. ゴルフクラブヘッド
本明細書では、クラブヘッドのリア部を補強する少なくとも1つのリブを含むマルチ材料ゴルフクラブヘッドが記載される。ゴルフクラブヘッドは、第1の構成要素および第2の構成要素を含むことができる。第1の構成要素は、クラブヘッドのリア部に配置された重いウェイトシステムを含む。ウェイトシステムは、クラブヘッドの中央リア部に質量を集中させて、CGを低下させ、ゴルフクラブヘッドのMOIを増加させる。リブは、インパクト後にウェイトシステムによって引き起こされる振動を低減するように動作することができる。いくつかの実施形態では、リブがソールからウェイトシステム上に弓形に延在してもよい。他の実施形態では、リブがウェイトシステムからクラウンまで延びることができる。いくつかの実施形態では、リブが補強リブのウェイトを低減するための穿孔を有する。
【0036】
図1は、一実施形態によるゴルフクラブヘッド100を示す。ゴルフクラブヘッド100は、ストライクフェース118を含むフロント部102と、フロント部102に対向するリア部104と、ヒール端部106と、トウ端部108と、クラウン110と、ソール112と、を含む。一緒に、フロント部102とリア部104とヒール端部106とトー端部108とクラウン110とソール112は、その中に複数の内部表面を有する中空構造を画定する。図示の実施形態では、クラブヘッド100が互いに固定された第1の構成要素120および第2の構成要素220によって画定される。
【0037】
本明細書に記載されるゴルフクラブヘッド100の様々な実施形態および例は、基準点に従って記載される寸法、幾何学的形状、または配向を有する構成要素および構成を有することができる。以下に、
図1~4に示す基準指標のいくつかを詳細に説明する。
【0038】
図1を参照すると、クラブヘッド100のストライクフェース118は幾何学的中心500を含む。いくつかの実施態様において、幾何学的中心500は、ストライクフェース118の幾何学的中心点、及びフェース高さ504の中間点に位置することができる。同じまたは他の実施形態では、幾何学的中心500が設計的インパクトゾーンに関して中心合わせすることもでき、これはストライクフェース118上の溝の領域によって規定することができる。別のアプローチとして、ストライクフェース118の幾何学的中心500は、米国ゴルフ協会(USGA)などのゴルフ協会の定義に従って配置することができる。例えば、ストライクフェース118の幾何学的中心500は、ゴルフクラブヘッドの可撓性を測定するためのUSGAの手順(USGA-TPX3004,Rev.1.0.0, May 1, 2008)(http://www.USGA.org/equipment/testing/protocols/Procedure-For-Measuring-The-Flexibility-Of-A-Golf-Club-Head/で入手可能)(「可撓性手順」)の6.1節に従って決定することができる。
【0039】
図2~3を参照すると、ゴルフクラブヘッド100は、様々な基準面および測定値を含んでもよい。ゴルフクラブヘッド100は、フロント面40、ロフト面50、およびグランド面60を画定する。さらに、ゴルフクラブヘッド100は、ストライクフェース118の幾何学的中心500に原点を有する座標系を含む。
図2に示すように、座標系は、X軸10と、Y軸20と、Z軸30と、を有することができる。ゴルフクラブヘッド100がアドレスにあるとき、X軸10はストライクフェースの幾何学的中心500を通ってヒールからトウへの方向に伸び、グラウンド面60と平行に伸びている。Y軸20は、幾何学的中心500を通ってクラウン100からソール112まで伸び、X軸10及びグランド面60に垂直な方向に伸びている。Z軸30は、ストライク面中心500を通ってストライク面118からゴルフクラブヘッド100のリア端部104まで伸びる方向に伸びている。Z軸30は、X軸10及びY軸20に垂直である。
【0040】
図2を参照すると、座標系は、ストライクフェース118の幾何学的中心500を基準とする平面の集合も規定する。XY平面は、X軸とY軸によって定義される。多くの実施形態において、XY平面は、フロント面40(以下、「フロント面40」という)である。ロフト面50は、フロント面40に対して鋭角に配置されている。ロフト面50は、ストライクフェース118に接している。XZ平面は、X軸とZ軸によって定義される。YZ面は、Y軸とZ軸によって定義される。面XY、XZ、およびYZは互いに垂直である。
【0041】
図3を参照すると、クラブヘッド100はさらに長さ506を含む。クラブヘッド100の長さ506は、USGAによって概説されたガイドラインに従って決定することができる。一般に、長さ506は、フロント面40からクラブヘッド100のリア部104までの最大距離として、Z軸30の方向に測定することができる。クラブヘッド100の高さ504は、フロント面40に対して垂直に見たとき、クラウン110からソール112までのクラブヘッドの最も遠い範囲として、Y軸20に平行な方向に測定することができる。同様に、ゴルフクラブヘッド高さ504は、USGAによって概説されたガイドラインに従って測定することができる。
【0042】
これらまたは他の実施形態では、XY平面に垂直な方向からストライクフェースを見たときに、クラブヘッド100を正面図から見ることができる。さらに、これらまたは他の実施形態では、YZ平面に垂直な方向からヒールを見たときに、クラブヘッド100を側面図または側面断面図から見ることができる。
【0043】
図3を参照すると、クラブヘッド100は、重心(CG)508をさらに備えることができる。CGの位置は、ロフト面50、グランド面60、およびフロント面40に従って記述することができる。CG508は、ヘッドCG高さ510およびヘッドCG深さ512に配置される。CG高さ510は、グランド面60から重心508までのY軸20の方向で測定することができる。CG深さ512は、フロント40から重心508までのZ軸10の方向で測定することができる。
【0044】
図4に示すように、ゴルフクラブヘッド100は時計グリッドに関して説明することができ、時計グリッドは、ストライクフェース118と位置合わせされ、クラブヘッド100のグランド面60からソール112に突出することができる。時計グリッドは、本実施形態におけるストライクフェース118の幾何学的中心500と位置合わせされた12時の放射線522を含むことができる。12時の放射線522は、ロフト面50とグランド面60との交線によって規定される、前方交差線520に直交する。時計グリッドは、12時の放射線522に沿った中心点518で、フロント面40とクラブヘッドの最も後方の端部との間の中間点に中揃えすることができる。いくつかの例では、時計グリッド中心点518がクラブヘッド100の幾何学的中心500に近接して中心に置くことができる。時計グリッドは、ヒール端部106に向かって延びる3時の放射線528と、トウ端部108に向かって延びる9時の放射線540と、リア部104に向かって延びる6時の放射線534と、からなる。時計グリッドは、3時放射線528と6時放射線534との間の4時放射線530と、9時放射線540と6時放射線534との間の8時放射線538と、からなる。時計グリッドは、4時放射線530と6時放射線534との間の5時放射線532と、8時放射線538と6時放射線534との間の7時放射線536と、をさらに含む。時計グリッドは、1時の放射線524、2時の放射線526、10時の放射線542、および11時の放射線544をさらに含む。
【0045】
多くの実施形態ではクラブヘッド100がウェイトシステム136を有するドライバーまたはフェアウェイウッドタイプのゴルフクラブヘッドとすることができ、リブ300はウェイトシステム300の位置でクラブヘッド100を補強するように構成される。多くの実施形態では、クラブヘッド100がウッドタイプのゴルフクラブヘッド(すなわち、ドライバー、フェアウェイウッド、ハイブリッド)とすることができる。
【0046】
いくつかの実施形態では、クラブヘッド100はドライバーを含むことができる。これらの実施形態では、クラブヘッドのロフト角が約16°未満、約15°未満、約14°未満、約13°未満、約12°未満、約11°未満、または約10°未満とすることができる。さらに、これらの実施例では、クラブヘッドの体積が約400ccを超え、約425ccを超え、約450ccを超え、約475ccを超え、約500ccを超え、約525ccを超え、約550ccを超え、約575ccを超え、約600ccを超え、約625ccを超え、約650ccを超え、約675ccを超え、または約700ccを超えることができる。いくつかの実施形態では、クラブヘッドの体積が約400cc~600cc、425cc~500cc、約500cc~600cc、約500cc~650cc、約550cc~700cc、約600cc~650cc、約600cc~700cc、または約600cc~800ccとすることができる。
【0047】
いくつかの実施形態では、クラブヘッド100がフェアウェイウッドを含むことができる。これらの実施形態では、クラブヘッドのロフト角が約35°未満、約34°未満、約33°未満、約32°未満、約31°未満、または約30°未満とすることができる。さらに、これらの実施例では、クラブヘッドのロフト角が約12°より大きく、約13°より大きく、約14°より大きく、約15°より大きく、約16°より大きく、約17°より大きく、約18°より大きく、約19°より大きく、または約20°より大きくすることができる。例えば、いくつかの実施形態では、クラブヘッドのロフト角が12度~35度、15度~35度、20度~35度、または12度~30度であり得る。
【0048】
クラブヘッド100がフェアウェイウッドを含む実施形態では、クラブヘッドの容積が約400cc未満、約375cc未満、約350cc未満、約325cc未満、約300cc未満、約275cc未満、約250cc未満、約225cc未満、または約200cc未満である。これらの実施例では、クラブヘッドの容積が約160cc~200cc、約160cc~250cc、約160cc~300cc、約160cc~350cc、約160cc~400cc、約300cc~400cc、約325cc~400cc、約350cc~400cc、約250cc~400cc、約250cc~350cc、または約275cc~375ccとすることができる。
【0049】
いくつかの実施形態では、クラブヘッド100がハイブリッドを含むことができる。これらの実施形態では、クラブヘッドのロフト角が約40°未満、約39°未満、約38°未満、約37°未満、約36°未満、約35°未満、約34°未満、約33°未満、約32°未満、約31°未満、または約30°未満とすることができる。さらに、これらの実施例では、クラブヘッド100のロフト角が約16°より大きく、約17°より大きく、約18°より大きく、約19°より大きく、約20°より大きく、約21°より大きく、約22°より大きく、約23°より大きく、約24°より大きく、または約25°より大きくすることができる。
【0050】
クラブヘッド100がハイブリッドを含む実施形態では、クラブヘッドの容積が約200cc未満、約175cc未満、約160cc未満、約125cc未満、約100cc未満、または約75cc未満である。いくつかの実施形態では、クラブヘッドの体積が約100cc~160cc、約75cc~160cc、約100cc~125cc、または約75cc~125ccとすることができる。
【0051】
C. 第1及び第2ゴルフクラブヘッド部品
図1~
図7は、インパクトに対するクラブヘッドの応答に影響を及ぼす構造、例えば、リア部104において中空クラブヘッドの内部に配置され、クラブヘッド本体を補強し、ウェイトシステム136を支持するように構成されたリブを含むマルチ材料ゴルフクラブヘッド100の実施形態を示す。後述するように、ゴルフクラブヘッド100は、ウェイトシステム136の内面から突出する少なくとも1つのリブを備える。リブは、インパクト中およびインパクト後のウェイトシステム136の振動を低減するように動作することができる。このリブを含むゴルフクラブヘッド100の実施形態の構造を、以下でさらに詳細に説明する。上述したように、ゴルフクラブヘッド100は、ウェイトシステム136およびリブを含む2構成要素のゴルフクラブヘッドである。
【0052】
第1の構成要素
上述のように、ゴルフクラブ100のヘッドは、第1の構成要素120を含む。第1の構成要素120は、以下に特定されるような第1の材料を含む。第1の材料は、金属とすることができる。
図5及び
図6を参照すると、第1の構成要素120は、ストライクフェース118と、クラウンリターン122と、ソールリターン124と、ソール延長部126と、バックレール128と、を含むことができる。バックレール128は、スカート部分130と、ウェイトシステム136と、をさらに備えることができる。クラウンリターン122は、ストライクフェース118に隣接するクラウン110の一部を形成することができる。ソールリターン124とソール延長部126とバックレール128は、ソール112の一部を形成することができる。さらに、ソールリターン124とソール延長部126とバックレールは、第1の構成要素120の周囲縁部を画定する。第1の接合面180は、第1の構成要素120の一部を周縁に沿って薄くすることによって作成することができる。ソールから見ると、第1の構成要素は概して「T」形状であり得る。ソール延長部126及びバックレール128が「T」形状の垂直、ステム部分を形成する。ソールリターン124は「T」形状の水平又は頂部を形成することができる。
【0053】
クラウンリターン122とソールリターン124は、ストライクフェース118に対して垂直に後方に向けて延びている。ソール延長部126は、ソールリターン124に隣接している。ソール延長部126は、ソールリターン124から後方に向けて延びている。バックレール128は、ソール延長部126の最も後方の縁部に当接する。ソールリターン124とソール延長部126とバックレール128は一体であってもよい。他の実施形態では、ソール延長部126とバックレール128が別個に形成され、次いで、第1の構成要素120に取り付けられるか、または固定され得る。
