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特許7541044棚卸機器、バックエンド機器、棚卸管理システム及び棚卸方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】棚卸機器、バックエンド機器、棚卸管理システム及び棚卸方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20240820BHJP
【FI】
B65G1/137 A
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021578005
(86)(22)【出願日】2020-08-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-02
(86)【国際出願番号】 CN2020108770
(87)【国際公開番号】W WO2021031965
(87)【国際公開日】2021-02-25
【審査請求日】2021-12-27
(31)【優先権主張番号】201910758021.2
(32)【優先日】2019-08-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519232057
【氏名又は名称】霊動科技(北京)有限公司
【氏名又は名称原語表記】LINGDONG TECHNOLOGY (BEIJING) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】C4, Beijing Shangde Intelligent Manufacturing Industrial Park,No.10 Jiancaicheg East Road, Xisanqi, Haidian District, Beijing, China
(73)【特許権者】
【識別番号】521568764
【氏名又は名称】豊豪物流(北京)有限公司
【氏名又は名称原語表記】DSC LOGISTICS (BEIJING) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】2F, No. 4 Building, No. 10 Airport North Street, Shunyi District Beijing 101399, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】隋 亮
(72)【発明者】
【氏名】銭 家楽
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-293416(JP,A)
【文献】国際公開第2017/175312(WO,A1)
【文献】特開2016-210586(JP,A)
【文献】特開2018-115068(JP,A)
【文献】特表2018-513822(JP,A)
【文献】特開2010-023950(JP,A)
【文献】特開2017-007861(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0314261(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーション車と昇降可能な棚卸モジュールを含む棚卸機器であって、
前記昇降可能な棚卸モジュールは、前記ナビゲーション車に配置され、
前記昇降可能な棚卸モジュールは、前記ナビゲーション車の制御に基づいて運動し、棚卸する必要がある物品と前記昇降可能な棚卸モジュールとの間の距離情報である深さ情報を運動によって取得するために使用され、
前記ナビゲーション車は、前記深さ情報に基づいて前記物品の辺長情報を確定し、前記辺長情報と前記物品のサイズの情報とに基づいて前記物品の数量を確定して前記物品の棚卸結果を確定し、前記棚卸結果をバックエンド機器に送信する処理装置を含み、
前記棚卸機器は、棚卸機能を有する倉庫物流車であり、前記物品は倉庫内の積載荷物であり、
前記ナビゲーション車はまた、前記物品の深さ情報が不十分であると判断すると、前記昇降可能な棚卸モジュールを前記物品の周りに運動させ、前記積載荷物の他の角度の深さ情報を取得するために使用される、
棚卸機器。
【請求項2】
前記昇降可能な棚卸モジュールは、取り外し可能である、ことを特徴とする請求項1に記載の棚卸機器。
【請求項3】
前記昇降可能な棚卸モジュールは、昇降装置と深さセンサを含み、前記深さセンサは、前記昇降装置に配置され、前記昇降装置は、前記ナビゲーション車に配置される、ことを特徴とする請求項1に記載の棚卸機器。
【請求項4】
前記昇降装置は鋏型昇降台を含む、ことを特徴とする請求項3に記載の棚卸機器。
【請求項5】
前記深さセンサは、レーザーレーダー、RGBD撮像装置、赤外線距離センサ及び超音波距離センサから選択され得る、ことを特徴とする請求項3に記載の棚卸機器。
【請求項6】
前記ナビゲーション車はまた、前記物品の深さ情報が不十分であると判断すると、自体の位置決め情報及び前記物品の位置決め情報に基づいて、前記物品の周りの運動のナビゲーション経路を計画し、前記ナビゲーション経路に基づいて、前記昇降可能な棚卸モジュールを前記物品の周りに運動させるために使用される、ことを特徴とする請求項1に記載の棚卸機器。
【請求項7】
前記ナビゲーション車はまた、第1撮像装置を介して前記物品が位置する棚の標識情報を取得し、距離センサを介して前記物品と前記ナビゲーション車との距離を確定し、
前記標識情報を記憶されたマップ情報と照合し、照合された位置情報を前記棚の位置決め情報として、且つ前記物品の位置決め情報として使用し、前記物品の位置決め情報、及び前記物品と前記ナビゲーション車との距離に基づいて、前記ナビゲーション車の位置決め情報を確定するために使用される、ことを特徴とする請求項1に記載の棚卸機器。
【請求項8】
前記昇降可能な棚卸モジュールはまた、第2撮像装置を介して前記物品の写真又はビデオを取得するために使用され、
前記ナビゲーション車はまた、ナビゲーション経路が障害物によってブロックされている場合、バックエンド機器が表示画面に前記写真又はビデオを表示するために、前記物品の写真又はビデオを前記バックエンド機器に送信するために使用される、ことを特徴とする請求項1に記載の棚卸機器。
