(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-08-19
(45)【発行日】2024-08-27
(54)【発明の名称】喫煙材を加熱するための装置に用いられる物品
(51)【国際特許分類】
A24D 1/20 20200101AFI20240820BHJP
A24F 40/20 20200101ALI20240820BHJP
【FI】
A24D1/20
A24F40/20
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022028295
(22)【出願日】2022-02-25
(62)【分割の表示】P 2018560760の分割
【原出願日】2017-05-19
【審査請求日】2022-03-24
(32)【優先日】2016-05-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519138265
【氏名又は名称】ニコベンチャーズ トレーディング リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Nicoventures Trading Limited
【住所又は居所原語表記】Globe House, 1 Water Street,WC2R 3LA London,United Kingdom
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100094318
【氏名又は名称】山田 行一
(72)【発明者】
【氏名】イングランド, ウィル
(72)【発明者】
【氏名】ウッドマン, トム
(72)【発明者】
【氏名】フィリップス, ジェレミー
(72)【発明者】
【氏名】ゴメス, パブロ ハビエル バジェステロス
【審査官】吉澤 伸幸
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-503336(JP,A)
【文献】特開平10-004946(JP,A)
【文献】特表2015-506170(JP,A)
【文献】特表2014-525237(JP,A)
【文献】国際公開第2015/166245(WO,A2)
【文献】国際公開第2008/146548(WO,A1)
【文献】特表2019-518450(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 1/20
A24F 40/00 - 47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱装置および喫煙品を備えるシステムであって、
前記加熱装置は、喫煙材の少なくとも一つの成分を揮発させるために前記喫煙材を加熱するように構成され、ハウジングおよび少なくとも一つのヒータ構成体を備え、
前記ハウジングは、喫煙材を含む喫煙品が前記加熱装置に挿入できる第1の端部で第1の開口部を有し、
前記少なくとも一つのヒータ構成体は、使用されるとき、前記喫煙品の前記喫煙材を加熱する為に前記ハウジング内に構成され、
前記加熱装置に挿入される前記喫煙品は、喫煙材からなる本体と、
第1の端部および第2の端部を有する環状管である冷却セグメント、フィルタセグメントおよび口側端部セグメントを備えるアセンブリと、
を備え、
前記
環状管は、前記喫煙材の揮発された少なくとも一つの成分を流すための、更に、前記喫煙材の揮発された少なくとも一つの成分を冷却するためのチャンバを画定
し、
前記フィルタセグメントは、揮発された前記喫煙材の少なくとも一つの成分を濾過する為に前記冷却セグメントに隣接され、
前記口側端部セグメントは、使用者の口中に受け入れられ、
前記
環状管は、前記喫煙材からなる本体と前記口側端部セグメントとの間に配置され、
前記環状管の前記第1の端部は前記喫煙材と当接関係にあり、前記環状管の第2の端部は前記フィルタセグメントと当接関係にあり、前記フィルタセグメントは前記環状管を前記口側端部セグメントから分離し、
前記喫煙品が喫煙材を加熱するための前記装置に完全に挿入された場合に、前記
環状管の第1の部分が前記装置内にあり、前記
環状管の第2の部分が前記装置の外に延びているように前記喫煙品が構成されており、前記
環状管は、通気領域を備え、前記通気領域は、前記環状管の管壁を貫通して形成された1列以上の穴を含み、前記1列以上の穴の各々が、前記環状管の管壁の全周にわたって配置され、空気が前記冷却セグメントを通過して前記喫煙材の揮発された前記少なくとも一つの成分と混合することを可能にし、
前記ヒータ構成体は、前記喫煙品が使用時に加熱のために挿入される中空の内部加熱チャンバを有する円筒形の中空管の形態をとる、システム。
【請求項2】
前記冷却セグメントは、紙で作られている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記加熱装置は、制御回路と、バッテリとを備え、前記制御回路は、前記ハウジング内に配置されたヒータ構成体を制御するように構成され、前記バッテリは、前記ハウジング内に配置され、前記ヒータ構成体に電力を供給するために、前記制御回路の制御の下において前記喫煙材を加熱するために、前記ヒータ構成体と電気的に結合されている、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記喫煙品は、近位端および遠位端を含み、前記口側端部セグメントは前記近位端にあり、前記通気領域は、前記喫煙品の前記近位端から17mmと20mmとの間にある、請求項