【0054】
図6に示すように、いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド100の第1の構成要素120がクラウンブリッジ132をさらに備えてもよい。クラウンブリッジ132は、クラウンリターン122から第1の構成要素120のバックレール128に延在してもよい。図示の実施形態では、クラウンブリッジ132がクラウンリターン122からバックレール128に延びている。クラウンブリッジ132は、製造中に第1の構成要素120を支持する役割を果たすことができる。加えて、クラウンブリッジ132は、上述の補強リブのための取り付け点として機能することができる。
【0055】
図6に示すように、クラウンブリッジ132は、ヒールからトウへの方向に測定されたクラウンブリッジ幅134をさらに備えることができる。クラウンブリッジ幅134は、0.25インチから2.0インチの範囲であり得る。例えば、クラウンブリッジ幅134は、0.25インチ~0.50インチ、0.50インチ~0.75インチ、0.75インチ~1.0インチ、1.0インチ~1.25インチ、1.25インチ~1.50インチ、1.50インチ~1.75インチ、1.75インチ~2.0インチとすることができる。
【0056】
さらに、クラウンブリッジは、ZY平面70に対して配置していてもよい。クラウンブリッジ132は、ZY平面70からオフセットすることができる。例えば、
図6に示す実施形態では、クラウンブリッジ132がZY平面70に関してゴルフクラブ100のヒール端部106に向かって配置されている。他の実施形態では、クラウンブリッジ132がZY平面70に対してゴルフクラブのトウ端部108のより近くに配置することができる。あるいは、クラウンブリッジ132がZY平面70と整列するように配置することができる。さらに、他の実施形態では、クラウンブリッジ132がある角度でクラウンリターン122からソールリターン124まで延びることができる。
【0057】
前述のように、第1の構成要素120は第1の材料を含むことができ、第1の材料は金属である。第1の材料は、第1の材料密度に関連する第1の材料質量を含む。同様に、第2の構成要素220は第2の材料を含み、第2の材料は複合材料である。第2の材料は、第1の材料密度よりも小さい材料密度を含む。
【0058】
上述のように、第1の構成要素120の質量は、完全なクラブヘッド100の総質量のパーセンテージとして説明することができる。クラブヘッド100の総質量は、接合された第1の構成要素120および第2の構成要素220の合計質量とすることができる。第1の構成要素120の質量は、クラブヘッド100全体の質量の85%~96%とすることができる。例えば、第1の構成要素120は、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、または96%の質量パーセンテージを有することができる。同様に、第2の構成要素220の質量パーセンテージは、完全なクラブヘッド100の質量の4%~15%とすることができる。第1の構成要素120は、クラブヘッド100のバックレール128部分に位置するウェイトシステム136をさらに備える。
【0059】
いくつかの実施形態では、第1の構成要素120が単一部品として製造することができる。他の実施形態では、第1の構成要素120が例えば、接着剤、接着テープ、または機械的ファスナーを使用することによって、互いに接続または固定される複数の部品として形成することができる。第1の構成要素120は、スチール、タングステン、アルミニウム、チタン、バナジウムクロム、コバルト、ニッケル、または他の金属および金属合金などの金属材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の構成要素がチタン金属を含むことができる。多くの実施形態では、第1の構成要素120がゴルフボールを打つことからの繰り返されるインパクト応力に耐えるために、金属材料から作製される。いくつかの実施態様において、第1の構成要素120はステンレススチール、チタン、アルミニウム、スチール合金(例えば、455スチール、475スチール、431スチール、17-4ステンレススチール、マルエージングスチール)、チタン合金(例えば、Ti 7-4、Ti 6-4、T-9S)、アルミニウム合金、又は複合材料から形成され得る。いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド100のストライクフェース118がステンレススチール、チタン、アルミニウム、スチール合金(例えば、455スチール、475スチール、431スチール、17-4ステンレススチール、マルエージングスチール)、チタン合金(例えば、Ti 7-4、Ti 6-4、T-9S)、アルミニウム合金、非晶質金属合金、または複合材料を含むことができる。
【0060】
いくつかの実施形態では、第1の構成要素120が単一の金属材料で作ることができる。他の実施形態では、第1の構成要素120が複数の金属材料を含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、ストライクフェース118が、クラウンリターン122とソールリターン124とソール延長部126とバックレール128とは異なる材料を含むことができる。
【0061】
多くの実施形態では、第1の構成要素120が鋳造され、単一部品として形成することができる。他の実施形態では、第1の構成要素120が、鍛造、プレス、圧延、押し出し、機械加工、電鋳、3D印刷、または任意の適切な製造技術を介して形成されてもよい。多くの実施形態では、第1の構成要素120がバックレール128のウェイトシステム136を支持するための補強リブをさらに備えるように製造することができる。
【0062】
ウェイトシステム
上述のように、第1の構成要素120は、クラブヘッド全体の質量の大部分を構成する。第1の構成要素120は、可動ウェイト部140を受け入れるウェイトシステム136を備えることができる。ウェイトシステム136は、第1の構成要素120のバックレール128内に配置することができる。
図5に戻って参照すると、第1の構成要素のバックレール128は、ウェイトシステム136を備え、クラブの最も後方の部分に質量を局所化するように構成されている。クラブ100のリア部104における質量の局所化は、プレーヤのスイングおよびインパクト特性に従って、CGおよびMOIなどのクラブヘッド100の質量特性の調整を可能にすることができる。ボール飛行は、ウェイトシステム136内のウェイト部140の位置によっても影響され得る。
【0063】
図4および
図5を参照すると、ウェイトシステム136は、クラブヘッド100のリア部104内およびバックレール128内に位置している。ウェイトシステム136は、ウェイト部140と、ウェイトファスナ142と、少なくとも1つのウェイト受けボス144と、をさらに備えることができる。ウェイト受けボス144は、ウェイトファスナ142を受け入れるためのアパーチャ145を形成することができる。ウェイトファスナ142は、ウェイト部140をウェイト受けボス144に固定するように構成される。
【0064】
ウェイトシステム136は、ウェイト受けボス144およびウェイトファスナ142を介してウェイト部140を収容するための複数の壁をさらに備えることができる。
図3を参照すると、壁は、上壁150および後壁152を含んでもよい。さらに、ウェイトシステムは、後壁152の底部から突出するリップ154を備えることができる。一緒に、上壁150と後壁152とリップ154は、ウェイトチャネル138を画定する。
図2の断面図に示すように、ウェイトチャネル132はグランド面に平行であり、第1の構成要素120のバックレール128からフロント面40に向かって後方から前方に延びている。
【0065】
図3~
図5を参照すると、ウェイトチャネル138は、ウェイト部140を収容するように構成されたチャネル面148を含む。多くの実施形態では、チャネル138の内面の形状がウェイト部140の形状と相補的である。ウェイトチャネル138の上壁150はゴルフクラブヘッド100がアドレスにあるとき、グランド面60に対してほぼ平行であってもよい。ウェイトチャネル138の後壁152はゴルフクラブヘッドがアドレスにあるとき、グランド面60に対して略直交していてもよい。リップ154は、グランド面60に最も近い後壁152から前後方向に突出することができる。さらに、上壁150及びリップ154は、ウェイトチャネル高さ156及びウェイトチャネル深さ158を画定することができる。
【0066】
ウェイトチャネルの高さ156は、ウェイトチャネル上壁150とウェイトチャネルリップ154との間の鉛直距離として測定することができる。ウェイトチャネルの高さ156は、0.25インチ~0.65インチの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、チャネル高さ156が約0.25インチ、0.26インチ、0.27インチ、0.28インチ、0.29インチ、0.30インチ、0.31インチ、0.32インチ、0.33インチ、0.34インチ、または0.35インチとすることができる。
【0067】
ウェイトチャネル深さ158は、バックレール128の最後方端点から上壁150と後壁152の接合部までの距離として測定することができる。チャネルの深さ158は、0.25インチから0.65インチまでの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、チャネル深さ158が約0.25インチ、0.26インチ、0.27インチ、0.28インチ、0.29インチ、0.30インチ、0.31インチ、0.32インチ、0.33インチ、0.34インチ、又は0.35インチとすることができる。
【0068】
再び
図4を参照すると、ウェイトチャネル138は、ウェイトチャネルヒール端部166とウェイトチャネルトウ端部166との間で測定されるウェイトチャネル長さ162をさらに含むことができる。チャネル162の長さは、1.6インチと3.0インチの範囲を有することができる。いくつかの実施形態では、チャネルの長さは1.6インチ、1.7インチ、1.8インチ、1.9インチ、又は2.0インチ、2.1インチ、2.2インチ、2.3インチ、2.4インチ、又は2.5インチ、2.6インチ、2.7インチ、2.8インチ、2.9インチ、又は3.0インチであってもよい。上述したように、ウェイトチャネルの限定された範囲は、ストライクフェース118に向かうクラブヘッドCG508の移動を防止するように作用することができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、ウェイトチャネル138の位置が上述の時計グリッドシステムを介して説明されてもよい。
図4を参照すると、ウェイトチャネル138は、ゴルフクラブヘッド100のリア部104に向けて配置されている。さらに
図4を参照すると、ウェイトチャネル138は時計上の時間に対して配置することができる。いくつかの実施形態では
図4に示すように、ウェイトチャネルトウ端部164およびウェイトチャネルヒール端部166は4時の放射線および8時の放射線によって少なくとも部分的に境界が定められてもよい。4時および8時の放射線に対するウェイトチャネルの位置は、CGをクラブのまさにリア部に限定する。あるいは、ウェイトチャネルを4時と7時の放射線、5時と8時の放射線、または5時と7時の放射線の間に配置することによって、CGをクラブのリア部に限定することができる。
【0070】
上述のように、ウェイトシステム136は、複数のウェイト受けボス144を備えることができる。いくつかの実施形態では、ウェイトシステム136は、ウェイトファスナ142を介してウェイト部140を受け入れるように構成された2つから6つのボス144を備えることができる。いくつかの実施形態では、ウェイトシステム136が2つ、3つ、4つ、5つ、または6つのボス144を備えることができる。ほとんどの実施形態では隣接するボス144が等間隔で配置されるが、いくつかの実施形態では隣接するボスが等間隔で配置されない。一実施形態では、ウェイトシステム136は、隣接するボス144が0.5インチ~0.6インチの範囲の空間を含むように離間された3つのボス144を含むことができる。
【0071】
図4を参照すると、ウェイト部140は、ウェイト受けボス144を介してウェイトチャネル138内に受け入れられ、固定されるように構成することができる。ボス144のアパーチャ145には、ウェイトファスナ146を選択的に受け入れるために、雌ねじを切ることができる。ウェイトファスナ142は、アパーチャ145の長さと同じか、またはそれより短い長さを備えることができる。ウェイト部140は、ウェイト部140の中心に貫通孔146を画定する。貫通孔146はさらに、ウェイトファスナ142を受け入れるように寸法決めされ、構成されてもよい。いくつかの実施形態では、ウェイト部140の貫通孔146が少なくとも部分的にねじ切りされている。同様に、ウェイトファスナ142は、貫通孔146及びボス144のねじ切りに相補的であるようにねじ切りされてもよい。
【0072】
図5に示すように、ウェイト部140は、ほぼ多角形の形状を有することができる。ウェイト部140は、ウェイト部質量をさらに含むことができる。いくつかの実施形態において、質量は、14g~50gの範囲であり得る。例えば、着脱可能なウェイト質量は、14g、15g、16g、17g、18g、19g、20g、21g、22g、23g、24g、25g、26g、27g、28g、29g、30g、31g、32g、33g、34g、35g、36g、37g、38g、39g、40g、41g、42g、43g、44g、45g、46g、47g、48g、49g、または50gであり得る。いくつかの実施形態では、ウェイト部140が14g未満の質量を含まなくてもよい。13gを超える質量を有するウェイト部を含むゴルフクラブヘッドの実施形態では、クラブヘッド100のリア部のウェイトシステム136がインパクト時に振動を誘発することができる。本明細書に記載される補強リブを欠くクラブヘッドでは、クラブヘッド100が加速された速度で周期的な疲労破壊を経験し得る。後述する補強リブの実施形態は耐久性を高めるために、クラブヘッド100のリア部104におけるウェイトシステム136の振動を低減することができる。