【請求項9】
ナビゲーション車と昇降可能な棚卸モジュールを含む棚卸機器であって、
前記昇降可能な棚卸モジュールは、前記ナビゲーション車に配置され、
前記昇降可能な棚卸モジュールは、前記ナビゲーション車の制御に基づいて運動し、棚卸する必要がある物品と前記昇降可能な棚卸モジュールとの間の距離情報である深さ情報を運動によって取得するために使用され、
前記ナビゲーション車は、前記深さ情報に基づいて前記物品の辺長情報を確定し、前記辺長情報と前記物品のサイズの情報とに基づいて前記物品の数量を確定して前記物品の棚卸結果を確定し、前記棚卸結果をバックエンド機器に送信する処理装置を含み、
前記棚卸機器は、棚卸機能を有する倉庫物流車であり、前記物品は倉庫内の積載荷物であり、
前記昇降可能な棚卸モジュールは、
積載物品が位置する棚における昇降可能な棚卸モジュールに近接する辺と、前記昇降可能な棚卸モジュールとの間の距離を取得し、前記距離及び前記棚のサイズに基づいて、前記棚における前記昇降可能な棚卸モジュールから離れた辺と、前記昇降可能な棚卸モジュールとの間の距離を確定し、
前記ナビゲーション車の制御に基づいて昇降運動し、昇降中に前記物品と前記昇降可能な棚卸モジュールとの間の距離を取得し、前記ナビゲーション車の駆動により左右移動し、左右移動中に前記物品と前記昇降可能な棚卸モジュールとの間の距離を取得するために使用され、
前記ナビゲーション車は、
前記昇降可能な棚卸モジュールが昇降中に取得した前記物品と前記昇降可能な棚卸モジュールとの間の距離に基づいて、前記物品の高さ境界線の辺の長さを確定し、前記昇降可能な棚卸モジュールが左右移動中に取得した前記物品と前記昇降可能な棚卸モジュールとの間の距離に基づいて、前記物品の幅境界線の辺の長さを確定し、
前記棚における前記昇降可能な棚卸モジュールから離れた辺と前記昇降可能な棚卸モジュールとの間の距離、及び前記物品と昇降棚卸モジュールとの間の距離に基づいて、前記物品の厚さ境界線の辺の長さを確定し、各辺の長さと前記物品のサイズの情報とに基づいて、前記物品の数量を確定し、前記数量の情報を前記バックエンド機器に送信するために使用される、
棚卸機器。
【請求項10】
前記棚卸機器は、前記バックエンド機器から送信された作業モード切り替え指令を前記ナビゲーション車によって受信し、前記切り替え指令に従って作業モードを切り替えるために使用され、切り替え指令は、棚卸モードから荷物積載モードに切り替える指令、又は荷物積載モードから棚卸モードに切り替える指令を含む、ことを特徴とする請求項1に記載の棚卸機器。
【請求項11】
前記棚卸機器はまた、ナビゲーション車によって作業モードを棚卸モードから荷物積載モードに切り替えるとき、前記物品に対する棚卸を停止するために使用される、ことを特徴とする請求項10に記載の棚卸機器。
【請求項12】
前記ナビゲーション車が非棚卸モードで移動するとき、前記昇降可能な棚卸モジュールは、最も低い下降高さに維持される、ことを特徴とする請求項3に記載の棚卸機器。
【請求項13】
ナビゲーション車と昇降可能な棚卸モジュールを含む棚卸機器であって、
前記昇降可能な棚卸モジュールは、前記ナビゲーション車に配置され、
前記昇降可能な棚卸モジュールは、前記ナビゲーション車の制御に基づいて運動し、棚卸する必要がある物品と前記昇降可能な棚卸モジュールとの間の距離情報である深さ情報を運動によって取得するために使用され、
前記ナビゲーション車は、前記深さ情報に基づいて前記物品の辺長情報を確定し、前記辺長情報と前記物品のサイズの情報とに基づいて前記物品の数量を確定して前記物品の棚卸結果を確定し、前記棚卸結果をバックエンド機器に送信する処理装置を含み、
前記棚卸機器は、棚卸機能を有する倉庫物流車であり、前記物品は倉庫内の積載荷物であり、
前記ナビゲーション車はまた、前記物品の深さ情報が不十分であると判断すると、前記昇降可能な棚卸モジュールを前記物品の周りに運動させ、前記積載荷物の他の角度の深さ情報を取得するために使用され、
前記昇降可能な棚卸モジュールは、昇降装置と深さセンサを含み、前記深さセンサは、前記昇降装置に配置され、前記昇降装置は、前記ナビゲーション車に配置され、
前記ナビゲーション車が棚卸モードで移動し、深さ方向の落差が落差閾値よりも大きいことを前記深さセンサが感知すると、前記ナビゲーション車は移動を停止し、前記昇降可能な棚卸モジュールは、上下移動を開始して前記物品を棚卸する、
棚卸機器。
【請求項14】
昇降可能な棚卸モジュールによって、処理装置を含むナビゲーション車の制御に基づいて運動し、棚卸する必要がある物品と前記昇降可能な棚卸モジュールとの間の距離情報である深さ情報を運動によって取得することと、
前記処理装置によって、前記深さ情報に基づいて前記物品の全体の各辺長情報を確定し、前記各辺長情報と前記物品のサイズの情報とに基づいて前記物品の数量を確定して前記物品の棚卸結果を確定し、前記棚卸結果をバックエンド機器に送信することと、
前記ナビゲーション車によって、前記物品の深さ情報が不十分であると判断されると、前記昇降可能な棚卸モジュールを前記物品の周りに運動させ、前記物品の他の角度の深さ情報を取得することと、
を含む棚卸方法。
【請求項15】
棚卸機器が昇降可能な棚卸モジュールによって、処理装置を含むナビゲーション車の制御に基づいて運動し、棚卸する必要がある物品と前記昇降可能な棚卸モジュールとの間の距離情報である深さ情報を運動によって取得することと、
前記棚卸機器が前記処理装置によって、前記深さ情報に基づいて前記物品の各辺長情報を確定し、前記各辺長情報と前記物品のサイズの情報とに基づいて前記物品の数量を確定して前記物品の棚卸結果を確定し、前記棚卸結果をバックエンド機器に送信することと、
前記棚卸機器が前記ナビゲーション車によって、前記物品の深さ情報が不十分であると判断されると、前記昇降可能な棚卸モジュールを前記物品の周りに運動させ、前記物品の他の角度の深さ情報を取得することと、
前記バックエンド機器によって、前記棚卸機器から送信された前記物品の棚卸結果を受信し、表示画面を介して前記棚卸結果を表示することと、を含む棚卸管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2019年08月16日に中国専利局に提出された第201910758021.2号の中国特許出願の優先権を主張し、この出願の内容はすべて参照により本出願に組み込まれる。