1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記喫煙品は、近位端および遠位端を含み、前記遠位端は、前記喫煙材からなる本体の軸線方向端部を覆う端部部材を備える、請求項
1~4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記冷却セグメントは、空隙を画定する環状管であり、前記冷却セグメントの第1の端部に入る加熱された揮発成分と前記冷却セグメントの第2の端部から出る加熱された揮発成分との間に少なくとも40℃の温度差をもたらすように構成される、請求項
1~5のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項7】
前記冷却セグメントは、前記冷却セグメントの第1の端部に入る加熱された揮発成分と前記冷却セグメントの第2の端部から出る加熱された揮発成分との間に少なくとも60℃の温度差をもたらすように構成される、請求項
6に記載のシステム。
【請求項8】
前記口側端部セグメントは、6mm~10mmの中空管からなる、請求項
1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記フィルタセグメントは、モノアセテート材料を含み、長さが6mm~10mmである、請求項
1~8のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記アセンブリの長さは、37mm~45mmである、請求項
1~9のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
前記喫煙材からなる本体の長さは、34mm~50mmである、請求項
1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記通気領域が、前記中空管の管壁を貫通して形成された複数の列の穴を備え、前記複数の列が、前記通気領域に沿って互いに軸線方向に離間されている、請求項
1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも一つの穴が100μm~500μmの直径を有する、請求項
1~12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
各列の通気穴は、12個~36個の通気穴を有する、請求項
1~13のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項15】
換気率は、50%~85%である、請求項
1~14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記少なくとも一つのヒータ構成体は、誘導加熱の為に構成されている、請求項
1~15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記加熱装置は、前記第1の開口部の周囲に周方向に配置された複数の隆起部を備え、前記隆起部の位置での開口部の開口スパンが、前記隆起部のない位置での開口部の開口スパンよりも小さくなるように、開口部内に突出する、請求項
16に記載のシステム。
【請求項18】
前記隆起部は、前記加熱装置内に挿入されたときに前記喫煙品と係合して、前記喫煙品を前記加熱装置内に固定するのを助けるように構成される、請求項
17に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、喫煙材の少なくとも一つの成分を揮発させるために喫煙材を加熱するための装置と共に用いられる物品と、喫煙材の少なくとも一つの成分を揮発させるために喫煙材を加熱するための装置と、前記物品及び前記装置を備えるキットとに関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻タバコ、葉巻タバコ等の物品は、使用の間、タバコを燃焼してタバコ煙を発生させる。燃焼せずに化合物を放出する製品を創出することによって、タバコを燃焼させるこれらの物品に代わるものを提供する試みがなされている。そのような製品の例としては、タバコ加熱製品又はタバコ加熱装置としても知られているいわゆる非燃焼・加熱式(heat-not-burn)製品がある。これらは、材料を燃焼するのではなく加熱することで化合物を放出する。その材料は、例えば、タバコでもよいし、他の非タバコ製品でもよいし、ブレンドされた混合物等の組み合わせたものでもよく、それらは、ニコチンを含んでいてもよいし、含んでいなくてもよい。
