(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】表示基板及び表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20240820BHJP
G09G 3/3233 20160101ALI20240820BHJP
G09G 3/20 20060101ALI20240820BHJP
H10K 59/12 20230101ALI20240820BHJP
【FI】
G09F9/30 338
G09F9/30 365
G09F9/30 348A
G09G3/3233
G09G3/20 611H
G09G3/20 680F
H10K59/12
(21)【出願番号】P 2021538033
(86)(22)【出願日】2020-07-15
(86)【国際出願番号】 CN2020102161
(87)【国際公開番号】W WO2021114660
(87)【国際公開日】2021-06-17
【審査請求日】2023-07-12
(31)【優先権主張番号】201922237251.2
(32)【優先日】2019-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】519385216
【氏名又は名称】北京京▲東▼方技▲術▼▲開▼▲発▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BEIJING BOE TECHNOLOGY DEVELOPMENT CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 407,Building 1,No.9 Dize Road,BDA,Beijing,100176,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(72)【発明者】
【氏名】▲許▼ 晨
(72)【発明者】
【氏名】▲ハオ▼ 学光
(72)【発明者】
【氏名】▲喬▼ 勇
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 新▲銀▼
【審査官】川俣 郁子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0175077(US,A1)
【文献】特開2006-140140(JP,A)
【文献】特開2017-182082(JP,A)
【文献】特開2013-021312(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0206971(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0151114(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第107039465(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第108428730(CN,A)
【文献】特開2019-102602(JP,A)
【文献】特開2015-191038(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0206328(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F9/30-9/46
G09G3/00-3/08
3/12-3/16
3/19-3/26
3/30-3/34
3/38
H05B33/00-33/28
44/00
45/60
H10K50/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示基板であって、
ベースと、前記ベースに配置され、異なる色に対応する複数のサブ画素とを備え、各前記サブ画素は、画素駆動回路と、前記画素駆動回路に電気的に接続される有機電界発光ダイオードとを備え、
前記画素駆動回路は、第1トランジスタと、第2トランジスタと、ストレージキャパシタとを備え、前記第1トランジスタは、ゲート電極が第1走査線に結合され、第1電極がデータ線に結合され、第2電極が前記第2トランジスタのゲート電極に結合され、前記第2トランジスタは、第1電極が第1電源電圧線に結合され、第2電極が前記有機電界発光ダイオードの第1電極に結合され、前記有機電界発光ダイオードの第2電極が第2電源電圧線に結合され、前記ストレージキャパシタは、第1電極が前記第2トランジスタのゲート電極に結合され、第2電極が前記第2トランジスタの第2電極に結合され、前記ストレージキャパシタは、前記第2トランジスタのゲート電極の電位を蓄積することに用いられ、
前記ベースに垂直な方向に、前記表示基板は、積層された第1金属層と、第1絶縁層と、金属酸化物層と、第2絶縁層と、第2金属層とを備え、
前記金属酸化物層は、前記第1トランジスタの活性層とする第1パターンと、前記第2トランジスタの活性層とする第2パターンと、前記ストレージキャパシタの第1電極とするキャパシタパターンとを備え、
前記第1金属層は第1極板を備え、前記第1極板のベースでの正投影と前記キャパシタパターンのベースでの正投影は少なくとも第1重複領域があり、第1ストレージキャパシタを形成し、
前記第2金属層は第2極板を備え、前記第2極板のベースでの正投影と前記キャパシタパターンのベースでの正投影は少なくとも第2重複領域があり、第2ストレージキャパシタを形成し、
前記第1極板と第2極板の電位は同じであ
り、
前記第1パターンと前記キャパシタパターンは一体構造である、表示基板。
【請求項2】
前記第2パターンのベースでの正投影と前記第1極板の前記ベースでの正投影は重複領域が存在する、請求項1に記載の表示基板。
【請求項3】
前記第1絶縁層と第2絶縁層との間にはゲート絶縁層をさらに備え、前記ゲート絶縁層の厚みは前記第2絶縁層の厚みよりも小さい、請求項1に記載の表示基板。
【請求項4】
前記第1絶縁層の厚みは、前記ゲート絶縁層と前記第2絶縁層の厚みの合計よりも小さい、請求項3に記載の表示基板。
【請求項5】
前記第1金属層と第2金属層との間にはゲート金属層をさらに備え、前記ゲート金属層の厚みは前記第2金属層の厚みよりも小さい、請求項1に記載の表示基板。
【請求項6】
前記第1トランジスタのチャネルのアスペクト比は、前記第2トランジスタのチャネルのアスペクト比よりも小さい、請求項1に記載の表示基板。
【請求項7】
前記第1電源電圧線の電圧は前記第2電源電圧線の電圧よりも高く、前記データ線の最大電圧は前記第1走査線の最大電圧よりも低く、前記データ線の最大電圧は前記第1電源電圧線の電圧よりも低い、請求項1に記載の表示基板。
【請求項8】
前記第1パターンの前記ベースでの正投影は、前記キャパシタパターンの前記ベースでの正投影と間隔を置いて配置され、前記第1パターンの前記ベースでの正投影は、前記第1極板の前記ベースでの正投影と間隔を置いて配置される、請求項1~7のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項9】
前記画素駆動回路は第3トランジスタをさらに備え、前記第3トランジスタは、ゲート電極が第2走査線に結合され、第1電極が補償線に接続され、第2電極が前記第2トランジスタの前記第2電極に結合される、請求項1に記載の表示基板。
【請求項10】
前記金属酸化物層は、前記第3トランジスタの活性層とする第3パターンをさらに備える、請求項
9に記載の表示基板。
【請求項11】
前記第2絶縁層は、前記第1走査線、前記第2走査線、前記第1トランジスタのゲート電極、前記第2トランジスタのゲート電極、及び前記第3トランジスタのゲート電極を覆い、前記第2絶縁層に複数のビアホールがそれぞれ開口される、請求項
10に記載の表示基板。
【請求項12】
前記第2金属層は、前記データ線と、前記第1電源電圧線と、前記第1トランジスタのソース電極と、前記第1トランジスタのドレイン電極と、前記第2トランジスタのソース電極と、前記第2トランジスタのドレイン電極と、前記第3トランジスタのソース電極と、前記第3トランジスタのドレイン電極とをさらに備える、請求項
11に記載の表示基板。
【請求項13】
前記第1トランジスタのソース電極と前記データ線は一体構造であり、前記第2トランジスタのソース電極と前記第1電源電圧線は一体構造であり、前記第2トランジスタのドレイン電極及び前記第3トランジスタのドレイン電極と前記第2極板は一体構造である、請求項
12に記載の表示基板。
【請求項14】
前記
キャパシタパターンは、前記第1トランジスタの活性層、前記第2トランジスタの活性層及び前記第3トランジスタの活性層と同層に配置され、材料が同じで
ある、請求項
13に記載の表示基板。
【請求項15】
前記第2極板は、前記データ線、前記第1電源電圧線、前記第1
トランジスタのソース電極、前記第1トランジスタのドレイン電極、前記第2トランジスタのソース電極、前記第2トランジスタのドレイン電極、前記第3トランジスタのソース電極、前記第3トランジスタのドレイン電極と同層に配置され、材料が同じで
ある、請求項
14に記載の表示基板。
【請求項16】
前記金属酸化物層は単層、二重層又は多層である、請求項1~
15のいずれか1項に記載の表示基板。
【請求項17】
前記金属酸化物層は、積層された第1酸化物層と第2酸化物層とを備え、前記第2酸化物層の導電性は前記第1酸化物層の導電性よりも低く、前記第2酸化物層のバンドギャップは前記第1酸化物層のバンドギャップよりも大きい、請求項
16に記載の表示基板。
【請求項18】
前記第1酸化物層は、前記第1トランジスタ、第2トランジスタ及び第3トランジスタのゲート電極に近接するように構成される、請求項
17に記載の表示基板。
【請求項19】
表示装置であって、請求項1~