本開示は、物品及び荷物管理技術の分野に関し、例えば、棚卸機器、バックエンド機器、棚卸管理システム及び棚卸方法に関する。
【背景技術】
【0002】
物品の棚卸は、倉庫管理や図書館の分野など、様々な分野に幅広く適用されており、タイムリーで正確な物品棚卸により、物品検査の複雑さを軽減するととのに、物品の実際の在庫を正確に把握することができる。特に、倉庫管理の分野では、荷物の流れ状況(入荷、在庫、出庫の流れの状況)を把握するために、定期的又は一時的に倉庫物品の実際の数量に対して棚卸を行って、在庫数量を正確に把握する必要がある。
【0003】
関連技術では、棚卸作業は、ほとんど手作業による現場での棚卸チェックであるため、棚卸作業には多くの人手と時間がかかる。この方法は、操作に時間がかかり、作業効率が低く、データを人間が操作すると誤りが発生しやすく、迅速なバッチ棚卸を実現できない。関連技術では、物品の写真を撮影して、写真を通して物品の棚卸を行うこともできる。しかしながら、この方法でも、人間によって写真を通して物品の棚卸を行う必要があるため、作業効率が低く、誤りが発生しやすいという現象がある。関連技術では、各物品に無線周波数電子タグを設け、無線周波数電子タグをスキャンすることで、物品の棚卸を実現することもできる。しかしながら、この方法では、各物品に無線周波数電子タグを設ける必要があるため、比較的面倒である。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、手作業による現場での棚卸の問題を解決し、作業効率を向上させ、時間と労力を節約し、棚卸結果の決定速度を上げ、棚卸結果をより正確にし、誤り現象の出現を回避することができる棚卸機器、バックエンド機器、棚卸管理システム及び棚卸方法を提供する。
【0005】
本発明の実施例は、棚卸機器を提供する。前記棚卸機器は、ナビゲーション車と昇降可能な棚卸モジュールを含み、前記昇降可能な棚卸モジュールは、前記ナビゲーション車に配置される。
前記昇降可能な棚卸モジュールは、前記ナビゲーション車の制御に基づいて運動し、棚卸する必要がある積載物品の深さ情報を運動によって取得するために使用される。
前記ナビゲーション車は、前記深さ情報に基づいて前記積載物品の辺長情報を確定し、前記辺長情報に基づいて前記積載物品の棚卸結果を確定し、前記棚卸結果をバックエンド機器に送信するために使用される。
【0006】
本発明の実施例はバックエンド機器をさらに提供する。
前記バックエンド機器は、前記棚卸機器から送信された積載物品の棚卸結果を受信し、表示画面を介して前記棚卸結果を表示するために使用される。
【0007】
本発明の実施例は、本発明の実施例によって提供される棚卸機器及び本発明の実施例によって提供されるバックエンド機器を含む棚卸管理システムをさらに提供する。
【0008】
本発明の実施例は棚卸方法を提供する。この方法は、
昇降可能な棚卸モジュールによって、ナビゲーション車の制御に基づいて運動し、棚卸する必要がある積載物品の深さ情報を運動によって取得することと、
ナビゲーション車によって、前記深さ情報に基づいて積載物品の各辺長情報を確定し、前記各辺長情報に基づいて積載物品の棚卸結果を確定し、前記棚卸結果をバックエンド機器に送信することと、を含む。
【0009】
本発明の実施例は、棚卸管理方法を提供する。この方法は、
棚卸機器が昇降可能な棚卸モジュールによって、ナビゲーション車の制御に基づいて運動し、棚卸する必要がある積載物品の深さ情報を運動によって取得することと、
前記棚卸機器がナビゲーション車によって、前記深さ情報に基づいて積載物品の各辺長情報を確定し、前記各辺長情報に基づいて前記積載物品の棚卸結果を確定し、前記棚卸結果をバックエンド機器に送信することと、
前記バックエンド機器によって、前記棚卸機器から送信された積載物品の棚卸結果を受信し、表示画面を介して前記棚卸結果を表示することと、を含む。
【0010】
本発明の実施例によって提供される技術的解決策は、昇降可能な棚卸モジュールがナビゲーション車の制御に基づいて運動することで、積載物品のより多くの深さ情報を取得することができ、深さ情報に基づいて、より正確な棚卸結果を得ることができ、深さ情報に基づいて積載物品の棚卸結果を得ることができる。写真を撮って物品を棚卸する関連技術の方法と比較して、棚卸結果の確定速度が向上しており、無線周波数電子タグをスキャンして棚卸結果を得る方法と比較して、各物品に電子タグを設ける必要がなく、プロセスが節約され、コストが削減される。棚卸結果をバックエンド機器に送信することによって、ユーザーはバックエンド機器を介して積載物品の棚卸結果を把握することができるので、人手による現場での物品棚卸の状況が回避され、作業効率が向上し、時間と労力が節約される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施例によって提供される棚卸機器の構造模式図である。
図2】本発明の実施例によって提供される棚卸機器の構造のブロック図である。
図3】本発明の実施例によって提供される、棚卸機器により積載荷物の辺長を測定する模式図である
図4】本発明の実施例によって提供される、棚卸機器により積載荷物の辺長を測定する模式図である
図5a】本発明の実施例によって提供される棚卸機器が荷物を棚卸するときの状態の模式図である。
図5b】本発明の実施例によって提供される積載荷物の模式図である。
図6】本発明の実施例によって提供されるナビゲーション車が昇降可能な棚卸モジュールを積載荷物の周りに運動させる模式図である。
図7】本発明の実施例によって提供されるバックエンド機器の構造模式図である。
図8】本発明の実施例によって提供されるバックエンド機器の表示インターフェースの模式図である。
図9】本発明の実施例によって提供される棚卸管理システムの構造模式図である。
図10】本発明の実施例によって提供される棚卸管理システムの構造模式図である。
図11】本発明の実施例によって提供される棚卸方法のフローチャートである。
図12】本発明の実施例によって提供される棚卸管理方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付の図面及び実施例を参照しながら、本発明を説明する。ここで述べた具体的な実施例は、本開示を解釈するためのものにすぎず、本開示を限定するものではない。説明を簡単にするために、図面には、すべての構造ではなく、開示に関連する部分のみが示されている。