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様によれば、喫煙材の少なくとも一つの成分を揮発させるために喫煙材を加熱するための装置に挿入される喫煙品が提供される。この喫煙品は、喫煙材からなる本体と、喫煙材の揮発された少なくとも一つの成分を冷却するための冷却セグメント、喫煙材の揮発された少なくとも一つの成分を濾過するための、冷却セグメントに隣接するフィルタセグメント、及び、使用者の口中に受け入れられる、フィルタセグメントに隣接する口側端部セグメントを備えるアセンブリとを具備する。冷却セグメントは喫煙材からなる本体とフィルタセグメントとの間に配置され、喫煙品は、それが喫煙材を加熱するための装置に完全に挿入された場合に、冷却セグメントの第1の部分が装置内にあり、冷却セグメントの第2の部分が装置の外に延びているように構成されており、冷却セグメントの第2の部分は、空気を冷却セグメント内に流入させて、喫煙材の揮発された少なくとも一つの成分と混合させることを可能とする通気領域を備える。
【0004】
本発明の第2の態様によれば、喫煙材の少なくとも一つの成分を揮発させるために喫煙材を加熱するための装置に挿入される喫煙品が提供され、この喫煙品は、喫煙材からなる本体と、喫煙材の揮発された少なくとも一つの成分を冷却するための冷却セグメント、喫煙材の揮発された少なくとも一つの成分を濾過するための、冷却セグメントに隣接するフィルタセグメント、及び、使用者の口中に受け入れられる、フィルタセグメントに隣接する口側端部セグメントを備えるアセンブリとを具備するものであり、冷却セグメントは喫煙材からなる本体とフィルタセグメントとの間に配置され、冷却セグメントは、空気を冷却セグメント内に流入させて、喫煙材の揮発された少なくとも一つの成分と混合させることを可能とする通気領域を備え、通気領域は、冷却セグメントの外壁を貫通して形成された1列以上の穴を備える。
【0005】
本発明の第3の態様によれば、喫煙材の少なくとも一つの成分を揮発するように構成された加熱装置と、加熱装置内に挿入される、前記第1の態様及び前記第2の態様のいずれかによる喫煙品とを備えるシステムが提供される。加熱装置は、喫煙品を加熱装置内に挿入することができる第1の開口部を第1の端部に有するハウジングと、使用時に喫煙材を加熱するための、ハウジング内に配置された少なくとも一つのヒータ構成体(「加熱構成体」とも称する)とを備える。
【0006】
以下、添付図面を参照してなされる、例としてのみ与えられる本発明の実施形態について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】喫煙材の少なくとも一つの成分を揮発させるために喫煙材を加熱するための装置と共に用いられる物品の一例を示す部分切欠き断面図である。
【
図3】喫煙材の少なくとも一つの成分を揮発させるために喫煙材を加熱するための装置と共に用いられる物品の一例を示す部分切欠き断面図である。
【
図4】喫煙材の少なくとも一つの成分を揮発させるために喫煙材を加熱するための装置と共に用いられる物品の一例を示す斜視図である。
【
図5】喫煙装置内に挿入された物品の一例を示す斜視図である。
【
図6】喫煙装置内に挿入された物品の一例を示す部分切欠き断面図である。
【
図7】喫煙装置内に挿入された物品の一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本書で用いられる場合、用語「喫煙材」は、加熱された際に揮発成分を、典型的にはエアロゾルの形態で供する材料を含む。「喫煙材」は、タバコ非含有材料又はタバコ含有材料とすることができる。「喫煙材」は、例えば、タバコ自体、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ、タバコ抽出物、均質化タバコ又はタバコ代替品のうちの一つ以上を含んでもよい。喫煙材は、挽きタバコ、刻みラグタバコ、押出タバコ、ゲル又は塊の形態とすることが可能である。「喫煙材」はまた、他に非タバコ製品を含んでいてもよいし、この非タバコ製品は、製品によってニコチンを含んでもよいし、含まないでもよい。
【0009】
本書で用いられる場合、用語「ポリイミド」は、イミド単量体を備える任意のポリマー、又はイミド単量体から実質的に形成された任意のポリマーをいい、飽和状態でも不飽和状態でもよい。ポリイミドは疎水性であってもよい。
【0010】
本書で使用される場合、「香料」及び「香味料」という用語は、成人消費者用の製品において所望の味又は香りをつけるために(現地の規制によって許可される場合に)使用することができる材料のことをいう。これらの材料は、抽出物(例えば、カンゾウ、アジサイ、ホオノキの葉、カモミール、フェヌグリーク、クローブ、メンソール、ニホンハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、ウィンターグリーン、サクランボ、ベリー、モモ、リンゴ、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、ビャクダン、ベルガモット、ゼラニウム、はちみつエッセンス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイラン、セージ、ウイキョウ、ピーマン、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、又はハッカ属の任意の種からのハッカ油等)、香味強化剤、苦味収容体部位遮断剤、感覚収容体部位活性化剤若しくは感覚収容体部位刺激剤、糖及び/又は代替糖(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、チクロ、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、又はマンニトール)、並びに他の添加物(例えば、チャコール、クロロフィル、ミネラル、植物性物質、又は息清涼剤)を含んでいてもよい。これらは、模造品、合成材料又は天然材料、或いはこれらの混合物であってもよい。これらは、天然の又はネイチャーアイデンティカルな芳香族化学物質を含んでいてもよい。これらは、油、液体、粉末又はゲル等、任意の適切な形態をとることができる。