18のいずれか1項に記載の表示基板を備える表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年12月13日に中国特許庁に提出された、出願番号が201922237251.2であり、発明名称が「表示基板及び表示装置」である中国特許出願の優先権を主張し、該内容が引用により本願に組み込まれると理解すべきである。
【0002】
本開示の実施例は、表示技術分野に関するがこれに限定されず、具体的には表示基板及び表示装置に関する。
【背景技術】
【0003】
有機発光ダイオード表示装置(OLED、Organic Light Emitting Diode)は、超薄で、視野角が広く、自動的に発光でき、高輝度で、発光色が連続的に調整可能で、低コストで、応答速度が速く、低消費電力で、作動温度範囲が広く、及び柔軟に表示できるなどの利点を有し、徐々に将来性のある次世代の表示技術となっている。駆動方法の異なりによって、OLEDは、パッシブマトリクス駆動(PM、Passive Matrix)型及びアクティブマトリックス駆動(AM、Active Matrix)型の2種に分けられ、AMOLEDは電流駆動デバイスであり、独立した薄膜トランジスタ(TFT、Thin Film Transistor)を用いて各サブ画素を制御し、各サブ画素はすべて連続的に独立して駆動発光することができる。
【0004】
AMOLEDについて、1フレームのデータ書き込みから次のフレームのデータ書き込みまで、駆動トランジスタのゲート電極の電圧はストレージキャパシタにより維持される。トランジスタは漏れ電流があるため、ストレージキャパシタに蓄積される電圧が徐々に低下し、トランジスタのゲート電極の電位を変化させてしまう、さらに有機電界発光ダイオードに流れる電流に影響を与え、サブ画素の発光輝度に影響を与える。このため、通常、ストレージキャパシタの容量は、電圧の持続時間を長くするのに十分に大きくなるように設計される。
【0005】
しかし、高解像度(PPI)表示技術の発展に伴い、画素のサイズがますます小さくなり、レイアウトスペースの縮小によって、ストレージキャパシタを配置するスペースが小さくなり、ストレージキャパシタの容量の増加が大幅に制限されている。関連する技術には、いくつかの解決策が提案されているが、これらの解決策は、表示品質を低下させるという欠陥が存在している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下は、本開示で詳細に説明される主題を要約するものである。本要約は、特許請求の範囲の保護範囲を限定するものではない。
【0007】
一方では、本開示は表示基板を提供し、ベースと、前記ベースに配置され、異なる色に対応する複数のサブ画素とを備え、各前記サブ画素は、画素駆動回路と、前記画素駆動回路に電気的に接続される有機電界発光ダイオードとを備え、
前記画素駆動回路は、第1トランジスタと、第2トランジスタと、ストレージキャパシタとを備え、前記第1トランジスタは、ゲート電極が第1走査線に結合され、第1電極がデータ線に結合され、第2電極が前記第2トランジスタのゲート電極に結合され、前記第2トランジスタは、第1電極が第1電源電圧線に結合され、第2電極が前記有機電界発光ダイオードの第1電極に結合され、前記有機電界発光ダイオードの第2電極が第2電源電圧線に結合され、前記ストレージキャパシタは、第1電極が前記第2トランジスタのゲート電極に結合され、第2電極が前記第2トランジスタの第2電極に結合され、前記ストレージキャパシタは、前記第2トランジスタのゲート電極の電位を蓄積することに用いられ、
前記ベースに垂直な方向に、前記表示基板は、積層された第1金属層と、第1絶縁層と、金属酸化物層と、第2絶縁層と、第2金属層とを備え、
前記金属酸化物層は、前記第1トランジスタの活性層とする第1パターンと、前記第2トランジスタの活性層とする第2パターンと、前記ストレージキャパシタの第1電極とするキャパシタパターンとを備え、
前記第1金属層は第1極板を備え、前記第1極板のベースでの正投影と前記キャパシタパターンのベースでの正投影は少なくとも第1重複領域があり、第1ストレージキャパシタを形成し、
前記第2金属層は第2極板を備え、前記第2極板のベースでの正投影と前記キャパシタパターンのベースでの正投影は少なくとも第2重複領域があり、第2ストレージキャパシタを形成し、
前記第1極板と第2極板の電位は同じである。
【0008】
1つの例示的な実施形態では、前記第2パターンのベースでの正投影と前記第1極板の前記ベースでの正投影は重複領域が存在する。
【0009】
1つの例示的な実施形態では、前記第1絶縁層と第2絶縁層との間にはゲート絶縁層をさらに備え、前記ゲート絶縁層の厚みは前記第2絶縁層の厚みよりも小さい。
【0010】
1つの例示的な実施形態では、前記第1絶縁層の厚みは、前記ゲート絶縁層と前記第2絶縁層の厚みの合計よりも小さい。
【0011】
1つの例示的な実施形態では、前記第1金属層と第2金属層との間にはゲート金属層をさらに備え、前記ゲート金属層の厚みは前記第2金属層の厚みよりも小さい。
【0012】
1つの例示的な実施形態では、前記第1トランジスタのチャネルのアスペクト比は、前記第2トランジスタのチャネルのアスペクト比よりも小さい。
【0013】
1つの例示的な実施形態では、前記第1電源電圧線の電圧は前記第2電源電圧線の電圧よりも高く、前記データ線の最大電圧は前記第1走査線の最大電圧よりも低く、前記データ線の最大電圧は前記第1電源電圧線の電圧よりも低い。
【0014】
1つの例示的な実施形態では、前記第1パターンの前記ベースでの正投影は、前記キャパシタパターンの前記ベースでの正投影と間隔を置いて配置され、前記第1パターンの前記ベースでの正投影は、前記第1極板の前記ベースでの正投影と間隔を置いて配置される。
【0015】
1つの例示的な実施形態では、前記第1パターンと前記キャパシタパターンは一体構造である。
【0016】
1つの例示的な実施形態では、前記画素駆動回路は第3トランジスタをさらに備え、前記第3トランジスタは、ゲート電極が第2走査線に結合され、第1電極が補償線に接続され、第2電極が前記第2トランジスタの前記第2電極に結合される。
【0017】
1つの例示的な実施形態では、前記金属酸化物層は、前記第3トランジスタの活性層とする第3パターンをさらに備える。
【0018】
1つの例示的な実施形態では、前記第2絶縁層は、前記第1走査線、前記第2走査線、前記第1トランジスタのゲート電極、前記第2トランジスタのゲート電極、及び前記第3トランジスタのゲート電極を覆い、前記第2絶縁層に複数のビアホールがそれぞれ開口される。
【0019】
1つの例示的な実施形態では、前記第2金属層は、前記データ線と、前記第1電源電圧線と、前記第1トランジスタのソース電極と、前記第1トランジスタのドレイン電極と、前記第2トランジスタのソース電極と、前記第2トランジスタのドレイン電極と、前記第3トランジスタのソース電極と、前記第3トランジスタのドレイン電極とをさらに備える。
【0020】
1つの例示的な実施形態では、前記第1トランジスタのソース電極と前記データ線は一体構造であり、前記第2トランジスタのソース電極と前記第1電源電圧線は一体構造であり、前記第2トランジスタのドレイン電極及び前記第3トランジスタのドレイン電極と前記第2極板は一体構造である。
【0021】
1つの例示的な実施形態では、前記キャパシタ極板は、前記第1トランジスタの活性層、前記第2トランジスタの活性層及び前記第3トランジスタの活性層と同層に配置され、材料が同じで、同じパターニングプロセスによって形成される。
【0022】
1つの例示的な実施形態では、前記第2極板は、前記データ線、前記第1電源電圧線、前記第1ソース電極、前記第1トランジスタのドレイン電極、前記第2トランジスタのソース電極、前記第2トランジスタのドレイン電極、前記第3トランジスタのソース電極、前記第3トランジスタのドレイン電極と同層に配置され、材料が同じで、同じパターニングプロセスによって形成される。
【0023】
1つの例示的な実施形態では、前記金属酸化物層は単層、二重層又は多層である。
【0024】
1つの例示的な実施形態では、前記金属酸化物層は、積層された第1酸化物層と第2酸化物層とを備え、前記第2酸化物層の導電性は前記第1酸化物層の導電性よりも低く、前記第2酸化物層のバンドギャップは前記第1酸化物層のバンドギャップよりも大きい。
【0025】
1つの例示的な実施形態では、前記第1酸化物層は、前記第1トランジスタ、第2トランジスタ及び第3トランジスタのゲート電極に近接するように構成される。
【0026】
他方では、本開示は、上記任意の表示基板を備える表示装置をさらに提供する。
【0027】
本開示の他の特徴及び利点は、以下の明細書の実施例で説明され、且つ、部分的には明細書の実施例から明らかになる、又は本開示の実施により理解される。本開示の実施例の目的及び他の利点は、明細書、特許請求の範囲及び図面で特に指摘された構造によって実現及び取得され得る。
【0028】
図面及び詳細な説明を閲読して理解した上で、他の方面を理解できる。
【0029】
図面は、本開示の技術案の更なる理解を提供するために使用され、明細書の一部を構成して、本開示の実施例とともに本開示の技術案を解釈するために使用され、本開示の技術案を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】
図1はOLED画素駆動回路の等価回路模式図である。
【
図2a】
図2aは本開示の実施例に係る表示基板の局所構造の例示的な模式図である。
【
図3a】
図3aは本開示の第1金属層のパターンが形成された後の模式図である。
【
図4a】
図4aは本開示の活性層及びキャパシタ極板のパターンが形成された後の模式図である。
【
図5a】
図5aは本開示のゲート電極のパターンが形成された後の模式図である。
【
図6a】
図6aは本開示の第2絶縁層のパターンが形成された後の模式図である。
【
図7a】
図7aは本開示の実施例に係る表示基板の他の局所構造の例示的な模式図である。
【
図8a】