【0013】
本発明の実施例に係る昇降、左右、又は他の方位技術用語はすべて、昇降可能な棚卸モジュールが棚卸の作業モードであるときに、棚卸機器の位置を基準とするものである。
【0014】
図1は、本発明の実施例によって提供される棚卸機器の構造模式図である。本発明の実施例によって提供される棚卸機器は、比較的大きな空間内の1つ又は複数の積載物品を棚卸する場面に適用することができる。比較的大きな空間は、設定体積よりも大きい体積を有する空間であり得る。オプションで、本発明の実施例によって提供される棚卸機器は、倉庫内の積載荷物を棚卸する場面に適用することができ、又は本発明の実施例によって提供される棚卸機器はまた、図書、商品などの物品を棚卸する場面に適用することができる。積載荷物は、棚の上にあっても棚の上になくてもよく、積載荷物は、少なくとも1つの荷物によって形成された積載荷物であり得る。積載荷物における荷物は、梱包ボックス又は梱包箱を有する荷物、又は形状規則に準拠した他の荷物、又は設定形状を有する荷物であり得る。
【0015】
本発明の実施例によって提供される棚卸機器は、上記の場面に適用されることに限定されず、物品を棚卸する他の場面にも適用することができる。本発明の実施例によって提供される棚卸機器は、物品を棚卸する任意の場面に適用することができる。
【0016】
図1に示すように、本発明の実施例によって提供される棚卸機器は、ナビゲーション車10と昇降可能な棚卸モジュール11を含む。昇降可能な棚卸モジュール11は、ナビゲーション車10に配置される。昇降可能な棚卸モジュール11は、ナビゲーション車10の制御に基づいて運動し、棚卸する必要がある積載物品の深さ情報を運動によって取得するために使用される。ナビゲーション車10は、深さ情報に基づいて積載物品の辺長情報を確定し、辺長情報に基づいて積載物品の棚卸結果を確定し、棚卸結果をバックエンド機器に送信するために使用される。
【0017】
深さ情報は、棚卸する必要がある積載物品と昇降可能な棚卸モジュール11との間の距離情報を指す。ナビゲーション車10は昇降可能な棚卸モジュール11に有線で電気的に接続することができる。昇降可能な棚卸モジュール11は、取得した深さ情報をナビゲーション車10の処理装置に送信することができる。ナビゲーション車10は、処理装置によって、昇降可能な棚卸モジュール11が昇降運動するように制御し、且つナビゲーション車10が左右運動するように制御して、昇降可能な棚卸モジュール11を左右運動させることができる。昇降可能な棚卸モジュール11は、昇降運動と左右運動によって、より正確な積載物品の深さ情報を取得し、深さ情報をナビゲーション車10の処理装置に送信することができる。ナビゲーション車10は、処理装置を通して、深さ情報に基づいて積載物品の辺長情報を確定し、辺長情報に基づいて積載物品の棚卸結果を確定し、バックエンド機器に送信することができる。
【0018】
棚卸結果は、積載物品における物品の数量であってもよいし、又は他の情報であってもよい。オプションで、バックエンド機器は、遠隔管理機器、クラウド機器、インテリジェント端末を含み得る。インテリジェント端末は、スマートフォン、タブレットコンピュータなどであり得る。棚卸結果をバックエンド機器に送信することによって、ユーザーは、バックエンド機器を介して積載物品の物品数量などの情報を把握することができ、ユーザーによる統計が容易になり、ユーザーが現場で棚卸を実行する必要がなくなる。これはユーザーにとって便利である。
【0019】
本発明の実施例によって提供される技術的解決策は、昇降可能な棚卸モジュールがナビゲーション車の制御に基づいて運動することで、積載物品のより多くの深さ情報を取得することができ、深さ情報に基づいて、より正確な棚卸結果を得ることができ、深さ情報に基づいて積載物品の棚卸結果を得ることができる。写真を撮って物品を棚卸する関連技術の方法と比較して、棚卸結果の確定速度が向上しており、無線周波数電子タグをスキャンして棚卸結果を得る方法と比較して、各物品に電子タグを設ける必要がなく、プロセスが節約され、コストが削減される。棚卸結果をバックエンド機器に送信することによって、ユーザーはバックエンド機器を介して積載物品の棚卸結果を把握することができるので、人手による現場での物品棚卸の状況が回避され、作業効率が向上し、時間と労力が節約される。
【0020】
オプションで、本発明の実施例によって提供される棚卸機器は棚卸機能を有する倉庫物流車であり、積載物品は倉庫内の積載荷物であることを例として説明する。
【0021】
本発明の実施例の一実施形態では、オプションで、図1に示すように、昇降可能な棚卸モジュール11は、昇降装置と深さセンサ111を含む。深さセンサ111は昇降装置に配置され、昇降装置はナビゲーション車10に配置される。オプションで、昇降装置は、鋏型昇降台である。深さセンサ111は、鋏型昇降台に配置され得る。鋏型昇降台は、ナビゲーション車10に配置される。鋏型昇降台は、平台1101、ベース1102及び鋏構造1103を含む。深さセンサ111は、平台1101に配置される。鋏型昇降台は、油圧式鋏型昇降台であり得る。鋏型昇降台は、他の昇降装置で取り替えることができる。オプションで、鋏型昇降台を採用することによって、製造コストを削減し、平台の運動を容易に制御し、深さセンサ111の昇降運動を容易に制御することができる。オプションで、深さセンサ111は、RGBD撮像装置及び距離センサであり得る。距離センサは、レーザー距離センサ(例えば、レーザーレーダー)、超音波距離センサ、又は赤外線距離センサなどであり得る。
【0022】
本発明の実施例によって提供される実施形態では、オプションで、図1に示すように、昇降可能な棚卸モジュール11は取り外し可能である。即ち、昇降可能な棚卸モジュール11は、ナビゲーション車10から分離することができる。昇降可能な棚卸モジュール11がナビゲーション車10から分離された後、ナビゲーション車10は荷物積載に使用され、荷物を指定された位置に自動的に搬送することができ、荷物積載の機能を実現することができる。
【0023】