【0011】
本書で使用される場合、用語「環状」は、リング状又はリングの形態にあることをいう。「環状」はそれ自体が円形であることを意味しない。いくつかの実施形態において、本書に「環状」として記載される要素は実際に円形であることもあるが、他の実施形態では、そのような要素は「環状」であってもよいし、楕円形や多角形のような円形以外のものであってもよい。
【0012】
図1及び
図2を参照すると、本発明の一実施形態による喫煙品101の一例の部分切欠き断面図及び斜視図がそれぞれ示されている。喫煙品101は、電源とヒータとを有する装置と共に使用するように構成されている。この実施形態の喫煙品101は、以下に説明する
図5~
図7に示す装置1と共に使用するのに特に適している。使用時、喫煙品101は、装置1の挿入点20において
図5に示す装置に取出し可能に挿入され得る。
【0013】
一例の喫煙品101は略円筒形のロッドの形態であり、これは、喫煙材103からなる本体と、ロッドの形態のフィルタアセンブリ105とを含む。フィルタアセンブリ105は、三つのセグメント(区分)、すなわち冷却セグメント107、フィルタセグメント109及び口側端部セグメント111を含む。喫煙品101は、口側の端部(本書では「口側端部」と称する)又は近位端としても知られる第1の端部113と、遠位端としても知られる第2の端部115とを有する。喫煙材103からなる本体は、喫煙品101の遠位端115の近傍に配置されている。一例では、冷却セグメント107は、喫煙材103とフィルタセグメント130とに当接関係であるように、喫煙材103からなる本体とフィルタセグメント109との間にて、喫煙材103からなる本体に隣接して配置されている。他の例では、喫煙材103からなる本体と冷却セグメント107との間、及び喫煙材103からなる本体とフィルタセグメント109との間に、間隔があってもよい。フィルタセグメント109は、冷却セグメント107と口側端部セグメント111との間に配置されている。口側端部セグメント111は、フィルタセグメント109に隣接して、喫煙品101の近位端113の近傍に配置されている。一例では、フィルタセグメント109は口側端部セグメント111と当接関係にある。一実施形態では、フィルタアセンブリ105の全長は37mm~45mmであり、より好ましくはフィルタアセンブリ105の全長は41mmである。
【0014】
一実施形態において、喫煙材103からなる本体はタバコを含む。しかしながら、他の各実施形態では、喫煙材103からなる本体は、タバコから成るものであってもよく、実質的に完全にタバコから成るものや、タバコとタバコ以外の喫煙材とを含むもの、タバコ以外の喫煙材を含むもの、又はタバコがないものでもよい。喫煙材は、グリセロール等のエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0015】
一例では、喫煙材103からなる本体の長さは34mm~50mmであり、より好ましくは喫煙材103からなる本体の長さは38mm~46mmであり、さらに好ましくは喫煙材103からなる本体の長さは42mmである。
【0016】
一例では、喫煙品101の全長は71mm~95mmであり、より好ましくは喫煙品101の全長は79mm~87mmであり、さらに好ましくは喫煙品101の全長は83mmである。
【0017】
喫煙材103からなる本体の軸線方向端部は、喫煙品101の遠位端115にて見ることができる。しかしながら、他の実施形態においては、喫煙品101の遠位端115は、喫煙材103からなる本体の軸線方向端部を覆う端部部材(図示せず)を備え得る。
【0018】
喫煙材103からなる本体は、環状のチップペーパー(図示せず)によってフィルタアセンブリ105に接合され、このチップペーパーは、フィルタアセンブリ105を取り囲むようにフィルタアセンブリ105の実質的に全周に配置され且つ喫煙材103からなる本体の長さに沿って部分的に延びている。一例では、チップペーパーは、58GSMの標準的なチップ原紙から作られる。また、一例では、チップペーパーは、42mm~50mmの長さを有し、より好ましくは、46mmの長さを有する。
【0019】
一例では、冷却セグメント107は環状管であり、冷却セグメント内の空隙の周囲に配置され冷却セグメント内の空隙を画定する。空隙は、喫煙材103からなる本体から発せられる加熱された揮発成分を流動させるためのチャンバを提供する。冷却セグメント107は、エアロゾルを溜めるためのチャンバを提供するために中空であるが、製造中に生じることがある軸線方向の圧縮力及び曲げモーメント、及び装置1に挿入されている間に喫煙品101が使用される場合に生じることがある軸線方向の圧縮力及び曲げモーメントに耐えるのに十分な程硬い。一例では、冷却セグメント107の壁厚は約0.29mmである。