【0073】
言及したように、ウェイトシステム136のウェイト部140は、0.5インチ~0.6インチの隣接するボス間で移動可能である。ウェイト部140をボス144の間で移動させることは、クラブヘッドCG508の全体的な移動をもたらし得る。例えば、中央ボスに固定されると、クラブヘッド100のCG508は、ストレートゴルフショットを生じるように配置される。ヒールボスに固定されると、クラブヘッド100のCG508はヒールに向かって移動し、フェードタイプのショットを生じさせる。ヒール向きの配置は一般的に左から右であるボール飛行軌道をもたらす(左利きのゴルファーは右から左へのボール飛行をもたらす)。最後に、トウボスに配置されたとき、クラブヘッドのCGはトウに向かって移動し、ドロータイプのゴルフショットをもたらす。トウ向きの配置は一般的に右から左であるボール飛行をもたらす(左利きのゴルファーは左から右へ)。
【0074】
図7に示すように、ウェイトシステムは、ウェイトボス144をクラブヘッド内部に支持するためのベース構造170をさらに備えてもよい。ベース構造170はソール延長部126の内面から突出して、ウェイトチャネル後壁152に当接し、ウェイトチャネル支持のために作動することができる。ウェイト受けボス144は、ベース構造170の内部および/または上部に配置することができる。いくつかの実施形態では、ボス144およびベース構造146は一体である。
【0075】
ベース構造は、前壁172及び上壁174をさらに備えることができる。いくつかの実施態様において、前壁172は、上壁174に対して垂直であり、階段状の幾何学形状を形成する。ベース構造170の段状の幾何学的形状は、ボス144をクラブヘッド内部にしっかりと固定するのに役立つことができる。
【0076】
以下に記載するように、ゴルフクラブヘッドは、少なくとも1つの補強リブをさらに含むことができる。少なくとも1つの補強リブは、上述のベース構造170に取り付けることができる。一部の実施形態では、リブがソール延長部、ウェイトチャネル上壁、ウェイトチャネル後壁、スカート、およびクラウンの内面のうちの1つまたは複数に取り付けることもできる。補強リブは、クラブヘッドの内面をしっかりと固定して、インパクト中にクラブヘッドボディを補強することができる。ウェイトシステムに補強リブを取り付けると、インパクト後のウェイトシステムの振動運動を減衰させることにより、クラブヘッドの疲労破壊を防止できる。
【0077】
第2の構成要素
上述のように、ゴルフクラブヘッド100は、第2の構成要素220をさらに備える。第2の構成要素220は、複合材料を含むことができる。第2の構成要素220は、第1の構成要素に取り付けられて、中空クラブヘッド100を画定する。
図2を参照すると、第2の構成要素は、クラウン部分222と、トウ側ウイング224と、ヒール側ウイング226と、を含むことができる。いくつかの実施形態では、第2の構成要素220が第1の構成要素120の上にフィットして、完全なゴルフクラブヘッド100を画定するように構成することができる。組み立てられた構成では、第2の構成要素220がヒール端部106およびトウ端部108において、クラウン110の大部分およびソール112の一部を形成する。
【0078】
図9を参照すると、トウ側ウイング224とヒール側ウイング226は、ほぼ三角形の幾何学的形状を有することができる。トウ側ウイング224は、第1の構成要素120のクラウンリターン122とソール延長部126とバックレール128のトウ端部内に適合するように構成することができる。同様に、ヒール側ウイング226は、第1の構成要素120のクラウンリターン122とソール延長部126とバックレール128のヒール端部106内に適合するように構成することができる。上述のように、第2の構成要素220は、第1の構成要素120の材料よりも密度が低い第2の材料を含むことができる。第2の構成要素220は、複合材料とすることができる。第2の構成要素220の複合材料は強度および耐久性を高めるために、繊維およびビーズなどの充填剤と一体化することができる。他の実施形態では、第2の構成要素220が強度、耐久性、または重量を増大させるために、炭素/ガラス繊維、ガラス/金属ビーズ、粉末(例えば、タングステン粉末)、または任意の他の充填材料と一体化された、または共成形された任意の高強度プラスチック材料を含むことができる。
【0079】
いくつかの実施形態では、第2の構成要素220がポリマー樹脂および強化繊維から形成された複合材料を含むことができる。ポリマー樹脂は、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂を含むことができる。より具体的には、熱可塑性樹脂を有する実施形態では樹脂が熱可塑性ポリウレタン(TPU)または熱可塑性エラストマー(TPE)を含むことができる。例えば、樹脂は、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、PA6またはPA66などのポリアミド、ポリアミドイミド、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリカーボネート、エンジニアリングポリウレタン、および/または他の同様の材料を含むことができる。強化繊維は、炭素繊維(またはチョップド炭素繊維)、ガラス繊維(またはチョップドガラス繊維)、グラファイト繊維(またはチョップドグラファイト繊維)、または任意の他の適切な充填材料を含むことができる。他の実施形態では、第2構成要素の複合材料が重量用のビーズ(例えば、ガラスビーズ、金属ビーズ)または粉末(例えば、タングステン粉末)を含むことができる。他の実施形態では、複合材料が強度、耐久性、および/または重量を加える任意の補強充填剤を含むことができる。
【0080】
いくつかの実施形態では、強化繊維が複数の分散不連続繊維(すなわち、「チョップド繊維」)を含む。いくつかの実施形態では強化繊維が約3mm~25mmの設計繊維長を有する複数の不連続「長繊維」を含む。例えば、いくつかの実施形態では、繊維長が成形プロセスの前に約12.7mm(0.5インチ)である。別の実施形態では強化繊維が約0.01mm~3mmの設計繊維長を有する不連続「短繊維」を含む。いずれの場合(短繊維または長繊維)においても、所与の長さは予め混合された長さであり、成形プロセス中の破損のために、いくつかの繊維は実際には最終構成要素において記載された範囲よりも短くなり得ることに留意されたい。いくつかの構成では、不連続チョップド繊維が約10より大きく、またはより好ましくは約50より大きく、約1500未満のアスペクト比(例えば、繊維の長さ/直径)によって特徴付けられてもよい。使用される不連続チョップド繊維の特定のタイプにかかわらず、特定の構成では、複合材料が約0.01mm~約25mmの繊維長を有する可能性がある。
【0081】
複合材料は、約40重量%~約90重量%、または約55重量%~約70重量%のポリマー樹脂内容物を有する可能性がある。第2の構成要素の複合材料は、約10~約60重量%の繊維内容物を有することができる。いくつかの実施形態では、複合材料が約20重量%~約50重量%、30重量%~40重量%の繊維内容物を有する。いくつかの実施形態では、複合材料が約10重量%~約15重量%、約15重量%~約20重量%、約20重量%~約25重量%、約25重量%~約30重量%、約30重量%~約35重量%、約35重量%~約40重量%、約40重量%~約45重量%、約45重量%~約50重量%、約50重量%~約55重量%、または約55重量%~約60重量%の繊維内容物を有する。
【0082】
第2の構成要素を形成する複合材料の密度は、約1.15g/cc~約2.02g/ccの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、複合材料密度が約1.30g/cc~約1.40g/cc、または約1.40g/cc~約1.45g/ccの範囲である。
【0083】
第2の構成要素は、ゴルフクラブヘッドの全質量の第2の構成要素質量パーセンテージを含むことができる。第2の構成要素の質量パーセンテージは、ゴルフクラブヘッドの全質量の4%~15%の範囲とすることができる。例えば、第2の構成要素の質量百分率は、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、または15%であり得る。質量は、約10グラム~約25グラムの範囲とすることができる。
【0084】
ゴルフクラブヘッドの第2の構成要素は、厚さを含むことができる。第2の構成要素の厚さは、0.008~0.065インチとすることができる。いくつかの実施形態では、厚さは0.008~0.025インチ、0.010~0.040インチ、0.010~0.020インチ、0.015~0.025インチ、0.020~0.030インチ、0.025~0.035インチ、0.030~0.040インチ、0.035~0.045インチ、0.040~0.050インチ、0.045~0.055インチ、0.050~0.060インチ、または0.055~0065インチの範囲を有することができる。例えば、第2の構成要素の厚さは、0.008インチ、0.010インチ、0.015インチ、0.020インチ、0.025インチ、0.030インチ、0.035インチ、0.040インチ、0.045インチ、0.050インチ、0.055インチ、0.060インチ、又は0.065インチとすることができる。第2の構成要素の厚さは、一定であってもよいし、変化していてもよい。例えば、第2の構成要素の厚さは、クラウン部分、トウ側ウイング、ヒール側ウイング、後端部、及び第2の構成要素の周囲に沿って変化することができる。
【0085】
図9に示すように、第2の構成要素は、複数の薄くされた部分を含むことができる。第2構成要素のクラウン部とヒール側ウイングとトウ側ウイングの各々は、1つまたは複数の薄くなった部分を有することができる。図示の実施形態では、薄くされた部分が、クラウン部分とヒール側ウイングとトウ側ウイングの中央に配置している。本実施形態では、クラウン部の周縁およびリア部分が薄くなっていない。周縁、または接着面、およびウェイト部に最も近いクラウン領域は、本質的により高い応力値のために厚さを維持する。薄くされた部分は第2の構成要素の全体的な質量を減少させることができ、重量をウェイトシステム136に再配置することを可能にする。
【0086】
接続された第1の構成要素と第2の構成要素
上述のように、第1の構成要素120および第2の構成要素220は、完全なゴルフクラブヘッド100を画定する。
図6を参照すると、第1の構成要素120は、第1および第2の構成要素を接合するように作用する第1の構成要素120の周縁に沿って配置された第1の接合面180または凹状リップをさらに備えることができる。第1の接合面180は、第2の構成要素220の一部(第2の接合面232)と重なり合って、完全なクラブヘッド100を形成するように構成される。
【0087】
第1の接合面180は、第1の構成要素120のクラウンリターン122とソール延長部126とバックレール128の周縁をクラブヘッド内部に向かって薄くすることによって形成することができる。言い換えれば、第1の接合面180は、重なり合う第1の接合面180と第2の接合面232との合計厚さを考慮して、ゴルフクラブヘッド100の外面から後退させることができる。
【0088】
第1の接合面180は、クラブヘッド100の外面から0.060~0.160インチの範囲の凹部オフセット182を有することができる。他の実施形態では、第1の構成要素120が0.060~0.150インチ、0.060~0.140インチ、0.080~0.160インチ、0.090~0.150インチ、又は0.090~0.160インチの凹部オフセット182を有することができる。例えば、凹部オフセット182は、0.060インチ、0.070インチ、0.080インチ、0.090インチ、0.100インチ、0.110インチ、0.120インチ、0.130インチ、0.140インチ、0.150インチ、又は0.160インチとすることができる。
【0089】
図6に示すように、第1の接合面180の幅は、0.125~0.275インチの範囲を有することができる。いくつかの実施態様において、第1の接合面180の幅は、0.125インチ、0.150インチ、0.175インチ、0.200インチ、0.225インチ又は0.275インチとすることができる。
【0090】
第1の接合面180および第2の接合面132は、金属および複合材料を結合するために配合されたエポキシまたは接着剤を介して固定されてもよい。接着剤は(リスト接着剤)であってもよい。さらに、第1の接合面180は、溝または隆起エンボス加工などの接着促進機構を含むことができる。これらの特徴は、組み立て中に第1および第2の構成要素の上に均一かつ制御された接着分散を助ける。
【0091】
II. リブ
ゴルフクラブヘッドは、クラブヘッド性能を決定することができる寸法および位置特性を有するリブをさらに含むことができ、それはクラブの摩耗寿命に対するインパクト反応に関連する。リブはクラブヘッドのリア部を補強してインパクト後の集中ウェイトシステムによって生じる振動を低減するように、クラブヘッド本体の内面に配置することができる。後述するように、補強リブは、クラブのリア部における質量の極端な集中によって引き起こされる振動を減衰させることができる。
【0092】
ゴルフボールでのインパクトに続いて、ゴルフクラブヘッドは反跳する。反跳の間、クラブヘッドは弾性的に屈曲または変形し、その後、運動量の保存性の結果として振動する。一般に、ゴルフクラブヘッドの振動は、クラブヘッド本体構造に対する周期的疲労のために望ましくない。曲げや振動が生じる程度は質量に正比例し、剛性に反比例する。