図8aは本開示の実施例に係る表示基板のさらに他の局所構造の例示的な模式図である。
【
図9a】
図9aは本開示の実施例に係る表示基板のさらに他の局所構造の例示的な模式図である。
【
図10a】
図10aは本開示の実施例に係る表示基板のさらに他の局所構造の例示的な模式図である。
【
図11】
図11は本開示の実施例に係る表示基板の全体的なレイアウトを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、実施形態は、複数の異なる形式で実施することができる。本開示の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細な内容を様々な形式に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解できる。従って、本開示は、以下の実施形態の記載内容のみに限定して解釈されるべきではない。なお、以下に説明される実施例は、本開示を限定するものではなく、本開示を説明及び解釈するためのものに過ぎない。矛盾しない限り、本開示における実施例及び実施例の特徴を互いに組み合わせることができる。
【0032】
図面では、明確にするために、各構成要素のサイズ、層の厚み又は領域が誇張的に表示される場合がある。従って、本開示の一態様は、必ずしも該サイズに限定されるものではなく、図面における各部材の形状及びサイズは実際の比率を表さない。なお、図面では理想的な例が例示されており、本開示の一態様は、図面で示される形状又は数値等に限定されない。
【0033】
本開示において、「第1」、「第2」、「第3」などの序数詞は、数量を限定するものではなく、構成要素の混同を回避するために設定されるものである。
【0034】
本開示では、便宜のために、「中部」、「上」、「下」、「前」、「後」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などの、方位又は位置関係を示す用語を使用して、図面を参照して構成要素の位置関係を説明することは、本明細書の説明を容易にして説明を簡素化するためのものに過ぎず、指定されたデバイス又は素子が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構築及び操作することを指示したり、暗示したりすることではないため、本開示を限定すると理解されない。構成要素の位置関係は、各構成要素を説明する方向に応じて適宜変更される。従って、明細書で説明される用語に限定されず、状況に応じて適宜変更することができる。
【0035】
本開示では、トランジスタとは、少なくともゲート電極、ドレイン電極及びソース電極の3つの端子を備える素子である。トランジスタは、ドレイン電極(ドレイン電極端子、ドレイン領域又はドレイン電極)とソース電極(ソース電極端子、ソース領域又はソース電極)との間にチャネル領域が有しており、ドレイン電極、チャネル領域及びソース電極に電流を流すことができるものである。本開示では、チャネル領域とは、電流が主に流れる領域をいう。
【0036】
異なる極性のトランジスタが使用される場合、又は、回路動作において電流の方向が変化するなどの場合で、「ソース電極」及び「ドレイン電極」の機能は互いに入れ替わる場合がある。従って、本開示では、「ソース電極」及び「ドレイン電極」は互いに入れ替わることができる。
【0037】
本開示では、「電気的に接続」は、構成要素が何らかの電気的機能を備える素子により接続されている場合を含む。「何らかの電気的機能を備える素子」は、接続される構成要素間で電気信号を送受信できる限り特に限定されない。「何らかの電気的機能を備える素子」の例は、電極及び配線だけではなく、トランジスタなどのスイッチング素子、抵抗器、インダクタ、キャパシタ、各種の機能を備える他の素子などを備える。
【0038】
本開示では、「平行」とは、2本の直線のなす角度が-10°以上10°以下の状態を示しており、従って、該角度が-5°以上5°以下の状態も含む。また、「垂直」とは、2本の直線のなす角度が80°以上100°以下の状態を示しており、従って、85°以上95°以下の角度の状態も含む。
【0039】
本開示では、「膜」及び「層」は互いに入れ替わることができる。例えば、「導電層」は「導電膜」と呼ばれる場合がある。同様に、「絶縁膜」は「絶縁層」と呼ばれる場合がある。
【0040】
本開示では、例えば、導電性が十分に低いと、「半導体」が「絶縁体」の特性を有する場合がある。なお、「半導体」と「絶縁体」の境界が明確ではないため、「半導体」と「絶縁体」を正確に区別することができない場合がある。従って、本開示の「半導体」は「絶縁体」と呼ばれる場合がある。同様に、本開示の「絶縁体」は「半導体」と呼ばれる場合もある。また、本開示の「絶縁体」は「半絶縁体」と呼ばれる場合もある。
【0041】
本開示では、例えば、導電性が十分に高いと、「半導体」は「導電体」の特性を有する場合がある。また、「半導体」と「導電体」の境界が明確ではないため、「半導体」と「導電体」を正確に区別することができない場合がある。従って、本開示の「半導体」は「導電体」と呼ばれる場合がある。同様に、本開示の「導電体」は「半導体」と呼ばれる場合もある。
【0042】
本開示では、半導体の不純物とは、半導体の主成分以外の元素をいう。例えば、濃度が0.1atomic%未満の元素は不純物である。半導体に不純物が含まれる場合、半導体に状態密度(DOS、Density Of States)が形成されて、キャリア移動度が低下したり、結晶性が低下したりする可能性がある。半導体が酸化物半導体を含む場合、半導体の特性を変化させる不純物の例としては、第1族元素、第2族元素、第14族元素、第15族元素、主成分以外の遷移金属などがあり、代表例としては、水素(水中に含まれる)、リチウム、ナトリウム、ケイ素、ホウ素、リン、炭素、窒素があり。酸化物半導体において、水素などの不純物の混入により酸素欠陥が生じる場合がある。また、半導体がケイ素を含む場合、半導体の特性を変化させる不純物の例としては、酸素、水素以外の第1族元素、第2族元素、第13族元素、第15族元素がある。
【0043】
現在、表示基板の構造においては、通常、ゲート電極とソース電極の位置が重なる部分をストレージキャパシタの2つの極板とし、ゲート絶縁層を誘電体とし、ストレージキャパシタCSTの容量を増加させるために、通常、極板の重複面積を大きくし、高誘電率材料をゲート絶縁層として選択し、又はゲート絶縁層の厚みを減らすなどの手段が使用される。しかし、極板の重複面積を大きくする解決策は、高解像度の要件と矛盾しているだけではなく、設計余裕(margin)を低減させ、プロセスの難易度を増加させ、歩留まりを低下させ、表示品質を低下させてしまう。また、高誘電率材料をゲート絶縁層として選択する解決策は、ストレージキャパシタの容量を増加させるが、表示基板の他の領域において、高誘電率材料がトランジスタの性能に大きな影響を与え、表示品質も低下させる。また、ゲート絶縁層の厚みを減らす解決策は、プロセスフローを増加させ、自己整合ドーピングプロセスと互換性がなく、同様に表示品質を低下させる。
【0044】
表示品質を確保する前提でストレージキャパシタの容量を効果的に増加させるために、本開示の実施例は表示基板を提供する。表示基板はベースを備え、ベースに平行な方向に、本開示の表示基板は、ベースに配置され、異なる色に対応する複数のサブ画素を備え、各前記サブ画素は、画素駆動回路と、前記画素駆動回路に電気的に接続される有機電界発光ダイオードOLEDとを備える。
【0045】
図1は本開示の実施例に係る画素駆動回路の等価回路図である。
図1に示すように、画素駆動回路は、第1トランジスタT1と、第2トランジスタT2と、第3トランジスタT3と、ストレージキャパシタC
STとを備える。第1トランジスタT1はスイッチングトランジスタであり、第2トランジスタT2は駆動トランジスタであり、第3トランジスタT3は補償トランジスタである。第1トランジスタT1は、ゲート電極が第1走査線Gnに結合され、第1電極がデータ線Dnに結合され、第2電極が第2トランジスタT2のゲート電極に結合され、第1トランジスタT1は、第1走査線Gnの制御下で、データ線Dnによって伝送されるデータ信号を受信し、第2トランジスタT2のゲート電極が前記データ信号を受信することに用いられる。第2トランジスタT2は、ゲート電極が第1トランジスタT1の第2電極に結合され、第1電極が第1電源電圧線VDDに結合され、第2電極がOLEDの第1電極に結合され、第2トランジスタT2は、そのゲート電極で受信されたデータ信号の制御下で、第2電極で対応する電流を生成することに用いられる。第3トランジスタT3は、ゲート電極が第2走査線Snに結合され、第1電極が補償線Seに接続され、第2電極が第2トランジスタT2の第2電極に結合され、第3トランジスタT3は、補償タイミングに応じて第2トランジスタT2の閾値電圧Vth及び移動度を抽出し、閾値電圧Vthを補償することに用いられる。OLEDは、第1電極が第2トランジスタT2の第2電極に結合され、第2電極が第2電源電圧線VSSに結合され、OLEDは、第2トランジスタT2の第2電極の電流に応答して対応する輝度の光を発光することに用いられる。ストレージキャパシタC
STは、第1電極が第2トランジスタT2のゲート電極に結合され、第2電極が第2トランジスタT2の第2電極に結合され、ストレージキャパシタC
STは、第2トランジスタT2のゲート電極の電位を蓄積することに用いられる。
【0046】
ここで、第1電源電圧線VDDの電圧は第2電源電圧線VSSの電圧よりも高く、データ線Dnのデータ信号の最大電圧は第1走査線Gnの最大電圧よりも低く、データ線Dnのデータ信号の最大電圧は第1電源電圧線VDDの電圧よりも低い。
【0047】