【0020】
冷却セグメント107は、喫煙材103とフィルタ部109との間に物理的変位をもたらす。冷却セグメント107によってもたらされる物理的変位は、冷却セグメント107の長さ全体にわたって熱勾配を与える。一例では、冷却セグメント107は、冷却セグメント107の第1の端部に入る加熱された揮発成分と冷却セグメント107の第2の端部を出る加熱された揮発成分との間に少なくとも40℃の温度差をもたらすように構成される。一例では、冷却セグメント107は、冷却セグメント107の第1の端部に入る加熱された揮発成分と冷却セグメント107の第2の端部を出る加熱された揮発成分との間に少なくとも60℃の温度差をもたらすように構成される。冷却要素107の長さ全体にわたるこの温度差は、装置1の加熱構成体によって加熱されたときに、温度に敏感なフィルタセグメント109を喫煙材103の高温から保護する。フィルタセグメント109と、喫煙材103からなる本体と、装置1の加熱要素との間に物理的変位が与えられない場合、温度に敏感なフィルタセグメント109は使用中に損傷を受ける可能性があるので、必要な機能を効果的に果たさないおそれがある。
【0021】
一例では、冷却セグメント107の長さは少なくとも15mmである。一例では、冷却セグメント107の長さは、20mm~30mmであり、より具体的には23mm~27mmであり、より具体的には25mm~27mmであり、さらに具体的には25mmである。
【0022】
冷却セグメント107は紙で作られており、これは、使用時に装置1のヒータ構成体の近傍に配置された場合にも、問題の化合物、例えば毒性化合物を生成しない材料から構成されていることを意味する。一例では、冷却セグメント107は、中空の内部チャンバを提供すると共に機械的剛性を維持する螺旋巻きの紙管から製造される。螺旋巻きの紙管は、管の長さ、外径、真円度及び真直度に関して、高速製造プロセスの厳しい寸法精度要件を満たすことができる。
【0023】
別の例では、冷却セグメント107は、堅いプラグ巻取紙又はチップペーパーから作られた凹部である。堅いプラグ巻取紙又はチップペーパーは、製造中に生じることがある軸線方向の圧縮力及び曲げモーメント、及び装置1に挿入されている間に喫煙品101が使用される場合に生じることがある軸線方向の圧縮力及び曲げモーメントに耐えるのに十分な程剛性を有するように製造される。
【0024】
冷却セグメント107の各例について、冷却セグメントの寸法精度は、高速製造プロセスの寸法精度要件を満たすのに十分なものである。
【0025】
フィルタセグメント109は、喫煙材から、加熱された揮発成分からの一つ以上の揮発化合物を除去するのに十分な任意のフィルタ材料から作られるとよい。一例では、フィルタセグメント109は、セルロースアセテート等のモノアセテート材料から作られる。フィルタセグメント109は、加熱された揮発成分の量を使用者にとって満足のいかないレベルまで減らすことなく、加熱された揮発成分を冷却し、そこからの刺激の低減を可能とする。
【0026】
フィルタセグメント109のセルロースアセテートトウ材料の密度は、フィルタセグメント109の端から端までの圧力降下を制御し、ひいては喫煙品101の吸引抵抗を制御する。したがって、フィルタセグメント109の材料の選択は、喫煙品101の吸引抵抗を制御するのに重要である。さらに、フィルタセグメントは喫煙品101における濾過機能を果たす。
【0027】
一例では、フィルタセグメント109は8Y15グレードのフィルタトウ材料で作られ、これは、加熱された揮発材料に対して濾過効果を発揮すると共に、加熱された揮発材料から生じる凝縮されたエアロゾル液滴のサイズを小さくして、加熱された揮発材料の刺激及びのどへの衝撃を満足のいくレベルまで低減する。
【0028】
フィルタセグメント109の存在は、冷却セグメント107を流出する加熱された揮発成分をさらに冷却することによる断熱効果をもたらす。このさらなる冷却効果は、フィルタセグメント109の表面上の使用者の唇の接触温度を下げる。
【0029】
一つ以上の香料は、加香された液体をフィルタセグメント109に直接注入する形態、又は一つ以上の加香された易壊性カプセル若しくは他の香料担体をフィルタセグメント109のセルロースアセテートトウ内に埋め込むか配置することによる形態のいずれかで、フィルタセグメント109に添加され得る。
【0030】
一例では、フィルタセグメント109は、長さが6mm~10mmであり、より好ましくは8mmである。
【0031】
口側端部セグメント111は環状管であり、口側端部セグメント111内の空隙の周囲に配置され空隙を画定する。空隙は、フィルタセグメント109から流れる加熱された揮発成分のためのチャンバを提供する。口側端部セグメント111は、エアロゾルを収容するためのチャンバを提供するために中空であるが、製造中に生じることがある軸線方向の圧縮力及び曲げモーメント、及び装置1に挿入されている間に喫煙品101が使用される場合に生じることがある軸線方向の圧縮力及び曲げモーメントに耐えるのに十分な程硬い。
【0032】