【0093】
上述のウェイトシステムは、第1の構成要素のバックレールに質量を局在化する。クラブヘッドのリア部に高度に集中した又は局所化された質量を配置することは、クラブヘッドのリア部の付加的な補強を必要とする。本明細書に記載のゴルフクラブヘッドの補強リブは、第1の構成要素のウェイトシステムを支持する。本明細書に記載されたゴルフクラブヘッド100と同様に、高いリア部質量を有し、補強リブを欠いているゴルフクラブヘッドは、加速された速度での繰返し疲労に失敗するであろう。特に、補強リブを欠くマルチ材料ゴルフクラブヘッドは、クラブヘッドの第1および第2の構成要素の間の重ね継手で層間剥離を経験する。さらに、高質量ウェイトシステムの振動を減衰させるための補強リブなしでは、マルチ材料ゴルフクラブヘッドが複合部品であるトウおよびヒールウィング内の材料破壊を経験し得る。
【0094】
質量を含む場所の上においてクラブヘッドボディを補強することは、ウェイト支持構造およびソール延長部のジャンクションにおける曲げおよび振動を防止するために必要となる。補強は力の方向に最も効果的であることが数学的に理解される。記載された実施形態におけるゴルフクラブヘッドは一般に、インパクトの間、前方からリア部およびクラウンからソールの方向に力を受ける。従って、
図11~
図19を参照すると、ウェイトシステムを備えるクラブのリア部を補強するために、補強リブは前方から後方への方向に延在し、クラウンからソールへの方向における高さを備える。
【0095】
図8~
図13に示す実施形態は、前方から後方に延びるほぼ平面状なリブを示す。
図9~
図13に示すようないくつかの実施形態では、リブが下部前方端部点、下部後方端部点、上部前方端部点、上部後方端部点、前縁、前縁に対向する後縁、下縁、および下縁に対向する上縁をさらに含むことができる。下部前方端部点は、ソール内面上のフロント面に向かって配置している。下部後方端部点は前方端部点の反対側に配置し、クラブのリア部の近位側に配置されている。前縁は、下部前方端部点から上部前方端部点まで延びている。後縁は、下部後方端部点から上部後方端部点まで延びている。下縁は、下部前方端部点から下部後方端部点まで延びている。上縁は、上部前方端部点から上部後方端部点まで延びている。
図8に示すような幾つかの実施形態では、リブが上部前方端部点及び前縁を欠いている。これらの実施形態では、リブ上縁が下部前方端部点から上部後方端部点まで延びている。
【0096】
1. 寸法
補強リブは、幅、高さ、厚さなどの複数の寸法を含むことができる。
図8~13の実施形態を参照すると、いくつかの実施形態において、リブ幅は、リブの前縁および後縁に沿った対向する点間の水平距離として測定することもできる。より具体的には、リブが下部前方端部点と下部後方端部点との間の水平距離として測定される最高幅を含むことができる。
【0097】
一般に、リブは、0.25インチから2.50インチの範囲の幅を有することができる。リブ幅は、0.25インチから0.50インチ、0.50インチから0.75インチ、0.75インチから1.0インチ、1.0インチから1.25インチ、1.25インチから1.50インチ、1.50インチから1.75 インチ、1.75インチから2.0インチ、または2.25インチから2.50インチの間にあり得る。いくつかの実施形態では、リブ幅はクラウンからソールの垂直方向において一定であり、いくつかの実施形態ではリブ幅はクラウンからソールの垂直方向において変化する。
【0098】
幅に加えて、リブは、リブ高さ寸法をさらに含むことができる。リブの高さは、ソール延長部の内面からリブの上縁まで、ソール延長部に垂直な方向に測定することができる。一般に、リブは、0.45インチから1.5インチの最大高さ範囲を備えることができる。いくつかの実施形態では、リブが0.45インチから0.75インチ、0.75インチから1.0インチ、1.0インチから1.25インチ、または1.25インチから1.5インチの間の最大リブ高さを備えることができる。いくつかの実施態様において、最大リブ高さは、0.48インチ又は1.03インチである。いくつかの実施形態において、リブ高さはリブ幅にわたって一定であり、いくつかの実施形態ではリブ高さはリブ幅にわたって変化する。
【0099】
図8~
図13に示す実施形態のリブは、リブの高さに垂直な方向及びヒールからトウへの方向で測定されたリブの厚さ寸法をさらに含んでもよい。
図8~
図13に示す実施形態は、0.0020インチ~0.0075インチの範囲の厚さを含むことができる。例えば、リブは、0.0020インチから0.0025インチ、0.0025インチから0.0030インチ、0.0030インチから0.0035インチ、0.0035インチから0.0040インチ、0.0040インチから0.0045インチ、0.0045インチから0.0050インチ、0.0050インチから0.0055インチ、0.0055インチから0.0060インチ、0.0060インチから0.0065インチ、0.0065インチから0.0070インチ、または0.0070インチから0.0075インチの厚さを有することができる。
【0100】
2. 位置
上述したように、寸法特性に加えて、リブがクラブのリア部を補強する程度はリブの位置によって決定することができる。リブの位置がゴルフクラブヘッドのフロント面に対して記述することができる。一般に、
図8~13の実施形態のリブはクラブヘッド長さの後方50%内に配置される。具体的には図示の実施形態では、下部前方端部点が、クラブヘッド長さの少なくとも50%であるフロント面から垂直な距離に位置している。いくつかの実施形態では、リブが後方50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、または5%内に配置される。
【0101】
上述したように、補強リブの下縁はクラブのソール部分の内面に取り付けられる。さらに、補強リブは、ウェイトシステムのベース構造170上に延在することもできる。いくつかの実施形態では、補強リブがウェイト受けボス144の間に延在する。これらの実施形態では、補強リブがウェイト受けボス144と交差しない。いくつかの実施形態では、隣り合うウェイト受けボス144の間にリブを配置することはベース構造170の領域をより少ない物質で支持することによって、ベース構造170をさらに補強する。
【0102】
3. リブ取付
いくつかの実施形態では、1つ以上の支持リブが第1の構成要素と一体に形成することができる。例えば、1つ以上の支持リブをインベストメント鋳造、ロストワックス鋳造、遠心鋳造、またはダイキャストして、1つ以上の支持リブを第1の構成要素と一体的に形成することができる。1つ以上の一体的に鋳造された支持リブは、以下に記載される実施形態に対応する平面形状を備えることができる。1つ以上の一体的に鋳造された支持リブは、ベース構造の内部面の一部とウェイトチャネルの一部とを第1の構成要素のソール延長部およびスカート部の内面に接合するように鋳造することができる。さらに、1つ以上の一体的に鋳造された支持リブは、ウェイトアンカーおよびウェイトチャネルの内面を、クラウンブリッジの内面および第1の構成要素のソール延長部のうちの少なくとも1つに接合するように鋳造することができる。
【0103】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の支持リブが第1の構成要素および第2の構成要素の両方とは別個に形成され、その後、組み立て中に所定の位置に固定され得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の支持リブがレーザジェット、ウォータージェット、スタンピング技術、CNC機械加工、またはストック材料から1つまたは複数の支持リブを切断する任意の他の好適な手段によって、ストック材料(すなわち、板金、圧延金属、プラスチック、ポリマー、スタンピング金属など)から切断することができる。1つ以上の支持リブは、溶接、レーザ溶接、超音波溶接、電気抵抗溶接、構造テーピング、接着、エポキシ、コモールディング、または1つ以上の支持リブをクラブヘッド内部に接合する任意の他の好適な手段によって、ゴルフクラブヘッドの内部に挿入され得る。
【0104】
他の実施形態では、1つまたは複数の支持リブが3D印刷(ステレオリソグラフィ、溶融蒸着モデリング、選択的レーザ焼結、選択的レーザ溶融、電子ビーム溶融、材料噴射、または任意の他の適切な3D印刷技法)、射出成形、鍛造、粉末金属焼結、または1つまたは複数の支持リブを独立して作製するための任意の他の適切な形成技法によって形成することができる。1つ以上の支持リブは、溶接、レーザ溶接、超音波溶接、電気抵抗溶接、構造テーピング、接着、エポキシ、コモールディング、または1つ以上の支持リブをクラブヘッド内部に接合する任意の他の好適な手段によって、ゴルフクラブヘッドの内部に挿入され得る。
【0105】
場合によっては、1つ以上の支持リブをゴルフクラブヘッドの内面に永久的に(または取り外し可能に)接合するために、機械的接合を実施することもできる。これらの例(図示せず)では、リブがリブチャネルを介して、下縁または上縁の少なくとも1つに沿って摺動可能に固定される。リブチャネルは、第1の構成要素または第2の構成要素の少なくとも一方の内面に配置することができる。1つまたは複数の支持リブは、スタッド、ねじ、ポスト、機械的締まり嵌め、スウェッジ、または1つ以上の支持リブを取り付ける任意の他の好適な手段などの任意の機械的固定技法を介して、下縁または上縁のうちの少なくとも1つに接合することができる。
【0106】
いくつかの実施形態では、第1の構成要素または第1および第2の構成要素がリブを受け入れて保持するためのリブ受け入れチャネルを備える。リブチャネルはクラブヘッドの内面に沿って突出してもよいし、クラブヘッドの内面内に埋め込まれてもよい。チャネルは、リブの幅に対応するチャネル長さと、リブの厚さに対応するチャネル幅とを含むことができる。
【0107】
さらに、チャネルは、リブチャネル長さに直交する断面形状を含むことができる。断面形状は、リブを受け入れ、保持することができる任意の形状を備えることができる。例えば、リブチャネルは、U字形状、V字形状、C字形状、ダブテール形状、またはリブを受け入れるのに適した任意の他の形状を有することができる。同様に、リブの上縁および下縁は、リブチャネルの断面形状に対応するエッジ形状を含むことができる。他の取り付け手段を機械的接合と組み合わせて使用してもよい。例えば、リブは、チャネルとエポキシの両方を用いてクラブの内面に固定されてもよい。
【0108】
A. 弓形リブ
いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド1000が弓形リブ1300を含むことができる。弓形リブ1300は、ウェイトシステム1136を含むクラブヘッドボディ1000のリア部を補強する。一般に、ゴルフクラブヘッド1000は、ゴルフクラブヘッド100と同様である。
図8に示すように、弓形リブ1300は湾曲した輪郭を有する。弓形リブ1300は、クラウン部1110の内面とソール部1112との中間に垂直に延在する。
【0109】
図8に示すクラブヘッド1000の特徴の多くは、
図1~7のクラブ100に関して上述した特徴と同様である。
図8の実施形態の同様の特徴は、一連の「1xxx」参照番号を使用して、同様の参照番号で参照される。したがって、いくつかの特徴は、以下で再説明されないか、またはあまり詳細に説明されないことがある。さらに、クラブヘッド1000のいくつかの特徴は、クラブヘッド100との違いに関してのみ記述することができる。したがって、特定の図面および図形は不要であり、他の図面の複製である場合がある。重複する図面は含まれていない。
【0110】
図8を参照すると、ゴルフクラブヘッド1000は、第1の構成要素1120を含む。第1の構成要素は、クラウンリターン1122と、ソールリターン1124と、ソール延長部1126と、バックレール1128と、を含む。バックレール1128は、ウェイトシステム1136をさらに備える。ウェイトシステムは、ウェイトチャネル1138と、ウェイトチャネル1138内に固定されるように構成されたウェイト部1140と、をさらに備える。上述のように、ウェイトチャネル1138は、上壁1150と後壁1152と底リップ1154によって画定され得る。ウェイト部1140は、ウェイトファスナ1142および少なくとも1つのウェイト受けボス1144を介してウェイトチャネル1138内に固定されるように構成される。クラブヘッド内部1000は、ベース構造1170をさらに備える。
【0111】
上述し、
図8に示すように、ゴルフクラブヘッド1000は、弓形リブ1300をさらに含む。弓形のリブは上述したように、複数の端部点、縁、および寸法によって規定され、記述され得る。弓形リブ1300は、下部前方端部点1302と、下部前方端部点1302に対向する下部後方端部点1304と、を備える。さらに、弓形リブ1300は、ソール部1112の内面に隣接する下縁1310と、下縁1312に対向する上縁1314と、を備える。弓形リブ1300はまた、後縁1316と、下部後方端部点1304より上の上部後方端部点1308と、を含んでもよい。
【0112】
弓形リブ1300の実施形態は、リブ幅1318と、リブ高さ1320と、リブ厚さ1322と、を含む。弓形リブ1300の幅1318は、0.5インチから2.50インチの範囲であり得る。例えば、リブ幅は、約0.5インチから1.0インチ、又は1.0インチから1.5インチ、又は1.5インチから2.0インチ、又は2.0インチから2.5インチとすることができる。別の実施形態では、リブ幅が約0.5インチ、約1.0インチ、約1.5インチ、約2.0インチ、または約2.5インチとすることができる。
【0113】