ベースに垂直な方向に、本開示の実施例に係る表示基板は、積層された第1金属層と、第1絶縁層と、金属酸化物層と、第2絶縁層と、第2金属層とを備え、前記金属酸化物層は、前記第1トランジスタの活性層とする第1パターンと、前記第2トランジスタの活性層とする第2パターンと、前記ストレージキャパシタの第1電極とするキャパシタパターンとを備え、前記第1金属層は、前記ストレージキャパシタの一方の第2電極とする第1極板を備え、前記第1極板のベースでの正投影と前記キャパシタパターンのベースでの正投影は少なくとも第1重複領域があり、第1ストレージキャパシタを形成し、前記第2金属層は、前記ストレージキャパシタの他方の第2電極とする第2極板を備え、前記第2極板のベースでの正投影と前記キャパシタパターンのベースでの正投影は少なくとも第2重複領域があり、第2ストレージキャパシタを形成し、前記第1極板と第2極板の電位は同じであり、それにより並列接続される第1ストレージキャパシタ及び第2ストレージキャパシタを形成する。
【0048】
本開示の実施例に係る表示基板は、金属酸化物層が第1金属層の第1極板及び第2金属層の第2極板と第1ストレージキャパシタ及び第2ストレージキャパシタをそれぞれ形成し、第1極板と第2極板の電位が同じであることにより、並列接続される第1ストレージキャパシタ及び第2ストレージキャパシタを形成して、ストレージキャパシタの容量を効果的に増加させ、表示品質に影響を与えることなく、ストレージキャパシタの容量を効果的に増加させ、高解像度の表示を実現することに役立つ。
【0049】
本開示の実施例に係る表示基板は、複数種の方法で実現されてもよく、以下、実施例により詳細に説明する。
【0050】
図2aは本開示の実施例に係る表示基板の局所構造の例示的な模式図である。
図2bは
図2aのA-A方向の断面図である。
図2a及び
図2bに示すように、本実施例に係る表示基板は、ベース10と、第1金属層と、第1絶縁層12と、金属酸化物層と、ゲート絶縁層15と、第1走査線Gn、第2走査線Sn、第1ゲート電極16、第2ゲート電極26及び第3ゲート電極36と、第2絶縁層17と、第2金属層とを備え、
第1金属層は、ベース10に配置され、第1極板11及び接続線40を備え、第1極板11はストレージキャパシタの1つの第2電極とし、第1ストレージキャパシタを形成することに用いられ、
第1絶縁層12は、第1極板11及び接続線40を備える第1金属層を覆い、
金属酸化物層は、第1絶縁層12に配置され、第1活性層13とする第1パターンと、第2活性層23とする第2パターンと、第3活性層33とする第3パターンと、キャパシタ極板14とするキャパシタパターンとを備え、キャパシタ極板14のベース10での正投影と第1極板11のベース10での正投影は第1重複領域があり、キャパシタ極板14は、ストレージキャパシタの第1電極とし、第1極板11とともに第1ストレージキャパシタを形成することに用いられ、
第1走査線Gn、第2走査線Sn、第1ゲート電極16、第2ゲート電極26及び第3ゲート電極36はゲート絶縁層15に配置され、ゲート絶縁層15のパターンが第1走査線Gn、第2走査線Sn、第1ゲート電極16、第2ゲート電極26及び第3ゲート電極36のパターンと同じであり、第1ゲート電極16と第1走査線Gnが一体構造であり、第3ゲート電極36と第2走査線Snが一体構造であり、
第2絶縁層17は、第1走査線Gn、第2走査線Sn、第1ゲート電極16、第2ゲート電極26及び第3ゲート電極36を覆い、それらのおのおのにおいて複数のビアホールがそれぞれ開口され、複数のビアホールは、第1活性層13の両端を露出させる第1ビアホールV1及び第2ビアホールV2、第2ゲート電極26を露出させる第3ビアホールV3、キャパシタ極板14を露出させる第4ビアホールV4、第2活性層23の両端を露出させる第5ビアホールV5及び第6ビアホールV6、第1極板11を露出させる第7ビアホールV7、第3活性層33の両端を露出させる第8ビアホールV8及び第9ビアホールV9、接続線40を露出させる第10ビアホールV10を含み、1つの例示的な実施形態では、前記第1活性層は前記第1トランジスタT1の活性層であってもよく、前記第2活性層は前記第2トランジスタT2の活性層であってもよく、前記第3活性層は前記第3トランジスタT3の活性層であってもよい。
【0051】
第2金属層は、第2絶縁層17に配置され、データ線Dnと、第1電源電圧線VDDと、第1ソース電極18と、第1ドレイン電極19と、第2ソース電極28と、第2ドレイン電極29と、第3ソース電極38と、第3ドレイン電極39と、第2極板30とを備え、第2極板30のベース10での正投影とキャパシタ極板14のベース10での正投影は第2重複領域があり、第2極板30は、ストレージキャパシタの他方の第2電極とし、キャパシタ極板14とともに第2ストレージキャパシタを形成することに用いられる。第1ソース電極18とデータ線Dnは一体構造であり、第2ソース電極28と第1電源電圧線VDDは一体構造であり、第2ドレイン電極29及び第3ドレイン電極39と第2極板30は一体構造である。第1ソース電極18は第1ビアホールV1を介して第1活性層13の一端に接続され、第1ドレイン電極19は第2ビアホールV2を介して第1活性層13の他端に接続されるとともに、第1ドレイン電極19は第3ビアホールV3を介して第2ゲート電極26に接続され、第1ドレイン電極19はさらに第4ビアホールV4を介してキャパシタ極板14に接続される。第2ソース電極28は第5ビアホールV5を介して第2活性層23の一端に接続され、第2ドレイン電極29は第6ビアホールV6を介して第2活性層23の他端に接続される。第3ソース電極38は第8ビアホールV8を介して第3活性層33の一端に接続されるとともに、第10ビアホールV10を介して接続線40に接続され、第3ドレイン電極39は第9ビアホールV9を介して第3活性層33の他端に接続される。第2極板30は第7ビアホールV7を介して第1極板11に接続され、第1極板11と第2極板30が同じ電位になる。
【0052】
1つの例示的な実施形態では、前記第1ソース電極18は前記第1トランジスタT1のソース電極であってもよく、第1ドレイン電極19は前記第1トランジスタT1のドレイン電極であってもよく、第2ソース電極28は前記第2トランジスタT2のソース電極であってもよく、第2ドレイン電極29は前記第2トランジスタT2のドレイン電極であってもよく、第3ソース電極38は前記第3トランジスタT3のソース電極であってもよく、第3ドレイン電極39は前記第3トランジスタT3のドレイン電極であってもよい。
【0053】
1つの例示的な実施形態では、前記第1トランジスタT1のソース電極は前記第1トランジスタT1の前記第1電極又は第2電極であってもよく、前記第1トランジスタT1のドレイン電極は前記第1トランジスタT1の前記第2電極又は第1電極であってもよく、前記第2トランジスタT2のソース電極は前記第2トランジスタT2の前記第1電極又は第2電極であってもよく、前記第2トランジスタT2のドレイン電極は前記第2トランジスタT2の前記第2電極又は第1電極であってもよく、前記第3トランジスタT3のソース電極は前記第3トランジスタT3の前記第1電極又は第2電極であってもよく、前記第3トランジスタT3のドレイン電極は前記第3トランジスタT3の前記第2電極又は第1電極であってもよい。
【0054】
ここで、キャパシタ極板14は、第1活性層13、第2活性層23及び第3活性層33と同層に配置され、材料が同じで、同じパターニングプロセスによって形成され、第2極板30は、データ線Dn、第1電源電圧線VDD、第1ソース電極18、第1ドレイン電極19、第2ソース電極28、第2ドレイン電極29、第3ソース電極38、第3ドレイン電極39と同層に配置され、材料が同じで、同じパターニングプロセスによって形成される。
【0055】
本実施例では、キャパシタ極板14はストレージキャパシタの第1電極とし、第1極板11は、ストレージキャパシタの1つの第2電極とするとともにシールド層とし、第2極板30はストレージキャパシタの他方の第2電極とし、2つの並列接続されるストレージキャパシタを形成し、2つの並列接続されるストレージキャパシタは、それぞれ第1極板11とキャパシタ極板14との間の第1ストレージキャパシタと、第2極板30とキャパシタ極板14との間の第2ストレージキャパシタである。
【0056】
以下、本実施例に係る表示基板の製造プロセスによれば、本実施例の技術案をさらに説明する。本実施例で説明される「パターニングプロセス」は、膜層堆積、フォトレジスト塗布、マスク露光、現像、エッチング、フォトレジスト剥離などの処理を含み、成熟した製造プロセスである。堆積は、スパッタリング、蒸着、化学気相蒸着などの既知のプロセスを使用でき、塗布は既知の塗布プロセスを使用でき、エッチングは既知の方法を使用でき、ここで限定されない。本実施例の説明では、理解する必要があるのは、「薄膜」は、ある材料をベース上で堆積又は他のプロセスにより製造してなる一層の薄膜を意味している。製造プロセス全体で、該「薄膜」に対してパターニングプロセスを必要としない場合、該「薄膜」は「層」とも呼ばれる。製造プロセス全体で、該「薄膜」に対してパターニングプロセスを必要とする場合、パターニングプロセスの前は「薄膜」と呼ばれ、パターニングプロセスの後は「層」と呼ばれる。パターニングプロセスの後の「層」に少なくとも1つの「パターン」が含まれる。
【0057】
(1)第1金属層のパターンを形成する。第1金属層のパターンを形成するのは、ベースに第1金属薄膜を堆積し、パターニングプロセスによって第1金属薄膜をパターニングし、第1極板11及び接続線40のパターンを備える第1金属層をベース10に形成することを含み、
図3a及び
図3bに示すように、
図3bは
図3aのA-A方向の断面図である。本実施例では、第1極板11は、シールド層だけではなく、ストレージキャパシタの1つの第2電極もとし、第1ストレージキャパシタを形成することに用いられる。
【0058】