一例では、口側端部セグメント111の長さは6mm~10mmであり、より好ましくは8mmである。一例では、口側端部セグメントの厚さは0.29mmである。
【0033】
口側端部セグメント111は、中空の内部チャンバを提供すると共に臨界的な機械的剛性を維持する螺旋巻きの紙管から製造され得る。螺旋巻き紙管は、管の長さ、外径、真円度及び真直度に関して、高速製造プロセスの厳しい寸法精度要件を満たすことができる。
【0034】
口側端部セグメント111は、フィルタセグメント109の出口に溜まる液体凝縮物が使用者と直接接触するのを防ぐ機能を果たす。
【0035】
一例では、口側端部セグメント111及び冷却セグメント107は単一の管から形成されてもよく、フィルタセグメント109はその管内に配置され、口側端部セグメント111と冷却セグメント107とを分離することは理解されるべきである。
【0036】
図3及び
図4を参照すると、本発明の一実施形態による物品ないしは喫煙品301の一例の部分切欠き断面図及び斜視図がそれぞれ示されている。
図3及び
図4に示されている参照符号は、
図1及び
図2に示されている参照符号に「200」を加えた値と同じである。
【0037】
図3及び
図4に示す喫煙品301の例では、通気領域317が、喫煙品301の外部から喫煙品301の内部に空気が流れることを可能にするために、喫煙品301内に設けられている。一例では、通気領域317は、喫煙品301の外層を貫通して形成された一つ以上の通気穴317の形態をとる。通気穴は、喫煙品301の冷却を助けるために冷却セグメント307に配置されるとよい。一例では、通気領域317は、1列以上の穴を含み、好ましくは、各列の穴は、喫煙品301の長手方向軸線に対して実質的に垂直な断面で喫煙品301の全周にわたって配置される。
【0038】
一例では、喫煙品301に対して通気を可能とするために1列~4列の通気穴がある。各列の通気穴は、12個~36個の通気穴317を有することができる。通気穴317は、例えば、直径が100μm~500μmとすることができる。一例では、通気穴317の列間の軸線方向の間隔は、0.25mm~0.75mmであり、より好ましくは、通気穴317の列間の軸線方向の間隔は0.5mmである。
【0039】
一例では、通気穴317は均一のサイズである。別の例では、通気穴317はサイズが異なる。通気穴は、任意の適切な技術、例えば、以下の技術のうちの一つ以上を使用して作製することができる。すなよち、レーザ技術、冷却セグメント307の機械的穿孔、又は冷却セグメント307を喫煙品301に形成する前の事前穿孔、である。通気穴317は、喫煙品301を効果的に冷却するように配置される。
【0040】
一例では、通気穴317の列は、喫煙品の近位端313から少なくとも11mmに配置され、より好ましくは通気穴は喫煙品301の近位端313から17mmと20mmとの間に配置される。通気穴317の位置は、喫煙品301の使用中に使用者が通気穴317を塞がないように配置される。
【0041】
有利なことに、
図6及び
図7から理解されるとおり、喫煙品301の近位端313から17mmと20mmとの間に通気穴の列を設けることによって、喫煙品301が装置1内に完全に挿入されたときに、通気穴317を装置1の外側に配置することができる。装置の外側に通気穴を配置することによって、加熱されていない空気は、装置301の外側から通気穴を通って喫煙品301に入ることができ、喫煙品301の冷却を助ける。
【0042】
冷却セグメント307の長さは、喫煙品301が装置1に完全に挿入されたときに冷却セグメント307の一部が装置1に挿入されるような長さである。冷却セグメント307の長さは、装置1のヒータ構成体と熱に敏感なフィルタ構成309との間に物理的な間隙を提供する第1の機能と、喫煙品301が装置1内に完全に挿入された場合に、通気穴317を冷却セグメント内に配置すると共に、装置1の外側にも配置することを可能にする第2の機能とを提供する。
図6及び
図7から分かるように、冷却要素307の大部分は装置1内に配置される。しかしながら、装置1の外へ延びる冷却要素307の部分もある。冷却要素307のこの部分は装置1の外に出ており、ここに通気穴317が配置されている。
【0043】
図5~
図7をより詳細に参照すると、喫煙材の少なくとも一つの成分を揮発させるために、典型的には吸引することができるエアロゾルを形成するために、喫煙材を加熱するよう構成された装置1の一例が示されている。装置1は、喫煙材を燃焼させることなく加熱することによって化合物を放出する加熱装置1である。
【0044】
第1の端部3は、本書では、装置1の口側の端部(口側端部)又は近位端3とも称され、第2の端部5は、本書では、装置1の遠位端5とも称される。装置1には、装置1全体が使用者の所望に応じてオン・オフを切り換えられるようにするオン・オフボタン7が設けられている。
【0045】
装置1は、装置1の様々な内部構成要素を配置し保護するためのハウジング9を含む。図示の例では、ハウジング9は、装置1の周りを囲む一体型スリーブ11を備え、このスリーブ11は、装置1の「上部」を概ね画定する上部パネル17と、装置1の「底部」を概ね画定する底部パネル19とで閉じられている。他の例では、ハウジングは、上部パネル17と底部パネル19に加えて、前部パネル、後部パネル及び一対の互いに対向する側部パネルを備える。