リブ1300は、上記で概説した方法で測定することができるリブ高さ1320をさらに備える。最大リブ高さは、ソール延長部1126とリブ1300の上縁1312との間の最大垂直距離として測定することができる。弓形リブ1300の最大高さ1320は、0.40インチから0.60インチの範囲であり得る。いくつかの実施態様において、弓形リブ1300の最大高さ1320は、0.40インチから0.50インチ又は0.50インチから0.60インチの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、弓形リブ1300の最大高さ1320が0.48インチとすることができる。
図8に図示されるように、リブ高さ1320はリブ1300の弓形輪郭を画定するために、幅1318にわたって変化する。リブ1300の高さ1320は曲面形状を作成するために、前から後への方向に増加する。
【0114】
リブ1300の弓形輪郭は、上縁1312に沿った曲率半径1324に従って、さらに記載されてもよい。曲率半径1324は、1.0インチから4.0インチの範囲を有することができる。例えば、曲率半径1324は、1.0インチから2.0インチ、2.0インチから3.0インチ、または3.0インチから4.0インチの範囲であり得る。いくつかの実施態様において、曲率半径1324は、約1.0インチ、1.5インチ、2.0インチ、2.5インチ、3.0インチ、3.5インチ、又は4.0インチであり得る。曲率半径1324および幅1318は、リブ幅1318が増加するとリブ曲率半径1324が増加し、およびその逆でもあるように、リブ1300内でリンクされた寸法である。
【0115】
引き続き
図8を参照すると、弓形リブ1300は、ソール延長部1126の内面、ベース構造1170、およびウェイトチャネル1138の上壁1150および後壁1152の内面から突出する。
図8に図示されるように、弓形リブ1300は下部前方端部点1302がクラブヘッドボディ1000の後方50%内に位置決めされるように、前方から後方に向けて延在する。
図8は、リブ1300がゴルフクラブヘッドボディ1000の後方30%に配置される実施形態を示す。他の実施形態では、リブ1300がクラブヘッドの後方45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%に配置することができる。例えば、リブ1300は、ゴルフクラブヘッドボディ1000の後方5%、または6%、または7%、または8%、または9%、または10%、または11%、または12%、または13%、または14%、または15%に配置することができる。
【0116】
さらに、リブ1300は、
図8に示すように、下部後方端部点1304および後縁1316がクラブヘッドボディ1000のスカート部1130に当接するように延在してもよい。いくつかの実施態様(図示せず)において、下部後方端部点1304及び後縁1316は、スカート1130に当接しない場合がある。これらの実施形態では、スカート1130と下部後方端部点1304と後縁13116は、それらの間に空間を含むことができる。
【0117】
B. クラウン・ツー・ソール・リブ
図9に示すようないくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド2000がクラウン・ツー・ソール・リブ2300を含むことができる。図示するように、リブ2300はソール2112の内面とクラウン2110の内面の間を延び、クラブヘッドボディ2000のリア部2104を補強する。リブ2300は、側断面図から見た場合に矩形形状を備えることができる。上述のように、リブ2300は、インパクト時に局所化されたウェイトシステム2136の振動運動を低減することができる。
【0118】
図9に示すクラブヘッドの特徴の多くは、
図1~7のクラブ100に関して上述した特徴と同様である。
図9の実施形態の同様の特徴は、一連の「2xxx」参照番号を使用して同様の参照番号で参照される。したがって、いくつかの特徴は、以下で再説明されないか、またはあまり詳細に説明されないことがある。さらに、クラブヘッド2000のいくつかの特徴は、クラブヘッド100との違いに関してのみ説明されてもよい。そのため、特定の図面や図形が不要になる場合がある。
【0119】
図9を参照すると、ゴルフクラブヘッド2000は、クラウン・ツー・ソール・リブ2300を含む。上述のように、リブ2300は、複数の端部点、縁、および寸法によって画定および記述され得る。リブ2300は、下部前方端部点2302と、下部前方端部点2302に対向する下部後方端部点2304と、を備える。さらに、リブ2300は、上部前方端部点2306と、下部後方端部点2304より上の上部後方端部点2308と、を備える。下部前方端部点2302および下部後方端部点2304は、下縁2310を画定することができる。同様に、リブ2300の上縁2312は、上部前方端部点2306と上部後方端部点2308との間に画定され得る。加えて、上述の点は、前縁2314および後縁2316を画定することができる。前縁2314は、下部前方端部点2302と上部前方端部点2306との間で画定され得る。リブ2300の後縁2316は、下部後方端部点2304と上部後方端部点2308との間で画定され得る。前縁2314および後縁2316はクラブヘッド2000がアドレスにあるとき、直線、且つ、ほぼ垂直であり得る。
【0120】
引き続き
図9を参照すると、リブ2300は、幅2318と、高さ2320と、厚さ2322と、を備える。リブ2300の幅2318は上述のように測定され得、ここで、幅はリブ2300の前縁2314と後縁2316との対向する点の間の水平距離として測定される。リブ2300の幅2318は、0.25インチから0.75インチの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、リブ幅2318が0.25インチから0.35インチ、0.35インチから0.45インチ、0.45インチから0.55インチ、0.55インチから0.65インチ、または0.65インチから0.75インチの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、リブ2300が0.46インチの幅を含む。
【0121】
さらに、リブ2300は、リブ高さ2320を含む。リブ高さ2320はソール延長部2126から、リブ2300の上縁2312に沿った任意の点までの垂直距離として測定され得る。リブの最大高さは、0.75インチ以上、0.80インチ以上、0.85インチ以上、0.90インチ以上、0.95インチ以上、または1.0インチ以上にすることができる。クラウン・ツー・ソール・リブ2300の厚さ2322は、リブ高さ2320と直交して、かつ、ヒールからトウへの方向に測定され得、上述の厚さを有することができる。
【0122】
図9を参照すると、クラウン・ツー・ソール・リブ2300は、ほぼ長方形のプロファイルを含むことができる。リブ2300は図示のように、ソールからクラウン部分の内面まで延びている。具体的には、リブ2310の下縁が、ソール延長部2126の内面とベース構造2170とウェイトチャネル2138の後壁2152および上壁2150から突出する。リブ2300の上縁2312は、クラウン2110に当接する。いくつかの実施形態では、上縁2312が第1の構成要素2120のクラウンブリッジ2132に当接することができる。いくつかの実施形態では、リブ2300が第1の構成要素2120と一体である。いくつかの実施形態では、クラブヘッド2300が、リブ上縁2312が複合第2構成要素2220に当接するように、クラウンブリッジ2132を欠くことができる。
【0123】
いくつかの実施形態では、リブ2300は、リブの前縁2314および後縁2316が自由であり、クラブヘッド2000の内面に当接しないように、配置され得る。リブ2300の下側後方端部点2304は同様に、スカート2130と下側後方端部点2304とがそれらの間に空間を備えるように構成することができる。これらの実施形態では、リブ2300は、幅2318がクラブヘッド長さの後方30%~5%内に含まれるように、配置され得る。
【0124】
C.砂時計形クラウン・ツー・ソール・リブ
図10に示すようないくつかの実施例では、ゴルフクラブヘッド3000が砂時計形クラウン・ツー・ソール・リブ3300を含むことができる。砂時計形クラウン・ツー・ソール・リブ3300は、リブ3300を含めることによって加えられる重量を最小限に抑えながら、クラブのリア部の剛性を増大させることができる。図示のように、リブ3300はソール3112の内面とクラウン3110の内面の間を延在し、クラブヘッドボディ3000のリア部3104を補強する。リブ3300は、側面断面図から見たときに砂時計形状を含むことができる。上述したように、リブ3300は、インパクト時に局所化されたウェイトシステム3136の振動運動を低減することができる。
【0125】
図10に示す砂時計形クラウン・ツー・ソール・リブ3300の特徴の多くは、
図9のクラブ2000および
図1~7のゴルフクラブヘッド100に関して上述したクラウン・ツー・ソール・リブの特徴に類似している。
図10の実施形態の同様の特徴は、一連の「3xxx」番号を使用して同様の参照番号で参照される。同様の特徴は、再説明されなくてもよく、または以下により詳細に説明されなくてもよい。さらに、リブ3300のいくつかの特徴は、リブ2300との相違点に関してのみ説明することができる。
【0126】
いくつかの実施形態では、ゴルフクラブヘッド3000は砂時計形リブ3300を含むことができる。リブ3300は、下部前方端部点3302と、下部前方部端部点3302に対向する下部後方端部点3304と、を備える。さらに、リブ3300は、上部前方端部点3306と、下部後方端部点3304より上の上部後方端部点3308と、を備える。下部前方端部点3302および下部後方端部点3304は、下縁3310を画定することができる。同様に、リブ3300の上縁3312は、上部前方端部点3306と上部後方端部点3308との間に画定され得る。加えて、上述の点は、前縁3314および後縁3316を画定することができる。前縁3314は、下部前方端部点3302と上部前方端部点3306との間で画定され得る。リブ3300の後縁3316は、下部後方端部点3304と上部後方端部点3308との間に画定され得る。ゴルフクラブヘッド3000の正面から観察すると、前縁3314は、ほぼ凹状の曲線を含むことができる。また、正面から観察すると、後縁3316は、概ね凸状である曲線を含むことができる。
【0127】
リブ3300は、幅3318、高さ3320、および厚さ3322を備える。リブ3300の幅3318は上述のように測定され得、ここで、幅はリブ3300の前縁3314と後縁3316との対向する点の間の水平距離として測定される。側面から見ると、
図11に示されるように、クラブヘッド3000のリブ3300は、実質的に砂時計形状または双曲線形状を備える。砂時計形状は、リブの高さ3320にわたって変化する幅3318によって形成することができる。ソールからクラウンへの方向において、リブ3300はソール3112からクラウン3110とソール3112との間の中間点まで減少し、中間点からクラウン3110まで増加するリブ幅3318を含む。高さにわたるリブ幅3318の変動は、リブ3300の重量を減らすために、砂時計または双曲線として記載されるテーパ形状を生成する。
【0128】
いくつかの実施形態では、リブ3300の幅3318を変化させることにより、一定の幅を有する実質的に同様のリブと比較して、リブ3300の重量を低減することができる。リブ3300の重量を最小にすることにより、ゴルフクラブヘッド3000の質量特性に影響を及ぼすことなく剛性を提供することができる。軽量化は、最小幅値および材料特性に応じて変化する可能性がある。
【0129】
さらに
図10を参照すると、リブ3300は図示のように、ソール3112の内面からクラウン3110に延在する。図示のように、リブ3310の下縁は、ソール延長部3126とベース構造3170とウェイトチャネル3138の後壁3152及び上壁3150の内面に近接している。リブ3300の上縁3312は、クラウン3110に当接する。いくつかの実施形態では、上縁3312が第1の構成要素3120のクラウンブリッジ3132に当接することができる。いくつかの実施形態では、リブ3300が第1の構成要素3120と一体である。いくつかの実施形態では、クラブヘッド3000が、リブ上縁2312が複合第2構成要素3220に当接するように、クラウンブリッジ3132を欠くことができる。
【0130】
いくつかの実施形態では、リブ3300が、リブの前縁3314および後縁3316が自由であり、クラブヘッド3000の内面に当接しないように、配置することができる。リブ3300の下部後方端部点3304も同様に、スカート3130および下部後方端部点3304がその間に空間を含むように構成することができる。これらの実施形態または他の実施形態では、リブ3300は、幅3318がクラブヘッド長さの後方30%~5%内に含まれるように、配置され得る。
【0131】
D. ベース・ツー・クラウン・リブ
図11を参照すると、ゴルフクラブヘッド4000は、ベース・ツー・クラウン・リブ4300を含むことができる。図示のように、リブ4300はソール4112の内面に位置するベース構造4170とクラウン4110の内面の間に延在し、クラブヘッドボディ4000のリア部4104を補強する。この実施形態では、リブ4300がウェイトシステム4136をクラウン4110に直接接合する。リブ4300は、側断面図から見ると、矩形状を含んでもよい。上述のように、リブ4300は、ウェイトシステム4136をクラウン4110に直接固定することによって、インパクト時に局所化されたウェイトシステム4136の振動運動を低減することができる。
【0132】
図11に示すベース・ツー・クラウン・リブ4300の特徴の多くは、
図9~10のクラブ2000および3000、ならびに
図1~7のゴルフクラブヘッド100に関して上述したリブの特徴と同様である。
図11の実施形態の同様の特徴は、一連の「4xxx」番号を使用して同様の参照番号で参照される。ゴルフクラブヘッド4000における同様の特徴は、再説明されないか、または以下により詳細に説明されない。さらに、リブ4300のいくつかの特徴は、リブ3300との違いに関してのみ説明されてもよい。