図2は、本発明の実施例によって提供される棚卸機器の構造ブロック図である。図2に示すように、ナビゲーション車10は、処理装置に加えて、記憶機器101、第1撮像装置102、駆動輪103、慣性測定ユニット104、距離センサ105、第1資料伝送モジュール107及び無線資料伝送モジュール106をさらに含み得る。処理装置は、中央処理装置CPU 108と画像プロセッサGPU 109を含み得る。第1撮像装置102は、積載荷物が位置する棚の標識情報を取得し、標識情報を処理装置に送信することができる。距離センサ105は、積載荷物とナビゲーション車10との間の距離を確定することができる。処理装置はまた、標識情報を記憶されたマップ情報と照合し、照合された位置情報を棚の位置決め情報として、且つ積載荷物の位置決め情報として使用し、積載荷物の位置決め情報、及び積載荷物とナビゲーション車との間の距離に基づいて、ナビゲーション車10の位置決め情報を確定して、ナビゲーション車10が自体の位置を確定するようにするために使用され得る。
【0024】
図2に示すように、慣性測定ユニット104は、ナビゲーション車が地面に沿って運動するときの運動パラメータを測定するために使用される。それにより、処理装置は、運動パラメータに基づいて、地面に沿って移動する距離及び方向角などのデータを確定することができる。処理装置はまた、元の位置決め情報、移動距離及び方向角に基づいて、位置決めの操作を再実行することができる。ナビゲーション車10が昇降可能な棚卸モジュール11を左右運動させる必要があるとき、ナビゲーション車10は、処理装置を介して、駆動輪103が運動するように制御することができ、それにより、昇降可能な棚卸モジュール11を左右運動させることができる。慣性測定ユニット104によって測定された運動パラメータに基づいて、昇降可能な棚卸モジュール104の左右移動の距離及び方向角を確定することができる。処理装置は、左右移動の距離及び方向角に基づいて、ナビゲーション車10が運動するように制御する。
【0025】
記憶機器101は、例えば、ナビゲーション車の位置決め情報、ナビゲーション情報、倉庫マップ情報、配送情報、ピッキング情報及び棚卸情報などの情報を記憶するために使用することができる。棚卸情報は、棚のサイズ、各荷物のサイズ、棚卸タスク情報などを含み得る。第1資料伝送モジュール107は、ナビゲーション車10と昇降可能な棚卸モジュール11との間のデータ通信に使用することができる。無線資料伝送モジュール106は、ナビゲーション車10とバックエンド機器との間のデータ通信に使用することができる。上記の実施例に基づいて、ナビゲーション車10は給電モジュール1091をさらに含み得る。給電モジュール1091は、ナビゲーション車の各モジュールに電気的に接続することができ(電気接続関係は図2には示されていない)、ナビゲーション車10の各モジュールに電力を供給するために使用される。
【0026】
図2に示すように、昇降可能な棚卸モジュール11は、鋏型昇降台110と深さセンサ111に加えて、第2撮像装置112、補光装置113、電池114及び第2資料伝送モジュール115をさらに含み得る。補光装置113は補光ランプであり得る。電池114は、昇降可能な棚卸モジュール11の各モジュールに電力を供給することができる。または、ナビゲーション車10の給電モジュール1091の電力が、昇降可能な棚卸モジュール11の各モジュールに電力を供給するのに不十分である場合、電池114は、昇降可能な棚卸モジュール11の各モジュールに電力を供給することができる。
【0027】
本発明の実施例では、昇降可能な棚卸モジュール11は、第2資料伝送モジュール115を介してナビゲーション車10とのデータ通信を実行することができる。第2撮像装置112は、積載荷物の写真又はビデオを取得することができる。補光装置113は、外部環境光の明るさが設定値よりも低い場合に、第2撮像装置112に対して補光を行うために使用され得る。第2撮像装置112によって撮影された積載荷物の写真又はビデオに基づいて、外部環境光の明るさを判断することができ、又は環境光センサによって外部環境光の明るさを検出することができる。外部環境光の明るさが設定値よりも低い場合に、補光装置113は、第2撮像装置112に対して補光を行う。
【0028】
本発明の実施例では、積載物品が倉庫内の積載荷物である場合、上記の棚卸機器を使用して荷物棚卸を実行する方法は次のとおりであり得る。昇降可能な棚卸モジュールは、積載荷物が位置する棚における昇降可能な棚卸モジュールに近接する辺と、昇降可能な棚卸モジュールとの間の距離を取得し、前記距離及び棚のサイズに基づいて、棚における昇降可能な棚卸モジュールから離れた辺と、前記昇降可能な棚卸モジュールとの間の距離を確定し、ナビゲーション車の制御に基づいて昇降運動し、昇降中に積載荷物中の荷物と昇降可能な棚卸モジュールとの間の距離を取得し、ナビゲーション車の駆動により左右移動し、左右移動中に積載荷物中の荷物と昇降可能な棚卸モジュールとの間の距離を取得する。ナビゲーション車は、昇降可能な棚卸モジュールが昇降中に取得した積載荷物中の荷物と前記昇降可能な棚卸モジュールとの間の距離に基づいて、前記積載荷物の高さ境界線の辺の長さを確定しており、昇降可能な棚卸モジュールが左右移動中に取得した積載荷物中の荷物と昇降可能な棚卸モジュールとの間の距離に基づいて、幅境界線の辺の長さを確定しており、棚における昇降可能な棚卸モジュールから離れた辺と昇降可能な棚卸モジュールとの間の距離、及び荷物と昇降棚卸モジュールとの間の距離に基づいて、前記積載荷物の厚さ境界線の辺の長さを確定し、各辺の長さに基づいて、積載荷物中の荷物の数量情報を確定し、数量情報をバックエンド機器に送信するために使用される。
【0029】
ナビゲーション車は、処理装置によって、昇降可能な棚卸モジュールが昇降運動するように制御する。図3に示すように、ナビゲーション車は、処理装置によって、深さセンサ111が昇降運動するように制御し、昇降中に積載荷物200の荷物と昇降可能な棚卸モジュールの深さセンサ111との間の距離を取得し、距離情報をナビゲーション車の処理装置に送信する。ナビゲーション車は、処理装置によって、高さ境界線(図3の破線は高さ境界線を示す)を確定し、高さ境界線の各辺の長さを確定することができる。例えば、深さセンサ111がRGBD撮像装置である場合、RGBD撮像装置によって積載荷物200の深さ図像を得ることができ、積載荷物200の深さ図像によって積載荷物200の荷物と昇降可能な棚卸モジュールとの間の距離を確定することができ、それにより、該距離によって積載荷物200の高さ境界線を確定することができる。昇降可能な棚卸モジュールが昇降運動するように制御することで、複数の深さ図像を得ることができる。複数の深さ図像を比較して、積載荷物の高さ境界線の各辺の長さをより正確に得ることができる。深さセンサ111が距離センサである場合、ナビゲーション車における処理装置は、昇降可能な棚卸モジュールが昇降するように制御することで、距離センサによって積載荷物200の荷物と昇降可能な棚卸モジュールとの間の距離を得ることができ、この距離によって高さ境界線を確定することができる。昇降可能な棚卸モジュールの昇降距離及び距離センサの検出角度などの情報によって、高さ境界線の各辺の長さを得ることができる。積載荷物200の荷物と深さセンサとの間の距離によって高さ境界線の辺の長さを確定する方法については、関連技術における説明を参照することもできる。