(2)金属酸化物層のパターンを形成する。金属酸化物層のパターンを形成するのは、上記パターンが形成されたベースに、第1絶縁薄膜及び金属酸化物薄膜を順に堆積し、パターニングプロセスによって金属酸化物薄膜をパターニングし、第1極板11及び接続線40を覆う第1絶縁層12を形成し、及び第1絶縁層12上の金属酸化物層のパターンを形成することを含み、金属酸化物層は、第2活性層23、第1活性層13、第3活性層33、及びキャパシタ極板14のパターンを備え、
図4a及び
図4bに示すように、
図4bは
図4aのA-A方向の断面図である。ここで、第1活性層13は第1パターンに対応し、第1トランジスタの活性層とし、第2活性層23は第2パターンに対応し、第2トランジスタの活性層とし、第3活性層33は第3パターンに対応し、第3トランジスタの活性層とし、キャパシタ極板14はキャパシタパターンに対応し、キャパシタパターンの導体化処理を行い、ストレージキャパシタの第1電極とする。キャパシタ極板14(キャパシタパターン)のベース10での正投影と第1極板11のベース10での正投影は第1重複領域があり、第1極板11はストレージキャパシタの第2電極としてキャパシタ極板14とともに第1ストレージキャパシタを形成する。第2トランジスタの活性層とする第2活性層23(第2パターン)のベース10での正投影と第1極板11のベース10での正投影は重複領域があり、シールド層とする第1極板11は第2トランジスタのチャネル領域をシールドでき、光によるチャネルへの影響を回避して、チャネルが光発生による電流漏れのため表示効果に影響を与えることを回避するようにする。本実施例では、第1トランジスタの活性層とする第1活性層13(第1パターン)のベース10での正投影は、キャパシタ極板14(キャパシタパターン)のベース10での正投影と間隔を置いて配置され、すなわち、両者は重複領域がない。第1活性層13(第1パターン)のベース10での正投影は、第1極板11のベース10での正投影と間隔を置いて配置され、すなわち、両者は重複領域がない。本実施例では、第1活性層13及び第2活性層23の幅を設計することにより、第1トランジスタのチャネルのアスペクト比は第2トランジスタのチャネルのアスペクト比よりも小さくする。
【0059】
(3)ゲート電極のパターンを形成する。ゲート電極のパターンを形成するのは、上記パターンが形成されたベースに、ゲート絶縁薄膜及びゲート金属薄膜を順に堆積し、パターニングプロセスによってゲート絶縁薄膜及びゲート金属薄膜をパターニングし、ゲート絶縁層15のパターン及びゲート絶縁層15に配置される第1走査線Gn、第2走査線Sn、第1ゲート電極16、第2ゲート電極26及び第3ゲート電極36のパターンを形成することを含み、ゲート絶縁層15のパターンは第1走査線Gn、第2走査線Sn、第1ゲート電極16、第2ゲート電極26及び第3ゲート電極36のパターンと同じであり、第2ゲート電極26は第1極板11の対応する位置に位置し、第1ゲート電極16は第1走査線Gnに接続される一体構造であり、第3ゲート電極36は第2走査線Snに接続される一体構造であり、
図5a及び
図5bに示す通りであり、
図5bは
図5aのA-A方向の断面図である。
【0060】
(4)第2絶縁層のパターンを形成する。第2絶縁層のパターンを形成するのは、上記パターンが形成されたベースに、第2絶縁薄膜を堆積し、パターニングプロセスによって第2絶縁薄膜をパターニングし、上記構造を覆う第2絶縁層17のパターンを形成することを含み、第2絶縁層17には複数のビアホールが開口され、複数のビアホールは、第1活性層13の両端を露出させる第1ビアホールV1及び第2ビアホールV2、第2ゲート電極26を露出させる第3ビアホールV3、キャパシタ極板14を露出させる第4ビアホールV4、第2活性層23の両端を露出させる第5ビアホールV5及び第6ビアホールV6、第1極板11を露出させる第7ビアホールV7、第3活性層33の両端を露出させる第8ビアホールV8及び第9ビアホールV9、接続線40を露出させる第10ビアホールV10を含み、
図6a及び
図6bに示す通りであり、
図6bは
図6aのA-A方向の断面図である。本実施例では、ゲート絶縁層15の厚みは第2絶縁層17の厚みよりも小さく、第1絶縁層12の厚みはゲート絶縁層15と第2絶縁層17の厚みの合計よりも小さく、絶縁効果を確保する前提で、ストレージキャパシタの容量を増加させる。
【0061】
(5)第2金属層のパターンを形成する。第2金属層のパターンを形成するのは、上記パターンが形成されたベースに、第2金属薄膜を堆積し、パターニングプロセスによって第2金属薄膜をパターニングし、第2絶縁層17に第2金属層のパターンを形成することを含み、
図2a及び
図2bに示すように、第2金属層は、データ線Dn、第1電源電圧線VDD、第1ソース電極18、第1ドレイン電極19、第2ソース電極28、第2ドレイン電極29、第3ソース電極38、第3ドレイン電極39及び第2極板30のパターンを備える。ここで、第1ソース電極18はデータ線Dnに接続される一体構造であり、第2ソース電極28は第1電源電圧線VDDに接続される一体構造であり、第2ドレイン電極29及び第3ドレイン電極39は第2極板30に接続される一体構造である。第1ソース電極18は第1ビアホールV1を介して第1活性層13の一端に接続され、第1ドレイン電極19は第2ビアホールV2を介して第1活性層13の他端に接続されるとともに、第1ドレイン電極19は第3ビアホールV3を介して第2ゲート電極26に接続され、第1ドレイン電極19はさらに第4ビアホールV4を介してキャパシタ極板14に接続される。第2ソース電極28は第5ビアホールV5を介して第2活性層23の一端に接続され、第2ドレイン電極29は第6ビアホールV6を介して第2活性層23の他端に接続される。第3ソース電極38は第8ビアホールV8を介して第3活性層33の一端に接続されるとともに、第10ビアホールV10を介して接続線40に接続され、第3ドレイン電極39は第9ビアホールV9を介して第3活性層33の他端に接続される。第2極板30は第7ビアホールV7を介して第1極板11に接続され、第2極板30のベース10での正投影とキャパシタ極板14のベース10での正投影は第2重複領域があり、ストレージキャパシタの他方の第2電極とし、キャパシタ極板14とともに第2ストレージキャパシタを形成することに用いられる。本実施例では、第2金属層の厚みはゲート金属層の厚みよりも大きい。
【0062】
本実施例では、第1金属層、ゲート金属層及び第2金属層は、クロム(Cr)、金(Au)、亜鉛(Zn)、銀(Ag)、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、タングステン(W)、マンガン(Mn)、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、コバルト(Co)等のいずれか、又は上記金属元素を成分とする合金、又はアルミニウムネオジム合金(AlNd)又はモリブデンニオブ合金(MoNb)などの上記金属元素の組み合わせを含む合金などの金属材料を使用してもよく、Mo/Cu/Moなどの多層金属を使用してもよい。1つの例示的な実施形態では、Cu-X合金膜(ここで、XはMn、Ni、Cr、Fe、Co、Mo、Ta又はTiであり)を使用してもよい。Cu-X合金膜を使用することにより、ウェットエッチングプロセスによって薄膜を加工できるので、製造コストを削減することができる。1つの例示的な実施形態では、Cu-Mn合金膜が使用される。第1金属層の厚みは800~1200オングストロームであり、ゲート金属層の厚みは3000~5000オングストロームであり、第2金属層の厚みは3000~9000オングストロームである。
【0063】
第1絶縁層、ゲート絶縁層及び第2絶縁層は、酸化ケイ素(SiOx)、窒化ケイ素(SiNx)又は酸窒化ケイ素(SiON)などを使用してもよく、又は、酸化アルミニウム(AlOx)、酸化ハフニウム(HfOx)、酸化タンタル(TaOx)、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ガリウム、酸化マグネシウム、酸化ランタン、酸化セリウム又は酸化ネオジムなどを使用してもよい。ここで、第1絶縁層の厚みは3000~5000オングストロームであり、ゲート絶縁層の厚みは1000~2000オングストロームであり、第2絶縁層の厚みは4500~7000オングストロームである。
【0064】
本実施例では、金属酸化物層は、インジウムとスズを含む酸化物、タングステンとインジウムを含む酸化物、タングステンとインジウムと亜鉛を含む酸化物、チタンとインジウムを含む酸化物、チタンとインジウムとスズを含む酸化物、インジウムと亜鉛を含む酸化物、ケイ素とインジウムとスズを含む酸化物、又はインジウムとガリウムと亜鉛を含む酸化物などを使用してもよい。
【0065】
金属酸化物層は、インジウム(In)を含む酸化物半導体であってもよく、キャリア移動度(電子移動度)を向上させることができる。また、酸化物半導体は元素Mを含むことができる。元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム又はスズなどであってもよい。元素Mとして使用可能な他の元素としては、ホウ素、ケイ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル又はタングステンなどがある。なお、元素Mとしては、上記元素を複数組み合わせることもある。元素Mは、例えば、酸素との結合エネルギーが高い元素である。元素Mは、酸素との結合エネルギーがインジウムよりも高い元素である。又は、元素Mは、例えば、酸化物半導体のエネルギーギャップを大きくする機能を備える元素である。また、金属酸化物層は、亜鉛(Zn)を含んでもよく、酸化物半導体が亜鉛を含むと結晶化しやすくなる。1つの例示的な実施例では、酸化物半導体は、インジウムを含む酸化物半導体に限定されず、亜鉛スズ酸化物又はガリウムスズ酸化物などの、インジウムを含まず亜鉛、ガリウム又はスズを含む酸化物半導体などであってもよい。
【0066】