【0133】
上述のように、ベース・ツー・クラウン・リブ4300は、下部前方端部点4302と、下部前方端部点4302に対向する下部後方端部点4304と、を備える。さらに、リブ4300は、上部前方端部点4306と、下部後方端部点4304より上の上部後方端部点4308と、を備える。下部前方端部点4302および下部後方端部点4304は、下縁4310を画定することができる。同様に、リブ4300の上縁4312は、上部前方端部点4306と上部後方端部点4308との間に画定され得る。加えて、上述の点は、前縁4314および後縁4316を画定することができる。前縁4314は、下部前方端部点4302と上部前方端部点4306との間で画定され得る。リブ4300の後縁4316は、下部後方端部点4304と上部後方端部点4308との間に画定され得る。側断面図から観察すると、前縁4314および後縁4316はクラブヘッド4000が
図11に示されるようなアドレス位置にあるときに、概して垂直であり得る。いくつかの実施形態では、リブ4300がほぼ矩形の輪郭を有することができる。
【0134】
リブ4300は、幅4318、高さ4320、および厚さ4322を備える。リブ4300の幅4318は、リブ4300の前縁4314と後縁4316との対向する点の間で上述の方法で測定することができる。リブ4300は、上記の実施形態およびゴルフクラブヘッド100に関連して記載された高さおよび厚さの範囲を含み得る。
【0135】
リブ4300の幅4318は、0.20インチ~1.0インチの範囲を有することができる。いくつかの実施形態では、リブが0.20インチから0.30インチ、0.30インチから0.40インチ、0.40インチから0.50インチ、0.50インチから0.60インチ、0.60インチから0.70インチ、0.70インチから0.80インチ、0.80インチから0.90インチ、または0.90インチから1.0インチの範囲の幅を有することができる。いくつかの実施形態では、リブ幅4318がリブ高さ4320にわたって一定とすることができる。
図11は、一定のリブ幅4318を含むクラブヘッド4000の実施形態を示す。いくつかの実施形態では、リブ幅4318がリブ高さ4320にわたって変化することができる。リブ4300の幅4318を変化させることによって、構造的完全性を維持しながら、リブの質量を低減することができる。
【0136】
いくつかの実施形態では、リブ4300がベース構造4170とウェイトチャネル4138の後壁4152及び上壁4150から突出することができる。さらに、いくつかの実施形態では、リブ4300は、隣り合うウェイトボス4144の間でベース構造4170から突出するように配置されてもよい。リブ4300の上縁4312は、クラウン4110に当接することができる。いくつかの実施形態では、上縁4312が第1の構成要素4120のクラウンブリッジ4132に当接することができる。いくつかの実施形態では、リブ4300が第1の構成要素4120と一体である。いくつかの実施形態では、クラブヘッド4300が、リブ上縁4312が複合第2の構成要素4220に当接するように、クラウンブリッジ4132を欠くことができる。
【0137】
いくつかの実施形態では、リブ4300が、リブの前縁4314および後縁2316が自由であり、クラブヘッド4000の内面に当接しないように、配置され得る。また、リブ4300の下部後方端部点4304は
図11に示されるように、クラブヘッド4000のスカート部4130から離間するように構成されてもよい。さらに、リブ4300は、幅4318がクラブヘッド長さの後方30%~5%内に含まれるように、配置され得る。例えば、リブ1300は、ゴルフクラブヘッド4000の後方5%、または6%、または7%、または8%、または9%、または10%、または11%、または12%、または13%、または14%、または15%に配置することができる。
【0138】
E. 穴あきリブ
図12に移ると、マルチ部品ゴルフクラブヘッド5000は、質量を低減しながらクラブヘッドボディ5000のリア部を補強するための穿孔リブ5300をさらに備えることができる。より具体的には、穿孔リブ5300がバックレール5128内に配置されたウェイトシステム5136を安定させるように構成することができる。穿孔リブ5300は、リブ5300の追加がクラブヘッド5000の質量特性に影響を及ぼさないように、重量効率のよい方法でクラブヘッドボディ5000を補強することができる。
【0139】
図12に示す穿孔リブ5300の特徴の多くは、
図8~11のクラブヘッド1000~4000および
図1~7のゴルフクラブヘッド100に関して上述したリブの特徴と同様である。
図12の実施形態の同様の特徴は、一連の「5xxx」番号を使用して同様の参照番号で参照される。ゴルフクラブヘッド5000における同様の特徴は、再説明されないか、または以下により詳細に説明されない。さらに、リブ5300のいくつかの特徴は、リブ4300との相違点に関してのみ説明することができる。
【0140】
この実施形態では、リブ5300が実質的に平面状なリブ5300を貫通する少なくとも1つの穿孔5330または開口を画定することができる。
図12に示すように、穿孔5330は、ベース構造5170の上方のリブ5300の平面領域に局在化させることができる。
【0141】
図12を参照すると、穿孔リブ5300は、下部前方端部点5302と、下部前方端部点5302に対向する下部後方端部点5304と、を備えることができる。さらに、リブ5300は、上部前方端部点5306と、下部後方端部点5304より上の上部後方端部点5308と、を備える。下部前方端部点5302および下部後方端部点5304は、下縁5310を画定することができる。同様に、リブ5300の上縁5312は、上部前方端部点5306と上部後方端部点5308との間に画定され得る。さらに、上述の点は、前縁5314および後縁5316を画定することができる。前縁5314は、下部前方端部点5302と上部前方端部点5306との間に画定することができる。リブ5300の後縁5316は、下部後方端部点5304と上部後方端部点4308との間で画定され得る。側断面図から観察すると、前縁5314および後縁5316は、クラブヘッド5000が
図12に示されるようなアドレス位置にある場合、概して垂直であり得る。いくつかの実施形態では、リブ5300がほぼ矩形の輪郭を有することができる。
【0142】
リブ5300の下部後方端部点5304は
図12に示すように、クラブヘッド5000のスカート部5130から離間するように構成することができる。さらに、リブ5300は、幅5318がクラブヘッド長さの後方30%~5%内に含まれるように、配置され得る。例えば、リブ5300は、ゴルフクラブヘッド5000の後方5%、または6%、または7%、または8%、または9%、または10%、または11%、または12%、または13%、または14%、または15%に配置することができる。
【0143】
上述のように、リブ5300は、少なくとも1つの穿孔5330を画定する。穿孔は、中実材料構造を有する同様のリブと比較して、リブ5300の重量を節約することができる。いくつかの実施形態では、重量節約スキャンは、ネスティング技術に従って穿孔5330を配置することによって最大化される。ネスティング技術は、リブ5300の構造的完全性を維持しながら重量節約を最大にするために、間隔をあけて穿孔5330を位置決めすることを備えることができる。
図12に示されるリブ5300の実施形態は、六角形の充填パターンに入れ子にされた穿孔5330を備える。この構成では、リブ5300が同様の寸法を有する中実リブと比較した場合に、同等の構造的完全性を提供することができる。
【0144】
図12に示す実施形態では、穿孔リブ5300が複数の円形穿孔5330を含む。図示されるように、穿孔リブ5300は、0.010インチの直径を含む14個の円形状穿孔5330を含む。いくつかの実施形態では、リブ5300が多かれ少なかれ穿孔を含むことができる。さらに、いくつかの実施形態では、少なくとも1つの穿孔5330が0.010インチより大きい直径を含むことができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの穿孔5330が0.010インチ未満の直径を含むことができる。
【0145】
いくつかの実施形態では、穿孔リブが
図12に示されるような矩形形状を有する輪郭を有することができる。他の実施形態では、穿孔リブ5300が
図8のように弓形の輪郭、または
図10のように砂時計形の輪郭を含むことができる。他の実施形態では、リブ5300がクラブヘッド5000を補強するのに適した任意の輪郭形状を含むことができる。
【0146】
上記のように、リブ5300は、上記のクラブヘッドおよびリブの実施形態のいずれかに関連する幅、高さ、および厚さ寸法を有する可能性がある。さらに、リブ5300は、上述のゴルフクラブヘッドおよびリブの実施形態のいずれかに従って位置決めすることができる。
【0147】
F. トラスリブ
図13に示すように、マルチ部品ゴルフクラブヘッド6000は、クラブヘッドボディ6000のリア部を補強するためのトラスリブ6300を含むことができる。より具体的には、トラス6300がバックレール6128内に位置するウェイトシステム6136を安定させるように構成されてもよい。トラスリブ6300は、リブ6300の追加がクラブヘッド6000の質量特性に影響を及ぼさないように、重量効率のよい方法でクラブヘッドボディ6000を補強することができる。
【0148】
図13に示すトラスリブ6300の特徴の多くは、
図8~12のクラブヘッド1000~5000および
図1~7のゴルフクラブヘッド100に関して上述したリブの特徴と同様である。
図13の実施形態の同様の特徴は、一連の「6xxx」番号を使用して同様の参照番号で参照される。ゴルフクラブヘッド6000における同様の特徴は、再説明されないか、または以下により詳細に説明されない。さらに、リブ6300のいくつかの特徴は、リブ5300との相違点に関してのみ説明することができる。
【0149】
この実施形態では、リブ6300はトラスを含むことができる。トラスは、実質的に平面状なリブ6300に少なくとも1つの開口6330を画定する。少なくとも1つの開口6330は、多角形の幾何学的形状を含むことができる。例えば、少なくとも1つの開口は、三角形形状、長方形形状、又は多角形形状を有することができる。多角形開口6330は、3~8の辺を含むことができる。いくつかの実施形態では、リブ6300が複数の開口6330を含むことができる。いくつかの実施形態では、開口6330が実質的に同様の幾何学的形状を含むことができる。いくつかの実施形態では、開口6330が異なる幾何学的形状を含むことができる。
【0150】
図13を参照すると、トラスは、ベース6170の上方のリブ6300の平面領域に局在化させることができる。穿孔リブ6300は、下部前方端部点6302と、下部前方端部点5302に対向する下部後方端部点5304と、を含むことができる。さらに、リブ5300は、上部前方端部点6306と、下部後方端部点6304より上の上部後方端部点6308と、を備える。下部前方端部点6302および下部後方端部点6304は、下縁6310を画定することができる。同様に、リブ6300の上縁6312は、上部前方端部点6306と上部後方端部点6308との間に画定され得る。加えて、上述の点は、前縁6314および後縁6316を画定し得る。前縁6314は、下部前方端部点6302と上部前方端部点6306との間で画定され得る。リブ6300の後縁6316は、下部後方端部点6304と上部後方端部点6308との間に画定され得る。側断面図から観察すると、前縁6314および後縁6316は、クラブヘッド6000が
図13に示されるようなアドレス位置にある場合、略垂直であり得る。いくつかの実施形態では、リブ6300がほぼ矩形の輪郭を有することができる。
【0151】
上述のように、リブ6300は、穿孔6330を含む。開口6330は、中実材料構造を有する同様のリブと比較して、リブ6300の重量を節約することができる。
【0152】
いくつかの実施態様において、トラスリブ6300は
図13に示されるように、長方形の形状を有する輪郭を有することができる。他の実施形態では、穿孔リブ6300が
図8のように弓形の輪郭、または
図10のように砂時計形の輪郭を含むことができる。他の実施形態では、リブ5300がクラブヘッド6000を補強するのに適した任意の輪郭形状を含むことができる。
【0153】
リブ6300の下部後方端部点6304は
図12に示すように、クラブヘッド6000のスカート部6130から離間するように構成することができる。さらに、リブ6300は、幅6318がクラブヘッド長さの後方30%~5%内に含まれるように、配置され得る。例えば、リブ6300は、ゴルフクラブヘッド6000の後方5%、または6%、または7%、または8%、または9%、または10%、または11%、または12%、または13%、または14%、または15%に配置することができる。
【0154】
実施例
先に議論したように、上記の実施形態で詳細に説明した支持リブの寸法および構成は、インパクト後にウェイトシステムが振動する大きさに影響を及ぼす。低い振動は、望ましいものであり、且つ、より長いクラブ寿命のために材料疲労のレベルの低下と関連している。ウェイト部の振動は、インパクト中およびインパクト後のウェイト部の速度を測定することによって反映させることができる。ウェイト部の速度は、ゴルフスイング中のクラブヘッドの全体的なねじれおよびフェースの変形から離して測定することができる。そのために、ウェイト部の速度が基準面に対して測定される。基準面はロフト面と平行であり、ロフト面から1.0インチ後方にオフセットする。基準面は、ゴルフボールのインパクト中にクラブヘッドが最小量の全体のねじれ及び並進を経験する場所に配置された。基準面の位置決めは、クラブヘッドの構造に対するウェイト部の速度の孤立した測定を可能にした。基準面は、ソールからクラウンに延びる方向に平面内に延びるY’軸を規定する。ウェイト部の速度は、一般にY’軸の方向で測定した。