【0030】
図4に示すように、ナビゲーション車は、昇降可能な棚卸モジュールを左右移動させることができる(図4の一方向の直線矢印は、ナビゲーション車が昇降可能な棚卸モジュールを移動させる方向を示すことができる)。ナビゲーション車は、駆動輪が地面に沿って左右移動するように制御することで、昇降可能な棚卸モジュールを左右移動させる。それにより、昇降可能な棚卸モジュールにおける深さセンサ111は、左右移動中に、積載荷物200の荷物と昇降可能な棚卸モジュールとの間の距離を取得する。ナビゲーション車の処理装置は、この距離に基づいて、幅境界線(図4の破線部分は幅境界線を示すことができる)を確定し、幅境界線の辺の長さを確定することができる。幅境界線の辺の長さを確定する方法は、昇降可能な棚卸モジュールの昇降運動中に高さ境界線の辺の長さを確定する原理と同じであることができ、繰り返さない。
【0031】
積載荷物が棚上にある場合、昇降可能な棚卸モジュールの昇降中及び左右移動中に、ナビゲーション車は、昇降可能な棚卸モジュールが取得した深さ情報に基づいて、棚又は荷物を区別することができる。例えば、深さ情報に基づいて、検出された対象に等間隔の隙間がある場合、検出された対象は棚であると判断することができる。
【0032】
図4に示すように、積載荷物が位置する棚100における昇降可能な棚卸モジュールに近接する辺はL1であり、棚100における昇降可能な棚卸モジュールから離れた辺はL2である。昇降可能な棚卸モジュールは、深さセンサ111によって昇降可能な棚卸モジュールとL1との間の距離をd1として取得することができ、積載荷物200の荷物と昇降可能な棚卸モジュールとの間の距離をd2として確定することができる。深さセンサ111は、測定された距離情報をナビゲーション車の処理装置に送信する。ナビゲーション車は、処理装置によって、昇降可能な棚卸モジュールとL1との間の距離(d1)及び棚の辺長に基づいて、昇降可能な棚卸モジュールとL2との間の距離をd3として確定することができる。棚の辺長は、通常、バックエンド機器の表示画面を介して事前に入力されるが、深さセンサ111によって測定することもできる。ナビゲーション車は、処理装置によって、昇降可能な棚卸モジュールとL2との間の距離(d3)及び積載荷物200の荷物と昇降可能な棚卸モジュールとの間の距離(d2)に基づいて、積載荷物の厚さ境界線の辺の長さ(d3-d2)を得ることができる。
【0033】
上記の方法により、昇降可能な棚卸モジュールが運動するように制御し、荷物に対する棚卸を実行することができる(棚卸時の模式図は図5aを参照できる)。上記の方法により、図5bに示される積載荷物のA-Fの辺の長さを計算し、各辺の長さ及び荷物のサイズに基づいて荷物の数量を確定し、数量情報をバックエンド機器に送信することができる。一実施形態では、まず、ナビゲーション車は第1測定点に前進する。前進中に、昇降可能な棚卸モジュール11は、可能な下降高さの最低点に維持される(これにより、ナビゲーション車は、非棚卸モードで移動するときに、走行中の重心が最も低く、移動が最も安定して転倒しにくいことを保証できる)。ナビゲーション車が第1測定点に到達した後、昇降可能な棚卸モジュール11は、下から上昇して荷物のサイズを測定し、深さセンサ111は、第1測定点から上昇する過程において辺長B1、C、D1を測定することができる。その後、ナビゲーション車は、第1測定点から積載荷物の1つの辺長方向に沿って前進し、前進すると同時にこの辺長Aを測定する。深さセンサ111により深さ方向に比較的大きな落差がある(又は落差閾値よりも大きく、図5bに示すように、深さ感知結果はd2からd3に変化する)ことを感知すると、ナビゲーション車は移動を停止し、そのときの位置を第2測定点とする。ナビゲーション車が第2測定点に到達した後、昇降可能な棚卸モジュール11は、上下移動して積載荷物のサイズを測定し、深さセンサ111は、第2測定点で上下移動する過程において辺長B2、E、D2を測定することができる。最終的に、積載荷物の後方に物理的な境界(壁など)がある場合、ナビゲーション車は再び荷物のこの辺長方向に沿って前進して、Fの辺長を測定することができる(d3からd2を引いてFの辺長を得ることができる)。この積載荷物の後方に物理的な境界がない場合、ナビゲーション車は、深さセンサ111が辺長Fを向くようにターンして、上記のステップに従って測定を再実行する。荷物のサイズ(長さ、幅、高さの情報)情報、及び棚のサイズ情報は、ナビゲーション車の記憶機器に事前に記憶することができるか、又は棚卸機器によりナビゲーション車を介してバックエンド機器の倉庫管理システムから取得することができる。オプションで、倉庫管理システムは、バックエンド機器に配置することができる。倉庫管理システムにより、ユーザーは棚卸結果をチェックすることができる。
【0034】
本発明の実施例の一実施形態では、オプションで、ナビゲーション車はまた、積載荷物の深さ情報が不十分であると判断すると、昇降可能な棚卸モジュールを積載荷物の周りに運動させて、積載荷物の他の角度の深さ情報を取得することができる。ナビゲーション車は、処理装置により積載荷物の深さ情報が積載荷物の片面の深さ情報のみであると判断した場合、又は深さ情報により積載荷物中の荷物の間に隙間があると判断した場合、又は深さ情報により積載荷物の辺長情報を確定できない場合、自体の位置決め情報、及び積載荷物の位置決め情報に基づいて、積載荷物の周りの運動のナビゲーション経路を計画し、ナビゲーション経路に基づいて、昇降可能な棚卸モジュールを積載荷物の周りに運動させ、他の角度から積載荷物の深さ情報を取得する。ナビゲーション車が昇降可能な棚卸モジュールを積載荷物の周りに運動させる模式図は、図6を参照することができる。ナビゲーション経路を計画する方法は、関連技術の方法を参照することができ、ナビゲーション経路に基づいて運動する方法は、関連技術の方法を参照することができる。