金属酸化物層がIn-M-Zn酸化物である場合、InとMの合計が100atomic%であると、Inが50atomic%未満で、Mが50atomic%以上であるようにしてもよい。金属酸化物層は、エネルギーギャップが大きな酸化物を使用し、例えば、2.5eV以上4.2eV以下であり、又は2.8eV以上3.8eV以下であってもよく、又は3eV以上3.5eV以下であってもよい。1つの例示的な実施形態では、金属酸化物層は、インジウム(In)、M及び亜鉛(Zn)を含む酸化物であり、ここで、Mはアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)又はスズ(Sn)である。
【0067】
本実施例では、第1、第2及び第3トランジスタの活性層の組成は、製造コストを削減するために同じ又はほぼ同じであってもよい。本実施例はこれに限定されず、3つのトランジスタの活性層の組成も互いに異なってもよい。3つのトランジスタの活性層は、Inの原子百分率がMの原子百分率よりも大きい領域がある場合、第1トランジスタ及び第2トランジスタの電界効果移動度を向上させることができる。例えば、第1トランジスタ及び第2トランジスタの電界効果移動度の一方又は両方は10cm2/Vsを超えてもよく、例えば、30cm2/Vsを超えてもよい。例えば、上記電界効果移動度の高いトランジスタが、表示装置のゲート信号を生成するゲートドライバに使用される場合、該表示装置は狭額縁化される。上記電界効果移動度の高いトランジスタは、表示装置に含まれる信号線からの信号を供給するソースドライバに使用される場合、表示装置に接続する配線数を減らすことができる。上記電界効果移動度の高いトランジスタは、表示装置に含まれる画素回路のトランジスタに使用される場合、表示装置の表示品質を向上させることができる。
【0068】
1つの例示的な実施例では、本実施例の金属酸化物層は単層であってもよく、二重層又は多層であってもよい。金属酸化物層が二重層である場合、積層された第1酸化物層と第2酸化物層とを備える。第2酸化物層の導電性は第1酸化物層の導電性よりも低く、バンドギャップは第1酸化物層のそれよりも大きい。第1酸化物層は、電子が移動する主なチャネル層であってもよく、従って、第1、第2及び第3ゲート電極に近接するように構成され得る。金属酸化物層が単層である場合、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)材料を使用することができる。
【0069】
本実施例では、金属酸化物層は一部がトランジスタの活性層とし、他部がストレージキャパシタの第1電極とするため、導体化処理を行う場合、一方では、異なるサブ画素のチャネル方向及び形状を差別化して、異なるアスペクト比の設計に適応することを実現でき、例えば、第1活性層及び第2活性層の幅を設計することにより、第1トランジスタのチャネルのアスペクト比が第2トランジスタのチャネルのアスペクト比よりも小さくする。他方では、1つのサブ画素内の異なる領域で、金属酸化物層が、異なる電気的特性の要件を満たすように異なる成分含有量を有する。
【0070】
上記説明される導体化処理は、第1、第2及び第3ゲート電極などのパターンを形成した後、第1、第2及び第3ゲート電極をマスクとしてプラズマ処理を行い、対応する領域の金属酸化物層を導体化層として処理することである。
図4a及び
図5aに示すように、金属酸化物層は、3つの領域に分けられることができ、第1領域は、第1、第2及び第3ゲート電極と重なる領域を含み、トランジスタのチャネル領域とし、第2領域は、第1領域に隣接する領域、すなわち第1、第2及び第3ゲート電極に隣接するが、第1、第2及び第3ゲート電極で覆われていない領域を含み、トランジスタのソースドレイン領域とし、第3領域は、第1極板及び第2極板と重なる領域を含み、ストレージキャパシタの極板領域とする。本実施例では、3つの領域のインジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)の成分は異なる。
【0071】
本実施例では、前記第1領域の酸素含有量は30~50atomaic%の範囲内であり、前記第2領域の酸素含有量は50~60atomaic%の範囲内であり、前記第2領域の酸素含有量は60~70atomaic%の範囲内であり、1つの例示的な実施形態では、第1領域におけるIGZOの酸素含有量が第2領域のIGZOの酸素含有量よりも少なく、第2領域におけるIGZOの酸素含有量が第3領域のIGZOの酸素含有量よりも少ない。第1領域におけるIGZOの亜鉛含有量が第2領域におけるIGZOの亜鉛含有量よりも多く、第2領域におけるIGZOの亜鉛含有量が第3領域におけるIGZOの亜鉛含有量よりも多く、1つの例示的な実施例では、前記第1領域における酸素元素と亜鉛元素の原子比(O/Zn)が第2領域のO/Znよりも小さく、前記第2領域におけるO/Znが第3領域のO/Znよりも小さい。また、第1領域における酸化物は主に半導体であり、In元素含有量を増加させることによりキャリア濃度を大幅に高くし、第1領域のキャリア濃度を高くしてトランジスタの駆動能力を向上させるために、第1領域におけるIn原子含有量が第2領域におけるIn原子含有量よりも多く、さらに第2領域におけるIn原子含有量が第3領域におけるIn原子含有量よりも多い。
【0072】
以下の表には3つの領域のインジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)成分の例が示され、Weight%は酸化物中の元素の割合を表し、Atomic%は酸化物中の該元素の原子百分率を表す。
【0073】
【0074】
ここで、第1領域は3つのトランジスタのうちの少なくとも1つのトランジスタのチャネル領域であり、第2領域は3つのトランジスタのうちの少なくとも1つのトランジスタのソースドレイン領域であり、第3領域がストレージキャパシタの極板領域である。上記表に示すように、IGZO中には、酸素(O)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)及びインジウム(In)などの元素が含まれ、第1領域はゲート電極によるシールドに起因してプラズマ処理されていないため、複数の元素O:Zn:Ga:Inの相対重量含有量は11.82:25.68:28.38:34.12であり、相対原子含有量は40.24:21.40:22.18:16.18である。第3領域はシールドされずにプラズマ処理されたため、複数の元素O:Zn:Ga:Inの相対重量含有量は23.35:18.72:25.66:32.24であり、相対原子含有量は60.94:11.95:15.37:11.72である。プラズマ処理された後、第3領域のIGZO中の酸素の重量と原子含有量が大幅に増加し、亜鉛(Zn)の重量と原子含有量が減少し、IGZOの導電性を向上させる。第2領域はゲート電極によりシールドされていないが、該領域がゲート電極に隣接して、ゲート電極の影響を受けるため、第2領域は、IGZO中の酸素の重量と原子含有量が第3領域よりも低く、亜鉛(Zn)の重量と原子含有量が第3領域よりも高く、従って、第2領域のIGZOの導電性は第3領域のIGZOの導電性よりも低い。
【0075】
第3領域の金属酸化物層はストレージキャパシタの第1電極とするため、優れる導電特性を必要とし、すなわち、良好な導体化程度を必要とする。ゲート電極をマスクとしてプラズマ処理を行う場合、理論的には、ゲート電極から遠く離れる領域は、導体化程度が良好になり、導電特性に優れている。従って、本実施例では、第3領域の金属酸化物層(キャパシタ極板14)と第1ゲート電極16との最小距離が第1ゲート電極16の幅L1よりも大きく、キャパシタ極板14と第2ゲート電極26との最小距離が第2ゲート電極26の幅L2よりも大きく、キャパシタ極板14と第3ゲート電極36との最小距離が第3ゲート電極36の幅L3よりも大きくなるように設定されてもよい。このように、第3領域の金属酸化物層のプラズマ処理は、第1ゲート電極16、第2ゲート電極26及び第3ゲート電極36の影響を受けず、第3領域の金属酸化物層の導体化程度を最大限に向上させる。なお、上記距離は、基板に垂直な方向の両方の距離である。また、変形実施例として、高解像度バックプレーンの設計のニーズに応じて、上記第3領域の金属酸化物層(キャパシタ極板14)と第1ゲート電極16との最小距離はL1よりも大きく、キャパシタ極板14と第2ゲート電極26との最小距離はL2よりも大きく、及びキャパシタ極板14と第3ゲート電極36との最小距離はL3よりも大きく、この3つの設計は、それらのいずれか2つ又は1つの状況を満たすことができる。他の例示的な実施例では、先ずキャパシタ極板14と第1電極及び第2電極とが重なるパターンが上記関係を満たすことを考慮するように設計できる。L1は第1ゲート電極16の幅であり、L2は第2ゲート電極26の幅であり、L3は第3ゲート電極36の幅である。このように、第3領域の金属酸化物層のプラズマ処理は、第1ゲート電極16、第2ゲート電極26及び第3ゲート電極36による影響が小さく、第3領域の金属酸化物層の導体化程度を最大限に向上させる。
【0076】