【0046】
上部パネル17及び/又は底部パネル19は、装置1の内部への容易なアクセスを可能にするために、一体型スリーブ11に取外し可能に固定されてもよく、又は、例えば装置1の内部に使用者がアクセスすることができないように、一体型スリーブ11に「永久的に」固定されてもよい。一例では、パネル17,19は、プラスチック材料(例えば、射出成形によって形成されるガラス充填ナイロン等)から作られ、一体型スリーブ11はアルミニウムから作られるが、他の材料や他の製造プロセスが使用されてもよい。
【0047】
装置1の上部パネル17は、装置1の口側端部3に開口20を有し、この開口20を通して、使用時に、喫煙材を含む喫煙品101,301を使用者が装置1に挿入し、また装置1から取り出すことができる。
【0048】
ハウジング9内には、ヒータ構成体23と、制御回路25と、電源27とが配置され又は固定されている。この例では、ヒータ構成体23、制御回路25及び電源27は、制御回路25が概ねヒータ構成体23と電源27との間に配置された状態で、横方向に隣り合っているが(すなわち、一端から見て隣り合っているが)、他の配置とすることも可能である。
【0049】
制御回路252は、以下でさらに説明するように、喫煙品101,301における喫煙材の加熱を制御するように構成され配置されたマイクロプロセッサ装置のようなコントローラを含むことができる。
【0050】
電源274は、例えば、再充電可能なバッテリー又は再充電できないバッテリーのようなバッテリーであってもよい。適切なバッテリーの例には、例えば、リチウムイオン電池、(ニッケル-カドミウム電池のような)ニッケル電池、アルカリ電池等が含まれる。バッテリー27は、必要時に電力を供給するために、また制御回路25の制御下において喫煙品の喫煙材を加熱するために(上述したように、喫煙材を燃焼させることなく、喫煙材を揮発させるために)、ヒータ構成体23に電気的に接続されている。
【0051】
電源27をヒータ構成体23の側方に隣接して配置する利点は、装置1全体を過度に長くさせることなく、物理的に大きな電源25を使用できることである。理解されるように、一般に、物理的に大きな電源25は、より高い容量(すなわち、供給可能な総電気エネルギー、多くの場合はアンペア時等で測定されるもの)を有し、したがって、装置1のバッテリー寿命をより長くすることができる。
【0052】
一例では、ヒータ構成体23は、概ね、中空の内部加熱チャンバ29を有する円筒形の中空管の形態をとり、加熱チャンバ29内に、喫煙材を含む喫煙品101,301が使用時に加熱のために挿入される。ヒータ構成体23は別の異なる構成とすることもできる。例えば、ヒータ構成体23は、単一の加熱要素からなるものとしてもよいし、ヒータ構成体23の長手方向軸線に沿って整列された複数の加熱要素から形成されてもよい。加熱要素は、環状であってもよいし、管状であってもよく、又はその周りにおいて少なくとも部分的に環状であっても、部分的に管状であってもよい。一例では、加熱要素は薄膜ヒータとすることができる。他の例では、加熱要素はセラミックス材料から作られたものでもよい。適切なセラミックス材料の例には、アルミナ、窒化アルミニウム及び窒化ケイ素セラミックスがあり、これらは積層され焼結されてもよい。他の加熱構成体も可能であり、例えば、誘導加熱、赤外線を放射することによって加熱する赤外線加熱素子、又は例えば抵抗電気巻線によって形成された抵抗加熱素子等がある。
【0053】
一つの特定の例では、ヒータ構成体23は、ステンレス鋼製の支持管によって支持され、ポリイミド加熱要素を備える。ヒータ構成体23は、装置1内に喫煙品101,301が挿入された場合に、喫煙品101,301における喫煙材103,303からなる本体の全体が実質的にヒータ構成体23内に挿入されるように、寸法が定められている。
【0054】
加熱要素は、喫煙材の選択された部分が、例えば、必要に応じて順番に(徐々に)又は一緒に(同時に)個別的に加熱されるように配置構成され得る。
【0055】
この例のヒータ構成体23は、熱絶縁体31によってその長さの少なくとも一部に沿って囲まれている。熱絶縁体31は、ヒータ構成体23から装置1の外部に伝わる熱を減少させるのに役立つ。これは、一般に熱損失を低減するので、ヒータ構成体23の電力条件を低く抑えるのに役立つ。熱絶縁体31はまた、ヒータ構成体23の動作中に装置1の外部を低温に維持するのに役立つ。一例では、熱絶縁体31は二重壁型のスリーブであり、これはスリーブの二つの壁の間に低圧領域を有するとよい。すなわち、熱絶縁体31は、例えば、「真空」管、すなわち熱伝導及び/又は対流による伝熱を最小限にするために少なくとも部分的に排気された管であるとよい。二重壁型のスリーブに加えて又はその代わりに、例えば適当な発泡型の材料を含む断熱材料を使用すること等、熱絶縁体31のための他の配置構成も可能である。
【0056】
ハウジング9は、加熱構成体23だけでなく、すべての内部構成要素を支持するための様々な内部支持構造37をさらに備えることができる。
【0057】