【0035】
図2に示すように、ナビゲーション車10は、第1撮像装置102を介して積載荷物が位置する棚の標識情報を取得し、距離センサ105を介して積載荷物とナビゲーション車10との間の距離を確定する。前記標識情報を記憶されたマップ情報と照合し、照合された位置情報を棚の位置決め情報として、且つ積載荷物の位置決め情報として使用し、積載荷物の位置決め情報、及び前記積載荷物とナビゲーション車との間の距離に基づいて、ナビゲーション車10の位置決め情報を確定する。ナビゲーション車10は、自体の位置決め情報及び積載荷物の位置決め情報に基づいて、ナビゲーション経路を確定し、ナビゲーション経路に基づいて、昇降可能な棚卸モジュール11を積載荷物の周りに運動させる。ナビゲーションプロセス中に、ナビゲーション車10は、慣性測定ユニット104によって取得された運動パラメータに基づいて、移動方向などのパラメータを制御することで、ナビゲーション経路に沿った運動を実現し、それによって、荷物の周りの運動を実現する。ナビゲーション車が積載荷物の周りに運動している間に、自体の位置決め方法はまた、他の関連技術の室内位置決め方法であり得る。位置決め方法に制限がない。
【0036】
本発明の実施例の一実施形態では、図2に示すように、昇降可能な棚卸モジュール11は、第2撮像装置112によって積載荷物の写真又はビデオを取得し、図像又はビデオをナビゲーション車10に送信する。ナビゲーション車10はまた、ナビゲーション経路が障碍物によってブロックされている場合、バックエンド機器が表示画面に前記写真又はビデオを表示するために、積載荷物の写真又はビデオをバックエンド機器に送信するために使用される。ナビゲーション車は、距離センサ105によって、ナビゲーション経路に障害物があるか否かを判断することができる。ナビゲーション経路が障害物によってブロックされている場合、第2撮像装置112によって撮像された積載荷物の写真又はビデオをバックエンド機器に送信して、バックエンド機器を介して積載荷物の写真又はビデオをユーザーに表示することができる。又はナビゲーション車が現在のナビゲーション経路がブロックされていると判断した場合、ナビゲーション車は、積載荷物への迂回を実現するために、自動的に他のナビゲーション経路を計画することができる。
【0037】
本発明の実施例の一実施形態では、オプションで、図2に示すように、本発明の実施例によって提供される棚卸機器はまた、前記バックエンド機器から送信された作業モード切り替え指令をナビゲーション車10によって受信し、切り替え指令に従って作業モードを切り替えるために使用される。切り替え指令は、棚卸モードから荷物積載モードに切り替える指令、又は荷物積載モードから棚卸モードに切り替える指令を含む。ユーザーは、必要に応じて、棚卸機器作業モードを制御する切り替え指令をトリガーすることができる。棚卸機器は、バックエンド機器から送信された作業モード切り替え指令をナビゲーション車10によって受信し、切り替え指令に従って作業モードを切り替える。オプションで、棚卸機器は、ナビゲーション車10を介して作業モードを棚卸モードから荷物積載モードに切り替えると、積載荷物に対する棚卸を停止する。
【0038】
その結果、棚卸機器は、作業モード切り替え指令に対する応答によって、作業モードの切り替えを実現し、ユーザーのニーズを満足し、ユーザーに便利であり、棚卸機器の棚卸/荷物積載機能を実現する。
【0039】
図7は、本発明の実施例によって提供されるバックエンド機器の構造模式図である。本発明の実施例によって提供されるバックエンド機器は、本発明の実施例によって提供される棚卸機器と同じ場面に適用することができる。図7に示すように、バックエンド機器300は、棚卸機器から送信された積載物品の棚卸結果を受信し、表示画面301を介して前記棚卸結果を表示するために使用される。オプションで、バックエンド機器は、遠隔管理機器、クラウド機器、又はインテリジェント端末を含む。遠隔管理機器は、サーバーと表示画面を含み得る。
【0040】
図7に示されるバックエンド機器の構造は単なる例示であり、バックエンド機器の構造は、図7に示される構造に限定されない。
【0041】
本発明の実施例の一実施形態では、オプションで、バックエンド機器はまた、作業モード切り替え指令を受信し、前記作業モード切り替え指令を棚卸機器に送信し、棚卸機器が作業モードを切り替えるようにするために使用される。バックエンド機器は、複数の棚卸機器に対する監視と制御を実現することもできる。バックエンド機器は、棚卸機器の作業モードの切り替えを制御するためのコントロールを表示することができる。ユーザーがこのコントロールをトリガーすると、作業モード切り替え指令を棚卸機器に送信することができるため、棚卸機器は作業モードを切り替えることができる。バックエンド機器は、各棚卸機器の棚卸結果を表示したり、棚卸機器から送信された写真又はビデオを表示したり、各棚卸機器の作業モードを表示したりすることもできる。バックエンド機器が情報を表示するのは、図8を参照できる。図8に示すように、バックエンド機器は、棚卸モードでの棚卸機器の情報及び荷物積載モードでの棚卸機器の情報を表示することができる。例えば、左側の領域H1は、ナビゲーション車の荷物積載モードと棚卸モードの情報総括及びモード切り替えの領域である。この領域では、荷物積載モードでのナビゲーション車、及び棚卸モードでのナビゲーション車のリアルタイムの数量及び状態情報を表示する。また、この領域では、ナビゲーション車の荷物積載モードと棚卸モードとの間の切り替えを実行することもできる。図8を例にとると、本実施例の左側の領域H1では、棚卸モードでの棚卸機器が合計2あり、1台が棚卸タスクを実行し、1台が待機することを表示する。領域H1では、荷物積載モードでの棚卸機器が合計20台あり、そのうち、15台が荷物積載タスクを実行し、5台が待機することを表示する。領域H1では、2つのコントロールを表示し、それぞれが「クリック切り替え1」と「クリック切り替え2」である。