本実施例に係る表示基板の構造及び製造プロセスから分かるように、本実施例では、金属酸化物材料を使用するキャパシタ極板14はストレージキャパシタの第1電極とし、第1金属層の第1極板11はストレージキャパシタの1つの第2電極とし、第2金属層の第2極板30はストレージキャパシタの他方の第2電極とし、第2極板30は第7ビアホールV7を介して第1極板11に接続されるため、第1極板11と第2極板30は同じ電位になり、ストレージキャパシタの第1電極とするキャパシタ極板14は第3ビアホールV3、第1ドレイン電極19及び第4ビアホールV4を介して第2ゲート電極26に接続され、第1極板11及び第2極板30の電圧とは異なる電圧を有し、従って、第1極板11、キャパシタ極板14及び第2極板30の間に2つの並列接続されるストレージキャパシタが形成され、2つの並列接続されるキャパシタは、それぞれ第1極板11とキャパシタ極板14との間の第1ストレージキャパシタと、第2極板30とキャパシタ極板14との間の第2ストレージキャパシタである。第2極板30にも透明電極層(図示せず)が形成され、該透明電極層とキャパシタ極板14との間に第3キャパシタも形成されるため、本実施例では、実際には3つの並列接続されるストレージキャパシタが形成される。これから分かるように、元の構造と比較して、本開示の実施例に係るストレージキャパシタは3つのキャパシタを並列接続されてなり、ストレージキャパシタの容量を最大限に増加させる。本実施例では、ストレージキャパシタの第1電極とするキャパシタ極板14は活性層と同層に配置され、第1金属層と第2金属層との間に位置するため、キャパシタ極板14と第1極板11との距離が短く、第1絶縁層12のみを離間し、キャパシタ極板14と第2極板30との距離も短く、第2絶縁層17のみを離間する。離間される絶縁層の厚みが薄く、シールド層とする第1極板11の面積が大きいため、本開示の各ストレージキャパシタの容量はいずれも既存の構造のストレージキャパシタの容量よりも大きくなり、小さな画素サイズに適用されても、必要なストレージキャパシタの容量を確保でき、高解像度の表示を実現することに役立つ。第1絶縁層12及び第2絶縁層17はいずれも高誘電率材料を使用したり、厚みを薄くしたりする必要がないため、本開示の実施例の構造設計は、プロセスフローを増加させず、自己整合ドーピングプロセスと互換性があり、薄膜トランジスタの性能に影響を与えず、表示品質を確保することができる。
【0077】
1つの例示的な実施例では、本実施例で製造される表示基板のパターニング回数は元の製造方法のパターニング回数と同じであり、本実施例を実施する際に、既存のプロセス装置を使用でき、プロセスの互換性が高く、実用性が高く、優れた将来の応用可能性を有する。
【0078】
以上より、本実施例は、表示品質を確保する前提でストレージキャパシタの容量を効果的に増加させることを実現し、高解像度の表示を実現することに役立つ。
【0079】
図7aは本開示の実施例に係る表示基板の他の局所構造の例示的な模式図である。
図7bは
図7aのA-A方向の断面図である。本実施例は、ストレージキャパシタの第1電極とするキャパシタ極板と、シールド層及びストレージキャパシタの1つの第2電極とする第1極板と、ストレージキャパシタの他方の第2電極とする第2極板とを備え、第1極板とキャパシタ極板との間に第1ストレージキャパシタが形成され、第2極板とキャパシタ極板との間に第2ストレージキャパシタが形成され、第1ストレージキャパシタと第2ストレージキャパシタは並列接続されてストレージキャパシタを構成する。
図7a及び
図7bに示すように、本実施例では、キャパシタ極板14と第1活性層13(第1パターン)は一体構造であってもよく、すなわち、キャパシタ極板14と第1活性層13は連続する金属酸化物で形成され、第4ビアホールを省略する。例えば、本実施例の表示基板は、ベース10と、第1極板11と、接続線40と、第1絶縁層12と、金属酸化物層と、ゲート絶縁層15と、第1走査線Gn、第2走査線Sn、第1ゲート電極16、第2ゲート電極26及び第3ゲート電極36と、第2絶縁層17と、第2金属層とを備え、
ベース10、第1極板11、接続線40、及び第1絶縁層12について、構造は上記実施例における説明を参照すればよく、
金属酸化物層は、第1絶縁層12に配置され、第1活性層13と、第2活性層23と、第3活性層33と、キャパシタ極板14とを備え、第1活性層13とキャパシタ極板14は一体構造であり、キャパシタ極板14のベース10での正投影と第1極板11のベース10での正投影は第1重複領域があり、キャパシタ極板14は、ストレージキャパシタの第1電極とし、第1極板11とともに第1ストレージキャパシタを形成することに用いられ、
ゲート絶縁層15及びゲート絶縁層15に配置される第1走査線Gn、第2走査線Sn、第1ゲート電極16、第2ゲート電極26及び第3ゲート電極36について、構造は上記実施例における説明を参照すればよく、
第2絶縁層17は、第1走査線Gn、第2走査線Sn、第1ゲート電極16、第2ゲート電極26及び第3ゲート電極36を覆い、それらのおのおのにおいて複数のビアホールがそれぞれ開口され、本実施例では、上記実施例の第4ビアホールを省略し、又は、上記実施例の第2ビアホール及び第4ビアホールが本実施例の一体構造のビアホールであると理解でき、
第2金属層は、第2絶縁層17に配置され、データ線Dnと、第1電源電圧線VDDと、第1ソース電極18と、第1ドレイン電極19と、第2ソース電極28と、第2ドレイン電極29と、第3ソース電極38と、第3ドレイン電極39と、第2極板30とを備え、第2極板30のベース10での正投影とキャパシタ極板14のベース10での正投影は第2重複領域があり、第2極板30は、ストレージキャパシタの他方の第2電極とし、キャパシタ極板14とともに第2ストレージキャパシタを形成することに用いられる。第1ソース電極18とデータ線Dnは一体構造であり、第2ソース電極28と第1電源電圧線VDDは一体構造であり、第2ドレイン電極29及び第3ドレイン電極39と第2極板30は一体構造である。第1ソース電極18は第1ビアホールV1を介して第1活性層13の一端に接続され、第1ドレイン電極19は一体構造のビアホールを介して第1活性層13の他端(キャパシタ極板14でもある)に接続されるとともに、第1ドレイン電極19は第3ビアホールV3を介して第2ゲート電極26に接続される。第2ソース電極28は第5ビアホールV5を介して第2活性層23の一端に接続され、第2ドレイン電極29は第6ビアホールV6を介して第2活性層23の他端に接続される。第3ソース電極38は第8ビアホールV8を介して第3活性層33の一端に接続されるとともに、第10ビアホールV10を介して接続線40に接続され、第3ドレイン電極39は第9ビアホールV9を介して第3活性層33の他端に接続される。第2極板30は第7ビアホールV7を介して第1極板11に接続される。
【0080】
本実施例は、同様にストレージキャパシタの容量を増加させることができ、高解像度の表示を実現することに役立ち、表示品質を確保する。また、本実施例は、キャパシタ極板と第2活性層を一体構造に設置して同じ電位にするため、第4ビアホールを省略し、ビアホールのエッチングプロセスを簡素化し、高解像度の設計を実現することに役立つだけではなく、もともと間隔を置いて配置されるキャパシタ極板と第2活性層を一体構造に形成することにより、キャパシタ極板の面積を大きくして、さらにストレージキャパシタ全体の容量を増加させる。
【0081】
本実施例に係る表示基板の製造プロセスは、上記実施例における説明を参照すればよく、本実施例では、活性層及びキャパシタ極板のパターンの形成プロセスにおいて、第2活性層とキャパシタ極板は一体構造であり、第2絶縁層のパターンの形成プロセスにおいて、第4ビアホールを形成する必要がなく、第2金属層のパターンの形成プロセスにおいて、第2ドレイン電極は第2ビアホールのみを介して第2活性層に接続され及び第3ビアホールを介して第1ゲート電極に接続され、ここで説明を省略する。
【0082】
図8aは本開示の実施例に係る表示基板のさらに他の局所構造の例示的な模式図である。
図8bは
図8aのA-A方向の断面図である。本実施例は、ストレージキャパシタの第1電極とするキャパシタ極板と、シールド層及びストレージキャパシタの1つの第2電極とする第1極板と、ストレージキャパシタの他方の第2電極とする第2極板とを備え、第1極板とキャパシタ極板との間に第1ストレージキャパシタが形成され、第2極板とキャパシタ極板との間に第2ストレージキャパシタが形成され、第1ストレージキャパシタと第2ストレージキャパシタは並列接続されてストレージキャパシタを構成する。
図8a及び
図8bに示すように、本実施例では、キャパシタ極板14と第1活性層13は一体構造に配置されてもよく、また、第3ビアホール及び第4ビアホールを省略することができ、又は、第2ビアホール、第3ビアホール及び第4ビアホールが一体構造であると理解できる。例えば、本実施例の表示基板は、ベース10と、第1極板11と、接続線40と、第1絶縁層12と、金属酸化物層と、ゲート絶縁層15と、第1走査線Gn、第2走査線Sn、第1ゲート電極16、第2ゲート電極26及び第3ゲート電極36と、第2絶縁層17と、第2金属層とを備え、
ベース10、第1極板11、接続線40、及び第1絶縁層12について、構造は上記実施例における説明を参照すればよく、
金属酸化物層は、第1絶縁層12に配置され、第1活性層13と、第2活性層23と、第3活性層33と、キャパシタ極板14とを備え、第1活性層13とキャパシタ極板14は一体構造であり、キャパシタ極板14のベース10での正投影と第1極板11のベース10での正投影は第1重複領域があり、キャパシタ極板14は、ストレージキャパシタの第1電極とし、第1極板11とともに第1ストレージキャパシタを形成することに用いられ、
第1走査線Gn、第2走査線Sn、第1ゲート電極16、第2ゲート電極26及び第3ゲート電極36はゲート絶縁層15に配置され、ゲート絶縁層15のパターンが第1走査線Gn、第2走査線Sn、第1ゲート電極16、第2ゲート電極26及び第3ゲート電極36のパターンと同じであり、第1ゲート電極16は第1走査線Gnに接続される一体構造であり、第3ゲート電極36は第2走査線Snに接続される一体構造であり、第2ゲート電極26は折れ線状であり、
第2絶縁層17は、第1走査線Gn、第2走査線Sn、第1ゲート電極16、第2ゲート電極26及び第3ゲート電極36を覆い、それらのおのおのにおいて複数のビアホールがそれぞれ開口され、複数のビアホールは、第1活性層13の一端を露出させる第1ビアホールV1、第1活性層13の他端及び第2ゲート電極26を同時に露出させる第2ビアホールV2、第2活性層23の両端を露出させる第5ビアホールV5及び第6ビアホールV6、第1極板11を露出させる第7ビアホールV7、第3活性層33の両端を露出させる第8ビアホールV8及び第9ビアホールV9、接続線40を露出させる第10ビアホールV10を含み、又は、上記実施例の第2ビアホール、第3ビアホール及び第4ビアホールが本実施例の一体構造のビアホールであると理解でき、