【0155】
ウェイト部の振幅と速度は、Y’軸に関して測定することができる。Y’軸方向の速度測定値は、ウェイト部の移動量を時間で示す。クラブヘッドの耐久性を高めるには、大きさと周波数の値を小さくすることが望ましい。
【0156】
以下の例では、有限要素解析(FEA)を用いてウェイト部の速度を記録した。各例において、ゴルフクラブヘッドは、実質的に同様の構造およびウェイト部の構成を含む。実施例は、別個のリブ構成を含む。実施例のゴルフクラブヘッドは、上述のゴルフクラブヘッド100、1000、2000、3000、4000、5000、および/または6000と同様の第1の構成要素および第2の構成要素を備える。各実施例のクラブヘッドをコントロールクラブヘッドと比較した。コントロールクラブヘッドは、実施例のクラブヘッドに類似していたが、補強リブまたは支持リブを欠いていた。
【0157】
各実施例について、ゴルフボールによるインパクトを120mphでシミュレートした。ウェイト部は、中央ボスに固定され、30グラムの質量を含んでいた。
図14~16に示すように、ウェイト部の質量中心の速度は、Y’軸に沿って記録された。リブで支持されたウェイト構造を含む実施例のクラブヘッドは、コントロールクラブヘッドと比較して、インパクト後のウェイト部の速度を45%から91%以上に低減した。
【0158】
a. 実施例1
ゴルフボールとのインパクト時の第1のクラブヘッドにおけるウェイト部の安定性を、コントロールクラブヘッドにおけるウェイト部の安定性と比較した。第1のクラブヘッドは、上述したクラブヘッド1000および
図8と同様であった。第1のクラブヘッドは、第1および第2の弓形リブを含んでいた。弓形リブは実施例1000と同様に、前方端点で内面から第1のクラブヘッドのスカート部分まで延在する。第1リブと第2リブの両方が、第1実施例のヘッドの第1金属部品である以下の内面を接合する:スカート部、ウェイトチャネルの上壁、ウェイトチャネルの後壁、ボス延長部を支持するベース構造、ソール延長部。
【0159】
第1のリブは第1の構成要素の内面から突出しており、ベース構造のヒールボスと中央ボスとの間に配置されていた。第2リブは第1の構成要素の内面から突出しており、複数の受けボスのうちの中央ボスとトウボスとの間に配置されていた。さらに、第1のリブは、1.70インチの幅、0.48インチの高さ、および0.0025インチの厚さを含んでいた。第2のリブは、1.45インチの幅、0.48インチの高さ、0.0025インチの厚さで構成されていた。第1および第2のリブは、2.0インチの曲率半径を備えていた。
【0160】
図14のグラフに示すように、FEA解析は、第1のクラブヘッドおよびコントロールクラブヘッドの両方について、ゴルフボールとのインパクト後の秒単位の時間に関して、ウェイト部の重心で測定されたウェイト部の速度を追跡した。第1クラブヘッドのFEA解析は、約10.2インチ/秒の最大のウェイト部の速度をもたらした。コントロールクラブヘッドでは、ウェイト部の速度が約30.7インチ/秒で急激にピークを示す。材料の疲労を引き起こす高速性に加えて、ウェイト部の速度の急激なピーキングは、材料の疲労を増大させ、耐久性の問題を引き起こす応力をウェイトシステムに加える可能性がある。コントロールクラブヘッドにおけるウェイト部の速度の急激なピーキングは、ウェイト部がウェイトチャネルの上壁に衝突することによって生じる。
【0161】
コントロールクラブヘッドと比較した場合、ウェイト部の速度は約66%減少した。ウェイト部の速度(クラブヘッドのリア部の振動に対応する)を40%以上減少させることにより、クラブヘッドが破損することが防止される。ウェイト部の速度がより大きなパーセントだけ減少すると、クラブヘッドが受ける繰り返し疲労が減少し、それによってクラブの耐久性が増大する。ウェイト部の速度を減少させることは、高質量なウェイトシステムの移動を制限し、従って、減衰されない場合、第1の金属部品から第2の複合部品を剥離させる可能性のある振動を防止する。この実施例は、第1のクラブヘッドの弓形の第1および第2のリブがインパクト後のウェイト部の振動を減少させ、クラブヘッドの耐久性を増加させるソールとウェイトシステムとの間の剛性のある連結を作り出すことを示した。
【0162】
b. 実施例2
ゴルフボールとのインパクト時の第2の実施例のクラブヘッドにおけるウェイト部の安定性を、コントロールクラブヘッドにおけるウェイト部の安定性と比較した。第2のクラブヘッドは上述し、
図9に示したクラブヘッド2000と同様であった。第2のクラブヘッドは、クラウンブリッジを有する第1の金属部品と、ソール延長部からクラウンブリッジに延びる一定幅のリブと、を備えていた。長方形リブは、第1の金属部品のソール延長部、ベース構造、ウェイトチャネルの上壁、ウェイトチャネルの後壁、およびクラウンブリッジの内面を接合した。クラウンブリッジは、0.75インチ未満のクラウンブリッジ幅で構成されていた。最大リブ幅は0.46インチであった。リブの厚さは0.0025インチであった。
【0163】
さらに、リブは、ヒールボスと中央ボスとの間のベース構体の面から突出するように配置された。リブは、ゴルフクラブヘッドの後方20%に配置された。ソール部の内面に沿ったリブの下部前方端部点は、クラブヘッドのフロント面からより4.0インチ離間していた。加えて、リブの下部後方端部点は、スカートから0.25インチ離間していた。
【0164】
図15のグラフに示すように、FEA解析は、第2のクラブヘッドおよびコントロールクラブヘッドの両方について、ゴルフボールとのインパクト後の秒単位の時間に関して、ウェイト部の重心で測定されたウェイト部の速度を追跡した。第2クラブヘッドのFEA解析は、インパクト後に約3インチ/秒の最大のウェイト部の速度をもたらした。コントロールクラブヘッドは、実施例1について上述したように実施された。コントロールクラブヘッド内のウェイト部の最大速度と比較すると、第2クラブヘッド内のウェイト部の速度は85%減少した。
【0165】
実施例1について説明したように、(クラブヘッドのリア部の振動に対応する)ウェイト部の速度を40%以上減少させることにより、クラブヘッドが破損することが防止される。ウェイト部の速度がより大きなパーセントだけ減少すると、クラブヘッドが受ける繰り返し疲労が減少し、それによってクラブの耐久性が増大する。この実施例は、第2のクラブヘッドの幅の広いクラウン・ツー・ソール・リブが、ウェイトシステムがほとんど振動しないように、クラブヘッドのリア部を著しく補強することを示している。
【0166】
c. 実施例3
ゴルフボールとのインパクト時の第3のクラブヘッドにおけるウェイト部の安定性を、コントロールクラブヘッドにおけるウェイト部の安定性と比較した。第3のクラブヘッドは上述し、
図11に示したクラブヘッド4000と同様であった。第3のクラブヘッドは、一定幅のクラウン・ツー・ソール・リブを含んでいた。第3のクラブヘッドリブは、ベース構造物、ウェイトチャネルの上壁、ウェイトチャネルの後壁及びクラウンブリッジの内面に接合されていた。
【0167】
リブは第2の実施例のクラブヘッドのリブと同様に、実質的に長方形の輪郭を有していた。しかしながら、第3のクラブヘッドリブは、リブがソール延長部の内面に合致しないように、縮小したリブ幅を備えていた。言い換えれば、第3のクラブヘッドリブはウェイトシステムに接続されているが、ソール延長部に直接接続されなかった。リブ幅の測定値は0.26インチであった。リブの厚さは0.0025インチであった。
【0168】
さらに、リブは、ヒールボスと中央ボスとの間のベース支持体の面から突出するように配置された。リブは、ゴルフクラブヘッドの後方15%に配置された。ソール部の内面に沿ったリブの下部前方端部点は、クラブヘッドのフロント面からより4.5インチ離間していた。加えて、ヒールの下部後方端部点は、スカートから0.25インチ離間していた。
【0169】
図15のグラフに示すように、FEA解析は、第3のクラブヘッドおよびコントロールクラブヘッドの両方について、ゴルフボールとのインパクト後の秒単位の時間に関して、ウェイト部の重心で測定されたウェイト部の速度を追跡した。第3クラブヘッドのFEA解析は、インパクト後に約20インチ/秒の最大のウェイト部の速度をもたらした。コントロールクラブヘッドは、実施例1について上述したように実施された。コントロールクラブヘッドにおけるウェイト部の最大速度と比較すると、第3クラブヘッドにおけるウェイト部の速度は43%減少した。
【0170】
この例は、第2の実施例のクラブヘッドリブよりも小さい幅を有するリブがクラブヘッドをそれほど強く補強させないことを示す。しかしながら、第3の実施例のクラブヘッドのより小さな幅のリブは、コントロールクラブヘッドよりも有意な利点を依然として提供する。さらに、第3のクラブヘッドのより小さい幅のリブは、第2のクラブヘッドのより広いリブよりも小さい質量を含む。従って、第3のゴルフクラブヘッドのより小さい幅のリブは、所望の質量特性を保存しつつ、ウェイトシステムに剛性及び支持を与える。
【0171】
d. 実施例4
ゴルフボールとのインパクト時の第4のクラブヘッドにおけるウェイト部の安定性を、コントロールクラブヘッドにおけるウェイト部分の安定性と比較した。第4のクラブヘッドは、一定の幅を有する実質的に長方形のリブを含んでいた。
【0172】
第4のクラブヘッドの補強リブは、第3の実施例のクラブヘッドのリブと寸法的に類似していた。例えば、リブ幅は0.26インチ、リブ厚は0.0025インチであった。しかしながら、第4のクラブヘッドでは、リブがゴルフクラブヘッドのフロント面により近く配置された。特に、リブはベース構造の前方に位置し、リブのどの部分もウェイト構造のどの部分にも接触しなかった。言い換えれば、リブは、ウェイトシステムから切り離され、分離され、または非接続であった。ソール延長部の内面に沿ったリブの後方端部点は、ベース構造の側壁から0.01インチ離間していた。
【0173】
第4のクラブヘッドでは、リブがゴルフクラブヘッドの後方20%に配置された。ソール部の内面に沿ったリブの下部前方端部点は、クラブヘッドのフロント面から4.0インチよりも大きく離間されていた。
【0174】
図15のグラフに示すように、FEA解析は、第4のクラブヘッドおよびコントロールクラブヘッドの両方について、ゴルフボールとの衝突後の秒単位の時間に関して、ウェイト部の重心で測定されたウェイト部の速度を追跡した。第4クラブヘッドのFEA解析は、約34インチ/秒の最大のウェイト部の速度をもたらした。コントロールクラブヘッドは、実施例1について上述したように実施された。コントロールクラブヘッドにおけるウェイト部の最大速度と比較すると、第4の実施例のクラブヘッドにおけるウェイト部の速度は3%減少した。
【0175】
第4のゴルフクラブヘッドは、コントロールゴルフクラブとほぼ同様に動作した。この実施例は、クラブヘッドがウェイトシステムから切り離されたリブを含む場合、リブがウェイト部の振動を防止する上で最小の効果を有することを示している。従って、ウェイト部の速度を効果的に減少させるために、支持または補強リブは、ウェイトシステムの少なくとも一部と接触または係合しなければならない。特に、ウェイト部の振動を効果的に低減するために、リブは、ベース構造、ウェイトチャネルの後壁、およびウェイトチャネルの上壁のうちの1つまたは複数に接しなければならない。ウェイトシステムにリブを取り付けることで、ウェイトシステムが受ける応力をリブに移し分散させることができる。リブがソールからウェイトシステム上まで広がる実施形態では、リブがウェイトチャネルの後壁およびウェイトチャネルの上壁がインパクト時に互いに座屈またはヒンジするのを防止することができる。
【0176】
e. 実施例5
ゴルフボールとのインパクト時の第5のクラブヘッドにおけるウェイト部の安定性を、コントロールクラブヘッドにおけるウェイト部分の安定性と比較した。第5のクラブヘッドは上述し、
図10に示したクラブヘッド3000と同様であった。第5のクラブヘッドは、砂時計形クラウン・ツー・ソール・リブを含んでいた。より具体的にはゴルフクラブヘッドが第1の金属構成要素および第2の複合構成要素を含み、第1の構成要素はクラウンブリッジを含む。砂時計形リブは、ソール延長部、ベース構造、ウェイトチャネルの上壁、ウェイトチャネルの後壁、およびクラウンブリッジの内面を接合した。
【0177】
この第5のクラブヘッドでは、リブが可変リブ幅を有する砂時計形の輪郭を含んでいた。下部前方端部点から下部後方端部点までソールに沿って水平に測定したリブ幅は0.46インチであった。上部前方端部点から上部後方端部点までのクラウンに沿って水平に測定したリブ幅は0.46インチであった。リブの最小幅は、約0.15インチから0.23インチである。リブの厚さは0.0025インチであった。
【0178】
また、リブは、ヒールボスと中央ボスとの間のベース構造から突出するように配置された。リブはまた、ソール部の内面におけるリブの前方端部点がクラブヘッドの前面から4.5インチよりも大きく離間するように、ゴルフクラブヘッドの後方20%に配置された。加えて、リブの後方端部点は、スカートから0.25インチ離間していた。
【0179】
図16のグラフに示すように、FEA解析は、第5のクラブヘッドおよびコントロールクラブヘッドの両方について、ゴルフボールとのインパクト後の秒単位の時間に関して、ウェイト部の重心で測定されたウェイト部の速度を追跡した。第5クラブヘッドのFEA解析は、約5インチ/秒の最大のウェイト部の速度をもたらした。コントロールクラブヘッドは、実施例1について上述したように実施された。コントロールクラブヘッドにおけるウェイト部の最大速度と比較すると、第5クラブヘッドにおけるウェイト部の速度は85%減少した。
【0180】