2つのコントロールはそれぞれ、棚卸機器の作業モードを切り替えるために使用される。図8に示すように、バックエンド機器は、棚卸結果表示領域H2をさらに備える。即ち、バックエンド機器は、棚卸機器の棚卸結果を表示することもできる。棚卸が成功した場合、荷物数量を直接表示し、棚卸が成功していない場合、棚卸が成功できない原因などを含むエラー情報を表示する。図8を例にとると、本実施例の中央上方領域H2は、次のAエリアの棚卸結果を表示する。棚a1上の荷物が100個ある。棚a2上の荷物が98個あり、棚a3の深さ情報が不十分である。a1、a2及びa3はそれぞれ棚の標識であり得る。図8に示すように、バックエンド機器は、棚卸写真又は棚卸ビデオ表示領域H3(本実施例では、画面の右上に位置する)をさらに備える。即ち、バックエンド機器は、棚卸機器が棚卸中に収集した写真又はビデオ400を表示することもできる。一実施例では、領域H3は、深さ情報が不十分であるため棚卸が失敗した積載荷物の写真又は積載荷物のビデオを表示する。図8に示すように、バックエンド機器は、リアルタイム作業マップ表示領域H4をさらに備える。即ち、バックエンド機器は、ナビゲーション車の現在のリアルタイム位置情報を表示することができる。バックエンド機器は、ナビゲーション車が現在荷物積載モードであるか棚卸モードであるかをマークすることができる。図8を例にとると、本実施例では、右下の領域H4は、リアルタイムの作業マップ及び各ナビゲーション車の位置を表示する。記号201は、荷物積載モードでのナビゲーション車を表し、記号202は、棚卸モードでのナビゲーション車を表す。異なる色又は形を使用して、荷物積載モード又は棚卸モードでのナビゲーション車を区別することができる。バックエンド機器が情報を表示する方法は、上記の形式に限定されず、例えば、領域の位置を変更したり、各領域の情報をページングして表示したりするなど、他の形式であってもよい。
【0042】
本発明の実施例によって提供されるバックエンド機器は、棚卸結果を受信し表示することで、積載物品の棚卸結果を容易に把握することができるので、人手による現場での物品棚卸の状況が回避され、作業効率が向上し、時間と労力が節約される。
【0043】
図9及び図10は、本発明の実施例によって提供される棚卸管理システムの構造模式図である。図9~10に示すように、本発明の実施例によって提供される棚卸管理システムは、本発明の実施例によって提供される棚卸機器1及び本発明の実施例によって提供されるバックエンド機器2を含み得る。棚卸機器及びバックエンド機器の説明については、上記の実施例の説明を参照することもできる。
【0044】
図11は、本発明の実施例によって提供される棚卸方法のフローチャートである。本発明の実施例によって提供される方法は、本発明の実施例によって提供される棚卸機器を採用して実現される。図11に示すように、本発明の実施例によって提供される技術的解決策は、次のS1110~S1120を含む。
S1110では、昇降可能な棚卸モジュールによって、前記ナビゲーション車の制御に基づいて運動し、棚卸する必要がある積載物品の深さ情報を運動によって取得する。
S1120では、ナビゲーション車によって、前記深さ情報に基づいて積載物品の各辺長情報を確定し、前記各辺長情報に基づいて積載物品の棚卸結果を確定し、前記棚卸結果をバックエンド機器に送信する。
【0045】
本発明の実施例における各ステップについては、上記の実施例の関連する説明を参照することができ、ここでは繰り返さない。
【0046】
本発明の実施例によって提供される技術的解決策は、昇降可能な棚卸モジュールがナビゲーション車の制御に基づいて運動することで、積載物品のより多くの深さ情報を取得することができ、深さ情報に基づいて、より正確な棚卸結果を得ることができ、深さ情報に基づいて積載物品の棚卸結果を得ることができる。写真を撮って物品を棚卸する関連技術の方法と比較して、棚卸結果の確定速度が向上しており、無線周波数電子タグをスキャンして棚卸結果を得る方法と比較して、各物品に電子タグを設ける必要がなく、プロセスが節約され、コストが削減される。棚卸結果をバックエンド機器に送信することによって、ユーザーはバックエンド機器を介して積載物品の棚卸結果を把握することができるので、人手による現場での物品棚卸の状況が回避され、作業効率が向上し、時間と労力が節約される。
【0047】
図12は、本発明の実施例によって提供される棚卸管理方法のフローチャートである。本発明の実施例によって提供される方法は、本発明の実施例によって提供される棚卸管理システムを採用して実現される。図12に示すように、本発明の実施例によって提供される技術的解決策は、次のS1210~S1230を含む。
S1210では、棚卸機器は、昇降可能な棚卸モジュールによって、前記ナビゲーション車の制御に基づいて運動し、棚卸する必要がある積載物品の深さ情報を運動によって取得する。
S1220では、前記棚卸機器は、ナビゲーション車によって、前記深さ情報に基づいて積載物品の各辺長情報を確定し、前記各辺長情報に基づいて積載物品の棚卸結果を確定し、前記棚卸結果をバックエンド機器に送信する。
S1230では、バックエンド機器は、前記棚卸機器から送信された積載物品の棚卸結果を受信し、前記棚卸結果を表示する。
【0048】
本発明の実施例における各ステップについては、上記の実施例の関連する説明を参照することができ、ここでは繰り返さない。
【0049】
本発明の実施例によって提供される技術的解決策は、昇降可能な棚卸モジュールがナビゲーション車の制御に基づいて運動することで、積載物品のより多くの深さ情報を取得することができ、深さ情報に基づいて、より正確な棚卸結果を得ることができ、深さ情報に基づいて積載物品の棚卸結果を得ることができる。写真を撮って物品を棚卸する関連技術の方法と比較して、棚卸結果の確定速度が向上しており、無線周波数電子タグをスキャンして棚卸結果を得る方法と比較して、各物品に電子タグを設ける必要がなく、プロセスが節約され、コストが削減される。棚卸結果をバックエンド機器に送信することによって、ユーザーはバックエンド機器を介して積載物品の棚卸結果を把握することができるので、人手による現場での物品棚卸の状況が回避され、作業効率が向上し、時間と労力が節約される。
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12