装置1は、開口部20の周りに延び開口部20からハウジング9の内部に突出するカラー33と、カラー33と真空スリーブ31の一端との間に配置された略管状のチャンバ35とをさらに備える。チャンバ35はさらに冷却構造35fを備え、冷却構造35fは、この例では、チャンバ35の外面に沿って間隔を置いて配置され、それぞれがチャンバ35の外面の周りに周方向に配置された複数の冷却フィン35fを備える。中空のチャンバ35の長さの少なくとも一部にわたって喫煙品101,301が装置1に挿入された場合、中空のチャンバ35と喫煙品101、301との間に空隙36が形成される。空隙36は、冷却セグメント307の少なくとも一部にわたって喫煙品101、301の全周の周りに形成される。
【0058】
カラー33は、開口部20の周囲に周方向に配置された複数の隆起部60を備え、これらの隆起部60は開口部20内に突出している。隆起部60は、隆起部60の位置での開口部20の開口スパンが、隆起部60のない位置での開口部20の開口スパンよりも小さくなるように、開口部20内の空間を占めている。隆起部60は、装置1内に挿入された喫煙品101,301と係合するように構成され、それを装置1内に固定するのを助ける。隣り合う対の隆起部60と喫煙品101,301とによって画定された開放空間(図示せず)は、喫煙品101,301の外側の周りに通気路を形成する。これらの通気路1は、喫煙品101,301から放散された高温の蒸気が装置1から流出することを可能にし、冷却空気が空隙36内の喫煙品101,301の周りの装置1内に流入することを可能にする。
【0059】
動作時、喫煙品101,301は、
図5~
図7に示すように、装置1の挿入点20に取出し可能に挿入される。特に
図6を参照すると、一例では、喫煙品101,301の遠位端115、315の近傍に配置されている喫煙材103,303からなる本体は、装置1のヒータ構成体23内に完全に収容される。喫煙品101,301の近位端113、313は装置1から突出し、使用者のためのマウスピースアセンブリとして機能する。
【0060】
動作時、喫煙材103,303からなる本体から喫煙材の少なくとも一つの成分を揮発させるために、ヒータ構成体23は消耗可能な物品101,301を加熱する。
【0061】
喫煙材103,303からなる本体からの加熱された揮発成分のための主流路は、喫煙品101,301を軸線方向に貫通し、冷却セグメント107,307の内側のチャンバを通り、フィルタセグメント109,309を通り、口側端部セグメント111,311を通って使用者に至る。一例では、喫煙材からなる本体から発せられる加熱された揮発成分の温度は60℃~250℃であり、これは使用者にとって許容可能な吸引温度よりも高いかもしれない。加熱された揮発成分が冷却セグメント107,307を移動するにつれて、その揮発成分は冷却され、いくつかの揮発成分は冷却セグメント107,307の内面上に凝縮する。
【0062】
図3及び
図4に示す喫煙品301の例では、低温の空気は、冷却セグメント307に形成された通気穴317を通って冷却セグメント307に流入することができる。この低温の空気は、加熱された揮発成分と混合し、加熱された揮発成分をさらに冷却する。
【0063】
使用時に装置1によって喫煙品317が加熱されると、通気によって喫煙品317からの可視の加熱された揮発成分の生成が促進される。加熱された揮発成分は、この加熱揮発成分の過飽和が生じるように加熱揮発成分を冷却するプロセスによって可視化される。次いで、加熱揮発成分は核形成としても知られる液滴形成をし、最終的には、加熱揮発成分のさらなる凝縮と、加熱揮発成分からの新たに形成された液滴の凝固とによって、加熱揮発成分のエアロゾル粒子のサイズが増大する。
【0064】
一実施形態では、加熱された揮発成分と低温空気との合計に対する低温空気の割合(換気率として知られている)は、少なくとも15%である。15%の換気率は、加熱された揮発成分を上記の方法によって可視化することを可能にする。加熱された揮発成分の視認性は、揮発成分が生成されたことを使用者が認識することを可能にし、喫煙経験における感覚的経験を増すものとする。
【0065】
別の例では、加熱された揮発成分をさらに冷却するために、換気率は50%~85%とする。
【0066】
様々な問題に取り組み、技術を進歩させるために、本開示の全体は、例示的な或いは例としての様々な実施形態をもって、特許請求される発明が実施されること、また喫煙材の少なくとも一つの成分を揮発させるために喫煙材を加熱するための装置と共に用いる優れた喫煙品を提供することを示している。本開示の利点及び特徴は、実施形態の代表例にすぎず、包括的及び/又は排他的なものではない。それらは、特許請求の範囲に記載された特徴及びそれ以外の開示された特徴を理解と教示を助けるためだけに提示されている。本開示における利点、実施形態、例、機能、特徴、構造及び/又は他の態様は、特許請求の範囲によって規定される本開示を限定するもの、或いは特許請求の範囲の均等物を限定するものと考えるべきではなく、本開示の範囲及び/又は精神から逸脱することなく他の実施形態を利用し、変形を施すことができることは理解されるべきである。様々な実施形態は、開示された要素、構成部品、特徴、部品、ステップ、手段等の適切な組合せを好適に備え、それらから構成され、或いは実質的にそれらから構成されてもよい。さらに、本開示は、特許請求の範囲に現在は記載されていないが将来記載される可能性のある他の発明を含む可能性がある。