第2金属層は、第2絶縁層17に配置され、データ線Dnと、第1電源電圧線VDDと、第1ソース電極18と、第1ドレイン電極19と、第2ソース電極28と、第2ドレイン電極29と、第3ソース電極38と、第3ドレイン電極39と、第2極板30とを備え、第2極板30のベース10での正投影とキャパシタ極板14のベース10での正投影は第2重複領域があり、第2極板30は、ストレージキャパシタの他方の第2電極とし、キャパシタ極板14とともに第2ストレージキャパシタを形成することに用いられる。第1ソース電極18とデータ線Dnは一体構造であり、第2ソース電極28と第1電源電圧線VDDは一体構造であり、第2ドレイン電極29及び第3ドレイン電極39と第2極板30は一体構造である。第1ソース電極18は第1ビアホールV1を介して第1活性層13の一端に接続され、第1ドレイン電極19は一体構造のビアホールを介して第1活性層13の他端及び第2ゲート電極26に同時に接続される。第2ソース電極28は第5ビアホールV5を介して第2活性層23の一端に接続され、第2ドレイン電極29は第6ビアホールV6を介して第2活性層23の他端に接続される。第3ソース電極38は第8ビアホールV8を介して第3活性層33の一端に接続されるとともに、第10ビアホールV10を介して接続線40に接続され、第3ドレイン電極39は第9ビアホールV9を介して第3活性層33の他端に接続される。第2極板30は第7ビアホールV7を介して第1極板11に接続される。
【0083】
本実施例は、同様にストレージキャパシタの容量を増加させることができ、高解像度の表示を実現することに役立ち、表示品質を確保する。また、本実施例は、キャパシタ極板と第2活性層を一体構造に設置して同じ電位にし、第3ビアホール及び第4ビアホールを省略し、第2ビアホールのみを保持し、第2ドレイン電極が第2ビアホールを介して第2活性層及び第1ゲート電極に同時に接続され、プロセスを簡素化し、高解像度の設計を実現することに役立つだけではなく、もともと間隔を置いて配置されるキャパシタ極板と第2活性層を一体構造に形成することにより、キャパシタ極板の面積を大きくし、第2金属層の面積を大きくして、さらにストレージキャパシタ全体の容量を増加させる。
【0084】
本実施例に係る表示基板の製造プロセスは、上記実施例における説明を参照すればよく、本実施例では、活性層及びキャパシタ極板のパターンの形成プロセスにおいて、第2活性層とキャパシタ極板は一体構造であり、第2絶縁層のパターンの形成プロセスにおいて、第2活性層及び第1ゲート電極を同時に露出させる一体構造のビアホールが形成され、ソースドレイン電極及び第2金属層のパターンの形成プロセスにおいて、第2ドレイン電極は一体構造のビアホールを介して第2活性層及び第1ゲート電極に同時に接続され、ここで説明を省略する。
【0085】
図9aは本開示の実施例に係る表示基板のさらに他の局所構造の例示的な模式図である。
図9bは
図9aのA-A方向の断面図である。
図9a及び
図9bに示すように、本実施例では、第1ドレイン電極19の位置に、2つの第2ゲート電極26が形成される。例えば、本実施例の第2ゲート電極26は折れ線状であり、第2トランジスタの位置に2つの第2ゲート電極26が形成され、第2絶縁層17に開口された一体構造のビアホールは2つの第2ゲート電極26及び第1活性層13を同時に露出させ、第1ドレイン電極19は一体構造のビアホールを介して第1活性層13及び2つの第2ゲート電極26に同時に接続される。一体構造のビアホールは2つの第2ゲート電極26間の領域の第1活性層13を露出させるとともに、2つの第2ゲート電極26の互いに隣接する部分の第2ゲート電極26を同時に露出させる。
【0086】
本実施例は、同様にストレージキャパシタの容量を増加させることができ、高解像度の表示を実現することに役立ち、表示品質を確保する。また、本実施例では、2つの第1ゲート電極が配置されることにより、第2ビアホールのサイズを小さくするとともに、接続信頼性を向上させ、さらに高解像度の設計を実現することに役立つ。
【0087】
本実施例に係る表示基板の製造プロセスは、上記実施例における説明を参照すればよく、本実施例では、走査線などのパターンの形成プロセスにおいて、第2ドレイン電極の位置に2つの第1ゲート電極が形成され、ここで説明を省略する。
【0088】
図10aは本開示の実施例に係る表示基板のさらに他の局所構造の例示的な模式図である。
図10bは
図10aのA-A方向の断面図である。
図10a及び
図10bに示すように、本実施例の2つの第2ゲート電極26の配置位置は異なり、2つの第2ゲート電極26はそれぞれ第1極板11で形成される段差の両側に配置される。例えば、本実施例の第2ゲート電極26は折れ線状であり、第2トランジスタの位置に2つの第2ゲート電極26が形成され、1つは第1極板11で形成される段差上に位置し、他方は段差下に位置し、第2絶縁層17に開口された一体構造のビアホールは2つの第2ゲート電極26及び2つの第2ゲート電極26間の第1活性層13を同時に露出させ、第1ドレイン電極19は一体構造のビアホールを介して第1活性層13及び2つの第2ゲート電極26に同時に接続される。
【0089】
本実施例は、同様にストレージキャパシタの容量を増加させることができ、高解像度の表示を実現することに役立ち、表示品質を確保する。また、本実施例では、2つの第1ゲート電極がそれぞれ第1金属層で形成される段差の両側に配置されることにより、段差での第2の活性層の破断による無効を効果的に防止し、接続信頼性を向上させることができる。例えば、段差上及び段差下のいずれも第2ドレイン電極に接続される第1ゲート電極が配置され、第2活性層が段差で破断しても、第2活性層とキャパシタ極板とが同じ電位になることを確保できる。
【0090】
本実施例に係る表示基板の製造プロセスは、上記実施例における説明を参照すればよく、本実施例では、走査線などのパターンの形成プロセスにおいて、第2ドレイン電極の位置に形成される2つの第1ゲート電極の位置が異なり、ここで説明を省略する。
【0091】
図11は本開示の実施例に係る表示基板の全体的なレイアウトを示す図である。
図11に示すように、表示基板の第1電源電圧線VDD、2本のデータ線Dn及び補償線Seは互いに平行であり、順番に配置され、第1電源電圧線VDDと隣接するデータ線Dnとの間に画素列が形成され、補償線Seと隣接するデータ線Dnとの間にもう1つの画素列が形成される。このように、隣接する第1電源電圧線VDDの間に1本の補償線Se及び4本のデータ線Dnが配置されることにより4つの画素列が形成され、4本のデータ線Dnのうち2本は補償線Seの一側に位置し、他の2本は補償線Seの他側に位置する。同様に、隣接する補償線Seの間に1本の第1電源電圧線VDD及び4本のデータ線Dnが配置されることにより4つの画素列も形成され、4本のデータ線Dnのうち2本は第1電源電圧線VDDの一側に位置し、他の2本は第1電源電圧線VDDの他側に位置する。
【0092】
本開示の実施例では、第1電源電圧線VDD及び補償線Seはいずれも1対4構造を使用する。1つの例示的な実施例では、表示基板は、複数本の接続線40をさらに備え、接続線40は表示基板のシールド層(同時にストレージキャパシタの第2電極とする第1極板)と同層に配置され、同じパターニングプロセスによって形成され、接続線40は第1電源電圧線VDD(補償線Se)に対して垂直である。ビアホールを介して第1電源電圧線VDDに接続される複数の接続線40は、それぞれ第1電源電圧線VDDの両側の補償線Seとデータ線Dnとの間の画素列の画素に電気的に接続され、第1電源電圧線VDDが第1電源電圧線VDDの両側の画素列の画素に直接電気的に接続されるため、1本の第1電源電圧線VDDは4つの画素列の画素に信号を供給することができる。同様に、ビアホールを介して補償線Seに接続される複数の接続線40は、それぞれ補償線Seの両側の第1電源電圧線VDDとデータ線Dnとの間の画素列の画素に電気的に接続され、補償線Seが補償線Seの両側の画素列の画素に直接電気的に接続されるため、1本の補償線Seが4つの画素列の画素に信号を供給することができる。
【0093】
本開示の実施例に係る表示基板は、第1電源電圧線及び補償線をいずれも1対4構造として設計することにより、同じ解像度で、各画素のサイズを効果的に大きくし、レイアウトスペースを十分に利用し、全体的なレイアウトを合理化するなどの利点を有する。
【0094】
本開示の実施例は、上記表示基板を備える表示装置をさらに提供する。表示装置は、携帯電話、タブレットPC、テレビ、ディスプレイ、ノートパソコン、デジタルフォトフレーム、ナビゲータなどの、表示機能を備えた製品又は部材であってもよい。
【0095】
本開示の実施例の説明では、特に明示的に指定及び限定されていない限り、「実装」、「連結」、「接続」という用語は、広い意味で理解されるべきである。例えば、固定接続であってもよく、取り外し可能接続であってもよく、又は一体接続であってもよく、機械的接続であってもよく、電気的に接続であってもよく、直接接続であってもよく、中間部材を介した間接的接続であってもよく、2つの素子の内部の連通であってもよい。当業者にとっては、状況に応じて本開示での上記用語の意味を理解することができる。
【0096】
本開示に開示されている実施形態は以上のとおりであるが、前記内容は、本開示を限定するものではなく、本開示の理解を容易にするために使用される実施形態に過ぎない。当業者は、本開示に開示されている精神及び範囲から逸脱することなく、実施形態及び詳細に対して任意の修正及び変化を行うことができるが、本開示の特許保護範囲は、依然として添付の特許請求の範囲によって定義される範囲に準じるべきである。