第5のクラブヘッドの砂時計形状のリブは、実施例2で上述した第2のクラブヘッドの長方形のリブとほぼ同じパーセンテージだけ、ウェイト部の速度を減少させた。砂時計形リブは長方形リブよりも小さい体積を含むので、砂時計形リブは長方形リブよりも小さい質量も含む。従って、第5クラブヘッドの砂時計形状のリブは、クラブヘッドに不必要な構造質量を付加することなく、ウェイトシステムの振動を防止する。加えて、砂時計形状のリブは、長方形のリブと同じ表面積剛性を提供する。いくつかの実施形態では、砂時計形状のリブが矩形のリブよりもソールおよび/またはクラウンのより大きな表面積に接触することによって、より大きな表面積剛性を提供する。
【0181】
f. 実施例6
ゴルフボールとのインパクト時の第6のクラブヘッドにおけるウェイト部の安定性を、コントロールクラブヘッドにおけるウェイト部の安定性と比較した。第6のクラブヘッドは上述し、
図13に示したクラブヘッド6000と同様であった。第6のクラブヘッドは、トラス付きクラウン・ツー・ソール・リブを含んでいた。第6のクラブヘッドのリブは第2のクラブヘッドリブと同様に、実質的に長方形の輪郭を含んでいた。第6のクラブヘッドのリブは一定の幅を有していた。リブは、第1の金属部品のソール延長部、ベース構造、ウェイトチャネルの上壁、ウェイトチャネルの後壁、およびクラウンブリッジの内面に接合された。リブの幅は0.46インチであった。リブの厚さは0.0025インチであった。
【0182】
リブは、ヒールボスと中央ボスとの間のベース構造の内面から突出するように配置された。さらに、リブは、ゴルフクラブヘッドの後方20%に配置された。ソール部の内面に沿ったリブの前方端部点は、ゴルフクラブヘッドのフロント面から4.5インチよりも大きく離間していた。ソール内面上のリブの後方端部点は、スカートから0.25インチ離間していた。
【0183】
図16のグラフに示すように、FEA解析は、第6のクラブヘッドおよびコントロールクラブヘッドの両方について、ゴルフボールとのインパクト後の秒単位の時間に関して、ウェイト部の重心で測定されたウェイト部の速度を追跡した。第6クラブヘッドのFEA解析は、約10インチ/秒の最大のウェイト部の速度をもたらした。コントロールクラブヘッドは、実施例1について上述したように実施された。コントロールクラブヘッドにおけるウェイト部の最大速度と比較すると、第6クラブヘッドにおけるウェイト部の速度は71%減少した。
【0184】
第6のクラブヘッドのリブのトラス構造はリブの質量を減少させる一方で、クラブヘッドのリア部を依然として支持し、補強する。第6のクラブヘッドは、実施例2の矩形リブほどウェイト部の速度を低下させない。この性能のわずかな減少は、リブの構造的完全性の減少に起因し得る。トラス開口部のリブの縁への近接は、リブの構造強度の低下に寄与する可能性がある。代替の実施形態では、トラス開口または構造がリブの中央部分内に集中させることにより、リブの強度を増大させ、ウェイトシステムの振動に対してより効果的であることができる。
【0185】
g. 実施例7
ゴルフボールとのインパクト時の第7のクラブヘッドにおけるウェイト部の安定性を、コントロールクラブヘッドにおけるウェイト部の安定性と比較した。第7のクラブヘッドは上述し、
図12に示したクラブヘッド5000と同様であった。第7のクラブヘッドは、穿孔されたクラウン・ツー・ソール・リブを含んでいた。具体的には、リブが直径0.01インチの円形の穿孔を備えていた。さらに、円形の穿孔または切り欠きは、六角形の充填パターンで配列された。切り抜きは、ソール延長部の少なくとも0.25インチ上方の領域に局在化された。
【0186】
リブは、ヒールボスと中央ボスとの間のベース構造の面から突出するように配置された。リブは、ゴルフクラブヘッドの後方20%に配置された。ソール部の内面に沿ったリブの前方端部点は、クラブヘッドのフロント面から4.0インチよりも大きく離間していた。加えて、リブの後方端部点は、スカートから0.25インチ離間していた。
【0187】
図16のグラフに示すように、FEA解析は、第7のクラブヘッドおよびコントロールクラブヘッドの両方について、ゴルフボールとのインパクト後の秒単位の時間に関して、ウェイト部の重心で測定されたウェイト部の速度を追跡した。第7のクラブヘッドのFEA解析は、約6インチ/秒の最大のウェイト部の速度をもたらした。コントロールクラブヘッドは、実施例1について上述したように実施された。コントロールクラブヘッドにおけるウェイト部の最大速度と比較すると、第7のクラブヘッドにおけるウェイト部の速度は83%減少した。
【0188】
第7のクラブヘッドリブの円形状の穿孔構造はリブの質量を減少させる一方、クラブヘッドのリア部を依然として支持し、補強する。第7の円形状の穿孔リブは第6トラスリブよりもさらにウェイト部の速度を低下させる。第7のクラブヘッドリブはリブの重量を軽減しながら、ウェイト部の速度をほぼ矩形の第2のクラブヘッドリブと同程度に減少させる。円形状の穿孔リブは、構造強度と重量の両方の節約を提供する。
【0189】
第1項:第2の構成要素に接着されてそれらの間に閉じた内部容積を画定する第1の構成要素を備えるゴルフクラブヘッドであって、ゴルフクラブヘッドは、ゴルフボールを打撃するように構成されたストライクフェースと、前記ストライクフェースに対向するリア部と、クラウンと、前記クラウンに対向するソールと、ヒール端部と、前記ヒール端部に対向するトウ端部と、を有する、ゴルフクラブヘッド、を備えるゴルフクラブであって、前記第1の構成要素は、前記ストライクフェースから後方に延びており、前記クラウンの一部を形成するクラウンリターンと、前記ストライクフェースから後方に延びており、前記ソールの一部を形成するソールリターンと、前記ソールリターンから後方に延びており、前記ソールの一部を形成するソール延長部と、前記ソール延長部に接合されているバックレールと、を有しており、前記バックレールは、上壁、後壁、およびリップを含み、前記上壁と前記後壁と前記リップは一緒になって、ヒールからトウに向かう方向において、前記バックレールに沿って延びているチャネルを画定しており、前記第2の構成要素は、前記クラブヘッドの前記ヒール端部の周りで前記クラウンから前記ソールまで延びているヒール側ウイングと、前記クラブヘッドの前記トウ端部の周りで前記クラウンから前記ソールまで延びているトウ側ウイングと、を有しており、前記ソール延長部は、前記ストライクフェースから後方への方向において測定したときに、前記リターンよりも前記ストライクフェースからより大きな距離だけ離れて延びており、前記チャネルは、少なくとも14グラムのウェイト部を受け入れるように構成されており、前記第1の構成要素は、ゴルフクラブヘッドの総質量の約85%~90%を含む、ゴルフクラブ。
【0190】
第2項:リブが、前記クラブヘッドの閉じた前記内部容積の内面に配置されている、第1項に記載のクラブヘッド。
【0191】
第3項:前記リブは、前記バックレールと前記ソール延長部に近接した前記内面上に配置されている、第2項に記載のクラブヘッド。
【0192】
第4項:前記リブは、前記ソール延長部の前記内面に垂直に測定されたリブ高さをさらに含む、第1項に記載のクラブヘッド。
【0193】
第5項:前記リブ高さは、前方から後方に向けて弓形に増加する、第4項に記載のクラブヘッド。
【0194】
第6項:前記クラブヘッドは、前記クラウンリターンと前記バックレールと一体的に形成され、前記ストライクフェースから前記リア部への方向に延びているクラウンブリッジ、をさらに備える、第1項に記載のクラブヘッド。
【0195】
第7項:前記リブは、前記ソール延長部の内面から前記クラウンブリッジまで延びている、第6項に記載のクラブヘッド。
【0196】
第8項:前記リブは、前記リア部の最後点の20%以内に配置されている、第7項に記載のクラブヘッド。
【0197】
第9項:前記リブは、前記リア部の最後点の10%以内に配置されている、第7項に記載のクラブヘッド。
【0198】
第10項:前記リブは、複数の穿孔を形成する、第7項に記載のクラブヘッド。
【0199】
第11項:第2の構成要素に接着されてそれらの間に閉じた内部容積を画定する第1の構成要素を備えるゴルフクラブヘッドであって、ゴルフクラブヘッドは、ゴルフボールを打撃するように構成されたストライクフェースと、前記ストライクフェースに対向するリア部と、クラウンと、前記クラウンに対向するソールと、ヒール端部と、前記ヒール端部に対向するトウ端部と、を有する、ゴルフクラブヘッド、を備えるゴルフクラブであって、前記第1の構成要素は、前記ストライクフェースから後方に延びており、前記クラウンの一部を形成するクラウンリターンと、前記ストライクフェースから後方に延びており、前記ソールの一部を形成するソールリターンと、前記ソールリターンから後方に延びており、前記ソールの一部を形成するソール延長部と、前記ソール延長部に接合されているバックレールと、を有しており、前記バックレールは、上壁、後壁、およびリップを含み、前記上壁と前記後壁と前記リップは一緒になって、ヒールからトウに向かう方向において、前記バックレールに沿って延びているチャネルを画定しており、前記チャネルの前記後壁は複数のウェイト受けボスを有しており、前記第2の構成要素は、前記クラブヘッドの前記ヒール端部の周りで前記クラウンから前記ソールまで延びているヒール側ウイングと、前記クラブヘッドの前記トウ端部の周りで前記クラウンから前記ソールまで延びているトウ側ウイングと、を有しており、前記ソール延長部は、前記ストライクフェースから後方への方向において測定したときに、前記リターンよりも前記ストライクフェースからより大きな距離だけ離れて延びており、前記チャネルは、少なくとも14グラムのウェイト部を受け入れるように構成されており、前記第1の構成要素は、ゴルフクラブヘッドの総質量の約85%~90%を含み、リブが、前記クラブヘッドの閉じた前記内部容積の内面に配置されている、ゴルフクラブ。
【0200】
第12項:前記リブは、前記ウェイト受けボスの間に延在し、前記バックレールの内面と前記ソール延長部と一体である、第11項に記載のクラブヘッド。
【0201】
第13項:前記リブは前記クラウンブリッジから前記ソール延長部に延びている第1の弓形面を備えており、前記第1の弓形面は前記ストライクフェースに対して垂直に見たときに凸状であり、前記リブは前記クラウンブリッジから前記ソール延長部に延びている第2の弓形面を備えており、前記第2の弓形面は前記ストライクフェースに対して垂直に見たときに凹状である、第11項に記載のクラブヘッド。
【0202】
第14項:前記リブは、複数の穿孔を形成する、第13項に記載のクラブヘッド。
【0203】
第15項:前記複数の穿孔は、円形、三角形、四角形、五角形、六角形、台形、八角形、および長方形からなる群からの形状を含む、第14項に記載のクラブヘッド。
【0204】
第16項:前記第1の構成要素と前記第2の構成要素は、それらの間に重ね継手または凹状リップを画定し、前記第2の構成要素は、前記重ねにわたって前記第1の構成要素に接着される、第11項に記載のクラブヘッド。
【0205】
第17項:前記重ね継手は、前記重ね継手の表面にわたって複数の接着促進特徴を含む、第16項に記載のクラブヘッド。
【0206】
第18項:前記リブは、前記チャネルの全幅にわたって延びている、第11項に記載のクラブヘッド。
【0207】
第19項:前記第2の構成要素は、前記第2の構成要素の全体重量を低減するために、1つ以上の薄くされた部分を含む、第11項に記載のクラブヘッド。
【0208】
第20項:前記薄くされた部分は、0.002インチから0.035インチの間である第19項に記載のクラブヘッド。
【0209】
第21項:第1の構成要素と第2の構成要素を形成することを含むゴルフクラブヘッドを形成する方法であって、前記第1の構成要素が金属材料からなり、前記第2の構成要素が複合材料からなり、前記第1の構成要素を前記第2の構成要素に結合してゴルフクラブヘッドを形成し、前記ゴルフクラブヘッドがストライクフェース、クラウン、ソール、ヒール端部、トウ端部、およびリア部を含み、前記第1の構成要素が前記ストライクフェース、クラウンリターン、ソールリターン、ソール延長部、およびバックレールを含み、前記バックレールが上壁、後壁、およびボトムリップをさらに含み、前記上壁、前記後壁、および前記ボトムリップがチャネルを画定し、前記チャネルが少なくとも14gのウェイト部を受け入れるように構成され、前記ソール延長部が前記ソールリターンを前記バックレールに接続し、前記ソール延長部が内面を含み、少なくとも1つのリブが前記ソール延長部の内面から前記バックレールまで延びて、前記ソール延長部の内面、上壁の内面、および後壁の内面を接合し、前記第2の構成要素はクラウン、トウ側ウイング、およびヒール側ウイングを含み、前記トウ側ウイングと前記ヒール側ウイングは前記クラウンを前記ソールに接続し、前記第1の構成要素は、ゴルフクラブヘッド総質量の85%~90%を含む、ゴルフクラブヘッドを形成する方法。
【0210】
ゴルフに対する規則は時々変化し得る(例えば、新しい規則が採用され得るか、または古い規則がゴルフ標準団体および/または支配団体によって排除または修正され得る)ので、本明細書中に記載される方法、器具、および/または製品に関連するゴルフ用具は、任意の特定の時点で、ゴルフの規則に適合し得るか、または適合しないかもしれない。したがって、本明細書に記載される方法、装置、および/または製品に関連するゴルフ用具は、適合または不適合のゴルフ用具として広告され、販売のために提供され、および/または販売されてもよい。本明細書に記載される方法、装置、および/または製品は、この点に関して限定されない。
【0211】
動作の特定の順序が上述されているが、これらの動作は他の時間シーケンスで実行されてもよい。例えば、上述した2つ以上のアクションは順次、連続的に、または同時に実行されてもよい。あるいは、2つ以上の動作を逆の順序で実行してもよい。さらに、上述の1つまたは複数のアクションは、まったく実行されなくてもよい。本明細書に記載される装置、方法、および製品は、この点に関して限定されない。
【0212】
本発明は様々な態様に関連して説明されてきたが、本発明はさらなる変異が可能であることが理解されるのであろう。この出願は、一般に、発明の原理に従う発明のあらゆる変形、使用または適用に及ぶことが意図されており、発明が関係する分野内の周知の通例の実施によってもたらされる本開示からの逸脱を含む。